JP2020138455A - 金属部材と樹脂部材との接合方法および接合装置 - Google Patents
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金属部材と樹脂部材とを、両者間に接着剤を介在させた状態で、重ね合わせ、押圧部材により圧力および熱を金属部材側から付与することにより前記樹脂部材を溶融させて金属部材と樹脂部材とを接合する熱圧式接合方法による金属部材と樹脂部材との接合方法であって、
前記樹脂部材の金属部材側表面が非溶融の状態で、前記圧力により、平面視において前記金属部材側表面の押圧部材直下領域からその外側に向けての前記接着剤の移動を促進する、金属部材と樹脂部材との接合方法に関する。
本発明の接合方法(摩擦撹拌接合方法)について図1〜図6を用いて具体的に説明する。
まず図1は、本発明の接合方法を実施するのに適した摩擦撹拌接合装置の一部の一例を模式的に示す図である。図1に示される摩擦撹拌接合装置1は、金属部材11と樹脂部材12とを摩擦撹拌接合する装置として構成されており、押圧部材としての円柱状の回転ツール16を具備している。
本発明の接合方法によれば、金属部材11と樹脂部材12との界面13において、樹脂部材12の溶融および固化により溶融固化領域60および61(図6参照;斜線領域60および網線領域61)が形成され、当該溶融固化領域60および61が金属部材11と樹脂部材12との接合に寄与する。溶融固化領域60(斜線領域)は、接合境界面13において回転ツールの直下領域で溶融していた樹脂部材表面の溶融樹脂120が当該直下領域内で固化した領域である。溶融固化領域61(網線領域)は、接合境界面13において回転ツールの直下領域で溶融していた樹脂部材表面の溶融樹脂120が当該直下領域を超えて、その外周側領域(すなわちその外側領域)まで流動し、固化した領域である。本発明においては、このような溶融固化領域60および61(特に回転ツールの直下領域の溶融固化領域60)内に存在する接着剤が低減されるように接合を行う。詳しくは、樹脂部材12の金属部材側表面121が非溶融の状態で、圧力により、平面視において金属部材側表面121の押圧部材直下領域120からその外側(例えば外周方向)に向けての接着剤の移動を促進するように接合を行う。これにより、樹脂部材と金属部材との接合強度の低下を十分に防止することができる。樹脂部材12の金属部材側表面121(特に押圧部材直下領域120)が溶融している状態で、圧力により、平面視において金属部材側表面121の押圧部材直下領域120からその外側(例えば外周方向)に向けての接着剤の移動を促進するように接合を行っても、接合強度の低下を十分に防止できない場合がある。溶融固化領域60および61(特に回転ツールの直下領域の溶融固化領域60)内の接着剤が十分に低減されないためである。
金属部材11と樹脂部材12とを重ね合わせる第1ステップ;および
回転ツール16を金属部材11に押圧して接着剤の移動を促進した後、回転ツール16の回転により摩擦熱を発生させ、この摩擦熱により樹脂部材12を軟化および溶融させて金属部材11と樹脂部材12とを接合する第2ステップ:
を含むものである。
本実施態様の第2ステップにおいては、接着剤の移動を促進する移動促進工程C0、および回転ツール16を金属部材11と樹脂部材12との接合境界面13に達しない深さまで進入させる押込み撹拌工程C2を少なくとも行うことが好ましい。
本実施態様の移動促進工程C0においては、図4に示すように、回転ツール16を金属部材11に押圧して、接着剤3の移動を促進する。接着剤の移動とは、図4に示すように、樹脂部材12の金属部材側表面121の押圧部材直下領域120からその外側に向けて(図4の矢印方向)の接着剤3の移動のことである。接着剤の移動を、樹脂部材12の金属部材側表面121の押圧部材直下領域120からの接着剤の排出と捉えると、本工程は接着剤の排出促進工程とも称することができる。本実施態様においては、接着剤3の移動促進を、樹脂部材12の金属部材側表面121(特に押圧部材直下領域120)が非溶融の状態で行う。換言すると、樹脂部材12の金属部材側表面121(特に押圧部材直下領域120)が非溶融の状態にあるときに、回転ツール16を金属部材11に押圧して、接着剤3の移動を促進する。樹脂部材12の金属部材側表面121(特に押圧部材直下領域120)が溶融状態にあるときに、回転ツール16を金属部材11に押圧して、接着剤3の移動を促進すると、接着剤3の移動が十分に促進されないため、押圧部材直下領域120に存在する接着剤の量が十分に低減されない。このため、接合強度の低下を十分に防止できない。
具体的には、樹脂部材12の金属部材側表面121(特に押圧部材直下領域120)が非溶融または非軟化の状態にあるとは、それぞれ樹脂部材12における当該表面121(特に押圧部材直下領域120)の温度が樹脂部材(特に樹脂部材を構成する熱可塑性ポリマー)の融点未満の温度または軟化点未満の温度であるという意味である。
本実施態様において予熱工程C1は行ってもよいし、または行わなくてもよい。本実施態様において予熱工程C1を行う場合、予熱工程C1は、回転ツール16(例えば先端部)を金属部材11に接触させた状態で回転ツールを回転させる。これにより、回転ツール16と金属部材11との間で摩擦熱が発生する。摩擦熱は金属部材11の内部に伝わり、金属部材11の押圧領域P(回転ツール16による押圧領域)の範囲および押圧領域Pの近傍の範囲が予熱される。その結果として、次の押込み撹拌工程C2で、回転ツール16を金属部材11に押込み易くなる。
本実施態様の押込み撹拌工程C2では、図5および図6に示すように、回転ツール16を、所定回転数で回転させつつ、所定の深さまで進入させる。
本実施態様において撹拌維持工程C3は行ってもよいし、または行わなくてもよい。本実施態様において撹拌維持工程C3を行う場合、撹拌維持工程C3では、回転ツール1を金属部材11にさらに押し込むことなく、回転ツール16を前記押込み撹拌工程C2で進入させた位置で、回転ツール16の回転動作を継続させる。これにより、多量の摩擦熱が発生し、発生した摩擦熱がより多く樹脂部材12に移動する。そのため、樹脂部材12は、押圧領域P直下の領域の範囲を超えて、広い範囲で十分に軟化および溶融し、接合強度のさらなる向上が達成される。
本実施態様において撹拌維持工程C3を行わない場合、押込み撹拌工程C2を行った後、通常、放置冷却することにより、固化が達成される。
本実施態様の第2ステップにおいては、接着剤の移動を促進する移動促進工程C0、および回転ツール16を金属部材11と樹脂部材12との接合境界面13に達しない深さまで進入させる押込み撹拌工程C2を少なくとも行うことが好ましい。
本実施態様の移動促進工程C0では、以下に示すように圧力制御方式を採用すること以外、第1実施態様の移動促進工程C0と同様である。本実施態様の移動促進工程C0では、図4に示すように、回転ツール16を金属部材11に押圧して、接着剤3の移動を促進する。本実施態様の移動促進工程C0においても、第1実施態様の移動促進工程C0と同様に、接着剤3の移動促進を、樹脂部材12の金属部材側表面121(特に押圧部材直下領域120)が非溶融の状態、好ましくは非軟化の状態で行う。樹脂部材12の金属部材側表面121(特に押圧部材直下領域120)が溶融状態にあるときに、回転ツール16を金属部材11に押圧して、接着剤3の移動を促進すると、接着剤3の移動が十分に促進されないため、押圧部材直下領域120に存在する接着剤の量が十分に低減されない。このため、接合強度の低下を十分に防止できない。図4は、図1におけるX−X断面を矢印方向で見たときの概略断面図である。
(1)第1の加圧力は第2の加圧力よりも小さい;
(2)第1の回転数は第2の回転数よりも小さい;または
(3)第1の加圧力は第2の加圧力よりも小さく、かつ第1の回転数は第2の回転数よりも小さい。
第1の加圧時間は、本実施態様の後述の予熱工程C1の第2の加圧時間と同等であってもよい。
本実施態様において予熱工程C1は行ってもよいし、または行わなくてもよい。本実施態様において予熱工程C1を行う場合、予熱工程C1は、回転ツール16(例えば先端部)を金属部材11に接触させた状態で回転ツールを回転させる。これにより、回転ツール16と金属部材11との間で摩擦熱が発生する。摩擦熱は金属部材11の内部に伝わり、金属部材11の押圧領域P(回転ツール16による押圧領域)の範囲および押圧領域Pの近傍の範囲が予熱される。その結果として、次の押込み撹拌工程C2で、回転ツール16を金属部材11に押込み易くなる。
本実施態様において押込み撹拌工程C2は、以下に示すように圧力制御方式を採用すること以外、第1実施態様の押込み撹拌工程C2と同様である。本実施態様においても、押込み撹拌工程C2では、回転ツール16と受け具17とを相互に近接させることにより、図5および図6に示すように、回転ツール16を金属部材11に押し込む。押込み撹拌工程C2を予熱工程C1に次いで行う場合には、回転ツール16と受け具17とをさらに相互に近接させることにより、図5および図6に示すように、回転ツール16を金属部材11に押し込む。これにより、回転ツール16を金属部材11と樹脂部材12との接合境界面13に達しない深さまで進入させる。このとき、金属部材11の回転ツール直下部110を、図5および図6に示すように、樹脂部材12側に突出変形させることが好ましい。これにより、回転ツールの直下領域で溶融している樹脂部材表面の溶融樹脂120について、その溶融と該直下領域から外側に向けて(図5および図6の矢印方向へ)の流動を促進させ、移動促進工程C0で外側に移動していた接着剤をさらに外側に向けて流動させ得る。その結果、押圧部材直下領域120に存在する接着剤の量が十分に低減され、接合強度の低下を十分に防止できる。
本実施態様において撹拌維持工程C3は、以下に示すように圧力制御方式を採用すること以外、第1実施態様の撹拌維持工程C3と同様である。本実施態様においても、撹拌維持工程C3では、回転ツール16と受け具17との相互近接を停止することにより、上記接合境界面13に達しない深さまで進入させた位置(これを「基準位置」という)で回転ツール16の回転動作を継続させる工程である。撹拌維持工程C3では、回転ツール16を、第2の加圧力より小さい第4の加圧力(例えば、600N未満)で、第2の加圧時間より長い第4の加圧時間(例えば、2.75〜6.75秒)だけ、所定回転数(例えば、3000rpm)で回転させる。
本実施態様において撹拌維持工程C3を行わない場合、押込み撹拌工程C2を行った後、通常、放置冷却することにより、固化が達成される。
第1の加圧力(移動促進工程)≦第4の加圧力(撹拌維持工程)<第2の加圧力(予熱工程)<第3の加圧力(押込み撹拌工程)
本発明において使用される金属部材11は、図1等において、全体形状として略平板形状を有しているが、これに限定されるものではなく、少なくとも樹脂部材12と重ね合わせる部分が略平板形状を有する限り、いかなる形状を有していてもよい。金属部材11における樹脂部材12と重ね合わせる部分は両面ともに通常、平面から構成されている。
アルミニウム;
5000系、6000系などのアルミニウム合金;
スチール;
マグネシウムおよびその合金;
チタンおよびその合金。
本発明において使用される樹脂部材12は熱可塑性ポリマーを含み、強化繊維をさらに含んでもよい。
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂およびその酸変性物;
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル系樹脂;
ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)などのポリアクリレート系樹脂;
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンエーテル(PPE)などのポリエーテル系樹脂;
ポリアセタール(POM);
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー系樹脂(ABS);
ポリフェニレンサルファイド(PPS);
PA6、PA66、PA11、PA12、PA6T、PA9T、MXD6などのポリアミド系樹脂(PA);
ポリカーボネート系樹脂(PC);
ポリウレタン系樹脂;
フッ素系ポリマー樹脂;および
液晶ポリマー(LCP)。
樹脂部材12の融点Tmは、JIS7121により測定された値を用いている。
炭素繊維を40重量%含むポリプロピレンペレット(PP−CF40−11;ダイセルポリマー社製)を用いて射出成形法により、縦100mm×横30mm×厚み3mm寸法の樹脂部材12を製造した。樹脂部材において炭素繊維の平均繊維長は3mm、平均繊維径は7μmであった。樹脂部材の融点Tmは170℃であった。樹脂部材において炭素繊維はランダムに配向していた。
金属部材としては、6000系のアルミニウム合金製の平板状部材(縦100mm×横30mm×厚さ1.2mm)を用いた。
回転ツールは、ピン部16aを有さない回転ツール、詳しくは、図2においてD1=10mm、D2=0mmおよびh=0mmの寸法を有する回転ツール16(工具鋼製)を用いた。
以下の方法により、金属部材11と樹脂部材12との接合体を製造した。
第1ステップ:
金属部材11の端部と樹脂部材12の端部とを、図1および図3に示すようにそれらの間に接着剤3を介在させた状態で、重ね合わせた。このとき、接着剤(層)3の厚みは0.3mmであった。接着剤3として、エポキシ系加熱硬化型接着剤(硬化温度:約150℃、最軟化点:50℃)を使用した。
まず、回転ツール16で金属部材11を押圧して、接着剤3の移動促進工程C0を行った。詳しくは、図4に示すように、回転ツール16で金属部材11を押圧して、樹脂部材12の金属部材側表面121の押圧部材直下領域120からその外側に向けて(図4の矢印方向へ)接着剤3の移動を促進した。金属部材側表面121は非軟化状態であった。移動促進工程C0:進入量0.1mm、進入速度30mm/秒、ツール回転数100rpm。
その後、回転ツール16を金属部材11から離間させ、放置冷却を行い、接合体を得た。
接合条件を表1に記載のように変更したこと以外、実施例A1と同様の方法により、樹脂部材と金属部材との接合を行った。
図7に示すように、金属部材11と樹脂部材12との接合体を治具100内に配置した。治具100は、該治具100を下方へ引っ張ることにより樹脂部材12の上端部に下方への力が働くように構成されたものである。治具100を固定し、かつ金属部材11を上方へ引っ張ることにより、樹脂部材12の上端部に下方への力が働き、樹脂部材12の母材強度に影響を受けることなく接合部の剪断引張強度Sを測定した。なお、接合強度(剪断引張強度)の測定は、各実施例/比較例の接合操作終了後、10分以内に行った。本実施例/比較例には加熱硬化型接着剤を使用しているが、接合中の加熱では接着剤の硬化には至らない。また、常温硬化型接着剤を使用する場合でも本試験方法により接着剤の硬化前の接合強度を測定することができる。このため、当該接合強度にとって、接着剤の介在による効果は悪影響のみに基づいている。しかしながら、いずれの実施例においても、接着剤を追加熱もしくは室温放置により十分に硬化させた後に測定した接合強度は、溶融固化領域61外に排出された接着剤による接合強度が発現することにより、硬化前の接合強度より大きな値となり、結果として接着剤が介在しない場合の接合強度よりも大きな値を示した。これらの結果より、接着剤と他の接合手法を組み合わせて使用する場合に大きな問題となる、接着剤が十分硬化しない状態における接合への接着剤の悪影響に対し、本発明が効果を発揮することが明らかである。
◎:140%以上(最良);
〇:130%以上140%未満(良好);
△:110%以上130%未満(合格);
×:110%未満(不合格)。
比較例A1で得られた接合体から金属部材を強制的に剥離させ、樹脂部材の金属部材側表面を観察したときの樹脂部材の表面写真を図8Bに示す。
図8Aおよび図8Bにおいて、中央の白変色領域(樹脂凝集破壊領域)が接合領域Aであり、樹脂溶融範囲の中で白変色が生じていない外周領域が、接着剤成分が残存し、接合強度が低い領域Bである。図8Aおよび図8Bより、本発明の接合方法により、領域Bの範囲が小さくなり、領域Aの範囲が拡大していることが確認できる。
10:ワーク
11:金属部材
12:樹脂部材
13:金属部材と樹脂部材との接合境界面
16:回転ツール
17:受け具
100:接合強度を測定するための治具
110:金属部材の回転ツール直下部
P:押圧領域(押圧予定領域)
120:樹脂部材における回転ツール直下領域の表層部
121:樹脂部材の金属部材側表面
Claims (17)
- 金属部材と樹脂部材とを、両者間に接着剤を介在させた状態で、重ね合わせ、押圧部材により圧力および熱を金属部材側から付与することにより前記樹脂部材を溶融させて金属部材と樹脂部材とを接合する熱圧式接合方法による金属部材と樹脂部材との接合方法であって、
前記樹脂部材の金属部材側表面が非溶融の状態で、前記圧力により、平面視において前記金属部材側表面の押圧部材直下領域からその外側に向けての前記接着剤の移動を促進する、金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 前記樹脂部材の金属部材側表面が非軟化の状態で、前記圧力により、前記接着剤の移動を促進する、請求項1に記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。
- 前記接着剤の移動促進のとき、該接着剤は、前記樹脂部材の融点以下であって、かつ該接着剤の軟化点以上の温度状態にある、請求項1または2に記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。
- 前記接着剤の移動を促進した後、前記圧力および前記熱により、前記樹脂部材を溶融させ、溶融した樹脂を、前記平面視において前記押圧部材直下領域からその外側に向けて、前記接着剤と共に流動させる、請求項1〜3のいずれかに記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。
- 前記熱圧式接合方法が、
金属部材と樹脂部材とを両者間に接着剤を介在させた状態で重ね合わせる第1ステップ;および
前記押圧部材として回転ツールを前記金属部材に押圧して前記接着剤の移動を促進した後、前記回転ツールの回転により摩擦熱を発生させ、該摩擦熱により樹脂部材を軟化および溶融させて金属部材と樹脂部材とを接合する第2ステップを含む摩擦撹拌接合方法である、請求項1〜4のいずれかに記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 前記第2ステップにおいて位置制御方式を採用し、
前記第2ステップが、
前記回転ツールを前記金属部材に押圧して前記接着剤の移動を促進する移動促進工程;および
前記回転ツールを回転させつつ金属部材に押し込んで、前記金属部材と前記樹脂部材との接合境界面に達しない深さまで進入させる押込み撹拌工程
を含む、請求項5に記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 前記移動促進工程では前記回転ツールを、前記金属部材の厚みをTとしたとき、0.2×T以下の進入量および4000rpm以下の回転数で、前記金属部材に押圧し、
前記押込み撹拌工程では前記回転ツールを、前記金属部材の厚みをTとしたとき、0.4×T〜0.9×Tの進入量まで、2000〜4000rpmの回転数および1〜300mm/分の進入速度で、前記金属部材に進入させる、請求項6に記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 前記第2ステップが、前記移動促進工程の後であって前記押込み撹拌工程の前に、
前記回転ツールを前記金属部材に接触させた状態で前記回転ツールを回転させる予熱工程
をさらに含み、
前記予熱工程では前記回転ツールを、移動促進工程で進入させたツール位置で、5秒以下の保持時間にて、1000rpm以上4000rpm以下の回転数で保持する、請求項7に記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 前記第2ステップがさらに、
前記回転ツールを前記押込み撹拌工程で進入させた位置で、回転ツールの回転動作を継続させる撹拌維持工程;
を含み、
前記撹拌維持工程では回転ツールを、前記押込み撹拌工程で進入させた位置で、1秒以上の保持時間にて、2000〜4000rpmの回転数で保持する、請求項6〜8のいずれかに記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 前記第2ステップにおいて圧力制御方式を採用し、
前記第2ステップが、
前記回転ツールを前記金属部材に押圧して前記接着剤の移動を促進する移動促進工程;
前記回転ツールを前記金属部材に接触させた状態で前記回転ツールを回転させる予熱工程;
前記回転ツールを金属部材に押し込んで、金属部材と樹脂部材との接合境界面に達しない深さまで進入させる押込み撹拌工程;および
前記回転ツールを前記押込み撹拌工程で進入させた位置で、回転ツールの回転動作を継続させる撹拌維持工程
を含む、請求項5に記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 前記移動促進工程では回転ツールを第1の加圧力および第1の回転数にて金属部材に押圧し、
前記予熱工程では回転ツールを第2の加圧力および第2の回転数にて金属部材に第2の加圧時間で押圧し、
前記第1の加圧力、前記第1の回転数、前記第2の加圧力および前記第2の回転数は、以下の条件(1)〜(3)のうち、いずれか1つの条件を満たし、
前記押込み撹拌工程では回転ツールを前記第2の加圧力より大きい第3の加圧力で押圧しつつ前記第2の加圧時間より短い第3の加圧時間だけ回転させ、
前記撹拌維持工程では回転ツールを、前記第2の加圧力より小さく、かつ前記第1の加圧力以上の第4の加圧力で押圧しつつ上記第2の加圧時間より長い第4の加圧時間だけ回転させる、請求項10に記載の金属部材と樹脂部材との接合方法:
(1)第1の加圧力は第2の加圧力よりも小さい;
(2)第1の回転数は第2の回転数よりも小さい;または
(3)第1の加圧力は第2の加圧力よりも小さく、かつ第1の回転数は第2の回転数よりも小さい。 - 前記移動促進工程において、第1の加圧力を500N以下の範囲で調整し、
前記予熱工程において、第2の加圧力を600N以上1300N未満の範囲で調整し、
前記押込み撹拌工程において、第3の加圧力を1300N以上2200N未満の範囲で調整し、
前記撹拌維持工程において、第4の加圧力を600N未満の範囲で調整する、請求項11に記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 前記移動促進工程において、回転ツールの回転数を4000rpm以下の範囲で調整し、
前記予熱工程、前記押込み撹拌工程および前記撹拌維持工程において、それぞれ独立して、回転ツールの回転数を2000rpm以上4000rpm以下の範囲で調整する、請求項12に記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 前記金属部材の厚みTが0.5〜4mmである、請求項1〜13のいずれかに記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。
- 前記金属部材がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
前記樹脂部材が130〜350℃の融点Tmを有する、請求項1〜14のいずれかに記載の金属部材と樹脂部材との接合方法。 - 金属部材と樹脂部材とを、両者間に接着剤を介在させた状態で、重ね合わせ、押圧部材により圧力および熱を金属部材側から付与することにより前記樹脂部材を溶融させて金属部材と樹脂部材とを接合する熱圧式接合方法による金属部材と樹脂部材との接合方法であって、
前記樹脂部材の金属部材側表面が非溶融の状態で、前記圧力により、平面視において前記金属部材側表面の押圧部材直下領域からその外側に向けての前記接着剤の移動が促進されるように押圧部材の駆動を制御する駆動制御装置を含む、金属部材と樹脂部材との接合装置。 - 請求項1〜15のいずれかに記載の金属部材と樹脂部材との接合方法を実施するための、請求項16に記載の金属部材と樹脂部材との接合装置。
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