JP2020138325A - 遮熱性能を有する積層体 - Google Patents

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眞誠 一色
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信孝 青峰
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Abstract

【課題】良好な遮熱性能を有するとともに、防眩性を有し、プライバシーにも配慮した積層体を提供する。【解決手段】第1および第2の表面を有する第1の部材と、第3および第4の表面を有する第2の部材と、第1の部材と第2の部材の間に配置された反射層と、を有する積層体において、第1の部材と第2の部材の間の屈折率の差は、0.05未満であり、当該積層体は、第1の部材の第1の表面の側に対応する第1の側と、第2の部材の第4の表面の側に対応する第2の側とを有し、当該積層体の第1の側で測定した場合、拡散成分を含む可視光反射率Rvは、40%以上であり、可視光正反射Rvtは、30%以下であり、エネルギー反射率Reは、60%以上であり、当該積層体の第1の側から第2の側に向かって透過する可視光の透過率Tvは、1%以上30%未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、遮熱性能を有する積層体に関する。
近年の省エネ意識の高まりを受け、窓ガラスおよび車両用ガラスなどの遮熱部材には、高い日射熱遮蔽性能(以下、「遮熱性能」と称する)が要求されるようになってきた。また、この要望に答えるため、遮熱部材に関して、様々な研究開発が進められ、その成果として、いくつかの構成が提案されている。
例えば、low−Eガラスと呼ばれる最近の窓ガラスでは、窓ガラスの屋外側に透明な金属反射層が設置されており、これにより太陽の熱が室内に進入することを抑制することができる。
なお、一般に、遮熱部材の遮熱性能は、日射遮蔽係数(SC値)で表すことができる。SC値とは、3mm厚のフロートガラスの日射遮蔽性能を1とした時の日射遮蔽性能であり、部材の日射熱取得率(g値:ISO9050:2003に規定)を0.88で除した値とほぼ同じであり、この値が小さいほど、遮熱性能が高いことを意味する。
特開2012−3027号公報
高い遮熱性能を実現するため、これまでに各種遮熱部材が提案されている。
しかしながら、これまでに提案された遮熱部材においても、遮熱性能の向上効果は、未だ十分であるとは言い難い。
また、これまでの遮熱部材は、遮熱性能の向上を追求するあまり、その他の特性については、あまり着目されてこなかったという経緯がある。
例えば、窓ガラスおよび車両用ガラスのような遮熱部材を外部から見たとき、しばしば、不快な眩しさを感じる場合がある。そのような眩しさは、できる限り抑制することが望ましい。その一方で、窓ガラスおよび車両用ガラスにおいて、屋内の状況が屋外から容易に視認できる構成は、プライバシーの観点から問題となり得る。(なお、従来より、プライバシー保護用の窓ガラスとして、すりガラスなど光を散乱するものが用いられている。しかしながら、この場合、屋内から屋外の景色を見ることができなくなってしまうという問題がある。)
このように、遮熱性能の向上およびプライバシー保護の観点を考慮して、遮熱部材の構成を検討した例は見られない。
例えば、特許文献1には、ヒートアイランド現象を抑制することが可能な光学体が記載されている。しかしながら、この光学体は、遮熱性能およびプライバシー保護のいずれの点においても、十分であるとは言い難い。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、良好な遮熱性能を有するとともに、防眩性を有し、プライバシーにも配慮した積層体を提供することを目的とする。
本発明では、遮熱性能を有する積層体であって、
第1および第2の表面を有する第1の部材と、
第3および第4の表面を有する第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に配置された反射層と、
を有し、
前記第1の部材と前記第2の部材の間の屈折率の差Δnは、0.05未満であり、
前記反射層は、前記第1の部材の前記第2の表面との間で、第1の凹凸界面を形成し、前記第2の部材の前記第3の表面との間で、第2の凹凸界面を形成し、
当該積層体は、前記第1の部材の前記第1の表面の側に対応する第1の側と、前記第2の部材の前記第4の表面の側に対応する第2の側とを有し、
当該積層体の前記第1の側で測定した場合、エネルギー反射率Reは、60%以上であり、拡散成分を含む可視光反射率Rvは、40%以上であり、可視光正反射率Rvtは、30%以下であり、
当該積層体の前記第1の側から前記第2の側に向かって透過する可視光の透過率Tvは、1%以上30%未満である、積層体が提供される。
本発明では、良好な遮熱性能を有するとともに、防眩性を有し、プライバシーにも配慮した積層体を提供することができる。
本発明の一実施形態による遮熱性能を有する積層体の断面を概略的に示した図である。 本発明の別の実施形態による遮熱性能を有する積層体の断面を概略的に示した図である。 本発明のさらに別の実施形態による遮熱性能を有する積層体の断面を概略的に示した図である。 本発明のさらに別の実施形態による遮熱性能を有する積層体の断面を概略的に示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(本発明の一実施形態による遮熱性能を有する積層体)
図1には、本発明の一実施形態による遮熱性能を有する積層体(以下、「第1の積層体」と称する)の断面を概略的に示す。
図1に示すように、第1の積層体100は、第1の側102および第2の側104を有する。また、第1の積層体100は、第1の部材110と、第2の部材120と、両者の間に配置された反射層130とを有する。
第1の部材110は、第1の表面112および第2の表面114を有する。第1の表面112は平坦表面であり、第2の表面114は、凹凸表面である。
第2の部材120は、第3の表面122および第4の表面124を有する。第3の表面122は凹凸表面であり、第4の表面124は、平坦表面である。
第1の部材110の第1の表面112は、第1の積層体100の第1の側102に対応し、第2の部材120の第4の表面124は、第1の積層体100の第2の側104に対応している。
反射層130は、第1の部材110の第2の表面114の凹凸形状に沿って第1の部材110の上に配置される。換言すれば、反射層130は、第2の表面114の凹凸と接触するようにして、第1の部材110の上に配置される。なお、反射層130は比較的薄いため、反射層130の第2の部材120の側には、第1の部材110の第2の表面114の凹凸形状に対応した、凹凸形状が生じる。第2の部材120は、そのような反射層130の凹凸を埋めるようにして、反射層130の上に配置される。
その結果、反射層130は、第1の部材110の第2の表面114との間で、第1の凹凸界面132を形成し、第2の部材120の第3の表面122との間で、第2の凹凸界面134を形成する。
第1の部材110と第2の部材120の間の屈折率の差Δnは、0.05未満である。屈折率の差Δnは、0.04未満であることが好ましい。
ここで、第1の積層体100において、反射層130は、第1の側102から入射される近赤外領域の光の大部分を反射するとともに、第1の側102から入射される可視光領域の光の大部分も反射するように設計されている。
より具体的には、第1の積層体100は、第1の側102で評価した場合、エネルギー反射率Reが60%以上となり、拡散成分を含む可視光反射率Rvが40%以上となるように構成される。
また、第1の積層体100は、第1の側102で評価した場合、可視光正反射率Rvtが30%以下となり、第1の側102から第2の側104に透過する可視光の透過率Tvが1%以上30%未満となるように構成されている。
なお、本願において、「可視光正反射率Rvt」は、被測定面に可視光を照射した際に生じる、正反射光の反射率を意味する。これに対して「拡散成分を含む可視光反射率Rv」とは、被測定面に可視光を照射した際に生じる、散乱光を含む全ての反射光から得られる反射率を意味する。そのような「拡散成分を含む可視光反射率Rv」は、積分球の反射測定ポートに測定サンプルを設置した分光測定法により、評価することができる。エネルギー反射率Reは拡散成分を含むエネルギー反射率を意味する。
以上のような構成により、第1の積層体100では、SC値を有意に抑制することができ、有意に高い遮熱性を発揮することが可能となる。例えば、第1の積層体100では、第1の側102から評価した場合、0.2以下のSC値を得ることができる。
また、第1の積層体100では、可視光の透過率Tvが1%以上30%未満に抑制されている。このため、第1の積層体100では、第1の側102から第2の側104に透過される可視光が有意に抑制され、前述のようなプライバシーの問題も、軽減することができる。
さらに、第1の積層体100では、第1の側102における可視光正反射率Rvtが30%以下に抑制されている。この場合、第1の積層体100に入射された可視光によって生じ得る反射光の多くが散乱されるため、第1の積層体100の防眩性を高めることができる。
なお、前述のエネルギー反射率Re、拡散成分を含む可視光反射率Rv、および可視光正反射率Rvtは、反射層130の構造、例えば、多層膜を構成する層の積層数、各層の材料(および屈折率)、および/または各層の厚さなどを適宜調整することにより、達成することができる。また、可視光正反射率Rvtは、例えば、第1の部材110の第2の表面114の凹凸の形態を調整することにより、得ることができる。
さらに、第1の積層体100では、第1の部材110と第2の部材120の間の屈折率の差Δnが0.05未満に制御されている。このため、第1の積層体100に入射される可視光の入射角と、第1の積層体100から出射される可視光の出射角の間で、角度のずれが生じ難くなる。従って、例えば、第1の積層体100の第2の側104から第1の側102に向かって周囲を視認した際に、像の鮮明性を高めることが可能となる。
このように、本発明の一実施形態では、良好な遮熱性能を有するとともに、防眩性を有し、プライバシーにも配慮した積層体を提供することができる。また、係る積層体では、透過像に対して良好な鮮明性を得ることができる。
(各部材の特徴)
次に、第1の積層体100を構成する各部材について、より詳しく説明する。なお、各部材を参照する際には、図1に示した参照符号を使用する。
(第1の部材110)
第1の部材110の材質は、「透明」である限り、特に限られない。ここで、「透明」とは、可視光透過率が、50%以上の性質を意味する。
例えば、第1の部材110は、樹脂、プラスチックまたはガラスなどで構成されても良い。また、第1の部材110は、着色されていても良い。
第1の部材110の厚さは、特に限られず、薄膜の形態の薄い厚さ(例えば、0.03mm〜0.1mm)から、基板の形態の厚い厚さ(例えば、0.5mm〜10mm)まで、各種厚さを選択することができる。
前述のように、第1の部材110の第2の表面114は、凹凸表面を有する。この凹凸の形態は、前述の特徴が発揮できる限り、特に限られない。例えば、第2の表面114は、いわゆる「アンチグレア」処理された表面であっても良い。
例えば、第1の部材110がガラス基板で構成される場合、そのようなアンチグレア処理は、ガラス基板を湿式または乾式でエッチングしたり、サンドブラスト処理したりすることにより、実施されても良い。
また、第1の部材110が樹脂で構成される場合、そのような凹凸表面は、例えば、未硬化の樹脂の表面に凹凸部材を押し付けた状態で樹脂を硬化させることにより、構成されても良い。
(第2の部材120)
第2の部材120の材質は、「透明」である限り、特に限られない。例えば、第2の部材120は、樹脂、プラスチックまたはガラスなどで構成されても良い。なお、第2の部材120は、第1の部材110とは異なる材料で構成されても良い。ただし、前述のように、第2の部材120は、該第2の部材120の屈折率と第1の部材110の屈折率との差Δnが、0.05未満となるように選定される。
第2の部材120においても、第1の部材110と同様、各種厚さを選定することができる。
(反射層130)
反射層130は、第1の積層体100として評価した際に、前述のようなエネルギー反射率Re、拡散成分を含む可視光反射率Rv、可視光正反射率Rvt、および可視光の透過率Tv等を達成することができる限り、その構成は特に限られない。
例えば、反射層130は、多層膜で構成されても良い。多層膜は、例えば、高屈折率膜(例えば、屈折率≧2)と低屈折率膜(例えば、屈折率<2)の交互積層構造を有しても良い。高屈折率膜としては、例えば、チタニアなどが挙げられる。また、低屈折率膜としては、例えば、シリカなどが挙げられる。
あるいは、反射層130は、銀の層を含み、後述するような、より複雑な多層構造を有しても良い。
反射層130の厚さ(総厚)は、例えば、1nm〜500nmの範囲であり、50nm〜300nmの範囲であることが好ましい。
反射層130は、例えば、蒸着法、スパッタ法、PVD法、またはCVD法など、一般的な成膜技術により、第1の部材110の凹凸表面(第2の表面114)に成膜することができる。
(第1の積層体100)
前述のような特徴を有する第1の積層体100は、例えば、フィルムの形態で使用されても良い。そのようなフィルムは、例えば、窓ガラスおよび車両用ガラスなどのガラス部材の表面に貼付して使用することが想定される。この場合、第1の積層体100は、第1の側102がガラス部材の「屋外」側となり、第2の側104が「屋内」側となるようにして適用される。
そのようなガラス部材では、前述の効果により、日射の屋内への進入が有意に遮蔽されるとともに、屋外から屋内を視認することが難しくなり、屋内のプライバシーを確保することが可能となる。また、ガラス部材から反射される反射光による眩しさが有意に軽減される。さらに、屋内から屋外を視認した際に、歪みのない透過像を見ることが可能となる。
(本発明の別の実施形態による遮熱性能を有する積層体)
次に、図2を参照して、本発明の別の実施形態による遮熱性能を有する積層体について説明する。
図2には、本発明の別の実施形態による遮熱性能を有する積層体(以下、「第2の積層体」と称する)の断面を概略的に示す。
図2に示すように、第2の積層体200は、第1の側202および第2の側204を有する。また、第2の積層体200は、第1の部材210と、第2の部材220と、両者の間に配置された反射層230とを有する。さらに、第2の積層体200は、第1の追加部材240を有する。
第1の部材210は、第1の表面212および第2の表面214を有する。第1の表面212は、必ずしも平坦表面である必要はないが、平坦表面であることが好ましい。これに対して、第2の表面214は、凹凸表面である。
第2の部材220は、第3の表面222および第4の表面224を有する。第3の表面222は凹凸表面であり、第4の表面224は、平坦表面である。
第1の追加部材240は、第1の部材210の第1の表面212の側に設置される。第1の追加部材240は、第5の表面242および第6の表面244を有し、第1の追加部材240は、第6の表面244が第1の部材210の第1の表面212と接するようにして配置される。
従って、第1の追加部材240の第5の表面242は、第2の積層体200の第1の側202に対応する。一方、第2の部材220の第4の表面224は、第2の積層体200の第2の側204に対応する。
前述の第1の積層体100の場合と同様、第2の積層体200において、反射層230は、第1の部材210の第2の表面214の凹凸形状に沿って第1の部材210の上に配置される。換言すれば、反射層230は、第2の表面214の凹凸と接触するようにして、第1の部材210の上に配置される。なお、反射層230は比較的薄いため、反射層230の第2の部材220の側には、第1の部材210の第2の表面214の凹凸形状に対応した、凹凸形状が生じる。第2の部材120は、そのような反射層230の凹凸を埋めるようにして、反射層230の上に配置される。
その結果、反射層230は、第1の部材210の第2の表面214との間で、第1の凹凸界面232を形成し、第2の部材220の第3の表面222との間で、第2の凹凸界面234を形成する。
第1の部材210と第2の部材220の間の屈折率の差Δnは、0.05未満である。また、第1の部材210と第1の追加部材240の間の屈折率差は、ほぼ0(ゼロ)であり、例えば0.02未満である。
第2の積層体200においても、反射層230は、第1の側202から入射される近赤外領域の光の大部分を反射するとともに、第1の側202から入射される可視光領域の光の大部分も反射するように設計されている。
より具体的には、第2の積層体200は、第1の側202で評価した場合、エネルギー反射率Reが60%以上となり、拡散成分を含む可視光反射率Rvが40%以上となるように構成される。
また、第2の積層体200は、第1の側202で評価した場合、可視光正反射率Rvtが30%以下となり、第1の側202から第2の側204に透過する可視光の透過率Tvが1%以上30%未満となるように構成されている。
従って、第2の積層体200においても、第1の積層体100と同様の効果を得ることができる。すなわち、第2の積層体200では、有意に抑制されたSC値を得ることができ、有意に高い遮熱性を発揮することができる。例えば、第2の積層体200では、第1の側202から評価した場合、0.2以下のSC値を得ることができる。
また、第2の積層体200では、第1の側202から第2の側204に透過される可視光が有意に抑制され、プライバシーの問題も軽減することができる。
また、第2の積層体200では、該第2の積層体200に入射された可視光によって生じ得る反射光の多くが散乱されるため、防眩性を高めることができる。
さらに、第2の積層体200では、第2の側204から第1の側202に向かって周囲を視認した際に、透過像に対する良好な鮮明性を得ることが可能となる。
(各部材の特徴)
次に、第2の積層体200を構成する各部材について、より詳しく説明する。ただし、各部材のうち、第2の部材220および反射層230の構成については、前述の記載が参照できる。そこで、ここでは主として、第1の部材210および第1の追加部材240の特徴について説明する。また、各部材を参照する際には、図2に示した参照符号を使用する。
(第1の部材210)
第1の部材210は、前述のように、樹脂、プラスチックまたはガラスなどの透明な材料で構成される。また、第1の部材210は、着色されていても良い。
第1の部材210の厚さは、特に限られず、薄膜の形態の薄い厚さ(例えば、0.03mm〜0.1mm)であっても良い。
前述のように、第1の部材210の第2の表面214は、凹凸表面を有する。この凹凸の形態は、前述の特徴が発揮できる限り、特に限られない。例えば、第2の表面214は、いわゆる「アンチグレア」処理された表面であっても良い。
また、第1の部材210は、後述の第1の追加部材240の上に、凹凸を有する湿式コーティング層を設置することにより、形成されても良い。
(第1の追加部材240)
第1の追加部材240の材質は、「透明」である限り、特に限られない。例えば、第1の部材110は、樹脂、プラスチックまたはガラスなどで構成されても良い。
また、第1の部材110の形態および厚さは、特に限られない。例えば、第1の部材210が薄膜状の場合、第1の部材110は、これを支持することが可能な、比較的厚い厚さを有する基板の形態であっても良い。例えば、第1の追加部材240を、平坦なガラス基板で構成し、第1の部材210を、アンチグレア処理されたフィルムで構成しても良い。
(第2の積層体200)
前述のような特徴を有する第2の積層体200は、例えば、窓ガラスおよび車両用ガラス(特に、リアガラスおよびルーフガラス。以下、同じ)などのガラス部材として、適用されても良い。
この場合、少なくとも第1の追加部材240は、ガラス基板で構成される。また、その場合、第2の積層体200は、第1の側202がガラス部材の「屋外」側となり、第2の側104が「屋内」側となるようにして使用される。
そのようなガラス部材では、前述の効果により、日射の屋内への進入が有意に遮蔽されるとともに、屋外から屋内を視認することが難しくなり、屋内のプライバシーを確保することが可能となる。
また、ガラス部材から反射される反射光による眩しさが有意に軽減されるとともに、屋内から屋外を視認した際に、歪みの少ない鮮明な透過像を見ることが可能となる。
(本発明のさらに別の実施形態による遮熱性能を有する積層体)
次に、図3を参照して、本発明のさらに別の実施形態による遮熱性能を有する積層体について説明する。
図3には、本発明のさらに別の実施形態による遮熱性能を有する積層体(以下、「第3の積層体」と称する)の断面を概略的に示す。
図3に示すように、第3の積層体300は、第1の側302および第2の側304を有する。また、第3の積層体300は、第1の部材310と、第2の部材320と、両者の間に配置された反射層330とを有する。さらに、第3の積層体300は、第2の追加部材350を有する。
第1の部材310は、第1の表面312および第2の表面314を有する。第1の表面312は、平坦表面であり、第2の表面314は、凹凸表面である。
第2の部材320は、第3の表面322および第4の表面324を有する。第3の表面322は凹凸表面である。これに対して、第4の表面324は、必ずしも平坦表面である必要はないが、平坦表面であることが好ましい。
第2の追加部材350は、第2の部材320の第4の表面324の側に設置される。第2の追加部材350は、第7の表面352および第8の表面354を有し、第2の追加部材350は、第7の表面352が第2の部材320の第4の表面324と接するようにして配置される。
従って、第2の追加部材350の第8の表面354は、第3の積層体300の第2の側304に対応する。一方、第1の部材310の第1の表面312は、第3の積層体300の第1の側302に対応する。
前述の第1の積層体100の場合と同様、第3の積層体300において、反射層330は、第1の部材310の第2の表面314の凹凸形状に沿って第1の部材310の上に配置される。換言すれば、反射層330は、第2の表面314の凹凸と接触するようにして、第1の部材310の上に配置される。なお、反射層330は比較的薄いため、反射層330の第2の部材320の側には、第1の部材310の第2の表面314の凹凸形状に対応した、凹凸形状が生じる。第2の部材320は、そのような反射層330の凹凸を埋めるようにして、反射層330の上に配置される。
その結果、反射層330は、第1の部材310の第2の表面314との間で、第1の凹凸界面332を形成し、第2の部材320の第3の表面322との間で、第2の凹凸界面334を形成する。
第1の部材310と第2の部材320の間の屈折率の差Δnは、0.05未満である。また、第2の部材320と第2の追加部材350の間の屈折率差は、ほぼ0(ゼロ)であり、例えば0.01未満である。
第3の積層体300においても、反射層330は、第1の側302から入射される近赤外領域の光の大部分を反射するとともに、第1の側302から入射される可視光領域の光の大部分も反射するように設計されている。
より具体的には、第3の積層体300は、第1の側302で評価した場合、エネルギー反射率Reが60%以上となり、拡散成分を含む可視光反射率Rvが40%以上となるように構成される。
また、第3の積層体300は、第1の側302で評価した場合、可視光正反射率Rvtが30%以下となり、第1の側302から第2の側304に透過する可視光の透過率Tvが1%以上30%未満となるように構成されている。
従って、第3の積層体300においても、第1の積層体100と同様の効果を得ることができる。すなわち、第3の積層体300では、有意に抑制されたSC値を得ることができ、有意に高い遮熱性を発揮することができる。例えば、第3の積層体300では、第1の側302から評価した場合、0.2以下のSC値を得ることができる。
また、第3の積層体300では、第1の側302から第2の側304に透過される可視光が有意に抑制され、プライバシーの問題も軽減することができる。
また、第3の積層体300では、該第3の積層体300に入射された可視光によって生じ得る反射光の多くが散乱されるため、防眩性を高めることができる。
さらに、第3の積層体300では、第2の側304から第1の側302に向かって周囲を視認した際に、透過像に対する良好な鮮明性を得ることが可能となる。
(各部材の特徴)
次に、第3の積層体300を構成する各部材について、より詳しく説明する。ただし、各部材のうち、第2の部材320、および反射層330の構成については、前述の記載が参照できる。そこで、ここでは主として、第1の部材310および第2の追加部材350の特徴について説明する。また、各部材を参照する際には、図3に示した参照符号を使用する。
(第1の部材310)
第1の部材310は、の材質は、「透明」である限り、特に限られない。例えば、第1の部材310は、樹脂、プラスチックまたはガラスなどで構成されても良い。
第1の部材310の厚さは、特に限られず、薄膜の形態の薄い厚さ(例えば、0.03mm〜0.3mm)から、基板の形態の厚い厚さ(例えば、0.3mm〜10mm)まで、各種厚さを選択することができる。
前述のように、第1の部材310の第2の表面314は、凹凸表面を有する。この凹凸の形態は、前述の特徴が発揮できる限り、特に限られない。例えば、第2の表面314は、いわゆる「アンチグレア」処理された表面であっても良い。
例えば、第1の部材310がガラス基板で構成される場合、そのようなアンチグレア処理は、ガラス基板を湿式または乾式でエッチングしたり、サンドブラスト処理したりすることにより、実施されても良い。
(第2の追加部材350)
第2の追加部材350の材質は、「透明」である限り、特に限られない。例えば、第2の追加部材350は、樹脂、プラスチックまたはガラスなどで構成されても良い。
また、第2の追加部材350の形態および厚さは、特に限られない。例えば、第2の追加部材350は、比較的厚い厚さを有する基板の形態であっても良い。例えば、第2の追加部材350は、ガラス基板で構成しても良い。
(第3の積層体300)
前述のような特徴を有する第3の積層体300は、例えば、窓ガラスおよび車両用ガラスなどのガラス部材として、適用されても良い。
例えば、第3の積層体300を車両用ガラスに適用する場合、第1の部材310および第2の追加部材350は、いずれもガラス基板で構成され、第2の部材320は、樹脂膜(いわゆる中間膜)で構成される。また、その場合、第3の積層体300は、第1の側302が車両用ガラスの車外側となり、第2の側304が車内側となるようにして使用される。
そのような車両用ガラスでは、前述の効果により、日射の車内への進入が有意に遮蔽されるとともに、車外から車内を視認することが難しくなり、車内のプライバシーを確保することが可能となる。また、ガラス部材から反射される反射光による眩しさが有意に軽減される。さらに、屋内から屋外を視認した際に、歪みのない透過像を見ることが可能となる。
(本発明のさらに別の実施形態による遮熱性能を有する積層体)
次に、図4を参照して、本発明のさらに別の実施形態による遮熱性能を有する積層体について説明する。
図4には、本発明のさらに別の実施形態による遮熱性能を有する積層体(以下、「第4の積層体」と称する)の断面を概略的に示す。
図4に示すように、第4の積層体400は、前述の第2の積層体200と、第3の積層体300とを組み合わせた構成を有する。すなわち、第4の積層体400は、第1の側402および第2の側404を有し、第1の追加部材440と、第1の部材410と、反射層430と、第2の部材420と、第2の追加部材450とを、この順に有する。
各部材については、前述の第2の積層体200および第3の積層体300に関する説明が参照できるため、ここではこれ以上説明しない。ただし、図4に示すように、第4の積層体400に含まれる各部材には、400番台の参照符号が使用されていることに留意する必要がある。
第4の積層体400においても、反射層430は、第1の側402から入射される近赤外領域の光の大部分を反射するとともに、第1の側402から入射される可視光領域の光の大部分も反射するように設計されている。
より具体的には、第4の積層体400は、第1の側402で評価した場合、エネルギー反射率Reが60%以上となり、拡散成分を含む可視光反射率Rvが40%以上となるように構成される。
また、第4の積層体400は、第1の側402で評価した場合、可視光正反射率Rvtが30%以下となり、第1の側402から第2の側404に透過する可視光の透過率Tvが1%以上30%未満となるように構成されている。
従って、第4の積層体400においても、第1の積層体100と同様の効果を得ることができる。すなわち、第4の積層体400では、有意に抑制されたSC値を得ることができ、有意に高い遮熱性を発揮することができる。例えば、第4の積層体400では、第1の側402から評価した場合、0.2以下のSC値を得ることができる。
また、第4の積層体400では、第1の側402から第2の側404に透過される可視光が有意に抑制され、プライバシーの問題も軽減することができる。
また、第4の積層体400では、該第4の積層体400に入射された可視光によって生じ得る反射光の多くが散乱されるため、防眩性を高めることができる。
さらに、第4の積層体400では、第2の側404から第1の側402に向かって周囲を視認した際に、透過像に対する良好な鮮明性を得ることが可能となる。
(第4の積層体400)
第4の積層体400を構成する各部材については、前述の記載が参照できる。そこで、ここでは主として、第4の積層体400の適用例について説明する。また、各部材を参照する際には、図4に示した参照符号を使用する。
第4の積層体400は、例えば、窓ガラスおよび車両用ガラスなどのガラス部材として、適用されても良い。
この場合、第1の追加部材440および第2の追加部材450は、ガラス基板で構成される。また、第1の部材410は、第1の追加部材440と同様の屈折率を有し、凹凸を有する樹脂フィルムで構成され、第2の部材420は、樹脂膜(いわゆる中間膜)で構成されても良い。
また、その場合、第4の積層体400は、第1の側402がガラス部材の屋外(または車外。以下同様)側となり、第2の側404が屋内(または車内。以下同様)側となるようにして使用される。
そのような車両用ガラスでは、前述の効果により、日射の車内への進入が有意に遮蔽されるとともに、車外から車内を視認することが難しくなり、車内のプライバシーを確保することが可能となる。また、ガラス部材から反射される反射光による眩しさが有意に軽減される。さらに、屋内から屋外を視認した際に、歪みのない透過像を見ることが可能となる。
(本発明の一実施形態による遮熱性能を有する積層体の製造方法)
次に、本発明の一実施形態による遮熱性能を有する積層体の製造方法について説明する。
なお、ここでは、一例として、図3に示した第3の積層体300を例に、その製造方法の一例について説明する。従って、各部材を参照する際には、図3に示した参照符号を使用する。
ただし、以下の記載が本発明のその他の実施形態による積層体にも適用可能であることは、当業者には明らかである。
第3の積層体300を製造する際には、まず、第1の部材310となる第1のガラス基板、および第2の追加部材350となる第2のガラス基板が準備される。
次に、第1のガラス基板の一方の表面に、アンチグレア処理が施工される。これにより、第2の表面314に凹凸を有する第1の部材310が作製される。
次に、第1の部材310の第2の表面314上に、反射層330が設置される。反射層は、例えば、スパッタ法などの成膜技術により形成される。
次に、反射層330の上に、第2の部材320が設置される。第2の部材320は、例えば、熱硬化性または紫外線(UV)硬化性樹脂のような樹脂で構成される。次に、第2の部材320の上に、第2のガラス基板が設置される。その後、第2の部材320が反射層330と接するようにして、第2のガラス基板が反射層330の上に設置される。
あるいは、第2のガラス基板の一方の表面に、樹脂を設置しておき、この第2のガラス基板を、反射層330の上に設置しても良い。
次に、この状態で、第2の部材320が硬化される。例えば、第2の部材320が熱硬化性樹脂で構成される場合、組立体が所定の温度に加熱され、これにより、第2の部材320が硬化される。あるいは、第2の部材320がUV硬化性樹脂で構成される場合、組立体にUV光が照射され、これにより、第2の部材320が硬化される。
第2の部材320が硬化されると、反射層330を有する第1のガラス基板と第2のガラス基板とが、第2の部材320を介して接合され、第3の積層体300が構成される。
このような方法により、第3の積層体300を製造することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の記載において、例1〜例6は実施例であり、例7は比較例である。
(例1)
以下の方法で、図3に示したような構成を有する積層体を作製した。
まず、第1の部材として、厚さ2mmのガラス基板(ソーダライムガラス)を準備した。
このガラス基板の一方の表面(第2の表面とする)をフッ酸で湿式エッチングし、第2の表面に凹凸を形成した。
次に、スパッタ法により、ガラス基板の第2の表面に、反射層を成膜した。
反射層は、酸化亜鉛膜(5nm(目標膜厚。以下同じ))/銀膜(68nm)/アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(5nm)/亜鉛ドープ酸化スズ膜(80nm)/酸化亜鉛膜(5nm)/銀膜(68nm)/アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(5nm)の7層構造とした。反射層の厚さ(総厚さ)は、236nmを目標とした。
アルミニウムドープ酸化亜鉛膜は、酸化アルミニウムと酸化亜鉛の重量比が5:95からなるターゲットよりアルゴンガスを導入して成膜した。また、亜鉛ドープ酸化スズ膜は、亜鉛とスズの重量比が50:50からなるターゲットを用いて酸素ガスを導入し、反応性スパッタにより成膜した。
これにより、ガラス基板の凹凸表面上に反射層が設置された第1の組立体が得られた。
次に、第2の追加部材として、厚さ2mmの別のガラス基板(ソーダライムガラス)を準備した。また、このガラス基板の一方の表面に、第2の部材としての樹脂層を設置した。樹脂層は、熱可塑性のポリビニルブチラールとした。
これにより、ガラス基板と樹脂層とからなる第2の組立体が得られた。
次に、第1の組立体の上に、第2の組立体を積層した。この際には、第1の組立体の反射層と、第2の組立体の樹脂層とが相互に接するようにして、両者を積層した。その後、樹脂層を硬化させ、第2の組立体と第1の組立体を相互に接合させた。
これにより、例1に係る積層体が作製された。樹脂層の厚さは、おおよそ750μmであった。なお、例1に係る積層体において、第1の部材(ガラス基板)と樹脂層の間の屈折率の差Δn=0.02である。
(例2)
例1と同様の方法により、積層体を作製した。ただし、この例2では、第1の部材の第2の表面のエッチング条件を、例1の場合とは変化させた。より具体的には、例1よりもフッ酸濃度が高い条件下で、エッチング処理を実施した。その結果、第1の部材の第2の表面には、例1に比べてより大きな凹凸が形成された。
その他の作製条件は、例1の場合と同様である。
これにより、例2に係る積層体が作製された。
(例3)
例1と同様の方法により、積層体を作製した。ただし、この例3では、反射層の構成を、例1の場合とは変化させた。すなわち、反射層は、酸化亜鉛膜(5nm)/銀膜(41nm)/アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(5nm)/亜鉛ドープ酸化スズ膜(79nm)/酸化亜鉛膜(5nm)/銀膜(23nm)/アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(5nm)の7層構造とした。反射層の厚さ(総厚さ)は、163nmを目標とした。
アルミニウムドープ酸化亜鉛膜は、酸化アルミニウムと酸化亜鉛の重量比が5:95からなるターゲットよりアルゴンガスを導入して成膜した。また、亜鉛ドープ酸化スズ膜は、亜鉛とスズの重量比が50:50からなるターゲットを用いて酸素ガスを導入し、反応性スパッタにより成膜した。
その他の作製条件は、例1の場合と同様である。
これにより、例3に係る積層体が作製された。
(例4)
例2と同様の方法により、積層体を作製した。ただし、この例4では、反射層として、前述の例3の構成を採用した。その他の作製条件は、例2の場合と同様である。
これにより、例4に係る積層体が作製された。
(例5)
例1と同様の方法により、積層体を作製した。ただし、この例5では、反射層の構成を、例1の場合とは変化させた。すなわち、反射層は、酸化亜鉛膜(7nm)/銀膜(25nm)/アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(7.5nm)/亜鉛スズ酸化膜(77nm)/酸化亜鉛膜(7nm)/銀膜(10nm)/アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(7.5nm)/亜鉛スズ酸化膜(24nm)の8層構造とした。反射層の厚さ(総厚さ)は、165nmを目標とした。
アルミニウムドープ酸化亜鉛膜は、酸化アルミニウムと酸化亜鉛の重量比が5:95からなるターゲットよりアルゴンガスを導入して成膜した。また、亜鉛ドープ酸化スズ膜は、亜鉛とスズの重量比が50:50からなるターゲットを用いて酸素ガスを導入し、反応性スパッタにより成膜した。
その他の作製条件は、例1の場合と同様である。
これにより、例5に係る積層体が作製された。
(例6)
例2と同様の方法により、積層体を作製した。ただし、この例6では、反射層として、前述の例5の構成を採用した。その他の作製条件は、例2の場合と同様である。
これにより、例6に係る積層体が作製された。
(例7)
例1と同様の方法により、積層体を作製した。ただし、この例7では、第1の部材に対してエッチング処理を実施しなかった。従って、第1の部材の第2の表面は、比較的平滑であり、この平滑な表面上に、前述の反射層が成膜された。
その他の作製条件は、例1の場合と同様である。
これにより、例7に係る積層体が作製された。
(評価)
前述の方法で作製した各積層体を用いて、以下の評価を実施した。
(光学特性および遮熱性の評価)
例1〜例7に係る積層体を用いて、可視光透過率Tv、拡散成分を含む可視光反射率Rv(1)およびRv(2)、可視光正反射率Rvt(1)およびRvt(2)、エネルギー透過率Te、エネルギー反射率Re、エネルギー吸収率Ae、ならびに日射熱取得率(g値)をそれぞれ評価した。また、得られた結果から、日射遮蔽係数(SC値)を求めた。
ここで、可視光透過率Tv、エネルギー透過率Te、エネルギー反射率Re、エネルギー吸収率Ae、ならびに日射熱取得率(g値)は、いずれも積層体の第1の部材の側から測定光を照射することにより測定された値とする。
一方、拡散成分を含む可視光反射率は、各積層体において、第1の部材の側で測定された値をRv(1)で表し、第2の部材の側で測定された値をRv(2)で表す。同様に、可視光正反射率は、各積層体において、第1の部材の側で測定された値をRvt(1)で表し、第2の部材の側で測定された値をRvt(2)で表すものとする。
測定には、分光光度計(U−4100:日立製作所製)を使用し、ISO9050:2003に準拠した方法で、各光学パラメータを評価した。
なお、可視光正反射率Rvt(1)は、測定光を、各積層体の第1の部材の側から、法線に対して5°傾斜した角度で照射し、この際に生じる正反射光を検出することにより評価した。同様に、可視光正反射率Rvt(2)は、測定光を、各積層体の第2の部材の側から、法線に対して5°傾斜した角度で照射し、この際に生じる正反射光を検出することにより評価した。
また、拡散成分を含む可視光反射率Rv(1)は、測定器に付属の直径60φの積分球を使用し、測定光を、各積層体の第1の部材の側から、法線に対して8°傾斜した角度で照射し、この際に生じる光を検出することにより評価した。同様に、拡散成分を含む可視光反射率Rv(2)は、各積層体の第2の部材の側から、法線に対して8°傾斜した角度で照射し、この際に生じる光を検出することにより評価した。
また、エネルギー反射率Reは、拡散成分を含む可視光反射率Rv(1)と同様の方法で評価した。ただし、測定光として、日射波長域の光を使用した。
SC値は、得られたg値から、

SC値=g値/0.88

により算出した。
以下の表1には、各積層体において得られた結果をまとめて示す。
Figure 2020138325

表1において、「例8」の欄には、参考のため、特開2012−3027号公報に記載の光学体から算出された、各光学パラメータを示した。
表1の結果から、例7に係る積層体では、可視光正反射率Rvt(1)およびRvt(2)が、いずれも50%を超える高い値を示すことがわかる。このような積層体では、光の反射により、観者が不快な眩しさを感じる可能性がある。
また、例8の欄に示した従来の光学体は、SC値が0.5を超えており、あまり良好な熱遮蔽機能を有しない。また、この光学体においては、可視光透過率Tvが約42%となっており、拡散成分を含む可視光反射率Rv(1)が11%となっている。このような光学体では、屋内の状況が屋外から容易に視認できると思われるため、プライバシーの観点から問題がある。
これに対して、例1〜例6に係る積層体では、いずれもSC値が0.2以下となっており、良好な熱遮蔽性能を有することがわかる。
また、例1〜例6に係る積層体では、いずれも可視光透過率Tvが30%未満で、拡散成分を含む可視光反射率Rv(1)が40%以上となっている。従って、これらの積層体では、プライバシーの保護を図ることができる。
さらに、例1〜例6に係る積層体では、いずれも可視光正反射率Rvt(1)が30%以下となっている。このため、これらの積層体では、第1の部材の側から視認した際に、眩しさを有意に低減することができる。
このように、例1〜例6に係る積層体は、良好な遮熱性能を有する上、防眩性およびプライバシー保護の観点からも良好な特性を有することが確認された。
(透過像鮮明度の評価)
次に、例1〜例6に係る積層体を用いて、透過像鮮明度を評価した。
この評価は、JIS−K7374に基づき、スガ試験機製ICM−1Tを用いて測定した。
以下の表2には、各積層体において、1mm幅の光学くしを用いた際の透過像鮮明度をまとめて示す。
Figure 2020138325

例1〜例6に係る積層体では、いずれにおいても、90を超える良好な透過像鮮明度が得られた。
100 第1の積層体
102 第1の側
104 第2の側
110 第1の部材
112 第1の表面
114 第2の表面
120 第2の部材
122 第3の表面
124 第4の表面
130 反射層
132 第1の凹凸界面
134 第2の凹凸界面
200 第2の積層体
202 第1の側
204 第2の側
210 第1の部材
212 第1の表面
214 第2の表面
220 第2の部材
222 第3の表面
224 第4の表面
230 反射層
232 第1の凹凸界面
234 第2の凹凸界面
240 第1の追加部材
242 第5の表面
244 第6の表面
300 第3の積層体
302 第1の側
304 第2の側
310 第1の部材
312 第1の表面
314 第2の表面
320 第2の部材
322 第3の表面
324 第4の表面
330 反射層
332 第1の凹凸界面
334 第2の凹凸界面
350 第2の追加部材
352 第7の表面
354 第8の表面
400 第4の積層体
402 第1の側
404 第2の側
410 第1の部材
412 第1の表面
414 第2の表面
420 第2の部材
422 第3の表面
424 第4の表面
430 反射層
432 第1の界面
434 第2の界面
440 第1の追加部材
442 第5の表面
444 第6の表面
450 第2の追加部材
452 第7の表面
454 第8の表面

Claims (9)

  1. 遮熱性能を有する積層体であって、
    第1および第2の表面を有する第1の部材と、
    第3および第4の表面を有する第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材の間に配置された反射層と、
    を有し、
    前記第1の部材と前記第2の部材の間の屈折率の差Δnは、0.05未満であり、
    前記反射層は、前記第1の部材の前記第2の表面との間で、第1の凹凸界面を形成し、前記第2の部材の前記第3の表面との間で、第2の凹凸界面を形成し、
    当該積層体は、前記第1の部材の前記第1の表面の側に対応する第1の側と、前記第2の部材の前記第4の表面の側に対応する第2の側とを有し、
    当該積層体の前記第1の側で測定した場合、エネルギー反射率Reは、60%以上であり、拡散成分を含む可視光反射率Rvは、40%以上であり、可視光正反射率Rvtは、30%以下であり、
    当該積層体の前記第1の側から前記第2の側に向かって透過する可視光の透過率Tvは、1%以上30%未満である、積層体。
  2. 当該積層体は、SC値が0.25以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記反射層は、100nm〜300nmの範囲の厚さを有する、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記反射層は、多層膜で構成される、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の積層体。
  5. 前記第1の部材は、ガラス基板である、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の積層体。
  6. さらに、前記第1の部材の前記第1の表面の側に、第1の追加部材を有し、
    前記第1の部材は樹脂で構成され、前記第1の追加部材はガラス基板で構成される、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の積層体。
  7. 前記第2の部材は、樹脂で構成される、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の積層体。
  8. さらに、前記第2の部材の前記第4の表面の側に、第2の追加部材を有し、
    前記第2の追加部材はガラス基板で構成される、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の積層体。
  9. 当該積層体は、窓ガラスまたは車両用ガラスである、請求項8に記載の積層体。
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