JP2020138225A - レーザー加工方法 - Google Patents

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Keiji Nomaru
圭司 能丸
雄二 波多野
Yuji Hatano
雄二 波多野
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Abstract

【課題】吸収性波長のレーザー光線でウエーハを切断する際、デバイスチップの品質を低下させることのないレーザー加工方法の提供。【解決手段】板状物10を保持する保持手段と、板状物に対して吸収性波長のレーザー光線LBを集光してアブレーション加工するレーザー光線照射手段40と、保持手段とレーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする加工送り手段と、から構成されたレーザー加工装置を用いたレーザー加工方法であって、レーザー光線が上面10aから照射される板状物の下面10bに蝋材(P1、P2)を塗布すると共に、下面をサブストレートTで支持する蝋材塗布工程と、板状物のサブストレート側を保持手段に保持する保持工程と、板状物のレーザー加工工程と、から少なくとも構成され、該レーザー加工工程において、レーザー光線の集光点が下面に至り蝋材の溶融によってデバイスチップの裏面角部が冷却されるレーザー加工方法。【選択図】図6

Description

本発明は、板状物に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を集光器で集光してアブレーション加工を施すレーザー加工装置を用いたレーザー加工方法に関する。
IC、LSI等のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、レーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割され携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される(例えば特許文献1を参照)。
特開平10−305420号公報
上記特許文献1に記載された技術によれば、ウエーハに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射してウエーハを完全切断するレーザー加工溝を形成して個々のデバイスチップに分割することができる。しかし、レーザー光線を照射して該レーザー加工溝を形成する際に、裏面側の角部に沿って複数のチッピング(欠け)が生じて、デバイスチップの品質を低下させるという問題がある。
また、レーザー加工を施す際にウエーハの裏面を支持するダイシングテープの粘着層がデバイスチップの裏面角部に付着したまま残留し、デバイスチップの品質を低下させるという問題がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、ウエーハに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射してウエーハを完全切断するレーザー加工を実施する際に、デバイスチップの品質を低下させることのないレーザー加工方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、板状物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された板状物に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を集光器で集光してアブレーション加工を施すレーザー光線照射手段と、該保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする加工送り手段と、から少なくとも構成されたレーザー加工装置を用いたレーザー加工方法であって、レーザー光線が上面から照射される板状物の下面に蝋材を塗布すると共に、該下面をサブストレートで支持する蝋材塗布工程と、該板状物のサブストレートにより支持された側を保持手段に保持する保持工程と、レーザー加工すべき領域に該集光器を位置付けてレーザー光線を照射し該板状物の上面から下面に向けてアブレーション加工を施すレーザー加工工程と、から少なくとも構成され、該レーザー加工工程において、レーザー光線の集光点が下面に至り蝋材の溶融によってデバイスチップの裏面角部が冷却されるレーザー加工方法が提供される。
該レーザー加工工程の前に、板状物の上面に蝋材を塗布して保護膜を生成することが好ましい。該蝋材は、パラフィンを採用することができる。該サブストレートは、ダイシングテープを採用することができる。該蝋材は、再生され使用されることが好ましい。
本発明のレーザー加工方法は、レーザー加工装置を用いたレーザー加工方法であって、レーザー光線が上面から照射される板状物の下面に蝋材を塗布すると共に、該下面をサブストレートで支持する蝋材塗布工程と、該板状物のサブストレートにより支持された側を保持手段に保持する保持工程と、レーザー加工すべき領域に該集光器を位置付けてレーザー光線を照射し該板状物の上面から下面に向けてアブレーション加工を施すレーザー加工工程と、から少なくとも構成され、該レーザー加工工程において、レーザー光線の集光点が下面に至り蝋材の溶融によってデバイスチップの裏面角部が冷却されることから、レーザー加工溝に沿って形成される下面側の角部の熱が、流動する蝋材によって吸収され、速やかに冷却される。この結果、蝋材によるデバイスチップの保持力と相まって、レーザー加工溝の下面側の角部に沿って複数のチッピング(欠け)が発生することが防止され、分割後のデバイスチップの品質を低下させるという問題が解消される。
ダイシングテープ上に蝋材を塗布する態様を示す斜視図である。 ダイシングテープ上にウエーハを載置する態様を示す斜視図である。 (a)ウエーハを上方から加熱押圧して、蝋材を介してダイシングテープにより支持する状態とする態様を示す斜視図、(b)(a)に示すウエーハの一部拡大断面図である。 (a)ウエーハの上面に蝋材を塗布する態様を示す斜視図、(b)(a)に示すウエーハの一部拡大断面図である。 レーザー加工装置の全体斜視図である。 (a)図5に示すレーザー加工装置によりアブレーション加工を施すレーザー加工工程の実施態様を示す斜視図、(b)アブレーション加工時の様子を示すウエーハの一部拡大断面図である。
以下、本発明に基づき構成されたレーザー加工方法の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態のレーザー加工方法を実施するに際し、レーザー光線が上面から照射される被加工物の下面に蝋材を塗布すると共に、該下面をサブストレートで支持する蝋材塗布工程を実施する。該蝋材塗布工程について、図1乃至図3を参照しながら、より具体的に説明する。
蝋材塗布工程を実施するには、まず、被加工物を支持するサブストレートを用意する。該サブストレートとしては、図1に示すようなポリ塩化ビニル(PVC)からなるダイシングテープTを採用できる。本実施形態のダイシングテープTは、その外周が環状のフレームFで支持されている。
ダイシングテープTを用意したならば、上面が平坦に形成された図示しない保持テーブル上に載置して、ダイシングテープTの中央領域を、図に示す蝋材供給ノズル100(一部のみ示す)の直下に位置付ける。蝋材供給ノズル100は、図示しない蝋材供給手段に接続されており、溶融状態の蝋材、例えばパラフィンを供給可能に構成されている。蝋材供給ノズル100の直下に、ダイシングテープTを位置付けたならば、蝋材供給ノズル100から、50℃〜70℃に加熱されて溶融状態にされたパラフィンP1を、ダイシングテープT上に滴下する。
蝋材供給ノズル100からダイシングテープT上にパラフィンP1を滴下したならば、図2に示すように、被加工物としてのウエーハ10をダイシングテープT上に位置付ける。ウエーハ10は、例えば、シリコン(Si)からなる厚さ300μmの基板上に、複数のデバイス12が分割予定ライン14によって区画されて形成されている。ウエーハ10のレーザー光線が照射される上面10aとは反対側の下面10b側を下方に向けて、パラフィンP1が滴下されたダイシングテープTの中央領域に載置する。
ダイシングテープT上にパラフィンP1を介してウエーハ10を載置したならば、図3(a)に示すように、加熱押圧手段110をウエーハ10上に位置付ける。加熱押圧手段110は、下面が平坦に形成され、ウエーハ10の直径よりもやや大きい寸法で形成された押圧部材120を備えており、押圧部材120の下面を加熱するための電気ヒータ(図示は省略)を内蔵している。加熱押圧手段110をウエーハ10上に位置付けたならば、該電気ヒータを作動して押圧部材120の下面を昇温し、徐々に下降させて、ウエーハ10の上面10aを押圧する。押圧部材120によってウエーハ10を押圧する際の押圧部材120の下面の温度は、ウエーハ10とダイシングテープT間に介在されたパラフィンP1が50℃〜70℃程度に加熱されて溶融状態になるように設定される。この結果、図3(b)に一部拡大断面図として示すように、ウエーハ10の下面10bにパラフィンP1が塗布されると共に、下面10bがダイシングテープTで支持された状態となり、蝋材塗布工程が完了する。なお、ダイシングテープT上に蝋材供給ノズル100からパラフィンP1を滴下する際の滴下量は、蝋材塗布工程が完了した状態で、ウエーハ10の下面10bとダイシングテープT間に、10μm〜20μmの厚みのパラフィンP1の層が形成される程度の量で設定される。
蝋材塗布工程を実施する際の具体的な形態は、上記した実施形態に限定されない。例えば、ダイシングテープT上にパラフィンP1を滴下するのではなく、ウエーハ10の下面10bを上方に向けて保持テーブルに載置し、ウエーハ10の下面10bにパラフィンP1を滴下して、その上からダイシングテープTを被せて、ダイシングテープTを上方から押圧部材120によって押圧することによりウエーハ10の下面10bがダイシングテープTで支持された状態にすることもできる。
上記した蝋材塗布工程を実施した後、ウエーハ10の上面10aからレーザー光線を照射してアブレーション加工を実施するが、レーザー加工工程を実施する前に、ウエーハ10の上面10aにも蝋材を塗布して保護膜を形成する保護膜形成工程を実施することが好ましい。より具体的には、図4(a)に示すように、蝋材塗布工程が実施されたウエーハ10の上面10aの中央上方に、蝋材供給ノズル100を位置付けて、上方から溶融状態に加熱されたパラフィンP2を所定量だけ滴下する。パラフィンP2をウエーハ10の上面10a上に滴下したならば、ウエーハ10を保持する図示しない保持テーブルを矢印Rで示す方向に所定の速度(例えば100rpm〜300rpm)で回転させる。蝋材塗布工程を実施した直後であれば、ウエーハ10の上面10aはパラフィンP2が溶融状態を維持できる程度の温度に加熱されていることから、格別の加熱手段を講じることなく、ウエーハ10の上面10a上の全域に溶融状態のパラフィンP2を塗布することができ、図4(b)に示すように、ウエーハ10の上面10aを覆うパラフィンP2の保護膜が形成される。この際に形成される保護膜は10μm〜20μmの厚みで形成されることが好ましい。なお、パラフィンP2を滴下した後、上面10aの全面にパラフィンP2を広げる途中でパラフィンP2が温度低下により硬化してしまう場合は、上方から温風を供給する手段を配設して溶融状態が維持できるように構成してもよい。
上記した蝋材塗布工程、及び保護膜形成工程を実施したならば、レーザー加工工程を実施すべく、ダイシングテープTを介してフレームFに保持されたウエーハ10を、図5に示すレーザー加工装置1に搬送する。図5に示すレーザー加工装置1の概要について、図5を参照しながら説明する。
レーザー加工装置1は、ダイシングテープTを介してフレームFに支持されたウエーハ10を保持する保持手段20と、保持手段20を移動させる移動手段30と、保持手段20に保持されたウエーハ10にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段40と、アライメント手段50と、を備えている。
保持手段20は、図中に矢印Xで示すX軸方向において移動自在に基台2に載置される矩形状のX軸方向可動板21と、図中に矢印Yで示すY軸方向において移動自在にX軸方向可動板21に載置される矩形状のY軸方向可動板22と、Y軸方向可動板22の上面に固定された円筒状の支柱23と、支柱23の上端に固定された矩形状のカバー板26とを含む。カバー板26には、カバー板26上に形成された長穴を通って上方に延びる円形状のチャックテーブル24が配設されている。チャックテーブル24はウエーハ10を保持し、図示しない回転駆動手段により回転可能に構成されている。チャックテーブル24の上面には、多孔質材料から形成され実質上水平に延在する円形状の吸着チャック24aが配置されている。吸着チャック24aは、支柱23の内部を通る流路によって図示しない吸引手段に接続されている。チャックテーブル24には、タイシングテープTを介してウエーハ10を支持する環状のフレームFを固定するためのクランプ25も配設される。なお、X軸方向、Y軸方向で規定される平面は実質上水平である。
移動手段30は、基台2上に配設され、保持手段20をX軸方向に加工送りする加工送り手段31と、保持手段20をY軸方向に割り出し送りする割り出し送り手段32と、を備えている。加工送り手段31は、パルスモータ33の回転運動を、ボールねじ34を介して直線運動に変換してX軸方向可動板21に伝達し、基台2上の案内レール2a、2aに沿ってX軸方向可動板21をX軸方向において進退させる。割り出し送り手段32は、パルスモータ35の回転運動を、ボールねじ36を介して直線運動に変換してY軸方向可動板22に伝達し、X軸方向可動板21上の案内レール21a、21aに沿ってY軸方向可動板22をY軸方向において進退させる。なお、図示は省略するが、加工送り手段31、割り出し送り手段32、及びチャックテーブル24には、位置検出手段が配設されており、チャックテーブル24のX軸方向の位置、Y軸方向の位置、周方向の回転位置が正確に検出され、図示しない制御手段に伝達され、該制御手段から指示される指示信号に基づいて、加工送り手段31、割り出し送り手段32、及び図示しないチャックテーブル24の回転駆動手段が駆動され、任意の座標位置、及び回転角度にチャックテーブル24を位置付けることが可能である。
移動手段30の側方には、枠体4が立設される。枠体4は、基台2上に配設される垂直壁部4a、及び垂直壁部4aの上端部から水平方向に延びる水平壁部4bと、を備えている。枠体4の水平壁部4bの内部には、レーザー光線照射手段40の光学系(図示は省略する。)が内蔵されている。水平壁部4bの先端部下面には、レーザー光線照射手段40の一部を構成する集光器42が配設され、集光器42の内部には、図示しない集光レンズ等が内蔵されている。レーザー光線照射手段40には、レーザー発振器(図示は省略する。)が配設され、該レーザー発振器から発振されたレーザー光線は、集光器42の該集光レンズによって集光され、保持手段20に保持されるウエーハ10の所定の位置に照射される。
アライメント手段50は、水平壁部4bの先端部下面において、集光器42のX軸方向で隣接する位置に配設される。アライメント手段50は、可視光線を照射する照明手段と、可視光線により撮像する撮像素子(CCD)と、を備え(いずれも図示は省略する。)、必要に応じて、被加工物に赤外線を照射する赤外線照射手段と、赤外線照射手段により照射された赤外線を捕える赤外線撮像素子を備えることもできる。
本実施形態のレーザー加工装置1は、概ね上記したとおりの構成を備えており、このレーザー加工装置1を用いてアブレーション加工を施すレーザー加工工程について以下に説明する。
図5に示すレーザー加工装置1にウエーハ10を搬送したならば、保持手段20のチャックテーブル24上に、ウエーハ10をパラフィンP1が塗付されダイシングテープTによって支持された下面10bを下方に向けて載置し、図示しない吸引手段を作動することにより、ウエーハ10をチャックテーブル24に吸引保持する。また、ウエーハ10を支持するフレームFは、チャックテーブル24に配設されたクランプ25により固定される。
ウエーハ10をチャックテーブル24に吸引保持したならば、加工送り手段31を作動し、ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル24をアライメント手段50の直下に位置付ける。次いで、アライメント手段50によってウエーハ10の上面10aを撮像し、所定方向に形成された分割予定ライン14及び該所定方向と直交する方向に形成されている分割予定ライン14と、レーザー光線照射手段40の集光器42との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理が遂行される(アライメント工程)。
上記のようにアライメント工程を実施したならば、チャックテーブル24を、レーザー光線照射手段40の集光器42が位置するレーザー光線照射領域に移動し、加工開始位置となる分割予定ライン14の一端を集光器42の直下に位置付ける。そして、図6(a)に示すように、集光器42から照射されるパルスレーザー光線LBの集光点をウエーハ10の分割予定ライン14に位置付け、レーザー光線照射手段40の集光器42からウエーハ10に対して吸収性を有する波長のパルスレーザー光線LBを照射しつつ、チャックテーブル24を矢印Xで示す方向に所定の加工送り速度で移動させることにより、パルスレーザー光線LBの照射位置をウエーハ10の分割予定ライン14に沿って移動させて、分割予定ライン14に沿ってレーザー加工溝14aを形成するアブレーション加工を施す。パルスレーザー光線LBの照射位置がウエーハ10の端部に達したら、パルスレーザー光線LBの照射を停止すると共にチャックテーブル24の移動を一旦停止し、Y軸方向に割り出し送りして、隣接する分割予定ライン14に対しても同様のアブレーション加工を実施する。これを繰り返すことで、所定方向に形成された全ての分割予定ライン14に対して該アブレーション加工を実施したならば、チャックテーブルを90°回転させて、該所定方向に直交する方向に形成された分割予定ライン14をX軸方向に沿うように位置付けて、同様のアブレーション加工を実施し、ウエーハ10上に形成された全ての分割予定ライン14に対してレーザー加工溝14aを形成し、ウエーハ10上に形成されたデバイス12を個々のデバイスチップに分割する。以上により、レーザー加工工程が完了する。
なお、上記したアブレーション加工を実施する際のレーザー加工条件は、例えば以下のように設定される。
波長 :532nm
繰り返し周波数 :20MHz
平均出力 :6W
パルス幅 :10ps
加工送り速度 :20mm/秒
図6(b)に、上記したアブレーション加工を施す際のウエーハ10の内部の様子を説明するための一部拡大断面図を示す。図6(b)に示すように、分割予定ライン14の上面10aから下面10bに向けて貫通するレーザー加工溝14aが形成された際、下面10b側において該レーザー加工溝14aに対向する領域のパラフィンP1は、局所的に溶融温度(50℃〜70℃)以上に加熱され、溶融状態で流動するパラフィンP1’となる。これにより、レーザー加工溝14aに沿って形成される下面10b側の角部の熱が流動するパラフィンP1’によって吸収され、速やかに冷却される。この結果、パラフィンによるデバイスチップの保持力と相まって、レーザー加工溝14aの下面10b側の角部に沿って複数のチッピング(欠け)が発生することが防止され、分割後のデバイスチップの品質を低下させるという問題が解消される。
さらに、上記した実施形態では、上面10a側にもパラフィンP2が塗付されている。ここで、ウエーハ10の上面10bから分割予定ライン14に沿ってパルスレーザー光線LBを照射すると、パルスレーザー光線LBが照射された照射位置でデブリDが発生する。この際、上面10aの該照射位置では、パラフィンP2が局所的に高温になり溶融し、溶融したパラフィンP2’内の温度分布に応じて流動する。この流動によって、上記したアブレーション加工によって生じたデブリDが、レーザー加工溝14a内に回り込み流動するパラフィンP2’内に取込まれ、レーザー加工溝14a内の壁面に付着することが防止される。これにより、デブリDが、分割後のデバイスチップの側面に付着して残留し、品質を低下させるという問題も解消される。
上記したように、レーザー加工工程を実施し、ウエーハ10を個々のデバイスチップに分割したならば、ウエーハ10の上面10a側、下面10b側に塗布されたパラフィンP1、P2を除去する。除去するための手順は特に限定されないが、パラフィンの溶融温度は上記したように50℃〜70℃であることから、ウエーハ10を適宜該溶融温度以上に加熱することにより、容易に除去することが可能である。より具体的には、ウエーハ10の上面10a側に塗布されたパラフィンP2を除去する場合は、図示しない温風供給手段から、所定温度(例えば、150℃〜250℃)の温風を、ウエーハ10の上面10a上に向けて吹付け、上面10a側をパラフィンP2の溶融温度を大きく超える高い温度まで上昇させる。これと同期して、該保持テーブルを所定の速度で高速回転(例えば3000rpm〜4000rpm)させ、溶融したパラフィンP2をウエーハ10の上面10a側から外方向に吹き飛ばして、ウエーハ20の上面10aからパラフィンP2を除去する。
また、下面10b側からパラフィンP1を除去する場合は、パラフィンP2が除去された上面10a側を所定の図示しない保持テーブルで保持し、下面10b側を支持するダイシングテープT側に向けて、上記した温風供給手段から温風を吹き付けて加熱し、パラフィンP1を溶融状態にして、ダイシングテープTを剥離する。さらに、ダイシングテープTを剥離した後、下面10b側に直接該温風を吹き付けて加熱し、該保持テーブルを所定の速度で高速回転させて溶融したパラフィンP1をウエーハ10の下面10b側から外方向に吹き飛ばして、ウエーハ10の下面10bからパラフィンP2を除去する。以上により、ウエーハ10の上面10a、及び下面10bから蝋材として塗布されていたパラフィンを除去することができる(除去工程)。なお、ウエーハ10の下面10b、及び上面10aから除去されたパラフィンP1、P2は、ウエーハ10から除去された後に回収し、濾過して再生し、新たなウエーハ10に塗布する際に使用することが好ましい。
上記したように、本実施形態では、ウエーハ10の下面10b側をダイシングテープTによって直接支持せず、蝋材(パラフィン)を間に介在させている。これにより、レーザー加工工程を実施した後、ウエーハ10の下面10b側からダイシングテープTを除去したとしても、ウエーハ10を支持したダイシングテープTの粘着層がデバイスチップの下面10b側の角部に付着してデバイスチップの品質を低下させる等の問題が発生するという問題が解消する。
本発明によれば、上記した実施形態に限定されず、種々の変形例が提供される。例えば、上記した実施形態では、サブストレートとして、ダイシングテープを採用したが、本発明はこれに限定されず、ガラス板、金属板等のサブストレートを使用するものであってもよい。また、上記した実施形態では、ウエーハ10の上面10a、及び下面10b側に塗布する蝋材としてパラフィンを採用したが、本発明はこれに限定されず、石油系ワックス、合成ワックス、鉱物系ワックス等、アブレーション加工を施す際に照射されるレーザー光線によって昇温され溶融する蝋材であれば、いずれの蝋材を採用してもよい。
さらに、上記した実施形態では、ウエーハ10のデバイス12が形成された表面側を、レーザー光線を照射する上面10aとし、デバイス12が形成された表面の反対側、すなわち裏面側を下面10bとして、該裏面側に蝋材(パラフィンP1)を塗布すると共に、サブストレート(ダイシングテープT)で支持するようにしたが、本発明はこれに限定されず、ウエーハ10の該裏面側を上面としてその裏面側からレーザー光線を照射してアブレーション加工を実施することとし、デバイス12が形成された表面側を下面として蝋材を塗布してサブストレートで支持して、裏面側からパルスレーザー光線を照射してアブレーション加工を施すものであってもよい。
1:レーザー加工装置
2:基台
10:ウエーハ
10a:上面
10b:下面
12:デバイス
14:分割予定ライン
20:保持手段
24:チャックテーブル
30:移動手段
31:加工送り手段
32:割り出し送り手段
40:レーザー光線照射手段
42:集光器
50:アライメント手段
100:蝋材供給ノズル
110:加熱押圧手段
120:押圧部材
P1、P2:パラフィン(蝋材)

Claims (5)

  1. 板状物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された板状物に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を集光器で集光してアブレーション加工を施すレーザー光線照射手段と、該保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする加工送り手段と、から少なくとも構成されたレーザー加工装置を用いたレーザー加工方法であって、
    レーザー光線が上面から照射される板状物の下面に蝋材を塗布すると共に、該下面をサブストレートで支持する蝋材塗布工程と、
    該板状物のサブストレートにより支持された側を保持手段に保持する保持工程と、
    レーザー加工すべき領域に該集光器を位置付けてレーザー光線を照射し該板状物の上面から下面に向けてアブレーション加工を施すレーザー加工工程と、
    から少なくとも構成され、
    該レーザー加工工程において、レーザー光線の集光点が下面に至り蝋材の溶融によってデバイスチップの裏面角部が冷却されるレーザー加工方法。
  2. 該レーザー加工工程の前に、板状物の上面に蝋材を塗布して保護膜を生成する請求項1に記載のレーザー加工方法。
  3. 該蝋材は、パラフィンである請求項1、又は2に記載のレーザー加工方法。
  4. 該サブストレートは、ダイシングテープである請求項1乃至3のいずれかに記載のレーザー加工方法。
  5. 該蝋材は、再生され使用される請求項1乃至4のいずれかに記載されたレーザー加工方法。
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