本発明が適用された遊技機であるスロットマシンの実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。尚、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」という場合があり、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合があり、「リプレイa」、「リプレイb」をまとめて単に「リプレイ」と言う場合がある。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56、演出用スイッチ401が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13、が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(図4参照)が設けられており、演出用スイッチ401の内部には、演出用スイッチ401の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED402(図4参照)が設けられている。
また、前面扉1bにおける液晶表示器51の表示領域51aの手前側(遊技者側)の上部位置には、上下方向に進退移動可能な第1役物302が設けられており、当該第1役物302の前面には、演出態様に応じて点灯される演出用LED303L、303C、303Rが設けられている。さらに、第1役物302の手前側(遊技者側)には、透明な上部パネル300が表示領域51aの全面にわたって設けられており、当該上部パネル300と表示領域51aとの間の空間に第1役物302が配置されるとともに、当該上部パネル300を介して、第1役物302、表示領域51a、透視窓3に対応する透過領域51b及びリール2L、2C、2Rを遊技者側から視認できるようになっている。また、第1役物302は、上部パネル300と表示領域51aとの間の空間に配置されることで、遊技者等が触れることができないようになっている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルなどが印刷された下部パネル200が設けられており、当該下部パネル200の略中央には、前後方向に進退移動可であり、遊技者が触れて操作可能な演出用スイッチ401を備えた第2役物400が設けられている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(例えば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)、第1役物302の可動部302Cを駆動させる駆動部302L、302R、第2役物400の移動部410を駆動させる駆動機構(図示略)が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施例では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(例えば、「ベル−スイカ−チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(例えば、「スイカ−スイカ−スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90には、前述した演出用スイッチ56、401、第1役物302を構成する後述の位置センサ305a、305b、第2役物400を構成する後述の役物センサ403a、403bが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、第1役物302を構成する演出用LED303L、303C、303R、演出用モータ304L、304R、第2役物400を構成する演出用LED402、演出用モータ404等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用LED303L、303C、303R、演出用モータ304L、304R、演出用LED402、演出用モータ404等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、第1役物302を動作させるための演出用モータ304L、304R及び第2役物400を動作させるための演出用モータ404に対してサブ制御部91から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)を伝送するモータ駆動回路99と、その他の回路等、が搭載されている。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
モータ駆動回路99は、演出態様に応じてサブCPU91aにより生成された制御信号に基づいて、各々の演出用モータ304L、304R、404に対してモータ駆動信号を出力するようになっており、演出態様に応じて選択された制御信号パターンをサブCPU91aが出力することで、演出態様に応じて第1役物302及び第2役物400の動作がサブ制御部91により制御されることとなる。演出用モータ304L、304R、404のモータ駆動信号は、リールモータ32L、32C、32Rのモータ駆動信号の様に、ステッピングモータの位相信号である。モータ駆動信号により演出用モータ304L、304R、404の各励磁相が励磁されることで、演出用モータ304L、304R、404が回転するようになっており、演出用モータ304L、304R、404は、モータ駆動信号のステップレートが短いほど弱いトルクかつ高速で回転され、モータ駆動信号のステップレートが長いほど強いトルクかつ低速で回転されることとなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
尚、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としてもよく、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としてもよく、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がon状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としてもよく、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としてもよく、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、前述した設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含み、RAM異常エラー状態は、特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
本実施例におけるメイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。その後、後述のHWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理を開始する。
そして、メイン制御部41は、初期設定処理において、起動時に設定キースイッチ37がONの状態であれると判定された場合に、設定変更処理に移行し、設定変更処理の開始時にRAM41cの初期化を行う。この際、RAM41cのデータが正常であれば、重要ワーク及び特別ワークを保持してそれ以外の領域を初期化することで、設定変更後も変更前の制御状態(設定値や遊技状態等)の一部を保持することができる一方で、RAM41cのデータが正常でない場合には、重要ワーク及び特別ワークを含む使用可能領域の全ての領域を初期化することで、RAM41cのデータに異常を確実に解消することができるようになっている。
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAM41cの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAM41cの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAM41cの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAM41cの初期化と、遊技単位毎のRAM41cの初期化と、を共通の処理にて行うことが可能となる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としてもよい。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が遊技者にとって有利なRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態が遊技者にとって有利なBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、後述するARTの開始を示すART信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、ART信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール加速情報1コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。内部当選コマンドは、第1の内部当選コマンドと、第2の内部当選コマンドと、を含み、内部抽選において後述のナビ報知の対象となる報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される。
遊技状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
フリーズコマンドは、当該ゲームにおいて遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態に制御されるか否か、フリーズ状態に制御される場合にはその種類を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信後に送信される。
リール加速情報1コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。尚、フリーズ状態の終了に伴ってリールの回転を開始するときにも送信されるため、フリーズコマンドによりフリーズ状態の開始が特定された後、リール加速情報1コマンドを受信することで遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨だけではなく、フリーズ状態の終了も特定可能となる。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用LED303L、303C、303R、402、演出用モータ304L、304R、404等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様、演出用LED303L、303C、303R、402の点灯態様、演出用モータ304L、304R、404の駆動パターン等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
メイン制御部41は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な操作態様(停止順、停止タイミング等)等を識別可能に報知するナビ報知を実行可能である。また、サブ制御部91は、ナビ報知が実行される場合に、ナビ報知により報知される操作態様を液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知するナビ演出を実行可能である。
また、ナビ演出は、スタートスイッチ7が操作され、ゲームが開始したときから第3停止操作が行われるまでの期間にわたり実行されるが、操作態様に応じて第1停止操作がされること、第2停止操作がされることで終了する構成でもよい。
次に、図5、図6に基づいて、第1役物302について説明する。図5に示すように、第1役物302は、液晶表示器51の表示領域51aの前面側を上下方向に移動可能な可動部302C、当該可動部302Cの両側であって前面扉の内部における液晶表示器51の両側にそれぞれ配置される可動部302Cの駆動部302L、302R等から構成される。
可動部302Cの前面側には、演出用LED303L、303C、303Rが遊技者側から視認可能に配置されており、可動部302Cの両側部分には、駆動部302L、302Rと連結される案内片305L、305Rが設けられている。案内片305L、305Rは、前面扉1bの表示領域51aの両側において前面扉1bの前方側から内部側に挿通された上下方向に延びるスリット状孔301L、301Rを通されて、前面扉1bの内部側で駆動部302L、302Rに連結されるようになっている。尚、可動部302Cには、遊技者側から視認可能な液晶表示器や可動部上で動作する構造物等が搭載されてもよい。
駆動部302L、302Rは、可動部302Cの案内片305L、305Rを上下方向に案内する案内軸325L、325Rと、案内軸325L、325Rの上下端を回転可能に軸支する上軸受部321L、321R及び下軸受部322L、322Rと、案内軸325L、325Rの下部に固着された従動ギヤ327L、327Rと、当該従動ギヤ327L、327Rを駆動ギヤを介して駆動させる演出用モータ304L、304Rと、可動部302Cの位置を検出する位置センサ305a、305bと、から構成されている。
案内軸325L、325Rの周面には、凹状の溝部が螺旋状に形成される一方で、可動部302Cの案内片305L、305Rには、当該溝部と摺動可能に係合して可動部302Cを案内軸325L、325Rに支持する支持部が設けられており、演出用モータ328L、328Rを駆動させることにより案内軸325L、325Rが軸心周りに回転され、案内片305L、305Rの支持部が案内軸325L、325Rの溝部に対して相対的に移動することで、可動部302Cが案内軸325L、325Rに沿って上下方向に移動可能になっている。
位置センサ305a、305bは、該当する位置センサの検出位置に可動部302Cがあるか否かを検出するセンサであり、位置センサ305aは、図5に示すように、可動部302Cが初期位置にあることを検出可能な位置に配置され、位置センサ305bは、図6(a)に示すように、可動部302Cが上下移動する範囲の最下位置にあることを検出可能な位置に配置される。尚、位置センサの配置は、可動部302Cが特定の位置にあることを検出可能な位置であればよく、本実施例の初期位置、最下位置に限られず、図6(b)に示すように、可動部302Cが上下移動する範囲の中間位置にあることを検出可能な位置であってもよい。また、位置センサの個数は、可動部302Cが特定の位置にあることを検出可動であれば、複数個であっても単数個であってもよい。
演出用モータ304L、304Rは、ステッピングモータにて構成されており、可動部302Cが位置センサ305aにより検出されたとき、すなわち可動部302Cが初期位置にあるときから演出用モータ304L、304Rを回転駆動させるステップ数により、可動部302Cの位置(初期位置からの位置)を特定可能であり、図6に示すように、サブ制御部91からの駆動信号により可動部302Cを任意の位置に移動させることが可能とされている。
演出用LED303L、303C、303Rは、サブ制御部91から出力される制御信号により点灯パターンを制御可能であり、演出用LED303Cは、例えば、図6(a)に示すように、遊技者にとって有利な特典に関する情報や、図6(b)に示すように、遊技者にとって有利な状況である可能性を示唆するメッセージを表示可能になっている。
サブ制御部91は、演出態様に応じて所定のパターンで駆動信号を出力することで、演出用モータ304L、304Rを所定の速さで回転駆動させること、すなわち可動部302Cを所定の速さで上下移動させることが可能となっている。演出態様に応じた駆動信号のパターンには、演出用モータ304L、304Rを所定の第1速度で順方向(可動部302Cが下方に移動する方向)に回転駆動させる第1パターン、第1速度よりも速い所定の第2速度で演出用モータ304L、304Rを順方向に回転駆動させる第2パターン、演出用モータ304L、304Rを第1速度で逆方向(可動部302Cが上方に移動する方向)に回転駆動させる第3パターンが含まれる。
次に、図7〜図9に基づいて、第2役物400について説明する。図7に示すように、第2役物400は、前面扉1bの下部パネル200の略中央に設けられており、遊技者により操作可能な演出用スイッチ401と、当該演出用スイッチ401が下部パネル200の表示面200aと略一致する第1位置(図7(a)参照)と該第1位置から遊技者側に進出して下部パネル200の表示面200aから突出する第2位置(図7(b)参照)との間で進退移動可能な移動部410と、当該移動部410を進退移動させる駆動部411、当該駆動部411のカム機構を駆動させる演出用モータ404、移動部410が特定の位置にあるか否かを検出する役物センサ403a、403b等から構成される。
図8に示すように、移動部410は、有底筒状に形成されており、当該移動部410の底面410a側が移動方向の前方になるように配置され、移動部410の底面410aの外面に演出用スイッチ401が設けられている。移動部410における移動方向の後部分には、移動部410の移動を規制する規制アーム474a、474bが、移動部410の中心軸を挟んで対向する位置から後側に向けて延設されており、これら規制アーム474a、474bそれぞれの後端の対向面には、円柱状の突起部475a、475bが内側に向けて突設されている。
駆動部411は、円筒形状に形成されたカム部材421と、移動部410を前方に付勢する圧縮バネ472a〜472dを有する。カム部材421の外周面には、カム部材421の径方向の内側に凹む凹部441が形成されている。カム部材421の外周面と凹部441との段差部分には、カム部材421の軸方向(前後方向)に対し平行に延びる2つの平行面442a、442bと、カム部材421の軸方向に対し傾斜した方向に延びる曲面状の2つの傾斜面443a、443bと、平行面442a、442bの後端部と傾斜面443a、443bの後端部とを両端としてカム部材421の軸方向に対し直交方向に延びる2つの直交面444a、444bとが形成されている。
これら2つの平行面442a、442b、2つの傾斜面443a、443b及び2つの直交面444a、444bは、それぞれ回転軸422を挟んで対向する位置に配置されている。また、平行面442a、442bの前端部と傾斜面443a、443bの前端部との間は離れており、突起部475a、475bの移動を規制できるようになっている。
このように構成されたカム部材421は、演出用モータ404の前後方向を向く回転軸の先端部に回転軸を中心として回転可能に設けられ、移動部410は、圧縮バネ472a〜472dにより付勢された状態でカム部材421を覆うように配置されて、移動部410の突起部475a、475bがカム部材421の凹部441に挿入される。突起部475a、475bが凹部441の段差部分と当接することで、突起部475a、475bの移動が規制されることとなる。
演出用モータ404は、ステッピングモータにて構成されており、移動部410が役物センサ403bにより検出されたとき、すなわち移動部410が初期位置である第1位置にあるときから演出用モータ404を回転駆動させるステップ数により、移動部410の位置(初期位置からの位置)を特定可能であり、所定のステップ数だけ演出用モータ404を回転駆動させることで、移動部410を第1位置から第2位置へ移動させることが可能とされている。
役物センサ403a、403bは、該当する役物センサの検出位置に移動部410があるか否かを検出する位置センサであり、役物センサ403aは、移動部410が進退移動する範囲の最前位置である第2位置にあることを検出可能な位置に配置され、役物センサ403bは、移動部410が初期位置である第1位置にあることを検出可能な位置に配置される。尚、役物センサの配置は、移動部410が特定の位置にあることを検出可能な位置であればよく、本実施例の第1位置、第2位置に限られず、移動部410が進退移動する範囲の中間位置であってもよい。また、役物センサの個数は、移動部410が特定の位置にあることを検出可動であれば、複数個であっても単数個であってもよい。
次に、第2役物400を構成する移動部410の移動制御内容について、図8及び図9に基づいて説明する。
まず、図8(a)に示すように、駆動初期状態においては、カム部材421は突起部475a、475bの周面が直交面444a、444bにそれぞれ当接する状態であり、圧縮バネ472a〜472dによる移動部410の第2位置側(前方)への移動が規制されていることで、移動部410は第1位置(初期位置)に維持される。
ここで、サブ制御部91が、移動部410を後述する第1速度よりも速い第2速度で第1位置から第2位置へ移動させるバネ駆動制御を実行する場合、図8(b)に示すように、サブ制御部91は、演出用モータ404によりカム部材421を第2方向(図8(b)中矢印方向参照)に所定角度回転させる。これにより、直交面444a、444bが突起部475a、475bより第2方向側に移動して、突起部475a、475bの周面に対する直交面444a、444bによる規制が解除されると、突起部475a、475bが平行面442a、442bに沿って圧縮バネ472a〜472dによる付勢力により前方へと移動する。これにより、移動部410とともに演出用スイッチ401が第1位置から第2位置へ勢いよく飛び出し、圧縮バネ472a〜472dによる付勢力により第2位置に維持される。
また、図8(c)に示すように、移動部410が第2位置にあるときに、移動部410を第2位置から第1位置へ移動させる戻し駆動制御を実行する場合、演出用モータ404によりカム部材421を第2方向(図8(c)中矢印方向参照)に所定角度回転させる。これにより、カム部材412の移動部410の傾斜面443a、443bが第2方向側に移動し、傾斜面443a、443bが突起部475a、475bに当接する。さらに、カム部材421を第2方向(図8(c)中矢印方向参照)に所定角度回転させることで、演出用モータ404によりカム部材421が第2方向へ回転するにつれて、突起部475a、475bの周面がカム部材421と接する位置が、傾斜面443a、443bに沿って後方へと変化するので、圧縮バネ472a〜472dによる付勢力を抑えつつ突起部475a、475bが傾斜面443a、443bに沿って移動することで、移動部410が第1位置に移動する。そして、移動部410が第1位置に移動された後、起部475a、475bが直交面444a、444bに当接している状態で、演出用モータ404の回転駆動を停止させることで、移動部410は第1位置すなわち初期位置に維持されることとなる。
次に、サブ制御部91が、移動部410を第2速度よりも遅い第1速度で第1位置から第2位置へ移動させる低速移動制御を実行する場合、図9(a)に示すように、サブ制御部91は、演出用モータ404によりカム部材421を第1方向(図9(a)中矢印方向参照)に回転させる。これにより、直交面444a、444bが突起部475a、475bよりも第1方向側に移動して、突起部475a、475bに対する直交面444a、444bによる規制が解除されると、傾斜面443a、443bと当接し、さらにカム部材421が第1方向へ回転されるにつれて、突起部475a、475bの周面が傾斜面443a、443bと当接する位置が、傾斜面443a、443bに沿って前方へと変化するので、突起部475a、475bが傾斜面443a、443bに沿って移動しながら圧縮バネ472a〜472dによる付勢力により前方へと移動する。この場合、突起部475a、475bは、圧縮バネ472a〜472dの付勢力に起因する傾斜面443a、443bから後方への抵抗を常に受けることとなるので、傾斜面443a、443bの移動速度、すなわち演出用モータ404の回転速度に応じた速度で移動部410が第2位置に移動することとなり、上述したバネ駆動制御の場合に比べて遅い速度で移動部410が飛び出す。
この状態で、サブ制御部91は、移動部410を第2位置から第1位置に移動させる場合には、上述の戻し駆動制御を実行することで、バネ駆動制御を実行した場合でも低速移動制御を実行した場合でも、共通の戻し駆動制御により所定の速度で移動部410を第1位置に移動させることが可能である。
このように、第2役物400では、サブ制御部91がカム部材421の回転方向を切替えることによって、移動部410の前方への移動速度を変化させることができる。また、サブ制御部91は、低速移動制御においてカム部材421の回転速度を変化させることにより、移動部410を第1位置から第2位置へ所定速度で移動させる低速移動制御(図9参照)と、移動部410を所定速度よりも速い速度で第1位置から第2位置へ移動させるバネ駆動制御(図9参照)と、を実行することができる。また、サブ制御部91は、バネ駆動制御または低速移動制御により移動部410を第1位置から第2位置へ移動させた後、共通の戻し駆動制御により移動部410を第2位置から第1位置に移動させることができる。
本実施例の第1役物302及び第2役物400は、後述するようにサブ制御部91により、演出パターンに応じて作動パターンが設定されることで、所定作動パターンに従って作動させることが可能であり、第1役物302の可動部302Cの作動態様、第1役物302の演出用LED303L、303C、303Rの点灯態様、及び第2役物400の移動部410の作動態様、第1役物302の演出用LED402の点灯態様により、遊技者にとって有利な特典が付与された可能性、特典が付与される可能性、特典の内容(ゲーム数やメダルの枚数、権利数等)、内部抽選で当選した役の種類、内部抽選で小役または再遊技役が当選した可能性等を示唆させることが可能である。
遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であってもよいし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であってもよい。
[初期制御について]
サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が再開された際に、最初に初期制御を実行して起動時の処理を行う。初期制御では、サブ制御部91の起動処理を実行した後、メイン制御部41から受信したコマンドの種類、すなわちメイン制御部41の制御状態に応じて異なるタイミングで、上述の第1役物及び第2役物の初期動作処理を実行する。初期動作処理では、第1役物及び第2役物が正常に作動するか否かを判定し、その後、第1役物及び第2役物400を用いた演出を行う際に、初期動作処理における判定結果に応じた制御を実行する。以下に、サブ制御部91が実行する初期制御、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理について、図10〜図18に基づいて説明する。
図10に示すように、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が再開され、リセット回路95からリセット信号が入力されると、起動処理を開始し(Sh1)、サブCPU91aの内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等の初期化、RAM91cへのアクセスの設定、RAM91cが正常か否かの判定等を行って、電断前の制御状態を復帰させる。スロットマシン1への電力供給が再開され、リセット回路95からリセット信号が出力されるタイミングは、メイン制御部41にリセット信号が入力されるタイミングよりも早いタイミングであり、かつメイン制御部41にリセット信号が入力されるまでに、サブ制御部91が起動処理を完了するのに十分な期間が経過したタイミングである。尚、当該起動処理では、後述する役物正常フラグ1、2及び役物異常フラグ1、2がクリアされて、第1役物302及び第2役物400の演出での作動は、不許可に設定される。また、RAM91cが正常でないと判定される場合には、電断前の制御状態を復帰させることなく、サブエラー状態に移行しサブ制御部91のエラーを報知する。
Sh1のステップにおいて起動処理が正常に終了して電断前の制御状態に復帰された後は、メイン制御部41からエラーコマンド(RAM異常)を受信したか(Sh2)、設定コマンド(開始)を受信したか(Sh3)、復帰コマンドを受信したか(Sh4)を判定しつつ、エラーコマンド(RAM異常)、設定コマンド(開始)、復帰コマンドのうちのいずれかが受信されるまで待機する(Sh2〜Sh4)。
Sh4のステップにおいて、復帰コマンドを受信した場合は、RAM91cに設定されているゲームの進行状況を示す各種データに基づいて、電断前はゲーム中であったか否かを判定する(Sh5)。詳しくは、電断前の状態が、ゲームの開始操作がされた後、全てのリールが停止するまでの状態であったか否かを判定し、ゲームの開始操作がされた後、全てのリールが停止するまでの状態であった場合に、電断前はゲーム中であったと判定する。そして、電断前はゲーム中であったと判定した場合は、電断前の制御状態に応じた演出の出力制御を開始して、電断前に実行していた演出を再開させる(Sh6)。
尚、本実施例では、RAM91cに設定されているゲームの進行状況を示す各種データに基づいて、電断前はゲーム中であったか否かを特定する構成であるが、例えば、ゲーム中の状態で電断から復帰された旨を特定可能な復帰コマンドをメイン制御部41が送信するように構成し、当該復帰コマンドに基づいて電断前はゲーム中であったか否かをサブ制御部91が特定する構成としてもよい。
Sh6のステップにおいて演出出力の制御を開始させた後は、ゲームが進行されて全てのリール2L、2C、2Rの停止操作が行われることで、メイン制御部41から入賞枚数コマンドを受信するまで待機して(Sh7)、入賞枚数コマンドを受信する毎に、当該入賞枚数コマンドに基づいて再遊技役が入賞したか否かを判定し(Sh8)、再遊技役が入賞せずにゲームが終了されるまで、Sh6のステップにおいて開始させた演出の出力制御を継続させつつ待機する(Sh7、Sh8)。
Sh5のステップにおいて電断前はゲーム中でなかったと判定した場合、Sh8のステップにおいて再遊技役が入賞することなくゲームが終了したと判定した場合は、後述する第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行させる(Sh9)。
また、Sh3のステップにおいて、設定コマンド(開始)を受信したと判定した場合は、液晶表示器51等の演出装置における演出出力を、設定変更中である旨を報知する設定変更報知に設定し(Sh14)、液晶表示器51に設定変更中である旨を示す画像を表示させるとともにスピーカ53、54から設定変更中である旨を示す音声を出力させて設定変更中である旨を報知させる。その後、設定コマンド(終了)を受信するまで待機し(Sh15)、設定コマンド(終了)を受信することで、設定変更報知を所定期間にわたって継続させた後に終了させる所定期間報知を設定したうえで(Sh16)、Sh9のステップに移動して、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行する。尚、所定期間報知が設定されることで、一時的に所定期間報知と並行して初期動作処理が実行されることとなる。
また、Sh2のステップでRAM異常を示すエラーコマンドを受信した場合は、液晶表示器51等の演出装置における演出出力を、RAM41cの異常が生じている旨を報知するエラー報知(RAM異常)に設定し(Sh17)、液晶表示器51にRAM異常エラーを示すエラーコードを表示させるとともにスピーカ53、54からRAM異常エラーを示す音声を出力さてRAM異常エラーが生じている旨を報知させる。一度RAM異常エラーを示すエラー報知が設定した後は、スロットマシン1への電力供給が停止されるまでエラー報知を解除することはない。また、この期間においては、初期動作処理も行われることはない。
Sh9のステップにおいて第1役物302及び第2役物400の初期動作処理が終了した後は、演出の出力制御が開始済みであるか否かを判定し(Sh10)、演出の出力制御が開始済みでない場合は、演出の出力制御を開始させ(Sh11)、演出の出力制御が開始済みである場合は、演出の出力制御を継続させる。そして、初期動作処理の結果に応じて第1役物302及び第2役物400による演出を許可または不許可に設定した後(Sh12)、演出用スイッチ56の操作受付を有効化して(Sh13)、初期制御を終了させる。
そして、サブ制御部91は、初期制御を終了させた後、メイン制御部41から受信するコマンドに応じた演出の制御を行う。また、サブ制御部91は、演出用スイッチ56の操作受付が有効化された後、賭数または再遊技が設定されておらず、いずれのリール2L、2C、2Rも回転されていない状態において、演出用スイッチ56の操作により所定の演出を実行可能である旨を示す画像を液晶表示器51の表示領域51aの一部に表示して、演出用スイッチ56の操作を促す操作促進演出を実行する。当該操作促進演出が実行されているときに、遊技者等により演出用スイッチ56が操作されることで、所定の演出、例えば液晶表示器51にゲームの履歴を表示するとともに、当該履歴を特定可能な2次元コードを出力する演出、スロットマシン1における役を構成する図柄の組合せ及び配当を表示する演出、ゲームに関するキャラクタを表示する演出等を実行する。
尚、本実施例のサブ制御部91が実行する初期制御では、演出用スイッチ56の操作受付が有効化された後において、操作促進演出を実行するようになっており、演出用スイッチ56の操作受付が有効化される前の状態、すなわちサブ制御部91が初期制御を実行している状態において、操作促進演出が実行されることがないようになっている。また、演出用スイッチ56の操作受付が有効化される前の状態において、演出用スイッチ56の操作受付が有効に受付されることがなく、演出用スイッチ56の操作により所定の演出が実行されることはない。
また、本実施例のサブ制御部91が実行する初期制御では、Sh1のステップにおいて起動処理を実行した後、設定コマンド(開始)を受信した(Sh3)後に設定コマンド(終了)を受信すること(Sh15)、または起動処理を実行した後、復帰コマンドを受信すること(Sh4)を条件として、Sh9のステップで初期動作処理を実行するようになっているので、設定コマンド(開始)及び設定コマンド(終了)、または復帰コマンドを正常に受信できなかった場合には、初期制御が終了されることがなく、サブ制御部91による演出、例えば、第1役物302、第2役物400等を用いた演出、液晶表示器51を用いた演出が実行されない。
次いで、サブ制御部91が実行する第1役物302及び第2役物400の駆動制御及び初期動作処理について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41から受信するコマンドに基づいて特定されるゲームの進行状況に応じて、第1役物302及び第2役物400を用いた演出を実行可能であり、当該演出において、第1役物302及び第2役物400を動作させる動作パターンとして、図11に示すように、演出パターンA〜Hが予め設定され、初期動作処理において第1役物302及び第2役物400を動作させるための動作パターンとして検査パターンが予め設定される。第1役物302及び第2役物400は、演出パターンA〜Hおよび検査パターン各々に応じた駆動期間に亘り対応する駆動態様で作動する。駆動期間および駆動態様は、演出パターンA〜Hおよび検査パターンの種類に応じて異なるように予め定められている。演出パターンに基づいて第1役物302及び第2役物400を作動させることにより実行される演出を以下では役物演出ともいう。
また、第1役物302および第2役物400は、いずれも、遊技者などが手で触れることが可能な位置に設けられている。また、第1役物302を動作させる演出用モータ304L、304Rは、演出パターンに基づいて動作させていないときには励磁されていない。このため、演出パターンに基づく動作が行われていないときには、遊技者などが第1役物302を手で動かすことにより、初期位置ではないところに移動させることができてしまい、その結果ゲームを邪魔してしまう虞がある。また、第2役物400は、たとえば、表示面200aに設けられた開口を介して突出入可能となるところ、当該開口に紙くずなどの異物が挟まることなどにより、初期位置ではないところで停止してしまい、意図せぬ状態で固まってしまう虞がある。このような不都合を回避するために、動作パターンとしては、ゲーム開始時において第1役物302及び第2役物400が初期位置にないときに、初期位置に戻すための復帰パターンが定められている。サブ制御部91より演出パターンA〜H、検査パターン、および復帰パターンのいずれかが設定されることにより、当該パターンに基づいて第1役物302及び第2役物400が作動することとなる。
演出パターンAでは、第1役物302の可動部302Cを初期位置から最下位置に高速で進出させるように演出用モータ304L、304Rを駆動させた後、可動部302Cを最下位置から初期位置に所定の速度(定速)で後退させるように演出用モータ304L、304Rを駆動させることで、可動部302Cを高速で進出させて定速で後退させる一方、第2役物400の移動部410を第1位置から第2位置に低速で進出させるように演出用モータ404を駆動させた後、移動部410を第2位置から第1位置に所定の速度(定速)で後退させるように演出用モータ404を駆動させることで、移動部410を低速で進出させて定速で後退させる。演出パターンBでは、第1役物302の可動部302Cを演出パターンAと同様に、高速で進出させて定速で後退させる一方、第2役物400の移動部410を第1位置から第2位置に上述のバネ駆動制御により進出させるように演出用モータ404を駆動させた後、移動部410を第2位置から第1位置に演出パターンAと同様の定速で後退させるように演出用モータ404を駆動させることで、移動部410をバネ駆動制御により進出させて定速で後退させる。演出パターンCでは、第1役物302の可動部302Cを初期位置から最下位置に演出パターンAの高速に比べて低速で進出させるように演出用モータ304L、304Rを駆動させた後、可動部302Cを最下位置から初期位置に演出パターンAと同様の定速で後退させるように演出用モータ304L、304Rを駆動させることで、可動部302Cを低速で進出させて定速で後退させる一方、第2役物400の移動部410を、演出パターンAと同様に、移動部410を低速で進出させて定速で後退させる。演出パターンDでは、第1役物302の可動部302Cを演出パターンCと同様に低速で進出させて定速で後退させる一方、第2役物400の移動部410を演出パターンBと同様にバネ駆動制御により進出させて定速で後退させる。演出パターンEでは、第1役物302の可動部302Cを演出パターンAと同様に高速で進出させて定速で後退させる一方、第2役物400の移動部410を第1位置から移動させない。演出パターンFでは、第1役物302の可動部302Cを演出パターンCと同様に低速で進出させて定速で後退させる一方、第2役物400の移動部410を第1位置から移動させない。演出パターンGでは、第1役物302の可動部302Cを初期位置から移動させない一方、第2役物400の移動部410を演出パターンAと同様に低速で進出させて定速で後退させる。演出パターンHでは、第1役物302の可動部302Cを初期位置から移動させない一方、第2役物400の移動部410を演出パターンBと同様にバネ駆動制御により進出させて定速で後退させる。検査パターンでは、第1役物302の可動部302Cを演出パターンAと同様に高速で進出させて定速で後退させる一方、第2役物400の移動部410を第1位置から第2位置に演出パターンAの低速よりも高速で進出させるように演出用モータ404を駆動させた後、移動部410を第2位置から第1位置に演出パターンAと同様の定速で後退させるように演出用モータ404を駆動させることで、移動部410を検査用の高速で進出させて定速で後退させる。
このように、第1役物302の可動部302Cは、演出パターンA、B、Eが設定された場合には高速で進出され、演出パターンC、D、Fが設定された場合には高速に比べて速度が遅い低速で進出されることで、演出パターンA〜Fに応じて異なる速度で進出される一方で、検査パターンが設定された場合には、演出パターンA〜Fに応じて異なる速度のうちの高速で進出されるようになっている。また、演出パターンA〜Fが設定された場合も、検査パターンが設定された場合も、定速で後退されることで、演出パターン及び検査パターンによらず共通の速度で後退されるようになっている。
第2役物400の移動部410は、演出パターンA、C、Gが設定された場合には低速で進出される一方で、検査パターンが設定された場合には、低速よりも高速な検査用の速度で進出されるようになっている。また、演出パターンA〜D、G、Hが設定された場合も、検査パターンが設定された場合も、定速で後退されることで、演出パターン及び検査パターンによらず共通の速度で後退されるようになっている。
復帰パターンでは、第1役物302の可動部302Cを初期位置に定速で後退させるように演出用モータ304L、304Rを駆動させることで、可動部302Cを定速で後退させる一方、第2役物400の移動部410を、演出パターンAと同様に、低速で進出させて定速で後退させる。これにより、遊技者の手動や異物などの影響で、初期位置にない第1役物302の可動部302Cおよび第2役物400の移動部410を初期位置に復帰させることが可能となる。なお、第2役物400については、低速にて一旦進出させるため、異物を取り除きやすくすることができる。
演出パターンA〜H、検査パターン、および復帰パターンにおける後退時の駆動制御は、たとえば、初期位置を特定可能な位置センサ305a、403bにより検出されるまで継続する。これにより、いずれのパターンに基づいて役物が駆動制御された場合であっても、当該駆動制御が終了したときには、役物が初期位置となっていることになる。後退時の駆動制御が行われてから初期位置となったことが検出されると、演出用モータ304L、304Rの励磁が終了する。なお、後退時の駆動制御を行ってから初期位置となるために要する十分な時間(たとえば、10秒)が経過しても位置センサ305a、403bにより検出されないときに、サブ制御部91は、エラー報知(たとえば、液晶表示器51において「役物エラー発生!」といったメッセージを表示)する。
次に、サブ制御部91が初期制御において第1役物302及び第2役物400を動作させる初期動作処理の制御内容について説明する。図12に示すように、初期動作処理では、まず、第1役物302の動作パターンを検査パターンに設定し(Si1)、その後所定時間が経過するまでの間に、位置センサ305a、305bの出力が所定順序で変化したか否か、すなわち第1役物302の可動部302Cが位置センサ305aにより検出された後、位置センサ305bにより検出され、さらにその後、位置センサ305aにより再度検出されたか否かを判定する(Si2、Si3)。Si1のステップにおいて第1役物302の動作パターンが検査パターンに設定されることにより、第1役物302の可動部302Cを初期位置から最下位置に高速で進出させ、定速で初期位置に後退させるように、演出用モータ304L、304Rに対してモータ駆動信号が出力されることとなる。
この状態で、Si2のステップにおいて、所定時間が経過するまでの間に、位置センサ305a、305bの出力が所定順序で変化したと判定した場合は、可動部302Cが正常に進出及び後退して第1役物302が正常に動作した旨を示す役物正常フラグ1をRAM91cに設定し(Si4)、Si3のステップにおいて、位置センサ305a、305bの出力が所定順序で変化する前に、所定時間が経過したと判定した場合は、可動部302Cが正常に進出及び後退せず、第1役物302が正常に動作しなかった旨を示す役物異常フラグ1をRAM91cに設定する(Si5)。尚、サブ制御部91は、役物正常フラグ1または役物異常フラグ1をRAM91cに新たに設定するときに、すでに役物正常フラグ1または役物異常フラグ1が設定されている場合には、すでに設定されていた役物正常フラグ1または役物異常フラグ1を解除したうえで、新たな役物正常フラグ1または役物異常フラグ1を設定するようになっており、役物正常フラグ1または役物異常フラグ1のいずれか一方のみがRAM91cに設定される。
その後、サブ制御部91は、RAM91cに設定されているカウンタであって、第2役物400を初期動作させた回数を計数するリトライ回数カウンタを0に設定し(Si6)、第2役物400の動作パターンを検査パターンに設定し(Si7)、その後所定時間が経過するまでの間に、役物センサ403a、403bの出力が所定順序で変化したか否か、すなわち第2役物400の移動部410が役物センサ403bにより検出された後、役物センサ403aにより検出され、さらにその後、役物センサ403bにより再度検出されたか否かを判定する(Si8、Si9)。Si7のステップにおいて第2役物400の動作パターンが検査パターンに設定されることにより、第2役物400の移動部410を第1位置から第2位置に検査用速度(高速)で進出させ、定速で第1位置に後退させるように、演出用モータ404に対してモータ駆動信号が出力されることとなる。
この状態で、Si8のステップにおいて、所定時間が経過するまでの間に、役物センサ403a、403bの出力が所定順序で変化したと判定した場合は、移動部410が正常に進出及び後退して、第2役物400が正常に動作した旨を示す役物正常フラグ2をRAM91cに設定する(Si12)。
一方で、Si9のステップにおいて、役物センサ403a、403bの出力が所定順序で変化する前に所定時間が経過したと判定した場合は、リトライ回数カウンタに1加算し(Si10)、リトライ回数カウンタが所定数(本実施例では、3)未満か否かを判定する(Si11)。そして、リトライ回数カウンタが所定数未満であった場合には、Si7からSi10のステップを繰り返し実行して、第2役物400の動作パターンを検査パターンに設定した後に役物センサ403a、403bの出力が所定順序で変化する前に所定時間が経過することが、所定回数(本実施例では、3回)に達した場合に、移動部410が正常に進出及び後退せず、第2役物400が正常に動作しなかった旨を示す役物異常フラグ2をRAM91cに設定する(Si13)。尚、役物正常フラグ2及び役物異常フラグ2は、役物正常フラグ1及び役物異常フラグ1と同様に、いずれか一方のみがRAM91cに設定されるようになっている。
役物正常フラグ2または役物異常フラグ2が設定されることで、サブ制御部91は、初期動作処理を終了させて、初期制御の制御に戻る。
このような制御によれば、図13に示すように、スロットマシン1への電力供給が開始されると、メイン制御部41は、初期設定処理を開始させ、RAM41cが正常な状態で電断前の状態に復帰したときに、サブ制御部91に対して復帰コマンドを送信して、メイン処理に移行して通常のゲームに関する制御を実行する。
これに対して、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されると、メイン制御部41が起動する前に初期制御を開始させて、初期制御を行っている旨を示す初期画面を液晶表示器51に表示させつつ起動処理を実行し、所定のコマンドを受信するまで待機する。そして、所定のコマンドとして復帰コマンドを受信することで、第1役物302の初期動作を開始させ、役物正常フラグ1または役物異常フラグ1が設定された後、第2役物400の初期動作を開始させ、役物正常フラグ2または役物異常フラグ2が設定されることで、これらのフラグの設定状況に応じてその後の演出での第1役物302及び第2役物400の作動の許可または不許可の設定を行う。
具体的には、役物正常フラグ1が設定されている場合には、第1役物302の可動部302Cの作動及び演出用LED303L、303C、303Rの点灯を許可に設定し、役物異常フラグ1が設定されている場合には、第1役物302の可動部302Cの作動を不許可に設定する一方で演出用LED303L、303C、303Rの点灯を許可に設定する。また、役物正常フラグ2が設定されている場合には、第2役物400の移動部410の作動及び演出用LED402の点灯を許可に設定し、役物異常フラグ2が設定されている場合には、第2役物400の移動部410の作動を不許可に設定する一方で演出用LED402の点灯を許可に設定する。
このように、本実施例のサブ制御部91は、初期制御において、メイン制御部41がメイン処理に移行するときに送信される復帰コマンドを受信したときに、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行する。また、サブ制御部91は、初期動作処理において設定された役物正常フラグ1または役物異常フラグ1及び役物正常フラグ2または役物異常フラグ2に基づいて第1役物302及び第2役物400の初期動作が正常に行われたか否かを判定し、その判定結果に応じて、その後の演出における第1役物302及び第2役物400の作動の許可または不許可をRAM91cに設定する。
図14に示すように、メイン制御部41は、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7が操作されることで、リールの回転制御を開始し、また、内部当選コマンドをサブ制御部91に送信し、さらに当該ゲームにおいてフリーズ状態に制御する場合に、フリーズコマンドをサブ制御部91に対して送信する。その後、リールの停止操作が有効な状態で停止操作が行われる毎に停止コマンドをサブ制御部91に対して送信し、全てのリール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、入賞枚数コマンドをサブ制御部91に対して送信し、所定時間にわたるフリーズ状態の制御を開始する。
これに対して、サブ制御部91は、受信したフリーズコマンドに基づいて演出パターンA〜Hかのいずれかの一のパターンを選択する。演出パターンとして、例えば、演出パターンAが選択された場合には、その後、受信した停止コマンドに基づいて第3停止操作が行われたと判定したときに、初期制御によりRAM91cに設定されている第2役物400の許可状況を参照して、第2役物400の作動が許可されている場合は、選択された演出パターン応じた動作パターンを設定し、第2役物400を作動させるとともに、液晶表示器51により第2役物400における演出用スイッチ401の操作を要求する操作要求演出を実行して、演出用スイッチ401が操作されるか所定時間が経過するまで待機する。
第2役物400では、演出パターンAの動作パターンが設定されることで、第2位置まで進出され、その後、操作要求演出に従って遊技者が演出用スイッチ401を操作するために十分な時間(例えば、5秒間)にわたり移動部410が第2位置で維持される。また、演出用スイッチ401の演出用LED402が点灯されることで、遊技者による演出用スイッチ401の操作が促される。そして、操作要求演出が終了された後に、移動部410が第1位置へ後退される。
また、サブ制御部91は、遊技者による演出用スイッチ401が操作されたこと、または所定時間が経過したことを条件として、初期制御によりRAM91cに設定されている第1役物302の許可状況を参照して、第1役物302の作動が許可されている場合には、選択された演出パターンAの動作パターンを設定し、第1役物302を作動させるとともに、遊技者に付与される特典の内容を液晶表示器51でも結果報知として報知する。
第1役物302では、演出パターンAの動作パターンが設定されることで、可動部302Cが最下位置、すなわちリール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)において入賞ラインLNと重なる位置まで進出された後、演出用LED303L、303C、303Rが所定の点灯態様(例えば、演出用LED303L、303Rを点灯させるとともに、演出用LED303Cを、図6(c)に示すように、「+100」を表示するように点灯させる態様)で点灯されることで、遊技者に付与される特典の内容を報知する。そして、可動部302Cは、当該特典の内容を遊技者が認識するために十分な時間にわたり最下位置で維持された後、メイン制御部41でのフリー状態の制御が終了するまでに、演出用LED303Cを消灯させつつ初期位置へ後退される。
一方で、図15に示すように、例えば、演出パターンとして演出パターンAが選択された場合に、その後、受信した停止コマンドに基づいて第3停止操作が行われたと判定したときに、初期制御によりRAM91cに設定されている第2役物400の許可状況を参照して、第2役物400の作動が許可されていない場合には、第2役物400の動作パターンを設定せずに、液晶表示器51により演出用スイッチ401の操作要求演出を実行して、演出用スイッチ401が操作されるか所定時間が経過するまで待機する。
第2役物400では、動作パターンが設定されないことで、移動部410が作動することはなく、第1位置で維持される一方で、演出用スイッチ401の演出用LED402が点灯されることで、遊技者による演出用スイッチ401の操作が促される。
その後、サブ制御部91は、遊技者による演出用スイッチ401が操作されたこと、または所定時間が経過したことを条件として、上述の図14に係る場合と同様に、第1役物302の作動が許可されている場合には、選択された演出パターンAの動作パターンを設定し、第1役物302を作動させ、液晶表示器51でも結果報知を実行する。
このように、サブ制御部91が実行する初期制御における初期動作処理にて役物正常フラグ1が設定され、第1役物302の作動が許可された場合は、その後、メイン制御部41によりフリーズ状態に制御されるときに、サブ制御部91は、第1役物302の可動部302Cを初期位置から最下位置までの範囲で作動させるとともに、演出用LED303L、303C、303Rを点灯させる。また、役物正常フラグ2が設定され、第2役物400の作動が許可された場合は、その後、メイン制御部41によりフリーズ状態に制御されるときに、サブ制御部91は、第2役物400の移動部410を第1位置から第2位置までの範囲で作動させるとともに、演出用LED402を点灯させる。
一方で、サブ制御部91が実行する初期制御における初期動作処理にて役物正常フラグ2が設定され、第2役物400の作動が許可されていない場合は、その後、メイン制御部41によりフリーズ状態に制御されるときに、サブ制御部91は、第2役物400の移動部410を作動させることなく、演出用LED402を点灯させる演出のみを実行する。また、特に図示しないが、初期動作処理にて役物正常フラグ1が設定され、第1役物302の作動が許可されていない場合は、その後、メイン制御部41によりフリーズ状態に制御されるときに、サブ制御部91は、第1役物302の可動部302Cを作動させることなく、演出用LED303L、303C、303Rを点灯させる演出のみを実行する。
また、本実施例のメイン制御部41は、図16に示すように、設定キースイッチ37がon状態でスロットマシン1への電力供給が開始されると、初期設定処理において設定変更処理を開始させて設定変更状態に移行し、設定コマンド(開始)をサブ制御部91に対して送信する。その後、上述のようにリセット/設定スイッチ38の操作により設定値が選択され、スタートスイッチ7の操作により設定が確定され、設定キースイッチ37がoff状態にされることで、設定変更状態を終了させてメイン処理に移行し、遊技を進行可能な状態とする。
これに対して、サブ制御部91は、起動処理において第1役物302及び第2役物400の演出での作動を不許可に設定し、起動処理の後に、設定コマンド(開始)を受信することで、設定変更中である旨を示す報知画面を液晶表示器51に表示させて設定変更が行われている旨を報知する。その後、設定コマンド(終了)を受信することで、その後、所定期間にわたり設定変更報知を継続させるとともに、初期動作処理を開始して、第1役物302及び第2役物400の初期動作を実行して、初期動作処理の結果に応じてその後の演出での第1役物302及び第2役物400の作動の許可または不許可の設定を行う。
このように、サブ制御部91は、メイン制御部41が設定変更状態であるとき、すなわちメイン制御部41がゲームを進行させることが不能な特別な制御を実行している状態で起動したときは、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行せず、第1役物302及び第2役物400の初期動作を制限して、設定変更状態が終了された後に、初期動作処理を実行し、第1役物302及び第2役物400の初期動作を行う。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41が設定変更状態を終了させた後、所定期間が経過するまで設定変更報知を継続するとともに、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を開始することで、設定変更報知と第1役物302及び第2役物400の初期動作を並行して行う。
また、本実施例のメイン制御部41は、図17に示すように、スロットマシン1への電力供給が開始され、初期設定処理においてRAMが破壊されていると判定した場合に、エラー処理を開始し、RAM異常によるエラー状態に制御するとともに、エラーコマンド(RAM異常)をサブ制御部91に対して送信する。RAM異常によるエラー状態は、設定変更処理に移行されない限り解除されることがないので、スロットマシン1への電力供給が継続される期間にわたり、ゲームの進行が不能化な状態が継続されることとなる。その後、設定キースイッチ37がon状態でスロットマシン1への電力供給が開始されて設定変更処理が実行されることで、エラーが解除される。
これに対して、サブ制御部91は、起動処理において第1役物302及び第2役物400の演出での作動を不許可に設定し、起動処理の後に、エラーコマンド(RAM異常)を受信することで、RAM異常が生じている旨を示す報知画面を液晶表示器51に表示させ、RAM異常を報知するエラー報知を開始し、スロットマシン1への電力供給が停止されるまで継続してRAM異常を報知する。その後、上述のようにメイン制御部41において設定変更処理が実行されて、設定コマンド(終了)を受信することで、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を開始して、初期動作処理の結果に応じてその後の演出での第1役物302及び第2役物400の作動の許可または不許可の設定を行う。
尚、メイン制御部41においてRAM異常によるエラー処理が行われている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止され、その後、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、設定キースイッチ37がon状態でない場合、すなわち設定変更状態に移行しない場合には、メイン制御部41により、再度、エラーコマンド(RAM異常)が送信されることとなり、サブ制御部91は、エラーコマンド(RAM異常)を受信することで、再度、RAM異常を報知するエラー報知を実行する。
このように、サブ制御部91は、メイン制御部41においてRAM異常が生じてエラー処理を実行しているとき、すなわちメイン制御部41がゲームを進行させることが不能な状態で起動したときは、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行せることがなく、第1役物302及び第2役物400の初期動作を制限する。
また、本実施例のメイン制御部41は、図18に示すように、メイン処理においてリール制御処理を実行しているとき、すなわちゲームの進行に伴うリール2L、2C、2Rの回転中に、スロットマシン1への電力供給が停止された場合は、その後、スロットマシン1への電力供給が開始されることで、電力供給が停止されたときのリール制御処理に復帰し、ゲームの進行に伴うリール制御処理を再開する。そして、回転中のリールの第3停止操作が行われることで、1ゲームを終了させ、入賞枚数コマンドをサブ制御部91に対して送信し、遊技開始待ち処理に移行させる。
これに対して、サブ制御部91は、起動処理において第1役物302及び第2役物400の演出での作動を不許可に設定し、起動処理の後に、復帰コマンドを受信することで、電断前の制御状態に復帰されたRAM91cに設定されている各種データに基づいて、電断前のメイン制御部41に制御状況が、ゲームの開始後、全てのリールが停止するまでの状態であったか、すなわちゲーム中であったかを判定し、電断前にゲーム中であった場合に、電断前に実行していた演出態様での演出出力制御を開始させる。その後、再遊技役以外の役が入賞したことまたはいずれの役も入賞しなかった旨を示す入賞枚数コマンドを受信することで、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を開始して、初期動作処理の結果に応じてその後の演出での第1役物302及び第2役物400の作動の許可または不許可の設定を行う。
このように、サブ制御部91は、メイン制御部41において電断前にゲームが進行されていた場合、すなわち電断前の状態が、ゲームの開始後、全てのリールが停止するまでの状態であった場合には、電断から復帰した後、全てのリール2L、2C、2Rが停止されてゲームが終了されるまでの期間に初期動作処理を実行せることがなく、第1役物302及び第2役物400の初期動作を制限する。そして、全てのリール2L、2C、2Rが停止された後、すなわちゲームが終了された後に初期動作処理を実行させて、第1役物302及び第2役物400の初期動作を行う。また、前述のようにナビ演出は、ゲームの開始から第3停止操作までの期間にわたり実行されることとなるため、ナビ演出が実行されている状態で電断が発生した場合でも、その後、電断から復帰した後、ナビ演出が終了するまでの期間に初期動作処理を実行させることがなく、第1役物302及び第2役物400の初期動作を制限する。
本実施例のサブ制御部91は、初期位置から最下位置の範囲で移動可能な可動部302Cを有する第1役物302、移動部410を有する第2役物400を備えており、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、可動部302Cや移動部410が正常に作動するか否かを判定するために初期動作させる初期動作処理を実行可能な構成である。
このような構成では、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側においてゲームの進行が可能な状態か否かに関わらず、一律に、サブ制御部91が第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行する構成とすると、例えば、メイン制御部41のRAM41cに異常が生じている場合など、ゲームの進行が不能な場合であれば、第1役物302及び第2役物400の初期動作を行う必要がないが、このような場合であってもサブ制御部91において第1役物302及び第2役物400の初期動作を行うための不要な制御が実行されることとなる。
これに対して、本実施例では、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側においてゲームの進行が可能なメイン処理の制御が行われている状態(通常状態)の場合には、初期動作処理を実行し、メイン制御部41がゲームの進行が不能な特別な制御を実行している状態(特別状態、本実施例では、設定変ゲームの進行が不能な設定変更状態、RAM異常の発生によりゲームの進行が不能なRAM異常エラー状態)の場合には、初期動作処理を実行しないようになっているので、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41が特別状態の場合に、不要な初期動作処理の制御を行わずに済む。
また、このような構成を第1役物302、第2役物400のように可動部が動作する演出装置を備えるとともに、電源投入時に初期動作を行うことが可能なパチンコ遊技機に適用してもよく、この場合でも電力供給が開始されたときに、メイン制御部41が特別状態の場合に、不要な初期動作処理の制御を行わずに済む。
尚、本実施例では、メイン制御部41側においてゲームの進行が可能なメイン処理の制御が行われている状態(通常状態)とは、メイン処理の制御が行われている状態であり、場合には、ゲームの進行が不能な特別な制御を実行している状態(特別状態)とは、設定変更処理が実行されている状態、RAM異常によるエラー処理が実行されている状態であるが、特別状態は、ゲームの進行が不能な制御状態であれば、設定変更処理やRAM異常によるエラー処理以外の制御状態、例えば、メイン制御部41側において設定値を確認する状態であってゲームの進行が不能な設定確認状態や、リール2L、2C、2Rの回転に異常があってゲームの進行が不能なリール回転エラー状態、その他の異常であってゲームの進行が不能なエラー状態であってもよく、このような構成とすることで、本実施例と同様に、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41がゲームの進行が不能な状態の場合に、不要な初期動作処理の制御を行わずに済む。
また、本実施例では、サブ制御部91は、メイン制御部41側がゲームの進行が不能な特別な制御を実行している状態(特別状態)として、設定変更状態、RAM異常の発生によりゲームの進行が不能なRAM異常エラー状態である場合には、第1役物302の可動部302Cの初期動作処理を実行しない構成であるが、サブ制御部91は、設定変更状態、AM異常エラー状態のうちのいずれかの状態、すなわち特別状態のうち一部の状態についてのみ初期動作を行わない構成でもよい。
また、本実施例では、メイン制御部41側がゲームの進行が不能な特別な制御を実行している特別状態であるエラー状態のうちのRAM異常エラー状態である場合には第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行しない構成であるが、サブ制御部91は、RAM異常エラー状態以外のエラー状態、例えば、リール2L、2C、2Rの回転に異常があってゲームの進行が不能なリール回転エラー状態、その他の異常であってゲームの進行が不能なエラー状態についてのみ初期動作を行わない構成でもよいし、RAM異常エラー状態を含む全てのエラー状態について初期動作を行わない構成でもよい。
また、本実施例では、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側においてゲームの進行が可能なメイン処理の制御が行われている状態(通常状態)の場合には、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行し、メイン制御部41がゲームの進行が不能な特別な制御を実行している状態(特別状態)の場合には、初期動作処理を実行せず、その後、メイン制御部41側が特別状態から通常状態に移行したときに、初期動作処理を実行する構成であるが、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側が特別状態である場合には、その後スロットマシン1への電力供給が停止されるまでにメイン制御部41側が通常状態に移行しても初期動作処理を実行しない構成、すなわちサブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側が通常状態で復帰した場合にのみ初期動作処理を実行する構成であってもよい。
また、本実施例のサブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41がゲームの進行が不能な特別な制御を実行している状態(特別状態、本実施例では、設定変更状態)となった場合には、該特別状態の解除条件(本実施例では、設定変更状態において設定キースイッチ37がoff状態にされること)が成立して、通常状態(本実施例では、メイン処理)に移行したときに第1役物302及び第2役物400の初期動作を実行することで、通常状態に移行して、その後の演出において第1役物302が作動され得る状態となり、初期動作により第1役物302及び第2役物400が正常に作動するか否かの判定が必要となったときに、初期動作制御を実行させることができる。
また、本実施例のサブ制御部91は、メイン制御部41が特別状態(本実施例では、設定変更状態)の解除条件(本実施例では、設定変更状態において設定キースイッチ37がoff状態にされること)が成立して通常状態(本実施例では、メイン処理)に移行した後、メイン制御部41が特別状態に制御されていたことを、通常状態に移行したときから所定期間にわたり報知する所定期間報知を実行可能であり、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41が特別状態に制御された場合には、該特別状態の解除条件が成立して通常状態に移行したときに、所定期間報知と並行して第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行するようになっており、通常状態に移行後の所定期間報知と初期動作処理とが並列して実行されることで、所定期間報知及び初期動作処理に要する時間が短縮され、ゲームを速やかに開始可能となる。
また、本実施例のメイン制御部41は、メイン制御部41での制御状況を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信可能である一方、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信するコマンドに基づいて演出の制御を行うことが可能な構成であり、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始され、初期設定処理においてRAM41cが正常であることが判定されることで、通常状態であるメイン処理に移行したときに、正常にメイン処理に復帰した旨を示す復帰コマンドをサブ制御部91に対して送信し、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始された後、復帰コマンドを受信したときに第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行するようになっており、スロットマシン1への電力供給が開始されても復帰コマンドを受信しない場合、すなわちメイン制御部41側で通常状態に移行したことが確認できない場合にはサブ制御部91側において第1役物302及び第2役物400の初期動作を制限することができる。
また、本実施例のメイン制御部41は、メイン制御部41での制御状況を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信可能である一方、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信するコマンドに基づいて演出の制御を行うことが可能な構成であり、メイン制御部41は、設定キースイッチ37がon状態でスロットマシン1への電力供給が開始され、特別状態である設定変更状態に制御するときに、設定変更状態の制御を開始する旨を示す設定コマンド(開始)をサブ制御部91に対して送信し、設定変更状態の制御が行われている状態で、設定キースイッチ37がoff状態とされることにより設定変更状態が終了されてメイン処理に移行したとき、すなわち特別状態の解除条件が成立して通常状態であるメイン処理に移行したときに、設定変更状態が終了された旨を示す設定コマンド(終了)をサブ制御部91に対して送信するようになっている一方で、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始され、設定コマンド(開始)を受信して特別状態に移行したことが特定された後、設定コマンド(終了)を受信したときに第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を実行するようになっており、スロットマシン1への電力供給が開始されても設定コマンド(終了)を受信しない場合、すなわちメイン制御部41側で通常状態に移行したことが確認できない場合にはサブ制御部91側において第1役物302及び第2役物400の初期動作を制限することができる。
また、本実施例のサブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始された後、復帰コマンドを受信するか、設定コマンド(開始)、設定コマンド(終了)の順で両方のコマンドを受信する前にこれらのコマンド以外のコマンドを受信した場合、すなわちメイン制御部41が電源投入時に送信する所定のコマンドを正常に受信できなかった場合には、その後演出を実行させないようになっているので、スロットマシン1への電力供給が開始されてもメイン制御部41が電源投入時に送信する所定コマンドを受信しない場合、すなわちメイン制御部41側で通常状態に移行したことが確認できない場合にはサブ制御部91側において演出の実行を制限することができる。
また、本実施例のサブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始された後復帰コマンドを受信する前に復帰コマンド以外のコマンドを受信した場合、すなわち復帰コマンドを正常に受信できなかった場合には、その後演出を実行させないようになっているので、スロットマシン1への電力供給が開始されても所定コマンドを受信しない場合、すなわちメイン制御部41側で通常状態に移行したことが確認できない場合にはサブ制御部91側において演出の実行を制限することができる。
また、本実施例のサブ制御部91は、ゲームの進行が不能な特別状態である設定変更状態において、第1役物302の初期動作を実行しない構成であるとともに、設定変更状態において設定変更状態である旨を示す表示を液晶表示器51の表示領域51aに表示して、設定変更状態である旨を報知する設定変更報知を実行可能であり、第1役物302は、初期動作において液晶表示器51の表示領域51aと重なる位置に可動部302Cを動作するようになっており、特別状態において初期動作が行われないので、液晶表示器51の表示領域51aに表示された設定変更状態である旨を示す表示の視認が妨げられることがない。
また、本実施例のサブ制御部91は、第1役物302の可動部302Cの位置を検出可能な位置センサ305a、305bを備えており、初期動作処理により第1役物302の可動部302Cが正常に動作するか否かを位置センサ305a、305bの出力が検出された順序に基づいて判定可能であり、可動部302Cが正常に動作しない旨が判定された場合に、その後第1役物302を用いた演出において可動部302Cの動作を不許可に設定して、その後第1役物302を用いた演出において可動部302Cの動作を制限するので、可動部302Cが正常に動作しない状態で可動部302Cが動作してしまうことを防止できる。第2役物400も同様である。
尚、本実施例では、初期動作処理により可動部302Cが正常に動作しない旨が判定された場合に、その後第1役物302を用いた演出において可動部302Cの動作を不許可に設定して、可動部302Cの動作を制限する構成であるが、初期動作処理により可動部302Cが正常に動作しない旨が判定された場合に、可動部302Cの動作を制限する制御として、例えば、可動部302Cの動作を制限し、かつ正常に動作しない旨を報知する制御でもよいし、可動部302Cの動作のみ制限し、他の演出を実行可能とする制御でもよい。第2役物400も同様である。
また、本実施例では、サブ制御部91は、初期動作処理により可動部302Cまたは移動部410が正常に動作しない旨が判定された場合に、可動部302Cまたは移動部410の動作を制限するのみで他の演出を実行可能とする構成であるが、初期動作処理により可動部302Cまたは移動部410が正常に動作しない旨が判定された場合に、初期動作処理により可動部302Cまたは移動部410が正常に動作する旨が判定されるまで他の演出を含め実行不能とする構成としてもよい。
また、本実施例のサブ制御部91は、遊技者が操作可能な演出用スイッチ56を備え、当該演出用スイッチ56が操作されたときに所定の演出として、例えばゲームの履歴を液晶表示器51に表示させることが可能であり、スロットマシン1への電力供給が開始されてサブ制御部91において初期制御を終了させる際に、演出用スイッチ56の操作の受け付けを有効化する、すなわちサブ制御部91において初期制御を実行している期間において演出用スイッチ56の操作を受け付けないようになっているので、初期制御における初期動作処理によって第1役物302の可動部302Cが動作している状態において所定の演出が実行されて、ゲームの履歴等が液晶表示器51に表示されることを防止できる。これにより、演出用スイッチ56の操作により表示された内容の視認が、第1役物302の可動部302Cの初期動作によって妨げられてしまうことを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、遊技者が操作可能な演出用スイッチ56を備え、当該演出用スイッチ56が操作されたときに所定の演出として、例えばゲームの履歴を液晶表示器51に表示させることが可能であり、演出用スイッチ56が操作されることで所定の演出が実行可能である旨を液晶表示器51に表示して演出用スイッチ56の操作を促す演出を実行可能であり、初期動作制御が行われている期間において演出用スイッチ56の操作を促す演出を実行しないようになっており、初期動作処理によって可動部302Cが動作している状態において所定の演出が実行されることを防止できる。これにより、演出用スイッチ56の操作により表示された内容の視認が、第1役物302の可動部302Cの初期動作によって妨げられてしまうことを防止できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期設定処理を実行し、RAM41cのデータが正常か否かを判定して、RAM41cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、ゲームの進行を不能化させるようになっており、スロットマシン1への電力供給が開始されたときにRAM異常が発生したままゲームが進行してしまうことを防止できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、RAM異常エラー状態においてスロットマシン1への電力供給が停止されても、電力供給が再開された後、初期設定処理においてRAM41cのデータが正常か否かを判定することで、再びRAM異常エラー状態に制御するようになっており、RAM異常エラー状態が解消されないままゲームが進行してしまうことを防止できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、RAM異常エラー状態に一度制御した後は、スロットマシン1への電力供給が開始されて設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されることで、RAM異常エラー状態を解除するようになっているとともに、設定変更状態に移行するときに設定コマンド(開始)をサブ制御部91に対して送信した後、当該設定変更状態を終了させてゲームの進行が可能なメイン処理に移行するときに設定コマンド(終了)をサブ制御部91に対して送信するようになっており、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されて、設定コマンド(終了)を受信したときに、第1役物302の初期動作処理を実行するようになっているので、スロットマシン1への電力供給が開始されても設定コマンド(終了)を受信しない場合、すなわちメイン制御部41側でゲームの進行が可能なメイン処理に制御された状態(通常状態)に移行したことが確認できない場合にはサブ制御部91側において第1役物302及び第2役物400の初期動作が行われることを制限することができる。
本実施例のメイン制御部41は、図18に示すように、メイン処理においてリール制御処理を実行しているとき、すなわちゲームの進行に伴うリール2L、2C、2Rの回転中に、スロットマシン1への電力供給が停止された場合は、その後、スロットマシン1への電力供給が開始されることで、電力供給が停止されたときのリール制御処理に復帰し、ゲームの進行に伴うリール制御処理を再開する。そして、回転中のリールの第3停止操作が行われることで、1ゲームを終了させ、入賞枚数コマンドをサブ制御部91に対して送信し、遊技開始待ち処理に移行させる。
これに対して、サブ制御部91は、起動処理において第1役物302及び第2役物400の演出での作動を不許可に設定し、起動処理の後に実行する初期制御において、復帰コマンドを受信することで、電断前の制御状態に復帰されたRAM91cに設定されている各種データに基づいて、電断前のメイン制御部41に制御状況がゲームの開始後、全てのリールが停止するまでの状態であったか、すなわちゲーム中であったかを判定し、電断前にゲーム中であった場合に、電断前に実行していた演出態様での演出の出力制御を開始させる。その後、再遊技役以外の役が入賞したことまたはいずれの役も入賞しなかった旨を示す入賞枚数コマンドを受信することで、第1役物302及び第2役物400の初期動作処理を開始して、初期動作処理の結果に応じてその後の演出での第1役物302及び第2役物400の作動の許可または不許可の設定を行う。
このように、サブ制御部91は、メイン制御部41において電断前にゲーム中であった場合、すなわち電断前にいずれかのリール2L、2C、2Rが回転中であった可能性がある場合には、その後、電断から復帰した後、全てのリール2L、2C、2Rが停止されてゲームが終了されるまでの期間に初期動作処理を実行せることがなく、第1役物302及び第2役物400の初期動作を制限する。そして、全てのリール2L、2C、2Rが停止された後、すなわちゲームが終了された後に初期動作処理を実行させて、第1役物302及び第2役物400の初期動作を行う。
本実施例のメイン制御部41は、ゲームが開始されてリール2L、2C、2Rを回転させた後、遊技者による停止操作に応じてリール2L、2C、2Rを停止さることで、各リール2L、2C、2Rに跨る入賞ラインLN上に導出された図柄の組合せに基づいて、入賞が発生したか否かを判定する構成であり、サブ制御部91は、リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)において入賞ラインLNと重なる位置に移動可能な可動部302Cを有する第1役物302を備えている。
このような構成においては、図19に示すように、可動部302Cが入賞ラインLNと重なる位置に移動されたときやその移動途中で、入賞ラインLN上に図柄が導出される領域Aに、可動部302Cの少なくとも一部が侵入することによって、可動部302Cの少なくとも一部が入賞ラインLN上のリール2L、2C、2Rと重なるので、入賞ラインLNを通過するリールの視認性が妨げられてしまう。
また、このような構成においては、ゲームの開始に伴い、リール2L、2C、2Rが回転されて少なくとも1つのリールの停止操作が有効となっている期間において、可動部302Cが入賞ラインLN上に図柄が導出される領域A外にあるとき、例えば、液晶表示器51の表示領域51a上や無効ラインLM1上に図柄が導出される領域Bにあるときには、入賞ラインLNを通過するリール上に可動部302Cが重なることがないので、遊技者が入賞ラインLN上に特定の図柄を狙って導出させる目押しの妨げとなることがない一方で、可動部302Cが入賞ラインLN上に図柄が導出される領域Aにあるときには、入賞ラインLNを通過するリール上に可動部302Cが重なることで、目押しが妨げられてしまう。
また、全てのリール2L、2C、2Rの停止操作が無効な状態の期間においては、入賞ラインLNを通過するリール上に可動部302Cが重なる場合であっても目押しの妨げとなること無く、入賞ラインLNと重なる位置に可動部302Cを移動させる演出を実行することが可能である。
このため、本実施例では、第1役物302は、リール2L、2C、2Rの手前側における入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることなく演出を実行する第1の演出と、リール2L、2C、2Rの手前側における入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることがある演出を実行する第2の演出とを実行可能であり、サブ制御部91は、メイン制御部41がゲーム中であり、少なくとも1つ以上のリールの停止操作が有効であるときに、第2の演出を行う制御を実行しないようになっており、第1役物302による演出の実行によりゲームが妨げられてしまうこと、特に可動部302Cが入賞ラインLNと重なることによって入賞ラインLNを通過するリールの視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、サブ制御部91は、メイン制御部41がゲーム中であるときに、入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることがある第2の演出を行わせないように制限する構成であるが、サブ制御部91は、例えば、図19に示すように、無効ラインLM1上に図柄が導出される領域Bに可動部302Cが重なる演出をゲーム中に実行可能である一方で、少なくとも入賞ラインLNを通過するリール上に可動部302Cが重なる演出、すなわち、図19に示すように、入賞ラインLN上に図柄が導出される領域Aに可動部302Cが重なる演出が実行されることを制限する構成であってもよく、このような構成であっても、可動部302Cが入賞ラインLNと重なることによって入賞ラインLNを通過するリールの視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、サブ制御部が、メイン制御部41がゲーム中であるときに、リールの停止操作が有効となる前の期間においても、入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることがある第2の演出を行わせないように制限する構成であるが、少なくともリールの停止操作が有効な期間において、入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることがある第2の演出を行わせないように制限する構成であれば、可動部302Cが入賞ラインLNと重なることによって入賞ラインLNを通過するリールの視認性が妨げられることにより、目押しの妨げとなってしまうことを防止できる。
また、本実施例では、ゲームが開始されてリール2L、2C、2Rを回転させた後、遊技者による停止操作に応じてリール2L、2C、2Rを停止さることで、各リール2L、2C、2Rに跨る入賞ラインLN上に導出された図柄の組合せに基づいて、入賞が発生したか否かを判定する構成であり、サブ制御部91は、リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)において入賞ラインLNと重なる位置に移動可能な可動部302Cを有する第1役物302を備えており、このような構成では、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側においてゲームが進行されている状態か否かに関わらず、一律に、サブ制御部91が第1役物302の初期動作処理を実行する構成とすると、例えば、メイン制御部41の側においてゲームが進行されている途中に電断が発生した場合など、電断からの復帰時において初期動作がゲームの妨げとなる虞がある。
これに対して、本実施例では、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、電断前の状態に復帰されたRAM91cに設定されている各種データに基づいて、電断前にゲーム中であったか否かを判定し、電断前にゲーム中でなかった場合、すなわちスロットマシン1への電力供給が開始されたときに、ゲーム中でないと判定される場合には、第1役物302の初期動作処理を実行し、RAM91cに設定されている各種データに基づいて、電断前にゲーム中であった場合、すなわちスロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側においてゲーム中と判定される場合には、第1役物302の初期動作処理を実行しないようになっているので、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41がリール2L、2C、2Rの制御を実行してゲームを進行させている場合に初期動作処理が行われて、入賞ラインLNを通過するリール上に可動部302Cが重なることで、第1役物302の初期動作ゲームの妨げとなってしまうことを防止できる。
特に本実施例では、初期動作により第1役物302が入賞の発生が判定されることとなる入賞ラインLNと重なる位置に移動することとなるが、リールの回転中に初期動作が行われることによって入賞ラインLNと重なる位置に第1役物が移動するようなことがなく、初期動作によって入賞ラインLNを通過するリールの視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、電断前にゲーム中であったか否かを判定し、電断前にゲーム中でなかった場合には、第1役物302の初期動作処理を実行し、電断前にゲーム中であった場合には、第1役物302の初期動作処理を実行しない構成であるが、少なくとも電断前の状態がリールの停止操作が有効な状態である場合に、第1役物302の初期動作処理を実行しない構成であれば、メイン制御部41がリール2L、2C、2Rの制御を実行してゲームを進行させている場合に初期動作処理が行われることで、第1役物302の初期動作ゲームの妨げとなってしまうことを防止できる。
また、本実施例の第1役物302は、リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)において入賞ラインLNと重なる位置に移動可能な可動部302Cを有する構成であるが、役物の構成は、可動部302Cが動作することでリール2L、2C、2Rの手前側における入賞ラインLNと重なる位置を跨いで演出を実行可能な構成でもよいし、リール2L、2C、2Rの手前側に入賞ラインLNと重なる位置に、液晶表示器等の表示領域や、光の入射により画像を表示可能な導光板等が配置され、入賞ラインLNと重なる位置で画像や光による演出を実行可能な構成でもよい。このような構成であっても、本実施例と同様に、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41がリール2L、2C、2Rの制御を実行してゲームを進行させている場合に初期動作処理が行われることで、第1役物302の初期動作ゲームの妨げとなってしまうことを防止できる。
本実施例のサブ制御部91は、遊技者にとって有利な操作態様(停止順、停止タイミング等)等を識別可能に液晶表示器51に表示された画像によって報知するナビ演出として、図20に示すように、液晶表示器51の表示領域51aのうちリール2L、2C、2Rの上方の領域Cに、遊技者にとって有利な操作態様を示唆するナビ画像(例えば、第1停止が中リール、第2停止が左リール、第3停止が右リールであることを示唆する「213」及びベルが当選したことを示唆する「ベル」の画像)を表示することが可能な構成である。一方で、サブ制御部91は、液晶表示器51の表示領域51aの手前側を移動可能な可動部302Cを有する第1役物302を備える構成である。
このような構成においては、可動部302Cが入賞ラインLNと重なる位置に移動されたときやその移動途中で、ナビ演出において遊技者にとって有利な操作態様を示唆するナビ画像が表示される領域Cに、可動部302Cの少なくとも一部が侵入することによって、可動部302Cの少なくとも一部がナビ画像と重なるので、遊技者にとって有利な操作態様を示唆するナビ画像の視認性が妨げられてしまう。
また、このような構成においては、ゲームの開始に伴い、リール2L、2C、2Rが回転されて少なくとも1つのリールの停止操作が有効となっている期間において、遊技者にとって有利な操作態様として特定の図柄(例えば「赤7」)を入賞ラインLNに停止させることが示唆されるナビ画像が液晶表示器51に表示されている状態で、可動部302Cがナビ画像の表示される領域C外にあるときには、ナビ画像に可動部302Cが重なることがないので、ナビ画像により示唆される図柄を狙って導出させる目押しの妨げとなることがない一方で、可動部302Cが領域C上にあるときには、ナビ画像に可動部302Cが重なることで、目押しが妨げられてしまう。
これに対して、本実施例では、第1役物302は、リール2L、2C、2Rの手前側における入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることなく演出を実行する第1の演出と、リール2L、2C、2Rの手前側における入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることがある演出を実行する第2の演出とを実行可能であり、サブ制御部91は、メイン制御部41がゲーム中であり、少なくとも1つ以上のリールの停止操作が有効であるとき、すなわちナビ演出が実行されている可能性があるときに、第2の演出を行う制御を実行しないようになっており、第1役物302による演出の実行によりナビ演出の視認性が妨げられてしまうこと、特に、液晶表示器51の表示領域51a上のナビ演出が行われる領域Cと可動部302Cが重なることによってナビ演出の視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、サブ制御部91は、メイン制御部41がゲーム中であるときに、入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることがある第2の演出を行わせないように制限する構成であるが、図20に示すように、ナビ演出を表示させる領域Cのうち遊技者にとって有利な操作態様が表示される領域を領域C’として、サブ制御部91は、メイン制御部41がゲーム中であるときに、少なくとも遊技者にとって有利な操作態様が表示される領域C’に可動部302Cが重なる演出を行わせないように制限する構成であればよく、領域C’以外の領域Cに可動部302Cが重なる演出をゲーム中に実行可能な構成としてもよい。
また、本実施例では、サブ制御部91は、メイン制御部41がゲーム中であるときに、入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることがある第2の演出を行わせないように制限する構成であるが、少なくともナビ演出が表示されている期間において入賞ラインLNと重なる位置まで可動部302Cを移動させることがある第2の演出を行わせないように制限する構成であれば、液晶表示器51の表示領域51a上のナビ演出が行われる領域Cと可動部302Cが重なることによってナビ演出の視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、サブ制御部91は、遊技者にとって有利な操作態様としてリールの停止操作順を示唆するナビ画像を、表示領域51aにおけるリール2L、2C、2Rの上方付近の部分に表示させる構成であるが、表示領域51aの他の部分に、例えば、特定の図柄を入賞ラインLNに導出させるために停止操作を行うタイミング等の遊技者にとって有利な操作態様を表示させる構成であってもよく、このような構成においては、遊技者にとって有利な操作態様が表示される領域に可動部302Cが重なる演出を行わせないように制限することで、ナビ演出の視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
また、前述のようにサブ制御部91は、液晶表示器51の表示領域51aの手前側を移動可能な可動部302Cを有する第1役物302を備えており、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、可動部302Cが正常に作動するか否かを判定するために初期動作させる初期動作処理を実行可能な構成である。このような構成では、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、ナビ演出が実行されている状態か否かに関わらず、一律に、サブ制御部91が第1役物302の初期動作処理を実行する構成とすると、例えば、ナビ演出が実行てれている途中に電断が発生した場合などに、電断からの復帰時において初期動作がナビ演出の妨げとなる虞がある。
これに対して、本実施例では、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、電断前の状態に復帰されたRAM91cに設定されている各種データに基づいて、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、電断前にメイン制御部41側においてゲーム中と判定される場合、すなわちメイン制御部41側においてナビ報知が実行されている可能性がある場合には、第1役物302の初期動作処理を実行せず、電断前にメイン制御部41側においてゲーム中でないと判定される場合、すなわちナビ演出の実行中である可能性がない場合には、第1役物302の初期動作処理を実行する構成である。このような構成では、メイン制御部41がナビ報知を伴うゲーム中である場合には、サブ制御部91は第1役物302の初期動作処理を実行しないので、ナビ演出において遊技者にとって有利な操作態様を示唆するナビ画像が表示される領域C上に可動部302Cが重なることがなく、ナビ演出の実行中に電断が発生した場合など、電断からの復帰時において初期動作がナビ演出により報知される操作態様の特定の妨げとなってしまうことを防止できる。
また、このような構成を第1役物302のように可動部が操作態様(例えば、右打ち、左打ち等)を報知する報知手段の手前側の領域で演出を実行可能な演出装置を備えるとともに、電源投入時に初期動作を行うことが可能なパチンコ遊技機に適用してもよく、この場合でもナビ演出の実行中に電断が発生した場合など、電断からの復帰時において初期動作がナビ演出により報知される操作態様の特定の妨げとなってしまうことを防止できる。
尚、本実施例の第1役物302が、液晶表示器51の表示領域51aの手前側を移動可能な可動部302Cを有する構成であるが、液晶表示器51の表示領域51aの手前側に、液晶表示器等の表示領域や、光の入射により画像を表示可能な導光板等が配置され、液晶表示器51の表示領域51aの手前側で画像や光による演出を実行可能な構成でもよい。このような構成であっても、本実施例と同様に、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、ナビ演出の実行中に電断が発生した場合など、電断からの復帰時において初期動作がナビ演出により報知される操作態様の特定の妨げとなってしまうことを防止できる。
また、本実施例では、ゲーム中にナビ演出が実行されるとともに、電断前にゲーム中と判定される場合には、第1役物302の初期動作処理を実行せず、電断前にゲーム中でないと判定される場合には、第1役物302の初期動作処理を実行する構成であるが、電断前にナビ演出の実行中か否かを判定し、電断前にナビ演出の実行中と判定される場合には、第1役物302の初期動作処理を実行せず、電断前にナビ演出の実行中でないと判定される場合には、第1役物302の初期動作処理を実行する構成としてもよく、このような構成であっても、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、ナビ演出の実行中に電断が発生した場合など、電断からの復帰時において初期動作がナビ演出により報知される操作態様の特定の妨げとなってしまうことを防止できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、全てのリール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、入賞の有無や入賞の種類を特定可能な入賞枚数コマンドをサブ制御部91に対して送信し、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、電断前の状態に復帰されたRAM91cに設定されている各種データに基づいて、メイン制御部41側がゲーム中と判定した場合には、その後、ゲームが終了したことを条件に第1役物302の初期動作を実行するので、第1役物302の初期動作がゲームの進行やナビ演出により報知される操作態様の特定の妨げとなってしまうことを防止しつつ、第1役物302が正常に動作するか否かを確認することができる。また、ゲームが終了しても、再遊技役が入賞した場合には、初期動作を行わず、その後、再遊技役が入賞せずにゲームが終了したときに、第1役物302の初期動作を実行するので、再遊技役が入賞してすぐにゲームが開始した場合でも、第1役物302の初期動作がゲームの進行やナビ演出により報知される操作態様の特定の妨げとなってしまうことを防止できる。
尚、サブ制御部91は、電断前にゲーム中であった場合に、電断から復帰した後、再遊技役以外の役が入賞した旨またはいずれの役も入賞しなかった旨を示す入賞枚数コマンドを受信するまでの期間において、第1役物302の可動部302Cを移動させる初期動作を実行することなく制限する構成であるが、電断前に規定の賭数が設定されている場合は、電断から復帰された後からスタートスイッチ7が操作されて、リール2L、2C、2Rの回転が開始されるまでの期間も、リールの回転が開始された後から、再遊技役以外の役が入賞したことまたはいずれの役も入賞しなかった旨を示す入賞枚数コマンドを受信するまでの期間と同様に、第1役物302の初期動作を実行せずに制限する構成としてもよい。このような構成とすることで、電断前に賭数が設定されており、電断から復帰した後、直ぐにスタートスイッチ7が操作されてゲームが開始される場合であっても、第1役物302の初期動作が実行されることがないので、入賞ラインLNに可動部302Cが重なることがなく、の視認性が妨げられることを回避できる。
また、メイン制御部41は、電断前にゲーム中であった場合に、電断から復帰した後のゲーム終了時に第1役物302の初期動作の実行に十分な長さの所定期間にわたり遊技の進行を遅延させるフリーズ状態に制御する構成としてもよい。このような構成とすることで、サブ制御部91は、電断から復帰してゲーム中となる場合に、当該ゲームの終了時、すなわちメイン制御部41によりフリーズ状態に制御されている所定期間において第1役物302の初期動作を実行することとなり、初期動作中にメイン制御部41側でゲームが開始されることを回避できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、電断中もRAM91cのデータを保持可能であり、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、電断前の状態に復帰されたRAM91cに設定されている各種データに基づいて、メイン制御部41側がゲーム中か否かを判定するようになっており、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側の制御状態を特定可能なコマンドを送信せずとも、電力供給前の制御状態に復帰するか否かを特定可能な復帰コマンドを送信するのみで、サブ制御部91側でメイン制御部41がゲーム中であるかを判定し、その判定結果に応じて初期動作を実行するか否かを判断することができる。
尚、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側の制御状態がゲーム中か否かを特定可能な復帰コマンドを送信し、サブ制御部91は、当該復帰コマンドに基づいてメイン制御部41がゲーム中であるかを判定し、その判定結果に応じて初期動作を実行するか否かを判断する構成としてもよい。
本実施例では、サブ制御部91は、初期位置から最下位置の範囲で移動可能な可動部302Cを有する第1役物302を備えており、可動部302Cを少なくとも異なる2種類の速度で移動させることが可能であるとともに、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、第1役物302の可動部302Cを所定動作パターンで初期動作させて、可動部302Cに不具合が生じているか否かを検出する初期動作処理を実行可能である。
このような構成では、初期動作処理において第1役物302の可動部302Cを、演出により動作させるときよりも遅い速度で動作させる構成とすると、遅い速度で動作させる場合には、速い速度で動作させる場合よりも駆動トルクが大きい分、速い速度で動作させた場合に生じる不具合を検出できない虞がある。第2役物400についても同様の虞がある。
これに対して、本実施例では、サブ制御部91は、第1役物302の可動部302Cを作動させる作動パターンとして、初期位置から最下位置に可動部302Cを低速で進出させる作動パターン、または初期位置から最下位置に可動部302Cを低速よりも速い高速で進出させる作動パターンのいずれかを選択して、可動部302Cを作動させることが可能であり、スロットマシン1への電力供給が開始されたときの初期動作処理において、可動部302Cを高速で進出させる作動パターンを選択して、可動部302Cを高速で初期動作させる制御を行うようになっているので、初期動作処理において、可動部302Cを低速で進出させる作動パターンよりも速い高速で進出させる作動パターン、すなわち可動部302Cを低速で進出させる作動パターンよりも可動部302Cを駆動させる駆動トルクが小さい作動パターンにて、可動部302Cを初期位置から最下位置まで進出させて初期動作を行わせる制御を行うこととなるので、可動部302Cの不具合の検出精度を高めることができる。第2役物400についても同様である。
また、このような構成を第1役物302、第2役物400のように可動部が動作する演出装置を備えるとともに、電源投入時に初期動作を行うことが可能なパチンコ遊技機に適用してもよく、この場合でも初期動作処理において、可動部302Cを低速で進出させる作動パターンよりも速い高速で進出させる作動パターン、すなわち可動部302Cを低速で進出させる作動パターンよりも可動部302Cを駆動させる駆動トルクが小さい作動パターンにて、可動部302Cを初期位置から最下位置まで進出させて初期動作を行わせる制御を行うこととなるので、可動部302Cの不具合の検出精度を高めることができる。
また、本実施例のサブ制御部91は、第1役物302の可動部302Cを初期位置から最下位置に進出させるときに、低速で進出させる作動パターンおよび低速よりも速い高速で進出させる作動パターンを含む複数の作動パターンのいずれかの作動パターンを選択して、可動部302Cを初期位置から最下位置に進出させる制御を行うことが可能であり、い、可動部302Cを最下位置から初期位置に後退させるときには、可動部302Cを低速で進出させた場合も、可動部302Cを高速で進出させた場合も、同様に定速で可動部302Cを後退させる1種類の作動パターンで駆動制御を行うので、可動部302Cを初期位置から最下位置に進出させるときには複数の作動パターンにより動作態様に変化を持たせつつ、最下位置から初期位置に後退させるときには共通の作動パターンを用いることにより制御を簡素化することができる。第2役物400についても同様である。
また、本実施例のサブ制御部91は、第1役物302に設けられ初期位置から最下位置の範囲で移動可能な可動部302C、及び第2役物400に設けられ第1位置から第2位置の範囲で移動可能な移動部410をそれぞれ制御可能であり、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、可動部302C及び移動部410を所定の順番で初期動作させる初期動作処理を実行することで、可動部302Cを初期動作させて、可動部302Cが正常に作動したか否かを判定した後、続けて、移動部410を初期動作させて、移動部410が正常に作動したか否かを判定するようになっており、全ての可動部材(可動部302C及び移動部410)を初期動作させる制御が完了する前に先に初期動作された可動部材が正常に動作しない旨が判定された場合でも、全ての可動部材に初期動作を行わせる制御を実行するので、初期動作処理の途中で、いずれかの可動部材について正常に動作しない旨が判定された場合でも全ての可動部材に初期動作を行わせる制御が実行されるので、初期動作の制御が複雑とならない。
尚、本実施例では、可動部302C及び移動部410を所定の順番で初期動作させる初期動作処理を実行する構成であるが、可動部302C及び移動部410を同時に初期動作させる初期動作処理を実行する構成としてもよく、このような構成とすることで、初期動作に要する時間を短縮することができる。
また、本実施例のサブ制御部91は、第1役物302の可動部302Cの位置を検出可能な位置センサ305a、305bを備えており、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに実行する初期制御において、第1役物302の初期動作処理を実行して、位置センサ305a、305bの出力が所定順序で変化する前に、所定時間が経過したと判定した場合は、可動部302Cが正常に進出及び後退せず、第1役物302が正常に動作しなかった旨を示す役物異常フラグ1をRAM91cに設定し、その後の演出における第1役物302の可動部302Cの作動を不許可に設定する一方で演出用LED303L、303C、303Rの点灯を許可に設定することで、第1役物302の可動部302Cの動作を制限する制御を行うようになっているので、第1役物302の可動部302Cが正常に動作しない状態で第1役物302の可動部302Cが動作してしまうことを防止できる。第2役物400についても同様である。
尚、本実施例では、サブ制御部91は、初期動作処理にて役物異常フラグ1が設定されることで、その後の演出における第1役物302の可動部302Cの作動を不許可に設定する一方で演出用LED303L、303C、303Rの点灯を許可に設定することで、第1役物302の可動部302Cの動作を制限する構成であるが、例えば、第1役物302の可動部302Cの作動を制限し、かつ正常に動作しない旨を報知する制御でもよいし、可動部302Cの動作のみ制限し、他の演出である演出用LED303L、303C、303Rの実行可能とする制御でもよい。また、第1役物302のうち一部のみが正常に動作しない場合には、正常に動作しない部分のみ動作を制限し、他の部分については演出を実行可能とする制御でもよい。第2役物400についても同様である。
また、本実施例のサブ制御部91は、初期動作処理において第1役物302の作動パターンが設定された後、位置センサ305a、305bの出力が所定順序で変化する前に、所定時間が経過したと判定される場合に、第1役物302が正常に動作しなかったと判定する構成であるが、例えば、第1役物302の可動部302Cが移動途中で一時的に引っ掛りが生じる等により、初期動作処理において第1役物302の作動パターンが設定された後、作動パターンに対応する所定タイミングにおいて位置センサ305a、305bの各出力が検出されなかったことや、例えば、演出用モータ内部でのステップ数と回転角度のずれが生じること等により所定ステップ数で可動部302Cが所定位置まで移動できなくなっていること等より、初期動作処理において第1役物302の作動パターンが設定された後、位置センサ305aの出力が検出された後、位置センサ305bの出力が検出されることなく、再び位置センサ305aの出力が検出されたことなどにより、第1役物302が正常に動作しなかったと判定する構成であってもよく、これらの状況のうちいずれかが検出されることで、第1役物302が正常に動作しなかったと判定する構成であってもよいし、これらの状況のうちいずれか複数の状況が検出されることで、第1役物302が正常に動作しなかったと判定する構成であってもよいし、これらの状況のうちいずれかが検出されることで、更に他の状況が検出されるか否かを判定し、当該状況が検出されることで、第1役物302が正常に動作しなかったと判定する構成であってもよい。第2役物400についても同様である。
また、本実施例では、第1役物302において可動部302Cが初期位置にあることを検出可能な位置に配置される位置センサ305a、可動部302Cが最下位置にあることを検出可能な位置に配置される位置305bを設けて、2つの位置センサの出力に基づいて第1役物302が正常に作動するか否かを判定する構成であるが、第1役物302の可動部302Cが初期位置、最下位置以外の特定位置にあることを検出可能な第3の位置センサを設けて、3つの位置センサの出力に基づいて第1役物302が正常に作動するか否かを判定する構成としてもよいし、例えば、初期位置を検出可能な位置センサ305aのみの出力に基づいて第1役物302が正常に作動するか否かを判定する構成であってもよい。第2役物400についても同様である。
本実施例では、スロットマシン1は、初期位置から最下位置の範囲で移動可能な可動部302Cを有し、遊技者等が外部から接触不可能に設けられた第1役物302と、第1位置から第2位置の範囲で移動可能な移動部410を有し、当該移動部410に設けられた演出用スイッチ401を遊技者等が外部から接触可能に設けられた第2役物400と、を備えており、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、移動部410が正常に作動するか否かを判定するために当該可動部302C及び移動部410を初期動作させる制御を実行することが可能である。
このような構成では、第2役物400の移動部410は、初期動作時において、外部からの接触がなければ正常に動作する状況であっても、外部からの接触により正常に動作しなくなる可能性があり、このような場合に正常に動作可能であっても正常に動作しないと判定される虞がある。
これに対して、本実施例では、サブ制御部91は、第1役物302の初期動作においては、第1役物302の可動部302Cの作動パターンを設定して、可動部302Cを作動させる制御を開始した後、初期動作が正常に完了せず、可動部302Cが正常でないと判定された場合に、該可動部302Cが正常に動作しない旨を示す役物異常フラグ1をRAM91cに設定する一方で、第2役物400の初期動作においては、第2役物400の移動部410の作動パターンを設定して、移動部410を作動させる制御を開始した後、初期動作が正常に完了せず、移動部410が正常でないと判定された場合に、再度、移動部410の作動パターンを設定して、移動部410を再作動させる制御を開始させる制御を行うことが可能であり、移動部410を再作動させる制御を規定回数(本実施例では、3回)行っても、移動部410を作動させる制御を開始した後、初期動作が正常に完了せず、移動部410が正常でないと判定された場合に、該移動部410が正常に動作しない旨を示す役物異常フラグ2をRAM91cに設定するようになっているので、外部から接触不能な第1役物302については、初期動作が1回でも正常に完了しない場合に正常に動作しない旨が判定される一方で、外部から接触可能な第2役物400については、初期動作が正常に完了しない場合に再度初期動作を行い、再度初期動作を行う制御を規定回数行っても初期動作が正常に完了しない場合に正常に動作しない旨が判定されるので、例えば、移動部410が初期動作のときに外部から偶然接触されてしまい、その後、接触されない状況等、初期動作時に外部からの接触がなければ正常に動作する状況であって外部からの接触により正常に動作しない状況であるにも関わらず、正常に動作しない旨が判定されてしまうことを防止できる。
また、このような構成を第1役物302のように外部から接触不能な可動部が動作する演出装置と、第2役物400のように外部から接触可能な可動部が動作する演出装置と、を備えるとともに、電源投入時に初期動作を行うことが可能なパチンコ遊技機に適用してもよく、この場合でも移動部410が初期動作のときに外部から偶然接触されてしまい、その後、接触されない状況等、初期動作時に外部からの接触がなければ正常に動作する状況であって外部からの接触により正常に動作しない状況であるにも関わらず、正常に動作しない旨が判定されてしまうことを防止できる。
尚、本実施例のサブ制御部91は、初期動作において、第1役物302については、可動部302Cを1回作動させて、初期動作が正常に完了せず、可動部302Cが正常でないと判定された場合に、該可動部302Cが正常に動作しない旨を示す役物異常フラグ1をRAM91cに設定する一方で、第2役物400については、移動部410を規定回数(本実施例では、3回)まで作動させることが可能であり、当該規定回まで動作させても、初期動作が正常に完了せず、移動部410が正常でないと判定された場合に、該移動部410が正常に動作しない旨を示す役物異常フラグ2をRAM91cに設定する構成であるが、第1役物302についても、可動部302Cを第1規定回数(例えば、2回)まで作動させることが可能にして、当該第1規定回数まで動作させても、初期動作が正常に完了せず、可動部302Cが正常でないと判定された場合に、該可動部302Cが正常に動作しない旨を示す役物異常フラグ1をRAM91cに設定する構成としてもよく、このような構成において、第2役物400については、可動部302Cを作動させる第1規定回数より多い第2規定数(例えば、3回)まで移動部410を作動させることを可能にして、当該第2規定回まで動作させても、初期動作が正常に完了せず、移動部410が正常でないと判定された場合に、該移動部410が正常に動作しない旨を示す役物異常フラグ2をRAM91cに設定するように構成することが好ましい。このような構成では、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期動作処理において、外部から接触不能な第1役物302の可動部302Cについては、再度初期動作を行う制御を第1規定回数まで行っても初期動作が正常に完了しない場合に正常に動作しない旨が判定される一方で、外部から接触可能な第2役物400の移動部410については、再度初期動作を行う制御を第1規定回数よりも多い第2規定回数まで行っても初期動作が正常に完了しない場合に正常に動作しない旨が判定されるので、本実施例の構成と同様に、初期動作時に外部からの接触がなければ正常に動作する状況であって外部からの接触により正常に動作しない状況であるにも関わらず、正常に動作しない旨が判定されてしまうことを防止できる。
尚、本実施例のスロットマシン1は、外部から接触不可能な第1役物302と外部から接触可能な第2役物400を備える構成であるが、外部から接触不可能な役物及び外部から接触可能な役物をそれぞれ1個または複数個備える構成であってもよく、1つの役物が外部から接触不可能な第1の可動部及び外部から接触可能な第2の可動部を備える構成であってもよい。このような構成においては、外部から接触可能な役物または可動部について初期動作を行う場合に、外部から接触不可能な役物または可動部について初期動作を行う場合よりも多い回数作動させても初期動作が正常に完了しない場合に正常に動作しない旨が判定されるように構成することで、本実施例と同様に、初期動作時に外部からの接触がなければ正常に動作する状況であって外部からの接触により正常に動作しない状況であるにも関わらず、正常に動作しない旨が判定されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、サブ制御部91は、初期動作処理により、第1役物302の可動部302Cが正常に動作しない旨を示す役物異常フラグ1がRAM91cに設定された場合に、その後の演出において第1役物302の作動を不許可に設定し、当該第1役物302の動作を制限する制御を行うので、第1役物302の可動部302Cが正常に動作しない状態で第1役物302が動作してしまうことを防止できる。第2役物400についても同様である。
尚、本実施例では、サブ制御部91は、役物異常フラグ1が設定されている場合に、その後の演出において第1役物302の作動を制限する制御を実行する一方で、第1役物302に備えられた演出用LED303L、303C、303Rの点灯は制限せずに役物異常フラグ1が設定されていない場合と同様の態様で点灯させるようになっているが、役物異常フラグ1が設定されている場合に、第1役物302の作動及び演出用LED303L、303C、303Rの点灯をともに制限する構成としてもよい。第2役物400についても同様である。
また、本実施例では、第1役物302は、演出態様に応じて点灯される演出用LED303L、303C、303Rを備えており、サブ制御部91は、演出用LED303L、303C、303Rの点灯を制御可能であり、初期動作処理において役物異常フラグ1が設定されたことで、第1役物302の作動を制限する制御を実行する場合でも、演出用LED303L、303C、303Rを点灯させる制御を行うようになっているので、第1役物302を用いた演出の制限を最小限にとどめることができる。第2役物400についても同様である。
[復帰駆動制御について]
サブ制御部91は、通常であれば第1役物302及び第2役物400が初期位置にあるべき所定タイミングにおいて、第1役物302及び第2役物400が初期位置にないときに、初期位置に復帰させるための復帰駆動処理を行う。図21は、サブ制御部91が実行する復帰駆動処理の制御内容を示すフローチャートである。復帰駆動処理においては、まず、Sk01において、図11に示す演出パターンA〜Hなどに基づいて第1役物302及び第2役物400が駆動中であるか否かが判定される。
Sk01において演出パターンに基づいて第1役物302及び第2役物400が駆動中であると判定されたときには、復帰駆動処理を終了する。これに対し、Sk01において演出パターンに基づいて第1役物302及び第2役物400が駆動中でないと判定されたときには、Sk02において所定タイミングのうち賭数設定済の状態でかつスタートスイッチ7が操作されたタイミングであるか否かが判定される。賭数設定済の状態でかつスタートスイッチ7が操作されたか否かは、メイン制御部41からの内部当選コマンドを受信したか否かに基づいて判定される。メイン制御部41は、賭数設定済の状態においてスタートスイッチ7が操作されることにより、内部当選コマンドを出力する。
Sk02において賭数設定済の状態でないかあるいはスタートスイッチ7が操作されていないと判定されたときには、Sk03において所定タイミングのうち演出パターンA〜Hなどに基づく第1役物302及び第2役物400による役物演出が終了した直後のタイミングであるか否かが判定される。役物演出が終了した直後であるか否かは、サブ制御部91による演出パターンに基づく駆動制御が終了したか否かに基づいて判定される。
Sk03において演出パターンA〜Hなどに基づく第1役物302及び第2役物400による役物演出が終了したタイミングでないと判定されたときには、Sk04において所定タイミングとして精算可能期間において精算スイッチ10が操作されたタイミングであるか否かが判定される。精算可能期間において精算スイッチ10が操作されたか否かは、メイン制御部41からの払出開始コマンドを受信したか否かに基づいて判定される。メイン制御部41は、精算可能期間において精算スイッチ10が操作されることにより、払出開始コマンドを出力する。精算可能期間とは、リール2L〜2Rが回転していない期間であってかつリプレイ入賞後ではない期間をいう。Sk04において精算スイッチ10が操作されたタイミングでないと判定されたときには、復帰駆動処理を終了する。
一方、Sk02〜Sk04のいずれかにおいて所定タイミングであると判定されたときには、Sk05において、第1役物302及び第2役物400各々が初期位置にあることを検出可能な位置センサ305a、403bにより検出されていないか否かが判定される。つまり、第1役物302及び第2役物400各々が初期位置にあるか否かが判定され、非検出であるときには初期位置にないと判定する。
Sk03の判定に関連して、演出パターンA〜Hなどに基づく第1役物302及び第2役物400による役物演出が終了した直後においては、図11に示すパターンに基づき駆動された結果、第1役物302及び第2役物400は通常であれば初期位置になっている。その結果、Sk02の判定に関連しても同様に、賭数設定済の状態における第1役物302及び第2役物400は、通常であれば初期位置になっているはずである。さらに、Sk04の判定に関連して、各種の演出を見届けてから精算操作されることが一般的であることから、精算操作がされる状況においては、通常であれば初期位置になっているはずである。
Sk05において非検出ではない、つまり検出されており初期位置にあると判定されたときには、復帰駆動処理を終了する。一方、非検出されており初期位置にないと判定されたときには、非検出の位置センサに対応する役物(位置センサ305aには第1役物302が対応し、位置センサ403bには第2役物400が対応)を図11に示す復帰パターンに基づいて駆動させる。これにより、意図せぬタイミングで初期位置にないと判定された役物を初期位置に復帰させることができる。
次に、復帰駆動処理を実行することにより得られる主な効果を説明する。
(1) 図21のSk02、Sk05、Sk06で示したように、賭数設定済の状態でスタートスイッチ7が操作されてリール2L〜2Rの回転が開始されるときには、初期位置にない第1役物302及び第2役物400を、復帰パターンで駆動制御することにより、初期位置に復帰させることができる。これにより、役物が初期位置にない状態でゲームが行われてしまうことを防止できる。その結果、役物がゲームの進行を邪魔してしまい遊技者に不満を抱かせてしまうことを防止できる。
また、リール回転中におけるスタートスイッチ7への操作によっては、内部当選コマンドを受信しないことから復帰駆動制御が行われないため、ゲーム開始時に複数回スタートスイッチ7が操作されたとしても2回目以降の操作に基づく復帰駆動制御が行われない。その結果、1回目の操作を契機として演出パターンに基づく役物演出が開始されるはずであったのに、当該操作に続く2回目以降の操作によって当該役物演出が終了してしまうような不都合の発生を防止できる。
(2) 図21のSk03で示したように、演出パターンに基づく役物演出が終了した直後において初期位置となるべきタイミングにおいて、第1役物302及び第2役物400が初期位置にないときにも、復帰パターンで駆動制御することにより、初期位置に復帰させることができる。これにより、役物演出終了時において第1役物302及び第2役物400各々が意図せぬ状態で停止してしまうことを防止できる。
(3) 図21のSk01およびSk02で示したように、役物演出中でなく賭数設定済の状態において第1役物302及び第2役物400が初期位置にない状況のときに復帰駆動制御が行われる。このため、役物演出中など復帰を意図せぬ状況においてまで復帰駆動制御が行われてしまうことを防止できる。
(4) 図1に示すとおり、第1役物302及び第2役物400は、スロットマシン1を遊技する遊技者が手を触れる範囲に配置されている。このため、遊技者の近くで第1役物302及び第2役物400を駆動させることにより迫力ある演出を実行可能としつつ、遊技者が接触などすることにより初期位置以外の位置に移動させてしまったときでも復帰駆動制御を実行可能であるため、第1役物302及び第2役物400がゲームの進行を邪魔してしまい遊技者に不満を抱かせてしまうことを防止できる。
(5) 図11で示した演出パターンは、パターン毎に定められた駆動期間に亘って第1役物302及び第2役物400を作動させるように定められている。このため、役物演出は、駆動期間が経過することによっても終了して初期位置に移動する。一方、役物演出が終了したときのみならず、スタートスイッチ7が操作されたときなどにも復帰駆動制御が行われるため、第1役物302及び第2役物400を確実に初期位置に移動させた状態でゲームを開始させることができる。
(6) 図21のSk04で示したように、精算可能期間において精算スイッチ10が操作されて精算操作がされたときにも、初期位置にない第1役物302及び第2役物400を、復帰パターンで駆動制御することにより、初期位置に復帰させることができる。これにより、精算操作がされることによりスロットマシンにおける遊技を終了する可能性が高いときに復帰駆動制御が行われることにより、当該スロットマシンにおける次の遊技者を受け入れ可能に準備することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
[可動部材について]
前述した実施の形態においては、移動する可動部材として第1役物302を例示し、突出する可動部材として第2役物400を例示した。しかし、可動部材としては、初期位置から初期位置以外の位置に変位可能なものであれば、これらに限らず、配置されている向き(方向)が変化するものや、その場で回転可能なものなどであってもよい。具体的には、初期位置においては、遊技者とは反対側に向けて配置されており、演出パターンに基づく役物演出が開始されると、遊技者側に向くように回転するものであってもよい。なお、“位置”の概念には、配置されている場所、出っ張り具合、向きなどが含まれるものであってもよい。
[復帰駆動制御について]
前述した実施の形態においては、図21のSk01に示すように、役物が駆動中(役物演出中)であるときには、復帰駆動制御が行われない例について説明したが、これに限らず、所定操作が行われることにより役物演出を終了させて必ず復帰駆動制御を行うようにしてもよい。所定操作としては、たとえば、賭数設定済の状態におけるスタートスイッチ7への操作や、精算可能期間における精算スイッチ10への操作などであってもよい。なお、この場合、演出パターンに基づく役物演出は、1ゲームの表示結果が導出された後においても実行され得る演出であってもよい。
また、図21のSk02においては、賭数設定済の状態におけるスタートスイッチ7への操作であるときにSk05以降の処理を実行する例について説明したが、これに限らず、賭数設定済の状態でないときであってもスタートスイッチ7が操作されることによりSk05以降の処理を実行するようにしてもよい。この場合、役物演出中にスタートスイッチ7が操作されると、当該役物演出を終了させて復帰駆動制御が行われることとなる。また、メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに当該操作を特定可能なコマンドを送信することにより、サブ制御部91側において、賭数設定済の状態でないときにおけるスタートスイッチ7への操作を特定可能となるようにしてもよい。
これと同様に、図21のSk04においては、精算可能期間における精算スイッチ10への操作であるときにSk05以降の処理を実行する例について説明したが、これに限らず、精算可能期間でないときであっても精算スイッチ10が操作されることによりSk05以降の処理を実行するようにしてもよい。この場合、役物演出中に精算スイッチ10が操作されると、当該役物演出を終了させて復帰駆動制御が行われることとなる。また、メイン制御部41は、精算スイッチ10が操作されたときに当該操作を特定可能なコマンドを送信することにより、サブ制御部91側において、精算可能期間でないときにおける精算スイッチ10への操作を特定可能となるようにしてもよい。
また、復帰駆動制御の契機となる操作は、スタートスイッチ7への操作に限らず、賭数を設定するための操作、たとえば、メダル投入操作、MAXBETスイッチ6への操作(投入枚数コマンドの受信)などであってもよい。
[復帰パターンについて]
前述した実施の形態では、役物演出に用いる演出パターンとは別に復帰パターンを設けて、当該復帰パターンに基づいて役物を作動させることにより復帰駆動制御を行う例について説明した。しかし、復帰駆動制御は、演出パターンのうち、一連の駆動態様による役物演出を実行した後において役物を初期位置に戻すための制御データを用いて実行(兼用)するようにしてもよい。たとえば、図11の演出パターンA〜Hなどに示される後退時の制御データを用いて復帰駆動制御を行うようにしてもよい。これにより、役物を初期位置に復帰させるためだけの制御データを記憶させる必要がなく、記憶容量を増大させてしまうことを防止できる。
[その他について]
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用してもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用してもよい。
また、実施例では遊技機としてスロットマシンを例に説明したが、上記実施例で開示した構成、特に第1役物302、第2役物400の初期動作に関連する制御についての構成を、他の遊技機、例えば、遊技領域に遊技球を発射させることで遊技が行われ、発射された遊技球が遊技領域内に設けられた入賞口に入って入賞が発生することで、賞球として遊技球が払い出されるパチンコ遊技機等に適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。