JP2020137924A - 描画方法、装飾品および装飾品の製造方法 - Google Patents

描画方法、装飾品および装飾品の製造方法 Download PDF

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晶美 多田
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智代 加藤
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良恵 土田
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伸一 黒田
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Abstract

【課題】高精度に塗布径が小さい液体材料を供給可能な描画方法、および当該描画方法を用いて加飾された装飾品を提供する。【解決手段】液体材料容器11に液体材料5が収納保持される。描画対象物60が準備される。塗布針1を用いて、液体材料容器11から液体材料5が、描画対象物60に供給される。描画対象物60に供給された液体材料5が硬化される。描画対象物60に液体材料5が転写されることにより装飾模様が描画される。【選択図】図2

Description

本発明は描画方法、装飾品および装飾品の製造方法に関し、特に、塗布針を用いた描画方法およびそれにより加飾されたネイルなどの日用品としての装飾品ならびにその製造方法に関するものである。
従来より、人の指の爪に好みのネイルデザインを描画する装置が知られている。このような装置を用いれば、ネイルサロン等を利用することなく、手軽にネイルプリントを楽しむことができる。
しかし、描画対象物がたとえば爪または自爪につけられた人工爪および付け爪である場合は、その描画対象物の描画対象面が平坦でない。すなわち人の爪および人工爪などは、指の付根側または先端側から見たときに左右両端部が低く中心部が高くなっていて、その描画対象面である表面が湾曲形状を有している。このためインクジェットを用いて湾曲形状の描画対象面に描画する場合、インクの吐出ヘッドに対して平行に対向せず傾斜している面では、その傾斜の角度によって印字濃度が変動したり、印刷すべき画像(デザイン)に伸びまたは歪みなどが生じたりする不具合が起こり得る。
上記課題を解決する手法として、たとえば特表2003−534083号公報(特許文献1)の装置では、ソフトウェアにより、個々の爪に合うようデザインの縮尺を合わせるように電子的に操作する工夫がなされる。
またたとえば特開2018−153526号公報(特許文献2)には、描画対象物である爪の表面に対して描画を行なう描画ヘッドと、爪の表面の特定の場所に対して描画ヘッドを複数回走査させるよう描画ヘッドを制御する描画制御部とを備える装置が開示される。当該装置では、描画制御部は、描画ヘッドの複数回走査のそれぞれにおいて爪の表面の特定の場所に対して描画ヘッドによる描画を行なうか否かを、爪の表面の湾曲の程度に基づいて制御する。これにより爪全体における描画の濃度が均一にされる。
またたとえば特開2012−232414号公報(特許文献3)にも、爪の湾曲形状の表面を印刷対象面として印刷するための装置が開示されている。当該装置は、印刷対象面の幅方向の中央部よりも幅方向の両端部の方が印刷手段による印刷の際の印刷ピッチが細かくなるように印刷ピッチが調整されたピッチ調整基本テーブルを備えている。このテーブルに応じて印刷することにより、印刷対象面の端部を含む全体に高精細な印刷がなされる。
特表2003−534083号公報 特開2018−153526号公報 特開2012−232414号公報
特表2003−534083号公報、特開2018−153526号公報および特開2012−232414号公報においては、いずれも液体材料の描画手段としてインクジェット技術が用いられており、一般的にもインクジェット技術が広く普及している。ここで、特にネイルを含む加飾用途では、より高精度に描画用のインクが供給され、かつ供給されたインクが平面視においてよりサイズが小さくなることが求められる。そのようにすれば、描画された装飾物の美観を向上させることができるためである。しかしインクジェット技術を用いた場合、インクの着弾精度が充分でなく、かつインクの最小塗布量が充分に少なくない。このため供給されるインクの平面視における塗布径が充分に小さくならない場合がある。なおここで塗布径とは、塗布されたインクの平面視における寸法の最大値(たとえば楕円形であれば長軸の長さ)を意味し、言い換えればインクが外接する仮想円の直径を意味する。
本発明は上記の課題に鑑みなされたものである。その目的は、高精度に塗布径が小さい液体材料を供給可能な描画方法、および当該描画方法を用いて加飾された装飾品を提供することである。
本実施の形態に係る描画方法では、まず液体材料容器に液体材料が収納保持される。描画対象物が準備される。塗布針を用いて、液体材料容器から液体材料が、描画対象物に供給される。描画対象物に供給された液体材料が硬化される。描画対象物に液体材料が転写されることにより装飾模様が描画される。
本発明によれば、塗布針を用いて液体材料が供給される。これにより、描画される装飾模様における液体材料を、高精度にかつ塗布径がより小さくなるように供給できる。
実施の形態1の描画方法において、塗布針が描画対象物から離れた状態を示す概略断面図である。 実施の形態1の描画方法において、塗布針が描画対象物に液体材料を供給する状態を示す概略断面図である。 実施の形態1の描画方法により形成された、装飾模様が描画された装飾品の態様を示す概略図である。 実施の形態1の液体材料塗布機構を、X方向負側から見た正面図である。 図4の液体材料塗布機構を、Y方向正側から見た側面図である。 図4および図5に示した液体材料塗布機構を搭載した、実施の形態1の液体材料塗布装置の全体構成を示す斜視図である。 待機状態における塗布針と液体材料容器との位置関係を示す図である。 塗布状態における塗布針と液体材料容器との位置関係を示す図である。 図6の液体材料塗布装置の機能構成を表す図である。 実施の形態1における描画方法の第1工程を示す概略図である。 実施の形態1における描画方法の第2工程を示す概略図である。 実施の形態1における描画方法の第3工程を示す概略図である。 実施の形態1における描画方法の第4工程を示す概略図である。 実施の形態1における描画方法の第5工程を示す概略図である。 実施の形態1における描画方法の第6工程を示す概略図である。 実施の形態1における描画方法の第7工程を示す概略図である。 実施の形態1における描画方法の第8工程を示す概略図である。 実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第1例を示す概略斜視図である。 実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第2例を示す概略斜視図である。 実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第3例を示す概略斜視図である。 実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第4例を示す概略斜視図である。 実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第5例を示す概略斜視図である。 実施の形態1の比較例の描画方法であるインクジェット技術により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの例を示す概略斜視図である。 実施の形態2における描画方法の第1工程を示す概略図である。 実施の形態2における描画方法の第2工程を示す概略図である。 実施の形態2における描画方法の第3工程を示す概略図である。 実施の形態2における描画方法の第4工程を示す概略図である。 実施の形態2における描画方法の第5工程を示す概略図である。 実施の形態3における描画方法の第1例を示す概略図である。 実施の形態3における描画方法の第2例を示す概略図である。 実施の形態3における描画方法の第3例を示す概略図である。 実施の形態3における描画方法の第4例を示す概略図である。 実施の形態3における描画方法の第5例を示す概略図である。 実施の形態3における描画方法の第6例を示す概略図である。 本実施の形態1〜3のいずれかの描画方法により描画対象物に描かれるデザインの第1例を示す写真である。 本実施の形態1〜3のいずれかの描画方法により描画対象物に描かれるデザインの第2例を示す写真である。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
(実施の形態1)
<本実施の形態の発明の特徴>
はじめに図1〜図3を用いて、本実施の形態の発明の特徴について簡単に説明する。なお図1〜図3は後述の図面と内容重複することがあるが、ここでは本実施の形態の発明の特徴を簡単に説明するにとどめ、詳細は後に詳述される。
図1は、実施の形態1の描画方法において、塗布針が描画対象物から離れた状態を示す概略断面図である。図2は、実施の形態1の描画方法において、塗布針が描画対象物に液体材料を供給する状態を示す概略断面図である。図3は、実施の形態1の描画方法により形成された、装飾模様が描画された装飾品の態様を示す概略図である。なお、説明の便宜のため、X方向、Y方向、Z方向が導入されている。
図1を参照して、本実施の形態においては、液体材料塗布装置の特に液体材料塗布機構21に含まれる液体材料容器11に、液体材料5が収納保持される。液体材料5には塗布針1の先端部が浸漬されている。液体材料塗布装置を用いて描画しようとする描画対象物60が準備される。ここで描画対象物60はたとえば人の指の爪、またはいわゆるネイルなどの装飾品としての人工爪である。このため爪の形状に合わせて、図1では描画対象物60は湾曲形状の上面61および下面62を有している。
図2を参照して、液体材料塗布機構21は、液体材料5に浸漬されていた塗布針1を下降させて、塗布針1の先端部を液体材料容器11の底部13の貫通孔14からその外部に露出させる。露出した塗布針1に付着した液体材料5が、これに対向する描画対象物60のたとえば上面61上に供給される。このとき、塗布針1の先端部が貫通孔14から液体材料容器11の外部に露出されてから描画対象物60の上面61に液体材料5が供給されるまでの時間が調整される。このようにすれば、塗布針1の先端部の液体材料5が表面張力により上方へ移動する。これにより、幅広い範囲の粘度の液体材料5のいずれにおいても所望の塗布径にて描画することができる。このように描画対象物60に供給された液体材料は硬化される。ここではたとえば硬化機構により液体材料5が乾燥されるが、自然乾燥されてもよい。あるいは後述するような加熱機構による樹脂粒子同士の融着および電磁波のエネルギ付与による化学反応、高粘度材のコーティングにより液体材料5が硬化されてもよい。図2および図3を参照して、以上のように描画対象物60に液体材料5が転写されることにより、描画対象物60には液体材料5(液体材料5a,5b,5c)による装飾模様が描画される。これにより、装飾品80としてのネイルなどが形成される。
以上のように、本実施の形態においては、塗布針1を含む液体材料塗布装置を用いて、ネイルなどの装飾品の装飾模様を描画する点にその特徴を有している。以下これについてより詳細に説明する。
<液体材料塗布機構の構成>
図4は、実施の形態1の液体材料塗布機構を、X方向負側から見た正面図である。図5は、図4の液体材料塗布機構を、Y方向正側から見た側面図である。図4および図5を参照して、本実施の形態の液体材料塗布機構は、塗布針1を用いて描画対象物の表面に液体材料を塗布するためのものである。当該液体材料塗布機構は、塗布針1と、液体材料塗布機構21に含まれる液体材料容器11と、硬化機構42とを主に備える。
液体材料容器11は、液体材料を内部に収納保持する部材である。塗布針1は、液体材料容器11内の液体材料を描画対象物上に供給するための部材である。塗布針1はZ方向に沿って延びる細長い部材である。塗布針1のZ方向最下部は角部、曲面部または平坦部など任意の形状とされる。当該塗布針1の先端部には、先端に向かって細くなる(すなわち、Z方向下側に進み先端に近接するにつれて軸線に垂直な断面の面積が小さくなる)テーパ部が形成される。
硬化機構42は、描画対象物上に供給された液体材料を硬化するために配置されている。つまり塗布針1のZ方向最下部である先端部から、描画対象物上に供給された液体材料の方を向くように、硬化機構42は、YZ平面上において傾斜する方向に延びている。具体的には、硬化機構42は、Y方向のたとえば図4においては負側(このような場合に限らずY方向正側であってもよい)に進むにつれZ方向での位置が低くなるようにZ方向に対して傾斜した方向に延びている。すなわち硬化機構42は、塗布針1が描画対象物上に液体材料を供給する位置を向くように固定されている。これにより、硬化機構42は、その最下部から放出される液体材料を硬化させる手段を、塗布針1の先端部から描画対象物上に供給された液体材料に向けて供給するという硬化のための動作を行なうことが可能となっている。
本実施の形態における液体材料塗布機構21においては、塗布針1は、液体材料容器11からたとえば描画対象物の表面上に直接液体材料5を供給すること、および描画対象物上に供給され硬化機構42により硬化された液体材料上に重畳するように液体材料容器11から液体材料を供給することの双方が可能に構成されている。このことについて、以下に説明する。
液体材料塗布機構21は、上記の液体材料容器11の他に、塗布針ホルダ23と、塗布針ホルダ収納部24と、塗布針ホルダ固定部25とを含んでいる。塗布針ホルダ固定部25の下端には、塗布針ホルダ収納部24が固定されている。塗布針ホルダ収納部24の下端には凹部(図示せず)が形成されている。塗布針1の上端は、塗布針ホルダ23の下端の中心に垂直に固定されている。塗布針ホルダ23の上部には、凸部(図示せず)が形成されている。塗布針ホルダ23の凸部が塗布針ホルダ収納部24の凹部に挿嵌されることで、塗布針ホルダ23は塗布針ホルダ収納部24に対して位置決めされる。塗布針ホルダ23はネジによって塗布針ホルダ収納部24に固定される。
これらの各ホルダ、およびこれに塗布針1が収納された部分のX方向正側すなわち図4における背面側には、ベース板31が取り付けられている。またベース板31にはリニアモータ32が取り付けられている。
ベース板31は、液体材料塗布機構21およびリニアモータ32を保持している。ベース板31が保持するリニアモータ32は、Z方向に沿った液体材料塗布機構21の移動を案内する。リニアモータ32上には、上記延在方向以外の方向に沿った液体材料塗布機構21の移動を制限するリニアモータ可動部33が付属されている。塗布針ホルダ収納部24、塗布針ホルダ固定部25、硬化機構42はリニアモータ可動部33に固定され、リニアモータ可動部33のZ方向に沿った移動に連動するように移動可能となっている。上記のように液体材料塗布機構21は、塗布針ホルダ収納部24と、塗布針ホルダ固定部25とを含んでいる。つまり液体材料塗布機構21の構成部材の一部である塗布針ホルダ収納部24などと硬化機構42とがともにリニアモータ可動部33に固定される。このため、塗布針ホルダ収納部24に対して硬化機構42の位置が固定されている。
またリニアモータ可動部33の背面側には自重保持ばね34が設けられる。この自重保持ばね34によりリニアモータ可動部33自体の重さが支持される。自重保持ばね34の張力は、張力調整部35により調整可能である。
ベース板31はZ方向に長く延びる平板形状を有しているが、そのZ方向下部には容器保持部36が接続されている。容器保持部36は、液体材料容器11を着脱可能に保持する。容器保持部36は、例えば図示しない磁石を含み、当該磁石により生じる磁力によって液体材料容器11を保持している。異なる観点から言えば、液体材料容器11は、例えば図示しない磁石を含み、当該磁石と容器保持部36の磁石との間に生じる磁力によって容器保持部36に対し着脱可能に保持されている。
ただし液体材料容器11およびベース板31は、Z方向に関する移動については、塗布針1および硬化機構42などのZ方向の動きとは独立してもよい。つまり塗布針1および硬化機構42は、リニアモータ可動部33に接続されているため、第1の鉛直駆動機構(鉛直駆動機構)に接続されることにより鉛直方向すなわちZ方向に沿って駆動することが可能である。これに対し、液体材料容器11を含む液体材料塗布機構21全体、およびこれとリニアモータ32、ベース板31などとを更に含む図5に示す全体は、上記の鉛直駆動機構としての第1の鉛直駆動機構とは別の、他の鉛直駆動機構としての第2の鉛直駆動機構により、鉛直方向に沿って駆動することが可能である。
具体的には、塗布針1のZ方向に関する移動による液体材料の描画対象物への供給方法は、以下のとおりである。(上記第1の)鉛直駆動機構としてのリニアモータ32は、ベース板31に対してリニアモータ可動部33を上下方向すなわちZ方向に移動させるものであり、Z方向に延びるように配置される。たとえばリニアモータ32によりリニアモータ可動部33がベース板31に対して第1の位置に位置決めされる場合は、塗布針1の先端部が液体材料容器11内の液体材料中に浸漬している、後述の図7のような状態となる。リニアモータ32によりリニアモータ可動部33がベース板31に対して第2の位置に位置決めされると、塗布針1の先端部が液体材料容器11の底の貫通孔および図示されないシール部材の孔を通って液体材料容器11の底の下に突出され、後述の図8のような状態となる。このとき、液体材料容器11の底から突出した塗布針1の先端部には液体材料が付着している。後述の図7および図8の塗布針1の先端部が、貫通孔14から液体材料容器11の外部に露出されてから描画対象物60の表面に接触するまでの時間が調整される。これにより、塗布針1の先端部での液体材料5の付着量が、表面張力により調整される。すなわち塗布針1の先端部に付着している液体材料5が表面張力により上方に濡れるように移動される。このため、粘度が低い液体材料5から粘度が高い液体材料5まで、幅広い粘度範囲の液体材料5のそれぞれの塗布粘度に合わせた塗布条件を決定することにより、安定した(所望の)塗布径等での描画ができる。塗布針1が描画対象物の表面に接するまたは当該表面のごく近傍まで近づくことで、液体材料が描画対象物の表面に塗布される。リニアモータ32によりリニアモータ可動部33が第1の位置に位置決めされると、塗布針1の先端部が液体材料容器11内に戻されて液体材料中に浸漬され、再度後述の図7のような待機状態となる。
以上のように、塗布針1は、第1の鉛直駆動機構としてのリニアモータ32(リニアモータ可動部33)により鉛直方向に沿って駆動可能である。しかし液体材料容器11は、ベース板31に固定される(図5参照)がリニアモータ可動部33とは繋がっていない。このため液体材料容器11はリニアモータ可動部33によってはZ方向に動かない。
一方、塗布針1を含め、リニアモータ可動部33に固定された硬化機構42、塗布針ホルダ収納部24、塗布針ホルダ固定部25およびさらに液体材料容器11を含む図5の全ての部材は、第2の鉛直駆動機構としてのZ軸テーブル44(図6参照)により、リニアモータ可動部33およびベース板31とともに、鉛直方向に沿って駆動可能である。したがって第1の鉛直駆動機構によりたとえば塗布針1を、第2の鉛直駆動機構により動くベース板31に接続された液体材料容器11から独立にZ方向上下に移動させることが可能な構成となっている。
<液体材料塗布装置の構成>
図6は、図4および図5に示した液体材料塗布機構を搭載した、実施の形態1の液体材料塗布装置の全体構成を示す斜視図である。図6を参照して、本実施の形態の液体材料塗布装置100は、観察光学系40、CCDカメラ41、上記図4および図5の硬化機構42および液体材料塗布機構21を主に備える。観察光学系40は、照明用の光源、対物レンズなどを含み、描画対象物60の表面状態や、液体材料塗布機構21によって塗布された液体材料5の状態を観察するために用いられる。観察光学系40によって観察される画像は、CCDカメラ41により電気信号に変換される。液体材料塗布機構21は、たとえば描画対象物60上に液体材料5を塗布する。また、液体材料塗布機構21は、たとえば描画対象物60の表面に液体材料を塗布して所定のパターンを形成してもよい。
液体材料塗布装置100は、さらに、上記修正ヘッド部を描画対象物60に対して垂直方向(Z軸方向)に移動させるZ軸テーブル44と、Z軸テーブル44を搭載して横方向(X軸方向)に当該Z軸テーブル44を移動させるX軸テーブル45と、描画対象物60を搭載して前後方向(Y軸方向)に当該描画対象物60を移動させるY軸テーブル46と、装置全体の動作を制御する制御用コンピュータ47と、CCDカメラ41によって撮影された画像などを表示するモニタ49と、制御用コンピュータ47に作業者からの指令を入力するための操作パネル48とを備える。Z軸テーブル44、X軸テーブル45およびY軸テーブル46は、位置決め装置を構成する。
なお、この装置構成は一例であり、たとえば、観察光学系40などを搭載したZ軸テーブル44をX軸テーブルに搭載し、さらにX軸テーブルをY軸テーブルに搭載し、Z軸テーブル44をXY方向に移動させるガントリー方式と呼ばれる構成でもよい。装置構成としては観察光学系40などを搭載したZ軸テーブル44を、描画対象物60に対してXY方向に相対的に移動させることが可能な構成であればどのような構成でもよい。
次に、この液体材料塗布装置100の動作について説明する。液体材料塗布機構21には、所望の塗布針1と、所望の液体材料が注入された液体材料容器11とが予めセットされているものとする。描画対象物60をY軸テーブル46上にセットする。ここでは描画対象物60に装飾模様を施すことにより、いわゆるネイルなどの装飾品を形成するものとする。
モニタ49の画面には、CCDカメラ41により撮影された描画対象物60の表面が表示される。液体材料塗布装置の使用者は、モニタ49の画面を見ながら操作パネル48のボタンなどを操作し、モニタ49の画面の所定位置(たとえば中心)に描画しようとする位置の画像が表示されるようにZ軸テーブル44、X軸テーブル45およびY軸テーブル46を制御する。描画しようとする位置の中心部が所定位置に配置されると、そのときのZ軸テーブル44、X軸テーブル45およびY軸テーブル46の座標が記憶される。その座標と、予め記憶された観察光学系40の光軸と塗布針1の中心軸との間の距離と、観察光学系40の焦点位置と塗布針1の先端との間の距離に基づいてZ軸テーブル44、X軸テーブル45およびY軸テーブル46が制御され、後述の図7および図10で示したように、塗布針1の先端が描画しようとする位置の上方の所定位置に配置される。
次に、使用者が操作パネル48を用いて塗布動作を指令すると、リニアモータ32が作動する。上記のように、リニアモータ32がリニアモータ可動部33を下方に移動させると、塗布針1が下降する。この結果、塗布針1の先端部が液体材料容器11の貫通孔を通って液体材料容器11の底の下に突出し、塗布針1の先端部に付着した液体材料が描画対象物60の表面に塗布される。このとき、塗布針1の先端部が貫通孔14から液体材料容器11の外部に露出されてから描画対象物60の上面61に液体材料5が供給されるまでの時間が調整される。このようにすれば、塗布針1の先端部の液体材料5が表面張力により上方へ移動する。これにより、幅広い範囲の粘度の液体材料5のいずれにおいても所望の塗布径にて描画することができる。リニアモータ32がリニアモータ可動部33を上方に移動させると、塗布針1が上昇し、塗布針1の先端部が液体材料容器11内の液体材料中に浸漬され、待機状態となる。
また、X軸テーブル45、Y軸テーブル46、およびZ軸テーブル44を制御することにより、描画対象物60の表面の任意の位置に液体材料を塗布することができる。
<液体材料塗布方法>
以下に、上記の液体材料塗布機構21、およびこれを含む液体材料塗布装置100を用いた、本実施の形態の液体材料5による描画対象物60への描画方法について、図7〜図17および適宜図1〜図2を用いて説明する。図7は、待機状態における塗布針と液体材料容器との位置関係を示す図である。図8は、塗布状態における塗布針と液体材料容器との位置関係を示す図である。図7および図8を参照して、液体材料塗布機構21は、塗布針1を保持する保持部7をさらに含む。保持部7は、塗布針ホルダ23(図4および図5参照)に接続されている。液体材料塗布機構21は、液体材料5を塗布しないとき(待機状態)には、図7に示したように、(第1の)鉛直駆動機構としてのリニアモータ32(図5参照)によって塗布針1を液体材料容器11内に収納し、これにより塗布針1に付着した液体材料5の硬化を防ぐ構成となっている。液体材料5を塗布するとき(塗布状態)には、図8に示したように、液体材料塗布機構21は、リニアモータ32(図5参照)によって塗布針1を液体材料容器11の底部13の貫通孔14から突出させる。この状態で、塗布針1の先端の平坦面と描画対象物60の表面とが接触することによって液体材料5が描画対象物60に塗布される。
描画対象物60は図1および図2に示すような人の爪および人工爪などの湾曲した上面61および下面62を有する形状であってもよい。この場合、たとえば描画される上面61が凸形状、下面62が凹形状であることが好ましいが逆であってもよい。また描画対象物60は湾曲形状に限らず、平坦形状であってもよい。具体的には、たとえば人の爪または人工爪に貼り付けるシール、ラベル、アップリケ、モチーフなどを形成するための平坦状の描画対象物60が準備されてもよい。図6〜図8においては、湾曲形状のものと平坦形状のものとを総括して、模式的に平板状の描画対象物60を図示している。
図9は、図6の液体材料塗布装置の機能構成を表す図である。図9を参照して、図6の液体材料塗布装置100は概して入力部と、制御部と、出力部とを有している。入力部とは、塗布工程時に、ネイルなどを製造するために描画対象物に施される装飾模様のデザインデータを制御部に入力する部分である。デザインデータとしての画像データは、たとえば画像の値として、塗布する位置を1で表し、塗布しない位置を0で表す。画像の行番号および列番号に縦横ピッチ寸法を乗じた位置に、液体材料塗布機構21が位置決めされる。なお上記の画素の値は、塗布される液体材料5のパターンが積層される回数としてもよい。たとえばある位置の画素の値が5であれば、その位置に液体材料5が5回重ね塗りされる。その他、デザインデータとしての設計データは、たとえばCADデータであってもよい。すなわちデザインデータとしてたとえば三次元の設計データ(CADデータ)が用いられてもよい。このようにすれば、塗布針1のZ方向の位置制御ができる。またこのようにすれば、一度液体材料5を塗布した位置に再度重ねて液体材料5を塗布することができる。
制御部とは、入力部から受けたデザインデータを基に、液体材料塗布機構21などが塗布動作時にとるべき駆動状態をプログラム制御する部分である。出力部とは、制御部によりプログラム制御された駆動状態どおりに液体材料塗布機構21などを駆動させ、所望の装飾模様を描画対象物60に塗布することで加飾物を提供する部分である。具体的には、入力部および制御部はいずれも、液体材料塗布装置100を構成する制御用コンピュータ47がその役割を有する。また出力部は液体材料塗布機構21など、液体材料塗布装置100のうち実際に駆動して塗布作業を行なう部分がその役割を担う。
図10は、実施の形態1における描画方法の第1工程を示す概略図である。図10を参照して、液体材料塗布機構21の一部を構成する液体材料容器11の内部に液体材料5が収納保持される。液体材料容器11の内部においては、塗布針1の一部、特にテーパ部および先端部を含む部分が、液体材料5内に浸漬された状態となっている。一方、塗布針1のZ方向上側の領域は、保持部7に保持されている。保持部7は、液体材料容器11内からその外部の領域まで延びるように配置されている。
また描画対象物60は、たとえば図6のY軸テーブル46上に、液体材料5が塗布される上面61を上側にして載置される。より詳しくは、図1および図2を再度参照して、たとえばY軸テーブル46上に駆動機構70が設置される。駆動機構70は、たとえば描画対象物60の下面62の湾曲形状に沿う形状の側面を有する柱状であることが好ましいが、そのような態様に限られない。描画対象物60を準備する際に、描画対象物60は駆動機構70に載置される。これによりたとえば下面62が駆動機構70の側面に接触するように、描画対象物60が駆動機構70に固定された態様となる。
駆動機構70は、たとえばこれがX方向に延在する柱状である場合、X方向に延びる軸周りに回転可能である。すなわち駆動機構70は、図1および図2に矢印で示すR1およびR2の方向に回転可能である。駆動機構70が回転すれば、駆動機構70に載置された描画対象物60も同様にX方向に延びる軸周りに回転する。これにより、描画対象物60の上面61のうち液体材料5を供給しようとする領域がZ方向の最上部に位置するように描画対象物60を設置することができる。描画対象物60のうちZ方向の最上部は、塗布針1とのZ方向の距離が最短となるうえに、その最上部の接線はY方向に沿い、塗布針1の延在方向であるZ方向に垂直となる。このため描画対象物60のうちZ方向の最上部は塗布針1による液体材料5の供給を最も容易になすことができる。
また駆動機構70のY軸テーブル46上で転がらせ、設置位置をY方向またはX方向について移動させることにより、描画対象物60のうち液体材料5を供給しようとする領域を、塗布針1の先端部と平面視にて重なる位置とすることができる。このことは常に塗布針1により、描画対象物60の液体材料5を供給すべき位置に液体材料5を供給できることを意味する。以上のように、駆動機構70は回転等による揺動が可能である。これにより塗布針1により液体材料5を供給すべき領域に描画対象物60を適正に設置できる。
なお駆動機構70のもしくはY軸テーブル46を図1および図2中の矢印で示すM1およびM2の方向に移動させることで、描画対象物60の上面61の液体材料5を供給すべき領域を塗布針1の先端と平面視にて一致させてもよい。
この状態において、液体材料5の供給される描画対象物60の上面61と、液体材料容器11の最下部との距離をここではaとする。また硬化機構42は、その先端部が、塗布針1による液体材料5の供給が予定される領域を向くように配置される。描画対象物60の上面61と硬化機構42の最下部との距離をここではcとする。
なお液体材料5は、この状態すなわち上面61に供給される前の、液体材料容器11内での初期状態において、粘度が1mPa・s以上100000mPa・s以下であることが好ましい。ただしその中でも、液体材料5の初期状態での粘度が1mPa・s以上50000mPa・s以下であることがより好ましく、さらにその中でも、1mPa・s以上30000mPa・s以下であることがより好ましい。
図11は、実施の形態1における描画方法の第2工程を示す概略図である。図11を参照して、塗布針を用いて、液体材料容器11から液体材料5が描画対象物60に供給される。具体的には、先端部が液体材料容器11内の液体材料5に浸漬されているために液体材料5が付着された状態となっている塗布針1が描画対象物60に向けて下降する。これにより、塗布針1の先端部が貫通孔14から液体材料容器11の底の下に突出される。塗布針1の先端部が貫通孔14から液体材料容器11の底の下に突出したとき、塗布針1の先端部には液体材料5と同一の液体材料5aが付着している。このとき、塗布針1の先端部が貫通孔14から液体材料容器11の外部に露出されてから描画対象物60の上面61に液体材料5が供給されるまでの時間が調整される。このようにすれば、当該時間のあいだに塗布針1の先端部の液体材料5が表面張力により塗布針1のより上方へ濡れるように移動する。これにより、幅広い範囲の粘度の液体材料5のうちいずれの粘度の液体材料5であっても、所望の塗布径(塗布量)にて描画することができる。塗布針1の先端部が描画対象物60の上面61に接触すると、塗布針1の先端部に付着していた液体材料5が描画対象物60の上面61に塗布される。
なお塗布針1は上記の第1の鉛直駆動機構としてのリニアモータ32によりZ方向に駆動することで、上記の図11のようにその先端部が描画対象物60の上面61に接触可能となる。これに対し図11の工程においては、上記第2の鉛直駆動機構としてのZ軸テーブル44(図6参照)により駆動する液体材料容器11自体はZ方向に移動せず、その下端部と上面61との距離がaである状態が保たれる。このことは以下の図12〜図17の各工程においても基本的に同様であり、図10〜図17の各工程間において、液体材料容器11は描画対象物60に対して相対移動しない。このため以下の図12〜図17の各工程の説明において、液体材料容器11自体が移動しない旨等についてはその説明を繰り返さない。
図12は、実施の形態1における描画方法の第3工程を示す概略図である。図12を参照して、図11のように塗布針1により描画対象物60の上面61に液体材料5aが供給された後、塗布針1を上昇させる。この結果、塗布針1の先端部は液体材料容器11内の液体材料5中に浸漬し、待機状態となる。このときの塗布針1および保持部7のZ方向に関する位置は、図10における塗布針1および保持部7のZ方向に関する位置と同様である。その後、対象物である描画対象物60に供給された液体材料5aが、硬化機構42から供給される硬化手段43により乾燥すなわち気化されることで硬化される。この結果、硬化した液体材料5aは高さb、塗布径dを有する固体の凸部となる。
すなわち図12における液体材料5aを硬化する工程とは、硬化機構42が、描画対象物60上に供給された液体材料に向けて硬化手段43を供給し硬化のための動作を行なうことによりなされる。たとえば図12における硬化のための動作は、レーザー光が描画対象物60の上面61上に供給された液体材料5に向けて照射される動作である。これにより上面61上の液体材料5aが加熱されるため、液体材料5aは短時間で硬化する。
図12にてたとえば硬化手段43として用いられるレーザーは、一般公知の炭酸ガスレーザーまたはYAGレーザーが用いられることが好ましい。なお上記レーザーは、基本波長であってもよいが、第二高調波または第三高調波であってもよい。さらに当該硬化のための動作にはレーザー光以外の手段を用いてもよく、硬化機構として硬化機構42の代わりに、ハロゲンランプまたは熱風などが用いられてもよい。
以上のように硬化手段43がレーザー光であれば、液体材料5aを硬化する工程としては乾燥工程および(または)加熱工程がなされる。具体的には、乾燥工程では、液体材料5aに含まれる溶媒すなわち水または有機溶剤が気化されることで硬化される。たとえば装飾品80としてのネイルで用いられるマニキュアには有機溶剤が使用される。また加熱工程では、液体材料5aなどの塗料の加熱により、液体材料5aを構成する粒子同士が融着する。
その他、たとえば液体材料5aを硬化する工程では、電磁波により液体材料5aが硬化されてもよい。この場合硬化機構42は電磁波の供給機構であり、硬化手段43は電磁波である。具体的には、液体材料5aに電磁波が照射され、液体材料5aに硬化のためのエネルギを付与することでこれが硬化される。この電磁波による硬化の工程は、上記の乾燥工程における溶媒の気化および上記の加熱工程における溶媒の構成粒子の融着とは異なる。なお、たとえば装飾品80としての、ジェルを用いたネイルであるいわゆるジェルネイルは、これを構成する樹脂材料であるジェルが、硬化機構42としてのUVランプまたはLEDランプにより硬化される。UVランプは紫外線と呼ばれる電磁波を放出し、LEDランプは可視光と呼ばれる電磁波を放出する。
このようにして、描画対象物60の上面61には、液体材料5が装飾模様を構成する液体材料5aとして転写される。これにより上面61に装飾模様が描画される。その装飾模様としての液体材料5aは、図11において上面61に液体材料5が塗布針1の最小径(直径10μm)によって0.1pL以下転写された場合に、平面視における塗布径dが20μm以下である。
図13は、実施の形態1における描画方法の第4工程を示す概略図である。図13を参照して、図13にて省略される駆動機構70(図1、図2参照)をX方向に延びる軸周りにたとえばR1に示す方向に回転揺動させる。これにより、次に液体材料5を供給したい上面61の位置が上面61の最上部となり、かつその位置が塗布針1の先端部と平面視にて重なるように設置される。すなわち次に液体材料5を供給したい上面61の塗布針1に対する相対位置が、前に図10〜図12の工程にて液体材料5が供給された上面61上の位置の塗布針1に対する相対位置と同一の位置関係となるように設置される。
その後、図11の工程と同様の処理により、次に液体材料5を供給したい当該上面61の位置に液体材料5aが供給される。
図14は、実施の形態1における描画方法の第5工程を示す概略図である。図14を参照して、図13の工程において上面61に供給された液体材料5aが、図12の工程と同様に硬化機構42により硬化される。
図15は、実施の形態1における描画方法の第6工程を示す概略図である。図15を参照して、再度図13と同様に駆動機構70(図1、図2参照)をX方向に延びる軸周りにたとえばR1に示す方向に回転揺動させる。これにより、次に液体材料5を供給したい上面61の位置が上面61の最上部となり、かつその位置が塗布針1の先端部と平面視にて重なるように設置される。すなわち次に液体材料5を供給したい上面61の塗布針1に対する相対位置が、前に図10〜図12および図13〜図14の各工程にて液体材料5が供給された上面61上の位置の塗布針1に対する相対位置と同一の位置関係となるように設置される。
その後、図11〜図12、および図13〜図14の各工程と同様の処理により、次に液体材料5を供給したい当該上面61の位置に液体材料5aが供給され、それが硬化される。以降、同様の処理を繰り返すことにより、装飾模様を形成したい上面61上のすべての位置に液体材料5aが供給され、それが硬化される。
図16は、実施の形態1における描画方法の第7工程を示す概略図である。図16を参照して、次に、駆動機構70(図1、図2参照)をX方向に延びる軸周りにたとえばR2に示す方向に回転揺動させる。これにより、再度複数のうちいずれかの液体材料5aのパターン(たとえば最初に供給された液体材料5aのパターン)の位置が上面61の最上部となり、かつその位置が塗布針1の先端部と平面視にて重なるように設置される。
この状態で、先の硬化する工程により硬化された、上面61上の固化した液体材料5a上に重畳するように、塗布針1を用いて、液体材料容器11から液体材料5が描画対象物60に再度供給される。このとき、塗布針1の先端が描画対象物60の上面61上に既に付着され硬化した液体材料5aの上に接触する。これにより、塗布針1の先端部に付着した液体材料5が、描画対象物60の上面61上に既に付着され硬化した液体材料5aの上に重畳するように、液体材料5bとして塗布される。
図16の工程においては、図11、図13の工程に比べて、塗布針1の先端部は距離bだけZ方向上側の位置で停止し、そこで液体材料5を供給する処理がなされる。つまり塗布針1の先端部は、描画対象物60の上面61から距離bだけ離れた位置に到達するように下降される。そのようにすれば、上記のように既に付着され硬化した液体材料5aの上に重畳するように、液体材料5bを供給することが可能となる。すなわち図16の工程においては、塗布針1の先端部の目標位置が、図11、図13の工程において描画対象物60上に供給された液体材料5aの厚み分だけ、図11、図13の工程における目標位置よりも上方の位置にセットされる。
図17は、実施の形態1における描画方法の第8工程を示す概略図である。図17を参照して、その後塗布針1を上昇させ、図16の工程により描画対象物60に供給された液体材料5bが再度硬化される。ここでも硬化機構が用いられてもよい。
その後、図16および図17の工程と同様の処理により、複数の液体材料5aのパターンのうち他の液体材料5aのパターンの上にも、液体材料5bのパターンが形成される。また必要に応じて、上記と同様の処理が繰り返されることにより、液体材料5bの上にはさらに液体材料5c(図3参照)のパターンが形成されてもよい。
以上により、たとえば図3に示すように、上面61上に液体材料5a,5b,5cのパターンが装飾模様として加飾された装飾品80が形成される。すなわち装飾品80は、上記図10〜図17の描画方法により描画対象物60に装飾模様が描画されることで製造される。
以上の図10〜図17の各工程において形成される装飾模様は、図9の入力部から制御部にデザインデータが送られること、および制御部から出力部に送られる信号により液体材料塗布機構21などの出力部が駆動することで得られる。得られる加飾物の形状は、次の図18〜図22のように様々に変化させることができる。加飾物の形状等の変化は、デザインデータおよびプログラムの変化に応じて、塗布針1の動きおよび放出される液体材料5の色等を変化させることによりなされる。
図18は、実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第1例を示す概略斜視図である。図19は、実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第2例を示す概略斜視図である。図20は、実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第3例を示す概略斜視図である。図21は、実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第4例を示す概略斜視図である。図22は、実施の形態1の描画方法により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの第5例を示す概略斜視図である。なお図18〜図22では液体材料5a〜5cをまとめて液体材料5と示している。
図18〜図22を参照して、図9に示すデザインデータおよびプログラム制御により、得られる加飾物すなわち液体材料5のパターンの態様が変化する。たとえば図18のように、塗布された液体材料5は、平面視において円形または離心率の小さい楕円形である、半球状またはそれに近い外表面を有する形状であってもよい。あるいはたとえば図19のように、図18と同様の形状を有する液体材料5のドットが複数、上面61上にて集合した態様であってもよい。なお図19における複数の液体材料5のうち隣り合うもの同士が互いに接触していてもよい。
たとえば図20のように、図18と同様の形状を有する液体材料5のドットが複数、互いに接触しており、それらの色が互いに異なる場合も考えられる。たとえば図20において1対並ぶ液体材料5のパターンのうち左側は赤色の液体材料5rであり、右側は緑色の液体材料5gであるとする。この場合、本実施の形態により描画されている限り、液体材料5rと液体材料5gとが接触していても、両者の色が混じり合わない。
液体材料5のパターンは上記のような半球状またはそれに近い形状に限られない。たとえば図21のように、液体材料5は正面から見たときに半円形状またはそれに近い形状であるが、当該半円形状等が奥行き方向に長く延び、半円柱形状またはそれに近い形状である場合もある。あるいはたとえば図22のように、図21に示す半円柱形状の液体材料5のパターンが複数積層された態様であってもよい。さらには図示されないが、図21に示す半円柱形状の液体材料5のパターンが、上面61に沿う方向に複数、たとえば接触するように並んだ態様であってもよい。
<作用効果>
次に、上記内容と一部重複する箇所もあるが、以上に述べた本実施の形態の作用効果について説明する。まず本実施の形態の比較例について図23を用いて説明する。
図23は、実施の形態1の比較例の描画方法であるインクジェット技術により形成された描画対象物上の液体材料のパターンの例を示す概略斜視図である。図23を参照して、インクジェット技術により描画対象物に転写した場合、形成される液体材料5dsのパターンは、図18〜図22に比べてその位置精度が低く、塗布径Dが大きい。これは最小塗布量が1pL程度と多いためである。具体的には、図23においては液体材料5dsの形成される位置精度、すなわちこれを形成しようとする位置と実際に形成される位置との誤差は10μm以上50μm以下程度と比較的大きい。塗布量1pLによる液体材料5dsの塗布径Dは50μm程度と比較的大きい。また液体材料5dsの表面形状は、本実施の形態に比べて微細な凹凸形状を多く有するなど、乱れている場合もある。このためインクジェット技術をネイルなどの装飾品への加飾用途に用いた場合、形成された液体材料5dsの集合体としての装飾模様は美観に劣る可能性がある。
本開示に従った描画方法は以上のインクジェット技術の課題に鑑みなされたものである。具体的には、本開示に従った描画方法は、液体材料容器11に液体材料5を収納保持する工程を備える。描画対象物60を準備する工程を備える。塗布針1を用いて、液体材料容器11から液体材料5を、描画対象物60に供給する工程を備える。描画対象物60に供給された液体材料5を硬化する工程を備える。描画対象物60に液体材料5が転写されることにより装飾模様が描画される。
なお上記の描画方法での液体材料5を硬化する工程においては、硬化機構である硬化機構42などにより液体材料5が硬化されてもよい。
これにより、図18〜図22に示すような、インクジェット技術を用いた場合に比べて最小塗布量(0.1pL)における塗布径dが小さく、位置精度の高い液体材料5のパターンが形成できる。具体的には、図18〜図22においては塗布針1による液体材料5の位置精度は1μm以上2μm以下程度と、図23の液体材料5dsに比べて非常に小さい。また装飾模様としての液体材料5は、最小塗布量(0.1pL:厳密には0.05pL)転写されたときに形成されるパターンの平面視における塗布径dが20μm以下(特に10μm以上20μm以下:特に約15μm)と比較的小さいことが好ましい。さらに塗布針1での描画方法による装飾品での液体材料5の表面形状は、図23の比較例に比べて微細な凹凸形状が少なく、まっすぐ伸びる粗さの少ない曲面(断面図における曲線)を有する。さらに塗布工程において、塗布針1(図11参照)の先端部が貫通孔14から液体材料容器11の外部に露出されてから描画対象物60の上面61に液体材料5が供給されるまでの時間が調整される。このようにすれば上記のように、安定した所望の塗布径(塗布量)での描画ができる。また本開示の描画方法では、インクジェットの描画方法で必要となる塗布装置の細かい調整が不要となる。このため本開示の描画方法では塗布装置の当該細かい調整をすることなく、言い換えれば貫通孔14(図11参照)から描画対象物60までの距離にかかわらず、安定した塗布径の液体材料5のパターンが形成できる。このため塗布針1による描画方法をネイルなどの装飾品への加飾用途に用いた場合、形成された液体材料5の集合体としての装飾模様はより美観を向上させることができる。
図9のデザインデータおよび制御プログラムが変化することで、図18〜図22の各例に示すように、液体材料5のドットの微細な領域を様々な形状に描画することができる。また液体材料5のドットの大きさは、液体材料5の塗布量、および塗布針1の延在方向に交差する断面のサイズを変更することにより、変更することができる。一方、図23のインクジェット技術を用いた場合には、ドットの大きさ(塗布径D)はインクが吐出されるインクジェットヘッドの口径により一意的に固定されるのみならず、吐出口から描画対象物までの距離が塗布径Dに関わる。このためインクジェット技術の場合には吐出前に綿密な条件設定を必要とするうえ、液体材料5のドットの大きさなどの変更が困難である。このため液体材料5の形状等の変更により、得られる装飾模様の分解能を高めることができる。
以上のように本実施の形態によれば、液体材料5のパターンの分解能が向上する。このため美観が良いとともに、たとえば図20のような態様においても隣り合うドット間の異なる色同士が混ざり合うことが抑制される。
上記描画方法において、液体材料5は、供給する工程のなされる前において、粘度が1mPa・s以上100000mPa・s以下であることが好ましい。たとえばインクジェット技術を用いる場合、吐出可能な液体材料の粘度幅が限定的である。具体的には、インクジェット技術を用いる場合、吐出可能な液体材料の粘度幅が1mPa・s以上40mPa・s以下と限定的である。この場合、現行の手塗り向けジェル液およびマニキュア液はインクジェット技術では吐出できない。このためインクジェット技術においては現行の手塗り向けジェル液およびマニキュア液を得るために、特別に粘度を調整した材料を準備する必要がある。しかし本実施の形態によれば、インクジェット技術に比べて使用可能な液体材料5の粘度幅が非常に広い。このため本実施の形態によれば現行の手塗り向けジェル液およびマニキュア液をそのまま供給することができる。すなわち特別に粘度を調整した材料を準備することが不要となる。また、手塗り向けジェル液およびマニキュア液にて背景等の粗いデザインを手塗りした後、細かい描画部を本開示の描画方法にて描画した場合でも、インクジェット技術に比べて優位である。手塗りと本開示の描画方法での描画とが同じ塗布液を用いてなされるため、両方法でなされた描画物の間の相溶性が高く、美観の面で違和感のない描画物を形成できる。さらに本実施の形態では高粘度材の塗布ができるため、図16〜図17に示すような液体材料5の積層による立体形状の描画も可能となる。このため本実施の形態は、装飾模様の美観を挙げる観点からより有益な塗布方法といえる。
上記描画方法において、上記準備する工程では、描画対象物60は駆動機構70に載置され、駆動機構70は、描画対象物60の液体材料5が供給される領域の接線が塗布針の延在方向に垂直となりかつ塗布針1の先端と平面視にて重なる位置となるように揺動可能であることが好ましい。駆動機構70により、描画対象物60はその上面61がたとえ湾曲形状であっても常に、液体材料5を供給すべき位置の接線に対して垂直なZ方向から、液体材料5を供給すべき位置に対して、塗布針1により液体材料5を転写することができる。つまり描画対象物60の幅方向(図1および図2の左右方向)および奥行き方向(図1および図2のX方向)の位置にかかわらず、描画対象物60の上面61の全体において同一の塗布条件にて塗布可能である。したがって、ネイルなどを構成する描画対象物60の全体の膜厚を幅方向の中心部および端部を含む全体において均一化できる。また描画デザイン内の任意の一部の領域のみを他の領域よりも厚く成膜するように制御することができる。これは、美観の観点からより立体的で優れた美観の描画が可能であることを意味する。
上記描画方法において、硬化する工程の後、当該硬化する工程により硬化された液体材料5a(5b)上に重畳するように、塗布針1を用いて、液体材料容器11から液体材料5を描画対象物60に再度供給する工程をさらに備える。再度供給する工程により描画対象物60に供給された液体材料5を再度硬化する工程をさらに備える。これにより、複雑な温度制御等を要さず、容易に厚く微細なパターンを形成することができる。なお当該再度硬化する工程でも、硬化機構としての硬化機構42などが用いられてもよい。
本実施の形態においては、上記の描画方法により描画対象物60に装飾模様が描画された装飾品80およびその製造方法が開示される。これらによる作用効果は、上記の描画方法による作用効果と同様である。
(実施の形態2)
図24は、実施の形態2における描画方法の第1工程を示す概略図である。図25は、実施の形態2における描画方法の第2工程を示す概略図である。図26は、実施の形態2における描画方法の第3工程を示す概略図である。図27は、実施の形態2における描画方法の第4工程を示す概略図である。図28は、実施の形態2における描画方法の第5工程を示す概略図である。また図24、図25、図26、図27、図28のそれぞれは、実施の形態1における図10、図11、図12、図16、図17のそれぞれに対応する。
図24〜図28を参照して、本実施の形態の液体材料塗布方法の各工程は、図10〜図17の液体材料塗布方法と基本的に同様であるため、同一部分については説明を繰り返さない。ただし図24〜図28の工程においては、特に図27、図28に示すように、図27の再度液体材料5を供給する工程においては、液体材料容器11および硬化機構42の位置が、その工程の直前の図25の工程において描画対象物60上に供給された液体材料5の厚みbの分だけ、図25の工程における液体材料容器11および硬化機構42の位置よりも上方の位置にセットされる。つまり図6の液体材料塗布装置100に含まれる第2の鉛直駆動機構では、図27のように再度液体材料5を塗布する際に、液体材料容器11および硬化機構42の位置が、その直前に描画対象物60上に供給された液体材料5の厚みbの分だけ、当該直前の工程における目標位置よりも上方の位置にセットされる。したがって図27においては、描画対象物60の上面61と液体材料容器11の最下部との距離がa+bである。また図27においては、描画対象物60の上面61と硬化機構42の最下部との距離がc+bである。
このようにすれば、図28に示すように、図27の工程により描画対象物60に供給された液体材料5bのみが、硬化機構からのレーザー光により硬化され、先の図25の工程により描画対象物60に供給された液体材料5aは硬化機構からのレーザー光の照射を受けない。
なお図24〜図28においては硬化機構42は図4および図5と同様にリニアモータ可動部33に接続固定されていてもよい。しかし液体材料塗布機構21をコンパクトにし、リニアモータ可動部33の自重を軽くすることで、リニアモータへの負荷が軽減され、駆動速度の高速化を可能にする観点から、硬化機構42はベース板31に固定されいていてもよい。
また図10〜図17および図24〜図28においてはすべての第1層の液体材料5aが形成された後にその上の第2層の液体材料5bが形成される。しかしこのような塗布順序に限られない。すなわちたとえば、1つの位置での液体材料5a,5b(5c)をすべて形成した後、これに隣接する1つの位置での液体材料5a,5b(5c)をすべて形成するという塗布順序であってもよい。
(実施の形態3)
図29は、実施の形態3における描画方法の第1例を示す概略図である。図30は、実施の形態3における描画方法の第2例を示す概略図である。図29および図30を参照して、本実施の形態の液体材料塗布方法の各工程は、実施の形態1,2の液体材料塗布方法と基本的に同様であるため、同一部分については説明を繰り返さない。本実施の形態では、実施の形態1,2での描画対象物60に供給された液体材料5を硬化する工程において、硬化手段として高粘度材43aが用いられる。高粘度材43aは実施の形態1,2で用いられた液体材料塗布装置100と同一のものを用いて、描画対象物60に塗布される。すなわち高粘度材43aは、実施の形態1,2での液体材料塗布機構21の塗布針1により、実施の形態1,2と同様の方法で、描画対象物60に塗布される。
高粘度材43aは、図29のように、描画対象物60の上面61上に形成された液体材料5aのパターンの塗布後に、液体材料5aの上に重畳するように塗布されてもよい。あるいは高粘度材43aは、図30のように、描画対象物60の上面61上に液体材料5aのパターンが塗布される前に、液体材料5aが重畳されるべき位置に塗布されてもよい。なお高粘度材43aの材料の例として、アルギン酸ナトリウム水溶液が挙げられる。アルギン酸ナトリウム水溶液は分子の重合度が高い。言い換えればアルギン酸ナトリウム水溶液は分子量が高い状態では高粘度となる。このためアルギン酸ナトリウム水溶液の高粘度材43aを液体材料5aの上に重畳するように塗布することで、液体材料5aの塗布径の増加によるZ方向の膜厚の減少を防ぎ、Z方向寸法が充分に大きい効果的な液体材料5aなどのパターンの立体積層を可能にする。
図31は、実施の形態3における描画方法の第3例を示す概略図である。図32は、実施の形態3における描画方法の第4例を示す概略図である。図31および図32を参照して、図29および図30の高粘度材43aに重畳するようにさらに液体材料44aが塗布されてもよい。液体材料44aとしてはたとえば炭酸カルシウム水溶液が用いられる。このようにすれば、液体材料44aと高粘度材43aとの接触面にてイオン架橋が起こる。このため液体材料44aをゲル化することにより液体材料44aに強固な被膜を形成し、液体材料5aのパターンの立体積層をより効果的に行なえる。
液体材料44aは塗布針1により塗布されてもよい。しかし液体材料44aは高粘度材43aに重畳するように塗布できる限り、たとえばピペットにより塗布されてもよい。このように液体材料44aの塗布手段は不問である。
図33は、実施の形態3における描画方法の第5例を示す概略図である。図34は、実施の形態3における描画方法の第6例を示す概略図である。図33および図34を参照して、図31および図32の液体材料44aが塗布される直前に液体材料45aがさらに塗布されてもよい。つまり液体材料45aが塗布された直後にその上に液体材料44aが重畳するように塗布されることで、パターンが立体的に積層される。液体材料45aはたとえば液体材料5aと高粘度材43aとが混在した塗布材料であり、塗布針1を用いて塗布される。
以上の各例において液体材料5aと高粘度材43aとの塗布は必ずしも交互に行なわれる必要はない。たとえば液体材料5aが数回繰り返し塗布された後、高粘度材43aが重畳されるように塗布されてもよい。高粘度材43aは硬化手段43としての上記のレーザー光などの代わりに用いられてもよいが、高粘度43aと併せて実施の形態1,2と同様に硬化機構42からのレーザー光などの硬化手段43が用いられてもよい。このことを示すために、図29〜図34では硬化手段43は点線で表されている。
図35は、本実施の形態1〜3のいずれかの描画方法により描画対象物に描かれるデザインの第1例を示す写真である。図36は、本実施の形態1〜3のいずれかの描画方法により描画対象物に描かれるデザインの第2例を示す写真である。
図35を参照して、本実施の形態1〜3のいずれかの描画方法により液体材料5が硬化することで、たとえば雪の結晶のデザインが得られる。図35の雪の結晶を形成する部分は液体材料5の硬化したものに相当する。なお図35の示す雪の結晶のデザインはその全体の図の左右方向の寸法がたとえば3mmであり、デザインに含まれる個々の線状部の幅がたとえば70μmである。このようなデザインがたとえばネイルなどの装飾品80のデザインとして用いられる。液体材料5を構成する樹脂材料等は任意である。また当該デザインが描画される生地の色はたとえば黒色または黄色など任意である。
図36を参照して、本実施の形態1〜3のいずれかの描画方法により液体材料5が硬化することで、たとえば花柄のデザインが得られる。図36の花柄を形成する部分は液体材料5の硬化したものに相当する。なお図36の示す花柄のデザインはその全体の図の左右方向の寸法がたとえば4mmであり、デザインに含まれる個々の線状部の幅がたとえば70μmである。このようなデザインがたとえばネイルなどの装飾品80のデザインとして用いられる。液体材料5を構成する樹脂材料等は任意である。また当該デザインが描画される生地の色はたとえば黒色または黄色など任意である。
以上に述べた各実施の形態(に含まれる各例)に記載した特徴を、技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせるように適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 塗布針、5,5a,5b,5c,5ds,44a 液体材料、7 保持部、11 液体材料容器、13 底部、14 貫通孔、21 液体材料塗布機構、23 塗布針ホルダ、24 塗布針ホルダ収納部、25 塗布針ホルダ固定部、31 ベース板、32 リニアモータ、33 リニアモータ可動部、34 自重保持ばね、35 張力調整部、36 容器保持部、40 観察光学系、41 CCDカメラ、42 硬化機構、43 硬化手段、43a 高粘度材、44 Z軸テーブル、45 X軸テーブル、46 Y軸テーブル、47 制御用コンピュータ、48 操作パネル、49 モニタ、60 描画対象物、61 上面、62 下面、70 駆動機構、80 装飾品、100 液体材料塗布装置。

Claims (10)

  1. 液体材料容器に液体材料を収納保持する工程と、
    描画対象物を準備する工程と、
    塗布針を用いて、前記液体材料容器から前記液体材料を、前記描画対象物に供給する工程と、
    前記描画対象物に供給された前記液体材料を硬化する工程とを備え、
    前記描画対象物に前記液体材料が転写されることにより装飾模様が描画される、描画方法。
  2. 前記硬化する工程においては硬化機構により前記液体材料が硬化される、請求項1に記載の描画方法。
  3. 前記装飾模様としての前記液体材料は、0.1pL以下転写されたときの平面視における塗布径が20μm以下である、請求項1または2に記載の描画方法。
  4. 前記供給する工程において、前記塗布針による前記液体材料の位置精度は1μm以上2μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の描画方法。
  5. 前記液体材料は、前記供給する工程のなされる前において、粘度が1mPa・s以上100000mPa・s以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の描画方法。
  6. 前記準備する工程において、前記描画対象物は駆動機構に載置され、
    前記駆動機構は、前記描画対象物の前記液体材料が供給される領域の接線が前記塗布針の延在方向に垂直となりかつ前記塗布針の先端と平面視にて重なる位置となるように揺動可能である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の描画方法。
  7. 前記硬化する工程の後、前記硬化する工程により硬化された前記液体材料上に重畳するように、前記塗布針を用いて、前記液体材料容器から前記液体材料を前記描画対象物に再度供給する工程と、
    前記再度供給する工程により前記描画対象物に供給された前記液体材料を再度硬化する工程とをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の描画方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の描画方法により前記描画対象物に前記装飾模様が描画された、装飾品。
  9. 前記描画対象物は爪および人工爪のいずれかである、請求項8に記載の装飾品。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の描画方法により前記描画対象物に前記装飾模様が描画された、装飾品の製造方法。
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