JP2023535614A - 布地への三次元印刷方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
三次元印刷システムが、構築材料を吐出するノズルアレイと、作業トレイ(12/360)と、布地(420)を作業トレイに貼り付けるように構成された治具(402)とを備える。コンピュータ化されたコントローラは、少なくともノズルアレイを操作して、貼り付けられた布地上に物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を吐出する。
Description
本出願は、2020年7月27日出願の米国仮特許出願第63/056,759号の優先権の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明はそのいくつかの実施形態において三次元印刷に関し、より具体的には、これに限るものではないが布地への三次元印刷の方法及びシステムに関する。
付加製造(AM)は、形状を有する構造物を付加的な形成ステップを介してコンピュータデータから直接的に製作可能とする技術である。任意のAMシステムの基本操作は、三次元コンピュータモデルを薄い断面部分にスライスし、その結果を二次元位置データに変換し、そのデータを3次元構造を層状に作製する制御装置に供給することから成る。
付加製造は、3Dインクジェット印刷などの三次元(3D)印刷、電子ビーム溶融、ステレオリソグラフィ、選択的レーザ焼結、薄膜積層法、熱溶解積層法などの、製作方法への多くの異なるアプローチを伴う。
いくつかの3D印刷プロセス、例えば3Dインクジェット印刷は、構築材料を層ごとにインクジェット堆積することにより行われる。したがって、一組のノズルを有する吐出ヘッドから構築材料が吐出されて、支持構造上に層状に堆積される。構築材料に応じて、層はその後適切な装置を用いて硬化又は凝固され得る。
様々な3次元印刷技術が存在し、例えば、すべて同一譲受人による米国特許第6,259,979号、第6,569,373号、第6,658,314号、第6,850,334号、第6,863,859号、第7,183,335号、第7,209,797号、第7,225,045号、第7,300,619号、第7,500,846号、第9,031,680号、第9,227,365号、米国公開特許出願第20060054039号、及び国際公開WO2016/009426号に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
米国特許第8,993,061号は、履物への直接3D印刷の方法を開示している。印刷用の3Dパターンが設計される。履物が3D印刷システムのトレイ上に実質的に平坦に配置され、3D材料が設計されたパターンを用いて履物の布地上に直接印刷される。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷システムが提供される。このシステムは、構築材料を吐出するノズルアレイと、作業トレイと、布地を作業トレイに貼り付けるように構成された治具と、貼り付けられた布地上に少なくともノズルアレイを操作して、物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、治具は布地を伸ばすように構成されている。
本発明のいくつかの実施形態によれば、システムは治具に接続され、治具をトレイ上に配置するように構成されたロボット機構をさらに含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ロボット機構は水平面に対する治具の向きを反転させるように構成されている。
本発明のいくつかの実施形態によれば、コンピュータ化されたコントローラは、少なくともノズルアレイを操作して構築材料をトレイ上へ吐出させ、構築材料のトレイ上への吐出の後に、かつ貼り付けられた布地上への構築材料の吐出の前に、ロボット機構を操作して治具をトレイに配置させるように構成される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、システムは作業トレイに対する治具の位置を決定するように構成された位置追跡システムを備え、コンピュータ化されたコントローラは位置に基づいて位置合わせ手順を実行して、位置合わせに応答してノズルアレイを操作するように構成される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、治具はマークを備え、マークは位置を決定するために位置追跡システムによって識別可能である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、システムは放射線源を備え、かつ作業トレイは放射線源から放出される放射線に対し少なくとも50%の反射率を有する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、作業トレイは流体流路を備え、システムは流体流路内に流体流を生成する流体送達システムを備える。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷システムが提供される。このシステムは、構築材料を吐出するノズルアレイと、吐出構築材料を固化させる放射線を放出する放射線源と、放射線に対する少なくとも50%の反射率を特徴とする作業トレイと、少なくともノズルアレイを操作して物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を布地上に吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、を備える。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷システムが提供される。このシステムは、構築材料を吐出するノズルアレイと、流体流路を有する作業トレイと、流体流路内に流体流を生成する流体送達システムと、少なくともノズルアレイを操作して、物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を布地上に吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、システムは三次元印刷のための構築材料以外の添加物を含む容器と流体連通して添加物を布地上に吐出する、添加物吐出システムを備える。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷システムが提供される。このシステムは、構築材料を吐出するノズルアレイと、作業トレイと、少なくともノズルアレイを操作して物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を布地上に吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、三次元印刷のための構築材料以外の添加物を含む容器と流体連通して添加物を布地上に吐出する、添加物吐出システムと、を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記コンピュータ化されたコントローラは前記添加物吐出システムを操作するように構成される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、アレイ及び添加物吐出システムは同一の印刷ブロックに取り付けられている。
本発明のいくつかの実施形態によれば、アレイ及び添加物吐出システムは水平方向に沿って独立して移動するように構成される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、アレイ及び添加物吐出システムは垂直方向に沿って独立して移動するように構成される。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、布地への三次元印刷システムが提供される。このシステムは、構築材料吐出のためのノズルアレイと、作業トレイとをその内部に有する印刷チャンバと、少なくともノズルアレイを操作して物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を布地上に吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、布地のロールを展開して展開した布地を印刷チャンバに供給する布地巻出し装置と、を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、システムは展開した布地を部分に切断する切断装置を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、システムは吐出の後に布地を巻き取るための布地巻取り装置を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、布地巻取り装置は印刷チャンバを介して布地巻出し装置から布地を受け取り、それによって三次元物体を印刷した連続布地ロールを提供する。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷用のシステムが提供される。このシステムは、構築材料を吐出するノズルアレイと、作業トレイと、作業トレイに配置された布地を撮像するように配置された撮像システムと、撮像システムからの画像データを受信し、画像データを処理して布地上のパターンを識別し、少なくともノズルアレイを操作して、布地上の識別された特徴に対して選択された位置に物体の形状に対応した構成パターンで構築物質を吐出するコンピュータ化されたコントローラと、を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、撮像システムはピクセル化した画像センサを備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、撮像システムはスキャナを備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、作業トレイは吐出された構築材料を下から固化するために放射線を上方へ放出するように構成された放射線源と動作的に連携する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、システムは作業トレイを囲む静止プラットフォームを備え、治具は布地を作業トレイの周縁でプラットフォームに貼り付けるように構成されたフレームを備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、プラットフォームとフレームの少なくとも1つは、突起要素又は粗面を備える。本発明のいくつかの実施形態によれば、プラットフォームとフレームはいずれも互いに相補的な突起要素又は粗面を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、トレイの上面の端は、隅肉と面取りの少なくともいずれかとなっている。
本発明のいくつかの実施形態によれば、システムは作業トレイの上部空間を画定するために、作業トレイ上に取り付け可能又は配置可能なランプ構造を備え、ランプ構造の上面は、布地の水平部を支持するように構成され、空間は前記布地の吊下部を受けるように構成され、コンピュータ化されたコントローラはノズルアレイを制御して構築材料を上面にのみ吐出するようになっている。
本発明のいくつかの実施形態によれば、コンピュータ化されたコントローラは、作業トレイの上のランプ構造の高さを補正するために作業トレイの垂直位置を調節するように構成される。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷用のシステムが提供される。このシステムは、硬化性材料を布地に塗布し、ノズルアレイを操作して物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を布地上に吐出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、硬化性物質の塗布は、構築材料が吐出される布地の同じ側に硬化性物質を塗布することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、硬化性物質の塗布は、構築材料が吐出される布地の反対側に硬化性物質を塗布することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、硬化性物質の塗布は、硬化性物質を含むシートを布地に配置してシートを加熱することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、硬化性物質の塗布は、硬化性物質を含むシートを布地の下に配置してシートを加熱することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ノズルアレイの操作は、ノズルアレイと作業トレイとを備える三次元印刷システムを操作することを含み、硬化性物質の塗布は、硬化性物質を含むシートをトレイ上に配置し、シートの上に布地を配置し、トレイを加熱することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、硬化性物質は油性物質である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、硬化性物質はワックスを含む。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷用のシステムが提供される。この方法は、第1のノズルアレイを操作して第1構築材料を布地の上に吐出し、布地上に接着領域を形成し、第2のノズルアレイを操作して接着領域上に物体形状に対応した構成パターンで第2構築材料を吐出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、布地は作業トレイ上にあり、方法は、作業トレイに対する布地の位置に関する位置合わせデータを取得し、位置合わせデータに基づいて構築材料の吐出位置を位置合わせすることを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、第2の構築材料は一般に無色透明の構築材料を含む。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷システムが提供される。この方法は、少なくとも1つの構築材料を受け面上に吐出し、そこに固定要素を形成し、固定要素上に布地を配置し、少なくとも1つの構築材料を布地上に吐出して、布地を貫通して固定要素に接続される貫通要素を形成し、少なくとも1つの構築材料を貫通要素上に物体形状に対応した構成パターンで吐出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷用のシステムが提供される。この方法は、少なくとも1つの構築材料を受け面上に物体形状に対応した構成パターンで吐出し、物体上に布地を配置し、少なくとも1つの構築材料を布地上に吐出して、布地を貫通して物体に接続される貫通要素を形成し、少なくとも1つの構築材料を貫通要素上に吐出して別の物体を形成することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、この別の物体は固定要素である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、別の物体は装飾物体である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体と別の物体のうちの少なくとも1つは、熱保護物体である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、この方法は、少なくとも1つの構築材料を作業トレイ上に吐出して犠牲構造を形成することを含み、受け面は前記犠牲構造である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの構築材料を吐出して貫通要素を形成することは、一般に無色透明の構築材料を吐出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、この方法は、少なくとも1つの構築材料を吐出して貫通要素を形成し、貫通要素が液体状態である間に布地を貫通した後に、固化照射によって構築材料を照射することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、この方法は、少なくとも1つの構築材料を吐出して布地の露出部分に犠牲層を形成し、すべての吐出された構築材料を固化照射によって非選択的に照射することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、この方法は、作業トレイに対する布地の位置に関する位置合わせデータを取得し、位置合わせデータに基づいて構築材料の吐出位置を位置合わせすることを含む。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、衣服を製作する方法が提供される。この方法は、構築材料を布地の第1要素上に吐出して雌スナップコネクタを形成し、構築材料を布地の第2要素上に吐出して雄スナップコネクタを形成し、雌スナップコネクタを雄スナップコネクタに接続し、それにより衣服を製作することを含む。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、衣服を製作する方法が提供される。この方法は、構築材料を布地の要素上に吐出して、雌スナップコネクタと、その雌スナップコネクタから横にずれた雄スナップコネクタとを形成し、布地の要素を折り畳んで、コネクタに位置合わせし、雌スナップコネクタを雄スナップコネクタに接続し、それにより衣服を製作することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、この方法は、三次元印刷の構築材料以外の少なくとも1つの添加物を、構築材料の吐出の前に、及び/又は構築材料の吐出のあとに、布地に塗布することを含む。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷方法が提供される。この方法は、物体形状に対応した構成パターンで布地上に構築材料吐出するために、ノズルアレイを操作し、三次元印刷の構築材料以外の少なくとも1つの添加物を、構築材料の吐出の前に、及び/又は構築材料の吐出のあとに、布地に塗布することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの添加物は、接着剤溶液及び孔径調整液から成る群より選択される下塗り液を含み、下塗り液の塗布は吐出の前に行われる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの添加物は、放射線保護溶液及び光沢仕上げ液、つや消し仕上げ液から成る群より選択される仕上げ液を含み、仕上げ液の塗布は前記吐出の後に行われる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの添加物は、マスキング溶液を含み、マスキング溶液の塗布は、吐出の前であって、物体で占有されない場所に選択的に実行される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの添加物は、その場で活性化可能な非活性配合物であり、方法は、配合物を布地に塗布した後、配合物を活性化することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、活性化は照射による。
本発明のいくつかの実施形態によれば、活性化は加熱による。
本発明のいくつかの実施形態によれば、活性化は、添加物と1以上の構築材料との間の化学反応による。
本発明のいくつかの実施形態によれば、添加物の塗布は添加物のエアロゾルを布地に当てることを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、添加物の塗布は、布地の離散したアドレス可能位置に添加物の液滴を堆積させることを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの添加物があり、添加物の塗布は、複数の添加物の液滴を布地の離散したアドレス可能位置に交錯させて堆積させることを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、第1添加物と第2添加物があり、第1添加物と第2添加物は接触すると相互に化学反応し、添加物の塗布は布地上において双方の間の反応を後から誘発するように添加物を分離して堆積させることを含む。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷方法が提供される。この方法は、ユーザインタフェースを介して布地の特性に係わるデータを受信し、布地上に印刷する物体の特性に係わるデータを受信し、それぞれが、布地特性ライブラリ、物体特性ライブラリ、及び印刷パラメータの組、を有する、複数のエントリを有するライブラリを格納するコンピュータ可読媒体にアクセスし、受信した特性に最適のエントリをライブラリで検索し、エントリの印刷パラメータの組に従って、三次元印刷システムを操作して、物体を布地上に形成する、ことを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、布地の前記特性は、布地の種類、布地の細孔の大きさ、布地の織り模様から成る群より選択される少なくとも1つの特性を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体の特性は、物体の厚さ、物体の形状、及び物体の剛性から成る群より選択される少なくとも1つの特性を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、印刷パラメータの組は、(i)下塗り液の塗布順序、(ii)構築材料、(iii)構築材料の吐出順序、及び(iv)仕上げ液の塗布順序、のうちの少なくとも1つを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、この方法は、個人の身体又はその外部身体部位の走査をを受信し、その走査に基づいて物体の少なくとも1つの特性を選択することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体は、レンズ又はプリズム物体、可視光を反射する物体、可視光に対して透明であるが非可視光を反射する物体、蛍光物体、及び導波路から成る群より選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体は、環境変化に応答して光学的、機械的及び/又は幾何学的特性を変化させることが可能である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、環境変化は、温度変化、湿度変化、環境の電磁含有量の変化から成る群より選択される、少なくとも1つの変化を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体は、薬剤を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、薬剤は、抗菌剤及び抗ウイルス剤からなる群より選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体は、化粧品を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体は加熱素子を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体は冷却素子を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体は回路を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体は異物を受容する空洞を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、物体はスナップコネクタの雌部又は雄部を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、この方法は、布地をランプ構造の上で折り畳み、ランプ構造を作業トレイ上に取り付けるか配置して、布地の水平部分がランプ構造の上面で支持され、布地の吊下部分が上面の下でかつ作業トレイの上方の空間内に畳み込まれることを含み、吐出は上面にのみなされる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、この方法は、作業トレイの垂直位置を調節して、ランプ構造の上面の作業トレイの上方への高さを補正することを含む。
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷システムが提供される。このシステムは、構築材料を吐出するノズルアレイと、吐出された構築材料を下から固化するために放射線を上方へ放出するように構成された放射線源と動作的に連携する作業トレイと、少なくともノズルアレイを操作して、物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を吐出させ、吐出の後に放射線源を操作するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、コンピュータ化されたコントローラは、放射線源を空間的に選択して操作するように構成される。
別段の定義がない限り、本明細書で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似又は同等の方法及び材料が本発明の実施形態の実行又は試行に使用可能であるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に記述する。矛盾する場合には、定義を含む本発明の明細書が優先される。さらに、材料、方法及び実施例は例示に過ぎず、必ずしも制限的であることを意図するものではない。
発明の実施形態の方法及び/又は装置の実施は、選択されたタスクを手動、自動又はそれらの組み合わせで実行又は完了させることを含み得る。さらに、本発明の方法及び/又は装置の実施形態の実際の計装機器及び設備によれば、いくつかの選択されたタスクは、ハードウェアによって、あるいはオペレーティングシステムを用いたソフトウェア又はファームウェア及び/又はそれらの組合せによって実施可能である。
例えば、本発明の実施形態による、選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップ又は回路として実装可能である。ソフトウェアに関しては、本発明の実施形態による選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを用いるコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装可能である。本発明の例示的実施形態では、本明細書に記載の方法及び/又は装置の例示的実施形態による1以上のタスクは、複数の命令を実行するコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサにより実行される。任意選択により、データプロセッサには、命令及び/又はデータを格納する揮発性メモリ、及び/又は命令及び/又はデータを格納する不揮発性記憶装置、例えば磁気ハードディスク及び/又はリムーバブル媒体、が含まれる。任意選択により、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイ及び/又はキーボードやマウスなどのユーザ入力装置もまた任意選択で提供される。
本発明のいくつかの実施形態を、添付図面を参照して例示としてのみ本明細書に記載する。ここで、図面を詳細に具体的に参照すると、示される詳細事項は一例であって、本発明の実施形態の例示的議論を目的とするものであることが強調される。これに関し、図面と共に行われる説明により、本発明の実施形態がどのように実行され得るかが当業者には明らかとなる。
本発明はそのいくつかの実施形態において三次元印刷に関し、より具体的には、これに限るものではないが布地上へ物体を印刷する方法及びシステムに関する。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に提示され及び/又は図面及び/又は実施例に示される、構成要素の構造と配置及び/又は方法の詳細に、その適用が必ずしも限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、また様々な方法で実行又は実施することが可能である。
本実施形態の方法およびシステムは、コンピュータ物体データに基づいて、その物体の形状に対応する構成パターンで複数の層を形成することにより、三次元物体を層ごとに製作する。コンピュータ物体データは、これに限るものではないが、標準テッセレーション言語(STL)若しくはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)フォーマット、OBJファイルフォーマット(OBJ)、3D製造フォーマット(3MF)、仮想現実モデリング言語(VRML)、付加製造ファイル(AMF)フォーマット、図面交換フォーマット(DXF)、ポリゴンファイルフォーマット(PLY)、又はコンピュータ支援設計(CAD)に適する他の任意のフォーマットを含む、任意の既知のフォーマットであってよい。
本明細書で使用の「物体」という用語は、物体の全体又はその一部を指す。
各層は、2次元表面を走査してそれをパターン化する付加製造装置によって形成される。走査中に装置は2次元の層すなわち表面上の複数の標的位置に行き、各標的位置又は一群の標的位置に対して、その各標的位置又は一群の標的位置を構築材料で覆うべきか否か、またそこにどの種類の構築材料を送達するべきかを決定する。決定は、表面のコンピュータ画像に従って行われる。
本発明の好ましい実施形態では、AMは三次元印刷、より好ましくは三次元インクジェット印刷で構成される。これらの実施形態では、構築材料が1以上のノズルアレイを有する印刷ヘッドから吐出されて、受け面上に構築材料を層状に堆積する。AM装置はこうして構築材料物をそれで覆うべき標的位置に吐出し、他の標的位置を空のままにする。この装置は通常複数のノズルアレイを含み、そのそれぞれが異なる構築材料を吐出するように構成可能である。これは通常、互いに分離されて相互に流体連通しないようにされた複数の流体チャネルを有する印刷ヘッドを設けることで達成される。各チャネルは、分離された入口を介して異なる構築材料を受け、それが別々のノズルアレイに配送される。
したがって、異なる標的位置を異なる構築材料で占有することが可能である。構築材料の種類は、造形材料と支持材料の大きく2つに分類される。典型的には、構築材料は溶媒フリー(例えば水又はいかなる有機溶媒も含まない)であり、及び/又は40℃超、50℃超、又は60℃超の温度で吐出される。支持材料は、製作プロセス中に物体又は物体の部分を支持するため、及び/又は、例えば中空又は多孔性の物体を提供するためなどの他の目的で、支持母体又は構造として機能する。支持構造には、例えば支持強度を上げるために造形材料物要素を追加的に含むこともあり得る。
造形材料は一般に、付加製造に使用するために配合された合成物であり、それ自体で、すなわち他のいかなる物質との混合も組合せも必要とせずに、3次元物体を形成可能である。
最終的な3次元物体は、造形材料、あるいは複数の造形材料の組み合わせ、あるいは造形材料と支持材料、又はそれらの変形物(例えば硬化後のもの)で作られる。これらのすべての操作は、固体自由成形分野の当業者には周知である。
本発明のいくつかの例示的実施形態において、物体は2以上の異なる造形材料の吐出により製作され、各材料はAM装置の(同一または異なる印刷ヘッドの)異なるノズルアレイから吐出される。いくつかの実施形態では、異なる造形材料を吐出する2以上のそのようなノズルアレイが、いずれもAM装置の同一印刷ヘッドに配置される。いくつかの実施形態では、異なる造形材料物を吐出するノズルアレイは別々の印刷ヘッドに配置される。例えば第1の造形材料を吐出する第1のノズルアレイが第1印刷ヘッドに配置され、第2の造形材料を吐出する第2のノズルアレイが第2印刷ヘッドに配置される。
いくつかの実施形態では、造形材料を吐出するノズルアレイと、支持材料を吐出するノズルアレイの両方が、同じ印刷ヘッドに配置される。いくつかの実施形態では、造形材料を吐出するノズルアレイと、支持材料を吐出するノズルアレイが、別々の印刷ヘッドに配置される。
本発明のいくつかの実施形態による、物体112のAMに適したシステム110の代表的かつ非限定的な例を図1Aに示す。システム110は、複数の印刷ヘッドを備えた吐出ユニット16を有する付加製造装置114を備える。各ヘッドは好ましくは、以下で説明する図2A~図2Cに示すようなオリフィス板121に通常取り付けられた1以上のノズルアレイ122を備え、それを介して液体の構築材料124が吐出される。
好ましくは、ただし必須ではないが、装置114は3次元印刷装置であり、その場合印刷ヘッドは印刷ヘッドであり、構築材料はインクジェット技術を介して吐出される。これは必ずしもそうである必要はない。なぜなら、いくつかの用途では、付加製造装置が3次元印刷技術を使う必要がないこともあるからである。本発明の様々な例示的実施形態によって企図される付加製造装置の代表的な例には、熱溶解積層造形装置および熱溶解材料積層装置が含まれるが、これに限定されるものではない。
各印刷ヘッドは、任意選択によりかつ好ましくは、1以上の構築材料タンクを介して供給され、そこには温度制御ユニット(例えば温度センサ及び/又は加熱装置)と、材料レベルセンサが任意選択で含まれ得る。構築材料を吐出するために、例えば圧電式インクジェット印刷技術におけると同様に、印刷ヘッドに電圧信号が印加され、印刷ヘッドノズルを介して材料の液滴を選択的に堆積する。別の例としてはサーマルインクジェット印刷ヘッドがある。このタイプのヘッドでは、構築材料と熱接触するヒータ素子があり、電圧信号によってヒータ素子を作動させることにより、構築材料を加熱してそこにガス気泡を形成する。ガス気泡が構築材料内に圧力を発生させ、構築材料の液滴をノズルを介して噴出させる。圧電式およびサーマル式印刷ヘッドは、固体自由成形分野の当業者には知られている。任意のタイプのインクジェット印刷ヘッドに関して、ヘッドの吐出速度は、ノズルの数、ノズルの種類、および印加電圧信号レート(周波数)に依存する。
好ましくは、ただし必須ではないが、吐出ノズル又はノズルアレイの総数は、吐出ノズルの半分が支持材料の吐出用であり、吐出ノズルの半分が造形材料の吐出用となるように選択される。すなわち、造形材料を噴射するノズルの数が、支持材料を噴射するノズルの数と同じである。代表的な例である図1Aでは、4つの印刷ヘッド16a、16b、16c、16dが示されている。各ヘッド16a、16b、16c、16dはノズルアレイを有する。この例では、ヘッド16a、16bは造形材料用であり、ヘッド16c、16dは支持材料用であってよい。このように、ヘッド16aは1つの造形材料を吐出し、ヘッド16bは別の造形材料を吐出し、またヘッド16c、16dはいずれも支持材料を吐出することが可能である。代替実施形態では、例えばヘッド16c、16dを組み合わせて、支持材料を堆積するための、2つのノズルアレイを有する単一ヘッドとすることも可能である。さらなる代替実施形態において、任意の1以上の印刷ヘッドが、2以上の材料を堆積させるために2以上のノズルアレイを有してもよい。例えば2つの異なる造形材料、又は1つの造形材料と1つの支持材料のための2つのノズルアレイであり、各配合物が異なるアレイ又は異なる数のノズルを介して堆積される。
ただしこれは本発明の範囲を限定することを意図するものではないこと、及び造形材料の印刷ヘッド(造形ヘッド)の数と支持材料の印刷ヘッド(支持ヘッド)の数が異なり得ることを理解されたい。一般的に、造形材料を吐出するノズルアレイの数、支持材料を吐出するノズルアレイの数、及びそれぞれのアレイにおけるノズルの数は、支持材料の最大吐出速度と造形材料の最大吐出速度との間に所定の比aを与えるように選択される。所定の比aの値は好ましくは、形成される各層において造形材料の高さと支持材料の高さが等しくなる様に選択される。aの典型的な値は、約0.6から約1.5である。
本明細書を通じて使用されるように、「約」という用語は±10%を指す。
例えば、a=1では、すべてノズルアレイが動作する場合、支持材料の全体の吐出速度は造形材料の全体の吐出速度とほぼ等しい。
装置114は例えば、それぞれがp個のノズルアレイをm個有する造形ヘッドM個と、それぞれがq個のノズルアレイをs個を有する支持ヘッドS個を備え、M×m×p=S×s×qであってよい。M×m個の造形アレイとS×s個の支持アレイのそれぞれは、個別の物理的ユニットとして製作可能であり、複数のアレイの群から組み立て、および分解が可能である。この実施形態において、そのようなアレイのそれぞれは、任意選択によりかつ好ましくは、各自の温度制御ユニットと材料レベルセンサを備え、その動作のために個別に制御された電圧を受け取る。
装置114はさらに、凝固装置18を備える。これは、堆積された材料を固化させ得る光、熱等を放出するように構成された任意の装置を含むことができる。例えば、凝固装置18は1以上の放射線源を含むことができる。これは、使用される造形材料に応じて、例えば紫外線、可視光、若しくは赤外線のランプ、あるいは他の電磁放射線源、あるいは電子線源であってよい。本発明のいくつかの実施形態では凝固装置18は造形材料を硬化又は凝固させる機能をはたす。
凝固装置18に加えて装置114は、任意選択によりかつ好ましくは溶媒を蒸発させるための追加の放射線源328を備える。放射線源328は、任意選択によりかつ好ましくは赤外線を発生させる。本発明のいくつかの実施形態では、凝固装置18が紫外線を発生させる放射線源を備え、放射線源328が赤外線を発生させる。
本発明のいくつかの実施形態では、装置114は、1以上のファンなどの冷却装置134を備える。
印刷ヘッド(s)および放射源は、好ましくはフレーム又はブロック128に取り付けられ、それが好ましくは作業面として作用するトレイ360上を往復運動する。本発明のいくつかの実施形態では、放射線源はブロックに取り付けられ、吐出ヘッドの軌跡を追従して印刷ヘッドによって吐出されたばかりの材料を少なくとも部分的に硬化又は凝固させるようになっている。トレイ360は水平に配置される。一般的な慣習に従って、X-Y平面がトレイ360に平行になるようにX-Y-Zデカルト座標系が選択される。トレイ360は好ましくは、垂直方向に(Z方向に沿って)、通常は下向きに移動するように構成される。本発明の様々な例示的実施形態では、装置114は1つ以上のレベリング装置32、例えばローラ326をさらに含む。レベリング装置326は、新たに形成された層を、その上に次の層が形成される前に矯正、平坦化し、及び/又は厚さを確定するように作用する。レベリング装置326は好ましくは、平坦化中に発生する余分な材料を回収するための廃棄物回収装置136を備える。廃棄物回収装置136は、材料を廃棄物タンクまたは廃棄物カートリッジに送達する任意の機構を含み得る。
図1Aの概略図では、トレイ360の端は直線的な角となっている。ただしこれは必ずしもこうである必要はなく、いくつかのアプリケーションでは、特にトレイ360が物体を印刷する布地に接している場合には、トレイ360の上面の角は隅肉及び/又は面取り(図4E、4Fの面取り411参照)として形成されていることが望ましい場合がある。
使用時に、ユニット16の印刷ヘッドは、走査方向、これは本明細書ではX方向と称する、に移動し、それらがトレイ360上を通過する過程で構築材料を所定の構成で選択的に吐出する。構築材料は通常、1種類以上の支持材料及び1種類以上の造形材料を含む。ユニット16の印刷ヘッドの通過に続いて、放射線源126による造形材料の硬化が行われる。ヘッドが堆積し終えた層の出発点に戻る逆方向への移動中に、所定の構成に従って構築材料を追加吐出することもあり得る。こうして形成された層は、印刷ヘッドの順方向又は逆方向への移動中に、レベリング装置326よって矯正することが可能である。これは順方向及び/又は逆方向への移動時の印刷ヘッドの経路に沿うことが望ましい。印刷ヘッドがX方向に沿ってそれらの出発点に戻ると、印刷ヘッドは、本明細書でY方向と呼ぶ割出し方向に沿う別の位置に移動し、X方向に沿った往復運動によって同じ層の構築を続けることが可能である。これに代わって、印刷ヘッドは、順方向及び逆方向の移動の間に、又は2回以上の順方向-逆方向移動の後に、Y方向に移動してもよい。単一の層を完成させるために印刷ヘッドによって実行される一連の走査を、本明細書では単一走査サイクルと称する。
その層が完了すると、次に印刷される層の所望の厚さに応じて、トレイ360は、Z方向に所定のZレベルまで下降される。この手順が繰り返されて、3次元物体112が層毎に形成される。
別の実施形態では、トレイ360は、ユニット16の印刷ヘッドの順方向及び逆方向の通過の間に、層内でZ方向に変位されてもよい。そのようなZ変位は、レベリング装置と表面を一方向で接触させ、かつ反対方向で接触させないようにするために実行される。
システム110は、任意選択によりかつ好ましくは、構築材料の容器又はカートリッジを含みかつ複数の構築材料を製作装置114に供給する、供給システム330を含む。
コントローラ20は、製作装置114、及び任意選択によりかつ好ましくは、供給システム330を制御する。コントローラ20は通常、制御操作を実行するように構成された電子回路を含む。コントローラ20は好ましくはデータプロセッサ154と通信し、これが、例えば標準テッセレーション言語(STL)フォーマット等の形式でコンピュータ可読媒体上に表されたCAD構成などの、コンピュータ物体データに基づく製作命令に係わるデジタルデータを送信する。通常、コントローラ20は、各印刷ヘッド又は各ノズルアレイに印加される電圧、及びそれぞれの印刷ヘッド又はそれぞれのノズルアレイにおける構築材料の温度を制御する。
製作データがコントローラ20に読み込まれると、コントローラは、ユーザの介入なしで動作可能である。いくつかの実施形態では、コントローラ20は、例えばデータプロセッサ154を用いて、あるいはコントローラ20と通信するユーザインタフェース116を用いて、オペレータからの追加の入力を受信する。ユーザインタフェース116は、例えば、これに限らないがキーボード、タッチスクリーンなどの当分野で公知の任意の種類であってよい。例えばコントローラ20は、追加の入力として、1以上の構築材料の種類及び/又は、例えば、これに限らないが、色、特性歪み及び/又は転移温度、粘度、電気特性、磁気特性などの属性を受信することができる。他の属性および属性群もまた想定される。
本発明のいくつかの実施形態による物体のAMに適したシステム10の別の代表的かつ非限定的な例を図1B~図1Dに示す。図1B~図1Dは、システム10の平面図(図1B)、側面図(図1C)、および等角図(図1D)を示す。
本実施形態において、システム10はトレイ12と、それぞれが1以上の分離されたノズルを有するノズルアレイを1以上有する複数のインクジェット印刷ヘッド16とを備える。三次元印刷に使用される材料は、構築材料供給システム42によってヘッド16に供給される。トレイ12は円板形状であってもよいし、あるいは環状であってもよい。垂直軸を中心に回転可能であれば、非円形の形状も考えられる。図1Cの概略図では、トレイ12の端は直線的な角となっている。ただし、前述のトレイ360の場合のようにいくつかのアプリケーションでは、特にトレイ12が物体を印刷する布地に接している場合には、トレイ12の上面の角は隅肉及び/又は面取りとして形成されていることが望ましい場合がある。
トレイ12とヘッド16は、任意選択によりかつ好ましくは、トレイ12とヘッド16の間で相対的回転運動ができるように取り付けられる。これは、(i)トレイ12が垂直軸14を中心にヘッド16に対して回転する構成、(ii)ヘッド16が垂直軸14を中心にトレイ12に対して回転する構成、又は(iii)トレイ12及びヘッド16の両方が垂直軸14を中心に回転し、ただし異なる回転速度で回転(例えば逆方向に回転)する構成、によって達成可能である。以下においては、システム10のいくつかの実施形態を、トレイが垂直軸14を中心にヘッド16に対して回転するように構成された回転トレイである構成(i)に特に重点を置いて記載するが、本出願はシステム10に関して構成(ii)及び(iii)をも企図していることを理解されたい。本書に記載のシステム10の実施形態はいずれも、構成(ii)および構成(iii)のいずれにも適用できるように調整することができ、本明細書に記載の詳細が与えられれば、当業者にはそのような調整の仕方がわかるであろう。
以下の説明では、トレイ12に平行で軸14から外向きの方向を半径方向rと呼び、トレイ12に平行で半径方向rに直交する方向をここでは方位角方向φと呼び、トレイ12に垂直な方向をここでは垂直方向zと称する。
システム10の半径方向rはシステム110の割出し方向yを規定し、方位角方向φがシステム110の走査方向xを規定する。したがって、半径方向は本明細書においては互換的に割出し方向と称し、方位角方向は本明細書においては互換的に走査方向と称す。
本明細書で使用する用語「半径方向位置」とは、軸14から特定の距離にあるトレイ12上又はトレイ12の上方の位置を指す。この用語が印刷ヘッドに関連して使用される場合、この用語は、軸14から特定の距離にあるヘッドの位置を指す。この用語がトレイ12上の点に関連して使用される場合、この用語は、半径が軸14から特定の距離にあり、その中心が軸14にある円となる点の軌跡に属する任意の点に対応する。
本明細書で使用する用語「方位角位置」は、所定の基準点に対して特定の方位角にあるトレイ12上又はトレイ12の上方の位置を指す。従って、半径方向位置は、基準点に対して特定の方位角を成す直線となる点の軌跡に属する任意の点を指す。
本明細書で使用する用語「垂直位置」は、特定の点で垂直軸14と交差する平面上の位置を指す。
トレイ12は、三次元印刷のための造形プラットフォームとして機能する。1以上の物体が印刷される作業領域は、通常はトレイ12の総面積より小さい。ただし必ずしもそうである必要はない。本発明のいくつかの実施形態では、作業領域は環状である。作業領域は符号26で示される。本発明のいくつかの実施形態では、トレイ12は、物体の形成中、同一方向に連続的に回転し、本発明のいくつかの実施形態では、トレイは、物体の形成中に少なくとも1回(例えば振動するように)回転方向を逆転する。トレイ12は、任意選択によりかつ好ましくは、取外し可能である。トレイ12の取外しは、システム10の保守のために、あるいは所望であれば、新しい物体を印刷する前にトレイを交換するために行うことができる。本発明のいくつかの実施形態では、システム10には1以上の異なる交換トレイ(例えば交換トレイのキット)が提供され、2以上のトレイが異なる種類(例えば異なる重量)の物体、異なる動作モード(例えば異なる回転速度)等のために指定される。トレイ12の交換は、所望により手動又は自動とすることができる。自動交換が使用される場合、システム10は、ヘッド16の下の位置からトレイ12を取り外して、それを交換トレイ(図示せず)と置き替えるように構成されるトレイ交換装置36を含む。図1Bの代表図においてトレイ交換装置36は、トレイ12を引っ張るように構成された可動アーム40を有する駆動装置38として示されるが、他の種類のトレイ交換装置も考えられる。
印刷ヘッド16の例示的実施形態を図2A~図2Cに示す。これらの実施形態は、これに限らないがシステム110及びシステム10を含む上記の任意のAMシステムに使用可能である。
図2A~図2Bは、ノズルアレイ22を1つ(図2A)及び2つ(図2B)有する印刷ヘッド16を示す。アレイ内のノズルは好ましくは、直線に沿って線状に配列される。特定の印刷ヘッドが2以上の線形ノズルアレイを有する実施形態において、ノズルアレイは、任意選択によりかつ好ましくは、互いに平行であってよい。印刷ヘッドが2以上のノズルアレイを有する場合(例えば図2B)、そのヘッドのすべてのアレイには同一構築材料が供給されてもよいし、あるいは同一ヘッドの少なくとも2つのアレイに異なる構築材料が供給されてもよい。
システム110と同様のシステムが使用される場合、全ての印刷ヘッド16は、任意選択によりかつ好ましくは、割出し方向に沿って配向され、それらの走査方向に沿う位置は互いにずれて配置される。
システム10に類似のシステムが使用される場合、全ての印刷ヘッド16は、任意選択によりかつ好ましくは、半径方向に(半径方向に平行に)配向され、それらの方位角位置が互いにずれて配置される。従って、これらの実施形態では、異なる印刷ヘッドのノズルアレイは、互いに平行ではなく、むしろ互いにある角度を成す。その角度はそれぞれのヘッド間の方位角のずれにほぼ等しい。例えば、1つのヘッドが半径方向に配向されて方位角位置φ1に配置され、別のヘッドが半径方向に配向されて方位角位置φ2に配置されることが可能である。この例では、2つのヘッド間の方位角のずれはφ1-φ2であり、2つのヘッドの線形ノズルアレイ間の角度もまたφ1-φ2である。
いくつかの実施形態では、2以上の印刷ヘッドを組み合わせて1つの印刷ヘッドブロックにすることが可能である。その場合、そのブロックの印刷ヘッドは通常互いに平行である。複数のインクジェット印刷ヘッド16a、16b、16cを含むブロックを図2Cに示す。
いくつかの実施形態では、システム10はヘッド16の下に位置する安定化構造30を含み、トレイ12が安定化構造30とヘッド16との間にある。安定化構造30は、インクジェット印刷ヘッド16が作動する際に発生し得るトレイ12の振動を防止又は低減するように機能することができる。印刷ヘッド16が軸14を中心に回転する構成では、好ましくは安定化構造30もまた回転して、安定化構造30が常にヘッド16の直下にくるようにする(トレイ12がヘッド16とトレイ12の間にある)。
トレイ12及び/又は印刷ヘッド16は、任意選択によりかつ好ましくは、トレイ12と印刷ヘッド16との間の垂直距離を変更可能とするために垂直方向zに沿って垂直軸14に平行に移動するように構成されている。トレイ12を垂直方向に沿って移動させることによって垂直距離を変更する構成では、安定化構造30も好ましくはトレイ12と共に垂直方向に移動する。トレイ12の垂直位置を固定したままで、ヘッド16によって垂直方向に沿う垂直距離を変更する構成では、安定化構造30もまた固定垂直位置に保持される。
垂直移動は、垂直駆動装置28によって行うことができる。ある層が完了すると、次に印刷する層の所望の厚さに応じて所定の垂直間隔だけ、トレイ12とヘッド16との間の垂直距離を増大させることができる(例えばトレイ12をヘッド16に対して下降させる)。この手順を繰り返して、三次元物体を層毎に形成する。
インクジェット印刷ヘッド16の動作、および任意選択によりかつ好ましくは、システム10の1つ以上の他の構成要素の動作、例えばトレイ12の移動は、コントローラ20によって制御される。コントローラは、電子回路と、回路によって読出し可能な不揮発性記憶媒体とを有することができ、記憶媒体は、回路によって読み出されたときに、以下でさらに詳述するような制御動作を回路に実行させるプログラム命令を格納する。
コントローラ20はまた、コンピュータ物体データに基づいて、製作命令に関するデジタルデータを送信するホストコンピュータ24と通信することもできる。デジタルデータは例えば、標準テッセレーション言語(STL)若しくはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)フォーマット、仮想現実モデリング言語(VRML)、付加製造ファイル(AMF)フォーマット、図面交換フォーマット(DXF)、ポリゴンファイルフォーマット(PLY)、又はコンピュータ支援設計(CAD)に適した任意の他のフォーマットである。物体データフォーマットは通常デカルト座標系に従って構成される。このような場合、コンピュータ24は好ましくは、コンピュータ物体データにおける各スライスの座標をデカルト座標系から極座標系に変換するための手順を実行する。コンピュータ24は、任意選択によりかつ好ましくは、変換された座標系で製作命令を送信する。代替として、コンピュータ24は、コンピュータ物体データによって提供された元の座標系で製作命令を送信することができる。その場合、座標変換はコントローラ20の回路によって実行される。
座標変換により、回転トレイ上での三次元印刷が可能となる。固定トレイを有する非回転システムでは、印刷ヘッドは通常固定トレイ上を直線に沿って往復運動する。そのようなシステムでは、ヘッドの吐出速度が均一であるとすれば、印刷解像度はトレイ上のどの点でも同じである。システム10においては、非回転システムとは違って、ヘッドポイントの全てのノズルが同じ時間の間にトレイ12上の同じ距離を移動するわけではない。座標変換は、任意選択によりかつ好ましくは、異なる半径方向位置において過剰材料が等量となるように実行される。本発明のいくつかの実施形態による座標変換の代表例を図3A~図3Bに示す。これは物体の3つのスライス(各スライスが物体の異なる層の製作命令に対応する)を表し、図3Aは、デカルト座標系でのスライスを示し、図3Bは、それぞれのスライスに座標変換手順を適用した後の同じスライスを示す。
通常、コントローラ20は、製作命令に基づき、かつ以下で説明する格納されたプログラムの指示に基づいて、システム10のそれぞれの構成要素に印加される電圧を制御する。
一般的に、コントローラ20は、トレイ12の回転中に印刷ヘッド16を制御して構築材料の液滴を層状に吐出させ、トレイ12上に三次元物体を印刷させる。
システム10は、任意選択によりかつ好ましくは、1以上の固化装置18を備える。これは例えば、使用される造形材料に応じて、これに限らないが紫外線、可視光若しくは赤外線のランプ、あるいは他の電磁放射線源、あるいは電子線源などの、1以上の放射線源を含み得る。放射線源は、これに限らないが発光ダイオード(LED)、デジタル光処理(DLP)システム、抵抗加熱ランプ等を含む、任意の種類の放射線放出装置を含むことができる。放射線源18は造形材料を硬化又は凝固する役割りをはたす。本発明の様々な例示的実施形態では、放射線源18の動作は、コントローラ20によって制御され、それは、放射線源18の起動および停止を行い、かつ任意選択により放射線源18によって発生する放射線量の制御も可能とする。
本発明のいくつかの実施形態では、システム10は、ローラまたはブレードとして製造され得る1つ以上のレベリング装置32をさらに備える。レベリング装置32は、新たに形成した層を、その上に次の層を形成する前に矯正する役目をする。いくつかの実施形態では、レベリング装置32は円錐ローラの形状を有し、その対称軸34がトレイ12の表面に対して傾斜し、かつその表面がトレイの表面と平行になるように配置される。この実施形態をシステム10の側面図で示す(図1C)。
円錐ローラは、円錐または円錐台の形状であってよい。
円錐ローラの開き角は好ましくは、その軸34に沿った任意の位置における円錐の半径と、その位置と軸14との間の距離との間の比が一定となるように選択される。この実施形態により、ローラ32は層を効率的に平準化可能となる。それは、ローラが回転する間、ローラ表面上の任意の点pは、その点pの垂直に直下の点におけるトレイの直線速度に比例した(例えば同一の)直線速度を有するからである。いくつかの実施形態では、ローラは高さh、軸14に最も近い位置における半径R1、および軸14から最も遠い位置における半径R2を有する円錐台形状を有する。ここでパラメータh、R1、R2は、R1/R2=(R-h)/hの関係を満たし、またRは軸14からのローラの最遠距離である(例えばRはトレイ12の半径であり得る)。
レベリング装置32の動作は、任意選択によりかつ好ましくは、コントローラ20によって制御される。コントローラは、レベリング装置32の起動、停止を行い、かつ任意選択により、垂直方向(軸14に平行)、及び/又は半径方向(トレイ12に平行で、軸14に向かうか離れる方向)に沿うその位置も制御し得る。
本発明のいくつかの実施形態では、印刷ヘッド16は、半径方向rに沿ってトレイに対して往復運動するように構成される。これらの実施形態は、ヘッド16のノズルアレイ22の長さがトレイ12上の作業領域26の半径方向の幅より短いときに有用である。半径方向へのヘッド16の運動は、任意選択によりかつ好ましくはコントローラ20によって制御される。
図1E~図1Gは本発明の実施形態における作業トレイ12/360の概略図である。ここで、作業トレイは構築材料を下から照射する放射線17を放出する放射線源19を含むかあるいはそれに関連づけられている。放射線源19は使用される造形材料に応じて、これに限らないが、電磁放射線(例えば紫外線、可視光、赤外線など)、電子ビーム放射線等の任意の種類の放射線17を放出可能である。放射線源19により放出される放射線17は構築材料を下から固化させる役目をする。放射線源19は、これに限らないが、1以上のLED、デジタルライトプロジェクタ(DLP)、レーザ装置、電子線源等のような放射線17を放出可能な任意の装置を含むことができる。放射線源19はコントローラ20によって制御可能であり、コントローラはその起動、停止、及び任意選択により放射線17の量及び/又は断面積の制御も可能である。
図1Eの概略図において、放射線源19は作業トレイの下にあり、その場合作業トレイ12/360は好ましくは線源19から放出される放射線17に対して透明である。図1Fの概略図において、放射線源19はトレイ12/360内に埋め込まれており、この場合線源19の上にある作業トレイ部分は放射線17に対して透明である。図1Gの概略図において、放射線源19はトレイ12/360の側面に取り付けられており、この場合放射線17はトレイ12/360に結合されてトレイ12/360内を案内されて上方に出て行く。放射線17は作業トレイ12/360の材料によって(例えば内部の全反射によって)案内され、再配向素子21(例えばミラー又は回折格子)によって上方へ出て行く。放射線17は作業トレイ12/360に埋め込まれた1以上の導波路(図示せず)によって案内されてもよい。
いくつかの実施形態では、放射線源19はコントローラ20によって、最下層(複数も可)の構築材料が吐出されるときにのみ起動され(例えば最初の1、2、3、4、又は5層)、その後は停止される。あるいは、最下層を形成するように吐出された構築材料が放射線17に対して透明であって、放射線17をその最下層を貫通させて、その上の層を固化させることもあり得る。いくつかの実施形態では、最下層の構築材料として放射線17を吸収するものを選択して、その上の層を放射線17から遮蔽することを想定する。
いくつかの実施形態では、放射線源19が空間的に選択されて起動され、トレイ上のある領域が放射線を放出し、その他の領域が放射線を放出しない。例えば、放射線源19が空間的に選択されて起動され、作業トレイ上の構築材料が吐出されている領域のみが照射される。空間的に選択された照射は、例えば、放射線源19をLEDアレイで提供し、個別のLEDを選択的に起動することにより達成される。
いくつかの実施形態では、(同一または異なる印刷ヘッドに属する)異なるノズルアレイから異なる材料を吐出することにより物体を作製することが想定される。これらの実施形態は、とりわけ、所定数の材料から材料を選択し、かつ選択された材料及びそれらの特性の所望の組合せを定める機能を提供する。本実施形態によれば、各材料を層状に堆積する空間位置は、異なる材料で異なる三次元空間位置を占有させるか、2以上の異なる材料を実質的に同一の三次元位置又は隣接する三次元位置に配置し、堆積後にその層内での材料を空間的に混合させて、それによってそれぞれの単一又は複数の位置に複合材料を形成させるか、のいずれかによって規定される。
造形材料の堆積後の任意の組み合わせ又は混合が考えられる。例えば、特定の材料が吐出された後、それはその元の特性を維持することができる。しかし、それが別の造形材料又は他の吐出材料と同時に、同じ位置あるいは近傍位置で吐出される場合、吐出された材料とは異なる単一又は複数の特性を有する複合材料が形成され得る。
本発明のいくつかの実施形態では、システムは複数層の少なくとも一つに対してデジタル材料を吐出する。
本明細書及び当分野で使用される「デジタル材料」という用語は、異なる材料のピクセル又はボクセルがある領域において相互に交錯するような、ピクセルレベル又はボクセルレベルでの2以上の材料の組み合わせを言う。そのようなデジタル材料は、材料の種類及び/又は2以上の材料の比率及び相対的な空間分布の選択によって影響される新しい特性を示すことができる。
本明細書で使用するように、層の「ボクセル」は、層内の物理的な3次元の要素体積のことを指し、層を記述するビットマップの単一ピクセルに対応する。ボクセルの寸法は、構築材料が個々のピクセルに対応する位置に吐出され、平坦化され、凝固された後に、構築材料により形成される領域の寸法にほぼ等しい。
こうして本実施形態は、広範囲な材料の組合せを堆積可能とし、かつ物体の各部分の特徴づけに要求される特性に応じて、異なる部分が複数の異なる材料の組合せから構成され得る物体の作製を可能にする。
本実施形態に適したAMシステムの原理および動作のさらなる詳細は、米国公開特許出願第20100191360号明細書に示されており、参照によりその内容を本明細書に援用する。
本発明のいくつかの実施形態において、システム10及び/又はシステム110は、布地上に1以上の物体を印刷するように構成される。
本明細書で使用する「布地」とは、少なくとも部分的に、天然又は人工の繊維材料で作られた任意の製造物を包含する。布地の種類の例としては、これに限らないが、衣服、靴、玩具、布製品、カーペット、布製帽子、布製バッグ、靴下、タオル、カーテンなどがある。
本実施形態は、織布又は不織布への印刷を想定する。
本明細書で使用のように、「織布」という用語は、ASTMD123-03に準拠して、少なくとも2組の撚り糸が、所定の交錯パターンに従って例えば互いに直角に交錯し、かつ少なくとも1組は布地の長さ方向に沿う軸に平行に作られた構造を意味する。
本明細書で使用のように、「不織布」という用語は、ASTMD123-03に準拠して、機械的、化学的、熱的又は溶剤的な手段及びその組み合わせで、繊維を結合又は絡ませて、あるいはその両方によって作製した織物構造を意味する。
必ずしもそうではないが好ましくは、印刷システム(例えばシステム10又はシステム110)が布地への物体の印刷に使用される場合、レベリング装置32は使用されない。これらの実施形態においては、布地に吐出される構築材料の各層は、吐出後、層の平坦化なしで固化(例えば硬化)される。
必ずしもそうではないが好ましくは、印刷システム(例えばシステム10又はシステム110)が物体の布地への印刷に使用される場合、印刷された物体の高さは10cm未満、より好ましくは9cm未満、より好ましくは8cm未満、より好ましくは8cm未満、より好ましくは7cm未満、より好ましくは6cm未満、より好ましくは5cm未満、より好ましくは4cm未満、より好ましくは3cm未満、より好ましくは2cm未満、より好ましくは1cm未満である。
本発明のいくつかの実施形態において、システムの作業トレイ(たとえばトレイ12またはトレイ360)は、固化装置18の放射線源によって放出される放射線に対して、少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又はそれ以上の反射率を有する。作業トレイを反射性あるいは部分的に反射性とすることの利点は、下から布地に到達する反射放射線が布地の下の構築材料を固化させることができ、また布地の細孔を貫通してこれらの細孔内の構築材料の液滴を固化することができ、それによって印刷された物体の布地への付着を改善する。
本実施形態はまた、作業トレイに1以上の流体流路52を設けることも想定する。流体送達システム54が流体流路52内に流体流を生成することができる。流体は、任意選択によりかつ好ましくは、制御された温度とすることができ、それによって作業トレイの温度を制御することができる。流体送達システム54が、吐出された構築材料の温度より低い温度である流体流を発生させると、流体が構築材料から熱を吸収する。流体送達システム54はまた、布地よりも高い温度の流体流を発生させることも可能であって、構築材料を布地に吐出する前に布地のしわを伸ばすことを容易にする。本発明者らは、これらの実施形態の組み合わせも想定する。そこでは流体は構築材料の吐出前には高温であって、物体の製作中は下げた温度である。流体は気相又は液相(例えば空気、ヘリウム、水、油など)であってよい。好ましくは、流体送達システム54はコントローラ20によって制御される。
本発明のいくつかの実施形態において、システム10及び/又はシステム110は、システムの作業トレイ(例えばトレイ12又はトレイ360)上の所定位置に、またシステムのノズルアレイ(例えばアレイ122)に対して所定の方向に、布地420を貼り付けるように構成された治具402を備える。本発明のいくつかの実施形態では、治具402はまた布地420を伸ばすようにも構成されている。
治具402が図4A~図4Fに詳細に示されている。図4A及び図4Bは、フレーム403と1以上の磁性要素又は金属要素405を備えた治具402の実施形態を示す。要素405はトレイ360/12に、又はそれに隣接する、例えばトレイ360/12を囲む静止プラットフォーム361上に、好ましくは恒久的に取り付けられる。そして少なくとも1つのトレイ360/12と要素405は、要素405とフレーム403の間の相互の磁気吸引を確保するための永久磁石を含む。フレーム403はその全体が磁性体又は金属でできていてもよいし、あるいはその周縁の、要素405の位置に一致する横位置に金属又は磁性要素(図4E、図4Fには示さず)を含んでもよい。図4Aは、布地420が作業トレイ360/12に配置される前の開放状態の治具402を示し、図4Bは、フレーム403が要素405(図4Bには示さず)に磁気的に取り付けられて、布地420を作業トレイ360/12上に貼り付けて、任意選択によりかつ好ましくは、引き伸ばす閉鎖状態の治具402を示す。治具402は、相互に磁気的に取り付け可能な、一対のフレーム403でできていてもよい。その場合、布地420は作業トレイ360/12に配置される前に、治具のフレームとフレームの間で引き伸ばされる。これらの実施形態では、要素405は必要ではない。
図4Eと図4Fは、治具402の側面図を示す。図に示す実施形態では、フレーム403には、その周縁の要素405の位置に一致する横位置に取り付けられた磁性要素又は金属要素407を備える。要素407と要素405は、図4Eに示すように平坦であってもよいし、図4Fに示すように突起型要素409又は粗面であってもよい。突起型要素又は粗面は、フレーム403、プラットフォーム361、又はフレーム403とプラットフォーム361の両方に取り付けられた金属要素又は磁性要素にあってもよい。フレーム403の全体が金属又は磁性体であって、かつその上にそれ以外の金属又は磁性体の要素407が取り付けられていない場合、突起型要素409又は粗面は、フレーム403上の要素405の位置に一致する横位置に形成されてもよい。
図4Cと図4Dは、治具402が回転可能フレーム406と平坦な布地ホルダ408とを含む実施形態を示す。ここでフレーム406は、フレーム406が回転して布地ホルダ408の面に係合するとフレーム406は布地ホルダ408を取り囲んでフレーム406と布地ホルダ408の間に布地420を捕捉するような大きさと形状をしている。布地ホルダ408は、連続した面又はフレームの形状であってよい。布地ホルダ408が連続した面である場合、布地420が一旦布地ホルダ408上に配置されて、任意選択によりかつ好ましくは、引き伸ばされると、布地420は片面(典型的には上側)からしかアクセスできない。布地ホルダ408がフレーム形状である場合、布地420が一旦布地ホルダ408上に配置されて、任意選択によりかつ好ましくは、ホルダ上に引き伸ばされると、布地420はその両面からアクセス可能である。図4Cは布地420の受け入れが可能な治具402の開放状態を示し、図4Dは、布地420をトレイ12/360に貼り付けた治具402の閉鎖状態を示す。
平坦な布地ホルダ408を備える治具を有する利点は、治具402が(図4C、4Dに示すような)作業トレイ12/360に配置されているとき、あるいは(後で説明する図5A~図5Cに示すような)治具402が作業トレイ12/360に配置される前、のいずれにおいても治具402が布地420を受容することが可能なことである。
図15A~図15Cは、平坦ランプ452と1以上のスペーサビーム454を含み、ランプ452を作業トレイ12/360から垂直に離隔した状態に保持するランプ構造450に、布地420が配置された構成の概略図である。ランプ構造450はトレイ12/360の上に配置されてもよいし、これに限らないがスナップコネクタなどのコネクタ(図示せず)によってトレイ12/360に接続されてもよい。ランプ構造450がトレイに接続される場合、AMシステムがランプ450なしでの操作時に印刷プロセスに干渉しないために、コネクタは好ましくはAMシステムの印刷領域外にある。布地がトレイ12/360ではなくランプ構造450に貼り付けられる場合を除いて、布地420は前に説明した任意の技術を用いて貼り付け可能である。
ランプ構造450を使用する利点は、作業トレイより大きな布地に三次元物体を印刷可能とすることである。使用時に布地420はランプ452の上面に貼り付けられる。布地420の寸法がランプ構造の寸法よりも大きい場合、図15Aに示すように、布地420をランプ構造450の端で折り畳み、布地420の水平部分420aがランプ452の上面で支持され、布地420の吊下部分420bがランプ452の下で作業トレイ12/360の上の空間内に折り畳まれるようにする。好ましくは、布地420は、作業トレイ12/360上に配置、又はそこに接続する前に、ランプ構造450に貼り付けられる。ただしランプ構造450が作業トレイ12/360上にあるときに布地420をランプ452に貼り付ける実施形態も考えられる。
布地420が作業トレイ12/360(図4A~図4F)又はランプ452(図15A~図15C)に貼り付けられると、コンピュータ化されたコントローラ20(図1A及び図1B)がノズルアレイ122(図2A~図2C)を動作させて、物体形状に対応した構成パターン通りに構築材料を貼り付けられた布地420上に吐出する。ランプ構造450が使用される実施形態では、コンピュータ化されたコントローラ20がノズルアレイ122を制御して、ノズルがランプ構造450とプラットフォーム361の間の空隙上に来た時にすべての吐出を終了させる。そうして、構築物の液滴が布地420の水平部分402aの上にのみ着地するようにする。
ランプ構造450が使用される場合、ランプ452のZ軸方向の垂直位置は作業トレイ12/360の位置よりも高いことがわかる。この場合、コンピュータ化されたコントローラ20は、作業トレイ12/360より上のランプ構造452の高さを補正するために、作業トレイ12/360の垂直位置を調整する。この調整プロセスを図15A~図15Cに示す。作業トレイ12/360の初期の垂直位置は、好ましくはランプ452の上面が、ランプ構造が使用されていなかった場合に作業トレイ12/360が取るであろう垂直位置となるように選択される。例えば、図15Cに示すように、作業トレイ12/360の初期の垂直位置は、ランプ452の上面がプラットフォーム361の上面と同じ垂直位置となるように選択可能である。初期垂直位置が調整されたあと、印刷プロセスが本明細書で更に詳述されるように層状に継続される。そこではその層が完了すると、作業トレイ12/360が後続の層の所望厚さに従ってZ方向に下げられる。
本発明のいくつかの実施形態において、システム10/110は、治具402に接続されて治具402をトレイ360又はトレイ12上に配置するように構成された、ロボット機構410(例えば多軸ロボットアーム、ガントリーロボット、など)を備える。例えば、ロボット機構410はその遠位端で治具402に接続され、近位端は印刷システム10又は印刷システム110の印刷チャンバ又は筐体に接続することができる。図5A及び図5Bは、ロボット機構410の近位端に接続されたシステム110(図5A)及びシステム10(図5B)の印刷チャンバ又は筐体412を示す。
好ましくはコンピュータ化されたコントローラ20はロボット機構410も制御する。コントローラ20は、ロボット機構410を制御して、構築材料を布地420に吐出する前に、印刷チャンバ又は筐体412の中へ治具402を導入してトレイ12又はトレイ360上に配置する。そして任意選択によりかつ好ましくは、予めプログラムされた三次元印刷プロトコルに基づいて物体又はその部分を形成した後、印刷チャンバ又は筐体412から治具を除去することができる。好適な三次元印刷プロトコルについては後で説明する。ロボット機構410の制御にコンピュータ化されたコントローラを使用することの利点は、作業トレイ12又は作業トレイ360の所定の位置に、またノズルアレイ122に対して所定の方向に、治具402を正確に配置できることである。
ロボット機構10は、これに限らないが、把持ジョー、吸引、磁気アタッチメントなどの当技術分野で知られている任意の把持技術によって治具402を把持可能である。
本発明のいくつかの実施形態において、ロボット機構410はコントローラ20によって制御されて治具保管庫にアクセスし、その保管庫から1つの治具を把持して取り出し、取り出した治具を作業トレイ上に配置する。これらの実施形態は、ロボット機構410によってアクセス可能な、複数の治具402の保管庫を示す図5Cに概略表示されている。図5Cの表示では、これに限定されると考えるべきではないが、保管庫430は静的な棚の形状であるが、他のタイプの静的又は移動可能な保管庫(例えば回転可能なホイール、搬送機など)もまた考えられる。好ましくは1以上の治具402は、より好ましくは保管庫430内の治具402のそれぞれは、布地部分420を保持し、任意選択によりかつ好ましくは、それを引き伸ばす。これらの実施形態では、ロボット機構410が保管庫430の治具402の1つを把持すると、布地部分が治具に保持されたままそれぞれの治具を取り出し、治具を引き伸ばされた布地と共に作業トレイ(図示せず。図5A、図5B参照)上に配置する。
本発明のいくつかの実施形態では、ロボット機構410は、任意選択によりかつ好ましくは、コントローラ20から受信した信号に応答して、治具402の向きを水平面(例えばトレイ12又はトレイ360で係合された平面)に対して反転させるように構成される。これらの実施形態は、布地ホルダ408がフレームの形状となっている場合には特に有用である。それはこれらによって布地420の両面に物体を印刷する一連の印刷動作を可能とするからである。例えば、布地は治具402上で引き伸ばすことができ、かつ1つの物体を布地の片面に印刷することができる。そうして、布地をそこに引き伸ばしたままで治具402を反転して、布地の反対側に1つの物体を印刷可能である。
本実施形態では、治具402を反転させずに布地の両面に印刷することも想定している。これらの実施形態では、ノズルアレイ122、及び任意選択で固化装置18もまた、通常コントローラ20によって操作されて、トレイ又はトレイ上に置かれた何らかの受け面に物体を形成する。その後、ロボット機構410が、布地を保持し、任意選択によりかつ好ましくは、それを引き伸ばしている治具402を、印刷チャンバ又は印刷筐体412の中へ、かつそれ以前に形成された物体の上に導入して、布地の片面がその物体に接触するようにする。ノズルアレイ122、及び任意で固化装置18もまた、次に再度操作されて布地の反対面に別の物体を形成する。
上記の任意の実施形態において両面印刷が使用されるとき、布地の異なる面に印刷される物体は異なる特性および機能を持つことができる。例えば、布地が衣服の一部となることを意図されている場合、所望の美的特性を有し、又は衣服に所望の外見を与える物体(たとえば、レンズ状、プリズム状、若しくは隠されるか蛍光性の物体、又は選択的な光学反射率を有する物体、又は導波路、など)が布地の外面に印刷され、所望の機能を有する物体(例えば医薬品、又は化粧品、又は発熱素子、又は冷却素子を有する物体など)が布地の内面に印刷される。
両面印刷はまた印刷された物体を布地に確実に固定するためにも有用である。このことを図6A~図6Eを参照して次に説明する。これらの図は本発明のいくつかの実施形態による、両面印刷に適した操作順序の概略図である。この方法は、任意選択によりかつ好ましくは、台座構造502をこれに限らないが作業トレイ12又は作業トレイ360のような受け面上にアレイ122を用いて印刷する(図6A)。台座502は、任意選択によりかつ好ましくは、印刷された物体を印刷トレイから除去することを容易にする役目をし、したがって、手動又は機械的損傷による変形の防止に役立ち得る。台座502はまた、Z方向(高さ)における物体の精度を改良することができ、及び/又はX-Y方向の物体の精度も改良することができる。台座502は犠牲層を成すものであり、したがって支持材料から成る。好ましくは、支持体配合物は、液体例えば水に可溶である。本発明の様々な例示的実施形態において、台座502は支持材料と造形材料の組み合わせから成る。
本方法は受け面上に固定要素504も印刷する(図6B)。台座構造502が形成される場合、固定要素504は好ましくは台座構造502上に印刷される。さもなくば、固定要素504は他の受け面、例えばこれに限らないが作業トレイ12又は360などに印刷することができる。台座構造502とは違って、固定要素504は好ましくは犠牲層ではなく、従って少なくとも部分的に造形材料で、任意選択によりかつ好ましくは、不溶性の造形材料で作られる。好ましくは、固定要素504の形成に使用される構築材料は通常可視光に対して透明(例えば可視光に対する透過率が少なくとも50%、例えば約50%から約99%、又は約55%から約95%)である。
固定要素504の横方向の寸法は、好ましくは印刷する物体の横方向寸法とはほぼ同じであるが、本実施形態は、少なくとも1つの横方向(割出し方向及び/又は走査方向)の寸法が物体よりも大きいか小さい固定要素504もまた想定する。印刷する物体の横方向寸法とほぼ同じかそれより小さい横方向寸法を有する固定要素504を印刷する利点は、そのような構成により使用する材料の量が節約され、最終製品の総重量の観点から経済的であり、また印刷時間の観点から効率的でもあることである。
固定要素504の印刷に次いで、図6Cに示すように布地420が固定要素504の上に配置される。図6Cは、布地420の一部の拡大図であり、布地を形成する繊維の間の細孔422や突出した毛羽繊維424も示されている。布地420は、治具402(図6A~図6Dには示さず)の上に引き伸ばされた状態で固定要素504上に配置可能である。治具402を使用する利点は、引き伸ばすことで細孔422が拡がり、印刷される物体と布地との間の接合がより強固になることである。布地420の固定要素504への配置は、ロボット機構410を起動させて行うことができる。次にこの方法が、構築材料を布地420上に吐出して、布地420の細孔422を貫通し、布地420の下の固定要素504に接続される1以上の貫通要素506を形成する(図6C)。貫通要素506は好ましくは、少なくとも部分的に造形材料でできている。好ましくは、固定要素504の形成に使用される構築材料は可視光に対して一般的に透明である。
細孔422を通る要素506の貫通は任意選択によりかつ好ましくは、要素506を形成する構築材料が吐出される時間と、固化装置18がそれを固化させる時間との間の時間長さΔtを慎重に制御することによって確保される。具体的には、時間長さΔtは、要素506を形成する構築材料がまだ液体状態にある間に要素506が要素504に確実に接触するように十分長い時間を選択する。
長さΔtの制御は複数の方法で行うことができる。本発明のいくつかの実施形態では、要素506が吐出される時刻とそれらが固化される時刻との間の時間長さがΔtとなるように選択された遅延時間の間、固化装置18は停止される。例えば、システム110が使用される場合、ブロック128は例えばトレイ360の外の位置で静止させることができ、システム10が使用される場合、トレイ10を回転させたままは固化装置18を停止させることができる。
時間の長さΔtの追加的な制御は、ヘッド16の両側に固化装置を設け、ヘッドとトレイの間の相対運動の方向に基づいて固化装置を起動することによる。具体的には、大きい値のΔtは、ヘッドより前に要素506に到達する固化装置を起動することにより達成可能であり(したがって、戻り行程は要素506が照射される前に完了する)、小さい値のΔtは、ヘッドの後に要素506に到達する固化装置を起動することにより達成可能である(したがって、要素506が照射される前には戻り行程は未完である)。
本発明のいくつかの実施形態では、トレイと固化装置18の間の相対運動の速度は、要素506が吐出される時刻とそれらが固化される時刻との間の時間長さがΔtとなるように選択される。これは印刷ジョブ全体を通して行うことが可能であるが、より好ましくは要素506の形成中のみ行うことができる。例えば、本方法は、要素506を形成する構築材料の吐出の直前又は直後に相対運動の速度を低下させ、要素506が固化された後にその速度を上昇させることができる。
要素506が吐出されて固化すると、この方法は、構築材料を布地420及び貫通要素506上に、予め設計された物体112の形状に対応した構成パターンで吐出する(図6E)。
図6A~図6Eに示す印刷順序は変更可能であり、なおかつ、布地の片面に物体を提供し、布地の反対側に固定要素を提供し、布地の細孔を貫通して物体を固定要素に接続する1以上の貫通要素を提供することを理解されたい。当業者であれば、本明細書に記載の詳細により、記載された印刷順序をそれぞれの必要性に応じて調整する方法がわかるであろう。
そのような変更の代表的な例を図7に示す。この実施例では図6A~図6Eに示す選択された操作が逆になっている。物体112がトレイ上に、あるいはより好ましくは台座構造502上に、上下逆に印刷される。そして布地420が、好ましくは治具402上に引き伸ばされた状態で印刷された物体112上に配置される。布地420の物体112への配置は、ロボット機構410を起動させて行うことができる。貫通要素506が布地420の上に印刷され、細孔422を通って貫通して物体112に接続される。その後、固定要素504が布地420上に印刷され貫通要素506に接続される。図7は、支持構造510も示しており、これは好ましくは少なくとも部分的には支持材料で作られており、三次元印刷技術において知られる製作プロセス中に物体112の吊下部又は薄い壁を支持する役目を果たす。支持構造510は図7にのみ示されているが、物体112の製作中での支持構造510の使用は、物体112が上下逆に印刷されない場合(例えば図6A~図6Eの操作順序)にも想定されること、また構造510などの支持構造が物体112の製作の任意の段階で印刷され得ることを理解されたい。
図7に示す実施形態の利点は、これを利用して布地を配置する前に大部分の物体の高さをトレイ上で製作可能なことである。これにより、比較的高い物体(例えば厚さが10cm超、又は12cm超、又は14cm超、又は16cm超、又は18cm超、又は20cm超)の製作が可能となる。
本実施形態はまた、両面印刷を実行せずに印刷物体を布地420に固着するための貫通要素506の使用も想定する。これらの実施形態を、図8A及び図8Bに示す。図8Aは、貫通要素506が細孔422の中へ深く嵌入しているが布地420の反対側へは到達していない実施形態(例えば細孔の深さの約50~80%の深さだけ嵌入)を示し、図8Bは、貫通要素506が細孔422の中へ僅かしか嵌入していない実施形態(例えば細孔の深さの50%未満、例えば10~40%の深さだけ嵌入)を示す。本発明者らは、特に高密度の突出した毛羽繊維424を有する布地においては、このような固着で十分であることを見いだした。それは毛羽繊維が物体112の構築材料に接着しやすく、従って物体112と布地420の間の結合をさらに強化するからである。
図1A~図1Cを参照すると、システム10及びシステム110が、任意選択によりかつ好ましくは、位置追跡システム50を備える。本発明のいくつかの実施形態では、位置追跡システム50は、治具402がトレイに配置されると、作業トレイ12又は作業トレイ360に対する治具402の位置を決定するように構成される。位置追跡システム50は、例えば、光学スキャナ、撮像装置、磁気センサ及び/又は高周波センサを含むことができる。コンピュータ化されたコントローラ20がシステム50から位置追跡信号を受信し、この位置追跡信号に基づいて位置合わせ手順を実行し、位置合わせに応じてノズルアレイ122を作動させる。この実施形態の利点は、コントローラ20によって行われる位置合わせ手順により、ノズルの布地420の適切な位置への構築材料の吐出動作が確保されるので、トレイへの治具402の正確な位置決めを必要としないことである。
位置追跡システム50は、複数の方法で治具402の位置を決定可能である。本発明のいくつかの実施形態では、システム50はトレイ又はその一部の画像を取り込み(例えばシステム50がピクセル化撮像器又は光学スキャナを備える場合)、画像処理手順を行って、トレイに対する治具402の位置を特定する。本発明のいくつかの実施形態では、位置追跡システム50は、例えば治具402のフレーム406に、あるいは図4A、4C、4Dに示すような布地ホルダ408上に、あるいは作業トレイ上に、あるいは図4Aに示すように静止プラットフォーム361上に、形成又は取り付けることができるマーク414を使用して、治具402の位置を決定することができる。マーク414は位置追跡システム50によって識別可能であり、治具402の位置を決定するためにシステム50によって使用される。例えば、システム50が光学スキャナまたは撮像器を備える場合、マーク414は、これに限らないがバーコードなどの印刷パターン、あるいは、光学信号源、例えばノズルアレイによって吐出された構築材料を硬化させない放射線を放出する発光ダイオード、であってよい。システム50が磁気センサ又は高周波センサを備える場合、マークは、例えばこれに限らないがミニチュアコイルなどの高周波又は磁場の発生源を含んでもよい。
本開示は、位置追跡システム50を使用して布地420自体のパターン(例えば印刷パターン、織りパターン、編みパターン)を識別する実施形態も想定する。これらの実施形態では、コントローラ20が識別された布地420のパターンに基づいて位置合わせ手順を実行可能であり、追跡システム50を使用して治具402の位置決定をする必要はない(ただしいくつかの実施形態ではそのような決定も想定されている)。
布地420上への三次元物体の製作プロセスには、任意選択によりかつ好ましくは、三次元印刷のための構築材料以外の1以上の液体添加物の使用が含まれる。そのような液体添加物には、これに限らないが、下塗り液(例えば硬化液、接着液、細孔寸法調整液など)、仕上げ液(例えば放射線保護液、光沢仕上げ液、マット仕上げ液など)、マスキング液、等が含まれ得る。本発明のいくつかの実施形態により使用され得るその他の種類の添加物としては、仮保護液、撥水性液、防水性液、疎水性液、等が含まれる。
添加物が下塗り液である場合、それは構築材料を吐出する前に塗布される。したがって、例えば、接着液を布地に塗布した後に構築材料を吐出して、接着液によって構築材料の布地への付着を確保することができる。別の例は、布地の細孔寸法を大きくする細孔寸法調整液の塗布である。その後に、構築材料を吐出して、拡大された細孔内に貫通要素(例えば要素506)を形成することができる。更なる例として、吐出前に布地を安定化させるための硬化性物質の塗布がある。
添加物が仕上げ液である場合、それは構築材料の吐出後に塗布される。例えば、光沢仕上げ液又はマット仕上げ液は、吐出された構築材料に塗布されて吐出された材料に所望の外観を与えることができる。同様に、金属性塗料(例えばクロム、金)などの塗料は、構築材料で印刷された物体の少なくとも一部に仕上げ液の形で塗布することができる。布地又は印刷された物体を、例えば脱色、放射、摩耗、化学的損傷、水分吸収、等に対して保護する役目をする仕上げ液も想定される。そのような保護液の代表的な例としては、これに限らないが、耐UV材料(クライロン(Krylon)(登録商標)から市販されている耐UV材料など)、ポリウレタン(ラスト-オリウム(Rust-Oleum)製のポリウレタン溶液など)がある。
添加物がマスキング液である場合、構築材料の吐出前に塗布されることが好ましい。マスキング液は布地の選択領域が吐出される構築材料に接することを防止する役目をする。したがって、印刷される物体に占有されない場所に対して選択的に実行される。マスキング液は除去可能、例えば水洗可能であることが好ましい。例えば、マスキング液には、米国特許第5,308,647号に開示の溶液が含まれ得る。参照によりその内容を本明細書に援用する。マスキング液はまた、物体又は布地の他の場所を仕上げ液(それが塗布される場合に)から保護するために、可能であれば(それが適用される場合に)仕上げ前ではなく印刷後に塗布することができる。
また、印刷予定の物体に占有されない場所に支持材料層を保護被覆として使用することも想定される。
上に述べたいずれの添加物も、任意選択によりかつ好ましくは、その場でつまり布地に広がっている間に活性化することができる非活性配合物で構成することができる。これらの実施形態では配合物が布地に塗布され、その後で活性化される。活性化は、たとえばモノマー及び/又はオリゴマーの重合、あるいはポリマー鎖の架橋、あるいは配合物の光学特性の変性を誘発することが可能である。本実施形態は、その場で活性化可能な多くの種類の非活性配合物を想定している。本発明のいくつかの実施形態では、活性化は、放射線、例えば紫外線や赤外線の光学放射線などによる。またいくつかの実施形態では、活性化は熱による。
また、化学反応によって活性化される配合物も想定される。そのような反応は、配合物と1以上の構築材料の間、及び/又は2以上の塗布された配合物の間で生じ得る。例えば、本発明のいくつかの実施形態では1以上の構築材料が布地の上に吐出され、それが液相である間に布地の細孔内へ少なくとも部分的に浸透させられる。その後、構築材料と反応する配合物が塗布される。構築材料と塗布された配合物の間の化学反応により、構築材料の少なくとも1つの特性(例えば機械的特性及び/又は光学的特性)が変更される。いくつかの実施形態では、配合物は吐出された構築材料の重合を誘発する。
2以上の配合物が相互に反応する実施形態では、布地上でそれらの反応が誘発されるように、それらを別々に吐出することが好ましい。そのような反応の生成物に応じて、その配合物は、構築材料の吐出の前、構築材料の吐出の後、又は構築材料の吐出と同時若しくは吐出に対して断続的に、吐出することができる。
例えば、反応生成物が構築材料を付着可能とする接着剤を形成する場合、及び/又は
反応生成物が細孔の寸法を変更する場合(例えば布地の繊維を局所的に収縮させ、それによって繊維間の細孔寸法を大きくする反応生成物)、及び/又は構築材料を接触させないようにすることが望まれる布地領域にマスクを形成する反応生成物の場合には配合物は構築材料の吐出前に吐出可能である。反応生成物が構築材料の外観を変更する(例えば光沢を増減させ、色を修正する)場合、又は構築材料を(通常透明の)カバー、例えば保護カバーで覆う場合には、配合物は構築材料の吐出後に堆積可能である。例えば構築材料の強化のため、最終物体の柔軟性の向上のため、などで反応生成物を構築材料に対して垂直方向又は横方向に織り交ぜることが望ましい場合、配合物は構築材料の吐出と同時若しくは吐出に対して断続的に堆積することができる。
反応生成物が細孔の寸法を変更する場合(例えば布地の繊維を局所的に収縮させ、それによって繊維間の細孔寸法を大きくする反応生成物)、及び/又は構築材料を接触させないようにすることが望まれる布地領域にマスクを形成する反応生成物の場合には配合物は構築材料の吐出前に吐出可能である。反応生成物が構築材料の外観を変更する(例えば光沢を増減させ、色を修正する)場合、又は構築材料を(通常透明の)カバー、例えば保護カバーで覆う場合には、配合物は構築材料の吐出後に堆積可能である。例えば構築材料の強化のため、最終物体の柔軟性の向上のため、などで反応生成物を構築材料に対して垂直方向又は横方向に織り交ぜることが望ましい場合、配合物は構築材料の吐出と同時若しくは吐出に対して断続的に堆積することができる。
添加物は2以上の方法で塗布することができる。通常、添加物吐出システム340が使用される(図1A、図1B)。添加物吐出システム340は典型的には、添加物の入った容器342(図1Aにのみ示す)と流体連通している。添加物吐出システム340はコントローラ20によって制御可能である。本発明のいくつかの実施形態において、1以上の添加物は添加物のエアゾール又はミストを布地に注ぐことによって塗布される。これらの実施形態では、システム340は添加物のエアゾール又はミストを生成し、それを布地へ注ぐエアゾールディスペンサ又はスプリンクラの形態をしている。本発明のいくつかの実施形態において、1以上の添加物は布地上の離散したアドレス可能な位置に添加物の液滴を堆積して塗布される。これらの実施形態では、1以上の印刷ヘッド16がシステム340として動作して個々の添加物を吐出するように構成可能であり、また供給システム330の1以上の容器又はカートリッジが容器342として作用することができる。2つ以上の添加物(例えば通常は非反応性であるが堆積後にはその場で相互に反応する複数の配合物)がある場合、布地上の離散したアドレス可能な位置への堆積は、好ましくは横方向に交錯させて、異なる添加物の隣接する液滴の間に界面を形成するようにして行うことができる。
添加物吐出システム340は図1Aに示すようにヘッド16と同じ印刷ブロックに取り付けることが可能であり、したがって、ヘッド16と共に水平方向に移動可能である。あるいは、システム340はヘッド16とは別に取り付けることができ(例えば図1B参照)、この場合はヘッド16とシステム340は独立して移動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、構築トレイ12/360又はその一部は静止添加物吐出システム340(例えばスプリンクラの列)及び/又はヘッド16が取り付けられた静止印刷ブロック128の下を移動する。いくつかの他の実施形態では、トレイ360はZ方向に移動するように構成され、ヘッド16はトレイ360表面を第1の方向(例えばX軸)に水平走査をするように構成された印刷ブロック128に取り付けられ、添加物吐出システム340はトレイ360表面を第2の方向(例えばY軸)に水平走査をするように構成される。いくつかの実施形態では、印刷ブロック128と添加物吐出システム340はいずれもトレイ360表面を同一方向(例えばX軸)に水平走査をするように構成される。
本開示は非液体の添加物の使用も想定する。例えば、適用される添加物は固相であってよい。これらの実施形態において、布地を添加物を担持する基材に接触させ、基材に圧力、放射線及び/又は熱を加えることによって、添加物を基材から布地へ転写することができる。この基材は、必ずしもそうではないが通常は、添加物を含むフィルムか添加物で被覆されたフィルムの形態をしている。例えば、添加物が、これに限らないがワックスなどの油性物質のような硬化性物質を含む場合、その硬化性物質を含むシートを布地に配置して、シートの加熱と布地への押付けの少なくともいずれかで硬化性物質を布地へ転写することができる。
固相の添加物は布地の構築材料が吐出される側、及び/又は布地の構築材料が吐出されるのとは反対側に塗布することができる。布地への固相添加物の塗布は、通常、吐出の前に実行されるが、物体が布地上に形成された後に固相添加物が塗布される実施形態も想定される。
添加物を担持する基材と布地の間の接触は、基材を布地に(例えば印刷チャンバ412の外で)配置するか、または布地を基材に、例えば基材をシステムのトレイ12若しくはトレイ360、又は治具402に配置して、布地をその基材の上に配置するか、のいずれかで可能である。基材がトレイ又は治具の上に配置される場合、基材からの固相添加物の布地への転写を誘発するために、トレイ又は治具は、任意選択によりかつ好ましくは、布地が基材上に配置された後に加熱される。
ここで布地のロールを展開してその展開した布地への印刷に適するシステム520の概略図である図9を参照する。システム520は、構築材料を吐出するためのノズルアレイを内部に有する印刷チャンバ412と、作業トレイを備える。例えばチャンバ412は、上で詳細を述べたようにシステ10ム及び/又はシステム110の構成要素を含むことができる。システム520は、これに限らないが上で詳細を述べたようなコントローラ20のようなコンピュータ化されたコントローラもまた備えることができる。システム520は、布地ロール526を展開して、展開後に布地420を印刷チャンバに412へ供給する布地巻出し装置524をさらに備える。
布地巻出し装置524は当技術分野で既知の任意の種類であってよい。本発明のいくつかの実施形態では、巻出し装置524は制御可能に布地ロール526を前進させ、かつ布地に実質的に一定の張力状態を維持する。好ましくは、布地ロール526の前進に対する巻出し装置524の制御は、布地ロール526の直径の変化に応答し、かつ布地の張力にも応答する。好ましくは、巻出し装置524はコントローラ20(図9には示さず)によって制御される。通常、巻出し装置524は布地をチャンバ412方向へ移動させるためにテンションローラ528を動かす。テンションローラ528は通常、布地に張力をかけるために付勢される。フィーダ530がテンションローラ528から布地を受けとって、好ましくは水平方向にチャンバ412の中へ布地を送る。治具402が使用される実施形態では、フィーダ530は、任意選択によりかつ好ましくは、ロボット機構410(図9には示さず、図4A~図5B参照)と連携して動作する。ここで、フィーダ530は布地420を治具402に配置し、ロボット機構410が前述したように治具をチャンバ412内へ導入する。
本発明のいくつかの実施形態では、システム520は展開された布地420を部分に切断する切断装置522を備える。例えば切断装置522は部分を治具402の大きさに切断することができる。好ましくは、切断装置522は巻出し装置524のフィーダ530の出口にある。いくつかの実施形態では、システム520は本明細書に記載のように布地に三次元物体を製作した後、布地420を巻き取る布地巻取り装置532を備える。これらの実施形態は、三次元物体112がその上に印刷された連続した布地ロール534の提供が望まれる場合には有用である。これは、布地を切断せずに連続的に印刷チャンバ412内に供給することにより達成される。布地巻取り装置532は、展開された布地420をチャンバ412から受け取り、それをロール534に供給して巻き取るように構成されている点を除けば、原理及び動作は布地巻出し装置524と同じであってよい。したがって、布地巻取り装置532は、チャンバ412から展開布地420を受け取る布地受けローラ536と、布地に張力を加え、かつロール534へ供給する巻取りテンションローラ538とを備えることができる。
ここで図10を参照する。これは本発明の様々な実施形態による、布地への三次元物体の印刷に適した方法のフロー図である。
別段の定義がない限り、以下で説明する操作は、実行の多くの組合せ又は順序において同時又は逐次のいずれかで実行可能であることを理解されたい。特に、フロー図の順序は限定的とみなされるべきではない。例えば、以下の説明又はフロー図で特定の順序で現れる2以上の操作は、異なる順序(例えば逆の順序)で、あるいは実質的に同時に実行されてもよい。さらに、以下で説明するいくつかの操作は、任意選択であって実行されない場合もある。
本実施形態の方法は、システム10又はシステム110のコンピュータ化されたコントローラ(例えばコントローラ20)によって実行可能である。
本方法は、600で開始され、任意選択によりかつ好ましくは、602まで続き、そこで、コンピュータ物体データが例えば外部ソースから取得される。コンピュータ物体データは、物体の表面を定義する複数の図形要素(例えば多角形のメッシュ、非一様有理基底スプラインなど)を含み得る。本発明のいくつかの実施形態では、例えば、それぞれが3D物体の層を記述する複数のボクセルから成る複数のスライスを形成するスライス手順603を用いて、図形要素は物体の形状を定義するボクセルのグリッドに変換される。あるいは、本方法が、スライスされたコンピュータ物体データを外部ソース、例えばコンピュータ可読媒体から受信することも可能である。この場合には操作603の実行は不要である。
ボクセルのグリッドと複数の図形要素は同じ物体を表すので、本明細書ではボクセルのグリッドと複数の図形要素の両方に関して、用語「コンピュータ物体データ」を使用する。したがって、コンピュータ物体データがボクセルのグリッドに関係する場合は、コンピュータ物体データの各要素がボクセルであり、コンピュータ物体データが図形要素に関係する場合は、コンピュータ物体データの各要素は、例えば多角形、スプラインなどの図形要素である。
本発明のいくつかの実施形態において、コンピュータ物体データの少なくとも一部が個別の人間又は動物の身体の走査(例えば身体の三次元画像)から取得される。これらの実施形態では、この方法が個別の身体、あるいはその外部身体部分の走査を受信する601。この走査に基づいて、本方法が物体の少なくとも1つの特性を選択することができる。例えば、システムが切断装置522を備える場合には、切断された布地部分の寸法を走査に基づいて選択することができる。別の例は、走査に基づいた、製作される物体の布地に対する位置の選択である。例えば、個人の身体に対する特定の位置に物体を有する衣服を製作しようとする場合、601で取得された走査データを使用して身体の座標を布地の座標に変換することができ、その結果その衣服をその人が着用すると物体が所望の位置に整列される。
本方法は604に続き、そこで布地がAMシステム内に配置される。これは複数の方法で実行可能である。いくつかの実施形態では、治具がシステムに導入される前か後のいずれかで、布地が治具に配置される(図4C、4D、5A、5B参照)。いくつかの実施形態では、布地が直接トレイに配置され、治具が布地をトレイに貼り付ける(図4A、4B、4E、4F参照)。いくつかの実施形態では、ランプ構造がトレイに配置又は取り付けられる前又は後に布地がランプ構造に貼り付けられ(図15A~図15C参照)、トレイの垂直位置がそれに応じて調整される。
605において1以上の添加物が布地に塗布され、606において、詳細を前述したように1以上の構築材料が吐出される。操作605と606は反復可能であり、また任意の実行順序で実行可能である。また、詳細を前述したように布地の両面に物体を形成するために、及び/又は詳細を前述したように犠牲台座構造を形成するために、布地をシステム内に導入する前に1以上の構築材料を受け面上に吐出可能である(図6A~図6E及び図7参照)。
607において、吐出された構築材料が固化放射を施すことによって固化(例えば硬化)される。
608でこの方法は終了する。
方法600は多くの種類の物体の布地上への製作に使用することができる。本発明のいくつかの実施形態では、この方法は、レンズ又はプリズム物体、可視光を反射する物体、可視光に対して透明であるが非可視光を反射する物体、蛍光物体、及び導波路から成る群より選択される物体の製作に実行される。いくつかの実施形態では、製作された物体は、これに限らないが例えば温度変化、湿度変化、環境内の電磁的な変化等の環境変化に応答して光学的、機械的、及び/又は幾何学的な特性を変化させることが可能である。例えば、この物体は光の状態又は温度の変化に応答してその色を変化させる光感応性材料で作られていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、本方法は、これに限らないが例えば医薬品及び/又は化粧品などの薬剤から成る物体の製作に実行される。例えば、薬剤を物体の表面に(例えば薬剤を添加物として構築材料に塗布することによって)吸着させることができるし、あるいは物体が薬剤を含有するカプセルの形状であってもよい。物体内に組み入れることが可能な医薬品の代表例としては、これに限らないが、抗菌剤及び抗ウィルス剤がある。
本発明のいくつかの実施形態では本方法が、熱を放出可能な加熱要素、又は熱を吸収可能な冷却要素を備える物体の製作を実行する。いくつかの実施形態では本方法が回路を備える物体の製作を実行し、またいくつかの実施形態では本方法が、これに限るものではないが電気回路、磁気素子、発光素子、チップ、又は医薬品若しくは化粧品を内包するカプセルなどの異物を受容する空洞を備える物体の製作を実行する。
本発明のいくつかの実施形態では、本方法がスナップコネクタの雌型部品又は雄型部品の製作を実行する。これらの実施形態は、これに限らないが縫い目のない衣類などの衣類製作に特に有用である。代表的な例では、図11A~図11Cに示すように構築材料が吐出されて第1布地要素610に雌型スナップコネクタ612(図11A)を形成し、第2布地要素614に雄型スナップコネクタ616(図11B)を形成する。その後、雌型スナップコネクタ612が雄型スナップコネクタ616に接続され(図11C)、それによって2つの布地要素610と614を接続する。布地要素610と614は、例えばポケットとズボン、襟とシャツ、などの同じ衣服の部分であってもよい。
別の代表的例では、図12A~12Bに示すように、構築材料を布地要素610に吐出して、雌型スナップコネクタ612と、雌型スナップコネクタ612から横にずらして雄型スナップコネクタ616とを形成する(図12A)。その後、布地要素610を折り曲げてコネクタ612と614を整列させ、雌型スナップコネクタ612を雄型スナップコネクタ616に接続する(図12B)。そうして折り畳みを固定する。これらの実施形態では、布地要素610は、例えば袖、靴下、シームレスシャツ等の衣服の一部であってよい。
コントローラが身体の走査を受信する実施形態では、走査データを使用して、布地要素における雌型及び雄型のスナップコネクタの位置及び/又は数を決定できる。例えば、一般的に、小さい体に比べて身体が大きいほどより多くのスナップコネクタが印刷される。
本発明のいくつかの実施形態では、本方法が布地同士を接続する縫合要素の印刷に実行される。例えば、第1の布地要素と第2の布地要素とを治具上に、任意選択によってはフレーム内に隣同士に整列させ、構築材料をその整列した布地の近接する縁同士の上及び間に吐出して布を縫合する。縫合要素を布地に形成して、折り畳みラインを作ってもよい。
方法600を実行するための三次元印刷プロトコルは、システムのオペレータが選択してもよいし、あるいは自動選択されてもよい。例えばシステムのユーザインタフェース116によって1以上の印刷プロトコルがオペレータに提示され、オペレータが表示されたプロトコルの実行、オペレータの要求に応じた変更、また違うプロトコルの使用、に関して決定することもできる。
図13は、システムが印刷プロトコルを決定する本発明の実施形態における、布地への三次元物体の印刷に適した方法のフロー図である。
本方法は620で始まり、任意選択によりかつ好ましくは602に続いて、詳細を前述したように任意で603に続く。本方法は、任意選択によりかつ好ましくは、コンピュータ物体データから印刷対象の物体の1以上の幾何学的特性、典型的には厚さ、そして任意選択によりかつ好ましくは、形状もまた抽出する。あるいは、本方法はこの特性をシステムのユーザインタフェースを介して受信することができる。またこれらの選択肢の組み合わせも想定される。例えば、幾何学的特性はコンピュータ物体データから抽出することができ、これに限らないが剛性、色などの非幾何学的特性はユーザインタフェースによって取得することができる。
本方法は621に続き、そこで本方法はシステムのユーザインタフェースを介して布地の特性に係わるデータを受信する。そのようなデータには、布地の種類、布地の細孔の平均寸法、布地の織り模様などが1以上含まれ得る。
本方法は622に続き、そこではライブラリを格納するコンピュータ可読媒体がアクセスされる。ライブラリには通常、複数のエントリが含まれ、それぞれが1以上の布地特性のライブラリ、1以上の物体特性のライブラリ、及び印刷パラメータの組を含んでいる。本実施形態に適するライブラリ630の代表的例を図14に示す。そこには印刷パラメータのk個の組があって、印刷パラメータのi番目(i=1,2,...,k)の組が布地特性のni値、及び物体特性のmi値に対応する。印刷パラメータのk個の組のそれぞれが印刷プロトコルを定義し、そこには、任意選択によりかつ好ましくは、布地の1つ又は複数の特性が与えられると特定の物体に最適な印刷操作の順序が含まれる。印刷パラメータの組は、任意選択によりかつ好ましくは、(i)下塗り液の塗布順序、(ii)構築材料、(iii)構築材料の吐出順序、及び(iv)仕上げ液の塗布順序、のうちの少なくとも1つを含む。本発明のいくつかの実施形態では、印刷パラメータの組には、本方法が物体の寸法をスケール因子だけ拡大、縮小できるようにする、寸法のスケール因子もまた含まれる。
以下に印刷パラメータの組のいくつかの例を示すが、これは限定的な例とみなすべきではない。
布地細孔の平均寸法が貫通要素506を細孔の全深さに沿って収容できるほどの大きさであることを布地特性が示す場合には、印刷パラメータの組には、これに限らないが図6A~図6E、図7に関して前述した操作の順序のような、両面印刷を可能とする操作の順序が含まれる。
布地の特性が布地に十分に長い突出した毛羽繊維424が十分な量含まれていることを示し、また物体の特性が物体は十分に薄くて十分に低重量あることを示す場合には、印刷バラメータの組には、これに限らないが図8A又は図8Bで前述した操作の順序のような、片面印刷を可能とする操作順序が含まれる。
布地の特性が物体を布地へ付着させる接着剤の塗布に適することを示す場合には、印刷パラメータの組には、印刷材料の吐出の前に布地への接着剤の塗布を含むことが可能である。
布地の特性が布地の特定の織り模様を示す場合には、印刷パラメータの組には、その特定の織り模様に基づく布地の位置合わせを含む操作順序が含まれ得る。
物体の特性が、仕上げ液(例えば、物体の外表面の光沢を増すか、つや消しにする仕上げ液、又は物体の外表面を保護する仕上げ液)が必要とされることを示す場合には、印刷パラメータの組には、物体の形成後に構築材料への仕上げ液の塗布が含まれ得る。
物体の特性が、物体には複数の分離部分があって、その隣接する分離部分間に十分に小さい間隙があることを示す場合、印刷パラメータの組には、構築材料の吐出の前に布地の間隙の位置にマスキング液を選択的に塗布することが含まれ得る。布地の特性が硬化用の照射で損傷を受ける可能性があることを示す場合には同じパラメータの組が使用可能であり、この場合には、印刷パラメータの組には、構築材料の吐出前に、その物体で占有されるべきでない場所の布地にマスキング液を選択的に塗布することが含まれ得る。
物体の特性が高剛性を示す場合には、印刷パラメータの組には、固化後により剛性が高く、任意選択で物体の物理的寸法も拡大する構築材料の使用が含まれ得る。物体の特性が低剛性を示す場合には、印刷パラメータの組には、固化後により剛性が低く、任意選択で物体の物理的寸法も縮小する構築材料の使用が含まれ得る。これらの実施形態は通常閾値処理によって実現される。具体的には、ライブラリ630は好ましくは、それぞれが1又は2の剛性閾値で定義された異なる数値剛性範囲に対するエントリを含む。そして、そのようなエントリのそれぞれに対して、本方法がユーザインタフェースから得られる物体の所望剛性を各エントリの剛性閾値と比較して、少なくとも部分的にはこの比較に基づいて印刷パラメータの組を選択する。
本方法は623に続き、そこで物体と布地の特性に最も合致するエントリに対するライブラリ630が検索される。簡単のためにライブラリ630には、布地の細孔寸法を記述する複数の値と、製作される物体の厚さを記述する複数の値とがあるとすると、細孔寸法の値と物体の厚さの値のそれぞれのペアに対して一組の印刷パラメータがある。この場合、本方法は物体の厚さに一致又はほぼ一致する厚さの値と、布地の細孔寸法に一致又はほぼ一致する細孔寸法値とを有するエントリを見つける。例えば、本方法はライブラリ全体を検索して、布地の細孔寸法に一致又はほぼ一致する細孔寸法値を有するすべてのエントリを見つける。次いで、これらのエントリの中から、物体の厚さに一致又はほぼ一致する厚さの値を有するエントリを検索する。本方法はこうして検出されたエントリからパラメータの組を選択することができる。
この方法は624に進み、そこではこれに限るものではないがシステム10又はシステム110などの三次元印刷システムが操作されて、検出したエントリの印刷パラメータの組に従って物体が布地上に形成される。
625でこの方法は終了する。
本発明のいくつかの実施形態による好適な三次元印刷プロトコルの例を以下の実施例のセクションで記述する。
本明細書で使用されるように、「約」という用語は±10%を指す。
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、実例、例示に供する」という意味で使用される。「例示的」として記述される任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好適又は有利であると解釈されるべきではなく、及び/又は他の実施形態の特徴を組み込むことを排除するものではない。
「任意選択により」という用語は、本明細書においては、「ある実施形態では提供され、他の実施形態では提供されない」ことを意味するように使用される。本発明の任意の特定の実施形態は、そのような特徴が相反しない限り、複数の「任意選択の」特徴を含み得る。
用語「備える」、「備えた」、「含む」、「含んだ」、「有する」、およびそれらの活用形は、「含むがそれに限らない」ことを意味する。
「から成る」という用語は、「を含み、かつ限定される」ということを意味する。
「本質的に~から成る」という用語は、組成、方法又は構造が追加的な成分、ステップ及び/又は部品を含み得るが、その追加的な成分、ステップ及び/又は部品が特許請求の組成、方法又は構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
本明細書で使用の、単数形の「1つの(a、an)」、「その(the)」は文脈が明確にそうでないことを規定しない限り、複数の言及も含む。例えば、「1つの化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、複数の化合物を、それらの混合物も含めて包含し得る。
本出願を通じて、本発明の様々な実施形態が範囲形式で提示され得る。範囲形式の記述は、単に便宜的かつ簡潔化のためのものであって、本発明の範囲の一定不動の限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。従って、範囲の記述は、その範囲内の個別の数値と共にすべての可能な部分範囲を具体的に開示しているものと見なされるべきである。例えば、1~6というような範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの具体的に開示された部分範囲、並びにその範囲内の個別の数値、例えば1、2、3、4、5、6を有すると見なされるべきである。このことは、範囲の広さに拘わらず適用される。
本明細書で数値範囲が示されるときはいつでも、示された範囲内の任意の引用された数値(分数または整数)を含むことが意味される。第1の指定数と第2の指定数「の間の範囲の/範囲にある」という句、および、第1の指定数「から」第2の指定数「まで」の「範囲の/範囲にある」という句は、本明細書では互換的に使用されて、第1の指定数と第2の指定数、並びにその間のすべての分数および整数を含むことを意味する。
本発明の特定の特徴は、わかりやすくするために別々の実施形態の文脈に記述されていても、組み合わせて1つの実施形態で提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈中に記述される本発明の様々な特徴は、別々に、又は任意の適切な部分的組合せで提供されることも、又は本発明の任意の他の説明される実施形態に適切であるように提供されることも可能である。様々な実施形態の文脈において記述される特定の特徴は、それらの要素なしではその実施形態が機能不能とならない限りは、それらの実施形態の必須の特徴と見なされるべきではない。
これまでに説明し、また下記の特許請求の範囲において特許請求される、本発明の様々な実施形態及び態様の実験的裏付けを以下の実施例で述べる。
実施例
実施例
次に以下の実施例を参照する。これは上記の記述と相俟って本発明のいくつかの実施形態を非限定的な形で例示するものである。
実施例1
台座なしの印刷
台座なしの印刷
布地がトレイ上に配置され、安定した位置決めが確保される。例えば布地は治具上に配置可能であり、治具はトレイ上に配置可能である。任意選択により位置決めマーク(例えばマーク414)を使用して布地をトレイに位置合わせする。任意選択により、1以上の印刷液が布地に塗布される。次に印刷ブロックのz高さを調節してゼロ高さを布地の高さにすることができる。この操作は、台座の高さを自動的にz高さに加えるシステムにおいては特に有用である。台座なしで印刷する場合には、そのような自動設定は好ましくは再調節される。本明細書で詳細を前述したように、次にノズルアレイが起動されて貫通要素又は接着要素が布地に印刷される。次に物体が貫通要素または接着要素上に印刷される。
実施例2
両面印刷による固着
両面印刷による固着
台座構造がシステムの受け面又はトレイ上に印刷される。その後、固定要素(例えば5mm以下の厚さ)が台座構造上に印刷される。次に任意選択によりかつ好ましくは、印刷が一旦停止され、布地がトレイに、好ましくは、ただし必ずしもそうである必要はないが、治具を使用して配置され、安定的な位置決めが確保される。任意選択により位置決めマーク(例えばマーク414)を使用してトレイ上の布地の位置合わせを行う。任意選択により、1以上の下塗り溶液が布地に塗布される。固定要素が配置された後、次に印刷ブロックのz高さを調節してゼロ高さを布地の高さにすることができる。ノズルアレイが次に起動されて、詳細を前述したように、布地に貫通要素を印刷して布地の下の固定要素に接続する。物体が次に印刷されて、物体の最下層が貫通要素に接続される。
実施例3
上下反転した両面印刷による固着
上下反転した両面印刷による固着
布地が治具上に配置される。任意選択により、1以上の印刷液が布地に塗布される。ノズルアレイが次に起動されて、システムの受け面又はトレイ上に台座構造を印刷する。その後、物体が台座構造上に印刷される。印刷は、任意選択によりかつ好ましくは、治具を印刷された物体上に配置するために一旦停止される。支持材料は、任意選択によりかつ好ましくは、印刷された物体から除去される。印刷された物体に配置された後、次に印刷ブロックのz高さを調節してゼロ高さを布地の高さにすることができる。次にノズルアレイが再度起動されて、貫通要素を布地に印刷して布地の下の物体と接続する。そうして固定要素を印刷して貫通要素に接続する。
実施例4
布地の反対側に物体を印刷
布地の反対側に物体を印刷
布地が治具に配置される。任意選択により、1以上の下塗り溶液が布地に塗布される。ノズルアレイが次に起動されて、システムの受け面又はトレイ上に台座構造を印刷する。その後、第1の物体を台座構造に印刷する。印刷は、任意選択によりかつ好ましくは、治具を第1の物体上に配置するために一旦停止される。支持材料は、任意選択によりかつ好ましくは、第1の物体から除去される。第1の物体上に配置された後、次に印刷ブロックのz高さを調節してゼロ高さを布地の高さにすることができる。ノズルアレイが次に再度起動されて、布地に貫通要素を印刷して布地の下の第1の物体に接続する。第2の物体が次に印刷されて貫通要素に接続される。
本発明をその特定の実施形態とともに説明したが、多くの代替、修正、及び変形が当業者に明らかなことは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にあるそのような代替、修正および変形のすべてを包含することが意図されている。
本明細書で言及したすべての刊行物、特許及び特許出願は、各個別の刊行物、特許及び特許出願が具体的かつ個別的に参照により本明細書に組み込まれるように表示された場合と同じ程度に、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本出願内のいかなる参照の引用又は特定も、そのような参照が本発明に対する先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈されるべきではない。セクション見出しに使用される限りでは、それらは必ずしも制限的であると解釈されるべきではない。
さらに、本出願の任意の優先権文書は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
Claims (99)
- 三次元印刷システムであって、
構築材料を吐出するノズルアレイと、
作業トレイと、
布地を前記作業トレイに貼り付けるように構成された治具と、
前記貼り付けられた布地上に少なくとも前記ノズルアレイを操作して、物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、
を備える、三次元印刷システム。 - 前記治具に接続され、前記治具を前記トレイ上に配置するように構成されたロボット機構をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記ロボット機構は水平面に対する前記治具の向きを反転させるように構成された、請求項2に記載のシステム。
- 前記コンピュータ化されたコントローラは、少なくとも前記ノズルアレイを操作して前記構築材料を前記トレイ上へ吐出させ、前記構築材料の前記トレイ上への前記吐出の後に、かつ前記貼り付けられた布地上への前記構築材料の前記吐出の前に、前記ロボット機構を操作して前記治具を前記トレイに配置させるように構成された、請求項2に記載のシステム。
- 前記作業トレイに対する前記治具の位置を決定するように構成された位置追跡システムを備え、前記コンピュータ化されたコントローラは前記位置に基づいて位置合わせ手順を実行して、前記位置合わせに応答して前記ノズルアレイを操作するように構成された、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記治具はマークを備え、前記マークは前記位置を決定するために前記位置追跡システムによって識別可能である、請求項5に記載のシステム。
- 前記作業トレイを囲む静止プラットフォームを備え、前記治具は前記布地を前記作業トレイの周縁で前記プラットフォームに貼り付けるように構成されたフレームを備える、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記プラットフォームと前記フレームの少なくとも1つは、突起要素又は粗面を備える、請求項7に記載のシステム。
- 前記プラットフォームと前記フレームはいずれも互いに相補的な突起要素又は粗面を備える、請求項7に記載のシステム。
- 放射線源を備え、かつ前記作業トレイは前記放射線源から放出される放射線に対し少なくとも50%の反射率を有する、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記作業トレイは流体流路を備え、前記システムは前記流体流路内に流体流を生成する流体送達システムを備える、請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の装置。
- 三次元印刷システムであって、
構築材料を吐出するノズルアレイと、
前記吐出構築材料を固化させる放射線を放出する放射線源と、
前記放射線に対する少なくとも50%の反射率を特徴とする作業トレイと、
少なくとも前記ノズルアレイを操作して、物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を布地上に吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、
を備える、三次元印刷システム。 - 三次元印刷システムであって、
構築材料を吐出するノズルアレイと、
流体流路を有する作業トレイと、
前記流体流路内に流体流を生成する流体送達システムと、
少なくとも前記ノズルアレイを操作して、物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を布地上に吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、
を備える、三次元印刷システム。 - 三次元印刷のための構築材料以外の添加物を含む容器と流体連通し、前記添加物を前記布地上に吐出する、添加物吐出システムを備える、請求項1~請求項13のいずれか一項に記載のシステム。
- 三次元印刷システムであって、
構築材料を吐出するノズルアレイと、
作業トレイと、
少なくとも前記ノズルアレイを操作して、物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を布地上に吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、
三次元印刷のための構築材料以外の添加物を含む容器と流体連通し、前記添加物を前記布地上に吐出する、添加物吐出システムと、
を備える、三次元印刷システム - 前記コンピュータ化されたコントローラは前記添加物吐出システムを操作するように構成された、請求項14~請求項15のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記アレイ及び前記添加物吐出システムは同一の印刷ブロックに取り付けられている、請求項14~請求項15のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記アレイ及び前記添加物吐出システムは水平方向に沿って独立して移動するように構成された、請求項14~請求項15のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記アレイ及び前記添加物吐出システムは垂直方向に沿って独立して移動するように構成された、請求項14~請求項18のいずれか一項に記載のシステム。
- 布地への三次元印刷システムであって、
構築材料吐出のためのノズルアレイと、作業トレイとをその内部に有する印刷チャンバと、
少なくとも前記ノズルアレイを操作して、物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を布地上に吐出するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、
布地のロールを展開して、展開した布地を前記印刷チャンバに供給する、布地巻出し装置と、
を備える、システム。 - 前記展開した布地を部分に切断する切断装置を備える、請求項15に記載のシステム。
- 前記吐出の後に前記布地を巻き取るための布地巻取り装置を備える、請求項16に記載のシステム。
- 布地巻取り装置は前記印刷チャンバを介して前記布地巻出し装置から前記布地を受け取り、それによって三次元物体を印刷した連続布地ロールを提供する、請求項17に記載のシステム。
- 構築材料を吐出するノズルアレイと、
作業トレイと、
前記作業トレイに配置された布地を撮像するように配置された撮像システムと、
前記撮像システムからの画像データを受信し、前記画像データを処理して前記布地上のパターンを識別し、少なくとも前記ノズルアレイを操作して、布地上の前記識別された特徴に対して選択された位置に物体の形状に対応した構成パターンで構築物質を吐出するコンピュータ化されたコントローラと、
を備える、三次元印刷システム。 - 前記撮像システムはピクセル化した画像センサを備える、請求項24に記載のシステム。
- 前記撮像システムはスキャナを備える、請求項24に記載のシステム。
- 前記作業トレイは前記吐出された構築材料を下から固化するために放射線を上方へ放出するように構成された放射線源と動作的に連携する、請求項1~請求項26のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記作業トレイの上面の端は、隅肉と面取りの少なくともいずれかとなっている、請求項1~請求項27のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記作業トレイ上に取り付けるか配置可能であって前記作業トレイの上の空間を画定するためのランプ(昇降)構造を備え、前記ランプ構造の上面は前記布地の水平部を支持するように構成され、前記空間は前記布地の吊下部を受けるように構成され、前記コンピュータ化されたコントローラは前記ノズルアレイを制御して前記構築材料を前記上面にのみ吐出するようになっている、請求項1~請求項27のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記コンピュータ化されたコントローラは、前記作業トレイの上の前記ランプ構造の高さを補正するために前記作業トレイの垂直位置を調節するように構成された、請求項29に記載のシステム。
- 三次元印刷方法であって、
硬化性材料を布地に塗布し、
ノズルアレイを操作して物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を前記布地上に吐出する、
方法。 - 前記硬化性物質の塗布は、前記構築材料が吐出される前記布地の同じ側に前記硬化性物質を塗布することを含む、請求項31に記載の方法。
- 前記硬化性物質の塗布は、前記構築材料が吐出される前記布地の反対側に前記硬化性物質を塗布することを含む、請求項31に記載の方法。
- 前記硬化性物質の塗布は、前記硬化性物質を含むシートを前記布地に配置して前記シートを加熱することを含む、請求項31~請求項33のいずれか一項に記載の方法。
- 前記硬化性物質の塗布は、前記硬化性物質を含むシートを前記布地の下に配置して前記シートを加熱することを含む、請求項31~請求項33のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ノズルアレイの操作は、前記ノズルアレイと作業トレイとを備える三次元印刷システムを操作することを含み、前記硬化性物質の塗布は、前記硬化性物質を含むシートを前記トレイ上に配置し、前記シートの上に前記布地を配置し、前記トレイを加熱することを含む、請求項35に記載の方法。
- 前記作業トレイの上面の端は、隅肉と面取りの少なくともいずれかとなっている、請求項36に記載の方法。
- 前記布地をランプ構造の上で折り畳み、前記ランプ構造を前記作業トレイ上に取り付けるか配置して、前記布地の水平部分が前記ランプ構造の上面で支持され、前記布地の吊下部分が前記上面の下でかつ前記作業トレイの上方の空間内に畳み込まれることを含み、前記吐出は前記上面にのみなされる、請求項36に記載の方法。
- 前記作業トレイの垂直位置を調節して前記ランプ構造の前記上面の前記作業トレイの上方への高さを補正することを含む、請求項38に記載の方法。
- 前記硬化性物質は油性物質である、請求項31~請求項39のいずれか一項に記載の方法。
- 前記硬化性物質はワックスを含む、請求項31~請求項39のいずれか一項に記載の方法。
- 第1のノズルアレイを操作して第1構築材料を布地の上に吐出し、布地上に接着領域を形成し、
第2のノズルアレイを操作して前記接着領域上に物体形状に対応した構成パターンで第2構築材料を吐出する、
ことを含む、三次元印刷方法。 - 前記布地は作業トレイ上にあり、前記方法は、前記作業トレイに対する前記布地の位置に関する位置合わせデータを取得し、前記位置合わせデータに基づいて前記構築材料の吐出位置を位置合わせすることを含む、請求項42に記載の方法。
- 前記作業トレイの上面の端は、隅肉と面取りの少なくともいずれかとなっている、請求項43に記載の方法。
- 前記布地をランプ構造の上で折り畳み、前記ランプ構造を前記作業トレイ上に取り付けるか配置して、前記布地の水平部分が前記ランプ構造の上面で支持され、前記布地の吊下部分が前記上面の下でかつ前記作業トレイの上方の空間内に畳み込まれることを含み、前記吐出は前記上面上のみになされる、請求項43に記載の方法。
- 前記作業トレイの垂直位置を調節して前記ランプ構造の前記上面の高さが前記作業トレイの上になるように補正することを含む、請求項45に記載の方法。
- 前記第2の構築材料は一般に無色透明の構築材料を含む、請求項42~請求項46のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの構築材料を受け面上に吐出してそこに固定要素を形成し、
前記固定要素上に布地を配置し、
少なくとも1つの構築材料を前記布地上に吐出して、前記布地を貫通して前記固定要素に接続される貫通要素を形成し、
少なくとも1つの構築材料を前記貫通要素上に物体形状に対応した構成パターンで吐出する、
ことを含む、三次元印刷方法。 - 少なくとも1つの構築材料を受け面上に物体形状に対応した構成パターンで吐出し、
前記物体上に布地を配置し、
少なくとも1つの構築材料を前記布地上に吐出して、前記布地を貫通して前記物体に接続される貫通要素を形成し、
少なくとも1つの構築材料を前記貫通要素上に吐出して別の物体を形成する、
ことを含む、三次元印刷方法。 - 前記別の物体は固定要素である、請求項49に記載の方法。
- 前記別の物体は装飾物体である、請求項49に記載の方法。
- 前記物体と前記別の物体のうちの少なくとも1つは、熱保護物体である、請求項49に記載の方法。
- 少なくとも1つの構築材料を作業トレイ上に吐出して犠牲構造を形成することをさらに含み、前記受け面は前記犠牲構造である、請求項48~請求項52のいずれか一項に記載の方法。
- 前記作業トレイの上面の端は、隅肉と面取りの少なくともいずれかとなっている、請求項53に記載の方法。
- 前記布地をランプ構造の上で折り畳み、前記ランプ構造を前記作業トレイ上に取り付けるか配置して、前記布地の水平部分が前記ランプ構造の上面で支持され、前記布地の吊下部分が前記上面の下でかつ前記作業トレイの上方の空間内に畳み込まれることを含み、前記吐出は前記上面にのみなされる、請求項36に記載の方法。
- 前記作業トレイの垂直位置を調節して、前記ランプ構造の前記上面の前記作業トレイの上方への高さを補正することを含む、請求項55に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの構築材料を吐出して前記貫通要素を形成することは、一般に無色透明の構築材料を吐出することを含む、請求項48~請求項56のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの構築材料を吐出して前記貫通要素を形成し、前記貫通要素が液体状態である間に前記布地を貫通した後に、固化照射によって前記構築材料を照射することをさらに含む、請求項48~請求項57のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの構築材料を吐出して布地の露出部分に犠牲層を形成し、すべての吐出された構築材料を固化照射によって非選択的に照射することをさらに含む、請求項48~請求項58のいずれか一項に記載の方法。
- 前記作業トレイに対する前記布地の位置に関する位置合わせデータを取得し、前記位置合わせデータに基づいて前記構築材料の吐出位置を位置合わせすることを含む、請求項48~請求項59のいずれか一項に記載の方法。
- 前記作業トレイの上面の端は、隅肉と面取りの少なくともいずれかとなっている、請求項60に記載の方法。
- 前記布地をランプ構造の上で折り畳み、前記ランプ構造を前記作業トレイ上に取り付けるか配置して、前記布地の水平部分が前記ランプ構造の上面で支持され、前記布地の吊下部分が前記上面の下でかつ前記作業トレイの上方の空間内に畳み込まれることを含み、前記吐出は前記上面にのみなされる、請求項60に記載の方法。
- 前記作業トレイの垂直位置を調節して前記ランプ構造の前記上面の高さが前記作業トレイの上になるように補正することを含む、請求項62に記載の方法。
- 構築材料を布地の第1要素上に吐出して雌スナップコネクタを形成し、
構築材料を布地の第2要素上に吐出して雄スナップコネクタを形成し、
前記雌スナップコネクタを前記雄スナップコネクタに接続し、それにより衣服を製作する、
ことを含む、衣服の製作方法。 - 構築材料を布地の要素上に吐出して、雌スナップコネクタと、その雌スナップコネクタから横にずれた雄スナップコネクタとを形成し、
前記布地の前記要素を折り畳んで前記コネクタに整列させ、
前記雌スナップコネクタを前記雄スナップコネクタに接続し、それにより衣服を製作する、
ことを含む、衣服の製作方法。 - 三次元印刷の構築材料以外の少なくとも1つの添加物を、前記構築材料の前記吐出の前に、及び/又は前記構築材料の前記吐出のあとに、前記布地に塗布することを含む、請求項31~請求項65のいずれか一項に記載の方法。
- 物体形状に対応した構成パターンで布地上に構築材料吐出するために、ノズルアレイを操作し、
三次元印刷の構築材料以外の少なくとも1つの添加物を、前記構築材料の前記吐出の前に、及び/又は前記構築材料の前記吐出のあとに、前記布地に塗布する、
ことを含む、三次元印刷方法。 - 前記少なくとも1つの添加物は、接着剤溶液及び孔径調整液から成る群より選択される下塗り液を含み、前記下塗り液の塗布は前記吐出の前である、請求項66~請求項67のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの添加物は、放射線保護溶液及び光沢仕上げ液、つや消し仕上げ液から成る群より選択される仕上げ液を含み、前記仕上げ液の塗布は前記吐出の後である、請求項66~請求項68のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの添加物は、マスキング溶液を含み、前記マスキング溶液の塗布は、前記吐出の前であって、前記構築材料で占有されない場所に選択的に実行される、請求項66~請求項69のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの添加物は、その場で活性化可能な非活性配合物であり、前記方法は、前記配合物を前記布地に塗布した後、前記配合物を活性化することを含む、請求項66~請求項70のいずれか一項に記載の方法。
- 前記活性化は照射による、請求項71に記載の方法。
- 前記活性化は加熱による、請求項71に記載の方法。
- 前記活性化は、前記添加物と1以上の前記構築材料との間の化学反応による、請求項71に記載の方法。
- 前記塗布は前記添加物のエアロゾルを前記布地に当てることを含む、請求項66~請求項74のいずれか一項に記載の方法。
- 前記塗布は、前記添加物の液滴を前記布地の離散したアドレス可能位置に堆積させることを含む、請求項66~請求項74のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも2つの添加物があり、前記塗布は、前記複数の添加物の液滴を前記布地の離散したアドレス可能位置に交錯させて堆積させることを含む、請求項66~請求項74のいずれか一項に記載の方法。
- 第1添加物と第2添加物があり、前記第1添加物と前記第2添加物は接触すると相互に化学反応し、前記塗布は前記布地上において双方の間の反応を後から誘発するように添加物を分離して堆積させることを含む、請求項66~請求項74のいずれか一項に記載の方法。
- ユーザインタフェースを介して布地の特性に係わるデータを受信し、
前記布地上に印刷予定の物体の特性に係わるデータを受信し、
それぞれが、布地特性ライブラリ、物体特性ライブラリ、及び印刷パラメータの組を有する、複数のエントリを有するライブラリを格納するコンピュータ可読媒体にアクセスし、
前記受信した特性に最適のエントリを前記ライブラリで検索し、
前記エントリの印刷パラメータの組に従って、三次元印刷システムを操作して、前記物体を前記布地上に形成する、
ことを含む、三次元印刷方法。 - 前記布地の前記特性は、前記布地の種類、前記布地の細孔の大きさ、前記布地の織り模様から成る群より選択される少なくとも1つの特性を含む、請求項79に記載の方法。
- 前記物体の前記特性は、前記物体の厚さ、前記物体の形状、及び前記物体の剛性から成る群より選択される少なくとも1つの特性を含む、請求項79~請求項80のいずれか一項に記載の方法。
- 前記印刷パラメータの組は、(i)下塗り液の塗布順序、(ii)構築材料、(iii)構築材料の吐出順序、及び(iv)仕上げ液の塗布順序、のうちの少なくとも1つを含む、請求項79~請求項81のいずれか一項に記載の方法。
- 個人の身体又はその外部身体部位の走査を受信し、その走査に基づいて前記布地に印刷予定の物体の少なくとも1つの特性を選択することをさらに含む、請求項31~請求項82のいずれか一項に記載の方法。
- 前記物体は、レンズ又はプリズム物体、可視光を反射する物体、可視光に対して透明であるが非可視光を反射する物体、蛍光物体、及び導波路から成る群より選択される、請求項1~請求項82のいずれか一項に記載のシステム又は方法。
- 前記物体は、環境変化に応答して光学的、機械的及び/又は幾何学的特性を変化させることが可能である、請求項1~請求項84のいずれか一項に記載のシステム又は方法。
- 前記環境変化は、温度変化、湿度変化、前記環境の電磁含有量の変化から成る群より選択される、少なくとも1つの変化を含む、請求項85に記載のシステム又は方法。
- 前記物体は薬剤を含む、請求項1~請求項86のいずれか一項に記載のシステム又は方法。
- 前記薬剤は、抗菌剤及び抗ウイルス剤からなる群より選択される、請求項87に記載のシステム又は方法。
- 前記物体は化粧品を含む、請求項1~請求項86のいずれか一項に記載のシステム又は方法。
- 前記物体は加熱素子を含む、請求項1~請求項86のいずれか一項に記載のシステム又は方法。
- 前記物体は冷却素子を含む、請求項1~請求項86のいずれか一項に記載のシステム又は方法。
- 前記物体は回路を含む、請求項1~請求項86のいずれか一項に記載のシステム又は方法。
- 前記物体は異物を受容する空洞を含む、請求項1~請求項86のいずれか一項に記載のシステム又は方法。
- 前記物体はスナップコネクタの雌部又は雄部を含む、請求項1~請求項91のいずれか一項に記載のシステム又は方法。
- 構築材料を吐出するノズルアレイと、
前記吐出される構築材料を下から固化するために放射線を上方へ放出するように構成された放射線源と動作的に連携する作業トレイと、
少なくとも前記ノズルアレイを操作して、物体の形状に対応した構成パターンで構築材料を吐出させ、前記吐出の後に前記放射線源を操作するように構成されたコンピュータ化されたコントローラと、
を備える、三次元印刷システム。 - 前記コンピュータ化されたコントローラは、前記放射線源を空間的に選択して操作するように構成される、請求項95に記載のシステム。
- 前記作業トレイの上面の端は、隅肉と面取りの少なくともいずれかとなっている、請求項95または請求項96に記載のシステム。
- 前記作業トレイ上に取り付けるか配置可能であって前記作業トレイの上の空間を画定するためのランプ構造を備え、前記ランプ構造の上面は、前記布地の水平部を支持するように構成され、前記空間は前記布地の吊下部を受けるように構成され、前記コンピュータ化されたコントローラは前記ノズルアレイを制御して前記構築材料を前記上面にのみ吐出するようになっている、請求項95または請求項96に記載のシステム。
- 前記コンピュータ化されたコントローラは、前記作業トレイの上の前記ランプ構造の高さを補正するために前記作業トレイの垂直位置を調節するように構成された、請求項98に記載のシステム。
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