(本開示の基礎となった知見)
太陽光発電システムのMPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置があるとする。その直流電力変換装置を用いてMPPT制御を実行することにより、燃料電池発電システムから直流電力変換装置に電力を取り出すことを考える。そのような電力の取り出しは、燃料電池発電システムの出力特性を変換することによって実現可能である。本発明者の検討によれば、特性変換回路によって、そのような変換を行うことができる。そして、燃料電池発電システムから特性変換回路を介して直流電力変換装置へと電力が供給される電力システムを構成できる。
上記のようにして燃料電池発電システムから直流電力変換装置へと電力を供給する場合、特性変換回路から直流電力変換装置へと流れる電流が急峻に増加するという過渡現象が発生することがある。例えば、直流電力変換装置がコンデンサを有し、そのコンデンサに、大きな突入電流を引き込み易い負荷が接続されたとする。この場合において、負荷に大きな突入電流が流れ込むと、コンデンサの電圧がドロップし、このドロップを補うように特性変換回路からコンデンサに大きな電流が過渡的に流れることがある。大きな突入電流を引き込み易い負荷としては、白熱ランプ、モータ等が例示される。例えば、白熱ランプでは、その点灯直後に、定格電流の約10〜15倍程度の突入電流が瞬間的に流れ込むことがある。
上記のような過渡時には、狙いとする特性変換が一時的にできなくなり、直流電力変換装置によって過度な電力が取り出されるという事態が生じ得る。このような事態は、負荷の種類、使い方等によっては、頻繁に生じ得る。
電力システムのユーザによる負荷の選定、使い方等に制約を課すことなく上記の事態の発生を抑えることには価値がある。そこで、本発明者は、過渡時における電力の過度な取り出しを防止する技術が組み込まれた電力システムを構築することを考えた。
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係る電力システムは、
出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに対して、MPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置と、
燃料電池発電システムであって、該燃料電池発電システムで生成された直流電力は前記直流電力変換装置に供給される燃料電池発電システムと、
前記燃料電池発電システムと前記直流電力変換装置とを接続する経路上に設けられた特性変換回路と、を備え、
前記特性変換回路は、
前記特性変換回路の出力電流の検出を行い、前記検出の結果を表すセンサ出力を出力する電流センサと、
DCDCコンバータである電圧電流制御回路であって、前記特性変換回路の出力電圧が前記所定範囲内の値であるときに前記特性変換回路の出力電力が最大となるように、前記センサ出力に応じて変圧比が変更される電圧電流制御回路と、
前記センサ出力を用いて、前記特性変換回路の出力電流の時間変化に応じた第1制御信号を生成する第1装置と、
前記第1制御信号に応じて、前記電圧電流制御回路から前記直流電力変換装置に流れる電流が抵抗成分を経由する電流制限状態を実現する第2装置と、を含む。
第1態様に係る電力システムによれば、太陽光発電システムのMPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置を用いてMPPT制御を実行することにより、燃料電池発電システムから直流電力変換装置に電力を取り出すことが可能である。また、第1態様に係る電力システムは、過渡時における電力の過度な取り出しを防ぐのに適している。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る電力システムでは、
前記第1装置は、RC回路と、信号比較装置と、を含んでいてもよく、
前記信号比較装置は、第1信号と第2信号の比較により前記第1制御信号を生成してもよく、
前記第1信号は、前記センサ出力に基づいておりかつ前記特性変換回路の出力電流に同期して変化する信号であってもよく、
前記第2信号は、前記センサ出力に基づいておりかつ前記RC回路を用いて得られた信号であってもよい。
第2態様の構成は、第1制御信号を生成可能な構成の具体例である。
本開示の第3態様において、例えば、第1態様に係る電力システムでは、
前記第1装置は、ソフトウエアを含んでいてもよく、前記ソフトウエアを用いて前記第1制御信号を生成してもよい。
第3態様の構成は、第1制御信号を生成可能な構成の具体例である。
本開示の第4態様において、例えば、第1から第3態様のいずれか1つに係る電力システムでは、
前記第2装置は、互いに並列接続された電流制限抵抗および制御スイッチを含んでいてもよく、
前記抵抗成分は、前記電流制限抵抗であってもよく、
前記電流制限状態は、前記制御スイッチがオフ状態であることにより前記電流制限抵抗に電流が流れている状態であってもよい。
第4態様の電流制限状態は、電流制限状態の具体例である。
本開示の第5態様において、例えば、第1から第3態様のいずれか1つに係る電力システムでは、
前記第2装置は、トランジスタを含んでいてもよく、
前記電流制限状態は、前記抵抗成分が前記トランジスタに現れるように前記トランジスタが制御され、かつ、前記トランジスタに現れた前記抵抗成分に電流が流れている状態であってもよい。
第5態様の電流制限状態は、電流制限状態の具体例である。
本開示の第6態様において、例えば、第1から第5態様のいずれか1つに係る電力システムでは、
前記電圧電流制御回路は、前記電圧電流制御回路に入力された直流電力のDC−AC変換と、前記DC−AC変換で得られた交流電力のAC−DC変換と、前記AC−DC変換で得られた直流電力の平滑化と、をこの順に実行してもよく、
前記電圧電流制御回路は、前記平滑化を行うコンデンサを含んでいてもよい。
第6態様の構成は、電圧電流制御回路の構成の具体例である。
実施形態では、第1、第2、第3・・・という序数詞を用いることがある。ある要素に序数詞が付されている場合に、より若番の同種類の要素が存在することは必須ではない。例えば、第3接続点という用語は、第3接続点とともに第1接続点および第2接続点が必ず存在することを意として使用されているわけではない。
実施形態では、経路という用語を用いることがある。経路は、複数の線路を有し得るものである。接続点等についても同様である。例えば、単相3線式の経路は、2本の非接地線路と1本の接地線路を有する。単相3線式の経路どうしの接続点は、経路における各線路の接続がなされている箇所を含むある範囲の領域を示す意で使用されていると理解するべきである。
実施形態では、特性変換回路の出力電流、出力電圧および出力電力の組み合わせを、特性変換回路の動作点と称することがある。特性変換回路の出力電力が最大となるときの動作点を、最大電力点と称することがある。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されない。
図1および図2は、本実施の形態に係る電力システム300のブロック図である。具体的には、図1は、系統連系時の電力の流れの例を示している。図2は、停電時の電力の流れの例を示している。これらの図において、実線は、電力が電路を流れていることを表す。点線は、電力が電路を流れていないことを表す。また、VAC1およびVAC2は、交流電圧を表す。交流電圧VAC1の実効値は、交流電圧VAC2の実効値よりも小さい。交流電圧VAC1の実効値は、例えば100Vである。交流電圧VAC2の実効値は、例えば200Vである。この例では、交流電圧VAC1の電路または経路は、単相2線式の2本の電線により実現されている。また、交流電圧VAC2の電路または経路は、単相3線式の3本の電線のうちの2本の非接地線路により実現されている。
電力システム300は、系統電源200と連系する。電力システム300には、系統電源200から電力が供給され得る。また、電力システム300は、系統電源200に電力を逆潮流させ得る。電力システム300は、パワーステーション10と、燃料電池発電システム40と、基板60と、太陽光発電システム31および32と、蓄電装置25と、電力切替ユニット28と、第1分電盤80と、第2分電盤90と、負荷251,252および253と、コンセント260と、を有する。以下では、第1分電盤80を主分電盤80と称することがある。また、第2分電盤90を自立分電盤90と称することがある。
[パワーステーション10]
パワーステーション10は、直流電力変換装置20と、第1DCバス11と、第4DCDCコンバータ12と、第1インバータ13と、を有する。
直流電力変換装置20は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システム対して最大電力点追従制御を実行できるように設計されている。太陽光発電システムは、太陽光発電パネルを用いて発電するシステムである。以下では、最大電力点追従制御を、MPPT制御と称することがある。
直流電力変換装置20には、太陽光発電システム31および32ならびに燃料電池発電システム40から直流電力が入力される。直流電力変換装置20から出力された直流電力は、第1DCバス11に供給される。
具体的には、直流電力変換装置20は、第1DCDCコンバータ21と、第2DCDCコンバータ22と、第3DCDCコンバータ23と、を有する。第1DCDCコンバータ21には、燃料電池発電システム40から直流電力が入力される。第2DCDCコンバータ22には、第1太陽光発電システム31から直流電力が入力される。第3DCDCコンバータ23には、第2太陽光発電システム32から直流電力が入力される。これらのDCDCコンバータ21,22および23から出力された直流電力は、第1DCバス11に供給される。
第4DCDCコンバータ12は、第1DCバス11から入力された直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換する。第4DCDCコンバータ12で変換された直流電力は、蓄電装置25に供給される。また、第4DCDCコンバータ12は、蓄電装置25から入力された電力を、電圧の異なる直流電力に変換し、第1DCバス11に供給する。つまり、第4DCDCコンバータ12は、双方向DCDCコンバータである。第4DCDCコンバータ12は、蓄電装置25の端子電圧が定格範囲となるように動作する。
第1インバータ13は、直流電力を交流電力に変換する。具体的には、第1インバータ13は、第1DCバス11から入力された直流電力を、電圧VAC1または電圧VAC2の交流電力に変換する。第1インバータ13で電圧VAC1の交流電力が得られる場合、その電力は電力切替ユニット28に供給される。第1インバータ13で電圧VAC2の交流電力が得られる場合、その電力は主分電盤80に供給される。
第1インバータ13は、系統電源200から主分電盤80を介して入力された電圧VAC2の交流電力を、直流電力に変換することもできる。こうして得られた直流電力は、第1DCバス11および第4DCDCコンバータ12を介して蓄電装置25に供給される。
[太陽光発電システム31および32]
本実施形態では、電力システム300は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムを少なくとも1つ備える。当該少なくとも1つの太陽光発電システムで生成された直流電力は、直流電力変換装置20に供給される。
具体的に、太陽光発電システム31および32は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに該当する。第1太陽光発電システム31は、少なくとも1つの太陽光発電パネル36を有する。第1太陽光発電システム31は、該少なくとも1つの太陽光発電パネル36を用いて発電する。第2太陽光発電システム32は、少なくとも1つの太陽光発電パネル37を有する。第2太陽光発電システム32は、該少なくとも1つの太陽光発電パネル37を用いて発電する。太陽光発電システム31および32で生成された直流電力は、直流電力変換装置20に供給される。
[燃料電池発電システム40]
燃料電池発電システム40は、燃料電池41を用いて発電するシステムである。燃料電池発電システム40で生成された直流電力は、直流電力変換装置20に供給され得る。燃料電池発電システム40で生成された交流電力は、主分電盤80に供給され得る。
燃料電池発電システム40は、燃料電池41と、第5DCDCコンバータ42と、第2DCバス43と、第2インバータ44と、第6DCDCコンバータ45と、ヒーター46と、貯湯ユニット47と、マイクロコントロールユニット51と、低圧電源52と、補機用電源55と、を有する。以下では、補機用電源55を、D1電源55と称することがある。マイクロコントロールユニット51を、MCU51と称することがある。
燃料電池41は、直流電力を発電する。具体的には、燃料電池41はスタックを含む。そして、スタックが、酸素および水素から直流電力を生成する。
第5DCDCコンバータ42は、燃料電池41で生成された直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換する。この例では、第5DCDCコンバータ42は、燃料電池41で生成された直流電力を昇圧する。昇圧された直流電力は、第2DCバス43に供給される。
第2インバータ44は、第2DCバス43から入力された直流電力を、電圧VAC2の交流電力に変換する。第2インバータ44で得られた交流電力は、主分電盤80に供給される。
第6DCDCコンバータ45は、第2DCバス43から入力された直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換する。この例では、第6DCDCコンバータ45は、第2DCバス43から入力された直流電力を降圧する。
ヒーター46は、第6DCDCコンバータ45で変換された直流電力を用いて、水を温める。温められた水(以下、湯と称することがある)は、貯湯ユニット47に貯められる。
仮に、燃料電池41の発電電力が第2インバータ44の出力先の要求負荷よりも大きいときに、燃料電池発電システム40が燃料電池41の発電電力の全てを第2インバータ44から出力したとする。その場合、第2インバータ44から出力された電力のうち要求負荷を超える分(以下、余剰電力と称することがある)が系統電源200に逆潮流されてしまう。逆潮流を避けるために、この例では、余剰電力に所定マージンを加えた電力がゼロよりも大きい場合、その電力を、第2DCバス43から第6DCDCコンバータ45を介してヒーター46に供給する。つまり、第6DCDCコンバータ45は、余剰電力用である。また、ヒーター46は、水を温めつつ、逆潮流を防止する。
MCU51は、DCDCコンバータ42および45と、第2インバータ44と、後述の保護リレー62とを制御する。低圧電源52は、MCU51と、保護リレー62と、後述の特性変換回路100とに、制御用の電力を供給する。D1電源55は、ポンプ、ブロワ、弁などの、燃料電池発電システム40の補機を動かすのに用いられる。
[基板60]
基板60は、燃料電池発電システム40とパワーステーション10とを接続する経路上に設けられている。基板60には、燃料電池発電システム40から、具体的には第2DCバス43から、直流電力が供給される。基板60は、特性変換回路100と、LCフィルタ61と、保護リレー62と、を有する。
上述の説明から明らかであるように、特性変換回路100は、燃料電池発電システム40と直流電力変換装置20とを接続する経路上、詳細には直流電力の経路上、に設けられている。本実施形態の特性変換回路100では、第1フィードバック回路110と、第2フィードバック回路120と、が設けられている。第1フィードバック回路110は、特性変換回路100の出力電圧の上限の目標値を規定するのに用いられる。第2フィードバック回路120は、特性変換回路100の出力電力がピークになるときにおける特性変換回路100の出力電圧(以下、最大電力点における出力電圧と称することがある)を所定範囲内の値に調整するのに用いられる。このピークは、具体的には、単一ピークである。
第1フィードバック回路110によれば、特性変換回路100の出力電圧が過度に大きくなることを防止できる。このため、第1フィードバック回路110によれば、燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20に過電圧が入力され直流電力変換装置20が壊れるのを防止できる。
直流電力変換装置20は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに対して、MPPT制御を実行できるように設計されている。第2フィードバック回路120によれば、その所定範囲内の値へと、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧を調整できる。このため、特性変換回路100のMPPT制御が可能となる。また、特性変換回路100の出力電圧が上記の値となった時点で、特性変換回路100から直流電力変換装置20に送られる電力の増加が停止される。このため、特性変換回路100から直流電力変換装置20に送られる電力が過度に増加することを防止できる。燃料電池発電システム40から特性変換回路100に送られる電力が過度に増加することも防止できる。このため、燃料電池発電システム40の出力電力の増加に伴って燃料電池発電システム40の出力電流が過度に増加することを防止できる。このため、過電流保護機能が働いて燃料電池41の発電が停止され燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20への電力供給が停止されることを防止できる。
この例の特性変換回路100について、図3を用いてさらに説明する。図3において、実線は、特性変換回路100の出力電圧と特性変換回路100の出力電力との関係すなわちV−P特性を表す。点線は、特性変換回路100の出力電圧と特性変換回路100の出力電流との関係すなわちV−I特性を表す。一点鎖線は、第1フィードバック回路110の寄与を表す。二点鎖線は、第2フィードバック回路120の寄与を表す。
図3から理解されるように、第1フィードバック回路110により、特性変換回路100のV−I特性は、出力電流が小さい領域において出力電圧が目標値に追従するものとなる。第2フィードバック回路120により、特性変換回路100のV−I特性は、出力電流が大きい領域において出力電流が増加するにつれて出力電圧が低下するものとなる。これらの回路110および120の作用が相俟って、特性変換回路100のV−I特性は、図3の点線に示すものとなる。結果として、特性変換回路100のV−P特性は、図3の実線に示すような、単一ピークを有する上に凸のものとなる。このため、特性変換回路100のMPPT制御が可能となる。
なお、上記の所定範囲内の値は、目標値よりも低い。このため、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧は、目標値よりも低い。また、この例では、特性変換回路100の入力電圧(この例では第2DCバス43における電圧)は、目標値よりも大きい。ただし、入力電圧が目標値よりも小さい場合であっても、図3に示すV−P特性を得ることは可能である。
この例では、上記の所定範囲は、太陽光発電システム31または32の出力電力がピークになるときにおける太陽光発電システム31または32の出力電圧の±20V以内の範囲である実機基準範囲を含む。そして、第2フィードバック回路120は、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧を実機基準範囲内の値に調整するのに用いられる。電力システム300で用いられる太陽光発電システム31または32が分かっている場合、その太陽光発電システムに対するMPPT制御を実施できるように電力システム300を設計することができる。つまり、実機基準範囲を含むように、上記の所定範囲を設定できる。さらに、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧が実機基準範囲内の値に調整されるように、特性変換回路100を設計できる。この例の電力システム300は、設計のし易さの観点から有利である。
この例では、直流電力変換装置20は、第1DCDCコンバータ21、第2DCDCコンバータ22および第3DCDCコンバータ23を有する。第1DCDCコンバータ21は、MPPT制御によって、特性変換回路100の出力電圧を変化させる。第2DCDCコンバータ22は、MPPT制御によって、第1太陽光発電システム31の出力電圧を変化させる。第3DCDCコンバータ23は、MPPT制御によって、第2太陽光発電システム32の出力電圧を変化させる。このように、この例では、太陽光発電システム31および32ならびに特性変換回路100を個別にMPPT制御するマルチストリング型の直流電力変換装置20が実現されている。ただし、直流電力変換装置は、これらを一括してMPPT制御する集中型のものであってもよい。
図4Aに、特性変換回路100の一例を示す。図4Aの特性変換回路100は、電流センサ128と、電圧電流制御回路160と、第1装置170Aと、第2装置180Aと、フィードバック電流供給部130と、を含む。特性変換回路100では、第1フィードバック回路110と、第2フィードバック回路120と、が設けられている。
第1フィードバック回路110は、第1抵抗111と、第2抵抗112と、第1シャントレギュレータ115と、を有する。第2フィードバック回路120は、第3抵抗121と、第4抵抗122と、第5抵抗123と、第2シャントレギュレータ125と、電流センサ128と、を有する。フィードバック電流供給部130は、定電圧源131と、第6抵抗132と、を有する。
電流センサ128は、特性変換回路100の出力電流の検出を行う。電流センサ128は、その検出の結果を表すセンサ出力を出力する。本実施形態では、電流センサ128は、その検出の結果を表すセンサ電圧Vsを出力する。電流センサ128は、特性変換回路100の出力電流が大きくなるほどセンサ電圧Vsを大きく出力する。つまり、センサ電圧Vsは、特性変換回路100の出力電流が大きくなるほど大きくなる。そのような電流センサ128は、例えば、シャント抵抗を用いて実現できる。
図8に、具体例に係る電流センサ128を示す。電流センサ128は、シャント抵抗128rと、電流センスアンプ128sと、を含む。シャント抵抗128rの抵抗値は、Rsenseである。シャント抵抗128rに電流Iloadが流れると、シャント抵抗128rに電圧RsenseIloadがかかる。電流センスアンプ128sは、電圧RsenseIloadにゲインGを乗じた電圧と、バイアス電圧Vbiasと、の合計電圧を、センサ電圧Vsとして出力する。つまり、本実施形態の電流センサ128が生成するセンサ電圧Vsは、数式1で与えられる。ただし、電流センサ128としてホール素子方式の電流センサ等の他の電流センサを用い、その電流センサの出力をセンサ電圧Vsとして用いてもよい。なお、電流Iloadは、特性変換回路100の出力電流に対応する。「*」は、乗算を表す記号である。
数式1:Vs=Rsense*Iload*G+Vbias
第1フィードバック回路110では、第1抵抗111および第2抵抗112により、特性変換回路100の出力電圧が分圧される。分圧された電圧が、第1抵抗111および第2抵抗112の接続点p1に現れる。以下、第1接続点p1に現れる電圧を、第1参照電圧Vref1と称することがある。第1参照電圧Vref1が、第1シャントレギュレータ115の第1参照電圧端子に入力される。第1参照電圧端子に入力される電圧が大きいほど、定電圧源131、第6抵抗132、第1シャントレギュレータ115および基準電位をこの順に流れる電流(以下、第1電流と称することがある)i1は、大きくなる。図4Aにおいて、第1電流i1は、第1シャントレギュレータ115を図示下向きに流れる電流である。
第2フィードバック回路120では、第3抵抗121および第4抵抗122により、特性変換回路100の出力電圧が分圧される。また、電流センサ128が、特性変換回路100の出力電流が大きくなるほど大きくなるセンサ電圧Vsを生成する。第5抵抗123および第4抵抗122により、このセンサ電圧Vsが分圧される。抵抗121および122に由来する分圧電圧に抵抗123および122に由来する分圧電圧が加算された電圧が、3つの抵抗121,122および123の接続点p2に現れる。以下、第2接続点p2に現れる電圧を、第2参照電圧Vref2と称することがある。第2参照電圧Vref2が、第2シャントレギュレータ125の第2参照電圧端子に入力される。第2参照電圧端子に入力される電圧が大きいほど、定電圧源131、第6抵抗132、第2シャントレギュレータ125および基準電位をこの順に流れる電流(以下、第2電流と称することがある)i2は、大きくなる。図4Aにおいて、第2電流i2は、第2シャントレギュレータ125を図示下向きに流れる電流である。
特性変換回路100の出力電流が小さい領域では、第2電流は実質的にゼロとなり、定電圧源131から流出する電流は、実質的に第1電流である。一方、特性変換回路100の出力電流が大きい領域では、第1電流は実質的にゼロとなり、定電圧源131から流出する電流は、実質的に第2電流である。つまり、特性変換回路100の出力電流が小さい領域では第1フィードバック回路110によって、特性変換回路100の出力電流が大きい領域では第2フィードバック回路120によって、特性変換回路100における特性変換が行われると言える。そのように回路110および120が動作するように、抵抗111,112,121,122および123ならびにシャントレギュレータ115および125のパラメータが選定されている。
電圧電流制御回路160は、DCDCコンバータである。電圧電流制御回路160の変圧比は、特性変換回路100の出力電圧が上記所定範囲内の値であるときに特性変換回路100の出力電力が最大となるように、センサ出力に応じて変更される。本実施形態では、電圧電流制御回路160は、定電圧源131から流出する電流が大きいほど、電圧電流制御回路160の入力電圧に対する出力電圧の比率を小さくする。このように、特性変換回路100は、定電圧源131から流出する電流に応じて上記比率が調整されるようになっている。このような特性変換回路100は、適宜設計可能である。
図9を参照して、本実施形態の第1シャントレギュレータ115についてさらに説明する。第1シャントレギュレータ115は、第1参照電圧端子115aと、第1カソード115Kと、第1アノード115Aと、第1基準電圧源115sと、第1オペアンプ115оと、第1トランジスタ115tと、を含む。第1オペアンプ115оは、非反転増幅端子115оaと、反転増幅端子115оbと、出力端子115оcと、を含む。第1トランジスタ115tは、カソード側端子115taと、アノード側端子115tbと、制御端子115tcと、を含む。非反転増幅端子115оaには、第1参照電圧端子115aに入力された電圧が供給される。反転増幅端子115оbの電圧は、第1基準電圧源115sによって、第1アノード115Aの電圧よりも第1基準電圧Vs1だけ高い電圧に設定されている。第1参照電圧端子115aに第1基準電圧Vs1よりも大きい電圧が入力されることによって非反転増幅端子115оaの電圧が反転増幅端子115оbよりも電圧が大きくなると、出力端子115оcから制御端子115tcに電流が流れ、第1カソード115Kからカソード側端子115taおよびアノード側端子115tbをこの順に介して第1アノード115Aへと第1電流i1が流れる。図9の例では、第1トランジスタ115tは、バイポーラトランジスタであり、具体的にはNPNトランジスタである。カソード側端子115taは、コレクタである。アノード側端子115tbは、エミッタである。制御端子115tcは、ベースである。なお、この説明では、出力端子115оcと制御端子115tcの間で流れる電流、具体的にはベース電流、は十分に小さいものとして無視している。
図9を参照した説明を踏まえて、第1フィードバック回路110の動作を以下のように説明できる。特性変換回路100の出力電圧Voutが大きくなると、第1参照電圧Vref1は大きくなる。第1シャントレギュレータ115では、第1参照電圧Vref1が大きくなることにより第1参照電圧Vref1の第1基準電圧Vs1からの乖離が大きくなればなるほど、第1電流i1が大きくなる。第1電流i1が大きくなると、電流供給電源131から流出する電流が大きくなる。この流出電流が大きくなると、電圧電流制御回路160の入力電圧に対する出力電圧の比率は小さくなる。このようにして、第1フィードバック回路110は、電圧電流制御回路160と協働して、特性変換回路100の出力電圧Voutを制御する。具体的には、第1フィードバック回路110は、電圧電流制御回路160と協働して、第1参照電圧Vref1が第1基準電圧Vs1に追従するように、特性変換回路100の変圧比を調節する。結果として、特性変換回路100の出力電圧Voutは目標値に追従する。
図10を参照して、本実施形態の第2シャントレギュレータ125についてさらに説明する。第2シャントレギュレータ125は、第2参照電圧端子125aと、第2カソード125Kと、第2アノード125Aと、第2基準電圧源125sと、第2オペアンプ125оと、第2トランジスタ125tと、を含む。第2オペアンプ125оは、非反転増幅端子125оaと、反転増幅端子125оbと、出力端子125оcと、を含む。第2トランジスタ125tは、カソード側端子125taと、アノード側端子125tbと、制御端子125tcと、を含む。非反転増幅端子125оaには、第2参照電圧端子125aに入力された電圧が供給される。反転増幅端子125оbの電圧は、第2基準電圧源125sによって、第2アノード125Aの電圧よりも第2基準電圧Vs2だけ高い電圧に設定されている。第2参照電圧端子125aに第2基準電圧Vs2よりも大きい電圧が入力されることによって非反転増幅端子125оaの電圧が反転増幅端子125оbよりも電圧が大きくなると、出力端子125оcから制御端子125tcに電流が流れ、第2カソード125Kからカソード側端子125taおよびアノード側端子125tbをこの順に介して第2アノード125Aへと第2電流i2が流れる。図10の例では、第2トランジスタ125tは、バイポーラトランジスタであり、具体的にはNPNトランジスタである。カソード側端子125taは、コレクタである。アノード側端子125tbは、エミッタである。制御端子125tcは、ベースである。なお、この説明では、出力端子125оcと制御端子125tcの間で流れる電流、具体的にはベース電流、は十分に小さいものとして無視している。
図10を参照した説明を踏まえて、第2フィードバック回路120の動作を以下のように説明できる。特性変換回路100の出力電圧Voutが大きくなると、また、特性変換回路100の出力電流が大きくなってセンサ電圧Vsが大きくなると、第2参照電圧Vref2は大きくなる。第2シャントレギュレータ125では、第2参照電圧Vref2が大きくなることにより第2参照電圧Vref2の第2基準電圧Vs2からの乖離が大きくなればなるほど、第2電流i2が大きくなる。第2電流i2が大きくなると、電流供給電源131から流出する電流が大きくなる。この流出電流が大きくなると、電圧電流制御回路160の入力電圧に対する出力電圧の比率は小さくなる。このようにして、第2フィードバック回路120は、電圧電流制御回路160と協働して、特性変換回路100の出力電圧Voutを制御する。具体的には、第2フィードバック回路120は、電圧電流制御回路160と協働して、第2参照電圧Vref2が第2基準電圧Vs2に追従するように、特性変換回路100の変圧比を調節する。
第2フィードバック回路120による第2フィードバック制御において、特性変換回路100の出力電流が大きくなりセンサ電圧Vsが大きくなると、電流センサ128から第5抵抗123を介して第2接続点p2に流れる電流が大きくなる。第2シャントレギュレータ125により、第2参照電圧Vref2は、一定の第2基準電圧Vs2に追従する。この追従を実現するために、第4抵抗122には、一定の電流が流れる。このことは、第5抵抗123を第2接続点p2に向かって流れる上記電流が大きくなると、第3抵抗121を第2接続点p2に向かって流れる電流が小さくなることを意味する。この電流が小さくなると、第3抵抗121で生じる電圧が小さくなる。このような理由で、特性変換回路100の出力電流が大きくなると、第2接続点p2の電圧が第2参照電圧Vref2に追従した状態で第3抵抗121で生じる電圧が小さくなる。その結果、特性変換回路100の出力電圧Voutが小さくなる。このようにして、第2フィードバック制御により、図3に示すような、特性変換回路100の出力電圧が大きくなるほど特性変換回路100の出力電流が小さくなる出力電圧−出力電流特性が得られる。
以上の説明から理解されるように、特性変換回路100では、特性変換回路100の出力電流および出力電圧がその後の特性変換回路100の出力電流および出力電圧に反映されるという、フィードバック制御ループが構成されている。フィードバック制御ループは、フィードバック回路110または120を用いて構成されている。
[電力の過度な取り出しの防止]
本実施形態では、直流電力変換装置20を用いたMPPT制御が実施される。これにより、燃料電池発電システム40から特性変換回路100を介して直流電力変換装置20に電力が取り出される。電力システム300は、過渡時における電力の過度な取り出しを防止するのに適している。以下、この点について説明する。以下の説明では、実出力電流という用語を用いることがある。実出力電流は、実際の特性変換回路の出力電流である。
図4Aに示す特性変換回路100から第1装置170Aおよび第2装置180Aを取り除いた比較形態の特性変換回路COMについて考える。比較形態の特性変換回路COMにおいて、現在の制御サイクルにおける目標動作点(以下、現目標動作点と称することがある)が、図11に示す位置にある状況を考える。現目標動作点が表す特性変換回路COMの出力電流は、ゼロである。現目標動作点が表す特性変換回路COMの出力電圧は、該出力電圧の上限の目標値である。
上記の状況で実出力電流が増加すると、現目標動作点から新たな目標動作点(以下、新目標動作点と称することがある)へと動作点が近づくように、特性変換回路COMによる制御が行われる。具体的には、新目標動作点は、実出力電流の増加によって、出力電流が大きい位置に設定される。
特性変換回路COMの出力が検出されてからその検出結果が特性変換回路COMの出力に反映されるまでには遅延時間がある。このため、実出力電流の増加が急峻であると、動作点の移動が、特性変換回路COMによる制御が狙いとするV−I特性のグラフに沿って行われない場合がある。この場合、狙いとするV−I特性のグラフから動作点が過渡的に逸脱する。この様子が、図11における「実出力電流が急峻に増加したときに動作点が実際にとり得る軌跡(V−I)」に模式的に示されている。なお、電流センサ128を用いた検出は、上記検出に該当する。
上記の場合、動作点の移動は特性変換回路COMによる制御が狙いとするV−P特性のグラフに沿って行われず、狙いとするV−P特性のグラフから動作点が過渡的に逸脱する事態が生じ得る。この様子が、図11における「実出力電流が急峻に増加したときに動作点が実際にとり得る軌跡(V−P)」に模式的に示されている。
詳細については今後の検討を待つ必要があるが、上記V−P特性グラフからの動作点の過渡的な逸脱は、実出力電流の急峻な増加時に、MPPT制御が電圧を減少させて上記逸脱を防止しようとするが間に合わないため生じているものと思われる。
狙いとするV−P特性のグラフから動作点が大きく逸脱する場合、特性変換回路COMの出力電力が該V−P特性グラフ上の最大電力点における値を超えるおそれがある。以下、狙いとする特性グラフ上の最大電力点を、最大電力点と簡略化して記載することがある。図11におけるハッチング部は、特性変換回路COMの出力電力が最大電力点における値を超えている領域を示している。
狙いとするV−P特性のグラフから動作点が大きく逸脱することが頻繁に発生する場合、すなわち同グラフに実際の特性変換回路の出力特性を追従させるという特性変換制御の品質が低い場合、直流電力変換装置20によるMPPT制御が不可能になるおそれがある。
また、特性変換回路COMの出力電力が上記V−P特性グラフ上の最大電力点における値を過渡的に超えることは、燃料電池発電システム40から想定を超えた電力が過渡的に取り出されることを意味する。燃料電池発電システム40の出力電力が過度に増加すると、燃料電池発電システム40の過電力保護機能が働き、燃料電池41の発電が停止され、燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20への電力供給が停止されるおそれがある。
これに対し、図4Aに示す特性変換回路100は、第1装置170Aおよび第2装置180Aを有する。第1装置170Aは、電流センサ128のセンサ出力を用いて、特性変換回路100の出力電流の時間変化に応じた第1制御信号S1を生成する。第2装置180Aは、この第1制御信号S1に応じて、電圧電流制御回路160から直流電力変換装置20に流れる電流が抵抗成分を経由する電流制限状態を実現する。上述のとおり、本実施形態では、電流センサ128のセンサ出力は、センサ電圧Vsである。
実出力電流が急峻に増加するときに第1装置170Aおよび第2装置180Aによって電流制限状態を実現することにより、実出力電流の増加幅を抑制できる。これにより、実出力電力の増加が抑制され、燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20に電力が過度に取り出されることが防止され得る。
実出力電流の増加が抑制されている様子が、図12に表されている。具体的には、図12でも、図11と同様、実出力電流が急峻に増加すると、特性変換回路100による制御が狙いとするV−I特性のグラフから動作点が過渡的に逸脱することが示されている。しかし、図12の例では、実出力電流の増加中に電流制限状態が実現されている。このため、図12の例では、図11の例に比べ、狙いとするV−I特性のグラフからの動作点の逸脱幅は小さい。
電流制限状態の実現により、特性変換回路100による制御が狙いとするV−P特性のグラフからの動作点の逸脱幅も抑制され、特性変換回路100の出力電力の増加が抑制されている。具体的には、特性変換回路100の出力電力が上記V−P特性グラフ上の最大電力点における値を過渡的に超える事態が回避されている。これにより、燃料電池発電システム40の過電力保護機能が働き、燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20への電力供給が停止されるという事態が生じ難くなる。
典型的には、直流電力変換装置20は、コンデンサを有している。そのコンデンサに、大きな突入電流を引き込み易い負荷が接続されたとする。この場合において、負荷に大きな突入電流が流れ込むと、コンデンサの電圧がドロップし、このドロップを補うように特性変換回路からコンデンサに大きな電流が過渡的に流れ、直流電力変換装置20によって過度な電力が取り出されるおそれがある。しかし、上述の説明から理解されるように、電流制限状態の実現により、このような不具合が回避され得る。
なお、図11および図12では、目標動作点が表す出力電流がゼロであるときに実出力電流が急峻に増加する場合を例示的に示している。目標動作点が他の位置にあるときに実出力電流が急峻に増加する場合にも、電流制限状態の実現により先に説明した効果は発揮され得る。
以下、図4Aの第1装置170Aおよび第2装置180Aについて、さらに説明する。
本実施形態では、第1装置170Aは、RC回路と、信号比較装置175と、を含む。信号比較装置175は、第1信号と第2信号の比較により第1制御信号S1を生成する。第1信号は、センサ出力に基づいておりかつ特性変換回路100の出力電流に同期して変化する信号である。第2信号は、センサ出力に基づいておりかつRC回路を用いて得られた信号である。図4Aの例では、RC回路は、抵抗172およびコンデンサ174によって構成されている。第1信号および第2信号は、電圧信号である。なお、「AがBに同期して変化する」という表現は、Bが変化するタイミングにおいてAも変化することを意とした表現である。
第1信号は、特性変換回路100の出力電流に同期して変化する信号である。このため、特性変換回路100の出力電流が急峻に変化している最中において、その急峻な変化が第1信号の値に反映される。一方、第2信号は、RC回路を用いて得られる信号である。RC回路への入力信号の値が変化する場合、その変化は、RC回路からの出力信号では遅れて現れる。一具体例では、入力信号の値が急峻に変化している最中には、その変化は、出力信号には実質的に現れない。このように、RC回路は、過去の信号の値をホールドする機能を有する。
特性変換回路100の出力電流が急峻に変化している最中には、第1信号の値に、該変化の最中にある出力電流が反映される。一方、第2信号の値には、該変化の最中にある出力電流よりもむしろ該変化前の出力電流が強く反映される。信号比較装置175は、出力電流の急峻な変化が反映された第1信号と、該変化前の出力電流が強く反映された第2信号と、を比較できる。従って、信号比較装置175は、この比較により、出力電流の変化の大きさに応じた第1制御信号S1を生成できる。この大きさが大きいときに、第1制御信号S1は、電流制限状態をもたらす値をとる。
図4Aの例では、第1信号は、センサ電圧Vsを2つの抵抗171および173によって分圧することによって得た電圧信号である。第2信号は、センサ電圧Vsを入力信号とする上記RC回路の出力信号である。
本実施形態では、信号比較装置175は、第1信号が入力される第1入力端子と、第2信号が入力される第2入力端子と、第1制御信号S1が出力される出力端子と、を有する。信号比較装置175の一例はコンパレータであり、信号比較装置175の別例はオペアンプである。具体的に、信号比較装置175を構成するコンパレータでは、第1入力端子における第1信号の値が変化している最中に、出力端子における第1制御信号S1の値が変化し得る。そのような高い応答性は、例えば、コンパレータが位相補償用のコンデンサを有していないことにより実現され得る。ただし、信号比較装置175は、位相補償用のコンデンサを有するオペアンプであってもよい。
図4Bに、特性変換回路100の出力電流が急峻かつ小幅に増加する場合における、センサ電圧Vs、第1信号の電圧および第2信号の電圧を示す。図4Cに、特性変換回路100の出力電流が急峻かつ大幅に増加する場合における、センサ電圧Vs、第1信号の電圧および第2信号の電圧を示す。図4Bおよび図4Cにおいて、横軸は時間である。縦軸は、電圧である。
図4Bおよび図4Cの両方において、時刻t1までの期間では、抵抗171および173による分圧により、第1信号の電圧は第2信号の電圧よりも低いレベルに維持されている。時刻t1において、特性変換回路100の出力電流が急峻に増加している。出力電流の増加と同期して、センサ電圧Vsおよび第1信号の電圧が増加している。また、RC回路の寄与により、第2信号の電圧は、時刻t1からゆっくりと増加している。
図4Bでは、時刻t1における特性変換回路100の出力電流の増加幅が小さい。センサ電圧Vsの増加幅も小さい。第1信号の電圧の増加幅は、第1信号の電圧が第2信号の電圧を超えるには至っていない。
図4Cでは、時刻t1における特性変換回路100の出力電流の増加幅が大きい。センサ電圧Vsの増加幅も大きい。第1信号の電圧の増加幅は、第1信号の電圧が第2信号の電圧を超えるに至っている。
図4Cに示したような、第1信号の電圧が第2信号の電圧よりも小さい状態から第1信号の電圧が第2信号の電圧よりも大きい状態への切り替わりを、信号比較装置175によって検出することができる。この検出がなされたときに第1制御信号S1が電流制限状態をもたらす値をとるように、信号比較装置175を構成することが可能である。また、特性変換回路100の出力電流の増加幅が大きいレベルに達したときに上記の切り替わりが発生するように、抵抗171および173の値を設定できる。
図4Aの例では、第2装置180Aは、互いに並列接続された電流制限抵抗181および制御スイッチ182を含む。上記抵抗成分は、電流制限抵抗181である。電流制限状態は、制御スイッチ182がオフ状態であることにより電流制限抵抗181に電流が流れている状態である。
制御スイッチ182として、スイッチング素子を採用できる。制御スイッチ182を構成するスイッチング素子は、例えば、バイポーラトランジスタ(BJT)、電界効果トランジスタ(FET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等のトランジスタである。本実施形態では、制御スイッチ182は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。
本実施形態では、第1信号が第2信号よりも大きいとき、信号比較装置175は、制御スイッチ182をオフ状態にする第1制御信号S1を制御スイッチ182に供給する。第1制御信号S1は、信号レベルがゼロである信号を含む概念である。本実施形態では、第1制御信号S1は、電圧信号である。
出力電流が過渡的に高まった過渡状態が解消されると、制御スイッチ182がオン状態に戻る。具体的には、第1信号が第2信号以下であるとき、信号比較装置175は、制御スイッチ182をオン状態にする第1制御信号S1を制御スイッチ182に供給する。
一具体例では、信号比較装置175は、コンパレータを用いて構成されている。制御スイッチ182は、MOSFETである。コンパレータの第1入力端子に、第1信号が入力される。コンパレータの第2入力端子に、第2信号が入力される。コンパレータの出力端子は、制御スイッチ182のゲート電極に接続されている。
この具体例において、第1信号から第2信号を差し引いた差分がゼロよりも大きいとき、出力端子からゲート電極に電圧V1が供給されることによって、制御スイッチ182がオフ状態に維持される。第1信号から第2信号を差し引いた差分がゼロ以下であるとき、出力端子からゲート電極に電圧V2が供給されることによって、制御スイッチ182がオン状態に維持される。上記の電圧V1および電圧V2は、第1制御信号S1である。
詳細には、上記の具体例において、電圧V1は電圧V2よりも小さい。
図5から図7に示す特性変換回路も採用され得る。以下、図5から図7に示す特性変換回路について説明する。以下では、既に説明した例とその後に説明される例とで共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。各例に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用され得る。
[特性変換回路101]
図5の特性変換回路101では、第2装置180Aに代えて、第2装置180Bが採用されている。第2装置180Bは、トランジスタ183および可変電圧器184を含む。
図5の例では、電流制限状態は、抵抗成分がトランジスタ183に現れるようにトランジスタ183が制御され、かつ、トランジスタ183に現れた抵抗成分に電流が流れている状態である。
トランジスタ183として、例えば、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ等を採用できる。本実施形態では、トランジスタ183は、MOSFETである。
図5の第1装置170Aは、図4Aの第1装置170Aと同様に動作し、第1制御信号S1を生成する。図5の例で生成される第1制御信号S1は、図4Aの例で生成される第1制御信号S1と同様である。
図5の例では、信号比較装置175から可変電圧器184に第1制御信号S1が供給される。可変電圧器184は、第1制御信号S1に応じて第2制御信号S2を生成し、第2制御信号S2をトランジスタ183に供給する。第2制御信号S2により、トランジスタ183が制御される。第2制御信号S2は、信号レベルがゼロである信号を含む概念である。本実施形態では、第2制御信号S2は、電圧信号である。
以上の説明から理解されるように、図5の例では、第2制御信号S2に応じて、電流制限状態が実現される。第2制御信号S2は、第1制御信号S1に応じて生成される。このため、図5の例でも、図4Aの例と同様、第1制御信号S1に応じて電流制限状態が実現されると言える。
具体的には、第1信号が第2信号よりも大きいとき、信号比較装置175は、その旨を表す第1制御信号S1を可変電圧器184に供給する。可変電圧器184は、そのような第1制御信号S1が供給された場合には、抵抗成分がトランジスタ183に現れるようにする第2制御信号S2を、トランジスタ183に供給する。具体的には、可変電圧器184は、その場合には、トランジスタ183を線形領域で動作させる第2制御信号S2を、トランジスタ183に供給する。
一方、第1信号が第2信号以下であるとき、信号比較装置175は、その旨を表す第1制御信号S1を可変電圧器184に供給する。可変電圧器184は、そのような第1制御信号S1が供給された場合には、トランジスタ183をオン状態にする第2制御信号S2を、トランジスタ183に供給する。具体的には、可変電圧器184は、その場合には、トランジスタ183を飽和領域で動作させる第2制御信号S2を、トランジスタ183に供給する。
念のために断っておくが、トランジスタが線形領域で動作している状態と、トランジスタのオフ状態と、トランジスタのオン状態と、は区別される。トランジスタのオフ状態は、トランジスタを遮断領域で動作させることにより実現され得る。トランジスタのオン状態は、トランジスタを飽和領域で動作させることにより実現され得る。
一具体例では、信号比較装置175は、コンパレータを用いて構成されている。トランジスタ183は、MOSFETである。コンパレータの第1入力端子に、第1信号が入力される。コンパレータの第2入力端子に、第2信号が入力される。コンパレータの出力端子は、可変電圧器184に接続されている。可変電圧器184は、トランジスタ183のゲート電極に接続されている。
この具体例において、第1信号から第2信号を差し引いた差分がゼロよりも大きいとき、コンパレータの出力端子から可変電圧器184に、電圧V1が供給される。可変電圧器184は、電圧V1が供給されると、トランジスタ183のゲート電極に電圧V3を供給する。これにより、トランジスタ183が線形領域で動作する。
この具体例において、第1信号から第2信号を差し引いた差分がゼロ以下であるとき、コンパレータの出力端子から可変電圧器184に、電圧V2が供給される。可変電圧器184は、電圧V2が供給されると、トランジスタ183のゲート電極に電圧V4を供給する。これにより、トランジスタ183が飽和領域で動作する。
電圧V1および電圧V2は、第1制御信号S1である。電圧V3および電圧V4は、第2制御信号S2である。
詳細には、上記の具体例において、電圧V1は電圧V2よりも小さく、電圧V3は電圧V4よりも小さい。
図5の例では、可変電圧器184によって、電圧可変機能付きレギュレータが構成されている。電圧可変機能付きレギュレータは、例えば、リニアレギュレータ(LDO:Low Dropout)である。
[特性変換回路102]
図6の特性変換回路102では、第1装置170Aに代えて、第1装置170Bが採用されている。第1装置170Bは、ソフトウエアを含む。第1装置170Bは、このソフトウエアを用いて第1制御信号S1を生成する。
本実施形態では、第1装置170Bは、制御装置176である。ソフトウエアは、制御装置176に含まれている。この制御装置176が、ソフトウエアを用いて第1制御信号S1を生成する。図6の例では、制御装置176は、マイクロコントロールユニット(MCU)である。
本実施形態では、第1装置170Bは、センサ電圧Vsに基づいて、第1制御信号を生成する。
本実施形態では、センサ電圧Vsが急峻かつ大幅に増加したとき、第1装置170Bは、制御スイッチ182をオフ状態にする第1制御信号S1を制御スイッチ182に供給する。
出力電流が過渡的に高まった過渡状態が解消されると、制御スイッチ182がオン状態に戻る。具体的には、センサ電圧Vsがが過渡的に高まった過渡状態が解消されると、第1装置170Bは、制御スイッチ182をオン状態にする第1制御信号S1を制御スイッチ182に供給する。
図6の例で生成される第1制御信号S1は、図4Aの例で生成される第1制御信号S1と同様である。
[特性変換回路103]
図7の特性変換回路103では、第1装置170Bおよび第2装置180Bが採用されている。
図7の第1装置170Bは、図6の第1装置170Bと同様に動作し、第1制御信号S1を生成する。図7の例で生成される第1制御信号S1は、図6の例で生成される第1制御信号S1と同様である。
図7の例では、第1装置170Bから可変電圧器184に第1制御信号S1が供給される。図7の可変電圧器184は、図5の可変電圧器184と同様に動作し、第1制御信号S1に応じて第2制御信号S2を生成する。図7の例で生成される第2制御信号S2は、図5の例で生成される第2制御信号S2と同様である。
図4Aから図7の例では、電圧電流制御回路160は、電圧電流制御回路160に入力された直流電力のDC−AC変換と、DC−AC変換で得られた交流電力のAC−DC変換と、AC−DC変換で得られた直流電力の平滑化と、をこの順に実行する。電圧電流制御回路160は、平滑化を行うコンデンサを含む。コンデンサによる平滑化は、特性変換回路100の出力が検出されてからその検出結果が特性変換回路100の出力に反映されるまでの遅延時間を大きくし得る。また、電圧電流制御回路160の出力部には、巻線およびコンデンサで構成されたローパスフィルタが設けられている場合がある。そのようなローパスフィルタも、遅延時間を大きくし得る。フィードバック回路110または120を用いて実現されるフィードバック制御ループの位相余裕を確保するために、電圧電流制御回路160の出力部には、位相補償回路が設けられている場合がある。そのような位相補償回路も、遅延時間を大きくし得る。また、フィードバック制御ループ上には、電圧電流制御回路160における電力入力部と電力出力部とが電気的に分離されるように、フォトカプラが設けられている場合がある(例えば、図13参照)。そのようなフォトカプラも、遅延時間を大きくし得る。
一方、図4Aから図7の第1装置および第2装置の組み合わせでは、電流センサ128のセンサ出力が過渡的な上昇を示してから電流制限状態が実施されるまでの遅延時間を生じさせる要素が少ない。このため、上記組み合わせによれば、高速な制御を実行し易い。上記組み合わせは、電圧電流制御回路160に比べて、高速な制御を実行し易い構成を有していると言える。このことは、狙いとするV−I特性グラフおよびV−P特性グラフからの動作点の逸脱を素早く解消する観点から有利である。
図1および図2に戻って、特性変換回路100の出力電力は、LCフィルタ61および保護リレー62を介して、直流電力変換装置20に、具体的には第1DCDCコンバータ21に、供給される。
[蓄電装置25]
上述のように、蓄電装置25には、第4DCDCコンバータ12から電力が供給される。また、蓄電装置25は、第4DCDCコンバータ12に電力を供給する。
蓄電装置25は、例えば、リチウム電池である。ただし、蓄電装置25として、リチウム電池以外の電池を用いてもよい。蓄電装置25として、キャパシタを用いてもよい。
[主分電盤80]
主分電盤80は、連系ブレーカー81と、主幹ブレーカー82と、二次連系ブレーカー83と、第1分岐部85と、を有する。第1分岐部85は、複数の分岐ブレーカーを含む。この例では、第1分岐部85は、分岐ブレーカー85a,85bおよび85cを含む。
主幹ブレーカー82は、上流側電路88により、系統電源200と接続されている。上流側電路88は、主幹ブレーカー82を介して下流側電路89に接続されている。
下流側電路89には、二次連系ブレーカー83が接続されている。二次連系ブレーカー83は、主幹ブレーカー82と第2インバータ44とを接続する経路上に設けられている。二次連系ブレーカー83は、第1分岐部85と電気的に接続されている。
下流側電路89には、第1分岐部85も接続されている。第1分岐部85の分岐ブレーカー85aは、主幹ブレーカー82と電力切替ユニット28の系統電力入力部28aとを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー85bは、主幹ブレーカー82と第2負荷252とを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー85cは、主幹ブレーカー82と第3負荷253とを接続する経路上に設けられている。
上流側電路88には、第3接続点p3がある。連系ブレーカー81は、第3接続点p3と第1インバータ13とを接続する経路上に設けられている。
この例では、系統電源200から第3接続点p3を介して主幹ブレーカー82に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。系統電源200から第3接続点p3および連系ブレーカー81をこの順に介して第1インバータ13に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。第1インバータ13から連系ブレーカー81および第3接続点p3をこの順に介して系統電源200に電圧VAC2の交流電力が逆潮流され得る。第1インバータ13から連系ブレーカー81および第3接続点p3をこの順に介して主幹ブレーカー82に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。二次連系ブレーカー83には、第2インバータ44から電圧VAC2の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー85aから電力切替ユニット28に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー85bから第2負荷252に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー85cから第3負荷253に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。
[電力切替ユニット28]
電力切替ユニット28は、複数の入力部と、電力出力部28cと、を有する。複数の入力部は、系統電力入力部28aおよび自立電力入力部28bを含む。電力切替ユニット28は、複数の入力部のいずれを電力出力部28cに接続するかを切り替える。この例では、電力切替ユニット28は、系統電力入力部28aおよび自立電力入力部28bのいずれを電力出力部28cに接続するかを切り替える。この例では、こうして、電力切替ユニット28は、第1インバータ13と分岐ブレーカー85aとのいずれかを、選択的に、自立分電盤90に、具体的には主幹ブレーカー92に、接続する。
[自立分電盤90]
自立分電盤90は、主幹ブレーカー92と、第2分岐部95を有する。第2分岐部95は、複数の分岐ブレーカーを含む。この例では、第2分岐部95は、分岐ブレーカー95a,95bおよび95cを含む。
主幹ブレーカー92は、上流側電路98により、電力切替ユニット28と接続されている。上流側電路98は、主幹ブレーカー92を介して下流側電路99に接続されている。
下流側電路99には、第2分岐部95が接続されている。第2分岐部95の分岐ブレーカー95aは、主幹ブレーカー92とD1電源55とを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー95bは、主幹ブレーカー92と貯湯ユニット47とを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー95cは、主幹ブレーカー92と第1負荷251とを接続する経路上に設けられている。
この例では、電力切替ユニット28から主幹ブレーカー92を介して下流側電路99に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー95aからD1電源55に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー95bから貯湯ユニット47に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー95cからコンセント260を介して第1負荷251に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。
[系統連系時の電力システム300の動作]
図1に示すように、系統連系時には、MCU51からの解列指令に基づき、保護リレー62が開状態となっている。ここで、開状態は、自身を電流が流れることを禁止する状態を指す。また、電力切替ユニット28では、系統電力入力部28aと電力出力部28cとが接続されている。こうして、電力切替ユニット28は、分岐ブレーカー85aと自立分電盤90とを接続している。
燃料電池41で発電された電力は、第5DCDCコンバータ42を経由して第2DCバス43に供給される。第2DCバス43に供給された電力の一部または全部は、第2インバータ44を経由して二次連系ブレーカー83に供給される。
二次連系ブレーカー83に供給された電力の一部は、分岐ブレーカー85aと電力切替ユニット28とをこの順に経由して、主幹ブレーカー92に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力の一部は、分岐ブレーカー95aを経由して、D1電源55に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力の別の一部は、分岐ブレーカー95bを経由して、貯湯ユニット47に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力のさらに別の一部は、分岐ブレーカー95cとコンセント260とをこの順に経由して、第1負荷251に供給される。
二次連系ブレーカー83に供給された電力の別の一部は、分岐ブレーカー85bを経由して、第2負荷252に供給される。二次連系ブレーカー83に供給された電力のさらに別の一部は、分岐ブレーカー85cを経由して、第3負荷253に供給される。
余剰電力に所定マージンを加えた電力がゼロよりも大きい場合、その電力は、第2DCバス43から第6DCDCコンバータ45を経由してヒーター46に供給される。
直流電力変換装置20は、具体的には第2DCDCコンバータ22は、MPPT制御により、第1太陽光発電システム31から電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。直流電力変換装置20は、具体的には第3DCDCコンバータ23は、MPPT制御により、第2太陽光発電システム32から電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。
蓄電装置25が満充電状態にない場合、第1DCバス11に供給された電力の一部が蓄電装置25に供給され、該電力の残部が第1インバータ13に供給される。蓄電装置25が満充電状態にある場合、第1DCバス11に供給された電力の全部が第1インバータ13に供給される。第1インバータ13に供給された電力は、連系ブレーカー81に供給される。
上記の説明から理解されるように、この例の電力システム300は、第2インバータ44から二次連系ブレーカー83へと供給される電力が、少なくとも上記マージンの分だけ、負荷251〜253、D1電源55および貯湯ユニット47の合計要求負荷に対して不足するように構成されている。この不足分に相当する電力が、連系ブレーカー81から主幹ブレーカー82を経由して下流側電路89へと供給され、第2インバータ44から二次連系ブレーカー83へと供給された電力とともに、第1分岐部85に供給される。連系ブレーカー81に供給された電力の残部は、系統電源200に逆潮流される。
太陽光発電システム31および32での発電が不十分な場合、上記の不足分の電力が、系統電源200から主幹ブレーカー82を経由して下流側電路89へと供給され、第2インバータ44から二次連系ブレーカー83へと供給された電力とともに、第1分岐部85に供給される。また、蓄電装置25が満充電状態でなくかつ太陽光発電システム31および32での発電が蓄電装置25を充電するのに不十分な場合、系統電源200から、第1インバータ13、第1DCバス11および第4DCDCコンバータ12を経由して、蓄電装置25に電力が供給される。
[停電時の電力システム300の動作]
図2に示すように、停電時には、MCU51からの並列指令に基づき、保護リレー62が閉状態となっている。ここで、閉状態は、自身を電流が流れることを許可する状態を指す。また、電力切替ユニット28は、第1インバータ13と自立分電盤90とを接続している。
燃料電池41で発電された電力は、DCDCコンバータ42を経由して第2DCバス43に供給される。第2DCバス43に供給された直流電力の一部または全部は、特性変換回路100に供給される。直流電力変換装置20は、具体的には第1DCDCコンバータ21は、MPPT制御により特性変換回路100から(厳密にはLCフィルタ61を介して)電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。
また、直流電力変換装置20は、系統連系時と同様に、太陽光発電システム31および32から電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。
直流電力変換装置20によって太陽光発電システム31および32ならびに特性変換回路100から取り出された合計電力が第1負荷251、D1電源55および貯湯ユニット47の要求負荷よりも小さい場合、不足分に相当する電力が、蓄電装置25から第4DCDCコンバータ12を経由して第1DCバス11にさらに供給される。取り出された電力が要求負荷よりも大きい場合、過剰分の電力が第4DCDCコンバータ12を介して蓄電装置25に充電され、この充電を行っても過剰分の電力が余る場合は、第2DCバス43の電力の一部が第6DCDCコンバータ45を介してヒーター46に供給される。
このようにして、上記要求負荷に追従させられたあるいは近づけられた電力が、第1DCバス11から第1インバータ13および電力切替ユニット28を経由して主幹ブレーカー92に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力は、系統連系時と同様に、D1電源55、貯湯ユニット47および第1負荷251に供給される。
[電力システム300における機器の接続の仕方による利点]
この例では、電力システム300は、蓄電装置25を備える。太陽光発電システム31および32と、直流電力変換装置20と、蓄電装置25と、はこの順に接続されている。また、燃料電池発電システム40と、特性変換回路100と、直流電力変換装置20と、蓄電装置25と、はこの順に接続されている。このため、太陽光発電システム31および32からのみならず、燃料電池発電システム40からも、蓄電装置25を充電することができる。
この例では、電力システム300は、蓄電装置25と、直流電力を交流電力に変換するインバータ13と、コンセント260と、を備える。太陽光発電システム31および32と、直流電力変換装置20と、インバータ13と、コンセント260と、はこの順に接続されている。燃料電池発電システム40と、特性変換回路100と、直流電力変換装置20と、インバータ13と、コンセント260と、はこの順に接続されている。蓄電装置25と、インバータ13と、コンセント260と、はこの順に接続されている。このため、この例では、太陽光発電システム31および32ならびに蓄電装置25から電力供給されるコンセント260に、燃料電池発電システム40からも電力供給できる。このことは、以下の理由で、停電時に便利である。すなわち、夜、雨天時などには、太陽光発電システム31および32は発電できない。仮にコンセント260に燃料電池発電システム40から電力を供給できないとすると、夜、雨天時などに停電が続く場合において、コンセント260から電力を取り出し可能な期間は蓄電装置25のみに基づく限られたものとなる。これに対し、この例では、コンセント260に燃料電池発電システム40から電力を供給できるため、上記期間を延ばすことができる。夜、雨天時などに停電が続く場合において、別のコンセントへの差し替えなしで1つのコンセントから長時間電力を取り出せることは、ユーザーにとって便利である。
また、この例では、コンセント260に対する上記接続と同様の接続が、貯湯ユニット47にもなされている。このため、夜、雨天時などに停電が続く場合において、貯湯ユニット47へとその動作に必要な電力を長時間供給することができる。
この例では、電力システム300は、蓄電装置25から燃料電池発電システム40に(具体的には、D1電源55に)電力を供給することができるように構成されている。具体的には、コンセント260に対する上記接続と同様の接続が、D1電源55にもなされている。このようにすれば、停電時に燃料電池発電システム40を起動させるための専用電源を省略することができる。専用電源は、典型的には、燃料電池発電システム40の補機に電力を供給するための電源である。
[特性変換回路の具体例]
上記の説明から理解されるように、この例では、特性変換回路100は、DCDCコンバータである電圧電流制御回路160を有する。特性変換回路100の出力電流が所定値未満のときにおいて、電圧電流制御回路160および第1フィードバック回路110は、協働して、特性変換回路100の出力電圧に応じて特性変換回路100の出力電圧を調整することによって特性変換回路100の出力電圧を目標値に追従させる第1フィードバック制御を行う。また、特性変換回路100の出力電流が所定値以上のときにおいて、電圧電流制御回路100および第2フィードバック回路120は、協働して、特性変換回路100の出力電流が大きいほど特性変換回路100の出力電圧を低下させることによって特性変換回路100の出力電力がピークになるときにおける特性変換回路100の出力電圧を所定範囲内の値に調整する第2フィードバック制御を行う。
このような第1および第2フィードバック制御を実現する特性変換回路100は適宜設計可能であるが、以下では、特性変換回路100の具体例である特性変換回路100Xについて、図13を参照しながら説明する。以下では、図4Aから図7を参照して既に説明した要素については、同一符号を付し、その説明を省略することがある。また、図13では、第1装置170Aおよび第2装置180Aの図示を省略している。
特性変換回路100Xでは、LLCコンバータが構成されている。このLLCコンバータは、定電圧源131から流出する電流が大きいほど高い発振周波数が規定され、発振周波数が高いほど特性変換回路100Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が小さくなるように構成されている。
具体的には、特性変換回路100Xは、第1フィードバック回路110と、第2フィードバック回路120と、フィードバック電流供給部130Xと、電流共振制御部140と、電圧電流制御回路160Xと、を有する。電圧電流制御回路160Xが、上記LLCコンバータを構成している。
フィードバック電流供給部130Xは、定電圧源131および第6抵抗132に加え、第1発光ダイオード135を有する。第1発光ダイオード135には、定電圧源131から流出した電流が流れる。
電流共振制御部140は、第7抵抗141と、第1コンデンサ142と、第8抵抗143と、第1フォトトランジスタ145と、制御IC146と、を有する。第7抵抗141と、第1コンデンサ142と、第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145の組み合わせとは、互いに並列に接続されている。第1フォトトランジスタ145は、第1発光ダイオード135と協働して、第1フォトカプラ150を構成している。制御IC146は、定電流源147と、フィードバック端子148と、ハイサイドドライバ出力端子149aと、ローサイドドライバ出力端子149bと、を有する。
電流共振制御部140では、第1コンデンサ142に電荷が充電される期間(以下、充電期間と称することがある)と、第1コンデンサ142から電荷が放電される期間(以下、放電期間と称することがある)とが、交互に訪れる。放電期間と充電期間とは、フィードバック端子148の電圧に基づいて切り替わる。
具体的には、充電期間において、定電流源147からフィードバック端子148を介して第1コンデンサ142に電荷が充電されていく。充電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が上昇していく。フィードバック端子148の電圧が第1の電圧に達すると、放電期間に切り替わる。放電期間においては、定電流源147から第1コンデンサ142への電荷の充電は停止される。放電期間においては、第1コンデンサ142に充電された電荷は、第7抵抗141を介して放電される。放電期間においては、電荷が第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145を介してさらに放電される。放電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が低下していく。フィードバック端子148の電圧が第2の電圧に達すると、充電期間に切り替わる。
第1発光ダイオード135を流れる電流が大きいほど、第1フォトトランジスタ145に大きい電流が流れ、放電期間における第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145を介した電荷の放電が速くなり、放電期間が短くなり、充放電周波数が高くなる。充放電周波数は、上記の発振周波数に対応する。
ある放電期間において、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動信号が出力される。次の放電期間において、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動信号が出力される。次の放電期間において、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動信号が出力される。次の放電期間において、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動信号が出力される。これが繰り返され、ドライバ出力端子149aおよび149bから、互いに逆位相の駆動パルス信号が出力される。これらの駆動パルス信号の周波数は、上記の充放電周波数が高くなるほど高くなる。なお、充電期間は、両ドライバ出力端子149aおよび149bのいずれからも駆動信号が出力されないデッドタイムとなる。
電圧電流制御回路160Xは、第2コンデンサ161と、第1スイッチング素子162aと、第2スイッチング素子162bと、第3コンデンサ163aと、第4コンデンサ163bと、第5コンデンサ164と、トランス165と、第1ダイオード166aと、第2ダイオード166bと、第6コンデンサ167と、を有する。
スイッチング素子162aおよび162bは、直列に接続されることにより、直列回路を構成している。この直列回路には、第2コンデンサ161が並列接続されている。第1スイッチング素子162aには第3コンデンサ163aが並列接続されている。第2スイッチング素子162bには第4コンデンサ163bが並列接続されている。
この例では、スイッチング素子162aおよび162bは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。また、第5コンデンサ164は、共振コンデンサである。
トランス165は、1次側の巻線である第1巻線165aと、2次側の巻線である第2巻線165bおよび第3巻線165cと、を有する。
第1巻線165aの一端には、第1スイッチング素子162aの電流流出端子と、第2スイッチング素子162bの電流流入端子と、が接続されている。第1巻線165aの他端と第2スイッチング素子162bの電流流出端子との間には、第5コンデンサ164が接続されている。なお、この例では、電流流出端子はソース端子である。電流流入端子は、ドレイン端子である。
第2巻線165bの一端には、第1ダイオード166aのアノードが接続されている。第1ダイオード166aのカソードには、第6コンデンサ167の一端と、第2ダイオード166bのカソードと、が接続されている。第2巻線165bの他端には、第6コンデンサ167の他端と、基準電位とが接続されている。
第3巻線165cの一端には、第6コンデンサ167の他端と、基準電位とが接続されている。第3巻線165cの他端には、第2ダイオード166bのアノードが接続されている。
第1スイッチング素子162aの制御端子には、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動パルス信号が供給される。第2スイッチング素子162bの制御端子には、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動パルス信号が供給される。これにより、スイッチング素子162aおよび162bは、互いに逆位相の駆動パルス信号が供給されることによって、交互にオンオフする。なお、この例では、制御端子は、ゲート端子である。
スイッチング素子162aおよび162bに供給される駆動パルス信号の周波数が高いほど、LLC共振に基づき、電圧電流制御回路160Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が小さくなる。
[特性変換回路の別例]
図14に、特性変換回路の別例を示す。以下では、図4Aから図7の例と同様の部分については、説明を省略することがある。
図14に示す特性変換回路190では、図4Aの特性変換回路100のフィードバック電流供給部130に代えて、フィードバック電流供給部195が設けられている。フィードバック電流供給部195は、定電圧源131および第6抵抗132に加え、第9抵抗191を有する。
特性変換回路190では、特性変換回路100と同様、第1シャントレギュレータ115の第1参照電圧端子に入力される電圧が大きいほど、定電圧源131、第6抵抗132、第1シャントレギュレータ115および基準電位をこの順に流れる電流すなわち第1電流が大きくなる。一方、特性変換回路190では、特性変換回路100と異なり、第2シャントレギュレータ125の第2参照電圧端子に入力される電圧が大きいほど、定電圧源131、第9抵抗191、第2シャントレギュレータ125および基準電位をこの順に流れる電流すなわち第2電流が大きくなる。
特性変換回路190の出力電流が小さい領域では、第2電流は実質的にゼロとなり、定電圧源131から流出する電流は、実質的に第1電流である。一方、特性変換回路100の出力電流が大きい領域では、第1電流は実質的にゼロとなり、定電圧源131から流出する電流は、実質的に第2電流である。つまり、特性変換回路190の出力電流が小さい領域では第1フィードバック回路110によって、特性変換回路190の出力電流が大きい領域では第2フィードバック回路120によって、特性変換回路190における特性変換が行われると言える。これらの点で、特性変換回路190は、特性変換回路100と共通している。このため、特性変換回路190では、特性変換回路100と同様に、電圧電流制御回路160の入力電圧に対する出力電圧の比率が調整される。
図14の第1装置170Aを、第1装置170Bに変更してもよい。図14の第2装置180Aを、第2装置180Bに変更してもよい。具体的には、図14の第1装置および第2装置の組み合わせを、図5から図7の同組み合わせに変更してもよい。
図15に、特性変換回路190の具体例である特性変換回路190Xを示す。以下では、図13の例と同様の部分については、説明を省略することがある。また、図15では、第1装置170Aおよび第2装置180Aの図示を省略している。
図15に示す特性変換回路190Xでは、図13の特性変換回路100Xのフィードバック電流供給部130Xに代えて、フィードバック電流供給部195Xが設けられている。また、特性変換回路190Xでは、特性変換回路100Xの電流共振制御部140に代えて、電流共振制御部199が設けられている。
フィードバック電流供給部195Xは、定電圧源131、第6抵抗132および第1発光ダイオード135に加え、第9抵抗191および第2発光ダイオード192を有する。電流共振制御部199は、第7抵抗141、第1コンデンサ142、第8抵抗143、第1フォトトランジスタ145および制御IC146に加え、第10抵抗196および第2フォトトランジスタ197を有する。
第7抵抗141と、第1コンデンサ142と、第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145の組み合わせと、第10抵抗196および第2フォトトランジスタ197の組み合わせとは、互いに並列に接続されている。第2発光ダイオード192および第2フォトトランジスタ197は、協働して、第2フォトカプラ198を構成している。
電流共振制御部199では、電流共振制御部140と同様、第1コンデンサ142に電荷が充電される期間(以下、充電期間と称することがある)と、第1コンデンサ142から電荷が放電される期間(以下、放電期間と称することがある)とが、交互に訪れる。
具体的には、充電期間において、定電流源147からフィードバック端子148を介して第1コンデンサ142に電荷が充電されていく。充電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が上昇していく。フィードバック端子148の電圧が第1の電圧に達すると、放電期間に切り替わる。放電期間においては、定電流源147から第1コンデンサ142への電荷の充電は停止される。放電期間においては、第1コンデンサ142に充電された電荷は、第7抵抗141を介して放電される。放電期間においては、電荷が、第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145を介して、または、第10抵抗196および第2フォトトランジスタ197を介して、さらに放電される。放電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が低下していく。フィードバック端子148の電圧が第2の電圧に達すると、充電期間に切り替わる。
電流共振制御部199における第1コンデンサ142の電荷の充電状態は、電流共振制御部140と同様に変化する。このため、特性変換回路190Xでは、特性変換回路100Xと同様に、電圧電流制御回路160Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が調整される。
改めて断っておくが、図4Aの特性変換回路100の具体例は、図13の特性変換回路100Xには限られない。例えば、定電圧源131から流出する電流が大きいほど小さいデューティ比が規定され、そのデューティ比に基づいて動作するDCDCコンバータを特性変換回路内に構成することもできる。図14の特性変換回路190の具体例についても同様である。
また、図4Aから図7および図13の第1フィードバック回路110および第2フィードバック回路120の構成も必須ではない。
本開示に、その他の種々の変更を適用することもできる。例えば、電力システムにおける太陽光発電システムの数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。電力システムは、太陽光発電システムを有していないくてもよい。直流電力変換装置は、パワーステーションに組み込まれていなくてもよい。電力システムは、蓄電装置、貯湯ユニットなどの図示した一部の要素を有していないくてもよい。また、発電部と負荷の接続経路は、図示したものに限られない。例えば、コンセント260を省略して第1負荷251に電力を供給することも可能である。
本開示は、特性変換回路を開示していると考えることもできる。具体的には、本開示に係る特性変換回路は、電流センサと、電圧電流制御回路と、第1装置と、第2装置と、を含む。電流センサは、特性変換回路の出力電流の検出を行い、検出の結果を表すセンサ出力を出力する。電圧電流制御回路は、DCDCコンバータである。電圧電流制御回路の変圧比は、特性変換回路の出力電圧が所定範囲内の値であるときに特性変換回路の出力電力が最大となるように、センサ出力に応じて変更される。第1装置は、センサ出力を用いて、特性変換回路の出力電流の時間変化に応じた第1制御信号を生成する。第2装置は、第1制御信号に応じて、電圧電流制御回路から出力された電流が抵抗成分を経由する電流制限状態を実現する。
本開示は、特性変換回路と燃料電池発電システムとを備えた直流電力供給システムを開示していると考えることもできる。具体的には、特性変換回路には、燃料電池発電システムから出力された直流電力が入力される。特性変換回路は、電流センサと、電圧電流制御回路と、第1装置と、第2装置と、を含む。電流センサは、特性変換回路の出力電流の検出を行い、検出の結果を表すセンサ出力を出力する。電圧電流制御回路は、DCDCコンバータである。電圧電流制御回路の変圧比は、特性変換回路の出力電圧が所定範囲内の値であるときに特性変換回路の出力電力が最大となるように、センサ出力に応じて変更される。第1装置は、センサ出力を用いて、特性変換回路の出力電流の時間変化に応じた第1制御信号を生成する。第2装置は、第1制御信号に応じて、電圧電流制御回路から出力された電流が抵抗成分を経由する電流制限状態を実現する。