JP2020137304A - 電力システムおよび直流電力供給システム - Google Patents

電力システムおよび直流電力供給システム Download PDF

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健介 村島
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裕則 金野
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真一 灰塚
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Abstract

【課題】太陽光発電システムのMPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置を用いてMPPT制御を実行することにより燃料電池発電システムから直流電力変換装置に大きな電力を取り出し易い電力システムを提供する。【解決手段】特性変換制御は、特性変換回路100の電気出力特性を、参照テーブルデータに追従させる制御である。参照テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧が所定範囲内のある値であるときに出力電力が最大となり、かつ、出力電圧が上記ある値を跨ぐ領域において出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性である。【選択図】図3A

Description

本開示は、電力システムおよび直流電力供給システムに関する。
種々の発電システムが提案されている。発電システムの例として、太陽光発電パネルを用いて発電する太陽光発電システムが挙げられる。発電システムの別の例として、燃料電池を用いて発電する燃料電池発電システムが挙げられる。
発電システムでは、電力変換が行われることがある。特許文献1には、電力変換により、太陽光発電システムおよび燃料電池発電システムの出力電圧を所定電圧に変更することが記載されている。
また、最大電力点追従制御により、太陽光発電システムの電力を取り出すことが知られている。最大電力点追従制御は、MPPT制御とも称される。MPPT制御によれば、太陽光発電システムから取り出される電力が最大化される。具体的には、太陽光発電システムに直流電力変換装置を接続し、直流電力変換装置にMPPT制御を実行させることができる。
特開2017−117673号公報
太陽光発電システムのMPPT制御を実行可能な電力システムを構成する場合、太陽光発電システムのMPPT制御を実行できるように直流電力変換装置が設計される。本開示は、このように設計された直流電力変換装置を用いてMPPT制御を実行することにより燃料電池発電システムから直流電力変換装置に大きな電力を取り出し易い電力システムを提供する。
本開示は、
出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに対して、MPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置と、
燃料電池発電システムであって、該燃料電池発電システムで生成された直流電力は前記直流電力変換装置に供給される燃料電池発電システムと、
前記燃料電池発電システムと前記直流電力変換装置とを接続する経路上に設けられた特性変換回路と、を備え、
特性変換制御を実行する制御部が設けられ、
前記特性変換制御は、前記特性変換回路の電気出力特性を、参照テーブルデータに追従させる制御であり、
前記参照テーブルデータが表す前記電気出力特性は、出力電圧が前記所定範囲内のある値であるときに出力電力が最大となり、かつ、出力電圧が前記ある値を跨ぐ領域において出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性である、
電力システムを提供する。
本開示に係る電力システムによれば、太陽光発電システムのMPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置を用いてMPPT制御を実行することにより、燃料電池発電システムから直流電力変換装置に大きな電力を取り出し易い。
図1は、系統連系時における電力システムのブロック図である。 図2は、停電時における電力システムのブロック図である。 図3Aは、特性変換制御で得られるV−P特性を説明するための図である。 図3Bは、比較形態のV−P特性を説明するための図である。 図4Aは、第1の例を説明するための図である。 図4Bは、第2の例を説明するための図である。 図4Cは、第3の例を説明するための図である。 図4Dは、第1テーブルデータを説明するための図である。 図5は、特性変換回路および制御部の構成例を説明するための図である。 図6は、制御部による制御を説明するためのフローチャートを示す。 図7Aは、特性変換回路および制御部の第1の具体例を説明するための図である。 図7Bは、特性変換回路および制御部の第2の具体例を説明するための図である。 図7Cは、特性変換回路および制御部の第3の具体例を説明するための図である。 図8は、電流センサを説明するための図である。
(本開示の基礎となった知見)
太陽光発電システムのMPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置があるとする。その直流電力変換装置を用いてMPPT制御を実行することにより、燃料電池発電システムから直流電力変換装置に電力を取り出すことを考える。そのような電力の取り出しは、燃料電池発電システムの出力特性を変換することによって実現可能である。本発明者の検討によれば、特性変換回路を用いて、そのような変換を行うことができる。そして、燃料電池発電システムから特性変換回路を介して直流電力変換装置へと電力が供給される電力システムを構成できる。
上記のようにして燃料電池発電システムから直流電力変換装置へと電力を供給する場合、特性変換回路の出力電圧−出力電力特性における動作点は、MPPT制御により調整される。MPPT制御は、動作点を最大電力点に調整する制御として知られている。しかし、MPPT制御が太陽光発電システム用に構成されている場合、そのMPPT制御では特性変換回路の出力電圧−出力電力特性における動作点は最大電力点からずれた点に調整されることがある。このずれは、燃料電池発電システムから直流電力変換装置へと取り出される電力を小さくする。このずれに起因する取り出し電力の減少幅を抑える技術には、採用の価値がある。
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係る電力システムは、
出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに対して、MPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置と、
燃料電池発電システムであって、該燃料電池発電システムで生成された直流電力は前記直流電力変換装置に供給される燃料電池発電システムと、
前記燃料電池発電システムと前記直流電力変換装置とを接続する経路上に設けられた特性変換回路と、を備え、
特性変換制御を実行する制御部が設けられ、
前記特性変換制御は、前記特性変換回路の電気出力特性を、参照テーブルデータに追従させる制御であり、
前記参照テーブルデータが表す前記電気出力特性は、出力電圧が前記所定範囲内のある値であるときに出力電力が最大となり、かつ、出力電圧が前記ある値を跨ぐ領域において出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性である。
第1態様に係る電力システムによれば、太陽光発電システムのMPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置を用いてMPPT制御を実行することにより、燃料電池発電システムから直流電力変換装置に大きな電力を取り出し易い。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る電力システムでは、
前記制御部は、複数のテーブルデータが格納されたメモリを含んでいてもよく、
前記複数のテーブルデータのうちの1つが、前記参照テーブルデータとして選択されてもよい。
第2態様によれば、特性変換制御にバリエーションを持たせることができる。
本開示の第3態様において、例えば、第2態様に係る電力システムでは、
前記複数のテーブルデータは、A個のテーブルデータを含んでいてもよく、
前記A個のテーブルデータが表す前記電気出力特性における出力電力の最大値は、互いに異なっていてもよい。
ここで、Aは、2以上の自然数である。
第3態様によれば、特性変換回路の電気出力特性における出力電力の最大値にバリエーションを持たせることができる。
本開示の第4態様において、例えば、第2態様または第3態様に係る電力システムでは、
前記複数のテーブルデータは、B個のテーブルデータを含んでいてもよく、
前記B個のテーブルデータが表す前記電気出力特性における出力電圧の最大値は、互いに異なっていてもよい。
ここで、Bは、2以上の自然数である。
第4態様によれば、特性変換回路の電気出力特性における出力電圧の最大値にバリエーションを持たせることができる。
本開示の第5態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係る電力システムでは、
前記制御部は、前記特性変換回路の電気出力に基づいて、前記特性変換制御を実行してもよい。
第5態様によれば、特性変換回路の電気出力特性を参照テーブルデータに精度よく追従させ易い。
本開示の第6態様において、例えば、第1から第5態様のいずれか1つに係る電力システムでは、
前記参照テーブルデータが表す前記電気出力特性において、出力電圧が前記ある値よりも小さい領域を第2領域と定義し、出力電圧が前記ある値よりも大きい領域を第1領域と定義したとき、前記第1領域では、前記第2領域に比べ、出力電圧の増加に対する出力電流の減少の比率が大きくてもよい。
第6態様によれば、特性変換回路の電気出力特性を太陽光発電システムの電気出力特性に近づけ易い。
本開示の第7態様において、例えば、第1から第6態様のいずれか1つに係る電力システムでは、
前記特性変換回路は、DCDCコンバータである電圧電流制御回路を含み、
前記特性変換制御において、前記特性変換回路の前記電気出力特性が前記参照テーブルデータに追従するように、前記電圧電流制御回路の変圧比が調整されてもよい。
第7態様の構成は、特性変換制御を実現できる構成の一具体例である。
本開示の第8態様に係る直流電力供給システムは、
燃料電池発電システムと、
前記燃料電池発電システムから出力された直流電力が入力される特性変換回路と、を備え、
特性変換制御を実行する制御部が設けられ、
前記特性変換制御は、前記特性変換回路の電気出力特性を、参照テーブルデータに追従させる制御であり、
前記参照テーブルデータが表す前記電気出力特性は、出力電圧がある値であるときに出力電力が最大となり、かつ、出力電圧が前記ある値を跨ぐ領域において出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性である。
第8態様の直流電力供給システムは、太陽光発電システムのMPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置に接続され得る。第8態様によれば、この接続状態においてMPPT制御が実行されることにより、燃料電池発電システムから直流電力変換装置に大きな電力を取り出し易い。
本明細書では、第1、第2、第3・・・という序数詞を用いることがある。ある要素に序数詞が付されている場合に、より若番の同種類の要素が存在することは必須ではない。例えば、第3接続点という用語は、第3接続点とともに第1接続点および第2接続点が必ず存在することを意として使用されているわけではない。
本明細書では、経路という用語を用いることがある。経路は、複数の線路を有し得るものである。接続点等についても同様である。例えば、単相3線式の経路は、2本の非接地線路と1本の接地線路を有する。単相3線式の経路どうしの接続点は、経路における各線路の接続がなされている箇所を含むある範囲の領域を示す意で使用されていると理解するべきである。
実施形態では、特性変換回路の出力電流、出力電圧および出力電力の組み合わせを、特性変換回路の動作点と称することがある。特性変換回路の出力電力が最大となるときの動作点を、最大電力点と称することがある。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されない。
図1および図2は、本実施の形態に係る電力システム300のブロック図である。具体的には、図1は、系統連系時の電力の流れの例を示している。図2は、停電時の電力の流れの例を示している。これらの図において、実線は、電力が電路を流れていることを表す。点線は、電力が電路を流れていないことを表す。また、VAC1およびVAC2は、交流電圧を表す。交流電圧VAC1の実効値は、交流電圧VAC2の実効値よりも小さい。交流電圧VAC1の実効値は、例えば100Vである。交流電圧VAC2の実効値は、例えば200Vである。この例では、交流電圧VAC1の電路または経路は、単相2線式の2本の電線により実現されている。また、交流電圧VAC2の電路または経路は、単相3線式の3本の電線のうちの2本の非接地線路により実現されている。
電力システム300は、系統電源200と連系する。電力システム300には、系統電源200から電力が供給され得る。また、電力システム300は、系統電源200に電力を逆潮流させ得る。電力システム300は、パワーステーション10と、燃料電池発電システム40と、基板60と、太陽光発電システム31および32と、蓄電装置25と、電力切替ユニット28と、第1分電盤80と、第2分電盤90と、負荷251,252および253と、コンセント260と、を有する。以下では、第1分電盤80を主分電盤80と称することがある。また、第2分電盤90を自立分電盤90と称することがある。
[パワーステーション10]
パワーステーション10は、直流電力変換装置20と、第1DCバス11と、第4DCDCコンバータ12と、第1インバータ13と、を有する。
直流電力変換装置20は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システム対して最大電力点追従制御を実行できるように設計されている。太陽光発電システムは、太陽光発電パネルを用いて発電するシステムである。以下では、最大電力点追従制御を、MPPT制御と称することがある。
直流電力変換装置20には、太陽光発電システム31および32ならびに燃料電池発電システム40から直流電力が入力される。直流電力変換装置20から出力された直流電力は、第1DCバス11に供給される。
具体的には、直流電力変換装置20は、第1DCDCコンバータ21と、第2DCDCコンバータ22と、第3DCDCコンバータ23と、を有する。第1DCDCコンバータ21には、燃料電池発電システム40から直流電力が入力される。第2DCDCコンバータ22には、第1太陽光発電システム31から直流電力が入力される。第3DCDCコンバータ23には、第2太陽光発電システム32から直流電力が入力される。これらのDCDCコンバータ21,22および23から出力された直流電力は、第1DCバス11に供給される。
第4DCDCコンバータ12は、第1DCバス11から入力された直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換する。第4DCDCコンバータ12で変換された直流電力は、蓄電装置25に供給される。また、第4DCDCコンバータ12は、蓄電装置25から入力された電力を、電圧の異なる直流電力に変換し、第1DCバス11に供給する。つまり、第4DCDCコンバータ12は、双方向DCDCコンバータである。第4DCDCコンバータ12は、蓄電装置25の端子電圧が定格範囲となるように動作する。
第1インバータ13は、直流電力を交流電力に変換する。具体的には、第1インバータ13は、第1DCバス11から入力された直流電力を、電圧VAC1または電圧VAC2の交流電力に変換する。第1インバータ13で電圧VAC1の交流電力が得られる場合、その電力は電力切替ユニット28に供給される。第1インバータ13で電圧VAC2の交流電力が得られる場合、その電力は主分電盤80に供給される。
第1インバータ13は、系統電源200から主分電盤80を介して入力された電圧VAC2の交流電力を、直流電力に変換することもできる。こうして得られた直流電力は、第1DCバス11および第4DCDCコンバータ12を介して蓄電装置25に供給される。
[太陽光発電システム31および32]
本実施形態では、電力システム300は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムを少なくとも1つ備える。当該少なくとも1つの太陽光発電システムで生成された直流電力は、直流電力変換装置20に供給される。
具体的に、太陽光発電システム31および32は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに該当する。第1太陽光発電システム31は、少なくとも1つの太陽光発電パネル36を有する。第1太陽光発電システム31は、該少なくとも1つの太陽光発電パネル36を用いて発電する。第2太陽光発電システム32は、少なくとも1つの太陽光発電パネル37を有する。第2太陽光発電システム32は、該少なくとも1つの太陽光発電パネル37を用いて発電する。太陽光発電システム31および32で生成された直流電力は、直流電力変換装置20に供給される。
電力システム300は、太陽光発電システムを有していなくてもよい。また、直流電力変換装置20が有するDCDCコンバータの数は、1つであってもよい。その1つのDCDCコンバータは、燃料電池発電システム40から電力が供給されるDCDCコンバータであってもよい。
[燃料電池発電システム40]
燃料電池発電システム40は、燃料電池41を用いて発電するシステムである。燃料電池発電システム40で生成された直流電力は、直流電力変換装置20に供給され得る。燃料電池発電システム40で生成された交流電力は、主分電盤80に供給され得る。
燃料電池発電システム40は、燃料電池41と、第5DCDCコンバータ42と、第2DCバス43と、第2インバータ44と、第6DCDCコンバータ45と、ヒーター46と、貯湯ユニット47と、マイクロコントロールユニット51と、低圧電源52と、補機用電源55と、を有する。以下では、補機用電源55を、D1電源55と称することがある。マイクロコントロールユニット51を、MCU51と称することがある。
燃料電池41は、直流電力を発電する。具体的には、燃料電池41はスタックを含む。そして、スタックが、酸素および水素から直流電力を生成する。
第5DCDCコンバータ42は、燃料電池41で生成された直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換する。この例では、第5DCDCコンバータ42は、燃料電池41で生成された直流電力を昇圧する。昇圧された直流電力は、第2DCバス43に供給される。
第2インバータ44は、第2DCバス43から入力された直流電力を、電圧VAC2の交流電力に変換する。第2インバータ44で得られた交流電力は、主分電盤80に供給される。
第6DCDCコンバータ45は、第2DCバス43から入力された直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換する。この例では、第6DCDCコンバータ45は、第2DCバス43から入力された直流電力を降圧する。
ヒーター46は、第6DCDCコンバータ45で変換された直流電力を用いて、水を温める。温められた水(以下、湯と称することがある)は、貯湯ユニット47に貯められる。
仮に、燃料電池41の発電電力が第2インバータ44の出力先の要求負荷よりも大きいときに、燃料電池発電システム40が燃料電池41の発電電力の全てを第2インバータ44から出力したとする。その場合、第2インバータ44から出力された電力のうち要求負荷を超える分(以下、余剰電力と称することがある)が系統電源200に逆潮流されてしまう。逆潮流を避けるために、この例では、余剰電力に所定マージンを加えた電力がゼロよりも大きい場合、その電力を、第2DCバス43から第6DCDCコンバータ45を介してヒーター46に供給する。つまり、第6DCDCコンバータ45は、余剰電力用である。また、ヒーター46は、水を温めつつ、逆潮流を防止する。
MCU51は、DCDCコンバータ42および45と、第2インバータ44と、後述の保護リレー62とを制御する。低圧電源52は、MCU51と、保護リレー62と、後述の特性変換回路100とに、制御用の電力を供給する。D1電源55は、ポンプ、ブロワ、弁などの、燃料電池発電システム40の補機を動かすのに用いられる。
[基板60および制御部170]
基板60は、燃料電池発電システム40とパワーステーション10とを接続する経路上に設けられている。基板60には、燃料電池発電システム40から、具体的には第2DCバス43から、直流電力が供給される。基板60は、特性変換回路100と、LCフィルタ61と、保護リレー62と、を有する。
上述の説明から明らかであるように、特性変換回路100は、燃料電池発電システム40と直流電力変換装置20とを接続する経路上、詳細には直流電力の経路上、に設けられている。
電力システム300には、制御部170が設けられている。制御部170は、特性変換制御を実行する。特性変換制御は、特性変換回路100の電気出力特性を、参照テーブルデータに追従させる制御である。制御部170は、ソフトウエアを用いて実現され得る。
制御部170は、基板60に設けられていてもよい。制御部170は、燃料電池発電システム40に設けられていてもよく、具体的にはMCU51であってもよい。制御部170は、電力システム300の他の個所に設けられていてもよい。
直流電力変換装置20は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに対して、MPPT制御を実行できるように設計されている。参照テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧が上記所定範囲内のある値であるときに出力電力が最大となる特性である。つまり、参照テーブルデータが表す出力電圧−出力電力特性は、そのような出力電圧−出力電力特性である。
また、参照テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧が上記ある値を跨ぐ領域において出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性である。つまり、参照テーブルデータが表す出力電圧−出力電流特性は、そのような出力電圧−出力電流特性である。ここで、出力電圧が上記ある値を跨ぐ領域は、出力電圧が上記ある値よりも小さい第1の値から上記ある値よりも大きい第2の値までの領域である。
上記の出力電圧−出力電力特性および出力電圧−出力電流特性の一例を、図3Aに示す。図3Aでは、出力電圧−出力電力特性を、V−P特性と記載している。出力電圧−出力電流特性を、V−I特性と記載している。実線は、V−P特性を表す。点線は、V−I特性を表す。
上述のように、直流電力変換装置20は、太陽光発電システムのMPPT制御を実行できるように設計されている。特性変換制御は、その直流電力変換装置20を用いてMPPT制御を実行することにより燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20に電力を取り出すことを可能にする。
特性変換制御により出力電圧−出力電力特性を適切に調整することにより、特性変換回路100の出力電圧が過度に大きくなることを防止できる。このため、燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20に過電圧が入力され直流電力変換装置20が壊れるのを防止できる。
また、特性変換制御により得られる出力電圧−出力電力特性によれば、特性変換回路100の出力電圧が上記のある値となった時点で、特性変換回路100から直流電力変換装置20に送られる電力の増加が停止される。このため、特性変換回路100から直流電力変換装置20に送られる電力が過度に増加することを防止できる。燃料電池発電システム40から特性変換回路100に送られる電力が過度に増加することも防止できる。このため、燃料電池発電システム40の出力電力の増加に伴って燃料電池発電システム40の出力電流が過度に増加することを防止できる。このため、保護機能が働いて燃料電池41の発電が停止され燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20への電力供給が停止されることを防止できる。
また、特性変換制御により得られる出力電圧−出力電力特性によれば、MPPT制御に基づいて燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20に大きな電力を取り出し易い。以下、この点について、図3Aとともに図3Bを参照しながら説明する。
上述のように、特性変換制御は、特性変換回路100の出力電圧が上記所定範囲内のある値であるときに特性変換回路100の出力電力が最大となる出力電圧−出力電力特性をもたらす。さらに、特性変換制御は、特性変換回路100の出力電圧が上記ある値を跨ぐ領域において特性変換回路100の出力電圧が大きくなるほど特性変換回路100の出力電流が小さくなる出力電圧−出力電流特性をもたらす。この出力電圧−出力電流特性により、特性変換回路100の出力電圧−出力電力特性のグラフは、出力電圧が上記ある値を跨ぐ領域において、出力電圧に対して出力電流が上に凸の曲線状となり得る。典型例では、特性変換回路100の出力電圧−出力電力特性のグラフは、出力電圧が上記ある値のときに出力電力が最大となる単一ピークのグラフである。
仮に、参照テーブルデータが表す出力電圧−出力電力特性のグラフが、図3Bに示すような出力電圧に対して出力電流が上に凸の直線状であり、この出力電圧−出力電力特性に実際の特性変換回路100の出力電圧−出力電力特性が追従したとする。この場合において、MPPT制御を実行したものの、動作点が最大電力点からずれた点に調整されたとする。具体的には、特性変換回路100の出力電圧が、最大電力点の出力電圧Vtargetからずれた電圧Vrealに調整されたとする。この場合、特性変換回路100の出力電力は、動作点が最大電力点に調整された場合に比べ、減少する。図3Bでは、この減少幅を、ΔPBと記載する。
図3Aの例においても、特性変換回路100の出力電圧が最大電力点の出力電圧Vtargetからずれた電圧Vrealに調整されると、特性変換回路100の出力電力は、動作点が最大電力点に調整された場合に比べ、減少する。図3Aでは、この減少幅を、ΔPAと記載する。
上述のように、参照テーブルデータが表す(つまり、特性変換回路100が追従するべき)出力電圧−出力電力特性のグラフが直線状である場合も曲線状である場合も、動作点が最大電力点からずれると、特性変換回路100の出力電力は減少する。しかし、その減少幅は異なる。具体的には、図3Aの場合の減少幅ΔPAは、図3Bの減少幅ΔPBよりも小さい。このように、出力電圧−出力電力特性のグラフが上に凸の曲線状であることは、上記のずれに起因する出力電力の減少幅を抑え、燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20へと取り出される電力の減少幅を抑える観点から有利である。
現実のMPPT制御には、山登り法の他、取り出し電圧を予め定められた電圧に制御するものもあり、そのような制御では動作点を最大電力点に高い精度で一致させることは必ずしも容易ではない。山登り法でも、制御の分解能によっては安定的に最大電力を取り出せない場合もあり得る。このため、出力電圧−出力電力特性のグラフが上に凸の曲線状であることは、MPPT制御の方式および分解能に起因する出力電力の減少幅を抑えることができる点で、現実にメリットがある。
また、ユーザーが、ある業者から制御部170を購入し、別の業者からMPPT制御を行う直流電力変換装置20を購入することもあり得る。その場合、制御部170は、制御部170の設計者からみて不明な性能を有する直流電力変換装置20とともに動作することになる。この場合は、特性変換制御とMPPT制御とが完全には適合していないことが原因で、動作点が最大電力点からずれた点に調整されることがあり得る。このことからも、出力電圧−出力電力特性のグラフが上に凸の曲線状であることは、現実にメリットがあると言える。また、出力電圧−出力電力特性のグラフが凸の曲線状であることは、制御部170のコンパティビリティを高め、採用可能な直流電力変換装置20の制約を小さくするとも言える。
図3Aに示すように、参照テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧が0よりも大きく上記ある値よりも小さい領域において、出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性であってもよい。また、参照テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧が上記ある値よりも大きく開放電圧よりも小さい領域において、出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性であってもよい。ここで、開放電圧は、出力電流がゼロであるときの出力電圧である。
上記ある値よりも小さい値を第1の値と定義する。上記ある値よりも大きい値を第2の値と定義する。このとき、図3Aの例では、参照テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧が第1の値よりも大きく上記ある値よりも小さい領域と出力電圧が上記ある値よりも大きく第2の値よりも小さい領域の両方において、出力電圧が大きくなるほど出力電流が線形的に小さくなる特性である。つまり、参照テーブルデータが表す電気出力特性は、上記の両方の領域において、出力電圧に対して出力電流が一次関数の形態で小さくなる特性である。これにより、参照テーブルデータが表す電気出力特性は、上記の両方の領域において、出力電力が出力電圧に対して二次関数の形態で変化する特性となり得る。
具体的には、図3Aの例では、参照テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧が0よりも大きく上記ある値よりも小さい領域と出力電圧が上記ある値から開放電圧の値までの領域の両方において、出力電圧が大きくなるほど出力電流が線形的に小さくなる特性である。つまり、参照テーブルデータが表す電気出力特性は、上記の両方の領域において、出力電圧に対して出力電流が一次関数の形態で小さくなる特性である。これにより、参照テーブルデータが表す電気出力特性は、上記の両方の領域において、出力電力が出力電圧に対して二次関数の形態で変化する特性となり得る。
出力電圧−出力電力特性のグラフにおいて、電圧がゼロかつ電力がゼロである点を原点と定義する。出力電圧−出力電力特性のグラフにおいて、最大電力点は、電圧が上記ある値であり電力が最大である点と言える。出力電圧−出力電力特性のグラフにおいて、電圧が開放電圧であり電力がゼロである点を、開放電圧点と定義する。出力電圧−出力電力特性のグラフにおいて、原点と最大電力点とを結ぶ直線を第1直線と定義する。出力電圧−出力電力特性のグラフにおいて、最大電力点と開放電圧点とを結ぶ直線を第2直線と定義する。このとき、図3Aの例では、出力電圧−出力電力特性のグラフにおける出力電圧が第1の値よりも大きく上記ある値よりも小さい領域が、第1直線よりも高電力側にある。出力電圧−出力電力特性のグラフにおける出力電圧が上記ある値よりも大きく第2の値よりも小さい領域の両方が、第2直線よりも高電力側にある。
具体的には、図3Aの例では、出力電圧−出力電力特性のグラフにおける出力電圧が0よりも大きく上記ある値よりも小さい領域が、第1直線よりも高電力側にある。出力電圧−出力電力特性のグラフにおける出力電圧が上記ある値から開放電圧までの領域の両方が、第2直線よりも高電力側にある。
この例では、上記の所定範囲は、太陽光発電システム31または32の出力電力がピークになるときにおける太陽光発電システム31または32の出力電圧の±20V以内の範囲である実機基準範囲を含む。そして、特性変換制御は、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧を実機基準範囲内の値に調整する。電力システム300で用いられる太陽光発電システム31または32が分かっている場合、その太陽光発電システムに対するMPPT制御を実施できるように電力システム300を設計することができる。つまり、実機基準範囲を含むように、上記の所定範囲を設定できる。さらに、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧が実機基準範囲内の値に調整されるように、特性変換制御を構成できる。この例の電力システム300は、設計のし易さの観点から有利である。
本実施形態では、制御部170は、特性変換回路100の電気出力に基づいて、特性変換制御を実行する。このようにすれば、特性変換制御の精度を高め易い。具体的には、電気出力は、特性変換回路100の出力電圧および出力電流である。
参照テーブルデータが表す電気出力特性において、出力電圧がある値よりも小さい領域を第2領域と定義し、出力電圧がある値よりも大きい領域を第1領域と定義する。このとき、図3Aの例では、第1領域では、第2領域に比べ、出力電圧の増加に対する出力電流の減少の比率が大きい。このようにすれば、特性変換回路100の出力特性を太陽光発電システムの出力特性に近づけ易い。
本実施形態では、直流電力変換装置20は、第1DCDCコンバータ21、第2DCDCコンバータ22および第3DCDCコンバータ23を有する。第1DCDCコンバータ21は、MPPT制御によって、特性変換回路100の出力電圧を変化させる。第2DCDCコンバータ22は、MPPT制御によって、第1太陽光発電システム31の出力電圧を変化させる。第3DCDCコンバータ23は、MPPT制御によって、第2太陽光発電システム32の出力電圧を変化させる。このように、この例では、太陽光発電システム31および32ならびに特性変換回路100を個別にMPPT制御するマルチストリング型の直流電力変換装置20が実現されている。ただし、直流電力変換装置は、これらを一括してMPPT制御する集中型のものであってもよい。
[参照テーブルデータの例]
本実施形態では、制御部170は、複数のテーブルデータが格納されたメモリを含む。複数のテーブルデータのうちの1つが、参照テーブルデータとして選択される。このようにすれば、特性変換制御にバリエーションを持たせることができる。例えば、燃料電池発電システム40および/または直流電力変換装置20等の機器の仕様に応じて、複数のテーブルデータから参照テーブルデータを手動で選択できる。この選択は、電力システム300の施工者、電力システム300のユーザー等によって行われ得る。
第1の例では、複数のテーブルデータは、A個のテーブルデータを含む。A個のテーブルデータが表す特性変換回路100の電気出力特性における出力電力の最大値は、互いに異なる。ここで、Aは、2以上の自然数である。第1の例によれば、特性変換回路100の電気出力特性における出力電力の最大値にバリエーションを持たせることができる。具体的には、第1の例によれば、採用可能な直流電力変換装置20がその受電可能電力により制約され難い。燃料電池発電システム40の最大出力電力が何らかの原因で低下した場合に、特性変換回路100から出力される最大電力を低下させることによって、該最大電力を燃料電池発電システム40が供給可能な範囲内に収めることができる。また、出力可能電力が異なる多様な特性変換回路100に(あるいは、出力可能電力が異なる多様な基板60に)制御部170を流用できる。図4Aに、A個のテーブルデータが表す複数のV−P特性の例を示す。
A個のテーブルデータが表す特性変換回路100の電気出力特性における出力電力の最大値は、最大電力点における出力電力である。
第2の例では、複数のテーブルデータは、B個のテーブルデータを含む。B個のテーブルデータが表す特性変換回路100の電気出力特性における出力電圧の最大値は、互いに異なる。ここで、Bは、2以上の自然数である。第2の例によれば、特性変換回路100の電気出力特性における出力電圧の最大値にバリエーションを持たせることができる。具体的には、第2の例によれば、採用可能な直流電力変換装置20がその受電可能電圧により制約され難い。図4Bに、B個のテーブルデータが表す複数のV−P特性の例を示す。
B個のテーブルデータが表す特性変換回路100の電気出力特性における出力電圧の最大値は、特性変換回路100の出力電流がゼロであるときの特性変換回路100の出力電圧すなわち開放電圧である。
第3の例では、複数のテーブルデータは、C個のテーブルデータを含む。複数のテーブルデータが表す特性変換回路100の電気出力特性における最大電力点における出力電圧は、互いに異なる。ここで、Cは、2以上の自然数である。最大電力点における出力電圧は、上記ある値に対応する。直流電力変換装置20により行われるMPPT制御の態様によっては、第3の例が有利なことがある。具体的には、直流電力変換装置20に入力される総電力が最大となるように、直流電力変換装置20に電力を供給する複数の発電システムの出力電圧を一括して制御する態様のMPPT制御が採用されることはあり得る。図1および2の例で言うと、太陽光発電システム31および32ならびに特性変換回路100から直流電力変換装置20に入力される総電力が最大となるように、これらの出力電圧を一括して制御する態様のMPPT制御が採用されることはあり得る。その場合、上記総電力は最大化されているものの、特性変換回路100が最大電力点とは相違する動作点で動作し、特性変換回路100の出力電力は最大化されていない事態が生じ得る。この点、第3の例によれば、上記相違が小さくなるように、C個のテーブルデータから参照テーブルデータを選択できる。これにより、上記総電力を大きくすることができる。図4Cに、C個のテーブルデータが表す複数のV−P特性の例を示す。
A個のテーブルデータと、B個のテーブルデータと、C個のテーブルデータとが、互いに重複する1または複数のテーブルデータを有していてもよい。
また、制御部170は、第1テーブルデータを参照テーブルデータとして設定できるように構成されていてもよい。第1テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧がその最大値の半分(すなわち、開放電圧の半分)よりも小さくかつ出力電力が最大値の75%以上である領域を有する特性である。このようにすることは、特性変換回路100の出力電圧が小さいときに出力電力が大きい出力電圧−出力電流特性を実現するのに適している。例えば、MPPT制御が上述の一括して出力電圧を制御する態様のものである場合、第1テーブルデータが上記総電力を大きくするのに好都合であることはあり得る。図4Dに、第1テーブルデータが表すV−P特性の例を示す。図4Dにおいて、ハッチングは、出力電圧がその最大値の半分よりも小さくかつ出力電力が最大値の75%以上である領域に付されている。第3の例におけるC個のテーブルデータの一部または全部を、第1テーブルデータに該当するテーブルデータとすることも可能である。
以上の説明から理解されるように、参照テーブルデータとして選択され得るテーブルデータの自由度は高い。特性変換制御によれば、そのような自由度の高いテーブルデータに特性変換回路100の電気出力特性を追従させ得る。このため、特性変換制御には、得られる電気出力特性の自由度が高いというメリットがある。このメリットは、燃料電池発電システム40および/または直流電力変換装置20等の採用可能な機器の制約を小さくし得る。
[特性変換回路100および制御部170の構成例]
図5に、特性変換回路100および制御部170の構成例を示す。なお、図5では、LCフィルタ61および保護リレー62の図示を省略している。
この例では、特性変換回路100および制御部170を用いたフィードバック制御ループが構成されている。このフィードバック制御ループでは、特性変換回路100の出力電流および出力電圧がその後の特性変換回路100の出力電流および出力電圧に反映される。
図5に示す特性変換回路100は、電圧電流制御回路160と、電流センサ128と、を有する。電圧電流制御回路160は、DCDCコンバータである。図5の例では、特性変換制御において、特性変換回路100の電気出力特性が参照テーブルデータに追従するように、電圧電流制御回路160の変圧比が調整される。
電流センサ128は、特性変換回路100の出力電流を検出する。具体的には、電流センサ128は、電圧電流制御回路160の出力電流を検出する。この検出に基づいた、出力電流を表す値が、制御部170に与えられる。
また、特性変換回路100の出力電圧を表す値が、制御部170に与えられる。具体的には、電圧電流制御回路160の出力電圧を表す値が、制御部170に与えられる。
図5に示す制御部170は、電圧値取得部171と、電流値取得部172と、メモリ173と、比較部174と、補正信号生成部175と、駆動部176と、を含む。
以下、図5に示す制御部170の構成要素の動作を、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1において、電圧値取得部171は、特性変換回路100の出力電圧を表す電圧値Vvalを取得する。
ステップS2において、電流値取得部172は、特性変換回路100の出力電流を表す電流値Ivalを取得する。
ステップS3において、制御部170は、メモリ173から参照テーブルデータを読み出す。この例の参照テーブルデータは、特性変換回路100の出力電圧と出力電流とが一対一に対応付けられたデータである。
ステップS4において、比較部174は、電圧値Vvalおよび電流値Ivalと、参照テーブルデータと、を比較する。具体的には、比較部174は、参照テーブルデータから、特性変換回路100の出力電流が電流値Ivalであるときにその出力電流に対応する出力電圧を特定する。そして、比較部174は、当該対応する出力電圧と電圧値Vvalの差分ΔVを演算する。
ステップS5において、補正信号生成部175は、差分ΔVに基づいて、補正信号を生成する。この例では、補正信号は、電圧信号である。
ステップS6において、駆動部176は、補正信号に基づいて、電圧電流制御回路160を駆動する。具体的には、駆動部176は、補正信号に基づいた変圧比で電圧電流制御回路160がDC−DC変換を行うように、電圧電流制御回路160を駆動する。
[特性変換回路100および制御部170の第1の具体例]
以下、図7Aを参照しながら、特性変換回路100および制御部170の第1の具体例である特性変換回路100Xおよび制御部170Aについて説明する。以下では、既に説明した要素については、同一符号を付し、その説明を省略することがある。また、以下では、電圧電流制御回路160Xという表記を用いることがある。電圧電流制御回路160Xは、電圧電流制御回路160の一具体例である。これらの点は、後述の第2の具体例および第3の具体例についても同様である。
この具体例では、電流センサ128は、特性変換回路100の出力電流を検出し、その検出の結果を表すセンサ電圧Vsを出力する。電流センサ128は、特性変換回路100の出力電流が大きくなるほどセンサ電圧Vsを大きく出力する。つまり、センサ電圧Vsは、特性変換回路100の出力電流が大きくなるほど大きくなる。そのような電流センサ128は、例えば、シャント抵抗を用いて実現できる。電流センサ128が出力したセンサ電圧Vsは、制御部170Aによる制御に反映される。
図8に、具体例に係る電流センサ128を示す。電流センサ128は、シャント抵抗128rと、電流センスアンプ128sと、を含む。シャント抵抗128rの抵抗値は、Rsenseである。シャント抵抗128rに電流Iloadが流れると、シャント抵抗128rに電圧Rsenseloadがかかる。電流センスアンプ128sは、電圧RsenseloadにゲインGを乗じた電圧と、バイアス電圧Vbiasと、の合計電圧を、センサ電圧Vsとして出力する。つまり、本実施形態の電流センサ128が生成するセンサ電圧Vsは、数式1で与えられる。ただし、電流センサ128としてホール素子方式の電流センサ等の他の電流センサを用い、その電流センサの出力をセンサ電圧Vsとして用いてもよい。なお、電流Iloadは、特性変換回路100の出力電流に対応する。「*」は、乗算を表す記号である。
数式1:Vs=Rsense*Iload*G+Vbias
図7Aの具体例では、特性変換回路100Xは、第3抵抗191および第4抵抗194と、発光ダイオード192と、フォトトランジスタ195と、定電圧源193と、を有する。発光ダイオード192およびフォトトランジスタ195は、フォトカプラ196を構成している。
電流センサ128と、第3抵抗191と、発光ダイオード192と、基準電位とが、この順に接続されている。定電圧源193と、第4抵抗194と、フォトトランジスタ195と、基準電位とが、この順に接続されている。
この具体例では、センサ電圧Vsに応じた電流が、第3抵抗191、発光ダイオード192および基準電位にこの順に流れる。フォトカプラ196の働きにより、この電流に応じた電流が、定電圧源193、第4抵抗194、フォトトランジスタ195および基準電位にこの順に流れる。この電流に応じた電圧が、第4抵抗194およびフォトトランジスタ195の接続点p2に現れ、電流値取得部172に入力される。電流値取得部172は、入力された電圧に基づいた、電流値Ivalを得る。
また、この具体例では、特性変換回路100Xは、第1抵抗181および第2抵抗184と、発光ダイオード182と、フォトトランジスタ185と、定電圧源183と、を有する。発光ダイオード182およびフォトトランジスタ185は、フォトカプラ186を構成している。
特性変換回路100Xの出力電圧Voutが現れる部分と、第1抵抗181と、発光ダイオード182と、基準電位とが、この順に接続されている。定電圧源183と、第2抵抗184と、フォトトランジスタ185と、基準電位とが、この順に接続されている。
この具体例では、出力電圧Voutに応じた電流が、第1抵抗181、発光ダイオード182および基準電位にこの順に流れる。フォトカプラ186の働きにより、この電流に応じた電流が、定電圧源183、第2抵抗184、フォトトランジスタ185および基準電位にこの順に流れる。この電流に応じた電圧が、第2抵抗184およびフォトトランジスタ185の接続点p1に現れ、電圧値取得部171に入力される。電圧値取得部171は、入力された電圧に基づいた、電圧値Vvalを得る。
この具体例では、制御部170Aは、基板60に設けられている。制御部170Aでは、図5を参照して説明したように、電圧値Vvalおよび電流値Ivalに基づいて、補正信号が生成される。
駆動部176は、ハイサイドドライバ出力端子149aおよびローサイドドライバ出力端子149bを有する。これらの端子149aおよび149bから電圧電流制御回路160Xに、補正信号に基づいた駆動パルス信号が供給される。こうして、電圧電流制御回路160Xが駆動される。
電圧電流制御回路160Xは、LLCコンバータを構成している。以下、電圧電流制御回路160Xについて説明する。
電圧電流制御回路160Xは、第2コンデンサ161と、第1スイッチング素子162aと、第2スイッチング素子162bと、第3コンデンサ163aと、第4コンデンサ163bと、第5コンデンサ164と、トランス165と、第1ダイオード166aと、第2ダイオード166bと、第6コンデンサ167と、を有する。
スイッチング素子162aおよび162bは、直列に接続されることにより、直列回路を構成している。この直列回路には、第2コンデンサ161が並列接続されている。第1スイッチング素子162aには第3コンデンサ163aが並列接続されている。第2スイッチング素子162bには第4コンデンサ163bが並列接続されている。
この例では、スイッチング素子162aおよび162bは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。また、第5コンデンサ164は、共振コンデンサである。
トランス165は、1次側の巻線である第1巻線165aと、2次側の巻線である第2巻線165bおよび第3巻線165cと、を有する。
第1巻線165aの一端には、第1スイッチング素子162aの電流流出端子と、第2スイッチング素子162bの電流流入端子と、が接続されている。第1巻線165aの他端と第2スイッチング素子162bの電流流出端子との間には、第5コンデンサ164が接続されている。なお、この例では、電流流出端子はソース端子である。電流流入端子は、ドレイン端子である。
第2巻線165bの一端には、第1ダイオード166aのアノードが接続されている。第1ダイオード166aのカソードには、第6コンデンサ167の一端と、第2ダイオード166bのカソードと、が接続されている。第2巻線165bの他端には、第6コンデンサ167の他端と、基準電位とが接続されている。
第3巻線165cの一端には、第6コンデンサ167の他端と、基準電位とが接続されている。第3巻線165cの他端には、第2ダイオード166bのアノードが接続されている。
第1スイッチング素子162aの制御端子には、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動パルス信号が供給される。第2スイッチング素子162bの制御端子には、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動パルス信号が供給される。これにより、スイッチング素子162aおよび162bは、互いに逆位相の駆動パルス信号が供給されることによって、交互にオンオフする。なお、この例では、制御端子は、ゲート端子である。
スイッチング素子162aおよび162bに供給される駆動パルス信号の周波数が高いほど、LLC共振に基づき、電圧電流制御回路160Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が小さくなる。駆動パルス信号の周波数は、補正信号に基づいて定められる。
[特性変換回路100および制御部170の第2の具体例]
以下、図7Bを参照しながら、特性変換回路100および制御部170の第2の具体例である特性変換回路100Yおよび制御部170Bについて説明する。
第2の具体例では、第1の具体例と同様、制御部170Bは、基板60に設けられている。一方、第2の具体例では、第1の具体例とは異なり、制御部170Bではなく特性変換回路100Yに駆動部が設けられている。
特性変換回路100Yは、分圧回路110と、駆動部179と、を有する。駆動部179は、フィードバック電流供給部130Xと、電流共振制御部140と、を有する。
分圧回路110は、第5抵抗111と、第6抵抗112と、を有する。
分圧回路110では、第5抵抗111および第6抵抗112により、特性変換回路100の出力電圧Voutが分圧される。この分圧電圧が、抵抗111および112の接続点p3に現れ、電圧値取得部171に入力される。電圧値取得部171は、入力された電圧に基づいた、電圧値Vvalを得る。
一方、センサ電圧Vsは、電流値取得部172に入力される。電流値取得部172は、入力された電圧に基づいた、電流値Ivalを得る。
制御部170Bでは、図5を参照して説明したように、電圧値Vvalおよび電流値Ivalに基づいて、補正信号が生成される。補正信号は、電圧信号である。
フィードバック電流供給部130Xの動作は、補正信号によって規定される。具体的には、フィードバック電流供給部130Xは、定電圧源131と、第7抵抗132と、第1発光ダイオード135と、を有する。第1発光ダイオード135には、定電圧源131から流出した電流が流れる。具体的に、補正信号生成部175から出力された補正信号の電圧により、定電圧源131から流出する電流が規定される。特性変換回路100Yは、この電流が大きいほど高い発振周波数が規定され、発振周波数が高いほど、電圧電流制御回路160Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が小さくなり、特性変換回路100Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が小さくなるように構成されている。
電流共振制御部140は、第8抵抗141と、第1コンデンサ142と、第9抵抗143と、第1フォトトランジスタ145と、制御IC146と、を有する。第8抵抗141と、第1コンデンサ142と、第9抵抗143および第1フォトトランジスタ145の組み合わせとは、互いに並列に接続されている。第1フォトトランジスタ145は、第1発光ダイオード135と協働して、フォトカプラ150を構成している。制御IC146は、定電流源147と、フィードバック端子148と、ハイサイドドライバ出力端子149aと、ローサイドドライバ出力端子149bと、を有する。
電流共振制御部140では、第1コンデンサ142に電荷が充電される期間(以下、充電期間と称することがある)と、第1コンデンサ142から電荷が放電される期間(以下、放電期間と称することがある)とが、交互に訪れる。放電期間と充電期間とは、フィードバック端子148の電圧に基づいて切り替わる。
具体的には、充電期間において、定電流源147からフィードバック端子148を介して第1コンデンサ142に電荷が充電されていく。充電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が上昇していく。フィードバック端子148の電圧が第1の電圧に達すると、放電期間に切り替わる。放電期間においては、定電流源147から第1コンデンサ142への電荷の充電は停止される。放電期間においては、第1コンデンサ142に充電された電荷は、第8抵抗141を介して放電される。放電期間においては、電荷が第9抵抗143および第1フォトトランジスタ145を介してさらに放電される。放電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が低下していく。フィードバック端子148の電圧が第2の電圧に達すると、充電期間に切り替わる。
第1発光ダイオード135を流れる電流が大きいほど、第1フォトトランジスタ145に大きい電流が流れ、放電期間における第9抵抗143および第1フォトトランジスタ145を介した電荷の放電が速くなり、放電期間が短くなり、充放電周波数が高くなる。充放電周波数は、上記の発振周波数に対応する。
ある放電期間において、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動信号が出力される。次の放電期間において、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動信号が出力される。次の放電期間において、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動信号が出力される。次の放電期間において、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動信号が出力される。これが繰り返され、ドライバ出力端子149aおよび149bから、互いに逆位相の駆動パルス信号が出力される。これらの駆動パルス信号の周波数は、上記の充放電周波数が高くなるほど高くなる。なお、充電期間は、両ドライバ出力端子149aおよび149bのいずれからも駆動信号が出力されないデッドタイムとなる。
いる。
第2の具体例でも、第1の具体例と同様、第1スイッチング素子162aの制御端子には、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動パルス信号が供給される。第2スイッチング素子162bの制御端子には、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動パルス信号が供給される。これにより、スイッチング素子162aおよび162bは、互いに逆位相の駆動パルス信号が供給されることによって、交互にオンオフする。この例では、制御端子は、ゲート端子である。
第2の具体例では、第1の具体例と同様、スイッチング素子162aおよび162bに供給される駆動パルス信号の周波数が高いほど、LLC共振に基づき、電圧電流制御回路160Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が小さくなる。駆動パルス信号の周波数は、補正信号に基づいて定められる。
第2の具体例では、定電圧源131から流出する電流が大きいほど、電圧電流制御回路160の入力電圧に対する出力電圧の比率が小さくなる。その電流は、電圧信号である補正信号により規定される。要するに、制御部170Bは、定電圧源131から適度な電流が流出し電圧電流制御回路160Xの変圧比が適切に設定されるように、補正信号を生成する。
[特性変換回路100および制御部170の第3の具体例]
以下、図7Cを参照しながら、特性変換回路100および制御部170の第3の具体例である特性変換回路100Zおよび制御部170Bについて説明する。
第3の具体例では、第1の具体例と同様、特性変換回路100Zは、第3抵抗191および第4抵抗194と、発光ダイオード192と、フォトトランジスタ195と、定電圧源193と、を有する。発光ダイオード192およびフォトトランジスタ195は、フォトカプラ196を構成している。第3の具体例では、第1の具体例と同様にして、電流値取得部172は、電流値Ivalを得る。
また、第3の具体例では、第1の具体例と同様、第1抵抗181および第2抵抗184と、発光ダイオード182と、フォトトランジスタ185と、定電圧源183と、を有する。発光ダイオード182およびフォトトランジスタ185は、フォトカプラ186を構成している。第3の具体例では、第1の具体例と同様にして、電圧値取得部171は、電圧値Vvalを得る。
第3の具体例では、第2の具体例と同様にして、制御部170Bでは、電圧値Vvalおよび電流値Ivalに基づいて、補正信号が生成される。補正信号は、電圧信号である。
第3の具体例では、第2の具体例と同様にして、駆動部179は、補正信号に基づいて、電圧電流制御回路160Xを駆動させる。
第3の具体例では、制御部170Bは、燃料電池発電システム40に設けられている。燃料電池発電システム40と基板60との間を延びるハーネスによって、制御部170Bと特性変換回路100Zとが接続されている。制御部170Bは、MCU51であってもよい。
図1および図2に戻って、特性変換回路100の出力電力は、LCフィルタ61および保護リレー62を介して、直流電力変換装置20に、具体的には第1DCDCコンバータ21に、供給される。
[蓄電装置25]
上述のように、蓄電装置25には、第4DCDCコンバータ12から電力が供給される。また、蓄電装置25は、第4DCDCコンバータ12に電力を供給する。
蓄電装置25は、例えば、リチウム電池である。ただし、蓄電装置25として、リチウム電池以外の電池を用いてもよい。蓄電装置25として、キャパシタを用いてもよい。
[主分電盤80]
主分電盤80は、連系ブレーカー81と、主幹ブレーカー82と、二次連系ブレーカー83と、第1分岐部85と、を有する。第1分岐部85は、複数の分岐ブレーカーを含む。この例では、第1分岐部85は、分岐ブレーカー85a,85bおよび85cを含む。
主幹ブレーカー82は、上流側電路88により、系統電源200と接続されている。上流側電路88は、主幹ブレーカー82を介して下流側電路89に接続されている。
下流側電路89には、二次連系ブレーカー83が接続されている。二次連系ブレーカー83は、主幹ブレーカー82と第2インバータ44とを接続する経路上に設けられている。二次連系ブレーカー83は、第1分岐部85と電気的に接続されている。
下流側電路89には、第1分岐部85も接続されている。第1分岐部85の分岐ブレーカー85aは、主幹ブレーカー82と電力切替ユニット28の系統電力入力部28aとを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー85bは、主幹ブレーカー82と第2負荷252とを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー85cは、主幹ブレーカー82と第3負荷253とを接続する経路上に設けられている。
上流側電路88には、第4接続点p4がある。連系ブレーカー81は、第4接続点p4と第1インバータ13とを接続する経路上に設けられている。
この例では、系統電源200から第4接続点p4を介して主幹ブレーカー82に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。系統電源200から第4接続点p4および連系ブレーカー81をこの順に介して第1インバータ13に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。第1インバータ13から連系ブレーカー81および第4接続点p4をこの順に介して系統電源200に電圧VAC2の交流電力が逆潮流され得る。第1インバータ13から連系ブレーカー81および第4接続点p4をこの順に介して主幹ブレーカー82に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。二次連系ブレーカー83には、第2インバータ44から電圧VAC2の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー85aから電力切替ユニット28に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー85bから第2負荷252に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー85cから第3負荷253に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。
[電力切替ユニット28]
電力切替ユニット28は、複数の入力部と、電力出力部28cと、を有する。複数の入力部は、系統電力入力部28aおよび自立電力入力部28bを含む。電力切替ユニット28は、複数の入力部のいずれを電力出力部28cに接続するかを切り替える。この例では、電力切替ユニット28は、系統電力入力部28aおよび自立電力入力部28bのいずれを電力出力部28cに接続するかを切り替える。この例では、こうして、電力切替ユニット28は、第1インバータ13と分岐ブレーカー85aとのいずれかを、選択的に、自立分電盤90に、具体的には主幹ブレーカー92に、接続する。
[自立分電盤90]
自立分電盤90は、主幹ブレーカー92と、第2分岐部95を有する。第2分岐部95は、複数の分岐ブレーカーを含む。この例では、第2分岐部95は、分岐ブレーカー95a,95bおよび95cを含む。
主幹ブレーカー92は、上流側電路98により、電力切替ユニット28と接続されている。上流側電路98は、主幹ブレーカー92を介して下流側電路99に接続されている。
下流側電路99には、第2分岐部95が接続されている。第2分岐部95の分岐ブレーカー95aは、主幹ブレーカー92とD1電源55とを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー95bは、主幹ブレーカー92と貯湯ユニット47とを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー95cは、主幹ブレーカー92と第1負荷251とを接続する経路上に設けられている。
この例では、電力切替ユニット28から主幹ブレーカー92を介して下流側電路99に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー95aからD1電源55に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー95bから貯湯ユニット47に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー95cからコンセント260を介して第1負荷251に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。
[系統連系時の電力システム300の動作]
図1に示すように、系統連系時には、MCU51からの解列指令に基づき、保護リレー62が開状態となっている。ここで、開状態は、自身を電流が流れることを禁止する状態を指す。また、電力切替ユニット28では、系統電力入力部28aと電力出力部28cとが接続されている。こうして、電力切替ユニット28は、分岐ブレーカー85aと自立分電盤90とを接続している。
燃料電池41で発電された電力は、第5DCDCコンバータ42を経由して第2DCバス43に供給される。第2DCバス43に供給された電力の一部または全部は、第2インバータ44を経由して二次連系ブレーカー83に供給される。
二次連系ブレーカー83に供給された電力の一部は、分岐ブレーカー85aと電力切替ユニット28とをこの順に経由して、主幹ブレーカー92に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力の一部は、分岐ブレーカー95aを経由して、D1電源55に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力の別の一部は、分岐ブレーカー95bを経由して、貯湯ユニット47に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力のさらに別の一部は、分岐ブレーカー95cとコンセント260とをこの順に経由して、第1負荷251に供給される。
二次連系ブレーカー83に供給された電力の別の一部は、分岐ブレーカー85bを経由して、第2負荷252に供給される。二次連系ブレーカー83に供給された電力のさらに別の一部は、分岐ブレーカー85cを経由して、第3負荷253に供給される。
余剰電力に所定マージンを加えた電力がゼロよりも大きい場合、その電力は、第2DCバス43から第6DCDCコンバータ45を経由してヒーター46に供給される。
直流電力変換装置20は、具体的には第2DCDCコンバータ22は、MPPT制御により、第1太陽光発電システム31から電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。直流電力変換装置20は、具体的には第3DCDCコンバータ23は、MPPT制御により、第2太陽光発電システム32から電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。
蓄電装置25が満充電状態にない場合、第1DCバス11に供給された電力の一部が蓄電装置25に供給され、該電力の残部が第1インバータ13に供給される。蓄電装置25が満充電状態にある場合、第1DCバス11に供給された電力の全部が第1インバータ13に供給される。第1インバータ13に供給された電力は、連系ブレーカー81に供給される。
上記の説明から理解されるように、この例の電力システム300は、第2インバータ44から二次連系ブレーカー83へと供給される電力が、少なくとも上記マージンの分だけ、負荷251〜253、D1電源55および貯湯ユニット47の合計要求負荷に対して不足するように構成されている。この不足分に相当する電力が、連系ブレーカー81から主幹ブレーカー82を経由して下流側電路89へと供給され、第2インバータ44から二次連系ブレーカー83へと供給された電力とともに、第1分岐部85に供給される。連系ブレーカー81に供給された電力の残部は、系統電源200に逆潮流される。
太陽光発電システム31および32での発電が不十分な場合、上記の不足分の電力が、系統電源200から主幹ブレーカー82を経由して下流側電路89へと供給され、第2インバータ44から二次連系ブレーカー83へと供給された電力とともに、第1分岐部85に供給される。また、蓄電装置25が満充電状態でなくかつ太陽光発電システム31および32での発電が蓄電装置25を充電するのに不十分な場合、系統電源200から、第1インバータ13、第1DCバス11および第4DCDCコンバータ12を経由して、蓄電装置25に電力が供給される。
[停電時の電力システム300の動作]
図2に示すように、停電時には、MCU51からの並列指令に基づき、保護リレー62が閉状態となっている。ここで、閉状態は、自身を電流が流れることを許可する状態を指す。また、電力切替ユニット28は、第1インバータ13と自立分電盤90とを接続している。
燃料電池41で発電された電力は、DCDCコンバータ42を経由して第2DCバス43に供給される。第2DCバス43に供給された直流電力の一部または全部は、特性変換回路100に供給される。直流電力変換装置20は、具体的には第1DCDCコンバータ21は、MPPT制御により特性変換回路100から(厳密にはLCフィルタ61を介して)電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。
また、直流電力変換装置20は、系統連系時と同様に、太陽光発電システム31および32から電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。
直流電力変換装置20によって太陽光発電システム31および32ならびに特性変換回路100から取り出された合計電力が第1負荷251、D1電源55および貯湯ユニット47の要求負荷よりも小さい場合、不足分に相当する電力が、蓄電装置25から第4DCDCコンバータ12を経由して第1DCバス11にさらに供給される。取り出された電力が要求負荷よりも大きい場合、過剰分の電力が第4DCDCコンバータ12を介して蓄電装置25に充電され、この充電を行っても過剰分の電力が余る場合は、第2DCバス43の電力の一部が第6DCDCコンバータ45を介してヒーター46に供給される。
このようにして、上記要求負荷に追従させられたあるいは近づけられた電力が、第1DCバス11から第1インバータ13および電力切替ユニット28を経由して主幹ブレーカー92に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力は、系統連系時と同様に、D1電源55、貯湯ユニット47および第1負荷251に供給される。
[電力システム300における機器の接続の仕方による利点]
この例では、電力システム300は、蓄電装置25を備える。太陽光発電システム31および32と、直流電力変換装置20と、蓄電装置25と、はこの順に接続されている。また、燃料電池発電システム40と、特性変換回路100と、直流電力変換装置20と、蓄電装置25と、はこの順に接続されている。このため、太陽光発電システム31および32からのみならず、燃料電池発電システム40からも、蓄電装置25を充電することができる。
この例では、電力システム300は、蓄電装置25と、直流電力を交流電力に変換するインバータ13と、コンセント260と、を備える。太陽光発電システム31および32と、直流電力変換装置20と、インバータ13と、コンセント260と、はこの順に接続されている。燃料電池発電システム40と、特性変換回路100と、直流電力変換装置20と、インバータ13と、コンセント260と、はこの順に接続されている。蓄電装置25と、インバータ13と、コンセント260と、はこの順に接続されている。このため、この例では、太陽光発電システム31および32ならびに蓄電装置25から電力供給されるコンセント260に、燃料電池発電システム40からも電力供給できる。このことは、以下の理由で、停電時に便利である。すなわち、夜、雨天時などには、太陽光発電システム31および32は発電できない。仮にコンセント260に燃料電池発電システム40から電力を供給できないとすると、夜、雨天時などに停電が続く場合において、コンセント260から電力を取り出し可能な期間は蓄電装置25のみに基づく限られたものとなる。これに対し、この例では、コンセント260に燃料電池発電システム40から電力を供給できるため、上記期間を延ばすことができる。夜、雨天時などに停電が続く場合において、別のコンセントへの差し替えなしで1つのコンセントから長時間電力を取り出せることは、ユーザーにとって便利である。
また、この例では、コンセント260に対する上記接続と同様の接続が、貯湯ユニット47にもなされている。このため、夜、雨天時などに停電が続く場合において、貯湯ユニット47へとその動作に必要な電力を長時間供給することができる。
この例では、電力システム300は、蓄電装置25から燃料電池発電システム40に(具体的には、D1電源55に)電力を供給することができるように構成されている。具体的には、コンセント260に対する上記接続と同様の接続が、D1電源55にもなされている。このようにすれば、停電時に燃料電池発電システム40を起動させるための専用電源を省略することができる。専用電源は、典型的には、燃料電池発電システム40の補機に電力を供給するための電源である。
図5の特性変換回路100の具体例は、図7Aから図7Cの特性変換回路100Xから100Zには限られない。例えば、電圧電流制御回路160はLLCコンバータでなくてもよく、デューティ比を調整することによって電圧電流制御回路160の変圧比を調整する構成も採用され得る。制御部170の具体例も、図7Aから図7Cの制御部170Aおよび170Bには限られない。
本開示に、その他の種々の変更を適用することもできる。例えば、電力システムにおける太陽光発電システムの数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。電力システムは、太陽光発電システムを有していないくてもよい。直流電力変換装置は、パワーステーションに組み込まれていなくてもよい。電力システムは、蓄電装置、貯湯ユニットなどの図示した一部の要素を有していないくてもよい。また、発電部と負荷の接続経路は、図示したものに限られない。例えば、コンセント260を省略して第1負荷251に電力を供給することも可能である。
本開示は、特性変換回路100を備え、制御部170が設けられた特性変換部を開示していると考えることもできる。具体的には、本開示に係る制御部170は、特性変換制御を実行する。特性変換制御は、特性変換回路100の電気出力特性を、参照テーブルデータに追従させる制御である。参照テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧がある値であるときに出力電力が最大となり、かつ、出力電圧が上記ある値を跨ぐ領域において出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性である。
本開示は、特性変換回路100と燃料電池発電システム40とを備え、制御部170が設けられた直流電力供給システムを開示していると考えることもできる。具体的には、特性変換回路100には、燃料電池発電システム40から出力された直流電力が入力される。制御部170は、特性変換制御を実行する。特性変換制御は、特性変換回路100の電気出力特性を、参照テーブルデータに追従させる制御である。参照テーブルデータが表す電気出力特性は、出力電圧がある値であるときに出力電力が最大となり、かつ、出力電圧が上記ある値を跨ぐ領域において出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性である。
本開示に係る技術は、太陽光発電システム用に設計された直流電力変換装置と、燃料電池発電システムと、を有する電力システムに利用可能である。
10 パワーステーション
11,43 DCバス
12,21,22,23,42,45 DCDCコンバータ
13,44 インバータ
20 直流電力変換装置
25 蓄電装置
28 電力切替ユニット
31,32 太陽光発電システム
36,37 太陽光発電パネル
40 燃料電池発電システム
41 燃料電池
46 ヒーター
47 貯湯ユニット
51 MCU
52 低圧電源
55 D1電源
60 基板
61 LCフィルタ
62 保護リレー
80,90 分電盤
81,82,83,85a,85b,85c,92,95a,95b,95c ブレーカー
88,89,98,99 電路
100,100X,100Y,100Z 特性変換回路
110 分圧回路
111,112,121,122,123,132,141,143,181,184,191,194 抵抗
128 電流センサ
130X フィードバック電流供給部
131,183,193 定電圧源
135,182,192 発光ダイオード
140 電流共振制御部
142,161,163a,163b,164,167 コンデンサ
145,185,195 フォトトランジスタ
146 制御IC
147 定電流源
148,149a,149b 端子
150,186,196 フォトカプラ
160,160X 電圧電流制御回路
162a,162b スイッチング素子
165 トランス
165a,165b,165c 巻線
166a,166b ダイオード
170 制御部
171 電圧値取得部
172 電流値取得部
173 メモリ
174 比較部
175 補正信号生成部
176,186 駆動部
200 系統電源
251,252,253 負荷
260 コンセント
300 電力システム
p1,p2,p3,p4 接続点

Claims (8)

  1. 出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに対して、MPPT制御を実行できるように設計された直流電力変換装置と、
    燃料電池発電システムであって、該燃料電池発電システムで生成された直流電力は前記直流電力変換装置に供給される燃料電池発電システムと、
    前記燃料電池発電システムと前記直流電力変換装置とを接続する経路上に設けられた特性変換回路と、を備え、
    特性変換制御を実行する制御部が設けられ、
    前記特性変換制御は、前記特性変換回路の電気出力特性を、参照テーブルデータに追従させる制御であり、
    前記参照テーブルデータが表す前記電気出力特性は、出力電圧が前記所定範囲内のある値であるときに出力電力が最大となり、かつ、出力電圧が前記ある値を跨ぐ領域において出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性である、
    電力システム。
  2. 前記制御部は、複数のテーブルデータが格納されたメモリを含み、
    前記複数のテーブルデータのうちの1つが、前記参照テーブルデータとして選択される、
    請求項1に記載の電力システム。
  3. 前記複数のテーブルデータは、A個のテーブルデータを含み、
    前記A個のテーブルデータが表す前記電気出力特性における出力電力の最大値は、互いに異なる、
    請求項2に記載の電力システム。
    ここで、Aは、2以上の自然数である。
  4. 前記複数のテーブルデータは、B個のテーブルデータを含み、
    前記B個のテーブルデータが表す前記電気出力特性における出力電圧の最大値は、互いに異なる、
    請求項2または請求項3に記載の電力システム。
    ここで、Bは、2以上の自然数である。
  5. 前記制御部は、前記特性変換回路の電気出力に基づいて、前記特性変換制御を実行する、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電力システム。
  6. 前記参照テーブルデータが表す前記電気出力特性において、出力電圧が前記ある値よりも小さい領域を第2領域と定義し、出力電圧が前記ある値よりも大きい領域を第1領域と定義したとき、前記第1領域では、前記第2領域に比べ、出力電圧の増加に対する出力電流の減少の比率が大きい、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電力システム。
  7. 前記特性変換回路は、DCDCコンバータである電圧電流制御回路を含み、
    前記特性変換制御において、前記特性変換回路の前記電気出力特性が前記参照テーブルデータに追従するように、前記電圧電流制御回路の変圧比が調整される、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電力システム。
  8. 燃料電池発電システムと、
    前記燃料電池発電システムから出力された直流電力が入力される特性変換回路と、を備え、
    特性変換制御を実行する制御部が設けられ、
    前記特性変換制御は、前記特性変換回路の電気出力特性を、参照テーブルデータに追従させる制御であり、
    前記参照テーブルデータが表す前記電気出力特性は、出力電圧がある値であるときに出力電力が最大となり、かつ、出力電圧が前記ある値を跨ぐ領域において出力電圧が大きくなるほど出力電流が小さくなる特性である、
    直流電力供給システム。
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