JP2020137036A - 発振器、電子機器および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度な周波数信号を出力可能な発振器、ならびに、前記発振器を備える電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】発振器は、支持部材を有する容器と、前記容器に収容されている第1振動片と、前記容器に収容されている第2振動片と、前記支持部材と前記第1振動片とを接合している第1接合部材と、前記第1振動片と前記第2振動片とを接合している第2接合部材と、を備え、前記第1振動片は、応力に対する周波数変化が最小となる支持点を複数有し、前記第1接合部材は、平面視で前記支持点のいずれかと重なっており、前記第2接合部材は、平面視で前記支持点のいずれかと重なっている。【選択図】図5
Description
本発明は、発振器、電子機器および移動体に関するものである。
例えば、特許文献1には、ベース基板と、ベース基板に4点で固着されている第2振動片と、第2振動片に2点で固着されている第1振動片と、を有する2周波用の振動子が記載されている。
このような振動子では、ベース基板との熱膨張係数差に起因する熱応力が第1振動片に生じ難くするために、第1振動片とベース基板との間に第2振動片を配置している。一方で、第2振動片は、4点でベース基板に固着されているため、ベース基板との熱膨張係数差に起因する熱応力が生じ易い。そのため、熱応力によって第2振動片の発振周波数が変動し易いという課題があった。
本発明の適用例に係る発振器は、支持部材を有する容器と、
前記容器に収容されている第1振動片と、
前記容器に収容されている第2振動片と、
前記支持部材と前記第1振動片とを接合している第1接合部材と、
前記第1振動片と前記第2振動片とを接合している第2接合部材と、を備え、
前記第1振動片は、応力に対する周波数変化が最小となる支持点を複数有し、
前記第1接合部材は、平面視で前記支持点のいずれかと重なっており、
前記第2接合部材は、平面視で前記支持点のいずれかと重なっていることを特徴とする。
前記容器に収容されている第1振動片と、
前記容器に収容されている第2振動片と、
前記支持部材と前記第1振動片とを接合している第1接合部材と、
前記第1振動片と前記第2振動片とを接合している第2接合部材と、を備え、
前記第1振動片は、応力に対する周波数変化が最小となる支持点を複数有し、
前記第1接合部材は、平面視で前記支持点のいずれかと重なっており、
前記第2接合部材は、平面視で前記支持点のいずれかと重なっていることを特徴とする。
本発明の適用例に係る発振器では、前記第1振動片は、SCカット水晶振動片であり、
前記第2振動片は、ATカット水晶振動片であることが好ましい。
前記第2振動片は、ATカット水晶振動片であることが好ましい。
本発明の適用例に係る発振器は、支持部材を有する容器と、
前記容器に収容されている第1振動片と、
前記容器に収容されている第2振動片と、
前記支持部材と前記第1振動片とを接合している第1接合部材と、
前記第1振動片と前記第2振動片とを接合している第2接合部材と、を備え、
前記第1振動片は、SCカット水晶振動片であり、
前記第2接合部材は、前記第1接合部材と前記第1振動片の中心とを結ぶ第1仮想線上または前記第1仮想線と直交する第2仮想線上に配置されていることを特徴とする。
前記容器に収容されている第1振動片と、
前記容器に収容されている第2振動片と、
前記支持部材と前記第1振動片とを接合している第1接合部材と、
前記第1振動片と前記第2振動片とを接合している第2接合部材と、を備え、
前記第1振動片は、SCカット水晶振動片であり、
前記第2接合部材は、前記第1接合部材と前記第1振動片の中心とを結ぶ第1仮想線上または前記第1仮想線と直交する第2仮想線上に配置されていることを特徴とする。
本発明の適用例に係る発振器では、前記第1振動片を発振させる発振回路をさらに備え、
前記第2振動片は、前記第1振動片の不要モードを抑圧するフィルターであることが好ましい。
前記第2振動片は、前記第1振動片の不要モードを抑圧するフィルターであることが好ましい。
本発明の適用例に係る発振器では、前記第1振動片を発振させる発振回路をさらに備え、
前記第2振動片は、前記発振回路からの信号と位相同期される電圧制御型発振器の一部であることが好ましい。
前記第2振動片は、前記発振回路からの信号と位相同期される電圧制御型発振器の一部であることが好ましい。
本発明の適用例に係る発振器では、前記第1振動片は、第1励振電極、前記第1励振電極に接続されている第1引出電極、第2励振電極および前記第2励振電極に接続されている第2引出電極を含み、
前記第2振動片は、第3励振電極、前記第3励振電極に接続されている第3引出電極、第4励振電極および前記第4励振電極に接続されている第4引出電極を含み、
前記第1引出電極は、第1ボンディングワイヤーを介して前記容器と電気的に接続され、
前記第2引出電極は、第2ボンディングワイヤーを介して前記容器と電気的に接続され、
前記第3引出電極は、第3ボンディングワイヤーを介して前記容器に電気的に接続され、
前記第4引出電極は、第4ボンディングワイヤーを介して前記容器に電気的に接続されていることが好ましい。
前記第2振動片は、第3励振電極、前記第3励振電極に接続されている第3引出電極、第4励振電極および前記第4励振電極に接続されている第4引出電極を含み、
前記第1引出電極は、第1ボンディングワイヤーを介して前記容器と電気的に接続され、
前記第2引出電極は、第2ボンディングワイヤーを介して前記容器と電気的に接続され、
前記第3引出電極は、第3ボンディングワイヤーを介して前記容器に電気的に接続され、
前記第4引出電極は、第4ボンディングワイヤーを介して前記容器に電気的に接続されていることが好ましい。
本発明の適用例に係る発振器では、前記第1引出電極、前記第2引出電極、前記第3引出電極および前記第4引出電極は、前記第1振動片の外周の一方向に沿ってこの順に配置されていることが好ましい。
本発明の適用例に係る発振器では、前記第1振動片を発振させる発振回路をさらに備え、
前記発振回路からの信号が入力されるフラクショナルPLL回路を備えることが好ましい。
前記発振回路からの信号が入力されるフラクショナルPLL回路を備えることが好ましい。
本発明の適用例に係る電子機器は、上述の発振器と、
前記発振器の出力信号に基づいて信号処理を行う信号処理回路と、を備えていることを特徴とする。
前記発振器の出力信号に基づいて信号処理を行う信号処理回路と、を備えていることを特徴とする。
本発明の適用例に係る移動体は、上述の発振器と、
前記発振器の出力信号に基づいて信号処理を行う信号処理回路と、を備えていることを特徴とする。
前記発振器の出力信号に基づいて信号処理を行う信号処理回路と、を備えていることを特徴とする。
以下、本発明の発振器、電子機器および移動体の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の発振器を示す断面図である。図2は、第1振動片を示す平面図である。図3は、図1の発振器を示す平面図である。図4は、第2振動片を示す平面図である。図5は、X’軸に対する応力Fの方向Ψと周波数変動との関係を示すグラフである。図6および図7は、それぞれ、図1に示す発振器の変形例を示す平面図である。図8は、PLL回路を示す回路図である。なお、説明の便宜上、図1、図3、図6および図7には、互いに直交するa軸、b軸およびc軸を図示している。また、以下では、c軸方向プラス側を「上」とも言い、c軸方向マイナス側を「下」とも言う。また、c軸方向からの平面視を単に「平面視」とも言う。
図1は、第1実施形態の発振器を示す断面図である。図2は、第1振動片を示す平面図である。図3は、図1の発振器を示す平面図である。図4は、第2振動片を示す平面図である。図5は、X’軸に対する応力Fの方向Ψと周波数変動との関係を示すグラフである。図6および図7は、それぞれ、図1に示す発振器の変形例を示す平面図である。図8は、PLL回路を示す回路図である。なお、説明の便宜上、図1、図3、図6および図7には、互いに直交するa軸、b軸およびc軸を図示している。また、以下では、c軸方向プラス側を「上」とも言い、c軸方向マイナス側を「下」とも言う。また、c軸方向からの平面視を単に「平面視」とも言う。
図1に示す発振器1は、OCXO(恒温槽型水晶発振器)である。発振器1は、容器としてのパッケージ2と、パッケージ2に収容されている第1振動片5、第2振動片6、回路素子7および温度制御素子8と、を有する。また、回路素子7には発振回路71および温度制御用回路72が含まれており、温度制御素子8には温度センサー81および発熱回路82が含まれている。
パッケージ2は、上面に開放する凹部31を有する支持部材としてのベース基板3と、凹部31の開口を塞ぐようにベース基板3の上面に接合されているリッド4と、を有する。凹部31の開口がリッド4で塞がれることにより、第1振動片5、第2振動片6、回路素子7および温度制御素子8を収納する収納空間S1が形成される。収納空間S1は、気密であり、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態となっている。ただし、収納空間Sの雰囲気は、特に限定されず、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを封入した雰囲気であってもよく、減圧状態でなく大気圧状態または加圧状態となっていてもよい。
また、凹部31は、ベース基板3の上面に開放する第1凹部311と、第1凹部311の底面に開放する第2凹部312と、第2凹部312の底面に開放する第3凹部313と、第3凹部313の底面に開放する第4凹部314と、を有する。そして、第2凹部312の底面に温度制御素子8が固定され、温度制御素子8に第1接合部材B1を介して第1振動片5の図1中のa軸方向マイナス側の端部が固定され、第1振動片5の前記端部に第2接合部材B2を介して第2振動片6のa軸方向マイナス側の端部が固定され、第4凹部314の底面に回路素子7が固定されている。このような配置によれば、第1振動片5、第2振動片6および回路素子7をc軸方向に重ねて配置することができるため、発振器1の小型化を図ることができる。
また、ベース基板3の第1凹部311の底面には複数の内部端子321が配置され、第3凹部313の底面には複数の内部端子322が配置され、ベース基板3の下面には複数の外部端子323が配置されている。複数の内部端子322のうちのいくつかは、内部端子321とベース基板3内に形成されている図示しない内部配線を介して電気的に接続され、残りのいくつかは、外部端子323と前記内部配線を介して電気的に接続されている。また、複数の内部端子321のいつくかは、ボンディングワイヤーBW2を介して温度制御素子8と電気的に接続され、別のいくつかは第1、第2ボンディングワイヤーBW11、BW12を介して第1振動片5と電気的に接続され、別のいくつかは第3、第4ボンディングワイヤーBW13、BW14を介して第2振動片6と電気的に接続されている。また、複数の内部端子322は、それぞれ、ボンディングワイヤーBW3を介して回路素子7と電気的に接続されている。
第1振動片5は、SCカット水晶振動片である。これにより、周波数安定性に優れた第1振動片5となる。なお、SCカットとは、水晶の結晶のY軸に直交する面をX軸まわりに33°〜35°程度回転し、回転後の位置から、さらに、Z軸まわりに22°〜24°程度回転した面から切り出すカット角をいう。なお、図2、図3、図6および図7に示すように、説明の便宜上、回転後のX軸、Y軸およびZ軸をそれぞれX’軸、Y”軸およびZ’軸とする。
図2に示すように、第1振動片5は、SCカットで切り出された円盤状の水晶基板51と、水晶基板51の表面に配置されている電極52と、を有する。また、電極52は、水晶基板51の上面に配置されている第1励振電極521と、水晶基板51の下面に配置され、水晶基板51を介して第1励振電極521と対向している第2励振電極531と、を有する。また、電極52は、水晶基板51の上面であって、その縁部に並んで配置されている第1引出電極522および第2引出電極532と、第1励振電極521と第1引出電極522とを電気的に接続する配線523と、第2励振電極531と第2引出電極532とを電気的に接続する配線533と、を有する。
ただし、第1振動片5の構成は、特に限定されない。例えば、水晶基板51の平面視形状は、円形に限定されず、例えば、楕円形、半円形、矩形、その他の多角形であってもよい。また、水晶基板51の外縁部を研削するベベル加工や、水晶基板51の上面および下面を凸曲面とするコンベックス加工が施されていてもよい。なお、ベベル加工やコンベックス加工は、上面または下面の一方にだけ施されていてもよい。また、第1振動片5として、SCカット水晶振動片ではなく、ATカット水晶振動片、BTカット水晶振動片、音叉型水晶振動片、弾性表面波共振子、その他の圧電振動片、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)共振素子等を用いてもよい。
このような第1振動片5は、図3に示すように、下面を温度制御素子8側に向けた姿勢で、温度制御素子8の上面に第1接合部材B1を介して接合されている。本実施形態では、1つの第1接合部材B1によって第1振動片5と温度制御素子8とを接合しているため、第1振動片5は、その1か所においてかつ比較的小面積で温度制御素子8に固着されていると言える。そのため、ベース基板3の熱膨張や歪みに起因した応力が第1振動片5に伝わり難く、応力に起因する第1振動片5の発振周波数の変動を効果的に抑制することができる。なお、第1接合部材B1としては、特に限定されず、例えば、金属バンプ、半田、金属ペースト等の導電性を有するものであってもよいし、樹脂接着剤等の絶縁性を有するものであってもよい。
また、図3に示すように、第1振動片5の第1引出電極522は、第1ボンディングワイヤーBW11を介して内部端子321と電気的に接続されており、第2引出電極532は、第2ボンディングワイヤーBW12を介して内部端子321と電気的に接続されている。
また、図1に示すように、回路素子7は、発振回路71と、温度制御用回路72と、を有する。発振回路71は、図2および図3に示すように、第1振動片5の第1、第2引出電極522、532にボンディングワイヤーBW3、BW11、BW12等を介して接続されている。この発振回路71は、第1振動片5から出力される信号を増幅して第1振動片5にフィードバックさせることにより、第1振動片5を発振させるための回路である。なお、第1振動片5と発振回路71とで構成される回路は、例えば、ピアース発振回路、インバーター型発振回路、コルピッツ発振回路、ハートレー発振回路等である。
また、図1に示すように、温度制御素子8は、温度センサー81および発熱回路82を有する。このうち、温度センサー81は、その周囲温度、特に第1振動片5の温度を検出する温度検出部としての機能を有し、発熱回路82は、第1振動片5を加熱する発熱部としての機能を有する。本実施形態の場合、発熱回路82で生じる熱は、第1接合部材B1を介して第1振動片5に伝達され、これにより、第1振動片5を効率的に加熱することができる。
また、温度制御用回路72は、温度センサー81の出力信号に基づき、発熱回路82の抵抗を流れる電流量を制御し、第1振動片5を一定温度に保つための回路である。例えば、温度制御用回路72は、温度センサー81の出力信号から判定される現在の温度が設定された基準温度よりも低い場合には、発熱回路82の抵抗に所望の電流を流し、現在の温度が基準温度よりも高い場合には発熱回路82の抵抗に電流が流れないように制御する。また、例えば、温度制御用回路72は、現在の温度と基準温度との差に応じて、発熱回路82の抵抗を流れる電流量を増減させるように制御してもよい。
また、図3に示すように、温度制御素子8は、その上面に配置されている複数の端子83を有する。これら複数の端子83には、接地端子831と、発熱回路82用の電源端子832と、温度制御用回路72が出力する発熱制御信号を発熱回路82に入力する入力端子833と、温度センサー81の出力信号を出力する出力端子844と、が含まれる。そして、これら各端子83は、ボンディングワイヤーBW2を介して内部端子321と電気的に接続されている。
また、第2振動片6は、ATカット水晶振動片である。これにより、ATカット水晶振動子は、三次の温度周波数特性を有するため、周波数安定性に優れた第2振動片6となる。なお、ATカットとは、水晶の結晶のY軸に直交する面をX軸まわりに33°〜35°程度回転した面から切り出すカット角をいう。
図4に示すように、第2振動片6は、ATカットで切り出された矩形の水晶基板61と、水晶基板61の表面に配置されている電極62と、を有する。なお、図示しないが、水晶基板61は、その長手方向がX軸に沿っている。また、電極62は、水晶基板61の上面に配置されている第1励振電極621と、水晶基板61の下面に配置され、水晶基板61を介して第1励振電極621と対向している第2励振電極631と、を有する。また、電極62は、水晶基板61の上面であって、その縁部に並んで配置されている第1引出電極622および第2引出電極632と、第1励振電極621と第1引出電極622とを電気的に接続する配線623と、第2励振電極631と第2引出電極632とを電気的に接続する配線633と、を有する。
ただし、第2振動片6の構成は、特に限定されない。例えば、水晶基板61の平面視形状は、矩形に限定されず、例えば、円形であってもよい。また、水晶基板61の外縁部を研削するベベル加工や、水晶基板61の上面および下面を凸曲面とするコンベックス加工が施されていてもよい。なお、ベベル加工やコンベックス加工は、上面または下面の一方にだけ施されていてもよい。また、第2振動片6として、ATカット水晶振動片ではなく、SCカット水晶振動片、BTカット水晶振動片、音叉型水晶振動片、弾性表面波共振子、その他の圧電振動片、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)共振素子等を用いてもよい。
このような第2振動片6は、図1および図3に示すように、その下面を第1振動片5側に向けた姿勢で、第1振動片5の上面に第2接合部材B2を介して接合されている。特に、本実施形態では、第2振動片6が1つの第2接合部材B2によって第1振動片5に接合されているため、第2振動片6は、その1か所においてかつ比較的小面積で第1振動片5に固着されていると言える。そのため、ベース基板3の熱膨張や歪みに起因した応力が第2振動片6に伝わり難く、応力に起因する第2振動片6の発振周波数の変動を効果的に抑制することができる。なお、第2接合部材B2としては、特に限定されず、例えば、金属バンプ、半田、金属ペースト等の導電性を有するものであってもよいし、樹脂接着剤等の絶縁性を有するものであってもよい。また、第2接合部材B2の材料は、第1接合部材B1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、図3に示すように、第2振動片6の第1引出電極622は、第3ボンディングワイヤーBW13を介して内部端子321と電気的に接続されており、第2引出電極632は、第4ボンディングワイヤーBW14を介して内部端子321と電気的に接続されている。
また、図3に示すように、平面視で、第1振動片5が有する第1引出電極522、第2引出電極532および第2振動片6が有する第1引出電極622、第2引出電極632は、第1振動片5の外周に沿ってこの順に配置されている。より具体的には、第1振動片5の中心O5の半時計まわりに、第1引出電極522、第2引出電極532、第1引出電極622、第2引出電極632の順に配置されている。これにより、第1振動片5が有する第1、第2引出電極522、532と、第2振動片6が有する第1、第2引出電極622、632とを分けて配置することができ、これらの間の容量結合を効果的に抑制することができる。そのため、第1、第2振動片5、6の振動特性の低下を効果的に抑制することができる。
ただし、第1、第2引出電極522、532および第1、第2引出電極622、632の配置としては、特に限定されず、例えば、c軸方向からの平面視で、第1、第2引出電極522、532の間に第1、第2引出電極622、632が位置していてもよいし、反対に、第1、第2引出電極622、632の間に第1、第2引出電極522、532が位置していてもよい。
次に、第1振動片5と温度制御素子8とを接合している第1接合部材B1および第2振動片6と第1振動片5とを接合している第2接合部材B2の配置についてより詳細に説明する。図5は、SCカットについて、X’軸に対する応力Fの方向Ψと受けた応力Fに起因した周波数変動との関係を示すグラフである。同図から、SCカットでは、応力の方向がX’軸から0°、90°、180°、または270°傾斜している場合に、周波数変動が最小(ゼロ)であることが分かる。
つまり、第1振動片5は、X’軸から0°、90°、180°、または270°傾斜している箇所に、応力に対する周波数変化が最小となる支持点P1を有する。したがって、本実施形態では、図3に示すように、平面視で、第1振動片5と温度制御素子8とを接合する第1接合部材B1を、複数の支持点P1のいずれかと平面視で重なるように配置し、第2振動片6と第1振動片5とを接合する第2接合部材B2についても、複数の支持点P1のいずれかと平面視で重なるように配置している。これにより、第1振動片5の応力感度が十分に低下し、特に、実質的にゼロとなるため、第1振動片5の発振周波数の変動を効果的に抑制することができる。つまり、仮に、第1、第2接合部材B1、B2を介して第1振動片5に応力が伝わったとしても、その応力に影響を受けることなく、安定した発振周波数を出力することのできる第1振動片5が得られる。
なお、本実施形態では、平面視で、第1振動片5の中心O5と第1接合部材B1とを結ぶ仮想線を第1仮想線α1としたとき、第1仮想線α1は、X’軸に対して0°傾斜している。すなわち、第1仮想線α1は、中心O5を通りX’軸と平行な仮想線である。また、第2接合部材B2は、第1仮想線α1上に位置している。すなわち、第2接合部材B2は、平面視で、第1仮想線α1と重なっている。さらには、平面視で、第2接合部材B2は、第1接合部材B1と重なっている。これにより、第2接合部材B2が第1接合部材B1によって支持されるため、第2接合部材B2を介して第1振動片5上に第2振動片6を、固定し易くなる。
なお、上述の効果をより顕著に発揮するために、第1仮想線α1は、平面視で、第1接合部材B1の第1振動片5との接合面の中心と交わっていることが好ましい。ただし、これに限定されず、第1仮想線α1は、前記接合面の中心以外の部分と交わっていてもよいし、接合面の外縁に接していてもよい。また、本実施形態では、第1仮想線α1が第1振動片5の中心O5を通りX’軸と平行な仮想線であるが、これに限定されず、図6に示すように、第1振動片5の中心O5を通りX’軸と直交する仮想線であってもよい。つまり、第1仮想線α1は、中心O5を通り、Z’軸と平行な仮想線であってもよい。このような構成によっても、第1接合部材B1が支持点P1と重なるため、前述した図3に示す構成の本実施形態で説明したのと同様の効果を発揮することができる。
また、本実施形態では、第2接合部材B2が、第1仮想線α1上に位置しているが、これに限定されず、図7に示すように、平面視で、第1仮想線α1と直交する第2仮想線α2上に位置していてもよい。このような構成によっても、第2接合部材B2が支持点P1と重なるため、前述した図3で示す構成の本実施形態で説明したのと同様の効果を発揮することができる。なお、第2仮想線α2は、平面視で、第2接合部材B2の第1振動片5との接合面の中心と交わっていることが好ましい。ただし、これに限定されず、第2仮想線α2は、前記接合面の中心以外の部分と交わっていてもよいし、接合面の外縁に接していてもよい。
次に、第2振動片6の機能、用途について説明する。第2振動片6の用途としては、特に限定されないが、本実施形態では、図8に示すように、PLL(Phase Locked Loop)回路90に含まれるVCXO(電圧制御型水晶発振器)である発振器97の一部として機能する。このように、発振器97の一部として機能する第2振動片6を第1振動片5上に配置し、第1振動片5と共にパッケージ2に収容することにより、発振器1の小型化を図ることができる。なお、発振器97は、第2振動片6と、第2振動片6と電気的に接続されている発振回路971と、を有する。
以下、具体的に説明すると、図8に示すように、発振器1は、上述の構成に加えて、発振器97を含むPLL回路90と、出力バッファー回路99と、を有する。そして、PLL回路90の一部および出力バッファー回路99は、回路素子7に混載されている。具体的には、例えば、後述する第1位相比較器91、電圧制御型発振器93、第1分周器94、第2位相比較器95、第2分周器98および発振回路971が回路素子7内に設けられ、第1ローパスフィルター92および第2ローパスフィルター96が回路素子7とは別体で設けられている。図示しないが、第1ローパスフィルター92および第2ローパスフィルター96は、例えば、パッケージ2の外側であって、ベース基板3の下面に設けることができる。ただし、これら回路要素の配置としては、特に限定されない。
PLL回路90は、発振回路71から出力される基準周波数信号が入力される第1位相比較器91と、第1ローパスフィルター92と、第1ローパスフィルター92からの直流信号が入力される電圧制御型発振器93と、電圧制御型発振器93から出力される周波数信号が入力される第1分周器94と、を有し、第1分周器94で分周された周波数信号は、第1位相比較器91に入力される。第1位相比較器91では、基準周波数信号と周波数信号との間の位相差を検出し、第1ローパスフィルター92に出力する。第1ローパスフィルター92では、第1位相比較器91からの出力信号から高周波成分を除去し、電圧に変換して、電圧制御型発振器93を制御する直流信号として出力される。
第1分周器94は、例えば、整数の分周比を切り替えて平均的に小数の分周比とすることにより、小数の分周比を設定可能である。これにより、第1位相比較器91、第1ローパスフィルター92、電圧制御型発振器93および第1分周器94で構成される前段のPLL回路部分は、小数分周PLL回路901(フラクショナルPLL回路)として機能する。その結果、小数分周PLL回路901では、任意の周波数の信号を出力することが可能になる。
このように、PLL回路90の前段部分を小数分周PLL回路901とすることにより、次のような効果を発揮することもできる。一般的な発振器では、振動片をベース基板に固定した後に、レーザー照射によって振動片の電極の一部を除去して振動片の周波数調整を行う。しかしながら、発振器1では、前述したように、第1振動片5の上方に第2振動片6が配置されているため、第2振動片6に邪魔をされて、第1振動片5の電極52にレーザーを照射することができず、第1振動片5の周波数調整が困難な場合がある。このような場合でも、PLL回路90の前段部分を小数分周PLL回路としておけば、当該回路から任意の周波数の信号を出力することが可能となる。一方、第1振動片6の上方に位置する第2振動片6については、レーザー照射による周波数調整が可能である。したがって、PLL回路90として必要な発振器97の周波数可変幅をより確実に確保することができる。つまり、発振器1は、前段部分を小数分周PLL回路901としたPLL回路90と組み合わせることにより、その効果がより増大する。
また、PLL回路90は、電圧制御型発振器93から出力される周波数信号が入力される第2位相比較器95と、第2ローパスフィルター96と、発振器97と、発振器97から出力される周波数信号が入力される第2分周器98と、を有し、第2分周器98で分周された周波数信号は、第2位相比較器95に入力される。第2位相比較器95では、周波数信号と周波数信号との間の位相差を検出し、第2ローパスフィルター96に出力する。第2ローパスフィルター96では第2位相比較器95からの出力信号から高周波成分を除去し、電圧に変換して、発振器97を制御する直流信号として出力される。
第2分周器98は、例えば、入力された信号を整数分周する整数分周器である。これにより、第2位相比較器95、第2ローパスフィルター96、発振器97および第2分周器98で構成される後段のPLL回路部分は、整数分周PLL回路902(インテジャーPLL回路)として機能する。その結果、位相ノイズが比較的少なく、回路構成も比較的単純な回路とすることができる。そして、発振器97からは、直流信号の電圧に応じた周波数信号が出力バッファー回路99に向けて出力される。
このようなPLL回路90によれば、出力バッファー回路99から精度のよい周波数信号を出力することができる。
以上、発振器1について説明した。このような発振器1は、前述したように、支持部材としてのベース基板3を有する容器としてのパッケージ2と、パッケージ2に収容されている第1振動片5と、パッケージ2に収容されている第2振動片6と、ベース基板3と第1振動片5とを接合している第1接合部材B1と、第1振動片5と第2振動片6とを接合している第2接合部材B2と、を備える。また、第1振動片5は、応力に対する周波数変化が最小となる支持点P1を複数有し、第1接合部材B1は、平面視で支持点P1のいずれかと重なっており、第2接合部材B2は、平面視で支持点P1のいずれかと重なっている。このような構成とすることにより、第1振動片5の応力感度が十分に低下し、特に、実質的にゼロとなり、第1振動片5の発振周波数の変動をより効果的に抑制することができる。そのため、優れた周波数特性を有する発振器1が得られる。
また、前述したように、第1振動片5は、SCカット水晶振動片であり、第2振動片6は、ATカット水晶振動片である。これにより、第1振動片5および第2振動片6が共に周波数温度特性に優れる振動片となる。特に、第2振動片6をATカット水晶振動片とすることにより、第2振動片6を第1振動片5と比べて小型なものとすることができるため、第2振動片6を収容することによるパッケージ2の大型化を抑制することができる。
また、別の言い方をすれば、発振器1は、ベース基板3を有するパッケージ2と、パッケージ2に収容されている第1振動片5と、パッケージ2に収容されている第2振動片6と、ベース基板3と第1振動片5とを接合している第1接合部材B1と、第1振動片5と第2振動片6とを接合している第2接合部材B2と、を備える。また、第1振動片5は、SCカット水晶振動片である。そして、第2接合部材B2は、平面視で、第1接合部材B1と第1振動片5の中心とを結ぶ第1仮想線α1上または第1仮想線α1と直交する第2仮想線α2上に配置されている。このような構成とすることにより、第1振動片5の応力感度が十分に低下し、特に、実質的にゼロとなり、第1振動片5の発振周波数の変動をより効果的に抑制することができる。そのため、優れた周波数特性を有する発振器1が得られる。
また、前述したように、発振器1は、第1振動片5を発振させる発振回路71を備える。また、第2振動片6は、発振回路71からの信号と位相同期される電圧制御型発振器、特に電圧制御型水晶発振器である発振器97の一部である。これにより、発振器97から精度のよい周波数信号を出力することができる。
また、前述したように、第1振動片5は、第1励振電極521、第1励振電極521に接続されている第1引出電極522、第2励振電極531および第2励振電極531に接続されている第2引出電極532を含む。また、第2振動片6は、第3励振電極としての第1励振電極621、第1励振電極621に接続されている第3引出電極としての第1引出電極622、第4励振電極としての第2励振電極631および第2励振電極631に接続されている第4引出電極としての第2引出電極632を含む。そして、第1引出電極522は、第1ボンディングワイヤーBW11を介してパッケージ2と電気的に接続され、第2引出電極532は、第2ボンディングワイヤーBW12を介してパッケージ2と電気的に接続され、第1引出電極622は、第3ボンディングワイヤーBW13を介してパッケージ2に電気的に接続され、第2引出電極632は、第4ボンディングワイヤーBW14を介してパッケージ2に電気的に接続されている。このように、第1〜第4ボンディングワイヤーBW11〜BW14を用いることにより、第1、第2振動片5、6とパッケージ2との電気的な接続が容易となる。
また、前述したように、第1引出電極522、第2引出電極532、第1引出電極622および第2引出電極632は、第1振動片5の外周の一方向に沿ってこの順に配置されている。これにより、第1振動片5が有する電極52と第2振動片6が有する電極62とを分けて配置することができるため、これらの間の容量結合を効果的に抑制することができる。そのため、第1、第2振動片5、6の振動特性の低下を効果的に抑制することができる。
また、前述したように、発振器1は、第1振動片5を発振させる発振回路71を備える。また、発振器1は、発振回路71からの信号が入力されるフラクショナルPLL回路である小数分周PLL回路901を備える。そのため、第1振動片5の周波数調整を精度よく行う必要がなくなり、発振器1の製造が容易となる。
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態の発振器が有する発振回路を示す回路図である。
図9は、第2実施形態の発振器が有する発振回路を示す回路図である。
本実施形態は、第2振動片6の機能が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図9において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態の発振器1では、第2振動片6は、第1振動片5の不要モードを抑圧するフィルターとして機能する。SCカット水晶振動片である第1振動片5は、副共振と呼ばれる不要モード(Bモード)を有する。そして、この副共振の周波数が主共振(Cモード)の周波数に対して1.09倍程度と比較的近く、不要モードでの誤発振が生じ易い。そこで、本実施形態では、不要モードを抑圧するフィルターとして第2振動片6を用いている。図9に、発振回路71の一例としてのコルピッツ発振回路を示す。この回路では、トランジスタのエミッタからベース容量Cb1、Cb2の接続点に至る帰還枝にフィルターとしての第2振動片6が接続されている。これにより、第2振動片6によって狭帯域のフィルターが構成され、不要モードでの誤発振を効果的に抑制することができる。
以上のように、本実施形態の発振器1は、第1振動片5を発振させる発振回路71を備える。また、第2振動片6は、第1振動片5の不要モードを抑圧するフィルターである。これにより、不要モードでの誤発振を効果的に抑制することができる。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態の発振器を示す平面図である。なお、図10では、説明の便宜上、第1振動片5の下方に位置する第3、第4凹部313、314および回路素子7の図示を省略している。
図10は、第3実施形態の発振器を示す平面図である。なお、図10では、説明の便宜上、第1振動片5の下方に位置する第3、第4凹部313、314および回路素子7の図示を省略している。
本実施形態は、発振器1が2つの第2振動片6A、6Bを有すること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図10に示すように、本実施形態の発振器1は、2つの第2振動片6A、6Bを有し、第2振動片6Aは、前述した第2接合部材B2と同様の第2接合部材B21を介して第1振動片5に接合され、第2振動片6Bは、前述した第2接合部材B2と同様の第2接合部材B22を介して第1振動片5に接合されている。第2振動片6A、6Bは、それぞれ、前述した第1実施形態の第2振動片6と同様の構成である。そして、一方の第2振動片6Aは、前述した第1実施形態と同様に、PLL回路90に含まれる発振器97が有する振動片として機能し、他方の第2振動片6Bは、前述した第2実施形態と同様に、第1振動片5の不要モードを抑圧するフィルターとして機能する。また、第2接合部材B21、B22は、共に、第1仮想線α1上に位置し、中心O5に対して互いに反対側に位置している。これにより、第1振動片5が応力の影響を受け難くなると共に、第2振動片6A、6Bを配置し易くなる。なお、図示していないが、第2接合部材B21、22の少なくとも一方は、前述した支持点P1のいずれかと平面視で重なるように配置されていてもよい。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態の発振器を示す平面図である。図12は、X軸に対する応力Fの方向Ψと周波数変動との関係を示すグラフである。なお、図11では、説明の便宜上、第1振動片5の下方に位置する第3、第4凹部313、314および回路素子7の図示を省略している。
図11は、第4実施形態の発振器を示す平面図である。図12は、X軸に対する応力Fの方向Ψと周波数変動との関係を示すグラフである。なお、図11では、説明の便宜上、第1振動片5の下方に位置する第3、第4凹部313、314および回路素子7の図示を省略している。
本実施形態は、第1振動片5がATカット水晶振動片であること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図11および図12において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図11に示すように、本実施形態の発振器1では、第1振動片5がATカット水晶振動片である。ATカットとは、水晶の結晶のY軸に直交する面をX軸まわりに33°〜35°程度回転した面から切り出すカット角をいう。なお、図11では、回転後のX軸、Y軸およびZ軸をそれぞれX軸、Y’軸およびZ’軸とする。そして、図12は、ATカットについて、X軸に対する応力Fの方向Ψと受けた応力Fに起因した周波数変動との関係を示すグラフである。同図から、ATカットでは、応力の方向がX軸から60°、120°傾斜している場合に、周波数変動が最小(ゼロ)であることが分かる。
つまり、第1振動片5は、X軸から60°、120°傾斜している箇所に、応力に対する周波数変化が最小となる支持点P1を有する。したがって、本実施形態では、図11に示すように、平面視で、第1振動片5と温度制御素子8とを接合する第1接合部材B1を、複数の支持点P1のいずれかと重なるように配置し、第2振動片6と第1振動片5とを接合する第2接合部材B2についても、複数の支持点P1のいずれかと重なるように配置している。これにより、第1振動片5の応力感度が十分に低下し、特に、実質的にゼロとなるため、第1振動片5の発振周波数の変動を効果的に抑制することができる。つまり、仮に、第1、第2接合部材B1、B2を介して第1振動片5に応力が伝わったとしても、その応力に影響を受けることなく、安定した発振周波数を出力することのできる第1振動片5が得られる。
本実施形態では、平面視で、第1振動片5の中心O5と第1接合部材B1とを結ぶ第1仮想線α1は、X軸に対して120°傾斜している。また、第2接合部材B2は、第1仮想線α1上に位置している。すなわち、第2接合部材B2は、平面視で、第1仮想線α1と重なっている。さらには、平面視で、第2接合部材B2は、第1接合部材B1と重なっている。ただし、これに限定されず、第1仮想線α1は、X軸に対して60°傾斜していてもよい。このような構成によっても、第1接合部材B1が支持点P1と重なるため、本実施形態と同様の効果を発揮することができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第5実施形態>
図13は、第5実施形態の発振器を示す断面図である。
図13は、第5実施形態の発振器を示す断面図である。
本実施形態は、パッケージ2を収納する外側パッケージ10をさらに備えること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図13において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図13に示す発振器1は、パッケージ2を収容する外側パッケージ10を有する。外側パッケージ10は、実装基板101と、実装基板101の上面に接合されているリッド102と、を有する。そして、このような外側パッケージ10の内部には気密な収納空間S2が形成されており、収納空間S2内にパッケージ2が収納されている。また、パッケージ2は、リードフレーム103を介して実装基板101に実装され、このリードフレーム103を介してパッケージ2と実装基板101とが電気的に接続されている。また、実装基板101の下面には、発振器1を基板等に実装するための実装端子104が設けられている。また、収納空間S2には、実装基板101の上面に配置されている回路素子105および複数のコンデンサーや抵抗等の回路部品106が収納されている。なお、回路素子105や回路部品106は、回路素子7の一部として設けられていてもよいし、回路素子7とは別の回路を構成するものであってもよい。
収納空間S2は、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態となっている。ただし、収納空間S2の雰囲気は、特に限定されず、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを封入した雰囲気であってもよく、減圧状態でなく大気圧状態または加圧状態となっていてもよい。
実装基板101の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、絶縁性を有するガラスエポキシ樹脂やセラミックス等が挙げられる。また、実装基板101に設けられている配線や端子は、例えば、全面に銅箔が施された基板について銅箔をエッチングする方法、タングステン、モリブデン等の金属配線材料を基板上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル、金等のめっきを施す方法等で形成することができる。また、リッド102の構成材料としては、特に限定されず、例えば、金属材料、樹脂材料等が挙げられ、これらの複合材料であってもよい。このうち、金属材料を用いることにより、外側パッケージ10には外部からの電磁ノイズを遮蔽または減衰するシールド効果を付与することができる。また、リードフレーム103の構成材料には、例えば、42アロイのような鉄ニッケル合金等、熱伝導率の低い鉄系の合金にニッケルめっきを施した材料が好ましく用いられる。
このような発振器1によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第6実施形態>
図14は、第6実施形態のパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
図14は、第6実施形態のパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
図14に示す電子機器としてのパーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、発振器1が内蔵されている。また、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102や表示部1108などの制御に関する演算処理を行う信号処理回路1110を備えている。信号処理回路1110は、発振器1から出力される発振信号に基づいて動作する。
このように、電子機器としてのパーソナルコンピューター1100は、発振器1と、発振器1の出力信号(発振信号)に基づいて信号処理を行う信号処理回路1110と、を備える。そのため、前述した発振器1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、発振器1を備える電子機器は、前述したパーソナルコンピューター1100の他、例えば、デジタルスチールカメラ、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチを含む時計、インクジェット式吐出装置、例えばインクジェットプリンター、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル端末、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡のような医療機器、魚群探知機、各種測定機器、車両、航空機、船舶のような計器類、携帯端末用の基地局、フライトシミュレーター等であってもよい。
<第7実施形態>
図15は、第7実施形態の自動車を示す斜視図である。
図15は、第7実施形態の自動車を示す斜視図である。
図15に示すように、移動体としての自動車1500には、発振器1と、発振器1から出力される発振信号に基づいて動作する信号処理回路1510と、が内蔵されている。発振器1と信号処理回路1510は、例えば、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
このように、移動体としての自動車1500は、発振器1と、発振器1の出力信号(発振信号)に基づいて信号処理を行う信号処理回路1510と、を備える。そのため、前述した発振器1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、発振器1を備える移動体は、自動車1500の他、例えば、ロボット、ドローン、二輪車、航空機、船舶、電車、ロケット、宇宙船等であってもよい。
以上、本発明の発振器、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
1…発振器、10…外側パッケージ、101…実装基板、102…リッド、103…リードフレーム、104…実装端子、105…回路素子、106…回路部品、2…パッケージ、3…ベース基板、31…凹部、311…第1凹部、312…第2凹部、313…第3凹部、314…第4凹部、321、322…内部端子、323…外部端子、4…リッド、5…第1振動片、51…水晶基板、52…電極、521…第1励振電極、522…第1引出電極、523…配線、531…第2励振電極、532…第2引出電極、533…配線、6、6A、6B…第2振動片、61…水晶基板、62…電極、621…第1励振電極、622…第1引出電極、623…配線、631…第2励振電極、632…第2引出電極、633…配線、7…回路素子、71…発振回路、72…温度制御用回路、8…温度制御素子、81…温度センサー、82…発熱回路、83…端子、831…接地端子、832…電源端子、833…入力端子、844…出力端子、90…PLL回路、901…小数分周PLL回路、902…整数分周PLL回路、91…第1位相比較器、92…第1ローパスフィルター、93…電圧制御型発振器、94…第1分周器、95…第2位相比較器、96…第2ローパスフィルター、97…発振器、971…発振回路、98…第2分周器、99…出力バッファー回路、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体、1106…表示ユニット、1108…表示部、1110…信号処理回路、1500…自動車、1510…信号処理回路、B1…第1接合部材、B2、B21、B22…第2接合部材、BW11…第1ボンディングワイヤー、BW12…第2ボンディングワイヤー、BW13…第3ボンディングワイヤー、BW14…第4ボンディングワイヤー、BW2、BW3…ボンディングワイヤー、Cb1、Cb2…ベース容量、O5…中心、P1…支持点、S1、S2…収納空間、α1…第1仮想線、α2…第2仮想線
Claims (10)
- 支持部材を有する容器と、
前記容器に収容されている第1振動片と、
前記容器に収容されている第2振動片と、
前記支持部材と前記第1振動片とを接合している第1接合部材と、
前記第1振動片と前記第2振動片とを接合している第2接合部材と、を備え、
前記第1振動片は、応力に対する周波数変化が最小となる支持点を複数有し、
前記第1接合部材は、平面視で前記支持点のいずれかと重なっており、
前記第2接合部材は、平面視で前記支持点のいずれかと重なっていることを特徴とする発振器。 - 前記第1振動片は、SCカット水晶振動片であり、
前記第2振動片は、ATカット水晶振動片である請求項1に記載の発振器。 - 支持部材を有する容器と、
前記容器に収容されている第1振動片と、
前記容器に収容されている第2振動片と、
前記支持部材と前記第1振動片とを接合している第1接合部材と、
前記第1振動片と前記第2振動片とを接合している第2接合部材と、を備え、
前記第1振動片は、SCカット水晶振動片であり、
前記第2接合部材は、前記第1接合部材と前記第1振動片の中心とを結ぶ第1仮想線上または前記第1仮想線と直交する第2仮想線上に配置されていることを特徴とする発振器。 - 前記第1振動片を発振させる発振回路をさらに備え、
前記第2振動片は、前記第1振動片の不要モードを抑圧するフィルターである請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発振器。 - 前記第1振動片を発振させる発振回路をさらに備え、
前記第2振動片は、前記発振回路からの信号と位相同期される電圧制御型発振器の一部である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発振器。 - 前記第1振動片は、第1励振電極、前記第1励振電極に接続されている第1引出電極、第2励振電極および前記第2励振電極に接続されている第2引出電極を含み、
前記第2振動片は、第3励振電極、前記第3励振電極に接続されている第3引出電極、第4励振電極および前記第4励振電極に接続されている第4引出電極を含み、
前記第1引出電極は、第1ボンディングワイヤーを介して前記容器と電気的に接続され、
前記第2引出電極は、第2ボンディングワイヤーを介して前記容器と電気的に接続され、
前記第3引出電極は、第3ボンディングワイヤーを介して前記容器に電気的に接続され、
前記第4引出電極は、第4ボンディングワイヤーを介して前記容器に電気的に接続されている請求項1ないし5のいずれか一項に記載の発振器。 - 前記第1引出電極、前記第2引出電極、前記第3引出電極および前記第4引出電極は、前記第1振動片の外周の一方向に沿ってこの順に配置されている請求項6に記載の発振器。
- 前記第1振動片を発振させる発振回路をさらに備え、
前記発振回路からの信号が入力されるフラクショナルPLL回路を備える請求項1ないし7のいずれか一項に記載の発振器。 - 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の発振器と、
前記発振器の出力信号に基づいて信号処理を行う信号処理回路と、を備えていることを特徴とする電子機器。 - 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の発振器と、
前記発振器の出力信号に基づいて信号処理を行う信号処理回路と、を備えていることを特徴とする移動体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019031338A JP2020137036A (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | 発振器、電子機器および移動体 |
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JP2019031338A JP2020137036A (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | 発振器、電子機器および移動体 |
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JP (1) | JP2020137036A (ja) |
Cited By (1)
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DE112021002617T5 (de) | 2020-06-05 | 2023-03-23 | Rohm Co., Ltd. | Halbleiterbauteil |
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- 2019-02-25 JP JP2019031338A patent/JP2020137036A/ja active Pending
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