JP2020136646A - 回路パターン、プリント配線板、半導体パッケージ、レジストパターン及び積層体 - Google Patents

回路パターン、プリント配線板、半導体パッケージ、レジストパターン及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】(1)アスペクト比の高い回路パターンを提供すること、(2)アスペクト比の高い回路パターンを有するプリント配線板を提供すること、(3)該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供すること、さらには、(4)アスペクト比の高いレジストパターンにおいてトップの幅とボトムの幅の差が小さいレジストパターンを提供すること、及び(5)所定の表面粗さの絶縁樹脂層上の金属層(シード層)の上に前記レジストパターンを有する積層体を提供すること。【解決手段】配線幅(L)に対する配線の高さ(H)の比率(H/L)が2.5以上である回路パターン。【選択図】図1

Description

本発明は、回路パターン、プリント配線板、半導体パッケージ、レジストパターン及び積層体に関する。
近年の情報化社会の発展は目覚しく、民生機器としては、パソコン及び携帯電話等の小型化、軽量化、高性能化及び高機能化が進められており、一方、産業用機器としては、無線基地局、光通信装置、サーバ及びルータ等のネットワーク関連機器などにおいて、大型又は小型を問わずに機能の向上が求められている。また、情報伝達量の増加に伴い、扱う信号の高周波化が年々進む傾向にあり、高速処理及び高速伝送技術の開発が進められている。例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processing)及び各種メモリ等のLSI(Large Scale Integration)の高速化及び高機能化と共に、新たな高密度実装技術としてシステムオンチップ(SoC)、システムインパッケージ(SiP)等の開発が盛んに行われている。このため、半導体チップ搭載用基板及びマザーボードも、高周波化、高密度配線化及び高機能化に対応するために、配線幅/スペース(L/S)の小さい微細配線を形成したビルドアップ方式の多層配線基板が使用されるようになってきた。2012年頃には、L/S=15μm/15μm程度の微細配線が求められていたが、近年ではL/S=8μm/8μm程度の微細配線が求められている。
微細配線の形成には、一般的にセミアディティブ法(SAP)が有用とされている。セミアディティブ法の場合、まず、絶縁樹脂上にシード層といわれる無電解銅めっき層を設け、該銅めっき層上にドライフィルムレジスト層を設ける。そして、フォトマスクを介して露光する方法(フォトリソグラフィー)又はレーザ光で直接描写して露光する方法でレジストパターンを形成し、次いで、必要に応じてプラズマ処理を行った後に、レジストパターンが無い部分に電解銅めっきによって回路パターンを形成し、レジストパターンを除去してから、最後に不要な部分のシード層をエッチングして除去する。この際、L/Sが10μm/10μmより小さい微細配線を形成する場合には、レジストパターンが剥がれないように、シード層とレジストパターンとの密着性が高い必要があるため、一般的には、シード層とレジストパターンとの密着性に起因する絶縁樹脂の表面粗さをある程度大きくしてアンカー効果を付与する必要がある。その一方で、最後の不要部のシード層のエッチング除去の際には、絶縁樹脂の表面粗さを小さくする方が有利となる。
絶縁樹脂の表面粗さを小さくすることが、配線の微細化の実現に重要であることは知られている(例えば、特許文献1参照)が、上記理由により、絶縁樹脂の表面粗さは小さ過ぎても大き過ぎても配線のさらなる微細化を成し遂げられないのが現状である。
絶縁樹脂の表面粗さをある程度の大きさ、例えばRa=0.05〜0.50μmとすることで、シード層とレジストパターンとの密着性が高く、最後の不要部のシード層のエッチング除去も行い易くなる。しかし、本発明者の検討により、絶縁樹脂の表面粗さ(Ra)を0.05〜0.50μmとした場合、回路パターンを得るために形成するレジストパターンの形状(断面形状)が、長方形ではなく、逆台形(上部が長く、底部が短い台形)になり易く、これに起因して、レジストパターン間又はレジストパターン中にドライフィルムレジストの残渣が発生してレジストパターンの解像性が低下し、回路パターンの形状悪化及び断線につながる傾向にあることが判明した。
また、微細配線にすると配線の断面積が小さくなるため、電気抵抗が上昇する。このことが、伝送信号の遅延の原因となり、さらには配線寿命の低下等の原因にもなり得る。この悪影響を低減するためには、回路パターンの高さを高くして配線の断面積を増大させる方法が考えられる。しかし、従来のセミアディティブ法(SAP)によって回路形成する方法では、回路パターンを形成するために作製するレジストパターンの高さを高くすると、十分に露光するために露光量を増大する必要が生じ、露光量が増大すると拡散光が多くなってレジストパターンの幅が増大してしまい、配線間隔が広くなって目的とするL/Sの微細配線の形成が不能になるという問題がある。そこで、レジストパターンの幅が小さく収まるように露光量を少なめに調整すると、シード層との密着性が不十分となり、アスペクト比の高いレジストパターンが倒れるという問題が生じる。
そのため、レジストパターンの高さを高くすることは困難であり、それ故に、回路パターンの高さを高くしてアスペクト比(配線の高さ(H)/配線幅(L))を大きくすることも困難であった。一方で、レジストパターンの高さを高くすることを課題とした発明も知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2017−208471号公報 国際公開第2017/208428号
しかしながら、特許文献2に記載の発明は、レジストの高さが十分に高い場合であっても光が底部まで到達し易い感光性樹脂組成物を用いてレジストパターンを形成する方法であり、特許文献2に記載されているような特定の感光性樹脂組成物を使用しなければレジストパターンの高さを高くすることができず、感光性樹脂組成物の選択の自由度に乏しい。また、特許文献2には、L/S=10μm/10μmより小さい微細配線の形成が可能となるレジストパターンは開示されておらず、回路パターンの形成には至っていない。さらには、特許文献2に記載の発明では、露光時の拡散光の低減はなされていないため、露光量を増大した場合にはレジストパターンのボトムの幅が増大するという懸念が残る。
そこで、本発明の課題は、(1)アスペクト比の高い回路パターンを提供すること、(2)アスペクト比の高い回路パターンを有するプリント配線板を提供すること、(3)該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供すること、さらには、(4)アスペクト比の高いレジストパターンにおいてトップの幅とボトムの幅の差が小さいレジストパターンを提供すること、及び(5)所定の表面粗さの絶縁樹脂層上の金属層(シード層)の上に前記レジストパターンを有する積層体を提供することにある。
本発明者が鋭意研究した結果、レジストパターンを形成する際に照射した光の拡散光の割合を所定値以下とすることにより、前記課題が解決することが判明した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[10]に関する。
[1]配線幅(L)に対する配線の高さ(H)の比率(H/L)が2.5以上である回路パターン。
[2]配線幅(L)に対する配線の高さ(H)の比率(H/L)が2.5〜5.0である、上記[1]に記載の回路パターン。
[3]配線の高さ(H)が21μm以上である、上記[1]又は[2]に記載の回路パターン。
[4]回路パターンの配線幅(L)と配線間隔(S)との関係(L/S)が3〜15μm/3〜15μmである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の回路パターン。
[5]表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上に金属層を介して上記[1]〜[4]のいずれかに記載の回路パターンを有するプリント配線板。
[6]前記金属層の厚さが0.1〜1.0μmである、上記[5]に記載のプリント配線板。
[7]前記金属層が、頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する、上記[5]又は[6]に記載のプリント配線板。
[8]上記[5]〜[7]のいずれかに記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ。
[9]レジストパターン幅(L)に対するレジストパターンの高さ(H)の比率(H/L)が4.0以上であるレジストパターンにおいて、トップの幅(L)とボトムの幅(L)との差が2.4μm以下であるレジストパターン。
[10]表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上に金属層を有し、該金属層上に上記[9]に記載のレジストパターンを有する積層体。
本発明によれば、(1)アスペクト比の高い回路パターンを提供すること、(2)アスペクト比の高い回路パターンを有するプリント配線板を提供すること、(3)該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供すること、さらには、(4)アスペクト比の高いレジストパターンにおいてトップの幅とボトムの幅の差が小さいレジストパターンを提供すること、及び(5)所定の表面粗さの絶縁樹脂層上の金属層(シード層)の上に前記レジストパターンを有する積層体を提供することができる。
また、本発明のレジストパターンはシード層との密着性が十分であり、倒れにくいため、回路パターンの形成が容易である。
実施例1で形成した金属層(シード層)の表面形状の走査イオン顕微鏡(SIM)写真(倍率:36,000倍)である。 比較例1で形成した金属層(シード層)の表面形状の走査イオン顕微鏡(SIM)写真(倍率:36,000倍)である。 本発明の積層体の製造方法の一実施形態を示す断面模式図である。 本発明においてセミアディティブ法(SAP)による回路形成方法の一実施形態を示す断面模式図である。 実施例における評価方法で用いた、L/S=x/xの密着性評価パターンを示す模式図である。 実施例における評価方法で用いた、L/S=x/xの解像性評価パターンを示す模式図である。 実施例1で作製した、L/S=7μm/7μm、高さ(H)=38μm、アスペクト比(H/L)=5.4のレジストパターンの走査イオン顕微鏡(SIM)写真である。右図は左図の拡大図である。 実施例1で作製した、L/S=9μm/9μm、高さ(H)=50μm、アスペクト比(H/L)=5.6のレジストパターンの走査イオン顕微鏡(SIM)写真である。右図は左図の拡大図である。 比較例1で作製した、L/S=8μm/8μm、高さ(H)=38μm、アスペクト比(H/L)=4.8のレジストパターンの走査イオン顕微鏡(SIM)写真である。右図は左図の拡大図である。 比較例1で作製した、L/S=9μm/9μm、高さ(H)=50μm、アスペクト比(H/L)=5.6のレジストパターンの走査イオン顕微鏡(SIM)写真である。右図は左図の拡大図である。
本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、数値範囲の下限値及び上限値は、それぞれ他の数値範囲の下限値又は上限値と任意に組み合わせられる。
また、本明細書に例示する各成分及び材料等は、特に断らない限り、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本明細書における記載事項を任意に組み合わせた態様も本発明に含まれる。
本発明のレジストパターン及び回路パターンを得るためには、レジストパターンを形成する際に照射した光の拡散光の割合を所定値以下とすることが有効である。このように、拡散光の割合を低減することで、レジストパターンを形成する際の露光量を増大したとしてもレジストパターンの幅(L)が大きくならず、アスペクト比の高いレジストパターンを形成することができる。そのためには、以下の積層体を利用してレジストパターンを形成することが好ましい。
<積層体>
前記積層体は、表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上に金属層(シード層)を有する積層体であって、波長300〜500nmの光を前記絶縁樹脂層に対して垂直方向から入射したときに生じる拡散光の割合が20%以下の積層体(以下、積層体(X)と称することがある。)である。
前記拡散光の割合が20%を超えると、絶縁樹脂の表面粗さ(Ra)が0.05〜0.50μmであるとき、良好なパターン形状を有する微細配線が得られない傾向にある。ドライフィルムレジスト層と金属層(シード層)との密着性を高めるために入射光(露光量)を増加するとき、より一層、パターン形状が悪くなる傾向がある。またさらに、前記拡散光の割合が20%を超えると、後述するセミアディティブ法において形成するレジストパターンの裾の広がりが発生し、それによってシード層をエッチング除去した後の回路パターンのアンダーカット率(配線幅に対するアンダーカット幅の割合)が大きくなり、回路パターンの剥がれが発生する傾向にある。
これらの観点から、前記拡散光の割合は、好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは10%以下である。前記拡散光の割合の下限値は、特に制限されるものではないが、例えば、3%以上、5%以上又は8%以上となる傾向にある。
なお、前記絶縁樹脂層の表面粗さ(Ra)は、金属層(シード層)とレジストパターンとの密着性及び不要部の金属層(シード層)のエッチング除去の容易性の観点から、好ましくは0.10〜0.35μm、より好ましくは0.15〜0.30μm、さらに好ましくは0.15〜0.25μmである。
本発明において、表面粗さとは算術平均粗さRaであり、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さ(L)(本実施形態のRaは、基準長さ(L)=0.8mmとする。)だけを抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、下記式(1)によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。具体的には、JIS B0601(1994年)に準拠し、実施例に記載の方法で測定することができる。
前記拡散光の割合は、波長300〜500nmの光を前記絶縁樹脂層に対して垂直方向から入射したときに生じる拡散光の割合を意味する。波長300〜500nmの光としては、例えば、波長365nmの光、波長405nmの光等を使用することができ、特に波長405nmの光を前記絶縁樹脂層に対して垂直方向から入射したときに生じる拡散光の割合が前記範囲となることが好ましい。該拡散光の割合は、分光測色計を用いて正反射光を除去した反射率を測定し、それを拡散光の割合とした。なお、反射率、正反射光の割合及び拡散光の割合は、以下の関係にある。
反射率(%)=正反射光の割合(%)+拡散光の割合(%)
前記積層体(X)は、波長300〜500nmの光を前記絶縁樹脂層に対して垂直方向から入射したときに生じる正反射光の割合が、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下、最も好ましくは0.5%以下となる。正反射光は、ドライフィルムレジスト層上の支持フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)によって反射して再び金属層(シード層)へ入射するため、当該正反射光も少ない方が好ましく、前記積層体(X)であれば、上記の通り正反射光の割合も低減することができる。
前記金属層(シード層)としては、例えば、銅層、ニッケル層、金層、銀層等;銅、ニッケル、金及び銀からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する合金層;これら金属層の組み合わせ等が挙げられる。これらの中でも、銅層が好ましい。
金属層(シード層)の厚さは、特に制限されるものではないが、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.8μm、さらに好ましくは0.3〜0.7μmである。
前記絶縁樹脂層としては、特に制限されるものではなく、多層配線基板に使用される絶縁樹脂層を使用できる。絶縁樹脂層は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又はそれらの混合樹脂を含有してなる絶縁樹脂層等が挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シアネート化合物、ビスマレイミド化合物、ビスマレイミド化合物とモノアミン化合物及びジアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種との反応物、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、シクロペンタジエンから合成した樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含む樹脂、芳香族ニトリルから合成した樹脂、3量化芳香族ジシアナミド樹脂、トリアリルトリメタリレートを含む樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、ベンゾオキサジン化合物等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、液晶ポリマ等が挙げられる。
前記絶縁樹脂層は、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、有機充填材、難燃剤、増粘剤、紫外線吸収剤、密着性付与剤及び着色剤等からなる群から選択される少なくとも1種を含有してなるものであってもよい。また、前記絶縁樹脂層は、前記した成分以外の成分を含有していてもよい。
絶縁樹脂層の厚さに特に制限はないが、例えば、1〜100μmであってもよく、1〜40μmであってもよく、薄膜化の観点からは、好ましくは2〜20μmである。
前記拡散光の割合を前記範囲に低減する方法としては、特に制限されるものではないが、金属層(シード層)を、頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する金属層(シード層)とする方法等が挙げられる。ここで、本明細書において、頂角とは、略円錐形状の凸部の頂点から底面へ向けて切った断面形状において最も大きくなる頂角を指す。頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する金属層(シード層)とすることにより、拡散光が凸部の側面で緩衝作用によって減衰する効果があるものと推察される。ここで、略円錐形状の凸部とは、図1に示すように、走査イオン顕微鏡(SIM:Scanning Ion Microscope)で倍率36,000倍及びイオン照射角度45度にて観察したときに円錐形状をイメージできる凸部を指し、該凸部は絶縁樹脂層に対して垂直方向を向いていてもよいし、斜めに(例えば前記垂直方向を基準に好ましくは0〜60度、より好ましくは0〜75度)傾いていてもよい。また、該凸部の斜面は、微視的に見たときに凹凸を有していてもよい。
略円錐形状の凸部の頂角は、凸部の側面での拡散光の緩衝作用の観点から、好ましくは5〜70度、より好ましくは10〜70度、さらに好ましくは20〜70度である。
頂角5〜90度の略円錐形状の凸部の高さは、好ましくは0.01〜1.00μm、より好ましくは0.1〜0.5μmである。
頂角5〜90度の略円錐形状の凸部は、例えば、4μm×4μmの範囲に10個以上存在することが好ましく、20個以上存在することがより好ましく、上限に特に制限はないが、通常は50個以下となる傾向にあり、40個以下であってもよい。
頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する金属層(シード層)とする方法に特に制限はないが、セミアディティブ法(SAP)において一般的に実施される条件での無電解めっき処理では、そのような金属層(シード層)を形成することは困難であり、形成されないと言っても過言ではない。例えば、一般的に実施される無電解銅めっき処理の条件は、銅濃度が2.5g/L(これを浴濃度100%とする。以下、本明細書において、浴濃度とは、銅濃度2.5g/Lに対する濃度の割合を意味する。)の無電解銅めっき液を用いて、温度35℃程度で銅を効率良く析出させる方法が採用される。この条件の場合、厚さ0.5μm相当の銅を析出する時間は15〜20分程度で済む。このように効率良く銅を析出させる条件にて無電解銅めっき処理を行うと、図2に示すように、形成される金属層(シード層)の表面には略円錐形状の凸部が実質的に存在しない傾向にあり、表面を走査イオン顕微鏡(SIM)で倍率36,000倍及びイオン照射角度45度にて観察すると、略円錐形状の凸部は観察されず、球状の凹凸が観察される。これは、絶縁樹脂層の表面の粗い形状の空隙部を埋めるようにして金属層(シード層)が形成されるため、略円錐形状の凸部が形成されないものと推察する。
一方、本発明者の検討の結果、無電解銅めっき処理の条件を、厚さ0.5μm相当の銅を析出するのに25〜40分要するような条件とする、つまり銅の析出速度をあえて下げることで、頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する金属層(シード層)が形成されることが分かった。具体的には、浴濃度20〜60%(銅濃度0.5〜1.5g/L相当)の無電解銅めっき液を用いて、温度15〜30℃程度で銅を析出させる条件を採用することが好ましい。銅の析出速度を下げると銅めっきの付き回り性が低下し、ボイド及び電解銅めっき後に膨れが発生による絶縁樹脂層とシード層間の密着性が低下する傾向にあるため、通常は採用しない条件であるが、本発明では当該条件をあえて採用したところ、頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する金属層(シード層)の形成がなされ、その結果、絶縁樹脂の表面粗さ(Ra)が0.05〜0.50μmであっても、拡散光の割合が前記範囲となり、本発明の前記レジストパターン及び微細配線が得られることが分かった。このような結果が得られたのは、絶縁樹脂層の表面の粗い形状に追随するように金属層(シード層)が形成されたためであると推察する。
また、本発明者のさらなる検討の結果、無電解銅めっきの下記主反応より、下記副反応の比率を高くすることにより、銅の析出速度を下げる前記条件下においても銅めっきの付き回り性が良好となることが分かった。なお、下記副反応の比率を高くすることで、副反応が主の反応となるが、本明細書では、便宜上、下記説明の通りにそれぞれを主反応又は副反応と称する。
前記副反応の比率を高くする方法としては、後述するように、前記無電解銅めっき液を、前記絶縁樹脂層とは異なる別の絶縁樹脂層に対する無電解めっき処理に使用するダミー処理工程を経た後、前記ダミー処理工程後に残存した無電解銅めっき液を、本来の対象の絶縁樹脂層を無電解めっき処理するための無電解銅めっき液の少なくとも一部として使用する方法が挙げられる。一度、無電解銅めっき処理を行って残存した無電解銅めっき液には、一価の銅(Cu)が多く含まれているため、上記副反応の比率を高められたものと推察する。また、該副反応比率が高まることによって銅めっき付き回り性が改善された正確な理由は不明であるが、副反応では銅を析出するために必要な還元剤(HCHO)の消費量が少なくなることで、単純に銅イオンに対する還元効率が上がること、水素ガスの発生量が減少していることが影響している可能性がある。発生した水素ガスは、無電解めっきの前処理によって絶縁樹脂層に吸着した無電解めっきの触媒であるパラジウムに吸蔵される。そのため、水素ガスの発生量が増加した場合には、パラジウムに急増される量が増加し、何らかの原因で水素ガスが再度放出されることにより、無電解めっきの析出が妨げられ、ボイドが発生する等の銅めっき付き回り性が低下すること、さらには、絶縁樹脂層と金属層(シード層)との界面の密着性が低下すること等が考えられる。
前記積層体(X)は、金属層(シード層)を有していない側の面に支持体を有していてもよい。支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム;ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリイミドフィルム;などの各種プラスチックフィルムが挙げられる。また、支持体として、離型紙、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを使用してもよい。支持体には、マット処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。また、シリコーン樹脂系離型剤、アルキド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型処理が施してあってもよい。支持体の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、10〜150μmであってもよく、25〜50μmであってもよい。
また、前記支持体としては、特に前述の支持体に制限されるものではなく、多層配線基板に使用される絶縁樹脂層を使用できる。絶縁樹脂層は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又はそれらの混合樹脂を含有してなる絶縁樹脂層等が挙げられる。
本明細書では、支持体上に絶縁樹脂層を有するものを絶縁樹脂基板と称することがある。
<積層体(X)の製造方法>
前記積層体(X)の一実施形態は、下記の製造方法によって製造することができる。
表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層(A)表面に銅層を有し、波長300〜500nmの光を前記絶縁樹脂層(A)に対して垂直方向から入射したときに生じる拡散光の割合が20%以下である積層体の製造方法であって、
(1)銅濃度0.5〜1.5g/Lの無電解銅めっき液を調製する工程、
(2)前記無電解銅めっき液を、前記絶縁樹脂層(A)とは異なる別の絶縁樹脂層(B)に対する無電解めっき処理に使用するダミー処理工程、
(3)前記ダミー処理工程後に残存した無電解銅めっき液を、前記絶縁樹脂層(A)を無電解めっき処理するための無電解銅めっき液の少なくとも一部として準備する工程、及び
(4)前記工程(3)で準備した無電解銅めっき液を用いて、温度15〜30℃で前記絶縁樹脂層(A)表面に無電解銅めっき処理を施して銅層を形成する工程、
を有する、積層体の製造方法。
当該製造方法により、絶縁樹脂の表面粗さ(Ra)を0.05〜0.50μmとした場合であっても、L/Sが小さく且つ良好なパターン形状の微細配線が得られる積層体が形成され、且つ、こうして得られる積層体(X)は、銅の析出速度を低下させて製造したにも関わらず、無電解銅めっきの前記縁樹脂層(A)に対するめっき付き回り性に優れている。
以下、当該積層体(X)の製造方法の一実施形態について、適宜、図3を参照しながら、各工程について詳述するが、特にこの態様に制限されるものではない。
(工程(1))
工程(1)は、銅濃度0.5〜1.5g/Lの無電解銅めっき液1を調製する工程である。
該無電解銅めっき液1は、通常、硫酸銅、ホルマリン、水酸化ナトリウム、銅錯化剤、安定剤等を含有する。絶縁樹脂層上に金属層(シード層)を設ける際に使用する一般的な無電解銅めっき液は、銅濃度2.5g/Lであるが、本発明では、銅濃度が通常よりも低い無電解銅めっき液を使用する。
(工程(2))
工程(2)は、前記無電解銅めっき液1を、絶縁樹脂層(A)7とは異なる別の絶縁樹脂層(B)2に対する無電解めっき処理に使用するダミー処理工程(以下、ダミー処理工程(2)と称することがある)である。該ダミー処理工程(2)により、無電解銅めっき液中の一価の銅(Cu)の含有量を増加することができ、無電解銅めっきの絶縁樹脂層(A)に対するめっき付き回り性が向上する。
絶縁樹脂層(A)とは異なる別の絶縁樹脂層(B)としては、その層の材質は絶縁樹脂層(A)と同じであってもよいし、異なっていてもよい。つまり、無電解銅めっき処理を施そうとしている絶縁樹脂層(A)とは異なる絶縁樹脂層であればよいが、絶縁樹脂層(A)と同じ材質の絶縁樹脂層であることが好ましい。
該ダミー処理工程(2)の処理条件に特に制限はないが、例えば、次の方法で実施することができる。無電解銅めっきの前処理として、別の絶縁樹脂層(B)表面を、アルカリ性のクリーナー処理液を用いて、好ましくは温度40〜70℃で好ましくは1〜10分処理を施し、湯洗、続いて水洗を施す。その後、無電解めっき用触媒付与の前処理として、プリディップ処理液を用いて、好ましくは温度20〜40℃で好ましくは0.5〜2分処理を施し、次に、無電解めっき用触媒のパラジウムを付与するために、アルカリ性パラジウム付与液を用いて、好ましくは温度30〜50℃で好ましくは3〜7分処理を施し、それから水洗を施す。その後、パラジウム還元処理液を用いて、好ましくは温度20〜35℃で好ましくは3〜7分処理を施し、それから水洗を施す。そして、浴濃度20〜60%(銅濃度0.5〜1.5g/L相当)の無電解銅めっき液を用いて、好ましくは温度15〜30℃で前記絶縁樹脂層(B)表面に無電解銅めっき処理を施す方法等が挙げられる。当該無電解銅めっき処理の途中で、必要に応じて無電解銅めっき液を追加してもよい。
このようにして別の絶縁樹脂層(B)2を銅めっき処理して銅層5を設けた後に、ダミー処理工程後に残存した無電解銅めっき液4を利用して、後述する工程(3)にて使用する。
(工程(3))
工程(3)は、前記ダミー処理工程(2)後に残存した無電解銅めっき液4を、前記絶縁樹脂層(A)を無電解めっき処理するための無電解銅めっき液の少なくとも一部として準備する工程である。ここでいう「少なくとも一部」とは、ダミー処理工程(2)を経ていない無電解銅めっき液中の銅濃度に対して、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であることをいい、上限に特に制限はないが、製造コストの観点から、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下である。
工程(3)の具体的な実施態様の一例としては、例えば、ダミー処理工程(2)後、ダミー処理工程(2)で使用した別の絶縁樹脂層(B)2を取り除くことによって残存した無電解銅めっき液4へ、ダミー処理工程(2)を経ていない新しい無電解銅めっき液1’を供給して「ダミー処理後の残存銅めっき液を混合した銅めっき液6」を調製する態様が簡便であって好ましいが、特にこの態様に制限されるものではない。該無電解銅めっき液1’の銅濃度は、好ましくは0.5〜1.5g/Lである。
なお、「ダミー処理後の残存銅めっき液を混合した銅めっき液6」を調製した後、濃度調整をするのが好ましく、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等によって無電解銅めっき液のOH濃度を3.5〜6.5g/Lに調整することが好ましい。
(工程(4))
工程(4)は、前記工程(3)で準備した前記無電解銅めっき液6を用いて、温度15〜30℃で前記絶縁樹脂層(A)7の表面に無電解銅めっき処理を施して銅層(シード層)9を形成する工程である。当該工程(4)により、前記積層体(X)が得られる。
該工程(4)では、めっき処理温度が30℃を超えないようにする。30℃を超えると銅の析出速度が上がり、頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する銅層(シード層)が形成されなくなる。この観点から、めっき処理温度は、好ましくは18〜28℃、より好ましくは20〜25℃である。なお、絶縁樹脂層上に金属層(シード層)を設ける際に使用する一般的な無電解銅めっき処理温度は30〜40℃であるため、本工程(4)は、一般的な無電解銅めっき処理温度よりも低い温度で実施するものである。このように、無電解銅めっき液の濃度を低くし、且つ、無電解銅めっき処理温度を低くすることが、頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する銅層(シード層)の形成に有利である。
なお、絶縁樹脂層(A)7の表面に無電解銅めっき処理を施す前に、必要に応じて、前処理、例えば、クリーナー処理工程、ソフトエッチング処理工程、中和処理工程、及び、無電解めっき用触媒による処理工程、還元処理工程等を任意に経てもよく、またこれらの工程をこの順に経ることが好ましい。
クリーナー処理工程には、前記アルカリ性のクリーナー処理液を用いて、好ましくは温度40〜70℃で好ましくは1〜10分処理を施し、湯洗、水洗を施す。
ソフトエッチング処理工程は、無電解銅めっきを施すビアホール及びスルーホールを含む絶縁樹脂層の表面に、内層銅を含む場合には、内層銅と無電解銅めっきの層間接続を保つために、ソフトエッチング処理工程を実施することが好ましい。ソフトエッチング処理工程には、銅を溶解する処理液であれば特にこだわらないが、硫酸−過酸化水素水混合溶液及び過硫酸ナトリウム溶液等を含む処理液を用いて、好ましくは温度15〜30℃で好ましくは0.5〜2分処理を施し、水洗を施す。
中和処理工程には、硫酸水溶液等を用いることができる。そして、好ましくは温度20〜30℃で好ましくは0.5〜1分処理を施し、水洗を施す。
無電解めっき用触媒による処理工程には、パラジウム塩を含むめっき触媒液等を用いることができる。なお、前記無電解めっき用触媒付与の前処理として、プリディップ処理液を用いて、好ましくは温度20〜40℃で好ましくは0.5〜2分処理を施し、アルカリ性パラジウム付与液を用いて、好ましくは温度30〜50℃で好ましくは3〜7分処理を施し、水洗を施す操作を行ってもよい。
還元処理工程には、前記パラジウム還元処理液を用いて、温度20〜35℃で3〜7分処理を施し、水洗を施す。
[レジストパターン及び積層体]
本発明のレジストパターンは、前記積層体(X)上であれば容易に作製することができる。本発明のレジストパターンは、レジストパターン幅(L)に対するレジストパターンの高さ(H)の比率(H/L:アスペクト比)が4.0以上である高アスペクト比のレジストパターンにおいて、トップの幅(L)とボトムの幅(L)との差が2.4μm以下となる傾向にあり、トップの幅(L)とボトムの幅(L)との差が小さいレジストパターンとすることができる。さらに、本発明のレジストパターンは解像性良く形成されており、図7及び図8に示すように、レジストパターンの終点においても丸みを帯びずに実質的に矩形となっており、形状が良好である。従来のレジストパターンにおいてアスペクト比を高めると、一般的に、図9及び図10に示すようにレジストパターンの終点においてレジスト残渣が残り、きれいな矩形にならずに丸みを帯びてしまい、レジストパターン形成性(解像性)が悪くなる。
前記アスペクト比(H/L)は、4.0〜8.5とすることができ、4.2〜7.5とすることもでき、4.5〜7.5とすることもでき、5.0〜6.5とすることもでき、5.0〜6.0とすることもできる。こうすることで、高さの高い回路パターンを形成することが可能となる。
トップの幅(L)とボトムの幅(L)との差は、好ましい態様では2.0μm以下にもなる。トップの幅(L)とボトムの幅(L)との差の下限値は特に制限されるものではないが、通常、1.0μm以上となる傾向にある。
なお、前記レジストパターン幅(L)は、レジストパターンのトップの幅(L)のことであり、前記レジストパターンの高さ(H)は、レジストパターンのボトムからトップまでの高さを測定した値とする。該測定には、走査イオン顕微鏡(SIM)写真を利用することができる。
また、レジストパターンの幅(L)とパターン間隔(S)との関係[パターン幅/パターン間隔(L/S)]は、特に制限されるものではないが、微細配線を形成する観点から、レジストパターンのL/Sは好ましくは3〜15μm/3〜15μmであり、4〜12μm/4〜12μmとすることもでき、5〜10μm/5〜10μmとすることもでき、6〜10μm/6〜10μmとすることもでき、6〜9μm/6〜9μmとすることもできる。レジストパターンのパターン間隔(S)の測定は、走査イオン顕微鏡(SIM)写真を利用して求めることができる。
このようなアスペクト比が高いレジストパターンを利用することによって本発明の回路パターンの形成が可能となる。
レジストパターンの高さ(H)は、25μm以上とすることができ、30μm以上とすることもでき、35μm以上とすることもでき、40μm以上とすることもでき、45μm以上とすることもできる。なお、レジストパターンの高さ(H)の上限値としては、通常、65μm以下となる傾向にあり、60μm以下であってもよく、55μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。
本発明のレジストパターンは、直線部位が長くてもパターン倒れし難い。例えば3.0mm以上の直線部位を有していても、パターン倒れし難い。つまり、本発明のレジストパターンは、3.0mm以上の直線部位を有するレジストパターンであってもよいし、3.3mm以上の直線部位を有するレジストパターンであってもよいし、3.5mm以上の直線部位を有するレジストパターンであってもよい。
本発明は、表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上に金属層を有し、該金属層上に本発明の前記レジストパターンを有する積層体も提供する。
また、本発明のレジストパターンが前記積層体(X)上に設けられた積層体も好ましい。該積層体(X)については前述の通りである。具体的には、表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上に金属層(シード層)を有する積層体であって、波長300〜500nmの光を前記絶縁樹脂層に対して垂直方向から入射したときに生じる拡散光の割合が20%以下の積層体の前記金属層上に本発明の前記レジストパターンを有する積層体であることが好ましい。
(レジストパターンの材料)
本発明のレジストパターンの材料に特に制限はなく、レジストパターン形成用の公知の感光性樹脂組成物を使用することができる。例えば、(1)光重合性官能基を有する化合物及び(2)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物等が挙げられる。感光性樹脂組成物は、さらに、熱ラジカル重合開始剤、無機充填材、増感剤、熱架橋剤、接着助剤等を含有してなるものであってもよい。
前記(1)光重合性官能基を有する化合物が有する光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基などのエチレン性不飽和基が挙げられる。(1)光重合性官能基を有する化合物としては、レジストパターン形成性(解像性)を向上させる観点から、炭素−窒素結合を有する化合物を含有していてもよく、ウレタン結合を有する化合物を含有していてもよい。ウレタン結合を有する化合物としては、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート等であってもよい。(1)光重合性官能基を有する化合物が有する光重合性官能基の数としては、特に制限されるものではないが、パターン形成性(解像性)の観点から、1〜24であってもよく、また、得られる硬化物の物性及び特性を安定化させる観点から、2〜15であってもよく、2〜12であってもよい。
また、前記(2)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン系光重合開始剤;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン系光重合開始剤;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール系光重合開始剤;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン系光重合開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤;1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[O−(エトキシカルボニル)オキシム]等のオキシムエステル系光重合開始剤などが挙げられる。
(レジストパターンの形成方法)
表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上に金属層(シード層)上に感光性樹脂組成物を塗布してから乾燥させるか、又は前記金属層(シード層)上に感光性樹脂組成物からなるシート(ドライフィルムレジストとも称する。)を設置し、少なくとも一部を露光してから現像を行うことによってレジストパターンを形成することができる。
露光方法に特に制限はなく、例えば、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを介して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)を採用してもよいし、LDI(Laser Direct Imaging)露光法、DLP(Digital Light Processing)露光法等の直接描画露光法により、活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができる。光源としては、具体的には、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザ;YAGレーザ等の固体レーザ;半導体レーザ等の紫外線又は可視光線を有効に放射するもの;などが挙げられる。露光量は、前記感光性樹脂組成物から形成される感光層の厚み及び使用する光源等によって適宜選定されるが、例えば高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、感光層の厚み1〜100μmでは、通常、10〜2,000mJ/cm、より好ましくは20〜1,500mJ/cm、さらに好ましくは30〜800mJ/cmの露光量がより好ましい。
現像においては、前記感光層の未硬化部分が基板上から除去されることで、光硬化した硬化物からなるレジストパターンが前記金属層(シード層)上に形成される。
現像方法には、ウェット現像とドライ現像があり、いずれを採用してもよいが、ウェット現像が広く用いられており、本実施形態においてもウェット現像を採用できる。
ウェット現像の場合、前記感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知の現像方法により現像する。現像方法としては、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッピング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられる。これらの中でも、解像性向上の観点からは、スプレー方式が好ましく、スプレー方式の中でも高圧スプレー方式がより好ましい。現像は、1種の方法で実施すればよいが、2種以上の方法を組み合わせて実施してもよい。
現像液の構成は、前記感光性樹脂組成物の構成に応じて適宜選択すればよい。例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液及び有機溶剤系現像液が挙げられ、これらの中でもアルカリ性水溶液が好ましい。
[回路パターン]
本発明の回路パターンは、配線幅(L)に対する配線の高さ(H)の比率(H/L;アスペクト比)が2.5以上である回路パターンであり、前記レジストパターンを利用することによって形成できる。本発明の回路パターンのアスペクト比は高いため、電気抵抗を低減することができ、ひいては伝送信号の遅延の低減及び配線寿命の低下の抑制という効果を有する。
ここで、配線幅(L)は、配線のトップ幅のことであり、配線の高さ(H)は、回路パターンのボトムからトップまでの高さを測定した値とする。該測定には、走査イオン顕微鏡(SIM)写真を利用することができる。
配線幅(L)に対する配線の高さ(H)の比率(H/L)は、伝送信号の遅延の低減及び配線寿命の低下の抑制の観点から、好ましくは2.5〜5.0であり、より好ましくは2.8〜5.0、より好ましくは3.1〜5.0、より好ましくは3.3〜5.0、さらに好ましくは3.5〜5.0、特に好ましくは4.0〜5.0、最も好ましくは4.3〜5.0である。
本発明の回路パターンの配線の高さ(H)は、21μm以上とすることができ、25μm以上とすることもでき、30μm以上とすることもでき、35μm以上とすることもでき、38μm以上とすることもでき、40μm以上とすることもできる。なお、高アスペクト比を有していながらトップの幅(L)とボトムの幅(L)との差が小さく且つシード層との密着性に優れたレジストパターンを形成しておく必要性があるという理由で、回路パターンの配線の高さ(H)の上限値としては、通常、65μm以下となる傾向にあり、60μm以下であってもよく、55μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。
また、本発明の回路パターンの配線幅(L)と配線間隔(S)との関係[配線幅/配線間隔(L/S)]は、特に制限されるものではないが、微細配線とする観点から、L/Sが好ましくは3〜15μm/3〜15μmであり、4〜12μm/4〜12μmとすることもでき、5〜10μm/5〜10μmとすることもでき、6〜10μm/6〜10μmとすることもでき、6〜9μm/6〜9μmとすることもできる。
本発明の回路パターンは、アスペクト比が高い本発明のレジストパターンを利用することによって形成が可能となる。回路パターンの具体的な形成方法については後述する。
[プリント配線板]
本発明は、表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上に金属層(シード層)を介して本発明の前記回路パターンを有するプリント配線板も提供する。
本発明のプリント配線板は、例えば、前記積層体(X)にセミアディティブ法(SAP)によって回路形成することにより製造することができる。具体的には、前記積層体(X)の金属層(シード層)上にドライフィルムレジスト層を設け、フォトマスクを介して露光する方法(フォトリソグラフィー)及びレーザ光で直接描写して露光する方法によってレジストパターンを形成し、次いで電解めっき処理によって必要な厚みの金属層を形成した後、レジストパターンを除去し、最後に不要な部分の金属層(シード層)をエッチング除去することで、回路パターンを形成することができる。
このようにして得られたプリント配線板の表面にさらに前記積層体(X)を積層し、さらに、上記と同様にして回路パターンを形成して多層プリント配線板とすることができる。なお、本明細書では、プリント配線板というとき、多層プリント配線板も含まれる。
本発明のプリント配線板が有する前記金属層は、前記積層体(X)において説明した通りであり、金属層の厚さは好ましくは0.1〜1.0μmであり、金属層は、頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有することが好ましく、より好ましい態様は前述の通りである。
(回路パターン形成方法)
以下、セミアディティブ法(SAP)によって回路パターンを形成する方法の一実施形態について、図4を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の積層体10上に、感光性樹脂組成物から形成されてなるドライフィルムをラミネーターによって熱ラミネートすることにより、金属層(シード層)9上にドライフィルムレジスト層11を設ける。前記ドライフィルムレジスト層11の膜厚は、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmである。
次に、該ドライフィルムレジスト層11に、必要に応じてキャリアフィルム等の透明なフィルムを介してフォトリソグラフィーあるいは直接描画による露光機で、好ましくは前述の露光量で光照射し、露光を行う。
その後、未露光部を希アルカリ水溶液で溶解除去(現像)し、さらに酸素プラズマ灰化処理によって残渣を除去してレジストパターン12を形成する。露光に使用する光としては、電子線、紫外線、X線等が挙げられ、好ましくは紫外線である。また、光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、LEDランプ等を使用することができる。
その後、レジストパターン12が形成されていない部分に電解めっき処理を施して必要な厚みの金属層13を形成し、次いで、レジストパターン12をレジスト剥離液により除去し、最後に不要な部分の金属層(シード層)をエッチング除去することで、回路パターン14が形成される。
前記電解めっき処理に用いる電解めっき液としては、硫酸銅を含む電解銅めっき液等、市販の電解銅めっき液を用いることができる。
前記レジスト剥離液としては、市販のレジスト剥離液;無機アルカリ;有機アルカリ;有機溶剤;等の薬液を用いることもできる。また、レジストパターンを形成するのに使用した感光性樹脂組成物に対応する専用の剥離液があれば、それを用いることもできる。剥離の方法としては、例えば、薬液に浸漬することでレジストを膨潤、破壊又は溶解させた後、これを除去する方法が挙げられる。薬液をレジストに十分含浸させるために、超音波、加熱、撹拌等の手法を併用してもよい。また、剥離を促進するために、シャワー(スプレー)、噴流等で薬液を当てることもできる。また、絶縁樹脂層の耐熱が十分に高い場合には、高温で焼成することによってレジストを炭化させて除去することもできるし、レーザを照射して焼き飛ばす方法も利用できる。
[半導体パッケージ]
本発明は、本発明のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージも提供する。本発明の半導体パッケージは、本発明のプリント配線板の所定の位置に半導体チップ、メモリ等の半導体素子を搭載し、封止樹脂等によって半導体素子を封止することによって製造できる。
次に、下記の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
[実施例1]
(a)多層用銅張積層板「MCL−E−700G」(日立化成株式会社、品番)の板厚0.4mmの銅箔をエッチング除去して、支持体3を作製した。
(b)支持体3の片面に、プライマー(絶縁樹脂層2)付き銅箔PF−EL−1.5SP(日立化成株式会社、品番)のプライマー面を積層プレス機で貼り合わせ、その後、銅箔をエッチング除去して、絶縁樹脂基板(以下、絶縁樹脂基板2,3と称する。)を作製した。非接触型干渉顕微鏡「Contour GT−X」(Bruker社、品番)を用いて絶縁樹脂層2の表面粗さ(Ra)の測定をしたところ、Raは0.2μmであった。
(c)次に、下記方法によって、ダミー処理後に残存した無電解銅めっき液4を混合した無電解銅めっき液6の調製を行った。
はじめに、絶縁樹脂基板2,3に対して次の処理を行った。クリーナー処理工程として、「クリーナーセキュリガント902」(アトテックジャパン株式会社製、商品名)に60℃で5分浸漬後、1分間湯洗し、さらに3分間水洗した。その後、中和処理工程として、5%硫酸溶液に30℃で0.5分間浸漬後、1分間水洗した。その後、無電解めっき用触媒による処理工程として、「プリディップネオガントB」(アトテックジャパン株式会社製、商品名)20ml/L、98%硫酸1ml/Lの混合液に30℃で1分間浸漬し、次に、「アクチベーターネオガント834」(アトテックジャパン株式会社製、商品名)40ml/L、ほう酸水溶液5g/L、水酸化ナトリウム水溶液4g/Lの混合液に40℃で5分間浸漬後、1分間水洗した。その後、還元処理工程で、「リデュサーネオガントWA」(アトテックジャパン株式会社製、商品名)5ml/L、ほう酸5g/Lの混合液に30℃で5分間浸漬後、0.5分間水洗した。
次に、無電解銅めっき液「CUST−4600A」(日立化成株式会社、商品名)60ml/L、「CUST−4600B」(日立化成株式会社、商品名)70ml/L、「CUST−4600C」(日立化成株式会社、商品名)10ml/L及び「CUST−4600D」(日立化成株式会社、商品名)10ml/Lを混合した未使用の無電解銅めっき液1「CUST−4600」(銅濃度1.5g/L、HCHO濃度9ml/L:浴濃度60%相当、OH濃度5.0g/L)を準備し[工程(1)]、これに上記処理後の絶縁樹脂基板2,3を20℃で浸漬した[工程(2)]。
次に、前記無電解銅めっき液1の銅濃度が1.0g/Lに低下した時点で、「CUST−4600A」を20ml/L(銅濃度0.5g/L、HCHO濃度3ml/L)、「CUST−4600C」を2ml/L及び「CUST−4600D」を2ml/L補充し、この作業を4回繰り返し行い、さらに最後に、未使用の無電解銅めっき液を混合する目的で、「CUST−4600A」を20ml/L(銅濃度0.5g/L、HCHO濃度3ml/L)、「CUST−4600C」を2ml/L及び「CUST−4600D」を2ml/L補充した[工程(3)]。そして、100g/Lの水酸化ナトリウム溶液を用いてOH濃度を5.0g/Lに調整して、ダミー処理後に残存した無電解銅めっき液4を混合した無電解銅めっき液6を作製した。
(d)一方で、多層用銅張積層板「MCL−E−700G」(日立化成株式会社、品番)の板厚0.4mmの銅箔をエッチング除去して、支持体8を作製した。
(e)支持体8の片面に、プライマー(絶縁樹脂層7)付き銅箔PF−EL−1.5SP(日立化成株式会社、品番)のプライマー面を積層プレス機で貼り合わせ、その後、銅箔をエッチング除去して絶縁樹脂基板(以下、絶縁樹脂基板7,8と称する。)を作製した。非接触型干渉顕微鏡「Contour GT−X」(Bruker社、品番)を用いて絶縁樹脂層7の表面粗さ(Ra)の測定をしたところ、Raは0.2μmであった。
(f)次に、下記方法によって、絶縁樹脂基板7,8の表面を無電解銅めっき処理した。
はじめに、絶縁樹脂基板7,8に対して次の処理を行った。クリーナー処理工程として、「クリーナーセキュリガント902」(アトテックジャパン株式会社製、商品名)に60℃で5分浸漬後、1分間湯洗し、さらに3分間水洗した。その後、中和処理工程として、5%硫酸溶液に30℃で0.5分間浸漬後、1分間水洗した。その後、無電解めっき用触媒による処理工程として、「プリディップネオガントB」(アトテックジャパン株式会社製、商品名)20ml/L、98%硫酸1ml/Lの混合液に30℃で1分間浸漬し、次に、「アクチベーターネオガント834」(アトテックジャパン株式会社製、商品名)40ml/L、ほう酸5g/L、水酸化ナトリウム4g/Lの混合液に40℃で5分間浸漬後、1分間水洗した。その後、還元処理工程として、「リデュサーネオガントWA」(アトテックジャパン株式会社製、商品名)5ml/L、ほう酸5g/Lの混合液に30℃で5分間浸漬後、0.5分間水洗した。
その後、前記(c)の工程(3)で調製した無電解銅めっき液6に20℃で30分間浸漬し[工程(4)]、次に5分間水洗し、絶縁樹脂層7上に厚さ0.5μmの銅層(シード層)9を形成することにより、積層体10を作製した。
次に、以下のようにして、積層体10に対してSAP法によってL/S=x/xの回路パターンを形成した。
(g)積層体10を5%硫酸水溶液に0.5分間浸漬し、1分間水洗した。その後、80℃で20分間乾燥した。
(h)上記乾燥後、直ちに、ドライフィルムレジスト「フォテック(登録商標)RY−5319」(日立化成株式会社、厚み19μm、品番)又は「フォテック(登録商標)RY−5325」(日立化成株式会社、厚み25μm、品番)を常圧ラミネートによって、ロール圧力0.4MPa、処理温度120℃、搬送速度1.0m/sの条件で、1回又は2回ラミネートし、高さ(H)25μm、38μm又は50μmのドライフィルムレジスト層11をそれぞれ形成した。
(i)ドライフィルムレジスト層11を、直描露光機「DE−1UH」(ビアメカニクス株式会社製、品番)を用いて、高さ(H)25μmのレジストパターンに対しては260mJ/cm、高さ(H)38μmのレジストパターンに対しては280mJ/cm、高さ(H)50μmのレジストパターンに対しては300mJ/cmの露光量にて、図5に示す密着性評価パターン及び図6に示す解像性評価パターンを用いてそれぞれL/S=x/x(Offset:L=x−2μm)の条件で露光した1分後に、70℃で1分間、PEB(Post Exposure Bake)処理を行い、その後、濃度1%の炭酸ナトリウムの現像液を用いてスプレー圧0.17MPa、30℃で1分間処理を行い、さらに酸素プラズマ灰化処理によって残渣を除去してレジストパターン12を形成した。
(j)前記解像性評価パターンを用いてレジストパターン12を形成した基板を、5%硫酸溶液に30℃で10秒浸漬した後、次の方法で電解銅めっき処理を行った。電解銅めっき処理の方法としては、電解銅めっき液(硫酸銅五水和物200g/L、98%硫酸50g/L、塩化物イオン40mg/L、「Cu−Brite VF−IIA」(株式会社JCU製、商品名)20ml/L、「Cu−Brite VF−IIB」(株式会社JCU製、商品名)1ml/L)に、23℃、1.0A/dmで、高さ(H)25μmのレジストパターンに対して高さ(H)16μm、高さ(H)38μmのレジストパターンに対して高さ(H)26μm、高さ(H)50μmのレジストパターンに対して高さ(H)41μmの銅めっきを析出させる条件で電解銅めっき処理を行い、金属層13を形成した。
(k)次に、レジストパターン12の剥離を次の方法で実施した。「クリーンエッチ(登録商標)R−100S」(菱江化学株式会社製、商品名)100ml/L及び「クリーンエッチ(登録商標)R−101」(菱江化学株式会社製、商品名)100ml/Lの混合液を用いて、スプレー圧力0.15MPa、45℃で3分間処理を行うことによってレジストパターン12の剥離を行い、その後、3分間水洗した。さらに、180℃で30分間乾燥した。
次に、銅層(シード層)9をエッチング除去した。具体的には、硫酸−過酸化水素水エッチング液(98%硫酸100ml/L、DL−りんご酸100g/L、過酸化水素水10ml/L、1,2,3−ベンゾトリアゾール1g/L)を用いて、30℃、スプレー圧力0.14MPaで処理することにより、銅層(シード層)9をエッチング除去した。このようにして、高さ(H)=15〜40μm、L/S=6μm/6μm〜9μm/9μm、アスペクト比(H/L)=1.7〜4.4の回路パターン14をそれぞれ形成した。
なお、後述する評価方法に従って各評価を行った。結果を表1〜表3に示す。
[比較例1]
実施例1において、前記(a)〜(c)を実施せず、且つ、前記(f)において、無電解銅めっき液6の代わりに前記(c)で使用した無電解銅めっき液1を用いたこと以外は同様に操作を行うことで、絶縁樹脂層7上に厚さ0.5μmの銅層(シード層)9を形成して積層体10を作製し、種々のL/Sの回路パターン14の形成を試みた。
なお、後述する評価方法に従って各評価を行った。結果を表1〜表3に示す。
各例における測定及び評価方法は以下の通りに行った。
〔測定及び評価方法〕
<1.金属層(シード層)の表面形状の観察>
実施例1及び比較例1の前記(f)において、形成した銅層(シード層)9の表面を、走査イオン顕微鏡(SIM)で倍率36,000倍及びイオン照射角度45度にて観察した。結果をそれぞれ図1(実施例1)及び図2(比較例1)に示す。
<2.拡散光の割合及び正反射光の割合>
前記(f)において、形成した銅層(シード層)9について、分光測色計「CM−5」(KONICA MINOLTA社、品番)を用いて、波長405nmの光について、反射光に占める反射角度が0°の正反射光の割合及び該正反射光以外の拡散光の割合をそれぞれ測定した。
<3.レジストパターン形成性(解像性)>
前記(i)のドライフィルムレジスト層11を露光する工程において、評価のために、図6及び表2に示すL/S=x/xの解像性評価パターンを形成して、レジストパターン間又はレジストパターン中に残渣がなく、且つレジストパターン12と銅層(シード層)9との間の剥がれがないレジストパターンが形成できたときを「A」、レジストパターン間又はレジストパターン中に残渣があるときを「C」と評価し、レジストパターン形成性(解像性)の指標とした。
また、実施例1で得られたレジストパターン(L/S=7μm/7μm、高さ(H)=38μm、アスペクト比(H/L)=5.4及びL/S=9μm/9μm、高さ(H)=50μm、アスペクト比(H/L)=5.6)と、比較例1で得られたレジストパターン(L/S=8μm/8μm、高さ(H)=38μm、アスペクト比(H/L)=4.8及びL/S=9μm/9μm、高さ(H)=50μm、アスペクト比(H/L)=5.6)を走査イオン顕微鏡(SIM)によって観察し、その結果をそれぞれ順に図7〜10(実施例1:図7及び図8、比較例1:図9及び図10)に示した。
<4.レジストパターンとシード層との密着性>
前記(i)のドライフィルムレジスト層11を露光する工程において、評価のために、図5に示すL/S=x/xの密着性評価パターンを形成して、L/S=6μm/6μm〜9μm/9μm、高さ(H)=25μm〜50μm、アスペクト比(H/L)=2.8〜5.6のレジストパターンについて、レジストパターンとシード層との密着性を評価した。密着性の評価は、シード層に対してレジストパターン12と銅層(シード層)9との間に剥がれが発生しないレジストパターン幅(L)を調査した。剥がれが発生しないレジストパターン幅が小さい程、密着性に優れていると言える。
<5.レジストパターンのトップの幅(L)とボトムの幅(L)との差>
各例で作製したL/S=6μm/6μm〜9μm/9μm、高さ(H)=25μm〜50μm、アスペクト比(H/L)=2.8〜5.6のレジストパターンについて、走査イオン顕微鏡(SIM)で倍率4,500倍及びイオン照射角度45度にて観察し、レジストパターンのトップの幅(L)とボトムの幅(L)を測り、それらの差(L−L)を求めた。
<6.回路パターン形成性(解像性)>
各例で作製したL/S=6μm/6μm〜9μm/9μm、高さ(H)=15μm〜40μm、アスペクト比(H/L)=1.7〜4.4の回路パターンについて、幅(L)の設計値に対する公差が±1.0μm以内であり、且つ高さ(H)が設計値以上であるときを「A」、幅(L)の設計値に対する公差が±1.0μmを超え、且つ高さ(H)が設計値未満であるときを「C」と評価し、回路パターン形成性の指標とした。

表1〜表3より、本発明によれば、アスペクト比の高い回路パターンを提供できることがわかる。そのため、アスペクト比の高い回路パターンを有するプリント配線板を提供することができ、且つ、該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供することができるといえる。
なお、図1に示すような頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する金属層(シード層)を利用することで、露光時の拡散光が抑制されるため、アスペクト比の高いレジストパターンにおいてトップの幅とボトムの幅の差が小さいレジストパターンを提供することが可能であり、さらに、表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上の金属層(シード層)の上にアスペクト比の高いレジストパターンを有する積層体を提供することができた。このことが、アスペクト比の高い回路パターンの形成を可能にした。
以上の結果、本発明によれば、高アスペクト比の微細配線を有するプリント配線板を製造することが可能と言える。
1 未使用の無電解銅めっき液
1’ 未使用の無電解銅めっき液
2 別の絶縁樹脂層(B)
3 支持体
4 ダミー処理後に残存した無電解銅めっき液
5 銅層
6 ダミー処理後に残存した無電解銅めっき液を混合した無電解銅めっき液
7 絶縁樹脂層(A)
8 支持体
9 銅層(シード層)
10 積層体
11 ドライフィルムレジスト層
12 レジストパターン
13 金属層
14 回路パターン

Claims (10)

  1. 配線幅(L)に対する配線の高さ(H)の比率(H/L)が2.5以上である回路パターン。
  2. 配線幅(L)に対する配線の高さ(H)の比率(H/L)が2.5〜5.0である、請求項1に記載の回路パターン。
  3. 配線の高さ(H)が21μm以上である、請求項1又は2に記載の回路パターン。
  4. 回路パターンの配線幅(L)と配線間隔(S)との関係(L/S)が3〜15μm/3〜15μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路パターン。
  5. 表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上に金属層を介して請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路パターンを有するプリント配線板。
  6. 前記金属層の厚さが0.1〜1.0μmである、請求項5に記載のプリント配線板。
  7. 前記金属層が、頂角5〜90度の略円錐形状の凸部を有する、請求項5又は6に記載のプリント配線板。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ。
  9. レジストパターン幅(L)に対するレジストパターンの高さ(H)の比率(H/L)が4.0以上であるレジストパターンにおいて、トップの幅(L)とボトムの幅(L)との差が2.4μm以下であるレジストパターン。
  10. 表面粗さ(Ra)0.05〜0.50μmの絶縁樹脂層上に金属層を有し、該金属層上に請求項9に記載のレジストパターンを有する積層体。
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