JP2020134387A - 異常予見装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫化水素ガスの発生を伴う環境で用いられるプリント回路板における腐食による異常の発生を予見することができる技術の提供。【解決手段】異常予見装置Dは、硫化水素ガスの発生を伴う環境で用いられるプリント回路板1に搭載され、プリント回路板1中の対象電子部品10よりも高温になるように設定されているダミー部品11と、ダミー部品11の抵抗値の異常を検出する異常検出部12と、備える。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント回路板が腐食されることによって生じる異常を、事前に検知するための技術に関する。
下水処理施設、温泉施設、水族館等の水槽を用いた飼育施設、等においては、その処理において腐食性のガスである硫化水素(HS)ガスの発生を伴う可能性があり、これらの施設に設置される各種の機器やこれを制御するコントローラが、硫化水素ガスに晒される危険がある。
コントローラの実体はプリント回路板であり、導体の配線が施されたプリント配線板上に、各種の電子部品等がはんだ付け等されて搭載されて、電子回路として動作するように構成されたものである。このようなプリント回路板が硫化水素ガスに晒されると、金属あるいは合金を含む電子部品の表面に腐食生成物が形成されてしまう。例えば、銀を含有した内部電極を有する抵抗器が、硫化水素ガスに晒されてしまうと、硫化水素ガス中の硫黄成分が銀と反応して、腐食生成物である硫化銀(AgS)が生成されてしまう。硫化銀は絶縁物であるため、腐食がある程度以上進行してしまうと抵抗器が導通不能状態となり、コントローラの故障に至る可能性がある。
西田 恵三「鉄鋼材料の高温硫化腐食」(鉄と鋼 第61年(1975)第3号、第411頁〜第430頁)
腐食によってコントローラが突然に故障してしまうと、施設の稼働に大きな影響が出る。例えば、下水処理施設において給排水ポンプ用のコントローラが突然に故障してしまうと、給排水が適切に行われなくなってしまう。このような事態を回避する方策として、例えば、プリント回路板の全体に、硫化水素ガスを遮蔽するようなコーティング剤を塗布することが考えられる。ところが、このようなコーティングを施すとなると、コーティング剤のコストがかかる、コーティング作業に手間が掛かる、プリント回路板の修理や電子部品の交換の際にコーティングが邪魔になってしまう、等といった問題が生じてしまう。したがって、コーティング剤の塗布は好ましい方策とはいえなかった。
腐食によってコントローラが突然に故障することを回避するための別の方策として、コントローラが実際に故障に至ってしまうまでに、腐食の進行を検知して、プリント回路板の設置場所の変更、電子部品の交換、等といった処置をとることが考えられる。ところが、従来、硫化水素ガスによる腐食の進行を故障に至る前の段階で事前に検知できるような技術が存在しなかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、硫化水素ガスの発生を伴う環境で用いられるプリント回路板における腐食による異常の発生を予見することができる技術の提供を目的としている。
本発明は、上記の目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明は、硫化水素ガスの発生を伴う環境で用いられるプリント回路板における異常予見装置であって、
前記プリント回路板に搭載され、前記プリント回路板中の対象電子部品よりも高温になるように設定されているダミー部品と、
前記ダミー部品の抵抗値の異常を検出する異常検出部と、
を備えることを特徴とする。
硫化水素ガスによる金属や合金の腐食は、温度が高いほど進行が速いところ、上記の構成においては、ダミー部品が、プリント回路板中の対象電子部品よりも高温となるように設定されているため、ダミー部品の腐食は対象電子部品よりも速く進行し、ダミー部品は対象電子部品よりも早期に抵抗値の異常をきたす。したがって、ダミー部品の異常が検知された場合は、近いうちに、対象電子部品に腐食による異常が生じる可能性が高いと判断することができ、逆に、ダミー部品の異常が検知されていない限り、対象電子部品に、腐食による異常が生じている可能性はない(あるいは、非常に低い)と判断することができる。すなわち、硫化水素ガスの発生を伴う環境で用いられるプリント回路板における腐食による異常の発生を、予見することができる。
上記の構成において、対象電子部品は、プリント回路板の中の電子部品から任意に選択されるものであるが、プリント回路板の中で最も高温となる電子部品が対象電子部品とされることが好ましい。このような電子部品が対象電子部品とされると、プリント回路板中の他のどの電子部品よりもダミー部品の腐食が速く進行し、ダミー部品が最も早期に抵抗値の異常をきたす。したがって、プリント回路板における腐食による異常の発生を十分早期に予見することができる。
前記異常予見装置において、
前記ダミー部品が、前記対象電子部品と同じ種類の電子部品であることが好ましい。
この構成によると、ダミー部品が、対象電子部品と同じ種類の電子部品であって、かつ、対象電子部品よりも高温となるように設定されているため、ダミー部品が腐食された場合は、これに遅れて対象電子部品も腐食される可能性が極めて高い。すなわち、対象電子部品における腐食による異常の発生を、確実に予見することができる。
前記異常予見装置において、
前記ダミー部品を複数備え、
前記複数のダミー部品が、互いに異なる温度となるように設定されていることが好ましい。
この構成によると、各ダミー部品はいずれも対象電子部品よりも速く腐食が進行し、かつ、各ダミー部品の腐食は互いに異なる速度で進行する。したがって、プリント回路板における腐食による異常の発生を、段階的に予見することができる。また、各ダミー部品の異常が検知されたタイミングに基づいて、プリント回路板に腐食による異常が発生するタイミングを予測することができる。
前記異常予見装置において、
前記ダミー部品に、銀が含有されていることが好ましい。
銀は、硫化水素ガスによって腐食されやすく、腐食の温度依存性が高い物質である。このため、ダミー部品に銀が含有されていると、これが高温状態で硫化水素ガスに晒された場合に、確実に腐食が進行する。したがって、プリント回路板における腐食による異常の発生を、確実に予見することができる。
本発明によると、硫化水素ガスの発生を伴う環境で用いられるプリント回路板における腐食による異常の発生を予見することができる。
第1実施形態に係る異常予見装置を実現する回路を模式的に示す図。 第2実施形態に係る異常予見装置を実現する回路を模式的に示す図。 腐食進行領域を説明するための図。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.異常予見装置の構成>
第1実施形態に係る異常予見装置の構成を、図1を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る異常予見装置Dを実現する回路を模式的に示す図である。
異常予見装置Dは、腐食による異常の発生を予見するための装置であり、プリント回路板1に設けられる。プリント回路板1は、導体の配線が施されたプリント配線板上に、各種の電子部品(図示省略)がはんだ付け等されて、電子回路として動作するように構成されたものであり、ここでは、下水道処理施設で用いられる給排水ポンプ用のコントローラとしての役割を担う。下水道処理施設で行われる処理では、硫化水素ガスが発生する可能性があり、プリント回路板1は、硫化水素ガスの発生を伴う環境で用いられる。このため、プリント回路板1には、硫化水素ガスによる腐食が進行する虞があり、該腐食による異常の発生を予見するために、異常予見装置Dが設けられる。
異常予見装置Dの実体は、プリント回路板1に実装された回路であり、ダミー部品11と、異常検出部12と、を備える。
ダミー部品11は、プリント回路板1中の電子部品の中から選択された電子部品(対象電子部品)10と同じ種類の電子部品であり、一端側がプリント回路板1中の電源13に接続され、他端側が接地される。
対象電子部品10は、プリント回路板1中の電子部品の中から任意に選択されるものであるが、ここでは、プリント回路板1に搭載されている電子部品の中で最も高温となる電子部品が、対象電子部品10とされる。一般に、電子部品の温度は、該電子部品に発生するジュール熱、該電子部品が配置されている位置の雰囲気温度(周囲温度)、等から規定されるものであり、プリント回路板1の中のどの電子部品が最も高温となるかは、実際に各電子部品の温度を測定することによって、あるいは、シミュレーション計算によって、特定することができる。ここでは、温度測定の結果、プリント回路板1の中で最も高温となる電子部品が、内部電極に銀が含有された抵抗部品(カーボン抵抗部品)であったとし、該抵抗部品が対象電子部品10とされるものとする。この場合、ダミー部品11は、対象電子部品10と同じ種類の電子部品、すなわち、内部電極に銀が含有された抵抗部品とされる。
ダミー部品11は、対象電子部品10の近傍に配置される。ただし、ここでいう「近傍」とは、周囲温度が略同一とみなせる範囲を指す。つまり、ダミー部品11は、その周囲温度が、対象電子部品10の周囲温度と略同一であるとみなすことができるような位置に、配置される。
ダミー部品11は、対象電子部品10よりも高温になるように設定される。ダミー部品11の温度は、主として、ダミー部品11に発生するジュール熱と、ダミー部品11の周囲温度から規定される。ここでは、ダミー部品11が対象電子部品10の近傍に配置されており、ダミー部品11の周囲温度と対象電子部品10の周囲温度は略同一であるとみなすことができる。したがって、ダミー部品11は、これが単位時間あたりに発生するジュール熱が、対象電子部品10が単位時間あたりに発生するジュール熱よりも大きなものとなるように設定される。
このように設定するにあたっては、例えば、ダミー部品11と対象電子部品10の各電圧値と、対象電子部品10の抵抗値を加味して、ダミー部品11の抵抗値を規定すればよい。すなわち、ダミー部品11の電圧値を「Vd」、抵抗値を「Rd」とし、対象電子部品10の電圧値を「Vt」、抵抗値を「Rt」、とした場合に、以下の(式1)が成立するように、ダミー部品11の抵抗値を規定すればよい。
Vd/Rd>Vt/Rt ・・・(式1)
例えば、ダミー部品11にかかる電圧と対象電子部品10にかかる電圧とが略同一である場合、ダミー部品11の抵抗値が対象電子部品10の抵抗値よりも小さなものとされることによって、ダミー部品11が単位時間あたりに発生するジュール熱が、対象電子部品10が単位時間あたりに発生するジュール熱よりも大きなものとなるように設定される。
異常検出部12は、ダミー部品11の抵抗値の異常を検出する要素であり、電流測定用抵抗121と、検出部122とを備える。電流測定用抵抗121は、抵抗部品であり、ダミー部品11と直列に接続される。電流測定用抵抗121は、硫化水素ガスによって腐食されにくい材料で形成されており、硫化水素ガスに晒されても抵抗値の変化をきたさない(あるいは、抵抗値の変化をきたしにくい)ように担保されている。一方、検出部122は、電流測定用抵抗121の両端の電圧を検出するための電子部品である。検出部122は、CPU(すなわち、CPUを構成する電子部品)14と接続されている。
このような構成において、ダミー部品11の抵抗値が変化すると、ダミー部品11と電流測定用抵抗121との合成抵抗値が変化し、これらを流れる電流量が変化する。すると、電流測定用抵抗121の下側の電圧値(電圧降下量)が変化し、これが検出部122によって検出される。つまり、検出部122によって検出される電圧値の変化によって、ダミー部品11の抵抗値の変化を検出することができる。検出部122は、所定の閾値よりも大きな電圧値の変化を検出した場合(すなわち、ダミー部品11の抵抗値の変化量(増大量)が所定の閾値よりも大きくなった場合)に、ダミー部品11の抵抗値が異常をきたしたと判断して、所定の検知信号SをCPU14に送出する。
<1−2.異常予見装置の動作>
次に、異常予見装置Dの動作について、引き続き図1を参照しながら説明する。
異常予見装置Dが搭載されたプリント回路板1は、筐体等に収容されて、下水処理施設における所定の位置に設置される。下水道処理施設において硫化水素ガスが発生すると、これが筐体内に進入して、プリント回路板1が硫化水素ガスに晒される可能性がある。プリント回路板1が硫化水素ガスに晒されてここに搭載されている電子部品が腐食されると、該電子部品の抵抗値が徐々に大きくなる。これは、電子部品に含有されている金属や合金が消費されつつ、絶縁物である腐食生成物が生成されるためである。
ここで、硫化水素ガスによる金属や合金の腐食は、温度が高いほど速く進行するところ、上記の通り、プリント回路板1には、ダミー部品11が搭載されており、これが、対象電子部品10よりも高温となるように設定されている。したがって、ダミー部品11の腐食は、対象電子部品10よりも速く進行し、ダミー部品11は、対象電子部品10よりも早期に抵抗値が増大する。ダミー部品11の抵抗値の変化量が所定の閾値よりも大きくなると、異常検出部12が、ダミー部品11の抵抗値が異常をきたしたと判断して、検知信号SをCPU14に送出する。異常検出部12から検知信号Sを取得すると、CPU14は、メッセージ通知、ランプ点灯、アラーム鳴動、等といった所定の報知処理を行い、ダミー部品11の異常が検知されたことをオペレータに知得させる。
ダミー部品11の異常が検知された場合、近いうちに、対象電子部品10に腐食による異常が生じる可能性が高いと判断できるので、オペレータは、事前に適切な対処(例えば、プリント回路板1の設置場所の変更、部品交換、等)をとることができる。逆に、ダミー部品11の異常が検知されていない限り、対象電子部品10に、腐食による異常が生じている可能性はない(あるいは、非常に低い)と判断することができる。
特にここでは、対象電子部品10は、プリント回路板1の中で最も高温となる電子部品であるので、プリント回路板1中の他のどの電子部品よりもダミー部品11の腐食が速く進行して抵抗値に異常をきたす。したがって、対象電子部品10に異常が検知されていない段階では、プリント回路板1中の他の電子部品に腐食による異常が生じている可能性はない(あるいは、非常に低い)と判断することができる。
<1−3.効果>
上記の実施形態に係る異常予見装置Dは、プリント回路板1に搭載され、プリント回路板1中の対象電子部品10よりも高温になるように設定されているダミー部品11と、ダミー部品11の抵抗値の異常を検出する異常検出部12と、を備える。硫化水素ガスによる金属や合金の腐食は、温度が高いほど進行が速いところ、この構成においては、ダミー部品11が対象電子部品10よりも高温となるように設定されているため、ダミー部品11の腐食は対象電子部品10よりも速く進行し、ダミー部品11は対象電子部品10よりも早期に抵抗値の異常をきたす。したがって、ダミー部品11の異常が検知された場合は、近いうちに、対象電子部品10に腐食による異常が生じる可能性が高いと判断することができ、逆に、ダミー部品11の異常が検知されていない限り、対象電子部品10に、腐食による異常が生じている可能性はない(あるいは、非常に低い)と判断することができる。すなわち、硫化水素ガスの発生を伴う環境で用いられるプリント回路板1における腐食による異常の発生を、予見することができる。
また、上記の実施形態においては、プリント回路板1の中で最も高温となる電子部品が対象電子部品10とされる。したがって、プリント回路板1中の他のどの電子部品よりもダミー部品11の腐食が速く進行し、ダミー部品11が最も早期に抵抗値の異常をきたす。したがって、プリント回路板1における腐食による異常の発生を十分早期に予見することができる。
また、上記の実施形態においては、ダミー部品11の温度をどのように設定するかによって、ダミー部品11の腐食の進行速度(ひいては、プリント回路板1における腐食による異常の発生を検知するタイミング)を調整することができる。ダミー部品11の設定温度は、具体的には、ダミー部品11に単位時間あたりに発生するジュール熱によって調整することが可能であり、例えばダミー部品11にかかる電圧が一定である場合は、ダミー部品11の抵抗値を小さいものとするほど該ジュール熱が大きくなり、該設定温度が高くなる。設定温度が高いほど、腐食の進行速度が速くなり、プリント回路板1における腐食による異常の発生を検知するタイミングが早期のものとなる。逆に、設定温度が低いほど、腐食の進行速度が遅くなり、該タイミングも遅くなる。つまり、この場合は、ダミー部品11の抵抗値を適宜に選択することによって、異常の発生が検知されるタイミングを任意のものとすることができる。
また、上記の実施形態においては、ダミー部品11が、対象電子部品10と同じ種類の電子部品であるので、ダミー部品11が腐食された場合は、これに遅れて対象電子部品10も腐食される可能性が極めて高い。すなわち、対象電子部品10における腐食による異常の発生を、確実に予見することができる。
また、上記の実施形態においては、ダミー部品11が、内部電極に銀が含有された抵抗部品である。銀は、硫化水素ガスによって腐食されやすく、腐食の温度依存性が高い物質である。このため、ダミー部品11に銀が含有されていると、これが高温状態で硫化水素ガスに晒された場合に、確実に腐食が進行する。したがって、プリント回路板1における腐食による異常の発生を、確実に予見することができる。
<2.第2実施形態>
第2実施形態に係る異常予見装置の構成を、図2を参照しながら説明する。図2は、第2実施形態に係る異常予見装置Daを実現する回路を模式的に示す図である。なお、以下においては、第1実施形態と相違する点のみを説明し、第1実施形態において説明した要素については同じ符号で表すとともにその説明を省略する。
異常予見装置Daは、複数のダミー部品11a,11a,・・と、異常検出部12aと、を備える。なお、図の例では、異常予見装置Daが、ダミー部品11aを3個備えるものとしているが、ダミー部品11aの個数は2個あるいは4個以上であってもよい。
各ダミー部品11aは、対象電子部品10と同じ種類の電子部品であり、一端側が電源13に接続され、他端側が接地される。また、各ダミー部品11aは、対象電子部品10の近傍に配置される。
各ダミー部品11aは、対象電子部品10よりも高温であり、かつ、互いに異なる温度となるように設定される。ここでは、各ダミー部品11aが対象電子部品10の近傍に配置されており、各ダミー部品11aの周囲温度と対象電子部品10の周囲温度は略同一であるとみなすことができる。したがって、各ダミー部品11aは、これが単位時間あたりに発生するジュール熱が、対象電子部品10が単位時間あたりに発生するジュール熱よりも大きく、かつ、互いに異なるものとなるように設定される。
このように設定するにあたっては、例えば、各ダミー部品11aと対象電子部品10の各電圧値と、対象電子部品10の抵抗値を加味して、各ダミー部品11aの抵抗値を規定すればよい。すなわち、各ダミー部品11aの抵抗値を、上記の(式1)が成立する範囲で、互いに異なる値に設定すればよい。
例えば、各ダミー部品11aにかかる電圧と対象電子部品10にかかる電圧とが略同一である場合、各ダミー部品11aの抵抗値が、対象電子部品10の抵抗値よりも小さく、かつ、互いに異なるものとされることによって、各ダミー部品11aが単位時間あたりに発熱するジュール熱が、対象電子部品10が単位時間あたりに発熱するジュール熱よりも大きく、かつ、互いに異なるものとなるように設定される。
異常検出部12aは、各ダミー部品11aの抵抗値の異常を検出する要素であり、ダミー部品11aと同数個の電流測定用抵抗121a,121a,・・と、検出部122aとを備える。各電流測定用抵抗121aは、抵抗部品であり、各ダミー部品11aと直列に接続される。また、各電流測定用抵抗121aは、硫化水素ガスによって腐食されにくい材料で形成されており、硫化水素ガスに晒されても抵抗値の変化をきたさない(あるいは、抵抗値の変化をきたしにくい)ように担保されている。一方、検出部122aは、各電流測定用抵抗121aの両端の電圧を検出するための電子部品である。検出部122aは、CPU14と接続されている。
このような構成において、いずれかのダミー部品11aの抵抗値が変化すると、該ダミー部品11aと、これと直列に接続されている電流測定用抵抗121aとの合成抵抗値が変化し、これらを流れる電流量が変化する。すると、該電流測定用抵抗121aの下側の電圧値が変化し、これが検出部122aによって検出される。つまり、検出部122aによって検出される、各電流測定用抵抗121aの下側の電圧値の変化によって、各ダミー部品11aの抵抗値の変化を検出することができる。検出部122aは、いずれかの電流測定用抵抗121aにおいて所定の閾値よりも大きな電圧値の変化を検出した場合(すなわち、いずれかのダミー部品11aの抵抗値の変化量(増大量)が所定の閾値よりも大きくなった場合)に、該ダミー部品11aの抵抗値が異常をきたしたと判断して、所定の検知信号SをCPU14に送出する。
上記の通り、各ダミー部品11aは、対象電子部品10よりも高温であり、かつ、互いに異なる温度となるように設定されている。したがって、プリント回路板1が硫化水素ガスに晒された場合、各ダミー部品11aの腐食が、対象電子部品10よりも速く進行する。また、各ダミー部品11aの腐食の進行速度は互いに異なるものとなる。したがって、まずは、最も高温となるように設定されているダミー部品(すなわち、抵抗値が最も小さいダミー部品)11aが抵抗値に異常をきたし、異常検出部12aが検知信号SをCPU14に送出する。その後、次に高温となるように設定されているダミー部品11aが抵抗値に異常をきたし、異常検出部12aが検知信号SをCPU14に送出する。さらに、その後、残るダミー部品11aが抵抗値に異常をきたし、異常検出部12aが検知信号SをCPU14に送出する。つまり時間をおいて次々と検知信号Sが送出される。検知信号Sが取得される度に、CPU14は所定の報知処理を行う。
オペレータは、各ダミー部品11aの異常が検知されたことを受けて、適切な対処をとることができる。例えば、1つ目のダミー部品11aの異常が検知された段階で交換用の部品の手配等を行い、2つ目のダミー部品11aの異常が検知された段階で部品交換の準備が整っているかの確認を行い、3つ目のダミー部品11aの異常が検知された段階で直ちに部品交換を行う、等といった段階的な対処を行うことができる。また例えば、各ダミー部品11aの異常が検知された時間間隔に基づいて腐食の進行速度を推定し、これからプリント回路板1に実際に腐食による異常が生じるタイミングを予測し、このタイミングを、部品交換の最終期限として設定することもできる。
この実施形態によると、複数のダミー部品11a,11a,・・を備え、該複数のダミー部品11a,11a,・・が、プリント回路板1中の対象電子部品10よりも高温であり、かつ、互いに異なる温度となるように設定されている。したがって、各ダミー部品11aはいずれも対象電子部品10よりも速く腐食が進行し、かつ、各ダミー部品11aの腐食は互いに異なる速度で進行する。したがって、プリント回路板1における腐食による異常の発生を、段階的に予見することができる。また、各ダミー部品11aの異常が検知されたタイミングに基づいて、腐食の進行速度、ひいては、プリント回路板1に腐食による異常が発生するタイミングを予測することができる。
<3.他の実施形態>
上記の各実施形態においては、ダミー部品11,11aが対象電子部品10の近傍に配置されていたが、ダミー部品11,11aは、対象電子部品10の位置に関係なく、プリント回路板1中の任意の位置に配置されてもよい。ただし、ダミー部品11,11aが対象電子部品10の近傍ではない位置に配置された場合、ダミー部品11,11aの周囲温度と対象電子部品10の周囲温度が異なるものとなる可能性がある。この場合は、周囲温度の差を加味して、ダミー部品11,11aで単位時間あたりに発生させるべきジュール熱を規定する。例えば、ダミー部品11,11aの周囲温度が対象電子部品10の周囲温度よりも低い場合は、周囲温度の差分を埋めるための熱量が必要となる。このため、ダミー部品11,11aが、対象電子部品10で発生するジュール熱よりも十分に大きなジュール熱を発生するように、ダミー部品11,11aの抵抗値等を規定する。逆に、ダミー部品11,11aの周囲温度が対象電子部品10の周囲温度よりも高い場合は、ダミー部品11,11aでは、対象電子部品10で発生するジュール熱と同程度以上のジュール熱を発生すればよく、対象電子部品10と同程度以上のジュール熱を発生するようにダミー部品11,11aの抵抗値等を規定すればよい。
また、上記の各実施形態において、ダミー部品11,11aは、プリント回路板1における、腐食が比較的速く進行する可能性が高いと予測される領域(腐食進行領域)Mに配置されることも好ましい。例えば、図3に示されるように、プリント回路板1が筐体2内に収容されている場合、送風器3からの風を筐体内に送り込むためのシャーシ21に臨まない領域(すなわち、風の流路から外れた領域)M1、背の高い電子部品15に対してシャーシ21の逆側にあたる領域M2、電子部品が密集した領域、等は、風通しが悪いために相対的に高温となるため、他の領域に比べて腐食の進行が速まる可能性が高い。また例えば、通信線、信号出入力のためのケーブル等を挿通させるための開口22の近傍の領域M3は、該開口22を介して硫化水素ガスが流入した場合に、いち早く硫化水素ガスに晒されることとなるため、他の領域に比べて腐食が速く進行する可能性が高い。そこで、このような領域M1,M2,M3の少なくとも1つを、腐食進行領域Mとして予め規定しておき、ダミー部品11,11aを該腐食進行領域Mに配置することが好ましい。ダミー部品11,11aを腐食進行領域Mに配置しておけば、ダミー部品11,11aの腐食が速く進行する可能性が高まり、異常の発生を十分早期に予見することができる。
上記の各実施形態において、対象電子部品10は、必ずしも、プリント回路板1の中で最も高温となる電子部品でなくともよい。例えば、最も高温となる電子部品がCPU14である場合に、CPU14の次に高温となる電子部品が、対象電子部品10とされてもよい。また例えば、腐食進行領域Mに配置された電子部品のうちで最も高温となる電子部品が、対象電子部品10とされてもよい。また例えば、比較的腐食されやすい物質を含有する電子部品のうちで最も高温となる電子部品が、対象電子部品10とされてもよい。また例えば、過去に腐食により異常をきたしたことがある電子部品が、対象電子部品10とされてもよい。
上記の各実施形態において、対象電子部品10は、カーボン抵抗部品に限るものではない。例えば、ディップスイッチ、ピン、コネクタ、リレー、等が、対象電子部品10とされてもよい。
上記の各実施形態において、ダミー部品11,11aは、対象電子部品10と異なる種類の電子部品であってもよい。例えば、対象電子部品10がカーボン抵抗部品以外の電子部品である場合に、ダミー部品11,11aをカーボン抵抗部品としてもよい。また、ダミー部品11,11aは、何らかの機能を有する電子部品である必要はなく、腐食により抵抗値の異常をきたすものであれば何でもよい。ただし、ダミー部品11,11aには、硫化水素ガスによって腐食されやすく、腐食による温度依存性が高い物質が含有されていることが好ましい。このような物質は、具体的には、銀、銅、鉄、等である。
上記の各実施形態において、ダミー部品11,11aは、腐食が進行すると、最終的に導通不能状態(いわば、断線状態)に陥り、このとき抵抗値は無限大となるところ、異常検出部12,12aにおいて、ダミー部品11,11aの抵抗値が異常をきたしたと判断する際に用いられる閾値は、この断線状態に相当する十分に大きな値とされてもよい。すなわち、異常検出部12,12aは、ダミー部品11,11aが断線状態となったか否かを検出するものであってもよい。
上記の各実施形態において、ダミー部品11,11aに流れる電流量を変更できるように構成してもよい。この構成によると、例えば、所定の期間に亘って異常が検知されない場合等、異常が発生する可能性が高まってきたときに、ダミー部品11,11aに流れる電流量を増大させることで、ダミー部品11,11aの設定温度を上昇させてもよい。これによって、プリント回路板1における腐食による異常の発生を早期に検知することができる。
上記の各実施形態において、各ダミー部品11,11aが接続される配線部分の幅を調整することによって、各ダミー部品11,11aの設定温度を調整してもよい。例えば第2実施形態において、電源13から分岐されて各ダミー部品11aと接続される各配線部分の幅を互いに異なるものとすることによって、各ダミー部品11aの設定温度を異ならせてもよい。
上記の各実施形態では、異常予見装置D,Daが、下水道処理施設で用いられるプリント回路板1に搭載されるものとしたが、異常予見装置D,Daは、下水処理施設以外の各種の処理施設に配置されるプリント回路板に搭載されてもよい。いうまでもなく、異常予見装置D,Daは、硫化水素ガスの発生を伴う処理施設で用いられるプリント回路板に搭載されることにより有用に機能するものであり、このような処理施設として、温泉施設、水族館等の水槽を用いた飼育施設、等を挙げることができる。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1 プリント回路板
10 対象電子部品
11,11a ダミー部品
12,12a 異常検出部
121,121a 電流測定用抵抗
122,122a 検出部
13 電源
14 CPU
2 筐体
3 送風器
M,M1,M2,M3 腐食進行領域
S 検知信号
D,Da 異常予見装置

Claims (4)

  1. 硫化水素ガスの発生を伴う環境で用いられるプリント回路板における異常予見装置であって、
    前記プリント回路板に搭載され、前記プリント回路板中の対象電子部品よりも高温になるように設定されているダミー部品と、
    前記ダミー部品の抵抗値の異常を検出する異常検出部と、
    を備えることを特徴とする、異常予見装置。
  2. 請求項1に記載の異常予見装置であって、
    前記ダミー部品が、前記対象電子部品と同じ種類の電子部品である、
    ことを特徴とする、異常予見装置。
  3. 請求項1または2に記載の異常予見装置であって、
    前記ダミー部品を複数備え、
    前記複数のダミー部品が、互いに異なる温度となるように設定されている、
    ことを特徴とする、異常予見装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の異常予見装置であって、
    前記ダミー部品に、銀が含有されている、
    ことを特徴とする、異常予見装置。
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