JP2020134283A - 液漏れセンサ及び液漏れセンサ集合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】組電池システムのバッテリーの底に形成される隙間に差し入れることができる液漏れセンサ及びその集合体を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る液漏れセンサ301は、液体に対して浸透性がある第1の被覆材で被覆された導電性芯線を2本並列し、さらに液体に対して浸透性がある第2の被覆材で被覆した並列導線41を、並列導線41の長手方向にある折り返し点Pで折り返し、接続点Qに前記導電性芯線の端部45を集めた検知部材21と、検知部材21の接続点Qから折り返し点Pまで並列導線41を支持する補強部材22と、を備える。【選択図】図6
Description
本開示は、狭い隙間内での漏液を検出する液漏れセンサ及びその集合体に関する。
高電気抵抗の網組絶縁物を導体間に配置し、液体の侵入により網組絶縁物の電気抵抗が低下することを利用して液漏れを検出する液漏れセンサが知られている(例えば、特許文献1及び2)。特許文献1では、導体を長手方向に並列又は同心円状に配置し、その外周に巻きつけるテープの巻き方を開示している。また、特許文献2では、軟鋼集合線を2つ並列させ、ポリエステル糸の網組絶縁物で離隔していることが開示される。
例えば、複数のバッテリーを配列させた組電池システムにおいて、バッテリーからの液漏れを検知することを考える。バッテリーは、例えば、鉛バッテリーである。図1は、組電池システムを説明する図である。図1(A)は組電池システムの開口部(前面)を説明する図である。図1(B)は組電池システムの側面を説明する図である。また、図2は、組電池システムに搭載されるバッテリー10を説明する図である。図2(A)はバッテリー10の前面(組電池システムの開口部側)を説明する図である。図2(B)はバッテリー10の側面を説明する図である。
組電池システムは、図1のようにバッテリー10を密接させて配列し、電極11間を導線12で接続している。このような状態で液漏れ(鉛バッテリーであれば希硫酸の漏れ)を検知しようとすれば、組電池システムの開口部に現れている個々のバッテリーの面(前面)に接着剤などで液漏れセンサを貼り付けることが考えられる。しかし、バッテリーから漏れた液体は、バッテリーの底部分へ流れるため、感度の観点からバッテリーの底部分に液漏れセンサーを配置することが望ましい。
ここで、図3に組電池システムに配置されたバッテリー10の底部分(図1のD1部分)を拡大して示す。隣り合うバッテリー10の面(側面)のほとんどは密着しているが、バッテリー10の底部分にある曲線部(R)と床14によりわずかな隙間31が生じている。また、図4に組電池システムに配置されたバッテリー10のうち、最端に配置されたバッテリー10の底部分と組電池システムの壁13の部分(図1のD2部分)を拡大して示す。ここもバッテリー10の底部分にある曲線部(R)と組電池システムの壁13と床14によりわずかな隙間32が生じている。具体的には、曲線部(R)の曲率半径が5.8mmなので、隙間31に挿入できる大きさは円形のものであれば直径2.9mm、マージンを考えると直径2.5mmが上限と言える。また、隙間32に挿入できる大きさは円形のものであれば直径1.5mm程度である。
隙間(31、32)に液漏れセンサーを配置することができれば、液漏れを検知する感度が高まる。しかし、特許文献1の液漏れセンサは、その大きさが不明である。また、特許文献2の液漏れセンサは、特許文献2の図1の説明からその大きさが幅が約2.76mm、高さが約1.68mmと推定される(図5参照)。このため、特許文献2の液漏れセンサを図3の隙間31や図4の隙間32に配置することは困難である。
このように、従来の液漏れセンサには狭い隙間に差し込むことが困難という課題があった。そこで、本発明は、前記課題を解決するために、組電池システムのバッテリーの底に形成される隙間に差し入れることができる液漏れセンサ及びその集合体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る液漏れセンサは、浸透性のある被膜で覆われた極細の導線を2本並列したものを折り返し点で折り返し、その途中で折れ曲がらないように補強部材で支持することとした。
具体的には、本発明に係る液漏れセンサは、
液体に対して浸透性がある第1の被覆材で被覆された導電性芯線を2本並列し、さらに液体に対して浸透性がある第2の被覆材で被覆した並列導線を、前記並列導線の長手方向にある折り返し点で折り返し、接続点に前記導電性芯線の端部を集めた検知部材と、
前記検知部材の前記接続点から前記折り返し点まで前記並列導線を支持する補強部材と、
を備える。
液体に対して浸透性がある第1の被覆材で被覆された導電性芯線を2本並列し、さらに液体に対して浸透性がある第2の被覆材で被覆した並列導線を、前記並列導線の長手方向にある折り返し点で折り返し、接続点に前記導電性芯線の端部を集めた検知部材と、
前記検知部材の前記接続点から前記折り返し点まで前記並列導線を支持する補強部材と、
を備える。
極細の導線を使用することで液漏れセンサを従来よりも細くすることができる。しかし、極細の導線では強度が弱く図3や図4に示す隙間に差し込めば折れ曲がり、液漏れセンサの先端部(折り返し点)をバッテリーの奥まで差し込むことが困難である。本液漏れセンサは補強部材を備えており、隙間に差し込んだ時の折れ曲がりを防止することができる。従って、本発明は、組電池システムのバッテリーの底に形成される隙間に差し入れることができる液漏れセンサ及びその集合体を提供することができる。
本発明は、組電池システムのバッテリーの底に形成される隙間に差し入れることができる液漏れセンサ及びその集合体を提供することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
図6は、本実施形態の液漏れセンサ301を説明する図である。
液漏れセンサ301は、
液体に対して浸透性がある第1の被覆材で被覆された導電性芯線を2本並列し、さらに液体に対して浸透性がある第2の被覆材で被覆した並列導線41を、並列導線41の長手方向にある折り返し点Pで折り返し、接続点Qに前記導電性芯線の端部45を集めた検知部材21と、
検知部材21の接続点Qから折り返し点Pまで並列導線41を支持する補強部材22と、
を備える。
図7は、液漏れセンサ301のイメージ図である。図7では補強部材22や熱収縮チューブ43の記載を省略している。
図6は、本実施形態の液漏れセンサ301を説明する図である。
液漏れセンサ301は、
液体に対して浸透性がある第1の被覆材で被覆された導電性芯線を2本並列し、さらに液体に対して浸透性がある第2の被覆材で被覆した並列導線41を、並列導線41の長手方向にある折り返し点Pで折り返し、接続点Qに前記導電性芯線の端部45を集めた検知部材21と、
検知部材21の接続点Qから折り返し点Pまで並列導線41を支持する補強部材22と、
を備える。
図7は、液漏れセンサ301のイメージ図である。図7では補強部材22や熱収縮チューブ43の記載を省略している。
液漏れセンサ301の補強部材22は、検知部材21を随伴する炭素鋼線又は合金鋼線である。炭素鋼線は、例えば直径0.5mmや直径0.3mmのピアノ線である。なお、補強部材22は、一定の強度があればピアノ線等に限らず、樹脂棒や竹ひご等でも代用可能である。
図8は、並列導線41を説明する図である。並列導線41は、液体に対して浸透性がある第1の被覆材45で被覆された導電性芯線42を2本並列し、さらに液体に対して浸透性がある第2の被覆材46で被覆している。例えば、W=0.7mm〜0.9mm、T=0.3mm〜0.5mmである。
導電性芯線42は、絶縁膜の無い単心金属線又は複数の金属線を撚り合せた撚り線である。単心金属線は、例えば、直径0.5mmの銅線である。撚り線は、例えば、直径0.12mmのステンレス(SUS304)線を7本撚り合せたもの、あるいは直径0.08mmのスズメッキ軟銅線を5本撚り合せたものである。
被覆材45及び被覆材46は、繊維状であることを特徴とする。具体的には、ポリエステル(例えば、テトロン(登録商標))、ガラス、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標))、メタ系アラミド(例えば、ノーメックス(登録商標))の繊維が例示できる。当該繊維を導電性芯線42に巻き付け、さらにそれら2本を並列させたものに巻き付ける。なお、繊維をシート状に加工したものを巻き付けてもよい。被覆材45及び被覆材46は、繊維から構成されているので、液体を浸透させることができる。なお、被覆材45及び被覆材46自体に浸透性が無くても、特許文献1に記載されるようにテープ状とした被覆材を導電性芯線に巻き付け、並列としたものにテープ状とした被覆材を巻き付けてもよい。液体の毛細管現象によりテープの継ぎ目から液体が導電性芯線に達することができる。
このため、バッテリーからの液体が漏れた場合、当該液体が導電性芯線42まで達するので並列導線41の間の電気抵抗が変化し、バッテリーからの液漏れを検出することができる。
並列導線41は非常に細いため、折り返し点Pで折り返されていても図3や図4で示した隙間31や隙間34に差し込むことができるが、差し込み作業中に折れ曲がってしまい隙間31や隙間34の奥まで差し込むことができない場合がある。このため、液漏れセンサ301は、ピアノ線等の補強部材22を介添えして並列導線41が折れ曲がることを防止する。具体的には、図6で示すように、補強部材22と並列導線41を折り返した検知部材21とを熱収縮チューブ43で固定する。液体が検知部材に接触しやすいように熱収縮チューブ43の固定は数か所でよい。
液漏れセンサ301は、熱収縮チューブ43の部分で直径Φが1.5mm(図6に補助として示す断面図参照)であるため、補強部材22により隙間31や隙間34の奥まで差し込むことができ、バッテリー10から漏れた液体を感度良く検出することができる。
(実施形態2)
図9は、本実施形態の液漏れセンサ302を説明する図である。液漏れセンサ302は、補強部材の点で図6の液漏れセンサ301と異なる。本実施形態の補強部材22は、検知部材21を内包する筒である。前記筒は、液体を貫通させる孔を有することが好ましい。液漏れセンサ302を隙間31に差し込む場合、前記筒は、外径が2.5mm未満であることが好ましい。また、液漏れセンサ302を隙間32に差し込む場合、前記筒は、外径が1.5mm未満であることが好ましい。なお、図9は、説明容易のため、補強部材22が透明なチューブである場合で記載しているが、補強部材22は他の構造であってもよい。例えば、液体が貫通する孔が多数あるモールド成形したポリテトラフルオロエチレン(例えば、テフロン(登録商標))でもよい。また、親水性のあるコーティング剤で並列導線41をコーティングし、補強することとしてもよい。
図9は、本実施形態の液漏れセンサ302を説明する図である。液漏れセンサ302は、補強部材の点で図6の液漏れセンサ301と異なる。本実施形態の補強部材22は、検知部材21を内包する筒である。前記筒は、液体を貫通させる孔を有することが好ましい。液漏れセンサ302を隙間31に差し込む場合、前記筒は、外径が2.5mm未満であることが好ましい。また、液漏れセンサ302を隙間32に差し込む場合、前記筒は、外径が1.5mm未満であることが好ましい。なお、図9は、説明容易のため、補強部材22が透明なチューブである場合で記載しているが、補強部材22は他の構造であってもよい。例えば、液体が貫通する孔が多数あるモールド成形したポリテトラフルオロエチレン(例えば、テフロン(登録商標))でもよい。また、親水性のあるコーティング剤で並列導線41をコーティングし、補強することとしてもよい。
液漏れセンサ302は、隙間(31、32)に差し込んだ時に並列導線41が折れ曲がることを防止するために補強部材22として筒状のケースに検知部材21を挿入しておく。このため、液漏れセンサ302は、補強部材22により隙間31や隙間34の奥まで差し込むことができ、バッテリー10から漏れた液体を感度良く検出することができる。
(実施形態3)
なお、実施形態1で説明した液漏れセンサ301を実施形態2で説明した筒に挿入してもよい。本実施形態の液漏れセンサを液漏れセンサ303とする。
なお、実施形態1で説明した液漏れセンサ301を実施形態2で説明した筒に挿入してもよい。本実施形態の液漏れセンサを液漏れセンサ303とする。
(実施形態4)
図1で説明したように組電池システムには多くの隙間(31、32)が存在する。このため、組電池システムの液漏れをモニターする場合、液漏れセンサ(301〜303)を隙間の数だけ用意する必要がある。予め複数の液漏れセンサ(301〜303)を接続して液漏れセンサ集合体を形成しておくと作業効率が向上する。
図1で説明したように組電池システムには多くの隙間(31、32)が存在する。このため、組電池システムの液漏れをモニターする場合、液漏れセンサ(301〜303)を隙間の数だけ用意する必要がある。予め複数の液漏れセンサ(301〜303)を接続して液漏れセンサ集合体を形成しておくと作業効率が向上する。
図10は、本実施形態の液漏れセンサ集合体350である。液漏れセンサ集合体350は、液漏れセンサ(301〜303)を複数個、直列接続又は並列接続して構成する。符号51は、検出装置(不図示)や他の液漏れセンサ集合体350等と接続するためのコネクタである。
図11及び図12は、液漏れセンサ集合体350内における液漏れセンサ(301〜303)の接続状態を説明するイメージ図である。図11及び図12では補強部材22や熱収縮チューブ43の記載を省略している。図11は、液漏れセンサ(301〜303)を直列に接続したイメージ図である。図12は、液漏れセンサ(301〜303)を並列に接続したイメージ図である。
また、直列接続と並列接続を組み合わせて液漏れセンサを接続してもよい。図13は、直列接続と並列接続を組み合わせている液漏れセンサ集合体351である。液漏れセンサ集合体351は、例えば、図1の組電池システムの段毎に液漏れセンサ集合体350を配置することができる。
本発明に係る液漏れセンサは、液漏れや漏水を検知する必要がある装置又は場所(例えば、光ファイバケーブルのクロージャ)に適用することができる。
1、2:電極
3,4:網組絶縁層
5:袋打網組外被
10:バッテリー
11:電極
12:配線
13:壁
14:床
21:検知部材
22:補強部材
31、32:隙間
41:並列導線
42:導電性芯線
43:熱収縮チューブ
44:端部
45:第1の被覆材
46:第2の被覆材
51:コネクタ
301〜303:液漏れセンサ
350、351:液漏れセンサ集合体
3,4:網組絶縁層
5:袋打網組外被
10:バッテリー
11:電極
12:配線
13:壁
14:床
21:検知部材
22:補強部材
31、32:隙間
41:並列導線
42:導電性芯線
43:熱収縮チューブ
44:端部
45:第1の被覆材
46:第2の被覆材
51:コネクタ
301〜303:液漏れセンサ
350、351:液漏れセンサ集合体
Claims (9)
- 液体に対して浸透性がある第1の被覆材で被覆された導電性芯線を2本並列し、さらに液体に対して浸透性がある第2の被覆材で被覆した並列導線を、前記並列導線の長手方向にある折り返し点で折り返し、接続点に前記導電性芯線の端部を集めた検知部材と、
前記検知部材の前記接続点から前記折り返し点まで前記並列導線を支持する補強部材と、
を備える液漏れセンサ。 - 前記第1の被覆材と前記第2の被覆材は、繊維状であることを特徴とする請求項1に記載の液漏れセンサ。
- 前記導電性芯線は、絶縁膜の無い複数の金属線を撚り合せた撚り線であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液漏れセンサ。
- 前記補強部材は、前記検知部材を随伴する炭素鋼線又は合金鋼線であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液漏れセンサ。
- 前記補強部材は、前記検知部材を内包する筒であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液漏れセンサ。
- 前記筒は、液体を貫通させる孔を有することを特徴とする請求項5に記載の液漏れセンサ。
- 前記筒は、外径が2.5mm未満であることを特徴とする請求項5又は6に記載の液漏れセンサ。
- 請求項1から7のいずれかに記載の液漏れセンサを電気的に複数接続した液漏れセンサ集合体であって、
前記液漏れセンサを前記導電性芯線毎に直列に接続していることを特徴とする液漏れセンサ集合体。 - 請求項1から7のいずれかに記載の液漏れセンサを電気的に複数接続した液漏れセンサ集合体であって、
前記液漏れセンサを前記導電性芯線毎に並列に接続していることを特徴とする液漏れセンサ集合体。
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JP2019027078A JP2020134283A (ja) | 2019-02-19 | 2019-02-19 | 液漏れセンサ及び液漏れセンサ集合体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112432737A (zh) * | 2020-12-01 | 2021-03-02 | 中国航天空气动力技术研究院 | 用于芯片级液冷散热系统的多尺度支路漏液监测装置 |
WO2022254911A1 (ja) * | 2021-06-03 | 2022-12-08 | 古河電気工業株式会社 | 漏液検知装置、漏液検知方法及び蓄電システム |
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