JP2020133879A - 電動弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャンの厚みの増加を招くことなく、キャンの耐圧強度を向上させた電動弁を提供する。【解決手段】電動弁100は、筒状の筒部1aの一端側が頂部1bによって閉塞されたキャン1と、キャン1の外周側に配置された電磁コイル2と、キャン1の内周側に回転可能に配置されたロータ3と、ロータ3の径方向の中心に配置され、一端がロータ3の軸線方向の一端から突出するとともに、他端がロータ3の軸線方向の他端から突出したシャフト4と、ロータ3の回転力によって駆動されて、流体の流量を調整する弁体15と、を有し、頂部1bの径方向の中心部には、他端側に環状に凹んで形成された環状凹部1dが形成され、頂部1bの環状凹部1dの内周側には、一端側に凹んで形成された支持凹部1eが形成され、シャフト4の一端部は、支持凹部1eに回転可能に支持されている。【選択図】図2
Description
本発明では、電動弁に関する。
従来、特許文献1に示されるように、冷凍サイクル装置において、冷媒の流量を調整する電動弁として、弁体を電動モータで駆動変位させるものが知られている。特許文献1に示される電動弁では、頂部を有する筒状のキャンの外周側に電動モータの電磁コイルが配置されている。そして、キャンの内周側に電動モータのロータが収納されている。
さらに、特許文献1に示される電動弁では、キャンの頂部に、内部から外側へ凹んだ凹部が形成されている。そして、凹部をロータに固定されたシャフトの一方側の軸受け部として利用している。また、キャンの内部には、冷媒が流入する。このため、キャンには、冷媒の圧力に耐えることができる耐圧性が求められる。
特許文献1に示される電動弁では、キャンの頂部にシャフトの軸受け部となる凹部が形成されている。この凹部の根本部分の断面形状は、比較的曲率半径の小さい形状となる。このため、凹部の根本部分には、応力が集中しやすい。従って、特許文献1に示される電動弁では、キャンの耐圧強度が低下しやすいという問題があった。
これに対して、キャンの耐圧強度を確保するために、キャンの厚みを増加させる手段が考えられる。しかしながら、キャンの厚みを増加させてしまうと、電磁コイルとロータとの距離が大きくなってしまい、電動モータの駆動力が低下してしまうという問題があった。
また、キャン頂部の厚みを厚く、かつ、電磁コイルとロータ間の部分を薄くする場合、板材のプレス加工においては、電磁コイルとロータ間の部分において、薄くするためにしごき加工を行う必要があり、成型時にキャンが割れる可能性が有るという問題があった。
本発明は、キャンの厚みの増加を招くことなく、キャンの耐圧強度を向上させた電動弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の電動弁は、筒状の筒部(1a)の一端側が頂部(1b)によって閉塞されたキャン(1)と、キャンの外周側に配置されて、通電されることによって回転磁界を発生させる電磁コイル(2)と、キャンの内周側に、キャンに対して回転可能に配置されて、電磁コイルによって発生した回転磁界によって回転するロータ(3)と、ロータの径方向の中心に配置され、一端がロータの軸線方向の一端から突出するとともに、他端がロータの軸線方向の他端から突出したシャフト(4)と、シャフトの他端部を回転可能に支持する出力軸(11)と、ロータとともに変位して流体の流量を調整する弁体(15)と、を有し、頂部の径方向の中心部には、他端側に環状に凹んで形成された環状凹部(1d)が形成され、頂部の環状凹部の内周側には、一端側に凹んで形成された支持凹部(1e)が形成され、シャフトの一端部は、支持凹部に回転可能に支持されている。
これによれば、環状凹部(1d)の断面形状を、円弧等を組み合わせた曲線状に形成するとともに、支持凹部(1e)の断面形状を、円弧等を組み合わせた曲線状に形成することにより、キャンに角部が形成されること無く、シャフト(4)の一端部を回転可能に支持する支持凹部(1e)を形成することができる。換言すると、環状凹部(1d)および支持凹部(1e)の断面形状に、極端に曲率変形の小さくなってしまう部位が形成されてしまうことなく、支持凹部(1e)を形成することができる。
このため、キャン(1)の内部の冷媒の圧力がかかっても、キャン(1)の頂部(1b)に応力が集中する部分が生じない。その結果、キャン(1)の厚みの増加を招くことなく、キャン(1)の耐圧強度を向上させることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、図面を用いて、本発明に係る第1実施形態の電動弁100について説明する。本実施形態の電動弁100は、車両に搭載された車両用空調装置において、車室内へ送風される送風空気の温度を調整する冷凍サイクル装置の減圧弁に適用される。
以下、図面を用いて、本発明に係る第1実施形態の電動弁100について説明する。本実施形態の電動弁100は、車両に搭載された車両用空調装置において、車室内へ送風される送風空気の温度を調整する冷凍サイクル装置の減圧弁に適用される。
図1において、紙面上側を電動弁100及び電動弁100を構成する部品の一端側、紙面下方側を電動弁100及び電動弁100を構成する部品の他端側とする。また、図1において、紙面上下方向を電動弁100及び電動弁100を構成する部品の軸線方向、紙面左右方向を電動弁100及び電動弁100を構成する部品の径方向とする。
図1に示すように、電動弁100は、電動モータ20、第1軸受6、ハウジング7、ボデー8、減速ギヤ9、伝達部材10、出力軸11、スプリング12、第2軸受13、シール部材14、弁体15、及び弁座部材16を有している。電動モータ20は、キャン1、電磁コイル2、ロータ3、シャフト4、及びロータキャップ5を有している。
キャン1は、円筒形状の筒部1aの一端側が頂部1bによって閉塞されている。キャン1は、本実施形態では、非磁性体のステンレス鋼で構成されている。
頂部1bの筒部1aとの接続部分には、その断面形状が円弧形状の円弧部1cが形成されている。
図1や図2に示すように、頂部1bの径方向の中心部には、他端側に環状に凹んで形成された環状凹部1dが形成されている。図2に示すように、環状凹部1dの軸線方向の他端部には、断面形状が円弧形状である環状凹部円弧部1hが形成されている。環状凹部円弧部1hと円弧部1cは、第1テーパー部1kによって接続されている。第1テーパー部1kは、キャン1の軸心Clから傾いたテーパー状であり、一端側から他端側に向かってその内径及び外径が小さくなっている。つまり、環状凹部1dの断面形状は、円弧等を組み合わせた曲線状に形成されている。
頂部1bの径方向の中心には、一端側に凹んで形成された支持凹部1eが形成されている。つまり、支持凹部1eは、環状凹部1dの内周側に形成されている。支持凹部1eの軸線方向の一端部には、断面形状が円弧形状である支持凹部円弧部1iが形成されている。
支持凹部円弧部1iと環状凹部円弧部1hは、第2テーパー部1jで接続されている。第2テーパー部1jは、キャン1の軸心Clから傾いたテーパー状であり、他端側から一端側に向かってその内径及び外径が小さくなっている。つまり、支持凹部1eの断面形状は、円弧等を組み合わせた曲線状に形成されている。
このように、キャン1の頂部1bは、外周側から内周側に向かって、円弧部1c、第1テーパー部1k、環状凹部円弧部1h、第2テーパー部1j、支持凹部円弧部1iの順に連続的にスムーズに接続されて、角部が無い。つまり、キャン1の頂部1bは、曲率半径が極端に小さくなる部分が無い。
図1や図2に示すように、頂部1bの環状凹部1dの径方向の中心側は、頂部1bの径方向の外周側よりも一端側に突出していない。
図2に示すように、支持凹部1eの支持凹部円弧部1iの内面、つまり、支持凹部円弧部1iの他端側の面には、半球面である球面部1fが形成されている。支持凹部1eの内面の球面部1fの外周側、つまり、第2テーパー部1jの内面には、円錐台面であるテーパー面部1gが形成されている。
電磁コイル2は、後述する巻線2cが、ステッピングモータ制御回路が出力する駆動パルス信号で通電されると、回転磁界を発生させる。図1に示すように、電磁コイル2は、円筒形状であり、キャン1の外周側に配置されている。電磁コイル2は、クローポール2a、ボビン2b、巻線2c、及びヨーク2dから構成されている。
クローポール2aは、軟磁性材料で構成されている。クローポール2aは、キャン1の外周側に、キャン1に隣接して配置されている。ボビン2bは、非磁性材料である合成樹脂で構成されている。ボビン2bは、クローポール2aによって囲まれた空間に配置されている。
銅製の巻線2cが、ボビン2bに巻き付けられてコイルを形成している。ヨーク2dは、軟磁性材料で構成されている。ヨーク2dは、クローポール2a、ボビン2b、及び巻線2cを、これらの外周側から覆っている。
ロータ3は、キャン1の内周側に、キャン1に対して回転可能に配置されている。ロータ3は、ステッピングモータ制御回路が出力する制御信号で駆動される電磁コイル2によって発生した回転磁界によって回転する。ロータ3は、コア部3aとコア部3aの外周側に配置された磁石部3bとから構成されている。
コア部3aは、略円柱形状である。コア部3aは、磁石部3bの内周側に配置された本体部3eと、本体部3e他端部に接続し、本体部3eよりも外径が小さい円柱形状の突出部3dとから構成されている。突出部3dは、磁石部3bの他端側の端面から他端側に突出している。
コア部3aは、合成樹脂で構成され、磁石部3b、シャフト4、及びロータキャップ5と射出成形によって結合し一体化している。
磁石部3bは、円筒形状であり、永久磁石(例えば、フェライト磁石、ネオジボンド磁石)で構成されている。磁石部3bは、コア部3aの外周面に固定されている。
シャフト4は、長手方向中央部に、ローレット加工等にて凹凸形状が形成されている。シャフト4は、ロータ3のコア部3aの径方向の中心に配置されている。シャフト4の両端は、コア部3aの軸線方向の両端から突出している。
図2に示すように、シャフト4の一端部には、先端側から順に、半球形状の半球部4a及び円錐台形状のテーパー部4bが形成されている。シャフト4の他部にも同様に、先端側から順に、半球部4a及びテーパー部4bが形成されている。
図1や図2に示すように、シャフト4の一端部は、キャン1の支持凹部1eに当接して、支持凹部1eに回転可能に支持されている。具体的には、シャフト4の半球部4aは、キャン1のテーパー面部1gに当接している。後述するように、シャフト4の半球部4aは、キャン1のテーパー面部1gに押し当てられている。
図2に示すように、キャン1の球面部1fの曲率半径Rcは、シャフト4の半球部4aの曲率半径Rrよりも小さく設定されている。また、シャフト4のテーパー部4bのテーパー角θrは、キャン1のテーパー面部1gのテーパー角θcよりも小さく設定されている。
このため、シャフト4の半球部4aが、キャン1のテーパー面部1gにリング状に当接している。そして、シャフト4の軸心から半球部4aとテーパー面部1gとが当接している位置までの距離L2は、シャフト4の半径L1よりも小さくなっている。これにより、ロータ3が回転した場合に、半球部4aとテーパー面部1gとの当接部は略線接触となるので、面積が小さく、半球部4aとテーパー面部1gとの摩擦抵抗が小さくなる。
本実施形態では、キャン1の内周面の少なくとも支持凹部1e及びシャフト4の外周面の少なくとも半球部4aには、表面の摺動性が良好なメッキ層が形成されている。このため、半球部4aとテーパー面部1gとの摩擦抵抗は、キャン1の内周面の少なくとも支持凹部1e及びシャフト4の外周面にメッキ層が形成されていない場合と比較して、小さくなっている。
メッキ層は、フッ素樹脂が添加された無電解ニッケルメッキ等である。無電解ニッケルメッキは、イオン化したニッケルと還元剤とを溶解させたメッキ溶液に被メッキ物を浸漬させ、被メッキ物の表面上で酸化還元反応を起こさせて、被メッキ物の表面上にメッキ被膜を析出させるメッキである。本実施形態では、メッキ溶液にフッ素樹脂を添加しているので、形成されたメッキ層にフッ素樹脂が添加されている。
図1に示すロータキャップ5は、非磁性体(例えば、オーステナイト系ステンレス鋼)で構成されている。ロータキャップ5は、円筒形状の円筒部5aと、円筒部5aの一端から外周側に部分的に張り出されたフランジ部5bとから構成されている。円筒部5a内には、コア部3aの突出部3dが挿通している。フランジ部5bは、コア部3aの本体部3e及び磁石部3bの他端側の端面に当接している。第1軸受6は、内輪6aと、内輪6aの外周側に内輪6aに対して回転可能に配置された外輪6bを有している。第1軸受6は、本実施形態では、ボールベアリングである。第1軸受6の内輪6aは、ロータキャップ5の円筒部5aの外周面に嵌合している。
第1軸受6の内輪6aと、ロータキャップ5のフランジ部5bとの間には、スプリング12が圧縮された状態で配置されている。本実施形態では、スプリング12は、圧縮コイルスプリングである。このスプリング12によって、ロータ3及びシャフト4は、一端側に付勢されている。このため、シャフト4の半球部4aがキャン1のテーパー面部1gに押し当てられて、シャフト4の一端部が、キャン1の軸心、つまり、支持凹部1eの中心にセンタリングされる。
ハウジング7は、略円筒形状の筒部7aと、筒部7aの一端部から内周側に形成された円環板形状の壁部7bとから構成されている。ハウジング7は、非磁性体のアルミニウムやステンレス鋼で構成されている。壁部7bは、キャン1の筒部1aの他端部に接合されている。筒部7aの内周面には、円弧状の内歯が複数連続的に形成された内歯車7cが形成されている。
ボデー8は、略円柱形状である。ボデー8は、アルミニウム等の金属等で構成されている。ボデー8は、ハウジング7の筒部7aの軸線方向の他端側の開口部に挿入して嵌合している。
ボデー8の径方向の中心には、軸線方向の一端側から他端側に向かって順番に、挿通穴8a、シール部材取付部8b、軸受取付部8c、及び第2流路8dが形成されている。ボデー8の外周面には、第2流路8dに接続する第1流路8eが形成されている。第1流路8eのボデー8の外周面の開口部は、流入口8fとなっている。第2流路8dのボデー8の他端側の外面の開口部は、流出口8gとなっている。
ハウジング7の内歯車7c、減速ギヤ9、及び伝達部材10は、ロータ3の回転を減速して出力軸11に出力する減速機構30を形成している。この減速機構30は、ロータ3と同心状に配置された内接式遊星歯車機構である。減速機構30は、ハウジング7及びボデー8によって囲まれる空間内に配置されている。
減速ギヤ9は、ハウジング7の筒部7aの内周側に配置されている。図3に示すように、減速ギヤ9には、貫通穴9aが形成されている。貫通穴9aの軸心CL2は、シャフト4の軸心CL1に対して偏心している。図1に示すように、貫通穴9aには、第1軸受6の外輪6bが嵌合している。
図3に示すように、減速ギヤ9には、外周部に円弧状の外歯が複数連続的に形成された外歯車9bが形成されている。内歯車7c及び外歯車9bは、それぞれの歯形状がサイクロイド曲線によって構成されている。内歯車7cと外歯車9bは、互いに噛み合っている。外歯車9bの歯数は、内歯車7cの歯数よりも1つ少なくなっている。
図1及び図3に示すように、減速ギヤ9の他端側の面には、一定角度をおいて円柱形状のピン9cが複数形成されている。本実施形態では、ピン9cは、90°をおいて4つ形成されている。
図1に示すように、伝達部材10は、略円板形状であり、減速ギヤ9の他端側に隣接して配置されている。図1に示すように、伝達部材10の中心には、嵌合穴10aが貫通形成されている。図1及び図3に示すように、伝達部材10には、ピン9cに対応する位置に、ピン9cの外径よりも大きな内径のピン穴10bが形成されている。ピン9cは、ピン穴10b内に挿通している。このような構造によって、減速ギヤ9が回転すると、伝達部材10もまた回転する。
電動モータ20の巻線2cにステッピングモータ制御回路が出力する駆動パルス信号が通電されると、電磁コイル2で生じる回転磁界によりロータ3が所定角度だけ回転し、突出部3dが軸心CL1を回転中心として所定角度だけ回転する。この際に、第1軸受6を介して突出部3dに接続された減速ギヤ9は、外歯車9bがハウジング7の内歯車7cに噛み合った状態で軸心CL1の周りを公転しつつ自転する遊星運動する。
外歯車9bの歯数は、内歯車7cの歯数よりも1つ少なくなっているので、公転1回転の間に、この外歯車9bと内歯車7cの歯数の差の分だけ公転方向と反対方向に自転する。伝達部材10には、減速ギヤ9の自転運動が伝達される。これにより、ロータ3が回転すると、ロータ3の回転が大幅に減速されて、伝達部材10に伝達される。
図1に示すように、出力軸11は、ボデー8の挿通穴8aに挿通し、ボデー8に対して回転可能に配置されている。出力軸11の一端部は、伝達部材10の嵌合穴10aに嵌合している。出力軸11は、伝達部材10と一体回転する。出力軸11の他端部は、ボデー8の軸受取付部8cに取り付けられた第2軸受13によって回転可能に軸支されている。第2軸受13は、本実施形態では、ボールベアリングである。このような構成によって、シャフト4の他端部は、出力軸11及び第2軸受13によって、回転可能に支持されている。
出力軸11の一端部には、軸線方向に沿って支持穴11aが形成されている。支持穴11aの底部には、円錐面であるテーパー面11bが形成されている。シャフト4の他端部は、支持穴11aに挿通されている。このような構成によって、シャフト4の他端が出力軸11の支持穴11aに相対回転可能に支持されている。出力軸11の他端部には、軸線方向に沿ってネジ穴11cが形成されている。
ボデー8のシール部材取付部8bには、シール部材14が配置されている。シール部材14は、本実施形態では合成ゴムで構成されたOリングである。シール部材取付部8bの内周面及び出力軸11の外周面は、全周にわたってシール部材14と接触している。
弁体15は、ロータ3の回転力によって駆動されて変位し、流体である冷媒の流量を調整するものである。弁体15は略円柱形状である。弁体15の他端部には、円錐形状の弁部15bが形成されている。
弁体15の外周面には、ネジ部15aが形成されている。弁体15のネジ部15aが、出力軸11のネジ穴11cにねじ込まれて、弁体15が出力軸11に取り付けられている。弁体15は、図示しない回転防止機構によって、ボデー8に対する回転が防止されている。このような構造によって、出力軸11が回転すると、弁体15は回転すること無く軸線方向に移動する。つまり、弁体15は、ロータ3の回転力によって軸線方向に駆動される。
弁座部材16は、円板形状である。弁座部材16は、ボデー8の第2流路8dの途中に、取り付けられている。弁座部材16の中心には、弁穴16aが形成されている。弁体15の弁部15bは、弁穴16aの一端側の開口部を閉塞し、或いは、弁穴16aの一端側の開口部を開放する。
弁部15bが弁穴16aの一端側の開口部を閉塞している状態では、流入口8fと流出口8gとの間の流路8e、8dが閉塞され、電動弁100が閉弁状態となる。一方で、弁部15bが弁穴16aの一端側の開口部を開放している状態では、流入口8fと流出口8gとの間の流路8e、8dが開放され、電動弁100が開弁状態となる。
なお、電動弁100が閉弁状態となっている状態から、弁体15が僅かに、一端側に移動すると、弁穴16aが僅かに開口し、流入口8fから第1流路8eに流入した冷媒が減圧されて、流出口8gから流出する。
また、弁穴16aの開口面積によって、流入口8fから流出口8gに流出する冷媒の流量が調整される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の電動弁100では、キャン1の頂部1bの径方向の中心部には、他端側に環状に凹んで形成された環状凹部1dが形成されている。そして、頂部1bの環状凹部1dの内周側には、一端側に凹んで形成された支持凹部1eが形成されている。そして、シャフト4の一端部は、支持凹部1eに回転可能に支持されている。
これによれば、環状凹部1dの断面形状を、円弧等を組み合わせた曲線状に形成することができる。さらに、支持凹部1eの断面形状、円弧等を組み合わせた曲線状に形成することができる。従って、キャン1に角部が形成されること無く、シャフト4の一端部を回転可能に支持する支持凹部1eを形成することができる。
換言すると、環状凹部1dおよび支持凹部1eの断面形状に、極端に曲率変形の小さくなってしまう部位が形成されてしまうことなく、支持凹部1eを形成することができる。このため、キャン1の内部の冷媒の圧力がかかっても、キャン1の頂部1bに応力が集中する部分が生じない。その結果、キャン1の厚みの増加を招くことなく、キャン1の耐圧強度を向上させることができる。
つまり、キャン1の肉厚を薄くすることができ、電磁コイル2とロータ3との距離であるエアギャップを小さくすることができる。この結果、電動モータ20の駆動力を増大させることができる。
また、シャフト4の一端側が支持凹部1eに回転可能に支持されている。
これによれば、シャフト4の他端部のみが回転可能に支持されている構造と比較して、ロータ3が回転した際の、ロータ3の芯ズレを抑制することができる。このため、ロータ3の外周面とキャン1の内周面との間の隙間を小さくすることができ、電磁コイル2とロータ3とのエアギャップを小さくすることができ、電動モータ20の駆動力を増大させることができる。
また、支持凹部1eは頂部1bの環状凹部1dの内周側に形成されている。
これによれば、頂部1bに環状凹部1dが形成されていない構造と比較して、支持凹部1eのキャン1の軸線方向の一端側への突出量を抑制することができる。このため、キャン1を小型化することができ、ひいては、電動弁100を小型化することができる。
また、環状凹部1dの他端部には、断面形状が円弧形状である環状凹部円弧部1hが形成されている。そして、支持凹部1eの一端部には、断面形状が円弧形状である支持凹部円弧部1iが形成されている。
これによれば、キャン1に角部が形成されること無く、シャフト4の一端部を回転可能に支持する支持凹部1eを確実に形成することができる。
また、頂部1bの筒部1aとの接続部分には、断面形状が円弧形状の円弧部1cが形成されている。そして、円弧部1cは、環状凹部1dに接続している。
これによれば、頂部1bの筒部1aとの接続部分の応力を小さくすることができる。このため、キャン1の耐圧強度を向上させることができる。
また、頂部1bの環状凹部1dの径方向の中心側は、頂部1bの環状凹部1dの径方向の外周側よりも、一端側に突出していない。
これによれば、支持凹部1eの形成によって、キャン1が軸線方向の一端側に大きくならない。このため、キャン1を小型化することができ、ひいては、電動弁100を小型化することができる。
また、シャフト4の一端部が支持凹部1eに当接することによって、シャフト4一端部が支持凹部1eに回転可能に支持されている。
これによれば、シャフト4の一端部を回転可能に支持するための軸受を別に設ける必要が無い。このため、電動弁100の構造を簡素化することができ、電動弁100の生産性を向上させることができる。また、上記軸受とキャン1との嵌合部の寸法公差に起因するロータ3の芯ブレを防止することができる。このため、ロータ3の芯ブレに起因する減速機構30における摺動抵抗の増大を抑制することができる。
また、支持凹部1eは、半球面である球面部1fが形成されている。そして、シャフト4の一端部は、半球形状の半球部4aが形成されている。
これによれば、支持凹部1eとシャフト4との一端部との接触面積を小さくすることができ、支持凹部1eとシャフト4との一端部との摩擦抵抗を低減することができる。このため、電動モータ20の回転トルクのロスを低減することができる。よって、電動モータ20に入力される電力を低減させることができる。
また、支持凹部1eの球面部1fの外周側には、円錐台面であるテーパー面部1gが形成されている。そして、球面部1fの曲率半径Rcは、半球部4aの曲率半径Rrよりも小さく設定されている。そして、半球部4aは、テーパー面部1gに当接している。
これによれば、シャフト4の軸心から半球部4aとテーパー面部1gとが当接している位置までの距離L2は、シャフト4の半径L1よりも小さくなる。このため、シャフト4の側面でキャン1と摺動する場合に比べて、回転軸と摺動部の距離が縮小することで、ロータ3回転時の負荷トルクを低減することができる。
また、スプリング12は、シャフト4を支持凹部1e側に付勢する。
これによれば、シャフト4の一端部が、キャン1の軸心、つまり、支持凹部1eの中心にセンタリングされる。このため、ロータ3が回転した際の、ロータ3の芯ズレをより一層抑制することができる。
減速機構30は、ロータ3と同心状に配置された内接式遊星歯車機構である。
このような内接式遊星歯車機構は、減速ギヤ9がシャフト4の軸心CL1の周りを公転するので、振動が発生し易く、内接式遊星歯車機構と接続しているロータ3の芯ズレが発生し易い。本実施形態の電動弁100は、シャフト4の一端側が支持凹部1eに回転可能に支持されているので、ロータ3の芯ズレを抑制することができる。
(第2実施形態)
以下に、図4を用いて、第1実施形態の電動弁100と異なる点について、第2実施形態の電動弁100について説明する。
以下に、図4を用いて、第1実施形態の電動弁100と異なる点について、第2実施形態の電動弁100について説明する。
第2実施形態の電動弁100は、支持凹部1eの他端側の面と前記シャフトの一端側との間に支持部材40が配置されている。支持部材40は、シャフト4の一端部とキャン1の支持凹部1eとを直接当接させた状態よりも、シャフト4が回転する際の摩擦抵抗を低減させるものである。
本実施形態の支持部材40は、グリースを含浸させた焼結金属で形成されている。支持部材40は、シャフト4との間に摩擦抵抗を殆ど生じさせない自己潤滑性を有している。支持部材40は、略円板形状である。支持部材40の一端側の面の形状は、支持凹部1eの内面(他端側の面)に対応した形状となっている。支持部材40は、支持凹部1eの内面に接着剤によって接着されている。
支持部材40の他端側の面には、一端側に凹んで形成された摺動凹部40aが形成されている。摺動凹部40aは、円錐面である。シャフト4の一端部に形成された半球部4aが摺動凹部40aに摺動可能に当接することによって、シャフト4の一端部が摺動凹部40aに回転可能に支持されている。
このように、第2実施形態の電動弁100は、シャフト4の一端部が自己潤滑性を有する支持部材40の摺動凹部40aに回転可能に支持されている。
これによれば、シャフト4の一端部がキャン1の支持凹部1eに直接当接している構成に比べて、シャフト4の一端部が回転可能に支持されている部分の摩擦抵抗を低減することができる。このため、電動モータ20の回転トルクのロスを低減することができる。よって、電動モータ20に供給される電力を低減させることができる。
なお、支持部材40は、多孔質の合成樹脂に潤滑油を含浸させたものや、フッ素樹脂等の自己潤滑性を有する材料で構成してもよい。
(他の実施形態)
本実施形態では、環状凹部円弧部1hと円弧部1cは、第1テーパー部1kによって接続されている。環状凹部円弧部1hと円弧部1cとが直接接続されていてもよい。
本実施形態では、環状凹部円弧部1hと円弧部1cは、第1テーパー部1kによって接続されている。環状凹部円弧部1hと円弧部1cとが直接接続されていてもよい。
本実施形態では、支持凹部円弧部1iと円弧部1cは、一端側の位置が揃っているが、支持凹部円弧部1iが円弧部1cに対して、一端側に飛び出す、もしくは多端側に引っ込んでいてもよい。
本実施形態では、支持凹部円弧部1iと環状凹部円弧部1hは、第2テーパー部1jで接続されている。支持凹部円弧部1iと環状凹部円弧部1hとが直接接続されていてもよい。
上記説明した実施形態では、電動弁100は、電動モータ20の回転力によって、弁体15を駆動させて冷媒の流量を調整する流量調整弁である。電動弁100は、電動モータ20の回転力によって、冷媒が流通する流路を切り替える流路切替弁であってもよい。或いは、電動弁100は、流量調整弁及び流路切替弁の両方の機能を有する統合弁であってもよい。
1 キャン
1a 筒部
1d 環状凹部
1e 支持凹部
2 電磁コイル
3 ロータ
4 シャフト
13 第2軸受(軸受)
15 弁体
1a 筒部
1d 環状凹部
1e 支持凹部
2 電磁コイル
3 ロータ
4 シャフト
13 第2軸受(軸受)
15 弁体
Claims (10)
- 筒状の筒部(1a)の一端側が頂部(1b)によって閉塞されたキャン(1)と、
前記キャンの外周側に配置されて、通電されることによって回転磁界を発生させる電磁コイル(2)と、
前記キャンの内周側に、前記キャンに対して回転可能に配置されて、前記電磁コイルによって発生した回転磁界によって回転するロータ(3)と、
前記ロータの径方向の中心に配置され、両端が前記ロータの軸線方向の両端から突出したシャフト(4)と、
前記シャフトの他端部を回転可能に支持する軸受(13)と、
前記ロータとともに変位して流体の流量を調整する弁体(15)と、を有し、
前記頂部の径方向の中心部には、他端側に環状に凹んで形成された環状凹部(1d)が形成され、
前記頂部の環状凹部の内周側には、一端側に凹んで形成された支持凹部(1e)が形成され、
前記シャフトの一端部は、前記支持凹部に回転可能に支持されている電動弁。 - 前記環状凹部の他端部には、断面形状が円弧形状である環状凹部円弧部(1h)が形成され、
前記支持凹部の一端部には、断面形状が円弧形状である支持凹部円弧部(1i)が形成されている請求項1に記載の電動弁。 - 前記頂部の前記筒部との接続部分には、断面形状が円弧形状の円弧部(1c)が形成され、
前記円弧部は、前記環状凹部に接続している請求項1又は2に記載の電動弁。 - 前記頂部の前記環状凹部の径方向の中心側は、前記頂部の前記環状凹部の径方向の外周側よりも、一端側に突出していない請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電動弁。
- 前記シャフトの一端部が前記支持凹部に当接することによって、前記シャフトの一端部が前記支持凹部に回転可能に支持されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電動弁。
- 前記支持凹部は、半球面である球面部(1f)が形成され、
前記シャフトの一端部は、半球形状の半球部(4a)が形成されている請求項5に記載の電動弁。 - 前記支持凹部の前記球面部の外周側には、円錐台面であるテーパー面部(1g)が形成され、
前記球面部の曲率半径(Rc)は、前記半球部の曲率半径(Rr)よりも小さく設定され、
前記半球部は、前記テーパー面部に当接している請求項6に記載の電動弁。 - 前記シャフトを、前記支持凹部側に付勢するスプリング(12)を有する請求項6又は7に記載の電動弁。
- 前記支持凹部の他端側の面と前記シャフトの一端側との間に配置されて、前記シャフトが回転する際の摩擦抵抗を低減させる支持部材(40)を有している請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電動弁。
- 前記ロータの回転を減速する減速機構(30)を有し、
前記減速機構は、前記ロータと同心状に配置された内接式遊星歯車機構である請求項1ないし9のいずれか1つに記載の電動弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019032669A JP2020133879A (ja) | 2019-02-26 | 2019-02-26 | 電動弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019032669A JP2020133879A (ja) | 2019-02-26 | 2019-02-26 | 電動弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020133879A true JP2020133879A (ja) | 2020-08-31 |
Family
ID=72263107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019032669A Pending JP2020133879A (ja) | 2019-02-26 | 2019-02-26 | 電動弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020133879A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021127813A (ja) * | 2020-02-14 | 2021-09-02 | 株式会社不二工機 | 電動弁 |
-
2019
- 2019-02-26 JP JP2019032669A patent/JP2020133879A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021127813A (ja) * | 2020-02-14 | 2021-09-02 | 株式会社不二工機 | 電動弁 |
JP7054942B2 (ja) | 2020-02-14 | 2022-04-15 | 株式会社不二工機 | 電動弁 |
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