JP2020131527A - 色柄を備えた物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の常識的手法に依存することなく表現テーマに応じた優れた色柄を生み出して物品に反映させることができる色柄を備えた物品の製造方法を提供する。【解決手段】予め定められた表現テーマT1〜T12に適した複数種類の色を選定する色選定工程1と、これらの選定色にそれぞれ対応した色の発泡体を特定する発泡体特定工程2と、特定された各発泡体をカットして複数のチップを得るチップ製造工程3と、各発泡体から得られたチップを集合させ表面を加熱する加熱工程4と、加熱して表面が軟化した複数のチップを圧縮成形し冷却後取り出す成形工程5と、この成形工程を経て取り出された成形発泡体の表面又は切断面に現れる模様を前記表現テーマに即した色柄としその色柄を物品の表面に配する色柄生成配置工程6とを備える、色柄を備えた物品U1〜U12の製造方法を採用する。【選択図】図4

Description

本発明は、視認可能な部位に色柄を備えた物品の製造方法に関する。
視認可能な部位に種々の色柄、すなわち色付きの図柄を備えた物品は従来から無数に存在するものであり、当該物品の商品価値等を向上させる手段として広く普及している。
ところで、この種の色柄は、自然の素材や風景等を利用した天然由来の図柄か、デザイナーが創作した人工的な図柄を基にして作られたものが大部分であり、看者が目を見張り感動するような奇抜な色柄を施すには、もっぱら職人の素材処理能力や写真家の構図力、或いはデザイナーの図案創作力に頼らざるを得ないのが現状である。
例を挙げれば枚挙に遑が無いが、非特許文献1に開示された床柱は、職人の磨き技により表面に美しい木目調の色柄を表出させたものであり、非特許文献2に開示された包装紙は、写真家が撮影した人物や風景画像等を色柄として表面に印刷したものであり、非特許文献3に開示された財布は、デザイナーが創作した色付きの図柄を表面に施したものである。
"施工例紹介|カクニシビルダー−part4"、[online]、平成22年、[平成31年1月25日検索]、インターネット<https://kakunishi.co.jp/gallery/page/4> "[世界から]初の政権交代から約3カ月たったマレーシアの現状は−共同通信"、[online]、平成30年、[平成31年1月25日検索]、インターネット<https://this.kiji.is/404531019979441249> "Amazon|(ルイヴィトン)LOUIS VUITTON モノグラム・マルチカラー ジッピーウォレット M60241 ホワイト/リッチ[並行輸入品]|財布"、[online]、平成22年、[平成31年1月25日検索]、インターネット<https://www.amazon.co.jp/dp/B0049TVH96/>
本発明は、このような事情に着目してなされたもので、従来の常識的手法に依存することなく表現テーマに応じた優れた色柄を生み出して物品に反映させることができる色柄を備えた物品の製造方法を提供しようとするものである。
本発明に係る色柄を備えた物品の製造方法は、予め定められた表現テーマに適した複数種類の色を選定する色選定工程と、これらの選定色にそれぞれ対応した色の発泡体を特定する発泡体特定工程と、特定された各発泡体をカットして複数のチップを得るチップ製造工程と、各発泡体から得られたチップを集合させ熱風で加熱する加熱工程と、加熱して表面が軟化した複数のチップを圧縮成形し冷却後取り出す成形工程と、この成形工程を経て取り出された成形発泡体の表面又は切断面に現れる模様を前記表現テーマに即した色柄としその色柄を物品の表面に配する色柄生成配置工程とを備えたものである。
ここで「表現テーマ」とは、どのような雰囲気の色柄を得たいかを表すものであればどのようなものであってもよく、漠然としたものであると具体的なものであるとを問わない。
前述した「色柄生成配置工程」には、少なくとも、(1)成形工程を経て取り出された成形発泡体の表面又は切断面に現れる模様をそのまま色柄として物品の表面に配する態様、すなわち、色柄を有する成形発泡体をそのまま物品の全部又は一部に取り入れる態様と、(2)成形発泡体の表面又は切断面に現れる模様を色柄としてカメラ等により撮像し、その画像データに基づいて物品にその色柄を印刷する態様とが含まれている。ここで「切断面」とは、切断する方向を問わないものであり、後述するスライス面や断面はその概念に含まれる。
特にメリハリの利いた趣のある色柄を得るには、前記色柄生成配置工程において、前記成形工程における圧縮方向と略直交する面で前記成形発泡体をスライスすることによって現れる色柄を物品に配するのが望ましい。より具体的には、色柄が現れる面を、前記圧縮方向に直交する仮想平面に対して0°〜45°の角度をなすように設定するのが好ましい。このような角度範囲でスライスした面には、色彩が施された複数の不定形領域が境界線を介して密に配された色柄が出現するものであり、境界線が最も色が濃く、各不定形領域にはグラデーション等の濃淡が現れる。圧縮方向に直交する仮想平面に対して前述した角度範囲を逸脱する角度で裁断すると、かかる美的効果が低下する。以下この明細書では、前述の角度範囲で成形発泡体をスライスした面を「スライス面」と称する場合がある。
スライス面に表出する色柄は、成形発泡体が出来上がる毎に異なったものとなり、ひとつとして同じものはできないが、表現テーマ毎に選定色を体現したチップの混合割合を一定にしておけば、表現テーマ毎に印象を同じくする色柄が生成される。各色柄は、前述したように境界線が最も色が濃く、各不定形領域には境界に向かって漸次色が濃くなるグラデーション等が現れる。すなわち、境界線は、隣接するチップ同士が表面溶融して密着接合された部分であり、チップの表面が溶融している関係で他の部分に比べて密度が高く最も濃くなる。一方、各不定形領域は各チップに対応する部分である。各チップは前記成形工程において圧縮されるため、各不定形領域の色は元のチップに施された色よりも濃くなる。そして、複数のチップをランダムに集合させる関係で各チップは不均一に圧縮されることになり、色柄の不定形領域には趣のある濃淡も現れる。なお、スライス面以外の面で裁断した場合も境界線と不定形領域とが表出するが、スライス面以外の面に現れる色柄の不定形領域は全体的に色が濃く、濃淡が現れにくい傾向がある。特に、圧縮方向と平行な断面、換言すれば、前記仮想平面と直交する断面に現れる色柄は、圧縮度合が高いと各不定形領域が濃淡のほとんどない濃い色となる。
また、スライス面に現れる色柄の各不定形領域には、気泡由来の細かい凹凸が存在するものであり、その凹凸により構造色とも言うべき玉虫色の光沢が現れることがある。特に、前記発泡体特定工程における発泡体の発泡倍率を、15倍〜40倍(特に、二段発泡の場合。より好ましくは、20倍〜30倍)とし、前記成形工程における圧縮率を40%〜80%(より好ましくは、60%〜70%。約65%)とした場合には、色柄の各不定形領域に気泡由来の光沢のある肌模様が出現し易い。なお、スライス面以外の面、特に、圧縮方向と平行な断面に現れる色柄の不定形領域では気泡が押しつぶされる傾向があるため、気泡由来の肌模様は期待し難い。
以上のような製造方法により作られる物品には、従来の常識的手法からでは得られない奇抜な色柄が施されるものであり、有用な用途として次のようなものを挙げることができる。
請求項4に係る発明は、物品が、食器関連品である場合のものである。「食器関連品」は、食器自体又は食器と併用されるものであればどのようなものであってもよく、例えば、コースターやランチョンマット等はその概念に含まれる。
請求項5に係る発明は、物品が、内装関連品である場合のものである。「内装関連品」は、室内の雰囲気に影響を与え得るものであればどのようなものであってもよく、例えば、家具、クッション類、クッションボード、壁紙、或いは、カーテン等はその概念に含まれる。
請求項6に係る発明は、物品が、計器の文字盤である場合のものである。「計器」には、掛け時計や置時計をはじめ種々の時計が含まれるが、さらに、時計以外の例えば温度計や湿度計なども包含される。
請求項7に係る発明は、物品が、包装関連品である場合のものである。「包装関連品」は、何らかの品を包んだり収容したりするシート状、袋状、或いは器状のものであればどのようなものであってもよく、例えば、包装紙、紙袋、或いは、包装容器等はその概念に含まれる。
請求項8に係る発明は、物品が、シート素材である場合のものである。「シート素材」により作られる製品としては、ブックカバーや、クリヤーファイルの仕切りや、梱包シート等を挙げることができる。
請求項9に係る発明は、特に綺麗な色柄を得るための条件を限定するものであり、前記発泡体特定工程における発泡体の発泡倍率が、15倍〜40倍であり、前記成形工程における圧縮率が40%〜80%であるという条件を提示している。ここで「特に綺麗な色柄」とは、境界線を介して隣接する複数の不定形領域に表現テーマに応じた種々の色が展開されるという基本的な特性を有するだけなく、各不定形領域を形成する各チップが均一に圧縮されないため、成形後は光が均等に反射せず、選定して混ぜた色の数以上に、色を多く感じられるという特性を有した色柄を意味している。
本発明によれば、従来の常識的手法に依存することなく表現テーマに応じた優れた色柄を生み出すことができ、その色柄を物品に施すことができる色柄を備えた物品の製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態のコースターを示す正面図。 同実施形態のコースターを示す拡大正面図。 同実施形態のコースターを示す平面図。 同実施形態のコースターの製造方法を概略的に示す工程説明図。 同実施形態の原板色を示す表。 同実施形態の各表現テーマで使用する原板色及びその配合割合を示す表。 同実施形態の原板を製造する工程を説明する工程説明図。 同実施形態の原板からコースターを製造する工程を説明する工程説明図。 同実施形態の原板を縦方向にカットしている途中の状態の模式図。 同実施形態の複数種類の色のチップを集合させた状態を示す模式図。 同実施形態の各色のチップを型に入れるイメージの模式図。 同実施形態の型から取り出した成形発泡体の模式図。 同実施形態の成形発泡体をスライスして製品素材を得る状態の模式図。 同実施形態の製品素材を打ち抜いてコースターを得る状態の模式図。 本発明の第2実施形態のクッションの使用状態を示す斜視図。 同実施形態のクッションを示す正面図。 本発明の第3実施形態のクッションボードを示す正面図。 同実施形態のクッションボードを示す平面図。 同実施形態のクッションボードの使用状態を示す斜視図。 同実施形態のクッションボードの使用状態を示す斜視図。 本発明の第4実施形態の時計を示す斜視図。 同実施形態の時計を示す正面図。 本発明の第5実施形態のブックカバーを示す斜視図。
<第1実施形態>(製造対象物品が食器関連品である態様)
この実施形態は、本発明を食器関連品であるコースターU1〜U12(コースター全般を表す場合はUという符号を付す)の製造に適用した場合のものである。
この実施形態は、12種類の表現テーマT1〜T12(表現テーマ全般を表す場合にはTという符号を付す)に対応した色柄を備えた12種類のコースターU1〜U12を製造する場合のものであり、図1は、12種類のコースターU1〜U12を示す正面図であり、図2は特定のコースターU、例えば、「オウム」という表現テーマT6に対応するコースターU6を示す拡大正面図、図3は、同平面図である。
色柄を備えた物品である各コースターUは、図4に示すように、予め定められた表現テーマTに適した複数種類の色(選定されるべき個別の色には、a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、n、o、p、q、rという符号を付す)を選定する色選定工程1と、これらの選定色a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、n、o、p、q、rにそれぞれ対応した色の発泡体を特定する発泡体特定工程2と、特定された各発泡体をカットして複数のチップ31を得るチップ製造工程3と、各発泡体から得られたチップ31(各色a〜rに対応したチップ31を表す場合には、符号31に色a〜rを示す補助符号をかっこ書きで併記する場合がある)を集合させ熱風等で表面を加熱する加熱工程4と、加熱して表面が軟化した複数のチップ31を圧縮成形し冷却後取り出す成形工程5と、この成形工程5を経て取り出された成形発泡体51の表面又は切断面に現れる模様を表現テーマTに即した色柄としその色柄を物品であるコースターUの表面に配する色柄生成配置工程6とを備えた製造方法によってそれぞれ生産される。各工程について詳述すれば次の通りである。
(1)色選定工程1
色選定工程1では、まず、使用可能な色a〜rの種類を決める(以下これらの色a〜rを「原板色」と称する場合がある)とともに、製造対象物品たるコースターUに施される色柄の表現テーマTを定めておき、その表現テーマTにはどのような原板色(a〜r)を如何なる割合で用いるのかを選定する。
具体的に説明すれば、この実施形態では、例えば、図5に示すように、青a、群青b、水色c、桃色d、赤紫e、黄緑f、すみれ色g、山吹h、緑i、肌色j、赤k、ねずみ色l、黒m、白n、朱色o、深緑p、紫q、黄色rという18種類の原板色を用いる。表現テーマTとしては、例えば、月明かりを示唆する「ムーンライトT1」、夏の風景に対応した「ナツT2」、樹木の葉っぱにちなんだ「リーフT3」、バラの花を思い起こさせる「ローズT4」、金魚を表す「キンギョT5」、鳥のオウムを暗示する「オウムT6」、ラベンダーの花を思い起こさせる「ラベンダーT7」、海の雰囲気を代表する「オーシャンT8」、春の風景に対応した「ハルT9」、地球の雰囲気を醸し出す「アースT10」、モノトーンをテーマにした「シロクロT11」、スクランブルエッグを連想させる「エッグT12」という12種類を設定している。そして、12種類の表現テーマT1〜T12に対して、使用する原板色(a〜r)、及びその配合割合を、図6に示すようにそれぞれ定めておく。この実施形態では、「ムーンライトT1」を、ねずみ色lが50%、肌色jが30%、水色cが20%と定め、「ナツT2」を、黄色rが20%、緑iが30%、青aが40%、白nが10%と定め、「リーフT3」を、黄色rが30%、黄緑fが50%、深緑pが20%と定め、「ローズT4」を、桃色dが50%、赤紫eが30%、赤kが20%と定め、「キンギョT5」を、赤kが50%、黒mが20%、白nが30%と定め、「オウムT6」を、黄緑fが50%、朱色oが30%、青aが20%と定め、「ラベンダT7」を、紫qが50%、すみれ色gが30%、桃色dが20%と定め、「オーシャンT8」を、青aが30%、群青bが20%、水色cが50%と定め、「ハルT9」を、山吹色hが30%、桃色dが40%、黄緑fが20%、白nが10%と定め、「アースT10」を、ねずみ色lが50%、青aが30%、深緑pが20%と定め、「シロクロT11」を、ねずみ色lが30%、黒mが20%、白nが50%と定め、「エッグT12」を、黄色rが50%、山吹色hが30%、白nが20%と定めている。
(2)発泡体特定工程2
発泡体特定工程2は、前述した原板色(a〜r)を体現した色付きの発泡体をそれぞれ原板21として用意しておき、表現テーマTが提示された段階で、その表現テーマTに対応した選定色の発泡体たる原板21を特定する。ここで各原板21の製造方法を説明すれば次の通りである。まず、熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィンと、発泡剤・助剤、架橋剤、及び顔料を配合・計量し(ステップS1)混練する(ステップS2)。具体的には、ポリオレフィンと配合剤を加圧しながら混合・昇温してゆきコンパウンドを作成する。そして、そのコンパウンドを125℃前後の温度に達した段階で取り出して金型に投入し整形する(ステップS3)。すなわち、加熱された金型にコンパウンドを入れて加熱し、発泡剤・架橋剤が数%分解された段階で取り出して一次発泡体を得る(ステップS4)。しかる後に、その一次発泡体を加熱した金型(例えば、115mm×1040mm×2100mm)に入れ、残りの発泡剤・架橋剤を分解させて金型に充填し、冷却後にその発泡体を取り出す(ステップ6)。そして、取り出した発泡体の耳及び皮を取り、例えば、100mm×1040mm×2080mmの原板21に仕上げる(ステップS7)。なお、使用するポリオレフィン樹脂の代表例として、ポリエチレン(低密度ポリエチレン)を挙げることができる。原板21は、独立気泡発泡体であってもよいし、連続気泡発泡体であってもよい。
以上のステップが顔料を変更しつつ繰り返し実行されることによって、例えば、図5に対応した18種類の原板21を用意することができる。そして、図6に示すような色柄の表現テーマT1〜T12に合わせて使用する色a〜rの原板21を特定し、次の工程に移行する。
(3)チップ製造工程3
チップ製造工程3は、発泡体特定工程2で特定された発泡体たる各原板21をカットして複数のチップ31を得る工程であり、具体的には次の通りである。特定された色(a〜rから選ばれた3又は4色)の原板21をそれぞれ30mm〜50mmの厚みにスライスする(ステップS8)。このようにして得られたものをそれぞれ藁裁断機等を用いてランダムにカットして各色のチップ31を製造する(ステップS9)。図9は、単色発泡体たる原板21を縦方向にカットしている途中の状態を模式的に示したものであり、さらに横にもカットしてチップ31を作るものである。
(4)加熱工程4
加熱工程4は、複数種類の単色発泡体たる原板21から得られたチップ31を集合させ、それらの表面を熱風等で加熱する工程である。すなわち、各単色発泡体たる原板21から得られた不揃いのチップ31(c)、31(j)、31(l)を図6に示す配合割合で集合させ(ステップS10)、それらチップ31(c)、31(j)、31(l)を混合し撹拌する。しかる後に、それらのチップ31(c)、31(j)、31(l)を熱風で加熱し、チップ31(c)、31(j)、31(l)の表面を溶かす(ステップS11)。図10は複数種類の色のチップ31(c)、31(j)、31(l)を集合させた状態を模式的に示すものである。
(5)成形工程5
成形工程5は、加熱して表面が軟化した複数のチップ31を圧縮成形し冷却後取り出す工程である。すなわち、この工程5では、熱風により加熱され表面が軟化したランダム形状をなす各種のチップ31を型に投入し(ステップS12)、この型内で50%程度圧縮して固定し(ステップS13)、冷却後に最終原板とも言うべき成形発泡体51を取り出す(ステップ14)。図11は、ランダム形状をなす各色のチップ31、すなわち水色cのチップ(c)、肌色jのチップ31(j)及びねずみ色lのチップ31(l)を型に入れるイメージを模式的に示したものであり、図12は、型52から取り出した成形発泡体51を模式的に示したものである。この工程5で使用する型52は、例えば、底壁531と周壁532とを備えた第1の型要素53と、この第1の型要素53内に投入されたチップ31(c)、31(j)、31(l)を最終原板である成形発泡体51の厚み方向に圧縮する第2の型要素54とを備えたものであり、この明細書では成形発泡体51の厚み方向を「圧縮方向X」と称する。また、この明細書では「圧縮率」という文言を使用するが、この圧縮率とは、第1の型要素53内に投入され平準化されたチップ31の集合体の実質的な厚み寸法に対する成形終了時点の成形発泡体51の厚み寸法の割合を意味している。
(6)色柄生成配置工程6
色柄生成配置工程6は、前述した成形工程5を経て取り出された成形発泡体51の表面又は切断面に現れる模様を表現テーマTに即した色柄としその色柄を物品の表面に配する工程である。この実施形態では、例えば、有効サイズが50mm×1000mm×1000mmの成形発泡体51を作った上で、その成形発泡体51を、例えば、図13に示すように、25mmにスライスして製品素材61を製造し、その製品素材61を図14に示すように所定形状(この実施形態では直径94mmの円形)に打ち抜くことによって製造対象物品であるコースターU1を完成させるようにしている。すなわち、この第1の実施形態では、成形発泡体51から作られたコースターU1を、そのまま製造対象物品とするものであり、コースターU1の表裏両面に現れた色柄が本発明にかかる表現テーマT1に対応した色柄として機能する。
そして、以上説明した工程を表現テーマT1〜T12毎に実行することによって、各表現テーマT1〜T12に対応した色柄を備えたコースターU1〜U12を製造することができる。
以上のようにして作られた製造対象物品たるコースターUの表裏両面は、成形発泡体51の圧縮方向Xと直交する方向にスライスした面であり、このスライス面Sには濃淡のある優れた色柄が現れる。すなわち、この色柄は、境界線62により囲まれる複数の不定形領域63が存在するものであり、各不定形領域63は各チップ31を圧縮することにより形成されたものである。したがって、各不定形領域63は前述の原板色(a〜r)に対応した色彩を呈しており(色の異なる不定形領域63を区別する場合には符号63に前述した色に関する符号a〜rを併記する)、不定形領域63の占有面積割合は図6に示すチップ31の配合割合に対応したものになっている。したがって、このコースターUの色柄は、表現テーマTに沿った共通の雰囲気を醸し出すものとなる。
なお、このコースターUにおける各不定形領域63は各チップ31が圧縮されたものであるため、原板色(a〜r)よりも濃い色となっており、また、スライス面SすなわちコースターUの表裏両面に現れる色柄の不定形領域63には濃淡が現れる。さらに、各不定形領域63の表面には発泡体21が有する多数の気泡に由来した微細な凹部が点在することになり、この微細な凹凸に起因した構造色が発生することも少なくない。すなわち、各不定形領域63には、光の乱反射等により原板色(a〜r)とは異なった光沢のある色味が発生することもある。しかも、成形発泡体51を構成する各チップ31が包有する気泡の大きさが、チップ毎に異なり、及び/又は、各部分毎に異なる(例えば、一個のチップ51の外周縁部の少なくとも一部が強く圧縮され気泡が小さく密度が高まるのに対し、チップ51の中央部は気泡が比較的大きい等)ことにより、気泡が小さく圧縮され密度のより高まった部位の色味が濃く、それに比して気泡が小さく圧縮されていない部位の色味が薄くなるだけでなく、部位により光の乱反射等の起こる度合いも異なることとなって、均一でなく見る角度によっても変化する光沢を得ることができる。この光沢が発生する可能性は、次の条件を満たした場合に高まるものである。まず、気泡由来の風合いのある肌模様は、スライス面Sに現れる色柄に発生し易い。そして、その発生可能性を高めるには、発泡体の発泡倍率を、15倍〜40倍とし、成形工程5における圧縮率を、40%〜80%に設定しておくのがよい。特に効果的であるのは、発泡倍率が20倍〜30倍で、成形工程5における圧縮率が60%〜70%(約65%)である。これらの範囲を逸脱すると、風合いのある肌模様が現れにくくなる。また、圧縮率が低すぎると、各チップ31がうまく溶着又は結合せずばらばらになるリスクが高まる。圧縮率が高すぎると、チップ31の色が濃くなり、グラデーション又は水彩の滲みのような審美的な濃淡を作出できない。圧縮率は高い方が、チップ31及びその集合体Uが固くなる。
スライス面S以外の面、すなわち、この実施形態では圧縮方向Xと平行な断面にも色柄が現れるが、断面においてはスライス面Sに比べて各チップ31が圧縮される度合いが高く、気泡も圧し潰される傾向にあるため、各不定形領域に濃淡が現れ難く光沢のない濃い色になる。濃淡や豊かな色味のある光沢が不定形領域63に出現するのは、圧縮方向Xに直交する仮想平面に対して0°〜45°の角度をなしている面Sに現れる色柄において顕著である。本実施形態のスライス面Sは、仮想平面S0に対して0°となっている。
以上のような製造方法によれば、表現テーマTに即した奇抜で美しい色柄を備えたコースターUを効率よく生み出すことができる。しかも、表現テーマTに対して、どのような色a〜rを如何なる割合で用いるのを決めることで、表現テーマTに対応した色柄を生み出すことができる。そのため、色柄生成に関する従来の専門家の手を煩わせることなしに表現テーマに即した綺麗な色柄のコースターUを工業的な手順に沿って製造することができる。かかる色柄を綺麗に感じる理由の一つは、発泡体である各チップ31が均一に圧縮されないため、成形後は光が均等に反射せず、混ぜた色a〜rの数(色の異なるチップ31の種類数)以上に、色を多く感じられるためである。すなわち、色柄の不定形領域63には構造色ともいうべき豊かな色味と光沢のあるグラデーションが現れる。
また、この実施形態のように、成形発泡体61を加工してそのままコースターUとする場合には、同じ表現テーマTで製造したコースターUでも、その色柄にはひとつとして同じものはない。すなわち、特定の表現テーマTの下で製造されたコースターUは、その表現テーマTに即した共通の雰囲気を醸し出す色柄を備えてはいるが、その色柄を構成している境界線62や不定形領域63の形状、或いは濃淡の度合いや配色等はすべて異なったものになる。したがって、大量生産的な手法により作られる工業製品であるにも関わらず、個々のコースターUはそれぞれ豊かな個性を有したものとなる。
さらに、本発明をコースターUに適用した場合、次のような格別な効果が得られる。まず、薄暗い場所に配置された単一色等のテーブル上で使用した場合、綺麗な色柄を有するコースターUの位置が一目でわかる。また、色彩豊かなコースターU上にガラスコップを置くと屈折率の関係で新しい模様となって現れるものである。また、独立気泡を有する発泡体により作られたコースターUは、水を吸わないので劣化しない。
なお、コースターUと同様な効果を奏し得る他の食器関連品としては、例えば、テーブルクロスやランチョンマット等を挙げることができる。
<第2実施形態>(製造対象物品が内装関連品たるクッションである態様)
この実施形態は、本発明をクッションVの製造に適用した場合のものである。クッションVは、図15に示すように椅子CHの座等に載置して使用されるもので、例えば、直径350mm、厚み25mm程度の円板状をなしている。
かかるクッションVは、第1実施形態において説明したコースターUの製造方法に準じた方法により作ることができる。すなわち、前述した成形工程5で生成された成形発泡体51を圧縮方向Xと直交する面に沿ってスライスして厚み25mmの製品素材61を作り、その製品素材61を円形に打ち抜くことによってクッションVを得ることができる。そして、図4〜図14に示す手順を表現テーマT1〜T12毎に繰り返し実行することによって、12種類の色柄を備えたクッションV1〜V12を製造することができる。図16は、特定のクッションV、例えば、表現テーマTを「ハルT9」とするクッションV9を示す正面図である。
このクッションVも、コースターUと同様に成形発泡体51の一部をそのまま構成部材にして作り上げられたものであり、クッションVの表裏両面(スライス面S)に現れた色柄が本発明にかかる表現テーマTに対応した色柄として機能する。
クッションVの製造方法に基づく基本的な作用効果は、前述した第1実施形態の説明に準じたものであるが、物品をクッションV等の室内関連品に限定したことによる格別な効果は次の通りである。まず、このような色柄を有するものであれば、その色柄の表現テーマTを適宜選定することによって春・夏・秋・冬・花・空等のイメージを表現でき、部屋の雰囲気を変えることができる。また、色の組合せで季節に応じた寒暖を表現することができ、視覚を通して部屋の雰囲気をうまく演出することが可能になる。
なお、「室内関連品」とは、かかる効果を発揮し得る品であれば、クッションV以外のものであってもよく、例えば、後述するクッションボードW、壁紙、カーテン等はその概念に含まれる。
<第3実施形態>(製造対象物品が内装関連品たるクッションボードである態様)
この実施形態は、本発明をクッションボードWの製造に適用した場合のものである。クッションボードWは、図19及び図20に示すように床面FLや壁面WLに添接させて使用するもので、例えば、450×450mm、厚み25mm程度の正方形板状をなしている。
かかるクッションボードWは、第1実施形態において説明したコースターUの製造方法に準じた方法により作ることができる。すなわち、前述した成形工程5で生成された成形発泡体51を圧縮方向Xと直交する面に沿ってスライスして厚み25mmの製品素材61を作り、その製品素材61を正方形に裁断することによってクッションボードを得ることができる。そして、図4〜図14に示す手順を表現テーマT1〜T12毎に繰り返し実行することによって、12種類の色柄を備えたクッションボードW1〜W12を製造することができる。図17は、特定のクッションボード、例えば、表現テーマを「オウムT6」とするクッションボードW6を示す正面図であり、図18は同平面図である。また、図19は、複数枚のクッションボードWを壁面WLに配置した状態を示すものであり、図20は、複数枚のクッションボードWを密に隣接させて床面FL上に敷いた状態を示すものである。
このクッションボードWも、コースターUと同様に成形発泡体51の一部をそのまま構成部材にして作り上げられたものであり、クッションボードWの表裏両面(スライス面S)に現れた色柄が本発明にかかる表現テーマTに対応した色柄として機能する。
クッションボードWの製造方法に基づく基本的な作用効果は、前述した第1実施形態の説明に準じたものであり、物品をクッションボードW等の室内関連品に限定したことによる格別な効果も第2実施形態と同様である。なお、このクッションボードWを壁面WLに配する場合には、装飾のみならず、掲示用のクリップボードとして機能させることも可能である。また、このクッションボードWを床面FLに敷き詰めて使用する場合等には、クッションボード自体をジョイントマット的な形態にしてもよい。
<第4実施形態>(製造対象物品が計器の文字盤である態様)
この実施形態は、本発明を計器である時計7の文字盤Yの製造に適用した場合のものである。時計7は、図21に示すように、正面に表出する文字盤Yと、この文字盤Yの背面に添設された裏当盤YYとを備えたもので、文字盤Yの前には、時刻をアナログ的に示す長針71及び短針72が配されている。この実施形態は、本発明をその文字盤Yと裏当盤YYの製造方法に適用したものである。文字盤Yは、例えば、直径220mm、厚み5mm程度の円板状のものである。文字盤Yは、中心に長針71及び短針72の軸73を貫通させる中心孔74と、時刻表示用文字に代替する複数の目盛り孔75とを備えている。一方、裏当盤YYは、例えば、直径220mm、厚み20mm程度の円板状のものである。裏当盤YYは中央部分に長針71及び短針72を駆動するための図示しないメカユニットを収容する空洞を備えており、文字盤Yの裏面に添着されている。
これらの文字盤Yは、第1実施形態において説明したコースターUの製造方法に準じた方法により作ることができる。すなわち、前述した成形工程5で生成された成形発泡体51を圧縮方向Xと直交する面に沿ってスライスして厚み5mmの製品素材61を作り、その製品素材61を円形に打ち抜くとともに中心孔74及び目盛り孔75を穿設することによって文字盤Yを得ることができる。そして、図4〜図14に示す手順を表現テーマT1〜T12毎に繰り返し実行することによって、12種類の色柄を備えた文字盤Y1〜Y12を製造することができる。図21は、時計7を示す斜視図、図22は、特定の文字盤Y、例えば、表現テーマTを「ナツT2」とする文字盤Y2をそなえた時計7の正面図である。裏当盤Zも文字盤Yに準じた製造方法により作り出すことができる。
この文字盤Yも、コースターUと同様に成形発泡体の一部をそのまま構成部材にして作り上げられたものであり、文字盤Yの表面(スライス面)に現れた色柄が本発明にかかる表現テーマTに対応した色柄として機能する。
時計7の文字盤Yの製造方法に基づく基本的な作用効果は、前述した第1実施形態の説明に準じたものであるが、物品を時計7の文字盤Yに限定したことによる格別な効果は次の通りである。このような文字盤Yを有する時計7を単一色である壁面WLに掛けると、三色以上のチップ31で作成された色柄が目を引くことになり、時計7の存在感を高めることができる。また、チップ境界面が機械的な直線でなく曲線で構成されているため、スライス面Sに現れる色柄も、チップ31に対応する各不定形領域63が趣のある曲線的な境界線に区成されたものとなり、無機的な感じではない人にやさしいイメージが醸し出される。さらに、同じ組み合わせの色の時計7ができないため、オリジナル感もある。すなわち、以上説明した製造方法によれば、ランダムに集合・混錬された色違いのチップ31を圧縮して生成される成形発泡体51の一部を用いて文字盤Yが作られるので、文字盤Yの正面(スライス面S)に表出する色柄は、成形発泡体51が出来上がる毎に異なったものとなり、ひとつとして同じものはない。そのため、工業製品であるにも拘わらず個性豊かな時計7を作り出すことができる。また、このような時計7であれば、文字盤Yが柔らかい発泡体で構成されるため、落下・転倒による破損が少ないという効果も得られる。本発明は、このような効果に準じた効果を奏し得るものであれば、時計に限らず他の計器にも適用が可能である。さらに、文字盤Yに現れる色柄は直線形状部分がほとんど無い不定形なものとなるため、かかる時計7に適用した場合に直線的な長針71や短針72が相対的に視認し易いという効果も奏する。
<第5実施形態>(製造対象物品がシート素材である態様)
この実施形態は、本発明を色柄を備えたシート素材Zの製造に適用した場合のものであり、このシート素材Zを用いてブックカバー8を作る例を示している。ブックカバー8は、図23に示すように、書籍BKの表紙を覆う表紙被覆部81と、背表紙を覆う背表紙被覆部82と、裏表紙を覆う図示しない裏表紙被覆部とを具備してなる通常の構造のものであるが、その素材が従来のものとは異なっている。すなわち、このブックカバー8は、表裏両面に色柄を備えた発泡材製のシート素材Zにより作られている。
シート素材Zは、例えば、厚み1mm程度のものであり、第1〜第4実施形態に準じた製造方法により作られる。すなわち、このシート素材Zは、前述した成形工程5で得られる成形発泡体51を、厚みが1mm程度になるようにして圧縮方向Xと直交する面に沿ってスライスすることにより得られる。そして、このシート素材Zを所定形状に打ち抜くとともに、要所を折り曲げることによって前述したブックカバー8を完成させることができる。この実施形態のブックカバー8は、前述したコースターU等と同様に成形発泡体51の一部をそのまま構成部材にして作り上げられたものであり、表面(スライス面S)に現れた色柄が本発明にかかる表現テーマTに対応した色柄として機能する。
本製造方法により作られた色柄を備えたシート素材Zは、しなやかに変形可能な発泡シート状のものであり、その両面に表現テーマに対応した色柄が現れる。この色柄は、境界線62により囲まれる複数の不定形領域63が存在するものであり、各不定形領域63は各チップ31を圧縮することにより形成されたものである。したがって、各不定形領域63は前述の原板色a〜rに対応した色彩を呈しており、不定形領域63の占有面積割合は図6に示すチップ31の配合割合に対応したものになっている。したがって、このシート素材Zの色柄は、表現テーマTに沿った共通の雰囲気を醸し出すものとなる。しかも、シート素材Zは発泡体21により構成された薄肉構造のものであるため、透光性があり使い方によっては各不定形領域63の色がとりわけ美しく映えることになる。
なお、このシート素材Zにおける各不定形領域63は各チップ31が圧縮されたものであるため、原板色(a〜r)に対応した色となっており、また、スライス面Sすなわちシート素材Zの表裏両面に現れる色柄の不定形領域63には濃淡が現れる。さらに、各不定形領域63の表面には発泡体21が有する多数の気泡に由来した微細な凹部が点在することになり、この微細な凹凸に起因した構造色が発生することも少なくない。すなわち、各不定形領域63には、光の乱反射等により原板色(a〜r)とは異なった光沢のある色味が発生することもあり、この光沢が発生する可能性は、次の条件を満たした場合に高まるものである。まず、気泡由来の風合いのある肌模様は、スライス面Sに現れる色柄に発生し易い。そして、その発生可能性を高めるには、発泡体の発泡倍率を、15倍〜40倍とし、成形工程5における圧縮率を、40&〜80%に設定しておくのがよい。特に効果的であるのは、発泡倍率が20倍〜30倍で、成形工程5における圧縮率が60%〜70%(約65%)である。これらの範囲を逸脱すると風合いのある肌模様が現れにくくなる。また、透光性に基づく美観を高めるには、シート素材の厚み寸法を1mm〜数mmに設定するのがよい。1mmよりも薄い厚さにスライスすると、各チップ31が分解するおそれがあり、厚みは1mm以上に設定することが好適である。厚みを約1mmに設定すれば、しなやかな柔軟性を併せて得ることができる。
このようなシート素材Zを、ブックカバー8に用いた場合には、シート素材Zが持つ固有の特性を受け継ぐものとなり、綺麗な製品となる。特に、ブックカバー8のように使用者が手に持って用いる製品の場合には、発泡体の性質に由来して肌さわりがソフトになるという効果が得られる。さらに、密度の高い境界線62と比較的密度の低い不定形領域63の存在により表面に柔らかい部分と硬い部分が存在することになり、滑り難くフィット感が得られる。さらに、カラフルなため、汚れが目立ち難いという効果も期待できる。
なお、このようなシート素材Zにより作られる製品は、ブックカバー8に限られるものではなく、前述した効果を期待できるものであればどのようなものであってもよい。例を挙げれば、クリヤーファイルの仕切りや、梱包シートや風呂敷その他の包み、袋等がある。かかる仕切りはファイルにアクセントをつけることができ、目立つという利点がある。梱包シート等の包みや袋に用いた場合には、シート素材Zの特性をそのまま受け継ぐことになり、前述した種々の効果を得られるものであり、汚れが目立ちにくい上に、お店の雰囲気やコンセプト、あるいは梱包品の内容暗示等を色柄の表現テーマにより受け取る側に伝えることができる。また、このような梱包シートは、種々の色柄を用意しておくことができるため、渡す相手に応じて好みのものを選定する際における自由度が高くなる。
<他の実施形態>
以上説明した実施形態では、色柄生成配置工程において、成形発泡体の表面又は切断面に現れる模様をそのまま色柄として物品の表面に配する態様について説明したが、本発明には、このような態様に限らず、例えば、成形発泡体のスライス面等の切断面に現れる模様を色柄としてカメラ等により撮像し、その画像データに基づいて物品にその色柄を印刷する態様も含まれる。かかる態様により作られる物品としては、テーブルクロス、カーテン、包装紙、包装容器等が考えられる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではなく、各部の具体的構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…色選定工程
2…発泡体特定工程
21…原板
3…チップ製造工程
31…チップ
4…加熱工程
5…成形工程
51…成形発泡体
52…型
6…色柄生成配置工程
61…製品素材
62…境界線
63…不定形領域
7…時計(計器)
8…ブックカバー
X…圧縮方向
S…スライス面(切断面)
S0…仮想平面
U…コースター(物品)
V…クッション(物品)
W…クッションボード(物品)
Y…文字盤(物品)
Z…シート素材(物品)

Claims (9)

  1. 予め定められた表現テーマに適した複数種類の色を選定する色選定工程と、
    これらの選定色にそれぞれ対応した色の発泡体を特定する発泡体特定工程と、
    特定された各発泡体をカットして複数のチップを得るチップ製造工程と、
    各発泡体から得られたチップを集合させ表面を加熱する加熱工程と、
    加熱して表面が軟化した複数のチップを圧縮成形し冷却後取り出す成形工程と、
    この成形工程を経て取り出された成形発泡体の表面又は切断面に現れる模様を前記表現テーマに即した色柄としその色柄を物品の表面に配する色柄生成配置工程とを備えたことを特徴とする色柄を備えた物品の製造方法。
  2. 前記色柄生成配置工程は、前記成型工程における圧縮方向と略直交する面で前記成形発泡体をスライスすることによって現れる色柄を前記物品に配するようにしたものである請求項1記載の色柄を備えた物品の製造方法。
  3. 前記色柄が現れる面が、前記圧縮方向に直交する仮想平面に対して0°〜45°の角度をなしている請求項2記載の色柄を備えた物品の製造方法。
  4. 前記物品が、食器関連品である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
  5. 前記物品が、内装関連品である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
  6. 前記物品が、計器の文字盤である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
  7. 前記物品が、包装関連品である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
  8. 前記物品が、前記発泡成形体を薄くスライスして得られるシート素材である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
  9. 前記発泡体特定工程における発泡体の発泡倍率が、15倍〜40倍であり、前記成形工程における圧縮率が40%〜80%である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の色柄を備えた物品の製造方法。
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