JP2020131527A - 色柄を備えた物品の製造方法 - Google Patents
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract
Description
この実施形態は、本発明を食器関連品であるコースターU1〜U12(コースター全般を表す場合はUという符号を付す)の製造に適用した場合のものである。
色選定工程1では、まず、使用可能な色a〜rの種類を決める(以下これらの色a〜rを「原板色」と称する場合がある)とともに、製造対象物品たるコースターUに施される色柄の表現テーマTを定めておき、その表現テーマTにはどのような原板色(a〜r)を如何なる割合で用いるのかを選定する。
発泡体特定工程2は、前述した原板色(a〜r)を体現した色付きの発泡体をそれぞれ原板21として用意しておき、表現テーマTが提示された段階で、その表現テーマTに対応した選定色の発泡体たる原板21を特定する。ここで各原板21の製造方法を説明すれば次の通りである。まず、熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィンと、発泡剤・助剤、架橋剤、及び顔料を配合・計量し(ステップS1)混練する(ステップS2)。具体的には、ポリオレフィンと配合剤を加圧しながら混合・昇温してゆきコンパウンドを作成する。そして、そのコンパウンドを125℃前後の温度に達した段階で取り出して金型に投入し整形する(ステップS3)。すなわち、加熱された金型にコンパウンドを入れて加熱し、発泡剤・架橋剤が数%分解された段階で取り出して一次発泡体を得る(ステップS4)。しかる後に、その一次発泡体を加熱した金型(例えば、115mm×1040mm×2100mm)に入れ、残りの発泡剤・架橋剤を分解させて金型に充填し、冷却後にその発泡体を取り出す(ステップ6)。そして、取り出した発泡体の耳及び皮を取り、例えば、100mm×1040mm×2080mmの原板21に仕上げる(ステップS7)。なお、使用するポリオレフィン樹脂の代表例として、ポリエチレン(低密度ポリエチレン)を挙げることができる。原板21は、独立気泡発泡体であってもよいし、連続気泡発泡体であってもよい。
以上のステップが顔料を変更しつつ繰り返し実行されることによって、例えば、図5に対応した18種類の原板21を用意することができる。そして、図6に示すような色柄の表現テーマT1〜T12に合わせて使用する色a〜rの原板21を特定し、次の工程に移行する。
(3)チップ製造工程3
チップ製造工程3は、発泡体特定工程2で特定された発泡体たる各原板21をカットして複数のチップ31を得る工程であり、具体的には次の通りである。特定された色(a〜rから選ばれた3又は4色)の原板21をそれぞれ30mm〜50mmの厚みにスライスする(ステップS8)。このようにして得られたものをそれぞれ藁裁断機等を用いてランダムにカットして各色のチップ31を製造する(ステップS9)。図9は、単色発泡体たる原板21を縦方向にカットしている途中の状態を模式的に示したものであり、さらに横にもカットしてチップ31を作るものである。
加熱工程4は、複数種類の単色発泡体たる原板21から得られたチップ31を集合させ、それらの表面を熱風等で加熱する工程である。すなわち、各単色発泡体たる原板21から得られた不揃いのチップ31(c)、31(j)、31(l)を図6に示す配合割合で集合させ(ステップS10)、それらチップ31(c)、31(j)、31(l)を混合し撹拌する。しかる後に、それらのチップ31(c)、31(j)、31(l)を熱風で加熱し、チップ31(c)、31(j)、31(l)の表面を溶かす(ステップS11)。図10は複数種類の色のチップ31(c)、31(j)、31(l)を集合させた状態を模式的に示すものである。
成形工程5は、加熱して表面が軟化した複数のチップ31を圧縮成形し冷却後取り出す工程である。すなわち、この工程5では、熱風により加熱され表面が軟化したランダム形状をなす各種のチップ31を型に投入し(ステップS12)、この型内で50%程度圧縮して固定し(ステップS13)、冷却後に最終原板とも言うべき成形発泡体51を取り出す(ステップ14)。図11は、ランダム形状をなす各色のチップ31、すなわち水色cのチップ(c)、肌色jのチップ31(j)及びねずみ色lのチップ31(l)を型に入れるイメージを模式的に示したものであり、図12は、型52から取り出した成形発泡体51を模式的に示したものである。この工程5で使用する型52は、例えば、底壁531と周壁532とを備えた第1の型要素53と、この第1の型要素53内に投入されたチップ31(c)、31(j)、31(l)を最終原板である成形発泡体51の厚み方向に圧縮する第2の型要素54とを備えたものであり、この明細書では成形発泡体51の厚み方向を「圧縮方向X」と称する。また、この明細書では「圧縮率」という文言を使用するが、この圧縮率とは、第1の型要素53内に投入され平準化されたチップ31の集合体の実質的な厚み寸法に対する成形終了時点の成形発泡体51の厚み寸法の割合を意味している。
色柄生成配置工程6は、前述した成形工程5を経て取り出された成形発泡体51の表面又は切断面に現れる模様を表現テーマTに即した色柄としその色柄を物品の表面に配する工程である。この実施形態では、例えば、有効サイズが50mm×1000mm×1000mmの成形発泡体51を作った上で、その成形発泡体51を、例えば、図13に示すように、25mmにスライスして製品素材61を製造し、その製品素材61を図14に示すように所定形状(この実施形態では直径94mmの円形)に打ち抜くことによって製造対象物品であるコースターU1を完成させるようにしている。すなわち、この第1の実施形態では、成形発泡体51から作られたコースターU1を、そのまま製造対象物品とするものであり、コースターU1の表裏両面に現れた色柄が本発明にかかる表現テーマT1に対応した色柄として機能する。
この実施形態は、本発明をクッションVの製造に適用した場合のものである。クッションVは、図15に示すように椅子CHの座等に載置して使用されるもので、例えば、直径350mm、厚み25mm程度の円板状をなしている。
この実施形態は、本発明をクッションボードWの製造に適用した場合のものである。クッションボードWは、図19及び図20に示すように床面FLや壁面WLに添接させて使用するもので、例えば、450×450mm、厚み25mm程度の正方形板状をなしている。
この実施形態は、本発明を計器である時計7の文字盤Yの製造に適用した場合のものである。時計7は、図21に示すように、正面に表出する文字盤Yと、この文字盤Yの背面に添設された裏当盤YYとを備えたもので、文字盤Yの前には、時刻をアナログ的に示す長針71及び短針72が配されている。この実施形態は、本発明をその文字盤Yと裏当盤YYの製造方法に適用したものである。文字盤Yは、例えば、直径220mm、厚み5mm程度の円板状のものである。文字盤Yは、中心に長針71及び短針72の軸73を貫通させる中心孔74と、時刻表示用文字に代替する複数の目盛り孔75とを備えている。一方、裏当盤YYは、例えば、直径220mm、厚み20mm程度の円板状のものである。裏当盤YYは中央部分に長針71及び短針72を駆動するための図示しないメカユニットを収容する空洞を備えており、文字盤Yの裏面に添着されている。
この実施形態は、本発明を色柄を備えたシート素材Zの製造に適用した場合のものであり、このシート素材Zを用いてブックカバー8を作る例を示している。ブックカバー8は、図23に示すように、書籍BKの表紙を覆う表紙被覆部81と、背表紙を覆う背表紙被覆部82と、裏表紙を覆う図示しない裏表紙被覆部とを具備してなる通常の構造のものであるが、その素材が従来のものとは異なっている。すなわち、このブックカバー8は、表裏両面に色柄を備えた発泡材製のシート素材Zにより作られている。
以上説明した実施形態では、色柄生成配置工程において、成形発泡体の表面又は切断面に現れる模様をそのまま色柄として物品の表面に配する態様について説明したが、本発明には、このような態様に限らず、例えば、成形発泡体のスライス面等の切断面に現れる模様を色柄としてカメラ等により撮像し、その画像データに基づいて物品にその色柄を印刷する態様も含まれる。かかる態様により作られる物品としては、テーブルクロス、カーテン、包装紙、包装容器等が考えられる。
2…発泡体特定工程
21…原板
3…チップ製造工程
31…チップ
4…加熱工程
5…成形工程
51…成形発泡体
52…型
6…色柄生成配置工程
61…製品素材
62…境界線
63…不定形領域
7…時計(計器)
8…ブックカバー
X…圧縮方向
S…スライス面(切断面)
S0…仮想平面
U…コースター(物品)
V…クッション(物品)
W…クッションボード(物品)
Y…文字盤(物品)
Z…シート素材(物品)
Claims (9)
- 予め定められた表現テーマに適した複数種類の色を選定する色選定工程と、
これらの選定色にそれぞれ対応した色の発泡体を特定する発泡体特定工程と、
特定された各発泡体をカットして複数のチップを得るチップ製造工程と、
各発泡体から得られたチップを集合させ表面を加熱する加熱工程と、
加熱して表面が軟化した複数のチップを圧縮成形し冷却後取り出す成形工程と、
この成形工程を経て取り出された成形発泡体の表面又は切断面に現れる模様を前記表現テーマに即した色柄としその色柄を物品の表面に配する色柄生成配置工程とを備えたことを特徴とする色柄を備えた物品の製造方法。 - 前記色柄生成配置工程は、前記成型工程における圧縮方向と略直交する面で前記成形発泡体をスライスすることによって現れる色柄を前記物品に配するようにしたものである請求項1記載の色柄を備えた物品の製造方法。
- 前記色柄が現れる面が、前記圧縮方向に直交する仮想平面に対して0°〜45°の角度をなしている請求項2記載の色柄を備えた物品の製造方法。
- 前記物品が、食器関連品である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
- 前記物品が、内装関連品である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
- 前記物品が、計器の文字盤である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
- 前記物品が、包装関連品である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
- 前記物品が、前記発泡成形体を薄くスライスして得られるシート素材である請求項1、2又は3記載の色柄を備えた物品の製造方法。
- 前記発泡体特定工程における発泡体の発泡倍率が、15倍〜40倍であり、前記成形工程における圧縮率が40%〜80%である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の色柄を備えた物品の製造方法。
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