JP6143283B2 - 陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法及び高精度形状創成方法 - Google Patents

陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法及び高精度形状創成方法 Download PDF

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Description

本発明は、陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法及び高精度形状創成方法に係わり、更に詳しくは陽極酸化可能な難加工材料を酸化とエッチングとを組み合わせて高能率且つ高精度で所望形状を創成する形状創成エッチング方法並びに酸化と研磨とを組み合わせた研磨方法と複合した高精度形状創成方法に関するものである。
デジタルカメラ等に用いられる非球面レンズは、収差が少ないことから焦点距離の短縮や光学系に必要なレンズの枚数を減らすことができ、光学機器の高性能化、小型軽量化に欠かせない。非球面レンズの材質には従来プラスチックが用いられてきたが、高屈折率、表面硬度、温度安定性、分散率の選択幅が広い等の観点から、高性能光学部品の作製にはガラス材料が用いられている。ガラス材料はプラスチック材料よりも軟化温度が高いため、高精度ガラスモールド用の金型材料には、耐熱性、耐摩耗性、化学的安定性に優れた高硬度の難加工材料が用いられる。この中でも代表的な金型材料としてCVD−SiCや焼結SiCが挙げられる。高硬度材料の形状加工においては工具の損耗による加工精度の低下、工具コストの増大が問題となる。また、仕上げ研磨にダイヤモンド砥粒を用いるとスクラッチや加工変質層の生成により表面粗さの悪化や耐久力の低下等、表面品位の低下が起きる。一方、パワーデバイス作製用の単結晶SiCの表面をダメージフリーに研磨仕上げする手法として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスが開発されているが、研磨レートが0.5μm/h以下と非常に遅く、表面粗さを低減するための最終仕上げには適用できるものの、型形状を基板材料に形成する上で要求される加工能率と加工の空間分解能は有しないため、自由曲面の形状創成加工に対応した革新的な加工法の開発が望まれている。
そこで、本発明者は、大気圧プラズマによって生成した反応性の高い酸化種を難加工材料の表面に作用させて改質し、難加工材料に表面改質層を形成する表面改質プロセスと、難加工材料に対してスクラッチや加工変質層を導入せず、且つ難加工材料よりも前記表面改質層に対する除去レートが高い研磨機構によって該表面改質層を選択的に除去する研磨プロセスと、を含み、前記表面改質プロセスと研磨プロセスを交互に繰り返し、あるいは同時に進行させて加工することを特徴とする難加工材料の精密加工方法を既に提案している(特許文献1)。ここで、前記表面改質プロセスによる表面の改質が、前記難加工材料の表面を軟質化するプロセスであり、モース硬度が前記難加工材料と表面改質層の中間硬度を有する研磨材料を用いた研磨プロセスにて表面改質層を除去するというものである。難加工材料として、SiC、GaN又はWC等の超硬合金を対象とし、SiCでは表面に大気圧プラズマ酸化によってSiO層を形成して、それをSiCより柔らかい研磨材料で研磨して除去するというものである。特許文献1に開示された大気圧プラズマ酸化を援用した研磨方法は、ダメージフリーに研磨仕上げすることができる点で優れた方法であるが、プラズマ酸化の酸化レートは遅いので、加工速度も80nm/hと遅いことが欠点である。
一方、本発明者は、エッチャントの供給と吸引を同時に行う2重同軸構造の特殊ノズルを用いることで局所的なエッチング領域を形成し、数値制御走査により任意の非球面形状を創成する数値制御ローカルウエットエッチング法(Numerically Controlled Local Wet Etching: NC-LWE)を開発し、石英ガラス基板の加工において10nmレベルの形状精度を達成している(特許文献2参照)。このローカルエッチング法は、エッチングのみで目的形状を創成するというものであるが、SiCなどの化学的に不活性な材料は化学エッチングできない。
尚、非特許文献1には、SiCを電気化学機械的に研磨するECMP(Electro-Chemical Mechanical Polishing)が開示されている。このECMPは、KNOあるいはHにシリカスラリーを分散させた溶液を用いて、ポリッシングパッドの背面に電極を配置し、SiCを陽極として所定の電流密度の電流を流しながらポリッシングするものである。ここで、SiCの表面酸化とポリッシングを同時に進行させると0.4−0.5μm/hの加工速度が得られるが、スクラッチを取り除くことができない。その理由は、陽極酸化による酸化レートが研磨レートに比べ高いために、酸化と研磨を同時に行うと加工が進行しないからである。そこで、酸化ステップとポリッシングステップを分離し、酸化ステップを30秒、ポリッシングステップを30分行い、これを繰り返すことによりステップを取り除くことができるというものである。また、電流密度を大きくすると加工速度は速くなるが、表面の粗さは悪化することが報告されている。
特開2011−176243号公報 特開2007−200954号公報
Li.C,et.al.,J.Electron.Mater.33(2004)481-486
一般的な機械加工では、工具と加工物の硬度差を利用して材料の除去を行うため、塑性変形や脆性破壊により加工物の表面にはスクラッチや加工変質層が必然的に形成されてしまい、素材が本来有する優れた機械的、化学的性質を損ねてしまう。また、SiC材のように高硬度材料に対しては高価なダイヤモンド工具を用いる必要があり、金型の製造コストが増加してしまうといった課題がある。一方、陽極酸化を単結晶SiCウエハの研磨に適用した研究例は、非特許文献1を始め、2,3見られるが、エッチピットの形成による表面粗さの悪化が問題となる等、実用化には至っておらず、また陽極酸化を金型等の自由曲面の創成や仕上げに適用した形状創成方法はこれまで無い。本発明者は、プラズマ酸化よりも酸化レートが高い陽極酸化に注目し、陽極酸化研磨する際のパラメータを最適化することで、スクラッチフリー且つダメージフリーな形状創成技術として実用化できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、被加工物の表面を陽極酸化プロセスにより酸化させ、被加工物表面をエッチャントにより溶解可能で且つ被加工物より軟質の研磨材料を用いて研磨可能な酸化膜に改質し、酸化膜を形状制御して形成することにより、溶解プロセス及び研磨プロセスによって酸化膜のみを除去することでスクラッチフリー且つダメージフリーな高品位表面を有する目的形状を高能率に創成することが可能な陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法及び高精度形状創成方法を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、電解液の存在下で被加工物を陽極とするとともに、該被加工物に対向して配置した工具電極を陰極として電圧を印加して所定電流密度の電流を流し、被加工物の表面に酸化膜を形成する陽極酸化プロセスと、表面に酸化膜を形成した被加工物を、該酸化膜の溶解能を有する溶解液に接触させて酸化膜を溶解除去する溶解プロセスと、を含み、前記電解液と溶解液を混合した処理液を用いて前記陽極酸化プロセスと溶解プロセスを同時に進行させて、前記工具電極の作用部の形状に応じて目的形状を得ることを特徴とする陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法を構成した(請求項1)。
ここで、前記工具電極の作用部が、目的形状の一部又は全部を反転した形状を有し、該工具電極の作用部を被加工物に転写してなることが好ましい(請求項2)。
あるいは、前記工具電極の作用部が、被加工物の表面よりも十分に小さなポイント形状を有し、該工具電極の作用部を被加工物の表面に沿って相対的に数値制御走査して、任意の目的形状を創成してなることが好ましい(請求項3)。
また、前記工具電極が金属棒であり、該金属棒の外側に同軸状に内筒と外筒を配置して同軸ノズル電極を構成し、該同軸ノズル電極の先端を被加工物に接近させて対向した状態で、前記金属棒と内筒の間から処理液を供給すると同時に、前記内筒と外筒の間から処理液を強制吸引して回収し、前記金属棒の先端作用部と被加工物との間に処理液を滞在させてなることも好ましい(請求項4)。
具体的には、前記被加工物が、単結晶SiC、CVD−SiC、焼結SiC、単結晶GaN又はWC等の超硬合金であるとより効果が顕著である(請求項5)。
そして、前記溶解液がフッ化水素酸(HF)であるとより好ましい(請求項6)。
また、本発明は、前述の陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法を用いて、被加工物の表面を目的形状に粗加工した後、電解液の存在下で被加工物を陽極として電圧を印加して所定電流密度の電流を流し、被加工物の表面に酸化膜を形成する陽極酸化プロセスと、モース硬度が前記被加工物と酸化膜の中間硬度を有する研磨材料を用いて、酸化膜を選択的に研磨除去する研磨プロセスと、を含み、前記陽極酸化プロセスと研磨プロセスを同時に進行させて、前記被加工物の表面を平坦化加工することを特徴とする陽極酸化を援用した研磨方法を用いて目的形状を仕上げ研磨してなる陽極酸化を援用した高精度形状創成方法を構成した(請求項7)。
ここで、前記研磨プロセスが、電解液中で前記研磨材料を用いた研磨パッドで被加工物の酸化膜を研磨除去するものである(請求項8)。
更に、前記研磨パッドに電極を内蔵し、該電極を陰極として電圧を印加することが好ましい(請求項9)。
更に、前記電解液中に前記研磨材料からなるスラリーを分散含有させることも好ましい(請求項10)。
そして、前記研磨プロセスによる研磨レートが前記陽極酸化プロセスによる酸化レートより高い条件で平坦化加工することがより好ましい(請求項11)。
以上にしてなる本発明の陽極酸化を援用した高精度形状創成方法は、陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法と陽極酸化を援用した研磨方法を複合化したものであり、陽極酸化によりSiC材等の被加工物の表面に形成した酸化膜をフッ化水素酸等の溶解液による化学的溶解若しくは軟質研磨材料を用いた研磨により除去するため、ダメージ層が母材に形成されない。即ち、本発明の高精度形状創成方法は、電気化学的な表面改質プロセスと化学的溶解プロセス及び機械的な研磨プロセスの長所のみを融合した他に類を見ない独創的な加工法である。本発明は、工具損耗が全くないことからSiC材からなる金型を極めて低コストで製作が可能となり、また製作されたSiC製金型は加工変質層がなく耐摩耗性に優れることから長寿命化が期待できる。更に、本発明は、高剛性な工作機械を必要としないため、実用レベルの技術として事業化する場合にも導入に対するハードルが極めて低く、ナノメータレベルの精度でダメージフリーな金型を創成する革新的な加工技術として“物づくり”技術レベルの向上に大きく貢献する。
具体的には、本発明の陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法は、電解液の存在下で被加工物を陽極とするとともに、該被加工物に対向して配置した工具電極を陰極として電圧を印加して所定電流密度の電流を流し、被加工物の表面に酸化膜を形成する陽極酸化プロセスと、表面に酸化膜を形成した被加工物を、該酸化膜の溶解能を有する溶解液に接触させて酸化膜を溶解除去する溶解プロセスと、を含み、前記電解液と溶解液を混合した処理液を用いて前記陽極酸化プロセスと溶解プロセスを同時に進行させて、前記工具電極の作用部の形状に応じて目的形状を得るので、つまり、酸化レートの高い陽極酸化プロセスと溶解プロセスとにより、工具電極の作用部の形状を被加工物に転写して目的形状を得る粗加工を行うことができ、また酸化と溶解を同時に行うので加工速度も速くなる。
また、本発明の陽極酸化を援用した高精度形状創成方法は、前述の陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法を用いて、被加工物の表面を目的形状に粗加工した後、陽極酸化を援用した研磨方法を適用して目的形状を仕上げ研磨してなるので、精度の高い形状創成が可能である。ここで、陽極酸化を援用した研磨方法は、電解液の存在下で被加工物を陽極として電圧を印加して所定電流密度の電流を流し、被加工物の表面に酸化膜を形成する陽極酸化プロセスと、モース硬度が前記被加工物と酸化膜の中間硬度を有する研磨材料を用いて、酸化膜を選択的に研磨除去する研磨プロセスと、を含み、前記陽極酸化プロセスと研磨プロセスを同時に進行させて、前記被加工物の表面を平坦化加工するので、被加工物表面に加工変質層を導入することがなく原子レベルの精度で仕上げ加工することができる。
本発明の陽極酸化を援用した高精度形状創成方法を示し、(a)は目的形状に粗加工を行う形状転写方式の形状創成エッチング方法の概念図、(b)は形状修正加工を行う数値制御方式の形状創成エッチング方法の概念図、(c)は仕上げ研磨を行う数値制御方式の研磨方法の概念図を示している。 4H−SiC(0001)基板の表面を走査型白色顕微干渉計(SWLI)で観察した結果を示し、(a)はCMP加工したままのSWLI観察像、(b)は陽極酸化後にHFでエッチングした表面のSWLI観察像である。 陽極酸化援用形状創成エッチング方法に用いる同軸ノズル電極の簡略断面図である。 陽極酸化援用研磨方法の概念を示す簡略断面図である。 同じく研磨装置の全体の概念図である。 4H−SiC(0001)基板の表面を走査型白色顕微干渉計(SWLI)で観察した結果を示し、(a)は未加工(CMP加工したまま)、(b)は陽極酸化後、(c)は陽極酸化研磨後の基板表面の断面形状をそれぞれ示す。 4H−SiC(0001)基板の表面を走査型白色顕微干渉計(SWLI)で観察した結果を示し、(a)は未加工面のSWLI観察像、(b)は陽極酸化とHFエッチング処理後の表面のSWLI観察像、(c)は陽極酸化研磨後にHF洗浄した表面のSWLI観察像を示している。 4H−SiC(0001)基板を陽極酸化研磨後の結果を示し、(a)は酸化レートが研磨レートよりも高い場合の表面の断面形状、(b)は酸化レートが研磨レートよりも低い場合の表面の断面形状を示している。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の陽極酸化を援用した高精度形状創成方法により、金型用SiC材料の表面にガラスレンズの成形に必要な形状を高精度に創成する手順を示し、図中符号1は容器、2は被加工物(金型用SiC材料)、3は工具電極、4は処理液、5は電源、6は研磨パッド、7は電解液をそれぞれ示している。
本実施形態では、金型用SiC材料からなる被加工物2の表面を電解液(電解質溶液)と溶解液(フッ化水素酸(HF))を混合した処理液4中で陽極酸化させると同時にフッ化水素酸により酸化膜を溶解除去することで形状創成を行う陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法と、電解液7中で陽極酸化させると同時にSiC材料と酸化膜の中間硬度の研磨材料を用いた研磨パッド6によって酸化膜のみを除去する陽極酸化を援用した研磨方法とを複合させて、高能率で且つ高品位な目的形状Sを創成するのである。
先ず、陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法は、図1(a)、(b)に示すように、電解液の存在下で被加工物2を陽極とするとともに、該被加工物2に対向して配置した工具電極3を陰極として電源5から電圧を印加して所定電流密度の電流を流し、被加工物2の表面に酸化膜を形成する陽極酸化プロセスと、表面に酸化膜を形成した被加工物2を、該酸化膜の溶解能を有する溶解液に接触させて酸化膜を溶解除去する溶解プロセスと、を含み、前記電解液と溶解液を混合した処理液4を用いて前記陽極酸化プロセスと溶解プロセスを同時に進行させて、前記工具電極3の作用部8の形状に応じて目的形状Sを得るのである。
図1(a)、(b)に示すように、容器1に電解液と溶解液を混合した処理液4を入れ、この処理液4中に被加工物2の表面と工具電極3の作用部8を対向させて配置し、被加工物2を陽極として所定電流密度で電流を印加すると、該被加工物2に酸化膜(SiO)が形成されるので、その酸化膜をフッ化水素酸で溶解除去するのである。ここで、図1(a)に示すように、前記工具電極3の作用部8が、目的形状Sの一部又は全部を反転した形状を有し、該工具電極3の作用部8を被加工物2に転写することで、大まかな目的形状を創成するのである。この工具電極3を形状転写電極3Aとする。その後、被加工物2の表面の形状を計測し、部分的な形状修正が必要な場合には、NCデータを作成して、図1(b)に示すような数値制御方式の形状創成エッチング方法によって形状修正を行う。つまり、前記工具電極3の作用部8が、被加工物2の表面よりも十分に小さなポイント形状を有し、該工具電極3の作用部8を被加工物2の表面に沿って相対的に数値制御走査して、局所的に陽極酸化の度合いを制御しながら、酸化膜として溶解除去する量を制御して目的形状Sを創成する。この工具電極3を小径電極3Bとする。
次に、陽極酸化を援用した研磨方法は、図1(c)に示すように、電解液7の存在下で被加工物2を陽極として電圧を印加して所定電流密度の電流を流し、被加工物2の表面に酸化膜を形成する陽極酸化プロセスと、モース硬度が前記被加工物2と酸化膜の中間硬度を有する研磨材料を用いて、酸化膜を選択的に研磨除去する研磨プロセスと、を含み、前記陽極酸化プロセスと研磨プロセスを同時に進行させて、前記被加工物2の表面を平坦化加工するものである。この場合、陰極として、容器1に入れた電解液7の中に浸漬したPt電極を用いることもできるが、その場合には加工面が一様に陽極酸化されるので、最終的な形状の微修正が必要であるとともに、陽極酸化と同時に研磨を行うようにするため、局所的な研磨が可能な研磨パッド6に電極を内蔵し、該電極を陰極として電圧を印加するようにした。前記研磨パッド6は、前記研磨材料をパッド材料に担持させたものである。ここで、前記電解液7の中に前記研磨材料からなるスラリーを分散させてもよい。
このように本発明の陽極酸化を援用した高精度形状創成方法は、それぞれ独立の加工方法として成立し得る陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法と研磨方法とを複合化して、SiC等の難加工材料を高精度に形状加工することができる。加工対象であるCVD−SiC若しくは反応焼結SiC(Reaction Sintered SiC: RS-SiC)は半導体材料であるSiCを主成分とし、わずかな量の不純物がドーピングされていることにより導電性を有する。従って、電解質溶液中においてSiCを陽極とし、対向電極(Pt等)を陰極として電圧を印加することで、通常は化学的に不活性なSiCの表面を常温で酸化(陽極酸化)できる。SiCの酸化膜はSiOであり、石英ガラスと同等であるため、フッ化水素酸(HF)に容易に溶解して除去できるので、高速の形状創成エッチングが可能である。この陽極酸化援用形状創成エッチング方法によって、金型等に用いるCVD−SiC並びに焼結SiCを10nmの形状精度で加工することが可能となる。また、SiOの硬度は母材であるSiCと比較してはるかに小さく、ガラス基板の高能率研磨剤として一般に用いられている酸化セリウム(セリア)砥粒と同等の硬度であるため、母材の表面にスクラッチや加工変質層を導入することなく酸化膜のみを除去することで高品位な研磨仕上げが可能と考えられる。この陽極酸化援用研磨法によって、CVD−SiC並びに焼結SiCの表面粗さを0.3nmrms以下に仕上げることが可能となる。
前述の陽極酸化プロセスで、被加工物2(陽極)と工具電極3(陰極)に直流電圧を印加する他に、両極性のパルス電圧(bi-polar pulse)、あるいは被加工物2側のみ陽極となる単極性のパルス電圧(uni-polar pulse)を印加することも工具電極3による転写性が良くなることが期待できる。また、陽極酸化研磨方法においても、研磨パッド6に内蔵した電極による陽極酸化の際に工具電極3の作用と同様に酸化領域の制御性が良くなることが期待できる。
以下に更に詳細に説明する。
<陽極酸化援用形状創成エッチング方法>
A.形状転写方式
本方式は、通常の形彫り電解加工と同様に、目的形状を反転した工具電極3Aを用い被加工物2に目的形状を転写するものである。電解加工においては被加工物を構成する金属元素が直接陽イオンとして電解液中に溶解して除去加工が進行するのに対し、SiCの陽極酸化援用形状創成エッチング方法においては陽極酸化によるSiC表面の酸化(陽極酸化プロセス)とフッ化水素酸(HF)による溶解除去(溶解プロセス)という2段階のプロセスを経て材料除去が進行する。陽極酸化における酸化レートは、電解液中を流れる電流値によって支配されるが、フッ化水素酸の電離度は大変小さい(0.1以下)ため、フッ化水素酸のみを電解液とした場合には陽極酸化を引き起こす電流値が小さく、十分な酸化レートが得られない。また、フッ化水素酸は金属材料との反応性が非常に高いため、工具電極の腐食による転写形状精度の悪化が懸念される。これらの予想される問題点を解決するため、以下の手段をとる。
先ず、電離度が小さい弱酸であるHFに電離度の大きな強酸(塩酸、リン酸等)を電解質として混合することで陽極酸化時における電流値の増加、すなわち酸化レートが増大する混酸(処理液4)の組成を最適化する。次に、工具電極材質としてHFの耐食性を有する導電性材料を、Pt,Ni,Mo,C等の候補材料から最適化された酸性電解液中で最も耐性を示す材料を選定する。そして、形状転写方式における工具電極形状の転写精度は、形状転写電極3Aと被加工物2間の距離に依存するので、目標精度を達成するために必要な電極間距離に設定する。電極間距離が大きくなるにしたがって工具電極が対向した領域以外の領域に流れる陽極酸化電流の割合が増加し、転写形状が鈍化する傾向がある。一方、電極間距離が小さいほどその領域の電流密度は増加して優先的に陽極酸化が進行するので、その領域が他の領域より深く加工され、この陽極酸化と溶解の繰り返しにより、形状転写電極3Aと被加工物2の距離が均一になるように全体の加工量が自然と制御される。また、陽極酸化時の電流値等をセンシングパラメータとして、電極間距離が一定になるようにフィードバック制御することも好ましい。
図2に単結晶SiC基板を陽極酸化した後、HFでエッチングした結果を示し、(a)は市販のCMP加工した4H−SiC(0001)基板の表面を走査型白色顕微干渉計(SWLI)で観察した像、(b)は陽極酸化後にHFでエッチングした同じく表面のSWLI観察像である。本発明の陽極酸化援用エッチング方法により表面粗さが悪化した理由は、CMP加工で導入された加工変質層や結晶欠陥などのエネルギーが高い領域で優先的に酸化が進行し、潜傷が顕在化したためであると思われる。また、表面の突起構造は、陽極酸化の際に生じる反応ガスが酸化膜に穴(エッチピット)をあけるため、酸化膜が薄い領域で優先的に酸化が起こり、表面粗さが悪化したものと思われる。
B.数値制御方式
B−1.小径電極
本方式は、先端の作用部8の面積が小さく側面を絶縁被覆した小径電極3Bを用いて、電解液と溶解液(エッチャント)の混液である処理液4中で被加工物2の加工面を局所的に陽極酸化させながら溶解し、それを数値制御して形状修正を行うことができるものである。前記小径電極3Bに、電源5からパルス電圧を印加して陽極酸化を制御するが、陽極酸化領域の微小化のためにパルス電圧印加条件を最適化する。
B−2.同軸ノズル電極
前記小径電極3Bを用いる場合、処理液4中に該小径電極3Bと被加工物2を浸漬して行うのに対し、同軸ノズル電極3Cは処理液4中に浸漬せず、それ自体に処理液4の供給と回収機能を有するものである。つまり、図3に示すように、同軸ノズル電極3Cは、中心に金属棒9からなる工具電極3を有し、該金属棒9の外側に同軸状に内筒10と外筒11を配置して構成し、該同軸ノズル電極3Cの先端を被加工物2に接近させて対向した状態で、前記金属棒9と内筒10の間から処理液4を供給すると同時に、前記内筒10と外筒11の間から処理液4を強制吸引して回収し、前記金属棒9の先端作用部8と被加工物2との間に処理液4を滞在させて、陽極酸化と溶解を同時に行うものである。
本発明者は、既にエッチャントの供給と吸引を同時に行う2重同軸構造の特殊ノズルを用いることで局所的なエッチング領域を形成し、数値制御走査により任意の非球面形状を創成する数値制御ローカルウエットエッチング法(NC−LWE)を開発し、石英ガラス基板の加工において10nmレベルの形状精度を達成している。本発明では、シリコン酸化膜を溶解するエッチャントであるHFを供給する同軸ノズル中に陰極(金属棒9)を内蔵した同軸ノズル電極3Cを用い、陽極に接続したSiC基板と対向することで陽極酸化膜の形成領域を接液部のみに限定し、そのエッチングにより局所的な加工領域を形成するのである。前記同軸ノズル電極3Cを数値制御走査することで、SiC基板に対しても、任意の非球面形状の創成においてNC−LWEと同等の加工精度を達成することは原理的に可能である。また、加工の空間分解能の向上に必要な加工領域の微小化において、同軸ノズル電極3Cの場合には構造的に直径1mm程度が限界となるため、側面を絶縁性の高分子で被覆した直径1mm以下の陰極金属棒9にパルス電圧を印加することで、サブmmレベルの加工の空間分解能を実現できるものと推測する。この場合も、陽極酸化プロセスで、被加工物2(陽極)と金属棒9(陰極)に直流電圧を印加する他に、両極性のパルス電圧、あるいは被加工物2側のみ陽極となる単極性のパルス電圧を印加することも好ましい。
<陽極酸化援用研磨方法>
陽極酸化援用研磨方法は、単独でも単結晶SiCウエハや単結晶GaNウエハの仕上げ加工として使用できるが、前述の陽極酸化援用形状創成エッチング方法を粗加工とし、本陽極酸化援用研磨方法を仕上げ研磨として用いることにより、難加工材料に対して高精度の形状創成を実現できる。
本発明の陽極酸化援用研磨方法は、陽極酸化膜の除去をHFによる化学的な溶解ではなく微細砥粒の擦過により力学的に行う。即ち、電解液7に砥粒(研磨材料)を混合したスラリー中において、研磨パッド6側を陰極に、被加工物2(SiC基板)側を陽極にして研磨を行う。また、短パルスの電圧を印加することにより、形成された陽極酸化膜が溶出する前に電解電流を遮断し、エッチピットの生成を抑制する。陽極酸化膜の形成と砥粒による酸化膜の除去を同時に行う本プロセスでは、酸化膜の形成速度と除去速度のバランスが重要である。即ち、酸化レートが大きすぎる場合には、厚く形成された酸化膜の一部に偶然に形成された欠陥を起点に酸化膜の溶出が起こり、エッチピットの生成確率が増大することが予想される。陽極酸化プロセスにおいては、研磨パッド6に内蔵した電極と被加工物2間を流れる電流値(クーロン/秒)は酸化膜の形成速度に対応する。従って、本電流値をその場計測でモニターし、研磨条件に応じた最適な酸化膜の形成速度を維持できるように定電流制御を行うことで、エッチピットが形成されない研磨仕上げが可能になると予想される。前記研磨パッド6は、平面基板用大口径パッドと自由曲面用小径パッドの2種類がある。
実際の研磨作業では、スラリー中に混合させる電解質の種類と組成、並びにパルス電圧の印加条件(パルス幅、周期、デューティー比)を研磨レートと表面粗さの観点から最適化する。また、陽極酸化時に流れる電流と各種研磨パラメータ(スラリー濃度、研磨圧力、研磨荷重、試料と定盤の相対速度)は、研磨レートと表面粗さに大きく関与する。そこで、電流値と研磨パラメータを、表面粗さの低減において最適な組み合わせとする。
図4に陽極酸化援用研磨方法の概念図と装置系を示す。本実施形態では、リン酸水溶液を電解液12に用い、水槽13内をリン酸水溶液で満たした。水槽底面に陽極として被加工物2(SiC基板)を固定し、液面付近に陰極としてPtワイヤー14を固定し、電源15より電圧を印加し陽極酸化させた。陽極酸化と同時にSiC基板2より軟質でSiOより硬質な研磨パッド6(CeO砥石)でSiC基板2表面の研磨を行った。前記研磨パッド6が加工基準面となり、SiC基板2の表面に形成された酸化膜16の凸部から優先的に除去される。陽極酸化と研磨が連続的に繰り返されることにより、SiC基板2の表面が平坦化する。
更に詳しくは、前記研磨装置は、架台17上に前記水槽13を保持し、該水槽13の下端に設けた小径口18が前記架台17の支持板19を貫通し、該支持板19の下面に前記SiC基板2が水密状態で銅電極20を介してホルダー21によって下方から保持されている。前記電源15の陽極は銅電極20を介してSiC基板2に接続されている。そして、前記水槽13の上方から回転可能且つ上下方向付勢可能な回転棒22が底部まで挿入され、該回転棒22の先端に取り付けた研磨パッド6で、前記小径口18に臨むSiC基板2の上面を所定研磨圧力で回転研磨できるようになっている。具体的には、図5に示すように、前記回転棒22の上部は、ボールスプライン23を介してモータ24によりプーリ25とベルト26で回転駆動され、また前記回転棒22の上端は、バランサー27で平衡を保ち、錘28で下方への荷重を印加し、所定の研磨圧力になるように調整する。
本実施形態では、加工対象物には市販のCMP加工された4H−SiC(0001)基板を用い、研磨条件としてリン酸水溶液1wt%、電圧8V、セリア砥粒の平均粒径0.5μm、荷重215g、研磨装置の回転数120rpm、加工時間30minとした。加工後、濃度50wt%フッ化水素酸中に10分間浸漬させ酸化膜を完全に除去し、白色顕微干渉計(SWLI)で表面形状を観察した。図6に(a)未加工、(b)陽極酸化後、(c)陽極酸化研磨後の基板表面の断面形状をそれぞれ示す。未加工基板、陽極酸化のみが生じた領域、酸化と同時に研磨が行われた領域の表面粗さは、それぞれ0.161nm rms、5.39nm rms、1.07nm rmsであった。陽極酸化中砥石が接触していなかった領域には、図2と同様に未加工の基板表面には見られなかった突起物やスクラッチが観察された。突起物は陽極酸化の際に発生するCO,COガスにより領域ごとに酸化レートのムラができ生じたと考えられる。また、CMP加工の際に導入された潜傷は原子配列が歪んでおりエネルギーが高いため優先的に酸化されスクラッチが生じたと考えられる。しかしながら、酸化と研磨が同時に進行した領域では、発生ガスに起因する突起物は確認できるがスクラッチは観察されなかった。以上の結果から基板より軟質な砥粒を用いることでダメージフリーな研磨が可能であることが示唆された。本実施形態で、CMP加工(500nm/h)を上回る加工速度(840nm/h)が得られている。
図7は、研磨条件としてリン酸水溶液1wt%、直流電圧9V、セリア砥粒の平均粒径0.5μm、荷重310g、研磨装置の回転数120rpm、加工時間10minとした結果を示している。加工後、濃度50wt%フッ化水素酸中に10分間浸漬させ酸化膜を完全に除去し、白色顕微干渉計(SWLI)で表面形状を観察した。図7(a)は未加工面のSWLI観察像、(b)は陽極酸化とHFエッチング処理後の表面のSWLI観察像、(c)は陽極酸化研磨後にHF洗浄した表面のSWLI観察像を示している。この結果、未加工面よりも陽極酸化エッチング処理した表面は粗くなり、更に陽極酸化研磨した表面は粗くなった。その理由は、研磨レートより酸化レートが高い結果、表面が粗くなったものと思われる。
図8は、研磨条件を固定し、印加パルス電圧のデューティー比を変化させて陽極酸化レートを調節し、(a)酸化レートが研磨レートよりも高い場合、(b)酸化レートが研磨レートよりも低い場合について、研磨後の表面の断面形状を示している。酸化レートが研磨レートよりも高いと、酸化膜が厚くなり、一様に酸化が進行しないため、研磨後にも酸化膜が残留し、HF洗浄によって残留した酸化膜が除去された表面に多くの凹凸が生じることにより粗くなったものと考える。一方、酸化レートが研磨レートよりも低いと、酸化膜は生成されるとすぐに研磨によって除去されるので、酸化も一様に進行し、最終的にHF洗浄された表面も平滑になったものと考える。この結果から分かるように、酸化レートと研磨レートのバランスは、仕上がり具合に重大な影響を及ぼし、高品位の平滑面を得るには酸化レートが研磨レートと同等かそれよりも低く、逆に言えば研磨レートは酸化レートと同等かそれより高く設定する必要がある。
市販の4H−SiC(0001)基板の加工で分かったことは、CMP加工された基板を陽極酸化するとエネルギーの高い領域から酸化が進行しスクラッチが形成されるということである。つまり、市販のCMP加工された4H−SiC(0001)基板には、見た目では分からないが、加工変質層が残っているということであり、陽極酸化と研磨を同時に行う本発明によりその加工変質層も取り除くことができ、ダメージフリーな加工が可能であることが示唆された。
本発明が実用化された場合、金型材料や高剛性かつ軽量な宇宙望遠鏡用材料として理想的なSiC材料を高価な工具を用いることなく高能率かつ高品位に加工することが可能となり、高精度光学部品の製造コストを下げることに大きく貢献する。また、本発明は、単結晶SiCウエハ、単結晶GaNウエハの表面仕上げを始め、焼結SiC、CVD−SiC、超硬合金(WC)製金型の形状創成と表面仕上げに適用できる。
1 容器、
2 被加工物(SiC基板)、
3 工具電極、
3A 形状転写電極、
3B 小径電極、
3C 同軸ノズル電極、
4 処理液、
5 電源、
6 研磨パッド、
7 電解液、
8 作用部、
9 金属棒、
10 内筒、
11 外筒、
12 電解液、
13 水槽、
14 ワイヤー、
15 電源、
16 酸化膜、
17 架台、
18 小径口、
19 支持板、
20 銅電極、
21 ホルダー、
22 回転棒、
23 ボールスプライン、
24 モータ、
25 プーリ、
26 ベルト、
27 バランサー、
28 錘、
S 目的形状。

Claims (11)

  1. 電解液の存在下で被加工物を陽極とするとともに、該被加工物に対向して配置した工具電極を陰極として電圧を印加して所定電流密度の電流を流し、被加工物の表面に酸化膜を形成する陽極酸化プロセスと、
    表面に酸化膜を形成した被加工物を、該酸化膜の溶解能を有する溶解液に接触させて酸化膜を溶解除去する溶解プロセスと、
    を含み、前記電解液と溶解液を混合した処理液を用いて前記陽極酸化プロセスと溶解プロセスを同時に進行させて、前記工具電極の作用部の形状に応じて目的形状を得ることを特徴とする陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法。
  2. 前記工具電極の作用部が、目的形状の一部又は全部を反転した形状を有し、該工具電極の作用部を被加工物に転写してなる請求項1記載の陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法。
  3. 前記工具電極の作用部が、被加工物の表面よりも十分に小さなポイント形状を有し、該工具電極の作用部を被加工物の表面に沿って相対的に数値制御走査して、任意の目的形状を創成してなる請求項1記載の陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法。
  4. 前記工具電極が金属棒であり、該金属棒の外側に同軸状に内筒と外筒を配置して同軸ノズル電極を構成し、該同軸ノズル電極の先端を被加工物に接近させて対向した状態で、前記金属棒と内筒の間から処理液を供給すると同時に、前記内筒と外筒の間から処理液を強制吸引して回収し、前記金属棒の先端作用部と被加工物との間に処理液を滞在させてなる請求項1記載の陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法。
  5. 前記被加工物が、単結晶SiC、CVD−SiC、焼結SiC、単結晶GaN又はWC等の超硬合金である請求項1〜4何れか1項に記載の陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法。
  6. 前記溶解液がフッ化水素酸(HF)である請求項1〜5何れか1項に記載の陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法。
  7. 前記請求項1〜6何れか1項に記載の陽極酸化を援用した形状創成エッチング方法を用いて、被加工物の表面を目的形状に粗加工した後、
    電解液の存在下で被加工物を陽極として電圧を印加して所定電流密度の電流を流し、被加工物の表面に酸化膜を形成する陽極酸化プロセスと、
    モース硬度が前記被加工物と酸化膜の中間硬度を有する研磨材料を用いて、酸化膜を選択的に研磨除去する研磨プロセスと、
    を含み、前記陽極酸化プロセスと研磨プロセスを同時に進行させて、前記被加工物の表面を平坦化加工することを特徴とする陽極酸化を援用した研磨方法を用いて目的形状を仕上げ研磨してなる陽極酸化を援用した高精度形状創成方法。
  8. 前記研磨プロセスが、電解液中で前記研磨材料を用いた研磨パッドで被加工物の酸化膜を研磨除去するものである請求項7記載の陽極酸化を援用した高精度形状創成方法。
  9. 前記研磨パッドに電極を内蔵し、該電極を陰極として電圧を印加する請求項8記載の陽極酸化を援用した高精度形状創成方法。
  10. 前記電解液中に前記研磨材料からなるスラリーを分散含有させる請求項7記載の陽極酸化を援用した高精度形状創成方法。
  11. 前記研磨プロセスによる研磨レートが前記陽極酸化プロセスによる酸化レートより高い条件で平坦化加工する請求項7〜10何れか1項に記載の陽極酸化を援用した高精度形状創成方法。
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