JP2020131342A - 切削液量調整装置及び切削液量調整システム - Google Patents

切削液量調整装置及び切削液量調整システム Download PDF

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Abstract

【課題】ワークの加工により発生する切削熱や切削液の種類、切削液の温度などを考慮して、適切な切削液の吐出量へと調整することが可能な切削液量調整装置を提供すること。【解決手段】本発明の切削液量調整装置1は、工作機械2の加工状態を示すデータ、及び切削液供給装置3から供給される切削液に係るデータを少なくとも取得するデータ取得部34と、データ取得部34が取得したデータに基づいて、機械学習に用いるデータを作成する前処理部36と、前処理部36が作成したデータに基づいて、工作機械2のワークの加工が行われる環境における、切削液ノズルからの切削液の吐出量に係る機械学習の処理を実行する機械学習装置100と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、切削液量調整装置及び切削液量調整システムに関する。
少なくとも1つの切削液ノズルを備えた工作機械では、ワークを加工する切削加工等において該ワークに対して水溶性乃至不水溶性の切削液を吹き付けることで、工具の潤滑性向上、工具やワークの冷却、切粉の洗浄等を行っている。工作機械によるワークの加工中に使用される切削液の量は、加工条件や加工内容、切削液の性質、環境温度等によって異なり、作業者が経験に基づいて、適切な切削液の単位時間あたりの吐出量を設定している。
通常、作業者が設定した切削液の単位時間あたりの吐出量は、ワークの加工中に変更されることはない。そのため、例えばワークに切削液が掛からない位置に対して切削液を吐出するノズルからも所定量の切削液が吐出され、切削液の使用効率を低下させる原因となっている。このような課題に対して、特許文献1に開示される技術では、ノズルからの切削液の吐出範囲と、ワークの形状に基づいて、それぞれのノズルから吐出させる切削液の量を調整するようにしている。
特開2017−113849号公報
しかしながら、ワークの加工において発生する切削熱は、工具の種類や加工条件、加工の目的(荒加工、仕上げ加工)、ワークの材質等によって異なるため、これらを考慮しないことには工具やワークの冷却のために適切な切削液の吐出量へと調整することが困難である。また、切削液には水溶性の切削液や非水溶性の切削液、粘度の異なる切削液等、様々な種類のものがあり、切削液の種類によって冷却効果や潤滑効果が異なり、また、切削液の温度によっても冷却効果に違いが出る。そのため、これらの様々な条件を考慮して、各ノズルから吐出する切削液の量を調整する必要がある。
そのため、ワークの加工により発生する切削熱や切削液の種類、切削液の温度などを考慮して、適切な切削液の吐出量へと調整することが可能な切削液量調整装置及び切削液量調整システムが望まれている。
本発明の一態様は、ワークを加工する工作機械の加工領域に切削液を供給する切削液供給装置が備える少なくとも1つの切削液ノズルからの切削液の吐出量を調整する切削液量調整装置であって、前記工作機械の加工状態を示すデータ、及び前記切削液供給装置から供給される切削液に係るデータを少なくとも取得するデータ取得部と、前記データ取得部が取得したデータに基づいて、機械学習に用いるデータを作成する前処理部と、前記前処理部が作成したデータに基づいて、前記工作機械の前記ワークの加工が行われる環境における、前記切削液ノズルからの切削液の吐出量に係る機械学習の処理を実行する機械学習装置と、を備えた切削液量調整装置である。
本発明の他の態様は、複数の装置がネットワークを介して相互に接続されたシステムであって、前記複数の装置は、少なくとも学習部を備えた切削液量調整装置を含む切削液量調整システムである。
本発明の一態様によれば、ワークの加工により発生する切削熱や切削液の種類、切削液の温度などを考慮した、適切な切削液の吐出量の調整を行うことができるようになる。
一実施形態による切削液量調整装置の概略的なハードウェア構成図である。 第1実施形態による制御装置の概略的な機能ブロック図である。 ワークに係る状態データについて説明する図である。 切削液ノズルに係る状態データについて説明する図である。 第1実施形態による学習部の動作について説明する図である。 第2実施形態による切削液量調整装置の概略的な機能ブロック図である。 吐出量決定部の動作について説明する図である。 第3実施形態による学習部の動作について説明する図である。 第4実施形態による切削液量調整装置の概略的な機能ブロック図である。 第5実施形態による切削液量調整装置の概略的な機能ブロック図である。 第6実施形態による切削液量調整装置の概略的な機能ブロック図である。 クラウドサーバ、フォグコンピュータ、エッジコンピュータを含む3階層構造のシステムの例を示す図である。 コンピュータ上に実装した形態での切削液量調整装置の概略的なハードウェア構成図である。 第7実施形態による切削液量調整システムの概略的な構成図である。 第8実施形態による切削液量調整システムの概略的な構成図である。 第9実施形態による切削液量調整システムの概略的な構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は一実施形態による機械学習装置を備えた切削液量調整装置の要部を示す概略的なハードウェア構成図である。本実施形態の切削液量調整装置1は、例えば工作機械を制御する制御装置上に実装することができる。また、本実施形態の切削液量調整装置1は、工作機械を制御する制御装置と併設されたパソコンや、該制御装置と有線/無線のネットワークを介して接続された管理装置、エッジコンピュータ、フォグコンピュータ、クラウドサーバ等のコンピュータとして実装することができる。本実施形態では、切削液量調整装置1を、工作機械を制御する制御装置上に実装した場合の例を示す。
本実施形態による切削液量調整装置1が備えるCPU11は、切削液量調整装置1を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステム・プログラムをバス20を介して読み出し、該システム・プログラムに従って切削液量調整装置1の全体を制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ、図示しない入力部を介してオペレータが入力した各種データ等が一時的に格納される。
不揮発性メモリ14は、例えば図示しないバッテリでバックアップされるなどして、切削液量調整装置1の電源がオフされても記憶状態が保持されるメモリとして構成される。不揮発性メモリ14には、インタフェース15を介して外部機器72から読み込まれたプログラムや表示器/MDIユニット70を介して入力されたプログラム、切削液量調整装置1の各部や工作機械、切削液供給装置3等から取得された各種データ(例えば、工具の種類等の工具に係る情報、主軸回転数、送り速度、切り込み量等の切削条件に係る情報、荒加工や仕上げ加工等の加工工程に係る情報、ワーク材質、ワーク形状等のワークに係る情報、切削液の種類や温度等の切削液に係る情報、各ノズルの吐出範囲に係る情報、切削液の吐出量に係る情報等)が記憶されている。不揮発性メモリ14に記憶されたプログラムや各種データは、実行時/利用時にはRAM13に展開されても良い。また、ROM12には、公知の解析プログラムなどの各種のシステム・プログラム(後述する機械学習装置100とのやりとりを制御するためのシステム・プログラムを含む)があらかじめ書き込まれている。
インタフェース15は、切削液量調整装置1とアダプタ等の外部機器72と接続するためのインタフェースである。外部機器72側からはプログラムや各種パラメータ等が読み込まれる。また、切削液量調整装置1内で編集したプログラムや各種パラメータ等は、外部機器72を介して外部記憶手段に記憶させることができる。PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)16は、切削液量調整装置1に内蔵されたシーケンス・プログラムで工作機械及び切削液供給装置3等のような該工作機械の周辺装置との間でI/Oユニット17を介して信号の入出力を行い制御する。
切削液供給装置3は、工作機械の加工範囲に切削液を供給する装置である。切削液供給装置3は、切削液を貯めるタンクと、該タンクから切削液供給路を介して切削液を供給するポンプと、該切削液供給路に接続され、工作機械の加工範囲に切削液を吐出する少なくとも1つの切削液ノズル、を備える。切削液量調整装置1は、PMC16から出力される信号を介して、各切削液ノズルから供給される切削液の吐出量を調整する。また、切削液供給装置3は、各切削液ノズルから吐出される切削液の量を、PMC16を介してCPU11に渡す。
表示器/MDIユニット70はディスプレイやキーボード等を備えた手動データ入力装置であり、インタフェース18は表示器/MDIユニット70のキーボードからの指令,データを受けてCPU11に渡す。インタフェース19は各軸を手動で駆動させる際に用いる手動パルス発生器等を備えた操作盤71に接続されている。
工作機械の各軸を制御するための軸制御回路30はCPU11からの軸の移動指令量を受けて、軸の指令をサーボアンプ40に出力する。サーボアンプ40はこの指令を受けて、工作機械が備える軸を移動させるサーボモータ50を駆動する。軸のサーボモータ50は位置・速度検出器を内蔵し、この位置・速度検出器からの位置・速度フィードバック信号を軸制御回路30にフィードバックし、位置・速度のフィードバック制御を行う。なお、図1のハードウェア構成図では軸制御回路30、サーボアンプ40、サーボモータ50は1つずつしか示されていないが、実際には制御対象となる工作機械に備えられた軸の数(例えば、直線3軸を備えた工作機械であれば3つ、5軸加工機であれば5つ)だけ用意される。
スピンドル制御回路60は、工作機械の主軸への主軸回転指令を受け、スピンドルアンプ61にスピンドル速度信号を出力する。スピンドルアンプ61はこのスピンドル速度信号を受けて、主軸のスピンドルモータ62を指令された回転速度で回転させ、工具を駆動する。スピンドルモータ62にはポジションコーダ63が結合され、ポジションコーダ63が主軸の回転に同期して帰還パルスを出力し、その帰還パルスはCPU11によって読み取られる。
インタフェース21は、切削液量調整装置1と機械学習装置100とを接続するためのインタフェースである。機械学習装置100は、機械学習装置100全体を統御するプロセッサ101と、システム・プログラム等を記憶したROM102、機械学習に係る各処理における一時的な記憶を行うためのRAM103、及び学習モデル等の記憶に用いられる不揮発性メモリ104を備える。機械学習装置100は、インタフェース21を介して切削液量調整装置1で取得可能な各情報(例えば、工具の種類等の工具に係る情報、主軸回転数、送り速度、切り込み量等の切削条件に係る情報、荒加工や仕上げ加工等の加工工程に係る情報、ワーク材質、ワーク形状等のワークに係る情報、切削液の種類や温度等の切削液に係る情報、各ノズルの吐出範囲に係る情報、切削液の吐出量に係る情報等)を観測することができる。また、切削液量調整装置1は、機械学習装置100から出力される情報を受けて、工作機械や切削液吐出装置の制御、表示器/MDIユニット70への表示、図示しないネットワークを介した他の装置に対する情報の送信等を行う。
図2は、第1実施形態による切削液量調整装置1と機械学習装置100の概略的な機能ブロック図である。本実施形態の切削液量調整装置1は、機械学習装置100が教師あり学習を行う場合に必要とされる構成を備えている(学習モード)。図2に示した各機能ブロックは、図1に示した切削液量調整装置1が備えるCPU11、及び機械学習装置100のプロセッサ101が、それぞれのシステム・プログラムを実行し、切削液量調整装置1及び機械学習装置100の各部の動作を制御することにより実現される。
本実施形態の切削液量調整装置1は、制御部32、データ取得部34、前処理部36を備え、切削液量調整装置1が備える機械学習装置100は、学習部110を備えている。また、図1で示した不揮発性メモリ14上には、工作機械2、切削液供給装置3等から取得されたデータが記憶される取得データ記憶部52が設けられており、図1で示した機械学習装置100の不揮発性メモリ104上には、学習部110による機械学習により構築された学習モデルを記憶する学習モデル記憶部130が設けられている。
制御部32は、図1に示した切削液量調整装置1が備えるCPU11がROM12から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてCPU11によるRAM13、不揮発性メモリ14を用いた演算処理と、軸制御回路30、スピンドル制御回路60、及びPMC16を介した工作機械2及び切削液供給装置3の制御処理が行われることで実現される。制御部32は、図1で示した不揮発性メモリ14に記憶された制御用プログラム54に基づいて、工作機械2及び切削液供給装置3の動作を制御する機能手段である。制御部32は、制御用プログラム54により工作機械2が備える各軸を駆動するサーボモータ50(図1)、スピンドルモータ(図1)に対して制御周期毎に移動指令を出力する等といったように、工作機械2の各部を制御するために必要とされる一般的な制御のための機能を備える。また、制御部32は、切削液供給装置3に対して、それぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の量を調整する指令を出力する。更に、制御部32は、工作機械2及び切削液供給装置3から、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態に係る情報を受け取り、データ取得部34に対して出力する。制御部32が、工作機械2及び切削液供給装置3から取得し、データ取得部34に出力するデータは、例えば、工具の種類等の工具に係る情報、主軸回転数、送り速度、切り込み量等の切削条件に係る情報、荒加工や仕上げ加工等の加工工程に係る情報、ワーク材質、ワーク形状等のワークに係る情報、切削液の種類や温度等の切削液に係る情報、各ノズルの吐出範囲に係る情報、切削液の吐出量に係る情報等が挙げられる。
データ取得部34は、図1に示した切削液量調整装置1が備えるCPU11がROM12から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてCPU11がRAM13、不揮発性メモリ14を用いた演算処理を行うことで実現される。データ取得部34は、制御部32から入力された工作機械2による加工状態に係るデータ及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態に係るデータ、表示器/MDIユニット70から作業者により入力された切削液量に対する評価に係るデータ等を取得データ記憶部52に対して記憶する機能手段である。データ取得部34は、制御部32から入力された工作機械2による加工状態に係るデータ及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態に係るデータと、各切削液ノズルから吐出された切削液量に対する評価に係るデータとを関連付けて、取得データとして取得データ記憶部52に記憶する。
前処理部36は、図1に示した切削液量調整装置1が備えるCPU11がROM12から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてCPU11がRAM13、不揮発性メモリ14を用いた演算処理を行うことで実現される。前処理部36は、データ取得部34が取得したデータに基づいて、機械学習装置100による機械学習に用いられる学習データを作成する機能手段である。前処理部36は、データ取得部34が取得した(そして、取得データ記憶部52に記憶された)データを機械学習装置100において扱われる統一的な形式へと変換(数値化、サンプリング等)した学習データを作成する。例えば、前処理部36は、機械学習装置100が教師あり学習をする場合においては、該学習における所定の形式の状態データS及びラベルデータLの組を学習データとして作成する。
本実施形態による前処理部36が作成する状態データSとしては、工作機械2によるワークの加工に用いられる工具に係る情報を含む工具データS1、工作機械2によるワークの加工での加工条件に係る情報を含む加工条件データS2、工作機械2により加工されるワークに係る情報を含むワークデータS3、切削液供給装置3により工作機械2の加工領域へと供給される切削液に係る情報を含む切削液データS4、工作機械2によるワークの加工工程に係る情報を含む加工工程データS5、切削液供給装置3が備える切削液ノズルによる切削液の吐出位置に係る情報を含む切削液吐出位置データS6、切削液供給装置3が備える切削液ノズルから吐出される切削液の量を含む切削液吐出量データS7を少なくとも含む。
工具データS1は、工作機械2によるワークの加工に用いられる工具の種別や工具の材質を示すデータ列として定義される。工具の種別に関しては、例えばバイト、フライス工具、ドリル工具等のように、工具の形状や加工時の使用方法に応じて分類して、それぞれ一意に識別可能な数値で表すようにしても良い。また、工具の材質については、例えばハイス鋼や超硬合金等のような工具材質をそれぞれ一意に識別可能な数値で表すようにしても良い。工具データS1は、作業者により切削液量調整装置1や工作機械2に対して設定された工具に係る情報を取得して、該取得した工具に係る情報に基づいて作成すれば良い。
加工条件データS2は、工作機械2によるワークの加工において設定乃至指令される、主軸回転数、送り速度、切り込み量等の加工条件を要素としたデータ列として定義される。主軸回転数、送り速度、切り込み量等については、それぞれの加工条件の値を所定の単位で示した数値を用いれば良い。それぞれの加工条件の値は、制御用プログラム54で指令されたり、制御用のデフォルト値として設定されているので、これらを取得して作成すれば良い。
ワークデータS3は、工作機械2により加工されるワークの材質や、加工中のワークの形状を示すデータ列として定義される。ワークの材質に関しては、例えばアルミ、鉄等のようなワーク材質をそれぞれ一意に識別可能な数値で表すようにしても良い。加工中のワークの形状については、例えば図3に例示されるように、工作機械2が備えるテーブルを所定のエリアに分割し、該テーブル上に載置されたワークの各エリアにおける高さ(該エリアにおける高さの平均値)を示すデータ列として表すようにしても良い。なお、図3の例では、説明を簡単にするために、テーブルを横から見て、該テーブルを横に並べた複数のエリアに分割しているが、実際にはテーブル上面の2次元平面を複数の矩形エリアに分割するようにして、それぞれの矩形エリア内でのワークの高さを示すデータ列としてワークの形状を示すようにしても良い。ワークデータS3は、作業者により切削液量調整装置1や工作機械2に対して設定されたワークに係る情報や、加工開始前に測定されるワークの形状やCAD/CAM装置から取得されるデータ、制御用プログラム54を解析して得られる加工経過に係るデータ等に基づいて作成すれば良い。
切削液データS4は、工作機械2の加工領域に吐出される切削液の種類や、切削液の温度を示すデータ列として定義される。切削液の種類に関しては、例えば水溶性A1種、不溶性N1種等のような切削液の種類をそれぞれ一意に識別可能な数値で表すようにしても良い。切削液の温度については、切削液の温度値を所定の単位で示した数値を用いれば良い。切削液データS4は、作業者により切削液量調整装置1や工作機械2に対して設定された切削液に係る情報や、切削液供給装置3が備えるセンサ等で検出された値等を取得して、該取得した切削液に係る情報に基づいて作成すれば良い。
加工工程データS5は、工作機械2によるワークの加工の工程を示すデータとして定義される。加工の工程に関しては、例えば荒加工、中仕上げ加工、仕上げ加工等のような加工工程をそれぞれ一意に識別可能な数値で表すようにしても良い。加工工程データS5は、加工開始前にCAD/CAM装置から取得されるデータ、制御用プログラム54を解析して得られる加工工程に係るデータ等に基づいて作成すれば良い。
切削液吐出位置データS6は、切削液供給装置3が備えるそれぞれの切削液ノズルによる切削液の吐出位置を示すデータ列として定義される。切削液ノズルによる切削液の吐出位置は、例えば図4に例示されるように、工作機械2が備えるテーブルを所定のエリアに分割し、切削液ノズルから吐出されている切削液がいずれのエリアに掛かっているのかを示すデータ列として表すようにしても良い。例えば、図4の例では、切削液ノズル301aは、エリアa及びエリアbに対して切削液を吐出しているので、切削液ノズル301aに関する切削液吐出位置データS6は、各エリアに対して切削液が掛かっている場合を1、切削液が掛かって無い場合を0として、(1,1,0,0,0)等と表現するようにしても良い。なお、図4の例では、説明を簡単にするために、テーブルを横から見て、該テーブルを横に並べた複数のエリアに分割しているが、実際にはテーブル上面の2次元平面を複数の矩形エリアに分割するようにして、それぞれの矩形エリアに対して切削液が掛かっているか否かを示すデータ列として切削液の吐出位置を示すようにしても良い。切削液吐出位置データS6は、切削液ノズルの配置に応じて予め作業者が表示器/MDIユニット70から設定するようにしても良い。
切削液吐出量データS7は、切削液供給装置3が備えるそれぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の量を示すデータとして定義される。切削液ノズルから吐出される切削液の量は、単位時間あたりの切削液の吐出量を所定の単位での数値で表したものとしてもよいし、例えば切削液ノズルから吐出される切削液の量を複数の段階(例えば、10段階)で示した数値で表すようにしても良い。切削液吐出量データS7は、切削液供給装置3から取得した各切削液ノズルにおける切削液の吐出量に基づいて作成しても良い。
前処理部36が作成するラベルデータLは、前記した状態データSが取得される加工の状態において、それぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量が十分であるか否かを示す評価に係るデータである吐出量良否データL1を少なくとも含む。
吐出量良否データL1は、切削液ノズルのそれぞれについて、切削液の吐出量が十分であるか否かを示す評価に係るラベル値を取るデータとして定義される。吐出量良否データL1は、例えば工作機械2によるワークの加工状況を観察している作業者が表示器/MDIユニット70を用いた入力操作に基づいて作成するようにしても良い。これは、それぞれの切削液ノズルに対して作業者が直接切削液の吐出量が十分であるか否かを入力するようにしてもよいし、作業者がいずれかの切削液ノズルから吐出される切削液の量を調整し、その状態で所定時間だけ同じ加工状態が継続した場合に、吐出量を調整した切削液ノズルについて、調整後の切削液の量が十分な量であるとして吐出量良否データL1を作成するようにしても良い。また、吐出量良否データL1は、例えば工作機械2に取り付けたサーモグラフィ等の温度センサを用いてワークの各部分の温度を計測し、その計測結果に基づいて作成するようにしても良い。例えば、図4に示した例では、エリアa〜エリアeにおけるワークの温度を計測し、エリアcの位置が十分に温度が下がっていなかった場合、切削液ノズル301b,301c,301d(いずれもエリアcに切削液を掛けている切削液ノズル)に関して吐出量が十分ではないとするラベル値を作成しても良い。更に、吐出量良否データL1は、例えば工作機械2に取り付けた視覚センサや距離センサ等を用いてワークの各部分から切粉が十分に取り除かれているか否かに基づいて作成するようにしても良い。
学習部110は、図1に示した切削液量調整装置1が備えるプロセッサ101がROM102から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてプロセッサ101がRAM103、不揮発性メモリ104を用いた演算処理を行うことで実現される。本実施形態による学習部110は、前処理部36が作成した学習データを用いた機械学習を行う。学習部110は、公知の教師あり学習の手法により、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3による切削液の供給状態に対する、切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価を学習した学習モデルを生成し、生成した学習モデルを学習モデル記憶部130に記憶する。学習部110が行う教師あり学習の手法としては、multilayer perceptron法、recurrent neural network法、Long Short−Term Memory法、convolutional neural network法等が挙げられる。
本実施形態による学習部110は、それぞれの切削液ノズルについて、該切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価と、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態とを関連付けて学習した学習モデルを生成する。例えば、図4に示したように切削液ノズルが5つある場合、学習部110は、それぞれの切削液ノズルの吐出量を学習した5つの学習モデルを生成する。図5は、学習部110が、状態データS及びラベルデータLを用いて、それぞれの切削液ノズル毎に学習モデルを作成する概要を示す図である。図5に示すように、状態データSの内で、工具データS1、加工条件データS2、ワークデータS3、切削液データS4、加工工程データS5に関しては、複数の切削液ノズルの間で共通して用いることができる。学習部110は、これらの状態データに、それぞれの切削液ノズル毎に作成された、切削液吐出位置データS6、切削液吐出量データS7、及び吐出量データL1を加えて、これらのデータを用いたそれぞれの切削液ノズル用の学習モデルを生成する。このようにして本実施形態による学習部110が生成する学習モデルは、それぞれの切削ノズルについて、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態が与えられた時に、そのような状態において切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量が十分であるか否かを推定するものとなる。
なお、学習部110は、学習の段階では必須の構成となるが、学習部110による切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価の学習が完了した後には必ずしも必須の構成ではない。例えば、学習が完了した機械学習装置100を顧客に出荷する場合等には、学習部110を取り外して出荷するようにしても良い。
上記した構成を備えた本実施形態による切削液量調整装置1は、それぞれの切削液ノズルについて、該切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価と、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態とを関連付けて学習した学習モデルを生成する。そして、このようにして生成された学習モデルを用いて、後述する推定部120は、工作機械2及び切削液供給装置3から取得された状態データSに基づいて、取得された状態におけるより適切な各切削液ノズルから吐出する切削液の量を決定するために必要な推定処理を行うことができるようになる。
本実施形態による切削液量調整装置1の変形例として、前処理部36は、工具データS1、加工条件データS2、ワークデータS3、切削液データS4、加工工程データS5、切削液吐出位置データS6、切削液吐出量データS7に加えて、更に工作機械2の主軸の位置を示す主軸位置データS8を状態データとして作成しても良い。主軸位置データS8は、例えば図3に例示した、工作機械2のテーブル上のいずれのエリア上に主軸があるのかを示すデータとして定義できる。工作機械2におけるワークの加工においては、主軸に取り付けられた工具とワークとの接触位置で大きな熱が発生する。そのため、主軸位置データS8を学習に用いるデータに加えることで、工具とワークとが接触する位置に対する切削液が吐出量に係る情報を学習する事ができるようになり、工具とワークとが接触する位置に対する切削液が吐出量の推定に活用することができるようになる。
図5は、第2実施形態による切削液量調整装置1と機械学習装置100の概略的な機能ブロック図である。本実施形態の切削液量調整装置1は、機械学習装置100がそれぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価を推定する場合に必要とされる構成を備えている(推定モード)。図5に示した各機能ブロックは、図1に示した切削液量調整装置1が備えるCPU11、及び機械学習装置100のプロセッサ101が、それぞれのシステム・プログラムを実行し、切削液量調整装置1及び機械学習装置100の各部の動作を制御することにより実現される。
本実施形態の切削液量調整装置1は、制御部32、データ取得部34、前処理部36、吐出量決定部38を備え、切削液量調整装置1が備える機械学習装置100は、推定部120を備えている。また、図1で示した不揮発性メモリ14上には、工作機械2、切削液供給装置3等から取得されたデータが記憶される取得データ記憶部52が設けられており、図1で示した機械学習装置100の不揮発性メモリ104上には、第1実施形態で説明した学習部110による機械学習により構築された学習モデルを記憶する学習モデル記憶部130が設けられている。
本実施形態による制御部32、データ取得部34は、第1実施形態における制御部32,データ取得部34と同様の機能を備える。
本実施形態による前処理部36は、機械学習装置100による学習モデルを用いたそれぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価の推定の段階において、データ取得部34が取得したデータを、機械学習装置100において扱われる統一的な形式へと変換(数値化、サンプリング等)して、機械学習装置100による推定に用いられる所定の形式の状態データSを作成する。本実施形態による前処理部36は、状態データSを作成するに際して、吐出量決定部38から指令された切削液ノズルについて指令された吐出量を示す切削液吐出量データS7を作成する。例えば、前処理部36は、データ取得部34が取得したデータに基づいて、工具データS1、加工条件データS2、ワークデータS3、切削液データS4、加工工程データS5、切削液吐出位置データS6を作成し、更に、吐出量決定部38からの指令に基づいて、指令された切削液ノズルについて、指令された吐出量を示す切削液吐出量データS7を作成する。前処理部36は、推定の初期においては、それぞれの切削液ノズルについて、予め定められた切削液の吐出量を示す切削液吐出量データS7を作成するようにしても良い。
推定部120は、図1に示した切削液量調整装置1が備えるプロセッサ101がROM102から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてプロセッサ101がRAM103、不揮発性メモリ104を用いた演算処理を行うことで実現される。推定部120は、前処理部36が作成した状態データSに基づいて、学習モデル記憶部130に記憶された学習モデルを用いたそれぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価の推定を行う。本実施形態の推定部120では、学習部110により生成された(パラメータが決定された)学習モデルに対して、前処理部36から入力された状態データSを入力することで、それぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価を推定して出力する。推定部120が推定した結果は、吐出量決定部38に対して出力される。
吐出量決定部38は、図1に示した切削液量調整装置1が備えるCPU11がROM12から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてCPU11がRAM13、不揮発性メモリ14を用いた演算処理を行うことで実現される。吐出量決定部38は、推定部120により推定された、それぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価の推定結果に基づいて、それぞれの切削液ノズルから吐出する切削液の量を決定する機能手段である。吐出量決定部38は、それぞれの切削液ノズルについて、推定部120から出力された吐出量の評価の推定の結果を参照し、該推定の結果が「吐出量は十分である」ことを示している場合には、該切削液ノズルの吐出量を1段階下げた状態データSを作成するように前処理部36に対して指令する。また、吐出量決定部38は、それぞれの切削液ノズルについて、推定部120から出力された吐出量の評価の推定の結果を参照し、該推定の結果が「吐出量は不十分である」ことを示している場合には、該切削液ノズルの吐出量を1段階上げた状態データSを作成するように前処理部36に対して指令する。吐出量決定部38は、このような処理を繰り返して、それぞれの切削液ノズルについて、「吐出量は十分である」という推定の結果が得られる最小の切削液の吐出量を探索し、探索された切削液の吐出量を、該切削液ノズルにおける切削液の吐出量として決定する。
図7を用いて、吐出量決定部38による切削液ノズルにおける切削液の吐出量として決定する流れを説明する。図7の例では、切削液ノズルの切削液の吐出量は10段階で調整できるものとしている。切削液ノズルの切削液の吐出量を決定する際に、最初、前処理部36は予め定められた吐出量(例えば、最大値×1.0)を示す切削液吐出量データS7を含む状態データSを作成する。推定部120は、前処理部36が作成した状態データSに基づいて、該切削液の吐出量の評価を推定する。ここで、推定部120が「吐出量は十分である」という推定結果を出力した場合、吐出量決定部38は、前処理部36に対して、吐出量を1段階下げた状態データSを作成するように指令する。前処理部36は、吐出量決定部38からの指令に基づいて吐出量を1段階下げた状態データSを作成し、作成された状態データSに基づく推定部120による吐出量の評価の推定が行われる。これを繰り返し、推定部120からの評価が「吐出量は十分である」から「吐出量は不十分である」に変わった場合、吐出量決定部38は、その時の1つ前に前処理部36に対して指令した段階の切削液の吐出量が適切な切削液の吐出量(評価が「吐出量は十分である」とされる最も少ない切削液の吐出量)であると判断して、該吐出量を切削液ノズルの切削液の吐出量として決定する。吐出量決定部38は、このような処理を全ての切削液ノズルに対して実行する。
吐出量決定部38による、切削液の吐出量の探索は、上記したように吐出量の最大値から探索を始めるようにしても良いし、吐出量の最小値から上に向けて探索をしたり、吐出量の中間値から上下に探索を始めるようにしても良い。また、二分探索等の公知のアルゴリズムを用いて、吐出量の最小値を探索するようにしても良い。
吐出量決定部38は、全ての切削液ノズルの切削液の吐出量を決定すると、決定された吐出量へと調整するように制御部32へと指令する。
上記した構成を備えた本実施形態による切削液量調整装置1は、それぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の量を、十分にワーク等の冷却が可能であって、且つ、より少ない量へと調整することができるようになる。
本実施形態による切削液量調整装置1の変形例として、前処理部36は、工具データS1、加工条件データS2、ワークデータS3、切削液データS4、加工工程データS5、切削液吐出位置データS6、切削液吐出量データS7に加えて、更に工作機械2の主軸の位置を示す主軸位置データS8を状態データとして作成しても良い。主軸位置データS8は、例えば図3に例示した、工作機械2のテーブル上のいずれのエリア上に主軸があるのかを示すデータとして定義できる。工作機械2におけるワークの加工においては、主軸に取り付けられた工具とワークとの接触位置で大きな熱が発生する。そのため、切削液の吐出量の推定に於いて、主軸位置データS8を用いることで、工具とワークとが接触する位置に対して吐出する切削液の十分な量を推定することができるようになる。
以下では、本発明の第3実施形態による切削液量調整装置1について説明する。本実施形態による切削液量調整装置1は、図2に示した第1実施形態と同じ機能ブロックを備える。本実施形態の切削液量調整装置1は、機械学習装置100が教師あり学習を行う場合に必要とされる構成を備えている(学習モード)。
本実施形態による制御部32、データ取得部34は、第1実施形態における制御部32,データ取得部34と同様の機能を備える。
本実施形態による前処理部36は、状態データSとして、工具データS1、加工条件データS2、ワークデータS3、切削液データS4、加工工程データS5、切削液吐出位置データS6を作成し、また、ラベルデータLとして、前記した状態データSが取得される加工の状態において、それぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の適切な吐出量に係るデータである適切吐出量データL2を作成する。
適切吐出量データL2は、切削液ノズルのそれぞれについて、現在の工作機械2及び切削液供給装置3の状態に対する適切な切削液の吐出量をラベル値として取るデータとして定義される。適切吐出量データL2は、例えば工作機械2によるワークの加工状況を観察している熟練した作業者が表示器/MDIユニット70を用いた入力操作に基づいて作成するようにしても良い。これは、例えば作業者がいずれかの切削液ノズルから吐出される切削液の量を調整し、その状態で所定時間だけ同じ加工状態が継続した場合に、その時のそれぞれの切削液ノズルからの切削液の吐出量を適切吐出量データL2を作成するようにしても良い。
本実施形態による学習部110は、前処理部36が作成した学習データを用いた機械学習を行う。学習部110は、公知の教師あり学習の手法により、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3による切削液の供給状態に対する、切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量を学習した学習モデルを生成し、生成した学習モデルを学習モデル記憶部130に記憶する。学習部110が行う教師あり学習の手法としては、multilayer perceptron法、recurrent neural network法、Long Short−Term Memory法、convolutional neural network法等が挙げられる。
本実施形態による学習部110は、それぞれの切削液ノズルについて、該切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量と、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態とを関連付けて学習した学習モデルを生成する。例えば、図4に示したように切削液ノズルが5つある場合、学習部110は、それぞれの切削液ノズルの吐出量を学習した5つの学習モデルを生成する。図8は、学習部110が、状態データS及びラベルデータLを用いて、それぞれの切削液ノズル毎に学習モデルを作成する概要を示す図である。図8に示すように、状態データSの内で、工具データS1、加工条件データS2、ワークデータS3、切削液データS4、加工工程データS5に関しては、複数の切削液ノズルの間で共通して用いることができる。学習部110は、これらの状態データに、それぞれの切削液ノズル毎に作成された、切削液吐出位置データS6、及び適切吐出量データL2を加えて、これらのデータを用いたそれぞれの切削液ノズル用の学習モデルを生成する。このようにして本実施形態による学習部110が生成する学習モデルは、それぞれの切削ノズルについて、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態が与えられた時に、そのような状態において切削液ノズルから吐出するより適切な切削液の吐出量を推定するものとなる。
なお、学習部110は、学習の段階では必須の構成となるが、学習部110による切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価の学習が完了した後には必ずしも必須の構成ではない。例えば、学習が完了した機械学習装置100を顧客に出荷する場合等には、学習部110を取り外して出荷するようにしても良い。
上記した構成を備えた本実施形態による切削液量調整装置1は、それぞれの切削液ノズルについて、該切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量と、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態とを関連付けて学習した学習モデルを生成する。本実施形態による切削液量調整装置1は、作業者が設定した各切削液ノズルからの適切な切削液の吐出量に基づいて学習を行う必要があるため、十分な学習に必要な学習データを集めることが難しいと面が有るが、一度十分な機械学習が完了すれば、このようにして生成された学習モデルを用いて、後述する推定部120は、工作機械2及び切削液供給装置3から取得された状態データSに基づいて、取得された状態における各切削液ノズルから吐出するより適切な切削液の量を直接推定することができるようになる。
図9は、第4実施形態による切削液量調整装置1と機械学習装置100の概略的な機能ブロック図である。本実施形態の切削液量調整装置1は、機械学習装置100がそれぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価を推定する場合に必要とされる構成を備えている(推定モード)。図9に示した各機能ブロックは、図1に示した切削液量調整装置1が備えるCPU11、及び機械学習装置100のプロセッサ101が、それぞれのシステム・プログラムを実行し、切削液量調整装置1及び機械学習装置100の各部の動作を制御することにより実現される。
本実施形態の切削液量調整装置1は、制御部32、データ取得部34、前処理部36、吐出量決定部38を備え、切削液量調整装置1が備える機械学習装置100は、推定部120を備えている。また、図1で示した不揮発性メモリ14上には、工作機械2、切削液供給装置3等から取得されたデータが記憶される取得データ記憶部52が設けられており、図1で示した機械学習装置100の不揮発性メモリ104上には、第1実施形態で説明した学習部110による機械学習により構築された学習モデルを記憶する学習モデル記憶部130が設けられている。
本実施形態による制御部32、データ取得部34は、第2実施形態による制御部32、データ取得部34と同様の機能を備える。
本実施形態による前処理部36は、機械学習装置100による学習モデルを用いたそれぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価の推定の段階において、データ取得部34が取得したデータを、機械学習装置100において扱われる統一的な形式へと変換(数値化、サンプリング等)して、機械学習装置100による推定に用いられる所定の形式の状態データSを作成する。本実施形態による前処理部36は、データ取得部34が取得したデータに基づいて、工具データS1、加工条件データS2、ワークデータS3、切削液データS4、加工工程データS5、切削液吐出位置データS6を作成する。
本実施形態による推定部120は、前処理部36が作成した状態データSに基づいて、学習モデル記憶部130に記憶された学習モデルを用いたそれぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価の推定を行う。本実施形態の推定部120では、学習部110により生成された(パラメータが決定された)学習モデルに対して、前処理部36から入力された状態データSを入力することで、それぞれの切削液ノズルから吐出されるより適切な切削液の吐出量を推定して出力する。推定部120が推定した結果は、吐出量決定部38に対して出力される。
本実施形態による吐出量決定部38は、推定部120により推定された、それぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の推定結果を、それぞれの切削液ノズルから吐出する切削液の量として決定し、決定された吐出量へと調整するように制御部32へと指令する。
上記した構成を備えた本実施形態による切削液量調整装置1は、それぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の量を、十分にワーク等の冷却が可能であって、且つ、より少ない量へと調整することができるようになる。
図10は、第5実施形態による切削液量調整装置1と機械学習装置100の概略的な機能ブロック図である。本実施形態の切削液量調整装置1は、機械学習装置100が教師あり学習を行う場合に必要とされる構成を備えている(学習モード)。図10に示した各機能ブロックは、図1に示した切削液量調整装置1が備えるCPU11、及び機械学習装置100のプロセッサ101が、それぞれのシステム・プログラムを実行し、切削液量調整装置1及び機械学習装置100の各部の動作を制御することにより実現される。
本実施形態の切削液量調整装置1は、制御部32、データ取得部34、前処理部36を備え、切削液量調整装置1が備える機械学習装置100は、第1学習部112、第2学習部114を含む学習部110を備えている。また、図1で示した不揮発性メモリ14上には、工作機械2、切削液供給装置3等から取得されたデータが記憶される取得データ記憶部52が設けられており、図1で示した機械学習装置100の不揮発性メモリ104上には、第1学習部112、第2学習部114による機械学習により構築された学習モデルを記憶する学習モデル記憶部130が設けられている。
本実施形態による制御部32、データ取得部34、前処理部36は、第1実施形態による制御部32、データ取得部34,前処理部36と同様の機能を備える。
本実施形態による学習部110は、第1学習部112及び第2学習部114を備える。
第1学習部112は、第1実施形態で説明した学習部110と同様に、前処理部36が作成した学習データを用いた機械学習を行い、それぞれの切削液ノズルについて、該切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の評価と、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態とを関連付けて学習した第1学習モデルを生成する。第1学習部112が生成する第1学習モデルは、それぞれの切削ノズルについて、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態が与えられた時に、そのような状態において切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量が十分であるか否かを推定するものとなる。
第2学習部114は、第3実施形態で説明した学習部110と同様に、学習データを用いた機械学習を行い、それぞれの切削液ノズルについて、該切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量と、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3から供給される切削液の状態とを関連付けて学習した第2学習モデルを生成する。第2学習部114は、第1学習部112が生成した第1学習モデルの学習結果を解析して、該解析結果に基づいた機械学習を行い、第2学習モデルを生成する。第2学習部114は、例えば第2実施形態で説明した吐出量決定部38が実行するのと同様の処理を第1学習モデルに対して実行し、それぞれの切削液ノズルについて、工作機械2及び切削液供給装置3の状態に対する、「吐出量は十分である」という推定の結果が得られる最小の切削液の吐出量を探索する。そして、第2学習部114は、工作機械2及び切削液供給装置3の状態と、探索された切削液の吐出量とを用いた機械学習を行い、それぞれの切削液ノズルについて、第2学習モデルを生成する。
本実施形態による切削液量調整装置1は、第1実施形態で示した切削液量調整装置1が備える学習部110と同様の機械学習方法で生成した第1学習モデルを用いて、第3実施形態で示した切削液量調整装置1が備える学習部110と同様の機械学習方法に用いる学習データを生成し、生成した学習データを用いて第2学習モデルを生成する。第1実施形態で示した切削液量調整装置1では、比較的容易に学習データを作成して学習を行うことができる半面、出来上がった学習モデルを用いて切削液ノズルの切削液の吐出量を決定するために探索処理を行う必要があった。一方で、第3実施形態で示した切削液量調整装置1では、学習モデルを用いてより適切な切削液ノズルの切削液の吐出量を直接推定できる半面、学習データを収集することが難しいという問題があった。本実施形態による切削液量調整装置1は、これら2つの学習方法を組み合わせることにより、比較的容易に学習データを収集でき、収集した学習データを用いてより適切な切削液ノズルの切削液の吐出量を直接推定できる学習モデルを生成することができる。このようにして生成された学習モデル(第2学習モデル)は、例えば第4実施形態による切削液量調整装置1における切削ノズルの切削液の吐出量の推定に用いることができる。
図11は、第6実施形態による切削液量調整装置1と機械学習装置100の概略的な機能ブロック図である。図11に示した各機能ブロックは、図1に示した切削液量調整装置1が備えるCPU11、及び機械学習装置100のプロセッサ101が、それぞれのシステム・プログラムを実行し、切削液量調整装置1及び機械学習装置100の各部の動作を制御することにより実現される。
本実施形態の切削液量調整装置1は、制御部32、データ取得部34、前処理部36を備え、切削液量調整装置1が備える機械学習装置100は、学習部110、意思決定部122を備えている。また、図1で示した不揮発性メモリ14上には、工作機械2、切削液供給装置3等から取得されたデータが記憶される取得データ記憶部52が設けられており、図1で示した機械学習装置100の不揮発性メモリ104上には、学習部110による機械学習により構築された学習モデルを記憶する学習モデル記憶部130が設けられている。
本実施形態による制御部32、データ取得部34は、第1実施形態による制御部32、データ取得部34と同様の機能を備える。
本実施形態による前処理部36は、機械学習装置100が強化学習をする場合においては、該学習における所定の形式の状態データS及び判定データDの組を学習データとして作成する。前処理部36は、状態データSとして、工具データS1、加工条件データS2、ワークデータS3、切削液データS4、加工工程データS5、切削液吐出位置データS6、切削液吐出量データS7を作成し、また、判定データDとして、前記した状態データSが取得される加工の状態において、それぞれの切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量を判定するためのデータである吐出量判定データD1、ワークの冷却状態や切粉の洗浄状態を判定するためのデータであるワーク状態判定データD2を作成する。
吐出量判定データD1は、切削液ノズルのそれぞれについて、切削液の吐出量が十分に少ないか否かを判定するための基準となるデータとして定義される。吐出量判定データD1は、例えば切削液ノズルから吐出される切削液の量が調整された結果、切削液ノズルから吐出する切削液の量が増加したのか、又は減少したのかを示すデータであって良い。吐出量判定データD1は、切削液ノズルから吐出される切削液の量の増減の度合いを含むデータであって良い。
ワーク状態判定データD2は、ワークの温度が十分に冷却されているか、また、ワークの表面に切粉が付着していないか等を判定するための基準となるデータとして定義される。ワーク状態判定データD2は、例えば工作機械2によるワークの加工状況を観察している作業者が表示器/MDIユニット70を用いた入力操作に基づいて作成するようにしても良い。これは、ワークの表面に切粉が付着している時に、作業者が表示器/MDIユニット70を操作して、該切粉が付着しているワークの位置に問題が有ることを入力することで、対応する位置の切削液ノズルから吐出される切削液の量が少ないと判断し、その旨を示すワーク状態判定データD2を作成するようにしても良い。また、ワーク状態判定データD2は、例えば工作機械2に取り付けたサーモグラフィ等の温度センサを用いてワークの各部分の温度を計測し、その計測結果に基づいて作成するようにしても良い。例えば、図4に示した例では、エリアa〜エリアeにおけるワークの温度を計測し、エリアcの位置が十分に温度が下がっていなかった場合、切削液ノズル301b,301c,301d(いずれもエリアcに切削液を掛けている切削液ノズル)に関して吐出量が少ないとし、そうでない場合には吐出量が適正であるとするワーク状態判定データD2を作成しても良い。更に、ワーク状態判定データD2は、例えば工作機械2に取り付けた視覚センサや距離センサ等を用いてワークの各部分から切粉が十分に取り除かれているか否かに基づいて作成するようにしても良い。ワーク状態判定データD2には、冷却の度合いや切粉の残り具合に応じた度合いを含めるようにしても良い。
本実施形態による学習部110は、前処理部36が作成した学習データを用いた機械学習を行う。学習部110は、公知の強化学習の手法により、それぞれの切削液ノズルについて、工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3による切削液の供給状態に対する、切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整行動を学習した学習モデルを生成し、生成した学習モデルを学習モデル記憶部130に記憶する。強化学習は、学習対象が存在する環境の現在状態(つまり入力)を観測すると共に現在状態で所定の行動(つまり出力)を実行し、その行動に対し何らかの報酬を与えるというサイクルを試行錯誤的に反復して、報酬の総計が最大化されるような方策(本願の機械学習装置100では、切削液ノズルからの切削液の吐出量の調整行動)を最適解として学習する手法である。学習部110が行う強化学習の手法としては、Q学習等が挙げられる。
学習部110によるQ学習において、報酬Rは、例えば、吐出量判定データD1が「切削液量が減少した」を示している場合に正(プラス)の報酬Rとし、吐出量判定データD1が「切削液量が増加した」を示している場合に負(マイナス)の報酬Rとすることができる。また、報酬Rは、例えば、ワーク状態判定データD2が「切削液量が適切である」を示している場合に正(プラス)の報酬Rとし、ワーク状態判定データD2が「切削液量が少ない」を示している場合に負(マイナス)の報酬Rとすることができる。更に、報酬Rは、操作判定データD1、ワーク状態判定データD2が示す度合いの大きさに応じて、より大きな正(プラス)の報酬R又は負(マイナス)の報酬Rと成るようにしても良い。
学習部110は、ニューラルネットワークを価値観数Q(学習モデル)をとして用い、状態データSと行動aとをニューラルネットワークの入力とし、当該状態における当該行動aの価値(結果y)を出力するように構成しても良い。この様に構成する場合、学習モデルとしては入力層、中間層、出力層の三層を備えたニューラルネットワークを用いても良いが、三層以上の層を為すニューラルネットワークを用いた、いわゆるディープラーニングの手法を用いることで、より効果的な学習及び推論を行うように構成することも可能である。学習部110が生成した学習モデルは、不揮発性メモリ104上に設けられた学習モデル記憶部130に記憶され、意思決定部122による切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整行動の決定に用いられる。
なお、学習部110は、学習の段階では必須の構成となるが、学習部110による切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整行動の学習が完了した後には必ずしも必須の構成ではない。例えば、学習が完了した機械学習装置100を顧客に出荷する場合等には、学習部110を取り外して出荷するようにしても良い。
意思決定部122は、図1に示した切削液量調整装置1が備えるプロセッサ101がROM102から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてプロセッサ101がRAM103、不揮発性メモリ104を用いた演算処理を行うことで実現される。意思決定部122は、前処理部36から入力された状態データSに基づいて、学習モデル記憶部130に記憶された学習モデルを用いた切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整行動の最適解を求め、求めた切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整行動を出力する。本実施形態の意思決定部122では、学習部110による強化学習により生成された(パラメータが決定された)学習モデルに対して、前処理部36から入力された状態データS(工具データS1、加工条件データS2、ワークデータS3、切削液データS4、加工工程データS5、切削液吐出位置データS6、切削液吐出量データS7)と、切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整行動(切削液ノズル毎の切削液の吐出量の決定)を入力データとして入力することで現在の状態において当該行動をとった場合の報酬を算出できるが、この報酬の算出を現在取り得る切削液の吐出量の調整行動について行い、算出された複数の報酬を比較して、最も大きな報酬が算出される切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整行動を最適解として決定する。意思決定部122が決定した切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整行動の最適解は、吐出量決定部38へと入力されて切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の決定に用いられる他、例えば表示器/MDIユニット70に表示出力したり、図示しない有線/無線ネットワークを介してフォグコンピュータやクラウドコンピュータ等に送信出力したりすることで利用しても良い。
上記した構成を備えた切削液量調整装置1では、工作機械2及び切削液供給装置3が動作している環境において、切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量を適切に調整することが可能となる。
以下の第7〜9実施形態では、第1〜6実施形態による切削液量調整装置1が、クラウドサーバやホストコンピュータ、フォグコンピュータ、エッジコンピュータ(ロボットコントローラ、制御装置等)を含む複数の装置と有線/無線のネットワークを介して相互に接続したシステムの一部として実装されている実施形態について説明する。図12に例示されるように、以下の第7〜9実施形態では、複数の装置のそれぞれがネットワークに接続された状態でクラウドサーバ6等を含む層、フォグコンピュータ7等を含む層、エッジコンピュータ8(セル9に含まれるロボットコントローラ、制御装置等)等を含む層の、3つの階層に論理的に分けて構成されているシステムを想定する。この様なシステムに於いて、本発明による一態様による切削液量調整装置1は、クラウドサーバ6、フォグコンピュータ7、エッジコンピュータ8のいずれの上にも実装することが可能であり、それぞれの複数の装置との間でネットワークを介して相互に機械学習に係る処理で用いるデータを共有して分散学習をしたり、生成した学習モデルをフォグコンピュータ7やクラウドサーバ6に収集して大規模な解析を行ったり、更に、生成した学習モデルの相互再利用等をしたりすることができる。図12に例示されるシステムにおいて、セル9は各地の工場にそれぞれ複数設けられ、それぞれのセル9を所定の単位(工場単位、同じ製造業者の複数の工場単位等)で上位層のフォグコンピュータ7が管理する。そして、これらフォグコンピュータ7が収集、解析したデータを、更に上位層のクラウドサーバ6で収集、解析等を行い、その結果として得られた情報を各々のエッジコンピュータ8における制御等に活用することができる。
図13はクラウドサーバ、フォグコンピュータ等のコンピュータ上に切削液量調整装置を実装した場合の概略的なハードウェア構成図である。
本実施形態によるコンピュータ上に実装された切削液量調整装置1’が備えるCPU311は、切削液量調整装置1’を全体的に制御するプロセッサである。CPU311は、ROM312に格納されたシステム・プログラムをバス320を介して読み出し、該システム・プログラムに従って切削液量調整装置1’の全体を制御する。RAM313には一時的な計算データや表示データ、図示しない入力部を介してオペレータが入力した各種データ等が一時的に格納される。
不揮発性メモリ314は、例えば図示しないバッテリでバックアップされるなどして、切削液量調整装置1’の電源がオフされても記憶状態が保持されるメモリとして構成される。不揮発性メモリ314には、入力装置371を介して入力されたプログラム、切削液量調整装置1’の各部やネットワーク5を介してロボットから取得された各種データが記憶されている。不揮発性メモリ14に記憶されたプログラムや各種データは、実行時/利用時にはRAM313に展開されても良い。また、ROM312には、公知の解析プログラムなどの各種のシステム・プログラム(後述する機械学習装置100とのやりとりを制御するためのシステム・プログラムを含む)があらかじめ書き込まれている。
切削液量調整装置1’は、インタフェース319を介して有線/無線のネットワーク5と接続されている。ネットワーク5には、少なくとも1つの工作機械2’(制御装置を備えた工作機械)や、他の切削液量調整装置1、エッジコンピュータ8、フォグコンピュータ7、クラウドサーバ6等が接続され、切削液量調整装置1’との間で相互にデータのやり取りを行っている。
表示装置370には、メモリ上に読み込まれた各データ、プログラム等が実行された結果として得られたデータ等がインタフェース317を介して出力されて表示される。また、キーボードやポインティングデバイス等から構成される入力装置371は、作業者による操作に基づく指令,データ等をインタフェース318を介してCPU311に渡す。
インタフェース321は、切削液量調整装置1’と機械学習装置100とを接続するためのインタフェースである。機械学習装置100については、図1で説明したものと同様の構成を備える。
この様に、クラウドサーバ、フォグコンピュータ等のコンピュータ上に切削液量調整装置1’を実装する場合、工作機械2’及び切削液供給装置3からの情報の取得や、切削液供給装置3に対する切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整の指令が、ネットワーク5を介してやり取りされる点を除けば、切削液量調整装置1’が備える機能については第1〜第6実施形態で説明したものと同様のものとなる。この時、工作機械2’は制御装置を備えているため、切削液量調整装置1’が備える制御部32は、工作機械2’の制御は行わず、工作機械2’が備える制御装置から該工作機械2’の加工状態に係る情報の取得を行う。また、切削液量調整装置1’が備える制御部32は、工作機械2’が備える制御装置を介した切削液供給装置3の間接的な制御を行うと共に、工作機械2’が備える制御装置を介した切削液の供給状態の取得を行う。
図14は、切削液量調整装置1’を備えた第7実施形態による切削液量調整システムの概略的な構成図である。切削液量調整システム500は、複数の切削液量調整装置1,1’、複数の工作機械2’、及びそれら切削液量調整装置1,1’、工作機械2’を互いに接続するネットワーク5とを備える。
切削液量調整システム500では、機械学習装置100を備える切削液量調整装置1’は、学習部110の学習結果を用いて、工作機械2’による加工状態及び切削液供給装置3による切削液の供給状態に基づいて、調整対象としている切削液供給装置3においてそれぞれの切削液ノズルから吐出する切削液の量を調整する。また、少なくとも1つの切削液量調整装置1’が、他の複数の切削液量調整装置1、1’のそれぞれが得た状態変数及びラベルデータL又は判定データDに基づき、全ての切削液量調整装置1、1’に共通する工作機械2,2’による加工状態及び切削液供給装置3による切削液の供給状態に対するそれぞれの切削液ノズルから吐出する切削液の量を調整を学習し、その学習結果を全ての切削液量調整装置1、1’が共有するように構成できる。したがって切削液量調整システム500によれば、より多様なデータ集合(状態変数S及びラベルデータL又は判定データDを含む)を入力として、学習の速度や信頼性を向上させることができる。
図15は、機械学習装置と切削液量調整装置とを異なる装置上に実装した第8実施形態によるシステムの概略的な構成図である。切削液量調整システム500’は、クラウドサーバ、ホストコンピュータ、フォグコンピュータ等のコンピュータの一部として実装された少なくとも1台の機械学習装置100(図15では、フォグコンピュータ7の一部として実装された例を示している)と、複数の切削液量調整装置1”と、それら切削液量調整装置1”とコンピュータとを互いに接続するネットワーク5とを備える。なお、コンピュータのハードウェア構成は、図13に示した切削液量調整装置1’の概略的なハードウェア構成と同様に、CPU311、RAM313,不揮発性メモリ314等の一般的なコンピュータが備えるハードウェアがバス320を介して接続して構成される。
上記構成を有する切削液量調整システム500’は、機械学習装置100が、複数の切削液量調整装置1”のそれぞれについて得られた状態変数S及びラベルデータL又は判定データDに基づき、全ての切削液量調整装置1”に共通する工作機械2による加工状態及び切削液供給装置3による切削液の供給状態に対する、切削液供給装置3が備えるそれぞれの切削液ノズルから吐出する切削液の量を調整を学習し、その学習結果を用いて、切削液供給装置3が備えるそれぞれの切削液ノズルから吐出する切削液の量を調整を行うことができる。切削液量調整システム500’の構成によれば、複数の切削液量調整装置1”のそれぞれが、存在する場所や時期に関わらず、必要なときに必要な数の切削液量調整装置1”を機械学習装置100に接続することができる。
図16は、機械学習装置100’と切削液量調整装置1とを備えた第9実施形態による切削液量調整システム500”の概略的な構成図である。切削液量調整システム500”は、エッジコンピュータやフォグコンピュータ、ホストコンピュータ、クラウドサーバ等のコンピュータの上に実装された少なくとも1台の機械学習装置100’(図16では、フォグコンピュータ7の一部として実装された例を示している)と、複数の切削液量調整装置1と、それら切削液量調整装置1とコンピュータとを互いに接続する有線/無線のネットワーク5とを備える。
上記構成を有する切削液量調整システム500”では、機械学習装置100’を備えるフォグコンピュータ7が、各々の切削液量調整装置1から、該切削液量調整装置1が備える機械学習装置100による機械学習の結果として得られた学習モデルを取得する。そして、フォグコンピュータ7が備える機械学習装置100’は、これら複数の学習モデルに基づく知識の最適化や効率化の処理を行うことで、新たに最適化乃至効率化された学習モデルを生成し、生成した学習モデルを各々の切削液量調整装置1に対して配布する。
機械学習装置100’が行う学習モデルの最適化乃至効率化の例としては、各切削液量調整装置1から取得した複数の学習モデルに基づいた蒸留モデルの生成が挙げられる。この場合、本実施例による機械学習装置100’は、学習モデルに対して入力する入力データを作成し、該入力データを各々の学習モデルに対して入力した結果として得られる出力を用いて、1から学習を行うことで新たに学習モデル(蒸留モデル)を生成する。このようにして生成された蒸留モデルは、上記でも説明したように、外部記憶媒体やネットワーク5を介して切削液量調整装置1や他のコンピュータに対して配布して活用される。
機械学習装置100’が行う学習モデルの最適化乃至効率化の他の例としては、各切削液量調整装置1から取得した複数の学習モデルに対して蒸留を行う過程において、入力データに対する各学習モデルの出力データの分布を一般的な統計的手法で解析し、入力データと出力データの組の外れ値を抽出し、該外れ値を除外した入力データと出力データの組を用いて蒸留を行うことも考えられる。このような過程を経ることで、それぞれの学習モデルから得られる入力データと出力データの組から例外的な推定結果を除外し、例外的な推定結果を除外した入力データと出力データの組を用いて蒸留モデルを生成することができる。このようにして生成された蒸留モデルは、複数の切削液量調整装置1で生成された学習モデルと比べてより汎用的な学習モデルとして活用することが可能となる。
なお、他の一般的な学習モデルの最適化乃至効率化の手法(各学習モデルを解析し、その解析結果に基づいて学習モデルのハイパパラメータを最適化する等)も適宜導入することが可能である。
本実施例による切削液量調整システム500”では、例えばエッジコンピュータとしての複数の切削液量調整装置1に対して設置されたフォグコンピュータ7の上に機械学習装置100’を配置し、各々の切削液量調整装置1で生成された学習モデルをフォグコンピュータ7上に集約して記憶しておき、記憶した複数の学習モデルに基づいた最適化乃至効率化を行った上で、最適化乃至効率化された学習モデルを必要に応じて各切削液量調整装置1に対して再配布するという運用を行うことができる。
また、本実施例による切削液量調整システム500”では、例えばフォグコンピュータ7の上に集約して記憶された学習モデルや、フォグコンピュータ7上で最適化乃至効率化された学習モデルを、更に上位のホストコンピュータやクラウドサーバ上に集め、これら学習モデルを用いて工場や切削液量調整装置1のメーカでの知的作業への応用(上位サーバでの更なる汎用的な学習モデルの構築及び再配布、学習モデルの解析結果に基づく保守作業の支援、各々の切削液量調整装置1の性能等の分析、新しい機械の開発への応用等)を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例のみに限定されることなく、適宜の変更を加えることにより様々な態様で実施することができる。
例えば、上記した実施形態では切削液量調整装置1と機械学習装置100が異なるCPU(プロセッサ)を有する装置として説明しているが、機械学習装置100は切削液量調整装置1が備えるCPU11と、ROM12に記憶されるシステム・プログラムにより実現するようにしても良い。
1,1’,1” 切削液量調整装置
2 工作機械
3 切削液供給装置
5 ネットワーク
6 クラウドサーバ
7 フォグコンピュータ
8 エッジコンピュータ
9 セル
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 不揮発性メモリ
15,18,19 インタフェース
17 I/Oユニット
20 バス
21 インタフェース
30 軸制御回路
32 制御部
34 データ取得部
36 前処理部
38 吐出量決定部
40 サーボアンプ
50 サーボモータ
60 スピンドル制御回路
61 スピンドルアンプ
62 スピンドルモータ
63 ポジションコーダ
52 取得データ記憶部
54 制御用プログラム
70 表示器/MDIユニット
100、100’ 機械学習装置
101 プロセッサ
102 ROM
103 RAM
104 不揮発性メモリ
110 学習部
112 第1学習部
114 第2学習部
120 推定部
122 意思決定部
130 学習モデル記憶部
301a〜301d 切削液ノズル
500,500’500” 切削液量調整システム

Claims (11)

  1. ワークを加工する工作機械の加工領域に切削液を供給する切削液供給装置が備える少なくとも1つの切削液ノズルからの切削液の吐出量を調整する切削液量調整装置であって、
    前記工作機械の加工状態を示すデータ、及び前記切削液供給装置から供給される切削液に係るデータを少なくとも取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部が取得したデータに基づいて、機械学習に用いるデータを作成する前処理部と、
    前記前処理部が作成したデータに基づいて、前記工作機械の前記ワークの加工が行われる環境における、前記切削液ノズルからの切削液の吐出量に係る機械学習の処理を実行する機械学習装置と、
    を備えた切削液量調整装置。
  2. 前記前処理部は、前記工作機械による前記ワークの加工に用いられる工具に係る情報を含む工具データ、前記工作機械による前記ワークの加工での加工条件に係る情報を含む加工条件データ、前記工作機械により加工される前記ワークに係る情報を含むワークデータ、前記切削液供給装置により前記工作機械の加工領域へと供給される切削液に係る情報を含む切削液データ、前記工作機械による前記ワークの加工工程に係る情報を含む加工工程データ、前記切削液ノズルによる切削液の吐出位置に係る情報を含む切削液吐出位置データ、前記切削液供給装置が備える切削液ノズルから吐出される切削液の量を含む切削液吐出量データを少なくとも含む状態データと、前記切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の良否を示す吐出量良否データを少なくとも含むラベルデータとを、前記機械学習装置による教師あり学習に用いるデータとして作成し、
    前記機械学習装置は、
    前記状態データ及び前記ラベルデータに基づいて、前記工作機械による加工状態及び前記切削液供給装置から供給される切削液の状態と、切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の良否と、を関連付けた学習モデルを生成する学習部を備える、
    請求項1に記載の切削液量調整装置。
  3. 前記前処理部は、前記工作機械による前記ワークの加工に用いられる工具に係る情報を含む工具データ、前記工作機械による前記ワークの加工での加工条件に係る情報を含む加工条件データ、前記工作機械により加工される前記ワークに係る情報を含むワークデータ、前記切削液供給装置により前記工作機械の加工領域へと供給される切削液に係る情報を含む切削液データ、前記工作機械による前記ワークの加工工程に係る情報を含む加工工程データ、前記切削液ノズルによる切削液の吐出位置に係る情報を含む切削液吐出位置データ、前記切削液供給装置が備える切削液ノズルから吐出される切削液の量を含む切削液吐出量データを少なくとも含む状態データを、前記機械学習装置による推定に用いるデータとして作成し、
    前記機械学習装置は、
    前記工作機械による加工状態及び前記切削液供給装置から供給される切削液の状態と、前記切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の良否と、を関連付けた学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、
    前記状態データに基づいて、前記学習モデル記憶部に記憶された学習モデルを用いた前記切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の良否を推定する推定部を備え、
    前記切削液量調整装置は、
    前記推定部が良と推定する最小の切削液の吐出量を探索し、探索した切削液の吐出量を前記切削液ノズルから吐出する切削液の量として決定する吐出量決定部を更に備える、
    請求項1に記載の切削液量調整装置。
  4. 前記前処理部は、前記工作機械による前記ワークの加工に用いられる工具に係る情報を含む工具データ、前記工作機械による前記ワークの加工での加工条件に係る情報を含む加工条件データ、前記工作機械により加工される前記ワークに係る情報を含むワークデータ、前記切削液供給装置により前記工作機械の加工領域へと供給される切削液に係る情報を含む切削液データ、前記工作機械による前記ワークの加工工程に係る情報を含む加工工程データ、前記切削液ノズルによる切削液の吐出位置に係る情報を含む切削液吐出位置データを少なくとも含む状態データと、前記切削液ノズルから吐出される切削液の量を含む適切吐出量データを少なくとも含むラベルデータとを、前記機械学習装置による教師あり学習に用いるデータとして作成し、
    前記機械学習装置は、
    前記状態データ及び前記ラベルデータに基づいて、前記工作機械による加工状態及び前記切削液供給装置から供給される切削液の状態と、切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量と、を関連付けた学習モデルを生成する学習部を備える、
    請求項1に記載の切削液量調整装置。
  5. 前記前処理部は、前記工作機械による前記ワークの加工に用いられる工具に係る情報を含む工具データ、前記工作機械による前記ワークの加工での加工条件に係る情報を含む加工条件データ、前記工作機械により加工される前記ワークに係る情報を含むワークデータ、前記切削液供給装置により前記工作機械の加工領域へと供給される切削液に係る情報を含む切削液データ、前記工作機械による前記ワークの加工工程に係る情報を含む加工工程データ、前記切削液ノズルによる切削液の吐出位置に係る情報を含む切削液吐出位置データを少なくとも含む状態データを、前記機械学習装置による推定に用いるデータとして作成し、
    前記機械学習装置は、
    前記工作機械による加工状態及び前記切削液供給装置から供給される切削液の状態と、前記切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量と、を関連付けた学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、
    前記状態データに基づいて、前記学習モデル記憶部に記憶された学習モデルを用いた前記切削液ノズルから吐出する切削液の量を推定する推定部を備え、
    前記切削液量調整装置は、
    前記推定部の推定結果に基づいて、前記切削液ノズルから吐出する切削液の量を決定する吐出量決定部を更に備える、
    請求項1に記載の切削液量調整装置。
  6. 前記前処理部は、前記工作機械による前記ワークの加工に用いられる工具に係る情報を含む工具データ、前記工作機械による前記ワークの加工での加工条件に係る情報を含む加工条件データ、前記工作機械により加工される前記ワークに係る情報を含むワークデータ、前記切削液供給装置により前記工作機械の加工領域へと供給される切削液に係る情報を含む切削液データ、前記工作機械による前記ワークの加工工程に係る情報を含む加工工程データ、前記切削液ノズルによる切削液の吐出位置に係る情報を含む切削液吐出位置データ、前記切削液供給装置が備える切削液ノズルから吐出される切削液の量を含む切削液吐出量データを少なくとも含む状態データと、前記切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の良否を示す吐出量良否データを少なくとも含むラベルデータとを、前記機械学習装置による教師あり学習に用いるデータとして作成し、
    前記機械学習装置は、
    前記状態データ及び前記ラベルデータに基づいて、前記工作機械による加工状態及び前記切削液供給装置から供給される切削液の状態と、切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の良否と、を関連付けた第1学習モデルを生成する第1学習部と、
    前記第1学習部が生成した第1学習モデルを用いた推定処理の結果に基づいて、前記工作機械による加工状態及び前記切削液供給装置から供給される切削液の状態と、切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量と、を関連付けた第2学習モデルを生成する第2学習部とを備えた学習部を備える、
    請求項1に記載の切削液量調整装置。
  7. 前記前処理部は、前記工作機械による前記ワークの加工に用いられる工具に係る情報を含む工具データ、前記工作機械による前記ワークの加工での加工条件に係る情報を含む加工条件データ、前記工作機械により加工される前記ワークに係る情報を含むワークデータ、前記切削液供給装置により前記工作機械の加工領域へと供給される切削液に係る情報を含む切削液データ、前記工作機械による前記ワークの加工工程に係る情報を含む加工工程データ、前記切削液ノズルによる切削液の吐出位置に係る情報を含む切削液吐出位置データ、前記切削液供給装置が備える切削液ノズルから吐出される切削液の量を含む切削液吐出量データを少なくとも含む状態データと、前記切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量を判定するための吐出量判定データ、前記ワークの状態を判定するためのワーク状態判定データを少なくとも含む判定データとを、前記機械学習装置による強化学習に用いるデータとして作成し、
    前記機械学習装置は、
    前記状態データ及び前記判定データに基づいて、前記工作機械による加工状態及び前記切削液供給装置から供給される切削液の状態と、前記切削液ノズルから吐出される切削液の吐出量の調整行動と、を関連付けた学習モデルを生成する学習部と、
    前記状態データに基づいて、前記学習部が生成した学習モデルを用いた前記切削液ノズルから吐出する切削液の吐出量の調整を決定する意思決定部と、
    を備え、
    前記切削液量調整装置は、
    前記意思決定部の決定に基づいて、前記切削液ノズルから吐出する切削液の量を決定する吐出量決定部を更に備える、
    請求項1に記載の切削液量調整装置。
  8. 複数の装置がネットワークを介して相互に接続されたシステムであって、
    前記複数の装置は、少なくとも請求項2,4,6,7のいずれか1つに記載された切削液量調整装置である第1の切削液量調整装置を含む
    切削液量調整システム。
  9. 前記複数の装置は、機械学習装置を備えたコンピュータを含み、
    前記コンピュータは、前記第1の切削液量調整装置の前記学習部における学習により生成された少なくとも1つの学習モデルを取得し、
    前記コンピュータが備える機械学習装置は、取得した前記学習モデルに基づく最適化乃至効率化を行う、
    請求項8に記載の切削液量調整システム。
  10. 前記複数の装置は、前記第1の切削液量調整装置とは異なる第2の切削液量調整装置を含み、
    前記第1の切削液量調整装置が備える学習部による学習結果は、前記第2の切削液量調整装置と共有される、
    請求項8に記載の切削液量調整システム。
  11. 前記複数の装置は、前記第1の切削液量調整装置とは異なる第2の切削液量調整装置を含み、
    前記第2の切削液量調整装置において観測されたデータは、前記ネットワークを介して前記第1の切削液量調整装置が備える学習部による学習に利用可能である、
    請求項8に記載の切削液量調整システム。
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