JP2020130415A - 麻酔装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】沸点が低い麻酔薬であっても、所定量の麻酔薬を精度高く気化室に送液可能な麻酔装置を提供する。【解決手段】麻酔薬タンク21、22に貯留された液状の麻酔薬を定量ポンプ4で気化室5に送り、麻酔薬を気化して患者に供給する麻酔装置であって、定量ポンプ4の吐出口42までの上流側において麻酔薬を冷却し、定量ポンプ4内の麻酔薬を液状に維持する冷却器3を備える。【選択図】図1

Description

この発明は、液状の麻酔薬を気化して患者に供給、投与する麻酔装置に関する。
麻酔薬の投与量をより適正に制御するなどのために、液状の麻酔薬を気化させて患者に供給する麻酔装置が従来から使用されている(特許文献1および非特許文献1参照)。この麻酔装置は、麻酔薬タンクに貯留されたセボフルランやイソフルランなどの麻酔薬(麻酔液)が、定量ポンプによって気化室に搬送、送液される。一方、酸素、亜酸化窒素および空気を混合したフレッシュガスが気化室に供給され、気化室で気化された麻酔薬とフレッシュガスとが混合されて、患者に供給されるものである。
また、このような麻酔装置においては、微少量の麻酔薬(麻酔液)を高精度に所定量だけ気化室に送液する必要がある。このため、定量ポンプをステッピングモータで駆動し、このステッピングモータの回転運動を定量ポンプのプランジャの往復運動と回転運動に変えて送液する機構となっている。すなわち、プランジャの端部に切り欠き部が設けられ、定量ポンプのシリンダの側壁に吸込口と吐出口とが設けられている。そして、プランジャが回転しながら進退動(往復運動)することで、切り欠き部が吸込口に対向した際に麻酔薬をシリンダ内に吸い込み、切り欠き部が吐出口に対向した際にシリンダ内の麻酔薬を吐き出すものである。
特開2016−166559号公報
沖田一成;「電子式麻酔ガスデリバリー装置を搭載した使いやすい麻酔器」、医器学Vol.69,No.8(1999)
ところで、従来は主として、セボフルランやイソフルランなどの沸点が高い(例えば、約50℃以上の)麻酔薬が使用されていた。このため、麻酔薬タンクからの麻酔薬(麻酔液)が、定量ポンプから吐出されるまでの間に気化することはなかった。しかしながら、近年、デスフルランなどの沸点が低い(例えば、約20℃強の)麻酔薬が使用され始めており、このような麻酔薬を従来の麻酔装置で使用する場合、麻酔薬が定量ポンプから吐出されるまでの間に気化してしまう。この結果、所定量の麻酔薬を定量ポンプで精度高く気化室に送液することが困難となる。
すなわち、麻酔薬の沸点が高く液状のままの場合には、図7に示すプランジャ101の切り欠き部(デッドスペース)101a内の麻酔薬M2は、この切り欠き部101aに留まったままであり、プランジャ101の進退動による体積変化分だけの麻酔薬M1が吐出される。しかしながら、沸点が低い麻酔薬の場合には、切り欠き部101aがシリンダ102の吐出口102aに対向した際に、切り欠き部101a内の麻酔薬M2が蒸発・気化して体積が膨張し、麻酔薬M1のみではなく麻酔薬M2の一部または全部も吐出してしまう場合がある。つまり、所定量の麻酔薬を精度高く気化室に送液できなくなる、という問題が生じる。
そこでこの発明は、沸点が低い麻酔薬であっても、所定量の麻酔薬を精度高く気化室に送液可能な麻酔装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、麻酔薬タンクに貯留された液状の麻酔薬を定量ポンプで気化室に送り、前記麻酔薬を気化して患者に供給する麻酔装置であって、前記定量ポンプの吐出口までの上流側において前記麻酔薬を冷却し、前記定量ポンプ内の前記麻酔薬を液状に維持する冷却手段を備える、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の麻酔装置において、前記定量ポンプは、吸込口と吐出口が設けられたシリンダと、該シリンダ内を軸心方向に進退動し切り欠き部が設けられたプランジャと、を備え、前記プランジャが軸心周りに回転しながら進退動することで、前記切り欠き部が前記吸込口に対向した際に前記麻酔薬を前記シリンダ内に吸い込み、前記切り欠き部が前記吐出口に対向した際に前記シリンダ内の前記麻酔薬を吐き出すポンプであり、前記切り欠き部が前記吐出口を通過する際の回転速度が、他の回転時の速度よりも速く設定されている、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の麻酔装置において、前記定量ポンプの吸込口が吸込管を介して前記麻酔薬タンク側に接続され、前記定量ポンプの吐出口が吐出管を介して前記気化室側に接続され、前記吐出管の管内抵抗が前記吸込管の管内抵抗よりも大きく設定されている、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3に記載の麻酔装置において、複数の前記麻酔薬タンクを備え、所定の麻酔薬が貯留された麻酔薬タンクが選択された場合に、前記冷却手段を作動させる、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4に記載の麻酔装置において、前記冷却手段の放熱面が前記気化室と隣接して配設されている、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、沸点が低い麻酔薬であっても、冷却手段によって定量ポンプ内の麻酔薬が液状に維持される。このため、定量ポンプ内で麻酔薬が気化することがなく、定量ポンプで所定量の麻酔薬を精度高く気化室に送液することが可能となる。
請求項2の発明によれば、プランジャの切り欠き部が吐出口を通過する際の回転速度が他よりも速く設定されているため、切り欠き部が吐出口に対向する時間が短くなる。このため、切り欠き部が吐出口と対向する間に切り欠き部内の麻酔薬が気化してしまうのを防止、抑制することができ、この結果、定量ポンプで所定量の麻酔薬をより精度高く気化室に送液することが可能となる。
請求項3の発明によれば、吐出管の管内抵抗が吸込管の管内抵抗よりも大きく設定されているため、麻酔薬が吐出管を通過する際の抵抗・圧力が高くなり、麻酔薬が過剰に吐出管から気化室側に流れるのを防止、抑制することが可能となる。この結果、定量ポンプで所定量の麻酔薬をより精度高く気化室に送液することが可能となる。
請求項4の発明によれば、所定の麻酔薬、例えば、沸点が低い麻酔薬が貯留された麻酔薬タンクが選択された場合に、冷却手段が作動される。換言すると、沸点が低い麻酔薬以外の麻酔薬、例えば、沸点が高い麻酔薬が貯留された麻酔薬タンクが選択された場合には、冷却手段が作動されないため、冷却手段が無駄に作動するのを防止して、省力化することが可能となる。
請求項5の発明によれば、冷却手段の放熱面が気化室と隣接して配設されているため、冷却手段からの放熱を気化室の熱源として利用することが可能となり、省力化することが可能となる。
この発明の実施の形態に係る麻酔装置を示す概略構成図である。 図1の麻酔装置の定量ポンプのプランジャの切り欠き部が、吸込口に対向した状態を示す断面図である。 図1の麻酔装置の定量ポンプのプランジャの切り欠き部が、吸込口を通過した状態を示す断面図である。 図1の麻酔装置の定量ポンプのプランジャの切り欠き部が、吐出口に対向した状態を示す断面図である。 図1の麻酔装置の定量ポンプのプランジャ状態を示す図(a)〜(d)と、定量ポンプの吸吐状態を示す図(e)と、ステッピングモータの駆動パルスのタイムチャート(f)である。 図1の麻酔装置の制御部周辺を示す概略構成ブロック図である。 従来の定量ポンプのプランジャの切り欠き部が、吐出口に対向した状態を示す断面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1〜図6は、この発明の実施の形態を示し、図1は、この実施の形態に係る麻酔装置1を示す概略構成図である。この麻酔装置1は、麻酔薬タンク21、22に貯留された液状の麻酔薬を定量ポンプ4で気化室5に送り、麻酔薬を気化して患者に供給する装置であり、主として、冷却器(冷却手段)3を備える点で従来の麻酔装置と構成が異なり、従来の麻酔装置と同等の構成については、その説明を省略、概説する。
麻酔薬タンク21、22は、液状の麻酔薬を貯留するタンクであり、第1の麻酔薬タンク21には、セボフルランなどの沸点が高い(例えば、約50℃以上の)麻酔薬が貯留され、第2の麻酔薬タンク22には、デスフルランなどの沸点が低い(例えば、約20℃強の)麻酔薬が貯留されている。この2つの麻酔薬タンク21、22が、スイッチングバルブ(切替弁)23を介して定量ポンプ4側に接続されている。そして、後述するようにしてスイッチングバルブ23が切り替えられることで、第1の麻酔薬タンク21内の麻酔薬または第2の麻酔薬タンク22内の麻酔薬が、定量ポンプ4で吸い込まれるようになっている。
定量ポンプ4は、麻酔薬タンク21、22内の液状の麻酔薬を所定量だけ気化室5に送るバルブレスのプランジャポンプであり、図2に示すように、シリンダ40と、このシリンダ40内に挿入されたプランジャ43と、を備える。すなわち、シリンダ40は、有底の円筒状で、シリンダ40の側壁を貫通する吸込口41と吐出口42が、互いに対向して底面側に設けられている。プランジャ43は、円柱状で、自由端部側(シリンダ40の底面側)に側面をDカット状に切り欠いた切り欠き部43aが設けられている。
そして、後述するようにして、プランジャ43が軸心周りに回転しながら軸心方向に進退動(往復運動)することで、麻酔薬の吸い込みおよび吐き出しを繰り返す。すなわち、図2に示すように、プランジャ43が上昇しながら切り欠き部43aが吸込口41に対向する際に、麻酔薬タンク21、22側の麻酔薬をシリンダ40内に吸い込む。そして、図3に示すように、切り欠き部43aが吸込口41を通過した後に、図4に示すように、プランジャ43が降下しながら切り欠き部43aが吐出口42に対向する際に、シリンダ40内の麻酔薬を気化室5側に吐き出す。このようにして、切り欠き部43aを有するプランジャ43が回転および進退動することで、プランジャ43が吸込口41および吐出口42を開閉するため、バルブが不要となっている。
このような定量ポンプ4は、図5(a)〜(d)に示すように、ステッピングモータ61によって駆動されるようになっている。すなわち、ステッピングモータ61の出力軸に円筒形状のクランク62が接続され、このクランク62に設けられた軸受62aに、連結ピン62bを介して定量ポンプ4のプランジャ43の上端部が接続されている。ここで、ステッピングモータ61の出力軸の軸心とプランジャ43の軸心とが偏心するように(平行しないで所定のなす角θを有するように)、接続されている。これにより、ステッピングモータ61の出力軸つまりクランク62が一定方向に回転すると、連結ピン62bの位置、向きが移動して、プランジャ43が回転すると同時にシリンダ40内を進退動するものである。このような偏心構造により、プランジャ43の軸方向のストローク長は、ステッピングモータ61の出力軸の軸心とプランジャ43の軸心とのなす角θに応じて変化する。従って、なす角θを変えることで、定量ポンプ4の吐出量を変更・調整可能となっている。
このような定量ポンプ4から吐き出された麻酔薬が、ヒーターを備えた気化室5に送られて、フレッシュガスと混合される。すなわち、定量ポンプ4の吐出口42に吐出管51の一端部が接続され、吐出管51の他端部が気化室5の混合管50の上流側に接続され、さらに、混合管50の上流端には、フレッシュガス管52の一端部が接続されている。一方、混合管50の下流端には、麻酔ガス管53の一端部が接続されている。
そして、定量ポンプ4からの麻酔薬が、混合管50内に送られヒーターで加熱されて気化するとともに、フレッシュガス管52の他端部から送られたフレッシュガス(例えば、酸素、亜酸化窒素および空気の混合ガス)と混合されて、麻酔ガスとなる。この麻酔ガスが麻酔ガス管53の他端部から患者に供給されるものである。また、麻酔ガス管53には、麻酔ガスの麻酔濃度を測定する濃度測定器54が設けられ、この濃度測定器54の測定結果に基づいて、定量ポンプ4の吐出量が変更・調整されるようになっている。
このような構成において、麻酔薬タンク21、22から定量ポンプ4の吐出口42までの上流側LEで麻酔薬を冷却し、定量ポンプ4内の麻酔薬を液状に維持する冷却器3を備える。具体的に、この実施の形態では、スイッチングバルブ23と定量ポンプ4の吸込口41との間に、冷却器3が設けられている。なお、図1の符号GEは、吐出口42よりも下流側を示す。
この冷却器3は、冷却管30と、ペルチェ素子(熱電素子)などの冷却素子と、を備える。冷却管30の上流端は、送液管24によってスイッチングバルブ23の出力側と接続され、冷却管30の下流端は、吸込管31によって定量ポンプ4の吸込口41と接続されている。このようにして、定量ポンプ4の吸込口41が、吸込管31、冷却器3および送液管24を介して麻酔薬タンク21、22に接続されている。
そして、送液管24から冷却管30内に送られた麻酔薬が、冷却素子によって冷却され、吸込管31を介して定量ポンプ4内に吸い込まれる。このとき、定量ポンプ4内の麻酔薬が液状に維持されるように、より具体的には、プランジャ43の切り欠き部43aが吐出口42に対向しても切り欠き部43a内の麻酔薬が気化しないように、冷却器3による冷却温度、冷却能力が設定されている。
このような冷却器3は、その放熱面が気化室5と隣接するように配設されている。すなわち、冷却器3の冷却素子から放熱される放熱面が、気化室5の混合管50の配設面と接近・面接触するように、冷却器3が配置されている。これにより、冷却器3からの放熱が混合管50に伝熱されて、混合管50内の麻酔薬などが効率的に加熱されるようになっている。
また、吐出管51の内径は、吸込管31の内径よりも小さく設定されている。具体的には、所定量の麻酔薬が流れる範囲内において、吐出管51の内径ができるだけ小さく設定されている。例えば、吐出管51の内径は、吸込管31の内径の1/6程度に設定されている。このような内径により、吐出管51の管内抵抗が吸込管31の管内抵抗よりも大きく設定されている。ここで、吐出管51の内径を小さくするのに代えて、あるいは、小さくするのに加えて、吐出管51の管内抵抗が大きくなるように、吐出管51の断面形状や内面粗さを変えてもよい。
また、図6に示すように、制御部71と操作パネル72とを備え、操作パネル72からの入力指令に基づいて、スイッチングバルブ23や冷却器3、ステッピングモータ61などを制御部71で制御するようになっている。ここで、従来と異なる制御のみについて、以下に説明する。
まず、操作パネル72で麻酔薬つまり麻酔薬タンク21、22が選択されると、その麻酔薬タンク21、22が送液管24と連通するようにスイッチングバルブ23を切り替える。さらに、所定の麻酔薬つまり所定の麻酔薬タンク21、22が選択された場合には、冷却器3を作動・起動させる。具体的には、沸点が低い麻酔薬が貯留された第2の麻酔薬タンク22が選択された場合に、冷却器3を作動させ、沸点が高い麻酔薬が貯留された第1の麻酔薬タンク21が選択された場合には、冷却器3を作動停止する。
また、操作パネル72で所定の麻酔薬が選択された場合には、プランジャ43の切り欠き部43aが吐出口42を通過する際の回転速度が、他の回転時の速度よりも速くなるようにステッピングモータ61を制御する(第2の制御を行う)。すなわち、図5(e)、(f)に示すように、切り欠き部43aが吸込口41に対向して麻酔薬をシリンダ40内に吸い込む時間に比べて、切り欠き部43aが吐出口42に対向してシリンダ40内の麻酔薬を吐き出す時間ができるだけ短くなるように、ステッピングモータ61の駆動パルスを制御する。具体的には、吸込時には駆動パルス幅(パルスの時間間隔)を長くし、吐出時には駆動パルス幅を短くする。これにより、プランジャ43が回転運動および往復運動して、切り欠き部43aが吐出口42を通過(対向)する時間が、切り欠き部43aが吸込口41を通過(対向)する時間よりも著しく短くなる。
一方、操作パネル72で所定の麻酔薬以外の麻酔薬が選択された場合には、通常の制御つまり第1の制御を行う。ここで、第1の制御とは、ステッピングモータ61の駆動パルスを常時一定間隔とし、プランジャ43が一定の速度で回転運動および往復運動を行うものである。
次に、このような構成の麻酔装置1の作用および、麻酔装置1による麻酔供給方法について説明する。ここで、第1の麻酔薬タンク21に沸点が周囲温度(室温)より高いセボフルランが貯留され、第2の麻酔薬タンク22に沸点が室温より低いデスフルラン(所定の麻酔薬)が貯留されている場合について、主として説明する。
まず、操作パネル72でセボフルランつまり第1の麻酔薬タンク21が選択されると、制御部71によってスイッチングバルブ23が第1の麻酔薬タンク21に切り替えられるとともに、冷却器3が作動停止される。続いて、第1の制御でステッピングモータ61が駆動され、定量ポンプ4のプランジャ43が一定の速度で回転運動および往復運動を行う。これにより、第1の麻酔薬タンク21内のセボフルランが気化室5に送られて気化されるとともに、フレッシュガス管52からのフレッシュガスと混合されて麻酔ガスとなり、この麻酔ガスが麻酔ガス管53を介して患者に供給、投与される。ここで、セボフルランは、沸点が高いため、定量ポンプ4内において液状のまま維持される。
一方、操作パネル72でデスフルランつまり第2の麻酔薬タンク22が選択されると、制御部71によってスイッチングバルブ23が第2の麻酔薬タンク22に切り替えられるとともに、冷却器3が作動される。続いて、第2の制御でステッピングモータ61が駆動され、切り欠き部43aが吐出口42を速く通過するように、プランジャ43が回転運動および往復運動を行う。これにより、第2の麻酔薬タンク22内のデスフルランが、冷却器3で冷却されて定量ポンプ4内において液状に維持される。そして、デスフルランが気化室5に送られて気化されるとともに、フレッシュガス管52からのフレッシュガスと混合されて麻酔ガスとなり、この麻酔ガスが麻酔ガス管53を介して患者に供給される。
このように、この麻酔装置1および麻酔供給方法によれば、沸点が低い麻酔薬であっても、冷却器3によって定量ポンプ4内の麻酔薬が液状に維持される。このため、定量ポンプ4内で麻酔薬が気化することがなく、定量ポンプ4で所定量の麻酔薬を精度高く気化室5に送液することが可能となる。
また、プランジャ43の切り欠き部43aが吐出口42を通過する際の回転速度が他よりも速く設定されているため、切り欠き部43aが吐出口42に対向する時間が短くなる。このため、切り欠き部43aが吐出口42と対向する間に切り欠き部43a内の麻酔薬が気化してしまうのを防止、抑制することができ、この結果、定量ポンプ4で所定量の麻酔薬をより精度高く気化室5に送液することが可能となる。
しかも、吐出管51の管内抵抗が吸込管31の管内抵抗よりも大きく設定されているため、麻酔薬が吐出管51を通過する際の抵抗・圧力が高くなり、麻酔薬が過剰に吐出管51から気化室5側に流れるのを防止、抑制することが可能となる。この結果、定量ポンプ4で所定量の麻酔薬をより精度高く気化室5に送液することが可能となる。
一方、所定の麻酔薬、つまり、沸点が低い麻酔薬が貯留された第2の麻酔薬タンク22が選択された場合にのみ、冷却器3が作動される。換言すると、沸点が低い麻酔薬以外の麻酔薬、例えば、沸点が高い麻酔薬が貯留された第1の麻酔薬タンク21が選択された場合には、冷却器3が作動されないため、冷却器3が無駄に作動するのを防止して、省力化することが可能となる。
さらに、冷却器3の放熱面が気化室5と隣接・面接触して配設されているため、冷却器3からの放熱を気化室5の熱源として利用する(放熱で混合管50を加熱する)ことが可能となり、気化室5の消費電力を省力化することが可能となる。
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、2種類の麻酔薬つまり2つの麻酔薬タンク21、22を備える場合について説明したが、3つ以上の麻酔薬および麻酔薬タンクを備えてもよい。
また、スイッチングバルブ23と定量ポンプ4の吸込口41との間に、冷却器3を設けているが、上流側LEであればどこに設けてもよい。例えば、定量ポンプ4に接するように冷却器3を配置し、定量ポンプ4を直接冷却するようにしてもよい。また、沸点が低い麻酔薬の場合にのみ、冷却器3を作動させて第2の制御でステッピングモータ61を駆動させているが、常に、冷却器3を作動させたり第2の制御でステッピングモータ61を駆動させたりしてもよい。
1 麻酔装置
21 第1の麻酔薬タンク
22 第2の麻酔薬タンク
23 スイッチングバルブ(切替弁)
3 冷却器(冷却手段)
30 冷却管
31 吸込管
4 定量ポンプ
40 シリンダ
41 吸込口
42 吐出口
43 プランジャ
43a 切り欠き部
5 気化室
50 混合管
51 吐出管
54 濃度測定器
61 ステッピングモータ
62 クランク
71 制御部
72 操作パネル
LE 上流側
GE 下流側
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、麻酔薬タンクに貯留された液状の麻酔薬を定量ポンプで気化室に送り、前記麻酔薬を気化して患者に供給する麻酔装置であって、前記定量ポンプの吐出口までの上流側において前記麻酔薬を冷却し、前記定量ポンプ内の前記麻酔薬を液状に維持する冷却手段を備え、前記定量ポンプは、吸込口と吐出口が設けられたシリンダと、該シリンダ内を軸心方向に進退動し切り欠き部が設けられたプランジャと、を備え、前記プランジャが軸心周りに回転しながら進退動することで、前記切り欠き部が前記吸込口に対向した際に前記麻酔薬を前記シリンダ内に吸い込み、前記切り欠き部が前記吐出口に対向した際に前記シリンダ内の前記麻酔薬を吐き出すポンプであり、前記切り欠き部が前記吐出口を通過する際の回転速度が、他の回転時の速度よりも速く設定されている、ことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の麻酔装置において、前記定量ポンプの吸込口が吸込管を介して前記麻酔薬タンク側に接続され、前記定量ポンプの吐出口が吐出管を介して前記気化室側に接続され、前記吐出管の管内抵抗が前記吸込管の管内抵抗よりも大きく設定されている、ことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の麻酔装置において、複数の前記麻酔薬タンクを備え、所定の麻酔薬が貯留された麻酔薬タンクが選択された場合に、前記冷却手段を作動させる、ことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から3に記載の麻酔装置において、前記冷却手段の放熱面が前記気化室と隣接して配設されている、ことを特徴とする。
さらには、プランジャの切り欠き部が吐出口を通過する際の回転速度が他よりも速く設定されているため、切り欠き部が吐出口に対向する時間が短くなる。このため、切り欠き部が吐出口と対向する間に切り欠き部内の麻酔薬が気化してしまうのを防止、抑制することができ、この結果、定量ポンプで所定量の麻酔薬をより精度高く気化室に送液することが可能となる。
請求項の発明によれば、吐出管の管内抵抗が吸込管の管内抵抗よりも大きく設定されているため、麻酔薬が吐出管を通過する際の抵抗・圧力が高くなり、麻酔薬が過剰に吐出管から気化室側に流れるのを防止、抑制することが可能となる。この結果、定量ポンプで所定量の麻酔薬をより精度高く気化室に送液することが可能となる。
請求項の発明によれば、所定の麻酔薬、例えば、沸点が低い麻酔薬が貯留された麻酔薬タンクが選択された場合に、冷却手段が作動される。換言すると、沸点が低い麻酔薬以外の麻酔薬、例えば、沸点が高い麻酔薬が貯留された麻酔薬タンクが選択された場合には、冷却手段が作動されないため、冷却手段が無駄に作動するのを防止して、省力化することが可能となる。
請求項の発明によれば、冷却手段の放熱面が気化室と隣接して配設されているため、冷却手段からの放熱を気化室の熱源として利用することが可能となり、省力化することが可能となる。

Claims (5)

  1. 麻酔薬タンクに貯留された液状の麻酔薬を定量ポンプで気化室に送り、前記麻酔薬を気化して患者に供給する麻酔装置であって、
    前記定量ポンプの吐出口までの上流側において前記麻酔薬を冷却し、前記定量ポンプ内の前記麻酔薬を液状に維持する冷却手段を備える、
    ことを特徴とする麻酔装置。
  2. 前記定量ポンプは、吸込口と吐出口が設けられたシリンダと、該シリンダ内を軸心方向に進退動し切り欠き部が設けられたプランジャと、を備え、前記プランジャが軸心周りに回転しながら進退動することで、前記切り欠き部が前記吸込口に対向した際に前記麻酔薬を前記シリンダ内に吸い込み、前記切り欠き部が前記吐出口に対向した際に前記シリンダ内の前記麻酔薬を吐き出すポンプであり、
    前記切り欠き部が前記吐出口を通過する際の回転速度が、他の回転時の速度よりも速く設定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の麻酔装置。
  3. 前記定量ポンプの吸込口が吸込管を介して前記麻酔薬タンク側に接続され、前記定量ポンプの吐出口が吐出管を介して前記気化室側に接続され、
    前記吐出管の管内抵抗が前記吸込管の管内抵抗よりも大きく設定されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の麻酔装置。
  4. 複数の前記麻酔薬タンクを備え、所定の麻酔薬が貯留された麻酔薬タンクが選択された場合に、前記冷却手段を作動させる、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の麻酔装置。
  5. 前記冷却手段の放熱面が前記気化室と隣接して配設されている、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の麻酔装置。
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