JP2020129854A - キャリア及び搬送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送路の固定子の配置態様に応じて推力定数を変更できるキャリア、及び搬送システムを提供すること。【解決手段】被位置情報読取部が設けられ複数の固定子が配置された第1搬送路と、被位置情報読取部が設けられ第1搬送路とは異なる態様で複数の固定子が配置された第2搬送路とを移動するキャリアであって、キャリアは、複数の固定子により生じる磁力を利用して推力を発生させる可動子と、被位置情報読取部から位置情報を読み取る位置情報読取部と、可動子へ供給する電力を推力定数に基づいて制御し、第1搬送路から第2搬送路へ移動するのに合わせて、第1搬送路の複数の固定子の配置態様に応じた第1推力定数から、第2搬送路の複数の固定子の配置態様に応じた第2推力定数への変更を位置情報に基づいて行いつつ、可動子へ供給する電力を制御する電力制御装置と、を備える。【選択図】図5

Description

本開示は、推力定数に基づいて推力を制御するキャリア、及びそのキャリアを備える搬送システムに関するものである。
従来、物品を搬送するキャリアを、搬送路に沿って走行させる搬送システムがある(例えば、特許文献1など)。特許文献1に記載の搬送システムでは、搬送路に固定子を配置し、キャリアに可動子を取り付け、固定子と可動子との間に発生する磁力により、キャリアを移動させる。搬送路は、直線搬送路と、その直線搬送路に接続される曲線搬送路とを有している。
国際公開第WO2012/056838号
直線搬送路に配置された固定子と、曲線搬送路に配置された固定子では、搬送路の形状の違いから配置態様に違いが発生する。例えば、固定子間のピッチや固定子によって生じる磁束密度は、直線搬送路と曲線搬送路とで異なる場合がある。一方で、所謂、ムービングコイル型のリニアモータでは、例えば、キャリアに設けた可動子へ供給する電力を推力定数に基づいて制御する。直線搬送路と曲線搬送路とで固定子の配置態様が異なることで、仮に、直線搬送路と曲線搬送路とで同一の推力定数を用いて制御を実行すると、磁力に基づく推力に変動が発生し、キャリアの走行が不安定となる虞がある。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、搬送路の固定子の配置態様に応じて推力定数を変更できるキャリア、及び搬送システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は、被位置情報読取部が設けられ複数の固定子が配置された第1搬送路と、前記被位置情報読取部が設けられ前記第1搬送路とは異なる態様で前記複数の固定子が配置された第2搬送路とを移動するキャリアであって、前記複数の固定子により生じる磁力を利用して推力を発生させる可動子と、前記被位置情報読取部から位置情報を読み取る位置情報読取部と、前記可動子へ供給する電力を推力定数に基づいて制御し、前記第1搬送路から前記第2搬送路へ移動するのに合わせて、前記第1搬送路の前記複数の固定子の配置態様に応じた第1推力定数から、前記第2搬送路の前記複数の固定子の配置態様に応じた第2推力定数への変更を前記位置情報に基づいて行いつつ、前記可動子へ供給する電力を制御する電力制御装置と、を備える、キャリアを開示する。
また、本開示の内容は、キャリアとしての実施だけでなく、キャリアを備える搬送システムとして実施しても有益である。
本開示のキャリア等によれば、電力制御装置は、第1搬送路から第2搬送路へ移動する際に、位置情報読取部で読み取った位置情報に基づいて推力定数を第1推力定数から第2推力定数へ変更し、変更した推力定数に基づいて可動子へ供給する電力を制御する。可動子は、各搬送路の固定子の配置態様に応じた推力定数に基づいて、電力を供給される。これにより、第1及び第2搬送路を移動する際の推力の変動を抑制し、キャリアを安定して走行させることができる。
本実施形態の搬送システムが備える直線固定装置及びキャリアの斜視図である。 図1の内部を示した斜視図である。 直線固定装置の断面図である。 キャリアの側面図である。 搬送システムの電気的な構成を示す図である。 搬送システムの概要を示す模式図である。 直線固定装置及び曲線固定装置の斜視図である。 直線固定装置及び曲線固定装置の搬送路を走行するキャリアを示す模式図である。 直線固定装置及び曲線固定装置の搬送路を走行するキャリアを示す模式図である。 制御データの内容の一部を示す図である。 推力定数と位置情報との関係を示すグラフである。 比較例の推力定数と位置情報との関係を示すグラフである。 別例の推力定数と位置情報との関係を示すグラフである。
以下、本願の搬送システムを具体化した一実施形態について説明する。図1は、後述する搬送システム10(図6参照)が備える直線固定装置11及びキャリア13の斜視図を示している。図1は、直線状の直線固定装置11に、キャリア13を配置した状態を示している。搬送システム10は、リニアモータの駆動によって直線固定装置11や曲線固定装置11A(図7参照)においてキャリア13を移動させるシステムである。まず、図1に示す直線の搬送路を有する直線固定装置11とキャリア13について説明する。尚、以下の説明では、図1におけるキャリア13をスライド移動させる方向をX方向、X方向に垂直で直線固定装置11を載置する面に平行な方向をY方向、X方向及びY方向に垂直な方向をZ方向と称して説明する。また、図2は、図1に示す直線固定装置11及びキャリア13のY方向における手前側の部材を取り除いて、内部を一部だけ示している。図3は、X方向に直交する平面で直線固定装置11を切断した断面を示している。
図1〜図3に示すように、直線固定装置11は、X方向に延設されている。X方向に直交する平面で切断した直線固定装置11の断面形状は、Z方向の上部を開口した略U字形状をなしている。直線固定装置11は、底部21と、第1側壁22と、第2側壁23を備えている。底部21の下部には、後述する非接触給電の制御などを実行する制御基板25が設けられている。制御基板25は、下部を開口した底部21内に収納され、底部21の下面に固定されている。
第1及び第2側壁22,23は、底部21の上面に設けられ、Z方向に沿うように立った状態で設けられている。第1及び第2側壁22,23は、X方向に沿って延設されている。直線固定装置11は、底部21、第1及び第2側壁22,23によって、X方向に延びる溝を構成している。この溝は、キャリア13が、移動する搬送路である。第1側壁22は、壁部22Aと、底板部22Bとを有している。同様に、第2側壁23は、壁部23Aと、底板部23Bとを有している。壁部22A,23Aは、Z方向及びX方向に沿った略平板状をなし、X方向に沿って延設されている。壁部22A,23AのZ方向の高さは、同一となっている。
底板部22Bは、Z方向における壁部22Aの下端部から底部21の上面に沿ってY方向の内側に向かって延びている。同様に、底板部23Bは、壁部23Aの下端部からY方向の内側に向かって延びている。キャリア13は、底部21、第1側壁22、及び第2側壁23に囲まれた溝内に収納されている。壁部22A,23Aの各々の内壁には、複数の永久磁石26が取り付けられている。複数の永久磁石26は、例えば、Z方向に延びる長方形の板状をなし、第1及び第2側壁22,23の各々の内壁において、X方向に沿って、即ち、キャリア13の移動方向に沿って所定の磁極ピッチで配列されている。永久磁石26の各々は、例えば、キャリア13とY方向で対向する内側の面においてN極、S極が交互に現れるように、X方向において隣り合うものが互いに異なる極性(N極及びS極)となっている。換言すれば、複数の永久磁石26は、X方向に沿って交互に異なる極性となるように配置されている。尚、図2及び図3は、永久磁石26のキャリア13側を覆うカバー27(図1参照)を取り外した状態を示している。また、図2は、Y方向の手前側の第2側壁23を取り外した状態を示している。
また、第1及び第2側壁22,23の各々のZ方向における上部には、レール部28が設けられている。レール部28は、例えば、スライド面をV字に形成されたVレールであり、後述するキャリア13の溝ローラ43を取り付けられる。また、壁部22A,23Aの各々の内壁には、リニアスケール29(被位置情報読取装置の一例)が取り付けられている。リニアスケール29は、Z方向におけるレール部28と永久磁石26との間に設けられている。図4に示すように、キャリア13には、直線固定装置11のリニアスケール29の各々とY方向で対向する位置にリニアヘッド40(位置情報読取装置の一例)が取り付けられている。リニアヘッド40は、キャリア13のX方向への移動にともなって、X方向におけるキャリア13の位置を示す位置情報PI(図5参照)をリニアスケール29から読み取る。
図5は、搬送システム10の電気的な構成を示している。図5に示すように、搬送システム10の管理PC73(図5参照)は、キャリア13に設けられた通信部60と通信可能となっている。管理PC73は、例えば、通信部60と無線通信を行い、キャリア13との間で制御に必要なデータ(例えば、制御データCT等)の送受信を行う。リニアヘッド40は、読み取った位置情報PIをキャリア13の受電基板50に出力する。
ここで、例えば、分岐路では、搬送路を分岐させるために、対向する側壁の一部をなくす必要が生じる。このため、少なくとも一方の側壁が存在すれば、キャリア13の位置を検出できるように、直線固定装置11には、Y方向の両側にリニアスケール29が設けられている。また、キャリア13には、リニアスケール29に対応して一対のリニアヘッド40が設けられている。尚、直線固定装置11は、Y方向の一方側にリニアスケール29を備える構成でも良い。この場合、キャリア13は、リニアスケール29と同様に、リニアヘッド40をY方向の一方側に備える構成でも良い。また、リニアスケール29及びリニアヘッド40による位置の検出方法は、特に限定されない。例えば、位置の検出方法は、光学式の検出方法でも良く、あるいは電磁誘導を用いた検出方法でも良い。また、キャリア13の位置を検出する方法は、リニアスケールに限らず、例えば、ロータリーエンコーダを用いても良い。
また、図1〜図3に示すように、底部21の上面には、X方向に延設された走行レール30が設けられている。走行レール30をX方向に直交する平面で切断した断面形状は、上部を開口した略U字形状をなしている。尚、図2は、走行レール30の一部を取り外した状態を示している。また、底板部22B,23Bの上には、非接触給電を行う送電コイル部31が設けられている。送電コイル部31は、X方向に延びるコイル保持部33と、送電コイル35とを備えている。尚、図1及び図2は、送電コイル35を取り外した状態を示している。コイル保持部33は、X方向に延びる略板状をなしている。コイル保持部33の材料は、例えば、フェライトや電磁鋼板などの磁性材料である。X方向に直交する平面で切断したコイル保持部33の断面形状は、上方に向かって突出する略E字形状をなしている。送電コイル35は、Y方向におけるコイル保持部33の中央部で突出した部分に巻回されている。
また、図1及び図2に示すように、キャリア13は、本体部41と、作業台42とを備えている。本体部41は、X方向及びZ方向に長い箱型形状をなし、内部に様々な機器が内蔵されている。作業台42は、X方向に長い略板状をなし、本体部41の上部に固定されている。図4は、キャリア13をX方向から見た側面図であり、本体部41の一部を取り除いた状態を示している。図2及び図4に示すように、作業台42の下面には、複数の溝ローラ43が取り付けられている。複数の溝ローラ43は、Y方向における作業台42の両側のそれぞれに取り付けられている。また、溝ローラ43の下方には、上記したリニアヘッド40が取り付けられている。
また、本体部41の下面には、複数の走行ローラ45が取り付けられている。複数の走行ローラ45の各々は、走行レール30に内側から接触して回転する。キャリア13は、作業台42を直線固定装置11の上方に配置した状態で、略U字状をなす直線固定装置11の溝内に本体部41を挿入している。直線固定装置11に挿入された本体部41は、直線固定装置11の第1及び第2側壁22,23との間に一定の隙間を設けている。複数の溝ローラ43の各々は、第1及び第2側壁22,23の上部に設けられたレール部28に対して回転可能に取り付けられている。キャリア13は、溝ローラ43及び走行ローラ45を直線固定装置11に対して回転可能に取り付けられることでX方向へ移動可能となり、作業台42に物品(部品など)を載置して移動する。本実施形態では、例えば、後述する図6の搬送システム10に示すように、複数の直線固定装置11や曲線固定装置11Aを連結して構成した搬送路87上でキャリア13を移動させ、作業工程位置93等においてキャリア13を停止させ、物品89の供給や組み立てなどの作業を実行する。
また、図4に示すように、本体部41の下面には、非接触給電を行う受電コイル部47が設けられている。受電コイル部47は、コイル保持部48と、受電コイル49とを備えている。コイル保持部48は、X方向に延びる略板状をなしている。X方向に直交する平面で切断したコイル保持部48の断面形状は、下方に向かって突出する略E字形状をなしている。コイル保持部48の材料は、例えば、フェライトや電磁鋼板などの磁性材料である。受電コイル49は、Y方向におけるコイル保持部48の中央部で突出した部分に巻回されている。キャリア13を直線固定装置11内に配置した状態では、受電コイル部47は、Z方向において送電コイル部31と所定の間隔を間に設けて対向して配置されている。
図5に示すように、直線固定装置11の制御基板25は、送電コイル35と接続され、送電コイル35に供給する交流電圧を変更する。制御基板25は、送電コイル35に供給する交流電圧を変更することで、送電コイル35からキャリア13の受電コイル49へ非接触による電力供給を行う。なお、キャリア13への電力の供給は、非接触給電に限らず、接触型の給電方法を用いても良い。
また、図2及び図4に示すように、本体部41内には、受電基板50と、サーボアンプ51と、巻線部53と、が内蔵されている。従って、本実施形態の搬送システム10は、直線固定装置11に永久磁石26を配置し、キャリア13に巻線部53を配置した、所謂、ムービングコイル方式のリニアモータを構成している。
また、図5に示すように、キャリア13の受電基板50は、リニアヘッド40で検出した位置情報PIを、通信部60を介して管理PC73へ送信可能となっている。管理PC73は、受信した位置情報PIに基づいて、キャリア13の制御内容を決定する。受電基板50は、管理PC73から通信部60を介して受信した制御データCTに応じてサーボアンプ51へ出力する推力定数Kや電力W1を制御する。ここでいう推力定数Kとは、例えば、巻線部53に通電する電流値に対する推力の比率を示すものである。推力定数Kの単位は、N/A(ニュートン/アンペア)である。
サーボアンプ51は、受電基板50から供給された電力W1に基づいて巻線部53に通電する駆動電流を生成する。例えば、受電基板50は、制御データCTに基づいて目標位置座標を設定する。受電基板50は、目標位置座標、位置情報PIが示す現在の位置座標、推力定数Kを、サーボアンプ51へ出力する。サーボアンプ51は、受電基板50から入力した目標位置座標、現在の位置座標、推力定数Kに基づいて巻線部53へ通電する交流電流Iacの電流値を演算する。電流値の演算方法としては、推力定数Kを用いる公知の技術を採用できる。従って、巻線部53に通電される交流電流Iacは、受電基板50から入力される推力定数Kに応じて変更される。
また、図2及び図4に示すように、巻線部53は、Y方向における本体部41の両側にそれぞれ設けられ、Y方向において永久磁石26と対向する位置に設けられている。Y方向の一方側の巻線部53は、例えば、3つのヨーク53Aのそれぞれにコイル53Bが巻回されている(図2参照)。この3つのコイル53Bの各々は、例えば、U相、V相、W相の各相に対応している。各相のヨーク53A及びコイル53Bは、X方向、即ち、キャリア13の移動方向に並んで配置されている。サーボアンプ51は、駆動電流として、三相の交流電流Iac(図5参照)を各コイル53Bに通電する。
巻線部53は、サーボアンプ51からコイル53Bに交流電流Iacを通電されると磁界を発生させ(N極及びS極を誘起され)、直線固定装置11の永久磁石26との間に推力(磁気吸引力や磁気反発力)を発生させる。キャリア13は、巻線部53と永久磁石26との間に生じる推力により、X方向へ移動する。本実施形態では、Y方向の両側に設けられた永久磁石26及び巻線部53により両側式のリニアモータを構成している。サーボアンプ51は、巻線部53に通電する三相の交流電流Iacを制御することで、コイル53Bによって形成する磁界、即ち、キャリア13を移動させる方向や速度を制御する。これにより、キャリア13は、管理PC73の制御データCTに応じて移動、停止、加速等をする。なお、本実施形態のキャリア13は、コイル53Bに発生する極性に応じて、前後方向のどちらにも移動できる。即ち、キャリア13は、コイル53Bの極性に応じて、X方向の一方(前方)又は他方(後方)へ移動可能となっている。
(搬送システム10について)
次に、上記した本実施形態の直線固定装置11や図7に示す曲線固定装置11Aを用いて構成した搬送システム10について図5及び図6を参照しつつ説明する。図5は、本実施形態の搬送システム10の電気的な構成を示している。図6は、搬送システム10の概要を模式的に示している。図6に示すように、搬送システム10は、例えば、図1に示す直線の搬送路87を有する直線固定装置11や、曲線の搬送路87を有する曲線固定装置11A、分岐点を有する分岐固定装置11Cなどを互いに連結し、環状の搬送路87を構成している。なお、図5は、複数の固定装置(直線固定装置11、曲線固定装置11A、分岐固定装置11C)を1つの固定装置として図示している。また、以下の説明では、図5及び図6に示すように、直線固定装置11、曲線固定装置11A、分岐固定装置11Cを総称して固定装置80と記載する場合がある。
図5に示すように、搬送システム10は、例えば、環状の搬送路87を構成する複数の固定装置80(直線固定装置11等)やキャリア13を統括的に制御する管理PC73を備えている。管理PC73は、例えば、CPUを主体とするコンピュータである。管理PC73は、各固定装置80の制御基板25と接続されている。管理PC73は、制御基板25へ供給する電力を制御する。制御基板25は、管理PC73から供給された電力に基づいて送電コイル35からキャリア13へ非接触給電を行う。これにより、固定装置80は、自身の搬送路87に配置されたキャリア13へ電力供給を行う。
また、管理PC73は、通信部60を介して、キャリア13との間で無線通信が可能となっている。管理PC73は、例えば、通信部60を介して各キャリア13の受電基板50へ制御データCTを送信する。この制御データCTには、上記したキャリア13の移動する先である目標位置座標、推力定数K、推力定数Kの演算式(図10参照)、目標推力等のデータが含まれる。受電基板50は、管理PC73から通信部60を介して受信した制御データCTに基づいてサーボアンプ51に対する制御を行う。サーボアンプ51は、受電基板50の制御に基づいて、コイル53Bに供給する交流電流Iacの向きや大きさ等を制御する。例えば、サーボアンプ51は、受電基板50の制御に基づいて、交流電流Iacのフィードバック制御を実行する。サーボアンプ51は、巻線部53の電流値を検出し、検出した電流値に推力定数Kを乗算した結果と目標推力を比較し、現状の推力と目標推力との差に応じて電流値を制御する。
また、図5に示すように、管理PC73は、メモリ83を備えている。メモリ83は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。メモリ83には、推力データ85が記憶されている。推力データ85には、搬送路87の位置に応じて用いる推力定数Kのデータが設定されている。推力データ85には、例えば、上記した現在位置、目標位置、推力定数K、推力定数Kの演算式、目標推力などが関連付けて記憶されている。
また、メモリ83には、制御プログラムPGが記憶されている。管理PC73は、制御プログラムPGをCPUで実行することで、搬送システム10を統括的に制御する。管理PC73は、例えば、制御プログラムPGをCPUで実行することで、後述する推力定数Kを用いたキャリア13の制御を実行する。
図6に示すように、搬送システム10は、複数の固定装置80を接続して環状の搬送路87を構成している。例えば、管理PC73は、図中の搬送路87の矢印の方向に向かって、搬送路87上で複数のキャリア13を移動させる。また、搬送システム10の搬送路87には、複数の作業ロボット91が配置されている。作業ロボット91は、例えば、多関節ロボットであり、各種の作業を行う。複数の作業ロボット91の各々は、管理PC73と接続され、管理PC73の制御に基づいて作業を行う。キャリア13は、各作業ロボット91の作業工程位置93で停止する。作業ロボット91は、管理PC73の制御に基づいて、例えば、キャリア13の作業台42に物品89を載置する。あるいは、作業ロボット91は、例えば、作業台42に載置された物品89に対する作業を行う。管理PC73は、各キャリア13の移動や、作業ロボット91の作業を制御し、物品89を用いた組み立てや、物品89に対する加工等を実行する。
(曲線固定装置11Aについて)
次に、曲線固定装置11Aの構成について説明する。図7は、直線固定装置11、及び曲線固定装置11Aの斜視図を示している。なお、図7は、図面が煩雑となるのを避けるため、カバー27、送電コイル35などの一部の部材の図示を省略している。また、曲線固定装置11Aや分岐固定装置11Cは、搬送路87の形状が直線固定装置11と異なっているが、概ね直線固定装置11と同様の構成となっている。このため、以下の曲線固定装置11Aの説明では、上記した直線固定装置11と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。また、分岐固定装置11Cについては、詳細な説明を省略する。また、図7に示すXYZ方向は、直線の搬送路87を基準とした方向を示している。
図7に示すように、曲線固定装置11Aは、直線固定装置11の第1側壁22に接続される第3側壁121を有する。第3側壁121は、直線固定装置11の壁部22Aと接続され直線固定装置11から延設される壁部22Aを有する。曲線固定装置11Aの壁部22Aは、所定の方向へ湾曲し、湾曲した内壁に永久磁石26が配置されている。
また、曲線固定装置11Aは、直線固定装置11の第2側壁23から延設される位置に配置された第4側壁123を有する。第4側壁123は、搬送路87を間に挟んで、即ち、キャリア13を間に挟んで第3側壁121と対向する位置に配置されている。第4側壁123は、その一部に不連続となる不連続部95,96を有する。曲線固定装置11Aは、直線固定装置11の第2側壁23と接続される部分に、第4側壁123の一部である不連続部95を有する。また、第4側壁123は、キャリア13の移動方向における不連続部95とは反対側の端部に、その一部である不連続部96を有する。第4側壁123は、不連続部95と、不連続部96との間において、壁部23A、底板部23B、永久磁石26などを取り除かれている。このため、第4側壁123は、不連続部95,96の間において不連続となっている。不連続部95,96の間には、キャリア13が、曲線固定装置11Aの外側に脱線するのを防止するための、脱落防止部材101が配置されている。なお、第4側壁123は、不連続部95と不連続部96とを接続し、不連続な部分を有さない構成でも良い。また、曲線固定装置11Aは、第4側壁123を有さない構成でも良い。
(推力定数Kに基づく制御)
次に、推力定数Kに基づく制御について説明する。図8は、図7に示す直線固定装置11と曲線固定装置11Aとの搬送路87を走行するキャリア13の様子を模式的に示している。ここで、本実施形態のキャリア13のサーボアンプ51は、上記したように、受電基板50から入力した推力定数Kに基づいて、巻線部53に通電する電流値を演算し、巻線部53の通電制御を実行する。
一方で、図8に示すように、直線の直線固定装置11に配置された永久磁石26と、曲線固定装置11Aに配置された永久磁石26では、配置態様が相違する。例えば、板状の永久磁石26を、直線の第1側壁22の内側に配置した場合、隣り合う2つの永久磁石26の隙間(例えば、X方向における隙間)は、同一の幅となっている。一方で、曲線の第3側壁121の内側に配置された2つの永久磁石26の隙間は、内壁側(第3側壁121側)から開口側(内壁から離れる側)に向かうに従って広がっている。つまり、隣り合う2つの永久磁石26は、湾曲した内壁に配置されているため、隙間を徐々に広げるように配置される。従って、隣り合う2つの永久磁石26の隙間は、直線路と曲線路とで異なっている。
また、永久磁石26の磁束によって生じる磁束密度も、永久磁石26の微妙な配置の違い(向きや隙間の違い)によって、直線路と曲線路で異なっている。さらに、本実施形態の曲線固定装置11Aでは、曲線路の外側に設けられた第4側壁123が不連続となっており、永久磁石26が配置されていない部分がある。このため、仮に、直線固定装置11と曲線固定装置11Aとで同一の推力定数Kを用いて通電制御を実行すると、永久磁石26の配置態様の違いから所望の推力を得られない可能性がある。結果として、キャリア13の走行が不安定となる。キャリア13の走行が不安定になると振動や異音が生じる場合がある。そこで、本実施形態のキャリア13では、走行位置に応じて推力定数Kを変更することで、所望の推力を得ることができる。これにより、キャリア13の走行を安定させ、振動や異音の発生を抑制できる。
図10は、図8に示す搬送路87を走行する際に、管理PC73からキャリア13へ送信する制御データCTの一例を示している。図10に示すように、制御データCTには、位置情報PIと推力定数Kとが関連付けられている。キャリア13の受電基板50は、リニアヘッド40から位置情報PIを入力し、通信部60から制御データCTを入力する。受電基板50は、位置情報PIに基づいて制御データCTを参照し、サーボアンプ51へ出力する推力定数Kを決定する。サーボアンプ51は、受電基板50から入力した推力定数Kに基づいて巻線部53の通電制御を実行する。これにより、位置情報PIが示す位置、即ち、キャリア13の走行位置に応じて適切な推力定数Kに切り替えることができる。
図10の推力定数K1は、例えば、直線固定装置11を走行するのに適した推力定数Kである。推力定数K2は、例えば、曲線固定装置11Aを走行するのに適した推力定数Kである。推力定数K1,K2は、例えば、直線固定装置11や曲線固定装置11Aの永久磁石26の配置や、各搬送路87で要求される推力等に基づいて予め設定される。例えば、本実施形態の直線固定装置11は、Y方向において対象な構造となっている。Y方向の両側に配置された永久磁石26が、X方向に沿って所定のピッチで配置されている。このため、例えば、直線の搬送路87において、所望の推力を得るための推力定数K1を設定することができる。同様に、曲線固定装置11Aの第3側壁121は、例えば、一定の曲率で連続して形成されている。第3側壁121に配置された永久磁石26は、所定のピッチで、且つ一定の曲率で配置されている。このため、例えば、曲線の搬送路87において、所望の推力を得るための推力定数K2を設定することができる。キャリア13は、直線固定装置11では推力定数K1を用いて走行し、曲線固定装置11Aでは推力定数K2を用いて走行することで、所望の推力を発生させ走行することができる。なお、キャリア13は、直線路の途中や、曲線路の途中で推力定数Kを変更する制御を実行しても良い。例えば、キャリア13は、直線路中の微妙な永久磁石26の配置の違いに応じて推力定数Kを切り替えても良い。
また、図10に示す進入開始位置L1は、図8に示すように、キャリア13の巻線部53が曲線固定装置11Aに進入する位置である。図2に示すように、巻線部53は、X方向に3組のヨーク53A及びコイル53Bが配置されている。進入開始位置L1は、このX方向に並ぶ3組のヨーク53A及びコイル53Bのうち、移動方向における先頭側の1組が曲線固定装置11Aの永久磁石26と対向する位置である。本実施形態の曲線固定装置11Aでは、図7に示すように、キャリア13の移動方向における一端から他端に至るまで永久磁石26が配置されている。従って、巻線部53が、曲線固定装置11Aの永久磁石26と対向する位置、即ち、進入開始位置L1は、キャリア13が曲線固定装置11Aに進入を開始する位置と同一である。換言すれば、進入開始位置L1は、直線上の永久磁石26から曲線上の永久磁石26に切り替わることで、永久磁石26の配置態様の変化が開始される位置である。
例えば、管理PC73は、進入開始位置L1と推力定数K1を関連付けて制御データCTに設定し、キャリア13へ送信する。受電基板50は、直線固定装置11内で移動を開始してから、進入開始位置L1に到達するまでの間は、推力定数Kとして推力定数K1を用いる。例えば、受電基板50は、図8に示す移動開始位置L0から進入開始位置L1までの間、推力定数K1をサーボアンプ51へ出力する。サーボアンプ51は、推力定数K1による通電制御を実行する。これにより、直線路に適した推力定数K1による制御が実行される。
また、図10に示す進入完了位置L2は、図9に示すキャリア13の位置である。進入完了位置L2は、キャリア13の移動方向における最も後方側のヨーク53A及びコイル53Bが曲線固定装置11Aの永久磁石26と対向する位置、即ち、全ての巻線部53が曲線固定装置11Aの永久磁石26と対向する状態となる位置である。キャリア13は、進入開始位置L1から進入完了位置L2へ移動する際、巻線部53の先頭側から曲線固定装置11Aへ進入する。そして、進入完了位置L2において、全ての巻線部53は、曲線固定装置11Aへの進入を完成させ、曲線固定装置11Aの永久磁石26と対向する。従って、進入完了位置L2は、進入開始位置L1で開始された永久磁石26の配置態様の変化が終了する位置である。
例えば、管理PC73は、進入完了位置L2と推力定数K2を関連付けて制御データCTに設定し、キャリア13へ送信する。受電基板50は、リニアヘッド40から入力する位置情報PIが示す位置が進入完了位置L2と一致すると判断すると、推力定数Kとして推力定数K2を用いる。例えば、受電基板50は、図9に示す進入完了位置L2以降において、推力定数K2をサーボアンプ51へ出力する。これにより、曲線路に適した推力定数K2による制御が実行される。
従って、本実施形態の受電基板50は、位置情報PIに基づいて巻線部53(可動子の一例)の曲線固定装置11Aの搬送路87(第2搬送路の一例)への進入完了を検出し、巻線部53の曲線固定装置11Aへの進入が完了したのに合わせて、推力定数K2に基づいて巻線部53へ供給する電力の制御を開始する。全ての巻線部53(ヨーク53A及びコイル53B)が曲線固定装置11Aの永久磁石26と対向する位置まで進入すれば、永久磁石26の配置態様に変化(磁力によって生じる推力の変動)がなくなる。このため、全ての巻線部53が曲線固定装置11Aへ進入するのを完了したのに合わせて、曲線固定装置11Aに応じた推力定数K2による制御を開始することで、適切なタイミングで推力定数Kの変更を完了できる。
また、図10に示すように、進入開始位置L1と進入完了位置L2との間である中間位置L3には、推力定数K3の演算式が関連付けられている。ここでいう中間位置L3は、進入開始位置L1と進入完了位置L2との間における複数の位置である。中間位置L3で用いる推力定数K3は、例えば、以下の演算式で演算される。
K3=K1+((K2−K1)/(L2−L1))*Lx+A
Lxは、進入開始位置L1から進入完了位置L2への移動中における位置情報PIが示す位置、即ち、中間位置L3の位置である。Aは、係数である。
受電基板50は、中間位置L3において、上記した演算式で演算した推力定数K3をサーボアンプ51へ出力する。例えば、受電基板50は、数十μs間隔で推力定数Kを用いた制御を繰り返し実行することができる。この場合、受電基板50は、数十μsごとに推力定数K3を演算し、演算した推力定数K3をサーボアンプ51に出力することで、サーボアンプ51の用いる推力定数Kを変更できる。受電基板50は、リニアヘッド40から入力した位置情報PIが示す位置と進入開始位置L1が一致すると判断すると、演算式を用いて推力定数K3を演算し、演算した推力定数K3を推力定数Kとして用いる。推力定数Kは、推力定数K1から推力定数K2までの間において、キャリア13の移動にともなって一定の変化量((K2−K1)/(L2−L1))で線形的に変化する。
従って、本実施形態の受電基板50は、位置情報PIに基づいて巻線部53の曲線固定装置11Aの搬送路87(第2搬送路の一例)への進入を検出し、巻線部53が曲線固定装置11Aの搬送路87へ進入するのに合わせて、推力定数K1(第1推力定数の一例)から推力定数K2(第2推力定数の一例)への変更を開始する。永久磁石26の配置態様の変化は、巻線部53が曲線固定装置11Aの永久磁石26と対向する位置に進入するタイミングで生じる。このため、巻線部53が曲線固定装置11Aへ進入するのに合わせて、推力定数Kの変更を開始することで、適切なタイミングで推力定数Kの変更を開始できる。
また、受電基板50は、推力定数K1と推力定数K2との間の値である推力定数K3(第3推力定数の一例)を用いて、推力定数K1、少なくとも1つの推力定数K3、推力定数K2を切り替えて、切り替えた推力定数Kに基づいて巻線部53へ供給する電力を制御する。これによれば、受電基板50は、2つの異なる値である推力定数K1,K2の間の値である推力定数K3を少なくとも1つ用いて、推力定数K1、少なくとも1つの推力定数K3、推力定数K2を切り替え、電力を制御する。これにより、推力定数Kの大きな変動を低減して、段階的に推力定数Kを切り替えることで、推力の変動を抑制できる。
また、受電基板50は、(K2−K1)/(L2−L1)の変化率で、推力定数K1から推力定数K2へ推力定数Kを変化させる。これによれば、推力定数Kを、推力定数K1から推力定数K2へ線形的に変化させることで、推力の大きな変動を抑制できる。
図11は、本実施形態の推力定数Kと位置情報PIとの関係を示している。図11に示す例では、一例として、直線路の推力定数K1の値が、曲線路の推力定数K2の値よりも大きい場合を示している。なお、推力定数Kの値は、永久磁石26の配置態様や、推力定数Kを用いる制御の方法などによって異なる。従って、直線路の推力定数K1の値が、曲線路の推力定数K2の値よりも小さくても良い。また、図11は、図面が繁雑となるのを避けるため、推力定数K1と推力定数K2との間における複数の中間位置L3のつち、1つの中間位置L3のみを図示している。
図11に示す例では、推力定数Kは、進入開始位置L1から進入完了位置L2へキャリア13が移動すると、一定の変化率((K2−K1)/(L2−L1))で低下している。そして、キャリア13が進入完了位置L2に到達すると、推力定数Kは、推力定数K2となる。また、本実施形態のキャリア13は、曲線固定装置11A(曲線路)への進入と同様に、曲線固定装置11Aから直線固定装置11(直線路)へ移動する際も、推力定数Kを線形的に変更する(図11中の進入開始位置L4参照)。
一方、図12は、比較例の推力定数Kと位置情報PIとの関係を示している。図12に示す例では、受電基板50は、進入開始位置L1と進入完了位置L2との間における複数の中間位置L3のうち、1つの中間位置L3で、推力定数Kを推力定数K1から推力定数K2へ変更している。この場合、推力定数K1の値と推力定数K2の値の差が大きくなればなるほど、中間位置L3において、推力定数Kが大きく変動する。その結果、キャリア13の推力に大きな変動が発生し、キャリア13の走行が不安定となる。
これに対し、図11に示すように、本実施形態のキャリア13は、直線路の推力定数K1と、曲線路の推力定数K2との切り替えにおいて、推力定数Kを徐々に減らし、滑らかに推力定数Kを変更することができる。これにより、推力の変動を抑制し、キャリア13を安定して走行させることができる。
また、本実施形態の搬送システム10は、キャリア13と、直線形状の搬送路87を有する直線固定装置11(第1搬送路装置の一例)と、曲線形状の搬送路87を有する曲線固定装置11A(第2搬送路装置の一例)と、を備えている。直線形状の搬送路87を有する直線固定装置11と、曲線形状の搬送路87を有する曲線固定装置11Aとでは、搬送路87の形状の違いから複数の永久磁石26の配置態様に差異が生じる。受電基板50は、直線固定装置11から曲線固定装置11Aへ移動する際に、推力定数Kを変更し巻線部53へ供給する電力を制御する。これにより、推力の変動を抑制し、直線路から曲線路へキャリア13を安定して走行させることができる。
また、直線固定装置11は、キャリア13を間に挟んで対向する位置に配置される第1側壁22及び第2側壁23を有する。第1側壁22及び第2側壁23の各々は、複数の永久磁石26が配置されている。曲線固定装置11Aは、直線固定装置11の第1側壁22から延設され複数の永久磁石26が配置される第3側壁121と、第2側壁23から延設される位置においてその少なくとも一部が不連続となる第4側壁123と、を有する。
これによれば、第4側壁123は、その少なくとも一部が不連続となり、複数の永久磁石26の少なくとも一部が配置されていない状態となる。第4側壁123の少なくとも一部をなくすことで、曲線形状の搬送路87でキャリア13が傾いても第4側壁123との衝突を回避できる。その一方で、第4側壁123をなくし永久磁石26を非対称とすることで、磁力により生じる推力に変動が生じる。そこで、直線固定装置11から曲線固定装置11Aへ移動する際に、推力定数Kを変更することで、このような第4側壁123(永久磁石26)の一部がない搬送路87であっても、キャリア13を安定して走行させることができる。
因みに、直線固定装置11は、第1搬送路装置の一例である。曲線固定装置11Aは、第2搬送路装置の一例である。リニアスケール29は、被位置情報読取部の一例である。永久磁石26は、固定子の一例である。リニアヘッド40は、位置情報読取部の一例である。受電基板50及びサーボアンプ51は、電力制御装置の一例である。巻線部53は、可動子の一例である。直線固定装置11の搬送路87は、第1搬送路の一例である。曲線固定装置11Aの搬送路87は、第2搬送路の一例である。推力定数K1は、第1推力定数の一例である。推力定数K2は、第2推力定数の一例である。推力定数K3は、第3推力定数の一例である。
以上、上記した本実施例によれば以下の効果を奏する。
本実施例の一態様では、受電基板50は、直線固定装置11から曲線固定装置11Aへ移動するのに合わせて、推力定数K1から推力定数K2への変更を位置情報PIに基づいて行いつつ、巻線部53へ供給する電力を制御する。これによれば、巻線部53は、各搬送路87の永久磁石26の配置態様に応じた推力定数K1,K2に基づいて、電力を供給される。これにより、直線固定装置11から曲線固定装置11Aへ移動する際の推力の変動を抑制し、キャリア13を安定して走行させることができる。
尚、本願は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、受電基板50は、進入開始位置L1で推力定数K1から推力定数K3へ変更し、進入完了位置L2で推力定数K3から推力定数K2へ変更したが、これに限らない。図13は、別例の推力定数Kと位置情報PIとの関係を示すグラフである。例えば、図13に示すように、受電基板50は、進入開始位置L1よりも手前で、推力定数K1から推力定数K3へ変更しても良い。また、受電基板50は、進入完了位置L2よりも後で推力定数K3から推力定数K2へ変更しても良い。あるいは、受電基板50は、進入開始位置L1よりも後で、推力定数K1から推力定数K3へ変更しても良く。受電基板50は、進入完了位置L2よりも手前で推力定数K3から推力定数K2へ変更しても良い。
また、上記実施形態では、キャリア13は、推力定数K1と推力定数K2との間における推力定数K3を数十μsごとに演算し、複数の推力定数K3を制御に用いたが、これに限らない。キャリア13は、1つの推力定数K3のみを制御に用いても良い。例えば、受電基板50は、推力定数K1、1つの推力定数K3、推力定数K2の順に、推力定数Kを変更する制御を実行しても良い。この場合、1つの推力定数K3へ変更する中間位置L3を、進入開始位置L1と進入完了位置L2の中点となる位置に設定しても良い。また、推力定数K3を、推力定数K1と推力定数K2の平均値に設定しても良い。
また、受電基板50は、推力定数K3を演算しなくとも良い。例えば、受電基板50は、位置情報PIと推力定数K3とを対応付けたテーブルを備えても良い。そして、受電基板50は、位置情報PIに基づいて、その位置情報PIが示す位置に対応した推力定数K3をテーブルから検出して制御に用いても良い。
また、上記実施形態では、直線路から曲線路における制御を説明したが、これに限らない。例えば、直線路、曲線路、分岐路、Y字路などの各搬送路87間の移動においても、上記した方法と同様に、推力定数Kの変更を実行しても良い。即ち、推力定数Kの異なる2つの搬送路87間の移動において、上記した推力定数Kを変更する方法を適用しても良い。
また、図6に示す搬送システム10の構成は、一例である。例えば、搬送システム10は、作業ロボット91を備えなくとも良い。
また、上記実施形態では、本願のキャリアとして、物品89を搬送するキャリア13を採用したが、これに限らない。本願のキャリアは、例えば、電子部品の装着を行う部品装着装置に電子部品や電子部品を収容したテープフィーダを補充するキャリアでも良い。この場合、キャリアは、複数の部品装着装置を連結して構成した搬送路87を走行し、各部品装着装置へ電子部品を適宜供給しても良い。
10 搬送システム、11 直線固定装置(第1搬送路装置)、11A 曲線固定装置(第2搬送路装置)、13 キャリア、22 第1側壁、23 第2側壁、26 永久磁石(固定子)、29 リニアスケール(被位置情報読取部)40 リニアヘッド(位置情報読取部)、53 巻線部(可動子)、87 搬送路(第1搬送路、第2搬送路)、121 第3側壁、123 第4側壁、K 推力定数、K1 推力定数(第1推力定数)、K2 推力定数(第2推力定数)、K3 推力定数(第3推力定数)、PI 位置情報。

Claims (7)

  1. 被位置情報読取部が設けられ複数の固定子が配置された第1搬送路と、前記被位置情報読取部が設けられ前記第1搬送路とは異なる態様で前記複数の固定子が配置された第2搬送路とを移動するキャリアであって、
    前記複数の固定子により生じる磁力を利用して推力を発生させる可動子と、
    前記被位置情報読取部から位置情報を読み取る位置情報読取部と、
    前記可動子へ供給する電力を推力定数に基づいて制御し、前記第1搬送路から前記第2搬送路へ移動するのに合わせて、前記第1搬送路の前記複数の固定子の配置態様に応じた第1推力定数から、前記第2搬送路の前記複数の固定子の配置態様に応じた第2推力定数への変更を前記位置情報に基づいて行いつつ、前記可動子へ供給する電力を制御する電力制御装置と、
    を備える、キャリア。
  2. 前記電力制御装置は、
    前記位置情報に基づいて前記可動子の前記第2搬送路への進入を検出し、前記可動子が前記第2搬送路へ進入するのに合わせて、前記第1推力定数から前記第2推力定数への変更を開始する、請求項1に記載のキャリア。
  3. 前記電力制御装置は、
    前記位置情報に基づいて前記可動子の前記第2搬送路への進入完了を検出し、前記可動子の前記第2搬送路への進入が完了したのに合わせて、前記第2推力定数に基づいて前記可動子へ供給する電力の制御を開始する、請求項1又は請求項2に記載のキャリア。
  4. 前記電力制御装置は、
    前記第1推力定数と前記第2推力定数との間の値である第3推力定数を用いて、前記第1推力定数、少なくとも1つの前記第3推力定数、前記第2推力定数を切り替えて、切り替えた前記推力定数に基づいて前記可動子へ供給する電力を制御する、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のキャリア。
  5. 前記第1推力定数をK1、前記第2推力定数をK2、前記可動子が前記第2搬送路へ進入する位置をL1、前記可動子の前記第2搬送路への進入が完了する位置をL2とした場合に、
    前記電力制御装置は、
    (K2−K1)/(L2−L1)の変化率で、前記第1推力定数から前記第2推力定数へ前記推力定数を変化させる、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のキャリア。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の前記キャリアと、
    直線形状の搬送路を有する第1搬送路装置と、
    曲線形状の搬送路を有する第2搬送路装置と、
    を備える搬送システム。
  7. 前記第1搬送路装置は、
    前記キャリアを間に挟んで対向する位置に配置される第1側壁及び第2側壁を有し、
    前記第1側壁及び前記第2側壁の各々は、
    前記複数の固定子が配置され、
    前記第2搬送路装置は、
    前記第1搬送路装置の前記第1側壁から延設され前記複数の固定子が配置される第3側壁と、前記第2側壁から延設される位置においてその少なくとも一部が不連続となる第4側壁と、を有する、請求項6に記載の搬送システム。
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