JP2020129442A - 電子管モジュール及び光学装置 - Google Patents

電子管モジュール及び光学装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020129442A
JP2020129442A JP2019020471A JP2019020471A JP2020129442A JP 2020129442 A JP2020129442 A JP 2020129442A JP 2019020471 A JP2019020471 A JP 2019020471A JP 2019020471 A JP2019020471 A JP 2019020471A JP 2020129442 A JP2020129442 A JP 2020129442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
electron tube
prism
photocathode
electron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019020471A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7097313B2 (ja
Inventor
銀治 杉浦
Ginji Sugiura
銀治 杉浦
泰正 松岡
Yasumasa Matsuoka
泰正 松岡
小林 俊介
Shunsuke Kobayashi
俊介 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamamatsu Photonics KK filed Critical Hamamatsu Photonics KK
Priority to JP2019020471A priority Critical patent/JP7097313B2/ja
Priority to US16/782,205 priority patent/US10741371B1/en
Priority to DE102020201380.2A priority patent/DE102020201380A1/de
Publication of JP2020129442A publication Critical patent/JP2020129442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7097313B2 publication Critical patent/JP7097313B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J31/00Cathode ray tubes; Electron beam tubes
    • H01J31/08Cathode ray tubes; Electron beam tubes having a screen on or from which an image or pattern is formed, picked up, converted, or stored
    • H01J31/26Image pick-up tubes having an input of visible light and electric output
    • H01J31/48Tubes with amplification of output effected by electron multiplier arrangements within the vacuum space
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J43/00Secondary-emission tubes; Electron-multiplier tubes
    • H01J43/04Electron multipliers
    • H01J43/06Electrode arrangements
    • H01J43/18Electrode arrangements using essentially more than one dynode
    • H01J43/22Dynodes consisting of electron-permeable material, e.g. foil, grid, tube, venetian blind
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J43/00Secondary-emission tubes; Electron-multiplier tubes
    • H01J43/04Electron multipliers
    • H01J43/06Electrode arrangements
    • H01J43/08Cathode arrangements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J43/00Secondary-emission tubes; Electron-multiplier tubes
    • H01J43/04Electron multipliers
    • H01J43/06Electrode arrangements
    • H01J43/12Anode arrangements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J43/00Secondary-emission tubes; Electron-multiplier tubes
    • H01J43/04Electron multipliers
    • H01J43/28Vessels, e.g. wall of the tube; Windows; Screens; Suppressing undesired discharges or currents

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)

Abstract

【課題】光透過性基板にプリズムが設けられた電子管の配置作業の容易化を図ることができる。【解決手段】電子管モジュール30は、電子管1Aと、筐体31と、を備える。電子管1Aは、光透過性基板3を有する真空容器7と、光透過性基板3の内面3aに設けられた光電面8と、アノード10と、プリズム16と、を備える。プリズム16は、光透過性基板3の外面3bに接合された第1面16aと、第1面16aに対して傾斜する第2面16bと、プリズム16及び光透過性基板3を介して光電面8に入射して光電面8と真空空間Sとの界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を光電面8に再度入射させる第3面16cと、を有する。筐体31は、開口32aが形成された天壁32を有する。第2面16bは、天壁32と平行である。第2面16bの少なくとも一部は、開口32aを介して外部に露出している。【選択図】図2

Description

本開示は、電子管モジュール及び光学装置に関する。
従来、試料から生じる蛍光等の微弱光を検出する光電子増倍管等の電子管が知られている。電子管は、光透過性基板を有する真空容器と、光透過性基板の真空側の内面に設けられた光電面(photocathode)と、を備えている。非特許文献1は、このような光電面が設けられた光透過性基板の外面にプリズムが設けられた構成を開示している。この構成では、プリズムの入射面に入射した光は、光電面と真空空間との界面で全反射し、その後プリズムの入射面とは反対側の面で更に反射して光電面に戻る。これにより、光電面の量子効率(QE:Quantum Efficiency)の向上が図られている。
W.D. Gunter,Jr., G.R. Grant, and S.A. Shaw. Optical devices to increase photocathodequantum efficiency. APPLIED OPTICS Vol.9, No.2 251-257 (1970)
ところで、上記のような電子管では、プリズムの入射面と電子管の軸方向(すなわち光電面に直交する方向)とが互いに傾斜している。このため、光学装置内での電子管の配置に関して、プリズムを使用しない従来の構成では必要のなかった入射面角度の調整が必要となる。具体的には、従来の構成では、被検出光の光軸と電子管の軸方向とが一致するように電子管を配置すればよかった。しかし、上記プリズムを備える電子管を用いる場合には、プリズムの入射面が被検出光の光軸に直交するように、電子管の軸方向を被検出光の光軸に対して傾斜させる必要がある。このため、従来と比較して電子管の配置作業が直感的ではなく、煩雑となる場合がある。
そこで、本開示は、光透過性基板にプリズムが設けられた電子管の配置作業の容易化が図られた電子管モジュール及び光学装置を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る電子管モジュールは、電子管と、電子管を収容する筐体と、を備え、電子管は、光透過性基板を有し、真空空間を構成する真空容器と、光透過性基板の真空空間側の面である内面に設けられ、光透過性基板を介して入射した光に応じて真空空間中に光電子を放出する光電面と、真空容器内に設けられ、光電子に由来する電子を検出する電子検出部と、光透過性基板の内面とは反対側の外面に接合されたプリズムと、を有し、プリズムは、光透過性基板の外面に接合された第1面と、第1面に対して傾斜する光入射面である第2面と、プリズム及び光透過性基板を介して光電面に入射して光電面と真空空間との界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を光電面に再度入射させる反射部と、を有し、筐体は、開口が形成された壁部を有し、プリズムの第2面は、壁部と平行であり、プリズムの第2面の少なくとも一部は、開口を介して外部に露出している。
上記電子管モジュールによれば、プリズムの第2面から入射してプリズム及び光透過性基板を透過する被検出光を光電面と真空空間との界面で反射させ、反射した光を更に反射部で反射させて光電面に再度入射させることができる。これにより、光電面における被検出光の吸収量を増大させることができる。さらに、プリズムの第2面が壁部と平行となり、且つ、プリズムの第2面の少なくとも一部が開口を介して外部に露出するように電子管が筐体に収容されることにより、電子管モジュールの配置が容易となる。具体的には、筐体の壁部が被検出光の光軸に対して直交するように電子管モジュールの位置を調整することにより、電子管モジュールを容易且つ適切に配置することが可能となる。従って、上記電子管モジュールによれば、光透過性基板にプリズムが設けられた電子管の配置作業の容易化を図ることができる。
プリズムの第2面は、壁部の内側面に当接していてもよい。筐体の壁部の内側面にプリズムの第2面を当接させることにより、筐体内に電子管を容易且つ精度良く位置決めすることができる。
プリズムの第2面は、壁部の内側面に接合されていてもよい。この場合、筐体の壁部に対してプリズムが固定されることにより、壁部に対する電子管の位置ずれを好適に防止することができる。
反射部は、第1面及び第2面に接続され、第1面及び第2面に対して傾斜する第3面によって構成されていてもよく、プリズムは、第1面、第2面、及び第3面を側面とする三角柱状に形成されていてもよい。この場合、プリズムの形状を比較的単純化できると共に、光電面と真空空間との界面で反射した光を第3面で更に反射させて光電面に再度入射させることができる。
第3面には、反射膜が設けられていてもよい。この場合、反射膜により、第3面における光の透過ロス(第3面から外部に透過してしまう成分)を低減させることができる。これにより、第3面で反射して光電面に再度入射する光量の減少を抑制できるため、光電面の量子効率を効果的に向上させることができる。
上記電子管は、真空容器内に設けられ、光電子を増倍する電子増倍部を更に有してもよい。或いは、電子検出部は、光電子を増倍する半導体素子であってもよい。上記構成によれば、被検出光が微弱光(例えば測定対象試料に励起光を照射することで二次的に発生する蛍光及びラマン散乱光等)である場合であっても、電子検出部において被検出光に応じた電子を好適に検出することができる。
本開示の一側面に係る光学装置は、上記電子管モジュールと、測定対象の試料に照射される光を出力する光源と、を備え、電子管モジュールは、光が試料に照射されることにより試料において発生した被検出光が壁部の開口を介してプリズムの第2面に入射するように配置されている。
上記光学装置は、被検出光を検出する検出部として上記電子管モジュールを備えることにより、上述した電子管モジュールと同様の効果を奏する。
上記光学装置において、電子管モジュールは、プリズム及び光透過性基板を介して光電面に入射した被検出光が光電面と真空空間との界面において全反射するように構成されていてもよい。上記構成によれば、全反射した後に再度光電面に戻る被検出光によって光電面における被検出光の吸収量を増大させることができ、光電面の量子効率を効果的に向上させることができる。
本開示によれば、光透過性基板にプリズムが設けられた電子管の配置作業の容易化が図られた電子管モジュール及び光学装置を提供することができる。
実施形態に係る電子管モジュールの斜視図である。 電子管モジュールの一部断面図である。 電子管モジュールに収容された電子管の断面図である。 図3に示される電子管の平面図である。 電子管モジュールにおける被検出光の光路を示す模式図である。 被検出光が光電面と真空空間との界面において全反射するための条件を説明するための模式図である。 電子管の変形例を示す断面図である。 光学装置の第1の例の概略構成図である。 光学装置の第2の例の概略構成図である。 光学装置の第3の例の概略構成図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。各図において同一又は相当の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、図面においては、一部、特徴部分を分かり易く説明するために誇張している部分があり、実際の寸法とは異なっている。また、以下の説明において「上」、「下」等の語は図面に示される状態に基づく便宜的なものである。図3及び図4では、便宜上、XYZ座標系が示されている。
図1及び図2に示されるように、一実施形態に係る電子管モジュール30は、電子管1Aと、電子管1Aを収容する筐体31と、を備えている。筐体31は、略直方体状に形成されている。筐体31は、例えば金属又は樹脂等によって形成されている。筐体31は、天壁32(壁部)、底壁33、及び側壁34を有する。天壁32及び底壁33は、筐体31の中心軸線AX1に沿った方向に互いに対向している。天壁32及び底壁33は、中心軸線AX1に沿った方向から見て、同じ大きさの矩形板状に形成されている。側壁34は、中心軸線AX1に沿って延在する角筒状に形成されており、天壁32の縁部と底壁33の縁部とを接続している。
図2に示されるように、本実施形態では、ステムピン5を介して電子管1Aに電圧を供給するための回路基板41と、回路基板41に接続され、電子管1Aに供給するための高電圧を生成する昇圧回路42とが、電子管1Aと共に筐体31に収容されている。電子管1Aは、筐体31の中心軸線AX1に対して電子管1Aの中心軸線AX2が傾斜するようにして、筐体31内に配置及び固定されている。
天壁32には、被検出光を筐体31内の電子管1A(後述するプリズム16の第2面16b)に導くための開口32aが形成されている。開口32aは天壁32の外側面32bから内側面32cまで貫通している。本実施形態では、開口32aは、中心軸線AX1に沿った方向から見て、円形状に形成されている。
図3及び図4に示されるように、電子管1Aは、電子増倍機能(後述する電子増倍部9)を有する光電子増倍管である。電子管1Aは、略円筒形状をなす金属製の側管2を有する。側管2の上側端部には、入射光(被検出光)に対して良好な光透過性を有する光透過性基板3が、気密に固定されている。本実施形態では、光透過性基板3は円板状に形成されており、光透過性基板3の周縁部が側管2の上側端部に固定されている。側管2の下側の開口端には、円板状のステム4が配置されている。ステム4には、略円周上の位置に周方向に互いに離間して配置された複数の導電性のステムピン5が、気密に挿着されている。各ステムピン5は、ステム4の上面側及び下面側の互いに対応する位置に形成された開口4aに挿通されている。また、ステム4を側方から包囲するように、金属製のリング状側管6が、気密に固定されている。側管2の下端部に形成されたフランジ部2aとリング状側管6の上端部に形成されたフランジ部6aとが互いに溶接され、側管2とリング状側管6とが互いに気密に固定されている。このようにして、内部が真空状態に保たれた真空容器7が、側管2、光透過性基板3、及びステム4によって形成されている。
真空容器7内には、光電面8と、電子増倍部9と、アノード10(電子検出部)と、が設けられている。光電面8は、光透過性基板3の真空空間S側の内面3aに設けられている。
光電面8は、光透過性基板3を介して入射した光に応じて真空空間Sに光電子を放出する。光電面8は、いわゆる透過型の光電面であり、光透過性基板3側の上面で光を受けて、真空空間S側の下面から光電子を放出する。光電面8は、例えば、GaAsP、GaAs、InGaAs等の材料によって形成され得る。或いは、光電面8は、バイアルカリ光電面又はマルチアルカリ光電面であってもよい。
ここで、光電面8における被検出光の吸収量を多くする観点からは、光電面8の厚みは大きい方が好ましい。一方、光電面8から真空空間Sへの電子の放出効率を向上させる観点からは、光電面8の厚みは小さい方が好ましい。電子管1Aは、後述するプリズム16及びレンズ17を備えることにより、光電面8における被検出光の吸収量を効果的に増大させることができるため、その分、光電面8の厚みを小さくすることができる。以上を踏まえて、光電面8がGaAsP、GaAs、又はInGaAsによって形成される場合には、光電面8の膜厚は3μm以下とされてもよい。また、光電面8がバイアルカリ光電面又はマルチアルカリ光電面である場合には、光電面8の膜厚は0.5μm以下とされてもよい。
電子増倍部9は、光電面8から放出された光電子を増倍する。本実施形態では、電子増倍部9は、電子増倍孔を多数有する薄板状のダイノード板11が複数段に積層されることによりブロック状に形成されており、ステム4の上面に設置されている。各ダイノード板11の縁部には、外側に突出するダイノード板接続片11aが形成されている。各ダイノード板接続片11aの下面側には、ステム4に挿着された所定のステムピン5の先端部分が溶接固定されている。これにより、各ダイノード板11は、各ステムピン5と電気的に接続されている。
アノード10は、光電面8から放出された光電子に由来する電子を検出する。ここで、光電面8から放出された光電子に由来する電子とは、当該光電子自体であってもよいし、当該光電子に基づいて二次的に発生した電子であってもよい。本実施形態では、アノード10は、電子増倍部9によって増倍された二次電子(すなわち、光電面8から放出された光電子に基づいて二次的に発生した電子)を検出する。本実施形態では、アノード10は、最終段のダイノード板11bよりも1つ上の段に設けられており、最終段のダイノード板11bから放出された二次電子を出力信号として取り出すための平板状の陽極部材として構成されている。
光電面8と電子増倍部9との間には、光電面8から放出された光電子を電子増倍部9に収束させて導くための平板状の収束電極12が設置されている。収束電極12には、ステムピン5が溶接固定されている(図示せず)。これにより、収束電極12は、ステムピン5と電気的に接続されている。また、アノード10には、ステムピン5の一つであるアノードピン5Aが溶接固定されている。これにより、アノード10は、アノードピン5Aと電気的に接続されている。そして、電源回路(例えば、図9に示される回路基板41)に接続されたステムピン5によって、光電面8と収束電極12とが同電位となり、且つ各ダイノード板11が上段から下段に向かうにつれて高電位となるように、電圧が印加される。また、アノード10が最終段のダイノード板11bよりも高電位となるように電圧が印加される。
ステム4は、ベース材13と、ベース材13の上側(内側)に接合された上側押え材14と、ベース材13の下側(外側)に接合された下側押え材15とによって、3層構造に形成されている。ステム4の側面には、上述したリング状側管6が固定されている。本実施形態では、ベース材13の側面とリング状側管6の内壁面とが接合されることにより、リング状側管6に対してステム4が固定されている。
真空容器7の外側において、電子管1Aは、プリズム16を備えている。プリズム16は、光透過性基板3の内面3aとは反対側の外面3bに接合されている。プリズム16は、第1面16aと、第2面16bと、第3面16cと、を有する。第1面16a、第2面16b、及び第3面16cは、それぞれ矩形状に形成されている。第1面16a、第2面16b、及び第3面16cは、いずれも平坦面である。プリズム16は、第1面16a、第2面16b、及び第3面16cを側面とする三角柱状に形成されている。具体的には、第2面16bは、第1面16aの長手方向(X軸方向)における一端に接続されており、第3面16cは、第1面16aの長手方向における他端に接続されている。第2面16bの第1面16aに接続された側とは反対側の端部は、第3面16cの第1面16aに接続された側とは反対側の端部に接続されている。本実施形態では、プリズム16の底面(プリズム16の短手方向(Y軸方向)に垂直な面)は、第2面16bと第3面16cとが互いに直交する直角二等辺三角形状に形成されている。
第1面16aは、光透過性基板3の外面3bに接合されている。第2面16bは、第1面16aに対して傾斜している。第2面16bは、被検出光を入射させる光入射面である。第3面16cは、第1面16a及び第2面16bに接続され、第1面16a及び第2面16bに対して傾斜している。第3面16cは、プリズム16及び光透過性基板3を介して光電面8に入射して光電面8と真空空間Sとの界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を光電面8に再度入射させる反射部として機能する。プリズム16の第1面16aと光透過性基板3の外面3bとは、例えば、プリズム16の屈折率と光透過性基板3の屈折率との略中間の屈折率を有する光学接着剤によって互いに接着されている。
本実施形態では、第1面16aの長手方向における長さは、光透過性基板3の直径と一致している。具体的には、第1面16aに垂直な方向(Z軸方向)から見て、第1面16aの長手方向における両端部の位置は、光透過性基板3の縁部の位置と一致している。第1面16aにおける第2面16bと接続された端部が光透過性基板3の縁部よりも内側に位置していないことにより、電子管モジュール30の筐体31内に電子管1Aを配置する際に、第2面16bと筐体31の天壁32の内側面32cとを当接させることが可能となっている(図2参照)。ただし、このように電子管1Aを筐体31内に配置する必要がない場合には、第1面16aにおける第2面16bと接続された端部は、光透過性基板3の縁部よりも内側に位置してもよい。
プリズム16の第3面16cには、光の反射率を向上させるための反射膜19が設けられている。反射膜19は、例えば、アルミニウム、アルミニウム系合金、銀、銀系合金、金、誘電体多層膜等によって形成され得る。
図5を参照して、プリズム16によって光電面8の量子効率が向上する原理について説明する。図5においては、上述した電子管1Aの構成要素のうち、側管2の一部、光透過性基板3、光電面8、プリズム16、及び天壁32の一部が概略的に示されている。図5は、被検出光Lがプリズム16の第2面16bに向かう平行光である場合を示している。本実施形態では、被検出光Lの光軸は、第2面16bに直交している。図5に示されるように、被検出光Lは、プリズム16及び光透過性基板3を介して、光電面8に入射する。本実施形態では、電子管1Aは、被検出光Lの光軸に対して、光電面8の真空空間S側の内面8aと真空空間Sとの界面において被検出光Lが全反射するように(すなわち、後述する式(3)を満たすように)配置されている。この場合、被検出光Lは、光電面8の内面8aと真空空間Sとの界面において全反射し、プリズム16の第3面16cへと向かう。当該被検出光Lは、反射膜19が設けられたプリズム16の第3面16cにおいて反射させられることにより、再び光電面8へと向かう。
図6を参照して、被検出光Lが光電面8の内面8aと真空空間Sとの界面において全反射するための条件について説明する。ここでは、プリズム16の屈折率をn(>1)、光透過性基板3の屈折率をn(>1)、光電面8の屈折率をn(>1)とする。真空空間Sの屈折率は1である。また、プリズム16から光透過性基板3へと入射する被検出光Lの入射角をθ、光透過性基板3から光電面8へと入射する被検出光Lの入射角をθ、光電面8から真空空間Sへと入射する被検出光Lの入射角をθとする。また、光電面8から真空空間Sへと入射する被検出光Lの臨界角(光電面8と真空空間Sとの界面で全反射が起こる最小の入射角)をθとする。この場合、下記式(1)及び(2)が成立する。そして、被検出光Lが光電面8の内面8aと真空空間Sとの界面において全反射するための条件は、下記式(3)により表される。従って、被検出光Lを光電面8の内面8aと真空空間Sとの界面において全反射させるためには、電子管1Aは、被検出光Lの光透過性基板3に対する入射角θに基づいて定まるθが下記式(3)を満たすように、被検出光Lの光軸に対して配置されればよい。
sinθ=nsinθ=nsinθ …(1)
sinθ=1 …(2)
θ≧θ …(3)
図2に戻り、電子管モジュール30における筐体31と電子管1Aとの位置関係について説明する。電子管1Aは、プリズム16の第2面16bが天壁32と平行となり、且つ、プリズム16の第2面16bの少なくとも一部が開口32aを介して外部に露出するように、筐体31内に配置されている。プリズム16の第2面16bは、天壁32の内側面32cに当接している。これにより、第2面16bと天壁32(内側面32c)とが平行となるように、筐体31内に電子管1Aを容易且つ精度良く位置決めすることができる。
なお、仮に、中心軸線AX2に沿った方向から見て、第1面16aの端部(第2面16bに接続される側の端部)が光透過性基板3の縁部よりも内側に位置する場合等には、光透過性基板3の縁部が天壁32と干渉してしまうため、第2面16bを天壁32の内側面32cとの間に隙間が生じることになる。このような場合には、天壁32の内側面32cと第2面16bとの間に、当該隙間を埋めるためのスペーサ部材が配置されてもよい。或いは、当該隙間に対応する部分における天壁32の厚みを他の部分における厚みよりも大きくすることよって、天壁32の内側面32cと第2面16bとが当接させられてもよい。
本実施形態では、プリズム16の第2面16bは、天壁32の内側面32cに接合されている。第2面16bと内側面32cとは、例えば、接着剤によって接合され得る。接着剤として、例えば、シリコーン系接着剤等のガラス接着用接着剤が用いられてもよい。ここで、内側面32cとガラス接着用接着剤とのなじみを良くするために、予め内側面32cの材質に適したプライマーが内側面32cに塗布されてもよい。この場合、内側面32cに塗布されたプライマーが乾燥した後に、プライマーが塗布された内側面32cと第2面16bとがガラス接着用接着剤によって接合される。或いは、接着剤として、内側面32cの材質となじみの良い接着剤が用いられてもよい。この場合、第2面16bと当該接着剤とのなじみを良くするために、予め第2面16bにガラス用のプライマーが塗布されてもよい。ただし、上述したようなプライマーを用いることは必須ではない。このように、天壁32に対して電子管1Aのプリズム16が固定されることにより、天壁32に対する電子管1Aの位置ずれを好適に防止することができる。なお、第2面16bのうち内側面32cと当接する部分の全体が内側面32cに接合されてもよいし、第2面16bのうち内側面32cと当接する部分の一部が内側面32cに接合されてもよい。また、第2面16bは、必ずしも天壁32の内側面32cに接合される必要はなく、電子管1Aは、第2面16b以外の部分において、筐体31に対して固定されてもよい。
以上述べた電子管モジュール30によれば、プリズム16の第2面16bから入射してプリズム16及び光透過性基板3を透過する被検出光を光電面8と真空空間Sとの界面で反射させ、反射した光を更にプリズム16の第3面16cで反射させて光電面8に再度入射させることができる。これにより、光電面8における被検出光の吸収量を増大させることができる。また、被検出光Lを光電面8に対して傾斜させて入射させることにより、被検出光Lを光電面8に対して垂直に入射させる場合と比較して、光電面8内における被検出光Lの光路長を増加させることもできる。また、光電面8から真空空間Sへと入射する被検出光Lの入射角θが臨界角θより大きくなるように電子管モジュール30を配置することにより、被検出光Lの一部が光電面8と真空空間Sとの界面で反射されずに真空空間Sへと透過してしまうことによる透過ロスを低減できる。従って、電子管モジュール30によれば、光電面8に吸収される被検出光Lの光量を多くすることができる。これにより、光電面8の量子効率を効果的に向上させることができる。
さらに、電子管モジュール30では、筐体31内に電子管1Aを収容することにより、電子管1Aを適切に保護することができる。また、プリズム16の第2面16bが天壁32と平行となり、且つ、プリズム16の第2面16bの少なくとも一部が開口32aを介して外部に露出するように電子管1Aが筐体31に収容されることにより、電子管モジュール30の配置が容易となる。具体的には、筐体31の天壁32(及び底壁33)が被検出光の光軸に対して直交するように電子管モジュール30の位置を調整することにより、電子管モジュール30を容易且つ適切に配置することが可能となる。従って、電子管モジュール30によれば、光透過性基板3にプリズム16が設けられた電子管1Aの配置作業の容易化を図ることができる。また、筐体31の中心軸線AX1と被検出光の光軸とが平行となるため、電子管モジュール30を含む光学系(後述する光学装置50A〜50C等)において、電子管モジュール30を自然な向きで収まりよく配置することができる。
また、プリズム16は、第1面16a、第2面16b、及び第3面16cを側面とする三角柱状に形成されている。これにより、プリズム16の形状を比較的単純化できると共に、光電面8と真空空間Sとの界面で反射した光を第3面16cで更に反射させて光電面8に再度入射させることができる。
また、プリズム16の第3面16cには、反射膜19が設けられている。反射膜19によれば、第3面16cにおける光の透過ロス(第3面16cから外部に透過してしまう成分)を低減させることができるため、光電面8の量子効率を効果的に向上させることができる。
また、電子管1Aは、真空容器7内に設けられ、光電面8から放出された光電子を増倍する電子増倍部9を有する。これにより、被検出光Lが微弱光(例えば測定対象試料に励起光を照射することで二次的に発生する蛍光及びラマン散乱光等)である場合であっても、アノード10において被検出光Lに応じた電子を好適に検出することができる。
[電子管の変形例]
図7を参照して、変形例に係る電子管1Bについて説明する。電子管1Bは、光電面8から放出された光電子を増倍するための構造(すなわち、真空容器内の構造)に関して、電子管1Aと異なる構成を有する。電子管1Bが備える構成のうち、光透過性基板3、光電面8、プリズム16、及び反射膜19の構成は、電子管1Aと同様である。電子管1Bは、光の入射に応じて光電面8より放出された光電子を加速し、半導体素子中で高いゲインを得ることで微弱光の検出を可能とする、いわゆる、電子打ち込み増倍型光センサ(HPD:Hybrid Photo-Detector)である。
図7に示されるように、電子管1Bは、内部が真空に保持された真空容器20を有する。本実施形態では一例として、真空容器20は、光透過性基板3と、筒状のカソード電極21と、セラミック等の絶縁性材料からなる円筒状の側板22と、側板22を4分割することで形成された第1側板22aと第2側板22bとの間で挟むようにして固定されたリング状の中間電極23aと、第2側板22bと第3側板22cとの間で挟むように固定されたリング状の中間電極23bと、第3側板22cと第4側板22dとの間で挟むように固定されたリング状の中間電極23cと、金属フランジ24と、金属フランジ24に気密に接続された円板状のステム25とから構成されている。光透過性基板3、カソード電極21、側板22、中間電極23、金属フランジ24、及びステム25は、互いに同心状に積層配置されている。
側板22は、カソード電極21と金属フランジ24との間に設けられている。側板22の一端は、カソード電極21の端面にろう付け等で気密に接合されている。側板22の他端は、ステム25の外周に設けられた金属フランジ24にろう付け等で気密に接合されている。また、中間電極23a,23b,23cは、真空容器20の中心軸線AXを中心とする開口部を有するリング状をなし、側板22の内壁に沿って所定の間隔を空けて、光電面8と電気的に独立して配置されている。ここで、カソード電極21、側板22及び金属フランジ24の筒状部の外径は略同一であり、カソード電極21の内径は側板22の内径より小さい。従って、中心軸線AXに沿ってカソード電極21の一端から他端に亘って、カソード電極21の内壁面は側板22の内壁面より内側に位置する。これに対し、中間電極23a,23b,23cの開口部の内径は、電子軌道に干渉しない範囲内、すなわち、光電面8の径に比較して極端に小さくならない範囲で極力小さくされ、中間電極23a,23b,23cは、筒状の側板22の内壁面からカソード電極21よりも更に内方に突出している。これにより、光電面8より放出した電子の軌道を制御する際の迷走電子による側板22の帯電、及び当該帯電に起因する電子軌道への影響をなくすことができる。中間電極23a,23b,23cは、側板22に挟んだ状態でろう付け等により固定されることにより、側板22との一体化が図られている。
また、真空容器20の金属フランジ24の中心軸線AX側には、リング状の立ち上がり電極26が固定されている。この立ち上がり電極26は、金属フランジ24と同心状に配置され、中間電極23a,23b,23cに比して径の小さい開口を有する。当該開口は、光透過性基板3に向けて側板22の内壁に沿って延びる略円柱形状の先端部26aを形成している。
ステム25における真空空間S側の面上には、光電面8に対向するようにAPD(アバランシェ・フォト・ダイオード)を含む半導体素子27(電子検出部)が固定されている。APDは、濃度の高いP領域とN領域とを接合し、そこでアバランシェ増幅に十分な高い電界を形成する半導体素子である。光電面8から放出された光電子が半導体素子27の表面である電子入射面に照射されると、半導体素子27は、当該光電子を増倍して電気信号に変換し、ステム25を貫通して設けられたピン28を介して外部に出力する。
以上述べたように、電子管1Bでは、光電子を増倍する機能を有する半導体素子27が、電子検出部として機能する。上記構成によれば、被検出光が微弱光である場合であっても、半導体素子27において被検出光に応じた電子を好適に検出することができる。また、電子管1Bでは、電子検出部として機能する半導体素子27が電子増倍機能を有するため、第1実施形態の電子管1Aにおける電子増倍部9を設ける必要がない。なお、電子管1Bの具体的な構造は、上記例に限られない。例えば、中間電極23の一部が省略されてもよいし、立ち上がり電極26が省略されてもよい。なお、電子管モジュール30に収容される電子管は、必ずしも上述したような電子増倍機能(電子増倍部9又は半導体素子27)を備える必要はない。電子管モジュール30に収容される電子管は、例えば、真空容器内において、光電面8と、光電面8から放出された光電子を直接検出するアノードとを有する光電管(光電変換管)であってもよい。
[光学装置]
次に、図8〜図10を参照して、上述した電子管モジュール30を備える光学装置50A〜50Cについて説明する。
[光学装置の第1の例]
図8に示されるように、第1の例に係る光学装置50Aは、試料台51に載置された試料100に励起光Leを照射し、対物レンズ56の焦点位置P0において試料100から生じた微弱な蛍光Lfを検出する二光子レーザ顕微鏡(二光子励起顕微鏡、二光子顕微鏡)である。
光学装置50Aは、試料台51と、レーザ出力部52(光源)と、集光レンズ53と、コリメートレンズ54と、ダイクロイックミラー55と、対物レンズ56と、集光レンズ57と、コリメートレンズ58と、蛍光Lfを検出するための電子管モジュール30と、を備える。
試料台51は、測定対象の試料100が載置される部分である。試料台51は、例えば可動式のステージである。試料100は、例えば生体試料であり、励起光Leが照射されることによって蛍光Lfを発する。レーザ出力部52は、測定対象の試料100に照射される励起光Le(光)を出力する光源である。レーザ出力部52により出力される励起光Leは、近赤外超短パルスレーザ光である。本実施形態では一例として、レーザ出力部52により出力される励起光Leは平行光である。集光レンズ53は、レーザ出力部52から出力される励起光Leの光路上に配置され、励起光Leを集光することにより、励起光Leを点光源に変換する。コリメートレンズ54は、集光レンズ53よりも後段に配置され、励起光Leを平行化(コリメート)する。ダイクロイックミラー55は、励起光Leを反射する一方で蛍光Lfを透過するように構成されたミラー部材であり、コリメートレンズ54の後段に配置されている。コリメートレンズ54によって平行光とされた励起光Leは、ダイクロイックミラー55において反射し、対物レンズ56を通過して試料100に達する。これにより、対物レンズ56の焦点位置P0のみにおいて二光子励起が生じ、当該焦点位置P0において試料100から蛍光Lfが生じる。
試料100において生じた蛍光Lfは、励起光Leとは逆の経路を辿って対物レンズ56を通過し、ダイクロイックミラー55を透過する。その後、蛍光Lfは、集光レンズ57によって集光される。集光レンズ57によって集光された蛍光Lfは、集光レンズ57の集光点よりも後方に配置されたコリメートレンズ58によって平行化される。図8に示されるように、電子管モジュール30は、試料100において生じた蛍光Lfの光軸OAがプリズム16の第2面16bに直交するように、コリメートレンズ58の後段に配置されている。また、蛍光Lfは、天壁32の開口32aに収まるように、コリメートレンズ58によって平行化される。このように平行化された蛍光Lfは、開口32aを介してプリズム16の第2面16bに入射し、電子管モジュール30によって検出される。
以上述べた光学装置50Aは、被検出光(ここでは蛍光Lf)を検出する検出部として電子管モジュール30を備えることにより、上述した電子管モジュール30と同様の効果を奏する。すなわち、プリズム16を利用することにより、電子管1Aにおける光電面8の量子効率を効果的に向上させることができる。その結果、電子管1Aのアノード10において、蛍光Lfに応じた電子を好適に検出することができる。また、図8に示されるように、電子管1Aが筐体31に収容されていることにより、光学装置50Aにおいて、筐体31の中心軸線AX1(図2参照)と被検出光(蛍光Lf)の光軸OAとが平行となるように電子管モジュール30を収まりよく配置することができる。
また、光学装置50Aにおいて、電子管1Aは、プリズム16及び光透過性基板3を介して光電面8に入射した蛍光Lf(被検出光)が光電面8と真空空間Sとの界面において全反射するように構成されてもよい。具体的には、図5における被検出光Lとしての蛍光Lfに対して上記式(3)が成立するように、光学装置50Aにおいて、電子管1Aが構成及び配置されてもよい。この場合、光電面8と真空空間Sとの界面で全反射した後に再度光電面8に戻る蛍光Lfによって光電面8における蛍光Lfの吸収量を増大させることができ、光電面8の量子効率を効果的に向上させることができる。
[光学装置の第2の例]
図9に示されるように、第2の例に係る光学装置50Bは、試料台51に載置された試料100に励起光Leを照射し、対物レンズ56の焦点位置P0において試料100から生じた微弱な蛍光Lf1を検出する共焦点レーザ顕微鏡である。光学装置50Bは、レーザ照射部52Aの代わりにレーザ照射部52Bを備え、ピンホール59を更に備える点で、光学装置50Aと相違しており、その他の構成については光学装置50Aと同様である。
具体的には、レーザ照射部52Aにより出力される励起光Leは、可視紫外光レーザである。この場合、試料100に励起光Leが照射されることにより、対物レンズ56の焦点位置P0以外の領域を含む照射領域から蛍光が生じる。図9において、蛍光Lf1は、焦点位置P0において生じた蛍光を示しており、蛍光Lf2は、焦点位置P0以外の位置(ここでは一例として試料100と試料台51との接触位置付近)において生じた蛍光を示している。このように、光学装置50Bでは、焦点位置P0以外の領域においても蛍光Lf2が生じることから、焦点位置P0からの蛍光Lf1のみを通過させるためのピンホール59が、集光レンズ57の後段に設けられている。これにより、蛍光Lf1のみが、ピンホール59を通過し、コリメートレンズ58を介して電子管モジュール30の入射面(プリズム16の第2面16b)へと導かれる。すなわち、ピンホール59は、焦点位置P0以外の領域において生じた蛍光Lf2を遮蔽する。以上述べた光学装置50Bにおいても、上述した光学装置50Aと同様の効果が奏される。
[光学装置の第3の例]
図10に示されるように、第3の例に係る光学装置50Cは、フローサイトメトリーを行う装置(フローサイトメーター)である。光学装置50Cは、レーザ照射部52Cと、フローセルFCと、コリメートレンズ60と、複数(ここでは一例として3つ)のダイクロイックミラー61A,61B,61Cと、複数の集光レンズ62A,62B,62Cと、複数のコリメートレンズ63A,63B,63Cと、複数の電子管モジュール30A,30B,30Cと、を備える。
フローセルFCは、測定対象となる複数の細胞等の試料100を含む試料溶液を流通させる装置である。フローセルFCは、試料溶液中の試料100が1つずつ順番に流れるように整列させる機能を有する。レーザ照射部52Cは、フローセルFCにおける所定の照射位置に対して励起光Le(ここでは一例として、488nmアルゴンレーザ)を照射するように構成されている。これにより、フローセルFC内を流通して照射位置を通過する各試料100に対して順次励起光Leが照射される。このように試料100に対して励起光Leが照射されることにより、試料100において蛍光Lfが発生する。
コリメートレンズ60は、試料100において発生した蛍光Lfを平行化する。コリメートレンズ60の後段には、ダイクロイックミラー61A,61B,61Cがこの順に配置されている。ここでは一例として、1段目のダイクロイックミラー61Aは、赤色光Lrを反射し、赤色光Lrよりも短波長の光を透過するように構成されている。ダイクロイックミラー61Aの後段に配置された2段目のダイクロイックミラー61Bは、ダイクロイックミラー61Aを透過した光のうち黄色光Lyを反射し、黄色光Lyよりも短波長の光を透過するように構成されている。ダイクロイックミラー61Bの後段に配置された3段目のダイクロイックミラー61Cは、ダイクロイックミラー61Bを透過した光のうち緑色光Lgを反射し、緑色光Lgよりも短波長の光を透過するように構成されている。
ダイクロイックミラー61Aにより反射された赤色光Lrの光路上には、集光レンズ62A、コリメートレンズ63A、及び電子管モジュール30Aが配置されている。すなわち、ダイクロイックミラー61A、集光レンズ62A、コリメートレンズ63A、及び電子管モジュール30Aは、蛍光Lfに含まれる赤色光Lrを検出する光学系を構成している。電子管モジュール30Aは、ダイクロイックミラー61Aにより反射された赤色光Lrの光軸OA1がプリズム16の第2面16bに直交するように、コリメートレンズ63Aの後段に配置されている。赤色光Lrは、集光レンズ62A及びコリメートレンズ63Aによって、天壁32の開口32aに収まるように平行化される。このように平行化された赤色光Lrは、開口32aを介してプリズム16の第2面16bに入射し、電子管モジュール30Aによって検出される。
ダイクロイックミラー61Bにより反射された黄色光Lyの光路上には、集光レンズ62B、コリメートレンズ63B、及び電子管モジュール30Bが配置されている。すなわち、ダイクロイックミラー61B、集光レンズ62B、コリメートレンズ63B、及び電子管モジュール30Bは、蛍光Lfに含まれる黄色光Lyを検出する光学系を構成している。電子管モジュール30Bは、ダイクロイックミラー61Bにより反射された黄色光Lyの光軸OA2がプリズム16の第2面16bに直交するように、コリメートレンズ63Bの後段に配置されている。黄色光Lyは、集光レンズ62B及びコリメートレンズ63Bによって、天壁32の開口32aに収まるように平行化される。このように平行化された黄色光Lyは、開口32aを介してプリズム16の第2面16bに入射し、電子管モジュール30Bによって検出される。
ダイクロイックミラー61Cにより反射された緑色光Lgの光路上には、集光レンズ62C、コリメートレンズ63C、及び電子管モジュール30Cが配置されている。すなわち、ダイクロイックミラー61C、集光レンズ62C、コリメートレンズ63C、及び電子管モジュール30Cは、蛍光Lfに含まれる緑色光Lgを検出する光学系を構成している。電子管モジュール30Cは、ダイクロイックミラー61Cにより反射された緑色光Lgの光軸OA3がプリズム16の第2面16bに直交するように、コリメートレンズ63Cの後段に配置されている。緑色光Lgは、集光レンズ62C及びコリメートレンズ63Cによって、天壁32の開口32aに収まるように平行化される。このように平行化された緑色光Lgは、開口32aを介してプリズム16の第2面16bに入射し、電子管モジュール30Cによって検出される。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。例えば、電子管モジュール30は、本開示で例示された光学装置50A,50B,50C以外の光学装置に組み込まれてもよい。すなわち、電子管モジュール30は、二光子レーザ顕微鏡、共焦点レーザ顕微鏡、及びフローサイトメーター以外の用途に利用されてもよい。また、電子管に含まれるプリズムは、三角柱状のプリズム16に限られず、四角柱状等の他の形状を有するものであってもよい。すなわち、電子管に含まれるプリズムは、光電面8と真空空間Sとの界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を光電面8に再度入射させることが可能なように構成されていればよく、特定の形状を有するものに限定されない。
1A,1B…電子管、3…光透過性基板、3a…内面、3b…外面、7,20…真空容器、8…光電面、9…電子増倍部、10…アノード(電子検出部)、16…プリズム、16a…第1面、16b…第2面、16c…第3面(反射部)、19…反射膜、27…半導体素子(電子検出部)、30…電子管モジュール、31…筐体、32…天壁(壁部)、32a…開口、32b…外側面、32c…内側面、50A,50B,50C…光学装置、52A,52B,52C…レーザ照射部(光源)、100…試料、L…被検出光、Le…励起光(光)、Lf…蛍光(被検出光)、Lr…赤色光(被検出光)、Ly…黄色光(被検出光)、Lg…緑色光(被検出光)、S…真空空間。

Claims (9)

  1. 電子管と、
    前記電子管を収容する筐体と、を備え、
    前記電子管は、
    光透過性基板を有し、真空空間を構成する真空容器と、
    前記光透過性基板の前記真空空間側の面である内面に設けられ、前記光透過性基板を介して入射した光に応じて前記真空空間中に光電子を放出する光電面と、
    前記真空容器内に設けられ、前記光電子に由来する電子を検出する電子検出部と、
    前記光透過性基板の前記内面とは反対側の外面に接合されたプリズムと、を有し、
    前記プリズムは、前記光透過性基板の前記外面に接合された第1面と、前記第1面に対して傾斜する光入射面である第2面と、前記プリズム及び前記光透過性基板を介して前記光電面に入射して前記光電面と前記真空空間との界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を前記光電面に再度入射させる反射部と、を有し、
    前記筐体は、開口が形成された壁部を有し、
    前記プリズムの前記第2面は、前記壁部と平行であり、
    前記プリズムの前記第2面の少なくとも一部は、前記開口を介して外部に露出している、電子管モジュール。
  2. 前記プリズムの前記第2面は、前記壁部の内側面に当接している、請求項1に記載の電子管モジュール。
  3. 前記プリズムの前記第2面は、前記壁部の内側面に接合されている、請求項2に記載の電子管モジュール。
  4. 前記反射部は、前記第1面及び前記第2面に接続され、前記第1面及び前記第2面に対して傾斜する第3面によって構成されており、
    前記プリズムは、前記第1面、前記第2面、及び前記第3面を側面とする三角柱状に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子管モジュール。
  5. 前記第3面には、反射膜が設けられている、請求項4に記載の電子管モジュール。
  6. 前記電子管は、前記真空容器内に設けられ、前記光電子を増倍する電子増倍部を更に有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子管モジュール。
  7. 前記電子検出部は、前記光電子を増倍する半導体素子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子管モジュール。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子管モジュールと、
    測定対象の試料に照射される光を出力する光源と、を備え、
    前記電子管モジュールは、前記光が前記試料に照射されることにより前記試料において発生した被検出光が前記壁部の前記開口を介して前記プリズムの前記第2面に入射するように配置されている、光学装置。
  9. 前記電子管モジュールは、前記プリズム及び前記光透過性基板を介して前記光電面に入射した前記被検出光が前記光電面と前記真空空間との界面において全反射するように構成されている、請求項8に記載の光学装置。
JP2019020471A 2019-02-07 2019-02-07 電子管モジュール及び光学装置 Active JP7097313B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019020471A JP7097313B2 (ja) 2019-02-07 2019-02-07 電子管モジュール及び光学装置
US16/782,205 US10741371B1 (en) 2019-02-07 2020-02-05 Electron tube module and optical device
DE102020201380.2A DE102020201380A1 (de) 2019-02-07 2020-02-05 Elektronenröhrenmodul und optische vorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019020471A JP7097313B2 (ja) 2019-02-07 2019-02-07 電子管モジュール及び光学装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020129442A true JP2020129442A (ja) 2020-08-27
JP7097313B2 JP7097313B2 (ja) 2022-07-07

Family

ID=71739054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019020471A Active JP7097313B2 (ja) 2019-02-07 2019-02-07 電子管モジュール及び光学装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10741371B1 (ja)
JP (1) JP7097313B2 (ja)
DE (1) DE102020201380A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7369675B2 (ja) * 2020-07-17 2023-10-26 浜松ホトニクス株式会社 電子管、電子管モジュール、及び光学装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0374462U (ja) * 1989-11-25 1991-07-26
JP2000046734A (ja) * 1998-07-28 2000-02-18 Olympus Optical Co Ltd 微量光測定装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3873829A (en) 1970-05-29 1975-03-25 Philips Corp Photo cathode with means provided which produce a repeated total reflection of the incident light without interference phenomena
JP3620925B2 (ja) 1996-06-19 2005-02-16 浜松ホトニクス株式会社 光電子増倍管
JP4699134B2 (ja) * 2005-08-12 2011-06-08 浜松ホトニクス株式会社 電子管、及び電子管の製造方法
JP4331147B2 (ja) * 2005-08-12 2009-09-16 浜松ホトニクス株式会社 光電子増倍管
JP5291378B2 (ja) 2008-05-15 2013-09-18 スタンレー電気株式会社 フォトカソード装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0374462U (ja) * 1989-11-25 1991-07-26
JP2000046734A (ja) * 1998-07-28 2000-02-18 Olympus Optical Co Ltd 微量光測定装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
W. D. GUNTER, G. R. GRANT, AND S. A. SHAW: "Optical Devices to Increase Photocathode Quantum Efficiency", APPLIED OPTICS, vol. volume 9, issue 2, JPN6022025230, pages 251 - 257, ISSN: 0004803399 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20200258725A1 (en) 2020-08-13
DE102020201380A1 (de) 2020-08-13
US10741371B1 (en) 2020-08-11
JP7097313B2 (ja) 2022-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3741108B2 (ja) レーザー発光モジュール
KR100917387B1 (ko) 전자선 검출기, 주사형 전자 현미경, 질량 분석 장치, 및,이온 검출기
WO2013036576A1 (en) Transmissive-reflective photocathode
US10113905B2 (en) Random light collector device
EP3654362B1 (en) Electron tube
JP6474992B2 (ja) 光検出ユニット
JP7097313B2 (ja) 電子管モジュール及び光学装置
JPS63198251A (ja) 光電子増倍管
JP2020129441A (ja) 電子管、電子管モジュール、及び光学装置
US9086377B2 (en) Optical system for fluorescence detection and fine particle analyzing apparatus
JP2021034501A (ja) 発光装置
CN113008768A (zh) 一种用于流式细胞仪的反射式荧光收集装置
CN210155405U (zh) 一种包含光电检测器的显微物镜
JP7369675B2 (ja) 電子管、電子管モジュール、及び光学装置
CN214044336U (zh) 一种半导体激光器
JPH0391283A (ja) レーザーユニット
JP2005091163A (ja) 分光装置
JP5706230B2 (ja) 分光装置
CN215004887U (zh) 一种用于流式细胞仪的反射式荧光收集装置
JP2007303924A (ja) イオン化ポテンシャル測定装置
CN215677988U (zh) 一种尘埃粒经光学传感装置
EP4328633A1 (en) Concentrating lens, photodetector with concentrating lens, concentrating lens unit technical field
JP2014163794A (ja) 蛍光検出装置
CN220690803U (zh) 一种应用于体外诊断设备的光路结构
JP6664462B2 (ja) 蛍光検出用光学装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211006

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220615

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7097313

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150