JP7369675B2 - 電子管、電子管モジュール、及び光学装置 - Google Patents

電子管、電子管モジュール、及び光学装置 Download PDF

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Description

本開示は、電子管、電子管モジュール、及び光学装置に関する。
従来、試料から生じる蛍光等の微弱光を検出する光電子増倍管等の電子管が知られている。電子管は、光透過性基板を有する真空容器と、光透過性基板の真空側の内面に設けられた光電面(photocathode)と、を備えている。非特許文献1は、上記光透過性基板の外面に半球面状のプリズムを設けた構成を開示している。この構成では、プリズムの光入射面に入射した光は、光電面と真空空間との界面で反射し、その後プリズムの光入射面とは反対側の光反射面で更に反射して光電面に戻る。これにより、光電面の量子効率(QE:Quantum Efficiency)の向上が図られている。
J. B. Okeand Rudolph E. Schild. A Practical Multiple Reflection Technique for Improvingthe Quantum Efficiency of Photomultiplier Tubes. APPLIED OPTICS Vol.7. No.4 617-622(1968)
しかしながら、非特許文献1に開示された構成では、プリズムの光入射面が半球面に沿っており、プリズムの光入射面と光電面との距離が比較的大きい。このため、被検出光の光源を光電面に対して十分に近づけることができない場合がある。例えば、プリズムが半球形状の場合、プリズムの光入射面から光電面までの距離が大きくなる。このため、被検出光が発散光である場合、被検出光(一次光)が光電面に入りきらないことが想定される。また、プリズムが半球状の場合、光電面における中心(プリズム形状に対応する球の中心)以外の場所で反射した光が、光反射面を介して再度光電面に戻ることが困難となる。このため、被検出光が収束光である場合、良好な量子効率を得る観点からは被検出光の焦点を光電面に合わせることが好ましいが、光源を光電面に対して十分に近づけることができないことに起因して、上述したような焦点位置の調整が困難となる場合がある。従って、非特許文献1に開示された構成には、光電面の量子効率を向上させる観点において、改善の余地がある。
そこで、本開示は、光電面の量子効率を効果的に向上させることができる電子管、電子管モジュール、及び光学装置を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る電子管は、光透過性基板を有し、真空空間を構成する真空容器と、光透過性基板の真空空間側の面である内面に設けられ、光透過性基板を介して入射した光に応じて真空空間中に光電子を放出する光電面と、真空容器内に設けられ、光電子に由来する電子を検出する電子検出部と、光透過性基板の内面とは反対側の外面に接合されたプリズムと、を備え、プリズムは、光透過性基板の外面に接合された底面と、光が入射する光入射部を有する光入射面と、光入射部に入射して光電面と真空空間との界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を光電面に再度入射させる光反射面と、を有し、光反射面は、外側に凸の曲面形状を有しており、光入射部は、光反射面に沿った仮想的な球面よりも内側に位置する。
上記電子管によれば、プリズムの光入射部から入射して光電面と真空空間との界面で反射した光を、プリズムの光反射面で更に反射させて光電面に再度入射させることができる。その結果、光電面における被検出光の吸収量を増大させることができる。ここで、光反射面が外側に凸の曲面形状を有していることにより、光電面から光反射面に向かってきた光を好適に光電面へと戻すことができる。さらに、プリズムの光入射部が、光反射面に沿った仮想的な球面よりも内側に位置していることにより、例えばプリズムが半球状に構成される場合(すなわち、半球面状のプリズムの表面によって光入射部(光入射面)が構成される場合)と比較して、光源を光電面に対して近づけることができる。その結果、被検出光が発散光である場合には、被検出光が光入射部から光電面へと至るまでの間に広がり過ぎることを抑制し、被検出光(光反射面で反射した光を含む)を好適に光電面に入射させることができる。また、被検出光が収束光である場合には、被検出光の焦点を光電面付近に調整することが容易となる。以上により、上記電子管によれば、光電面の量子効率を効果的に向上させることができる。
光電面は、光透過性基板の内面に沿って平板状に形成されていてもよい。この場合、光透過性基板の内面に成膜することにより、光電面を容易に形成することができる。
光電面は、光透過性基板の内面の一部に形成されていてもよい。この場合、光透過性基板の内面全体に光電面を形成する場合と比較して、光電面の材料コストを低減できる。
光入射部は、平面状に形成されていてもよい。これにより、例えば半球状のプリズム部材を直線的に切断することによって、プリズムを比較的簡易に作成することができる。なお、光入射部は、外側に凸の曲面形状を有していてもよい。或いは、光入射部は、内側に凸の曲面形状を有していてもよい。
光入射部は、光入射面の全体によって構成されていてもよい。この場合、光入射面を一様な面として構成することができるため、光入射面の構成を単純化することができる。
光入射部は、光入射面の一部に開口する凹部によって構成されていてもよい。この場合、例えば光ファイバ等の導光体の先端(光源)を凹部内に進入させることで、光源を光電面に対してより近づけることができる。
光入射面の少なくとも光入射部には、反射防止膜が設けられていてもよい。この場合、反射防止膜により、光入射部(光入射面)における被検出光の反射ロスを効果的に低減させることができる。その結果、光電面における被検出光の吸収量を増大させることができ、光電面の量子効率を一層効果的に向上させることができる。
光反射面には、反射膜が設けられていてもよい。この場合、反射膜により、光反射面における光の透過ロス(光反射面から外部に透過してしまう成分)を低減させることができる。これにより、光反射面で反射して光電面に再度入射する光量の減少を抑制できるため、光電面の量子効率を一層効果的に向上させることができる。
プリズムは、光入射面及び光反射面と底面との間に設けられ、底面に対向する方向から見て光入射面及び光反射面を挟んで互いに対向する一対の側面を更に有してもよい。このような一対の側面は、プリズムを支持(保持)するための面として機能する。例えば作業者は、一対の側面を挟んでプリズムを保持することができる。これにより、例えば、プリズムを光透過性基板に取り付ける際等の作業性の向上を図ることができる。
上記電子管は、真空容器内に設けられ、光電子を増倍する電子増倍部を更に備えてもよい。或いは、電子検出部は、光電子を増倍する半導体素子であってもよい。上記構成によれば、被検出光が微弱光(例えば測定対象試料に励起光を照射することで二次的に発生する蛍光及びラマン散乱光等)である場合であっても、電子検出部において被検出光に応じた電子を好適に検出することができる。
光反射面の曲面形状は、複数の平面によって擬似的に構成された曲面形状であってもよい。この場合、プリズム部材を直線的に切断する加工のみによって光反射面を形成することができるため、加工が容易となる。
本開示の他の側面に係る電子管モジュールは、上記電子管と、電子管を収容する筐体と、を備え、筐体は、開口が形成された壁部を有し、電子管は、開口から導入される光が光入射面に入射するように、筐体内に配置されている。
上記電子管モジュールは、上述した電子管を備えることにより、上述した電子管と同様の効果を奏する。また、筐体内に電子管を収容することにより、電子管を適切に保護することができる。
光入射面は、平面状に形成され、壁部に平行となるように配置されていてもよい。これにより、筐体内における電子管の位置決めを容易に行うことができる。
本開示の更に他の側面に係る光学装置は、上記電子管と、測定対象に照射される光を出力する光源と、を備え、電子管は、光が測定対象に照射されることにより発生した被検出光が光入射面に入射するように配置されている。
上記光学装置は、被検出光を検出する検出部として上記電子管を備えることにより、上述した電子管と同様の効果を奏する。
電子管は、プリズム及び光透過性基板を介して光電面に入射した被検出光の一部又は全部が光電面と真空空間との界面において全反射するように構成されていてもよい。上記構成によれば、全反射した後に再度光電面に戻る被検出光によって光電面における被検出光の吸収量を増大させることができ、光電面の量子効率を効果的に向上させることができる。
本開示によれば、光電面の量子効率を効果的に向上させることができる電子管、電子管モジュール、及び光学装置を提供することができる。
第1実施形態の電子管の断面図である。 図1の電子管の平面図である。 図1の電子管が備えるプリズムの斜視図である。 図1の電子管における被検出光の光路を示す模式図である。 被検出光が光電面と真空空間との界面において全反射するための条件を説明するための模式図である。 第2実施形態の電子管の断面図である。 実施形態に係る電子管モジュールの斜視図である。 電子管モジュールの一部断面図である。 光学装置の第1の例の概略構成図である。 光学装置の第2の例の概略構成図である。 光学装置の第3の例の概略構成図である。 プリズムの第1変形例を示す斜視図である。 プリズムの第2変形例を示す断面図である。 プリズムの第3変形例を示す断面図である。 プリズムの第4変形例を示す断面図である。 プリズムの第5変形例を示す断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。各図において同一又は相当の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1及び図2に示されるように、第1実施形態の電子管1Aは、電子増倍機能(後述する電子増倍部9)を有する光電子増倍管である。図1及び図2において、Z軸方向は、電子管1Aの延在方向(すなわち、後述する側管2の延在方向)である。Y軸方向は、後述するプリズム16の一対の側面16dが互いに対向する方向である。X軸方向は、Y軸方向及びZ軸方向に直交する方向である。X軸方向は、Z軸方向から見た場合に、後述する被検出光Lの光軸(中心軸)に沿った方向でもある。
電子管1Aは、略円筒形状をなす金属製の側管2を有する。側管2の上側端部には、入射光(被検出光)に対して良好な光透過性を有する光透過性基板3が、気密に固定されている。本実施形態では、光透過性基板3は円板状に形成されており、光透過性基板3の周縁部が側管2の上側端部に固定されている。側管2の下側の開口端には、円板状のステム4が配置されている。ステム4には、略円周上の位置に周方向に互いに離間して配置された複数の導電性のステムピン5が、気密に挿着されている。各ステムピン5は、ステム4の上面側及び下面側の互いに対応する位置に形成された開口4aに挿通されている。また、ステム4を側方から包囲するように、金属製のリング状側管6が、気密に固定されている。側管2の下端部に形成されたフランジ部2aとリング状側管6の上端部に形成されたフランジ部6aとが互いに溶接され、側管2とリング状側管6とが互いに気密に固定されている。このようにして、内部が真空状態に保たれた真空容器7が、側管2、光透過性基板3、及びステム4によって形成されている。
真空容器7内には、光電面8と、電子増倍部9と、アノード10(電子検出部)と、が設けられている。光電面8は、光透過性基板3の真空空間S側の内面3aに設けられている。光電面8は、光透過性基板3の内面3a上に直接設けられてもよいし、下地層(例えば、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化チタン等の酸化物等)を介して光透過性基板3の内面3a上に設けられてもよい。光電面8は、光透過性基板3を介して入射した光に応じて真空空間Sに光電子を放出する。光電面8は、いわゆる透過型の光電面であり、光透過性基板3側の上面で光を受けて、真空空間S側の下面から光電子を放出する。光電面8は、例えば、GaAsP、GaAs、InGaAs等の材料によって形成され得る。或いは、光電面8は、アルカリアンチモナイド光電面又はアルカリテルライド光電面であってもよい。
ここで、光電面8における被検出光の吸収量を多くする観点からは、光電面8の厚みは大きい方が好ましい。一方、光電面8から真空空間Sへの電子の放出効率を向上させる観点からは、光電面8の厚みは小さい方が好ましい。電子管1Aは、後述するプリズム16を備えることにより、光電面8における被検出光の吸収量を効果的に増大させることができるため、その分、光電面8の厚みを小さくすることができる。以上を踏まえて、光電面8がGaAsP、GaAs、又はInGaAsによって形成される場合には、光電面8の膜厚は3μm以下とされてもよい。また、光電面8がアルカリアンチモナイド光電面又はアルカリテルライド光電面である場合には、光電面8の膜厚は0.5μm以下とされてもよい。
光電面8は、光透過性基板3の内面3aに沿って平板状に形成されている。この場合、光透過性基板3の内面3aに成膜することにより、光電面8を容易に形成することができる。また、光電面8は、光透過性基板3の内面3aの一部に形成されている。一例として、光電面8は、光透過性基板3の厚さ方向(Z軸方向)から見た場合に、光透過性基板3の略中心位置を中心とし、光透過性基板3よりも小さい半径を有する円形状に形成されている。すなわち、光透過性基板3の内面3aの外縁部には、光電面8が設けられていない。この場合、光透過性基板3の内面3a全体に光電面8を形成する場合と比較して、光電面8の材料コストを低減できる。
電子増倍部9は、光電面8から放出された光電子を増倍する。本実施形態では、電子増倍部9は、電子増倍孔を多数有する薄板状のダイノード板11が複数段に積層されることによりブロック状に形成されており、ステム4の上面に設置されている。各ダイノード板11の縁部には、外側に突出するダイノード板接続片11aが形成されている。各ダイノード板接続片11aの下面側には、ステム4に挿着された所定のステムピン5の先端部分が溶接固定されている。これにより、各ダイノード板11は、各ステムピン5と電気的に接続されている。
アノード10は、光電面8から放出された光電子に由来する電子を検出する。ここで、光電面8から放出された光電子に由来する電子とは、当該光電子自体であってもよいし、当該光電子に基づいて二次的に発生した電子であってもよい。本実施形態では、アノード10は、電子増倍部9によって増倍された二次電子(すなわち、光電面8から放出された光電子に基づいて二次的に発生した電子)を検出する。本実施形態では、アノード10は、最終段のダイノード板11bよりも1つ上の段に設けられており、最終段のダイノード板11bから放出された二次電子を出力信号として取り出すための平板状の陽極部材として構成されている。
光電面8と電子増倍部9との間には、光電面8から放出された光電子を電子増倍部9に収束させて導くための平板状の収束電極12が設置されている。収束電極12には、ステムピン5が溶接固定されている(図示せず)。これにより、収束電極12は、ステムピン5と電気的に接続されている。また、アノード10には、ステムピン5の一つであるアノードピン5Aが溶接固定されている。これにより、アノード10は、アノードピン5Aと電気的に接続されている。そして、電源回路(例えば、図8に示される回路基板41)に接続されたステムピン5によって、光電面8と収束電極12とが同電位となり、且つ各ダイノード板11が上段から下段に向かうにつれて高電位となるように、電圧が印加される。また、アノード10が最終段のダイノード板11bよりも高電位となるように電圧が印加される。
ステム4は、ベース材13と、ベース材13の上側(内側)に接合された上側押え材14と、ベース材13の下側(外側)に接合された下側押え材15とによって、3層構造に形成されている。ステム4の側面には、上述したリング状側管6が固定されている。本実施形態では、ベース材13の側面とリング状側管6の内壁面とが接合されることにより、リング状側管6に対してステム4が固定されている。
真空容器7の外側において、電子管1Aは、透明構造体であるプリズム16を備えている。プリズム16は、光透過性基板3の内面3aとは反対側の外面3bに接合されている。図1~図3に示されるように、プリズム16は、底面16aと、光入射面16bと、光反射面16cと、一対の側面16dと、を有する。プリズム16の材料は、例えばアクリル樹脂、ガラス等である。
底面16aは、光透過性基板3の外面3bに接合される面である。底面16aと光透過性基板3の外面3bとは、光学接着剤によって互いに接着され得る。或いは、底面16aと光透過性基板3の外面3bとは、オプティカルコンタクトによって互いに接合され得る。底面16aは、平面状(平坦面)に形成されている。底面16aは、略矩形状に形成されている。底面16aの長手方向(X軸方向)における一端には、光入射面16bが接続されている。底面16aの長手方向における他端には、光反射面16cが接続されている。底面16aの短手方向(Y軸方向)における両端の各々には、側面16dが接続されている。
底面16aの長手方向の長さは、光透過性基板3の直径と略一致している。図2に示されるように、底面16aに垂直な方向(Z軸方向)から見て、底面16aの長手方向における両端部の位置は、光透過性基板3の縁部の位置と一致している。底面16aの長手方向における一端(すなわち、光入射面16bと接続された端部)が光透過性基板3の縁部よりも内側に位置していないことにより、後述する電子管モジュール30の筐体31内に電子管1Aを配置する際に、光入射面16bと筐体31の天壁32の内側面32cとを当接させることが可能となっている(図8参照)。ただし、このように電子管1Aを筐体31内に配置する必要がない場合には、底面16aにおける光入射面16bと接続された端部は、光透過性基板3の縁部よりも内側に位置してもよい。なお、本実施形態では一例として、底面16aの長手方向における一端は、矩形状の角部を有している。一方、底面16aの長手方向における他端は、当該他端に接続される光反射面16cが曲面形状を有しているため、光透過性基板3の縁部に沿う円弧状に形成されている。
光入射面16bは、被検出光L(図4参照)が入射する面である。光入射面16bは、平面状(平坦面)に形成されている。底面16aの短手方向(Y軸方向)から見て、光入射面16bは、底面16aに対して傾斜している。底面16aと光入射面16bとが成す角度は鋭角である。本実施形態では、光入射面16bの全体によって、被検出光Lが入射する光入射部が構成されている。
光入射面16bには、反射防止膜17が設けられている。光入射面16bを覆うように反射防止膜17が設けられることにより、光入射面16bにおける被検出光の反射ロスを効果的に低減させることができる。反射防止膜17は、単層膜であってもよいし、多層膜であってもよい。反射防止膜17を単層膜として形成する場合には、反射防止膜17は、例えばMgF等によって形成され得る。反射防止膜17を多層膜として形成する場合には、反射防止膜17は、例えばTiO、Ta、SiO、Al、MgF等によって形成され得る。反射防止膜17の成膜方法としては、例えば真空蒸着、スパッタ等の手法が用いられ得る。
光反射面16cは、プリズム16及び光透過性基板3を介して光電面8に入射して光電面8と真空空間Sとの界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を光電面8に再度入射させる反射部として機能する。光反射面16cは、外側に凸の曲面形状に形成されている。例えば、光反射面16cは、ドーム状(球面状或いは放物面状等の曲面形状)に形成されている。
ここで、図1における仮想線は、光反射面16cに沿った仮想的な球面Pを示している。なお、光反射面16cが球面状以外の曲面形状である場合には、仮想的な球面Pは、光反射面16cに近似させた球面であり、光反射面16cと完全に重なっている必要はない。光入射面16bは、当該仮想的な球面Pよりも内側に位置している。言い換えると、本実施形態では、光入射面16bは、光反射面16cと滑らかに連続していない。すなわち、光入射面16bは、光入射面が光反射面16cと滑らかに連続する面として構成されると仮定した場合よりも内側に位置している。上記構成によって、光入射面16bと光電面8との距離が、プリズムを単純に半球状に形成した場合よりも短くされている。
光反射面16cには、光の反射率を向上させるための反射膜18が設けられている。反射膜18は、例えば、アルミニウム、アルミニウム系合金、銀、銀系合金、金、誘電体多層膜等によって形成され得る。
一対の側面16dは、光入射面16b及び光反射面16cと底面16aとの間に設けられている。一対の側面16dは、底面16aに対向する方向(Z軸方向)から見て光入射面16b及び光反射面16cを挟んで互いに対向している。より具体的には、一方の側面16dは、光入射面16b及び光反射面16cのY軸方向における一方の端部と、底面16aのY軸方向における一方の端部とを接続するように設けられている。他方の側面16dは、光入射面16b及び光反射面16cのY軸方向における他方の端部と、底面16aのY軸方向における他方の端部とを接続するように設けられている。各側面16dは、Y軸方向に交差する面である。本実施形態では、各側面16dは、Y軸方向に直交しており、XZ平面に沿っている。このような一対の側面16dは、プリズム16を支持(保持)するための面として機能する。また、一対の側面16dにより、プリズム16の中心の位置出しも容易となる。また、一対の側面16dは、電子管1Aをモジュール化する際に、電子管1A(プリズム16)を筐体に固定するための面としても利用され得る。
例えば作業者は、一対の側面16dを挟んでプリズム16を保持することができる。これにより、例えば、プリズム16を光透過性基板3に取り付ける際等の作業性の向上を図ることができる。
図4を参照して、プリズム16によって光電面8の量子効率が向上する原理について説明する。図4においては、上述した電子管1Aの構成要素のうち、側管2の一部、光透過性基板3、光電面8、及びプリズム16が概略的に示されている。図4に示されるように、被検出光Lは、プリズム16の光入射面16bに向かう光である。被検出光Lは、平行光であってもよいし、非平行光であってもよい。図4の例では、被検出光Lは、光電面8の略中心に焦点を有するように図示しないレンズ等によって集光された光(非平行光)である。
図4に示されるように、被検出光Lは、プリズム16及び光透過性基板3を介して、光電面8に入射する。本実施形態では、電子管1Aは、被検出光Lの光軸に対して、光電面8の真空空間S側の内面8aと真空空間Sとの界面において被検出光Lの一部又は全部が全反射するように(すなわち、後述する式(3)を満たすように)配置されている。この場合、被検出光Lは、光電面8の内面8aと真空空間Sとの界面において全反射し、プリズム16の光反射面16cへと向かう。当該被検出光Lは、反射膜18が設けられたプリズム16の光反射面16cにおいて反射させられることにより、再び光電面8へと向かう。なお、光反射面16cを完全な半球面状に形成した場合、光反射面16cにおいて反射した光の多くが光電面8に戻らない場合もあり得る。そこで、光反射面16cの曲率は、想定される入射光(光入射面16bに入射する光)の角度等に応じて設定されてもよい。すなわち、光反射面16cの曲率は、光反射面16cで反射した光の光電面8への入射効率(入射量)が最大となるように最適化されてもよい。より具体的には、光電面8と真空空間Sとの界面で全反射した光の多くを好適に光電面8に再度入射させるために、光反射面16cの曲率、位置、大きさ等は、光入射面16bに入射する光の集光角又は発散角、或いは光電面8上の入射光径等に応じて設計され得る。
図5を参照して、被検出光Lの一部又は全部が光電面8の内面8aと真空空間Sとの界面において全反射するための条件について説明する。ここでは、プリズム16の屈折率をn(>1)、光透過性基板3の屈折率をn(>1)、光電面8の屈折率をn(>1)とする。真空空間Sの屈折率は1である。また、プリズム16から光透過性基板3へと入射する被検出光Lの入射角をθ、光透過性基板3から光電面8へと入射する被検出光Lの入射角をθ、光電面8から真空空間Sへと入射する被検出光Lの入射角をθとする。また、光電面8から真空空間Sへと入射する被検出光Lの臨界角(光電面8と真空空間Sとの界面で全反射が起こる最小の入射角)をθとする。この場合、下記式(1)及び(2)が成立する。そして、被検出光Lが光電面8の内面8aと真空空間Sとの界面において全反射するための条件は、下記式(3)により表される。従って、被検出光Lを光電面8の内面8aと真空空間Sとの界面において全反射させるためには、電子管1Aは、被検出光Lの光透過性基板3に対する入射角θに基づいて定まるθが下記式(3)を満たすように、被検出光Lの光軸に対して配置されればよい。なお、必ずしも被検出光Lの全ての成分が下記式(3)を満たす必要はない。被検出光Lの一部が下記式(3)を満たすように電子管1Aの配置等が調整される場合でも、光電面8への光の入射効率の向上を図ることができる。
sinθ=nsinθ=nsinθ …(1)
sinθ=1 …(2)
θ≧θ …(3)
以上述べた電子管1Aによれば、プリズム16の光入射部(本実施形態では、光入射面16b)から入射して光電面8と真空空間Sとの界面で反射した光を、プリズム16の光反射面16cで更に反射させて光電面8に再度入射させることができる。その結果、光電面8における被検出光Lの吸収量を増大させることができる。ここで、光反射面16cが外側に凸の曲面形状を有していることにより、光電面8から光反射面16cに向かってきた光を好適に光電面8へと戻すことができる。さらに、プリズム16の光入射部(光入射面16b)が、光反射面16cに沿った仮想的な球面Pよりも内側に位置していることにより、例えばプリズム16が半球状に構成される場合(すなわち、半球面状のプリズムの表面によって光入射部が構成される場合)と比較して、光源を光電面8に対して近づけることができる。その結果、被検出光Lが発散光である場合には、被検出光Lが光入射面16bから光電面8へと至るまでの間に広がり過ぎることを抑制し、被検出光L(光反射面16cで反射した光を含む)を好適に光電面8に入射させることができる。また、被検出光Lが収束光である場合には、被検出光Lの焦点を光電面8付近に調整することが容易となる。以上により、電子管1Aによれば、光電面8の量子効率を効果的に向上させることができる。
また、光入射部(光入射面16b)は、平面状(平坦面)に形成されている。これにより、例えば半球状のプリズム部材を直線的に切断することによって、プリズム16を比較的簡易に作成することができる。また、後述する電子管モジュール30において、電子管1Aの位置決めを容易に行うことが可能となる。
また、光入射面16bの全体によって光入射部が構成されている。この場合、光入射面16bを一様な面(本実施形態では平坦面)として構成することができるため、光入射面16bの構成を単純化することができる。すなわち、光入射面16bの一部に、光を入射させるための特別な領域を加工する必要がないため、光入射面16bの加工を容易に行うことが可能となる。
また、光入射面16bには、反射防止膜17が設けられている。この場合、反射防止膜17により、光入射面16bにおける被検出光Lの反射ロスを効果的に低減させることができる。すなわち、被検出光Lのうちプリズム16を透過せずに光入射面16bにおいて反射してしまう光の割合を低減させることができる。これにより、光電面8における被検出光Lの吸収量を増大させることができ、光電面8の量子効率を効果的に向上させることができる。
また、光反射面16cには、反射膜18が設けられている。反射膜18により、光反射面16cにおける光の透過ロス(光反射面16cから外部に透過してしまう成分)を低減させることができる。これにより、光反射面16cで反射して光電面8に再度入射する光量の減少を抑制できるため、光電面8の量子効率を効果的に向上させることができる。
また、電子管1Aは、真空容器7内に設けられ、光電面8から放出された光電子を増倍する電子増倍部9を有する。これにより、被検出光Lが微弱光(例えば測定対象試料に励起光を照射することで二次的に発生する蛍光及びラマン散乱光等)である場合であっても、アノード10において被検出光Lに応じた電子を好適に検出することができる。
[第2実施形態]
図6に示されるように、第2実施形態の電子管1Bは、光電面8から放出された光電子を増倍するための構造(すなわち、真空容器内の構造)に関して、電子管1Aと異なる構成を有する。電子管1Bが備える構成のうち、光透過性基板3、光電面8、プリズム16、反射防止膜17、及び反射膜18の構成は、電子管1Aと同様である。電子管1Bは、光の入射に応じて光電面8より放出された光電子を加速し、半導体素子中で高いゲインを得ることで微弱光の検出を可能とする、いわゆる、電子打ち込み増倍型光センサ(HPD:Hybrid Photo-Detector)である。
図6に示されるように、電子管1Bは、内部が真空に保持された真空容器20を有する。本実施形態では一例として、真空容器20は、光透過性基板3と、筒状のカソード電極21と、セラミック等の絶縁性材料からなる円筒状の側板22と、側板22を4分割することで形成された第1側板22aと第2側板22bとの間で挟むようにして固定されたリング状の中間電極23aと、第2側板22bと第3側板22cとの間で挟むように固定されたリング状の中間電極23bと、第3側板22cと第4側板22dとの間で挟むように固定されたリング状の中間電極23cと、金属フランジ24と、金属フランジ24に気密に接続された円板状のステム25とから構成されている。光透過性基板3、カソード電極21、側板22、中間電極23、金属フランジ24、及びステム25は、互いに同心状に積層配置されている。
側板22は、カソード電極21と金属フランジ24との間に設けられている。側板22の一端は、カソード電極21の端面にろう付け等で気密に接合されている。側板22の他端は、ステム25の外周に設けられた金属フランジ24にろう付け等で気密に接合されている。また、中間電極23a,23b,23cは、真空容器20の中心軸線AXを中心とする開口部を有するリング状をなし、側板22の内壁に沿って所定の間隔を空けて、光電面8と電気的に独立して配置されている。ここで、カソード電極21、側板22及び金属フランジ24の筒状部の外径は略同一であり、カソード電極21の内径は側板22の内径より小さい。従って、中心軸線AXに沿ってカソード電極21の一端から他端に亘って、カソード電極21の内壁面は側板22の内壁面より内側に位置する。これに対し、中間電極23a,23b,23cの開口部の内径は、電子軌道に干渉しない範囲内、すなわち、光電面8の径に比較して極端に小さくならない範囲で極力小さくされ、中間電極23a,23b,23cは、筒状の側板22の内壁面からカソード電極21よりも更に内方に突出している。これにより、光電面8より放出した電子の軌道を制御する際の迷走電子による側板22の帯電、及び当該帯電に起因する電子軌道への影響をなくすことができる。中間電極23a,23b,23cは、側板22に挟んだ状態でろう付け等により固定されることにより、側板22との一体化が図られている。
また、真空容器20の金属フランジ24の中心軸線AX側には、リング状の立ち上がり電極26が固定されている。この立ち上がり電極26は、金属フランジ24と同心状に配置され、中間電極23a,23b,23cに比して径の小さい開口を有する。当該開口は、光透過性基板3に向けて側板22の内壁に沿って延びる略円柱形状の先端部26aを形成している。
ステム25における真空空間S側の面上には、光電面8に対向するようにAPD(アバランシェ・フォト・ダイオード)を含む半導体素子27(電子検出部)が固定されている。APDは、濃度の高いP領域とN領域とを接合し、そこでアバランシェ増幅に十分な高い電界を形成する半導体素子である。光電面8から放出された光電子が半導体素子27の表面である電子入射面に照射されると、半導体素子27は、当該光電子を増倍して電気信号に変換し、ステム25を貫通して設けられたピン28を介して外部に出力する。
以上述べたように、電子管1Bでは、光電子を増倍する機能を有する半導体素子27が、電子検出部として機能する。上記構成によれば、被検出光が微弱光である場合であっても、半導体素子27において被検出光に応じた電子を好適に検出することができる。また、電子管1Bでは、電子検出部として機能する半導体素子27が電子増倍機能を有するため、第1実施形態の電子管1Aにおける電子増倍部9を設ける必要がない。なお、電子管1Bの具体的な構造は、上記例に限られない。例えば、中間電極23の一部が省略されてもよいし、立ち上がり電極26が省略されてもよい。
[電子管モジュール]
図7及び図8を参照して、上述した電子管(ここでは一例として、電子管1A)を備える電子管モジュール30について説明する。電子管モジュール30は、電子管1Aと、電子管1Aを収容する筐体31と、を備えている。筐体31は、略直方体状に形成されている。筐体31は、例えば金属又は樹脂等によって形成されている。筐体31は、天壁32(壁部)、底壁33、及び側壁34を有する。天壁32及び底壁33は、筐体31の中心軸線AX1に沿った方向に互いに対向している。天壁32及び底壁33は、中心軸線AX1に沿った方向から見て、同じ大きさの矩形板状に形成されている。側壁34は、中心軸線AX1に沿って延在する角筒状に形成されており、天壁32の縁部と底壁33の縁部とを接続している。
図8に示されるように、本実施形態では、ステムピン5を介して電子管1Aに電圧を供給するための回路基板41と、回路基板41に接続され、電子管1Aに供給するための高電圧を生成する昇圧回路42とが、電子管1Aと共に筐体31に収容されている。電子管1Aは、筐体31の中心軸線AX1に対して電子管1Aの中心軸線AX2(図1におけるZ軸と平行な軸線)が傾斜するようにして、筐体31内に配置及び固定されている。
天壁32には、被検出光を筐体31内の電子管1Aに導くための開口32aが形成されている。開口32aは天壁32の外側面32bから内側面32cまで貫通している。本実施形態では、開口32aは、中心軸線AX1に沿った方向から見て、円形状に形成されている。
電子管1Aは、開口32aから導入される光が光入射面16bに入射するように、筐体31内に配置されている。一例として、電子管1Aは、プリズム16の光入射面16bが天壁32と平行となり、且つ、プリズム16の光入射面16bの少なくとも一部が開口32aを介して外部に露出するように、筐体31内に配置されている。プリズム16の光入射面16bは、天壁32の内側面32cに当接している。これにより、光入射面16bと天壁32(内側面32c)とが平行となるように、筐体31内に電子管1Aを容易且つ精度良く位置決めすることができる。
なお、仮に、中心軸線AX2に沿った方向から見て、底面16aの端部(光入射面16bに接続される側の端部)が光透過性基板3の縁部よりも内側に位置する場合等には、光透過性基板3の縁部が天壁32と干渉してしまうため、光入射面16bを天壁32の内側面32cとの間に隙間が生じることになる。このような場合には、天壁32の内側面32cと光入射面16bとの間に、当該隙間を埋めるためのスペーサ部材が配置されてもよい。或いは、当該隙間に対応する部分における天壁32の厚みを他の部分における厚みよりも大きくすることよって、天壁32の内側面32cと光入射面16bとが当接させられてもよい。
本実施形態では、プリズム16の光入射面16bは、天壁32の内側面32cに接合されている。光入射面16bと内側面32cとは、例えば、接着剤によって接合され得る。接着剤として、例えば、シリコーン系接着剤等のガラス接着用接着剤が用いられてもよい。ここで、内側面32cとガラス接着用接着剤とのなじみを良くするために、予め内側面32cの材質に適したプライマーが内側面32cに塗布されてもよい。この場合、内側面32cに塗布されたプライマーが乾燥した後に、プライマーが塗布された内側面32cと光入射面16bとがガラス接着用接着剤によって接合される。或いは、接着剤として、内側面32cの材質となじみの良い接着剤が用いられてもよい。この場合、光入射面16bと当該接着剤とのなじみを良くするために、予め光入射面16bにガラス用のプライマーが塗布されてもよい。ただし、上述したようなプライマーを用いることは必須ではない。このように、天壁32に対して電子管1Aのプリズム16が固定されることにより、天壁32に対する電子管1Aの位置ずれを好適に防止することができる。なお、光入射面16bのうち内側面32cと当接する部分の全体が内側面32cに接合されてもよいし、光入射面16bのうち内側面32cと当接する部分の一部が内側面32cに接合されてもよい。また、光入射面16bは、必ずしも天壁32の内側面32cに接合されている必要はなく、電子管1Aは、光入射面16b以外の部分において、筐体31に対して固定されてもよい。
以上述べた電子管モジュール30は、電子管1Aを備えることにより、上述した電子管1Aと同様の効果を奏する。また、筐体31内に電子管1Aを収容することにより、電子管1Aを適切に保護することができる。また、平面状に形成された光入射面16bが天壁32と平行となるように配置されるため、筐体31内における電子管1Aの位置決めが容易となっている。例えば、上述したように光入射面16bを天壁32の内側面32cに当接させることで、電子管1Aの位置決めを容易に行うことができる。また、天壁32が被検出光の光軸に対して直交するように電子管モジュール30の位置を調整することにより、電子管モジュール30を容易且つ適切に配置することが可能となる。また、筐体31の中心軸線AX1と被検出光の光軸とが平行となるため、電子管モジュール30を含む光学系(後述する光学装置50A~50C等)において、電子管モジュール30を自然な向きで収まりよく配置することができる。
[光学装置]
次に、図9~図11を参照して、上述した電子管(ここでは一例として、電子管1Aを含む電子管モジュール30)を備える光学装置50A~50Cについて説明する。
[光学装置の第1の例]
図9に示されるように、第1の例に係る光学装置50Aは、試料台51に載置された試料100に励起光Leを照射し、対物レンズ56の焦点位置P0において試料100から生じた微弱な蛍光Lfを検出する二光子レーザ顕微鏡(二光子励起顕微鏡、二光子顕微鏡)である。
光学装置50Aは、試料台51と、レーザ照射部52A(光源)と、集光レンズ53と、コリメートレンズ54と、ダイクロイックミラー55と、対物レンズ56と、集光レンズ57と、コリメートレンズ58と、蛍光Lfを検出するための電子管モジュール30と、を備える。ただし、コリメートレンズ58は省略されてもよい。
試料台51は、測定対象の試料100が載置される部分である。試料台51は、例えば可動式のステージである。試料100は、例えば生体試料であり、励起光Leが照射されることによって蛍光Lfを発する。レーザ照射部52Aは、測定対象の試料100に照射される励起光Le(光)を出力する光源である。レーザ照射部52Aにより出力される励起光Leは、近赤外超短パルスレーザ光である。本実施形態では一例として、レーザ照射部52Aにより出力される励起光Leは平行光である。集光レンズ53は、レーザ照射部52Aから出力される励起光Leの光路上に配置され、励起光Leを集光することにより、励起光Leを点光源に変換する。コリメートレンズ54は、集光レンズ53よりも後段に配置され、励起光Leを平行化(コリメート)する。ダイクロイックミラー55は、励起光Leを反射する一方で蛍光Lfを透過するように構成されたミラー部材であり、コリメートレンズ54の後段に配置されている。コリメートレンズ54によって平行光とされた励起光Leは、ダイクロイックミラー55において反射し、対物レンズ56を通過して試料100に達する。これにより、対物レンズ56の焦点位置P0のみにおいて二光子励起が生じ、当該焦点位置P0において試料100から蛍光Lfが生じる。
試料100において生じた蛍光Lfは、励起光Leとは逆の経路を辿って対物レンズ56を通過し、ダイクロイックミラー55を透過する。その後、蛍光Lfは、集光レンズ57によって集光される。集光レンズ57によって集光された蛍光Lfは、集光レンズ57の集光点よりも後方に配置されたコリメートレンズ58によって平行化される。図9に示されるように、電子管モジュール30は、試料100において生じた蛍光Lfの光軸OAがプリズム16の光入射面16bに直交するように、コリメートレンズ58の後段に配置されている。また、蛍光Lfは、天壁32の開口32aに収まるように、コリメートレンズ58によって平行化される。このように平行化された蛍光Lfは、開口32aを介してプリズム16の光入射面16bに入射し、電子管モジュール30によって検出される。
以上述べた光学装置50Aは、被検出光(ここでは蛍光Lf)を検出する検出部として電子管モジュール30を備えることにより、上述した電子管モジュール30と同様の効果を奏する。すなわち、プリズム16を利用することにより、電子管1Aにおける光電面8の量子効率を効果的に向上させることができる。その結果、電子管1Aのアノード10において、蛍光Lfに応じた電子を好適に検出することができる。また、図9に示されるように、電子管1Aが筐体31に収容されていることにより、光学装置50Aにおいて、筐体31の中心軸線AX1(図8参照)と被検出光(蛍光Lf)の光軸OAとが平行となるように電子管モジュール30を収まりよく配置することができる。
また、光学装置50Aにおいて、電子管1Aは、プリズム16及び光透過性基板3を介して光電面8に入射した蛍光Lf(被検出光)の一部又は全部が光電面8と真空空間Sとの界面において全反射するように構成されてもよい。具体的には、図5における被検出光Lとしての蛍光Lfに対して上記式(3)が成立するように、光学装置50Aにおいて、電子管1Aが構成及び配置されてもよい。この場合、光電面8と真空空間Sとの界面で全反射した後に再度光電面8に戻る蛍光Lfによって光電面8における蛍光Lfの吸収量を増大させることができ、光電面8の量子効率を効果的に向上させることができる。
[光学装置の第2の例]
図10に示されるように、第2の例に係る光学装置50Bは、試料台51に載置された試料100(測定対象)に励起光Leを照射し、対物レンズ56の焦点位置P0において試料100から生じた微弱な蛍光Lf1を検出する共焦点レーザ顕微鏡である。光学装置50Bは、レーザ照射部52Aの代わりにレーザ照射部52Bを備え、ピンホール59を更に備える点で、光学装置50Aと相違しており、その他の構成については光学装置50Aと同様である。
具体的には、レーザ照射部52Bにより出力される励起光Leは、可視紫外光レーザである。この場合、試料100に励起光Leが照射されることにより、対物レンズ56の焦点位置P0以外の領域を含む照射領域から蛍光が生じる。図10において、蛍光Lf1は、焦点位置P0において生じた蛍光を示しており、蛍光Lf2は、焦点位置P0以外の位置(ここでは一例として試料100と試料台51との接触位置付近)において生じた蛍光を示している。このように、光学装置50Bでは、焦点位置P0以外の領域においても蛍光Lf2が生じることから、焦点位置P0からの蛍光Lf1のみを通過させるためのピンホール59が、集光レンズ57の後段に設けられている。これにより、蛍光Lf1のみが、ピンホール59を通過し、コリメートレンズ58を介して電子管モジュール30の入射面(プリズム16の光入射面16b)へと導かれる。すなわち、ピンホール59は、焦点位置P0以外の領域において生じた蛍光Lf2を遮蔽する。以上述べた光学装置50Bにおいても、上述した光学装置50Aと同様の効果が奏される。
[光学装置の第3の例]
図11に示されるように、第3の例に係る光学装置50Cは、フローサイトメトリーを行う装置(フローサイトメーター)である。光学装置50Cは、レーザ照射部52Cと、フローセルFCと、コリメートレンズ60と、複数(ここでは一例として3つ)のダイクロイックミラー61A,61B,61Cと、複数の集光レンズ62A,62B,62Cと、複数のコリメートレンズ63A,63B,63Cと、複数の電子管モジュール30A,30B,30Cと、を備える。ただし、コリメートレンズ63A,63B,63Cは省略されてもよい。
フローセルFCは、測定対象となる複数の細胞等の試料100を含む試料溶液を流通させる装置である。フローセルFCは、試料溶液中の試料100が1つずつ順番に流れるように整列させる機能を有する。レーザ照射部52Cは、フローセルFCにおける所定の照射位置に対して励起光Le(ここでは一例として、488nmアルゴンレーザ)を照射するように構成されている。これにより、フローセルFC内を流通して照射位置を通過する各試料100に対して順次励起光Leが照射される。このように試料100に対して励起光Leが照射されることにより、試料100において蛍光Lfが発生する。
コリメートレンズ60は、試料100において発生した蛍光Lfを平行化する。コリメートレンズ60の後段には、ダイクロイックミラー61A,61B,61Cがこの順に配置されている。ここでは一例として、1段目のダイクロイックミラー61Aは、赤色光Lrを反射し、赤色光Lrよりも短波長の光を透過するように構成されている。ダイクロイックミラー61Aの後段に配置された2段目のダイクロイックミラー61Bは、ダイクロイックミラー61Aを透過した光のうち黄色光Lyを反射し、黄色光Lyよりも短波長の光を透過するように構成されている。ダイクロイックミラー61Bの後段に配置された3段目のダイクロイックミラー61Cは、ダイクロイックミラー61Bを透過した光のうち緑色光Lgを反射し、緑色光Lgよりも短波長の光を透過するように構成されている。
ダイクロイックミラー61Aにより反射された赤色光Lrの光路上には、集光レンズ62A、コリメートレンズ63A、及び電子管モジュール30Aが配置されている。すなわち、ダイクロイックミラー61A、集光レンズ62A、コリメートレンズ63A、及び電子管モジュール30Aは、蛍光Lfに含まれる赤色光Lrを検出する光学系を構成している。電子管モジュール30Aは、ダイクロイックミラー61Aにより反射された赤色光Lrの光軸OA1がプリズム16の光入射面16bに直交するように、コリメートレンズ63Aの後段に配置されている。赤色光Lrは、集光レンズ62A及びコリメートレンズ63Aによって、天壁32の開口32aに収まるように平行化される。このように平行化された赤色光Lrは、開口32aを介してプリズム16の光入射面16bに入射し、電子管モジュール30Aによって検出される。
ダイクロイックミラー61Bにより反射された黄色光Lyの光路上には、集光レンズ62B、コリメートレンズ63B、及び電子管モジュール30Bが配置されている。すなわち、ダイクロイックミラー61B、集光レンズ62B、コリメートレンズ63B、及び電子管モジュール30Bは、蛍光Lfに含まれる黄色光Lyを検出する光学系を構成している。電子管モジュール30Bは、ダイクロイックミラー61Bにより反射された黄色光Lyの光軸OA2がプリズム16の光入射面16bに直交するように、コリメートレンズ63Bの後段に配置されている。黄色光Lyは、集光レンズ62B及びコリメートレンズ63Bによって、天壁32の開口32aに収まるように平行化される。このように平行化された黄色光Lyは、開口32aを介してプリズム16の光入射面16bに入射し、電子管モジュール30Bによって検出される。
ダイクロイックミラー61Cにより反射された緑色光Lgの光路上には、集光レンズ62C、コリメートレンズ63C、及び電子管モジュール30Cが配置されている。すなわち、ダイクロイックミラー61C、集光レンズ62C、コリメートレンズ63C、及び電子管モジュール30Cは、蛍光Lfに含まれる緑色光Lgを検出する光学系を構成している。電子管モジュール30Cは、ダイクロイックミラー61Cにより反射された緑色光Lgの光軸OA3がプリズム16の光入射面16bに直交するように、コリメートレンズ63Cの後段に配置されている。緑色光Lgは、集光レンズ62C及びコリメートレンズ63Cによって、天壁32の開口32aに収まるように平行化される。このように平行化された緑色光Lgは、開口32aを介してプリズム16の光入射面16bに入射し、電子管モジュール30Cによって検出される。
以上、電子管(ここでは電子管モジュール)を含む光学装置の例として3つの光学装置50A,50B,50Cについて説明したが、光学装置の構成は上記に限定されない。例えば、上述した光学装置50A,50B,50Cにおいて、被検出光を検出する部分として、電子管モジュール30ではなく、筐体31に収容されていない状態の電子管1Aが設けられてもよい。また、電子管1A,1B又は電子管モジュール30は、本開示で例示された光学装置50A,50B,50C以外の光学装置に組み込まれてもよい。すなわち、電子管1A,1B又は電子管モジュール30は、二光子レーザ顕微鏡、共焦点レーザ顕微鏡、及びフローサイトメーター以外の用途に利用されてもよい。また、被検出光は、図9~図11の例のような光学系を用いることなく、例えば光ファイバ等の導光体を介して、プリズム16の光入射部(光入射面16b)へと導かれてもよい。
[変形例]
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。例えば、プリズムの形状は、上記実施形態のプリズム16に限られない。以下、プリズムのいくつかの変形例について説明する。
(プリズムの第1変形例)
図12は、第1変形例に係るプリズム16Aを示す斜視図である。プリズム16Aでは、光反射面16cの曲面形状は、複数の平面部19によって擬似的に構成された曲面形状である。より具体的には、光反射面16cは、複数の平面部19によって形成されている。すなわち、光反射面16cは、複数の平面状の部分(平面部19)が互いに連結することによって形成されている。この場合、プリズム部材を直線的に切断する加工のみによって光反射面16cを形成することができるため、加工が容易となる。なお、光反射面16cを構成する平面部19の個数、並びに各平面部19の形状及び大きさは、特定の形態に限定されない。なお、平面部19一つ当たりの大きさを小さくし、光反射面16cを構成する平面部19の個数を多くすることにより、近似度の高い曲面形状が得られる。
(プリズムの第2変形例)
図13は、第2変形例に係るプリズム16Bを示す断面図である。プリズム16Bは、光入射面16bの一部に開口する凹部16eが形成されている点において、プリズム16と相違している。凹部16eは、例えば断面円柱状の非貫通孔である。プリズム16Bにおいては、例えば光ファイバ等の導光体の先端部から被検出光が出力される場合(すなわち、光ファイバの先端部が光源となる場合)において、光ファイバの先端部を凹部16e内に進入させることにより、光源と光電面8との距離をより短くすることができる。このようなプリズム16Bにおいては、光入射部は、凹部16eによって構成されている。より具体的には、凹部16eの底面16fが、光が入射する光入射部として機能する。なお、プリズム16Bでは、光反射面16cの全体に反射防止膜17が設けられているが、上述したように凹部16eの底面16f(光入射部)のみに光が入射させられる場合には、当該底面16fのみに反射防止膜17が設けられてもよい。また、プリズム16Bでは、底面16fは平面状(平坦面)に形成されているが、底面16fは、内側に凸の曲面形状に形成されてもよいし、外側に凸の曲面形状に形成されてもよい。プリズム16Bによれば、凹部16e内に光源(ここでは光ファイバの先端部)を進入させることで、光源を光電面8に対してより近づけることができる。
(プリズムの第3変形例)
図14は、第3変形例に係るプリズム16Cを示す断面図である。プリズム16Cは、光入射面16bが光反射面16cと連続する曲面形状を有している点で、プリズム16Bと相違している。すなわち、プリズム16Cは、半球状のプリズムの光入射面16bの一部に凹部16eが形成されたものである。このような構成によっても、プリズム16Bと同様の効果が得られる。
(プリズムの第4変形例)
図15は、第4変形例に係るプリズム16Dを示す断面図である。プリズム16Dは、光入射面16bが平坦面ではなく、内側に凸の曲面形状を有している点で、プリズム16と相違している。このようなプリズム16Dによれば、光源を光入射面16bの近傍まで近づけることで、光源と光電面8との距離をプリズム16を用いる場合よりも短くすることができる。
(プリズムの第5変形例)
図16は、第5変形例に係るプリズム16Eを示す断面図である。プリズム16Eは、光入射面16bが平坦面ではなく、外側に凸の曲面形状を有している点で、プリズム16と相違している。なお、光入射面16bの曲率は、仮想的な球面Pよりも内側に収まる範囲に設定されている。このようなプリズム16Eによれば、例えば光入射面16bに入射する被検出光が平行光である場合に、当該平行光を光電面8の略中心位置に向けて集光させることが可能となる。
また、電子管の一例として、電子増倍機能(第1実施形態における電子増倍部9又は第2実施形態における半導体素子27)を備える電子管1A,1B(すなわち、光電子増倍管又はHPD)を例示したが、電子管において、このような電子増倍機能は必須ではない。すなわち、電子管1A,1Bは、真空容器内において、光電面8と、光電面8から放出された光電子を直接検出するアノードとを有する光電管(光電変換管)として構成されてもよい。
1A,1B…電子管、3…光透過性基板、3a…内面、3b…外面、7,20…真空容器、8…光電面、9…電子増倍部、10…アノード(電子検出部)、16…プリズム、16a…底面、16b…光入射面(光入射部)、16c…光反射面、16d…側面、16e…凹部(光入射部)、17…反射防止膜、18…反射膜、27…半導体素子(電子検出部)、30,30A,30B,30C…電子管モジュール、31…筐体、32…天壁(壁部)、32a…開口、32b…外側面、32c…内側面、50A,50B,50C…光学装置、52A,52B,52C…レーザ照射部(光源)、57,62A,62B,62C…集光レンズ、100…試料(測定対象)、L…被検出光、Le…励起光(光)、Lf…蛍光(被検出光)、Lr…赤色光(被検出光)、Ly…黄色光(被検出光)、Lg…緑色光(被検出光)、S…真空空間。

Claims (16)

  1. 光透過性基板を有し、真空空間を構成する真空容器と、
    前記光透過性基板の前記真空空間側の面である内面に設けられ、前記光透過性基板を介して入射した光に応じて前記真空空間中に光電子を放出する光電面と、
    前記真空容器内に設けられ、前記光電子に由来する電子を検出する電子検出部と、
    前記光透過性基板の前記内面とは反対側の外面に接合されたプリズムと、を備え、
    前記プリズムは、
    前記光透過性基板の前記外面に接合された底面と、
    光が入射する光入射部を有する光入射面と、
    前記光入射部に入射して前記光電面と前記真空空間との界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を前記光電面に再度入射させる光反射面と、を有し、
    前記光反射面は、外側に凸の曲面形状を有しており、
    前記光入射部は、前記光反射面に沿った仮想的な球面よりも内側に位置
    前記光入射部は、外側に凸の曲面形状を有している、電子管。
  2. 光透過性基板を有し、真空空間を構成する真空容器と、
    前記光透過性基板の前記真空空間側の面である内面に設けられ、前記光透過性基板を介して入射した光に応じて前記真空空間中に光電子を放出する光電面と、
    前記真空容器内に設けられ、前記光電子に由来する電子を検出する電子検出部と、
    前記光透過性基板の前記内面とは反対側の外面に接合されたプリズムと、を備え、
    前記プリズムは、
    前記光透過性基板の前記外面に接合された底面と、
    光が入射する光入射部を有する光入射面と、
    前記光入射部に入射して前記光電面と前記真空空間との界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を前記光電面に再度入射させる光反射面と、を有し、
    前記光反射面は、外側に凸の曲面形状を有しており、
    前記光入射部は、前記光反射面に沿った仮想的な球面よりも内側に位置し、
    前記光入射部は、内側に凸の曲面形状を有している、電子管。
  3. 光透過性基板を有し、真空空間を構成する真空容器と、
    前記光透過性基板の前記真空空間側の面である内面に設けられ、前記光透過性基板を介して入射した光に応じて前記真空空間中に光電子を放出する光電面と、
    前記真空容器内に設けられ、前記光電子に由来する電子を検出する電子検出部と、
    前記光透過性基板の前記内面とは反対側の外面に接合されたプリズムと、を備え、
    前記プリズムは、
    前記光透過性基板の前記外面に接合された底面と、
    光が入射する光入射部を有する光入射面と、
    前記光入射部に入射して前記光電面と前記真空空間との界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を前記光電面に再度入射させる光反射面と、を有し、
    前記光反射面は、外側に凸の曲面形状を有しており、
    前記光入射部は、前記光反射面に沿った仮想的な球面よりも内側に位置し、
    前記プリズムは、前記光入射面及び前記光反射面と前記底面との間に設けられ、前記底面に対向する方向から見て前記光入射面及び前記光反射面を挟んで互いに対向する一対の側面を更に有する、電子管。
  4. 光透過性基板を有し、真空空間を構成する真空容器と、
    前記光透過性基板の前記真空空間側の面である内面に設けられ、前記光透過性基板を介して入射した光に応じて前記真空空間中に光電子を放出する光電面と、
    前記真空容器内に設けられ、前記光電子に由来する電子を検出する電子検出部と、
    前記光透過性基板の前記内面とは反対側の外面に接合されたプリズムと、を備え、
    前記プリズムは、
    前記光透過性基板の前記外面に接合された底面と、
    光が入射する光入射部を有する光入射面と、
    前記光入射部に入射して前記光電面と前記真空空間との界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を前記光電面に再度入射させる光反射面と、を有し、
    前記光反射面は、外側に凸の曲面形状を有しており、
    前記光入射部は、前記光反射面に沿った仮想的な球面よりも内側に位置し、
    前記光反射面の前記曲面形状は、複数の平面部によって擬似的に構成された曲面形状である、電子管。
  5. 前記光入射部は、前記光入射面の全体によって構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子管。
  6. 光透過性基板を有し、真空空間を構成する真空容器と、
    前記光透過性基板の前記真空空間側の面である内面に設けられ、前記光透過性基板を介して入射した光に応じて前記真空空間中に光電子を放出する光電面と、
    前記真空容器内に設けられ、前記光電子に由来する電子を検出する電子検出部と、
    前記光透過性基板の前記内面とは反対側の外面に接合されたプリズムと、を備え、
    前記プリズムは、
    前記光透過性基板の前記外面に接合された底面と、
    光が入射する光入射部を有する光入射面と、
    前記光入射部に入射して前記光電面と前記真空空間との界面で反射した光を更に反射させることにより、当該光を前記光電面に再度入射させる光反射面と、を有し、
    前記光反射面は、外側に凸の曲面形状を有しており、
    前記光入射部は、前記光反射面に沿った仮想的な球面よりも内側に位置し、
    前記光入射部は、前記光入射面の一部に開口する凹部によって構成されている、電子管。
  7. 前記光電面は、前記光透過性基板の前記内面に沿って平板状に形成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子管。
  8. 前記光電面は、前記光透過性基板の前記内面の一部に形成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の電子管。
  9. 前記光入射面の少なくとも前記光入射部には、反射防止膜が設けられている、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子管。
  10. 前記光反射面には、反射膜が設けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載の電子管。
  11. 前記真空容器内に設けられ、前記光電子を増倍する電子増倍部を更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の電子管。
  12. 前記電子検出部は、前記光電子を増倍する半導体素子である、請求項1~10のいずれか一項に記載の電子管。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の電子管と、
    前記電子管を収容する筐体と、を備え、
    前記筐体は、開口が形成された壁部を有し、
    前記電子管は、前記開口から導入される光が前記光入射面に入射するように、前記筐体内に配置されている、電子管モジュール。
  14. 前記光入射面は、平面状に形成され、前記壁部に平行となるように配置されている、請求項13に記載の電子管モジュール。
  15. 請求項1~12のいずれか一項に記載の電子管と、
    測定対象に照射される光を出力する光源と、を備え、
    前記電子管は、前記光が前記測定対象に照射されることにより発生した被検出光が前記光入射面に入射するように配置されている、光学装置。
  16. 前記電子管は、前記プリズム及び前記光透過性基板を介して前記光電面に入射した前記被検出光の一部又は全部が前記光電面と前記真空空間との界面において全反射するように構成されている、請求項15に記載の光学装置。
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