以下、商品の消費に対して課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも容易に対処できる商品販売データ処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態では、「外食を除く飲料品又は食料品」を軽減税率の対象とする。すなわち、飲料品又は食料品に課せられる税の税率は、持ち帰りの場合には軽減税率となるが、店内飲食の場合には通常税率となる。そして、イートインスペースを備えた小売店舗の会計場所に設置されるPOS(Point Of Sales)端末を、一実施形態の商品販売データ処理装置として例示する。
図1は、一実施形態であるPOS端末1の要部回路構成を示すブロック図である。POS端末1は、スキャナ2と、端末本体3と、を含む。
スキャナ2は、消費者に提供される商品を識別する情報、いわゆる商品識別情報を読み取る読取装置として機能する。この機能を実現するために、スキャナ2は、撮像デバイス21と、コントローラ22と、記憶デバイス23とを備える。撮像デバイス21は、図示しない読取窓に翳された商品を撮像する。コントローラ22は、撮像デバイス21で撮像された画像を解析して商品識別情報を読み取る。商品識別情報は、商品に付されたバーコードの情報である。商品識別情報は、バーコードの情報に限定されるものではない。商品識別情報は、二次元データコードの情報、文字情報、商品の外観特徴量に関する情報等であってもよい。コントローラ22は、商品識別情報を含むデータ信号を端末本体3へと出力する。記憶デバイス23は、コントローラ22での画像解析に必要なデータを記憶する。
端末本体3は、商品販売に係るデータを処理するデータ処理装置として機能する。この機能を実現するために、端末本体3は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、入力デバイス35、第1表示デバイス36、第2表示デバイス37、スキャナインターフェース38、プリンタ39、通信インターフェース310及びシステム伝送路311を備える。システム伝送路311は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。端末本体3は、システム伝送路311に、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、入力デバイス35、第1表示デバイス36、第2表示デバイス37、スキャナインターフェース38、プリンタ39及び通信インターフェース310を接続する。端末本体3では、プロセッサ31、メインメモリ32及び補助記憶デバイス33と、これらを接続するシステム伝送路311とによってコンピュータが構成される。
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、POS端末1としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
アプリケーションプログラムは、制御プログラムを含む。すなわち制御プログラムは、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33に記憶され、プロセッサ31によって実行される。なお、制御プログラムをメインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールすることができる。記録媒体は、CD−ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
時計34は、端末本体3の時刻情報源として機能する。プロセッサ31は、時計34によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時刻を計時する。
入力デバイス35は、POS端末1のオペレータによる操作入力を受け付ける。入力デバイス35は、例えばキーボードである。入力デバイス35は、例えばタッチパネルであってもよい。
第1表示デバイス36は、POS端末1のオペレータに対して画像を表示する。画像は、消費者である客の買上商品として販売登録された商品のデータを示す登録画像、買上商品の合計金額のように客の会計に係るデータを示す会計画像等である。第2表示デバイス37は、客に対して画像を表示する。画像は、上述した登録画像、会計画像等である。第1表示デバイス36及び第2表示デバイス37は、商品の情報を表示する表示手段の一例である。第1表示デバイス36及び第2表示デバイス37は、例えば液晶ディスプレイである。ディスプレイの画面サイズは、第1表示デバイス36と第2表示デバイス37とで同一であってもよいし、異なっていてもよい。
スキャナインターフェース38は、スキャナ2との間でデータ通信を行う。スキャナインターフェース38は、スキャナ2から出力されるデータ信号を受信する。
プリンタ39は、ロール状のレシート用紙に、買上商品として販売登録された商品のデータを印字する。商品のデータが印字されたレシート用紙は客毎に切断され、レシートとして発行される。プリンタ39は、商品の情報を記録したレシートを発行する発行手段の一例である。
通信インターフェース310は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク4を介して接続された外部機器との間でデータ通信を行う。外部機器は、ストアサーバ5を含む。ストアサーバ5は、商品マスタファイル51及び税率テーブル52等を備えたサーバ用コンピュータである。ストアサーバ5が通信ネットワーク4を介して接続された複数台のPOS端末1を制御することで、POSシステムが構成される。このようなPOSシステムは周知であるので、ここでの説明は省略する。
図2は、商品マスタファイル51に保存される商品レコード51Rの主要なデータ構造を示す模式図である。商品マスタファイル51には、店舗で販売される商品毎に生成された商品レコード51Rが保存される。商品レコード51Rは、商品コード、分類コード、商品名、価格、非課税フラグF1、軽減対象フラグF2、外食対象フラグF3等で構成される。
商品コードは、各商品を識別するために商品毎に設定された一意のコードである。各商品には、それぞれ商品コードをバーコード化したバーコードシンボルが印刷されている。あるいはバーコードシンボルが印刷されたラベルが各商品に貼付されている。分類コードは、商品分類に対して割り当てられた一意のコードである。各商品は、その属性によりいずれかの商品分類に振り分けられる。商品分類には、例えば飲料品、食料品、日用雑貨品、雑誌・書籍等がある。商品名及び価格は、商品コードで識別される商品の名称及び1品当たりの販売金額である。
非課税フラグF1は、商品コードで識別される商品が非課税品目であるか否かを識別するための1ビット情報である。本実施形態では、非課税品目の商品については非課税フラグF1を“1”とし、課税品目の商品については非課税フラグF1を“0”とする。
軽減対象フラグF2は、商品コードで識別される商品が軽減税率の対象となる商品であるか否かを識別するための1ビット情報である。本実施形態では、軽減税率の対象となる商品については軽減対象フラグF2を“1”とし、軽減税率の対象とならない商品については軽減対象フラグF2を“0”とする。
外食対象フラグF3は、商品コードで識別される商品が、イートインスペースで食した場合に外食扱いになるか否かを識別するための1ビット情報である。本実施形態では、消費者が弁当、おにぎり、パン、総菜等の食料品を購入し、店舗内のイートインスペースで食した場合には外食扱いとする。菓子、生鮮食品等のその他の食料品については、イートインスペースで食したとしても外食扱いとはしない。このように、軽減税率の対象となる商品、すなわち飲料品又は食料品であっても、外食扱いとなり得る商品と外食扱いにはならない商品とが混在している場合を想定する。そして、外食扱いとなり得る商品については外食対象フラグF3を“1”とし、外食扱いにはならない商品については外食対象フラグF3を“0”とする。なお、外食扱いとするか否かの判定基準は、これに限定されるものではない。
図3は、税率テーブル52のデータ構造を示す模式図である。税率テーブル52は、通常税率の領域52Aと軽減税率の領域52Bとがある。通常税率の領域52Aには、商品の消費に対して税が課せられる税制の通常税率が記述されている。軽減税率の領域52Bには、同税制の軽減税率が記述されている。本実施形態では、通常税率を10%とし、軽減税率を8%とする。そして税率テーブル52のデータは、ストアサーバ5に配信され、端末本体3のメインメモリ32と、スキャナ2の記憶デバイス23とにもダウンロードされて保存されている。
図4及び図5は、軽減税率の対象となる商品のうち外食扱いとなり得る商品に付されたバーコードシンボル61とその周辺を表した模式図である。図4は、商品に貼付された第1シール7を覆い隠すように第2シール8を貼付した第1の状態を示しており、図5は、第2シール8を剥した第2の状態を示している。
ここで、説明の便宜上、以下では、軽減税率の対象となる商品を軽減対象商品と称する。そして、軽減対象商品のうち外食扱いとなり得る商品を外食対象商品と称する。
図4又は図5において、バーコードシンボル61は、13桁のJANコード規格に則った商品コード[4901234567890]をバーコードで表したものである。商品コードには、国コード、メーカーコード、商品アイテムコード、チェックデジット等が含まれる。因みに、バーコードシンボル61は、外食対象商品だけでなく、外食対象商品以外の軽減対象商品及び軽減税率の対象とならない通常の商品にも付されている。
外食対象商品においては、図4又は図5に示すように、バーコードシンボル61の近傍、本実施形態では図に向かって左上に、二重丸の特定マーク62が付されている。また、特定マーク62の近傍、本実施形態では図に向かって右上に、シール領域63が形成されている。そして、バーコードシンボル61と特定マーク62とシール領域63とを囲った領域を、外食対象商品の識別領域6としている。
特定マーク62は、商品が外食対象商品であることを特定するためのマークである。特定マーク62の貼付位置は、図4又は図5に示す位置に限定されない。識別領域6内であれば、どの位置に貼付されてもよい。また、特定マーク62の形状も、図4又は図5に示すものに限定されない。バーコードシンボル61で表されたバーコードの認識に影響を及ぼさない形状であればよい。
シール領域63は、第1シール7と第2シール8とを添付するための領域である。シール領域63には、特定マーク62が付された商品、すなわち外食対象商品に対し、第1シール7と第2シール8とが貼付される。シール領域63の位置は、特定マーク62の位置を基準として定まる。図4又は図5に示す例の場合、特定マーク62の左上の矩形領域をシール領域63としている。シール領域63の形状及びサイズは、図4又は図5に示すものに限定されない。要は、識別領域6からはみ出さない大きさで、第1シール7と第2シール8とを貼付することが可能な領域であればよい。
図5に示すように、第1シール7には、当該商品をイートインスペースで食した場合の税率が、軽減税率の8%ではなく通常税率の10%となることを表す情報が表記されている。そして第1シール7は、シール領域63において商品に貼付されている。
図4に示すように、第2シール8には、当該商品をイートインスペースで食する場合には当該第2シール8を剥すように指示する旨の情報が表記されている。そして第2シール8は、第1シール7の全体を覆い隠すように貼付されている。
このように、外食対象商品については、バーコードシンボル61の近傍に特定マーク62が貼付され、さらに、シール領域63に第1シール7と第2シール8とが貼付されて販売される。そして、外食対象商品を購入し、イートインスペースで飲食する消費者は、第2シール8を剥す。外食対象商品を持ち帰る消費者は、第2シール8を剥さない。なお、消費者が第2シール8を剥すのではなく、POS端末1を操作する会計担当の店員が第2シール8を剥してもよい。また店舗は、シール領域63に第1シール7及び第2シール8を貼付せずに販売する。そして、外食対象商品を購入する消費者が店内飲食を申し出た場合に、店員又は消費者がシール領域63に第1シール7を貼付するようにしてもよい。この場合、第2シール8を省略できるので、経済的である。
さて、会計担当の店員は、消費者が購入する商品をスキャナ2の読取窓に翳す。このとき店員は、バーコードシンボル61が撮像デバイス21で撮像されるように商品を読取窓に翳す。また店員は、特に外食対象商品については、バーコードシンボル61だけでなく特定マーク62とシール領域63も撮像デバイス21で撮像されるように商品を読取窓に翳す。つまり店員は、識別領域6が撮影されるように商品を読取窓に翳す。店員が読取窓に商品を翳すことにより、スキャナ2の撮像デバイス21は、商品の画像を撮像する。
図6は、コントローラ22の主要な動作手順を示す流れ図である。以下、図6を用いてコントローラ22の動作について説明する。なお、図6に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であればその処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
コントローラ22は、Act1として、撮像デバイス21で撮像されたフレーム画像を取り込む。そしてコントローラ22は、Act2として、そのフレーム画像にバーコードシンボル61が映し出されているか否かを検出する。バーコードシンボル61が映し出されていない場合、コントローラ22は、Act2においてNOと判定し、Act1へと戻る。コントローラ22は、撮像デバイス21から次のフレーム画像を取り込む。
フレーム画像にバーコードシンボル61が映し出されていることを検出した場合には、コントローラ22は、Act2においてYESと判定し、Act3へと進む。コントローラ22は、Act3としてそのバーコードシンボル61から商品コードを読み取る。コントローラ22は、Act4として商品コードの読み取りに成功したか否かを判定する。商品コードの読み取りに失敗した場合、コントローラ22は、Act4においてNOと判定し、Act1へと戻る。コントローラ22は、撮像デバイス21から次のフレーム画像を取り込む。このようにコントローラ22は、商品コードを読み取り可能なバーコードシンボル61が映し出されたフレーム画像が撮像デバイス21から取り込まれるのを待ち受ける。
フレーム画像に映し出されたバーコードシンボル61から商品コードの読み取りに成功した場合には、コントローラ22は、Act4においてYESと判定し、Act5へと進む。コントローラ22は、Act5としてそのフレーム画像に特定マーク62が映し出されているか否かを検出する。特定マーク62が映し出されていない場合、コントローラ22は、Act5においてNOと判定し、Act6へと進む。コントローラ22は、Act6として第1通信データD1(図10を参照)を生成する。このようにコントローラ22は、商品コードを読み取り可能なバーコードシンボル61が映し出されているものの特定マーク62が映し出されていないフレーム画像を取り込んだ場合には、第1通信データD1を生成する。第1通信データD1については後述する。
フレーム画像に特定マーク62が映し出されていた場合には、コントローラ22は、Act5においてYESと判定し、Act7へと進む。コントローラ22は、Act7として特定マーク62が映し出されている位置を基準として定まるシール領域63の画像を検出する。
コントローラ22は、Act8としてシール領域63に第1シール7が映し出されているか否かを検出する。第1シール7が映し出されていない場合、コントローラ22は、Act8においてNOと判定し、Act9へと進む。コントローラ22は、Act9として税率テーブル52から軽減税率を取得する。シール領域63に第1シール7が映し出されている場合には、コントローラ22は、Act8においてYESと判定し、Act10へと進む。コントローラ22は、Act10として税率テーブル52から通常税率を取得する。税率テーブル52は、記憶デバイス23に記憶されている。
Act9又はAct10において、軽減税率又は通常税率を取得したならば、コントローラ22は、Act11として第2通信データD2(図10を参照)を生成する。このようにコントローラ22は、商品コードを読み取り可能なバーコードシンボル61とともに特定マーク62が映し出されていたフレーム画像を取り込んだ場合には、第2通信データD2を生成する。
図10は、第1通信データD1と第2通信データD2とのデータ構造を示す模式図である。第1通信データD1は、13桁の商品コードで構成される。すなわち第1通信データD1は、JANコード規格のバーコード体系と一致する。商品コードは、Act3において、バーコードシンボル61から読み取ったデータである。
第2通信データD2は、13桁の商品コードと、1桁の変更フラグと、4桁の税率と、1桁の税種フラグと、1桁のチェックデジットとから構成される。すなわち第2通信データD2は、CODE−128のバーコード体系と一致する。商品コードは、Act3において、バーコードシンボル61から読み取ったデータである。
変更フラグは、税率を変更するか否かを識別するデータである。前述したように本実施形態では、外食対象商品を持ち帰りとした場合、税率は軽減税率の8%である。しかし、外食対象商品を店内飲食とした場合には、外食扱いとなるため、税率は軽減税率の8%から通常税率の10%に変更される。税率が軽減税率から通常税率に変更される場合、変更フラグは“1”となる。すなわち変更フラグは、税率の変更を指示するデータとなり得る。
外食対象商品を持ち帰りとする場合、その商品のシール領域63には第2シール8が貼られたままである。しかし、外食対象商品を店内飲食とする場合には第2シール8が剥されて、シール領域63に第1シール7が現れる。すなわち、撮像デバイス21で撮像された画像のシール領域63に第1シール7が映し出されていない場合には、コントローラ22は、持ち帰りであると判定する。持ち帰りの場合、税率は変更されない。このときコントローラ22は、Act9において軽減税率を取得する。そしてコントローラ22は、変更フラグを“0”とし、税率をその軽減税率の値“8”とした第2通信データD2を生成する。
これに対し、撮像デバイス21で撮像された画像のシール領域63に第1シール7が映し出されていた場合には、コントローラ22は、店内飲食であると判定する。店内飲食の場合、税率は変更される。このときコントローラ22は、Act10において通常税率を取得する。そしてコントローラ22は、変更フラグを“1”とし、税率をその通常税率の値“10”とした第2通信データD2を生成する。
税種フラグは、内税方式なのか外税方式なのかを識別するデータである。商品の消費に対して課せられる税を内税方式とするか外税方式とするかは、店舗又はその運営体によって決定される。内税方式の店舗又は運営体では、商品マスタファイル51に保存される商品レコード51Rの価格が税込み価格となる。外税方式の店舗又は運営体では、商品レコード51Rの価格が税抜き価格となる。本実施形態では、内税方式を特定する税種フラグを“1”とし、外税方式を特定する税種フラグを“0”とする。税種フラグの値は、記憶デバイス23に記憶されている。コントローラ22は、記憶デバイス23に記憶された税種フラグの値を読出して、第2通信データD2に組み入れる。その後、コントローラ22は、チェックデジットを算出して、第2通信データD2を完成させる。
かくして、第2シール8が貼られた状態で外食対象商品の識別領域6が撮像デバイス21によって撮像された場合、コントローラ22では、その外食対象商品の商品コードと、“0”の変更フラグと、“8”の税率と、“0”又は“1”の税種フラグとを含む第2通信データD2が生成される。第2シール8が剥されて第1シール7が現れた状態で外食対象商品の識別領域6が撮像デバイス21によって撮像された場合には、コントローラ22では、その外食対象商品の商品コードと、“1”の変更フラグと、“10”の税率と、“0”又は“1”の税種フラグとを含む第2通信データD2が生成される。
図6の説明に戻る。
コントローラ22は、Act6又はAct11において、第1通信データD1又は第2通信データD2を生成し終えると、Act10へと進む。コントローラ22は、Act10としてその生成した第1通信データD1又は第2通信データD2を端末本体3へと出力する。しかる後、コントローラ22は、Act1へと戻る。コントローラ22は、撮像デバイス21から次のフレーム画像を取り込む。
このように、読取装置として機能するスキャナ2は、読取窓に翳された商品の画像に含まれるバーコードシンボル61の情報から、商品識別情報である商品コードを読み取る。ここで、その画像に特定マーク62が映し出されていない場合には、スキャナ2は、第1通信データD1を生成して、端末本体3へと出力する。
一方、その画像に特定マーク62が映し出され、その特定マーク62から特定されるシール領域63に第1シール7が映し出されている場合には、スキャナ2は、税率の変更を指示する状態の変更フラグを含む第2通信データD2を生成して、端末本体3へと出力する。シール領域63に第1シール7が映し出されていない場合には、スキャナ2は、税率の変更を指示しない状態の変更フラグを含む第2通信データD2を生成して、端末本体3へと出力する。かくして、スキャナ2から端末本体3に対しては、商品コードが読み取られる毎に、第1通信データD1又は第2通信データD2が出力される。
なお、撮像デバイス21で撮像された画像からバーコードシンボル61、特定マーク62、第1シール7等を認識する技術は、周知のパターン認識技術等を利用することで可能である。したがって、ここでの説明は省略する。
図7乃至図9は、端末本体3のプロセッサ31が、前述した制御プログラムに従って実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。以下、図7乃至図9を用いて端末本体3の動作について説明する。なお、図7乃至図9に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であればその処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
プロセッサ31は、Act21としてスキャナ2からのデータ信号を待ち受けている。スキャナインターフェース38においてスキャナ2から出力されたデータ信号を受信すると、プロセッサ31は、Act21においてYESと判定し、Act22へと進む。プロセッサ31は、Act22として受信したデータ信号が第1通信データD1の信号なのか第2通信データD2の信号なのかを識別する。
データ信号のパターンがJANコード規格のバーコード体系のものと一致する場合、そのデータ信号は第1通信データD1の信号である。データ信号のパターンがCODE−128のバーコード体系のものと一致する場合、そのデータ信号は第2通信データD2の信号である。
スキャナ2から第1通信データD1の信号を受信した場合、プロセッサ31はAct22においてYESと判定し、Act23へと進む。プロセッサ31は、Act23としてその第1通信データD1から商品コードを抽出する。そしてプロセッサ31は、Act24としてストアサーバ5にアクセスして、商品マスタファイル51から当該商品コードを含む商品レコード51Rを取得する。
プロセッサ31は、Act25としてその商品レコード51Rに含まれる非課税フラグF1を調べる。ここで、非課税フラグF1が“1”であった場合、すなわち非課税商品の商品コードがスキャナ2で読み取られた場合には、プロセッサ31は、Act25においてYESと判定し、Act34へと進む。Act34の処理については後述する。
Act25において、非課税フラグF1が“0”であった場合、すなわち課税商品の商品コードがスキャナ2で読み取られた場合には、プロセッサ31はNOと判定し、Act26へと進む。プロセッサ31は、Act26としてその商品レコード51Rに含まれる軽減対象フラグF2を調べる。ここで、軽減対象フラグF2が“0”であった場合、すなわち軽減対象でない商品の商品コードがスキャナ2で読み取られた場合には、プロセッサ31は、Act26においてNOと判定し、Act27へと進む。プロセッサ31は、Act27として、税率テーブル52から通常税率を取得する。その後、プロセッサ31は、Act30へと進む。Act30の処理については後述する。
Act26において、軽減対象フラグF2が“1”であった場合、すなわち軽減対象商品の商品コードがスキャナ2で読み取られた場合には、プロセッサ31はYESと判定し、Act28へと進む。プロセッサ31は、Act28としてその商品レコード51Rに含まれる外食対象フラグF3を調べる。
ここで、外食対象フラグF3が“1”であった場合、すなわち外食対象商品の商品コードがスキャナ2で読み取られた場合には、プロセッサ31は、Act28においてYESと判定し、エラーとする。
外食対象商品の場合、スキャナ2において第1通信データD1が生成されて、端末本体3に出力されることはない。したがって、第1通信データD1を受信した場合の処理の一部であるAct28において、外食対象フラグF3が“1”であるということは、異常な状態を示している。このような状態に至る原因としては、例えば、商品を読取窓に翳した際に、バーコードシンボル61は認識されたが、特定マーク62は認識されなかった場合が想定される。あるいは、識別領域6に貼られていた特定マーク62が剥がれてしまった場合も想定される。スキャナ2において特定マーク62が認識されないと、外食対象商品が持ち帰りなのか店内飲食なのかを特定できない。よって、プロセッサ31は、読み取った商品コードをエラーとし、その後の処理を中止する。
Act28において、外食対象フラグF3が“0”であった場合には、プロセッサ31はNOと判定し、Act29へと進む。プロセッサ31は、Act29として税率テーブル52から軽減税率を取得する。その後、プロセッサ31は、Act30へと進む。
このようにプロセッサ31は、Act27において税率テーブル52から通常税率を取得するか、Act29において軽減税率を取得すると、Act30へと進む。税率テーブル52は、メインメモリ32に記憶されている。プロセッサ31は、ストアサーバ5の税率テーブル52を参照してもよい。
プロセッサ31は、Act30として商品の消費に対して課せられる税が外税方式なのか内税方式なのかを確認する。この税に関する情報は、予め補助記憶デバイス33に記憶されている。内税方式の場合、プロセッサ31は、Act30においてNOと判定し、Act31へと進む。プロセッサ31は、Act31として商品レコード51Rに含まれる価格P1とAct27またはAct29において取得した税率Q1とから、価格P1に含まれる内税額R1を算出する。内税額R1は、以下の(1)式にて算出される。
R1=P1−[P1/(1+Q1)] …(1)
内税額R1を算出したならば、プロセッサ31は、Act34へと進む。
一方、外税方式の場合には、プロセッサ31は、Act30においてYESと判定し、Act32へと進む。プロセッサ31は、Act32として外税額R2を算出する。外税額R2は、価格をP1と表し、税率をQ1と表した場合、以下の(2)式にて算出される。
R2=P1*Q1 …(2)
外税額R2を算出し終えると、プロセッサ31は、Act33として税込み価格P2を算出する。税込み価格P2は、以下の(3)式にて算出される。
P2=P1+R2 …(3)
税込み価格P2を算出し終えると、プロセッサ31は、Act34へと進む。
このようにプロセッサ31は、Act25において非課税と判定されるか、Act31またはAct33において内税額R1または税込み価格P2が算出されると、Act34へと進む。
プロセッサ31は、Act34として商品販売データの登録処理を行う。登録処理は、非課税と判定された場合と、内税額R1が算出された場合と、外税額R2とともに税込み価格P2が算出された場合とで異なる。非課税と判定された場合には、プロセッサ31は、商品レコード51Rの商品コードと価格P1とを含む商品販売データを生成し、メインメモリ32の登録エリアに登録する。内税額R1が算出された場合には、プロセッサ31は、商品レコード51Rの商品コードと価格P1と内税額R1とを含む商品販売データを生成し、登録エリアに登録する。外税額R2とともに税込み価格P2が算出された場合には、プロセッサ31は、商品レコード51Rの商品コードと税込み価格P3と外税額R2とを含む商品販売データを生成し、登録エリアに登録する。
なお、商品の消費に対して課せられる税を内税方式とするか外税方式とするかは、前述したように店舗又はその運営体によって決定される。したがって、Act30においてNOと判定され、内税額R1が算出されるルーチンと、Act30においてYESと判定され、外税額R2及び税込み価格P2が算出されるルーチンとが混在されることはない。
商品販売データの登録処理を終えると、プロセッサ31は、Act35として商品販売データの表示処理を行う。具体的にはプロセッサ31は、商品レコードの商品名と価格P1または税込み価格P2を第1表示デバイス36及び第2表示デバイス37に表示させる。プロセッサ31は、商品名または価格以外の情報を第1表示デバイス36又は第2表示デバイス37に表示させる場合もあり得る。
商品販売データの表示処理を終えると、プロセッサ31は、第1通信データD1を受信したときの処理を終了する。そしてプロセッサ31は、次のデータ受信を待ち受ける。
Act22に戻る。
スキャナ2から第2通信データD2の信号を受信した場合、プロセッサ31はAct22においてNOと判定し、図8のAct41へと進む。プロセッサ31は、Act41としてその第2通信データD2から商品コードを抽出する。そしてプロセッサ31は、Act42としてストアサーバ5にアクセスして、商品マスタファイル51から当該商品コードを含む商品レコード51Rを取得する。
プロセッサ31は、Act43としてその商品レコード51Rに含まれる外食対象フラグF3を調べる。前述したようにスキャナ2は、外食対象商品の場合に第2通信データD2を生成して、端末本体3に出力する。外食対象商品以外の商品については、第1通信データD1を生成して、端末本体3に出力する。したがって、スキャナ2から第2通信データD2の信号を受信した場合には、商品レコード51Rに含まれる外食対象フラグF3が“1”でなければならない。
しかし、外食対象フラグF3が“0”であった場合には、プロセッサ31は、Act43においてNOと判定し、Act44へと進む。例えば、誤って外食対象商品以外の商品に特定マーク62を貼付した場合、外食対象フラグF3が“0”となる場合があり得る。この場合、プロセッサ31は、Act44として警告を行う。例えばプロセッサ31は、第1表示デバイス36に「外食対象商品以外の商品に特定マークが付されています」というような警告メッセージを表示させる。なお、プロセッサ31は、音又は光により、食対象商品以外の商品に特定マークが付されている旨を報知してもよい。
POS端末1を操作する会計担当の店員は、警告を受けたならば、入力デバイス35を操作して確認のための入力を行う。例えば入力デバイス35がキーボードである場合、確認用のキーを押下する。例えば入力デバイス35がタッチパネルの場合、ディスプレイ画面上の確認用のソフトキーにタッチする。
プロセッサ31は、Act45として確認のための入力が行われるのを待ち受ける。確認のための入力が行われると、プロセッサ31は、Act45においてYESと判定し、図7のAct25へと進む。そしてプロセッサ31は、Act25乃至Act34の処理を、前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ31は、外食対象商品以外の商品に対する登録処理、表示処理等を実行する。
Act43において、外食対象フラグF3が“1”であった場合には、プロセッサ31はYESと判定し、Act46へと進む。プロセッサ31は、Act46として第2通信データD2に含まれる変更フラグを調べる。変更フラグが“0”の場合、すなわち税率変更が指示されていない場合、プロセッサ31は、Act46においてNOと判定し、Act47へと進む。プロセッサ31は、Act47として税率テーブル52から軽減税率を取得する。その後、プロセッサ31は、Act48へと進む。
プロセッサ31は、Act48として商品の消費に対して課せられる税が外税方式なのか内税方式なのかを確認する。内税方式の場合、プロセッサ31は、Act48においてNOと判定し、Act49へと進む。プロセッサ31は、Act49として商品レコード51Rに含まれる価格P1と、Act47において取得した税率Q1とから、前記(1)式により価格P1に含まれる内税額R1をする。内税額R1を算出したならば、プロセッサ31は、Act52へと進む。
一方、外税方式の場合には、プロセッサ31は、Act48においてYESと判定し、Act50へと進む。プロセッサ31は、Act50として価格P1と税率Q1とから、前記(2)式により外税額R2を算出する。外税額R2を算出し終えると、プロセッサ31は、Act51として、前記(3)式により税込み価格P2を算出する。税込み価格P2を算出したならば、プロセッサ31は、Act52へと進む。
このようにプロセッサ31は、Act49において内税額R1が算出されるか、Act51において税込み価格P2が算出されると、Act52へと進む。プロセッサ31は、Act52として商品販売データの登録処理を行う。またプロセッサ31は、Act53として商品販売データの表示処理を行う。この登録処理及び表示処理は、前記Act34及びAct35の処理と同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。
商品販売データの登録処理及び表示処理を終えると、プロセッサ31は、第2通信データD2を受信したときの処理を終了する。そしてプロセッサ31は、次のデータ受信を待ち受ける。
Act46に戻る。
第2通信データD2に含まれる変更フラグが“1”の場合、すなわち税率変更が指示された場合には、プロセッサ31は、Act46においてYESと判定し、図9のAct61へと進む。プロセッサ31は、Act61として商品の消費に対して課せられる税が外税方式なのか内税方式なのかを確認する。内税方式の場合、プロセッサ31は、Act61においてYESと判定し、Act62へと進む。プロセッサ31は、Act62として税率テーブル52から軽減税率を取得する。またプロセッサ31は、Act63として商品レコード51Rに含まれる価格P1に対する税抜き価格P3を算出する。
前述したように、内税方式の場合、商品マスタファイル51に記憶されている価格P1は内税額を含む。そこでプロセッサ31は、Act62において取得した軽減税率を用いて、税抜き価格P3を算出する。税抜き価格P3は、軽減税率をQ2と表すと、以下の(3)式にて算出される。
P3=P1/(1+Q2) …(3)
税抜き価格P3を算出したならば、プロセッサ31は、Act64へと進む。
一方、商品の消費に対して課せられる税が外税方式の場合には、商品マスタファイル51に記憶されている価格P1は税抜き価格P3である。よって、プロセッサ31は、Act61においてNOと判定し、Act62及びAct63の処理をスキップして、Act64へと進む。
プロセッサ31は、Act64として税率テーブル52から通常税率を取得する。そしてプロセッサ31は、Act65として税抜き価格P3と通常税率とから外税額R3を算出する。外税額R3は、通常税率をQ3と表すと、以下の(4)式にて算出される。
R3=P3*Q3 …(4)
外税額R3を算出し終えると、プロセッサ31は、税抜き価格P3と外税額R3とから税込み価格P4を算出する。税込み価格P4は、以下の(5)式にて算出される。
P4=P3+R3 …(5)
税込み価格P4を算出し終えると、プロセッサ31は、Act67として商品販売データの登録処理を行う。またプロセッサ31は、Act68として商品販売データの表示処理を行う。この登録処理及び表示処理は、前記Act34及びAct35の処理と同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。
商品販売データの登録処理及び表示処理を終えると、プロセッサ31は、第2通信データD2を受信したときの処理を終了する。そしてプロセッサ31は、次のデータ受信を待ち受ける。
図11は、内税方式の店舗において、商品名「AAA」の外食対象商品を持ち帰りとした場合、すなわち第2シール8を剥さずにスキャナ2で識別領域6の情報を読み取らせた場合の商品販売データの表示画像SC1である。図12は、同店舗において、同商品を店内飲食とした場合、すなわち第2シール8を剥してからスキャナ2で識別領域6の情報を読み取らせた場合の商品販売データの表示画像SC2である。表示画像SC1及び表示画像SC2は、プロセッサ31の第1制御手段としての制御により、第1表示デバイス36に表示される。表示画像SC1及び表示画像SC2は、プロセッサ31の制御により、第2表示デバイス37に表示されてもよい。
図11に示すように、表示画像SC1には、商品名欄AR1に商品名「AAA」が表示され、点数欄AR2に点数「1」が表示され、価格欄AR3に税込み価格「400円」が表示され、税率欄AR4に軽減税率「8%」が表示され、税額欄AR5に税額「30円」が表示されている。
図12に示すように、表示画像SC2には、商品名欄AR1に商品名「AAA」が表示され、点数欄AR2に点数「1」が表示され、価格欄AR3に税込み価格「407円」が表示され、税率欄AR4に通常税率「10%」が表示され、税額欄AR5に税額「37円」が表示されている。さらに、商品名欄AR1には、店内飲食によって税率が変更されたことを示すマークM1が表示されている。
したがって、会計担当の店員は、商品名欄AR1にマークM1が表示されたことにより、店内飲食とする外食対象商品がPOS端末1に正しく登録されたことを容易に認識することができる。逆を言えば、商品名欄AR1にマークM1が表示されたことにより、持ち帰りとする外食対象商品がPOS端末1に不正に登録された場合も、店員は容易に認識することができる。
なお、マークM1の表示位置は、商品名欄AR1に限定されない。例えば税率欄AR4であってもよいし、税額欄AR5であってもよい。要は、表示画像SC2を確認する店員又は消費者が、税率の変更があったことを認識できればよい。
図13は、商品名「AAA」の外食対象商品を店内飲食とし、商品名「BBB」及び商品名「CCC」の2つの商品を持ち帰りとした場合のレシートRS1の発行例である。商品名「BBB」は、通常税率が適用される商品であり、商品名「CCC」は、軽減税率が適用される軽減対象商品である。レシートRS1は、プロセッサ31の第2制御手段としての制御によりプリンタ39によって印字され、発行される。
図13に示すように、店内飲食とした商品については、商品名「AAA」とともに店内飲食によって税率が変更されたことを示すマークM2が印字されている。したがって、レシートRS1を受け取った消費者は、商品名「AAA」の商品が店内飲食として正しく登録されていることを証明することができる。
以上詳述したように、POS端末1においては、端末本体3のプロセッサ31を主体とするコンピュータが、図7のAct21乃至Act23及び図8のAct41の処理を実行することにより識別手段が構成されている。また同コンピュータが、図7のAct27及びAct29の処理と、図8のAct47の処理とを実行することにより取得手段が構成されている。また同コンピュータが、図8のAct46の処理を実行することにより受付手段が構成されている。また同コンピュータが、図7のAct30乃至Act32の処理と、図8のAct48乃至Act50の処理と、図9のAct61乃至Act65の処理とを実行することにより演算手段が構成されている。また同コンピュータが、図7のAct34の処理と、図8のAct52の処理とを実行することにより処理手段が構成されている。
このような構成を備えたPOS端末1であれば、商品の消費に対して課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも、第2シール8を剥すか否かの簡単な対応だけで、正しい税額を含む販売データを処理することができる。すなわち消費の形態が持ち帰りの場合には、店員は、第2シール8を剥さずに識別領域6の画像をスキャナ2で読み取らせればよい。消費の形態が店内飲食の場合には、店員は、第2シール8を剥してから識別領域6の画像をスキャナ2で読み取らせればよい。なお、識別領域6の画像をスキャナ2で読み取らせる操作者は店員に限るものではない。消費者が自らスキャナ2を操作して、識別領域6の画像を読み取らせてもよい。
このように本実施形態によれば、商品の消費に対して課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも容易に対処できるPOS端末1を提供することができる。
また、POS端末1においては、端末本体3のプロセッサ31を主体とするコンピュータが、図8のAct41乃至Act44の処理を実行することにより、警告手段が構成されている。因みに、図8のAct43においては、スキャナ2から第2通信データD2を受信した場合において、商品レコード51Rに含まれる外食対象フラグF3が“0”であった場合にAct44に進んで警告を発するようにしている。第2通信データD2は、税率を変更するか否かを指示する情報として変更フラグを含む。一方、商品レコード51Rに含まれる外食対象フラグF3が“0”ということは、当該商品レコード51Rは、税率変更対象外の商品のデータであることを意味している。よって、税率変更対象外の商品の商品コードとともに税率変更を指示する変更フラグを含んだ第2通信データD2を受信した場合、POS端末1では警告が発せられる。
このように本実施形態のPOS端末1によれば、税率変更対象外の商品に対して税率を変更して登録してしまうという不備を未然に防ぐことができる効果も奏し得る。
また、プロセッサ31を主体とするコンピュータは、警告が解除された後には、図7のAct25乃至Act35の処理を実行するようになっている。すなわち演算手段は、税率変更対象外の商品の商品コードとともに税率変更を指示する変更フラグを含んだ第2通信データD2を受信した場合には、商品の価格と取得手段により得られた税率とから税額を算出している。したがってPOS端末1によれば、常に正しい税率で商品を登録することができる。
以上、商品の消費に対して課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも容易に対処できる商品販売データ処理装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
前記実施形態では、シール領域63に貼付される第1シール7を、税率が通常税率の10%となることを表す情報が表記されているものとして説明した。他の実施形態としては、税率が軽減税率の8%となることを表す情報が表記されているシールを第1シール70(図14を参照)としてもよい。この場合、第1シール70を覆うようにした第2シール80(図14を参照)には、当該商品を持ち帰りとした場合には当該第2シール80を剥すように指示する旨の情報が表記される。また、スキャナ2のコントローラ22は、図6のAct8において、シール領域63に第1シール70が映し出されている場合にNOと判定し、第1シール70が映し出されていない場合にYESと判定すればよい。
図14は、第1シール7及び第2シール8と、第1シール70及び第2シール80とが並べられた状態で形成されたシール90を商品に貼付した他の実施形態を示している。他の実施形態では、外食対象商品を持ち帰る場合には、店員又は消費者はシール90から第2シール80を剥す。外食対象商品を店内飲食とする場合には、店員又は消費者はシール90から第2シール8を剥す。このように他の実施形態では、外食対象商品について必ずどちらかの第2シール8又は80を剥すこととなる。したがって、店員が消費者に確認するのを忘れてしまうことを未然に防ぐことができる。
また、この他の実施形態の場合、外食対象商品を持ち帰りとする場合も店内飲食とする場合も、撮像デバイス21によりバーコードシンボル61の近傍に第1シール7又は第1シール70が映し出された画像が撮影される。したがって、第1シール7又は第1シール70が映し出されたか否かによって、商品が外食対象商品であるか否かを特定することができる。よって、特定マーク62は省略してもよい。
なお、第1シール7及び第2シール8と、第1シール70及び第2シール80とを別体でそれぞれ並べて商品に貼り付けて運用してもよい。
また前記実施形態では、外食対象商品に対し、シール領域63に予め第1シール7及び第2シール8を貼付する場合を例示した。この点に関しては、外食対象商品のバーコードシンボル61をスキャナ2で読み取らせる前に店員が店内飲食なのか持ち帰りなのかを確認し、店内飲食の場合にはシール領域63に第1シール7を貼付してもよい。あるいは消費者自身が店内飲食の場合に、シール領域63に第1シール7を貼付してもよい。若しくは、持ち帰りの場合に、店員又は消費者がシール領域63に第1シール70を貼付してもよい。
また前記実施形態では、外食対象商品に対し、シール領域63に第1シール7及び第2シール8を貼付するとともに、このシール領域63の位置を特定するための特定マーク62を貼付する場合を例示した。この点についても、プログラミングにより例えばバーコードシンボル61の周囲の一定サイズの領域をシール領域63と設定することで、特定マーク62を省略することも可能である。
なお、第1シール7又は第1シール70の代わりに、税率変更専用の二次元データコード又はバーコードなどを適用することも可能である。
前記実施形態では、第2通信データD2を商品コードと変更フラグと税率と税種フラグとチェックデジットとから構成した。これらの項目のうち、税率及び税種の情報は端末本体3で取得可能であるので、必ずしも第2通信データD2に含まれていなくてもよい。換言すれば第2通信データD2は、少なくとも商品識別情報である商品コードと、税率変更を指示するか否かを示す情報である変更フラグとを含んでいればよい。
また前記実施形態では、受付手段は、変更フラグによって税率変更が設定されているか否かを受け付ける手段であるとして説明した。受付手段は、これに限定されるものではない。例えば受付手段は、第2通信データD2に税率が設定されているか否かを受け付ける手段であってもよい。この場合、第2通信データD2は、少なくとも商品識別情報である商品コードと、税率とを含んでいればよい。
また、第1通信データD1と第2通信データD2のコード体系は、前記実施形態で説明したコード体系に限定されるものではない。要は、第1通信データD1は、端末本体3に対し、消費者に提供される商品を識別する情報を通知できればよい。第2通信データD2は、端末本体3に対し、消費者に提供される商品を識別する情報と、税率の変更を指示する情報とを通知できればよい。
前記実施形態では、端末本体3と一体的に設けられた第1表示デバイス36及び第2表示デバイス37を表示手段の一例として説明した。表示手段は、必ずしも端末本体3と一体的に設けられていなくてもよい。その場合、処理手段を構成する端末本体3のコンピュータは、端末本体3に対して別体に設けられた表示手段に対し、販売データが処理された商品の情報を出力すればよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。