JP2020128942A - 距離計測装置、距離計測方法 - Google Patents

距離計測装置、距離計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両から携帯機までの距離を簡単に且つ精度良く計測する。【解決手段】車両(1)に対して設定された所定の基準位置で携帯機(10)が検知されると、携帯機に電波を送信して返信があるまでの経過時間を計測して基準経過時間として記憶しておく。その後、携帯機に電波を送信して返信があるまでの経過時間を計測し、得られた経過時間と基準経過時間との時間差を算出して、得られた時間差に基づいて、車両から携帯機までの距離を算出する。こうすれば、携帯機が電波を受信して返信するまでに要する時間を携帯機毎に予め求めておく必要や、電波の受信時刻や送信時刻を携帯機側で計測する必要もないので、簡単に且つ精度良く、車両から携帯機までの距離を計測可能となる。【選択図】図7

Description

本発明は、車両のユーザーが携帯する携帯機と無線で通信することによって、車両から携帯機までの距離を計測する技術に関する。
車両から携帯機に電波を送信して、携帯機から返信されてきた電波を受信するまでに要した時間(以下、時間Ttotal )を計測することによって、車両から携帯機までの距離を算出する方法が知られている。この方法で距離を算出する原理は、次のようなものである。先ず、車両から携帯機に電波を送信して、携帯機からの電波を受信するまでの時間Ttotal を計測する。また、携帯機が電波を受信してから返信するまでの処理に要する時間Thndlを予め計測しておく。すると、車両側で計測した時間Ttotal から、予め求めておいた時間Thndlを減算した時間(Ttotal −Thndl)は、電波が車両から携帯機までの距離を往復するために要した時間となる。従って、この時間に電波の進行速度cを乗算して得られる距離を半分にすれば、車両から携帯機までの距離を得ることができる。
もっとも、この方法では、携帯機での処理に要する時間Thndlを予め求めておく必要がある。そして、時間Thndlに誤差が含まれていた場合、その誤差に電波の進行速度cを乗算した値が距離の誤差となる。更に、この時間Thndlは、携帯機の個体差によって異なるものと考えられる。このため、携帯機での処理に要する時間Thndlをできるだけ正確に、且つ携帯機毎に実測することが必要となるが、これは容易なことでは無い。
そこで、携帯機毎の処理時間Thndlを実測する代わりに、車両および携帯機の双方で、電波を送受信した時刻を計測する方法が提案されている。この方法では、車両側では、電波を送信した時刻Ts1と、携帯機からの電波を受信した時刻Tr1とを計測する。また、携帯機側では、車両からの電波を受信した時刻Tr2と、電波を送信した時刻Ts2とを計測する。すると、車両から携帯機までの距離を電波が往復するために要した時間は、(Tr2−Ts1)+(Tr1−Ts2)によって算出することができる。従って、この時間に電波の進行速度cを乗算して得られる距離を半分にすれば、車両から携帯機までの距離を得ることが可能となる(特許文献1)。
特開2016−038332号公報
しかし、提案されている技術では、車両側に加えて携帯機でも電波の受信時刻および送信時刻を計測する必要があり、更に、これらの時刻を携帯機から車両側に送信する必要があるため、携帯機側の処理が複雑になってしまうという問題があった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するために成されたものであり、携帯機側の処理を複雑化させることなく、車両から携帯機までの距離を、簡単に且つ精度良く計測することが可能な技術の提供を目的とする。
上述した問題を解決するために本発明の距離計測装置あるいは距離計測方法では、車両に対して設定された所定の基準位置で携帯機が検知されると、応答信号の返信を要求する要求信号を携帯機に向けて送信する。そして、携帯機からの応答信号が返信されてくるまでの経過時間を計測して、基準経過時間として記憶しておく。また、車両から携帯機までの距離を計測する旨の計測要求を受け付けた場合にも、携帯機に向けて要求信号を送信して、携帯機からの応答信号が返信されてくるまでの経過時間を計測する。そして、計測要求を受けていた場合には、経過時間と基準経過時間との時間差を算出して、得られた時間差に基づいて、車両から携帯機までの距離を算出する。
こうすれば、車両から携帯機に向けてまでの距離が必要な場合に、要求信号を送信してから応答信号を受信するまでの経過時間を計測して、携帯機が基準位置に存在する状態で計測しておいた基準経過時間との時間差に基づいて、携帯機までの距離を求めることができる。このため、要求信号を受信した携帯機が応答信号を返信するまでに要する時間を、携帯機毎に予め求めておく必要がなく、更には、携帯機側で要求信号の受信時刻と応答信号の送信時刻とを計測する必要もないので、車両から携帯機までの距離を簡単に計測することができる。加えて、基準位置で携帯機が検知される度に基準経過時間を更新することができるので、たとえば携帯機の電池が消耗するなどして、携帯機の動作速度が低下するような事態が生じた場合でも、車両から携帯機までの距離を正確に計測することが可能となる。
また、上述した本発明の距離計測装置においては、携帯機を携帯するユーザーが車両の扉の取手に触れたことを示す情報を、車両に対して設定された所定の基準位置で携帯機が検知された旨を示す検知情報として取得してもよい。そして、検知情報を取得した場合に、携帯機に向けて要求信号を送信することによって基準経過時間を計測するようにしても良い。
こうすれば、基準経過時間を計測する時点では、携帯機を携帯したユーザーが車両の取手に手の届く範囲内に存在することになる。このため、基準経過時間を計測する時点での車両から携帯機までの距離のばらつきが小さくなるので、より正しい基準経過時間を計測することができる。その結果、経過時間と基準経過時間との時間差に基づいて求める距離の精度を、より一層向上させることが可能となる。
また、上述した本発明の距離計測装置においては、携帯機と無線で通信することによって携帯機を認証する携帯機認証装置と共に、車両に搭載しておいても良い。そして、携帯機を携帯するユーザーが車両の扉の取手に触れたことを示す検知情報を、携帯機認証装置から取得するようにしても良い。
携帯機認証装置は、携帯機を認証するに先立って、あるいは携帯機を認証した後に、携帯機を携帯するユーザーが車両の扉の取手に触れたこと検知している場合が多い。従って、ユーザーが車両の扉の取手に触れたことを示す検知情報を携帯機認証装置から取得すれば、容易に取得することが可能となる。
また、上述した本発明の距離計測装置においては、携帯機認証装置と共に車両に搭載しておき、携帯機が車両の車室内に存在することを示す情報を、携帯機認証装置から検知情報として取得して、基準経過時間を計測することとしても良い。
携帯機認証装置は、携帯機を認証するに先立って、携帯機が車両の車室内に存在することを検知している場合が多い。そして、携帯機が車室内に存在することが分かっていれば、車両から携帯機までの距離のばらつきを抑制することができるので、より正しい基準経過時間を計測することができる。その結果、経過時間と基準経過時間との時間差に基づいて求める距離の精度を、より一層向上させることが可能となる。
また、上述した本発明の距離計測装置においては、携帯機認証装置と共に車両に搭載しておき、携帯機が車両の扉の外側の所定領域内に存在することを示す情報を、携帯機認証装置から検知情報として取得して、基準経過時間を計測することとしても良い。
携帯機認証装置は、携帯機を認証するに先立って、携帯機が車両の扉の外側の所定領域内に存在することを検知していることが通常である。そして、この所定領域内に携帯機が存在することが分かっていれば、車両から携帯機までの距離のばらつきを抑制することができるので、実用上は十分な精度で基準経過時間を計測することができる。その結果、経過時間と基準経過時間との時間差に基づいて求める距離の精度を、実用上は十分な精度とすることができる。
また、携帯機認証装置と共に車両に搭載される上述した本発明の距離計測装置においては、携帯機認証装置から携帯機の検知情報を取得する際には、携帯機を識別する携帯機識別情報も取得し、更に、計測要求を受け付ける際には、携帯機認証装置から携帯機識別情報を取得するようにしても良い。そして、計測した基準経過時間は携帯機識別情報に対応付けて記憶しておき、計測要求に基づいて経過時間を計測した場合には、経過時間と、携帯機識別情報に対応付けて記憶された基準経過時間との時間差に基づいて、車両から携帯機までの距離を算出するようにしても良い。
こうすれば複数の携帯機に対しても、車両から携帯機までの距離を正確に計測することが可能となる。
また、携帯機認証装置と共に車両に搭載されて、携帯機認証装置から取得した携帯機識別情報に対応付けて基準経過時間を記憶する上述した本発明の距離計測装置においては、新たな基準経過時間を記憶する際には、その携帯機識別情報に対応付けて記憶されていた古い基準経過時間も保存しておいてもよい。そして、携帯機識別情報に対応付けて保存されている古い基準経過時間と、新たに記憶された基準経過時間とを比較することによって、携帯機に内蔵された電池の消耗を検知するようにしてもよい。
携帯機に内蔵された電池の消耗が進行すると、携帯機に搭載された回路の動作に遅延が生じるので、携帯機が要求信号を受信してから応答信号を送信するまでに要する時間が長くなり、これに伴って基準経過時間が長くなる。従って、過去に計測された古い基準経過時間と、新たな基準経過時間とを比較してやれば、携帯機に内蔵された電池の消耗を検知することが可能となる。
本実施例の距離計測装置110を搭載した車両1についての説明図である。 車両1と携帯機10との間で電波が往復する時間を計測することによって、車両1から携帯機10までの距離を計測する従来の方法についての説明図である。 本実施例の距離計測装置110を内蔵する運転支援装置100の内部構造を示した説明図である。 本実施例の距離計測装置110が実行する携帯機距離計測処理の前半部分のフローチャートである。 携帯機距離計測処理の後半部分のフローチャートである。 距離計測装置110が基準経過時間を計測する様子を示した説明図である。 距離計測装置110が車両1から携帯機10までの距離を計測する様子を示した説明図である。 変形例の距離計測装置110についての説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
図1は、本実施例の距離計測装置110を搭載した車両1についての説明図である。図1に示した車両1は、ユーザーが乗り込むための4つの扉(図示は省略)を備えており、それぞれの扉には1つずつ取手2が取り付けられている。そして、それぞれの取手2の近くの扉内には、複数のアンテナを備えるアンテナユニット3が内蔵されている。ここで、アンテナユニット3とは、複数種類のアンテナを一体に組み込んでユニット化した部品であり、本実施例では、LF波と呼ばれる電波を送信するLFアンテナ3lと、RF波と呼ばれる電波を受信するRFアンテナ3rと、2.4GHzの電波(あるいは2.4GHzよりも高い周波数のUWB帯の電波)を送受信するBアンテナ3bの3種類のアンテナがユニット化されている。尚、3種類のアンテナ(すなわち、LFアンテナ3l、RFアンテナ3r、Bアンテナ3b)をユニット化して車両1に取り付けるのではなく、これらのアンテナを個別に取り付けることとしても良い。更には、RFアンテナ3rや、Bアンテナ3bについては、車両1の複数のアンテナを搭載する代わりに、より少数(多くの場合は1つ)のアンテナを車両1に搭載して共用するようにしても良い。
また、車両1には、運転支援装置100が搭載されており、それぞれのアンテナユニット3は運転支援装置100に接続されている。また、取手2には、車両1のユーザーが取手2に触れたことを検知する接触センサー2sが内蔵されており、この接触センサー2sも運転支援装置100に接続されている。更に、運転支援装置100には、車両1のユーザーが携帯する携帯機10が正規の携帯機10であるか否かを認証する携帯機認証装置150が内蔵されている。
携帯機認証装置150は、LFアンテナ3lから携帯機10に向かってLF波の電波を送信しており、車両1のユーザーが携帯機10を携帯して車両1に近付いてくると、携帯機10はLF波の電波を受信可能となる。そして、LF波の電波を受信した携帯機10はRF波の電波を返信する。携帯機認証装置150は、このRF波の電波をRFアンテナ3rで受信することによって、携帯機10が存在することを認識すると、続いて、LFアンテナ3lおよびRFアンテナ3rを用いて携帯機10と通信することによって、携帯機10が正規の携帯機10であるか否かを認証する。そして、携帯機10が正規の携帯機10であった場合は、その結果を運転支援装置100に出力する。
運転支援装置100は、携帯機10が正規の携帯機10である旨の結果が得られた状態で、ユーザーが取手2に触れたことを検知すると、車両1に搭載された図示しない解錠装置を動作させることによって扉を解錠する。このため、車両1のユーザーは、正規の携帯機10を携帯して車両1に近付いていけば、自動的に扉が解錠されて車両1に乗り込むことが可能となる。尚、ここでは、携帯機10を携帯したユーザーが車両1に接近した段階で(すなわち、取手2に触れる前に)、携帯機10を認証するものとして説明したが、ユーザーが取手2に触れたことを検知してから携帯機10を認証するものとしても良い。
また、運転支援装置100は、携帯機10を携帯したユーザーが車両1に近付いて来たことを検知すると、携帯機10までの距離に応じて、ユーザーの利便性を向上させる各種の制御(例えば、車両1に搭載された図示しないランプを点灯させるなど)を実行する。このことに対応して、運転支援装置100には、車両1から携帯機10までの距離を計測する距離計測装置110も内蔵されている。車両1から携帯機10までの距離を計測する方法としては、電波強度が距離に応じて減衰する性質を利用する方法が広く知られているが、この方法には、電波の受信状況の影響を強く受けるという欠点がある。そこで、電波の受信状況の影響を受けない方法として、車両1から携帯機10までの距離を電波が往復する時間を計測する方法が注目されている。本実施例の距離計測装置110も、この方法によって距離を計測しており、アンテナユニット3に組み込まれたBアンテナ3bを用いて携帯機10との間で電波を送受信することにより、電波が往復するために要した時間を計測している。ここで、車両1から携帯機10までの距離は、従来は以下のような方法で計測されてきた。
図2は、電波が往復するために要した時間を計測することによって、車両1から携帯機10までの距離を計測する従来の方法を示した説明図である。従来の方法で距離を計測する距離計測装置910では、図2(a)に示したように、Bアンテナ3bから携帯機10に向かって、応答を要求する要求信号を送信して、要求信号を送信してから、携帯機10からの応答信号を受信するまでに要した時間Ttotal を計測する。この時間Ttotal は、電波が車両1と携帯機10との間を往復するために要した時間と、携帯機10が要求信号を受信してから応答信号を送信するまでに要した時間Thndlとを合計した時間となる。従って、車両1から携帯機10までの距離Dを電波が進むために要する時間をTfly とすると、図2(b)に示すように、時間Tfly は、
Tfly =(Ttotal −Thndl)/2
で求められるから、電波の進行速度をcとすれば、距離Dは、
D=c×Tfly =c×(Ttotal −Thndl)/2
で求めることができる。
もっとも、このような従来の方法では、携帯機10が要求信号を受信してから応答信号を送信するまでに要する時間Thndlを予め求めておく必要がある。時間Thndlの誤差は大きな距離の誤差を生じさせる原因となり、更に、時間Thndlは携帯機10の個体差によって異なるものと考えられるので、携帯機10毎の時間Thndlをできるだけ正確に計測しておく必要がある。しかし現実には、こうしたことは容易なことでは無い。そこで、本実施例の運転支援装置100には、携帯機10毎の時間Thndlが分からなくても、携帯機10までの距離を正確に計測することが可能な距離計測装置110が内蔵されている。
図3は、運転支援装置100に内蔵された本実施例の距離計測装置110の内部構造を示したブロック図である。図示されるように、本実施例の距離計測装置110は、検知情報取得部111と、計測要求受付部112と、要求信号送信部113と、応答信号受信部114と、経過時間計測部115と、基準経過時間記憶部116と、距離算出部117と、電池消耗検知部118とを備えている。
尚、検知情報取得部111〜距離算出部117の「部」は、本実施例の距離計測装置110が、車両1から携帯機10までの距離Dを計測するために備える機能に着目して、距離計測装置110の内部を便宜的に分類したものである。従って、距離計測装置110の内部が、これらの「部」に物理的に区分されていることを表しているわけではない。また、詳細には後述するが本実施例の距離計測装置110は、携帯機10までの距離を計測するために備える機能の一部を利用して、携帯機10の電池が消耗したことを検知可能となっており、電池消耗検知部118は、その目的のために距離計測装置110に追加された機能を表している。従って、距離計測装置110の内部に、物理的に区分された電池消耗検知部118が存在することを表しているわけではない。これら検知情報取得部111〜電池消耗検知部118の「部」は、LSIなどを用いてハードウェア的に実現することもできるし、コンピュータープログラムによってソフトウェア的に実現することもできるし、更には、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせて実現することもできる。
検知情報取得部111は、車両1に対して所定の基準位置に正規の携帯機10が存在することを検知した旨の検知情報を、携帯機認証装置150から取得する。本実施例では、ユーザーが車両1の扉の取手2に触れることが可能な領域が、所定の基準位置に設定されている。図3に示されるように、接触センサー2sは携帯機認証装置150に接続されており、携帯機認証装置150は接触センサー2sの出力に基づいて、ユーザーが取手2に触れたことを検知することができる。また、携帯機認証装置150には、アンテナユニット3のLFアンテナ3lやRFアンテナ3rも接続されており、これらのアンテナを介して携帯機10と通信することによって、携帯機10を携帯したユーザーが車両1に近付いてきたことを検知して、携帯機10が正規の携帯機10か否かを認証することができる。
正規の携帯機10を携帯したユーザーが車両1に近付いて来たことが検知され、且つ、取手2に触れられたことが検知されたということは、車両1の扉の取手2から手が届く範囲内に正規の携帯機10を携帯したユーザーが存在することを示していると考えて良い。そこで、携帯機認証装置150はその旨を検知情報取得部111に出力する。検知情報取得部111は、このようにして、車両1に対して所定の基準位置で正規の携帯機10が検知された旨の検知情報を取得する。
また、検知情報取得部111は、携帯機認証装置150から検知情報を取得すると、その携帯機10を識別するための情報(以下、携帯機識別情報)も携帯機認証装置150から取得する。携帯機認証装置150には複数の携帯機10が正規の携帯機10として予め登録されており、これらの登録された携帯機10に該当するか否かによって、携帯機認証装置150は携帯機10が正規の携帯機10か否かを判断している。そして、携帯機10が正規の携帯機10であり、且つ、接触センサー2sで取手2への接触が検知された場合には、携帯機認証装置150は、基準位置で正規の携帯機10が検知された旨の検知情報に加えて、その携帯機10が登録されている複数の携帯機10の何れであるかに関する情報を、携帯機識別情報として検知情報取得部111に出力する。尚、携帯機識別情報は、携帯機認証装置150が携帯機10を認証するために用いた情報とすることもできるが、簡便には、携帯機認証装置150に登録される正規の携帯機10に通し番号を付けておき、正規の携帯機10に付された通し番号を携帯機識別情報としても良い。
こうして、基準位置で正規の携帯機10が検知された旨の検知情報と、その携帯機10の携帯機識別情報を携帯機認証装置150から取得すると、検知情報取得部111は、要求信号の送信を要求信号送信部113に対して指令する。また、基準経過時間記憶部116に対しては、携帯機識別情報を出力する。
要求信号送信部113は、検知情報取得部111からの指令を受けると、アンテナユニット3に組み込まれたBアンテナ3bを駆動することによって、携帯機10に向けて要求信号を送信する。図2(a)を用いて前述したように要求信号とは、携帯機10に対して応答信号の返信を要求する信号である。また、要求信号送信部113は、要求信号を送信すると、その旨を経過時間計測部115に出力する。尚、本実施例のBアンテナ3bは、2.4GHzの電波を用いて要求信号を送信している。そして、携帯機10は要求信号を受信すると、2.4GHzの電波(あるいは、2.4GHzよりも高い周波数のUWB帯の電波)を用いて応答信号を返信する。
応答信号受信部114は、アンテナユニット3のBアンテナ3bに接続されており、携帯機10から返信されてきた応答信号をBアンテナ3bで受信すると、その旨を経過時間計測部115に出力する。
経過時間計測部115は、要求信号を送信した旨の情報を要求信号送信部113から受け取ると計時を開始して、応答信号を受信した旨の情報を応答信号受信部114から受け取るまでに要した経過時間を計測する。
以上では、検知情報取得部111が、基準位置で正規の携帯機10が検知された旨の検知情報を取得したことに伴って、経過時間計測部115が経過時間を計測する場合について説明した。これに対して経過時間計測部115は、携帯機10までの距離を計測する旨の要求(以下、計測要求)を計測要求受付部112が受け取った場合にも、経過時間を計測する。すなわち、図3に示されるように、距離計測装置110の計測要求受付部112は携帯機認証装置150に接続されており、携帯機認証装置150で携帯機10までの距離が必要になった場合には、その携帯機10の携帯機識別情報と共に、計測要求を計測要求受付部112に対して出力する。尚、本実施例では、携帯機認証装置150から計測要求が出力されるものとして説明するが、車両1に搭載されている他の装置から計測要求を出力しても良い。
計測要求受付部112は、計測要求および携帯機識別情報を受け取ると、要求信号の送信を要求信号送信部113に対して指令すると共に、携帯機識別情報を基準経過時間記憶部116に出力する。
要求信号送信部113は、計測要求受付部112からの指令を受け取った場合も、Bアンテナ3bを駆動することによって携帯機10に向けて要求信号を送信すると共に、その旨を経過時間計測部115に出力する。また、携帯機10が応答信号を返信すると、Bアンテナ3bを介して応答信号受信部114が応答信号を受信して、その旨を経過時間計測部115に出力する。そしてこの場合も、経過時間計測部115は、要求信号を送信してから応答信号を受信するまでに要した経過時間を計測する。
そして、経過時間計測部115は経過時間を計測すると、その経過時間が、基準位置で携帯機10が検知されたことに伴って計測されたものであるのか、携帯機認証装置150からの計測要求に基づいて計測されたものであるのかを判断する。この判断は、要求信号送信部113が要求信号を送信した旨を経過時間計測部115に出力する際に、要求信号が何れに起因して送信されたものであるかの情報も受け取っておき、この情報に基づいて判断することができる。あるいは、検知情報取得部111あるいは計測要求受付部112が要求信号送信部113に対して要求信号の送信を指令する際に、指令した旨を経過時間計測部115にも出力しておき、この情報に基づいて判断するようにしても良い。
その結果、経過時間が、基準位置で携帯機10が検知されたことに伴って計測されたものであった場合は、経過時間計測部115は、計測した経過時間を基準経過時間記憶部116に出力する。基準経過時間記憶部116は、経過時間計測部115から経過時間を受け取ると、その経過時間を、先に検知情報取得部111から受け取っていた携帯機識別情報に対応付けた状態で基準経過時間として記憶する。尚、携帯機識別情報に対応付けて既に基準経過時間が記憶されていた場合には、新たな基準経過時間で古い基準経過時間を上書きするのではなく、少なくとも一部の古い基準経過時間(例えば最短の経過時間)については保存しておく。
これに対して、経過時間が、携帯機認証装置150からの計測要求に基づいて計測されたものであった場合は、経過時間計測部115は、計測した経過時間を距離算出部117に出力する。また、基準経過時間記憶部116は、先に計測要求受付部112から受け取っていた携帯機識別情報に対応付けて記憶されている基準経過時間を読み出して、距離算出部117に出力する。
距離算出部117は、経過時間計測部115から受け取った経過時間と、基準経過時間記憶部116から受け取った基準経過時間との時間差を算出する。そして、その時間差に電波の進行速度cを乗算して、得られた乗算値の半分の値に所定の基準距離を加算することによって、車両1から携帯機10までの距離を算出する。このような簡単な方法によって、しかも携帯機10での処理に要する時間Thndlが分からなくても、車両1から携帯機10までの距離を算出可能な理由については、後ほど詳しく説明する。そして、距離算出部117は、算出した距離を、計測要求を出力してきた機器(ここでは携帯機認証装置150)に出力する。
また、基準経過時間記憶部116には、携帯機識別情報毎に新たな基準経過時間が記憶されており、更に、少なくとも一部の古い基準経過時間も携帯機識別情報毎に保存されている。電池消耗検知部118は、携帯機識別情報毎に新たな基準経過時間と古い基準経過時間とを比較することによって、携帯機10の電池の消耗を検知する。新たな基準経過時間と古い基準経過時間とを比較することによって、携帯機10の電池の消耗を検知可能な理由については、後ほど詳しく説明する。そして、電池消耗検知部118は、電池の消耗が検知された場合は、その旨を携帯機認証装置150に出力する。
以上のように、本実施例の距離計測装置110は、携帯機10が要求信号を受信してから応答信号を送信するまでに要した時間Thndlを、携帯機10毎に求めておかなくても、車両1から携帯機10までの距離を正確に計測することが可能となる。以下では、本実施例の距離計測装置110が距離を計測する具体的な処理内容を説明することによって、こうしたことが可能となる理由について説明する。
B.携帯機距離計測処理 :
図4および図5は、本実施例の距離計測装置110が携帯機10までの距離を計測する携帯機距離計測処理のフローチャートである。
図4に示されるように携帯機距離計測処理では、先ず初めに、車両1に対して予め設定された基準位置で正規の携帯機10が検知されたか否かを判断する(S100)。前述したように本実施例では、車両1の外側から取手2に手が届く範囲の領域が基準位置に設定されている。そして、携帯機認証装置150が、正規の携帯機10を携帯したユーザーが車両1の近くに存在することを検知し、且つ、車両1の取手2への接触を検知すると、基準位置で正規の携帯機10が検知された旨を出力する。本実施例の距離計測装置110は、この出力を受け取ったか否かによって、基準位置で正規の携帯機10が検知されたか否かを判断する(S100)。
その結果、基準位置で正規の携帯機10が検知された旨の出力を受け取っていない場合には、基準位置で正規の携帯機10が検知されていないものと判断し(S100:no)、続いて、携帯機10までの距離の計測要求があったか否かを判断する(S101)。前述したように本実施例では、正規の携帯機10までの距離を計測する必要が生じると携帯機認証装置150から計測要求が出力されるようになっている。もちろん、車両1に搭載されている他の機器から計測要求を出力しても良い。そして、距離計測装置110は、このような計測要求を受け取っていない場合は(S101:no)、再びS100に戻って、基準位置で正規の携帯機10が検知されたか否かを判断する(S100)。
このようにしてS100の判断、およびS101の判断を繰り返しているうちに、基準位置で正規の携帯機10が検知されたと判断するか(S100:yes)、あるいは、距離の計測要求があったと判断すると(S101:yes)、携帯機識別情報を取得する(S102)。すなわち、基準位置で正規の携帯機10が検知された場合は(S100:yes)、その携帯機10の携帯機識別情報を携帯機認証装置150から取得する。また、携帯機10までの距離の計測要求があった場合は(S101:yes)、その携帯機10の携帯機識別情報を携帯機認証装置150から取得する。尚、携帯機識別情報は、携帯機認証装置150が基準位置で正規の携帯機10を検知した旨を出力する際、あるいは距離の計測要求を出力する際に、その出力に組み込んだ状態で1つの信号として出力しても良いが、別々の信号として出力しても良い。また、距離の計測要求が、携帯機認証装置150ではない他の車載機器から出力される場合は、他の車載機器は距離計測装置110に対して計測要求を出力する際に携帯機認証装置150にも出力しておき、携帯機認証装置150がその出力を受け取って、距離計測装置110に携帯機識別情報を出力することになる。
続いて、距離計測装置110は、Bアンテナ3bを駆動することによって、携帯機10に対して応答信号の返信を要求する要求信号を送信すると共に、図示しない内蔵タイマを起動することによって計時を開始する(S103)。
その後、携帯機10からの応答信号を受信したか否かを判断する(S104)。そして、まだ応答信号を受信していない場合は(S104:no)、S104の判断を繰り返すことによって、応答信号を受信するまで待機状態となる。尚、本実施例では、携帯機10の存在が確認された状態で要求信号を送信しているので、携帯機10からは確実に応答信号が返信されてくると考えられる。このため、応答信号を受信していない場合は(S104:no)、応答信号を受信するまで待機することとしているが、一定時間が経過しても応答信号を受信できなかった場合は、S103で起動したタイマを停止させた後、図4の携帯機距離計測処理を終了しても良い。
その結果、携帯機10からの応答信号を受信したら(S104:yes)、計時中の内蔵タイマを停止して(S105)、要求信号を送信してから応答信号を受信するまでの経過時間を取得する(S106)。尚、経過時間を取得した後は、次回の起動時に迅速に起動可能とするために、内蔵タイマの値は初期化しておく。
続いて、取得された経過時間は距離の計測要求に基づいて計測されたものか否かを判断する(S107)。すなわち、経過時間が計測されたということは、S100またはS101の何れかで「yes」と判断されたことに他ならない。そこで、何れに該当するかを判断する。その結果、S101で「yes」と判断されていた場合は、S107では「yes」と判断し、逆に、S100で「yes」と判断されていた場合は、S107では「no」と判断する。
その結果、S107で「no」と判断した場合は、基準位置で正規の携帯機10が検知されたことに伴って(すなわち、S100で「yes」と判断されたために)、経過時間が計測されたことになる。そこで、取得した経過時間を基準経過時間として、携帯機識別情報に対応付けた状態で記憶する(S108)。
続いて、携帯機識別情報に対応付けて記憶した基準経過時間は、その携帯機識別情報に対応して記憶されている最短経過時間よりも短いか否かを判断する(S109)。ここで、最短経過時間とは、過去に記憶された基準経過時間の中で最短のものを言う。基準経過時間は携帯機識別情報毎に記憶されるから、最短経過時間も携帯機識別情報毎に記憶されている。S109では、新たに基準経過時間を記憶した携帯機識別情報に対応して記憶されている最短経過時間を読み出して、新たな基準経過時間が最短経過時間よりも短いか否かを判断する。
その結果、新たな基準経過時間の方が最短経過時間よりも短い場合は(S109:yes)、携帯機識別情報に対応付けて記憶されていた最短経過時間を、新たな基準経過時間で更新する(S110)。また、基準経過時間を初めて計測する携帯機10については、最短経過時間は記憶されていないが、この場合も、基準経過時間の方が最短経過時間よりも短いと判断して(S109:yes)、取得した基準経過時間を、携帯機識別情報に対応付けて最短経過時間として記憶する(S110)。こうして、携帯機識別情報に対応付けられた最短経過時間を更新(あるいは記憶)したら(S110)、処理の先頭に戻って、基準位置で正規の携帯機10が検知されるか(S100:yes)、距離の計測要求を受け取るまで(S101:yes)、S100およびS101の判断を繰り返すことによって待機状態となる。
また、新たな基準経過時間の方が最短経過時間よりも長かった場合は(S109:no)、携帯機識別情報に対応付けて記憶されている最短経過時間を更新することなく、処理の先頭に戻って、基準位置で正規の携帯機10が検知されるか(S100:yes)、距離の計測要求を受け取るまで(S101:yes)、S100およびS101の判断を繰り返すことによって待機状態となる。
以上では、S107で「no」と判断した場合、すなわち、基準位置で正規の携帯機10が検知されたことに起因して経過時間が計測された場合に、その経過時間に対して行われる処理に付いて説明した。これに対して、S107で「yes」と判断した場合は、携帯機10までの距離の計測要求を受けたことに起因して、経過時間が計測されていたことになる。そこで、この場合は、経過時間に基づいて携帯機10までの距離を求めるべく、先ず初めに、携帯機識別情報に対応付けて記憶されている基準経過時間を読み出す(図5のS111)。携帯機識別情報は、図4のS102で取得されている。また、前述したように携帯機識別情報には、基準経過時間が対応付けて記憶されている(図4のS108参照)。
尚、前述したように基準経過時間は、基準位置で正規の携帯機10が検知された場合に記憶されるものなので、未だ基準経過時間が記憶されていない携帯機10について、距離の計測要求を受け取ることも起こり得る。このような場合は、基準経過時間が未計測なために携帯機10までの距離を計測できない旨を出力して、図4の携帯機距離計測処理の先頭に戻るようにすればよい。あるいは、標準的な基準経過時間を設定しておき、その標準的な基準経過時間を代わりに用いて、以降の操作を行うようにしても良い。
続いて、図4のS106で取得した経過時間と、図5のS111で読み出した基準経過時間との時間差を算出し(S112)、この時間差に基づいて携帯機10までの距離を算出する(S113)。経過時間と基準経過時間との時間差に基づいて携帯機10までの距離が算出可能な理由は、次のようなものである
図6は、携帯機10の基準経過時間を計測する様子を示した説明図である。図6(a)に示したように、携帯機10を携帯したユーザーが車両1の取手2に触れると、アンテナユニット3のBアンテナ3bから要求信号が送信されて、携帯機10からの応答信号を受信するまでの時間が基準経過時間となる。この基準経過時間の内訳は、図6(b)に示すように、Bアンテナ3bから出力された要求信号が携帯機10に届くまでの時間Tflysと、要求信号を受信した携帯機10が応答信号を返信するまでに掛かる時間Thndlと、携帯機10から返信された応答信号がBアンテナ3bに届くまでの時間Tflysとなっており、これらを合計した時間Tstd が、基準経過時間となる。
ここで、携帯機10で掛かった時間Thndlは分かっていないから、合計した時間Tstd を計測しても時間Tflysは求めることができない。しかし、基準経過時間を計測した時に携帯機10を携帯したユーザーは車両1の取手2に触れていたから、携帯機10は取手2から手の届く範囲に存在していたと考えられる。従って、常識的に考えれば、携帯機10は取手2から50cm〜80cmの範囲内、広めに見積もっても20cm〜120cmの範囲内に存在していたと考えて良い。結局、図6(b)に示したように、基準経過時間(=Tstd )は、この距離Dstd (=約70cm±50cm)を電波が往復する時間に、携帯機10で掛かった時間Thndlを加算した時間となっている。
図7は、計測要求に基づいて携帯機10までの距離を計測する場合を示した説明図である。前述したように距離計測装置110が計測要求を受け取ると、アンテナユニット3のBアンテナ3bから要求信号を送信して、携帯機10からの応答信号を受信するまでの経過時間が計測される(図7(a)参照)。図7(a)と図6(a)とを比較すれば明らかなように、図7では図6よりも車両1から遠くに携帯機10が存在するから、図7の場合に計測される経過時間は、図6の場合に計測される基準経過時間よりも長くなる。そして、この経過時間の増加量は、車両1から携帯機10までの距離の増加量に対応する。
図7(b)には、経過時間の増加量と、携帯機10までの距離の増加量との関係が示されている。例えば、図7(a)の状態で得られた経過時間が時間Ttotal であったとすると、基準経過時間(=Tstd )に対する増加量(=2×Tdif )は、図6(a)の状態から携帯機10が遠ざかったことによって電波の往復距離が増加したことに因るものである。従って、電波の進行速度をcとすれば、この距離の増加量(=2×Ddif )と時間の増加量(=2×Tdif )との間には、
2×Ddif =c×2×Tdif
の関係が成立する。そして、経過時間(=Ttotal )や、基準経過時間(=Tstd )は何れも実測されているから、時間Tdif は、
Tdif =(Ttotal −Tstd )/2
で算出することができるから、
Ddif =c×(Ttotal −Tstd )/2
で算出することができる。更に、Dstd は予め分かっているから(本実施例では、約70cm±50cm)、結局、車両1から携帯機10までの距離Dは、
D=Dstd +c×(Ttotal −Tstd )/2
によって算出することができる。図5のS113では、このようにして車両1から携帯機10までの距離を算出する。
そして、算出した距離を携帯機認証装置150に出力した後(S114)、今度は、携帯機識別情報に対応付けて記憶されている最短経過時間を読み出す(S115)。前述したように最短経過時間は、図4のS110で携帯機識別情報に対応付けて記憶されている。続いて、読み出した最短経過時間と、距離の算出に用いた基準経過時間とを比較して、最短経過時間に対する基準経過時間の増加量が許容範囲内にあるか否かを判断する(S116)。このような判断をしているのは、次のような理由による。
図6を用いて前述したように、基準経過時間(=Tstd )は、電波が往復するために要した時間(=2×Tfly )に、携帯機10が要求信号を受信してから応答信号を返信するまでに要した時間(=Thndl)を加算した時間となっている。ここで、携帯機10は基準位置(本実施例では、車両1の取手2から手が届く範囲内)に存在するから、時間Tfly は大きく変化することはない。これに対して、時間Thndlについては、携帯機10の電池の消耗が進んで行くとやがては、携帯機10に内蔵された回路の電源電圧が低下するため、回路の遅延時間の増加によって時間Thndlが増加する事態を引き起こす。従って、携帯機10の電池の消耗が進むと、やがては基準経過時間が増加することになる。
そこで、本実施例の距離計測装置110では、携帯機10の電池が新しい状態での基準経過時間を、最短経過時間として記憶しておき、この最短経過時間に対して基準経過時間が、所定の許容範囲を超えて増加した場合には(S116:yes)、携帯機10の電池が消耗したものと判断して、その旨を携帯機認証装置150に出力する(S117)こととしているのである。こうして電池が消耗している旨を出力した後は、処理の先頭に戻って、基準位置で正規の携帯機10が検知されるか(S100:yes)、距離の計測要求を受け取るまで(S101:yes)、S100およびS101の判断を繰り返すことによって待機状態となる。
これに対して、最短経過時間に対する基準経過時間の増加量が、許容範囲を超えていない場合は(S116:no)、携帯機10の電池は消耗していないと判断できるので、そのまま、処理の先頭に戻って、基準位置で正規の携帯機10が検知されるか(S100:yes)、距離の計測要求を受け取るまで(S101:yes)、S100およびS101の判断を繰り返すことによって待機状態となる。
以上に説明したように、本実施例の距離計測装置110は、車両1に対して予め設定された基準位置で正規の携帯機10が検知されると、携帯機10に向けて要求信号を送信してから応答信号が戻ってくるまでの経過時間を計測して、基準経過時間として記憶しておく。そして、携帯機10までの距離を計測する場合には、携帯機10に向けて要求信号を送信してから応答信号が戻ってくるまでの経過時間と、基準経過時間との時間差に基づいて、前述した計算式を用いて携帯機10までの距離を算出する。
このため、携帯機10側で電波を受信してから返信するまでに要した時間Thndlを計測する必要がない。また、車両1に搭載された距離計測装置110で、電波を送信してから返信が戻ってくるまでに要した時間を計測すれば良いので、距離計測装置110や携帯機10が複雑になってしまうことも無い。加えて、計測される距離の誤差の大きさは、基準位置に存在する携帯機10の位置のばらつき程度(本実施例では、大きめに見積もっても±50cm程度)に抑えることができるので、実用上は十分な精度を確保することが可能となる。
また、上述した実施例では、携帯機10側での処理に要する時間Thndlに比べれば、距離計測装置110の側での処理に要する時間(例えば、応答信号を受信したことを認識するために要する時間や、受信を認識してからタイマを停止するまでに要する時間など)は無視できる程度に短いものとして説明した。しかし、距離計測装置110の状態によっては、距離計測装置110の側での処理に要する時間が、携帯機10側での時間Thndlに比べて無視できない程度に大きくなる場合も起こり得る。そして、図2を用いて前述したように、携帯機10側での処理に要する時間Thndlを計測しておく方法では、距離計測装置110側での処理の時間が無視できない程に大きくなると、この時間も計測しておく必要が生じる。
ところが、本実施例では、要求信号を送信してから応答信号が戻ってくるまでの経過時間と、基準経過時間との時間差に基づいて距離を算出している。そして、このような時間差であれば、距離計測装置110の側での処理に要する時間の大小に拘わらず、精度良く計測することができる。このため本実施例では、距離計測装置110側での処理に要する時間も計測することなく、携帯機10までの距離を精度良く計測することが可能となる。
C.変形例 :
上述した実施例では、携帯機10を携帯したユーザーが車両1の取手2に手が届く範囲内の領域が、基準位置に設定されているものとして説明した。しかし基準位置は、車両1の取手2に手が届く範囲内の領域に限られるわけではない。
例えば、車両1の車室内を基準位置として設定することもできる。すなわち、図8に例示したように、車両1の室内に向けてもアンテナユニット3を搭載しておく。そして、このアンテナユニット3に組み込まれたLFアンテナ3lおよびRFアンテナ3rを用いて、車室内に携帯機10が存在するか否か、および車室内に存在する携帯機10が正規の携帯機10か否かを認証する。その結果、車室内に存在する携帯機10が正規の携帯機10であった場合には、正規の携帯機10が基準位置で検知されたものと判断して、Bアンテナ3bから要求信号を送信し、応答信号が戻ってくるまでの経過時間を計測するようにしても良い。
携帯機10が車室内に存在する場合には、Bアンテナ3bから携帯機10までの距離はほぼ決まっているから、図6の場合と同様な距離Dstd と経過時間Tstd とを考えることができる。従って、この経過時間を基準経過時間として用いれば、図7に示した場合と同様にして、車両1から携帯機10までの距離Dを算出することができる。
また、大部分の車両1では、アンテナユニット3のLFアンテナ3lからのLF波が届く距離は、1.2m〜1.5mの範囲に設定されていることが通常である。図8では、車両1の前方右側に内蔵されているアンテナユニット3のLFアンテナ3lからのLF波が届く範囲が、一点鎖線で示されている。このような領域を基準位置に設定しても良い。
すなわち、図8中に一点鎖線で示した所定領域3Ar内で正規の携帯機10が検知された場合に、Bアンテナ3bから要求信号を送信し、応答信号が戻ってくるまでの経過時間を計測する。この場合、LFアンテナ3lからのLF波が届く距離にばらつきがあるため、前述した本実施例の場合に比べると、算出した距離Dの精度が低下するが、それでも十分に実用的な精度で、車両1から携帯機10までの距離Dを算出することが可能となる。
以上、本実施例および変形例について説明したが、本発明は上述した本実施例および各種の変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
1…車両、 2…取手、 2s…接触センサー、 3…アンテナユニット、
3b…Bアンテナ、 3l…LFアンテナ、 3r…RFアンテナ、
10…携帯機、 100…運転支援装置、 110…距離計測装置、
111…検知情報取得部、 112…計測要求受付部、
113…要求信号送信部、 114…応答信号受信部、
115…経過時間計測部、 116…基準経過時間記憶部、
117…距離算出部、 118…電池消耗検知部、 150…認証装置。

Claims (8)

  1. 車両(1)に搭載されて、前記車両のユーザーが携帯する携帯機(10)と無線で通信することによって、前記車両から前記携帯機までの距離を計測する距離計測装置(110)であって、
    前記携帯機が前記車両に対して所定の基準位置に存在することを検知した旨の検知情報を取得する検知情報取得部(111)と、
    前記車両から前記携帯機までの距離を計測する旨の計測要求を受け付ける計測要求受付部(112)と、
    前記基準位置で前記携帯機が検知された旨の前記検知情報を取得した場合、または、前記計測要求を受け付けた場合に、応答信号の返信を要求する要求信号を、前記携帯機に向けて送信する要求信号送信部(113)と、
    前記携帯機から返信されてきた前記応答信号を受信する応答信号受信部(114)と、
    前記携帯機に向けて前記要求信号を送信してから前記応答信号を受信するまでの経過時間を計測する経過時間計測部(115)と、
    前記経過時間が、前記基準位置で前記携帯機が検知されたことに伴って計測されたものであった場合には、前記経過時間を基準経過時間として記憶する基準経過時間記憶部(116)と、
    前記経過時間が、前記計測要求を受け付けたことに伴って計測されたものであった場合には、前記経過時間と前記基準経過時間との時間差に基づいて、前記車両から前記携帯機までの距離を算出する距離算出部(117)と
    を備えることを特徴とする距離計測装置。
  2. 請求項1に記載の距離計測装置であって、
    前記検知情報取得部は、前記携帯機を携帯するユーザーが前記車両の扉の取手(2)に触れたことを示す情報を、前記検知情報として取得する
    ことを特徴とする距離計測装置。
  3. 請求項2に記載の距離計測装置であって、
    前記車両には、前記携帯機と無線で通信することによって前記携帯機を認証する携帯機認証装置(150)も搭載されており、
    前記検知情報取得部は、前記携帯機を携帯するユーザーが前記車両の扉の取手(2)に触れたことを示す前記検知情報を、前記携帯機認証装置から取得する
    ことを特徴とする距離計測装置。
  4. 請求項1に記載の距離計測装置であって、
    前記車両には、前記携帯機と無線で通信することによって前記携帯機を認証する携帯機認証装置(150)も搭載されており、
    前記検知情報取得部は、前記携帯機が前記車両の車室内に存在することを示す情報を、前記検知情報として前記携帯機認証装置から取得する
    ことを特徴とする距離計測装置。
  5. 請求項1に記載の距離計測装置であって、
    前記車両には、前記携帯機と無線で通信することによって前記携帯機を認証する携帯機認証装置も搭載されており、
    前記検知情報取得部は、前記携帯機が前記車両の扉の外側の所定領域(3Ar)内に存在することを示す情報を、前記検知情報として前記携帯機認証装置から取得する
    ことを特徴とする距離計測装置。
  6. 請求項3ないし請求項5の何れか一項に記載の距離計測装置であって、
    前記検知情報取得部は、前記検知情報に加えて、前記携帯機を識別する携帯機識別情報も、前記携帯機認証装置から取得しており、
    前記計測要求受付部は、前記計測要求を受け付ける際に、前記携帯機認証装置から前記携帯機識別情報を取得しており、
    前記基準経過時間記憶部は、前記携帯機識別情報に対応付けて前記基準経過時間を記憶しており、
    前記距離算出部は、前記経過時間と、前記携帯機識別情報に対応付けて記憶された前記基準経過時間との時間差に基づいて、前記車両から前記携帯機までの距離を算出する
    ことを特徴とする距離計測装置。
  7. 請求項6に記載の距離計測装置であって、
    前記基準経過時間記憶部は、前記携帯機識別情報に対応付けて新たな前記基準経過時間を記憶する際には、前記携帯機識別情報に対応付けて記憶されていた古い前記基準経過時間も保存される態様で記憶しており、
    前記携帯機識別情報に対応付けて保存されている古い前記基準経過時間と、新たに記憶された前記基準経過時間とに基づいて、前記携帯機に内蔵された電池の消耗を検知する電池消耗検知部(118)を備える
    ことを特徴とする距離計測装置。
  8. 車両(1)に適用されて、前記車両のユーザーが携帯する携帯機(10)と無線で通信することによって、前記車両から前記携帯機までの距離を計測する距離計測方法であって、
    前記携帯機が前記車両に対して所定の基準位置に存在することを検知した旨の検知情報を取得する工程(S100)と、
    前記車両から前記携帯機までの距離を計測する旨の計測要求を受け付ける工程(S101)と、
    前記基準位置で前記携帯機が検知された旨の前記検知情報を取得した場合、または、前記計測要求を受け付けた場合に、前記携帯機に向けて、応答信号の返信を要求する要求信号を送信する工程(S103)と、
    前記携帯機から返信されてきた前記応答信号を受信する工程(S104)と、
    前記携帯機に向けて前記要求信号を送信してから前記応答信号を受信するまでの経過時間を計測する工程(S106)と、
    前記基準位置で前記携帯機が検知されたことに伴って前記経過時間が計測された場合には、前記経過時間を、基準経過時間として記憶する工程(S108)と、
    前記計測要求を受け付けたことに伴って前記経過時間が計測された場合には、前記経過時間と前記基準経過時間との時間差に基づいて、前記車両から前記携帯機までの距離を算出する工程(S113)と
    を備えることを特徴とする距離計測方法。
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