JP2020128562A - 水素生成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】直列に接続された電気化学デバイスのカソード触媒層の水素イオン輸送抵抗が大きくなることを抑え、水素純化効率の高い水素生成システムを提供する。【解決手段】水素生成システム400は、直列に接続される第1電気化学デバイス100、第2電気化学デバイス200、第3電気化学デバイス300を備える。最上流の第1電気化学デバイス100から順に、下流側の第2電気化学デバイス200、第3電気化学デバイス300に向うにしたがって、カソードガス拡散層113、カソードガス拡散層213、カソードガス拡散層313の撥水性を順に低くすることにより、カソード触媒層112、カソード触媒層212、カソード触媒層312の液水保持量が順に多くなり、水素イオン輸送抵抗が大きくなることが抑えられるので、水素生成システム400の水素純化効率が低いことが改善される。【選択図】図4

Description

本発明は、電気化学デバイスを用いて、ガス供給装置から供給される水素含有ガスから純度の高い水素を生成する水素生成システムに関するものである。
水素生成システムは、水素含有ガスから電気化学反応を利用して、純度の高い水素を生成するシステムである。この水素生成システムは、例えば、水素イオンを輸送する電解質膜の両側にアノードおよびカソードを設けた電解質膜−電極接合体を、セパレータによって挟持した電気化学デバイスを備えている。
アノードに加湿された水素含有ガスを供給して、アノードから電解質膜を介してカソードの方向に電流を流すことで、アノードでは、(化1)に示す水素が水素イオンと電子に解離する酸化反応が起こり、カソードでは、(化2)に示す水素イオンと電子から水素が生成する還元反応が起こる。
Figure 2020128562
Figure 2020128562
以上の反応により、アノードに供給された水素含有ガスから、カソードにおいて水素を生成することができる。
前記水素生成システムに供給される水素含有ガスは、例えば、燃料改質器によって、都市ガスやプロパンガスなどの炭化水素系の原料を水蒸気改質や部分酸化改質、またはオートサーマル改質して生成され、水素の他に窒素や二酸化炭素、水分などの不純物を含んでいる。
この水素含有ガスから水素を生成する水素生成システムにおいて、純度の高い水素を生成するために、電気化学デバイスを、直列に2台接続することで、水素生成システムから生成される水素の純度を高める構成が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
図9は、非特許文献1に開示された従来の水素生成システムの概略構成図である。
図9に示すように、従来の水素生成システム900は、電解質膜906の両側にアノード907およびカソード908を設けた電解質膜−電極接合体915を、アノード側セパレータ916とカソード側セパレータ917とによって挟持した、2台の電気化学デバイス901と、加湿器914とを備えている。
電解質膜906には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜が用いられている。また、アノード907とカソード908とには、白金を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系のアイオノマー水溶液とを混合したスラリーを、電解質膜906に塗布形成したものが用いられて
いる。
アノード907とカソード908とは、液水を多く保持するほど、水素イオン輸送経路が多くなり、水素イオン輸送抵抗が小さくなるため、水素含有ガスは加湿器914を用いて露点が高い状態になるように加湿されている。
電気化学デバイス901は、加湿された水素含有ガスをアノード907に供給するためのアノード側入口903と、水素含有ガスをアノード907から排出するためのアノード側出口904と、カソード908において生成する水素を排出するためのカソード側出口905とを備えている。
水素生成システム900は、上流側の電気化学デバイス901のカソード側出口905から排出された水素含有ガスが、下流側の電気化学デバイス901のアノード側入口903に供給されるように直列に接続されている。
また、水素生成システム900は、2台の電気化学デバイス901のアノード907から電解質膜906を介してカソード908の方向に電流を流すための電源909を備えている。
さらに、水素生成システム900は、2台の電気化学デバイス901を所定の温度に維持するための温度調節器912を備えている。
以上のように構成された水素生成システム900は、1台の電気化学デバイス901を用いる場合に比べ、2台の電気化学デバイス901を直列に接続して用いることで、水素含有ガスから水素を電気化学的に分離し、純度の高い水素を生成している。
H.K.Lee, H.Y.CHoi, J.H.Park ,T.H.Lee,Journal of Power Sources 132(2004)92-98.
しかしながら、前記従来の構成では、各電気化学デバイスにおいて、水素含有ガスから水素を電気化学的に分離してカソードに生成するときに、水素含有ガス中の水素は水素イオンに解離し容易にカソードに移動するが、水素含有ガス中の水分は電解質膜を通ってカソードに移動し難くい。
よって、直列に接続した複数の電気化学デバイスでは、アノードに供給される水素含有ガスの水分の含有率に比べ、カソードに移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
このため、直列に接続した複数の電気化学デバイスのカソードに移動した水素含有ガスの水分の含有率は、水素含有ガスの供給方向の上流側から下流側に向かうにしたがって漸次小さくなる。
このことから、直列に接続した複数の電気化学デバイスのカソードの水素イオン輸送経路は、上流側から下流側に向かうにしたがって漸次少なくなる。よって、カソードの水素イオン輸送抵抗は、上流側から下流側に向かうにしたがって漸次大きくなる。
これにより、上流側の電気化学デバイスの水素純化効率に比べ、下流側の電気化学デバイスの水素純化効率が低くなり、水素生成システムの水素純化効率が低いという課題を有していた。
ここで、水素純化効率とは、電気化学デバイスに投入する電気エネルギーに対する生成する水素のエネルギーの割合である。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、直列に接続した複数の電気化学デバイスにおいて、下流側の電気化学デバイスの水素純化効率が低いことを改善することで、水素純化効率の高い水素生成システムを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下のことを見い出した。
電気化学デバイスのカソードは、電解質膜側に配置されるカソード触媒層とカソード触媒層の電解質膜側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層とで構成されており、カソードガス拡散層の撥水性が高いと液水をはじく性質がある。
逆に、カソードガス拡散層の撥水性が低いと液水がはじかれることなく、ガス拡散層に吸着される。つまり、電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性が低いと、カソードガス拡散層の吸水性が高くなり、カソードガス拡散層の液水保持量が多くなる。
カソードガス拡散層で液水が多くなると、カソード触媒層の液水が、カソードガス拡散層へ移動し難くなり、カソード触媒層の液水保持量が多くなる。
カソード触媒層の液水保持量が多くなると、カソード触媒層の水素イオン輸送経路が多くなり、カソード触媒層の水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
この原理に基づくと、下流側の電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性を、上流側の電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性よりも低くすることで、下流側の電気化学デバイスのカソードの水素イオン輸送抵抗が、カソードガス拡散層の撥水性を低くする前に比べ、小さくなる。
このことから、下流側の電気化学デバイスのカソードが水分の含水率の小さい水素含有ガスに曝されても、下流側の電気化学デバイスのカソードの水素イオン輸送抵抗が、カソードガス拡散層の撥水性を低くする前に比べ、小さくなる。よって、下流側の電気化学デバイスの水素純化効率が低くなることが抑制され、水素生成システムの水素純化効率が低くなることが改善される。
前記従来の課題を解決するその他の手段としては、下流側の電気化学デバイスのカソード触媒層のアイオノマーのEWを、上流側の電気化学デバイスのEWよりも小さくする方法が考えられる。ここで、EWとは、アイオノマーのスルホン酸基などのイオン交換基1当量当たりの乾燥状態のアイオノマーのグラム数をいう。
しかし、前記手段では、カソード触媒層のアイオノマーのEWが異なるスラリーを複数作製し、それぞれを電解質膜に塗布形成しなければならないため、電解質膜−電極接合体の作製工程が煩雑になる。
一方、カソードガス拡散層の撥水性を高くするには、カソードガス拡散層を構成する炭
素繊維からなる多孔質基材への撥水材の含侵時間を調整するだけで、カソードガス拡散層の撥水性を簡単に制御することができる。
このことから、前記従来の課題を解決する手段としては、カソード触媒層のアイオノマーのEWよりも、カソードガス拡散層の撥水性を制御した方が望ましい。
本発明の水素生成システムは、電解質膜と該電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、アノードに水素含有ガスを供給し、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことで、カソードにおいて水素を生成する複数の電気化学デバイスと、水素含有ガスを供給するガス供給手段と、複数の電気化学デバイスのアノードとカソードとの間に電流を流すための電源と、を備えた水素生成システムにおいて、アノードは電解質膜側に配置されるアノード触媒層と該アノード触媒層の電解質膜側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層とで構成され、カソードは電解質膜側に配置されるカソード触媒層と該カソード触媒層の電解質膜側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層とで構成され、複数の電気化学デバイスは、水素含有ガスの供給方向の上流側の電気化学デバイスのカソードから排出された水素含有ガスが、水素含有ガスの供給方向の下流側の電気化学デバイスのアノードに供給されるように、直列に接続されており、ガス供給手段は、複数の電気化学デバイスの内の水素含有ガスの供給方向の最上流の電気化学デバイスのアノードに水素含有ガスを供給する、水素生成システムであって、電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性を、水素含有ガスの供給方向の上流側から下流側に向かうにしたがって、漸次低くした水素生成システムである。
これにより、下流側の電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性を低くする前に比べ、下流側の電気化学デバイスのカソードの水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
このことから、下流側の電気化学デバイスのカソードが水分の含水率の小さい水素含有ガスに曝されても、下流側の電気化学デバイスのカソードの水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
よって、下流側の電気化学デバイスの水素純化効率が低くなることが抑制され、水素生成システムの水素純化効率が低いことが改善される。
本発明の水素生成システムは、直列に接続した複数の電気化学デバイスにおいて、下流側の電気化学デバイスのカソード触媒層が、水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、水素純化効率の高い水素生成システムにできる。
また、これにより、水素生成システムに用いる電気エネルギーが小さいため、省エネ性の高い水素生成システムを提供できる。
本発明の実施の形態1における水素生成システムに用いる第1電気化学デバイスの概略構成図 本発明の実施の形態1における水素生成システムに用いる第2電気化学デバイスの概略構成図 本発明の実施の形態1における水素生成システムに用いる第3電気化学デバイスの概略構成図 本発明の実施の形態1における水素生成システムの概略構成図 本発明の実施の形態2における水素生成システムに用いる第1電気化学デバイスの概略構成図 本発明の実施の形態2における水素生成システムに用いる第2電気化学デバイスの概略構成図 本発明の実施の形態2における水素生成システムに用いる第3電気化学デバイスの概略構成図 本発明の実施の形態2における水素生成システムの概略構成図 従来の水素生成システムの概略構成図
第1の発明は、電解質膜と電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、アノードに水素含有ガスを供給し、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことで、カソードにおいて水素を生成する複数の電気化学デバイスと、水素含有ガスを供給するガス供給手段と、複数の電気化学デバイスのアノードとカソードとの間に電流を流すための電源と、を備えた水素生成システムにおいて、アノードは電解質膜側に配置されるアノード触媒層とアノード触媒層の電解質膜側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層とで構成され、カソードは電解質膜側に配置されるカソード触媒層とカソード触媒層の電解質膜側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層とで構成され、複数の電気化学デバイスは、水素含有ガスの供給方向の上流側の電気化学デバイスのカソードから排出された水素含有ガスが、水素含有ガスの供給方向の下流側の電気化学デバイスのアノードに供給されるように、直列に接続されており、ガス供給手段は、複数の電気化学デバイスの内の水素含有ガスの供給方向の最上流の電気化学デバイスのアノードに水素含有ガスを供給する、水素生成システムであって、電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性は、水素含有ガスの供給方向の上流側から下流側に向かうにしたがって、漸次低くなることを特徴とする水素生成システムである。
これにより、下流側の電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性を低くする前に比べ、下流側の電気化学デバイスのカソードの水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
このことから、下流側の電気化学デバイスのカソードが水分の含水率の小さい水素含有ガスに曝されても、下流側の電気化学デバイスのカソードの水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
よって、下流側の電気化学デバイスの水素純化効率が低くなることが改善されるため、水素純化効率の高い水素生成システムを提供することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、カソードガス拡散層に撥水材を備え、電気化学デバイスのカソードガス拡散層の単位体積あたりの撥水材含有量は、水素含有ガスの供給方向の上流側から下流側に向かうにしたがって、漸次少なくなることを特徴とする記載の水素生成システムである。
これにより、下流側の電気化学デバイスのカソードガス拡散層の単位体積あたりの撥水材含有量を少なくする前に比べ、下流側の電気化学デバイスのカソードの水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
このことから、下流側の電気化学デバイスのカソードが水分の含水率の小さい水素含有ガスに曝されても、下流側の電気化学デバイスのカソードの水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
よって、上下流側の電気化学デバイスの水素純化効率が低くなることが改善されるため
、水素純化効率の高い水素生成システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、電気化学デバイスのカソード触媒層の水素イオン輸送抵抗は、水素生成システムの使用環境下における電気化学デバイスのカソード触媒層の水素イオン輸送抵抗を電気化学的に測定して求める。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における水素生成システムに用いる第1電気化学デバイスの概略構成図である。図2は、本発明の実施の形態1における水素生成システムに用いる第2電気化学デバイスの概略構成図である。図3は、本発明の実施の形態1における水素生成システムに用いる第3電気化学デバイスの概略構成図である。図4は、本発明の実施の形態1における水素生成システムの概略構成図である。
以下、本実施の形態に係る第1電気化学デバイス、第2電気化学デバイス、第3電気化学デバイスおよび水素生成システムについて、その構成要素の材料、構造を図1〜図4を参照しながら具体的に説明する。
なお、図4において、図1〜図3と同一の構成要素については同一の符号を付すこととして、詳細な説明は省略する場合もある。
図1に示すように、第1電気化学デバイス100は、電解質膜104の両側に、アノード105およびカソード106を設けた電解質膜−電極接合体107を有し、該電解質膜−電極接合体107を一対のアノード側セパレータ108とカソード側セパレータ109とによって挟持して構成されている。
ここで、電解質膜104には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。
アノード105は、電解質膜104側に配置されるアノード触媒層111と、アノード触媒層111の電解質膜104側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層110とで構成されている。
また、カソード106は、電解質膜104側に配置されるカソード触媒層112と、カソード触媒層112の電解質膜104側とは反対側に配置されるカソードガス拡散層113とで構成されている。
アノード触媒層111とカソード触媒層112とには、白金を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系のアイオノマー水溶液とを混合したスラリーを、電解質膜104に塗布形成したものを用いる。
アノードガス拡散層110とカソードガス拡散層113とには、炭素繊維からなる多孔質なフェルトを用いる。ここで、カソードガス拡散層113は、撥水材を含侵させて撥水処理し、カソードガス拡散層113と液水面との接触角が124°の撥水性を有するものを用いる。
アノード側セパレータ108とカソード側セパレータ109とは、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノード側セパレータ108には、水素含有ガスをアノード105に供給するためのア
ノード側入口101と、水素含有ガスをアノード105から排出するためのアノード側出口102とが設けられている。
一方、カソード側セパレータ109には、カソード106において生成する水素を排出するためのカソード側出口103が設けられている。
また、図2に示すように、第2電気化学デバイス200は、電解質膜204の両側に、アノード205およびカソード206を設けた電解質膜−電極接合体207を有し、該電解質膜−電極接合体207を一対のアノード側セパレータ208とカソード側セパレータ209とによって挟持して構成されている。
ここで、電解質膜204には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。
アノード205は、電解質膜204側に配置されるアノード触媒層211と、アノード触媒層211の電解質膜204側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層210とで構成されている。
また、カソード206は、電解質膜204側に配置されるカソード触媒層212と、カソード触媒層212の電解質膜204側とは反対側に配置されるカソードガス拡散層213とで構成されている。
アノード触媒層211とカソード触媒層212とには、白金を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系のアイオノマー水溶液とを混合したスラリーを、電解質膜204に塗布形成したものを用いる。
アノードガス拡散層210とカソードガス拡散層213とには、炭素繊維からなる多孔質なフェルトを用いる。ここで、カソードガス拡散層213は、撥水材を含侵させて撥水処理し、カソードガス拡散層213表面と液水面との接触角が115°の撥水性を有するものを用いる。
アノード側セパレータ208とカソード側セパレータ209とは、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノード側セパレータ208には、水素含有ガスをアノード205に供給するためのアノード側入口201と、水素含有ガスをアノード205から排出するためのアノード側出口202とが設けられている。
一方、カソード側セパレータ209には、カソード206において生成する水素を排出するためのカソード側出口203が設けられている。
また、図3に示すように、第3電気化学デバイス300は、電解質膜304の両側に、アノード305およびカソード306を設けた電解質膜−電極接合体307を有し、該電解質膜−電極接合体307を一対のアノード側セパレータ308とカソード側セパレータ309とによって挟持して構成されている。
ここで、電解質膜304には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。
アノード305は、電解質膜304側に配置されるアノード触媒層311と、アノード
触媒層311の電解質膜304側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層310とで構成されている。
また、カソード306は、電解質膜304側に配置されるカソード触媒層312と、カソード触媒層312の電解質膜304側とは反対側に配置されるカソードガス拡散層313とで構成されている。
アノード触媒層311とカソード触媒層312とには、白金を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系のアイオノマー水溶液とを混合したスラリーを、電解質膜304に塗布形成したものを用いる。
アノードガス拡散層310とカソードガス拡散層313とには、炭素繊維からなる多孔質なフェルトを用いる。ここで、カソードガス拡散層313は、撥水材を含侵させて撥水処理し、カソードガス拡散層313と液水面との接触角が97°の撥水性を有するものを用いる。
アノード側セパレータ308とカソード側セパレータ309とは、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノード側セパレータ308には、水素含有ガスをアノード305に供給するためのアノード側入口301と、水素含有ガスをアノード305から排出するためのアノード側出口302とが設けられている。
一方、カソード側セパレータ309には、カソード306において生成する水素を排出するためのカソード側出口303が設けられている。
また、図4に示すように、水素生成システム400は、第1電気化学デバイス100と、第2電気化学デバイス200と、第3電気化学デバイス300とを備えている。
また、第1電気化学デバイス100のアノード側入口101に加湿された水素含有ガスを供給するガス供給手段402と、ガス供給手段402を制御するための制御器403とを備えている。
ガス供給手段402は、都市ガスから改質反応を利用して加湿された水素と二酸化炭素とからなる水素含有ガスを生成し、供給する燃料改質器で構成され、ガス供給手段402は第1電気化学デバイス100のアノード側入口101に接続されている。
第1電気化学デバイス100には、アノード105で利用されなかった水素含有ガスを排出するためのアノード側出口102が設けられている。
第1電気化学デバイス100のカソード側出口103は、接続流路401によって下流側の第2電気化学デバイス200のアノード側入口201と接続されている。
第2電気化学デバイス200には、アノード側入口201に供給され、アノード205で利用されなかった水素含有ガスを排出するためのアノード側出口202が設けられている。
さらに、第2電気化学デバイス200のカソード側出口203は、接続流路401によって下流側の第3電気化学デバイス300のアノード側入口301と接続されている。
第3電気化学デバイス300には、アノード側入口301に供給され、アノード305で利用されなかった水素含有ガスを排出するためのアノード側出口302が設けられている。
第1電気化学デバイス100には、アノード105から電解質膜104を介してカソード106の方向に電流を流すための電源115が備えられている。
第2電気化学デバイス200には、アノード205から電解質膜204を介してカソード206の方向に電流を流すための電源215が備えられている。
また、第3電気化学デバイス300には、アノード305から電解質膜304を介してカソード306の方向に電流を流すための電源315が備えられている。
電源115、電源215、電源315は、制御器403により制御されている。電源115、電源215、電源315には直流電源を用いる。
また、第1電気化学デバイス100、第2電気化学デバイス200、第3電気化学デバイス300には、温度を調節するための温度調節器114、温度調節器214、温度調節器314が備えられており、温度調節器114、温度調節器214、温度調節器314は、制御器403により制御されている。
温度調節器114、温度調節器214、温度調節器314には設定された温度を一定に保つための熱交換器を用いる。
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る水素生成システム400について、以下、その動作、作用を、図4を参照しながら具体的に説明する。
まず、ガス供給手段402から、加湿された二酸化炭素30%と水素70%とを含む水素含有ガスを、最上流の第1電気化学デバイス100のアノード側入口101を介してアノード105に供給する。
第1電気化学デバイス100は温度70℃となるように温度調節器114を制御器403で制御し、第1電気化学デバイス100のアノード105から電解質膜104を介してカソード106の方向に電源115から電流を流す。
これにより、第1電気化学デバイス100において電気化学反応が進行し、第1電気化学デバイス100のカソード106において水素含有ガスから水素を生成する。
ここで、電解質膜104は、わずかではあるが、二酸化炭素がカソード106に移動するため、第1電気化学デバイス100のカソード側出口103からは水素以外の二酸化炭素が微量含まれた水素純度98%の水素含有ガスが排出される。
また、第1電気化学デバイス100のアノード105に供給された水素含有ガスに含まれる水分は電解質膜104によりカソード106への移動が妨げられる。
このため、第1電気化学デバイス100のアノード105に供給された水素含有ガスの水分の含有率比べ、第1電気化学デバイス100のカソード106に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
ここで、第1電気化学デバイス100のカソード触媒層112の水素イオン輸送抵抗を
、水素生成システム400の使用環境下において、電気化学的に測定すると、43mΩ・cmとなる。
次に、第1電気化学デバイス100のカソード側出口103から排出された水素含有ガスを、70℃に加温された接続流路401を介して、さらに下流側の第2電気化学デバイス200のアノード側入口201に供給する。
第2電気化学デバイス200は温度70℃となるように温度調節器214を制御器403で制御し、第2電気化学デバイス200のアノード205から電解質膜204を介してカソード206の方向に電源215から電流を流す。
これにより、第2電気化学デバイス200において電気化学反応が進行し、第2電気化学デバイス200のカソード206において水素含有ガスから水素を生成する。
ここで、第2電気化学デバイス200の電解質膜204は、わずかではあるが、二酸化炭素がカソード206に移動するため、第2電気化学デバイス200のカソード側出口203からは水素純度99%の水素含有ガスが排出される。
また、第2電気化学デバイス200のアノード205に供給された水素含有ガスに含まれる水分は、電解質膜204によりカソード206への移動が妨げられる。
このため、第2電気化学デバイス200のアノード205に供給された水素含有ガスの水分の含有率に比べ、第2電気化学デバイス200のカソード206に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
よって、第1電気化学デバイス100のカソード触媒層112に移動した水素含有ガスの水分の含有率に比べ、第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
ここで、第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113の撥水性に比べ、第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213の撥水性は低い。
このため、第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113に比べ、第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213では、吸水性が高くなり、液水保持量が高くなる。
よって、第1電気化学デバイス100のカソード触媒層112に比べて、第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212では、液水がカソードガス拡散層213に移動し難くなる。
このことから、第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213の撥水性が第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113の撥水性と同じ場合と比べ、第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212の液水保持量が多くなる。
このため、第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212が水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212の水素イオン輸送経路が小さくなる。
よって、第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212が水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212の水素
イオン輸送抵抗が小さくなる。
ここで、第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム400の使用環境下において、電気化学的に測定すると、48mΩ・cmとなる。
なお、第2電気化学デバイス200に第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113を用いた場合の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム400の使用環境下において、電気化学的に測定すると、74mΩ・cmとなる。
このことから、第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213の撥水性が第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113の撥水性と同じ場合と比べ、第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212の水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
よって、第2電気化学デバイス200の水素純化効率が低くなることが抑制され、水素生成システム400の水素純化効率が低いことが改善される。
次に、第2電気化学デバイス200のカソード側出口203から排出された水素含有ガスを、70℃に加温された接続流路401を介して、さらに下流側の第3電気化学デバイス300のアノード側入口301に供給する。
第3電気化学デバイス300は温度70℃となるように温度調節器314を制御器403で制御し、第3電気化学デバイス300のアノード305から電解質膜304を介してカソード306の方向に電源315から電流を流す。
これにより、第3電気化学デバイス300において電気化学反応が進行し、カソード306において水素含有ガスから水素を生成する。
ここで、第3電気化学デバイス300の電解質膜304は、わずかではあるが、二酸化炭素がカソード306に移動する。
しかしながら、既に第2電気化学デバイス200から排出された水素含有ガスの水素純度は99%であるため、第3電気化学デバイス300のカソード側出口303からは水素純度99.97%と純度の高い水素含有ガスが得られる。
また、第3電気化学デバイス300のアノード305に供給された水素含有ガスに含まれる水分は、電解質膜304によりカソード306への移動が妨げられる。
このため、第3電気化学デバイス300のアノード305に供給された水素含有ガスの水分の含有率に比べ、第3電気化学デバイス300のカソード306に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
このため、第1電気化学デバイス100のカソード触媒層112および第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212に移動した水素含有ガスの水分の含有率に比べ、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
ここで、第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113および第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213の撥水性に比べ、第3電気化学デバイス300のカソードガス拡散層313の撥水性は低い。
このため、第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113および第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213に比べ、第3電気化学デバイス300のカソードガス拡散層313では、吸水性が高くなり、液水保持量が高くなる。
よって、第1電気化学デバイス100のカソード触媒層112および第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212に比べ、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312では、液水がカソードガス拡散層313に移動し難くなる。
このことから、第3電気化学デバイス300のカソードガス拡散層313の撥水性が第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113および第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213の撥水性と同じ場合と比べ、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312の液水保持量が多くなる。
このため、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312が水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312の水素イオン輸送経路が小さくなる。
よって、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312が水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312の水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
ここで、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム400の使用環境下において、電気化学的に測定すると、63mΩ・cmとなる。
なお、第3電気化学デバイス300に第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113を用いた場合の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム400の使用環境下において、電気化学的に測定すると、105mΩ・cmとなる。
また、第3電気化学デバイス300に第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213を用いた場合の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム400の使用環境下において、電気化学的に測定すると、86mΩ・cmとなる。
このことから、第3電気化学デバイス300のカソードガス拡散層313の撥水性が第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113および第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213の撥水性と同じ場合と比べ、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312の水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
よって、第3電気化学デバイス300の水素純化効率が低くなることが抑制され、水素生成システム400の水素純化効率が低いことが改善される。
以上のように、本実施の形態においては、第1電気化学デバイス100と、第2電気化学デバイス200と、第3電気化学デバイス300とを直列に接続して水素生成システム400を構成し、最上流の第1電気化学デバイス100から順に、下流側の第2電気化学デバイス200、第3電気化学デバイス300に向うにしたがって、カソードガス拡散層113、カソードガス拡散層213、カソードガス拡散層313の撥水性を漸次低くし、カソード触媒層112、カソード触媒層212、カソード触媒層312の液水保持量を漸次多くして、水素イオン輸送抵抗を小さくすることで、下流側の第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312が水
分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、下流側の第2電気化学デバイス200のカソードガス拡散層213、第3電気化学デバイス300のカソードガス拡散層313の撥水性が上流側の第1電気化学デバイス100のカソードガス拡散層113の撥水性と同一の場合に比べ、下流側の第2電気化学デバイス200のカソード触媒層212、第3電気化学デバイス300のカソード触媒層312の水素イオン輸送抵抗が小さくなり、水素純化効率の高い水素生成システム400にできる。
なお、本実施の形態では、電解質膜を、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜としているが、電解質膜としては、フッ素を含む高分子を骨格とし、カルボキシル基、リン酸基などの官能基を有し水素イオンを含むフッ素系の樹脂を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、電解質膜として、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンなどを骨格とし、水素イオンを含む水素イオン伝導性の炭化水素系の樹脂を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、電気化学デバイスの数を3台としたが、この台数はあくまで一例であって、2台以上の別の台数であってもよい。
なお、本実施の形態では、カソードガス拡散層の撥水性を制御する物性値はカソードガス拡散層と液水面との接触角、または単位体積あたりの撥水材含有量としているが、カソードガス拡散層の撥水性を制御する物性値は、気孔径、表面粗さなどであってもよい。これら物性値に基づき、上流側から下流側に向かうにしたがって、電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性が順に低くなるように、各電気化学デバイスに用いるカソードガス拡散層の撥水性を選択してよい。
なお、本実施の形態では、水素含有ガスの組成を、二酸化炭素、水素としているが、水素を含有していれば、これに限らない。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における水素生成システムに用いる第1電気化学デバイスの概略構成図である。図6は、本発明の実施の形態2における水素生成システムに用いる第2電気化学デバイスの概略構成図である。図7は、本発明の実施の形態2における水素生成システムに用いる第3電気化学デバイスの概略構成図である。図8は、本発明の実施の形態2における水素生成システムの概略構成図である。
以下、本実施の形態に係る第1電気化学デバイス、第2電気化学デバイス、第3電気化学デバイスおよび水素生成システムについて、その構成要素の材料、構造を図5〜図8を参照しながら具体的に説明する。
なお、図8において、図5〜図7と同一の構成要素については同一の符号を付すこととして、詳細な説明は省略する場合もある。
図5に示すように、第1電気化学デバイス500は、電解質膜504の両側に、それぞれアノード505およびカソード506を設けた電解質膜−電極接合体507を有し、該電解質膜−電極接合体507を一対のアノード側セパレータ508とカソード側セパレータ509とによって挟持して構成されている。
ここで、電解質膜504には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。
アノード505は、電解質膜504側に配置されるアノード触媒層511と、アノード触媒層511の電解質膜504側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層510とで構成されている。
また、カソード506は、電解質膜504側に配置されるカソード触媒層512と、カソード触媒層512の電解質膜504側とは反対側に配置されるカソードガス拡散層513とで構成されている。
アノード触媒層511とカソード触媒層512とには、白金を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系のアイオノマー水溶液とを混合したスラリーを、電解質膜504に塗布形成したものを用いる。
アノードガス拡散層510とカソードガス拡散層513とには、炭素繊維からなる多孔質なフェルトを用いる。ここで、カソードガス拡散層513は、撥水材を含侵させて撥水処理し、単位体積あたりの撥水材含有量が19%であるものを用いる。
アノード側セパレータ508とカソード側セパレータ509とは、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノード側セパレータ508には、水素含有ガスをアノード505に供給するためのアノード側入口501と、水素含有ガスをアノード505から排出するためのアノード側出口502とが設けられている。
一方、カソード側セパレータ509には、カソード506に生成する水素を排出するためのカソード側出口503が設けられている。
また、図6に示すように、第2電気化学デバイス600は、電解質膜604の両側に、アノード605およびカソード606を設けた電解質膜−電極接合体607を有し、該電解質膜−電極接合体607を一対のアノード側セパレータ608とカソード側セパレータ609とによって挟持して構成されている。
ここで、電解質膜604には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。
アノード605は、電解質膜604側に配置されるアノード触媒層611と、アノード触媒層611の電解質膜604側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層610とで構成されている。
また、カソード606は、電解質膜604側に配置されるカソード触媒層612と、カソード触媒層612の電解質膜604側とは反対側に配置されるカソードガス拡散層613とで構成されている。
アノード触媒層611とカソード触媒層612とには、白金を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系のアイオノマー水溶液とを混合したスラリーを、電解質膜604に塗布形成したものを用いる。
アノードガス拡散層610とカソードガス拡散層613とには、炭素繊維からなる多孔質なフェルトを用いる。ここで、カソードガス拡散層613は、撥水材を含侵させて撥水処理し、単位体積あたりの撥水材含有量が14%であるものを用いる。
アノード側セパレータ608とカソード側セパレータ609とは、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノード側セパレータ608には、水素含有ガスをアノード605に供給するためのアノード側入口601と、水素含有ガスをアノード605から排出するためのアノード側出口602とが設けられている。
一方、カソード側セパレータ609には、カソード606に生成する水素を排出するためのカソード側出口603が設けられている。
また、図7に示すように、第3電気化学デバイス700は、電解質膜704の両側に、アノード705およびカソード706を設けた電解質膜−電極接合体707を有し、該電解質膜−電極接合体707を一対のアノード側セパレータ708とカソード側セパレータ709とによって挟持して構成されている。
ここで、電解質膜704には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。
アノード705は、電解質膜704側に配置されるアノード触媒層711と、アノード触媒層711の電解質膜704側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層710とで構成されている。
また、カソード706は、電解質膜704側に配置されるカソード触媒層712と、カソード触媒層712の電解質膜704側とは反対側に配置されるカソードガス拡散層713とで構成されている。
アノード触媒層711とカソード触媒層712とには、白金を担持したカーボン粒子とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系のアイオノマー水溶液とを混合したスラリーを、電解質膜704に塗布形成したものを用いる。
アノードガス拡散層710とカソードガス拡散層713とには、炭素繊維からなる多孔質なフェルトを用いる。ここで、カソードガス拡散層713は、撥水材を含侵させて撥水処理し、単位体積あたりの撥水材含有量が11%であるものを用いる。
アノード側セパレータ708とカソード側セパレータ709とは、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノード側セパレータ708には、水素含有ガスをアノード705に供給するためのアノード側入口701と、水素含有ガスをアノード705から排出するためのアノード側出口702とが設けられている。
一方、カソード側セパレータ709には、カソード706において生成する水素を排出するためのカソード側出口703が設けられている。
また、図8に示すように、本実施の形態の水素生成システム800は、第1電気化学デバイス500と、第2電気化学デバイス600と、第3電気化学デバイス700とを備えている。
また、第1電気化学デバイス500のアノード側入口501に加湿された水素含有ガス
を供給するガス供給手段802と、ガス供給手段802を制御するための制御器803とを備えている。
ガス供給手段802は、都市ガスから改質反応を利用して加湿された水素と二酸化炭素とからなる水素含有ガスを生成し、供給する燃料改質器で構成され、ガス供給手段802は第1電気化学デバイス500のアノード側入口501に接続されている。
第1電気化学デバイス500には、アノード505で利用されなかった水素含有ガスを排出するためのアノード側出口502が設けられている。
第1電気化学デバイス500のカソード側出口503は、接続流路801によって下流側の第2電気化学デバイス600のアノード側入口601と接続されている。
第2電気化学デバイス600には、アノード側入口601に供給され、アノード605で利用されなかった水素含有ガスを排出するためのアノード側出口602が設けられている。
さらに、第2電気化学デバイス600のカソード側出口603は、接続流路801によって下流側の第3電気化学デバイス700のアノード側入口701と接続されている。
第3電気化学デバイス700には、アノード側入口701に供給され、アノード705で利用されなかった水素含有ガスを排出するためのアノード側出口702が設けられている。
第1電気化学デバイス500には、アノード505から電解質膜504を介してカソード506の方向に電流を流すための電源515が備えられている。
第2電気化学デバイス600には、アノード605から電解質膜604を介してカソード606の方向に電流を流すための電源615が備えられている。
また、第3電気化学デバイス700には、アノード705から電解質膜704を介してカソード706の方向に電流を流すための電源715が備えられている。
電源515、電源615、電源715は、制御器803により制御されている。電源515、電源615、電源715には直流電源を用いる。
また、第1電気化学デバイス500、第2電気化学デバイス600、第3電気化学デバイス700には、温度を調節するための温度調節器514、温度調節器614、温度調節器714が備えられており、温度調節器514、温度調節器614、温度調節器714は、制御器803により制御されている。
温度調節器514、温度調節器614、温度調節器714には設定された温度を一定に保つための熱交換器を用いる。
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る水素生成システム800について、以下、その動作、作用を、図8を参照しながら具体的に説明する。
まず、ガス供給手段802から、加湿された二酸化炭素30%と水素70%とを含む水素含有ガスを、最上流の第1電気化学デバイス500のアノード側入口501を介してアノード505に供給する。
第1電気化学デバイス500は温度70℃となるように温度調節器514を制御器803で制御し、第1電気化学デバイス500のアノード505から電解質膜504を介してカソード506の方向に電源515から電流を流す。
これにより、第1電気化学デバイス500において電気化学反応が進行し、第1電気化学デバイス500のカソード506において水素含有ガスから水素を生成する。
ここで、電解質膜504は、わずかではあるが、二酸化炭素がカソード506に移動するため、第1電気化学デバイス500のカソード側出口503からは水素以外の二酸化炭素が微量含まれた水素純度98%の水素含有ガスが排出される。
また、第1電気化学デバイス500のアノード505に供給された水素含有ガスに含まれる水分は電解質膜504によりカソード506への移動が妨げられる。
このため、第1電気化学デバイス500のアノード505に供給された水素含有ガスの水分の含有率に比べ、第1電気化学デバイス500のカソード506に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
ここで、第1電気化学デバイス500のカソード触媒層512の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム800の使用環境下において、電気化学的に測定すると、43mΩ・cmとなる。
次に、第1電気化学デバイス500のカソード側出口503から排出された水素含有ガスを、70℃に加温された接続流路801を介して、さらに下流側の第2電気化学デバイス600のアノード側入口601に供給する。
第2電気化学デバイス600は温度70℃となるように温度調節器614を制御器803で制御し、第2電気化学デバイス600のアノード605から電解質膜604を介してカソード606の方向に電源615から電流を流す。
これにより、第2電気化学デバイス600において電気化学反応が進行し、第2電気化学デバイス600のカソード606において水素含有ガスから水素を生成する。
ここで、第2電気化学デバイス600の電解質膜604は、わずかではあるが、二酸化炭素がカソード606に移動するため、第2電気化学デバイス600のカソード側出口603からは水素純度99%の水素含有ガスが排出される。
また、第2電気化学デバイス600のアノード605に供給された水素含有ガスに含まれる水分は、電解質膜604によりカソード606への移動が妨げられる。
このため、第2電気化学デバイス600のアノード605に供給された水素含有ガスの水分の含有率に比べ、第2電気化学デバイス600のカソード606に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
よって、第1電気化学デバイス500のカソード触媒層512に移動した水素含有ガスの水分の含有率に比べ、第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
ここで、第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513の単位体積あたりの
撥水材含有量に比べ、第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613の単位体積あたりの撥水材含有量は少ない。
このため、第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513に比べ、第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613では、吸水性が高くなり、液水保持量が高くなる。
よって、第1電気化学デバイス500のカソード触媒層512に比べ、第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612では、液水がカソードガス拡散層613に移動し難くなる。
このことから、第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613の単位体積あたりの撥水材含有量が第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513の単位体積あたりの撥水材含有量と同じ場合と比べ、第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612の液水保持量が高くなる。
このため、第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612が水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612の水素イオン輸送経路が小さくなる。
よって、第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612が水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612の水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
ここで、第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム800の使用環境下において、電気化学的に測定すると、48mΩ・cmとなる。
なお、第2電気化学デバイス600に第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513を用いた場合の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム800の使用環境下において、電気化学的に測定すると、74mΩ・cmとなる。
このことから、第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613の単位体積あたりの撥水材含有量が第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513の単位体積あたりの撥水材含有量と同じ場合と比べ、第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612の水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
よって、第2電気化学デバイス600の水素純化効率が低くなることが抑制され、水素生成システム800の水素純化効率が低いことが改善される。
次に、第2電気化学デバイス600のカソード側出口603から排出された水素含有ガスを、70℃に加温された接続流路801を介して、さらに下流側の第3電気化学デバイス700のアノード側入口701に供給する。
第3電気化学デバイス700は温度70℃となるように温度調節器714を制御器803で制御し、第3電気化学デバイス700のアノード705から電解質膜704を介してカソード706の方向に電源715から電流を流す。
これにより、第3電気化学デバイス700において電気化学反応が進行し、第3電気化学デバイス700のカソード706において水素含有ガスから水素を生成する。
ここで、第3電気化学デバイス700の電解質膜704は、わずかではあるが、二酸化炭素がカソード706に移動する。
しかしながら、既に第2電気化学デバイス600から排出された水素含有ガスの水素純度は99%であるため、第3電気化学デバイス700のカソード側出口703からは水素純度99.97%と純度の高い水素含有ガスが得られる。
また、第3電気化学デバイス700のアノード705に供給された水素含有ガスに含まれる水分は、電解質膜704によりカソード706への移動が妨げられる。
このため、第3電気化学デバイス700のアノード705に供給された水素含有ガスの水分の含有率に比べ、第3電気化学デバイス700のカソード706に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
このため、第1電気化学デバイス500のカソード触媒層512および第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612に移動した水素含有ガスの水分の含有率に比べ、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712に移動した水素含有ガスの水分の含有率が小さくなる。
ここで、第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513および第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613の単位体積あたりの撥水材含有量に比べ、第3電気化学デバイス700のカソードガス拡散層713の単位体積あたりの撥水材含有量は少ない。
このため、第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513および第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613に比べ、第3電気化学デバイス700のカソードガス拡散層713では、吸水性が高くなり、液水保持量が高くなる。
よって、第1電気化学デバイス500のカソード触媒層512および第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612に比べ、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712では、液水がカソードガス拡散層713に移動し難くなる。
よって、第3電気化学デバイス700のカソードガス拡散層713の単位体積あたりの撥水材含有量が第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513および第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613の単位体積あたりの撥水材含有量と同じ場合と比べ、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712の液水保持量が多くなる。
このため、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712が水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712の水素イオン輸送経路が小さくなる。
よって、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712が水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712の水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
ここで、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム800の使用環境下において、電気化学的に測定すると、63mΩ・cmとなる。
なお、第3電気化学デバイス700に第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513を用いた場合の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム800の使用環境下において、電気化学的に測定すると、105mΩ・cmとなる。
また、第3電気化学デバイス700に第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613を用いた場合の水素イオン輸送抵抗を、水素生成システム800の使用環境下において、電気化学的に測定すると、63mΩ・cmとなる。
このことから、第3電気化学デバイス700のカソードガス拡散層713の単位体積あたりの撥水材含有量が第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513および第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613の単位体積あたりの撥水材含有量と同じ場合と比べ、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712の水素イオン輸送抵抗が小さくなる。
よって、第3電気化学デバイス700の水素純化効率が低くなることが抑制され、水素生成システム800の水素純化効率が低いことが改善される。
以上のように、本実施の形態においては、第1電気化学デバイス500と、第2電気化学デバイス600と、第3電気化学デバイス700とを直列に接続して水素生成システム800を構成し、最上流の第1電気化学デバイス500から順に、下流側の第2電気化学デバイス600、第3電気化学デバイス700に向うにしたがって、カソードガス拡散層513、カソードガス拡散層613、カソードガス拡散層713の単位体積あたりの撥水材含有量を漸次少なくし、カソード触媒層512、カソード触媒層612、カソード触媒層712の液水保持量を漸次多くして、水素イオン輸送抵抗を小さくすることで、下流側の第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712が水分の含有率が小さい水素含有ガスに曝されても、下流側の第2電気化学デバイス600のカソードガス拡散層613、第3電気化学デバイス700のカソードガス拡散層713の単位体積あたりの撥水材含有量が上流側の第1電気化学デバイス500のカソードガス拡散層513の単位体積あたりの撥水材含有量と同一の場合に比べ、下流側の第2電気化学デバイス600のカソード触媒層612、第3電気化学デバイス700のカソード触媒層712の水素イオン輸送抵抗が小さくなり、水素純化効率の高い水素生成システム800にできる。
なお、本実施の形態では、電解質膜を、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜としているが、電解質膜としては、フッ素を含む高分子を骨格とし、カルボキシル基、リン酸基などの官能基を有し水素イオンを含むフッ素系の樹脂を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、電解質膜として、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンなどを骨格とし、水素イオンを含む水素イオン伝導性の炭化水素系の樹脂を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、電気化学デバイスの数を3台としたが、この台数はあくまで一例であって、2台以上の別の台数であってもよい。
なお、本実施の形態では、カソードガス拡散層の撥水性を制御する物性値はカソードガス拡散層と液水面との接触角、または単位体積あたりの撥水材含有量としているが、カソードガス拡散層の撥水性を制御する物性値は、気孔径、表面粗さなどであってもよい。
これら物性値に基づき、上流側から下流側に向かうにしたがって、電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性が順に高くなるように、各電気化学デバイスに用いるカソードガス拡散層の撥水性を選択してよい。
なお、本実施の形態では、水素含有ガスの組成を、二酸化炭素、水素としているが、水素を含有していれば、これに限らない。
以上のように、本発明にかかる水素生成システムは、水素純化効率が低いことを改善できるため、電気化学デバイスを複数台用いて、不純物を含む水素含有ガスから純度の高い水素を製造する水素生成システムに最適である。
100、500 第1電気化学デバイス
101、201、301、501、601、701 アノード側入口
102、202、302、502、602、702 アノード側出口
103、203、303、503、603、703 カソード側出口
104、204、304、504、604、704 電解質膜
105、205、305、505、605、705 アノード
106、206、306、506、606、706 カソード
107、207、307、507、607、707 電解質膜−電極接合体
108、208、308、508、608、708 アノード側セパレータ
109、209、309、509、609、709 カソード側セパレータ
110、210、310、510、610、710 アノードガス拡散層
111、211、311、511、611、711 アノード触媒層
112、212、312、512、612、712 カソード触媒層
113、213、313、513、613、713 カソードガス拡散層
114、214、314、514、614、714 温度調節器
115、215、315、515、615、715 電源
200、600 第2電気化学デバイス
300、700 第3電気化学デバイス
400、800 水素生成システム
401、801 接続流路
402、802 ガス供給手段
403、803 制御器

Claims (2)

  1. 電解質膜と前記電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、前記アノードに水素含有ガスを供給し、前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで、前記カソードにおいて水素を生成する複数の電気化学デバイスと、
    前記水素含有ガスを供給するガス供給手段と、
    複数の前記電気化学デバイスの前記アノードと前記カソードとの間に電流を流すための電源と、を備えた水素生成システムにおいて、
    前記アノードは前記電解質膜側に配置されるアノード触媒層と前記アノード触媒層の電解質膜側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層とで構成され、
    前記カソードは前記電解質膜側に配置されるカソード触媒層と前記カソード触媒層の電解質膜側とは反対側に配置されるアノードガス拡散層とで構成され、
    複数の前記電気化学デバイスは、前記水素含有ガスの供給方向の上流側の前記電気化学デバイスの前記カソードから排出された水素含有ガスが、前記水素含有ガスの供給方向の下流側の前記電気化学デバイスの前記アノードに供給されるように、直列に接続されており、
    前記ガス供給手段は、複数の前記電気化学デバイスの内の前記水素含有ガスの供給方向の最上流の電気化学デバイスの前記アノードに前記水素含有ガスを供給する、水素生成システムであって、
    前記電気化学デバイスのカソードガス拡散層の撥水性は、前記水素含有ガスの供給方向の上流側から下流側に向かうにしたがって、漸次低くなることを特徴とする水素生成システム。
  2. 前記カソードガス拡散層に撥水材を備え、
    前記電気化学デバイスのカソードガス拡散層の単位体積あたりの撥水材含有量は、前記水素含有ガスの供給方向の上流側から下流側に向かうにしたがって、漸次少なくなることを特徴とする請求項1に記載の水素生成システム。
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