JP2020126036A - センサーシステム及びセンサーの落下判定方法 - Google Patents

センサーシステム及びセンサーの落下判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】センサーが落下した後であっても落下したと判定することが可能なセンサーシステムを提供すること。【解決手段】構造物に設けられ、加速度を検出するセンサーと、重力加速度の方向と前記センサーの検出軸の方向との関係を表す設置情報を記憶する記憶部と、前記センサーが検出した前記検出軸の方向の加速度の代表値と、前記設置情報に基づいて特定される前記検出軸の方向の重力加速度値とに基づいて、前記センサーが落下したか否かの判定を行う落下判定部と、を含む、センサーシステム。【選択図】図3

Description

本発明は、センサーシステム及びセンサーの落下判定方法に関する。
特許文献1には、互いに直交する3つの軸に沿う方向の加速度を検出し、基準とする1つの軸に沿う方向の検出値に対する他の2つの軸に沿う方向の加速度値の差分である判定値を求め、当該判定値が所定値範囲である状態が所定時間以上持続した場合に落下中の状態であると判定する落下検知装置が記載されている。
国際公開第2010/010781号
しかしながら、特許文献1に記載の落下検知装置は、落下中に加速度が0Gになることを利用して落下中の状態を検知するものであり、落下中の状態を検知できなければ、落下した後に落下したと判定することができないという問題がある。
本発明に係るセンサーシステムの一態様は、
構造物に設けられ、加速度を検出するセンサーと、
重力加速度の方向と前記センサーの検出軸の方向との関係を表す設置情報を記憶する記憶部と、
前記センサーが検出した前記検出軸の方向の加速度の代表値と、前記設置情報に基づいて特定される前記検出軸の方向の重力加速度値とに基づいて、前記センサーが落下したか否かの判定を行う落下判定部と、を含む。
前記センサーシステムの一態様において、
前記落下判定部は、
前記検出軸の方向について、前記センサーが検出した加速度の代表値と前記重力加速度値との差分の絶対値が判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定してもよい。
前記センサーシステムの一態様において、
前記センサーは、互いに異なる方向の複数の前記検出軸を有し、
前記落下判定部は、
前記複数の前記検出軸の方向のうちのいずれか1つ以上について、前記差分の絶対値が判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定してもよい。
前記センサーシステムの一態様において、
前記センサーは、互いに異なる方向の複数の前記検出軸を有し、
前記落下判定部は、
前記複数の前記検出軸の方向のうちのいずれか2つ以上について、前記センサーが検出した加速度の代表値と前記重力加速度値との差分の絶対値が第1判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定してもよい。
前記センサーシステムの一態様において、
前記センサーは、互いに異なる方向の複数の前記検出軸を有し、
前記落下判定部は、
前記複数の前記検出軸の方向のうちのいずれか2つ以上について、前記センサーが検出した加速度の代表値の絶対値と前記重力加速度値の絶対値との差分が第1判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定してもよい。
前記センサーシステムの一態様において、
前記落下判定部は、
前記複数の前記検出軸の方向のうちのいずれか1つ以上について、前記差分の絶対値が第2判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定してもよい。
前記センサーシステムの一態様において、
前記代表値は、平均値または中央値でもよい。
前記センサーシステムの一態様において、
前記記憶部は、前記落下判定部による判定結果を記憶し、
前記落下判定部は、
前記記憶部に記憶されている前記判定結果が、前記センサーが落下したことを示す場合は、前記判定を行わなくてもよい。
前記センサーシステムの一態様は、
前記センサーが検出した加速度値に基づいて演算を行う演算部を含み、
前記落下判定部は、
前記センサーが落下したと判定した場合、前記センサーが検出した加速度値を前記演算部に出力しなくてもよい。
前記センサーシステムの一態様は、
前記落下判定部による判定結果を前記センサーシステムの外部に出力する出力部を含んでもよい。
本発明に係るセンサーの落下判定方法の一態様は、
構造物に設けられた、加速度を検出するセンサーの出力信号を取得するデータ取得工程と、
前記センサーの出力信号に基づいて、前記センサーが検出した検出軸の方向の加速度の代表値を計算する代表値計算工程と、
前記検出軸の方向の加速度の代表値と、記憶部に記憶されている重力加速度の方向と前記センサーの前記検出軸の方向との関係を表す設置情報に基づいて特定される前記検出軸の方向の重力加速度値とに基づいて、前記センサーが落下したか否かの判定を行う落下判定工程と、を含む。
第1実施形態の構造物監視システムの構成を示す図。 複数のセンサーがビルに取り付けられている状態の一例を示す図。 第1実施形態における計測装置の構成例を示す図。 センサーが構造物に取り付けられた状態の一例を示す図。 センサーが構造物に取り付けられた状態の他の一例を示す図。 図4においてセンサーが落下した後の状態を示す図。 図5においてセンサーが落下した後の状態を示す図。 第1実施形態において処理部が計測プログラムを実行することにより行う処理の手順の一例を示すフローチャート図。 第1実施形態における落下判定処理の手順の一例を示すフローチャート図。 第2実施形態の構造物監視システムの構成を示す図。 第2実施形態におけるセンサーシステムの構成例を示す図。 第2実施形態における計測装置の構成例を示す図。 第2実施形態において処理部が計測プログラムを実行することにより行う処理の手順の一例を示すフローチャート図。 第2実施形態における落下判定処理の手順の一例を示すフローチャート図。 変形例における落下判定処理の手順の一例を示すフローチャート図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
本発明に係るセンサーシステムは各種のシステムに用いることができる。以下では、本発明に係るセンサーシステムを用いた構造物監視システムを例に挙げて説明する。
1.第1実施形態
1−1.構造物監視システムの構成
図1は、第1実施形態の構造物監視システムの構成を示す図である。図1に示すように、構造物監視システム100は、センサーシステム1と、管理システム40とを含む。センサーシステム1は、n個のセンサー10と、計測装置20とを含む。ここで、nは1以上の整数である。
n個のセンサー10の各々は、構造物に設けられ、互いに異なる方向の複数の検出軸を有し、複数の検出軸の方向の加速度を検出する加速度センサーであり、例えば、水晶加速度センサーであってもよいし、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサーであってもよい。本実施形態では、n個のセンサー10の各々は、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の3つの検出軸を有し、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度を検出する。
n個のセンサー10が設けられる構造物は、静止した構造物、すなわち、地表に対して移動しない構造物であればよい。図2は、n個のセンサー10が構造物であるビル2に取り付けられている状態の一例を示す図である。図2の例では、ビル2は、床1F〜5Fと、屋根RFと、鉄骨柱4と、を有する5階建てのビルであり、5個のセンサー10がビル2に取り付けられている。具体的には、4つのセンサー10が、それぞれ、床1Fと床2Fとの間、床3Fと床4Fとの間、床5Fと屋根RFとの間、屋根RFの4箇所において鉄骨柱4に取り付けられている。また、1つのセンサー10が、床1Fに取り付けられている。このように、図2の例では、5個のセンサー10が、ビル2の互いに高さの異なる位置に設けられている。ただし、センサー10の配置や数は、特に限定されず、構造物の大きさや形状等によって、適宜変更することができる。
図1に戻り、n個のセンサー10の各々と計測装置20とは不図示の通信バス、例えばCAN(Controller Area Network)で接続されており、計測装置20は、通信バスを介してn個のセンサー10と通信する。なお、CANはエラーやノイズに強い信頼性の高い通信形態である点で本実施形態に適している。ただし、n個のセンサー10の各々と計測装置20との通信は他の通信バス仕様やLAN(Local Area Network)で接続されてもよく、CANに限定されない。なお、各センサー10と計測装置20との通信は、有線通信
でもよいし、無線通信でもよい。また、計測装置20は、通信ネットワーク30を介して管理システム40と通信する。通信ネットワーク30は、インターネット等の公衆回線であってもよい。
n個のセンサー10の各々は、構造物の振動によって発生する加速度を計測し、計測した加速度データを計測装置20に送信する。計測装置20は、n個のセンサー10の各々から加速度データを受信し、当該加速度データに基づいて構造物の状態に関する情報を生成し、管理システム40に送信する。構造物の状態に関する情報は、例えば、構造物の変位や疲労度等の情報を含んでもよい。
計測装置20は、構造物の内部に設置され、あるいは、構造物の外部であって構造物に近い場所に設置される。また、管理システム40は、構造物から離れた遠隔地に設置されている。監視者は、管理システム40を介して遠隔地からでも構造物の状態を監視することができる。ただし、計測装置20及び管理システム40の設置場所は、特に限定されない。
1−2.計測装置の構成
図3は、計測装置20の構成例を示す図である。図3に示すように、計測装置20は、処理部21、記憶部22及び通信部23を含む。
記憶部22には、設置情報221が記憶されている。設置情報221は、各センサー10が構造物に取り付けられた状態において、重力加速度の方向と各センサー10の各検出軸の方向との関係を表す情報である。例えば、センサー10が、Y軸方向が鉛直上向きになるように構造物に取り付けられた状態では、Y軸方向の重力加速度値は−1Gであり、X軸方向の重力加速度値及びZ軸方向の重力加速度値は0Gである。したがって、設置情報221には、当該センサー10のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の重力加速度値がそれぞれ0G,−1G,0Gであることを示す情報が含まれてもよい。
また、記憶部22には、計測プログラム222、演算プログラム223、通信プログラム224及び管理プログラム225が記憶されている。
記憶部22は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーやレジスター等の揮発性メモリーを含んでもよい。また、記憶部22は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリーなどの半導体メモリーやハードディスク装置等の磁気記憶装置や光学ディスク装置等の光学式記憶装置等の不揮発性メモリーを含んでもよい。
通信部23は、計測装置20が管理システム40と通信を行うためのインターフェース部である。本実施形態では、処理部21は、演算部213による演算によって得られた各種の情報を、通信部23を介して管理システム40に送信する。また、管理システム40は、各種のプログラムの最新版を、通信部23を介して記憶部22に送信する。
処理部21は、データ取得部211、落下判定部212、演算部213、通信制御部214及び管理部215を含む。
本実施形態では、処理部21は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサーであり、情報記憶装置である記憶部22に記憶されている各種のプログラムを実行することにより、上記の各部として機能する。具体的には、処理部21は、計測プログラム222を実行することによりデータ取得部211及び落下判定部212として機能する。また
、処理部21は、演算プログラム223を実行することにより演算部213として機能する。また、処理部21は、通信プログラム224を実行することにより通信制御部214として機能する。また、処理部21は、管理プログラム225を実行することにより管理部215として機能する。
データ取得部211は、n個のセンサー10の出力信号である加速度データを取得する。
落下判定部212は、各センサー10が検出した各検出軸の方向の加速度の代表値と、設置情報221に基づいて特定される各センサー10の各検出軸の方向の重力加速度値とに基づいて、各センサー10が落下したか否かの判定を行う。本実施形態では、落下判定部212は、所定周期でn個のセンサー10の各々が落下したか否かの判定を行い、判定結果を落下判定結果情報226として記憶部22に記憶する。落下判定部212の処理の詳細については後述する。
演算部213は、各センサー10が検出した加速度値に基づいて演算を行う。演算部213は、例えば、構造物の変位や疲労度等を算出するための演算を行う。
通信制御部214は、通信部23による管理システム40との通信動作を制御する。
管理部215は、データ取得部211、落下判定部212、演算部213及び通信制御部214がそれぞれ正常に動作しているか監視する。そして、管理部215は、データ取得部211、落下判定部212、演算部213及び通信制御部214のいずれかの動作が異常になった場合、対応するプログラムを終了し、当該プログラムを再起動する。また、管理部215は、計測プログラム222、演算プログラム223及び通信プログラム224のそれぞれの最新版が記憶部22に記憶されているか否かを監視する。そして、管理部215は、記憶部22にいずれかのプログラムの最新版が記憶されている場合、対応するプログラムを終了し、当該プログラムを最新版に更新した後、再起動する。
1−3.センサーの落下判定方法
図4は、センサー10が構造物に取り付けられた状態の一例を示す図である。また、図5は、センサー10が構造物に取り付けられた状態の他の一例を示す図である。
図4及び図5において、ケーブル5a,5b,5c及びT字コネクター6は通信バスの一部を構成する。ケーブル5a,5b,5cは、それぞれ一端がT字コネクター6と接続さえている。ケーブル5cの他端は、センサー10のコネクター10bと接続されている。また、図示を省略しているが、ケーブル5a,5bの各他端は、それぞれ、他のT字コネクターと接続されている。不図示の当該T字コネクターは、不図示の他のセンサー10のコネクター10bあるいは計測装置20のコネクターと接続されている。センサー10のセンサー本体10aは、ねじなどによってマグネット冶具7に固定されており、マグネット冶具7が、磁力によって構造物の金属部に取り付けられている。
図4の例では、ケーブル5a,5bがほぼ垂直になるように、T字コネクター6が構造物に取り付けられており、センサー10のX軸方向が重力加速度方向と逆向きになるように、マグネット冶具7が構造物に取り付けられている。そのため、X軸方向の重力加速度値は−1Gであり、Y軸方向の重力加速度値及びZ軸方向の重力加速度値は0Gである。したがって、設置情報221には、例えば、当該センサー10のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の重力加速度値がそれぞれ−1G,0G,0Gであることを示す情報が含まれている。
図4の例において、何らかの原因でマグネット冶具7が構造物から脱落した場合、センサー10は落下して図6のような状態となり、設置時に対して90°向きが変わる。すなわち、図4の例においてセンサー10が落下した場合には、センサー10のY軸方向が重力加速度方向と同じ向きになる。そのため、X軸方向の重力加速度値は0Gとなり、Y軸方向の重力加速度値は1Gとなり、Z軸方向の重力加速度値は0Gのままである。したがって、図4の状態からセンサー10が落下した場合、X軸方向の重力加速度値の差分は1Gであり、Y軸方向の重力加速度値の差分は1Gであり、Z軸方向の重力加速度値の差分は0Gである。また、センサー10のX軸方向が重力加速度方向と同じ向きになるように、マグネット冶具7が構造物に取り付けられている状態からセンサー10が落下すると、X軸方向の重力加速度値の差分は−1Gであり、Y軸方向の重力加速度値の差分は1Gであり、Z軸方向の重力加速度値の差分は0Gである。センサー10をマグネット冶具7に固定する向きやマグネット冶具7を構造物に取り付ける向きによっては、X軸方向の重力加速度値の差分、Y軸方向の重力加速度値の差分、Z軸方向の重力加速度値の差分は、いずれも1Gや−1Gとなり得る。すなわち、センサー10が落下して設置時に対して90°向きが変わった場合、X軸、Y軸、Z軸のうちのいずれか2軸の方向について、センサー10の落下後の重力加速度値とセンサー10の設置時の重力加速度値との差分の絶対値が1Gとなり、他の1軸の方向については当該差分が0Gとなる。
したがって、落下判定部212は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれに対して、センサー10から出力される加速度データから計算される重力加速度値と、センサー10の設置時の重力加速度値との差分の絶対値を計算し、いずれか2つ以上の軸方向の重力加速度値の差分の絶対値が第1判定値よりも大きければ、センサー10が落下したと判定することができる。
ここで、構造物が周期的に振動するため、センサー10は重力加速度とともに構造物の振動に基づく加速度も検出する。そのため、センサー10が検出するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度値は、それぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の重力加速度値と一致しない。そこで、落下判定部212は、構造物の周期的な振動に基づく加速度値を低減させるために、センサー10が検出したX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度値の代表値をそれぞれ計算する。そして、落下判定部212は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のうちのいずれか2つ以上について、センサー10が検出した加速度の代表値と、設置情報221に基づいて特定される重力加速度値との差分の絶対値が第1判定値よりも大きい場合に、センサー10が落下したと判定する。第1判定値は、例えば、1Gの半分の500mGに設定される。
なお、センサー10が検出した加速度の代表値の計算時間を長くすれば、構造物の周期的な振動に基づく加速度値がより低減されるため、第2判定値をより小さくすることが可能となり、落下判定部212は、センサー10が落下して設置時に対して30°、45°あるいは60°向きが変わったような場合でもセンサー10の落下を判定することができる。ただし、加速度の代表値の計算時間が長すぎると、計算負荷が大きくなるとともにセンサー10の温度変化の影響により当該代表値の計算精度が低下する可能性があるため、センサー10の落下形態などを考慮して、加速度の代表値の計算時間を適切に設定することが望ましい。
一方、図5の例では、ケーブル5a,5bがほぼ水平になるように、T字コネクター6が構造物に取り付けられており、センサー10のY軸方向が重力加速度方向と逆向きになるように、マグネット冶具7が構造物に取り付けられている。そのため、Y軸方向の重力加速度値は−1Gであり、X軸方向の重力加速度値及びZ軸方向の重力加速度値は0Gである。したがって、設置情報221には、例えば、当該センサー10のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の重力加速度値がそれぞれ0G,−1G,0Gであることを示す情報が含ま
れている。
図5の例において、何らかの原因でマグネット冶具7が構造物から脱落した場合、センサー10は落下して図7のような状態となり、設置時に対して180°向きが変わる。すなわち、図5の例においてセンサー10が落下した場合には、センサー10のY軸方向が重力加速度方向と同じ向きになる。そのため、Y軸方向の重力加速度値は1Gとなり、X軸方向の重力加速度値及びZ軸方向の重力加速度値は0Gのままである。したがって、図5の状態からセンサー10が落下した場合、Y軸方向の重力加速度値の差分は2Gであり、X軸方向、Z軸方向の重力加速度値の差分は0Gである。また、センサー10のY軸方向が重力加速度方向と同じ向きになるように、マグネット冶具7が構造物に取り付けられている状態からセンサー10が落下すると、Y軸方向の重力加速度値の差分は−2Gであり、X軸方向、Z軸方向の重力加速度値の差分は0Gである。センサー10をマグネット冶具7に固定する向きやマグネット冶具7を構造物に取り付ける向きによっては、X軸方向の重力加速度値の差分、Y軸方向の重力加速度値の差分、Z軸方向の重力加速度値の差分は、いずれも2Gや−2Gとなり得る。すなわち、センサー10が落下して設置時に対して180°向きが変わった場合、X軸、Y軸、Z軸のうちのいずれか1軸の方向について、センサー10の落下後の重力加速度値とセンサー10の設置時の重力加速度値との差分の絶対値が2Gとなり、他の2軸の方向については当該差分が0Gとなる。したがって、センサー10が落下して設置時に対して180°向きが変わった場合には、いずれか2つ以上の軸方向の重力加速度値の差分の絶対値が第1判定値よりも大きいという条件ではセンサー10が落下したと判定することができない。
そこで、落下判定部212は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれに対して、センサー10から出力される加速度データから計算される重力加速度値と、センサー10の設置時の重力加速度値との差分の絶対値を計算し、いずれか1つ以上の軸方向の重力加速度値の差分の絶対値が第2判定値よりも大きい場合も、センサー10が落下したと判定する。
すなわち、落下判定部212は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のうちのいずれか1つ以上について、センサー10が検出した加速度の代表値と、設置情報221に基づいて特定される重力加速度値との差分の絶対値が第2判定値よりも大きい場合に、センサー10が落下したと判定する。第2判定値は、第1判定値より大きい値、例えば、2Gの半分の1Gに設定される。
1−4.計測プログラムによる処理
図8は、処理部21が計測プログラム222を実行することにより行う処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
図8に示すように、処理部21は、計測可能な状態になると(ステップS1のY)、まず、データ取得部211として機能し、各センサー10から加速度データを取得する(ステップS2)。
次に、処理部21は、落下判定部212として機能し、記憶部22に記憶されている落下判定結果情報226を参照し(ステップS3)、落下していない各センサー10の加速度データを演算部213に出力する(ステップS4)。したがって、演算部213は、落下判定部212から出力される加速度データ、すなわち、落下していない各センサー10が検出した加速度値に基づいて演算を行う。逆に言えば、落下判定部212は、センサー10が落下したと判定した場合、当該センサー10が検出した加速度値を演算部213に出力しないので、演算部213は、落下したセンサー10が検出した加速度値を演算に使用しない。したがって、演算部213が、落下したセンサー10が検出した加速度値に基
づいて誤った演算を行うおそれが低減される。
次に、処理部21は、計測可能な状態になってから、あるいは、ステップS7の落下判定を前回行ってから、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS6)、所定時間が経過した場合には(ステップS6のY)、落下判定部212として機能して各センサー10の落下判定を行う(ステップS7)。また、処理部21は、所定時間が経過していない場合には(ステップS6のN)、ステップS7の落下判定を行わない。
そして、処理部21は、管理部215によって計測プログラム222の終了及び再起動が行われるまで(ステップS8のN)、ステップS2〜S7の処理を繰り返す。また、管理部215によって計測プログラム222の終了及び再起動が行われると(ステップS8のY)、処理部21は、計測可能な状態になった後(ステップS1のY)、ステップS2〜S7の処理を繰り返す。
図9は、図8のステップS7の落下判定処理の手順の一例を示すフローチャート図である。処理部21は、落下判定部212として機能し、図9のステップS101〜S113の処理を行う。
まず、落下判定部212は、変数iを1に設定し(ステップS101)、記憶部22に記憶されている落下判定結果情報226を参照する(ステップS102)。
次に、落下判定部212は、落下判定結果情報226が、第iのセンサー10が落下していないことを示す場合は(ステップS103のN)、第iのセンサー10の検出軸毎に加速度データの代表値を計算する(ステップS104)。
次に、落下判定部212は、記憶部22に記憶されている設置情報221を参照する(ステップS105)。
次に、落下判定部212は、第iのセンサー10の各検出軸に対して、ステップS104で計算した加速度データの代表値と、設置情報221に基づいて特定される重力加速度値との差分の絶対値を計算する(ステップS106)。
そして、落下判定部212は、ステップS106で計算した差分が第1判定値よりも大きい検出軸が2つ以上ない場合(ステップS107のN)、かつ、ステップS106で計算した差分が第2判定値よりも大きい検出軸が1つ以上ない場合(ステップS108のN)、第iのセンサー10は落下していないと判定する(ステップS109)。
また、落下判定部212は、ステップS106で計算した差分が第1判定値よりも大きい検出軸が2つ以上ある場合(ステップS107のY)、又は、ステップS106で計算した差分が第2判定値よりも大きい検出軸が1つ以上ある場合(ステップS108のY)、第iのセンサー10は落下したと判定する(ステップS110)。
次に、落下判定部212は、ステップS109の判定結果又はステップS110の判定結果を用いて落下判定結果情報226を更新する(ステップS111)。
また、落下判定部212は、落下判定結果情報226が、第iのセンサー10が落下したことを示す場合は(ステップS103のY)、ステップS104〜S111の処理、すなわち、第iのセンサー10の落下判定を行わない。
そして、落下判定部212は、変数iがセンサー10の総数nよりも小さい場合は(ス
テップS112のY)、変数iを1だけ増やして(ステップS113)、ステップS102以降の処理を繰り返し、変数iがnと等しくなると(ステップS112のN)、落下判定処理を終了する。
なお、図8及び図9では、所定時間が経過する毎に、各センサー10から取得した所定時間分の加速度データの代表値及びその絶対値を計算して落下判定を行っているが、各センサー10から加速度データを取得する毎に、加速度データの所定時間の移動平均値及びその絶対値または、移動中央値及びその絶対値を計算して落下判定を行ってもよい。
なお、図8のステップS2は、データ取得工程の一例である。また、図9のステップS104は、代表値計算工程の一例である。また、図9のステップS105,S106,S107,S108,S109,S110は、落下判定工程の一例である。
1−5.作用効果
以上に説明したように、本実施形態では、落下判定部212が、構造物に設けられたセンサー10が検出した3軸方向のそれぞれの加速度の代表値と、記憶部22に記憶されている設置情報221に基づいて特定される3軸方向のそれぞれの重力加速度値とに基づいて、センサー10が落下したか否かの判定を行う。すなわち、落下判定部212は、センサー10が落下する前の設置情報221に基づく重力加速度の向きと、センサー10が落下した後にセンサー10の検出値に基づく重力加速度の向きとの差に基づいて、センサー10が落下したと判定する。したがって、本実施形態のセンサーシステム1A又は本実施形態のセンサーの落下判定方法によれば、センサー10が落下している途中の状態を検出する必要がなく、センサー10が落下した後であっても落下したと判定することができる。そのため、例えば、計測プログラム222が終了してから再起動するまでの間にセンサー10が落下した場合でも、計測プログラム222の再起動後、落下判定部212はセンサー10が落下したと判定することができる。
また、本実施形態では、落下判定部212は、3軸方向のうちのいずれか2つ以上について、センサー10が検出した加速度の代表値と重力加速度値との差分の絶対値が第1判定値よりも大きい場合に、センサー10が落下したと判定する。したがって、本実施形態のセンサーシステム1A又は本実施形態のセンサーの落下判定方法によれば、例えば、センサー10が落下し、センサー10の向きが落下前に対して90°を含むある程度の範囲で変わった場合に、センサー10が落下したと判定することができる。
また、本実施形態では、落下判定部212は、3軸方向のうちのいずれか1つ以上について、センサー10が検出した加速度の代表値と重力加速度値との差分の絶対値が第1判定値よりも大きい場合に、センサー10が落下したと判定する。したがって、本実施形態のセンサーシステム1A又は本実施形態のセンサーの落下判定方法によれば、例えば、センサー10が落下し、センサー10の向きが落下前に対して180°を含むある程度の範囲で変わった場合に、センサー10が落下したと判定することができる。
また、本実施形態では、落下判定部212は、落下判定の結果を記憶部22に記憶させ、記憶部22に記憶されている判定結果が、センサー10が落下したことを示す場合は、その後の落下判定を行わない。そのため、例えば、計測プログラム222が再起動した場合において、落下判定部212は、再起動よりも前にセンサー10が落下したと判定していた場合には、落下判定を行う必要がない。したがって、本実施形態のセンサーシステム1A又は本実施形態のセンサーの落下判定方法によれば、判定結果が決まっている落下判定を行うことによるセンサーシステム1の無駄な消費電力を削減することができる。
また、本実施形態では、落下判定部212は、センサー10が落下したと判定した場合
、センサー10が検出した加速度値を演算部213に出力しない。したがって、本実施形態のセンサーシステム1A又は本実施形態のセンサーの落下判定方法によれば、演算部213が、落下したセンサー10が検出した加速度値に基づいて誤った演算を行うおそれが低減される。
2.第2実施形態
以下、第2実施形態について、第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付し、主に、第1実施形態と異なる内容について説明し、第1実施形態と重複する説明は省略又は簡略する。
2−1.構造物監視システムの構成
図10は、第2実施形態の構造物監視システムの構成を示す図である。図10に示すように、構造物監視システム100Aは、n個のセンサーシステム1Aと、計測装置20Aと、管理システム40とを含む。ここで、nは1以上の整数である。
n個のセンサーシステム1Aの各々と計測装置20Aとは不図示の通信バスで接続されており、計測装置20Aは、通信バスを介してn個のセンサーシステム1Aと通信する。また、計測装置20Aは、通信ネットワーク30を介して管理システム40と通信する。
n個のセンサーシステム1Aの各々は、構造物に設けられ、構造物の振動によって発生する加速度を計測し、計測した加速度データを計測装置20Aに送信する。例えば、n個のセンサーシステム1Aは、図2に示したのと同様、構造物であるビル2に取り付けられる。
計測装置20Aは、n個のセンサーシステム1Aの各々から加速度データを受信し、当該加速度データに基づいて構造物の状態に関する情報を生成し、管理システム40に送信する。
2−2.センサーシステムの構成
図11は、センサーシステム1Aの構成例を示す図である。図11に示すように、センサーシステム1Aは、センサー10、処理部51、記憶部52及び通信部53を含む。
センサー10は、互いに異なる方向の複数の検出軸を有し、複数の検出軸の方向の加速度を検出する加速度センサーである。
記憶部52には、設置情報521が記憶されている。設置情報521は、センサー10が構造物に取り付けられた状態において、重力加速度の方向とセンサー10の各検出軸の方向との関係を表す情報である。また、記憶部52には、計測プログラム522、通信プログラム524及び管理プログラム525が記憶されている。
通信部53は、センサーシステム1Aが計測装置20Aと通信を行うためのインターフェース部である。本実施形態では、処理部51は、データ取得部511がセンサー10から取得した加速度データや落下判定部512による判定結果の情報を、通信部53を介して計測装置20Aに送信する。また、計測装置20Aは、計測プログラム522及び通信プログラム524の最新版を、通信部53を介して記憶部52に送信する。
処理部51は、データ取得部511、落下判定部512、通信制御部514及び管理部515を含む。本実施形態では、処理部51は、プロセッサーであり、情報記憶装置である記憶部52に記憶されている各種のプログラムを実行することにより、上記の各部として機能する。具体的には、処理部51は、計測プログラム522を実行することにより、
データ取得部511及び落下判定部512として機能する。また、処理部51は、通信プログラム524を実行することにより通信制御部514として機能する。また、処理部51は、管理プログラム525を実行することにより管理部515として機能する。
データ取得部511は、センサー10の出力信号である加速度データを取得する。データ取得部511は、取得した加速度データを、通信部53を介して計測装置20Aに送信する。
落下判定部512は、センサー10が検出した各検出軸の方向の加速度の代表値と、設置情報521に基づいて特定されるセンサー10の各検出軸の方向の重力加速度値とに基づいて、センサー10が落下したか否かの判定を行う。そして、落下判定部512は、所定周期でセンサー10が落下したか否かの判定を行い、判定結果を落下判定結果情報526として記憶部52に記憶する。落下判定部512は、判定結果を、通信部53を介して計測装置20Aに送信する。すなわち、通信部53は、落下判定部512による判定結果をセンサーシステム1Aの外部に出力する出力部として機能する。
通信制御部514は、通信部53による計測装置20Aとの通信動作を制御する。
管理部515は、データ取得部511、落下判定部512及び通信制御部514がそれぞれ正常に動作しているか監視する。そして、管理部515は、データ取得部511、落下判定部512及び通信制御部514のいずれかの動作が異常になった場合、対応するプログラムを終了し、当該プログラムを再起動する。また、管理部515は、計測プログラム522及び通信プログラム524のそれぞれの最新版が記憶部52に記憶されているか否かを監視する。そして、管理部515は、記憶部52にいずれかのプログラムの最新版が記憶されている場合、対応するプログラムを終了し、当該プログラムを最新版に更新した後、再起動する。
2−3.計測装置の構成
図12は、計測装置20Aの構成例を示す図である。図12に示すように、計測装置20Aは、処理部61、記憶部62及び通信部63を含む。
記憶部62には、演算プログラム623、通信プログラム624及び管理プログラム625が記憶されている。
通信部63は、計測装置20Aが管理システム40と通信を行うためのインターフェース部である。本実施形態では、処理部61は、演算部613による演算によって得られた各種の情報を、通信部63を介して管理システム40に送信する。また、管理システム40は、各種のプログラムの最新版を、通信部63を介して記憶部62に送信する。
処理部61は、データ取得部611、演算部613、通信制御部614及び管理部615を含む。
本実施形態では、処理部61は、プロセッサーであり、情報記憶装置である記憶部62に記憶されている各種のプログラムを実行することにより、上記の各部として機能する。具体的には、処理部61は、演算プログラム623を実行することによりデータ取得部611及び演算部613として機能する。また、処理部61は、通信プログラム624を実行することにより通信制御部614として機能する。また、処理部61は、管理プログラム625を実行することにより管理部615として機能する。
データ取得部611は、n個のセンサーシステム1Aの出力信号である加速度データ及
びセンサー10の落下判定の判定結果を取得する。そして、データ取得部611は、センサー10が落下していないと判定したセンサーシステム1Aからの加速度データを演算部613に出力する。逆に言えば、データ取得部611は、センサー10が落下したと判定したセンサーシステム1Aからの加速度データを演算部613に出力しない。
演算部613は、データ取得部611が出力する加速度データに基づいて演算を行う。演算部613は、例えば、構造物の変位や疲労度等を算出するための演算を行う。
通信制御部614は、通信部63による管理システム40との通信動作を制御する。
管理部615は、データ取得部611、演算部613及び通信制御部614がそれぞれ正常に動作しているか監視する。そして、管理部615は、データ取得部611、演算部613及び通信制御部614のいずれかの動作が異常になった場合、対応するプログラムを終了し、当該プログラムを再起動する。また、管理部615は、演算プログラム623及び通信プログラム624のそれぞれの最新版が記憶部62に記憶されているか否かを監視する。そして、管理部615は、記憶部62にいずれかのプログラムの最新版が記憶されている場合、対応するプログラムを終了し、当該プログラムを最新版に更新した後、再起動する。また、管理部615は、通信部63を介して、管理システム40から計測プログラム522の最新版を受信すると、当該計測プログラム522の最新版を各センサーシステム1Aに送信する。
2−4.計測プログラムによる処理
図13は、処理部51が計測プログラム522を実行することにより行う処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
図13に示すように、処理部51は、計測可能な状態になると(ステップS11のY)、まず、データ取得部211として機能し、センサー10から加速度データを取得する(ステップS12)。
次に、処理部51は、計測可能な状態になってから、あるいは、ステップS14の落下判定を前回行ってから、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS13)、所定時間が経過した場合には(ステップS13のY)、落下判定部512として機能してセンサー10の落下判定を行う(ステップS7)。また、処理部51は、所定時間が経過していない場合には(ステップS13のN)、ステップS14の落下判定を行わない。
そして、処理部51は、管理部515によって計測プログラム522の終了及び再起動が行われるまで(ステップS15のN)、ステップS12〜S14の処理を繰り返す。また、管理部515によって計測プログラム522の終了及び再起動が行われると(ステップS15のY)、処理部51は、計測可能な状態になった後(ステップS11のY)、ステップS12〜S14の処理を繰り返す。
図14は、図13のステップS14の落下判定処理の手順の一例を示すフローチャート図である。処理部51は、落下判定部512として機能し、図14のステップS201〜S211の処理を行う。
まず、落下判定部512は、記憶部52に記憶されている落下判定結果情報526を参照する(ステップS201)。
次に、落下判定部512は、落下判定結果情報526が、センサー10が落下していないことを示す場合は(ステップS202のN)、センサー10の検出軸毎に加速度データ
の代表値を計算する(ステップS203)。
次に、落下判定部512は、記憶部52に記憶されている設置情報521を参照する(ステップS204)。
次に、落下判定部512は、センサー10の各検出軸に対して、ステップS203で計算した加速度データの代表値と、設置情報521に基づいて特定される重力加速度値との差分の絶対値を計算する(ステップS205)。
そして、落下判定部512は、ステップS205で計算した差分が第1判定値よりも大きい検出軸が2つ以上ない場合(ステップS206のN)、かつ、ステップS205で計算した差分が第2判定値よりも大きい検出軸が1つ以上ない場合(ステップS207のN)、センサー10は落下していないと判定する(ステップS208)。
また、落下判定部512は、ステップS205で計算した差分が第1判定値よりも大きい検出軸が2つ以上ある場合(ステップS206のY)、又は、ステップS205で計算した差分が第2判定値よりも大きい検出軸が1つ以上ある場合(ステップS207のY)、センサー10は落下したと判定する(ステップS209)。
次に、落下判定部512は、ステップS208の判定結果又はステップS209の判定結果を用いて落下判定結果情報526を更新する(ステップS210)。
そして、落下判定部512は、ステップS208の判定結果又はステップS209の判定結果を、通信部53を介して計測装置20Aに送信し(ステップS211)、落下判定処理を終了する。
また、落下判定部512は、落下判定結果情報526が、センサー10が落下したことを示す場合は(ステップS202のY)、ステップS203〜S211の処理を行わずに、落下判定処理を終了する。
なお、図13及び図14では、所定時間が経過する毎に、センサー10から取得した所定時間分の加速度データの代表値及びその絶対値を計算して落下判定を行っているが、センサー10から加速度データを取得する毎に、加速度データの所定時間の移動平均値及びその絶対値または、移動中央値及びその絶対値を計算して落下判定を行ってもよい。
なお、図13のステップS12は、データ取得工程の一例である。また、図14のステップS203は、代表値計算工程の一例である。また、図14のステップS204,S205,S206,S207,S208,S209は、落下判定工程の一例である。
2−5.作用効果
以上に説明した第2実施形態のセンサーシステム1A及びセンサーの落下判定方法によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、第2実施形態のセンサーシステム1A及びセンサーの落下判定方法によれば、通信部53が、落下判定部512による判定結果をセンサーシステム1Aの外部に出力する出力部として機能するので、センサーシステム1Aと接続される装置が、落下したセンサー10が検出した加速度値に基づいて誤った演算を行うおそれが低減される。
3.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であ
る。
例えば、上記の各実施形態では、センサー10あるいはセンサーシステム1Aがビル2に設置される例を挙げたが、センサー10又はセンサーシステム1Aが取り付けられる構造物はビルに限定されず、例えば、送電鉄塔、風力発電機、道路の電光掲示板などであってもよい。
また、例えば、上記の各実施形態では、落下したと判定されたセンサー10に対しては、その後は落下判定を行わないが、その後も周期的に落下判定を行ってもよい。このようにすれば、作業者が落下したセンサー10あるいはセンサーシステム1Aを元の位置に戻した場合に落下判定結果情報226あるいは落下判定結果情報526を更新し忘れても、落下判定部212あるいは落下判定部512は、当該センサー10が落下していないと判定することができるので、演算部213あるいは演算部613は当該センサー10から出力される加速度データを用いて演算を行うことができる。
また、例えば、上記の各実施形態では、センサー10は、3つの検出軸を有しているが、検出軸の数は1つ、2つあるいは4つ以上であってもよい。センサー10の検出軸が1つの場合は、落下判定部212あるいは落下判定部512は、当該1つの検出軸の方向について、センサー10が検出した加速度の代表値と、設置情報221に基づいて特定される重力加速度値との差分の絶対値が判定値よりも大きい場合に、センサー10が落下したと判定してもよい。また、センサー10の検出軸が2つあるいは4つ以上の場合は、落下判定部212あるいは落下判定部512は、上記の各実施形態と同様、第1判定値を用いた落下判定と第2判定値を用いた落下判定とを行ってもよい。
また、例えば、上記の各実施形態では、落下判定部212あるいは落下判定部512は、第1判定値を用いた落下判定と第2判定値を用いた落下判定の両方を行っているが、いずれか一方の落下判定のみを行ってもよい。例えば、センサー10あるいはセンサーシステム1Aを必ず図4の例のように設置するものとすると、落下判定部212あるいは落下判定部512は上述した第1判定値を用いた落下判定のみ行えばよいし、センサー10あるいはセンサーシステム1Aを必ず図5の例のように設置するものとすると、落下判定部212あるいは落下判定部512は上述した第2判定値を用いた落下判定のみ行えばよい。
また、例えば、上記の各実施形態では、落下判定部212あるいは落下判定部512は、センサー10が検出した加速度の代表値と、設置情報221あるいは設置情報521に基づいて特定される重力加速度値との差分の絶対値が第1判定値よりも大きい場合に、センサー10が落下したと判定するが、第1判定値との比較対象がこれに限られない。例えば、落下判定部212あるいは落下判定部512は、センサー10が検出した加速度の代表値の絶対値と、設置情報221あるいは設置情報521に基づいて特定される重力加速度値の絶対値との差分が第1判定値よりも大きい場合に、センサー10が落下したと判定してもよい。このようにしても、センサー10あるいはセンサーシステム1Aが図4のような状態から落下して図6のような状態になった場合に、落下判定部212あるいは落下判定部512は、センサー10が落下したと判定することができる。
図15は、この変形例における図8のステップS7の落下判定処理の手順の一例を示すフローチャート図である。処理部21は、落下判定部212として機能し、図15のステップS301〜S314の処理を行う。
まず、落下判定部212は、変数iを1に設定し(ステップS301)、記憶部22に記憶されている落下判定結果情報226を参照する(ステップS302)。
次に、落下判定部212は、落下判定結果情報226が、第iのセンサー10が落下していないことを示す場合は(ステップS303のN)、第iのセンサー10の検出軸毎に加速度データの代表値を計算する(ステップS304)。
次に、落下判定部212は、記憶部22に記憶されている設置情報221を参照する(ステップS305)。
次に、落下判定部212は、第iのセンサー10の各検出軸に対して、ステップS104で計算した加速度データの代表値の絶対値と、設置情報221に基づいて特定される重力加速度値の絶対値との差分を計算する(ステップS306)。
そして、落下判定部212は、ステップS306で計算した差分が第1判定値よりも大きい検出軸が2つ以上ない場合(ステップS307のN)、各検出軸に対して、ステップS304で計算した加速度データの代表値と、設置情報221に基づいて特定される重力加速度値との差分の絶対値を計算する(ステップS308)。
そして、落下判定部212は、ステップS308で計算した差分が第2判定値よりも大きい検出軸が1つ以上ない場合(ステップS309のN)、第iのセンサー10は落下していないと判定する(ステップS310)。
また、落下判定部212は、ステップS306で計算した差分が第1判定値よりも大きい検出軸が2つ以上ある場合(ステップS307のY)、又は、ステップS308で計算した差分が第2判定値よりも大きい検出軸が1つ以上ある場合(ステップS309のY)、第iのセンサー10は落下したと判定する(ステップS311)。
次に、落下判定部212は、ステップS310の判定結果又はステップS311の判定結果を用いて落下判定結果情報226を更新する(ステップS312)。
また、落下判定部212は、落下判定結果情報226が、第iのセンサー10が落下したことを示す場合は(ステップS303のY)、ステップS304〜S312の処理、すなわち、第iのセンサー10の落下判定を行わない。
そして、落下判定部212は、変数iがセンサー10の総数nよりも小さい場合は(ステップS313のY)、変数iを1だけ増やして(ステップS314)、ステップS302以降の処理を繰り返し、変数iがnと等しくなると(ステップS313のN)、落下判定処理を終了する。
なお、この変形例における図13のステップS14の落下判定処理の手順の一例を示すフローチャート図は、図15において、ステップS301,S313,S314を削除し、かつ、「第iのセンサー」を「センサー」に置き換えたものと同様であるため、その図示及び説明を省略する。
なお、図15のステップS304は、代表値計算工程の一例である。また、図15のステップS305,S306,S307,S308,S309,S310,S311は、落下判定工程の一例である。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上述した実施形態および変形例における代表値は、平均値または中央値でもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1,1A…センサーシステム、2…ビル、4…鉄骨柱、5a,5b,5c…ケーブル、6…T字コネクター、7…マグネット冶具、10…センサー、10a…センサー本体、10b…コネクター、20,20A…計測装置、21…処理部、22…記憶部、23…通信部、30…通信ネットワーク、40…管理システム、51…処理部、52…記憶部、53…通信部、61…処理部、62…記憶部、63…通信部、100,100A…構造物監視システム、211…データ取得部、212…落下判定部、213…演算部、214…通信制御部、215…管理部、221…設置情報、222…計測プログラム、223…演算プログラム、224…通信プログラム、225…管理プログラム、226…落下判定結果情報、511…データ取得部、512…落下判定部、514…通信制御部、515…管理部、521…設置情報、522…計測プログラム、524…通信プログラム、525…管理プログラム、526…落下判定結果情報、611…データ取得部、613…演算部、614…通信制御部、615…管理部、623…演算プログラム、624…通信プログラム、625…管理プログラム

Claims (11)

  1. 構造物に設けられ、加速度を検出するセンサーと、
    重力加速度の方向と前記センサーの検出軸の方向との関係を表す設置情報を記憶する記憶部と、
    前記センサーが検出した前記検出軸の方向の加速度の代表値と、前記設置情報に基づいて特定される前記検出軸の方向の重力加速度値とに基づいて、前記センサーが落下したか否かの判定を行う落下判定部と、を含む、センサーシステム。
  2. 請求項1において、
    前記落下判定部は、
    前記検出軸の方向について、前記センサーが検出した加速度の代表値と前記重力加速度値との差分の絶対値が判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定する、センサーシステム。
  3. 請求項2において、
    前記センサーは、互いに異なる方向の複数の前記検出軸を有し、
    前記落下判定部は、
    前記複数の前記検出軸の方向のうちのいずれか1つ以上について、前記差分の絶対値が判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定する、センサーシステム。
  4. 請求項1において、
    前記センサーは、互いに異なる方向の複数の前記検出軸を有し、
    前記落下判定部は、
    前記複数の前記検出軸の方向のうちのいずれか2つ以上について、前記センサーが検出した加速度の代表値と前記重力加速度値との差分の絶対値が第1判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定する、センサーシステム。
  5. 請求項1において、
    前記センサーは、互いに異なる方向の複数の前記検出軸を有し、
    前記落下判定部は、
    前記複数の前記検出軸の方向のうちのいずれか2つ以上について、前記センサーが検出した加速度の代表値の絶対値と前記重力加速度値の絶対値との差分が第1判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定する、センサーシステム。
  6. 請求項4又は5において、
    前記落下判定部は、
    前記複数の前記検出軸の方向のうちのいずれか1つ以上について、前記差分の絶対値が第2判定値よりも大きい場合に、前記センサーが落下したと判定する、センサーシステム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項において、
    前記代表値は、平均値または中央値である、センサーシステム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項において、
    前記記憶部は、前記落下判定部による判定結果を記憶し、
    前記落下判定部は、
    前記記憶部に記憶されている前記判定結果が、前記センサーが落下したことを示す場合は、前記判定を行わない、センサーシステム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項において、
    前記センサーが検出した加速度値に基づいて演算を行う演算部を含み、
    前記落下判定部は、
    前記センサーが落下したと判定した場合、前記センサーが検出した加速度値を前記演算部に出力しない、センサーシステム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項において、
    前記落下判定部による判定結果を前記センサーシステムの外部に出力する出力部を含む、センサーシステム。
  11. 構造物に設けられた、加速度を検出するセンサーの出力信号を取得するデータ取得工程と、
    前記センサーの出力信号に基づいて、前記センサーが検出した検出軸の方向の加速度の代表値を計算する代表値計算工程と、
    前記検出軸の方向の加速度の代表値と、記憶部に記憶されている重力加速度の方向と前記センサーの前記検出軸の方向との関係を表す設置情報に基づいて特定される前記検出軸の方向の重力加速度値とに基づいて、前記センサーが落下したか否かの判定を行う落下判定工程と、を含む、センサーの落下判定方法。
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