JP2020122562A - ディスクロータ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2ピース構造を採用した構成であっても、製造コストを低減させるとともに生産性を高めることもできるディスクロータ及びその製造方法を提供すること。【解決手段】ハット部11と摺動板部12との連結部13には、ハット部11が摺動板部から抜けることを規制するとともに、ハット部11と摺動板部12とが相対回転することを規制する連結強化部40が設けられている。連結強化部40は、ハット部11に設けられた凸部41と、摺動板部12の内周面35に設けられて、凸部41を収容する収容凹部42とを有している。凸部41は、ハット部11の開口端面25が凹むように塑性変形して、開口端部の外方へ突出するように形成されている。収容凹部42に収容された凸部41は、収容凹部42の周方向両側に設けられた側部に当接する。【選択図】 図2

Description

本発明は、ディスクロータ及びその製造方法に関する。
自動車等の車両の制動装置として、ディスクブレーキ装置が知られている。ディスクブレーキ装置は、ディスクロータとディスクパッドとを備えている。ディスクロータは、車軸に連結されるハット部と、そのハット部の外周側に設けられた環状の摺動板部とを有している。そして、車両制動時には、車軸と共に回転するディスクロータの摺動板部をディスクパッドが挟み込むことにより、両者の間に生じる摩擦によって車輪の回転が制動される。
ディスクロータは、従前、ハット部と摺動板部とが鋳鉄によって一体形成されていた。車両制動時にディスクパットで挟み込まれる摺動板部は、その挟み込みがなされた際に摩擦熱を持ち、ハット部との温度差によって摺動板部に熱応力が生じる。そのため、ハット部と摺動板部とを一体形成する従前の構成では、熱応力によって摺動板部が熱変形して、車両制動時に振動を発生させるおそれがあった。
そこで、ハット部と摺動板部とをそれぞれハット部材及び摺動板部材として別々に構成し、その上で、両者を一体的に連結した2ピース構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。2ピース構造を採用したディスクロータによれば、ハット部材と摺動板部材との間に、摺動板部材の熱膨張を吸収するための空間を形成するといった構成を採用することが可能となり、摺動板部材に生ずる熱変形を抑制することができる。
特表2014−533812号公報
ところで、上記特許文献1のディスクロータでは、ハット部材及び摺動板部材のそれぞれに凹凸部分を形成し、それら凹凸部分を嵌め合わせ、さらにカシメによって固定することによって両者が連結されている。かかる構成では、ハット部材と摺動板部材との連結部分でガタが生じないように、それぞれの凹凸部分を精密に加工しなければならない。また、両部材の凹凸部分を嵌め合わせた後に、さらにカシメで固定するという作業も必要となる。このような精密加工やカシメ固定作業が必要な構造は、ディスクロータを製造する上でのコスト増加の原因となり、生産性も低下させるという問題があった。
そこで、本発明は、2ピース構造を採用した構成であっても、製造コストを低減させるとともに生産性を高めることもできるディスクロータ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、第1の発明は、
円筒状をなす筒部を有するハット部と、前記筒部の端部に連結される内周縁部を有する環状の摺動板部とを備えたディスクロータであって、
前記ハット部と前記摺動板部との連結部に設けられ、前記ハット部が前記摺動板部から抜けることを規制するとともに、前記ハット部と前記摺動板部とが前記摺動板部の周方向に沿って相対回転することを規制する規制部を備え、
前記規制部は、
前記連結部の周方向の一部において、前記ハット部の開口端面が凹むように塑性変形して、前記筒部の端部にその外方へ突出するように形成された凸部と、
前記摺動板部に設けられ、前記凸部が入り込んで充填される収容凹部と、
前記収容凹部を形成し、前記凸部が当接する周方向両側の側部と、
を有することを特徴とする。
第2の発明は、
前記摺動板部の前記内周縁部には環状溝が形成され、
前記連結部では、前記環状溝に前記筒部の端部が挿入されており、
前記凸部及び前記収容凹部は、前記環状溝を挟んだ両側に設けられていることを特徴とする。
第3の発明は、前記収容凹部は、前記ハット部が突出する側とは反対側に、塑性変形により形成された前記凸部を受け止める受け止め部を有していることを特徴とする。
第4の発明は、
円筒状をなす筒部を有するハット部と、前記筒部の端部に連結された内周縁部を有する環状の摺動板部とを備えたディスクロータの製造方法であって、
前記筒部を有するハット部材と、
前記内周縁部を有し、前記内周縁部の周方向の一部に収容凹部が形成された摺動板部材と、
を用い、
前記摺動板部材を台座に載置して、前記収容凹部が形成された箇所に突起部を有する治具を設置する工程と、
前記突起部の先端に前記筒部の端面が当接するように、前記ハット部材を前記摺動板部材に組み付ける工程と、
前記ハット部材を前記台座の側へ押圧し、前記突起部が前記筒部の端面に食い込むように前記筒部の端部を塑性変形させ、前記突起部の食い込みによって押しのけられた部分により、前記収容凹部に入り込む凸部を形成する工程と、
前記治具を前記筒部の端部から取り外す工程と、
を備えることを特徴とする。
第5の発明は、上記製造方法において、前記治具の前記突起部が、突出方向に向かって先細りとなる先細り形状を有していることを特徴とする。
第6の発明は、上記製造方法において、前記突起部の先端部が、前記収容凹部が開口する部分の上端縁部と略同じ高さに至るまで延びていることを特徴とする。
第1の発明によれば、ハット部の筒部端部に設けられた凸部が摺動板部の収容凹部に入り込んで収容されることにより、ハット部の摺動板部からの抜け止めが図られ、2ピース構造を採用したディスクロータとしての強度を確保することができる。また、凸部は、筒部と摺動板部との連結部における周方向の一部に設けられ、収容凹部の周方向両側の側部に当接するため、ハット部と摺動板部との相対回転が規制され、ディスクロータの回転方向への強度も確保される。
凸部は、ハット部の筒部端面が凹むように塑性変形することによって形成され、その塑性変形に伴って摺動板部に設けられた収容凹部に入り込んでいる。この構成を形成するには、収容凹部に入り込む凸部が形成されるようにハット部の筒部端部を塑性変形させるだけで足りる。塑性変形に精密な精度は不要であるし、カシメ固定といったさらなる作業も不要である。そのため、凹凸の嵌め合わせやカシメ固定といった作業を必要としていた従来技術に比べ、ディスクロータの製造コストを低減させることができるし、生産性を高めることもできる。
第2の発明によれば、環状溝を挟んだ両側に凸部と収容凹部とが設けられているため、その両側で抜け止めと相対回転規制が行われる。これにより、抜け止めや相対回転規制をより強固に行うことができる。
第3の発明によれば、塑性変形によってハット部の筒部端部に凸部が形成される場合に、塑性変形して収容凹部に入り込んだ凸部は受け止め部によって受け止められる。これにより、収容凹部に入り込んで収容される凸部が形成されやすくなり、凸部をより確実に充填させることができる。
第4の発明によれば、ハット部材が有する筒部の端面に治具の突起部が食い込むことで筒部の端部が塑性変形する。突起部の食い込みによって押しのけられた部分により、収容凹部に入り込む凸部が形成される。凸部形成により、ハット部材の筒部が摺動板部材の内周縁部に連結された状態から抜けることが規制される。また、収容凹部とそこに入り込む凸部とが設けられているのは周方向の一部であるため、ハット部材と摺動板部材とが相対回転することが規制される。これにより、ハット部材と摺動板部材とを連結して両者を分離困難かつ相対回転不能な状態に一体化し、2ピース構造であっても強度が確保されたディスクロータを製造することができる。
この製造方法では、ハット部材を押圧することにより、筒部の端部を治具によって塑性変形させるだけで、収容凹部に入り込む凸部が形成される。そのため、収容凹部及び凸部の形成において精密な精度は不要であるし、カシメ固定といったさらなる作業も不要である。これにより、凹凸の嵌め合わせやカシメ固定といった作業を必要としていた従来技術に比べ、ディスクロータの製造コストを低減させることができるし、生産性を高めることもできる。
第5の発明によれば、治具の突起部が先細り形状を有しているため、ハット部材の筒部の端面に突起部が食い込んで筒部の端部が塑性変形する場合に、突起部の食い込みよって押しのけられる部分は、突起部が有する斜面に沿って外方に向かって流れて凸部を形成する。これにより、開口端部から突出する凸部を形成しやすい。
第6の発明によれば、治具の突起部は収容凹部の開口部分と横並びとなって配置され、当該突起部の先端部に筒部の端面が当接する。その状態からハット部材が押圧されるため、突起部の食い込みによって押しのけられた部分は、押しのけられるのと略同時に、収容凹部の上部から当該収容凹部に入り込み始める。これにより、収容凹部に入り込む凸部を形成しやすい。
(a)は第1実施形態のディスクロータを示す平面図であり、(b)は(a)図におけるX1部の拡大図である。 (a)は図1におけるA−A断面図であり、(b)は(a)図におけるY1部の拡大図である。 ハット部材を示す平面図。 図3におけるB−B断面図。 第1実施形態における摺動板部材を示す平面図。 図5におけるC−C断面図。 第1実施形態のディスクロータを製造する製造方法の概略を説明する概略説明図。 ハット部材の開口端部が塑性変形する様子を示す要部断面図。 (a)は第2実施形態のディスクロータを示す平面図であり、(b)は(a)図におけるX2部の拡大図である。 (a)は図9におけるD−D断面図であり、(b)は(a)図におけるY2部の拡大図であり、(c)は(a)図におけるZ部の拡大図である。 第2実施形態における摺動板部材を示す平面図。 図11におけるE−E断面図。 第2実施形態のディスクロータを製造する製造方法において、ハット部材の開口端部が塑性変形する様子を示す要部断面図。 ディスクロータの別例を示す一部断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、自動車等の車両の制動装置であるディスクブレーキ装置に用いられる部品の一つである、ディスクロータに具体化されている。
[第1実施形態]
はじめに、第1実施形態のディスクロータ10について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
図1及び図2に示すように、第1実施形態のディスクロータ10は、ハット部11と摺動板部12とを備えた2ピース構造を有している。ハット部11は摺動板部12から突出して設けられ、ディスクロータ10は全体としてハット形状をなすように形成されている。なお、以下では、ハット部11の中心軸線方向のうち、ハット部11が突出する側を突出側といい、その反対側を反突出側という。
図2に示すように、ハット部11は、車軸Sの端部に設けられたハブHに取り付けられる部分である。ハット部11は、アルミニウム合金によって形成されている。図1及び図2に示すように、ハット部11は円筒状をなすように形成され、筒部21が延びる方向の一方の側が蓋部22によって塞がれ、他方の側が開口している。蓋部22の中心部には、取付け孔23が設けられている。取付け孔23の周囲には、複数のボルト挿通孔24が設けられている。これら蓋部22、取付け孔23及びボルト挿通孔24を用いて、ディスクロータ10がハブHに取り付けられる。
摺動板部12は、車両制動時にディスクパッドによって挟み込まれて圧接される部分である。摺動板部12は鋳鉄によって形成され、図1及び図2に示すように、板状かつ円環状をなしている。摺動板部12は、一対の摺動面31,32と、挿通孔33とを有している。
一対の摺動面31,32は摺動板部12の表面と裏面であり、ディスクパッドにより圧接される部分である。一対の摺動面31,32は、外側摺動面31と、内側摺動面32とよりなる。外側摺動面31は突出側の面であり、ディスクロータ10が車軸Sに取り付けられた場合に車両外側となる。内側摺動面32は反突出側の面であり、ディスクロータ10が車軸Sに取り付けられた場合に車両内側となる。
挿通孔33は、摺動板部12の中心と同じ中心を有する円形状をなし、その内径は、ハット部11の筒外径と略同じか若干大きくなるように設定されている。挿通孔33は、ディスクロータ10をハブHに取り付ける際に、車軸Sの端部やハブH等が挿通される。また、摺動板部12にハット部11を連結する場合に、ハット部11の開口端部が挿通孔33に挿入される。
ハット部11は、その開口端部が摺動板部12の挿通孔33に挿入され、ハット部11と摺動板部12とが一体的に連結されている。ハット部11の筒部21の端部は、摺動板部12の内周縁部12aに連結されている。ハット部11と摺動板部12との連結部13では、ハット部11はその開口端部の外周側に摺動板部12が設けられるまで挿通されている。ハット部11の開口端面25は、摺動板部12の内側摺動面32よりも突出側に下がった位置に配置されている。
ディスクロータ10は、連結部13において連結強化部40が設けられている。連結強化部40は、ハット部11と摺動板部12とが上記のように連結されたうえで、ハット部11が摺動板部12から抜けることを規制し、かつハット部11と摺動板部12とが相対回転することを規制する。そのため、連結強化部40は規制部に相当する。連結強化部40は、連結部13において複数設けられ、ハット部11及び摺動板部12の周方向に沿って等間隔で配置されている。図1(a)に示すように、本実施の形態では、8個の連結強化部40が設けられている。連結強化部40は、凸部41と、収容凹部42とを有して構成されている。
図2(b)に拡大して示すように、凸部41はハット部11の反突出側となる開口端部の外周部に設けられ、当該外周部から外方へ突出している。凸部41は、外向き凸部に相当し、ハット部11の開口端面25が凹むように塑性変形することによって形成されている。この開口端面25の塑性変形により、開口端面25には変形凹部43が形成されている。
収容凹部42は摺動板部12の挿通孔33を形成する内周面35に設けられ、当該内周面35に開口し、当該内周面35から外方へ向かって凹むように形成されている。収容凹部42の平面形状は、図1(b)に示すように円弧状又は半円状をなしている。収容凹部42には、ハット部11に設けられてその外方に突出する凸部41が入り込んで収容されている。
図1(b)及び図2(b)にそれぞれ示すように、凸部41は収容凹部42の凹部全域に充填され、収容凹部42内の周方向両側の側部44,45と、同じく収容凹部42内の突出側及び反突出側の各壁部46,47に当接している。そのため、摺動板部12の挿通孔33から中心軸線方向へのハット部11の抜け止めが図られ、それととともに、ハット部11と摺動板部12との相対回転が規制される。これにより、ハット部11と摺動板部12とが、分離困難かつ相対回転が困難な状態で連結されている。
なお、収容凹部42の凹部全域に凸部41が充填されているため、図2では、収容凹部42の全体に隙間なく凸部41が充填されている状態を示している。ただ、実際には、凸部41と収容凹部42の内面との間に、多少の隙間が形成される場合もある。
次に、第1実施形態のディスクロータ10を製造する製造方法について、図3乃至図8を参照しつつ説明する。
はじめに、ディスクロータ10の製造にあたり、図3〜図6に示すように、ハット部材51と摺動板部材52とをそれぞれ個別に準備する。ハット部材51は、ディスクロータ10のハット部11を構成する部材である。摺動板部材52は、ディスクロータ10の摺動板部12を構成する部材である。ハット部材51及び摺動板部材52の個々の構成について、すでに説明した部分と同じ部分には同じ符号を付しながら説明する。
図3及び図4に示すように、ハット部材51は円筒状をなすように形成され、筒が延びる方向の一方の側が蓋部22によって塞がれ、他方の側が開口している。ハット部材51は、アルミニウム合金をプレス加工等することによって形成されている。
図5及び図6に示すように、摺動板部材52は円環状をなす平板により構成され、その表裏両面には一対の摺動面31,32が形成されている。摺動板部材52は、鋳造等によって形成されている。摺動板部材52の中心部には、挿通孔33が形成されている。挿通孔33を形成する内周面35には、収容凹部42が形成されている。収容凹部42は挿通孔33の内周全域にわたって等間隔に複数(本実施形態では8個)設けられている。
上記のハット部材51及び摺動板部材52を準備した後、図7(a)に示すように、台座61の上に摺動板部材52を設置する。併せて、摺動板部材52の挿通孔33の内側のうち、各収容凹部42が形成された箇所のそれぞれの内側に、治具62を設置する。そのため、治具62を合計8個設置する。
ここで、図8(a)に示すように、治具62は、ハット部材51を形成する材質よりも高硬度な材質のものを用いて形成され、基部63と突起部64とを有している。基部63は台座61の上面に設置され、突起部64は基部63の上に設けられている。突起部64は、台座61の上面に対して垂直方向を高さ方向とする円錐状をなすように形成され、基部63の外周部から上方へ向かって先細りとなり突出している。
治具62が設けられた状態では、基部63が挿通孔33の内周面35に当接し、収容凹部42が内周面35に開口する部分の下端縁部から上端縁部に至るまで突起部64が延びている。これにより、突起部64は収容凹部42の開口部分と横並びとなって配置され、両者の間には空間部48が形成されている。
かかる治具62が設けられた状態で、図7(b)に示すように、蓋部22を上向きとし、開口端部を下向きとしたハット部材51を、摺動板部材52の上方から挿通孔33に挿入して両者を組み付ける。すると、図8(a)にその詳細を示すように、治具62が設けられた個所では、ハット部材51の開口端面25は、治具62が有する突起部64の先端(頂点部分)に当接する。治具62は周方向の全域にわたり等間隔で複数(本実施形態では8個)設けられており、ハット部材51は治具62が設けられた個所で、台座61の上面から治具62の高さ分だけ離間した状態で支持される。
次いで、図7(c)に示すように、治具62によって台座61上で支持されたハット部材51を、台座61の上面に向けて(上面に対して垂直方向の下方に向けて)押圧する。すると、図8(b)に示すように、ハット部材51は台座61の上面に向かって下降し、挿通孔33への挿入が進行する。これにより、ハット部材51の開口端面25は、台座61の上面に近づくように移動する。
この時、ハット部材51の開口端面25のうち治具62と当接した部分では、突起部64の先端が開口端面25に食い込むように塑性変形する。突起部64によって押しのけられた部分は、ハット部材51の開口端部において、突起部64の周囲から突出するように盛り上がる。この盛り上がりのうち、ハット部材51の外周部から外方に突出する部分が凸部41となり、挿通孔33の内周面35に設けられた収容凹部42に、空間部48を通じて入り込む。
突起部64は円錐状をなす先細り形状を有しているため、突起部64の食い込みにより押しのけられた部分は、突起部64が有する斜面に沿って外方に向けて流れ、凸部41が形成される。また、突起部64が収容凹部42の開口部分と横並びとなって配置されているため、突起部64の食い込みによって押しのけられた部分は、押しのけられるのと略同時に、収容凹部42の上部から当該収容凹部42に入り込み始める。
ハット部材51の移動とともに、突起部64の食い込みとそれによる開口端部の塑性変形も進行する。凸部41の大きさが徐々に大きくなり、収容凹部42への充填が進む。この時、徐々に大きくなる凸部41は収容凹部42の反突出側壁部47によって受け止められるため、充填がより進みやすい。反突出側壁部47は受け止め部に相当する。
図8(c)に示すように、開口端面25が突起部64の下端面まで到達すると、ハット部材51の押圧を停止する。これにより、ハット部材51の移動、突起部64の開口端面25への食い込み、それによる開口端部の塑性変形も停止する。この状態では、図8(c)に示すように、ハット部材51の開口端部の外周部に形成された凸部41の大きさはより大きくなり、収容凹部42の内部の略全域に充填される。そして、凸部41は、平面視において円弧状又は半円状をなす収容凹部42の周方向の両側部44,45や突出側及び反突出側の壁部46,47に当接する(前述した図1(b)及び図2(b)を参照)。
このように、ハット部材51の移動により、ハット部材51の開口端部において、周方向に沿って、収容凹部42に充填された凸部41が複数同時に形成される。各凸部41と、それぞれの凸部41が入り込む収容凹部42とによって、個々の連結強化部40が形成される。
その後、図8(d)に示すように、連結体を台座61から取り出し、ハット部材51の開口端面25に食い込んだ治具62のすべてをハット部材51の開口端部から離間させ、各治具62を取り除く。すると、治具62が存在していた箇所には、変形凹部43が形成される。
以上の各工程を経ることによりハット部材51が摺動板部材52と連結され、それとともに両者が一体化されて、2ピース構造を有する第1実施形態のディスクロータ10が得られる。得られたディスクロータ10において、ハット部材51であった部分がハット部11とされ、摺動板部材52であった部分が摺動板部12となり、連結強化部40により、ハット部材51の抜け止めが図られるとともに、ハット部材51と摺動板部材52との相対回転が規制される。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のディスクロータ70とその製造方法について、図9乃至図13を参照して説明する。ここでは、第1実施形態のディスクロータ10と構成上相違する部分を中心に説明することとし、共通する部分については説明を省略したり、同じ用語及び符号を用いたりする。
図9及び図10に示すように、第2実施形態のディスクロータ70も、ハット部11と摺動板部14とを有している。摺動板部14が有する挿通孔33の内径は、第1実施形態のディスクロータ10の摺動板部14が有する挿通孔33よりも小さく設定されている。
摺動板部14の内周縁部14aには、第1実施形態のディスクロータ10が有していない、取付け環状溝36が形成されている(後述する図11及び図12も参照)。取付け環状溝36は、摺動板部14の外側摺動面31が形成される突出側の面において、内周寄りであってかつ挿通孔33よりも外周側に設けられている。取付け環状溝36は、摺動板部14の周方向全域に切れ目なく設けられており、その溝幅は、ハット部11の筒部21が有する厚さと略同一や若干大きくなるように設定されている。
ハット部11は、その開口端部が摺動板部14の取付け環状溝36に挿入され、それによりハット部11と摺動板部14とが一体的に連結されている。ハット部11の筒部21の端部は、摺動板部14の内周縁部14aに連結されている。ハット部11は、図10(c)に拡大して示すように、その開口端面25が取付け環状溝36の溝底部37に当接するまで挿入されている。
第2実施形態のディスクロータ70についても、凸部41と収容凹部42とを有する連結強化部40が連結部13において複数(本実施形態では8個)設けられ、摺動板部14の周方向に沿って等間隔に配置されている。
図10(b)に拡大して示すように、各連結強化部40において、凸部41a,41bはハット部11の開口端部に一対設けられ、一方はハット部11の外周部から外方に突出し、他方はハット部11の内周部から内方へ突出している。一対の凸部41a,41bのうち、外方へ突出する側を外側凸部41aとし、内側に突出する側を内側凸部41bとする。第2実施形態では、外側凸部41aが外向き凸部に相当し、内側凸部41bが内向き凸部に相当する。この実施形態においても、凸部41a,41bが塑性変形によって形成されることで、開口端面25には変形凹部43が形成されている。
収容凹部42a,42bも、外側凸部41aと内側凸部41bとのそれぞれが入り込んで収容されるよう一対設けられている。摺動板部14の取付け環状溝36を形成して相対向する一対の溝壁面38a,38bのうち、外側溝壁面38aには外側収容凹部42aが設けられ、内側溝壁面38bには内側収容凹部42bが設けられている。外側収容凹部42aには外側凸部41aが収容され、内側収容凹部42bには内側凸部41bが収容されている。
各凸部41a,41bは各収容凹部42a,42bの凹部全域に充填されている。図9(b)及び図10(b)に示すように、各凸部41a,41bが、各収容凹部42a,42b内の周方向両側の側部44,45と、突出側及び反突出側の各壁部46,47に当接しているのは上記第1実施形態と同じである。そのため、摺動板部14の挿通孔33から中心軸線方向へのハット部11の抜け止めが図られ、それととともに、ハット部11と摺動板部14との相対回転が規制される。
なお、各連結強化部40が設けられた部分において、取付け環状溝36の溝底部37には、摺動板部14の内側摺動面32の側(反突出側)に貫通する貫通孔39が形成されている。後述するように、各貫通孔39には、ディスクロータ70の製造時において治具62が設けられる。
連結強化部40が以上のように構成されているため、第2実施形態のディスクロータ70では、ハット部11の抜け止めは開口端部の外側と内側との両方で図られ、ハット部11と摺動板部14との相対回転も、開口端部の外側と内側との両方で規制される。これにより、ハット部11と摺動板部14とが、1実施形態のディスクロータ10よりも、分離困難かつ相対回転が困難な状態がより強化されている。
第2実施形態のディスクロータ70を製造する場合には、図11及び図12に示すように、挿通孔33と、取付け環状溝36と、外側収容凹部42a及び内側収容凹部42bと、貫通孔39とが設けられた摺動板部材53を準備する。摺動板部材53は、ディスクロータ70の摺動板部14を構成する部材である。外側収容凹部42a及び内側収容凹部42bと、貫通孔39とは、取付け環状溝36の周方向全域にわたって、等間隔に複数(本実施形態では8個)設けられている。
その上で、台座61の上面に摺動板部材53を設置した後、蓋部22を上向きとし、開口端を下向きとしたハット部材51の中心軸線を摺動板部材53のそれと合わせ、ハット部材51を台座61の側へ押圧して両者を連結する。このように、大まかには第1実施形態のディスクロータ10と同様の製造方法となっている。もっとも、第1実施形態のディスクロータ10の製造方法とは、次の点で異なる。
台座61の上面に摺動板部材53を設置する場合には、図13(a)に示すように、取付け環状溝36が設けられた側を上にする。その際、台座61の上面には、各貫通孔39が配置される箇所に、突起部64を上向きとした治具62を設置しておく。摺動板部材53を台座61の上面に設置するのに併せて、貫通孔39には治具62を挿入しておく。治具62が設けられた状態では、各収容凹部42a,42bが溝壁面38に開口する部分において、下端縁部から上端縁部に至るまで突起部64が延びている。これにより、突起部64は収容凹部42の開口部分と横並びとなって配置され、両者の間には空間部48が形成されている。
このように治具62が設けられた状態で、ハット部材51の開口端部を取付け環状溝36に挿入して両者を組み付ける。すると、治具62が設けられた個所では、ハット部材51の開口端面25は、治具62が有する突起部64の先端(頂点部分)に当接する。そこから、ハット部材51を台座61の上面に向けて(上面に対して垂直方向の下方に向けて)押圧すると、図13(b)に示すように、ハット部材51は台座61の上面に向かって下降し、取付け環状溝36への挿入が進行する。これにより、ハット部材51の開口端面25は、取付け環状溝36の溝底部37に近づくように移動する。
この時、ハット部材51の開口端面25のうち治具62と当接した部分では、突起部64の先端が開口端面25に食い込むように塑性変形する。突起部64によって押しのけられた部分は、ハット部材51の開口端部において、突起部64の周囲から突出するように盛り上がる。この盛り上がりのうち、ハット部材51の外周部から外方に突出する部分が外側凸部41aとなり、外側収容凹部42aに入り込む。他方、ハット部材51の内周部から内方に突出する部分が内側凸部41bとなり、内側収容凹部42bに入り込む。
突起部64は円錐状をなす先細り形状を有しているため、突起部64の食い込みにより押しのけられた部分は、突起部64が有する斜面に沿って内外両方に向けて流れ、外側凸部41aと内側凸部41bとが略同時に形成される。また、突起部64が各収容凹部42a,42bの開口部分と横並びとなって配置されているため、突起部64の食い込みによって押しのけられた部分は、押しのけられるのと略同時に、収容凹部42の上部から当該収容凹部42に入り込み始める。
ハット部材51の移動とともに、突起部64の食い込みとそれによる開口端部の塑性変形も進行する。外側凸部41a及び内側凸部41bの大きさが徐々に大きくなり、外側凸部41aについては外側収容凹部42aへの充填が、内側凸部41bについては内側収容凹部42bへの充填がそれぞれ同時に進行する。この時、徐々に大きくなる外側凸部41a及び内側凸部41bは、各収容凹部42a,42bの反突出側壁部47によって受け止められるため、充填がより進みやすい。
開口端面25が取付け環状溝36の溝底部37に当接すると、図13(c)に示すように、ハット部材51の押圧を停止する。これにより、ハット部材51の移動、突起部64の開口端面25への食い込み、それによる開口端部の塑性変形も停止する。この状態では、ハット部材51の開口端部の内外に形成された外側凸部41a及び内側凸部41bの大きさはより大きくなり、それぞれが外側収容凹部42a及び内側収容凹部42bの内部の略全域に充填される。そして、外側凸部41aは外側収容凹部42aにおいて、内側凸部41bは内側収容凹部42bにおいて、周方向の両側部44,45や突出側及び反突出側の壁部46,47に当接する(前述した図9(b)及び図10(b)を参照)。
このように、ハット部材51の移動により、ハット部材51の開口端部において、外方に突出して外側収容凹部42aに充填された外側凸部41aと、内方に突出して内側収容凹部42bに充填された内側凸部41bを有する連結強化部40が形成される。外側収容凹部42a及び内側収容凹部42bは、周方向に沿って複数設けられているため、それら複数の連結強化部40が略同時に形成される。
その後、図13(d)に示すように、連結体を台座61から取り出し、複数の治具62をすべて取り除くことにより、ハット部材51が摺動板部材53と連結され、2ピース構造を有する第2実施形態のディスクロータ70が得られる。
[ディスクロータ10,70及びその製造方法の作用効果]
以上詳述したように、上記各実施形態のディスクロータ10,70及びその製造方法によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)ハット部11と摺動板部12,14とを連結する連結部13に連結強化部40が設けられ、連結強化部40は、ハット部11に設けられた凸部41と、摺動板部12,14に設けられて凸部41を収容する収容凹部42とを有している。凸部41が収容凹部42に収容されることにより、ハット部11の摺動板部12,14からの抜け止めが図られ、2ピース構造を採用したディスクロータ10,70としての強度を確保することができる。また、連結強化部40は、ハット部11及び摺動板部12,14の周方向に沿って複数独立して設けられ、凸部41は収容凹部42の周方向両側の側部44,45に当接している。そのため、ハット部11と摺動板部12,14との相対回転が規制され、ディスクロータ10,70の回転方向への強度も確保される。
凸部41は、ハット部11の開口端面25が凹むように塑性変形することによって形成され、その塑性変形に伴って収容凹部42に入り込んでいる。この構成を形成するには、収容凹部42に入り込む凸部41が形成されるようにハット部11の開口端部を塑性変形させるだけで足りる。塑性変形に精密な精度は不要であるし、カシメ固定といったさらなる作業も不要である。そのため、凹凸の嵌め合わせやカシメ固定といった作業を必要としていた従来技術に比べ、ディスクロータ10,70の製造コストを低減させることができるし、生産性を高めることもできる。
(2)第2実施形態のディスクロータ70では、取付け環状溝36を挟んだ両側に、凸部41と収容凹部42とを有する連結強化部40が設けられている。そのため、取付け環状溝36の両側で、抜け止めと相対回転規制が行われる。これにより、抜け止めや相対回転規制をより強固に行うことができる。
(3)収容凹部42は、挿通孔33の内周面35又は取付け環状溝36の溝壁面38にのみ開口し、内側摺動面32の側には開口していない。そのため、収容凹部42の内側にはその反突出側に壁部46が設けられており、塑性変形によって凸部41が形成される場合に、収容凹部42に入り込んだ凸部41は壁部47によって受け止められる。そのため、収容凹部42に入り込んで収容される凸部41が形成されやすくなり、凸部41をより確実に充填させることができる。
(4)ディスクロータ10,70を製造する場合には、まず、摺動板部材52,53に収容凹部42を形成し、その収容凹部42が形成された箇所に治具62を設置した状態でハット部材51を組み付けて、当該ハット部材51を押圧するようにした。これにより、ハット部材51の開口端部を治具62によって塑性変形させるだけで収容凹部42に入り込む凸部41が形成される。そのため、収容凹部42及び凸部41の形成において精密な精度は不要であるし、カシメ固定といったさらなる作業も不要である。これにより、凹凸の嵌め合わせやカシメ固定といった作業を必要としていた従来技術に比べ、ディスクロータ10,70の製造コストを低減させることができるし、生産性を高めることもできる。
(5)ディスクロータ10,70の製造に用いられる治具62は、先細り形状を有する突起部64を有している。ハット部材51の開口端面25に突起部64が食い込んで開口端部が塑性変形する場合に、突起部64の食い込みよって押しのけられる部分は、突起部64が有する斜面に沿って外方に向かって流れて凸部41を形成する。これにより、開口端部から突出する凸部41を形成しやすい。
(6)ディスクロータ10,70を製造する場合に、ハット部材51を摺動板部材52,53の挿通孔33又は取付け環状溝36に挿入する工程では、治具62の突起部64は、収容凹部42の開口部分と横並びとなって配置される。挿入されたハット部材51の開口端面25は、このように配置された突起部64の先端部に当接する。続く工程にてハット部材51が押圧されると、突起部64の食い込みによって押しのけられた部分は、押しのけられるのと略同時に、収容凹部42の上部から当該収容凹部42に入り込み始める。そのため、収容凹部42に入り込む凸部41を形成しやすい。
[別の実施形態]
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、例えば次のような構成や製造方法を採用してもよい。
(a)上記実施の形態では、収容凹部42は、摺動板部12,14(摺動板部材52,53)の内側摺動面32に向けて開口しておらず、収容凹部42にはハット部11の反突出側に反突出側壁部47が設けられている。これに代えて、収容凹部42を、摺動板部12,14(摺動板部材52,53)の内側摺動面32に向けて開口するように形成し、反突出側壁部47が設けられない構成を採用してもよい。
(b)上記第2実施形態のディスクロータ70では、取付け環状溝36を形成する一対の溝壁面38の両方に、取付け環状溝36を挟むようにして収容凹部42が設けられている。これに代えて、一対の溝壁面38のうちいずれか一方にのみ、収容凹部42が設けられた構成を採用してもよい。
(c)上記実施の形態では、ハット部11(ハット部材51)と摺動板部12,14(摺動板部材52,53)との連結部13において、両者を直接接触させる構成を採用した。これに代えて、図14に示すように、塗料等の絶縁材やステンレス鋼等の防食材81を介在させるようにしてもよい。防食材81を介在させることにより、ハット部11を形成するアルミニウム合金と、摺動板部12,14を形成する鋳鉄という異種金属が接触することによる腐食を抑制することができる。
(d)上記実施の形態では、収容凹部42はその平面形状が円弧状又は半円状をなすように形成されているが、例えば平面形状を略四角形状をなすように形成する等、その形状は任意である。
(e)上記実施の形態では、治具62の突起部64が基部63の外周部から先端に向かって先細りとなる円錐形状をなしているが、ハット部材51の開口端面25に食い込むことが可能な形状であればよい。例えば、円錐形状をなる突起部64の底面部分を基部63の断面よりも小さくして基部63と突起部64との間に段差を設けたり、四角錐形状としたり、先端部を球状に形成したりしてもよい。
(f)上記実施の形態では、ハット部11(ハット部材51)をアルミニウム合金により形成したが、他の金属材料によって形成してもよい。例えば、ハット部11(ハット部材51)を、マグネシウム合金、チタン合金等、アルミニウム合金以外の軽合金によって形成したり、鋳鉄よりも高強度の鋼材によって形成したりしてもよい。
(g)上記実施の形態において、ディスクロータ10,70の製造時に用いられる治具62として、突起部64を加熱するヒータ等の加熱部が設けられたものを用い、ハット部材51を押圧してその開口端部を塑性変形させる際に、加熱部によって突起部64を加熱するようにしてもよい。加熱された突起部64により、ハット部材51の開口端部が加熱されて軟化するため、塑性変形しやくなる。このような加熱部を有する治具62を用いることは、マグネシウム合金等のような、常温において塑性変形をさせることが困難な素材によりハット部11(ハット部材51)を形成した場合に、特に好適となる。この場合、ハット部材51を加熱することとなるが、開口端部という一部の加熱に留まるため、ハット部材51の全体を加熱して塑性変形させることと比べて、ハット部材51の熱変形による影響を抑えることができる。
10,70…ディスクロータ、11…ハット部、12,14…摺動板部、12a,14a…内周縁部、13…連結部、21…筒部、22…蓋部、25…開口端面、31,32…摺動面、33…挿通孔、36…取付け環状溝、38…溝壁面、38a…外側溝壁面、38b…内側溝壁面、39…貫通孔、40…連結強化部(規制部)、41…凸部、41a…外側凸部(外向き凸部)、41b…内側凸部(内向き凸部)、42…収容凹部、44,45…側部、47…反突出側壁部(受け止め部)、51…ハット部材、52,53…摺動板部材、62…治具、64…突起部。

Claims (6)

  1. 円筒状をなす筒部を有するハット部と、前記筒部の端部に連結される内周縁部を有する環状の摺動板部とを備えたディスクロータであって、
    前記ハット部と前記摺動板部との連結部に設けられ、前記ハット部が前記摺動板部から抜けることを規制するとともに、前記ハット部と前記摺動板部とが前記摺動板部の周方向に沿って相対回転することを規制する規制部を備え、
    前記規制部は、
    前記連結部の周方向の一部において、前記ハット部の開口端面が凹むように塑性変形して、前記筒部の端部にその外方へ突出するように形成された凸部と、
    前記摺動板部に設けられ、前記凸部が入り込んで充填される収容凹部と、
    前記収容凹部を形成し、前記凸部が当接する周方向両側の側部と、
    を有することを特徴とするディスクロータ。
  2. 前記摺動板部の前記内周縁部には環状溝が形成され、
    前記連結部では、前記環状溝に前記筒部の端部が挿入されており、
    前記凸部及び前記収容凹部は、前記環状溝を挟んだ両側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のディスクロータ。
  3. 前記収容凹部は、前記ハット部が突出する側とは反対側に、塑性変形により形成された前記凸部を受け止める受け止め部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスクロータ。
  4. 円筒状をなす筒部を有するハット部と、前記筒部の端部に連結された内周縁部を有する環状の摺動板部とを備えたディスクロータの製造方法であって、
    前記筒部を有するハット部材と、
    前記内周縁部を有し、前記内周縁部の周方向の一部に収容凹部が形成された摺動板部材と、
    を用い、
    前記摺動板部材を台座に載置して、前記収容凹部が形成された箇所に突起部を有する治具を設置する工程と、
    前記突起部の先端に前記筒部の端面が当接するように、前記ハット部材を前記摺動板部材に組み付ける工程と、
    前記ハット部材を前記台座の側へ押圧し、前記突起部が前記筒部の端面に食い込むように前記筒部の端部を塑性変形させ、前記突起部の食い込みによって押しのけられた部分により、前記収容凹部に入り込む凸部を形成する工程と、
    前記治具を前記筒部の端部から取り外す工程と、
    を備えることを特徴とするディスクロータの製造方法。
  5. 前記治具の前記突起部は、突出方向に向かって先細りとなる先細り形状を有していることを特徴とする請求項4に記載のディスクロータの製造方法。
  6. 前記突起部の先端部は、前記収容凹部が開口する部分の上端縁部と略同じ高さに至るまで延びていることを特徴とする請求項4又は5に記載のディスクロータの製造方法。
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