JP2020122135A - 油性インクジェットインクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】揮発性有機溶剤を用いる必要がなく、安全性に優れた、油性インクジェットインクの製造方法を提供する。【解決手段】非水系溶剤及び分散剤を含む連続相と、水及び水分散性樹脂を含む分散相とを含む油中水型エマルションを得る工程と、前記油中水型エマルションから前記水を除去し、樹脂粒子分散体を得る工程と、前記樹脂粒子分散体と顔料とを混合し、顔料を分散する工程とを含む、油性インクジェットインクの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、油性インクジェットインクの製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルから液滴として噴射し、ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、水を主溶媒として含有する水性インク、重合性モノマーを主成分として高い含有量で含有する紫外線硬化型インク(UVインク)、ワックスを主成分として高い含有量で含有するホットメルトインク(固体インク)とともに、非水系溶剤を主溶媒として含有する、いわゆる非水系インクが知られている。非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に有機溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となって乾燥する。
顔料を樹脂で包含して着色樹脂粒子の形態とすることで、インクの性能を向上させることが検討されている。
特許文献1には、油性インクジェットインクにおいて、α値5〜60の化合物が側鎖として付加され、かつ、溶剤に混和性の櫛形ポリウレタン化合物によって表面処理されたカプセル型顔料を用いることが開示されている。特許文献1は、この油性インクジェットインクの製造方法として、メチルエチルケトンのような低沸点の非プロトン性溶剤に溶解した櫛形ポリウレタン化合物を、顔料等と混合し、分散させた後、低沸点溶剤を揮発させる方法を開示している。
特開2011−57812号公報
特許文献1で用いられるインクは、インク製造工程において、揮発性有機溶剤を使用する。このような場合、通常、防爆に対応した設備が必要であり、製造時の安全性に課題がある。
本発明の実施形態は、揮発性有機溶剤を用いる必要がなく、安全性に優れた、油性インクジェットインクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態は、非水系溶剤及び分散剤を含む連続相と、水及び水分散性樹脂を含む分散相とを含む油中水型エマルションを得る工程と、前記油中水型エマルションから前記水を除去し、樹脂粒子分散体を得る工程と、前記樹脂粒子分散体と顔料とを混合し、顔料を分散する工程とを含む、油性インクジェットインクの製造方法に関する。
本発明の実施形態によれば、揮発性有機溶剤を使用する必要がなく、安全性に優れた、油性インクジェットインクの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態が本発明を限定することはない。
以下、油性インクジェットインクを、「インク」又は「油性インク」という場合がある。
本発明の実施形態の油性インクジェットインクの製造方法は、非水系溶剤及び分散剤を含む連続相と、水及び水分散性樹脂を含む分散相とを含む油中水型エマルションを得る工程(以下、「工程1」という場合がある。)と、油中水型エマルションから水を除去し、樹脂粒子分散体を得る工程(以下、「工程2」という場合がある。)と、樹脂粒子分散体と顔料とを混合し、顔料を分散する工程(以下、「工程3」という場合がある。)とを含む。
油性インクジェットインクの製造方法としては、例えば、物理化学的手法を用いた方法として、液中乾燥法(水中乾燥法、油中乾燥法)、コアセルベーション法、融解分散冷却法などが挙げられる。
例えば、コアセルベーション法を用いた油性インクジェットインクの製造方法は、製造工程において、揮発性の有機溶剤を使用するため、防爆に対応した設備が必要であり、製造時の安全性の配慮が必要となる。
本実施形態のインクの製造方法は、油中水型エマルションの油中乾燥法を用いたものである。この方法は、揮発性の有機溶剤を使用する必要がなく、安全性に優れている。
また、工程3では、工程2で得られた樹脂粒子分散体と、顔料とを混合するが、例えば、一度に製造した樹脂粒子分散体を用いて、異なる顔料等を用いた複数種のインクを製造することもでき、これにより生産効率を向上させることもできる。
非水系溶剤及び分散剤を含む連続相と、水及び水分散性樹脂を含む分散相とを含む油中水型エマルションを得る工程(「工程1」)について説明する。
分散相は、水分散性樹脂を含むことができる。
水分散性樹脂は、自己乳化型樹脂のように、樹脂が親水性の官能基を有するものでもよいし、樹脂粒子表面が親水性の樹脂粒子分散剤を付着させる等の表面処理されたものでもよい。
水分散性樹脂としては、酸性水分散性樹脂、塩基性水分散性樹脂、非イオン性水分散性樹脂のいずれも用いることができる。インクを用いて得られた印刷物の耐擦過性の向上の観点から、酸性水分散性樹脂が好ましい。非イオン性水分散性樹脂を用いる場合には、例えば、分散相が後述する水溶性有機酸を含むことが好ましい。
酸性水分散性樹脂は、水中で、粒子表面がマイナスに帯電し、負電荷を帯びた樹脂粒子を形成することができ、水に溶解することなく粒子状に分散して水中油(O/W)型エマルションを形成できるものである。酸性水分散性樹脂は、自己乳化型樹脂のように、樹脂が酸性の官能基を有するものでもよいし、樹脂粒子表面が酸性の樹脂粒子分散剤を付着させる等の表面処理されたものでもよい。酸性の官能基は、代表的にはカルボキシ基、スルホ基、リン酸基等である。酸性の分散剤は、陰イオン界面活性剤等である。
水分散性樹脂粒子の表面電荷量は、粒子電荷計で評価することができる。試料を中和するのに必要なアニオン量またはカチオン量を測定することで、表面電荷量を算出することができる。粒子電荷計としては、日本ルフト株式会社製コロイド粒子電荷量計「Model CAS」等を用いることができる。酸性水分散性樹脂粒子の表面電荷量は、−20〜−500μeq/gが好ましく、−20〜−100μeq/gがより好ましい。
塩基性水分散性樹脂は、水中で、粒子表面がプラスに帯電し、正電荷を帯びた樹脂粒子を形成することができ、水に溶解することなく粒子状に分散して水中油(O/W)型エマルションを形成できるものである。塩基性水分散性樹脂は、自己乳化型樹脂のように、樹脂が塩基性の官能基を有するものでもよいし、樹脂粒子表面に塩基性の樹脂粒子分散剤を付着させる等の表面処理がされたものでもよい。塩基性の官能基としては、代表的には第1級、第2級又は第3級アミノ基、ピリジン基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、ピラゾール基、又はベンゾピラゾール基等が挙げられる。塩基性の樹脂粒子分散剤としては、1級、2級、3級又は4級アミノ基含有アクリルポリマー、ポリエチレンイミン、カチオン性ポリビニルアルコール樹脂、カチオン性水溶性多分岐ポリエステルアミド樹脂等が挙げられる。
塩基性水分散性樹脂粒子の表面電荷量は、20〜500μeq/gが好ましく、20〜100μeq/gがより好ましい。
非イオン性水分散性樹脂は、自己乳化型樹脂のように、樹脂が非イオン性の官能基を有するものでもよいし、樹脂粒子表面が非イオン性の樹脂粒子分散剤を付着させる等の表面処理されたものでもよい。非イオン性の官能基としては、代表的にはポリオキシアルキレングリコール基、ヒドロキシル基等が挙げられる。非イオン性の樹脂粒子分散剤としては、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性水分散性樹脂は、樹脂粒子表面がほとんど帯電していない樹脂粒子であることが好ましい。非イオン性水分散性樹脂粒子の表面電荷量は、−20〜20μeq/gが好ましく、−20μeq/g超20μeq/g未満がより好ましく、−10〜10μeq/gがより一層好ましい。
油性インクジェットインクの製造において、水分散性樹脂は、水などの液体に予め分散された分散体(水中油(O/W)型の樹脂エマルション)の形態としたものを用いることが好ましい。
水分散体を用いた場合、水分散体に含まれる水は、工程2で除去することができる。
水分散性樹脂は、特に限定されないが、例えば、水分散性ウレタン樹脂、水分散性ポリエステル樹脂、水分散性(メタ)アクリル樹脂、水分散性ウレタン(メタ)アクリル樹脂、水分散性(メタ)アクリルシリコーン樹脂、水分散性塩化ビニル樹脂、水分散性スチレン(メタ)アクリル樹脂などが挙げられる。
これらの水分散性樹脂としては、酸性水分散性樹脂が好ましく、このような酸性水分散性樹脂としては、上記の通り、樹脂が酸性基を有するものでもよく、水中油(O/W)型樹脂エマルション中で粒子状に分散している樹脂が酸性の分散剤等で表面処理されたものでもよい。
水分散性樹脂としては、耐擦過性の向上の観点から、水分散性ウレタン樹脂、水分散性(メタ)アクリル樹脂が好ましく、水分散性ウレタン樹脂がより好ましい。
ウレタン樹脂は、ウレタン基を有する。一般にウレタン樹脂のウレタン基は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応により得ることができるが、水分散性ウレタン樹脂は、貯蔵安定性の観点から、ポリイソシアネートとして脂肪族ポリイソシアネートを用いたものが好ましい。
水分散性ウレタン樹脂としては、耐擦過性の向上の観点から、ウレタン基のほかに、ウレア基をさらに有する水分散性ウレタンウレア樹脂も好ましい。ウレタンウレア樹脂は、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを含む材料により得られたウレタンプレポリマーを、水及び/又はポリアミン化合物と反応させることにより、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基と水及び/又はポリアミン化合物が反応することでウレア基を生成させて鎖延長することで得ることができる。
水分散性ウレタン樹脂の例には、水分散性ウレタン(メタ)アクリル樹脂も含まれるが、これは、水分散性(メタ)アクリル樹脂の例にも含まれる。
(メタ)アクリルは、メタクリル、アクリル、またはこれらの組み合わせを含むことを意味し、(メタ)アクリル樹脂は、メタクリル単位を含む樹脂、アクリル単位を含む樹脂、またはこれらの単位をともに含む樹脂を意味する。
水分散性樹脂は、インクを用いて得られた印刷物の裏抜け低減、及び画像濃度の向上の観点から、インクの非水系溶剤への溶解性が、23℃においてインクの非水系溶剤100gに対して溶解できる水分散性樹脂の量として、1g以下であることが好ましい。さらに、非水系溶剤中に水分散性樹脂が溶けにくいことで、インクの低粘度化にも寄与し得る。
水分散性樹脂の重量平均分子量は、樹脂の種類によっても異なるが、例えば、5,000〜200,000が好ましく、10,000〜150,000がより好ましい。例えば、水分散性ウレタン樹脂の重量平均分子量は、5,000〜50,000が好ましく、10,000〜30,000がより好ましい。水分散性(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、10,000〜200,000が好ましく、30,000〜150,000がより好ましい。
水分散性樹脂の重量平均分子量は、GPC法で標準ポリスチレン換算により求めた値である。以下で述べる樹脂等における重量平均分子量についても同様である。
酸性水分散性ウレタン樹脂の水分散体の市販品としては、例えば、三井化学株式会社製「タケラックWS−5984」(商品名)、「タケラックWS−4022」(商品名)、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス740」(商品名)、「スーパーフレックス150H」(商品名)、三洋化成工業株式会社製「ユーコートUWS−145」(商品名)、ダイセル・オルネクス株式会社製「DAOTAN TW−6493」(商品名)、「DAOTAN TW−6490」(商品名)等が挙げられる。
酸性水分散性ウレタン(メタ)アクリル樹脂の水分散体の市販品としては、例えば、ダイセル・オルネクス株式会社製「DAOTAN VTW−1262」(商品名)等が挙げられる。
塩基性水分散性ウレタン樹脂の水分散体の市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス620」(商品名)等が挙げられる。
非イオン性水分散性ウレタン樹脂の水分散体の市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス500M」(商品名)、三井化学株式会社製「タケラックW−635」(商品名)等が挙げられる。
「タケラックWS−5984」、「タケラックWS−4022」、「スーパーフレックス740」、「スーパーフレックス150H」、「スーパーフレックス620」、「スーパーフレックス500M」、「ユーコートUWS−145」、「DAOTAN TW−6493」、「DAOTAN TW−6490」、「DAOTAN VTW−1262」等のウレタン樹脂は、ウレア基を有するウレタンウレア樹脂である。
酸性水分散性(メタ)アクリル樹脂の水分散体の市販品としては、例えば、ジャパンコーティングレジン株式会社製「モビニール6750」(商品名)、「モビニール6969D」(商品名)等が挙げられる。
水分散性樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水分散性樹脂の量は、適宜調整できる。水分散性樹脂の量(固形分量)は、耐擦過性向上の観点から、インク全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、6質量%以上がさらに好ましい。一方、水分散性樹脂の量(固形分量)は、インク全量に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。水分散性樹脂の量(固形分量)は、例えば、インク全量に対して、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましく、2〜20質量%がさらに好ましく、4〜20質量%がさらに好ましく、6〜15質量%がさらに好ましい。
油中水型エマルションにおいて、水分散性樹脂の量(固形分量)は、分散相全量に対して、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。一方、水分散性樹脂の量(固形分量)は、分散相全量に対して、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。水分散性樹脂の量(固形分量)は、例えば、分散相全量に対して、1〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
水分散性樹脂の量(固形分量)は、油中水型エマルション全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。一方、水分散性樹脂の量(固形分量)は、油中水型エマルション全量に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。水分散性樹脂の量(固形分量)は、例えば、油中水型エマルション全量に対して、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。
水分散性樹脂の量(固形分量)は、工程2で得られる樹脂粒子分散体全量に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、14質量%以上がさらに好ましい。水分散性樹脂の量(固形分量)は、工程2で得られる樹脂粒子分散体全量に対して、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。水分散性樹脂の量(固形分量)は、工程2で得られる樹脂粒子分散体全量に対して、5〜40質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、14〜30質量%がさらに好ましい。
水としては、水道水、イオン交換水、脱イオン水等を使用することができる。
油中水型エマルションにおいて、水の量は、分散相全量に対して、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。一方、水の量は、分散相全量に対して、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。水の量は、例えば、分散相全量に対して、40〜99質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、60〜80質量%がさらに好ましい。
水の量は、油中水型エマルション全量に対して、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。一方、水の量は、油中水型エマルション全量に対して、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。水の量は、例えば、油中水型エマルション全量に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。
油中水型エマルションにおいて、水の量は、工程1での油中水型エマルションの安定性を保つ観点から、分散相の水分散性樹脂の量(固形分量)が、水の量に対して、20質量%以上となる量であることが好ましく、30質量%以上となる量であることがより好ましく、35質量%以上となる量であることがさらに好ましく、40質量%以上となる量であることがさらに好ましい。一方、水の量は、分散相の水分散性樹脂の量(固形分量)が、水の量に対して、80質量%以下となる量であることが好ましく、75質量%以下となる量であることがより好ましい。油中水型エマルションにおいて、水の量は、例えば、分散相の水分散性樹脂の量(固形分量)が、水の量に対して、20〜80質量%となる量であることが好ましく、30〜80質量%となる量であることよりが好ましく、35〜80質量%となる量であることさらに好ましく、40〜75質量%となる量であることがさらに好ましい。
分散相は、他の成分を含んでよい。
他の成分としては、例えば、水溶性有機酸等が挙げられる。
例えば、分散相が、水分散性樹脂として非イオン性水分散性樹脂を含む場合、油中水型エマルション中での非イオン性水分散性樹脂と連続相の分散剤との結合の促進の観点、及び、それによる耐擦過性及び画像濃度の向上の観点から、分散相は水溶性有機酸を含むことが好ましい。
水溶性有機酸は、23℃において、水に対する水溶性有機酸の溶解度が1g/100mL以上であることが好ましく、5g/100mL以上であることがより好ましい。
水溶性有機酸の分子量は、500以下が好ましく、300以下がより好ましく、250以下がさらに好ましい。
水溶性有機酸は、後述する工程2で除去されにくい観点から、150℃未満で沸騰も分解もしない化合物が好ましく、180℃未満で沸騰も分解もしない化合物がより好ましく、200℃未満で沸騰も分解もしない化合物がより好ましい。
水溶性有機酸としては、分子中に1つ以上のカルボキシ基を有する酸が好ましい。
水溶性有機酸の例としては、酪酸、グリコール酸、乳酸、フランカルボン酸、ピコリン酸、ニコチン酸、チオフェンカルボン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸などのジカルボン酸;クエン酸などのトリカルボン酸等が挙げられる。
分散相が水溶性有機酸を含む場合、水溶性有機酸の量は、適宜調整できる。
水溶性有機酸の量は、耐擦過性及び画像濃度の向上の観点から、インク全量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。一方、水溶性有機酸の量は、インク全量に対して、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。水溶性有機酸の量は、例えば、インク全量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。
油中水型エマルションにおいて、水溶性有機酸の量は、分散相全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。一方、水溶性有機酸の量は、分散相全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。水溶性有機酸の量は、例えば、分散相全量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
水溶性有機酸の量は、油中水型エマルション全量に対して、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。水溶性有機酸の量は、油中水型エマルション全量に対して、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。水溶性有機酸の量は、例えば、油中水型エマルション全量に対して、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
水溶性有機酸の量は、工程2で得られる樹脂粒子分散体全量に対して、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。水溶性有機酸の量は、工程2で得られる樹脂粒子分散体全量に対して、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。水溶性有機酸の量は、例えば、工程2で得られる樹脂粒子分散体全量に対して、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
連続相は、分散剤を含むことができる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、イオン性分散剤、非イオン性分散剤、またはその両者を用いてよい。
イオン性分散剤は、塩基性基及び酸性基の少なくとも1種を有する分散剤である。イオン性分散剤としては、塩基性分散剤、及び、酸性分散剤が挙げられる。塩基性分散剤は、塩基性(カチオン性)基を有する分散剤である。塩基性分散剤は、酸性基をさらに有してもよい。酸性分散剤は、塩基性基を有さず酸性(アニオン性)基を有する分散剤である。
分散剤は、インクに含まれる非水系溶剤に溶解することが好ましく、具体的には、1気圧20℃において分散剤とインクに含まれる非水系溶剤とを同容量で混合した場合に、二相に分かれることなく均一に溶解することが好ましい。
分散剤は、耐擦過性向上、画像濃度向上及び裏抜けの低減の観点から、イオン性分散剤が好ましく、塩基性分散剤がより好ましい。
酸性分散剤は、酸性基を有し塩基性基を有さない分散剤である。酸性基としては、カルボキシ基(−COOH)、スルホ基等が挙げられる。酸性分散剤は、酸性基を1種のみ、または2種以上含んでよい。
塩基性分散剤は、塩基性分散剤を非水系溶剤に溶解させるときに、塩基性分散剤の濃度が高くなるほど酸化還元電位(ORP値)が低くなるものであることが好ましい。例えば、塩基性分散剤を溶解可能な溶媒に塩基性分散剤を溶解させる際に、塩基性分散剤を0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、塩基性分散剤を5.0質量%溶解させたときのORP値が低い値を示すものであることが好ましい。
また、塩基性分散剤をドデカンに5.0質量%溶解させたときのORP値は、0mV以下であることが好ましい。
塩基性分散剤は、塩基性基とともに、スルホ基、カルボキシ基等の酸性基を含んでもよい。塩基性分散剤に塩基性基とともに酸性基が含まれる場合は、このORP値が低くなる傾向を示す範囲内であることが好ましい。
塩基性基としては、アミノ基、イミノ基、モルホリノ基、ピリジル基等が挙げられる。例えば、アミノ基の例としては、非置換アミノ基、及び、モノ又はジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基等)等の置換アミノ基が挙げられる。置換アミノ基では、例えば、アルキル基等の置換基が、さらに水酸基、アリール基等の置換基等で置換されていてもよい。塩基性基は、中でもアミノ基、イミノ基、モルホリノ基であることが好ましい。
また、塩基性分散剤の塩基性基としては、例えば、ウレタン結合等を有する窒素含有の官能基を挙げることができる。また、ウレタン結合等の窒素含有の構成単位が塩基性分散剤に導入されていてもよい。
塩基性分散剤は、塩基性基を1種のみ、または2種以上含んでよい。
塩基性分散剤としては、例えば、変性ポリウレタン、塩基性基含有ポリ(メタ)アクリレート、塩基性基含有ポリエステル、ポリエステルアミン、第4級アンモニウム塩、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、脂肪酸アミン塩、ポリエステルポリアミン、ポリエステルポリイミン、ポリアルキロールアミノアマイドとその塩、ポリエーテルポリアミンから選択される塩基性分散剤等を挙げることができる。塩基性分散剤としては、高分子分散剤が好ましく、特に、ポリエステルポリアミン、ポリエステルポリイミン、ポリアルキロールアミノアマイドとその塩、ポリエーテルポリアミン等が好ましい。
塩基性高分子分散剤の重量平均分子量は、5,000以上が好ましく、7,000以上がより好ましい。塩基性高分子分散剤の重量平均分子量は、50,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましい。塩基性高分子分散剤の重量平均分子量は、例えば、5,000〜50,0000が好ましく、7,000〜30,000がより好ましい。
塩基性高分子分散剤としては、例えば、主鎖の末端に塩基性基を有する直鎖状または分岐状の分散剤、塩基性基を有し、側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤(以下、「櫛形構造を有する塩基性分散剤」又は「塩基性櫛形分散剤」という場合もある。)、及び塩基性(メタ)アクリル樹脂である塩基性分散剤(以下、「塩基性(メタ)アクリル系分散剤」という場合がある。)等も挙げられる。
塩基性高分子分散剤は、例えば、画像濃度の向上及び画像裏抜けの低減の観点から、塩基性基、β−ジカルボニル基及び/又はアルキル基を有することが好ましく、塩基性基、β−ジカルボニル基及びアルキル基を有することがより好ましい。塩基性基、β−ジカルボニル基、及びアルキル基は、例えば、そのうちの2つまたは3つが同じ単位に含まれてもよいが、塩基性基、β−ジカルボニル基、及びアルキル基が互いに異なる単位に含まれることが好ましい。塩基性基、β−ジカルボニル基及び/又はアルキル基を有する塩基性高分子分散剤は、例えば、塩基性基、β−ジカルボニル基及び/又はアルキル基を有する塩基性(メタ)アクリル系ポリマーであってもよい。
分散安定化による貯蔵安定性の向上の観点から、塩基性分散剤は、塩基性基を有し、側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤(塩基性櫛形分散剤)を含むことが好ましい。塩基性櫛形分散剤は、主鎖と複数の側鎖とによって櫛形構造を有する。
塩基性櫛形分散剤は、例えば、ポリエステル部を含む側鎖を有することが好ましい。塩基性櫛形分散剤の側鎖のポリエステル部としては、例えば、ヒドロキシカルボン酸、または、ヒドロキシカルボン酸とヒドロキシ基を含まないカルボン酸との混合物から誘導される構造、カルボニル−C3〜C6−アルキレンオキシ基を単位とする重合体等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸とヒドロキシ基を含まないカルボン酸との混合物から誘導される構造の例として、12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物から誘導されるカルボニル−C17−アルキレンオキシ基等が挙げられる。カルボニル−C3〜C6−アルキレンオキシ基として、例えば、カルボニル−C5−アルキレンオキシ基等が挙げられ、例えば、カルボニル−C5−アルキレンオキシ基を単位とする重合体は、ε−カプロラクトンの開環重合によって得ることができる。
ポリエステル部の重合度はとくに限定されず、例えば、2〜80程度であってよい。塩基性櫛形分散剤は、ポリエステル部を含む側鎖を複数有することが好ましい。
塩基性櫛形分散剤は、塩基性基を、例えば、主鎖骨格中に、ポリアミン骨格等の形態で含んでもよく、及び/又は、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を含んでもよい。
塩基性櫛形分散剤が、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を含むとき、塩基性櫛形分散剤は、塩基性基を1個以上有すればよいが、2個以上有することが好ましい。また、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基の種類は、とくに限定されず、例えば、上述の塩基性基を用いることができるが、なかでもアミノ基、モルホリノ基が好ましく、アミノ基がより好ましい。
塩基性櫛形分散剤として、例えば、ポリアミン骨格を含む主鎖を有し、かつ、側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤(以下、「塩基性櫛形分散剤a」という場合がある。)、及び、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を有し、側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤等が挙げられる。
塩基性櫛形分散剤aにおいて、主鎖のポリアミン骨格としては、例えば、ポリアルキレンイミン骨格が挙げられる。ポリアルキレンイミン骨格のポリアルキレンイミンの例としては、例えばエチレンイミン、プロピレンイミン、ブチレンイミン、ジメチルエチレンイミン、ペンチレンイミン、ヘキシレンイミン、ヘプチレンイミン、オクチレンイミン等の炭素数2〜8のアルキレンイミン、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレンイミンの1種または2種以上を常法により重合して得られるポリマー、ならびにそれらを種々の化合物と反応させて化学的に変性させたポリマー等が挙げられる。
塩基性櫛形分散剤aの例として、主鎖が、ポリアルキレンイミン等のポリアミン骨格を含み、グラフト鎖がポリエステル鎖を含むグラフトポリマーが挙げられる。主鎖である、ポリアミン骨格を含むポリマーの重量平均分子量はとくに限定されないが、60万以下であることが好ましい。
塩基性櫛形分散剤aにおいて、側鎖は、主鎖のポリアミン骨格の窒素原子にアミド結合を介して結合していることが好ましい。
塩基性櫛形分散剤aの製造方法は特に限定されない。例えば、ポリアルキレンイミン骨格等のポリアミン骨格を含む主鎖とポリエステル部を含む側鎖とを含む塩基性櫛形分散剤は、例えば、ポリアルキレンイミン等のポリアミンと遊離のカルボキシ基を有するポリエステルとの反応を含む方法により得ることができる。
塩基性櫛形分散剤aは、ポリアミン骨格を有するが、これ以外の塩基性基をさらに有してもよく、例えば、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を有してもよい。
塩基性分散剤の市販品としては、例えば、
日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース11200」、「ソルスパース13940」、「ソルスパース16000」、「ソルスパース17000」、「ソルスパース18000」、「ソルスパース19000」、「ソルスパース24000」、「ソルスパース32000」、「ソルスパース38500」、「ソルスパース39000」、「ソルスパース71000」、「ソルスパース22000」、「ソルスパース28000」(いずれも商品名);
ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK109」(商品名);
花王株式会社製「アセタミン24」、「アセタミン86」(いずれも商品名);
クローダジャパン株式会社製「HYPERMER KD3」、「HYPERMER KD11」(いずれも商品名);
味の素ファインテクノ株式会社製「アジスパーPB−821」(商品名);
ISP社製「ANTARON V−216」、「ANTARON V−220」(いずれも商品名)等を挙げることができる。
酸性分散剤の市販品の例としては、例えば、日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース21000」等を挙げることができる。
分散剤は1種のみ、または2種以上を組み合わせて用いてよい。例えば、塩基性分散剤を、1種のみ、又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
例えば、画像濃度及び貯蔵安定性の観点から、塩基性櫛形分散剤と塩基性(メタ)アクリル系分散剤を併用することも好ましい。
分散剤の量は、適宜調整できる。分散剤は、インク全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましい。一方、分散剤の量は、インク全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。分散剤の量は、インク全量に対して、例えば、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%が好ましく、1.5〜5質量%がさらに好ましい。
分散剤は、インクに用いる全量を、工程1で得られる油中水型エマルションに含ませても用いてもよいが、一部のみを工程1で得られる油中水型エマルションに含ませ、残りを、例えば、工程3において、顔料と樹脂粒子分散体とを混合する際に顔料及び樹脂粒子分散体等とともに混合してもよい。工程3等において加える分散剤は、工程1の油中水型エマルションに含まれる分散剤と同じであってもよく、異なってもよい。
油中水型エマルションにおいて、分散剤の量は、連続相全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。一方、分散剤の量は、連続相全量に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。分散剤の量は、例えば、連続相全量に対して、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。
油中水型エマルションにおいて、分散剤の量は、油中水型エマルション全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。一方、分散剤の量は、油中水型エマルション全量に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。分散剤の量は、例えば、油中水型エマルション全量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。
非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、単一の相を形成する限り、2種以上を組み合わせて使用することもできる。なお、本実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができる。市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製);モレスコホワイトP−40、モレスコホワイトP−60、モレスコホワイトP−70、モレスコホワイトP−80、モレスコホワイトP−100、モレスコホワイトP−120、モレスコホワイトP−150、モレスコホワイトP−200、モレスコホワイトP−260、モレスコホワイトP−350P(いずれも株式会社MORESCO製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;ラウリルアルコール、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
非水系溶剤の量は、適宜調整できる。非水系溶剤は、インク全量に対して、70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましい。一方、非水系溶剤の量は、インク全量に対して、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。非水系溶剤の量は、インク全量に対して、例えば、70〜99質量%が好ましく、75〜95質量%がより好ましい。
非水系溶剤は、インクに用いる全量を、工程1で得られる油中水型エマルションに含ませても用いてもよいが、一部のみを工程1で得られる油中水型エマルションに含ませ、残りを、例えば、工程3において、顔料と樹脂粒子分散体とを混合する際に顔料及び樹脂粒子分散体等とともに混合してもよい。工程3等において加える非水系溶剤は、工程1の油中水型エマルションに含まれる非水系溶剤と同じであってもよく、異なってもよい。
油中水型エマルションにおいて、非水系溶剤の量は、連続相全量に対して、70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。一方、非水系溶剤の量は、連続相全量に対して、99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、95質量%以下がさらに好ましい。非水系溶剤の量は、例えば、連続相全量に対して、70〜99.9質量%が好ましく、75〜99質量%がより好ましく、80〜95質量%がさらに好ましい。
油中水型エマルションにおいて、非水系溶剤の量は、油中水型エマルション全量に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。非水系溶剤の量は、油中水型エマルション全量に対して、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。非水系溶剤の量は、例えば、油中水型エマルション全量に対して、30〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましい。
工程1において、油中水型エマルションを得る方法は、特に限定されない。
油中水型エマルションは、例えば、分散相の成分と連続相の成分とを混合、乳化させることにより製造することができる。
インクの分散安定性の向上とそれによる耐擦過性向上の観点から、連続相の成分を含む連続相用混合物と分散相の成分を含む分散相用混合物とを、あらかじめ別々に調製することが好ましい。次いで、連続相用混合物に分散相用混合物を添加し、乳化処理することが好ましい。乳化処理は、例えば、超音波ホモジナイザー等の乳化機を用いて行ってもよい。乳化処理は、例えば、連続相用混合物に分散相用混合物を添加しながら行ってもよく、また、例えば、連続相用混合物に分散相用混合物を添加後に行ってもよい。
エマルション粒子径を小さくすること、及びそれによる、得られたインクの分散安定性の向上とそれによる耐擦過性の向上の観点から、例えば、工程1は、水分散性樹脂及び水を含む分散相用混合物を得る工程(以下「工程a−1」という場合もある。)と、分散剤及び非水系溶剤を含む連続相用混合物を得る工程(以下、「工程a−2」という場合もある。)と、分散相用混合物を連続相用混合物に添加し、乳化を行う工程(以下、「工程a−3」という場合もある。)とを含むことが好ましい。工程a−1では、例えば、水分散性樹脂と、水と、必要に応じて、例えば水溶性有機酸等の他の成分とを混合して分散相用混合物を得ることができる。工程a−2では、例えば、分散剤と、非水系溶剤と、必要に応じて他の成分とを混合して連続相用混合物を得ることができる。工程a−3では、工程a−1で得られた分散相用混合物を工程a−2で得られた連続相用混合物に添加し、乳化を行う。工程a−3において、乳化処理は、例えば、連続相用混合物に分散相用混合物を添加しながら行ってもよく、例えば、連続相用混合物に分散相用混合物を添加した後に行ってもよい。乳化処理は、例えば、超音波ホモジナイザー等の乳化機を用いて行ってもよい。
油中水型エマルションは、裏抜け低減、生産効率向上の観点からは、連続相用混合物と分散相用混合物とをあらかじめ別々に用意するのではなく、例えば、連続相の成分と分散相の成分とを一度に混合し、得られた混合物を乳化機等により乳化することが好ましい。
裏抜け低減、生産効率向上の観点からは、工程1は、例えば、水分散性樹脂、水、分散剤、及び非水系溶剤を混合して混合物を得る工程(以下、工程「b−1」という場合もある。)と、得られた混合物を乳化する工程(以下、工程「b−2」という場合もある。)とを含む工程であることが好ましい。分散相及び/又は連続相がその他の成分を含む場合、工程b−1では、水分散性樹脂、水、分散剤、及び非水系溶剤とともにその他の成分を混合してもよい。工程b−2では、乳化処理は、例えば、超音波ホモジナイザー等の乳化機を用いて行ってもよい。
工程1において、油中水型エマルションは、水を除去する前の状態の質量比として、油中水型エマルション全量に対して、分散相20〜50質量%及び連続相80〜50質量%であることが好ましい。
油中水型エマルションから水を除去し、樹脂粒子分散体を得る工程(工程2)について説明する。
工程2において、油中水型エマルションの分散相の水が除去される。これにより、分散相成分から水が除去された樹脂粒子を含む樹脂粒子分散体を得ることができる。
水を除去する方法としては、例えば、減圧、加熱、バブリング、吸湿剤添加またはそれらの組み合わせ等を用いることができる。減圧及び/または加熱の条件としては、水が除去されるが、連続相の非水系溶剤は残るような条件を採用することができる。減圧には、例えばエバポレーターを用いることができる。加熱温度としては、30℃以上が好ましく、40〜100℃がより好ましく、60℃〜90℃がさらに好ましい。例えば、常圧で加熱することも好ましい。バブリングとしては、液体に気体を吹き込みバブリングすることで、蒸発を促進することが好ましい。吸湿剤としては、例えばゼオライト等が挙げられる。
工程2では、分散相の水は除去前の量に対して80質量%以上除去されることが好ましく、90質量%以上除去されることが好ましく、95質量%以上除去されることがさらに好ましく、99質量%以上除去されることがさらに好ましい。
工程2で得られる樹脂粒子分散体において、樹脂粒子の量は、樹脂粒子分散体全量に対する油中水型エマルションの分散相成分の固形分の量として、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
樹脂粒子分散体と顔料とを混合し、顔料を分散する工程(工程3)について説明する。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料、及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。
アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
顔料の平均粒子径としては、吐出安定性と貯蔵安定性の観点から、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下である。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01〜20質量%であり、画像濃度とインク粘度の観点から、1〜15質量%であることが好ましい。
工程3では、樹脂粒子分散体と顔料とを混合するが、必要に応じて、上述のように、樹脂粒子分散体及び顔料とともに、分散剤及び/又は非水系溶剤等を混合してもよい。工程3等において加える塩基性分散剤は、工程1の油中水型エマルションに含まれる塩基性分散剤と同じであってもよく、異なってもよい。工程3等において加える非水系溶剤は、工程1の油中水型エマルションに含まれる非水系溶剤と同じであってもよく、異なってもよい。
工程3で用いる各材料の量はとくに限定されないが、インク中の各成分の量を考慮して適宜決定することができる。
工程3では、顔料の分散は、例えば、樹脂粒子分散体と顔料と、必要に応じて分散剤及び/又は非水系溶剤等とを混合しながら行ってもよく、例えば、樹脂粒子分散体と顔料と、必要に応じて分散剤及び/又は非水系溶剤等とを混合した後に行ってもよい。分散にはビーズミル等を用いることができる。
この油性インクジェットの製造方法は、他の工程をさらに含んでもよい。
樹脂粒子分散体と、顔料と、必要に応じて分散剤及び/又は非水系溶剤等とを混合し、顔料を分散し、必要に応じて他の工程を行うことで、油性インクジェットインクを得ることができる。油性インクジェットインク中では、顔料と樹脂粒子分散体の樹脂粒子とが、着色樹脂粒子を形成していてもよく、このような着色樹脂粒子において、顔料が樹脂に被覆されていてもよい。
上記の製造方法によって製造される油性インクジェットインクについて説明する。
上記各成分に加えて、油性インクには、各種添加剤が含まれていてよい。添加剤としては、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤、染料等を適宜添加することができる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
インク中の水の量は、インク全量に対して1質量%以下が好ましく、1質量%未満がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。
インク全量に対する、油中水型エマルションの分散相成分の固形分の量と顔料の量の合計は、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
インク中の着色樹脂粒子の平均粒子径は、50〜300nmが好ましく、80〜200nmがより好ましい。インク中の着色樹脂粒子の平均粒子径は、動的散乱方式による体積基準の平均粒子径であり、例えば、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒子径分布測定装置「ナノ粒子解析装置nanoPartica SZ−100」等を用いて測定することができる。
油性インクジェットインクの粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが、一層好ましい。
油性インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
本実施形態において、記録媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm〜数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の実施例を通して、特に説明のない限り、共通する成分は同一のものである。特に説明のない限り、「%」は「質量%」を示す。
<インクの材料>
実施例及び比較例のインクの原材料を下記に示す。
カーボンブラック:MOGUL L(キャボットスペシャリティーケミカルズ製)
フタロシアニンブルー:リオノールBGFJ(東洋インキ株式会社製)
酸性ウレタン1: タケラックWS−5984(三井化学株式会社製)(酸性水分散性ウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分40%)
酸性ウレタン2:スーパーフレックス740(第一工業製薬株式会社製)(酸性水分散性ウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分40%)
酸性ウレタン3:タケラックWS−4022(三井化学株式会社製)(酸性水分散性ウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分30%)
酸性ウレタン4:スーパーフレックス150H(第一工業製薬株式会社製)(酸性ウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分38%)
酸性ウレタン5:DAOTAN VTW1262(ダイセル・オルネクス株式会社製)
(酸性ウレタンウレア(メタ)アクリル樹脂の水分散体、有効成分35%)
塩基性ウレタン1:スーパーフレックス620(第一工業製薬株式会社製)(塩基性水分散性ウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分30%)
非イオン性ウレタン1:スーパーフレックス500M(第一工業製薬株式会社製)(非イオン性水分散性ウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分45%)
非イオン性ウレタン2:タケラックW−635(三井化学株式会社製)(非イオン性水分散性ウレタン樹脂の水分散体、有効成分35%)
酸性(メタ)アクリル1:モビニール6969D(日本合成化学工業株式会社製)(酸性水分散性(メタ)アクリル樹脂の水分散体、有効成分40%)
塩基性分散剤1:ソルスパース17000(日本ルーブリゾール株式会社製)(有効成分100%)
塩基性分散剤2:ソルスパース16000(日本ルーブリゾール株式会社製)(有効成分100%)
塩基性櫛形分散剤1:HYPERMER KD11(クローダジャパン株式会社製)(塩基性櫛形分散剤の溶液、有効成分40%、溶媒は高沸点パラフィン油)
酸性分散剤1:ソルスパース21000(日本ルーブリゾール株式会社製)(有効成分100%)
脂肪酸エステル系溶剤1:オレイン酸メチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)
脂肪酸エステル系溶剤2:ミリスチン酸イソプロピル(富士フイルム和光純薬株式会社製)
石油系炭化水素溶剤1:エクソールD110(エクソンモービル社製)
高級アルコール系溶剤1:1−ドデカノール(ラウリルアルコール)(富士フイルム和光純薬株式会社製)
クエン酸:富士フイルム和光純薬株式会社製
コハク酸:富士フイルム和光純薬株式会社製
<インクの製造>
実施例1〜18のインクを下記のように製造した。
1.エマルション1〜21の製造
表1〜4のエマルション1〜14及び16〜21に示す配合量で、非水系溶剤及び分散剤を混合した連続相用混合物、及び、表1〜3のエマルション1〜14及び16〜18に示す配合量で水分散性樹脂の水分散体及び水を混合した分散相用混合物、及び表4に記載のエマルション19〜21に示す配合量で水分散性樹脂の水分散体、水及び有機酸を混合した分散相用混合物をそれぞれ調製した。このようにして調製した連続相用混合物に、調製した分散相用混合物を滴下しながら、氷冷下、超音波ホモジナイザー「Ultrasonic processor VC−750」(ソニックス社製)を10分間照射し、油中水(W/O)型エマルションである、エマルション1〜14及び16〜21を得た。
表3のエマルション15に示す配合量で、非水系溶剤、分散剤、水分散性樹脂の水分散体及び水を混合し、氷冷下、超音波ホモジナイザー「Ultrasonic processor VC−750」(ソニックス社製)を10分間照射し、油中水(W/O)型エマルションである、エマルション15を得た。
2.樹脂粒子分散体1〜21の製造
上記のようにして得られたエマルション1〜21のそれぞれを、ロータリーエバポレーター「RE601」(ヤマト科学株式会社製)を用い、80℃の水浴で、真空度100hPaで減圧し、エマルション100gあたり1時間処理し、エマルション中の水と、水分散性樹脂の水分散体中に含まれていた揮発分を除去して、樹脂粒子分散体1〜21を得た。水の除去率は、ほぼ100質量%であった。
得られた樹脂粒子分散体1〜21の組成を表5〜8に示す。
3. インクの製造
次いで、表9〜12に示す配合量で、樹脂粒子分散体1〜21のそれぞれを、顔料及び非水系溶剤と混合し、ビーズミル「ダイノーミル Multi LAB」(株式会社シンマルエンタープライゼス製)にて分散し、実施例1〜21のインクを得た。
得られたインクの組成を表13〜16に示す。
表1〜16に記載の各材料の配合量は質量部で表す。表1〜16中の各材料の配合量は、揮発分が含まれる成分については、揮発分を含めた量である。
表13〜16において、「油中水型エマルション製造方法」の「X」は、油中水型エマルションの製造において、連続相用混合物と分散相用混合物とをあらかじめ別箇に用意したことを示し、「Y」は、油中水型エマルションの製造において、連続相用混合物と分散相用混合物とをあらかじめ別箇に用意するのではなく、非水系溶剤、分散剤、水分散性樹脂の水分散体及び水を混合したことを示す。
<評価方法>
得られたインクを用いて、以下の評価方法に従って評価を行った。結果を表13〜16に示す。
(1)耐擦過性
インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)を用いて、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)にベタ画像を印刷した。印刷から24時間後に、印刷物のベタ画像を含む表面のベタ画像部を含む領域を、クロックメーター(アトラスエレクトリック デバイス社製CM−1)を用い白綿布で5秒間に5回擦って、画像周辺の汚染を以下の基準で評価した。
(耐擦過性 評価基準)
AA:画像周辺の汚染がほとんど見られない。
A:画像周辺の汚染がわずかに見られる。
B:画像周辺の汚染が見られる。
(2)画像濃度及び画像裏抜け
インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)を用いて、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)にベタ画像を印刷した。印刷から24時間経過後に、分光濃度・測色計(eXact、X−rite社製)を用いて、印刷物表面のOD値(表OD値)、及び印刷物裏面のOD値(裏OD値)を測定した。表OD値から画像濃度を以下の基準で評価した。裏OD値から画像裏抜けを以下の基準で評価した。
(画像濃度 評価基準)
AA:表OD値が1.20以上
A:表OD値が1.10以上1.20未満
B:表OD値が1.10未満
(画像裏抜け 評価基準)
AA:裏OD値が0.25未満
A:裏OD値が0.25以上0.35未満
B:裏OD値が0.35以上
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各実施例では、揮発性有機溶剤を使用する必要なく油性インクジェットインクを製造することができた。

Claims (7)

  1. 非水系溶剤及び分散剤を含む連続相と、水及び水分散性樹脂を含む分散相とを含む油中水型エマルションを得る工程と、
    前記油中水型エマルションから前記水を除去し、樹脂粒子分散体を得る工程と、
    前記樹脂粒子分散体と顔料とを混合し、顔料を分散する工程とを含む、油性インクジェットインクの製造方法。
  2. 前記油中水型エマルションを得る工程は、
    前記水分散性樹脂及び前記水を含む分散相用混合物を得る工程と、
    前記分散剤及び前記非水系溶剤を含む連続相用混合物を得る工程と、
    前記分散相用混合物を前記連続相用混合物に添加し、乳化を行う工程とを含む、請求項1に記載の油性インクジェットインクの製造方法。
  3. 前記油中水型エマルションを得る工程は、
    前記水分散性樹脂、前記水、前記分散剤、及び前記非水系溶剤を混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物を乳化する工程とを含む、請求項1に記載の油性インクジェットインクの製造方法。
  4. 前記水分散性樹脂は、酸性水分散性樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の油性インクジェットインクの製造方法。
  5. 前記分散相は、水溶性有機酸をさらに含み、前記水分散性樹脂は、非イオン性水分散性樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の油性インクジェットインクの製造方法。
  6. 前記分散剤は、イオン性分散剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の油性インクジェットインクの製造方法。
  7. 前記イオン性分散剤は、塩基性分散剤を含む、請求項6項に記載の油性インクジェットインクの製造方法。
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