JP2020121581A - 乗物用照明装置 - Google Patents

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Aiko Tsutsumi
愛子 堤
雅史 横井
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雅史 横井
宏泰 田原
Hiroyasu Tawara
宏泰 田原
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Abstract

【課題】導光部材の導光性能が低下してしまう事態を抑制しつつ、所望の照明効果を得ることが可能な乗物用照明装置を提供する。【解決手段】光源21と、光源21からの光を内部で導光する導光部材30であって、導光部材30の内部の光を導光部材30の外部に出射させる光出射面32を有する導光部材30と、光出射面32と当接すると共に光出射面32からの光が入射される光入射面51を有する光透過部材50であって、光入射面51から光透過部材50の内部に入射された光を光透過部材50の外部に出射させる光出射面52と、を有する光透過部材50と、を備え、光出射面52は、光を屈折させる屈折部55を備え、導光部材30の屈折率は、光透過部材50の屈折率よりも高い。【選択図】図4

Description

本明細書で開示される技術は、乗物用照明装置に関する。
従来、乗物用照明装置として、光源から出射された光を導光部材(導光体)によって導光する構成のものが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、導光部材の光出射面と反対側の面に凹部が形成されており、導光部材内を導光する光の一部は、凹部によって進行方向が変えられることで光出射面から出射される構成となっている。
特開2015−216005号公報
ところで、近年、乗物用照明装置を用いて様々な照明効果を演出することが求められている。所望の照明効果を得るためには、乗物用照明装置から出射される光の態様を制御することが必要となる。これを実現するために、例えば、導光部材の光出射面が、光を屈折させる屈折部を備える構成とすることが考えられる。屈折部の配置態様や形状を適宜設定することで導光部材の光出射面から出射される出射光を所望の方向に出射させることができ、所望の態様で光を出射させることできる。しかしながら、導光部材の光出射面が屈折部を備える構成とした場合、屈折部においては、臨界角を超えない光が生じ、そのような光は全反射されず、導光部材の外部に出てしまう。つまり、導光部材が屈折部を備える構成では、導光部材の導光性能が低下してしまう事態が懸念される。
本明細書で開示される技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、導光部材の導光性能が低下してしまう事態を抑制しつつ、所望の照明効果を得ることが可能な乗物用照明装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本明細書で開示される乗物用照明装置は、光源と、前記光源からの光を内部で導光する導光部材であって、前記導光部材の内部の光を前記導光部材の外部に出射させる第1光出射面を有する導光部材と、前記第1光出射面と当接すると共に前記第1光出射面からの光が入射される光入射面を有する光透過部材であって、前記光入射面から前記光透過部材の内部に入射された光を前記光透過部材の外部に出射させる第2光出射面と、を有する光透過部材と、を備え、前記第2光出射面は、光を屈折させる屈折部を備え、前記導光部材の屈折率は、前記光透過部材の屈折率よりも高いものであることに特徴を有する。
上記構成によれば、光源からの光は、導光部材によって導光された後、光透過部材に向かい、光透過部材の第2光出射面から外部に出射する。第2光出射面は、屈折部を備えているため、第2光出射面から出射する光を所定の方向に向けることができ、所望の照明効果を得ることができる。また、上記構成では、導光部材の屈折率が、光透過部材の屈折率よりも高いものとされる。この場合、導光部材と光透過部材の境界面(第1光出射面と光入射面との当接箇所)において臨界角を超える光は全反射して、導光部材の内部で導光される。仮に、光透過部材を備える代わりに導光部材の光出射面が屈折部を備える構成とした場合には、屈折部がある部分では、導光部材の表面の角度が他の箇所と異なるものとなる。その結果、屈折部と空気との界面において臨界角を超えない光が生じてしまい、そのような光は全反射されず、導光部材の外部に出てしまう。つまり、導光部材が屈折部を備える構成では、屈折部の影響によって導光部材の導光性能が低下する事態が懸念される。上記構成では、光を導光するための部材(導光部材)と、屈折部を備える部材(光透過部材)とを別部材で構成することで、導光部材の導光性能が低下する事態を抑制することができる。
また、前記導光部材と前記光透過部材とは、二色成形によって一体的に形成されているものとすることができる。仮に導光部材と光透過部材とをそれぞれ個別に成形した後、互いに組み付ける構成とした場合、組み付け時の誤差により、導光部材と光透過部材との位置関係に誤差が生じる結果、第2光出射面からの出射光が所望の態様にならず、意匠性が低下する事態が懸念される。導光部材と光透過部材とを二色成形によって一体的に形成することで、組み付け時の誤差を無くすことができ、導光部材と光透過部材との位置関係に誤差が生じる事態を抑制できる。
また、前記第2光出射面が、前記第2光出射面からの出射光の態様が互いに異なる第1領域及び第2領域を有しているものとすることができる。第1領域からの出射光の態様と、第2領域からの出射光の態様とを互いに異なるものとすれば、1つの乗物用照明装置から態様が異なる2種類の出射光を出射させることができる。
本発明によれば、導光部材の導光性能が低下してしまう事態を抑制しつつ、所望の照明効果を得ることが可能な乗物用照明装置を提供することができる。
一実施形態に係るドアトリムを示す正面図 照明装置を示す正面図 導光部材及び光透過部材を示す斜視図 図2において導光部材及び光透過部材の一部を拡大して示す拡大図 第1射出成形工程を示す断面図 入れ替え工程を示す断面図 第2射出成形工程を示す断面図 比較例を示す図
本発明の一実施形態を図1から図8によって説明する。本実施形態では、乗物用照明装置として、ドアトリム10に設けられた車両用の照明装置20を例示する。図1は、照明装置20(乗物用照明装置)が設けられた車両用のドアトリム10(乗物用内装材)を示す正面図である。ドアトリム10は、図示しないインナパネルの車室内側に取り付けられる車両用内装材であって、インナパネルと共に車両用ドアを構成するものである。
ドアトリム10は、図1に示すように、板状のトリムボード11を備える。トリムボード11は、下部を構成するロアボード12と、中央部を構成するミドルボード13と、上部を構成するアッパーボード14と、を備える。なお、トリムボード11を構成するボードの枚数は3枚に限定されず、適宜変更可能である。例えば、トリムボード11が2枚のボードから構成されていてもよい。
ロアボード12、ミドルボード13、アッパーボード14は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂材料、あるいは、合成樹脂材料に天然繊維(ケナフなど)を混合した材料等によって形成されている。ミドルボード13には、アームレスト15が車室内側に張り出し状に設けられている。ミドルボード13の上端部には、車室内側に開口されたインサイドハンドル収容部16が設けられており、インサイドハンドル収容部16の内部には、車両用ドアの開閉操作を行うためのインサイドハンドル17が収容されている。
照明装置20は、図1の破線で示すように、例えば、アッパーボード14の裏側に設けられている。照明装置20は、図2に示すように、光源21(例えばLED等)と、導光部材30と、光透過部材50と、を備える。導光部材30は、図2及び図3に示すように、車両前後方向(図2では左右方向)に長い直方体形状をなしている。導光部材30は、屈折率が空気よりも十分に高く且つほぼ透明な(透光性に優れた)合成樹脂材料からなる。本実施形態では、導光部材30が、ポリカーボネートによって構成されているものを例示するが、材質はこれに限定されない。
光透過部材50は、図2及び図3に示すように、車両前後方向(図2では左右方向)に長い直方体形状をなしている。光透過部材50は、屈折率が空気よりも十分に高く且つほぼ透明な(透光性に優れた)合成樹脂材料からなる。本実施形態では、光透過部材50が、PMMA等のアクリル樹脂によって構成されているものを例示するが、材質はこれに限定されない。
なお、ポリカーボネートの屈折率は、1.59であり、アクリル樹脂の屈折率は、1.49である。つまり、本実施形態では、導光部材30の屈折率が、光透過部材50の屈折率よりも高いものとされる。なお、図2に示すように、導光部材30の車両前後方向の長さは、光透過部材50の車両前後方向の長さよりもわずかに長いものとされ、導光部材30における光源21側の端面(光入射面31)は、光透過部材50における光源21側の端面50Aよりも光源21に近い位置に配されている。
導光部材30における車両前後方向の一端面(本実施形態では車両後側の端面)は、光源21の光出射面21Aと対向配置された光入射面31となっている。また、導光部材30は、光透過部材50側を向く光出射面32(第1光出射面)を有する。光入射面31に入射した光源21からの光は、導光部材30と、その外部(空気又は光透過部材50)との境界面において全反射されることによって導光部材30の内部で導光される。なお、導光部材30内で導光される光の一例を線L3で示す。
また、導光部材30において光出射面32と反対側の面36には、導光部材30の長手方向に沿って並ぶ複数の突起部33が形成されている。突起部33は、正面視(図2参照)において三角形状をなすプリズムである。つまり、突起部33は、光源21から遠ざかる(図2の右側に向かう)につれて光出射面32から遠ざかる形(図2の上側に向かう形)で傾斜する傾斜面34と、光源21から遠ざかるにつれて光出射面32に向かう形(図2の下側に向かう形)で傾斜する傾斜面35と、を有する。
導光部材30内部で導光される光のうち、傾斜面35(より詳しくは突起部33において傾斜面35を構成する部分と空気との境界)で光出射面32側に反射された光は、導光部材30と光透過部材50の境界面(光出射面32と光入射面51との境界)に対する入射角が臨界角を超えない光となって光出射面32から導光部材30の外部(より詳しくは光透過部材50の内部)に出射される。つまり、傾斜面35は、導光部材30の内部の光を、光出射面32と光入射面51との境界に対して臨界角よりも小さい入射角で入射させるように反射させる光反射面を構成するものとされる。言い換えると、導光部材30においては、光出射面32のうち突起部33(より詳しくは傾斜面35)に対応する箇所から光が出射される構成となっている。このように、導光部材30は、光源21からの光を導光部材30の内部で導光し、導光部材30の内部の光を光出射面32から導光部材30の外部(光透過部材50)に出射させる構成となっている。なお、突起部33の形状や配置態様は、図2から図4で図示したものに限定されず、適宜変更可能である。つまり、傾斜面35の大きさや角度は、図4で図示したものに限定されず、適宜変更可能である。突起部33の形状や配置態様を適宜設定することで、光出射面32から光透過部材50に向かう光の分布を適宜設定することができる。
光透過部材50は、光出射面32と当接すると共に光出射面32からの光が入射される光入射面51(光透過部材50が有する光入射面)と、光入射面51から光透過部材50の内部に入射された光を光透過部材50の外部に出射させる光出射面52(第2光出射面)と、を有する。本実施形態では、光透過部材50における上面が光入射面51であり、光透過部材50における下面が光出射面52であるものを例示している。つまり、光出射面52は、光入射面51とは反対側の面である。光入射面51は平面であり、平面である光出射面32とほぼ全面に亘って当接する構成となっている。また、光出射面52は、光を屈折させる複数の屈折部55,56を備える。屈折部55は、下方(光出射側)に膨出する曲面とされ、屈折部56も、下方(光出射側)に膨出する曲面とされる。屈折部55,56は、導光部材30から光透過部材50に入射した光を屈折させることで、光出射面52からの出射光を所定の方向に向ける機能を担っている。
光出射面52は、光出射面52からの出射光の態様が互いに異なる2つの領域(第1領域A1及び第2領域A2)を有している。第1領域A1は、光透過部材50の長手方向において光源21に近い側の領域である。第1領域A1においては、複数の屈折部55が光透過部材50の長手方向において、間隔を空けて(間欠的に)並ぶ形で配されている。また、第1領域A1においては、図4に示すように、1つの傾斜面35から光透過部材50に向かう光L1が1つの屈折部55によって集光される構成となっている。このため、第1領域A1から出射される光については、屈折部55に対応する箇所では、屈折部55のない箇所に比べてより明るい光が出射される。このため、第1領域A1から出射される光は、車両前後方向に沿って明暗が交互に並ぶ縞模様となる。
第2領域A2は、光透過部材50の長手方向において光源21から遠い側の領域である。第2領域A2においては、複数の屈折部56が光透過部材50の長手方向において、連続的に並ぶ形で配されている。また、第2領域A2においては、図4に示すように、1つの傾斜面35からの光L2が隣り合う2つの屈折部56(一対の屈折部56,56)によって拡散される構成となっている。このため、第2領域A2から出射される光は、第1領域A1から出射される光と比べて、車両前後方向についてより均一な光となる。
なお、屈折部55,56の形状や配置態様は、図2から図4で示すものに限定されず、適宜変更可能である。屈折部55,56の形状や配置態様を適宜設定することで、光出射面52から出射される光の向き(ひいては光の態様)を適宜設定することができる。このように本実施形態では、光透過部材50において第1領域A1に対応する箇所は、集光レンズの機能を有しており、光透過部材50において第2領域A2に対応する箇所は、拡散レンズの機能を有している。
なお、図1に示すように、アッパーボード14の車室外側にある光出射面32からの出射光L1,L2は、例えば、アッパーボード14とミドルボード13との間のわずかな隙間を通じて車室内側に出射される。そして、第1領域A1からの出射光L1は、ミドルボード13の上端部においてインサイドハンドル収容部16と隣接する箇所B1を主に照らすものとなっている。これに対して、第2領域A2からの出射光L2は、インサイドハンドル収容部16の内部B2を主に照らすものとなっている。つまり、車両前後方向において、第1領域A1と第2領域A2の境界は、箇所B1とインサイドハンドル収容部16との境界と一致する形で配されており、箇所B1とインサイドハンドル収容部16とをそれぞれ異なる態様の光で照らすことができる。
また、本実施形態では、導光部材30と光透過部材50とが、二色成形によって一体的に形成されている。なお、以下の説明では、導光部材30と光透過部材50とが一体化された部材を一体部材60と呼ぶ。次に一体部材60の製造方法について説明する。図5に一体部材60を製造するための成形装置70を示す。成形装置70は、成形型71,72,81,82を備える。成形型72の上面には、導光部材30の形状に倣う凹部72Aが形成されている。成形型81の下面には、光透過部材50の形状に倣う凹部81Aが形成されている。成形型82の上面には、導光部材30の形状に倣う凹部82Aが形成されている。成形型71及び成形型81は、左右方向において隣り合う形で配され、成形型72及び成形型82は、左右方向において隣り合う形で配されている。また、成形型71,81は、成形型72,82に対して上方に配されている。
成形型71及び成形型81は、プレート91に固定されており、成形型72及び成形型82は、プレート92に固定されている。成形型71,81は、成形型72,82に対して接近及び離間が可能となっている。そして、左右方向について隣り合う成形型72と成形型82とは、垂直方向に延びる回動軸R1を中心として回動可能な構成となっている。回動軸R1は、成形型72と成形型82との中間位置に配されており、回動軸R1を中心として、成形型72及び成形型82を回動させると、成形型72と成形型82との位置を入れ替えることが可能となっている。また、図示しないが、成形装置70は、凹部72A、凹部81A、凹部82Aに対して個別に溶融樹脂を射出可能な射出装置を備える。
次に、本実施形態の一体部材60の製造方法について説明する。一体部材60の製造方法は、導光部材30を成形する第1射出成形工程と、成形型72と成形型82との左右方向の位置を入れ替える入れ替え工程と、入れ替え工程の後に実行され、光透過部材50を成形する第2射出成形工程と、を備える。
(第1射出成形工程)
第1射出成形工程では、図5に示すように、成形型71と成形型72を型閉じした状態で、凹部72Aに導光部材30の材料となる溶融樹脂(ポリカーボネート)を射出する。凹部72Aに充填された溶融樹脂が固化することで、導光部材30が成形される。なお、第1射出成形工程では、成形型81と成形型82とが対向配置されている。
(入れ替え工程)
第1射出成形工程の後に実行される入れ替え工程では、図5に示す状態から、成形型71と成形型72とを型開きした後、回動軸R1を中心として成形型72と成形型82を回動させることで、成形型72と成形型82との左右方向の位置を入れ替える。この結果、図6に示すように、成形型81と成形型72とが対向配置されると共に、成形型71と成形型82とが対向配置された状態となる。
(第2射出成形工程)
入れ替え工程の後に実行される第2射出成形工程では、図7に示すように、成形型81と成形型72とを型閉じした状態で、凹部81Aに光透過部材50の材料となる溶融樹脂(アクリル樹脂)を射出する。この時、凹部81Aの開口は、導光部材30によって塞がれている。その後、凹部81Aに充填された溶融樹脂が固化することで、光透過部材50が成形される。これにより、導光部材30と光透過部材50とが一体的に形成された一体部材60が完成する。
なお、一体部材60を二色成形で製造する際には、導光部材30及び光透過部材50のうち、融点がより高い方を先に成形する。導光部材30を構成するポリカーボネートの融点は、光透過部材50を構成するアクリル樹脂の融点よりも高いため、本実施形態では、導光部材30を成形した後、光透過部材50を成形することとしている。仮に、融点が低い光透過部材50を成形した後、導光部材30を成形すると、光透過部材50が導光部材30となる溶融樹脂によって溶ける事態が懸念されるが、本実施形態ではこのような事態を抑制できる。なお、導光部材30と光透過部材50とを成形する順番は、両部材の材質(融点)によって適宜変更可能である。
なお、第2射出成形工程では、成形型71と成形型82も型閉じされている。このため、図7に示すように、第2射出成形工程と同時に、凹部82Aに溶融樹脂(例えばポリカーボネート)を射出することで導光部材30を成形することが可能となっている。このため、凹部72A及び凹部81Aから一体部材60を取り外した後、凹部82Aに導光部材30がある状態で成形型72と成形型82の左右を入れ替え、凹部82Aと凹部81Aを対向配置させることで、凹部82Aの導光部材30に対して、光透過部材50を一体的に成形することが可能である。つまり、第2射出成形工程の後、一体部材60を連続的に製造する際には、凹部81Aで光透過部材50を成形するのと同時に、凹部82A(又は凹部72A)で導光部材30を成形することが可能となるため、製造に係る時間をより短くすることができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、光源21からの光は、導光部材30によって導光された後、光透過部材50に向かい、光透過部材50の光出射面52から外部に出射する。光出射面52は、屈折部55,56を備えているため、光出射面52から出射する光を所定の方向に向けることができ、所望の照明効果を得ることができる。また、上記構成では、導光部材30の屈折率が、光透過部材50の屈折率よりも高いものとされる。この場合、導光部材30と光透過部材50の境界面(光出射面32と光入射面51との当接箇所)において臨界角を超える光は全反射して、導光部材30の内部で導光される(図4の矢線L3参照)。
図8の比較例で示すように、仮に、光透過部材50を備える代わりに導光部材3の光出射面4が屈折部55,56を備える構成とした場合には、屈折部55,56がある部分では、導光部材3の表面の角度が他の箇所(光出射面4において屈折部55,56がない箇所)と異なるものとなる。その結果、屈折部55(又は屈折部56)と空気との界面において臨界角を超えない光(例えば、図8の矢線L4で示す光)が生じてしまい、そのような光は全反射されず、導光部材3の外部に出てしまう。言い換えると、矢線L4で示す光は、屈折部56がない場合、全反射されて、導光部材3内で導光される光である。
つまり、図8の導光部材3のように、導光部材が屈折部55,56を備える構成では、屈折部55,56の影響によって導光部材の導光性能が低下する事態が懸念される。上記構成では、光を導光するための部材(導光部材30)と、屈折部55,56を備える部材(光透過部材50)とを別部材で構成することで、導光部材の導光性能が低下する事態を抑制することができる。言い換えると、光透過部材50の光出射面52は、導光性能に影響を与えることがないため、自由に形状を設計することができ、より多様な光を光出射面52から出射させることができる。
また、導光部材30と光透過部材50とは、二色成形によって一体的に形成されている。仮に導光部材30と光透過部材50とをそれぞれ個別に成形した後、互いに組み付ける構成とした場合、組み付け時の誤差により、導光部材30と光透過部材50との位置関係に誤差が生じる結果、光出射面52からの出射光が所望の態様にならず、意匠性が低下する事態が懸念される。なお、導光部材30と光透過部材50との位置関係に誤差が生じると、例えば、傾斜面35と屈折部55(又は屈折部56)の位置関係に誤差が生じたり、光出射面32と光入射面51との間に隙間が生じたりすることで、光出射面52からの出射光が所望の態様にならない事態が懸念される。導光部材30と光透過部材50とを二色成形によって一体的に形成することで、組み付け時の誤差を無くすことができ、導光部材30と光透過部材50との位置関係に誤差が生じる事態を抑制できる。
また、光出射面52が、光出射面52からの出射光の態様が互いに異なる第1領域A1及び第2領域A2を有している。第1領域A1からの出射光の態様と、第2領域A2からの出射光の態様とを互いに異なるものとすれば、1つの照明装置20から態様が異なる2種類の出射光を出射させることができる。これにより、本実施形態のように、ドアトリム10における2つの箇所(箇所B1及びインサイドハンドル収容部16)をそれぞれ異なる態様の光で照らすことができる。
また、本実施形態では、光透過部材50が無色透明な部材である場合を例示したが、光透過部材50を着色することで光出射面52から所望の色の光を出射させる構成としてもよい。なお、導光部材30を着色することで、光出射面52から所望の色の光を出射させる構成としてもよい。しかしながら、導光部材30を着色した場合、導光部材30内を導光する過程で導光部材30に含有された着色材料によって光が吸収される結果、導光部材30において光源21から遠い箇所に光がより届き難くなり、導光部材30の長手方向について、光出射面32からの出射光に輝度ムラが生じやすくなる。このため、光出射面52から所望の色の光を出射させたい場合には、導光部材30は無色透明な部材とし、光透過部材50を着色することがより好ましい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)導光部材30及び光透過部材50の形状は上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。
(2)上記実施形態では、光源21からの光が導光部材30の端面から導光部材30内部に入射する構成と例示したが、これに限定されない。例えば、光源21からの光が光透過部材50内部に入射した後、導光部材30に入射し、導光部材30内部で導光された後、光透過部材50に向かう構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、屈折部(屈折部55又は屈折部56)が下方に膨出する曲面によって構成されているものを例示したが、これに限定されない。例えば、屈折部が所定の角度をなす2つの平面(プリズムを構成する面)によって構成されていてもよい。
(4)照明装置20の設置箇所は、上記実施形態で例示したものに限定されない。また、照明装置20がドアトリム以外の車両用内装材(例えば、インストルメントパネルやルーフパネルなど)に設けられていてもよい。さらに、照明装置20は、車両以外の種々の乗物に搭載される乗物用内装材に設けられていてもよい。
(5)上記実施形態では、導光部材30において光出射面32と反対側の面36に突起部33を設けることで、光出射面32から導光部材30外部に光を出射させる構成としたが、これに限定されず、例えば、突起部33の代わりに溝部を設けてもよい。また、面36に光を拡散反射させる光反射面(例えば白色インクによるドットパターン)を形成することで、光出射面32から導光部材30外部に光を出射させる構成としてもよい。
(6)光透過部材50の光出射面52が第1領域A1及び第2領域A2のうち、いずれか一方のみを有していてもよい。また、光出射面52が、出射光の態様が異なる3つ以上の領域を有していてもよい。
20…照明装置(乗物用照明装置)、21…光源、30…導光部材、32…光出射面(第1光出射面)、50…光透過部材、51…光入射面(光透過部材50が有する光入射面)、52…光出射面(第2光出射面)、55,56…屈折部、A1…第1領域、A2…第2領域

Claims (3)

  1. 光源と、
    前記光源からの光を内部で導光する導光部材であって、前記導光部材の内部の光を前記導光部材の外部に出射させる第1光出射面を有する導光部材と、
    前記第1光出射面と当接すると共に前記第1光出射面からの光が入射される光入射面を有する光透過部材であって、前記光入射面から前記光透過部材の内部に入射された光を前記光透過部材の外部に出射させる第2光出射面を有する光透過部材と、を備え、
    前記第2光出射面は、光を屈折させる屈折部を備え、
    前記導光部材の屈折率は、前記光透過部材の屈折率よりも高い乗物用照明装置。
  2. 前記導光部材と前記光透過部材とは、二色成形によって一体的に形成されている請求項1に記載の乗物用照明装置。
  3. 前記第2光出射面が、前記第2光出射面からの出射光の態様が互いに異なる第1領域及び第2領域を有している請求項1又は請求項2に記載の乗物用照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022014240A1 (ja) 2020-07-15 2022-01-20 株式会社神戸製鋼所 機械学習装置、積層造形システム、溶接条件の機械学習方法、溶接条件の調整方法、およびプログラム

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