JP2020118553A - 超音波流量計、流体循環装置および流量測定方法 - Google Patents

超音波流量計、流体循環装置および流量測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パルス飛びが発生した場合であっても流量を算出することができる超音波流量計、流体循環装置および流量測定方法を提供する。【解決手段】送受信素子71A、71Bは、流量変化によって生じ得る伝搬時間の想定変動分に対して充分に長いパルス周期で複数のパルスを送信する。測定伝搬時間と基準伝搬時間との差の絶対値が時間閾値以上である場合に、この差に応じて特定条件を調節して基準パルスを再特定させることで、パルス飛びが発生した場合であっても、正しい測定伝搬時間を取得し、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、超音波流量計、流体循環装置および流量測定方法に関する。
一般に、非接触で流体の流量を計測する超音波流量計として、流体の流路に対して傾斜した方向を進行方向として超音波を送受信し、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出するものが知られている。即ち、上流側から下流側への伝搬時間と、下流側から上流側への伝搬時間と、から、その両者の時間差や時間逆数差に基づいて流速を求めることができる。このような超音波流量計において送信信号としてパルス波を用いる場合、受信パルスの振幅が徐々に大きくなった後に減衰していくことが知られている。
このとき、複数の受信パルスのうち振幅が閾値以上となったものを検出し、この受信パルスの受信タイミングを用いて伝搬時間を決定する。しかしながら、測定環境(周囲温度や流体温度、流体の粘度、流体の濃度、配管と超音波送受信素子との密着の度合い等)によって受信信号全体の振幅が変動することがあるため、常に一定のパルスが検出されるとは限らず(即ち、本来はn番目のパルスを検出するはずが、その前後のパルスが検出されることがあり)、このようなパルス飛びが問題となっていた。
そこで、測定を複数回繰り返し、伝搬時間の最大値と最小値とを求めることにより、パルス飛びが発生しているか否かを判定する判定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された判定方法では、伝搬時間の最大値と最小値との差が超音波素子の振動周期に対応する場合には、パルス飛びが発生しているものと判定している。
特開平11−148848号公報
しかしながら、特許文献1に記載された判定方法の場合、パルス飛びの有無を判定することはできるものの、パルス飛びを解消したり、パルス飛びを含む測定データを用いて流量を算出したりすることは困難であった。また、例えばn番目のパルスに基づいて伝搬時間を決定しようとする際に、1つ分のパルス飛びが発生していると判定された場合、n−1番目のパルスとn番目のパルスとが混在しているのか、n番目のパルスとn+1番目のパルスとが混在しているのか、又は、その他のパルスが混在しているのかを判断することは困難であった。
本発明の目的は、パルス飛びが発生した場合であっても流量を算出することができる超音波流量計、流体循環装置および流量測定方法を提供することにある。
本発明の超音波流量計は、
流体の流路に対して傾斜した方向を進行方向として超音波を送受信し、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出する超音波流量計であって、流量変化によって生じ得る超音波の伝搬時間の想定変動分に対して充分に長いパルス周期で複数のパルスを送信するように送信素子を制御する送信制御手段と、受信信号に含まれる複数の受信パルスのうち初めて振幅が閾値以上となったものを基準パルスとして特定する特定手段と、前記送信素子における前記パルスの送信タイミングと受信素子における前記基準パルスの受信タイミングとに基づいて測定伝搬時間を決定する決定手段と、前記測定伝搬時間を補正するための補正手段と、前記補正手段によって補正した往路の前記測定伝搬時間と、復路の前記測定伝搬時間と、に基づいて流体の流量を算出する算出手段と、を備え、前記補正手段は、前記測定伝搬時間と、基準伝搬時間と、の差の絶対値が時間閾値以上である場合には、この差に応じて前記受信信号の振幅に関する特定条件を調節して前記特定手段に前記基準パルスを再特定させ、前記決定手段に測定伝搬時間を再決定させることを特徴とする。
このような本発明によれば、測定伝搬時間と基準伝搬時間との差の絶対値が時間閾値以上である場合に、この差に応じて受信信号の振幅に関する特定条件を調節して基準パルスを再特定させることで、パルス飛びが発生した場合であっても、正しい測定伝搬時間を取得して流量を算出することができる。例えば、n番目の受信パルスを基準パルスとして測定伝搬時間を決定するように設定されている際に、パルス飛びが発生してn−1番目の受信パルスが基準パルスとして特定された場合、測定伝搬時間と基準伝搬時間との差が時間閾値以上となる。このとき、基準パルスを1つ後ろにずらすように(1つ後ろの受信パルスの振幅が初めて閾値以上となるように)特定条件を調節することにより、n番目の受信パルスを基準パルスとして再特定することができる。n+1番目の受信パルスが基準パルスとして特定された場合や、2つ以上のパルス飛びが発生した場合も同様である。
尚、送信素子が送信するパルスのパルス周期は、流量変化によって生じ得る伝搬時間の想定変動分に対し、例えば10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。また、時間閾値は、送信素子が送信するパルスのパルス周期に基づいて設定されればよく、例えばパルス周期の50〜90%であることが好ましい。また、パルス周期とは、あるパルス波の立ち上がりタイミングと、次のパルス波の立ち上がりタイミングと、の時間差を意味する。
また、本発明の超音波流量計においては、流路の上流側および下流側のそれぞれに送信素子および受信素子の両方を対向して配置してもよいし、送受信機能を有する素子を上流側および下流側のそれぞれに対向して配置してもよい。送受信機能を有する素子を用いる場合、上流側から下流側に向かって超音波を送信する際には、上流側の素子が送信素子として機能するとともに下流側の素子が受信素子として機能し、下流側から上流側に向かって超音波を送信する際には、下流側の素子が送信素子として機能するとともに上流側の素子が受信素子として機能する。
この際、本発明の超音波流量計では、前記補正手段は、前記測定伝搬時間が前記基準伝搬時間に対して前記時間閾値以上短い場合には、前記パルスの振幅と前記受信信号の振幅とのうち少なくとも一方を減少させて前記特定条件を調節し、前記測定伝搬時間が前記基準伝搬時間に対して前記時間閾値以上長い場合には、前記パルスの振幅と前記受信信号の振幅とのうち少なくとも一方を増加させて前記特定条件を調節することが好ましい。また、補正手段は、前記測定伝搬時間が前記基準伝搬時間に対して前記時間閾値以上短い場合には、前記閾値を上昇させて前記特定条件を調節し、前記測定伝搬時間が前記基準伝搬時間に対して前記時間閾値以上長い場合には、前記閾値を低下させて前記特定条件を調節してもよい。
また、発信されるパルスの振幅を減少させたり、受信した受信信号の振幅を減少させたりする(増幅回路における増幅率を低くする)と、後側の受信パルスが基準パルスとして特定されやすくなり、発信されるパルスの振幅を増加させたり、受信した受信信号の振幅を増加させたりする(増幅回路における増幅率を高くする)と、前側の受信パルスが基準パルスとして特定されやすくなる。また、閾値を上昇させると、後側の受信パルスが基準パルスとして特定されやすくなり、閾値を低下させると、前側の受信パルスが基準パルスとして特定されやすくなる。
本発明の流体循環装置は、上記いずれかに記載の超音波流量計と、前記流路を構成するとともに人体に接続されるチューブと、前記チューブ内で前記流体としての血液を一方向に送り込むポンプと、を備え、前記血液を循環させることを特徴とする。
このような本発明によれば、血液を循環させる流体循環装置において、上記のようにパルス飛びが発生した場合であっても、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出することができる。
この際、本発明の流体循環装置では、前記超音波流量計は、循環安定状態において、最終決定された測定伝搬時間に基づく測定流量と、前記ポンプの送液流量と、の差分をオフセット値とし、その後の各時点における測定流量に対して前記オフセット値を加減することが好ましい。このような構成によれば、ポンプの送液流量に基づいてオフセット値を決定し、このオフセット値を用いて測定流量を補正することで、測定条件が変動しやすく測定流量の絶対値の信頼度が低い場合であっても、より正確な流量を算出することができる。
本発明の流量測定方法は、流体の流路に対して傾斜した方向を進行方向として超音波を送受信し、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出する流量測定方法であって、流量変化によって生じ得る超音波の伝搬時間の想定変動分に対して充分に長いパルス周期で複数のパルスを送信するように送信素子を制御する送信制御工程と、受信信号に含まれる複数の受信パルスのうち初めて振幅が閾値以上となったものを基準パルスとして特定する特定工程と、前記送信素子における前記パルスの送信タイミングと受信素子における前記基準パルスの受信タイミングとに基づいて測定伝搬時間を決定する決定工程と、前記測定伝搬時間を補正するための補正工程と、前記補正工程において補正した往路の前記測定伝搬時間と、復路の前記測定伝搬時間と、に基づいて流体の流量を算出する算出工程と、を含み、前記補正工程において、前記測定伝搬時間と、基準伝搬時間と、の差の絶対値が時間閾値以上である場合には、この差に応じて前記受信信号の振幅に関する特定条件を調節して前記特定工程において前記基準パルスを再特定し、前記決定工程において測定伝搬時間を再決定することを特徴とする。
このような本発明によれば、上記のようにパルス飛びが発生した場合であっても、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出することができる。
本発明の超音波流量計、流体循環装置および流量測定方法によれば、測定伝搬時間と基準伝搬時間との差の絶対値が時間閾値以上である場合に、特定条件を調節して基準パルスを再特定させることで、パルス飛びが発生した場合であっても、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出することができる。
本発明の実施形態に係る流体循環装置を示すシステム図である。 前記流体循環装置の超音波流量計を示すブロック図である。 前記超音波流量計において送受信される信号の例を模式的に示すグラフである。 前記超音波流量計における基準パルスの特定条件調節の一例を模式的に示すグラフである。 前記超音波流量計における基準パルスの特定条件調節の他の例を模式的に示すグラフである。 前記超音波流量計において受信される信号の他の例を模式的に示すグラフである。 前記超音波流量計における基準パルスの特定条件調節の一例を模式的に示すグラフである。 前記超音波流量計における基準パルスの特定条件調節の他の例を模式的に示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の流体循環装置1は、人工透析のために流体としての血液を循環させる装置であって、図1に示すように、動脈側端部1Aから静脈側端部1Bにかけて順に、血液を動脈側端部1A側から静脈側端部1B側に送り込むローラポンプ2と、抗凝固剤を投与するための抗凝固剤投与部3と、薬液が投与されるとともに撹拌されるチャンバ4と、血液を濾過するフィルタを有した濾過器5と、透析装置6と、超音波流量計7と、ローラポンプ8によって置換液投与部9から送り込まれたAFBF専用炭酸水素ナトリウム置換液を撹拌するためのチャンバ10と、を備える。動脈側端部1Aは患者の動脈に接続され、静脈側端部1Bは静脈に接続される。流体循環装置1の各部は、チューブ11によって形成された経路(血液の流路)に設けられている。
流体循環装置1では、後述するように超音波流量計7によって血液の流量を測定することにより、流量異常が検知されるようになっている。流量異常が検知された場合、流体循環装置1は、警報を発生したり、外部機器に警報信号を送信したりする。
超音波流量計7は、図2に示すように、上流側素子71Aと、下流側素子71Bと、パルス発生回路72と、切換回路73と、増幅回路74と、Vth調節回路75と、比較回路76と、演算回路77と、制御手段78と、を備える。
上流側素子71Aと下流側素子71Bとは、チューブ11の流路に対して傾斜した方向に対向するように配置され、この対向方向を進行方向として超音波を送受信する。上流側素子71Aおよび下流側素子71Bは、いずれも超音波の送受信機能を有するものであって、一方が送信素子として機能する際に他方が受信素子として機能するようになっている。制御手段78は、上流側素子71Aから下流側素子71Bに超音波を送信した際の(往路の)伝搬時間と、下流側素子71Bから上流側素子71Aに超音波を送信した際の(復路の)伝搬時間と、の両者を用い、これらの伝搬時間差に基づいて血液の流量を算出し、算出手段として機能する。尚、制御手段78は、これらの伝搬時間の逆数差に基づいて流量を算出してもよい。
パルス発生回路72は、上流側素子71Aと下流側素子71Bとのうち送信素子として機能する方に、図3に示すような複数のパルス(送信パルスP11〜P14)を送信させ、送信制御手段として機能する。どちらの素子を送信素子とするかは切換回路73によって切り換えられる。本実施形態では、複数の送信パルスP11〜P14の周波数は2MHzに設定されており、パルス周期は0.5μsecとなっている。パルス周期とは、あるパルス波の立ち上がりタイミングと、次のパルス波の立ち上がりタイミングと、の時間差を意味する。このパルス周期は、人工透析において血液の流量変化によって生じ得る伝搬時間の想定変動分に対して充分に長い。パルス周期は、想定変動分に対して例えば10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。
上流側素子71Aと下流側素子71Bとのうち受信素子として機能する方によって受信された受信信号は、増幅回路74によって増幅される。比較回路76は、増幅回路74によって増幅された受信信号と、Vth調節回路75によって決定された閾値(スレッショルド電圧)と、を比較することにより、後述するように基準パルスを特定し、特定手段として機能する。演算回路77は、送信パルスの送信タイミングと基準パルスの受信タイミングとに基づいて、送信素子と受信素子との間で超音波が伝搬する測定伝搬時間を決定し、決定手段として機能する。
制御手段78は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、超音波流量計7の全体制御を司る。制御手段78は、後述するように増幅回路74およびVth調節回路75を制御することで補正手段として機能する。
ここで、超音波流量計7において測定伝搬時間を決定し、さらにこの測定伝搬時間を補正する(再決定する)詳細な方法について、図3〜8を参照して具体的に説明する。まず、送信パルスP11〜P14に対応し、受信素子において受信パルスP21〜P24が受信されるが、これらの受信パルスP21〜P24は、振幅が徐々に大きくなった後に減衰していく。
これらの受信パルスP21〜P24のうち、初めて振幅がスレッショルド電圧Vth0以上となったものが、基準パルスとして特定される。1番目の送信パルスP11の立ち上がりタイミングを送信タイミングT0とするとともに、基準パルスの変位(電圧)が0となった時点を受信タイミングとし、送信タイミングT0と受信タイミングとに基づいて測定伝搬時間を決定する。ここで説明する具体例においては、2番目の受信パルスP22が基準パルスとして特定されるように設定されているものとする。従って、送信タイミングT0と受信タイミングとの時間差から、パルス周期の1周期分と、パルス幅の1つ分と、を減じることで測定伝搬時間が求められる。
図3に示す例では、2番目の受信パルスP22がスレッショルド電圧Vth0を下回り、3番目の受信パルスP23がスレッショルド電圧Vth0以上となる。従って、3番目の受信パルスP23が基準パルスとして特定される。3番目の受信パルスP23の受信タイミングT1を用いて測定伝搬時間を算出すると、実際の伝搬時間に対してパルス周期の1周期分だけ長くなってしまう。
制御手段78は、上記のように算出した測定伝搬時間と、予め定められた基準伝搬時間と、を比較し、これらの差が予め定められた時間閾値以上であるか否かを判定する。尚、基準伝搬時間は、想定される真の伝搬時間の標準的な値に基づいて定められるものであって、例えばチューブ11の厚さや内径、各部の音速(血液の音速については水の音速で代用してもよい)、標準的な流量等によって決まる。また、基準伝搬時間を設定するタイミングとしては工場での製造時や出荷時が例示される。時間閾値は、送信パルスのパルス周期に基づいて設定されればよく、例えばパルス周期の50〜90%であることが好ましく、本実施形態では60%(0.3μsec)に設定されている。
上記のように3番目の受信パルスP23が基準パルスとして特定される場合、受信タイミングT1を用いた測定伝搬時間は、基準伝搬時間に対して時間閾値以上長くなる。この場合、制御手段78は、基準パルスを特定するための条件を調節し、比較回路76に基準パルスを再特定させ、演算回路77に測定伝搬時間を再決定させる。特定条件の調節方法の一例として、図4に示すようにスレッショルド電圧を低下させ、スレッショルド電圧Vth1を用いる方法が挙げられる。これにより、2番目の受信パルスP22の振幅がスレッショルド電圧Vth1以上となり、基準パルスとして再特定され、この受信タイミングT2を用いて測定伝搬時間が再決定される。これにより、正確な伝搬時間を測定することができる。
また、特定条件の調節方法の他の例として、図5に示すように受信信号全体の振幅を増加させる方法が挙げられる。このとき、増幅回路74における増幅率を上昇させることにより、受信後に振幅を増加させてもよいし、パルス発生回路72において送信パルスのゲインを上昇させることにより、受信前に振幅を増加させてもよい。これにより、2番目の受信パルスP22の振幅がスレッショルド電圧Vth0以上となり、基準パルスとして再特定され、この受信タイミングT2を用いて測定伝搬時間が再決定される。これにより、正確な伝搬時間を測定することができる。
さらに、パルス飛びの他の例についても説明する。図6に示す例では、1番目の受信パルスP21がスレッショルド電圧Vth2以上となり、基準パルスとして特定される。1番目の受信パルスP21の受信タイミングT3を用いて測定伝搬時間を算出すると、実際の伝搬時間に対してパルス周期の1周期分だけ短くなってしまう。
1番目の受信パルスP21が基準パルスとして特定される場合、受信タイミングT3を用いた測定伝搬時間は、基準伝搬時間に対して時間閾値以上短くなる。この場合、制御手段78は、基準パルスを特定するための条件を調節し、比較回路76に基準パルスを再特定させ、演算回路77に測定伝搬時間を再決定させる。特定条件の調節方法の一例として、図7に示すようにスレッショルド電圧を上昇させ、スレッショルド電圧Vth0を用いる方法が挙げられる。これにより、1番目の受信パルスP21がスレッショルド電圧Vth0を下回るとともに、2番目の受信パルスP22の振幅がスレッショルド電圧Vth0以上となり、基準パルスとして再特定され、この受信タイミングT2を用いて測定伝搬時間が再決定される。これにより、正確な伝搬時間を測定することができる。
また、特定条件の調節方法の他の例として、図8に示すように受信信号全体の振幅を減少させる方法が挙げられる。このとき、増幅回路74における増幅率を低下させることにより、受信後に振幅を減少させてもよいし、パルス発生回路72において送信パルスのゲインを低下させることにより、受信前に振幅を減少させてもよい。これにより、1番目の受信パルスP21がスレッショルド電圧Vth2を下回るとともに、2番目の受信パルスP22の振幅がスレッショルド電圧Vth2以上となり、基準パルスとして再特定され、この受信タイミングT2を用いて測定伝搬時間が再決定される。これにより、正確な伝搬時間を測定することができる。
尚、特定条件を調節する際、上記のようなスレッショルド電圧の調節と、送信パルスの振幅の調節と、増幅回路74における増幅率の調節と、を適宜に組み合わせてもよい。即ち、パルス発生回路72や増幅回路74、Vth調節回路75における最大調節幅や調節ピッチには制約があるため、1つの調節だけでは目的の基準パルスを特定できない場合があり、このような場合には2つ以上の調節を組み合わせればよい。
また、特定条件を調節し、測定伝搬時間を再決定した際に、この測定伝搬時間と基準伝搬時間との差が時間閾値以上となる場合には、特定条件の調節および測定伝搬時間の再決定を繰り返してもよい。また、測定伝搬時間と基準伝搬時間との差が時間閾値以上である場合に、この時間差とパルス周期とを比較することにより、何パルス分のパルス飛びが発生しているかを特定し、このパルス数に応じて特定条件を調節してもよい。
流体循環装置1において、超音波流量計7は、上記のように血液の流量を測定するだけでなく、この測定流量を適宜補正する。この補正方法について以下に説明する。
血液の流量は、人工透析の開始直後には安定しないものの、所定時間が経過すると安定し、ローラポンプ2の送液流量と略等しくなると予測される。そこで、所定時間が経過した循環安定状態において、超音波流量計7の制御手段78は、上記のように最終決定された測定伝搬時間に基づく測定流量と、ローラポンプ2の送液流量と、の差分をオフセット値として算出する。例えば、測定流量が270mL/minであり、送液流量が250mL/minである場合、オフセット値は20mL/minとなる。
その後、超音波流量計7は所定の時間間隔で流量を測定し、制御手段78が、その測定流量に対してオフセット値を減じることで、補正後流量を算出する。例えば測定流量が280mL/minであった場合、補正後流量は260mL/minとなる。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。即ち、測定伝搬時間と基準伝搬時間との差の絶対値が時間閾値以上である場合に、この差に応じて特定条件を調節して基準パルスを再特定させることで、パルス飛びが発生した場合であっても、正しい測定伝搬時間を取得し、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出することができる。
また、循環安定状態において超音波流量計7の測定流量とローラポンプ2の送液流量とに基づいてオフセット値を決定し、このオフセット値を用いてその後の測定流量を補正することで、人工透析のように測定条件が変動しやすく測定流量の絶対値の信頼度が低い場合であっても、より正確な流量を算出することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、循環安定状態において超音波流量計7の測定流量とローラポンプ2の送液流量とに基づいてオフセット値を決定し、このオフセット値を用いてその後の測定流量を補正するものとしたが、例えば超音波流量計の使用条件が明確であり測定流量の絶対値の信頼度が高い場合には、オフセット値を用いた補正を行わなくてもよい。
また、前記実施形態では、超音波流量計7が人工透析用の流体循環装置1に設けられるものとしたが、超音波流量計はこのような用途に限定されない。例えば、超音波流量計は、半導体の製造時に洗浄液等を供給する装置に設けられてもよいし、農業において液体肥料や水等を供給する装置に設けられてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、制御方法及び手順、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質、制御方法及び手順などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質、制御方法及び手順などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した記載は、本発明に含まれるものである。
1 流体循環装置
2 ローラポンプ
7 超音波流量計
71A、71B 送受信素子(送信素子、受信素子)
72 パルス発生回路(送信制御手段)
76 比較回路(特定手段)
77 演算回路(決定手段)
78 制御手段(補正手段、算出手段)
11 チューブ

Claims (6)

  1. 流体の流路に対して傾斜した方向を進行方向として超音波を送受信し、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出する超音波流量計であって、
    流量変化によって生じ得る超音波の伝搬時間の想定変動分に対して充分に長いパルス周期で複数のパルスを送信するように送信素子を制御する送信制御手段と、
    受信信号に含まれる複数の受信パルスのうち初めて振幅が閾値以上となったものを基準パルスとして特定する特定手段と、
    前記送信素子における前記パルスの送信タイミングと受信素子における前記基準パルスの受信タイミングとに基づいて測定伝搬時間を決定する決定手段と、
    前記測定伝搬時間を補正するための補正手段と、
    前記補正手段によって補正した往路の前記測定伝搬時間と、復路の前記測定伝搬時間と、に基づいて流体の流量を算出する算出手段と、を備え、
    前記補正手段は、前記測定伝搬時間と、基準伝搬時間と、の差の絶対値が時間閾値以上である場合には、この差に応じて前記受信信号の振幅に関する特定条件を調節して前記特定手段に前記基準パルスを再特定させ、前記決定手段に測定伝搬時間を再決定させることを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記補正手段は、前記測定伝搬時間が前記基準伝搬時間に対して前記時間閾値以上短い場合には、前記パルスの振幅と前記受信信号の振幅とのうち少なくとも一方を減少させて前記特定条件を調節し、前記測定伝搬時間が前記基準伝搬時間に対して前記時間閾値以上長い場合には、前記パルスの振幅と前記受信信号の振幅とのうち少なくとも一方を増加させて前記特定条件を調節することを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 前記補正手段は、前記測定伝搬時間が前記基準伝搬時間に対して前記時間閾値以上短い場合には、前記閾値を上昇させて前記特定条件を調節し、前記測定伝搬時間が前記基準伝搬時間に対して前記時間閾値以上長い場合には、前記閾値を低下させて前記特定条件を調節することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波流量計と、前記流路を構成するとともに人体に接続されるチューブと、前記チューブ内で前記流体としての血液を一方向に送り込むポンプと、を備え、前記血液を循環させることを特徴とする流体循環装置。
  5. 前記超音波流量計は、循環安定状態において、最終決定された測定伝搬時間に基づく測定流量と、前記ポンプの送液流量と、の差分をオフセット値とし、その後の各時点における測定流量に対して前記オフセット値を加減することを特徴とする請求項4に記載の流体循環装置。
  6. 流体の流路に対して傾斜した方向を進行方向として超音波を送受信し、往路の伝搬時間と復路の伝搬時間との両方に基づいて流量を算出する流量測定方法であって、
    流量変化によって生じ得る超音波の伝搬時間の想定変動分に対して充分に長いパルス周期で複数のパルスを送信するように送信素子を制御する送信制御工程と、
    受信信号に含まれる複数の受信パルスのうち初めて振幅が閾値以上となったものを基準パルスとして特定する特定工程と、
    前記送信素子における前記パルスの送信タイミングと受信素子における前記基準パルスの受信タイミングとに基づいて測定伝搬時間を決定する決定工程と、
    前記測定伝搬時間を補正するための補正工程と、
    前記補正工程において補正した往路の前記測定伝搬時間と、復路の前記測定伝搬時間と、に基づいて流体の流量を算出する算出工程と、を含み、
    前記補正工程において、前記測定伝搬時間と、基準伝搬時間と、の差の絶対値が時間閾値以上である場合には、この差に応じて前記受信信号の振幅に関する特定条件を調節して前記特定工程において前記基準パルスを再特定し、前記決定工程において測定伝搬時間を再決定することを特徴とする流量測定方法。
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