JP2020118335A - コージェネレーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】温水暖房装置の温水使用状況を、気象情報を利用して高精度に予測できるコージェネレーションシステムを提供する。【解決手段】本開示のコージェネレーションシステム(100)は、気象情報を受け付ける気象情報取得部(63)を有し、暖房装置(53)の暖房運転に伴う熱負荷、電力負荷、および気象情報のそれぞれの時系列の履歴データを生成して記憶装置(67)に記憶し、取得した暖房装置の使用開始時刻における気象情報から、ホットダッシュ動作を行う期間での暖房運転に伴う熱負荷、および電力負荷のそれぞれの時系列の予測データを履歴データに基づいて生成する。取得した暖房装置の使用開始時刻における貯湯タンクに貯められると予測される熱量と、予測データに基づいてホットダッシュ動作を行う期間における熱量の過不足を判定し、燃料電池の運転を制御するように構成されている。【選択図】図2

Description

本開示は、コージェネレーションシステムに関する。
燃料電池を備えたコージェネレーションシステムはよく知られている。燃料電池の運転に伴って排熱が発生する。排熱は、温水の生成に使用される。温水は、貯湯タンクに貯められ、必要に応じて浴槽又は蛇口からの湯水の供給や、暖房に使用するなど、ユーザの熱需要を賄うために利用可能である。
例えば温水を暖房装置に利用する場合、従来の熱需要予測では、過去の時間帯別の熱負荷の実績値を計測して記憶し、当該実績値に基づいて当日の時間帯別の熱負荷を予測していた。しかし、暖房装置の温水使用状況は気象状況による変動が大きいため、予想が大幅にずれることがあった。これに対し、温水暖房機器の温水使用状況を気象状況の変化を考慮して高精度に予測できる温水暖房負荷予測システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2005−265201号公報
しかしながら、燃料電池を用いたコージェネレーションシステムでは、燃料電池の発電に伴う排熱を利用し温水を生成する。そのため、気象状況だけでなく、貯湯タンクに貯えられた熱量や、家庭内電力負荷の状況を考慮し、暖房装置を制御する必要がある。
また、貯湯タンクの温水を暖房に用いることで、貯湯タンクの温度成層構造が壊れ、低温度帯の水が減少し、燃料電池の水自立を阻害する虞がある。
本開示は、
電力負荷に追従して運転可能な燃料電池と、
前記燃料電池の運転に伴って発生する排熱によって生成された温水を貯める貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに貯められた前記温水と暖房装置の熱媒体の間で熱交換を生じさせる熱交換器と、
前記貯湯タンクと前記熱交換器とを接続している往路部分と、前記熱交換器と前記貯湯タンクを接続している復路部分とを有する循環経路と、
前記暖房装置の使用開始時刻を設定する時刻設定部と、
前記貯湯タンクに貯められた前記温水により蓄積された熱量の検出手段と、
前記燃料電池と前記暖房装置を制御する制御器と、を備え、
前記暖房装置の運転開始初期には、前記貯湯タンクから前記熱交換器に供給する温水の利用温度を通常運転時の温水より高く設定するホットダッシュ動作を行うように構成されており、
前記制御器は、
所定の種類の気象情報を受け付ける気象情報取得部を有し、
前記暖房装置の暖房運転に伴う熱負荷、前記電力負荷、および前記気象情報のそれぞれの時系列の履歴データを生成して記憶し、
取得した前記暖房装置の使用開始時刻における前記気象情報から、前記ホットダッシュ動作を行う期間での前記暖房運転に伴う熱負荷、および前記電力負荷のそれぞれの時系列の予測データを前記履歴データに基づいて生成し、
取得した前記暖房装置の使用開始時刻における前記貯湯タンクに貯められると予測される熱量と、前記予測データに基づいて前記ホットダッシュ動作を行う期間における熱量の過不足を判定し、
前記ホットダッシュ動作を行う期間に前記熱量が不足すると判断した場合、前記燃料電池の起動開始時刻を早める、前記燃料電池の最低発電量を増加させる動作の少なくとも一つを行うように構成された、コージェネレーションシステムを提供することを目的とする。
本開示の技術によれば、気象情報に基づき暖房装置の運転開始初期のホットダッシュ運転に必要となる温水の利用熱量を予測し、燃料電池の起動時刻を早める、最低発電量を増加させる動作の少なくとも一つを行うので、コージェネレーションシステムを高効率に運転することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るコージェネレーションシステムの構成図である。 図2は、本開示の一実施形態に係るコージェネレーションシステムの制御器のブロック構成図である。 図3は、暖房運転初期のホットダッシュモード運転における暖房時間と温水温度を示すグラフである。 図4は、記憶装置に、気象情報と対応付けて記憶された熱負荷情報、電力負荷情報の時系列的データの一例である。 図5は、ホットダッシュ運転モードでの運転前に実施する準備運転モードの運転条件を算出するためのフローチャートである。 図6は、記憶装置に記憶される気象情報と利用温度、ホットダッシュ時間帯(開始時刻、継続時間)、使用熱量のデータの一例である。 図7は、記憶装置に記憶される熱負荷(暖房)履歴データ、電力負荷履歴データの一例である。 図8は、準備運転モードでの運転が必要と判断される場合の熱負荷(暖房)予測値、電力負荷予測値、発電電力、および、貯湯タンク内熱量予測値の一例である。 図9は、準備運転モードでの運転が不要と判断される場合の熱負荷(暖房)予測値、電力負荷予測値、発電電力、および、貯湯タンク内熱量予測値の一例である。 図10、暖房運転時に実施する循環経路におけるも戻り温度制御のフローチャートである。
(本開示の基礎となった知見)
燃料電池コージェネレーションシステムでは、湯タンクに貯められた温水を床暖房パネル等へ供給して暖房に利用する温水床暖房システムが可能である。
特許文献1の温水床暖房システムでは、給湯需要が気象条件に拘わらず一定の需要パターンで温水が使用される傾向であることに注目し、温水床暖房システムで消費される熱量を気象条件によって補正するシステムを開示している。特許文献1のシステムでは、気象情報から読み込んだ時間帯毎の気温の温度区分により温水暖房装置のオン、オフ状態を予測することで温水使用状態の予測を行っている。
一方、ホットダッシュ運転を行う温水暖房システムでは、運転開始初期に通常の運転よりも高温の温水を循環させ、運転開始初期の暖房能力を向上させる動作を行う。一例として、運転開始から20分間は70℃、その後、運転開始から60分までの間は60℃、さらに運転開始から60分以上経過した後は45℃というように、予め決められた温度に調整された温水が暖房パネルに供給される。このため、気温が比較的高く暖房負荷が小さい場合には、ホットダッシュ運転が長すぎるなどして過剰な暖房になる場合がある。また、気温が比較的低く暖房負荷が大きい場合には、供給される温水の温度が低いために暖房運転の立ち上がりが悪くなる場合がある。
本願発明者は鋭利検討の結果、暖房装置の暖房運転に伴う熱負荷、電力負荷、および気象情報のそれぞれの時系列の履歴データを生成して記憶し、取得した暖房装置の使用開始時刻における気象情報から、ホットダッシュ動作を行う期間での暖房運転に伴う熱負荷、および電力負荷のそれぞれの時系列の予測データを履歴データに基づいて生成し、取得した暖房装置の使用開始時刻における貯湯タンクに貯められると予測される熱量と、予測データに基づいてホットダッシュ動作を行う期間における熱量の過不足を判定し、ホットダッシュ動作を行う期間に熱量が不足すると判断した場合、燃料電池の起動開始時刻を早める、燃料電池の最低発電量を増加させる動作の少なくとも一つを行うようにすることで、暖房装置の運転初期動作を安定化できると考えた。
さらに、温水暖房システムでは、温水は暖房装置の熱媒体によって冷却されたのち、貯湯タンクに戻される。貯湯タンクに戻されるべき温水は、貯湯タンクの上部に貯められた温水の温度と水道水の温度との間の温度を有する。貯湯タンクに中途半端な温度の温水、いわゆる中温水を戻し続けると、貯湯タンクにおける温度成層が大きく乱れる。その結果、いくつかの問題が引き起こされる。
1つの問題は、貯湯タンクの水と燃料電池の冷却水との間の温度差が縮小し、両者の間で熱交換を生じさせるための熱交換器での熱交換効率が低下することである。このことは、コージェネレーションシステムの効率的な運転を妨げる。
他の1つの問題は、システムが水不足に陥る可能性があることである。燃料電池においては、水素と酸素との電気化学反応によって水が生成する。生成した水を回収して再利用すれば、外部から水を補給することなく発電を継続できる。水は、例えば、アノードオフガス、カソードオフガス及び燃焼排ガスに水蒸気の形で含まれている。これらのガスを冷却することによって、凝縮水の形で水を回収できる。ガスの冷却には、貯湯タンクの下部に貯められた水が使用される。貯湯タンクの水の温度が高い場合、ガスを十分に冷却できないため十分な量の凝縮水を回収できず、水の消費量が水の回収量を上回り、システムが水不足に陥る可能性がある。
このように、貯湯タンクの温水を暖房に使用することは、コージェネレーションシステムの省エネルギー性能を向上させるとは限らない。水不足などの不都合な状況に陥ることを極力回避しつつ、貯湯タンクの温水で暖房を行うことが重要である。
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係るコージェネレーションシステムは、
電力負荷に追従して運転可能な燃料電池と、
前記燃料電池の運転に伴って発生する排熱によって生成された温水を貯める貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに貯められた前記温水と暖房装置の熱媒体の間で熱交換を生じさせる熱交換器と、
前記貯湯タンクと前記熱交換器とを接続している往路部分と、前記熱交換器と前記貯湯タンクを接続している復路部分とを有する循環経路と、
前記暖房装置の使用開始時刻を設定する時刻設定部と、
前記貯湯タンクに貯められた前記温水により蓄積された熱量の検出手段と、
前記燃料電池と前記暖房装置を制御する制御器と、を備え、
前記暖房装置の運転開始初期には、前記貯湯タンクから前記熱交換器に供給する温水の利用温度を通常運転時の温水より高く設定するホットダッシュ動作を行うように構成されており、
前記制御器は、
所定の種類の気象情報を受け付ける気象情報取得部を有し、
前記暖房装置の暖房運転に伴う熱負荷、前記電力負荷、および前記気象情報のそれぞれの時系列の履歴データを生成して記憶し、
取得した前記暖房装置の使用開始時刻における前記気象情報から、前記ホットダッシュ動作を行う期間での前記暖房運転に伴う熱負荷、および前記電力負荷のそれぞれの時系列の予測データを前記履歴データに基づいて生成し、
取得した前記暖房装置の使用開始時刻における前記貯湯タンクに貯められると予測される熱量と、前記予測データに基づいて前記ホットダッシュ動作を行う期間における熱量の過不足を判定し、
前記ホットダッシュ動作を行う期間に前記熱量が不足すると判断した場合、前記燃料電池の起動開始時刻を早める、前記燃料電池の最低発電量を増加させる動作の少なくとも一つを行うように構成されたものである。
第1態様によれば、制御器は暖房装置の暖房運転に伴う熱負荷、電力負荷、および気象情報のそれぞれの時系列の履歴データを生成して記憶し、取得した暖房装置の使用開始時刻における気象情報から、ホットダッシュ動作を行う期間での暖房運転に伴う熱負荷、および電力負荷のそれぞれの時系列の予測データを履歴データに基づいて生成する。これにより、例えば気温情報に基づいて設定された温度の温水でホットダッシュ運転を実施することができる。
また、取得した暖房装置の使用開始時刻における貯湯タンクに貯められると予測される熱量と、予測データに基づいてホットダッシュ動作を行う期間における熱量の過不足を判定し、ホットダッシュ動作を行う期間に熱量が不足すると判断した場合、燃料電池の起動開始時刻を早める、燃料電池の最低発電量を増加させる動作の少なくとも一つを行うので、コージェネレーションシステムを高効率に運転することができる。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係るコージェネレーションシステムの前記制御器は、前記暖房装置の使用開始時刻における前記気象情報に基づいて、前記ホットダッシュ動作を行う期間における前記利用温度を設定されうる。
第2態様によれば、外気温度が低い場合に、予め気象情報に基づいて暖房装置に供給する温水の温度(利用温度)を、例えば外気温度が低いほど高くし、外気温度が高いほど低く設定することができる。これにより、燃料電池の発電量を過大に設定することを防止でき、バックアップ熱源機の使用を抑えることができる。
また、外気温度が低いほど暖房装置に供給する温水の温度を高く設定するので、使用者の暖房の要求を満たすことができる。
本開示の第3態様において、例えば、第1又は第2態様に係るコージェネレーションシステムの前記循環経路の前記往路部分に配置されたバックアップ熱源機を備え、前記貯湯タンクに貯められた前記温水の温度よりも高い温度の温水が前記制御器から要求されたとき、前記バックアップ熱源機の使用が許可される。
第3態様によれば、貯湯タンクに貯められた温水の温度が低い場合であったとしても、バックアップ熱源機の助けを借りて、暖房装置の熱媒体の温度を必要十分な温度まで昇温させることができる。
本開示の第4態様において、例えば、第1乃至第3態様のいずれか1つに係るコージェネレーションシステムの前記制御器は、前記燃料電池で発生した電力の内、前記電力負荷を除く余剰電力を排熱熱源として還元させつつ前記燃料電池の供給電力を制御する余剰電力制御器を備えている。
第4態様によれば、外部の電力負荷の変動が発生した場合であっても余剰電力制御器の動作により燃料電池で生成された電力の一部が、電源ラインを介して商用電源側へ流入する所謂逆潮流を防止することができる。
また、余剰電力をヒータ等で熱に変換して排熱に付加することができる。余剰電力によってヒータを駆動する場合、余剰電力の全てをヒータに供給して貯湯タンクへの戻り温度を昇温させても良く、余剰電力の一部をヒータに供給するとともに、残りの電力を電力消費させることにより、戻り温度が所定値を維持するように制御することが可能である。
本開示の第5態様において、例えば、第1乃至第4態様のいずれか1つに係るコージェネレーションシステムは、前記往路部分と前記復路部分とを接続しているバイパス経路を備え、前記循環経路の前記復路部分は、前記貯湯タンクの上部に接続され、前記循環経路の前記復路部分は前記貯湯タンクの下部に接続されており、前記熱交換器から前記貯湯タンクに戻されるべき前記温水の温度またはその予測値である戻り温度が閾値温度以下である場合には前記温水が前記貯湯タンクに戻され、前記戻り温度が前記閾値温度より高い場合には前記貯湯タンクへの返水を制限しつつ前記温水を前記バイパス経路に導くように構成されている。
第5形態によれば、暖房装置の熱源として貯湯タンクの温水を使用したとき、閾値温度よりも高い温度の温水が貯湯タンクに戻されることを制限できる。
また、循環経路の往路部分は貯湯タンクの上部に接続されているので、貯湯タンクの上部に貯まった高温の温水を熱交換器に供給することができる。また、循環経路の復路部分は貯湯タンクの下部に接続されているので、熱交換器を流通した温水は貯湯タンクの下部に戻される。そのため、温度成層が乱れにくい。
本開示の第6態様において、例えば、第1乃至第5態様に係るコージェネレーションシステムでは、前記貯湯タンクに接続され、前記燃料電池のアノードオフガス、前記燃料電池のカソードオフガス、および、燃焼排ガスから選ばれる少なくとも1つのガスを冷却して凝縮水を生成する冷却器を備え、前記閾値温度は、前記温水を冷却媒体として前記冷却器を流通させたとき、前記燃料電池の運転を継続するために必要な量の前記凝縮水を生じさせることができる前記温水の温度である。
第6態様によれば、このような要件を満たす閾値温度を設定することによって、コージェネレーションシステムが水不足に陥ることを防止できる。
本開示の第7態様において、例えば、第1〜第6態様のいずれか1つに係るコージェネレーションシステムの前記制御器は、前記暖房装置の利用温度から前記戻り温度を予測する戻り温度予測部を備え、前記戻り温度予測部の予測結果に応じて前記バイパス経路を流れる前記温水の流量が制御される。
第7態様によれば、暖房を開始する前に温水の戻り温度を特定し、循環経路を流れる温水の内、バイパス経路を流れる温水の流量の制御を正確に行うことができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
図1、図2を用いて本実施形態のコージェネレーションシステムの構成を説明する。
(コージェネレーションシステムの構成)
図1に示すように、本実施形態のコージェネレーションシステム100は、燃料電池ユニット10及び貯湯タンク20を備えている。燃料電池ユニット10及び貯湯タンク20は、熱回収経路21によって互いに接続されている。燃料電池ユニット10において生成された温水が貯湯タンク20に貯められる。
燃料電池ユニット10は、燃料電池11、改質器12、熱交換器13、ポンプ15及び余剰ヒータ14を有する。
燃料電池11は、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて電力を生成する。改質器12は、都市ガスなどの原料ガスを改質することによって燃料ガスを生成する。燃料ガスは、水素ガスを含む。酸化剤ガスは、典型的には、空気である。燃料電池11の型式は特に限定されない。燃料電池11は、固体高分子型燃料電池、固体酸化物型燃料電池、リン酸型燃料電池又は溶融炭酸塩型燃料電池である。純水素ガスが燃料電池11に供給される場合、改質器12は省略されうる。
熱交換器13は、燃料電池11のアノードオフガス、燃料電池11のカソードオフガス、及び、燃焼排ガスから選ばれる少なくとも1つのガスを冷却して凝縮水を生じさせる冷却器でありうる。複数のガスを個別に冷却できるように、熱交換器13は、複数の部分に分かれていてもよい。貯湯タンク20の下部に貯められた水を冷却媒体として熱交換器13に流すことができるように、熱交換器13が貯湯タンク20に接続されている。凝縮水は、凝縮水タンク(図示せず)に貯められる。凝縮水タンクに貯められた水は、改質器12に供給され、燃料ガスの生成に使用される。燃焼排ガスは、改質器12を昇温するためのバーナの燃焼排ガスである。バーナの燃料には、燃料電池11のアノードオフガスが使用されうる。熱交換器13は、フィンチューブ式熱交換器、プレート式熱交換器などの気−液熱交換器である。
熱回収経路21は、第1部分21a及び第2部分21bを含む。第1部分21aは、貯湯タンク20の下部と熱交換器13の入口とを接続している。第2部分21bは、熱交換器13の出口と貯湯タンク20の上部とを接続している。第1部分21aは、熱回収経路21の上流部分を構成している。第2部分21bは、熱回収経路21の下流部分を構成している。第1部分21aは、熱交換器13において加熱されるべき水を熱交換器13に導くための流路である。第2部分21bは、熱交換器13において加熱された水(温水)を貯湯タンク20に導くための流路である。
ポンプ15は、熱回収経路21に配置されている。ポンプ15の働きによって、貯湯タンク20から熱交換器13に水が供給され、生成された温水が熱交換器13から貯湯タンク20に戻される。本実施形態では、ポンプ15は、熱回収経路21の第1部分21aに配置されている。ポンプ15は、第2部分21bに配置されていてもよい。
燃料電池11からの電力は不図示のパワーコンディショナにより昇圧、変換される。本実施形態では、燃料電池11に接続されたパワーコンディショナを介して外部負荷に電力が供給されるとともに、パワーコンディショナを介して燃料電池11の運転時に余った電力は余剰電力として余剰ヒータ(DCヒータ)15に通電され、消費される。
本実施形態のコージェネレーションシステム100に使用されたポンプのそれぞれは、例えば、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ギヤポンプ、ベーンポンプなどの容積式ポンプである。
熱回収経路21には、温度センサ22が設けられている。温度センサ22は、熱回収経路21を流れる水の温度を検出する。本実施形態では、温度センサ22は、熱回収経路21の第1部分21aに配置されている。第1部分21aに温度センサ22が配置されていると、貯湯タンク20から熱交換器13に供給されるべき水の温度を正確に検出できる。ただし、温度センサ22は、第2部分21bに配置されていてもよい。
温度センサ22によって検出された水の温度が閾値温度以下(例えば、45℃以下)であるとき、燃料電池ユニット10が水不足に陥るおそれが無く、燃料電池11の運転を継続可能である。温度センサ22によって検出された水の温度が閾値温度よりも高いとき、燃料電池ユニット10が水不足に陥る可能性が浮上する。燃料電池ユニット10が水不足に陥るおそれがあるとき、発電を停止させてもよい。
本実施形態のコージェネレーションシステム100に使用された温度センサのそれぞれは、例えば、サーミスタを用いた温度センサ又は熱電対を用いた温度センサである。
図1に示すように、貯湯タンク20は、燃料電池11の運転に伴って発生する排熱によって生成された温水を貯留するための容器である。貯湯タンク20は、断熱性及び耐圧性を有する容器によって構成されている。貯湯タンク20には、複数の温度センサ25a〜25eが設けられている。温度センサ25a〜25eは、鉛直方向に沿って概ね等間隔で配置されている。温度センサ25a〜25eは、貯湯タンク20の内部に配置されていてもよく、貯湯タンク20の表面上に配置されていてもよい。
温度センサ25a〜25eは、貯湯タンク20に貯められた温水の温度を検出する。高温の温水が貯湯タンク20の上部に貯められる。温水が使用されると水道水が貯湯タンク20の下部に補給される。そのため、貯湯タンク20の内部には温水の温度成層が形成される。温度センサ25a〜25eの検出値によって、貯湯タンク20の蓄熱状態を把握できる。
貯湯タンク20の下部には、水道水の給水経路27が接続されている。貯湯タンク20の温水が消費されると、給水経路27を通じて水道水が貯湯タンク20に補給される。したがって、貯湯タンク20には水道水の給水圧力が加わっている。
コージェネレーションシステム100は、さらに、循環経路30、バイパス経路31及び熱交換器42を備えている。
循環経路30は、貯湯タンク20と熱交換器42との間で温水を循環させることによって、貯湯タンク20の温水を暖房に使用するための経路である。循環経路30は、往路部分30a及び復路部分30bを含む。往路部分30a及び復路部分30bは、それぞれ、貯湯タンク20と熱交換器42とを接続している。詳細には、往路部分30aは、貯湯タンク20の上部と熱交換器42の入口とを接続している。往路部分30aを通じて、貯湯タンク20の上部に貯められた高温の温水が貯湯タンク20から熱交換器42に供給されうる。このような構成によれば、外部の熱源の使用頻度を下げることができる。復路部分30bは、熱交換器42の出口と貯湯タンク20の下部とを接続している。復路部分30bを通じて、熱交換器42から貯湯タンク20の下部に温水が戻される。このような構成によれば、貯湯タンク20の内部の温度成層が乱れにくい。貯湯タンク20の下部に予め存在する温水(又は冷水)と貯湯タンク20に戻された温水とが貯湯タンク20の下部において混ざりあう。
バイパス経路31は、貯湯タンク20の外部において、循環経路30の往路部分30aと循環経路30の復路部分30bとを接続している。バイパス経路31によれば、熱交換器42から排出された温水の一部又は全部を貯湯タンク20に戻すことなく、循環経路30に循環させることができる。
熱交換器42は、貯湯タンク20に貯められた温水と暖房装置53の熱媒体との間で熱交換を生じさせる。貯湯タンク20の温水によって、暖房装置53の熱媒体が所望の温度まで加熱される。熱交換器42は、例えば、二重管式熱交換器、プレート式熱交換器などの液−液熱交換器である。
暖房装置53としては、床暖房装置などの輻射暖房装置が挙げられる。暖房装置53の熱媒体は、水、ブライン、オイルなどの液体である。暖房装置53は、熱媒体回路50によって熱交換器42に接続されている。熱媒体回路50にはポンプ51が配置されている。ポンプ51を作動させることによって、熱交換器42と暖房装置53との間で熱媒体を循環させることができる。
循環経路30には、混合弁32、ポンプ34及びバックアップボイラ36が設けられている。バックアップボイラ36は、バックアップ熱源機の具体例である。
混合弁32は、バイパス経路31と循環経路30の往路部分30aとの接続位置に配置されている。混合弁32の入り口にバイパス経路31が接続されている。混合弁32を制御することによって、貯湯タンク20から新たに供給されるべき温水とバイパス経路31を流れる温水との混合比を調節することができる。これにより、最適な温度の温水を熱交換器に供給できる。バックアップボイラ36などの外部の熱源の使用頻度を下げることもできる。
バックアップボイラ36は、循環経路30の往路部分30aを流れる温水を加熱するための装置である。バックアップボイラ36の例は、ガス給湯器である。循環経路30の往路部分30aにおいて、バックアップボイラ36は、混合弁32と熱交換器42との間に位置している。ポンプ34は、混合弁32とバックアップボイラ36との間に位置している。本実施形態では、温水がバックアップボイラ36の中を通って熱交換器42に供給される。バックアップボイラ36をバイパスする経路が設けられていてもよい。なお、本実施形態では、バックアップボイラ36は、給湯経路55を経由して給湯栓56に向かって流れる温水、ならびに、熱交換器42に向かって流れる温水を加熱できるように構成されている。
循環経路30には、温度センサ38が設けられている。本実施形態では、温度センサ38は、循環経路30の復路部分30bに配置されている。より詳細には、温度センサ38は、熱交換器42と位置Pとの間の位置において、復路部分30bに配置されている。位置Pは、バイパス経路31と循環経路30の復路部分30bとの接続位置である。このような構成によれば、熱交換器42から貯湯タンク20に戻されるべき温水の温度を正確に検出できる。
コージェネレーションシステム100は、さらに、制御器23を備えている。制御器23は、例えば、A/D変換回路、入出力回路、演算回路、記憶装置などを含むDSP(Digital Signal Processor)である。温度センサ22、25a〜25e及び38の検出信号が制御器23に入力される。制御器23には、流量計、ガスセンサなどの他の計測機器(図示省略)からも検出信号が入力される。制御器23は、各種計測機器の計測結果に基づき、ポンプ15、ポンプ34、混合弁32、バックアップボイラ36、暖房装置53などの制御対象を制御する。制御器23には、コージェネレーションシステム100を適切に運転するためのプログラムが格納されている。
制御器23は、単一のマイクロコンピュータによって構成されていてもよく、複数のマイクロコンピュータによって構成されていてもよい。さらに、コージェネレーションシステム100が複数の制御器を有していてもよい。
(制御器の構成)
図2に示すように、本実施形態の制御器23は、暖房運転情報入力部61、電力負荷入力部62、気象情報取得部63、暖房使用開始時刻入力部70、熱負荷予測部64及び運転データベース作成部65を備え、さらに、上記構成部61〜64からの各処理結果と、運転データベース作成部65の作成した運転情報データベース66を記憶する記憶装置67で構成されている。
気象情報取得部63は、気象情報提供装置68からインターネット等のネットワーク69を介して気象情報を取得可能に構成されている。なお、図2では気象情報の提供先を気象情報提供装置68のみとしているが、複数の気象情報提供先から気象情報を入手する構成としてもよい。気象情報提供装置68から送信される気象情報は、例えば、コージェネレーションシステム100が設置している地域の気温、降水量、日照時間、風向きといった情報を備えている。本実施形態では、気象情報提供装置68が、例えば、外部の気象データ提供機関から過去1週間、または気象観測データの予報値の場合は現在から今後1週間といった一定期間における、10分毎、あるいは1時間毎といった一定時間間隔毎の気象観測情報あるいは気象情報を取得し、気象情報提供装置68に接続可能な記憶装置(不図示)に記憶し、気象情報取得部63に、例えば、所定の周期で配信し、気象情報取得部63が受信した気象情報の入力値または予報値を記憶装置67に記憶する構成となっている。なお、コージェネレーションシステム100が設置されている地域の特定にはGPS(Global Positioning System)を利用、あるいは、設置時に住所等を入力することで特定することができる。
暖房運転情報入力部61は、温度センサ22、25a〜25e及び38の計測値から、給湯栓56からの給湯に伴う熱負荷、および、暖房装置53の熱負荷に関する運転情報の入力を受け付け可能に構成されている。入力された各熱負荷から時系列の履歴データが生成され、気象情報取得部63が取得した気象情報と対応付けて記憶装置67に記憶される。またこの履歴データによれば、温度センサ25a〜25eによって算出された熱負荷の時系列データが確認できるので、貯湯タンク20に貯められる温水の熱量を予測することができる。
電力負荷入力部62は、電力計測ユニット54が計測する電力負荷(消費電力)情報の入力を受け付け可能に構成されている。入力された電力負荷から時系列の履歴データが生成され、気象情報取得部63が取得した気象情報と対応付けて記憶装置67に記憶する。
制御器23は、暖房使用開始時刻入力部70から暖房運転の開示時刻を取得する構成となっている。
熱負荷予測部64は、特定期間における給湯に伴う熱負荷、暖房装置53の運転に伴う熱負荷から時系列の熱負荷の予測データを上記した履歴データに基づいて生成し、気象情報取得部63が取得した気象情報と対応付けて記憶装置67に記憶する。
特定期間は、現在の時刻以降の期間である限り特に限定されない。特定期間は、日毎に区切られていてもよいし、日を跨いで設定されていてもよい。
運転データベース作成部65は、暖房使用開始時刻入力部70が取得した暖房運転の開示時刻に基づき、記憶装置67に記録された熱負荷および電力負荷の履歴データを参照し、気象情報取得部が取得した気象情報(例えば気温データ)から燃料電池11の起動運転、ならびに、発電運転を行うための運転データベースを生成し、記憶装置67の運転情報データベース66に記憶する。
(ホットダッシュ運転に必要な熱負荷の予測方法)
図1、図2に示したコージェネレーションシステムにより、ホットダッシュ運転に必要な熱負荷をどのように予測するかを説明する。
制御器23は、定期的(例えば1分間隔)に、暖房運転情報入力部61から給湯栓56からの給湯に伴う熱負荷、および、暖房装置53の熱負荷を時系列的に取得するとともに、電力負荷入力部62から電力負荷を時系列的に取得し、記憶装置67に記憶する。給湯に伴う熱負荷および暖房運転に伴う熱負荷の情報は貯湯タンク20から温度データを取得してもよいし、制御器23が直接測定する方法でもよい。取得した熱負荷情報は、例えば1時間毎などで平均化、あるいは、積算化してデータ化し、時系列データとして記憶装置67に記憶する。
電力負荷は、燃料電池11が接続されている需要家の環境下で使用される消費電力、もしくは、オフィスなどで使用される消費電力を電力計測ユニット54から取得する。取得した電力負荷情報は、例えば1時間毎などで平均化、あるいは、積算化してデータ化し、時系列データとして記憶装置67に記憶する。
また、制御器23は、ネットワーク69を介して接続された気象情報提供装置68から、燃料電池ユニット10が設置されている地域の気象情報データを定期的に取得し、記憶装置67に記憶する。気象情報データを取得する間隔は、例えば、1時間毎とし、1時間毎に平均化あるいは積算化した熱負荷情報、電力負荷情報とともに紐付けてされ、時系列的に記憶装置67に記憶される。このような規則で記憶されたデータの一例を図4に示す。また、気象情報データと熱負荷情報、電力負荷情報とを紐付けし、時系列的に記憶した履歴データは、例えば過去1ヶ月間分にわたって保存される。本実施形態では、気象情報として天気と気温を採用している。
次に、ホットダッシュ運転時に必要な熱量を予め貯湯タンク20に貯めておく方法について図3〜図9を用いて説明する。なお、以下の説明では熱負荷を暖房装置53の運転のために熱交換器42で消費されるものに限定して説明する。
まず、図3を用いて暖房運転の初期に実施するホットダッシュ運転について説明する。暖房使用開始時刻入力部70により設定された暖房開始時刻に、熱交換器42に供給する温水の利用温度を通常運転モードよりも高い温水温度に設定し、所定の継続時間だけホットダッシュ運転モードで暖房運転を行う。図3に示した例では、ホットダッシュ運転モードでの利用温度が70℃、通常運転モードでの利用温度を45℃に設定している。図3では、ホットダッシュ運転モードの利用温度を70℃に設定しているが、ホットダッシュ運転期間において利用温度を70℃、60℃など複数設定してもよい。
制御器23は、暖房使用開始時刻前に燃料電池11を起動運転させ、熱交換器42に70℃の温水を提供するための準備運転モードを行う。また、燃料電池11は電力負荷よりも発電量を高めに設定し、余剰電力を余剰ヒータ14に供給することで、貯湯タンク20に供給する温水温度を上昇させてもよい。また、ホットダッシュ運転モード中では、循環経路30の往路部分30aに接続されたバックアップボイラ36を利用してもよい。
上記のホットダッシュ運転モードが終了すると、制御器23は通常運転モードに切り換え、利用温度を45℃に設定する。
次に、図5を用いて制御器23がホットダッシュ運転モードの前に行う準備運転モードでの処理の一例を説明する。
図5に示すように、制御器23は、ステップS1において、暖房使用開始時刻を暖房使用開始時刻入力部70より取得する。暖房使用開始時刻は、ホットダッシュ運転モードに必要な熱量を貯湯タンク20に貯める処理を実施する時に取得してもよいし、暖房使用開始時刻が設定された時点で暖房使用開始時刻入力部70から制御器23に通知される構成としてもよい。
また、取得した暖房使用開始時刻の気象予測情報(例えば、暖房使用開始時刻の天気と気温)を気象情報取得部63から取得する。取得した気象予測情報に基づき、記憶装置67に保存された気象情報と熱負荷(暖房)情報、電力負荷情報の履歴データからホットダッシュ運転を実行する時間帯を予測する。ここで、ホットダッシュ時間帯とは、暖房使用開始時刻からホットダッシュ運転が継続する時間(図3の継続時間に相当)のことを指す。
次に、ステップS2に進み、ホットダッシュ時間帯を予測する。制御器23は記憶装置67に記憶された、気象情報と対応付けて記憶された過去1ヶ月間の熱負荷(暖房)履歴データ、電力負荷履歴データを参照し、ホットダッシュ時間帯を予測する。
ホットダッシュ時間帯の予測方法として、例えば、気象予測情報から取得したホットダッシュ時間帯の気温と近い気温(例えば、予測値との差が±3℃以内)の時刻において、熱負荷(暖房)が一定の閾値以上である時刻帯を抽出する。気象情報と利用温度、ホットダッシュ時間帯(開始時刻、継続時間)、使用熱量のデータの一例を図6に示す。ここで、時間帯を抽出する条件として、熱負荷(暖房)が一定の閾値以上としたが、ホットダッシュ運転モードでは通常運転モードの熱負荷(暖房)よりも高い熱負荷となるため、暖房装置53の能力値に合わせ、ホットダッシュ運転モードと通常運転モードとを区別可能な閾値に設定しておく必要がある。
また、一定値以上の熱負荷(暖房)を検索する際には、1日毎に時刻が早い時間から順番に検索をしていく。そして、制御器23は、抽出した時刻に続く時刻の熱負荷(暖房)を順次確認し、閾値以上の熱負荷が継続する時間帯を求める。このようにして求めた継続時間は、個別に管理しておき、気象予測情報と対応付けられた熱負荷(暖房)履歴データの全てに対して検索が完了した時点で、継続時間の平均値を求め、ホットダッシュ運転モードの継続時間を予測する。
なお、上記の方法では気温情報と対応付けて記憶した熱負荷(暖房)履歴データからホットダッシュ時間帯を予測したが、別の予測方法を用いても良い。例えば、気象情報と対応付けて記憶した熱負荷(暖房)履歴データから、1日単位でホットダッシュ時間帯を抽出し、気象情報と対応付けて記憶しても良いし、暖房装置53から、直接、ホットダッシュ運転モードを実行する時間帯を取得して記憶してもよい。
なお、暖房使用開始時刻の気温に対して、過去の気象情報の気温で±3℃以内の熱負荷(暖房)履歴データ、電力負荷履歴データがなかった場合、暖房使用開始時刻の気温に最も近い気温から、近似式により算出することで、ホットダッシュ運転モードの継続時間を算出することができる。
次に、ステップS3に進み、設定したホットダッシュ時間帯においてホットダッシュ運転モードを実施するのに必要な熱量を予測する。予測方法は、ホットダッシュ運転モードの継続時間と、ホットダッシュ運転モード実施時の熱負荷(暖房)から算出する。例えば、ホットダッシュ運転モードの継続時間を算出する時に、熱負荷(暖房)履歴データから継続時間における熱負荷(暖房)の総量を求めることで、ホットダッシュ運転モードを実行するのに必要な熱負荷(暖房)の総量を求めることができる。
また、制御器23は、暖房使用開始時刻に貯湯タンク20内に貯まっている熱量を予測する。まず、現時点で貯湯タンク20に貯まっている熱量を算出する。算出方法は、例えば、貯湯タンク20内に設置されている複数の温度センサ25a〜25eを用いて、例えば水道水との温度差により熱量を算出する。貯湯タンク20内に設置された温度センサ25a〜25eに対応して貯湯タンク20内で区分される温度領域毎の熱量を算出し、合計値を求めることで貯湯タンク20内の貯められた総熱量を求めることができる。なお、水道水の温度は、貯湯タンク20内に給水経路27から水道水を注水するタイミングで予め取得しておけばよい。
次に、燃料電池11の発電予定時刻と電力計測ユニット54から取得した電力負荷履歴データに基づき、暖房使用開始時刻までに貯湯タンク20内に貯められる熱量を予測する。燃料電池ユニット10は、需要家が使用している電力量に追従するように発電量を制御する。そのため、発電開始時刻と家庭内の電力需要を記憶装置67に記憶された電力負荷履歴データから予測することで、貯湯タンク20内に貯められる熱量を予測することができる。
次に、ステップS4に進み、ホットダッシュ運転モードの終了時までに必要な熱量を求める。ホットダッシュ運転モードの終了時までに必要な熱量は、記憶装置67に記憶されている気象情報と対応付けられた熱負荷(暖房)履歴データから算出することができる。図7に、このようにして求めた熱負荷(暖房)履歴データ、電力負荷履歴データの一例を示す。
次に、ステップS5に進み、暖房使用開始時刻に貯湯タンク20に貯められている熱量と、ステップS4で求めたホットダッシュ運転モードの終了時までに必要な熱量を比較し、
ホットダッシュ運転モード継続時間に不足している熱量を求める。
比較した結果、貯湯タンク20内にホットダッシュ時間帯に必要な熱量以上が貯められていると判断した場合(Yes)、ステップS6に進み、準備運転モードは実施しない。
一方、比較した結果、貯湯タンク20内にホットダッシュ時間帯に必要な熱量が貯められていないと判断した場合(No)、ステップS7に進み、準備運転モードを実施し、貯湯タンク20に高温の温水を供給する。
次に、ステップS7で制御器23が実施する準備運転モードの処理について説明する。まず、制御器23は、ホットダッシュ時間帯に不足する熱量の値を記憶する。次に、制御器23は、準備運転モードを開始する時刻を算出する。例えば、準備運転モードの開始時刻は、記憶装置67に記憶された電力負荷履歴データ、および、ホットダッシュ時に不足している熱量から算出する。
まず、暖房使用開始時刻から一定時間毎に遡って、一定発電量で貯められる熱量を計算する。ここでは、一定時間毎としたが、その値は小さい程、予測精度が増すが、一方で計算時間が増加するため、精度と計算時間の双方を鑑みて設定されるべき値である。また、一定発電量としたが、燃料電池ユニット10で定められている最大発電量などに設定しても良い。なお、燃料電池11を最大発電量で運転させた場合には、準備運転モードでの運転時間は短くなるが、省エネ性などが悪化してしまう可能性もあるため、準備運転モードの運転時間と省エネ性のバランスを考慮して設定されるべき値である。
次に、制御器23は、上記処理により計算した、一定発電量で貯められる熱量をホットダッシュ時間帯に不足している熱量から減算する。
そして、ホットダッシュ時間帯に不足している熱量の値がゼロとなっていたら準備運転モードの運転開始時刻を、現在、算出している時刻に設定する。
一方、ホットダッシュ時間帯に不足している熱量がゼロになっていなかった場合、ゼロになるまで、暖房使用開始時刻から一定時間遡って同じ計算を繰り返し、ゼロになった時点の時刻を準備運転モードの運転開始時刻に設定する。
なお、一定発電量で貯められる熱量は、記憶装置67に記憶された電力負荷履歴データを用い、電力負荷履歴データに基づいて需要家の電力負荷値を予測する。燃料電池ユニット10で発電された電力は、需要家の電力負荷分は需要家内の供給電力として消費される。残りの発電電力は、燃料電池ユニット10の余剰ヒータ14に通電され、貯湯タンク20と接続された熱回収経路21の第2部分21bを流通する温水を加熱するのに使用される。そのため、余剰ヒータ14への通電により、貯湯タンク20に貯められる熱量は、次式「{(一定発電量)−(電力負荷予測値)}×(余剰ヒータの効率)」で求めることができる。
一方、貯湯タンク20内の温水は、燃料電池11内部のアノードオフガス、カソードオフガス、および燃焼排ガスを冷却するために使用され、冷却に使用された温水は、貯湯タンク20内に戻るように設計されている。そのため、燃料電池11の発電量に応じて、貯湯タンク20に貯められる熱量は、発電に使用されるガス量を使用して、次式「(発電量/発電効率)×(熱回収効率)」で求めることができる。
以上より、一定発電量で貯湯タンク20へ貯められる熱量は、「(発電量/発電効率)×(熱回収効率)+{(一定発電量)−(電力負荷予測値)}×(余剰ヒータの効率)」で求めることができる。
次に、ステップS8に進み、燃料電池11の発電開始時刻を決定する。
上記した検討により、準備運転モードの運転開始時刻が発電開始の予定時刻より前にする必要があると判断された場合(No)、ステップS9に進む。この場合の、熱負荷(暖房)予測値、電力負荷予測値、発電電力、および、貯湯タンク内熱量予測値の一例を図8に示す。この場合には、発電予定時刻を準備運転モードの運転開始時刻より前に設定する必要がある。燃料電池ユニット10は、発電を開始するまでに、燃料電池ユニット10内部の改質水などの温度を高温状態にしておく必要があるため、発電を開始するまでの起動時間が多く必要になる。
そのため、準備運転モードの運転開始時刻までに発電可能な状態にしておくため、準備運転モードの運転開始時刻から燃料電池11の起動運転に要する時間を考慮し、起動開始時刻として設定する必要がある。
一方、準備運転モードの運転開始時刻が発電開始の予定時刻より前にする必要がないと判断された場合(Yes)、ステップS10に進む。この場合の、熱負荷(暖房)予測値、電力負荷予測値、発電電力、および、貯湯タンク内熱量予測値の一例を図9に示す。制御器23は、燃料電池11の起動開始時刻になったら、起動開始を実施し、発電を開始させ、準備運転モードでの運転は行わない。
上記処理により決定された準備運転モード、ホットダッシュ運転モード、通常運転モードに基づき、コージェネレーションシステム100の運転情報データベース66が作成され、記憶装置67に記憶される。制御器23は、運転情報データベース66に基づき、コージェネレーションシステム100の運転制御を行うことになる。
なお、本実施形態では、一定発電量で発電をするものとして準備運転モードの運転開始時刻を算出したが、需要家の電力負荷に追従する形で貯湯タンク20に温水を貯めてもよい。その場合、暖房使用開始時刻から遡って貯湯タンク20に貯められる熱量を算出していく過程で、一定発電量での計算ではなく、電力負荷履歴データより算出した電力負荷予測値に負荷追従するような発電量で、貯湯タンク20に貯められる熱量を算出することができる。また、燃料電池11は負荷追従運転を行うので、余剰ヒータ14への通電は行わない。
ここで、一定発電量により準備運転モードでの運転開始時刻を算出する方法は、短期間で貯湯タンク20に必要な熱量を貯めることができるが、需要家が必要としない電力を発電し、余剰ヒータ14で消費する必要がある。一方、需要家で消費されると予測される負荷への追従により準備運転モードの運転開始時刻を算出する方法は、貯湯タンク20に必要な熱量を貯める時間が必要となり、発電しなくても良い時間帯に発電を行う可能性が高くなる。そのため、上記2つの方法を、省エネ性などで比較した結果に基づいて選択してもよく、あるいは、需要家の選択を考慮して選択してもよい。
(循環経路の制御)
次に、コージェネレーションシステム100において、暖房装置53を運転した場合の循環経路30の制御について説明する。具体的には、制御器23は、図10に示す各処理を定期的に実行する。
暖房装置53の運転が開始されると、制御器23に対し、利用温度に関する情報が提供される。ステップS11において、制御器23は、暖房装置53の利用温度に関する情報を取得する。「利用温度」は、コージェネレーションシステム100の制御器23に対して要求される温度であって、ユーザによって設定された暖房のレベル(強さ)に応じて決まる温度である。この温度は、暖房装置53の入口(又は熱交換器42の出口)における熱媒体の温度でありうる。
ステップS12において、利用温度に関する情報を参照して、制御器23は、熱媒体の温度及び温水の戻り温度を予測する。熱媒体の温度及び温水の戻り温度は、利用温度に関する情報に対応して予め定められていてもよい。制御器23は、利用温度に対応して熱媒体の温度及び温水の戻り温度が記述されたテーブルを有していてもよい。
例えば、40℃の利用温度が暖房装置53から要求されたとき、熱交換器42の入口における温水の温度は概ね50℃であることが必要とされる。この場合、熱交換器42において、温水の温度は40℃まで低下すると予測される。戻り温度は、予め実験的に調べることができる。ステップS12の処理によれば、暖房装置の使用を開始する前に温水の戻り温度を特定できる。
ステップS13において、貯湯タンク20内の温水の温度が熱媒体の温度以上であるかどうかを判断する。貯湯温度が熱媒体の温度よりも低い場合、ステップS17において、バックアップボイラ36の使用を許可する。つまり、貯湯タンク20に貯められた温水の温度よりも高い温度の温水が暖房装置53に要求されたとき、バックアップボイラ36の使用を許可する。この処理によれば、貯湯タンク20に貯められた温水の温度が低い場合であったとしても、バックアップボイラ36の助けを借りて、暖房装置53の熱媒体の温度を必要十分な温度まで昇温させることができる。
熱交換器に供給する温水温度である貯湯温度としては、貯湯タンク20の上部に貯められた温水の温度を採用できる。本実施形態では、貯湯温度として、温度センサ25aの検出値を使用できる。温度センサ25aは、貯湯タンク20に貯められた温水の温度を検出する温度センサであって、鉛直方向において、貯湯タンク20の最も上に配置されている。そのため、温度センサ25aは、貯湯タンク20の中で最も高い温度を示すと考えられる。正確な貯湯温度を使用することによって、バックアップボイラ36の使用頻度を減らすことができる。
貯湯温度が熱媒体の温度よりも低く、かつ、バックアップボイラ36の使用を許可したとき、ステップS18において、混合弁32を制御して貯湯タンク20への温水の返送を制限する。本実施形態では、混合弁32を制御して貯湯タンク20への温水の返送を禁止する。バックアップボイラ36で温水を加熱するとき、戻り温度も十分に高いことが想定される。したがって、バックアップボイラ36を使用するときは貯湯タンク20に温水を戻さず、バイパス経路31に温水を導くことによって、バックアップボイラ36と熱交換器42との間で温水を循環させる。
ステップS18において、温水を貯湯タンク20に返送することを許容する場合であったとしても、貯湯タンク20に戻される温水の流量が少なければ少ないほど、貯湯タンク20の内部の温度成層を維持しやすい。その結果、コージェネレーションシステム100が水不足に陥る可能性が浮上するまでの時間を稼ぐことができ、コージェネレーションシステム100の省エネルギー性が向上することを期待できる。
貯湯温度が熱媒体の温度以上である場合、ステップS14において、戻り温度が閾値温度以下かどうかを判断する。戻り温度が閾値温度以下である場合には、ステップS15において、バックアップボイラ36の使用を禁止するとともに、ステップS16において、混合弁32を制御して混合比を調節する。つまり、バイパス経路31に導かれる温水の流量(単位:リットル/min)と貯湯タンク20に戻される温水の流量との比率を調節する。これにより、温水の一部又は全量が貯湯タンク20に戻される。混合比は、暖房装置53の要求(利用温度)に応じて調節されうる。このようにすれば、バックアップボイラ36の使用頻度を減らしつつ、最適な温度の温水を熱交換器42に供給できる。
戻り温度が閾値温度よりも高い場合、ステップS17において、バックアップボイラ36の使用を許可するとともに、ステップS18において、混合弁32を制御して貯湯タンク20への温水の返送を制限する。本実施形態では、混合弁32を制御して貯湯タンク20への温水の返送を禁止する。これにより、熱交換器42から排出された温水の全量がバイパス経路31に導かれる。
本実施形態によれば、暖房装置53の熱源として貯湯タンク20の温水を使用したとき、閾値温度よりも高い温度の温水が貯湯タンク20に戻されることを回避できる。そのため、貯湯タンク20の内部の温度成層が乱れることを抑制できる。その結果、貯湯タンク20に貯められた水でアノードオフガス、カソードオフガス、及び、燃焼排ガスから選ばれる少なくとも1つのガスを冷却して十分な量の凝縮水を生じさせることができる。燃料電池11の運転を停止させたり、貯湯タンク20の温水を破棄したりすることを極力回避できるので、コージェネレーションシステム100の省エネルギー性が向上することを期待できる。
ステップS14における「閾値温度」は、コージェネレーションシステム100の設計に応じて適切に定められる。具体的には、閾値温度は、貯湯タンク20の下部に貯められた温水に要求される温度であって、温水を冷却媒体として熱交換器13に流通させたとき、燃料電池11の運転を継続するために必要な量の凝縮水を生じさせることができる温水の温度である。このような要件を満たす閾値温度を採用することによって、コージェネレーションシステム100が水不足に陥ることを防止できる。一例において、閾値温度は、40〜50℃の範囲における特定の温度に定められる。季節、燃料電池11の運転状態に応じて、閾値温度が変化してもよい。
なお、ステップS13の熱媒体の温度は、暖房装置53の入口又は熱交換器42の出口における熱媒体の温度の予測値である。ただし、暖房装置53の入口又は熱交換器42の出口における熱媒体の温度を温度センサで検出し、検出値をステップS3の「熱媒体の温度」として用いてもよい。同様に、ステップS14の温水の戻り温度は、熱交換器42から貯湯タンク20に戻されるべき温水の温度の予測値である。温水の戻り温度を温度センサ38で検出し、検出値をステップS14の「戻り温度」として用いてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の形態を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
本開示の技術は、コージェネレーションシステムの温水を使用した暖房に有用である。
10 燃料電池ユニット
11 燃料電池
12 改質器
13、42 熱交換器
14 余剰ヒータ
15、34,51 ポンプ
20 貯湯タンク
21 熱回収経路
21a 第1部分
21b 第2部分
22、25a〜25e、38 温度センサ
23 制御器
27 給水経路
30 循環経路
30a 往路部分
30b 復路部分
31 バイパス経路
32 混合弁
36 バックアップボイラ
50 熱媒体回路
53 暖房装置
54 電力計測ユニット
55 給湯経路
56 給湯栓
61 暖房運転情報入力部
62 電力負荷入力部
63 気象情報取得部
64 熱負荷予測部
65 運転データベース作成部
66 運転情報データベース
67 記憶装置
68 気象情報提供装置
69 ネットワーク
70 暖房使用開始時刻入力部
100 コージェネレーションシステム

Claims (7)

  1. 電力負荷に追従して運転可能な燃料電池と、
    前記燃料電池の運転に伴って発生する排熱によって生成された温水を貯める貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクに貯められた前記温水と暖房装置の熱媒体の間で熱交換を生じさせる熱交換器と、
    前記貯湯タンクと前記熱交換器とを接続している往路部分と、前記熱交換器と前記貯湯タンクを接続している復路部分とを有する循環経路と、
    前記暖房装置の使用開始時刻を設定する時刻設定部と、
    前記貯湯タンクに貯められた前記温水により蓄積された熱量の検出手段と、
    前記燃料電池と前記暖房装置を制御する制御器と、を備え、
    前記暖房装置の運転開始初期には、前記貯湯タンクから前記熱交換器に供給する温水の利用温度を通常運転時の温水より高く設定するホットダッシュ動作を行うように構成されており、
    前記制御器は、
    所定の種類の気象情報を受け付ける気象情報取得部を有し、
    前記暖房装置の暖房運転に伴う熱負荷、前記電力負荷、および前記気象情報のそれぞれの時系列の履歴データを生成して記憶し、
    取得した前記暖房装置の使用開始時刻における前記気象情報から、前記ホットダッシュ動作を行う期間での前記暖房運転に伴う熱負荷、および前記電力負荷のそれぞれの時系列の予測データを前記履歴データに基づいて生成し、
    取得した前記暖房装置の使用開始時刻における前記貯湯タンクに貯められると予測される熱量と、前記予測データに基づいて前記ホットダッシュ動作を行う期間における熱量の過不足を判定し、
    前記ホットダッシュ動作を行う期間に前記熱量が不足すると判断した場合、前記燃料電池の起動開始時刻を早める、前記燃料電池の最低発電量を増加させる動作の少なくとも一つを行うように構成された、コージェネレーションシステム。
  2. 前記制御器は、前記暖房装置の使用開始時刻における前記気象情報に基づいて、前記ホットダッシュ動作を行う期間における前記利用温度を設定する、請求項1記載のコージェネレーションシステム。
  3. 前記循環経路の前記往路部分に配置されたバックアップ熱源機を備え、
    前記貯湯タンクに貯められた前記温水の温度よりも高い温度の温水が前記制御器から要求されたとき、前記バックアップ熱源機の使用が許可される、請求項1または請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
  4. 前記制御器は、前記燃料電池で発生した電力の内、前記電力負荷を除く余剰電力を排熱熱源として還元させつつ前記燃料電池の供給電力を制御する余剰電力制御器を備えている、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  5. 前記往路部分と前記復路部分とを接続しているバイパス経路を備え、
    前記循環経路の前記復路部分は、前記貯湯タンクの上部に接続され、前記循環経路の前記復路部分は前記貯湯タンクの下部に接続されており、
    前記熱交換器から前記貯湯タンクに戻されるべき前記温水の温度またはその予測値である戻り温度が閾値温度以下である場合には前記温水が前記貯湯タンクに戻され、前記戻り温度が前記閾値温度より高い場合には前記貯湯タンクへの返水を制限しつつ前記温水を前記バイパス経路に導くように構成された、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  6. 前記貯湯タンクに接続され、前記燃料電池のアノードオフガス、前記燃料電池のカソードオフガス、および、燃焼排ガスから選ばれる少なくとも1つのガスを冷却して凝縮水を生成する冷却器を備え、
    前記閾値温度は、前記温水を冷却媒体として前記冷却器を流通させたとき、前記燃料電池の運転を継続するために必要な量の前記凝縮水を生じさせることができる前記温水の温度である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  7. 前記制御器は、前記暖房装置の利用温度から前記戻り温度を予測する戻り温度予測部を備え、
    前記戻り温度予測部の予測結果に応じて前記バイパス経路を流れる前記温水の流量が制御される、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
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