JP2020118204A - 差動装置 - Google Patents

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利基 加藤
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Sukenori Shinjo
右典 新庄
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Abstract

【課題】ピニオンシャフトの軸部の、ケース半体の切欠部内での軸方向移動を規制可能とし、しかもデフ機構の潤滑性が良好であり且つ構造簡単な差動装置を提供する。【解決手段】デフケースCにおける一方のケース半体C1に設けた切欠部Kと、切欠部Kにピニオンシャフト24の軸部24aを係止する係止部材9とを備え、切欠部Kは、一方のケース半体C1の、他方のケース半体C2との対向面に一端を開口させて軸方向に延び且つ軸部24aが通過可能な第1切欠部分K1と、第1切欠部分K1に連なり且つそれよりも幅広に形成される第2切欠部分K2を有し、係止部材9の支持孔9hに軸部24aを挿入させると共に係止部材9を第2切欠部分K2に嵌着することで、軸部24aが係止部材9を介して第2切欠部分K2に係止、固定され、両ケース半体C1,C2相互を結合した差動装置10の組立状態で第1切欠部分K1がデフケースCの内外を常時連通させる。【選択図】図1

Description

本発明は、差動装置、特に所定軸線回りに回転可能なデフケースと、デフケースに回転自在に支持される一対のサイドギヤと、一対のサイドギヤに噛合するピニオンギヤと、デフケースの軸方向と直交する方向の軸部を有し且つその軸部を介してピニオンギヤをデフケースに回転自在に支持するピニオンシャフトとを備え、デフケースが、軸方向に互いに隣接配置されて結合される一対のケース半体を有した差動装置に関する。
尚、本発明及び本明細書において、「軸方向」「周方向」「径方向」とは、特に断りのない限りはデフケースの回転軸線(即ち前記所定軸線)を基準とした軸方向、周方向、径方向をそれぞれいう。
上記差動装置において、一方のケース半体に、他方のケース半体との対向面に一端を開口させて軸方向に延び且つピニオンシャフトの軸部が上記一端より挿入可能な切欠部を設けたピニオンシャフト支持構造が、例えば特許文献1に示されるように従来より知られている。
特開昭61−192948号公報
上記した従来の差動装置では、両ケース半体相互を結合する前に、ピニオンシャフトの軸部を一方のケース半体の切欠部に挿入する等して、差動ギヤ機構をデフケースに容易に組付けできる利点があるが、両ケース半体相互の結合後においても、ピニオンシャフトの軸部が切欠部内で軸方向に動き得るため、次のような不都合ある。
即ち、上記差動装置では、差動回転によりピニオンギヤから一対のサイドギヤへの伝達トルクに不均衡が生じたときに、ピニオンギヤがトルクの小さいサイドギヤの側に押し付けられてバックラッシュが無くなることで、そのトルクの小さいサイドギヤの、トルク伝達面となる歯面と反対側の歯面に対しピニオンギヤが干渉する虞れがあり、それがギヤの耐久性低下や伝動音増大を招く等の問題がある。
本発明は、上記に鑑み提案されたものであり、両ケース半体相互の結合状態ではピニオンシャフトの軸部の、ケース半体の切欠部内での軸方向移動を規制して上記問題を解決可能であり、しかも構造が簡素で且つデフケース内への潤滑性が良好な差動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、所定軸線回りに回転可能なデフケースと、前記デフケースに回転自在に支持される一対のサイドギヤと、前記一対のサイドギヤに噛合するピニオンギヤと、前記デフケースの軸方向と直交する方向の軸部を有し且つ該軸部を介して前記ピニオンギヤを前記デフケースに回転自在に支持するピニオンシャフトとを備え、前記デフケースが前記軸方向に互いに隣接配置される一対のケース半体を有する差動装置において、一方の前記ケース半体に設けられる切欠部と、前記切欠部に前記軸部を係止するための係止部材とを備え、前記切欠部は、前記一方のケース半体の、他方のケース半体との対向面に一端を開口させて前記軸方向に延び且つ前記ピニオンシャフトの軸部が通過可能な第1切欠部分と、前記第1切欠部分に連なり且つ該第1切欠部分よりも幅広に形成される第2切欠部分とを有し、前記係止部材は前記軸部を挿入可能な支持孔を有し、前記支持孔に前記軸部を挿入させると共に前記係止部材の外周部を前記第2切欠部分に嵌着することで、該軸部が前記係止部材を介して前記第2切欠部分に係止、固定され、前記一対のケース半体相互を結合した差動装置の組立状態で、前記第1切欠部分が前記デフケースの内外を常時連通させることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記第2切欠部分は、該第2切欠部分への前記係止部材の嵌入限界を規定するように該係止部材に係合可能なストッパ部を有することを第2の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記軸部は、前記ピニオンギヤが回転自在に嵌合、支持される大径軸部と、前記大径軸部の外端に段差部を介して連なり且つ前記支持孔に挿入させる小径軸部とを有していて、前記段差部と前記係止部材との係合により、前記第2切欠部分への前記係止部材の嵌入限界を規定することを第3の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、一方のケース半体に設けた切欠部と、その切欠部に軸部を係止するための係止部材とを備え、切欠部は、一方のケース半体の、他方のケース半体との対向面に一端を開口させて軸方向に延び且つピニオンシャフトの軸部が通過可能な第1切欠部分と、第1切欠部分に連なり且つ第1切欠部分よりも幅広に形成される第2切欠部分を有し、また係止部材は、軸部を挿入可能な支持孔を有し、その支持孔に軸部を挿入させると共に係止部材の外周部を第2切欠部分に嵌着することで、軸部が係止部材を介して第2切欠部分に係止、固定されるので、両ケース半体相互を結合した差動装置の組立状態では、ピニオンシャフトの切欠部内での軸方向移動が、第2切欠部分に嵌着した係止部材で確実に規制可能となる。
その上、第1切欠部分は、差動装置の組立状態でデフケースの内外を常時連通させるので、第1切欠部分を通してデフケースの内外間で潤滑油を流通可能となり、特に第1切欠部分はピニオンシャフトの軸部近傍に存することから、ピニオンギヤやその背面を効率よく潤滑可能である。またピニオンシャフトの軸部をケース半体に取付け、固定するための切欠部の一部が、デフケース内外を連通させる潤滑油流通孔に兼用されることで、それだけ装置の構造簡素化やコスト節減に寄与することができる。
また第2の特徴によれば、第2切欠部分は、第2切欠部分への係止部材の嵌入限界を規定するように係止部材に係合可能なストッパ部を有するので、係止部材を第2切欠部分に嵌装する際に、係止部材を定位置に的確に固定可能となり、係止部材がデフケース内に過度に入り込んでピニオンギヤ等と干渉するのを確実に防止できる。
また第3の特徴によれば、ピニオンシャフトの軸部は、ピニオンギヤが嵌合、支持される大径軸部と、大径軸部の外端に段差部を介して連なり且つ係止部材の支持孔に挿入させる小径軸部とを有していて、その段差部と係止部材との係合により、第2切欠部分への係止部材の嵌入限界を規定するので、係止部材を第2切欠部分に嵌装する際に係止部材を定位置に的確に固定可能となり、係止部材がピニオンギヤ等と干渉するのを確実に防止できる。しかも軸部の段差部が係止部材に対するストッパ手段を兼ねるため、第2切欠部分の構造簡素化が図られる。
本発明の第1実施形態に係る差動装置を示す全体縦断面図(図2の1−1線断面図) 図1の2−2線断面図 (A)は図2の3A矢視部拡大図、(B)は図3(A)のB−B線断面図 第1実施形態に係る差動装置の分解斜視図 第2実施形態に係る差動装置の要部拡大断面図(図3(A)対応断面図)
本発明の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
先ず、図1〜図4を参照して第1実施形態について説明する。図1において、車両(例えば自動車)のミッションケース16内には、図示しない動力源(例えば車載のエンジン)からの動力を、ドライブ軸としての左右の車軸11,12に分配して伝達する差動装置10が収容される。差動装置10は、デフケースCと、デフケースCに内蔵されるデフ機構20とを備える。
またミッションケース16内には、前記動力源に不図示の変速装置を介して連動する駆動ギヤ17が配設されており、この駆動ギヤ17と噛合するリングギヤ8がデフケースCに、後述する取付構造を以て固定される。尚、ミッションケース16に設けた貫通孔16h,16h′と、これら孔16h,16h′に嵌挿した左右の車軸11,12との各間には、環状シール部材がそれぞれ介装される。
デフケースCは、軸方向に互いに隣接配置される第1,第2ケース半体C1,C2相互を、周方向に間隔をおいて並ぶ複数のボルト18で着脱可能に結合されて構成されており、所定軸線としての第1軸線X1回りに回転できるようにミッションケース16に支持される。
第1ケース半体C1は、中心部に円形孔31hを有した円板状の第1端壁部31と、第1端壁部31の外周端に一体に連設される円筒状の周壁部33とを備えて有底円筒状に形成される。一方、第2ケース半体C2は、中心部に円形孔32hを有した円板状の第2端壁部32を主体としており、第2端壁部32の内側面には、第1ケース半体C1の周壁部33の先端部が同心状に嵌合する環状段部32sが形成される。そして、第2ケース半体C2は、これと第1ケース半体C1との結合状態では第1ケース半体C1の開放端を閉塞する。
第1,第2端壁部31,32の外側面には、第1軸線X1上に同軸に且つ互いに反対方向を向く第1,第2軸受ボス31b,32bがそれぞれ一体に連設されており、それら軸受ボス31b,32bの内周面は、対応する第1,第2端壁部31,32の円形孔31h,32hに段差部を介して連続する。第1,第2軸受ボス31b,32bは、それらの外周側において軸受13,14を介してミッションケース16に第1軸線X1回りに回転自在に支持される。
また、第1,第2軸受ボス31b,32bの内周面には、左右の車軸11,12がそれぞれ回転自在に嵌合されると共に、潤滑油引込み用の螺旋溝15,15′(図1参照)が設けられる。各螺旋溝15,15′は、各軸受ボス31b,32bと車軸11,12との相対回転に伴いミッションケース16内の潤滑油をデフケースC内に送り込むねじポンプ作用を発揮可能であって、デフケースC内への潤滑油導入手段を構成する。
第1,第2ケース半体C1,C2は、前者の周壁部33の端面と、後者の第2端壁部32の内側面外周部(より具体的には環状段部32sより径方向外側の内側面)との相対向面が、ケース半体C1,C2相互の合せ面となっている。そして、前記ボルト18は、上記合せ面を通る位置で第2ケース半体C2を貫通して第1ケース半体C1に螺挿、緊締される。
リングギヤ8は、本実施形態ではヘリカルギヤ状の歯部8agを外周に有するリム部8aと、このリム部8aの内周面から一体に突出するリング板状のスポーク部8bとを備える。尚、図1で歯部8agは、表示を簡略化するために、歯筋に沿う断面表示とした。
そして、リングギヤ8は、これのスポーク部8bの一側面及びリム部8aの内周面を第1ケース半体C1の外端面及び外周面にそれぞれ当接させた状態で、スポーク部8bを貫通する複数のボルト19を第1ケース半体C1に螺挿することで、第1ケース半体C1に固定される。尚、リングギヤ8のデフケースCへの固定手段は、実施形態に限定されず、例えば溶接、かしめ等の採用も可能であり、また第2ケース半体C2にリングギヤ8を固定してもよい。
次にデフ機構20の一例を説明する。デフ機構20は、第1,第2ケース半体C1,C2に第1軸線X1回りに回転自在に支持される第1,第2サイドギヤ21,22と、両サイドギヤ21,22に噛合する複数のピニオンギヤ23と、それらピニオンギヤ23を嵌合支持する複数の軸部24aを有してデフケースCに支持されるピニオンシャフト24とを備える。
そして、第1,第2サイドギヤ21,22は、円筒状ボス部21b,22bと、それらボス部21b,22bの外周より一体に連設されて径方向外方に延びる(従って軸方向に扁平な)円盤状のサイドギヤ本体部21a,22aとを有する。
第1,第2サイドギヤ21,22において、円筒状ボス部21b,22bの外端部外周は、第1,第2ケース半体C1,C2(より具体的には第1,第2端壁部31,32の円形孔31h,32h)に第1軸線X1回りに回転自在に嵌合、支持される。また円筒状ボス部21b,22bの内周面には、左右の車軸11,12の内端部がそれぞれ軸方向摺動可能且つ相対回転不能に嵌合(例えばスプライン嵌合)される。
一方、サイドギヤ本体部21a,22aの外周部の内側面には、ベベルギヤよりなるギヤ部21g,22gが設けられ、また同サイドギヤ本体部21a,22aの外周部の外側面(即ち背面)は、第1,第2ケース半体C1,C2(より具体的には第1,第2端壁部31,32)の内側面に各々サイドギヤワッシャ26を介して回転摺動可能に当接、支持される。
また、ピニオンシャフト24の複数の軸部24aは、各々の軸線が第1軸線X1と直交して放射状に延びており、その各内端が、第1軸線X1上に中心を有する略円環状のリング体24bに一体に結合される。尚、軸部24a(従ってピニオンギヤ23)の個数は、実施形態では4個であるが、適宜個数(例えば2個、3個、5個以上)に選定可能であり、周方向に等間隔で配置される。尚、ピニオンシャフト24はリング体24bを備えていなくてもよく、軸部24a相互の結合の態様は、実施形態に限定されない。例えば、軸部24a相互を直接結合してもよいし、或いはリング体以外の連結体で連結してもよい。
各々の軸部24aは、ピニオンギヤ23が回転自在に且つ軸部24aの軸線方向に摺動可能に嵌合、支持される大径軸部24a1と、大径軸部24a1の外端に段差部24asを介して連なる小径軸部24a2とを有する段付き円柱状に形成される。大径軸部24a1の外周面には、ピニオンギヤ23の内周面との間に潤滑油が流通可能な扁平油孔を画成するための一対の平坦なカット面28が形成される。尚、このカット面28は省略可能であり、また軸部24aは、段差部24asのない円柱状に形成してもよい。
各ピニオンギヤ23は、ベベルギヤよりなるギヤ部23gを外周に有しており、また各ピニオンギヤ23の背面は、第1ケース半体C1の周壁部33に、円錐テーパ状のピニオンワッシャ27を介して回転自在に支持される。而して、その周壁部33の、ピニオンギヤ23の背面側を支持する周壁部分33aが、ピニオンギヤ支持部となる。
ピニオンシャフト24の軸部24aは、これのデフケースCへのセット状態では、デフケースCの周壁(より具体的には第1ケース半体C1の周壁部33)に軸方向移動不能且つ相対回転不能に支持される。而して、リングギヤ8からデフケースCに伝達された回転駆動力は、デフ機構20を介して左右の車軸11,12に対し差動回転を許容されつつ分配伝達される。尚、このようなデフ機構20の動力分配機能は従来周知であるので、これ以上の説明を省略する。
次にピニオンシャフト24のデフケースCへの取付・固定構造の一例を主として図1,3,4を参照して具体的に説明する。
第1ケース半体C1、特に周壁部33には、第2ケース半体C2との対向面(即ち周壁部33の端面)に一端Koを開口させる複数(即ちピニオンギヤ23と同数)の切欠部Kが周方向に等間隔で形成される。各々の切欠部Kは、第1ケース半体C1の上記対向面に一端Koを開口させて軸方向に延びる第1切欠部分K1と、第1切欠部分K1の他端に連なる(即ち該他端が内周面に直接開口する)円形孔状の第2切欠部分K2とを有する。なお、第2切欠部分K2は第1切欠部分K1の途中に設けられていてもよい。
第1切欠部分K1は、ピニオンシャフト24の軸部24a(より具体的には小径軸部24a2)がデフケースCの軸方向に通過可能な幅、即ち小径軸部24a2の外径と略同幅かそれ以上の幅に形成される。一方、第2切欠部分K2は、第1切欠部分K1よりも大径(従って幅広)に形成されており、この第2切欠部分K2の内周面には、円筒状のスリーブ9の外周面が嵌合、保持される。
スリーブ9は、本発明の係止部材の一例であって、これの中心孔が、軸部24a(より具体的には小径軸部24a2)を挿入可能な支持孔9hを構成する。第2切欠部分K2の内周面には、第2切欠部分K2に嵌入されたスリーブ9の内端が係合し得るよう周方向に円弧状に延びるストッパ部K2sが一体に突設される。このストッパ部K2sは、スリーブ9に対するストッパ機能のみならず、小径軸部24a2を第2切欠部分K2の中心部側に誘導案内するガイド機能も発揮可能であり、そのガイド機能によりスリーブ9の組付け作業性が高められる。
尚、ストッパ部K2sは、その内径を小径軸部24a2の外径と略同径に設定してもよい。またストッパ部K2sは、円弧状に限定されず、少なくともスリーブ9の内端に係合してストッパ機能を発揮し得る形状であればよい。
而して、上記ストッパ部K2sにより、スリーブ9の第2切欠部分K2への嵌入限界が規定される。そして、その嵌入限界まで第2切欠部分K2に嵌入されたスリーブ9は、第2切欠部分K2の内周面の環状溝に係脱可能に係止させる弾性クリップ(例えばサークリップ40)により、第2切欠部分K2からの離脱が阻止される。
尚、スリーブ9を第2切欠部分K2に固定する固定手段としては、実施形態のような弾性クリップに限定されず、種々の固定手段(例えば、カシメ、ねじ止め、接着、溶接等)を採用可能である。
而して、スリーブ9の支持孔9hにピニオンシャフト24の小径軸部24a2を挿入させると共に、スリーブ9の外周部を第2切欠部分K2に嵌着することで、軸部24aがスリーブ9を介して第2切欠部分K2に係止、固定される。また切欠部K、特に第1切欠部分K1は、第1,第2ケース半体C1,C2相互を結合した差動装置10の組立状態においても常時開放状態にあって、デフケースCの内外を連通させる。
次に前記実施形態の作用を説明する。
差動装置10の組立に際しては、第1,第2ケース半体C1,C2相互を分離した状態で、例えば第1ケース半体C1内に先ずサイドギヤワッシャ26及び第1サイドギヤ21をセットし、次いで軸部24aにピニオンギヤ23及びピニオンギヤワッシャ27を嵌合させたピニオンシャフト24を第1ケース半体C1にセットする。
この場合、ピニオンシャフト24の各軸部24aの小径軸部24a2を各切欠部Kの一端Koの開口部より第1切欠部分K1内に挿入し、第1切欠部分K1内を軸方向に通過させて第2切欠部分K2内まで移動させる。次いで、スリーブ9の支持孔9hに軸部24aの小径軸部24a2を挿入させると共に、スリーブ9の外周部を第2切欠部分K2の内周面に嵌合させる。そして、スリーブ9が、ストッパ部K2sに係合する嵌入限界に達すると、第2切欠部分K2の内周に係止させたサークリップ40でスリーブ9を第2切欠部分K2に固定する。
かくして、ピニオンシャフト24の軸部24aがスリーブ9を介して第2切欠部分K2(従って第1ケース半体C1)に係止、固定される。
しかる後、サイドギヤワッシャ26を背面に配した第2サイドギヤ22をピニオンギヤ23と噛合させ、第2ケース半体C2(より具体的には第2端壁部32の内側面外周部)を第1ケース半体C1(より具体的には周壁部33の端面)に突き合わせる。そして、その突き合わせ状態では、第1ケース半体C1の周壁部33先端部が第2ケース半体C2の内側面の環状段部32sに同心嵌合されると共に、複数のボルト18を以て両ケース半体C1,C2相互が結合、一体化される。このとき第2ケース半体C2の第2端壁部32の内側面は、サイドギヤワッシャ26を介して第2サイドギヤ22背面を支持する。
このようにして差動装置10の組立が終わると、第1ケース半体C1にリングギヤ8のスポーク部8bを嵌合させ、両者を複数のボルト19で一体的に結合する。尚、リングギヤ8を第1ケース半体C1に予め固定しておき、その後で、差動装置10を組立てるようにしてもよい。
そして、組立が終了したデフケースCの第1,第2軸受ボス31b,32bを軸受13,14を介してミッションケース16に回転自在に支持し、更に左右の車軸11,12の内端部を第1,第2軸受ボス31b,32bに嵌挿させ且つ第1,第2サイドギヤ21,22の内周にスプライン嵌合させることで、差動装置10の自動車への組付け作業が終了する。
差動装置10が差動機能を果たすとき、デフケースCの左右の軸受ボス31b,32bと車軸11,12とが相対回転し、これに伴い、軸受ボス31b,32b内周の螺旋溝15,15′がミッションケース16内の飛散潤滑油をデフケースC内に送り込むねじポンプ作用を発揮する。これにより、デフケースCに大きな窓孔が無くても、デフケースC外の潤滑油をデフケースC内のデフ機構20の各部へ導入可能となる。
またデフケースCの周壁部33には、開放状態の第1切欠部分K1に相当する油出入り口が存するため、この第1切欠部分K1を通してもデフケースC内外間での潤滑油流通が可能となる。
以上説明した第1実施形態によれば、第1ケース半体C1に設けた切欠部Kが、第1ケース半体C1の、第2ケース半体C2との対向面に一端Koを開口させて軸方向に延び且つピニオンシャフト24の軸部24a(小径軸部24a2)が通過可能な第1切欠部分K1と、第1切欠部分K1に連なり且つ第1切欠部分K1よりも幅広に形成される第2切欠部分K2を有している。そして、スリーブ9の支持孔9hに軸部24a(小径軸部24a2)を挿入させると共に、同スリーブ9の外周部を第2切欠部分K2に嵌着することで、軸部24aがスリーブ9を介して第2切欠部分K2に係止、固定される。
これにより、両ケース半体C1,C2相互を結合した差動装置10の組立状態では、ピニオンシャフト24の、切欠部K内での軸方向移動が、第2切欠部分K2に嵌合したスリーブ9で確実に規制可能となる。そのため、例えば、差動装置10の差動回転によりピニオンギヤ23から第1,第2サイドギヤ21,22への伝達トルクに不均衡が生じたような場合でも、第1,第2サイドギヤ21,22とピニオンギヤ23との各噛合が適切になされて、各ギヤの耐久性向上や伝動音低減が図られる。 また上記組立状態では、ピニオンシャフト24の、切欠部K内での周方向移動が、第2切欠部分K2に嵌合したスリーブ9で確実に規制可能となるため、ピニオンシャフト24がデフケースCに対し周方向にガタなく一体に回転し、差動装置10による伝達トルクの変動が抑えられる。
その上、差動装置10の組立状態で第1切欠部分K1がデフケースCの内外を常時連通させるから、この第1切欠部分K1を通して、デフケースC内にミッションケース16内の飛散潤滑油を導入可能であると共にデフケースC内の余剰潤滑油をデフケースC外に排出可能である。しかも第1切欠部分K1は、ピニオンシャフト24の軸部24aの近傍に存することから、ピニオンギヤ23の背面側(従ってピニオンギヤワッシャ27)を効率よく潤滑可能である。またピニオンシャフト24の軸部24aを第1ケース半体C1に取付け、固定するための切欠部Kの一部(即ち第1切欠部分K1)が、デフケースC内外間の潤滑油流通孔に兼用可能となることで、それだけ差動装置10の構造簡素化やコスト節減が達成可能となる。
さらに第2切欠部分K2は、これへのスリーブ9の嵌入限界を規定するようにスリーブ9に係合可能なストッパ部K2sを有するため、スリーブ9を第2切欠部分K2に嵌装する際に、スリーブ9を定位置に的確に位置決め、固定可能となる。これにより、スリーブ9がデフケースC内に過度に入り込んでピニオンギヤ23の背面側(例えばピニオンギヤワッシャ27等)と干渉するのを確実に防止できる。
次に図5を参照して、第2実施形態について説明する。第2切欠部分K2へのスリーブ9の嵌入限界を規定するために、第1実施形態ではスリーブ9に係合可能なストッパ部K2sを第2切欠部分K2の内周面に突設したものを示したが、第2実施形態では、ストッパ部K2sを省略し、それに代えてピニオンシャフト24の軸部24aの段差部24as′が用いられる。
即ち、第2実施形態の軸部24aは、ピニオンギヤ23を嵌合、支持する大径軸部24a1とスリーブ9の支持孔9hに挿入させる小径軸部24a2との間の段差部24as′が、第2切欠部分K2内に配置されており、この段差部24as′にスリーブ9を係合させることで、スリーブ9の第2切欠部分K2への嵌入限界を規定する。
第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様であるため、各構成要素に第1実施形態の対応する構成要素と同じ参照符号を付すにとどめ、これ以上の説明は省略する。而して、第2実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が達成される。
更に第2実施形態の構造によれば、軸部24aの段差部24as′が、第1実施形態のストッパ部K2sと同様のストッパ機能を果たし、即ちスリーブ9に対するストッパ手段を兼ねるため、第2切欠部分K2にストッパ部K2sを特設する必要はなくなり、それだけ第2切欠部分K2の構造簡素化が図られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、差動装置10を車両用差動装置に実施したものを示したが、本発明では、差動装置10を車両以外の種々の機械装置に実施してもよい。
また前記実施形態では、リングギヤ8の歯部8agをヘリカルギヤ状としたものを示したが、本発明のリングギヤは、実施形態に限定されず、例えば、ベベルギヤ、ハイポイドギヤ、スパーギヤ等でもよい。
また、前記実施形態では、第1,第2ケース半体C1,C2相互を複数のボルト18で結合するものを示したが、その結合手段は、実施形態に限定されず、種々の結合手段(例えば溶接、カシメ等)を採用可能である。
また、前記実施形態では、サイドギヤ21,22の背面にサイドギヤワッシャ26を、またピニオンギヤ23の背面にピニオンギヤワッシャ27をそれぞれ配したものを示したが、それらワッシャ26,27の少なくとも一方を省略して、サイドギヤ21,22の背面及び/又はピニオンギヤ23の背面をデフケースC内面に直接支持させるようにしてもよい。
また前記実施形態では、軸受ボス31b,32bの内周面に設けた潤滑油引込み用の螺旋溝15,15′を潤滑油導入手段の一例として示したが、潤滑油導入手段は、実施形態に限定されない。例えば、螺旋溝15,15′に代えて又は加えて、車軸11,12や、サイドギヤ23の背面に長く延設してデフケースC外に延ばしたサイドギヤ21,22のボス等に潤滑油導入手段となる潤滑油路や、螺旋溝を設けてもよい。
また前記実施形態では、デフケースCの周壁部33や第1、第2端壁部31,32に、切欠部Kから独立した油出入り窓が開口されないものを示したが、必要に応じて油出入り窓をデフケースCの周壁部33又は第1、第2端壁部31,32に設けてもよい。
また前記実施形態では、動力源からデフケースCへの動力入力手段としてリングギヤ8をデフケースCに結合したものを示したが、動力入力手段は、実施形態に限定されず、例えばリングギヤ8に代えて、種々の伝動輪(例えばスプロケット、Vプーリ等)を用いてもよい。或いはまた、種々の減速又は増速装置の出力部材(例えば遊星歯車装置のキャリア等)をデフケースC(例えば、第1ケース半体C1又は第2ケース半体C2)に結合してもよく、又は一体に形成してもよい。
C・・・・・・・デフケース
C1・・・・・・一方のケース半体としての第1ケース半体
C2・・・・・・他方のケース半体としての第2ケース半体
K・・・・・・・切欠部
K1・・・・・・第1切欠部分
K2・・・・・・第2切欠部分
K2s・・・・・ストッパ部
Ko・・・・・・一端
X1・・・・・・所定軸線としての第1軸線
9・・・・・・・係止部材としてのスリーブ
9h・・・・・・支持孔
10・・・・・・差動装置
21,22・・・一対のサイドギヤとしての第1,第2サイドギヤ
23・・・・・・ピニオンギヤ
24・・・・・・ピニオンシャフト
24a・・・・・ピニオンシャフトの軸部
24a1,24a2・・大径軸部、小径軸部
24as′・・・段差部

Claims (3)

  1. 所定軸線(X1)回りに回転可能なデフケース(C)と、前記デフケース(C)に回転自在に支持される一対のサイドギヤ(21,22)と、前記一対のサイドギヤ(21,22)に噛合するピニオンギヤ(23)と、前記デフケース(C)の軸方向と直交する方向の軸部(24a)を有し且つ該軸部(24a)を介して前記ピニオンギヤ(23)を前記デフケース(C)に回転自在に支持するピニオンシャフト(24)とを備え、前記デフケース(C)が前記軸方向に互いに隣接配置される一対のケース半体(C1,C2)を有する差動装置において、
    一方の前記ケース半体(C1)に設けられる切欠部(K)と、前記切欠部(K)に前記軸部(24a)を係止するための係止部材(9)とを備え、
    前記切欠部(K)は、前記一方のケース半体(C1)の、他方のケース半体(C2)との対向面に一端(Ko)を開口させて前記軸方向に延び且つ前記ピニオンシャフト(24)の軸部(24a)が通過可能な第1切欠部分(K1)と、前記第1切欠部分(K1)に連なり且つ該第1切欠部分(K1)よりも幅広に形成される第2切欠部分(K2)とを有し、
    前記係止部材(9)は前記軸部(24a)を挿入可能な支持孔(9h)を有し、
    前記支持孔(9h)に前記軸部(24a)を挿入させると共に前記係止部材(9)の外周部を前記第2切欠部分(K2)に嵌着することで、該軸部(24a)が前記係止部材(9)を介して前記第2切欠部分(K2)に係止、固定され、
    前記一対のケース半体(C1,C2)相互を結合した差動装置(10)の組立状態で、前記第1切欠部分(K1)が前記デフケース(C)の内外を常時連通させることを特徴とする差動装置。
  2. 前記第2切欠部分(K2)は、該第2切欠部分(K2)への前記係止部材(9)の嵌入限界を規定するように該係止部材(9)に係合可能なストッパ部(K2s)を有することを特徴とする、請求項1に記載の差動装置。
  3. 前記軸部(24a)は、前記ピニオンギヤ(23)が回転自在に嵌合、支持される大径軸部(24a1)と、前記大径軸部(24a1)の外端に段差部(24as′)を介して連なり且つ前記支持孔(9h)に挿入させる小径軸部(24a2)とを有していて、前記段差部(24as′)と前記係止部材(9)との係合により、前記第2切欠部分(K2)への前記係止部材(9)の嵌入限界を規定することを特徴とする、請求項1に記載の差動装置。
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