JP2020118118A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御弁の耐久性を推定することができる内燃機関の冷却装置を提供すること。【解決手段】冷却装置20は、制御弁26のモータ37の駆動によって弁体を変位させる際にギアが受けるストレスである駆動時ストレスを算出する駆動時ストレス算出部62と、弁体の変位速度が急低下したとの判定がなされたときに、弁体の変位速度の急低下に起因してギアが受けるストレスである急低下時ストレスを算出する急低下時ストレス算出部59と、駆動時ストレス及び急低下時ストレスのうちの一方のストレスと等価変換係数との積と、他方のストレスとを基に、制御弁26の耐久性を推定する耐久性推定部60とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の冷却装置に関する。
特許文献1には、内燃機関内を流れる冷却水の循環回路での冷却水の流れを制御する制御弁と、制御弁を制御する制御部とを備える内燃機関の冷却装置の一例が記載されている。制御弁は、ハウジングと、ハウジング内に収容されている弁体と、制御部によって制御されるモータと、モータの出力トルクを弁体に伝達する複数のギアとを有している。モータの駆動を通じて弁体を変位させることにより、循環回路での冷却水の流れを制御することができる。
特開2018−40289号公報
モータの駆動によって弁体が変位しているときに、制御弁が異物を噛み込むなどして弁体の変位が規制され、弁体の変位速度が急激に低くなることがある。この際、弁体を変位させるべくモータが駆動しているにも拘わらず、弁体の変位が規制されるため、噛み合っているギアに対し、弁体の変位速度の急低下に起因する衝撃が入力される。こうした衝撃がギアに入力されると、当該衝撃に応じたストレスがギアに蓄積されることがある。
また、制御弁が異物を噛み込んでいる状態のままモータの駆動によって弁体を変位させると、ギアにはやはりストレスが蓄積される。
そして、ギアに蓄積されるダメージが大きいほど制御弁の耐久性が低くなったと推測することができる。しかしながら、特許文献1には、上記のようなストレスの大きさを推定する方法、及び、制御弁の耐久性を推定する方法は開示されていない。
上記課題を解決するための内燃機関の冷却装置は、内燃機関内を流れる冷却水の循環回路に制御弁が設けられているとともに、前記制御弁が、ハウジングと、前記ハウジング内で変位する弁体と、モータと、互いに噛み合う複数のギアを有し、且つ前記モータの出力を前記弁体に伝達する伝達機構と、を備えており、前記モータの駆動によって前記弁体を変位させることにより、前記循環回路での冷却水の流れを制御する装置である。この冷却装置は、前記モータの駆動を制御するモータ制御部と、前記モータに印加される実効電圧を基に、前記モータで発生するトルクであるモータトルクを算出するモータトルク算出部と、前記モータトルクのうち、前記弁体の変位に変換されたトルクである弁体トルクを、前記モータの角加速度が大きいほど大きくなるように算出する弁体トルク算出部と、前記モータの駆動によって前記弁体を変位させる際に前記ギアが受けるストレスである駆動時ストレスを、前記モータトルクと前記弁体トルクとの差が大きいほど大きくなるように算出する駆動時ストレス算出部と、前記モータの駆動によって前記弁体の位置が調整されるときにおける前記モータの角速度の変化量である角加速度が判定加速度以下であるときに、前記弁体の変位速度が急低下したとの判定をなす急低下判定部と、前記モータの角速度を平滑化した値である角速度なまし値が大きいほど大きくなるように、衝突係数を導出する衝突係数導出部と、前記弁体の変位速度が急低下したとの判定がなされたときに、前記弁体の変位速度の急低下に起因して前記ギアが受けるストレスである急低下時ストレスを、前記モータトルクと前記衝突係数との積が大きいほど大きくなるように算出する急低下時ストレス算出部と、前記駆動時ストレス及び前記急低下時ストレスのうちの一方のストレスと等価変換係数との積と、前記駆動時ストレス及び前記急低下時ストレスのうちの他方のストレスとを基に、前記制御弁の耐久性を推定する耐久性推定部と、を備えている。
弁体の位置の調整中に、冷却水とともに異物が制御弁のハウジング内に入り込んで当該異物を制御弁が噛み込むなどしたときに、弁体の変位が規制されることがある。この場合、モータからはトルクが出力されているにも拘わらず、弁体の変位速度が急激に小さくなる。すると、トルク伝達経路におけるモータと弁体との間に位置する伝達機構内のギアには、変位速度の急低下に起因する衝撃が入力されることとなる。
こうした衝撃の入力によってギアが受けるストレスである急低下時ストレスは、モータで発生するモータトルクが大きいほど大きくなりやすい。また、当該急低下時ストレスは、弁体の変位速度が急低下する直前における角速度が大きいほど大きくなりやすい。
そこで、上記構成では、モータに印加される実効電圧を基にモータトルクが算出されるとともに、モータの角速度なまし値を基に衝突係数が算出される。そして、衝突係数とモータトルクとの積が大きいほど急低下時ストレスが大きくなるように、急低下時ストレスが算出される。こうした構成によれば、弁体の変位速度が急低下する直前における角速度が大きいほど、衝突係数を大きくすることができる。そのため、モータトルクが大きいほど急低下時ストレスを大きくすることができるとともに、弁体の変位速度が急低下する直前における角速度が大きいほど急低下時ストレスを大きくすることができる。
また、モータの駆動によって弁体を変位させる場合、モータの出力トルクが弁体に入力されても弁体の変位がなかなか開始されなかったり、モータの出力トルクに見合った弁体の変位速度と、弁体の実際の変位速度との間に乖離があったりすることがある。このような場合には、モータトルクがモータと弁体との間に配置される伝達機構内でギアを押し付ける力として消費されているため、ギアにストレスが蓄積しうる。こうしたストレスのことを「駆動時ストレス」という。
モータから出力されたトルクは伝達機構を介して弁体に入力される。そのため、弁体の変位速度と、モータの角速度との間には相関性がある。つまり、モータの角加速度が大きいほど弁体の変位速度の増大量が大きくなる。そして、変位速度の増大量が多いということは、モータから伝達機構を介して弁体に入力されたトルクが大きいということである。そのため、弁体トルクは、角加速度が大きいほど大きくなる。そして、モータトルクから弁体トルクを差し引いた値が、伝達機構内で消費されたトルクに相当する。
この点、上記構成によれば、モータトルクに加え、モータの角加速度に基づいて弁体トルクが算出される。そして、算出したモータトルクと弁体トルクとの差が大きいほど駆動時ストレスが大きくなるように、駆動時ストレスが算出される。そのため、例えば実効電圧が高くても角加速度が大きくない場合には、実効電圧が高くて角加速度が大きい場合と比較して駆動時ストレスが大きくなる。したがって、モータの駆動中にギアが受けるストレスを算出することができる。
そして、上記構成では、上記のように算出した駆動時ストレス及び急低下時ストレスのうちの一方のストレスに等価変換係数を掛け合わせることにより、一方のストレスを、他方のストレスに等価変換している。そして、等価変換後の一方のストレスと、他方のストレスとを基に、制御弁の耐久性が推定される。したがって、上記構成によれば、制御弁の耐久性を推定することができる。
内燃機関の冷却装置の概略構成と、同冷却装置の制御装置の機能構成とを示す図。 同冷却装置の制御弁を示す斜視図。 同制御弁の分解斜視図。 同制御弁の弁体を示す斜視図。 同制御弁のハウジングを示す斜視図。 同制御弁において、弁体のハウジングに対する相対角度と各ポートの開度との関係を示すグラフ。 同制御装置の機能構成を示すブロック図。 急低下時ストレスを算出する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャート。 弁体変位期間中における駆動時ストレスの最大値を導出する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャート。 モータに電圧信号が入力された際に弁体の回転が速やかに開始された場合において、電圧信号のデューティ比、モータの角速度、及び、算出される駆動時ストレスの推移を示すタイミングチャート。 モータに電圧信号が入力された際に弁体の回転がなかなか開始されない場合において、電圧信号のデューティ比、モータの角速度、及び、算出される駆動時ストレスの推移を示すタイミングチャート。 同制御装置の耐久性推定部における機能構成を示すブロック図。
以下、内燃機関の冷却装置の一実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1に示すように、冷却装置20は、内燃機関10のシリンダブロック11内のウォータジャケット111及びシリンダヘッド12内のウォータジャケット121を流れる冷却水が循環する循環回路21を備えている。循環回路21には、シリンダブロック11内のウォータジャケット111に向けて冷却水を吐出するポンプ22と、冷却水を冷却するラジエータ23と、スロットルバルブやEGRバルブなどのような冷却対象となる各種のデバイス24と、車両の空調装置のヒータコア25とが設けられている。
循環回路21には、シリンダヘッド12内のウォータジャケット121から流出した冷却水が流入する制御弁26が設けられている。制御弁26は、制御弁26内に流入した冷却水を流出させる3つの出力ポートP1,P2,P3を有している。3つの出力ポートP1〜P3のうちのラジエータポートP1は、ラジエータ23を経由して冷却水を流動させる第1冷却水通路271に接続されている。3つの出力ポートP1〜P3のうちのデバイスポートP2は、各種のデバイス24を経由して冷却水を流動させる第2冷却水通路272に接続されている。3つの出力ポートP1〜P3のうちのヒータポートP3は、ヒータコア25を経由して冷却水を流動させる第3冷却水通路273に接続されている。
図2に示すように、制御弁26は、制御弁26の骨格を形成するハウジング31を備えている。ハウジング31には、第1コネクタ部材32、第2コネクタ部材33及び第3コネクタ部材34が取り付けられている。第1コネクタ部材32にはラジエータポートP1が設けられている。第2コネクタ部材33にはデバイスポートP2が設けられている。第3コネクタ部材34にはヒータポートP3が設けられている。そして、各コネクタ部材32〜34がハウジング31に取り付けられた状態では、各出力ポートP1〜P3が互いに異なる位置に配置されている。
図3に示すように、制御弁26は、ハウジング31内に収容される弁体35を備えている。弁体35には、冷却水通路が形成されている。また、弁体35には、ハウジング31の軸線方向Zに延びるシャフト36が連結されている。そして、弁体35は、図3に矢印で示すようにシャフト36を中心に回転(変位)する。弁体35の回転によってハウジング31に対する弁体35の相対角度ANGが変化すると、弁体35に形成されている冷却水通路と各出力ポートP1〜P3との重なり具合が変わり、各出力ポートP1〜P3を通じた冷却水の流量が変化する。すなわち、弁体35を回転させることにより、循環回路21内での冷却水の流れを制御することができる。
また、制御弁26は、ハウジング31内に収容されるモータ37及び伝達機構38を備えている。伝達機構38は、モータ37の出力を弁体35のシャフト36に伝達するものである。具体的には、伝達機構38は、互いに噛み合う複数のギア39を有している。本実施形態では、各ギア39は、合成樹脂によって構成されている。モータ37から出力されたトルクが各ギア39を介してシャフト36に入力されると、弁体35が回転する。
ハウジング31には、モータ37及び伝達機構38を収容する部分を覆うようにカバー40が取り付けられる。カバー40内には、モータ37の回転角を検出する回転角センサ101が設けられている。
図4に示すように、弁体35は、2つの樽型の物体をハウジング31の軸線方向Zに重ねたような形状をなしている。弁体35の側壁には、軸線方向Zに並んだ2つの孔351,352が形成されている。これら各孔351,352は、弁体35に設けられた冷却水通路の一部となっている。2つの孔351,352のうち、図中上側に位置する第1孔351は、弁体35がハウジング31に対してある相対角度の範囲にあるときにラジエータポートP1と連通する。第1孔351がラジエータポートP1と連通している場合、制御弁26内に流入した冷却水がラジエータポートP1から流出する。また、2つの孔351,352のうち、第1孔351とは別の第2孔352は、弁体35がハウジング31に対して別のある相対角度の範囲にあるときにデバイスポートP2及びヒータポートP3のうちの少なくとも一方と連通する。第2孔352がデバイスポートP2と連通している場合、制御弁26内に流入した冷却水がデバイスポートP2から流出する。また、第2孔352がヒータポートP3と連通している場合、制御弁26内に流入した冷却水がヒータポートP3から流出する。
弁体35の図中上壁を弁体35の上壁353とした場合、上壁353にシャフト36が接続されている。また、上壁353には、一部を係合部354として残すようにシャフト36の根本を取り囲むように延びる円弧状の溝355が設けられている。
なお、図5は、ハウジング31を弁体35の挿入方向から見た場合の斜視図である。制御弁26の組み立て時にあっては、収容開口311を介して弁体35がハウジング31内に挿入される。ハウジング31において弁体35の上壁353に対向する部分には、溝355に収容されるストッパ312が設けられている。そのため、ハウジング31内に弁体35が収容されている場合、弁体35の係合部354がストッパ312に当接することで、ハウジング31に対する弁体35の相対回転が規制される。言い換えると、係合部354がストッパ312に当接しない範囲が、弁体35のハウジング31に対する相対回転が許容される範囲となる。
こうした制御弁26のハウジング31内には、冷却水が収容開口311を介して流入するようになっている。すなわち、収容開口311が、制御弁26の入力ポートとして機能する。そして、ハウジング31内に流入した冷却水は、弁体35に設けられた冷却水通路を流れ、各出力ポートP1〜P3に導かれる。
図6は、ハウジング31に対する弁体35の相対角度ANGと、各出力ポートP1〜P3の開度との関係を示すグラフである。
制御弁26では、全ての出力ポートP1〜P3が閉じた状態になるときの相対角度ANGを「0°」として、ハウジング31のストッパ312と弁体35の係合部354とが当接するまで、プラスの方向にもマイナスの方向にも、弁体35をハウジング31に対して相対回転させることができる。弁体35の孔351,352の大きさや位置は、相対角度ANGの変化に伴い、図6に示すように各出力ポートP1〜P3の開度が変化するように設定されている。本実施形態では、弁体35をハウジング31に対してプラスの方向に相対回転させると、相対角度ANGが大きくなる一方で、弁体35をハウジング31に対してマイナスの方向に相対回転させると、相対角度ANGが小さくなる。
制御弁26では、相対角度ANGが「0°」となる位置から弁体35をプラスの方向に相対回転させると、まず、ヒータポートP3が開き始め、相対角度ANGが大きくなるのに伴って次第にヒータポートP3の開度が大きくなる。そして、ヒータポートP3が全開になった後、相対角度ANGがさらに大きくなると、次にデバイスポートP2が開くようになる。相対角度ANGが大きくなるのに伴い、デバイスポートP2の開度は大きくなり、デバイスポートP2が全開になった後、ラジエータポートP1が開き始める。ラジエータポートP1の開度も相対角度ANGが大きくなるのに伴って大きくなる。係合部354とストッパ312とが当接するときの相対角度を「+β°」とした場合、相対角度ANGが「+β°」となる位置に弁体35が至る手前でラジエータポートP1が全開になる。そして、相対角度ANGが「+β°」となる位置に弁体35が達するまでは、相対角度ANGが大きくなっても各出力ポートP1〜P3が全開である状態が維持される。
一方、制御弁26では、相対角度ANGが「0°」となる位置から弁体35をマイナスの方向に相対回転させた場合、ヒータポートP3は開弁しない。この場合には、まず、デバイスポートP2が開き始め、相対角度ANGが小さくなるのに伴って次第にデバイスポートP2の開度が大きくなる。そして、デバイスポートP2が全開になった後、相対角度ANGがさらに小さくなると、ラジエータポートP1が開くようになる。相対角度ANGが小さくなるのに伴ってラジエータポートP1の開度が大きくなる。係合部354とストッパ312とが当接するときの相対角度を「−α°」とした場合、相対角度ANGが「−α°」となる位置に弁体35が至る手前でラジエータポートP1が全開になる。そして、相対角度ANGが「−α°」となる位置に弁体35が達するまでは、相対角度ANGが小さくなってもラジエータポートP1及びデバイスポートP2が全開の状態が維持される。
次に、図1、図7及び図8を参照し、冷却装置20の制御構成について説明する。
図1に示すように、冷却装置20の制御装置50には、制御弁26の回転角センサ101、及び、水温センサ102などの各種のセンサの検出信号が入力される。回転角センサ101は、モータ37の出力軸の回転角θに応じた信号を検出信号として出力する。水温センサ102は、シリンダヘッド12内から流出した冷却水の温度である出口水温Twtを検出し、出口水温Twtに応じた信号を検出信号として出力する。
制御弁26の使用期間が長くなると、制御弁26の耐久性が徐々に低下する。すなわち、モータ37の駆動によって弁体35を回転させる場合、モータ37の出力トルクが弁体35に入力されても弁体35の回転がなかなか開始されなかったり、モータ37の出力トルクに見合った弁体35の回転速度(変位速度)と、弁体35の実際の回転速度(変位速度)との間に乖離があったりすることがある。このような場合には、モータ37の出力トルクが、伝達機構38内でギア39を押し付ける力として消費されているため、ギア39にダメージが蓄積しうる。このようにギア39にダメージが蓄積されると、制御弁26の耐久性が徐々に低下する。
また、制御弁26のハウジング31内に冷却水とともに異物が流入すると、制御弁26が異物を噛み込んで弁体35の回転が規制されることがある。また、弁体35を回転させているときに係合部354がストッパ312に当接することによって、弁体35の回転が規制されることもある。このように弁体35の回転が規制されると、弁体35の回転速度(変位速度)が急低下し、モータ37から弁体35へのトルク伝達経路に配置されているギア39には、弁体35の回転速度の急低下に起因する衝撃が入力されることがある。こうした衝撃が大きいと、当該衝撃に起因するダメージがギア39に残ってしまう。つまり、弁体35の回転が規制されて弁体35の回転速度が急低下する事象の発生は、制御弁26の耐久性の低下に繋がりうる。
そこで、本実施形態において、制御装置50は、モータ37の駆動によって弁体35を回転させる際にギア39が受けるストレスである駆動時ストレスSTRdrを算出する。また、制御装置50は、弁体35の回転が規制されて弁体35の回転速度が急低下したと判定したときに、弁体35の回転速度の急低下に起因する衝撃の入力によってギア39が受けるストレスである急低下時ストレスSTRstpを算出する。そして、制御装置50は、算出した駆動時ストレスSTRdr及び急低下時ストレスSTRstpを基に制御弁26の耐久性を推定する。さらに、制御装置50は、耐久性の推定結果をモータ37の制御に反映する。
制御装置50は、制御弁26の耐久性を考慮したモータ37の制御を実現するための機能部として、モータ制御部51、角速度導出部52、角加速度導出部53、急低下判定部54、基礎トルク導出部55、補正係数導出部56、モータトルク算出部57、衝突係数導出部58、急低下時ストレス算出部59、弁体トルク算出部61、駆動時ストレス算出部62、及び耐久性推定部60を有している。
モータ制御部51は、モータ37の駆動を制御する。すなわち、モータ制御部51は、モータ37に入力させる電圧信号のデューティ比DTを決める。そして、モータ制御部51は、決めたデューティ比DTの電圧信号を生成してモータ37に入力させる。なお、デューティ比DTの決定の詳細については後述する。
角速度導出部52は、所定の制御サイクル毎に、モータ37の出力軸の角速度ωを導出する。すなわち、角速度導出部52は、回転角センサ101の検出信号を基に導出されたモータ37の回転角θを時間微分することによって、モータ37の角速度ωを導出する。
角加速度導出部53は、モータ37の角速度ωの変化量としてモータ37の角加速度Dωを導出する。すなわち、角加速度導出部53は、角速度導出部52によって導出された角速度ωを時間微分することによって、角加速度Dωを導出する。なお、角速度ωが上昇しているときには角加速度Dωが正の値となる一方、角速度ωが低下しているときには角加速度Dωが負の値となる。
急低下判定部54は、モータ37の駆動によって弁体35を回転させるときに、弁体35の回転が規制されて弁体35の回転速度(変位速度)が急低下したか否かを判定する。急低下判定部54は、以下に示す3つの条件の全てが成立するときには、弁体35の回転速度が急低下したとの判定をなす。一方、急低下判定部54は、3つの条件のうちの少なくとも1つが成立していないときには、弁体35の回転速度が急低下したとの判定をなさない。なお、モータ37の回転は、伝達機構38を介して弁体35に伝達される。そのため、モータ37の角速度ωと弁体35の回転速度との間には相関がある。
・角加速度導出部53によって導出された角加速度Dωが判定角加速度DωTh以下であること。
・角速度導出部52によって導出された角速度ωの前回値ω(N−1)が第1基準角速度ωTh1以上であること。
・角速度導出部52によって導出された角速度ωの最新値ω(N)が第1基準角速度ωTh1よりも小さい第2基準角速度ωTh2以下であること。
判定角加速度DωThは、モータ37の角速度ωの低下量が多いか否かを判断するための閾値である。よって、判定角加速度DωThは、負の値に設定されている。第1基準角速度ωTh1は、角速度ωが大きかったか否かを判断するための閾値である。第2基準角速度ωTh2は、角速度ωが小さくなったか否かを判断するための閾値である。
そのため、角加速度Dωが判定角加速度DωTh以下であること、及び、角速度の前回値ω(N−1)が第1基準角速度ωTh1以上であり、且つ角速度の最新値ω(N)が第2基準角速度ωTh2以下であることの双方が成立している場合、弁体35の回転速度が急低下したとの判定がなされる。一方、角加速度Dωが判定角加速度DωTh以下であること、及び、角速度の前回値ω(N−1)が第1基準角速度ωTh1以上であり、且つ角速度の最新値ω(N)が第2基準角速度ωTh2以下であることの少なくとも一方が成立していない場合、弁体35の回転速度が急低下したとの判定がなされない。
なお、制御弁26の異物の噛み込みによって弁体35の回転速度が急低下した場合であっても、制御弁26の係合部354がストッパ312に当接して弁体35の回転速度が急低下した場合であっても、弁体35の回転速度の急低下に起因するストレスをギア39が受ける。このようなときにギア39が受けるストレスは、回転速度が低下する直前のモータ37の角速度ωが大きいほど大きくなりやすい。すなわち、角速度の前回値ω(N−1)が第1基準角速度ωTh1以上であり、且つ、他の2つの条件が成立している場合、ギア39には比較的大きなストレスが蓄積されると推測することができる。
基礎トルク導出部55は、モータ37に入力される電圧信号のデューティ比DTと、出口水温Twtとを基に、基礎トルクTQBを導出する。基礎トルクTQBとは、モータ37の角速度ωが規定値(例えば、0)である状況下で電圧信号がモータ37に入力されたときにモータ37で発生するトルクのことである。上述したように制御弁26には、シリンダヘッド12内から流出した冷却水が流入する。そのため、制御弁26の構成部材の温度は、出口水温Twtと相関する。よって、基礎トルクTQBは、電圧信号のデューティ比DTと、制御弁26の構成部材の温度の相関値とを基に導出される値である。なお、制御弁26の構成部材としては、例えば、伝達機構38のギア39、弁体35、図示しないシールリングを挙げることができる。
図7に示すように、基礎トルク導出部55には、電圧信号のデューティ比DTと出口水温Twtとの関係を基に基礎トルクTQBを導出するための基礎トルク導出マップ55MPが記憶されている。基礎トルク導出部55は、この基礎トルク導出マップ55MPを用い、基礎トルクTQBを導出する。
基礎トルクTQBは、モータ37に印加される実効電圧が高いほど大きくなりやすい。そのため、基礎トルク導出マップ55MPは、電圧信号のデューティ比DTが大きいほど、実効電圧が高くなるため、基礎トルクTQBが大きい値となるように作成されている。
また、制御弁26の構成部材の堅さは、構成部材の温度によって変わる。そして、構成部材の堅さによって、制御弁26の異物の噛み込みや係合部354とストッパ312との当接によって弁体35の回転が規制された際にギア39が受けるストレスの大きさが変わる。そのため、基礎トルク導出マップ55MPは、構成部材の温度と相関する出口水温Twtによって基礎トルクTQBが変わるように作成されている。
補正係数導出部56は、電圧信号のデューティ比DTと、移動平均処理によって角速度ωを平滑化した値である角速度なまし値ωSとを基に、補正係数F1を算出する。補正係数F1は、基礎トルクTQBを補正してモータトルクTQMTを求めるための係数である。角速度なまし値ωSは、連続して導出された複数の角速度ωを基に算出される。なお、角速度なまし値ωSの算出に用いられる複数の角速度ωは、角速度の最新値ω(N)を含んでいる。
図7に示すように、補正係数導出部56には、電圧信号のデューティ比DTと、角速度なまし値ωSとを基に補正係数F1を導出するための補正係数導出マップ56MPが記憶されている。補正係数導出部56は、この補正係数導出マップ56MPを用い、補正係数F1を導出する。
補正係数F1は、詳しくは後述するが、モータ37で発生するトルクであるモータトルクTQMTを算出するための係数である。補正係数F1が大きいほど、モータトルクTQMTは大きい値となる。モータトルクTQMTは、モータ37に印加される実効電圧が高いほど大きくなる。そのため、補正係数導出マップ56MPは、電圧信号のデューティ比DTが大きいほど、実効電圧が高くなるため、補正係数F1が大きくなるように作成されている。
基礎トルクTQBを導出する際の角速度である上記の規定値と、現在の角速度ωとの乖離が大きいほど、モータ37で実際に発生しているトルクと基礎トルクTQBとのずれが大きくなりやすい。例えば、規定値よりも現在の角速度ωが大きい場合、規定値と現在の角速度ωとの差分が大きいほど、モータトルクTQMTが小さくなる。角速度なまし値ωSは、現在の角速度ωと相関している。そのため、補正係数導出マップ56MPは、角速度なまし値ωSが小さいほど補正係数F1が大きくなるように作成されている。
モータトルク算出部57は、モータトルクTQMTとして、基礎トルク導出部55によって算出された基礎トルクTQBと、補正係数導出部56によって算出された補正係数F1との積を算出する。すなわち、モータトルクTQMTは、基礎トルクTQBと補正係数F1との積が大きいほど大きくなる。なお、モータ37に入力される電圧信号のデューティ比DTは、モータ37に印加される実効電圧と相関する値である。よって、モータトルクTQMTは、実効電圧に応じた値であるということができる。
衝突係数導出部58は、上記の角速度なまし値ωSを基に、衝突係数F2を導出する。衝突係数F2は、モータトルクTQMTを、制御弁26の異物の噛み込みや係合部354とストッパ312との当接に伴う弁体35の回転速度の急低下に起因してギア39が受けるストレスに変換するための係数である。図7に示すように、衝突係数導出部58には、角速度なまし値ωSを基に衝突係数F2を導出するための衝突係数導出マップ58MPが記憶されている。衝突係数導出部58は、この衝突係数導出マップ58MPを用い、衝突係数F2を導出する。
モータ37の駆動によって弁体35を回転させる際に制御弁26の異物の噛み込みや係合部354とストッパ312との当接によって弁体35の回転速度が急に低下すると、トルク伝達経路におけるモータ37と弁体35との間に位置するギア39には、回転速度の急低下に起因する衝撃が入力される。こうした衝撃の入力によってギア39が受けるストレスは、弁体35の回転速度が急低下する直前における角速度ωが大きいほど大きくなりやすい。そして、詳しくは後述するが、衝突係数F2は、上記の急低下時ストレスSTRstpの算出に用いられる係数である。衝突係数F2が大きいほど、急低下時ストレスSTRstpが大きい値となる。そのため、衝突係数導出マップ58MPは、角速度なまし値ωSが大きいほど衝突係数F2が大きくなるように作成されている。
角速度なまし値ωSは、角速度導出部52によって導出された角速度の最新値ω(N)と、最新値ω(N)の導出以前に導出された角速度ωとを基に算出される。すなわち、角速度なまし値ωSは、最新値ω(N)の導出時点よりも少し前の角速度ωも反映された値となっている。そのため、急低下判定部54によって弁体35の回転速度が急低下したとの判定がなされた時点で衝突係数F2の導出が行われたとしても、当該導出には、当該判定がなされる以前の角速度ωも反映された角速度なまし値ωSが用いられる。したがって、衝突係数導出マップ58MPを用いることにより、弁体35の回転速度が急低下する直前の角速度ωが大きいほど、衝突係数F2を大きくすることができる。
急低下時ストレス算出部59は、急低下判定部54によって弁体35の回転速度が急低下したとの判定がなされたときに、急低下時ストレスSTRstpを算出する。
図8を参照し、急低下時ストレスSTRstpの算出のために急低下時ストレス算出部59が実行する処理ルーチンについて説明する。この処理ルーチンは、急低下判定部54によって弁体35の回転速度が急低下したとの判定がなされたときに実行される。
本処理ルーチンにおいて、ステップS11では、モータトルク算出部57によって算出されたモータトルクTQMTと、衝突係数導出部58によって導出された衝突係数F2との積が急低下時ストレスSTRstpとして算出される。すなわち、急低下時ストレスSTRstpは、モータトルクTQMTと衝突係数F2との積が大きいほど大きくなる。続いて、ステップS12において、算出した急低下時ストレスSTRstpが第1判定値STRTh1以上であるか否かの判定が行われる。
ステップS11で算出した急低下時ストレスSTRstpがあまり大きくない場合、弁体35の回転速度が急低下したことに起因してギア39に入力される衝撃があまり大きくないと推測される。ギア39に入力される衝撃が小さい場合、実際にはギア39にダメージがほとんど残らない。そこで、第1判定値STRTh1は、ギア39にダメージが残るような衝撃がギア39に入力されたか否かの判断基準として設定されている。そのため、急低下時ストレスSTRstpが第1判定値STRTh1以上である場合は、ギア39にダメージが残るような衝撃がギア39に入力されたと判断する。一方、急低下時ストレスSTRstpが第1判定値STRTh1未満である場合は、ギア39に衝撃が入力されたとしても、ギア39にダメージが残らないと判断する。
ステップS12において、急低下時ストレスSTRstpが第1判定値STRTh1以上である場合(YES)、本処理ルーチンが終了される。一方、急低下時ストレスSTRstpが第1判定値STRTh1未満である場合(S12:NO)、処理が次のステップS13に移行される。ステップS13において、急低下時ストレスSTRstpが「0」に変更される。そして、本処理ルーチンが終了される。
図7に戻り、弁体トルク算出部61は、モータトルクTQMTのうち、弁体35の回転に変換されたトルクである弁体トルクTQVを、モータ37の角加速度Dωが大きいほど大きくなるように算出する。具体的には、弁体トルク算出部61は、移動平均処理によって角加速度Dωを平滑化した値である角加速度なまし値DωSと、モータ37のイナーシャIwと、伝達機構38の変速比RGとの積として弁体トルクTQVを算出する。このため、弁体トルクTQVは、イナーシャIwが大きいほど大きくなり、変速比RGが大きいほど大きくなる。なお、イナーシャIw及び変速比RGは、制御弁26の諸元から決まる値である。
駆動時ストレス算出部62は、モータトルク算出部57によって算出されたモータトルクTQMTと、弁体トルク算出部61によって算出された弁体トルクTQVとを基に、駆動時ストレスSTRdrを算出する。
図9を参照し、駆動時ストレスSTRdrを算出するために駆動時ストレス算出部62によって実行される処理ルーチンについて説明する。なお、モータ37への電圧信号の入力が開始されると、本処理ルーチンの実行が開始される。
本処理ルーチンにおいて、ステップS21では、モータトルクTQMTと弁体トルクTQVとの差として駆動時ストレスSTRdrが算出される。ここで算出される駆動時ストレスSTRdrは、モータトルクTQMTと弁体トルクTQVとの差が大きいほど大きい値となる。続いて、次のステップS22において、モータ37への電圧信号の入力が停止されたか否かの判定が行われる。電圧信号がモータ37に未だ入力されている場合(S22:NO)、処理がステップS21に移行される。すなわち、モータ37に電圧信号が入力され続けていて弁体35が回転している間、駆動時ストレスSTRdrの算出が繰り返される。
一方、モータ37への電圧信号の入力が停止された場合(S22:YES)、弁体35の回転が停止されるため、処理が次のステップS23に移行される。ステップS23において、1回の弁体変位期間TMV中に算出した複数の駆動時ストレスSTRdrの中で最も大きい値が、最大値STRdrMaxとして選択される。ここでいう弁体変位期間TMVとは、モータ37への実行電圧の印加が開始されてから弁体35の回転が終了するまでの期間のことである。
次のステップS24において、今回の弁体変位期間TMV中における駆動時ストレスの最大値STRdrMaxが第2判定値STRTh2以上であるか否かの判定が行われる。第2判定値STRTh2については後述する。そして、最大値STRdrMaxが第2判定値STRTh2以上である場合(S24:YES)、本処理ルーチンが終了される。一方、最大値STRdrMaxが第2判定値STRTh2未満である場合(S24:NO)、処理が次のステップS25に移行される。ステップS25において、最大値STRdrMaxが「0」にされる。その後、本処理ルーチンが終了される。
ここで、図10及び図11を参照し、図9に示した第2判定値STRTh2の設定について説明する。図10には、モータ37への実効電圧の印加によって弁体35の回転が速やかに開始される場合の例が図示されている。図11には、例えば制御弁26が異物を噛み込んでいるなどし、モータ37に実効電圧を印加しても弁体35の回転がなかなか開始されない場合の例が図示されている。
図10に示す例では、タイミングt11からモータ37に電圧信号が入力される、すなわちモータ37への実効電圧の印加が開始される。すると、その後のタイミングt12から弁体35が回転し始める。すなわち、タイミングt11からタイミングt12までの期間は、モータ37への実効電圧の印加の開始時点から弁体35の回転が開始されるまでの応答遅れの期間に相当する。当該期間では、モータ37の角速度ωは「0」のままであるため、モータ37の角加速度Dωは「0」で保持される。したがって、図9に示した処理ルーチンのステップS21で算出される駆動時ストレスSTRdrは、基礎トルクTQBと同じ値となる。これは、角加速度Dωが「0」である場合、弁体トルクTQVは「0」となるためである。
そして、タイミングt12を経過すると、弁体35が回転し始める。すなわち、タイミングt12以降では、角速度ωが大きくなる。その結果、角加速度Dωが「0」よりも大きくなる。すると、弁体トルクTQVが「0」よりも大きくなるため、ステップS21で算出される駆動時ストレスSTRdrは、弁体トルクTQVの増大に従って小さくなる。
タイミングt12以降で角加速度Dωが小さくなり始めると、弁体トルクTQVもまた小さくなる。そのため、角加速度Dωの低下に応じ、ステップS21で算出される駆動時ストレスSTRdrが大きくなる。ただし、当該駆動時ストレスSTRdrが基礎トルクTQBよりも大きくなることはない。
図10に示すように、第2判定値STRTh2は、このように弁体35の回転を速やかに開始させることのできる場合の駆動時ストレスの最大値STRdrMaxよりも大きい値に設定されている。これは、モータ37に実行電圧を印加させることによって弁体35の回転が早期に開始される場合、伝達機構38内でトルクがあまり消費されず、ギア39に加わる負荷が大きくならないためである。ギア39に加わる負荷が大きくない場合、モータ37の駆動によって弁体35を回転させるときにストレスがギア39にほとんど蓄積されない。そのため、このような場合、図9に示した処理ルーチンでは、ステップS24の判定が「NO」となるため、弁体変位期間TMV中の最大値STRdrMaxは、「0」とされる(S25)。
図11に示す例では、タイミングt21からモータ37に電圧信号が入力される、すなわちモータ37への実効電圧の印加が開始される。制御弁26が異物を噛み込んでいると、モータ37の出力トルクが弁体35に伝達されるようになっても、弁体35の回転がなかなか開始されない。そのため、タイミングt22からはフィードバック制御によって算出デューティ比DTCが大きくなる。その結果、タイミングt22からは、モータ37に入力される電圧信号のデューティ比DTが増大する。なお、タイミングt21からタイミングt22までの期間の長さは、図10に示したタイミングt11からタイミングt12までの期間の長さよりも長い。
このように弁体35の回転が開始されない場合、図9に示した処理ルーチンのステップS21で算出される駆動時ストレスSTRdrは、基礎トルクTQBと同じ値となる。基礎トルクTQBは、デューティ比DTが大きいほど大きくなる。そのため、タイミングt22を経過すると、デューティ比DTの増大に応じ、ステップS21で算出される駆動時ストレスSTRdrが大きくなる。
そして、タイミングt23で弁体35の回転が開始される。すると、角速度ωが大きくなる。その結果、角加速度Dωが「0」よりも大きくなるため、弁体トルクTQVが「0」よりも大きくなる。また、図11に示す例では、タイミングt23以降ではデューティ比DTが大きくならない。つまり、基礎トルクTQBは大きくならない。そのため、ステップS21で算出される駆動時ストレスSTRdrは、弁体トルクTQVの増大に従って小さくなる。したがって、図9に示した処理ルーチンのステップS23で選択される駆動時ストレスの最大値STRdrMaxは、タイミングt23の値となる。
図11に示すように、第2判定値STRTh2は、制御弁26の異物の噛み込みなどによって弁体35の回転がなかなか開始されないときの駆動時ストレスの最大値STRdrMaxよりも小さい値に設定されている。これは、このような場合では、モータ37からトルクが出力されていても弁体35が回転しない期間が長いためである。弁体変位期間TMV中において弁体35を回転させることができない期間が長いほど、ギア39に加わる負荷が大きくなりやすい。ギア39に加わる負荷が大きいほど、ギア39にストレスが蓄積されやすい。そのため、このような場合、図9に示した処理ルーチンでは、ステップS24の判定が「YES」となるため、弁体変位期間TMV中の最大値STRdrMaxは、「0」よりも大きい値となる。
図7に戻り、耐久性推定部60は、急低下時ストレス算出部59によって算出された急低下時ストレスSTRstpと、駆動時ストレス算出部62によって算出された駆動時ストレスの最大値STRdrMaxとを基に、ギア39に蓄積されているダメージを推定する。さらに、耐久性推定部60は、当該ダメージの推定結果を基に、制御弁26の耐久性を表す指標Xを算出する。この指標Xは、制御弁26の耐久性が低いほど値が大きくなるものである。
図12を参照し、耐久性推定部60の具体的な構成について説明する。
耐久性推定部60は、第1角度補正係数設定部71、第1乗算器72、第1温度補正係数設定部73、第2乗算器74、等価変換係数設定部75、第3乗算器76、第2角度補正係数設定部77、第4乗算器78、第2温度補正係数設定部79、第5乗算器80、積算部81及び指標算出部82を含んでいる。
第1角度補正係数設定部71は、第1角度補正係数F11を、ハウジング31に対する弁体35の相対角度ANGに応じた値に設定する。第1角度補正係数F11は、急低下時ストレスSTRstpを相対角度ANGに基づいて補正するための係数である。相対角度ANGは、例えば、モータ37の回転角θと伝達機構38の変速比RGとを基に算出される。本実施形態では、弁体35の回転速度が急低下したとの判定がなされた時点の相対角度ANGを基に、第1角度補正係数F11が設定される。第1角度補正係数設定部71は、相対角度ANGの領域と、第1角度補正係数F11との関係を表すテーブルである第1角度補正テーブル71TLを有している。そして、第1角度補正係数設定部71は、第1角度補正テーブル71TLを用い、第1角度補正係数F11を設定する。
第1角度補正テーブル71TLでは、相対角度ANGの領域として複数の領域AR11,AR12,AR13,AR14が設定されている。第11領域AR11は、図6に示した「−α°」を含む相対角度ANGの領域である。第12領域AR12は、第11領域AR11よりも大きい側の相対角度ANGの領域である。第13領域AR13は、第12領域AR12よりも大きい側の相対角度ANGの領域である。第14領域AR14は、第13領域AR13よりも大きい側であって、図6に示した「+β°」を含む相対角度ANGの領域である。相対角度ANGが第11領域AR11に含まれる場合、及び、相対角度ANGが第14領域AR14に含まれる場合の双方では、第1角度補正係数F11として「1.0」が選択される。相対角度ANGが第12領域AR12に含まれる場合、第1角度補正係数F11として値Z12が選択される。相対角度ANGが第13領域AR13に含まれる場合、第1角度補正係数F11として値Z13が選択される。値Z12,値Z13は、「0」よりも大きく且つ「1.0」よりも小さい値である。
相対角度ANGが第11領域AR11に含まれる場合、及び、相対角度ANGが第14領域AR14に含まれる場合では、制御弁26の係合部354がストッパ312に当接したために弁体35の回転速度が急低下したと判断できる。つまり、当該当接に伴う衝撃がギア39に入力されたと判断できる。一方、第11領域AR11及び第14領域AR14以外の他の領域AR12,AR14に相対角度ANGが含まれる場合、制御弁26が異物を噛み込んだために弁体35の回転速度が急低下した可能性があるとの判定をなすことはできる。また、制御弁26が異物を実際には噛み込んでいないものの、弁体35の回転速度が偶然急低下した可能性もある。回転速度が偶然に急低下した場合にあっては、急低下に起因する衝撃がギア39に入力されない。そのため、第11領域AR11及び第14領域AR14以外の他の領域AR12,AR14に相対角度ANGが含まれる場合、第1角度補正係数F11は、「1.0」よりも小さい値に設定される。
第1乗算器72は、急低下時ストレス算出部59によって算出された急低下時ストレスSTRstpと、第1角度補正係数設定部71によって設定された第1角度補正係数F11との積を、補正後の急低下時ストレスSTRstp1として算出する。
第1温度補正係数設定部73は、第1温度補正係数F12を、制御弁26の構成部品の温度又はその相関値に応じた値にする。第1温度補正係数F12は、急低下時ストレスSTRstpを、制御弁26の構成部品の温度に基づいて補正するための係数である。第1温度補正係数設定部73は、構成部品の温度と相関する出口水温Twtの領域と、第1温度補正係数F12との関係を表すテーブルである第1温度補正テーブル73TLを有している。そして、第1温度補正係数設定部73は、第1温度補正テーブル73TLを用い、第1温度補正係数F12を設定する。
第1温度補正テーブル73TLでは、出口水温Twtの領域として複数の領域AR21,AR22,AR23,AR24,AR25が設定されている。第21領域AR21は最も低温の領域であり、第22領域AR22は2番目に低温の領域であり、第23領域AR23は3番目に低温の領域である。第24領域AR24は4番目に低温の領域であり、第25領域AR25は最も高温の領域である。そして、出口水温Twtが第21領域AR21に含まれる場合、第1温度補正係数F12として値Z21が選択され、出口水温Twtが第22領域AR22に含まれる場合、第1温度補正係数F12として値Z22が選択される。出口水温Twtが第23領域AR23に含まれる場合、第1温度補正係数F12として値Z23が選択され、出口水温Twtが第24領域AR24に含まれる場合、第1温度補正係数F12として値Z24が選択される。出口水温Twtが第25領域AR25に含まれる場合、第1温度補正係数F12として値Z25が選択される。
なお、出口水温Twtが低くてギア39の温度が低いほど、ギア39の強度が高い。そして、ギア39の強度が高いほど、ギア39に衝撃が入力されたときにギア39が受けるダメージが大きくなりやすい。そのため、出口水温Twtが低いほど第1温度補正係数F12が大きくなるように、各値Z21〜Z25が設定されている。
第2乗算器74は、第1乗算器72によって算出された急低下時ストレスSTRstp1と、第1温度補正係数設定部73によって設定された第1温度補正係数F12との積を、補正後の急低下時ストレスSTRstp2として算出する。
等価変換係数設定部75には、電圧信号のデューティ比DTと出口水温Twtとを基に等価変換係数F13を導出するための等価変換係数導出マップ75MPが記憶されている。等価変換係数設定部75は、等価変換係数導出マップ75MPを用い、等価変換係数F13を導出する。等価変換係数F13は、急低下時ストレスSTRstpを駆動時ストレスSTRdrに等価変換するための補正係数である。すなわち、本実施形態では、急低下時ストレスSTRstp及び駆動時ストレスSTRdrのうち、急低下時ストレスSTRstpが「一方のストレス」に相当し、駆動時ストレスSTRdrが「他方のストレス」に相当する。
等価変換係数導出マップ75MPは、デューティ比DT及び出口水温Twtと、等価変換係数F13との関係を示すマップである。これによれば、出口水温Twtがある値で保持されていてもデューティ比DTが変わると、等価変換係数F13が変わる。また、デューティ比DTがある値で保持されても出口水温Twtが変わると、等価変換係数F13が変わる。
第3乗算器76は、第2乗算器74によって算出された急低下時ストレスSTRstp2と、等価変換係数設定部75によって設定された等価変換係数F13との積を、等価変換後の急低下時ストレスSTRstp3として算出する。
第2角度補正係数設定部77は、第2角度補正係数F21を、上記相対角度ANGに応じた値に設定する。第2角度補正係数F21は、駆動時ストレスの最大値STRdrMaxを、相対角度ANGに基づいて補正するための係数である。例えば図9に示した処理ルーチンの開始時点の相対角度ANGを基に、第2角度補正係数F21が設定される。第2角度補正係数設定部77は、相対角度ANGの領域と、第2角度補正係数F21との関係を表すテーブルである第2角度補正テーブル77TLを有している。そして、第2角度補正係数設定部77は、第2角度補正テーブル77TLを用い、第2角度補正係数F21を設定する。
第2角度補正テーブル77TLでは、相対角度ANGの領域として複数の領域AR31,AR32,AR33,AR34が設定されている。第31領域AR31は、図6に示した「−α°」を含む相対角度ANGの領域である。第32領域AR32は、第31領域AR31よりも大きい側の相対角度ANGの領域である。第33領域AR33は、第32領域AR32よりも大きい側の相対角度ANGの領域である。第34領域AR34は、第33領域AR33よりも大きい側であって、図6に示した「+β°」を含む相対角度ANGの領域である。相対角度ANGが第31領域AR31に含まれる場合には第2角度補正係数F21として値Z31が選択され、相対角度ANGが第32領域AR32に含まれる場合には第2角度補正係数F21として値Z32が選択される。相対角度ANGが第33領域AR33に含まれる場合には第2角度補正係数F21として値Z33が選択される。相対角度ANGが第34領域AR34に含まれる場合には第2角度補正係数F21として値Z34が選択される。
なお、本実施形態では、各値Z31〜Z34は同じ値(例えば、「1.0」)である。もちろん、領域によって値が異なるように、各値Z31〜Z34を設定してもよい。
第4乗算器78は、駆動時ストレス算出部62によって算出された駆動時ストレスの最大値STRdrMaxと、第2角度補正係数設定部77によって設定された第2角度補正係数F21との積を、補正後の最大値STRdrMax1として算出する。
第2温度補正係数設定部79は、第2温度補正係数F22を、制御弁26の構成部品の温度又はその相関値に応じた値にする。第2温度補正係数F22は、駆動時ストレスの最大値STRdrMaxを、構成部品の温度に基づいて補正するための係数である。第2温度補正係数設定部79は、構成部品の温度の相関値である出口水温Twtの領域と、第2温度補正係数F22との関係を表すテーブルである第2温度補正テーブル79TLを有している。そして、第2温度補正係数設定部79は、第2温度補正テーブル79TLを用い、第2温度補正係数F22を設定する。
第2温度補正テーブル79TLでは、出口水温Twtの領域として複数の領域AR41,AR42,AR43,AR44,AR45が設定されている。第41領域AR41は最も低温の領域であり、第42領域AR42は2番目に低温の領域であり、第43領域AR43は3番目に低温の領域である。第44領域AR44は4番目に低温の領域であり、第45領域AR45は最も高温の領域である。そして、出口水温Twtが第41領域AR41に含まれる場合、第2温度補正係数F22として値Z41が選択され、出口水温Twtが第42領域AR42に含まれる場合、第2温度補正係数F22として値Z42が選択される。出口水温Twtが第43領域AR43に含まれる場合、第2温度補正係数F22として値Z43が選択され、出口水温Twtが第44領域AR44に含まれる場合、第2温度補正係数F22として値Z44が選択される。出口水温Twtが第45領域AR45に含まれる場合、第2温度補正係数F22として値Z45が選択される。
なお、出口水温Twtが低いほど、ギア39の強度が高いとともに、モータ37の出力が大きくなりにくい。ギア39の強度が高いほど、モータ37の駆動に伴ってギア39が受けるダメージが大きくなりやすい。また、モータ37の出力が大きいほど、モータ37の駆動に伴ってギア39が受けるダメージが大きくなりやすい。そこで、出口水温Twtの変化に対するギア39の強度やモータ37の出力の変化を考慮して、各値Z41〜Z45が設定されている。
第5乗算器80は、第4乗算器78によって算出された駆動時ストレスの最大値STRdrMax1と、第2温度補正係数設定部79によって設定された第2温度補正係数F22との積を、補正後の最大値STRdrMax2として算出する。
積算部81は、第3乗算器76によって算出された急低下時ストレスSTRstp3と、第5乗算器80によって算出された最大値STRdrMax2とを基に、ギア39に蓄積されるダメージ推定値DMEを算出する。すなわち、積算部81は、算出された急低下時ストレスSTRstp3と最大値STRdrMax2との積算値をダメージ推定値DMEとして導出する。
指標算出部82は、積算部81によって導出されたダメージ推定値DMEが大きいほど値が大きくなるように指標Xを算出する。
図7に戻り、モータ制御部51は、耐久性推定部60によって算出された指標Xを基に、電圧信号のデューティ比の上限DTul及び下限DTllを決定する。このとき、モータ制御部51は、指標Xが大きいほど上限DTulの絶対値及び下限DTllの絶対値が小さくなるように、上限DTul及び下限DTllを決定する。
また、モータ制御部51は、モータ37の回転角の目標である目標回転角θTrとモータ37の回転角θとの偏差を入力とするフィードバック制御によって、モータ37に入力する電圧信号のデューティ比の算出値である算出デューティ比DTCを算出する。そして、モータ制御部51は、算出デューティ比DTCと、上限DTul及び下限DTllとを基に、電圧信号のデューティ比DTを決める。すなわち、モータトルク算出部57は、算出デューティ比DTCが上限DTul以下であって且つ下限DTll以上である場合、電圧信号のデューティ比DTを算出デューティ比DTCと同じ値にする。また、モータトルク算出部57は、算出デューティ比DTCが上限DTulよりも大きい場合、電圧信号のデューティ比DTを上限DTulと同じ値にする。また、モータトルク算出部57は、算出デューティ比DTCが下限DTllよりも小さい場合、電圧信号のデューティ比DTを下限DTllと同じ値にする。
なお、モータ37に印加される実効電圧は、モータ37に入力される電圧信号のデューティ比DTと、モータ37の電源電圧とを基に算出することができる。そのため、モータ制御部51は、目標回転角θTrと回転角θとの偏差に応じた実効電圧をモータ37に印加させているということもできる。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、モータ37に入力される電圧信号のデューティ比DTを基にモータトルクTQMTが算出されるとともに、モータ37の角速度なまし値ωSを基に衝突係数F2が算出される。そして、衝突係数F2とモータトルクTQMTとの積が大きいほど値が大きくなるように、急低下時ストレスSTRstpが算出される。これにより、弁体35の回転速度が急低下する直前における角速度ωが大きいほど、衝突係数F2を大きくすることができる。そのため、モータトルクTQMTが大きいほど急低下時ストレスSTRstpを大きくすることができるとともに、弁体35の回転速度が急低下する直前における角速度ωが大きいほど急低下時ストレスSTRstpを大きくすることができる。
また、モータトルクTQMTと弁体トルクTQVとの差が大きいほど値が大きくなるように、駆動時ストレスSTRdrが算出される。そのため、例えばモータ37に入力される電圧信号のデューティ比DTが大きくても角加速度Dωが大きくない場合には、デューティ比DTが大きくて角加速度Dωが大きい場合と比較して駆動時ストレスSTRdrが大きくなる。したがって、モータ37の駆動中にギア39が受けるストレスとして駆動時ストレスSTRdrを算出することができる。
そして、上記のように算出した急低下時ストレスSTRstpに等価変換係数F13を掛け合わせることにより、急低下時ストレスSTRstpを駆動時ストレスSTRdrに等価変換している。そして、等価変換後の急低下時ストレスSTRstpと駆動時ストレスSTRdrとを基に、制御弁26の耐久性が推定される。したがって、本実施形態によれば、制御弁26の耐久性を推定することができる。
制御弁26の耐久性を数値化した指標Xが算出されると、指標Xを基にデューティ比の上限DTul及び下限DTllが算出される。上限DTulの絶対値及び下限DTllの絶対値は、指標Xが大きく、制御弁26の耐久性が低いほど小さくなる。そして、モータ37に入力される電圧信号のデューティ比DTは、上限DTulと下限DTllとの間の値となるように決定される。そのため、制御弁26の耐久性が低いほど、弁体35を回転させるに際し、弁体35の回転速度が大きくなりにくくなる。伝達機構38に加わる負荷は、モータ37に印加される実効電圧が低く、弁体35の回転速度が小さいほど大きくなりにくい。
したがって、制御弁26の耐久性に応じて弁体35の回転速度の上限を可変させることにより、制御弁26の製品寿命を延ばすことができる。
なお、本実施形態では、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(1)駆動時ストレスの最大値STRdrMaxを用いてダメージ推定値DMEを算出するに際し、最大値STRdrMaxを、相対角度ANG及び出口水温Twtによって補正している。そして、補正後の最大値STRdrMax2を用いてダメージ推定値DMEが算出される。これにより、モータ37の駆動に伴うストレスがギア39に蓄積されたときに起因するモータ37の耐久性を適切に推定することができる。
(2)急低下時ストレスSTRstpを用いてダメージ推定値DMEを算出するに際し、急低下時ストレスSTRstpを、相対角度ANG及び出口水温Twtによって補正している。そして、補正後の急低下時ストレスSTRstp2と等価変換係数F13との積を用いてダメージ推定値DMEが算出される。これにより、弁体35の回転速度の急低下に起因するストレスがギア39に蓄積されたときに起因するモータ37の耐久性を適切に推定することができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、急低下時ストレスSTRstpを駆動時ストレスSTRdrに等価換算している。しかし、駆動時ストレスの最大値STRdrMaxに等価変換係数を掛けることにより、最大値STRdrMaxを急低下時ストレスSTRstpに等価変換するようにしてもよい。この場合、等価変換後の最大値STRdrMaxと急低下時ストレスSTRstpとを基に、制御弁26の耐久性を推定することになる。この構成では、駆動時ストレスSTRdrが「一方のストレス」に相当し、急低下時ストレスSTRstpが「他方のストレス」に相当する。
・上記実施形態では、等価変換係数F13を、出口水温Twtとデューティ比DTとに基づいた値に設定している。しかし、出口水温Twtに応じて等価変換係数F13を可変させるのであれば、デューティ比DTに応じて等価変換係数F13を変更しないようにしてもよい。反対に、デューティ比DTに応じて等価変換係数F13を可変させるのであれば、出口水温Twtに応じて等価変換係数F13を変更しないようにしてもよい。
・等価変換係数F13を、出口水温Twtやデューティ比DTによらず、予め設定された値で固定してもよい。
・上記実施形態では、急低下時ストレス算出部59によって算出された急低下時ストレスSTRstpを相対角度ANGに応じて補正しているが、急低下時ストレスSTRstpを相対角度ANGに応じて補正する処理を省略してもよい。
・上記実施形態では、急低下時ストレス算出部59によって算出された急低下時ストレスSTRstpを出口水温Twtに応じて補正しているが、急低下時ストレスSTRstpを出口水温Twtに応じて補正する処理を省略してもよい。
・上記実施形態では、駆動時ストレス算出部62によって算出された駆動時ストレスの最大値STRdrMaxを相対角度ANGに応じて補正しているが、最大値STRdrMaxを相対角度ANGに応じて補正する処理を省略してもよい。
・上記実施形態では、駆動時ストレス算出部62によって算出された駆動時ストレスの最大値STRdrMaxを出口水温Twtに応じて補正しているが、最大値STRdrMaxを出口水温Twtに応じて補正する処理を省略してもよい。
・指標Xから推定される制御弁26の耐久性をモータ37の制御に反映しなくてもよい。例えば、指標Xを履歴として制御装置50のメモリに記憶させるようにしてもよい。メモリに指標Xを記憶させておくことにより、冷却装置20のメンテナンス時に、制御弁26の耐久性の低下度合いを作業者に確認させることが可能となる。
・指標Xから推定される制御弁26の耐久性をモータ37の制御に反映することができるのであれば、上記実施形態のようにデューティ比の上限DTul及び下限DTllを、指標Xを基に可変させなくてもよい。例えば、電圧信号のデューティ比DTの決定に際し、上記の算出デューティ比DTCと、指標Xに応じたデューティ比補正係数との積をデューティ比DTとするようにしてもよい。この場合、指標Xが大きく、制御弁26の耐久性が低い場合ほどデューティ比補正係数を小さくすることが好ましい。これにより、制御弁26の耐久性が低い場合ほど、モータ37に入力される電圧信号のデューティ比DTが大きくなりにくくなる、すなわちモータ37に印加される実効電圧が高くなりにくくなる。その結果、制御弁26の製品寿命を延ばすことができる。
・制御弁は、ハウジング内での弁体の変位によって循環回路21における冷却水の流れを変更することができるように構成されているのであれば、上記の制御弁26とは異なる構成の弁であってもよい。例えば、制御弁は、ハウジング内で弁体をスライド移動させることにより、循環回路21における冷却水の流れを変更できる構成の弁であってもよい。
10…内燃機関、20…冷却装置、21…循環回路、26…制御弁、31…ハウジング、35…弁体、37…モータ、38…伝達機構、39…ギア、50…制御装置、51…モータ制御部、54…急低下判定部、58…衝突係数導出部、57…モータトルク算出部、59…急低下時ストレス算出部、60…耐久性推定部、61…弁体トルク算出部、62…駆動時ストレス算出部。

Claims (1)

  1. 内燃機関内を流れる冷却水の循環回路に制御弁が設けられているとともに、前記制御弁が、ハウジングと、前記ハウジング内で変位する弁体と、モータと、互いに噛み合う複数のギアを有し、且つ前記モータの出力を前記弁体に伝達する伝達機構と、を備えており、前記モータの駆動によって前記弁体を変位させることにより、前記循環回路での冷却水の流れを制御する内燃機関の冷却装置において、
    前記モータの駆動を制御するモータ制御部と、
    前記モータに印加される実効電圧を基に、前記モータで発生するトルクであるモータトルクを算出するモータトルク算出部と、
    前記モータトルクのうち、前記弁体の変位に変換されたトルクである弁体トルクを、前記モータの角加速度が大きいほど大きくなるように算出する弁体トルク算出部と、
    前記モータの駆動によって前記弁体を変位させる際に前記ギアが受けるストレスである駆動時ストレスを、前記モータトルクと前記弁体トルクとの差が大きいほど大きくなるように算出する駆動時ストレス算出部と、
    前記モータの駆動によって前記弁体の位置が調整されるときにおける前記モータの角速度の変化量である角加速度が判定加速度以下であるときに、前記弁体の変位速度が急低下したとの判定をなす急低下判定部と、
    前記モータの角速度を平滑化した値である角速度なまし値が大きいほど大きくなるように、衝突係数を導出する衝突係数導出部と、
    前記弁体の変位速度が急低下したとの判定がなされたときに、前記弁体の変位速度の急低下に起因して前記ギアが受けるストレスである急低下時ストレスを、前記モータトルクと前記衝突係数との積が大きいほど大きくなるように算出する急低下時ストレス算出部と、
    前記駆動時ストレス及び前記急低下時ストレスのうちの一方のストレスと等価変換係数との積と、前記駆動時ストレス及び前記急低下時ストレスのうちの他方のストレスとを基に、前記制御弁の耐久性を推定する耐久性推定部と、を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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