JP2020118105A - 過給機用軸流タービン - Google Patents

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Abstract

【課題】タービン駆動力を低下させることなく、大気及び潤滑油等が軸シール部からガス流路に漏出する量を低減可能な過給機用軸流タービンを提供する。【解決手段】ハブの径方向外側へ突設された複数の動翼60を含むタービンロータ及びタービンロータ及び回転軸を収容する回転軸収容部と、流入したガスを回転軸周りに旋回させるスクロール部と、スクロール部の出口から流出したガスの向きを回転軸に平行な軸方向へ変更することによりガスを複数の動翼へと導流するベンド部23と、が形成されたハウジングを備える。ハブの外周面に複数の動翼の前縁61と後縁62との間において翼弦方向に延びる凹状の圧力面63とハブの外周面との交差部53に沿って動翼の軸方向中央部55からハブのベンド部側の端部54まで溝52が形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、ハウジングに形成されたベンド部によりスクロール部から流入したガスの向きを軸方向に変更し、軸方向に流れるガスを複数の動翼へと導流する過給機用軸流タービンに関する。
近年、自動車用ターボチャージャ等に用いられる小型過給機において、低イナーシャ化によるターボラグの低減及びタービン効率の向上等を目的として、従来の遠心タービンに代えて、軸方向に流れるガスによってタービンロータを回転させる軸流タービンが開発されてきている。軸流タービンにおいては、径方向外側に位置するスクロール部から径方向内側且つタービンロータの排気上流側に位置するベンド部にガスが流れ込むこと及びベンド部においてガスの進路が変更されることに伴ってタービンロータの入口及びその近傍のガスの流速が増加する。そのため、タービンロータの入口及びその近傍におけるガスの圧力が低下することが知られている。従って、排気圧が比較的低い場合には、タービンロータの入口及びその近傍におけるガスの圧力が負圧になることがある。
タービンロータの入口及びその近傍におけるガスの圧力が負圧になると、回転軸の軸受をその内部に含む回転軸収容部内の大気及び潤滑油等が軸シール部を抜けてガス流路(ベンド部及びタービンロータの動翼部)に漏出し、その結果、タービン効率の低下及び動翼のエロージョンを招く虞がある。
そこで、従来の過給機用軸流タービンの一つ(以下、「従来タービン」と称呼する。)は、図11に示したように、タービンロータ940のハブ950の上流側端面954に対向するハウジング端面よりも上流側の位置に、ベンド部923と第1回転軸収容部921aとを連通するバイパス流路925が形成されたハウジング構造を有している(例えば、特許文献1を参照。)。これにより、第1回転軸収容部921aには、ベンド部923の上流側の比較的高い圧力のガスがバイパス流路925を経由して流入するので、第1回転軸収容部921a内のガスの圧力は比較的高い圧力に維持される。その結果、第1回転軸収容部921a内のガスの圧力が負圧になる機会が減少する。これにより、低温の外気(大気)及び潤滑油等が第2回転軸収容部921bから軸シール部932を介して第1回転軸収容部921a及びガス流路(ベンド部923及びタービンロータ940の動翼部960)に漏出する量を低減することができる。
国際公開第2014/033920号
しかしながら、従来タービンによれば、ベンド部に流入した排気ガスの一部をバイパス流路に分岐してシールガスとして利用するため、タービンロータを回転させるためのガスの流量を低下させてしまう。その結果、タービンロータの回転速度が低下し、タービン駆動力が低下する虞がある。
本発明は上記問題に対処するために為されたものである。即ち、本発明の目的の一つは、タービン駆動力を低下させることなく、大気及び潤滑油等が軸シール部からガス流路に漏出する量を低減可能な過給機用軸流タービンを提供することにある。
本発明の過給機用軸流タービン(以下、「本発明タービン」とも称呼する。)(10)は、軸受(31)と、回転軸(30)と、タービンロータ(40)と、ハウジング(20)とを備える。
前記回転軸は、前記軸受によって回転可能に支持されている。前記タービンロータは、前記回転軸の軸端(30a)に当該回転軸と同軸且つ一体回転可能に固定されたハブ(50)及び前記ハブの外周面(51)から当該ハブの径方向外側へ突設された複数の動翼(60)を含んでいる。前記ハウジングには、前記タービンロータ及び前記回転軸を収容する回転軸収容部(21)と、流入したガスを前記回転軸周りに旋回させるスクロール部(22)と、前記スクロール部の出口(22a)から流出したガスの向きを前記回転軸に平行な軸方向へ変更することによりガスを前記複数の動翼へと導流するベンド部(23)と、が形成されている。
ところで、前述したように、ベンド部を通過したガスは、タービンロータの入口及びその近傍においてその圧力が低下する。しかし、ベンド部を通過したガスは、複数の動翼へと導流されると、動翼の壁面に衝突し、その流速が低下する。これに伴って動翼の壁面及びハブの外周面にガスの圧力が相対的に高くなる「高圧力領域」が生じる。ハブの外周面上における「高圧力領域」は、ガスが衝突する壁面(後述の圧力面)とハブの外周面との交差部に沿って、動翼の軸方向中央部分からハブのベンド部側(上流側)端部までの部分である。
そこで、本発明タービンには、前記ハブの外周面に、前記複数の動翼の前縁(61)と後縁(62)との間において翼弦方向に延びる凹状の壁面である圧力面(63)と前記ハブの外周面との交差部(53)に沿って前記動翼の前記軸方向の中央部分(55)から前記ハブの前記ベンド部側の端部(521)まで溝(52)が形成される。
これによれば、圧力面に衝突して圧力が増加したガスの一部は、ベンド部から流入するガスの流れとは反対の方向に、溝に沿ってベンド部側の端部に流出し、ベンド部の壁面とハブのベンド部側(上流側)底面との間の空隙を通って回転軸収容部に流入する。従って、回転軸収容部内のガスの圧力を比較的高い圧力に維持することができ、そのため、外気や潤滑油の軸シール部からの漏出を低減することができる。このとき、スクロール部からベンド部に流入するガスはすべてタービンロータの回転に利用されるから、タービン駆動力を低下させることがない。つまり、本発明タービンによれば、タービン駆動力を低下させることなく外気及び潤滑油等が軸シール部からガス流路へ漏出する量を低減可能な過給機用軸流タービンを提供することができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る過給機用軸流タービンの構成を示した概略断面図である。 図2は、図1に示したタービンロータの一部を拡大して排気上流側から見た部分斜視図である。 図3は、図1に示したタービンロータのエンドウォール(ハブ外周面)の展開図である。 図4は、図1に示したベンド部及び動翼を含むガス流路におけるガスの速度分布を示した断面図である。 図5は、図1に示したベンド部及び動翼を含むガス流路におけるガスの静圧分布を示した断面図である。 図6は、図1に示したタービンロータのエンドウォール及び溝におけるガスの静圧分布を示した部分斜視図である。 図7は、図1に示したタービンロータのエンドウォール及び溝におけるガスの流れを示した部分斜視図である。 図8は、図1に示したタービンロータの動翼におけるガスの静圧分布を示した概略断面図である。 図9は、図1に示したタービンロータの回転軸収容部におけるガスの流れを示した概略断面図である。 図10は、本発明の他の実施形態に係る過給機用軸流タービンのタービンロータに形成された溝の形状を示した部分斜視図である。 図11は、従来例に係る過給機用軸流タービンの構成を示した概略断面図である。
(構成)
図1乃至図3を参照しながら、本発明の実施形態に係る「過給機用軸流タービン」(以下、「本タービン」とも称呼される。)10の構成について説明する。
図1に示したように、本タービン10は、ハウジング20、回転軸30及びタービンロータ40等を備えている。
ハウジング20は、回転軸30及びタービンロータ40等の構成部品を収容する。
ハウジング20の内部には、回転軸収容部21、スクロール部22、ベンド部23及び下流側流路部24が形成されている。
回転軸収容部21は、中心軸線CLと同軸な略円筒形状を有しており、中心軸線CLを含むハウジング20の中心部分に形成されている。
スクロール部22は、主としてハウジング20の外周部分において中心軸線CL周りに略ドーナツ形状に形成されている。スクロール部22は、本タービン10が搭載される車両の図示しない排気管と連通している。従って、スクロール部22には、上記車両の図示しない内燃機関の燃焼室から排出された排気ガス(以下、単に「ガス」とも称呼される。)が排気管を通って導入される。スクロール部22は、流入したガスを回転軸30周りに旋回させる。
ベンド部23は、スクロール部22よりも径方向内側且つ回転軸収容部21よりも径方向外側に形成されている。ベンド部23は、連通部22aにおいてスクロール部22と連通している。連通部22aは、スクロール部22のガスの出口であり、ベンド部23のガスの入口である。中心軸線CLと平行な向きにおいて、連通部22aの開口の長さは、スクロール部22の開口の長さよりも短い。ベンド部23は、連通部22aから径方向内向きにベンド部23内に流入したガスの進路を中心軸線CLに対して略平行な向きに変更する。言い換えると、図1に矢印A1にて示したように、ベンド部23は、ガスの進路を紙面下向きから紙面右向きに変更する。なお、実際には連通部22aからベンド部23内に流入したガスは回転軸30周りに渦を巻いているので、より正確には、ベンド部23は、ガスの流れる方向を、回転軸30と平行な方向の成分を殆ど含まない方向から径方向の成分を殆ど含まない方向に変更していると言える。
下流側流路部24は、ベンド部23よりも排気下流側(図1においてベンド部23よりも紙面右側)に形成されている。下流側流路部24は、図示しない下流側の排気管と連通しており、ガスが下流側流路部24を通って下流側の排気管に排出される。
回転軸30は、回転軸収容部21に収容されている。更に、回転軸30は、ハウジング20と回転軸30との間に設けられた軸受31によって中心軸線CL周りをハウジング20に対して相対回転可能に支持されている。
回転軸30には、軸受31よりも下流側流路部24側(紙面右側)にシールリング32が設けられる。シールリング32は、例えば、回転軸30にその周方向に形成された図示しないシールリング溝に嵌合するように固定され、これにより、軸方向に移動しないように構成されている。シールリング32は、回転軸30及び回転軸収容部21の内周面211との間において「軸シール部」を構成している。
シールリング32を含む軸シール部は、回転軸収容部21を第1回転軸収容部(シールリング32よりも紙面右側の空間)21aと第2回転軸収容部(シールリング32よりも紙面左側の空間)21bとに区画している。
第1回転軸収容部21aは、ベンド部23の外側壁部23aと、タービンロータ40との間の空隙212においてベンド部23及び下流側流路部24を含むガス流路と連通している。
第2回転軸収容部21bには、主として軸受31を滑らかに作動させるとともに軸受31の摩耗を防止するための潤滑油が充填されている。第2回転軸収容部21bは大気に開放されているので、第2回転軸収容部21b内の圧力は大気圧となっている。シールリング32は、第2回転軸収容部21b内の潤滑油を第1回転軸収容部21aに漏出し難くするように設けられている。
回転軸30の軸端部30a(図1において回転軸30の右端部)には、タービンロータ40が設けられている。より具体的に述べると、タービンロータ40は、ハブ50及び複数の動翼60を含んでいる。ハブ50は、軸受31から遠ざかるほど(紙面右側にいくほど)回転半径が小さくなる円錐台形状を有している。ハブ50は、回転軸30の軸端部30aに回転軸30と同軸且つ一体回転可能に固定されている。
複数の動翼60は、ハブ50の外周面(以下、「エンドウォール」とも称呼する。)51にハブ50の径方向外側に突設されている。従って、複数の動翼60は、ハブ50と一体的に中心軸線CL周りを回転可能である。複数の動翼60は、ベンド部23と下流側流路部24との間に配置される。従って、ベンド部23を通過したガスは、複数の動翼60の間を通って下流側流路部24に流入する。なお、図1には複数の動翼60のうち1枚の動翼60のみが示されている。
図2は、ベンド部23側からタービンロータ40の一部分を拡大して見た斜視図である。図2に示したように、複数の動翼60は、エンドウォール51に周方向に等間隔に配置されている。図2において、矢印A2は、ガスが複数の動翼60の間に流入する向きを表している。以下、タービンロータ40にガスが流入する側(即ち、ベンド部23側)はタービンロータ40の「上流側」とも称呼され、タービンロータ40からガスが流出する側(即ち、下流側流路部24側)はタービンロータ40の「下流側」とも称呼される。複数の動翼60のそれぞれは、上流側(紙面の左下方)から下流側(紙面の右上方)に向かって右方向に滑らかに屈曲している。なお、図2において図1に示した中心軸線CLと平行な方向は矢印A3にて示されている。
エンドウォール51には複数の動翼60とそれぞれ対をなす溝(くぼみ)52が形成されている。より具体的に述べると、溝52は、動翼60の前縁61と後縁62との間において翼弦方向に延びる凹状の壁面である圧力面63とエンドウォール51との交差部(以下、「圧力面交差部」と称呼する。)53に沿ってタービンロータ40の上流側端部521から中心軸線CL方向(以下、単に「軸方向」と称呼する。)中央部55にかけて形成されている。
上流側端部521は、ハブ50の上流側底面54と溝52との交差部である。上流側端部521は、円弧状に形成されている。溝52の深さは、軸方向中央部55においてゼロであり、上流側端部521に向かって徐々に深くなり、上流側端部521において最も深くなる。ハブ50の回転面(中心軸線CLと直交する面)による溝52の断面形状は、上流側端部521の形状と同様、円弧状である。一方、中心軸線CLを含む面による溝52の断面は、図1の破線522に示したように、紙面左方向に向かうにつれて滑らかに中心軸線CLに近付くように形成されている。この破線522は、以下、溝52の「底部522」とも称呼される。
図3は、ハブ50の外周面(エンドウォール)51を平面状に展開した「展開図」である。図3においては、図1と同様に、紙面左方がベンド部23(即ち、上流側)、紙面右方が下流側流路部24(即ち、下流側)である。本明細書の説明において、動翼60の前縁61と後縁62との中心軸線CL方向(以下、単に「軸方向」と称呼する。)における距離Lwは「コード長」と定義される。軸方向中央部55の前縁61からの距離は、コード長Lwの1/2の長さLg1に設定されている。一方、溝52の上流側端部521における周方向の長さ(溝の幅)Wg1は、動翼60のピッチPの半分の長さ(即ち、P/2)に設定されている。
本実施形態において、タービンロータ40の外径(即ち、動翼60の外周端と中心軸線CLとの距離の2倍の長さ)は42mm、タービンロータ40の内径(ハブ50の上流側底面54の直径)は25mm、コード長Lwは10mm、隣り合う動翼60のピッチPは4mmである。従って、溝52の軸方向の長さLg1は、5mm、上流側端部521における溝の幅Wg1は2mmである。溝52の上流側端部521における深さは1mmである。なお、上記寸法を示す数値は、あくまで例示であり、これらの数値は適宜変更される。従って、本発明に係る軸流タービンがこれらの数値により限定されることはない。
(作動)
次に、本実施例に係るベンド部23におけるガスの流速分布及び静圧分布について図4及び図5を参照しながらそれぞれ説明する。
図4には、計算流体力学(CFD)により計算された、ベンド部23及び下流側流路部24内を流れるガスの速度分布が速度等高線により表される。速度等高線は、ガスの流速が等しい部位を同一の線で結んだ線である。速度等高線のそれぞれには、流速の大きさを相対的に示す指数が付されている。図4において、ベンド部23の入口(スクロール部出口22aに相当)におけるガスの流速のマッハ数は約0.3である。
一般的に角運動量保存則によれば、径の中心に向かうほどガスの流速は高くなる。ベンド部23の出口部(動翼60への流入部分であってエンドウォール51に近い部分)23bにおけるガスの流速Vout は、連通部22aにおけるガスの流速Vin、連通部22aの中心軸線CLからの距離Rin及びベンド部23の出口部23bの中心軸線CLからの距離Rout を用いて、以下の(1)にて表される。

Vout=Vin・(Rin/Rout) …(1)
図4の例示において、連通部22aの中心軸線CLからの距離Rinは、約47mm、ベンド部23の出口部23bの中心軸線CLからの距離は、約16mmである。従って、上記(1)によれば、ベンド部23の出口部23bにおける流速Vout はマッハ数0.88と算出される。更に、ベンド部23の出口部23bにおいては、ベンド部23の屈曲した外側壁部23aによりガスの流れの向きが大きく変更されるので、流速が増加して流速が最も高くなる。CFDの計算結果によれば、出口部23bにおける流速のマッハ数は約0.8である。従って、CFDにより求められたマッハ数と角運動量保存則に基づいて算出したマッハ数とは概ね一致する。その後、ガスが複数の動翼60の間(以下、「翼間流路70」と称呼する。)に流入すると、ガスが動翼60に衝突してその流速が低下することが理解される。
図5には、図4と同様に、スクロール部22、ベンド部23、下流側流路部24及びタービンロータ40の断面図が示されている。図5には、CFDにより計算された、ベンド部23及び下流側流路部24内のガスの静圧分布が圧力等高線により表される。
圧力等高線は、ガスの圧力が等しい部位を同一の線で結んだ線である。圧力等高線のそれぞれには、圧力の大きさを相対的に示す指数が付されている。例えば、指数100は、約100kPaを表している。
CFDの結果によれば、連通部22aにおける圧力は、約150kPaである。ベンド部23内の圧力は、ベンド部23の出口部23bに近付くに従って徐々に減少し、出口部23b及びその周囲の圧力は、本例において約100kPaである。従って、出口部23b及びその周囲の圧力は、大気圧(101.3kPa)よりも低くなっている可能性がある。図4及び図5から理解されるように、圧力が低い部位はガスの流速が高い部位に対応している。
図6には、CFDにより計算されたエンドウォール51及び溝52上のガスの静圧分布が圧力等高線により表される。圧力等高線のそれぞれには、圧力の大きさを相対的に示す指数が付されている。図6から理解されるように、圧力面交差部53に近いほど圧力が高く、且つ、圧力面交差部53の軸方向中央部55において最も圧力が高くなっている。動翼60の凸状の壁面である負圧面64とエンドウォール51との交差部(以下、「負圧面交差部」と称呼する。)56付近の圧力は約100kPaである。圧力面交差部53に沿った部分且つエンドウォール51の上流側から軸方向中心付近の圧力は約110kPaである。このように、圧力面交差部53における圧力は、ガスが圧力面63に衝突することにより、翼間流路70に流入する直前のガスの圧力よりも高くなる。本例において、直前のガスの圧力は「負圧」であるが、圧力面63に衝突して圧力が高くなった部位におけるガスの圧力は「正圧」となる。
再び図3を参照すると、ベンド部23から流出するガスは矢印A2が示した向きにて、翼間流路70に流入する。翼間流路70は、隣接する動翼60において互いに対向する一方の動翼60の圧力面63と、他方の動翼60の負圧面64と、隣接する動翼60の間のエンドウォール51と、下流側流路部24の内周面24a(図1を参照。)と、によって画成される流路である。翼間流路70に流入したガスは、一方の動翼60の圧力面63に衝突する。動翼60は、その反力によって紙面の上方向に移動する。つまり、タービンロータ40が回転する。
図6に示した静圧分布に基づいて、ガスの圧力が大気圧以上の正圧部57とガスの圧力が大気圧よりも低い負圧部58とに区分けされる。図3において、正圧部57は、圧力面交差部53に沿った部分のうち、エンドウォール51の上流側から軸方向中央部55近傍までの部分である。負圧部58は負圧面交差部56側の部分である。更に、正圧部57は、相対的にガスの圧力が高い第1正圧部57aと相対的にガスの圧力が低い第2正圧部57bとに区分けされる。
前述したように、エンドウォール51上に流入するガスの圧力は負圧である。従って、エンドウォール51上の多くの部分における圧力は負圧となり、当該部分は負圧部58に対応する。一方、翼間流路70に流入したガスが動翼60の圧力面63に衝突すると、その衝突した部位においてガスの流速が急激に低下し、ガスの圧力が高められる。従って、圧力面交差部53に沿った部分且つエンドウォール51の上流側から軸方向中央部55までにおける圧力は正圧となり、当該部分は正圧部57に対応する。
このように、エンドウォール51に溝52が形成されると、図7に示したように、圧力面63に衝突したガス(矢印A4)の一部は下流方向へ向かって流れる(矢印A5)。一方、圧力面63に衝突したガスの残りは、溝52を通って軸方向中央部55から上流側底面54へ向かう方向に流れる(矢印A6)。
図8には、圧力面63に衝突したガスのうち、圧力面63上及び溝52内の正圧となるガスの領域66が示される。領域66のガス(以下、「正圧ガス」とも称呼される。)の多くは矢印A6にて示したように、溝52内を上流側に向かって流れ、上流側端部521から流出する。流出した正圧ガスは、より圧力が低い(大気圧に近い)回転軸収容部21に向かって、外側壁部23aと上流側底面54との間の空隙212を通って流れる。
図9に示したように、第1回転軸収容部21aに流れ込んだ正圧ガスの一部は、更に、シールリング32と内周面211との間の空隙(軸シール部)を通って第2回転軸収容部21bに流れ込む(矢印A7)。その結果、第2回転軸収容部21b内の圧力が比較的高い圧力に維持される。
従って、動翼60の入口近傍(ベンド部23の出口部23b)の圧力が負圧となっている状況であっても、第1回転軸収容部21a内の圧力を動翼60の入口近傍(ベンド部23の出口部23b)の圧力よりも高くすることができる。言い換えると、溝52を上流側に向かって流れ、更に、回転軸収容部21に向かって流れるガスはシールガスとしての役割を果たす。これにより、第2回転軸収容部21b内の潤滑油がシールリング32を超えて第1回転軸収容部21a及びガス流路(ベンド部23及び下流側流路部24)内に浸入する(漏出する)事態が発生する頻度を低減させることができる。
このように、シールガスとして利用される正圧ガスは、タービンロータ40を回転させた(タービンロータ40の回転に寄与した)後のガスである。これに対し、図11に示した従来タービンは、タービンロータ40を回転させる前のガスをシールガスとして利用している。従って、「本タービン10」は従来タービンに比べ、タービン効率を向上させることができる。
一方、溝52から流出して第1回転軸収容部21aに流れ込んだガスの残りは、第1回転軸収容部21a内を逆流して空隙212を通って翼間流路70に流入する(図9の矢印A8を参照。)。
この翼間流路70に流入するガスの圧力は、ベンド部23を通過して流入するガスの圧力よりも高い。従って、図7に破線の矢印A8にて示したように、圧力の低い(本例において負圧の)負圧面64側に流れ込む。その結果、負圧面64側の損失が低減される。言い換えると、負圧面64側におけるガスの剥離が改善される。従って、タービン効率が更に改善される。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る過給機用軸流タービン10において、ハブ50の外周面(エンドウォール)51に、複数の動翼60の前縁61と後縁62との間に翼弦方向に延びる凹状の壁面である圧力面63とハブ50の外周面(エンドウォール)51との交差部(外周面交差部)53に沿って動翼60の軸方向中央部55からハブ50のベンド部23側の端部521まで溝52が形成される。これにより、タービン効率(タービン駆動力)を低下させることなく外気及び潤滑油等が軸シール部からガス流路へ漏出する量が低減される。
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
上記実施形態において、断面の形状は円弧状であったが、図10に示したように矩形状であってもよい。溝52Aの軸方向の長さLg2及び、溝52Aの上流側端部521Aにおける周方向の長さ(溝幅)Wg2は、溝52の軸方向の長さLg1及び溝52の上流側端部521の周方向の長さ(溝幅)Wg1と同様に、それぞれ5mm及び2mmに設定されている。溝52Aの上流側端部521Aにおける深さは溝52の上流側端部521における深さと同様に1mmに設定されている。なお、上記寸法を示す数値は、あくまで例示であり、これらの数値は適宜変更される。従って、本発明に係る軸流タービンがこれらの数値により限定されることはない。
上記実施形態において、ハブ50は円錐台形状であったが、ハブは円筒形状であってもよい。
上記実施形態において、溝52の軸方向の長さLg1は、コード長Lwの1/2の長さに設定され、溝52の上流側端部521における周方向の長さWg1はピッチPの1/2の長さに設定されていた。しかし、溝の長さは(Lw/2)未満に設定されてもよいし、溝の上流側端部における周方向の長さは(P1/2)未満に設定されてもよい。溝の軸方向の長さ及び周方向の長さを上記のように設定しても、溝内のガスの圧力を高い圧力に維持することが可能である。
10…タービン、20…ハウジング、21…回転軸収容部、22…スクロール部、23…ベンド部、24…下流側流路部、30…回転軸、31…軸受、31a…軸端、40…タービンロータ、50…ハブ、51…外周面(エンドウォール)、52…溝、53…圧力面交差部、54…ベンド部側の端部(上流側底面)、55…軸方向中央部、60…動翼、61…前縁、62…後縁、63…圧力面。

Claims (1)

  1. 軸受と、
    前記軸受によって回転可能に支持された回転軸と、
    前記回転軸の軸端に当該回転軸と同軸且つ一体回転可能に固定されたハブ及び前記ハブの外周面から当該ハブの径方向外側へ突設された複数の動翼を含むタービンロータと、
    前記タービンロータ及び前記回転軸を収容する回転軸収容部と、
    流入したガスを前記回転軸周りに旋回させるスクロール部と、
    前記スクロール部の出口から流出したガスの向きを前記回転軸に平行な軸方向へ変更することによりガスを前記複数の動翼へと導流するベンド部と、
    が形成されたハウジングと、
    を備える過給機用軸流タービンにおいて、
    前記ハブの外周面に、
    前記複数の動翼の前縁と後縁との間において翼弦方向に延びる凹状の壁面である圧力面と前記ハブの外周面との交差部に沿って前記動翼の前記軸方向中央部分から前記ハブの前記ベンド部側の端部まで溝が形成された、
    過給機用軸流タービン。
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