JP2020117744A - 金属部材、および電気コネクタ - Google Patents

金属部材、および電気コネクタ Download PDF

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Hatsumi Mukai
初巳 向井
慶秀 勝田
Yoshihide Katsuta
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Abstract

【課題】半田付けされることで取付対象物に接続する半田接続部の半田付け性が良好で、しかも、針状結晶(ウィスカー)が発生し難く、安価な金属部材、および、この金属部材を備えた電気コネクタを提供すること。【解決手段】半田付けされることで取付対象物の端子に接続する半田接続部と、接続対象物の端子に接触する接触部と、を有する金属部材において、金属基材と、前記半田接続部の金属基材を被覆し、かつ、前記半田接続部の金属基材を被覆する金属めっき層のうち金属めっき層の最表層として設けられ、Sn含有率が75〜93質量%であり、残部がNi及び不純物からなるSn−Ni合金めっき層と、を有する金属部材、および、この金属部材を備えた電気コネクタ。【選択図】図3

Description

本発明は、金属部材、および電気コネクタに関する。
従来、電気コネクタは、取付対象物(例えば、電気機器等の回路基板等)に取付られ、取付対象物と接続対象物(例えば、電子機器等のケーブルのコネクタ等)との電気的な接続を図るために利用されている。そして、電気コネクタには、電気接続用端子、又は取付金具として、金属部材が設けられている。
金属部材は、半田付けされることで取付対象物に接続される半田接続部を有している。この半田接続部の最表層に、半田付け性を高める目的で、金めっき層、又はSnめっき層が設けた金属部材が知られている(例えば、特許文献1〜5)。
なお、接続対象物に接触する接触部の最表層に、金めっき層を設けた金属部材も知られている(例えば、特許文献6)
特開2003−243073号公報 特開2005−158337号公報 特開2008−27696号公報 特開2011−29188号公報 特開2012−033435号公報 特開昭63−121693号公報
しかしながら、近年、電気コネクタの低コスト化の点から、金めっき層を形成することは避けたい要請がある。
一方、Snめっき層は、短絡の原因となる針状結晶(ウィスカー)が発生し易いという問題がある。
そこで、本発明の課題は、半田付けされることで取付対象物に接続する半田接続部の半田付け性が良好で、しかも、針状結晶(ウィスカー)が発生し難く、安価な金属部材、および、この金属部材を備えた電気コネクタを提供することである。
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
請求項1に係る発明は、
半田付けされることで取付対象物に接続する半田接続部を有する金属部材において、
金属基材と、
前記半田接続部の金属基材を被覆し、かつ、前記半田接続部の金属基材を被覆する金属めっき層のうち最表層として設けられ、Sn含有率が75〜93質量%であり、残部がNi及び不純物からなるSn−Ni合金めっき層と、
を有する金属部材である。
請求項1に係る発明によれば、半田接続部の金属基材が、Sn含有率が75〜93質量%であり、残部がNi及び不純物からなるSn−Ni合金めっき層により被覆されていることで、半田付けされることで取付対象物に接続する半田接続部の半田付け性が良好で、しかも、針状結晶(ウィスカー)が発生し難く、安価な金属部材が提供できる。
請求項2に係る発明は、
前記Sn−Ni合金めっき層のSn含有率が、80〜93質量%である請求項1に記載の金属部材である。
請求項2に係る発明によれば、Sn−Ni合金めっき層のSn含有率を80質量%以上とすることで、半田濡れ性の低下が抑えられ、活性作用が弱いハロゲンフリーフラックスを含む半田を使用しても、半田付け性の低下が抑えられる。
請求項3に係る発明は、
接続対象物に接触する接触部を有し、
前記Sn−Ni合金めっき層は、さらに、前記接触部の金属基材を被覆し、かつ、前記接触部の金属基材を被覆する金属めっき層のうち最表層として設けられている請求項1又は請求項2に記載の金属部材である。
請求項3に係る発明によれば、接触部と接続対象物との接触抵抗の上昇が抑えられる。
請求項4に係る発明は、
前記金属基材は、Cu基材、又はCu合金基材であり、
かつ、前記Sn−Ni合金めっき層と前記半田接続部の前記金属基材との間に設けられた、Niめっき層、およびNi合金めっき層の少なくとも一方のめっき層を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属部材である。
請求項4に係る発明に係る発明によれば、金属基材として、Cu基材、又はCu合金基材を採用しても、Niめっき層、およびNi合金めっき層の少なくとも一方のめっき層により、半田付け性の低下の原因となるCu原子がSn−Ni合金めっき層へ拡散することが抑制される。その結果、半田接続部の半田付け性の低下が抑制される。
請求項5に係る発明は、
前記Sn−Ni合金めっき層の厚さは、0.5〜1μmである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の金属部材である。
請求項5に係る発明によれば、Sn−Ni合金めっき層の厚さを0.5〜1μmとすることで、生産性良く、半田接続部の半田付け性を高められる。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の金属部材と、
前記金属部材を保持するハウジングと、
を有する電気コネクタである。
請求項6に係る発明によれば、半田付けされることで取付対象物に接続する半田接続部の半田付け性が良好で、しかも、針状結晶(ウィスカー)が発生し難く、安価な金属部材を備える電気コネクタが提供できる。
本発明によれば、半田付けされることで取付対象物に接続する半田接続部の半田付け性が良好で、しかも、針状結晶(ウィスカー)が発生し難く、安価な金属部材、および、この金属部材を備えた電気コネクタを提供することができる。
本実施形態に係る電気コネクタを示す概略斜視図である。 本実施形態に係る電気コネクタを示す概略断面図である。 本実施形態に係る金属部材を示す概略構成図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一例である本実施形態に係る金属部材、および、それを備える電気コネクタについて説明する。
なお、本明細書において、実質的に同じ機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
また、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本実施形態に係る電気コネクタ100は、図1〜図2に示すように、複数の電気接続端子10(金属部材の一例)と、電気接続端子10を保持するハウジング20と、を有している。
(ハウジング)
ハウジング20は、例えば、外形が略立方体形状で構成されている。そして、ハウジング20は、例えば、取付対象物200(例えば、電気機器等の回路基板等)に当接する当接部22と、接続対象物300(例えば、電子機器等のケーブルのコネクタ等)が嵌め込まれる嵌合部24と、電気接続端子10を保持するための貫通孔26Aが設けられた保持部26と、を有している。
なお、ハウジング20は、上記態様に限定されるわけではない。ハウジング20の態様は、目的に応じた態様を適宜選択できる。
(電気接続端子(金属部材))
電気接続端子10は、例えば、図3に示すように、屈曲した長尺状の端子であり、一端側に、半田付けされることで取付対象物200の端子202に接続する半田接続部10Aと、他端側に、接続対象物300の端子302に接触する接触部10Bと、を有している。
電気接続端子10は、例えば、ハウジング20の保持部26の貫通孔26Aに挿入されて、ハウジング20に保持されている。そして、電気接続端子10は、例えば、電気コネクタ100が取付対象物200に取り付けられたとき半田接続部10Aが取付対象物200の端子202と対面し、接触部10Bがハウジング20の嵌合部24の底部から突出して、ハウジング20に保持されている。
電気接続端子10は、金属基材12と、Sn−Ni合金めっき層14と、Niめっき層、およびNi合金めっき層の少なくとも一方のめっき層16(以下「Ni系めっき層16」と称する)と、を有している。
金属基材12は、めっき層が被覆される対象の金属基材である。金属基材12は、Cu基材、Cu合金基材、Fe合金基材等が挙げられる。これらの中でも、金属基材12としては、導電率が高く、安価な、Cu基材、又はCu合金基材が好ましい。
なお、Cu合金基材としては、りん青銅基材(Cu−Sn−P合金基材)、黄銅基材(Cu−Zn合金基材)等が例示できる。
Sn−Ni合金めっき層14は、例えば、金属基材12を被覆し、かつ最表層として設けられている。そして、Sn−Ni合金めっき層14は、Sn含有率が75〜93質量%であり、残部がNi及び不純物からなる。
ここで、電気接続端子10は、一般的に、キャリアと連結された状態の金属基材12に対して、めっき処理を施した後、めっき処理後の金属基材12をキャリアと分断して製造する。そのため、Sn−Ni合金めっき層14は、キャリアと連結していた部分以外の金属基材12の全面に被覆されていることがよい。
なお、不純物とは、めっき層の原材料の製造過程で混入する成分、めっき層の形成の過程で混入する成分等が例示され、意図的にめっき層に含有させたものではない成分を指す。
Sn含有率が75質量%未満であると半田付け性が低下する。一方、Sn含有率が93質量%超えであると、針状結晶(ウィスカー)が発生し易くなる。
そのため、Sn−Ni合金めっき層14が、半田接続部10Aの金属基材12を被覆し、かつ最表層として設けられていることで、半田接続部10Aの半田付け性が良好で、しかも、針状結晶(ウィスカー)が発生し難く、安価な電気コネクタ100となる。
なお、Sn−Ni合金めっき層14の上に、さらにSnめっき層が存在すると、そのSnめっき層が原因となって、針状結晶(ウィスカー)が発生する。
Sn含有率が78〜93質量%(好ましくは80〜93質量%)であると、Sn−Ni合金めっき層14の導電率が高くなる。
そのため、Sn−Ni合金めっき層14が接触部10Bの金属基材12を被覆し、かつ最表層として設けられていることで、接触部10Bと接続対象物300の端子302との接触抵抗の上昇が抑えられる。
つまり、半田接続部10Aおよび接触部10Bを有する電気接続端子10の場合、Sn含有率が78〜93質量%(好ましくは80〜93質量%)であることがよい。ただし、半田接続部10Aを有し、接触部10Bを有さない電気接続端子10の場合(例えば、電気接続端子10を取付金具として適用する場合)、Sn含有率は、75〜93質量%であってもよい。
特に、同じめっき処理で、Sn−Ni合金めっき層14により、半田接続部10Aおよび接触部10Bの金属基材12を被覆することで、半田接続部10A専用のめっき層、接触部10B専用のめっき層を別々に施さなくてもよいため、電気コネクタの低コスト化の点で有利である。
ここで、Sn含有率は、半田付け性向上および導電率向上の観点から、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましい。一方、Sn含有率は、針状結晶(ウィスカー)の発生抑制の観点から、92質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
なお、Sn−Ni合金めっき層14において、Sn含有率が75質量%以上80質量%未満であっても、半田付け性は高いが、Ni含有率が多く、半田との濡れ性が低下することがあるため、半田付けにあたっては、活性作用が強いフラックス(例えば、ハロゲン系物質としての臭素を含むフラックス)を含んだ半田を用いる必要がある。
しかし、半田付け時には、はんだペーストからフラックス成分が飛散することがしばしばある。そして、飛散したフラックスが、取付対象物や、取付対象物に実装された他の電子部品に付着すると、腐食が生じてしまうおそれがある。
一方、Sn含有率が80〜93質量%であると、Ni含有率が下がるため、半田との濡れ性の低下が抑えられ、必ずしも活性作用が強いフラックスを含む半田を使用する必要がない。つまり、活性作用が弱いハロゲンフリーフラックスを含む半田を使用しても、半田付け性の低下が抑えられる。
よって、Sn含有率は、80〜93質量%が好ましい。
Sn−Ni合金めっき層14の厚さは、0.5〜1μmが好ましい。
Sn−Ni合金めっき層14の厚さが0.5μm未満であると半田付け性が低下する傾向がある。Sn−Ni合金めっき層14を厚さ1μmよりも厚く形成すると、めっき時間および使用金属の増加等から、生産性が低下する傾向がある。
Sn−Ni合金めっき層14は、電気めっき法等の周知の方法により形成できる。
Ni系めっき層16は、Sn−Ni合金めっき層14と金属基材12との間に設けられている。つまり、Ni系めっき層16は、Sn−Ni合金めっき層14の下地層である。
特に、金属基材12として、Cu基材、又はCu合金基材を採用した場合、基材からCu原子がSn−Ni合金めっき層14に拡散し、半田付け性を低下させることがある。そのため、Ni系めっき層16を、Sn−Ni合金めっき層14の下地層として設けることで、Cu基材、又はCu合金基材からCu原子がSn−Ni合金めっき層14に拡散することを防ぐことができる。その結果、半田付け性の低下を防ぐことができる。
ただし、Ni系めっき層16は、必要に応じて、任意に設けられる層である。
なお、Ni系めっき層16のうち、Ni合金めっき層としては、Ni−P合金めっき層等が例示できる。
Ni系めっき層16の厚さは、1μm以上が好ましく、2〜3μmがより好ましい。ただし、このNi系めっき層16の厚さは、Niめっき層、又はNi合金めっき層の単層の厚さである。
電気接続端子10は、上記態様に限定されるものではない。半田接続部10Aの金属基材12を被覆し、かつ最表層として設けられ、Sn含有率が75〜93質量%であり、残部がNi及び不純物からなるSn−Ni合金めっき層14を有する以外は、電気接続端子10の態様は、目的に応じた態様を適宜選択できる。
以上説明した電気コネクタ100は、半田付けされることで取付対象物200の端子202に接続する半田接続部10Aの半田付け性が良好で、しかも、針状結晶(ウィスカー)が発生し難く、安価な電気接続端子10(金属部材の一例)を備えた電気コネクタとなる。
なお、本実施形態では、電気接続端子10の最表層として、Sn−Ni合金めっき層14を設けた態様を説明したが、これに限られない。Sn−Ni合金めっき層14は、金属基材12を被覆する金属めっき層のうち最表層として設けられていればよい。
ここで、「Sn−Ni合金めっき層14が、金属基材12を被覆する金属めっき層のうち最表層として設けられている」とは、Sn−Ni合金めっき層14上に、さらに金属めっき層(Snめっき層、Auめっき層等)が存在しないことを意味する。つまり、Sn−Ni合金めっき層14上に、金属めっき層以外の層(変色防止剤層、半田濡れ性劣化防止剤層等)であれば、存在してもよいことを意味する。
また、本実施形態では、電気接続端子10が、接続対象物300の端子302に接触する接触部10Bを有する態様を説明したが、これに限られない。例えば、電気接続端子10は、接触部10Bを有さない端子であってもよい。
ただし、接触部10Bを有することで、電気接続端子10は、半田接続部10Aに加え、半田付け性が良好で、しかも、針状結晶(ウィスカー)が発生し難くい接触部10Bを有する電子接続端子となる。そして、この態様の電気接続端子10は、半田接続部10Aおよび接触部10Bを一括しためっき処理により製造できるという利点がある。
また、本実施形態では、金属部材を電気接続端子10に適用した態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、金属部材は、取付金具等に適用してもよい。
例えば、金属部材を取付金具に適用した場合、半田接続部10Aは、取付対象物200の金属部に半田付けされればよい。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1〜15、比較例1〜2)
Sn含有率1〜11%、P含有率0.15%以下、残部がCu及び不純物からなるCu−Sn−P合金基材(りん青銅基材)の全面に、電気めっき法により、厚さ1μmのNiめっき層を被覆した。
その後、Niめっき層を被覆したCu−Sn−P合金基材(りん青銅基材)の全面に、電気めっき法により、表1〜表2に示すSn含有率(質量%)で、残部がNiおよび不純物からなり、厚さが1μmのSn−Ni合金めっき層を被覆した。
この操作により、実施例1〜15、比較例1〜2の、金属部材、および、その試験片(pin)を作製した。
(比較例3)
Sn含有率1〜11%、P含有率0.15%以下、残部がCu及び不純物からなるCu−Sn−P合金基材(りん青銅基材)の全面に、厚さ2μmのNiめっき層、および厚さ0.12μmのAuめっき層を順次形成した。
この操作により、比較例3の、金属部材、および、その試験片(pin)を作製した。
(比較例4)
Sn含有率1〜11%、P含有率0.15%以下、残部がCu及び不純物からなるCu−Sn−P合金基材(りん青銅基材)の全面に、厚さ1μmのNiめっき層、および厚さ3μmのSnめっき層を順次形成した。
この操作により、比較例4の、金属部材、および、その試験片(pin)を作製した。
(各種試験)
得られた各例の金属部材、および、その試験片(pin)に対して、次の試験を実施した。その結果を表1〜表2に示す。
−ウィスカー試験1(アクリル板試験)−
厚さ5mmの一対の透明アクリル板に金属部材の試験片(pin)を挟み、固定板を用いてネジで締め付けた。締め付けトルクは1.2±0.1N/mとした。そして、室温(15〜35℃)湿度(25〜85%RH)環境下で、一対の透明アクリル板に挟み込んだ状態の金属部材の試験片(pin)を1000時間放置後、試験片を観察し、ウィスカーの発生の有無を確認する試験をした。
−ウィスカー試験2(組み立て品試験)−
金属部材を所定形状の樹脂製ハウジングに保持させ、コネクターを組み立てた。そして、室温(15〜35℃)湿度(25〜85%RH)環境下で、組み立て体を4000時間放置後、金属部材を観察し、ウィスカーの発生の有無を確認する試験した。
ここで、ウィスカー試験1〜2において、観察で50μm以上のウィスカーが発生している場合、ウィスカーが発生したと判断した。表中には、試験した試験片(pin)の数に対するウィスカーが発生した試験片(pin)の数(ウィスカー発生pin数/試験pin数と表記)を示した。
なお、ウィスカー試験1〜2はSn含有率が多いほど発生し易いため、低Sn含有量側の例の試験は不実施とした。
−半田濡れ性試験1(活性フラックス試験)−
メニスコグラフ法に従って、半田濡れ性試験1を実施した。具体的には次の通りである。
Ag含有率3.0質量%、Cu含有率0.5質量%、残部がSnおよび不純物からなる半田を245℃に加熱した。
活性フラックス(成分:臭素(Br))を表面に塗布した金属部材を、加熱により溶融した半田に、浸漬速度25mm/秒で浸漬した。浸漬深さは、金属部材のテーパ−部+0.2mm(合計で0.5mm以下の場合は0.5mm)とした。
そして、ゼロクロスタイム、および、濡れ応力を測定した。
−半田濡れ性試験2(ハロゲンフリーフラックス試験)−
メニスコグラフ法に従って、半田濡れ性試験2を実施した。具体的には次の通りである。
Ag含有率3.0質量%、Cu含有率0.5質量%、残部がSnおよび不純物からなる半田を245℃に加熱した。
ハロゲンフリーフラックス(成分:ロジン)を塗布した金属部材を、加熱により溶融した半田に浸漬速度25mm/秒で浸漬した。浸漬深さは、金属部材のテーパ−部+0.2mm(合計で0.5mm以下の場合は0.5mm)とした。
そして、ゼロクロスタイム、および、濡れ応力を測定した。
ここで、半田濡れ性試験1〜2において、ゼロクロスタイム3秒以下のとき良好と判断した。また、金属部材を引き上げ後、半田濡れ状態を確認し、浸漬エリアの95%以上が濡れていない場合、不濡れと判断した。
なお、半田濡れ性試験1〜2はSn含有率が多いほど良好になるため、高Sn含有率側の例の試験は不実施とした。
−接触抵抗試験−
金属部材の接触抵抗試験を、電気接点シミュレーター(商品名:CRS−1、製造元:株式会社 山崎精機研究所)により実施した。
試験条件は、ライダー:評価めっき仕様ソケット接点部、接点形状R=0.6mm、フラット:評価めっき仕様プラグ接点部、測定電流AC1mA、測定電圧AC20mV(MAX)、摺動距離1mm(1mm/分)、負荷加重500mN一定とした。
接触抵抗試験は、ガス試験前の初期(initial)、HSガス試験後、SOガス試験後の各々で実施した。
Sガス試験は、温度40℃、相対湿度75%RH、HS濃度3ppmの雰囲気下に、時間96時間、金属部材を放置することで実施した。
SOガス試験は、温度40℃、相対湿度75%RH、SO濃度10ppmの雰囲気下に、時間96時間、金属部材を放置することで実施した。
なお、接触抵抗試験、又はガス試験後の接触抵抗試験はSn含有率が多いほど良好になるため、高Sn含有率側の例の試験は不実施とした。

上記結果から、Sn−Ni合金めっき層が最表層に存在する実施例の金属部材では、半田接続部の半田付け性が良好で、しかも、針状結晶(ウィスカー)が発生し難いことがわかる。
また、特に、Sn−Ni合金めっき層のSn含有率が80質量%以上である実施例の金属部材は、活性が低いハロゲンフリーのフラックスを塗布した状態でも、半田に対する濡れ性が高いことがわかる。つまり、Sn−Ni合金めっき層のSn含有率が80質量%以上である実施例の金属部材は、活性が低いハロゲンフリーのフラックス入り半田に対しても濡れ性が高く、半田付け性が良好であることがわかる。また、接触抵抗も低く、導通性も良好であることもわかる。
10 電気接続端子(金属部材の一例)
10A 半田接続部
10B 接触部
12 金属基材
14 Sn−Ni合金めっき層
16 Niめっき層、およびNi合金めっき層の少なくとも一方のめっき層(Ni系めっき層)
20 ハウジング
22 当接部
24 嵌合部
26 保持部
26A 貫通孔
100 電気コネクタ
200 取付対象物
202 取付対象物の端子
300 接続対象物
302 接続対象物の端子

Claims (6)

  1. 半田付けされることで取付対象物に接続する半田接続部を有する金属部材において、
    金属基材と、
    前記半田接続部の金属基材を被覆し、かつ、前記半田接続部の金属基材を被覆する金属めっき層のうち最表層として設けられ、Sn含有率が75〜93質量%であり、残部がNi及び不純物からなるSn−Ni合金めっき層と、
    を有する金属部材。
  2. 前記Sn−Ni合金めっき層のSn含有率が、80〜93質量%である請求項1に記載の金属部材。
  3. 接続対象物に接触する接触部を有し、
    前記Sn−Ni合金めっき層は、さらに、前記接触部の金属基材を被覆し、かつ、前記接触部の金属基材を被覆する金属めっき層のうち最表層として設けられている請求項1又は請求項2に記載の金属部材。
  4. 前記金属基材は、Cu基材、又はCu合金基材であり、
    かつ、前記Sn−Ni合金めっき層と前記半田接続部の前記金属基材との間に設けられた、Niめっき層、およびNi合金めっき層の少なくとも一方のめっき層を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属部材。
  5. 前記Sn−Ni合金めっき層の厚さは、0.5〜1μmである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の金属部材。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の金属部材と、
    前記金属部材を保持するハウジングと、
    を有する電気コネクタ。
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