JP2020117621A - 活性エネルギー線硬化型組成物、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法、硬化物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法、硬化物 Download PDF

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森田 充展
Mitsunobu Morita
充展 森田
野口 宗
So Noguchi
宗 野口
岡田 崇
Takashi Okada
崇 岡田
雅秀 小林
Masahide Kobayashi
雅秀 小林
武範 末永
Takenori Suenaga
武範 末永
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Tatsuki Yamaguchi
竜輝 山口
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Abstract

【課題】低臭気で低粘度、硬化性に優れ、更に硬化後の硬化物の硬度にも優れる活性エネルギー線硬化型組成物を提供する。【解決手段】特定の一般式で表されるエステル構造を有するアクリルアミド化合物と多官能アクリルアミド化合物とを含有する活性エネルギー線硬化型組成物及び硬化物、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法、及び、硬化物に関する。
紙等の記録媒体上に画像を形成する方法として、インクジェット記録方式が知られている。この記録方式は、インクの消費効率が高く省資源性に優れており、単位記録当たりのインクコストを低く抑えることが可能である。
近年、紫外線硬化型インクを用いたインクジェット記録方式が注目されている。
特許文献1には、水溶性を有する多官能の2級アクリルアミド化合物を配合したインク組成物が開示されている。非特許文献1には、歯科用修復剤用の樹脂組成物の強度を向上する目的で3種類のビスアクリルアミド化合物を架橋剤として用いることが示されている。非特許文献2では歯科用接着剤に適した耐水性モノマーとしてビスアクリルアミド化合物が提示されている。
しかしながら、これまでの活性エネルギー線硬化型組成物では、揮発性に伴う臭気、光重合性及び硬度に改善の余地があった。
本発明は、低臭気で低粘度、硬化性に優れ、更に硬化後の硬化物の硬度にも優れる活性エネルギー線硬化型組成物の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1)下記一般式(1)で表されるエステル構造を有するアクリルアミド化合物及び下記一般式(4)で表されるエステル構造を有するアクリルアミド化合物の少なくともいずれかの単官能アクリルアミド化合物と、多官能アクリルアミド化合物とを含有する活性エネルギー線硬化型組成物。
Figure 2020117621
ただし、前記一般式(1)中、R1は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)又は下記一般式(3)で示される基を表す。
Figure 2020117621
ただし、前記一般式(2)中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
Figure 2020117621
ただし、前記一般式(3)中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
Figure 2020117621
ただし、前記一般式(4)中、環Xは窒素原子を含む炭素数2〜5の環構造を表し、R4は単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
本発明によれば、低臭気で低粘度、硬化性に優れ、更に硬化後の硬化物の硬度にも優れる活性エネルギー線硬化型組成物を提供できる。
本発明における像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明における別の像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明におけるさらに別の像形成装置の一例を示す概略図である。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、その実施の形態には次の2)〜13)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2)前記多官能アクリルアミド化合物が2官能である前記1)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
3)前記多官能アクリルアミド化合物が下記一般式(5)で表される化合物である前記2)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
Figure 2020117621
ただし、一般式(5)中、Rは水素原子または、炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜10のアルキレン基を示す。
4)前記一般式(5)におけるRが炭素数1〜3のアルキル基である前記3)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
5)前記単官能アクリルアミド化合物が前記一般式(1)で表されるエステル構造を有するアクリルアミド化合物であり、前記一般式(1)中のYが前記一般式(3)で表される前記1)から4)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
6)前記一般式(3)のR2が炭素数1〜2のアルキル基である前記5)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
7)活性エネルギー線硬化型組成物中に占める多官能アクリルアミドの割合が質量比で10%以下である前記1)から6)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
8)分子量が800以上である重合開始剤を含有する前記1)から7)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
9)前記活性エネルギー線硬化型組成物がインクジェット用インクである前記1)から8)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
10)前記1)から9)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された組成物収容容器。
11)前記1)から9)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段とを備える2次元または3次元の像形成装置。
12)前記1)から9)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を有する2次元または3次元の像形成方法。
13)前記1)から9)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物に含まれる前記一般式(1)で表される単官能アクリルアミド化合物及び前記一般式(4)で表される単官能アクリルアミド化合物は分子内にエステル構造を1つ有する3級アクリルアミド化合物であり粘度が低く、臭気も少ない(低臭気)ことに加え、皮膚感作性などの安全性にも優れる傾向を有している。このような重合性化合物は紫外線などを用いた活性エネルギー線硬化型組成物、中でも低粘度であることが求められる紫外線硬化型インクジェットインク組成物(UV−IJインク)に適した材料である。
このような材料と多官能アクリルアミド化合物は同じアクリルアミドであることから相溶性が良くインク組成物に適した組合せであるとともに多官能アクリルアミドが加わることで硬化性が向上し架橋構造を形成することで硬化後の硬化物の強度も向上する。特に2級の多官能アクリルアミドは親水性が高く常温で固体であることが多く、通常の(メタ)アクリル酸エステル類には溶解しにくくインク組成物として用いることは難しかったが、前記一般式(1)で表される単官能アクリルアミド化合物及び前記一般式(4)で表される単官能アクリルアミド化合物とは同じアクリルアミド化合物であることから相性が良く互いに溶解するものもある。また、溶解しにくい場合でも親水性が高く水との相性が良い化合物どうしであることから少量の水を加えることで溶解しあう状態を形成することができる。この場合に加える水の量について特に限定はないが、乾燥性の点でインク組成物に含まれる重合性化合物(モノマー化合物)に対して20質量%以下が好ましく、更に10質量%以下が好ましい。
また、多官能アクリルアミド化合物も臭気が少ないことから本発明の硬化型組成物は低臭気で低粘度、硬化性に優れ、更に硬化後の硬化物の硬度にも優れるものである。
次に、本発明の光重合性化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
<一般式(1)で表される単官能アクリルアミド化合物及び一般式(4)で表される単官能アクリルアミド化合物>
前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物及び一般式(4)で表されるアクリルアミド化合物の具体例として、例示化合物a群からg群を示すが、これらに限定されるものではない。
前記一般式(1)で表される化合物のa群としては、例えば、以下に示すa1からa6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物a1群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物a2群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物a3群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物a4群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物a5群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物a6群>>
Figure 2020117621
前記一般式(1)で表される化合物のb群としては、例えば、以下に示すb1からb6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物b1群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物b2群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物b3群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物b4群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物b5群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物b6群>>
Figure 2020117621
前記一般式(1)で表される化合物のc群としては、例えば、以下に示すc1からc6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物c1群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物c2群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物c3群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物c4群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物c5群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物c6群>>
Figure 2020117621
前記一般式(1)で表される化合物のd群としては、例えば、以下に示すd1からd6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物d1群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物d2群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物d3群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物d4群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物d5群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物d6群>>
Figure 2020117621
前記一般式(1)で表される化合物のe群としては、例えば、以下に示すe1からe6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物e1群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物e2群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物e3群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物e4群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物e5群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物e6群>>
Figure 2020117621
前記一般式(1)で表される化合物のf群としては、例えば、以下に示すf1からf8群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物f1群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物f2群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物f3群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物f4群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物f5群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物f6群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物f7群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物f8群>>
Figure 2020117621
前記一般式(4)で表される化合物g群としては、例えば、以下に示すg1からg6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物g1群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物g2群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物例g3群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物g4群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物g5群>>
Figure 2020117621
<<例示化合物g6群>>
Figure 2020117621
前記一般式(1)で表されるエステル構造を有する単官能アクリルアミド化合物において、前記一般式(2)で表される基、および前記一般式(3)で表される基におけるR2の炭素数1〜10のアルキル基としては炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
また、前記一般式(4)で表されるエステル構造を有する単官能アクリルアミド化合物におけるR4の炭素数1〜3のアルキレン基、及びR5の炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状であっても、分岐していても良い。
単官能アクリルアミド化合物としては、前記一般式(1)中のYが前記一般式(3)で表される基である化合物(例示化合物d群、e群、f群)が好ましく、前記一般式(3)のR2が炭素数1〜2のアルキル基である化合物がより好ましい。
前記アクリルアミド化合物の中でも、例えば、a1−1、d1−1、g1−2について、OECD TG442B(局所リンパ節増殖試験/濃度50%)を実施したところ、皮膚感作性の評価指標であるSI値は3未満の値を示しており、これらの化合物が皮膚感作性を発現するリスクが低いと考えられる。
本発明の上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物及び上記一般式(4)で表されるアクリルアミド化合物は、異なる化合物同士を2種以上混合して用いることができ、この場合の異なる化合物には構造異性体も含まれる。混合比は特に限定されない。
また、上記単官能のアクリルアミド化合物の含有量は、組成物の全量に対して、10質量%以上98質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましい。
<多官能アクリルアミド化合物>
次に、本発明の多官能アクリルアミド化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
3級多官能アクリルアミド化合物としては以下の化合物を挙げることができる。これらの3級多官能アクリルアミド化合物は、アルキレン基の母核構造に対して3級アクリルアミドを2つ以上有することを特徴としている。これらの化合物は歯科修復用樹脂や歯科用の接着剤の構成成分としての用途が開示されているが、3級アクリルアミド化合物であることで水素結合のような強い分子間相互作用がないことから粘度が比較的低く、架橋構造を形成することで硬化物の強度も強い。しかも(メタ)アクリレート化合物特有の不快な臭気がほとんどしないため活性エネルギー線硬化型インク、特にインクを微小な液滴にして吐出する活性エネルギー線硬化型インクジェット用インクに適したものである。
多官能アクリルアミド化合物として、2官能であることが好ましく、下記一般式(5)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2020117621
ただし、一般式(5)中、Rは水素原子または、炭素数1〜4のアルキル基を示し分岐構造を有していてもよく、Xは炭素数1〜10のアルキレン基を示し、置換基として極性官能基を有していてもよい。
Rは炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
更に、前記一般式(5)で表される化合物の母核構造Xの炭素数は1〜10であるが、3以上が好ましい。これは、Xの炭素数が大きくなるにつれて化合物の粘度が下がる傾向にありその結果、両末端の3級アクリルアミド部の自由度が高くなり重合反応が進行しやすくなるためと考えられる。一方、Xの炭素数が大きくなることで硬化物の強度が低下する傾向にあることから、粘度、光重合反応性、硬化物強度のバランスのよいものが、Xの炭素数3以上である。
Figure 2020117621
また、2級多官能アクリルアミド化合物の具体例としては以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
Figure 2020117621
本発明の多官能アクリルアミド化合物は、異なる化合物同士を2種以上混合して用いることができ、この場合の異なる化合物には構造異性体も含まれる。混合比は特に限定されない。また、硬化型組成物中の多官能アクリルアミド化合物の含有量は、通常、0.1〜50質量%であり、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
<その他の光重合性化合物>
硬化型組成物は、前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、一般式(4)で表されるアクリルアミド化合物、多官能アクリルアミド化合物以外のその他の光重合性化合物を含むことも可能である。一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、一般式(4)で表されるアクリルアミド化合物と多官能アクリルアミド化合物の合計に対するその他の光重合性化合物の質量比は、通常、0.01〜100であり、0.1〜50が好ましい。
前記その他の光重合性化合物としては特に限定されないが、光ラジカル重合性化合物、光カチオン重合性化合物、光アニオン重合性化合物等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
光ラジカル重合性化合物としては、光ラジカル重合することが可能なエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物であれば特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマー等を含む。その例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、これらの塩及びこれらから誘導される化合物、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。
光ラジカル重合性化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル酸誘導体、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のアクリルアミド誘導体、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物、2−エチルヘキシルジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールエチレンオキシド付加物アクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラクトン変性アクリレート等が挙げられる。
<重合開始剤>
本発明の組成物は、重合開始剤を含有していてもよい。なお、重合開始剤のことを単に開始剤とも称することがある。重合開始剤としては、熱重合開始剤と光重合開始剤とがある。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。光重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でも、ラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン/DETX(東京化成工業株式会社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASFジャパン株式会社製)「イルガキュア184」)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(BASFジャパン株式会社製)「イルガキュア379」)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASFジャパン株式会社製、「イルガキュア819」)、2−[4−(メチルチオ)ベンゾイル]−2−(4−モルホリニル)プロパン(BASFジャパン株式会社製、「イルガキュア907」)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製、「イルガキュアTPO」)、ポリエチレングリコール200−ジ(β−4(4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)(IGM社製、「Omnipol 910」、分子量1032)、1,3−ジ({α−[1−クロロ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシ)−2,2−ビス({α−[1−クロロ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパン(Lambson社製、「Speedcure7010」、分子量1899)、1,3−ジ({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシ)−2,2−ビス({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパンと{α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ(オキシエチレン)−ポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]−ポリ(オキシエチレン)}4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートの混合物(Lambson社製、「Speedcure7040」、分子量1066)、ポリブチレングリコールビス(9−オキソ−9H−チオキサンチニルオキシ)アセテート(IGM社製、「Omnipol TX」、分子量820)、高分子型チオキサンテン化合物(Lahn AG社製、「Genepol TX−2」、分子量980)、ベンゼン,(1−メチルエチニル)−,ホモポリマー,ar−(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−オキソプロピル)誘導体(IGM社製、「Esacure ONE」、分子量1000以上)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、分子量が800以上の重合開始剤は、安全性が高いことから好適である。
重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、組成物の全量に対して、5質量%以上20質量%以下が好ましい。
なお、光重合性化合物と光重合開始剤の組合せとしては、光ラジカル重合性化合物と光ラジカル重合開始剤の組合せの他に、光カチオン重合性化合物と光カチオン重合開始剤の組合せや、光アニオン重合性化合物と光アニオン重合開始剤の組合せが挙げられる。
光カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C65)4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩、スルホン酸を発生することが可能なスルホン化物、ハロゲン化水素を発生することが可能なハロゲン化物、鉄アレン錯体等が挙げられる。
光アニオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、ラクトン化合物、アクリル化合物、メタクリル化合物等が挙げられる。中でも、光ラジカル重合性化合物として例示されたアクリル系化合物、メタクリル系化合物が好ましい。
光アニオン重合開始剤としては、o−ニトロベンジルカルバメート誘導体、o−アシルオキシル誘導体、o−カルバモイルオキシムアミジン誘導体等が挙げられる。
硬化型組成物は、活性エネルギー線照射による光重合開始剤の分解を促進させるため、更に増感剤を含んでいてもよい。
増感剤は活性エネルギー線を吸収して電子励起状態となり、その状態で重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱等の作用により重合開始剤の化学変化(分解、ラジカル、酸又は塩基の生成)を促進する。
光重合開始剤に対する増感剤の質量比は、通常、5×10-3〜200であり、0.02〜50が好ましい。
増感剤としては特に限定されないが、波長が350〜450nmの領域に吸収波長を有する増感色素を用いることができる。その例としては、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリリウム類(例えば、スクアリリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)等が挙げられる。
硬化型組成物は、更に共増感剤を含んでいてもよい。
共増感剤は、増感色素の活性エネルギー線に対する感度を一層向上させたり、酸素による光重合性化合物の重合阻害を抑制したりする。
共増感剤としては特に限定されないが、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等のアミン系化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等のチオール及びスルフィド類等が挙げられる。
<色材>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。 分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
重合禁止剤により、硬化型組成物の保存性(保管安定性)を高めることができる。また、硬化型組成物を加熱し粘度を低下させて吐出する場合の熱重合によるヘッド詰まりを防ぐことができる。
重合禁止剤としては特に限定されないが、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、アルミニウムのクペロン錯体等が挙げられる。インク中の重合禁止剤の含有量は、通常、200〜20000ppmである。
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液にさらに重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは40℃における粘度が5〜25mPa・sが好ましく、5〜15mPa・sが更に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
<硬化手段>
本発明の硬化型組成物を硬化させる手段としては、加熱硬化または活性エネルギー線による硬化が挙げられ、これらの中でも活性エネルギー線による硬化が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
<組成物収容容器>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、または容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
<像の形成方法、形成装置>
本発明の像の形成方法は、活性エネルギー線を用いてもよいし、加温なども挙げられる。
本発明の硬化型組成物を活性エネルギー線で硬化させるためには、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。さらに、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、セラミックスやガラス、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、ダンボール、壁紙や床材等の建材、コンクリート、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用する ことができる。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」である。また、1H−NMRスペクトルは、1H−NMR(500MHz)(JEOL社製)を用いて測定した。
[一般式(1)、一般式(4)のアクリルアミド化合物の合成]
(合成例1)
<モノマーd1−1の合成>
東京化成工業株式会社製のサルコシン酸メチルエステル・塩酸塩(8.37g、60mmol)を脱水ジクロロメタン100mL中に加え、トリエチルアミン17.49g(172mmol)を加えた。
次に、氷−NaCl混合物中で約−15℃まで冷却した後、和光純薬工業株式会社製アクリル酸クロリド6.52g(72mmol)を脱水ジクロロメタン4mLで希釈してゆっくりと滴下し、室温(25℃)下で3時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。
次に、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して油状物を得た。更に、和光純薬工業株式会社製シリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d1−1)で表される化合物の淡黄色油状物4.69g(収率約50%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ3.05−3.16(m,3H),3.75−3.78(m,3H),4.13−4.20(m,2H),5.70−5.76(m,1H),6.36−6.39(m,1H),6.61−6.63(m,1H)
(合成例2)
<モノマーd1−2の合成>
東京化成工業株式会社製のサルコシン酸エチルエステル・塩酸塩(12.29g、80mmol)を脱水ジクロロメタン110mL中に加え、トリエチルアミン22.34g(220mmol)を加えた。次に、氷−NaCl混合物中で約−15℃まで冷却した後、和光純薬工業社製アクリル酸クロリド8.69g(96mmol)を脱水ジクロロメタン5mLで希釈してゆっくりと滴下し、室温(25℃)下で3時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。次に、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して油状物を得た。更に、和光純薬工業製シリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d1―2)で表される化合物の淡黄色油状物7.58g(収率約55%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.26−1.30(m,3H),3.06−3.16(m,3H),4.11−4.25(m,4H),5.68−5.76(m,1H),6.28−6.39(m,1H),6.61−6.66(m,1H)
(合成例3)
<モノマーd1−5の合成>
東京化成工業株式会社製メチルアミン7%THF溶液(31.05g、70mmol)、THF(15mL)に炭酸カリウム(9.68g、70mmol)を加えて室温(25℃)下で撹拌し、東京化成工業株式会社製クロロ酢酸イソプロピル(10.52g、77mmol)をTHF(5mL)に溶かした溶液を滴下した。反応液を濾過して得られた濾液に炭酸カリウム(9.68g、70mmol)を水(50mL)に溶かした溶液を加えて氷浴中で冷却した。アクリル酸クロリド(6.96g、77mmol)をゆっくり滴下した後、室温(25℃)下で2時間撹拌した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮することで無色溶液8.4gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d1−5)で表される化合物の無色液体3.9g(収率:約30%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.26(d,6H),3.05/3.15(s,3H),4.07/4.16(s,2H),5.04−5.10(m,1H),5.67−5.75(m,1H),6.28−6.44/6.61−6.66(m,2H)
(合成例4)
<モノマーd1−4の合成>
東京化成工業株式会社製メチルアミン7質量%テトラヒドロフラン(THF)溶液(31.05g、70mmol)、THF(15mL)に炭酸カリウム(9.68g、70mmol)を加えて室温(25℃)下で撹拌し、東京化成工業株式会社製クロロ酢酸ノルマルブチル(11.60g、77mmol)をTHF(5mL)に溶かした溶液を滴下した。反応液を濾過して得られた濾液に炭酸カリウム(9.68g、70mmol)を水(50mL)に溶かした溶液を加えて氷浴中で冷却した。アクリル酸クロリド(6.96g、77mmol)をゆっくり滴下した後、室温(25℃)下で2時間撹拌した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮することで無色溶液13.3gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d1−4)で表される化合物の無色液体5.5g(収率:約39%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ0.93(t,3H),1.34−1.42(m,2H),1.59−1.66(m,2H),3.06/3.16(s,3H),4.11−4.19(m,4H),5.68−5.76(m,1H),6.28−6.44/6.60−6.66(m,2H)
(合成例5)
<モノマーf2−1の合成>
Combi−Blocks社製のN−メチル−DL−アラニン(6.19g、60mmol)をメタノール(40mL)と混合して得られたスラリーを氷浴中で冷却した後、塩化チオニル(14.28g、120mmol)をゆっくり滴下した。滴下途中で反応液は透明な溶液となり、そのまま室温(25℃)下で一晩撹拌した。反応液を濃縮し、N−メチル−DL−アラニンのメチルエステル塩酸塩を無色粘調性液体(8.3g)として得た。得られたN−メチル−DL−アラニンのメチルエステル塩酸塩はそのまま次の反応に用いた。
N−メチル−DL−アラニンのメチルエステル塩酸塩(8.3g、54mmol)を水20mLに溶解し、炭酸カリウム(11.94g、86.5mmol)を水(20mL)に溶かした水溶液を加え、室温(25℃)下で1時間撹拌した。氷浴中で冷却した後、アクリル酸クロリド(5.38g、59.4mmol)をゆっくり滴下し、室温(25℃)下で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し、濃縮して淡黄色液体6.0gを得た。更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(f2−1)で表される化合物の無色液体4.1g(収率:約44%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.43/1.49(d,3H),2.91/3.03(s,3H),3.72/3.75(s,3H),4.68/5.29(q,1H),5.68−5.76(m,1H),6.22−6.39(m,1H),6.49−6.63(m,1H)
(合成例6)
<モノマーf2−2の合成>
Combi−Blocks社製のN−メチル−DL−アラニン(6.19g、60mmol)をエタノール(40mL)と混合して得られたスラリーを氷浴中で冷却した後、塩化チオニル(14.28g、120mmol)をゆっくり滴下した。滴下途中で反応液は透明な溶液となり、その後白色固体が析出してスラリー状態となった。そのまま室温(25℃)下で一晩撹拌すると白色固体が溶解して透明になった。反応液を濃縮し、N−メチル−DL−アラニンのエチルエステル塩酸塩の無色固体10.3gを得た。得られたN−メチル−DL−アラニンのエチルエステル塩酸塩はそのまま次の反応に用いた。
N−メチル−DL−アラニンのエチルエステル塩酸塩(10.3g、61.4mmol)を水12mLに溶解し、炭酸カリウム(15.28g、110.6mmol)を水(25ml)に溶かした水溶液を加え、室温(25℃)下で1時間撹拌した。氷浴中で冷却した後、アクリル酸クロリド(6.11g、67.5mmol)をゆっくり滴下し、室温(25℃)下で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し、濃縮して淡黄色液体11.5gを得た。更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(f2−2)で表される化合物の無色液体8.1g(収率:約71%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.27(t,3H),1.43/1.48(d,3H),2.91/3.03(s,3H),4.14−4.22(m,2H),4.66/5.29(q,1H),5.67−5.75(m,1H),6.22−6.38(m,1H),6.50−6.63(m,1H)
(合成例7)
<モノマーd4−1の合成>
東京化成工業株式会社製イソプロピルアミン(2.95g、50mmol)を酢酸エチル(50mL)に溶解し、炭酸カリウム(6.91、50mmol)を加えて室温(25℃)下で撹拌した。東京化成工業株式会社製クロロ酢酸メチル(5.43g、50mmol)を酢酸エチル(5mL)に溶かした溶液を室温(25℃)下で滴下して2時間撹拌した。反応液を濾過して析出した塩を除去した後、炭酸カリウム(6.91g、50mmol)を水50mLに溶かした水溶液を加えた。氷浴で冷却した後、アクリル酸クロリド(4.98g、55mmol)をゆっくり滴下し、室温(25℃)下で2時間撹拌した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮することで無色溶液9.8gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d4−1)で表される化合物の無色液体3.7g(収率:約40%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.11/1.22(d,6H),3.74/3.77(s,3H),3.99(s,2H),4.26−4.32(m,1H),5.66−5.73(m,1H),6.31−6.35/6.62−6.67(m,2H)
(合成例8)
<モノマーd4−5の合成>
東京化成工業株式会社製のイソプロピルアミン(2.95g、50mmol)、酢酸エチル(50mL)、炭酸カリウム(6.91g、50mmol)の混合物に東京化成工業製のイソプロピルクロロアセテート(6.83、50mmol)を酢酸エチル(5mL)で希釈した溶液を滴下した。反応液を濾過して析出した塩を除去した後、炭酸カリウム(6.91g、50mmol)を水50mLに溶かした水溶液を加えた。氷浴で冷却した後、アクリル酸クロリド(4.98g、55mmol)をゆっくり滴下し、室温(25℃)下で2時間撹拌した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮することで無色溶液8.5gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d4−5)で表される化合物の無色液体1.3g(収率:約12%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.11/1.21(d,6H),1.25(d,6H),3.95(s,2H),4.28/4.93(m,1H),5.05(m,1H),5.65−5.71(m,1H),6.29−6.34/6.61−6.67(m,2H)
(合成例9)
<モノマーd3−2の合成>
東京化成工業株式会社製n−プロピルアミン(5.25g、88.8mmol)を酢酸エチル(60mL)に溶解し、炭酸カリウム(12.27g、88.8mmol)を加えた。東京化成工業株式会社製クロロ酢酸エチル(10.88g、88.8mmol)を酢酸エチル(10mL)に溶かした溶液を室温(25℃)下で滴下し4時間撹拌した。反応液を濾過して析出した塩を除去した後、濃縮して無色溶液を12.3g得た。この溶液を室温(25℃)下で放置しておき、析出した無色結晶を酢酸エチルで洗って乾燥させることで、N−プロピルサルコシンエチルエステルを5.8g得た。この化合物をそのまま下記反応に用いた。
N−プロピルサルコシンエチルエステル(5.8g、40mmol)に水(10mL)を加え、次いで、炭酸カリウム(6.08g、44mmol)を水(20mL)に溶かした溶液を加えて氷浴中で冷却した。アクリル酸クロリド(3.98g、44mmol)をゆっくり滴下し、室温(25℃)下で2時間撹拌した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮することで無色溶液7.0gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d3−2)で表される化合物の無色液体4.9g(収率:約62%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ0.90−0.95(m,3H),1.26−1.30(m,3H),1.56−1.71(m,2H),3.37−3.44(m,2H),4.08/4.12(s,2H)4.18−4.25(m,2H),5.67−5.74(m,1H),6.28−6.42/6.58−6.63(m,2H)
(合成例10)
<モノマーd6−1の合成>
東京化成工業株式会社製のn−ヘキシルアミン(8.10g、80mmol)、酢酸エチル(55mL)、炭酸カリウム(11.3g、81.8mmol)の混合物に東京化成工業製のクロロ酢酸メチル(9.55、88mmol)を滴下した。反応液を濾過して析出した塩を除去した後、炭酸カリウム(11.05g、80mmol)を水80mLに溶かした水溶液を加えた。氷浴で冷却した後、アクリル酸クロリド(8.0g、88mmol)をゆっくり滴下し、室温(25℃)下で2時間撹拌した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮することで無色溶液16.1gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d6−1)で表される化合物の無色液体3.5g(収率:約19%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ0.89(t,3H),1.26−1.33(m,6H),1.58−1.61(m,2H),3.40/3.44(t,2H),3.74/3.77(s,3H),4.10/4.13(s,2H),5.67−5.75(m,1H),6.29−6.42/6.57−6.62(m,2H)
(合成例11)
<モノマーg1−2の合成>
4−ピペリジンカルボン酸エチル(7.9g、50mmol)を脱水ジクロロメタン(100mL)中に加え、フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、トリエチルアミン(7.3g、72mmol)を加えた。混合物を約−10℃に冷却した後、アクリル酸クロライド(5.4g、60mmol)を、系内温度が−10℃〜−5℃になるようにゆっくりと滴下し、その後、2時間室温(25℃)下で撹拌した。析出物を濾過によって取り除き、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して茶色油状物を得た。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(Wakogel C300、300g)により精製して、淡黄色油状物(5.4g)を得た。この淡黄色油状物は、下記1H−NMRの結果から、下記の構造式(g1−2)で表される化合物であることが確認された。精製後の収率は約51%であった。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.26(t,3H),1.70(m,2H),1.94(m,2H),2.56(m,1H),2.91(t,1H),3.16(t,1H),3.90(d,1H),4.14(m,2H),4.44(d,1H),5.67(dd,1H),6.25(dd,1H),6.54−6.61(m,1H)
(合成例12)
<モノマーg2−2の合成>
ニペコチン酸エチル(12.6g、80mmol)を脱水ジクロロメタン(100mL)中に加え、フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、トリエチルアミン(11.6g、115mmol)を加えた。混合物を約−10℃に冷却した後、アクリル酸クロライド(8.7g、96mmol)を、系内温度が−10℃〜−5℃になるようにゆっくりと滴下し、その後、2時間室温(25℃)下で撹拌した。析出物を濾過によって取り除き、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して茶色油状物を得た。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(Wakogel C300、300g)により精製して、淡黄色油状物(9.1g)を得た。この淡黄色油状物は、下記1H−NMRの結果から、下記の構造式(g2−2)で表される化合物であることが確認された。精製後の収率は約53%であった。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.26(s,2H),1.43−1.59(m,1H),1.63−1.88(m,2H),2.00−2.20(m,2H),2.44−2.54(m,1H),3.06−3.24(m,1H),3.48−3.58(m,1H),3.82−3.94(d,1H),4.14(q,2H),5.69(d,1H),6.27(d,1H),6.53−6.71(m,1H)
(合成例13)
<モノマーa1−1の合成>
東京化成工業株式会社製の2−(メチルアミノ)エタノール(15.02g,200mmol)を脱水ジクロロメタン200mL中に加え、トリエチルアミン46.8g(462mmol)を加えた。次に、ドライアイス−アセトン混合物中で約−60℃まで冷却した後、和光純薬工業株式会社製アクリル酸クロリド15.39g(170mmol)を脱水ジクロロメタン8mLで希釈してゆっくりと滴下し、室温(25℃)下で2時間撹拌した。再度、ドライアイス−アセトン混合物中で約−60℃に冷却し、アセチルクロリド(15.7g,200mmol)を脱水ジクロロメタン8mLで希釈してゆっくりと滴下した後に、室温(25℃)下で約2時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。次に、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して油状物を得た。更に、和光純薬工業株式会社製シリカゲルC−300を300g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(a1−1)で表される化合物の淡茶色油状物6.1g(収率約21%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ2.04−2.08(m,3H),3.04−3.15(m,3H),3.63−3.71(m,2H),4.20−4.27(m,2H),5.69−5.72(m,1H),6.32−6.37(m,1H),6.56−6.63(m,1H)
(合成例14)
<モノマーa1−4の合成>
東京化成工業株式会社製の2−(メチルアミノ)エタノール(6.01g,80mmol)を脱水ジクロロメタン120mL中に加え、トリエチルアミン18.7g(185mmol)を加えた。次に、氷−NaCl混合物中で約−15℃まで冷却した後、和光純薬工業株式会社製アクリル酸クロリド6.15g(68mmol)を脱水ジクロロメタン4.5mLで希釈してゆっくりと滴下し、室温(25℃)下で2.5時間撹拌した。再度、氷−NaCl混合物中で約−15℃に冷却し、イソブチルクロリド(8.52g、80mmol)を脱水ジクロロメタン4.5mLで希釈してゆっくりと滴下した後に、室温(25℃)下で約3.5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。次に、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して油状物を得た。更に、和光純薬工業株式会社製シリカゲルC−300を360g充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(a1−4)で表される化合物の淡黄色油状物2.2g(収率約16%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.15−1.20(m,6H),2.52−2.57(m,1H),3.05−3.15(m,3H),3.65−3.71(m,2H),4.20−4.27(m,2H),5.69−5.72(m,1H),6.31−6.38(m,1H),6.55−6.65(m,1H)
[多官能アクリルアミド化合物の合成]
(合成例15)
東京化成工業社製のN,N’−ジメチルエチレンジアミン(9.12g,103mmol)を酢酸エチル(80ml)に溶解し、炭酸カリウム(31.37g,227mmol)を水(60ml)に溶かした水溶液を加えた。氷浴中で5℃に冷却しアクリル酸クロリド(20.54g,227mmol)をゆっくりと滴下し、室温下で2時間攪拌した。酢酸エチル層と水槽を分離し、水槽を酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。酢酸エチル層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して化合物a−1の無色油状物5.8g(収率約29%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ3.06/3.07(d,6H),3.54−3.56/3.61−3.64(m,4H),5.65−5.74(m,2H),6.25−6.38(m,2H),6.48−6.67(m,2H)
(合成例16)
東京化成工業社製のN,N’−ジエチルエチレンジアミン(8.24g,71mmol)を酢酸エチル(80ml)に溶解し、炭酸カリウム(21.59g,156mmol)を水(60ml)に溶かした水溶液を加えた。氷浴中で5℃に冷却しアクリル酸クロリド(14.10g,156mmol)をゆっくりと滴下し、室温下で2時間攪拌した。酢酸エチル層と水槽を分離し、水槽を酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。酢酸エチル層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して化合物a−2の無色油状物13.1g(収率約94%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.15−1.21(m,6H),3.40−3.57(m,8H),5.66−5.73(m,2H),6.32−6.38(m,2H),6.47−6.73(m,2H)
(合成例17)
東京化成工業社製のN,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(10.4g,102mmol)を酢酸エチル(80ml)に溶解し、炭酸カリウム(30.96g,224mmol)を水(60ml)に溶かした水溶液を加えた。氷浴中で5℃に冷却しアクリル酸クロリド(20.3g,224mmol)をゆっくりと滴下し、室温下で2時間攪拌した。酢酸エチル層と水槽を分離し、水槽を酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。酢酸エチル層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して化合物b−1の無色油状物6.3g(収率約29%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.83−1.89(m,2H),3.01/3.09(d,6H),3.40/3.46(t,4H),5.67−5.74(m,2H),6.29−6.37(m,2H),6.49−6.61(m,2H)
(合成例18)
東京化成工業社製のN,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン(7.21g,50mmol)を酢酸エチル(80ml)に溶解し、炭酸カリウム(15.80g,110mmol)を水(60ml)に溶かした水溶液を加えた。氷浴中で5℃に冷却しアクリル酸クロリド(9.96g,110mmol)をゆっくりと滴下し、室温下で2時間攪拌した。酢酸エチル層と水槽を分離し、水槽を酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。酢酸エチル層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して化合物e−1の無色油状物5.82g(収率約46%)を得た。
Figure 2020117621
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl3):δ1.34(bs,4H),1.59(bs,4H),2.99/3.05(d,6H),3.32-3.62/3.40−3.44(b,4H),5.64−5.70(b,2H),6.28−6.36(m,2H),6.53−6.62(m,2H)
多官能アクリルアミド化合物として用いた以下の化合物については市販の薬品を購入した。
Figure 2020117621
また、表1に記載の単官能モノマー化合物III−1、III−2、多官能モノマー化合物IV−1、IV−2、及び重合開始剤(V)、重合禁止剤(VI)、界面活性剤(VII)は、以下の市販の薬品を購入した。
Figure 2020117621
<実施例1〜29、比較例1〜9>
〔光硬化型組成物の作製〕
前記合成例で得られた化合物及び市販の薬品を用い、表2記載の配合比にて硬化型組成物を作製した。
<粘度の測定>
作製した硬化型組成物の粘度は以下の手順で測定した。
東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を40℃で測定した。測定結果をもとに以下の基準で判定を行い結果を表2に示す。
◎:15mPa・s未満
〇:15mPa・s以上25mPa・s未満
△:25mPa・s以上35mPa・s未満
×:35mPa・s以上
<臭気の評価>
作製した硬化型組成物の臭気を次の(1)〜(3)の手順で評価した。評価基準は下記のとおりである。結果を表2に示す。
(1)50ccのサンプル瓶(ガラス瓶)に、約100mg(0.1g)の各硬化型組成物を秤り取り、フタをした。
(2)室温条件下で、約30分放置した。
(3)サンプル瓶(ガラス瓶)に鼻を近づけて、フタを開けた時の臭気を嗅いだ。
〔評価基準〕
◎:匂いをほとんど感じない場合
○:匂いを感じても不快ではない場合
△:特有の臭気により不快感が生じる場合
×:特有の臭気により強い不快感が生じる場合
<硬化性(光重合反応性)>
DSC−7020(SII社製)と、スポット光源LA−410UV(HAYASHI WATCH−WORKS社製)を組み合わせた測定装置を用いて、各光硬化型組成物の光重合の反応性を評価した。
具体的には、大気下で波長365nmの紫外線を100mW/cm2で1.2秒間照射した際の単位質量あたりの発熱量(mJ/mg)を測定した。得られた単位質量あたりの発熱量に分子量を乗じてモルあたりの発熱量を算出し、光重合反応の反応性を比較する指標とした。
◎:40kJ/mol以上
〇:20kJ/mol以上40kJ/mol未満
△:5kJ/mol以上20kJ/mol未満
×:5kJ/mol未満
<鉛筆硬度>
PETフィルム上に前記で調製した光硬化型組成物を厚さ10μmとなるように塗布し、大気下でメタハラランプの1パスあたりの照射エネルギーが600mJ/cm2となる条件で17回照射を行い積算照射エネルギー10600mJ/cm2で硬化を行った。一晩サンプルを静置したのち、JISK5600−5−4規格に準じて鉛筆硬度試験を行った。ここでは、鉛筆引っかき硬度試験機(コーテック社型式KT−VF2391 荷重750g)と鉛筆硬度試験用鉛筆(三菱鉛筆社製)を用いた。
<溶解性>
〇:水を加えることなく溶解状態となる。
△:硬化型組成物に対して5質量%未満の水を加えることで溶解状態となる。
×:硬化型組成物に対して5質量%以上の水を加えることで溶解状態となる。
Figure 2020117621
Figure 2020117621
表2から、実施例の光重合性化合物は臭気が少ないことが分かる。
また、これらの実施例は粘度が低く、硬化性(光重合反応性)、硬化膜の強度を高いレベルで両立することができ、活性エネルギー線硬化型組成物やインク、中でもインクジェット用インクに適したものであるといえる。
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 活性エネルギー線硬化型組成物
6 硬化層
21 供給ロール
22 被記録媒体
23a、23b、23c、23d 印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
38 ステージ
39 像形成装置
特許第5300904号公報
Dental Material(2006).22(12),1157-1162 Polymer Preprints(2004),45(2),325-326

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表されるエステル構造を有するアクリルアミド化合物及び下記一般式(4)で表されるエステル構造を有するアクリルアミド化合物の少なくともいずれかの単官能アクリルアミド化合物と、多官能アクリルアミド化合物とを含有する活性エネルギー線硬化型組成物。
    Figure 2020117621
    ただし、前記一般式(1)中、R1は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)又は下記一般式(3)で示される基を表す。
    Figure 2020117621
    ただし、前記一般式(2)中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
    Figure 2020117621
    ただし、前記一般式(3)中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
    Figure 2020117621
    ただし、前記一般式(4)中、環Xは窒素原子を含む炭素数2〜5の環構造を表し、R4は単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
  2. 前記多官能アクリルアミド化合物が2官能である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 前記多官能アクリルアミド化合物が下記一般式(5)で表される化合物である請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
    Figure 2020117621
    ただし、一般式(5)中、Rは水素原子または、炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜10のアルキレン基を示す。
  4. 前記一般式(5)におけるRが炭素数1〜3のアルキル基である請求項3に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. 前記単官能アクリルアミド化合物が前記一般式(1)で表されるエステル構造を有するアクリルアミド化合物であり、前記一般式(1)中のYが前記一般式(3)で表される請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. 前記一般式(3)のR2が炭素数1〜2のアルキル基である請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  7. 活性エネルギー線硬化型組成物中に占める多官能アクリルアミドの割合が質量比で10%以下である請求項1から6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  8. 分子量が800以上である重合開始剤を含有する請求項1から7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  9. 前記活性エネルギー線硬化型組成物がインクジェット用インクである請求項1から8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された組成物収容容器。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段とを備える2次元または3次元の像形成装置。
  12. 請求項1から9のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を有する2次元または3次元の像形成方法。
  13. 請求項1から9のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物。
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