JP2020117557A - 制振材用共重合体組成物および当該共重合体組成物からなる制振材 - Google Patents

制振材用共重合体組成物および当該共重合体組成物からなる制振材 Download PDF

Info

Publication number
JP2020117557A
JP2020117557A JP2019006920A JP2019006920A JP2020117557A JP 2020117557 A JP2020117557 A JP 2020117557A JP 2019006920 A JP2019006920 A JP 2019006920A JP 2019006920 A JP2019006920 A JP 2019006920A JP 2020117557 A JP2020117557 A JP 2020117557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
copolymer
olefin
compound
structural unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019006920A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7256579B2 (ja
Inventor
啓介 宍戸
Keisuke Shishido
啓介 宍戸
市野 光太郎
Kotaro Ichino
光太郎 市野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2019006920A priority Critical patent/JP7256579B2/ja
Publication of JP2020117557A publication Critical patent/JP2020117557A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7256579B2 publication Critical patent/JP7256579B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】生産性や品質向上の観点から、制振材用共重合体組成物のさらなる加工性の改良を行い、幅広い温度域での高tanδ(言い換えれば制振性)と加工性のバランスが改良された制振材用共重合体組成物を得る。【解決手段】エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含むエチレン・α—オレフィン・非共役ポリエン共重合体100質量部に対し、疎水性シリカを1〜150質量部を含むことを特徴とする制振材用共重合体組成物であり、エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が40/60〜90/10であり、非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として0.1〜6.0モル%である。【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン・α‐オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含む制振材用共重合体組成物および該共重合体組成物からなる制振材に関する。
従来から、船舶、車両、自動車部品、家庭電化製品、各種機械、建築材料、音響機器等の構造部材の振動を防止し、それに伴う騒音を防止する目的で、構造部材の表面や内部に制振、防振性を有する材料を塗布したり、張り付けたりすることが行われてきた。制振、防振性を有する材料としては、従来、ゴム,アスファルト、各種の合成樹脂エマルジョンおよびラテックス、あるいは合成樹脂等、更にはこれらにグラファイト、マイカ、カーボンブラック、ヒル石、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の粉体あるいは天然または合成繊維を配合したものなどが用いられてきた。
しかしながら、上記従来の制振、防振性材料の多くは、常温付近では制振、防振性を有していても、制振、防振性を示す温度範囲が極めて狭かったり、耐熱性が劣るために高温下において力学特性が極端に低下したり、耐候性が劣るために使用範囲が限定される等の欠点を有していた。
制振性を改良する方法として、例えば、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体に、100℃での動粘度が30mm2/s以下である、炭素数6〜20のα‐オレフィンの少なくとも1種以上の重合体および/またはその水添物、およびエチレン含有量40〜90モル%、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.15−0.6dl/gであるエチレン・α‐オレフィン共重合体を配合する方法(特許文献1)、100rad/secで測定した損失正接(tanδ)のピークを、−60〜−30℃の範囲に少なくとも1つ、0〜40℃の範囲に少なくとも1つ有するゴム組成物であって、α,β−不飽和ニトリル単量体が共重合されたアクリル系共重合体、および−60〜−30℃の範囲に前記tanδのピークを有するエチレン・α−オレフィン系共重合体を含むゴム組成物(特許文献2)、あるいは、動的粘弾性測定により求められたtanδのピークが−50〜−30℃の温度範囲に一つ以上存在するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体に、動的粘弾性測定により求められたtanδのピークが0〜40℃の温度範囲に一つ以上存在するオレフィン系共重合体、軟化材、補強性充填材、および、加硫剤等を配合した組成物(特許文献3)などが提案されている。
特開2005−029654号公報 特開2007−023258号公報 再表2016/143599号公報
本発明の目的は、生産性や品質向上の観点から、制振材用共重合体組成物のさらなる加工性の改良を行うことにあり、より詳しくは、幅広い温度域での高tanδ(言い換えれば制振性)と加工性のバランスが改良された制振材用共重合体組成物を得ることにある。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[6]に関する。
[1]エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体、当該共重合体100質量部に対し、疎水性シリカを1〜150質量部を含むことを特徴とする制振材用共重合体組成物。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
[ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。]
[2]炭素数4〜20のα−オレフィン[B]が、1−ブテンであることを特徴とする項[1]に記載の制振材用共重合体組成物。
[3]さらに非極性炭化水素系オイルを共重合体100質量部に対し、1〜200質量部含む項[1]または[2]に記載の制振材用共重合体組成物。
[4]項[1]〜[3]の何れかに記載の共重合体組成物を含む架橋体。
[5]項[4]に記載の架橋体を含む制振材。
[6]項[4]に記載の架橋体を含む自動車用制振ゴム部品。
本発明の制振材用共重合体組成物は、制振材に加工する際のロールへの貼り付き等が改善され、得られる制振材は、幅広い温度領域における高tanδ化、即ち、幅広い温度領域で、制振性を有し、且つ高強度を有する。
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体》
本発明の制振材用共重合体組成物(以下、「共重合体組成物」と略称する場合がある。)を構成するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(以下、「共重合体」と略称する場合がある。)である。
なお、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]および非共役ポリエン[C]としてはそれぞれを、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。
すなわち、本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、エチレン[A]に由来する構造単位、少なくとも1種類の炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および少なくとも1種類の非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含む。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。
炭素数4〜20のα−オレフィン[B]としては、側鎖の無い直鎖の構造を有する、炭素数4の1−ブテンからはじまり、炭素数9の1−ノネンや炭素数10の1−デセンを経て、炭素数19の1−ノナデセン、炭素数20の1−エイコセン、並びに側鎖を有する4−メチル−1−ペンテン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどが挙げられる。
これらのα−オレフィン[B]は単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましく、特に1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが好ましく、特に1−ブテンが好適である。
α‐オレフィンがプロピレンであるエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体は、低温でのゴム弾性が不充分である傾向があり、用途が限定される場合がある。一方、エチレン系共重合体Aは、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位を有しているので、低温でのゴム弾性に優れている。
非共役ポリエン[C]としては、具体的には、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン等のトリエンが挙げられる。
これらの非共役ポリエン[C]は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、1,4−ヘキサジエンなどの鎖状非共役ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの環状非共役ジエンが好ましく、中でも環状非共役ジエンが好ましく、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンが特に好ましい。
本発明に係わる共重合体としては、以下を挙げることができる。エチレン・1−ブテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ペンテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−へプテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−オクテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ノネン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−デセン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ペンテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−へプテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ノネン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−デセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ペンテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−へプテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ノネン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−デセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体。
本発明に係わる共重合体は、必要に応じて1種類、または2種類以上が用いられる。
本発明に係わる共重合体は、(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10の範囲にある。[A]/[B]の下限としては、好ましくは45/55、より好ましくは50/50、特に好ましくは55/45である。また、[A]/[B]の上限としては、好ましくは80/20、より好ましくは75/25、さらに好ましくは70/30、特に好ましくは65/35である。
エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比が上記範囲にあると、低温でのゴム弾性と常温での引張強度とのバランスに優れる共重合体が得られる。
本発明に係わる共重合体は、(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%の範囲ある。[C]に由来する構造単位の含有量の下限としては、好ましくは0.5モル%である。[C]に由来する構造単位の含有量の上限としては、好ましくは4.0モル%、より好ましくは3.5モル%、さらに好ましくは3.0モル%である。
非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が上記範囲にあると、充分な架橋性および柔軟性を有する共重合体が得られる。
本発明に係わる共重合体は、(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が5〜100、好ましくは20〜95、特に好ましくは50〜90の範囲にある。
ムーニー粘度が上記範囲にある共重合体は、加工性および流動性が良好であり、また良好な後処理品質(リボンハンドリング性)を示すと共に優れたゴム物性を有する共重合体が得られる。
本発明に係わる共重合体は、(4)B値が1.20以上、好ましくは1.20〜1.80、特に好ましくは1.22〜1.40の範囲にある。
B値が1.20未満の共重合体は、低温での圧縮永久ひずみが大きくなり、低温でのゴム弾性と常温での引張強度とのバランスに優れた共重合体が得られない虞がある。
B値が上記範囲にある共重合体は、共重合体を構成するモノマー単位の交互性が高く結晶性が低いため、得られる組成物の加工性が向上し、また得られる制振材は制振性能が向上する。
なお、上記(4)におけるB値は、共重合体中における共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示す指標であり、上記式(i)中の[E]、[X]、[Y]、[EX]は、13C−NMRスペクトルを測定し、J. C.Randall [Macromolecules, 15, 353 (1982)]、J. Ray [Macromolecules, 10, 773 (1977)]らの報告に基づいて求めることができる。一方、上記(1)〜(2)における、エチレン[A]に由来する構造単位、α−オレフィン[B]に由来する構造単位および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位のモル量は、1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めることができる。
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の製造方法》
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(共重合体)は、以下の製造方法で得ることができる。
具体的には、(a)下記一般式[VII]で表される遷移金属化合物(以下「架橋メタロセン化合物」ともいう)と、(b)(b−1)有機金属化合物、(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(b−3)遷移金属化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含むオレフィン重合触媒の存在下において、エチレンと炭素数4〜20のα-オレフィンと非共役ポリエンとを共重合することにより、上記共重合体を製造し得る。
(式[VII]において、
Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
5およびR6が、アリール基の水素原子の一つ以上をハメット則の置換基定数σが-0.2以下の電子供与性置換基で置換してなる置換アリール基であって、該電子供与性置換基を複数個有する場合にはそれぞれの該電子供与性置換基は同一でも異なっていてもよく、該電子供与性置換基以外の、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる置換基を有していてもよく、該置換基を複数個有する場合にはそれぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい置換アリール基であり、
Qはハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一のまたは異なる組合せで選ばれ、
jは1〜4の整数である。)
<架橋メタロセン化合物(a)>
架橋メタロセン化合物(a)としては、R5およびR6が、アリール基の水素原子の一つ以上をハメット則の置換基定数σが-0.2以下の電子供与性置換基で置換してなる置換アリール基であって、該電子供与性置換基を複数個有する場合にはそれぞれの該電子供与性置換基は同一でも異なっていてもよく、該電子供与性置換基以外の、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる置換基を有していてもよく、該置換基を複数個有する場合にはそれぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい置換アリール基であるものを用いることができる。
〈架橋メタロセン化合物をエチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体用触媒に供する際の好ましい形態〉
次に上記架橋メタロセン化合物を、エチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体用触媒(オレフィン重合触媒)として用いる場合の好ましい形態について説明する。
架橋メタロセン化合物をオレフィン重合触媒成分として用いる場合、触媒は、(a)前記一般式[VII]で表される架橋メタロセン化合物と、(b)(b−1)有機金属化合物、(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(b−3)架橋メタロセン化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物、から選ばれる少なくとも1種の化合物と、さらに必要に応じて、(c)粒子状担体とから構成される。
以下、各成分について具体的に説明する。
〈(b−1)有機金属化合物〉
(b−1)有機金属化合物として、具体的には下記一般式[VIII]〜[X]のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
(b−1a)一般式 Ra mAl(ORbnpq ・・・[VIII]
(式[VIII]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
このような化合物として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウム、イソブチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドを例示することができる。
(b−1b)一般式 M2AlRa 4 ・・・[IX]
(式[IX]中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
このような化合物として、LiAl(C254、LiAl(C7154などを例示することができる。
(b−1c)一般式 Rab3 ・・・[X]
(式[X]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである。)で表される周期律表第2族または第12族金属を有するジアルキル化合物。
上記の有機金属化合物(b−1)の中では、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物が好ましい。また、このような有機金属化合物(b−1)は、1種単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
〈(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物〉
(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(b−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、中でも、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
また(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物の一態様であるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算でベンゼン100重量%に対して通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。
(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式[XI]で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
〔式[XI]中、R1は炭素数が1〜10の炭化水素基を示し、R2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜10の炭化水素基を示す。〕
前記一般式[XI]で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式[XII]で表されるアルキルボロン酸と、
1−B(OH)2 …[XII]
(式[XII]中、R1は前記一般式[XI]におけるR1と同じ基を示す。)
有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
前記一般式[XII]で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。
これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(b−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。上記のような(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
〈(b−3)遷移金属化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物〉
上記遷移金属化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物(b−3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。このようなイオン化イオン性化合物(b−3)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
具体的には、ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
イオン性化合物としては、例えば下記一般式[XIII]で表される化合物が挙げられる。
(式[XIII]中、R1+としては、H+、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。R2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。)
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;
N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;
ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
1+としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(N、N−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3、5−ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素などが挙げられる。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、たとえばN,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、たとえばジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式[XIV]または[XV]で表されるホウ素化合物などを挙げることもできる。
(式[XIV]中、Etはエチル基を示す。)
(式[XV]中、Etはエチル基を示す。)
ボラン化合物として具体的には、たとえばデカボラン;ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
カルボラン化合物として具体的には、たとえば4−カルバノナボラン、1,3−ジカルバノナボラン、6,9−ジカルバデカボラン、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン、2,7−ジカルバウンデカボラン、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−7−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−2,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル―7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素および錫から選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ゲルマノタングストバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩、例えば周期表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等の有機塩が使用できるが、この限りではない。
(b−3)イオン化イオン性化合物の中では、上述のイオン性化合物が好ましく、その中でもトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートがより好ましい。
(b−3)イオン化イオン性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
上記一般式[VII]で表される遷移金属化合物(a)を触媒とする場合、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物(b−1)、メチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)またはトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのイオン化イオン性化合物(b−3)を併用すると、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の製造に際して非常に高い重合活性を示す。
また、上記オレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(a)と、(b−1)有機金属化合物、(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(b−3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)とともに、必要に応じて担体(c)を用いることもできる。
〈(c)担体〉
本発明で、必要に応じて用いられる(c)担体は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2など、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgOなどを使用することができる。これらのうち、SiO2および/またはAl23を主成分とするものが好ましい。このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明2に好ましく用いられる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO42・H2O、α−Zr(HPO42、α−Zr(KPO42・3H2O、α−Ti(HPO42、α−Ti(HAsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH4PO42・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜30000Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
イオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al134(OH)247+、[Zr4(OH)142+、[Fe3O(OCOCH36+などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiO2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ヘクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
オレフィン重合用触媒は、遷移金属化合物(a)と、(b−1)有機金属化合物、(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(b−3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)と、必要に応じて用いられる担体(c)を含むこともできる。
〈エチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体用触媒の存在下でモノマー類を重合する方法〉
エチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンを共重合させる際、重合触媒を構成する各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)前記化合物(a)を単独で重合器に添加する方法。
(2)前記化合物(a)および前記化合物(b)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)前記化合物(a)を前記担体(c)に担持した触媒成分、前記化合物(b)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)前記化合物(b)を前記担体(c)に担持した触媒成分、前記化合物(a)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)前記化合物(a)と前記化合物(b)とを前記担体(c)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
上記(2)〜(5)の各方法においては、化合物(a)、化合物(b)、担体(c)の少なくとも2つは予め接触されていてもよい。
化合物(b)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない化合物(b)を、任意の順序で添加してもよい。この場合化合物(b)は、担体(c)に担持されている化合物(b)と同一でも異なっていてもよい。
また、上記の担体(c)に化合物(a)が担持された固体触媒成分、担体(c)に化合物(a)および化合物(b)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに、触媒成分が担持されていてもよい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の製造方法では、上記のようなエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体用触媒の存在下に、エチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンを共重合することによりエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を製造し得る。
本発明では、溶液(溶解)重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施可能である。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられ、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
上記のような共重合体用触媒を用いて、エチレンなどの重合を行うに際して、化合物(a)は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-8モルになるような量で用いられる。
化合物(b−1)は、化合物(b−1)と、化合物(a)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−1)/M〕が通常0.01〜50000、好ましくは0.05〜10000となるような量で用いられる。化合物(b−2)は、化合物(b−2)中のアルミニウム原子と、化合物(a)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(b−2)/M〕が、通常10〜50000、好ましくは20〜10000となるような量で用いられる。化合物(b−3)は、化合物(b−3)と、化合物(a)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−3)/M〕が、通常1〜20、好ましくは1〜15となるような量で用いられる。
また、このような共重合体用触媒を用いた重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜200℃の範囲、より好ましくは、80〜200℃の範囲であり、用いる共重合体用触媒系の到達分子量、重合活性によるが、より高温(80℃以上)であることが生産性の観点から望ましい。
重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
得られる共重合体の分子量は、重合系内に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する化合物(b)の量により調節することもできる。具体的には、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルミノキサン、ジエチル亜鉛等が挙げられる。水素を添加する場合、その量はオレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
《疎水性シリカ》
本発明の共重合体組成物を構成する成分の一つである疎水性シリカは、ケイ素含有化合物で表面処理された疎水性シリカであり、ケイ素含有化合物で表面処理された疎水性シリカを用いることにより、共重合体組成物の粘着性が改良されるとともに、得られる制振材の引張強度、伸び等の機械的特性を改善することができる。
シリカの表面処理するケイ素含有化合物としては、ジメチルジクロロシラン、メタクリロキシシラン、オクチルシラン、ヘキサメチルジシラザン等を例示できるが、得られる制振材の機械的物性、加工性のバランスからヘキサメチルジシラザンが好ましい。
上記疎水性シリカ(B)の平均粒子径は、好ましくは1〜50nm、より好ましくは2〜45nm、さらに好ましくは5〜40nmである。平均粒子径が前記範囲内であると、組成物中における疎水性シリカの分散性に優れる。また、上記疎水性シリカの比表面積(BED法)は、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは100〜400m2/gである。
上記表面処理前のシリカとしては、公知の方法で製造されたものを用いることできるが、乾式法又は高温加水分解法により製造されたものが好ましい。また、ヘキサメチルジシラザンによる表面処理の方法としては特に限定されず、公知の方法を適用することができる。
上記疎水性シリカ(B)の市販品としては、例えば、EVONIK社製のアエロジルシリーズのR972、アエロジルRX200、キャボット社製のCAB−O−SILシリーズのTS−610、TS−612、TS−620、TS−622、Tg−709Fなどが挙げられる。
《制振材用共重合体組成物》
本発明の制振材用共重合体組成物は、上記共重合体、上記共重合体100質量部に対して、上記疎水性シリカを1〜150重量部、好ましくは5〜140重量部、より好ましくは10〜120重量部の範囲である。疎水性シリカの含有量が前記範囲内であることにより、機械強度、加工性の改善効果が優れる。
<その他の成分>
本発明の共重合体組成物は、上述した疎水性シリカ以外にも、本発明の目的が損なわれない限り、それ自体公知のゴム配合剤、例えば、非極性炭化水素系オイル、軟化剤、補強用充填剤、加硫剤(架橋剤)、α,β−不飽和有機酸の金属塩、老化防止剤、架橋助剤、架橋促進剤、充填剤、加工助剤、活性剤、酸化防止剤、発泡剤、可塑剤、粘着付与剤等を適宜配合することができる。
〈非極性炭化水素系オイル〉
本発明の共重合体組成物に配合してもよい非極性炭化水素系オイルは、40℃動的粘度で1〜10000mm2/sであるものが好適である。
40℃での動粘度が1mm2/s未満のオイルは、揮発しやすい低分子量成分が多いため耐熱性が悪化するおそれがある。一方、10000mm2/sを越えると、高分子量成分が多くなり粘性が不十分となり、加工性の改良効果が少なくなる。
本発明に係わる非極性炭化水素系オイルとして、エチレン・α‐オレフィン共重合体からなる非極性炭化水素系オイルは、本発明に係わるエチレン・α‐オレフィン・非共役ポリエン共重合体との相溶性がよく特に好適である。
このようなエチレン・α―オレフィン共重合体からなる非極性炭化水素系オイルは、エチレンと炭素数3〜20のα―オレフィンとの共重合体であり、α―オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセンの直鎖状のα−オレフィンや、4−メチル−ペンテン、8−メチル−1−ノネン、7−メチル−1−デセン、6−メチル−1−ウンデセン、6,8−ジメチル−1−デセンなどの分岐を有するα−オレフィンを挙げることができるが、好ましくは直鎖状のα−オレフィンであり、これらの一種類あるいは2種類以上が必要に応じて用いられる。また、このようなエチレン・α−オレフィン共重合体は、特にランダム共重合体であることが好ましく、一般に、エチレンの構成単位が5モル%から95モル%、α‐オレフィンの構成単位が95モル%から5モル%(エチレンとα−オレフィンの合計で100モル%とする)である。
さらに、このようなエチレン・α−オレフィン共重合体は、一般にその数平均分子量(Mn)が100〜30000、好ましくは100から20000である。
数平均分子量(Mn)が100未満となると、揮発しやすい低分子量成分が多くなり、耐熱性が悪化するおそれがある。一方、数平均分子量(Mn)が30000を越えると、高分子量成分が多くなり、加工性の改良効果が少なくなる。
また、その分子量分布(Mw/Mn)は一般に、1.1から3であり、その中でも、1.1〜2.5が好適である。
分子量分布(Mw/Mn)が3を超えると、一般的に揮発しやすい低分子量成分が多くなり、耐熱性が悪化するおそれがある。
さらに、このようなエチレン・α−オレフィン共重合体における分子片末端の不飽和基の含有率が10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下である。
これらのエチレン・α−オレフィン共重合体を製造する方法としては、特開平3−179005号公報、特開平3−193796号公報、特開平6−122718号公報、特開平8−239414号公報、特開平10−087716号公報、特開2000−212194号公報に記載されているような、α−オレフィン系ポリマーを製造する際に使用される触媒を用いる方法がある。
本発明の共重合体組成物が非極性炭化水素系オイルを含む場合は、その含有量は、共重合体100質量部に対して、1〜200質量部、好ましくは20〜150質量部、より好ましくは20〜100質量部である。
本発明の共重合体組成物が非極性炭化水素系オイルを含むと、機械強度と加工性をバランスさせることができる。
〈軟化剤〉
本発明に係わる軟化剤としては、パラフィンオイル等のプロセスオイル(例えば、「ダイアナプロセスオイル PS−430」(商品名:出光興産株式会社製)など)、潤滑油、流動パラフィン、石油アスファルト、およびワセリン等の石油系軟化材;コールタール、およびコールタールピッチ等のコールタール系軟化材;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、およびヤシ油等の脂肪油系軟化材;蜜ロウ、カルナウバロウ、およびラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、およびラウリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、およびロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、およびクマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、およびジオクチルセバケート等のエステル系軟化材;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、トール油、およびサブ(ファクチス)などが挙げられる。なかでも、石油系軟化材が好ましく、特にプロセスオイル、その中でもパラフィンオイルが好ましい。軟化材は、単独でも2種以上混合しても用いることができる。
本発明の共重合体組成物が軟化剤を含む場合は、その含有量は、共重合体100質量部に対して5〜300質量部、好ましくは10〜250質量部、より好ましくは20〜230質量部である。
〈補強性充填材〉
補強性充填材としては、具体的には、市販されている「旭#55G」および「旭#50HG」(商品名:旭カーボン株式会社製)、「シースト(商品名)」シリーズ:SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック(東海カーボン株式会社製)、これらカーボンブラックをシランカップリング剤等で表面処理したもの、マイカ、タルク、シリカおよびクレー等を用いることができる。これらのうち、「旭#60G」、「旭#80」、「シーストHAF」のカーボンブラックが好ましい。
本発明の共重合体組成物が補強用充填材を含む場合は、その含有量は、共重合体100質量部に対して10〜300質量部、好ましくは20〜280質量部、より好ましくは30〜260質量部である。
〈加硫剤〉
加硫剤(架橋剤)としては、イオウ、イオウ系化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂、オキシム化合物等を用いることができる。
イオウ系化合物としては、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレン等を例示できる。イオウおよびイオウ系化合物の中では、イオウ、テトラメチルチウラムジスルフィドが好ましい。
上記有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジエチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ジブチルヒドロペルオキシド等を例示できる。これらのうち、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
本発明の共重合体組成物が加硫剤を含む場合は、その含有量は、共重合体100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは0.3〜9.0質量部、より好ましくは0.5〜8.0質量部である。
本発明の共重合体組成物が加硫剤としてイオウ系化合物を含有する場合には、加硫促進剤の併用が好ましい。
〈加硫促進剤〉
加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、「サンセラーM」(商品名:三新化学工業株式会社製)など)、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、「ノクセラーMDB−P」(商品名:三新化学工業株式会社製)など)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、アルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチオウレア系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、「サンセラーPZ」(商品名:三新化学工業株式会社製)、「サンセラーBZ」(商品名:三新化学工業株式会社製)など)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系;エチレンチオ尿素(例えば、「サンセラーBUR」(商品名:三新化学工業株式会社製)、「サンセラー22−C」(商品名:三新化学工業株式会社製)など)、N,N'−ジエチルチオ尿素等のチオウレア系;ジブチルキサトゲン酸亜鉛等のザンテート系;その他亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名:井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)等が挙げられる。
これらの加硫促進剤の含有量は、共重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。
〈加硫助剤〉
本発明の共重合体組成物は、さらに加硫助剤を含有することができる。加硫助剤の具体的例としては、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名:井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)などが挙げられる。加硫助剤としては、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系;その他マレイミド系;ジビニルベンゼン等が挙げられる。加硫助剤は、単独でも2種以上を混合しても用いることができる。加硫助剤の含有量は、通常、共重合体100質量部に対して1〜20質量部である。
補強性充填材以外の充填材としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー等を用いることができる。これらのうち、重質炭酸カルシウムが好ましい。重質炭酸カルシウムとして、市販されている「ホワイトンSB」(商品名:白石カルシウム株式会社)等を用いることができる。前記充填材の含有量は、共重合体100質量部に対して通常、30〜300質量部、好ましくは50〜250質量部、さらに好ましくは70〜230質量部である。
〈加工助剤〉
本発明の共重合体組成物は、さらに加工助剤を含有することができる。
加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類等が挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。
本発明の共重合体組成物が加工助剤を含む場合は、その配合量は、共重合体100質量部に対して10質量部以下、好ましくは8.0質量部以下、さらに好ましくは5.0質量部以下の量である。
〈活性剤〉
本発明の共重合体組成物は、さらに活性剤を含有することができる。
活性剤の具体的な例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン、「アクチングB」(商品名:吉冨製薬株式会社製)、「アクチングSL」(商品名:吉冨製薬株式会社製)などのアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、「PEG#4000」(ライオン株式会社製))、レシチン、トリアリレートメリテート、脂肪族および芳香族カルボン酸の亜鉛化合物(例えば、「Struktol activator 73」、「Struktol IB 531」および「Struktol FA541」(商品名:Schill & Seilacher社製))などの活性剤;「ZEONET ZP」(商品名:日本ゼオン株式会社製)などの過酸化亜鉛調整物;オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物(例えば、「アーカード2HF」(商品名:ライオン・アクゾ株式会社製))などが挙げられる。これらのうち、ポリエチレングリコール(例えば、「PEG#4000」(ライオン株式会社製))、「アーカード2HF」が好ましい。活性剤は単独でも2種以上混合しても用いることができる。
本発明の共重合体組成物が活性剤を含む場合は、その配合量は、共重合体100質量部に対して0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜4質量部である。
〈吸湿剤〉
本発明の共重合体組成物は、さらに吸湿剤を含有することができる。
吸湿剤の具体的な例としては、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボン等が挙げられる。これらのうち、酸化カルシウムが好ましい。吸湿剤は単独でも2種以上混合しても用いることができる。
本発明の共重合体組成物が吸湿剤を含む場合は、その含有量は、共重合体100質量部に対して0.5〜15質量部、好ましくは1.0〜12質量部、さらに好ましくは1.0〜10質量部である。
<架橋方法>
本発明の架橋体は、前記共重合体組成物を架橋して得られる。たとえば、上記共重合体、疎水性シリカ、およびその他の成分を混練して共重合体組成物を調製し、この組成物をシート状に分出した後、加熱プレスを用い140〜230℃で、2〜30分間加熱することによりオレフィン重合体架橋体が得られる。前記温度範囲の下限温度として好ましくは150℃、さらに好ましくは160℃であり、上限温度として好ましくは220℃、さらに好ましくは200℃である。
架橋されていない原料組成物は、外部応力に対して容易に変形してしまい、かつ元の形状に戻ることができないので、成形材料としては実用性に乏しい。前記組成物を架橋して得られる架橋体は、成形材料としての実用性が高い。架橋体であることの目安は、引張破断点応力が5MPaを超えていることである。引張破断点応力が5MPaを超えていれば、金型からの取出し、製品取付け、長期使用の観点から実用上問題ないと考えられる。
<デュロメーター硬度>
本発明の架橋体のデュロメーター硬度(測定直後の値)は50〜80であり、好ましくは55〜78、より好ましくは58〜75である。本発明の架橋体は上記の組成を有する組成物から形成されるのでデュロメーター硬度(測定直後の値)50〜80という高い硬度を有する。デュロメーター硬度(測定直後の値)の測定方法については実施例において詳説した。デュロメーター硬度(測定直後の値)が50以上であると、架橋体同士の表面粘着性によるくっつきが低減されるため取扱い性に優れ、さらに、高荷重の用途にも使用できる。一方、デュロメーター硬度(測定直後の値)が80を超えると、反発弾性が高くなり、衝撃吸収性が低下する傾向にある。
デュロメーター硬度(測定15秒後の値)については特に制限はないが、本発明の架橋体は、デュロメーター硬度(測定直後の値)とデュロメーター硬度(測定15秒後の値)との差が7以上であることが、優れた凹凸追従性を示し、基材に対して良く密着することができ、その制振性、衝撃吸収、振動吸収の機能を最大限に発揮できることから好ましい。
<動的粘弾性>
本発明の架橋体においては、1Hz、0.5%、−70〜100℃および昇温速度4℃/minの条件下で動的粘弾性の温度依存性を測定して得られるtanδの温度プロファイルが二峰性を示し、前記tanδのピークが以下の要件(1)および(2)を満たすことが好ましく、さらに要件(3)を満たすことが好ましい。
(1)低温側のピークが−50℃以上、−10℃未満の温度範囲に存在する。
(2)高温側のピークが−10〜40℃の温度範囲に存在する。
(3)[−10℃〜40℃の温度範囲に存在するピークにおけるtanδの値]≧[−50℃以上、−10℃未満の温度範囲に存在するピークにおけるtanδの値]
前記tanδの温度プロファイルが二峰性を示し、前記tanδのピークが前記要件(1)および(2)を満たすことにより、より高硬度かつ低反発弾性を実現でき、要件(3)および(2)を満たすことにより、さらに高硬度かつ低反発弾性を実現できる。
<架橋体の利用>
本発明の架橋体は、高硬度であり、かつ低反発弾性である。つまり、高硬度と低反発弾性とが両立されている。特にデュロメーター硬度50〜80といった高硬度と反発弾性20%以下といった低反発弾性とが両立されている。
このため、本発明の架橋体から高硬度と低反発弾性とが両立された各種製品を得ることができる。前記製品としては、制振部材、衝撃吸収材、振動吸収材、共振抑制材等を挙げることができる。本発明の架橋体は、自動車、鉄道、航空機、電気電子機器、各種精密機器などの制振が要求され、特に高硬度と低反発弾性との両立が要求される分野において好適に利用することができる。
各種製品の成形には、射出成形、各種押出成形、圧縮成形、カレンダー成形、真空成形など公知の成形方法を用いることができる。
また、成形時に化学発泡剤、または物理発泡剤を使用して公知の方法で発泡させ、発泡状の成形体を得ることもできる。発泡剤は、公知の化学発泡剤、または、炭酸ガス、窒素ガス、水などの公知の物理発泡剤を使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。下記表中の成分に関する数値は質量部を示す。
実施例および比較例で用いたエチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体等を以下に示す。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体>]
(1)エチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−1)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体として、国際公開第2015/122415号の[合成例C1]に記載されたと同様にして下記の物性を有するエチレン/1−ブテン/ENB共重合体を得た。以下、これを「EBDM−1」と記載する。
EBDM−1の構成および物性は、以下のとおりである。
エチレンに由来する構造単位:67.7モル%
1−ブテンに由来する構造単位:30.0モル%
5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位:2.3モル%
ムーニー粘度ML(1+4)100℃:30
B値:1.3
(2)エチレン・プロピレン・ENB共重合体(3092M)
三井化学製 商品名 三井EPTTM 3092M:ML(1+4)125℃:61、エチレン含量:65重量%(75.29モル%)、エチレン/プロピレン(モル比)=76.2/23.8、ENB:4.6重量%(1.24モル%)
実施例および比較例で用いた制振材用共重合体組成物の物性は、以下の方法で測定した。
〔硬度〕
実施例および比較例で得られた厚み2mmの架橋シートから長さ方向に、JIS K 6251(1993年)に記載の3号型ダンベルで打ち抜いて試験片を得た。該試験片の平らな部分を6枚重ねて12mmとし、JIS K6253に従い硬度(JIS−A)を測定した。
〔引張り試験:引張破断点応力、引張破断点伸び〕
実施例および比較例で得た架橋シートを打抜いてJIS K6251(1993年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製し、この試験片を用いてJIS K6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
〔架橋密度〕
架橋密度νは下記の平衡膨潤を利用したFlory-Rehnerの式(a)から算出した。式(a)中のVRは架橋した2mmシートを37℃×72hの条件でトルエン抽出して求めた。
〔圧縮永久歪〕
圧縮永久歪(CS)測定用試験片は、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試
験片を、170℃で15分間加硫して得た。得られた試験片をJIS K6262(1997)に従って、160℃×70時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
〔ロール加工性〕
制振材用共重合体組成物のロール加工性は、配合物1を、8インチロ−ル(前ロールの表面温度80℃、後ロールの表面温度80℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)で混練し、ロールと配合物1との粘着性を評価した。
硬くて加工できず。
ロールに巻き付くが、粘着性が強く加工困難。
ロールに巻き付き性良く、粘着性も緩和され加工容易。
[実施例1]
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−2型、容積1.7L、ローター2WH)を用いて、100質量部のEBDM−1に対して、架橋助剤として活性亜鉛華(商品名:メタ−Z 102、井上石灰社製)を5質量部、加工助剤としてステアリン酸(日油社製)を2質量部、ポリエチレングリコール(商品名:PEG#4000、ライオン社製)を1質量部、加工助剤として高級脂肪酸エステル(商品名:ストラクトールWB212、エスアンドエスジャパン社製)を2質量部、ゲル化防止剤として擬似ゲル防止剤(商品名:NHM−007、三井化学社製)を2質量部、炭酸カルシウム(商品名:シルバーW、白石カルシウム社製)を28質量部、カーボンブラック(商品名:シーストG−SO、東海カーボン社製)を5質量部、ヘキサメチルジシラザンによる表面処理した疎水性シリカ(商品名:アエロジルRX200、日本アエロジル社製)を103質量部、および非極性炭化水素系オイル(商品名:ルーカント(登録商標)HC−2000、三井化学社製)を52質量部配合した後混練し、配合物1を得た。
配合物1調製時の混練条件は、ローター回転数が40rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は144℃であった。
配合物1のムーニー粘度ML(1+4)125℃を、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて、配合物1に、加硫促進剤として、サンセラーCZ(商品名)[三新化学工業(株)製]を1質量部、サンセラーBZ(商品名)[三新化学工業(株)]を1.5質量部、サンセラーTT(商品名)[三新化学工業(株)]を0.7質量部、サンセラーTRA(商品名)[三新化学工業(株)]を0.7質量部、サンセラーTE(商品名)[三新化学工業(株)]を0.15質量部、およびサンフェルR(商品名)[三新化学工業(株)]を1,4質量部、および架橋剤として硫黄を0.27質量部の配合量で添加して混練し、配合物2を得た。
配合物2調製時の混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとして、混練時間8分間で分出しし、配合物2を得た。
配合物2に対して、プレス成形機を用いて170℃で15分間プレス処理を行って、厚さ2mmの架橋シートを作製した。得られた架橋シートについて、後述する硬度試験、引張試験、耐熱老化性試験およびゲーマン捻り試験を行った。
配合物2に対して、円柱状の金型がセットされたプレス成形機を用いて170℃で20分間プレス処理を行って、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試験片を作製し、圧縮永久歪み(CS)測定用試験片を得た。
[比較例1]
実施例1で用いたEBDM−1に替えて、3092Mを用い、且つ、配合剤の種類および配合量を表1に記載の配合剤および配合量に替えて、制振材用共重合体組成物を用いたところ、組成物が硬くてロールに巻きつかなく、ロール加工がでず、物性評価用のサンプルの採取ができなかった。
[比較例2]
実施例1で用いた制振材用共重合体組成物に替えて、表1に記載の配合剤を用いる以外は実施例1と同様に行い、制振材用共重合体組成物を得た。得られた制振材用共重合体組成物の物性を上記記載の方法で評価した。
結果を表1に示す。

Claims (6)

  1. エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体、当該共重合体100質量部に対し、疎水性シリカを1〜150質量部を含むことを特徴とする制振材用共重合体組成物。
    (1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
    (2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
    (3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
    (4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である。
    B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
    [ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。]
  2. 炭素数4〜20のα−オレフィン[B]が、1−ブテンであることを特徴とする請求項1に記載の制振材用共重合体組成物。
  3. さらに非極性炭化水素系オイルを共重合体100質量部に対し、1〜200質量部含む請求項1または2に記載の制振材用共重合体組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の共重合体組成物を含む架橋体。
  5. 請求項4に記載の架橋体を含む制振材。
  6. 請求項4に記載の架橋体を含む自動車用制振ゴム部品。
JP2019006920A 2019-01-18 2019-01-18 制振材用共重合体組成物および当該共重合体組成物からなる制振材 Active JP7256579B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019006920A JP7256579B2 (ja) 2019-01-18 2019-01-18 制振材用共重合体組成物および当該共重合体組成物からなる制振材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019006920A JP7256579B2 (ja) 2019-01-18 2019-01-18 制振材用共重合体組成物および当該共重合体組成物からなる制振材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020117557A true JP2020117557A (ja) 2020-08-06
JP7256579B2 JP7256579B2 (ja) 2023-04-12

Family

ID=71889985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019006920A Active JP7256579B2 (ja) 2019-01-18 2019-01-18 制振材用共重合体組成物および当該共重合体組成物からなる制振材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7256579B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11227096A (ja) * 1998-02-13 1999-08-24 Nisshin Steel Co Ltd ゴム被覆金属板
JP2003231716A (ja) * 1994-12-20 2003-08-19 Mitsui Chemicals Inc 自動車工業用部品および工業用ゴム製品
JP2006052282A (ja) * 2004-08-11 2006-02-23 Dow Corning Toray Co Ltd 防振・免振用のゴム組成物およびその製造方法、並びに、防振・免振用ゴム製品およびその成形方法
WO2015122495A1 (ja) * 2014-02-14 2015-08-20 三井化学株式会社 エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、その製造方法ならびに用途
WO2015122415A1 (ja) * 2014-02-13 2015-08-20 三井化学株式会社 エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびその用途、並びにその製造方法
JP2018002959A (ja) * 2016-07-07 2018-01-11 三井化学株式会社 防振ゴム用組成物およびその用途
JP2018119095A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 三井化学株式会社 防振ゴム用組成物および防振ゴム製品
JP2018162409A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 三井化学株式会社 パッキン用エチレン共重合体組成物及びパッキン用途

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003231716A (ja) * 1994-12-20 2003-08-19 Mitsui Chemicals Inc 自動車工業用部品および工業用ゴム製品
JPH11227096A (ja) * 1998-02-13 1999-08-24 Nisshin Steel Co Ltd ゴム被覆金属板
JP2006052282A (ja) * 2004-08-11 2006-02-23 Dow Corning Toray Co Ltd 防振・免振用のゴム組成物およびその製造方法、並びに、防振・免振用ゴム製品およびその成形方法
WO2015122415A1 (ja) * 2014-02-13 2015-08-20 三井化学株式会社 エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびその用途、並びにその製造方法
WO2015122495A1 (ja) * 2014-02-14 2015-08-20 三井化学株式会社 エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、その製造方法ならびに用途
JP2018002959A (ja) * 2016-07-07 2018-01-11 三井化学株式会社 防振ゴム用組成物およびその用途
JP2018119095A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 三井化学株式会社 防振ゴム用組成物および防振ゴム製品
JP2018162409A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 三井化学株式会社 パッキン用エチレン共重合体組成物及びパッキン用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP7256579B2 (ja) 2023-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6914662B2 (ja) 防振ゴム用組成物および防振ゴム製品
JP2011001489A (ja) ゴム組成物およびその用途
JP5204727B2 (ja) ゴム組成物およびその用途
JP6859153B2 (ja) パッキン用エチレン共重合体組成物及びパッキン用途
JP6808337B2 (ja) 伝動ベルト用ゴム組成物
KR102276516B1 (ko) 적층체
JP2016044198A (ja) 伝動ベルト用ゴム組成物
JP7481969B2 (ja) ゴム組成物およびその用途
JP6709641B2 (ja) シールパッキン
JP7256579B2 (ja) 制振材用共重合体組成物および当該共重合体組成物からなる制振材
JP6859032B2 (ja) 防振ゴム用組成物およびその用途
JP7554079B2 (ja) ゴム組成物およびその用途
JP7554080B2 (ja) ゴム組成物およびその用途
JP6949497B2 (ja) 防振ゴム用組成物および防振ゴム製品
JP2019059894A (ja) 防振ゴム用組成物および防振ゴム製品
JP7198098B2 (ja) エチレン系共重合体組成物およびその用途
JP7189725B2 (ja) 伝動ベルト用共重合体組成物及び当該共重合体組成物からなる伝動ベルト
JP7141931B2 (ja) エチレン系共重合体組成物およびホース製品
JP2019127543A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物からなる蛇腹状成形体
JP7141932B2 (ja) エチレン系共重合体組成物およびホース製品
JP7141930B2 (ja) エチレン系共重合体組成物およびホース製品
JP2023020524A (ja) 燃料電池ガスケット用エチレン共重合体組成物、当該組成物からなる燃料電池用ガスケット
JP7075222B2 (ja) 防振ゴム用組成物および防振ゴム製品
JP2023091323A (ja) ゴム組成物およびその用途
JP2020122101A (ja) エチレン系共重合体組成物およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7256579

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150