JP2020117557A - 制振材用共重合体組成物および当該共重合体組成物からなる制振材 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体、当該共重合体100質量部に対し、疎水性シリカを1〜150質量部を含むことを特徴とする制振材用共重合体組成物。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
[ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。]
[2]炭素数4〜20のα−オレフィン[B]が、1−ブテンであることを特徴とする項[1]に記載の制振材用共重合体組成物。
[3]さらに非極性炭化水素系オイルを共重合体100質量部に対し、1〜200質量部含む項[1]または[2]に記載の制振材用共重合体組成物。
[4]項[1]〜[3]の何れかに記載の共重合体組成物を含む架橋体。
[5]項[4]に記載の架橋体を含む制振材。
[6]項[4]に記載の架橋体を含む自動車用制振ゴム部品。
本発明の制振材用共重合体組成物(以下、「共重合体組成物」と略称する場合がある。)を構成するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(以下、「共重合体」と略称する場合がある。)である。
なお、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]および非共役ポリエン[C]としてはそれぞれを、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
これらの中でも、1,4−ヘキサジエンなどの鎖状非共役ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの環状非共役ジエンが好ましく、中でも環状非共役ジエンが好ましく、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンが特に好ましい。
本発明に係わる共重合体は、(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10の範囲にある。[A]/[B]の下限としては、好ましくは45/55、より好ましくは50/50、特に好ましくは55/45である。また、[A]/[B]の上限としては、好ましくは80/20、より好ましくは75/25、さらに好ましくは70/30、特に好ましくは65/35である。
本発明に係わる共重合体は、(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が5〜100、好ましくは20〜95、特に好ましくは50〜90の範囲にある。
B値が1.20未満の共重合体は、低温での圧縮永久ひずみが大きくなり、低温でのゴム弾性と常温での引張強度とのバランスに優れた共重合体が得られない虞がある。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(共重合体)は、以下の製造方法で得ることができる。
Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
R5およびR6が、アリール基の水素原子の一つ以上をハメット則の置換基定数σが-0.2以下の電子供与性置換基で置換してなる置換アリール基であって、該電子供与性置換基を複数個有する場合にはそれぞれの該電子供与性置換基は同一でも異なっていてもよく、該電子供与性置換基以外の、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる置換基を有していてもよく、該置換基を複数個有する場合にはそれぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい置換アリール基であり、
Qはハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一のまたは異なる組合せで選ばれ、
jは1〜4の整数である。)
架橋メタロセン化合物(a)としては、R5およびR6が、アリール基の水素原子の一つ以上をハメット則の置換基定数σが-0.2以下の電子供与性置換基で置換してなる置換アリール基であって、該電子供与性置換基を複数個有する場合にはそれぞれの該電子供与性置換基は同一でも異なっていてもよく、該電子供与性置換基以外の、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる置換基を有していてもよく、該置換基を複数個有する場合にはそれぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい置換アリール基であるものを用いることができる。
次に上記架橋メタロセン化合物を、エチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体用触媒(オレフィン重合触媒)として用いる場合の好ましい形態について説明する。
〈(b−1)有機金属化合物〉
(b−1)有機金属化合物として、具体的には下記一般式[VIII]〜[X]のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
(b−1a)一般式 Ra mAl(ORb)n Hp Xq ・・・[VIII]
(式[VIII]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
(式[IX]中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
このような化合物として、LiAl(C2H5)4、LiAl(C7H15)4などを例示することができる。
(式[X]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである。)で表される周期律表第2族または第12族金属を有するジアルキル化合物。
(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
R1−B(OH)2 …[XII]
(式[XII]中、R1は前記一般式[XI]におけるR1と同じ基を示す。)
有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
上記遷移金属化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物(b−3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。このようなイオン化イオン性化合物(b−3)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;
ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
上記一般式[VII]で表される遷移金属化合物(a)を触媒とする場合、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物(b−1)、メチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)またはトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのイオン化イオン性化合物(b−3)を併用すると、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の製造に際して非常に高い重合活性を示す。
本発明で、必要に応じて用いられる(c)担体は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
エチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンを共重合させる際、重合触媒を構成する各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)前記化合物(a)を単独で重合器に添加する方法。
(2)前記化合物(a)および前記化合物(b)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)前記化合物(a)を前記担体(c)に担持した触媒成分、前記化合物(b)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)前記化合物(b)を前記担体(c)に担持した触媒成分、前記化合物(a)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)前記化合物(a)と前記化合物(b)とを前記担体(c)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
化合物(b)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない化合物(b)を、任意の順序で添加してもよい。この場合化合物(b)は、担体(c)に担持されている化合物(b)と同一でも異なっていてもよい。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられ、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明の共重合体組成物を構成する成分の一つである疎水性シリカは、ケイ素含有化合物で表面処理された疎水性シリカであり、ケイ素含有化合物で表面処理された疎水性シリカを用いることにより、共重合体組成物の粘着性が改良されるとともに、得られる制振材の引張強度、伸び等の機械的特性を改善することができる。
本発明の制振材用共重合体組成物は、上記共重合体、上記共重合体100質量部に対して、上記疎水性シリカを1〜150重量部、好ましくは5〜140重量部、より好ましくは10〜120重量部の範囲である。疎水性シリカの含有量が前記範囲内であることにより、機械強度、加工性の改善効果が優れる。
本発明の共重合体組成物は、上述した疎水性シリカ以外にも、本発明の目的が損なわれない限り、それ自体公知のゴム配合剤、例えば、非極性炭化水素系オイル、軟化剤、補強用充填剤、加硫剤(架橋剤)、α,β−不飽和有機酸の金属塩、老化防止剤、架橋助剤、架橋促進剤、充填剤、加工助剤、活性剤、酸化防止剤、発泡剤、可塑剤、粘着付与剤等を適宜配合することができる。
本発明の共重合体組成物に配合してもよい非極性炭化水素系オイルは、40℃動的粘度で1〜10000mm2/sであるものが好適である。
数平均分子量(Mn)が100未満となると、揮発しやすい低分子量成分が多くなり、耐熱性が悪化するおそれがある。一方、数平均分子量(Mn)が30000を越えると、高分子量成分が多くなり、加工性の改良効果が少なくなる。
分子量分布(Mw/Mn)が3を超えると、一般的に揮発しやすい低分子量成分が多くなり、耐熱性が悪化するおそれがある。
これらのエチレン・α−オレフィン共重合体を製造する方法としては、特開平3−179005号公報、特開平3−193796号公報、特開平6−122718号公報、特開平8−239414号公報、特開平10−087716号公報、特開2000−212194号公報に記載されているような、α−オレフィン系ポリマーを製造する際に使用される触媒を用いる方法がある。
本発明の共重合体組成物が非極性炭化水素系オイルを含むと、機械強度と加工性をバランスさせることができる。
本発明に係わる軟化剤としては、パラフィンオイル等のプロセスオイル(例えば、「ダイアナプロセスオイル PS−430」(商品名:出光興産株式会社製)など)、潤滑油、流動パラフィン、石油アスファルト、およびワセリン等の石油系軟化材;コールタール、およびコールタールピッチ等のコールタール系軟化材;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、およびヤシ油等の脂肪油系軟化材;蜜ロウ、カルナウバロウ、およびラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、およびラウリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、およびロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、およびクマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、およびジオクチルセバケート等のエステル系軟化材;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、トール油、およびサブ(ファクチス)などが挙げられる。なかでも、石油系軟化材が好ましく、特にプロセスオイル、その中でもパラフィンオイルが好ましい。軟化材は、単独でも2種以上混合しても用いることができる。
補強性充填材としては、具体的には、市販されている「旭#55G」および「旭#50HG」(商品名:旭カーボン株式会社製)、「シースト(商品名)」シリーズ:SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック(東海カーボン株式会社製)、これらカーボンブラックをシランカップリング剤等で表面処理したもの、マイカ、タルク、シリカおよびクレー等を用いることができる。これらのうち、「旭#60G」、「旭#80」、「シーストHAF」のカーボンブラックが好ましい。
加硫剤(架橋剤)としては、イオウ、イオウ系化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂、オキシム化合物等を用いることができる。
イオウ系化合物としては、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレン等を例示できる。イオウおよびイオウ系化合物の中では、イオウ、テトラメチルチウラムジスルフィドが好ましい。
本発明の共重合体組成物が加硫剤としてイオウ系化合物を含有する場合には、加硫促進剤の併用が好ましい。
加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、「サンセラーM」(商品名:三新化学工業株式会社製)など)、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、「ノクセラーMDB−P」(商品名:三新化学工業株式会社製)など)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、アルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチオウレア系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、「サンセラーPZ」(商品名:三新化学工業株式会社製)、「サンセラーBZ」(商品名:三新化学工業株式会社製)など)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系;エチレンチオ尿素(例えば、「サンセラーBUR」(商品名:三新化学工業株式会社製)、「サンセラー22−C」(商品名:三新化学工業株式会社製)など)、N,N'−ジエチルチオ尿素等のチオウレア系;ジブチルキサトゲン酸亜鉛等のザンテート系;その他亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名:井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)等が挙げられる。
これらの加硫促進剤の含有量は、共重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。
本発明の共重合体組成物は、さらに加硫助剤を含有することができる。加硫助剤の具体的例としては、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名:井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)などが挙げられる。加硫助剤としては、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系;その他マレイミド系;ジビニルベンゼン等が挙げられる。加硫助剤は、単独でも2種以上を混合しても用いることができる。加硫助剤の含有量は、通常、共重合体100質量部に対して1〜20質量部である。
本発明の共重合体組成物は、さらに加工助剤を含有することができる。
加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類等が挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。
本発明の共重合体組成物は、さらに活性剤を含有することができる。
活性剤の具体的な例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン、「アクチングB」(商品名:吉冨製薬株式会社製)、「アクチングSL」(商品名:吉冨製薬株式会社製)などのアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、「PEG#4000」(ライオン株式会社製))、レシチン、トリアリレートメリテート、脂肪族および芳香族カルボン酸の亜鉛化合物(例えば、「Struktol activator 73」、「Struktol IB 531」および「Struktol FA541」(商品名:Schill & Seilacher社製))などの活性剤;「ZEONET ZP」(商品名:日本ゼオン株式会社製)などの過酸化亜鉛調整物;オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物(例えば、「アーカード2HF」(商品名:ライオン・アクゾ株式会社製))などが挙げられる。これらのうち、ポリエチレングリコール(例えば、「PEG#4000」(ライオン株式会社製))、「アーカード2HF」が好ましい。活性剤は単独でも2種以上混合しても用いることができる。
本発明の共重合体組成物は、さらに吸湿剤を含有することができる。
吸湿剤の具体的な例としては、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボン等が挙げられる。これらのうち、酸化カルシウムが好ましい。吸湿剤は単独でも2種以上混合しても用いることができる。
本発明の架橋体は、前記共重合体組成物を架橋して得られる。たとえば、上記共重合体、疎水性シリカ、およびその他の成分を混練して共重合体組成物を調製し、この組成物をシート状に分出した後、加熱プレスを用い140〜230℃で、2〜30分間加熱することによりオレフィン重合体架橋体が得られる。前記温度範囲の下限温度として好ましくは150℃、さらに好ましくは160℃であり、上限温度として好ましくは220℃、さらに好ましくは200℃である。
本発明の架橋体のデュロメーター硬度(測定直後の値)は50〜80であり、好ましくは55〜78、より好ましくは58〜75である。本発明の架橋体は上記の組成を有する組成物から形成されるのでデュロメーター硬度(測定直後の値)50〜80という高い硬度を有する。デュロメーター硬度(測定直後の値)の測定方法については実施例において詳説した。デュロメーター硬度(測定直後の値)が50以上であると、架橋体同士の表面粘着性によるくっつきが低減されるため取扱い性に優れ、さらに、高荷重の用途にも使用できる。一方、デュロメーター硬度(測定直後の値)が80を超えると、反発弾性が高くなり、衝撃吸収性が低下する傾向にある。
本発明の架橋体においては、1Hz、0.5%、−70〜100℃および昇温速度4℃/minの条件下で動的粘弾性の温度依存性を測定して得られるtanδの温度プロファイルが二峰性を示し、前記tanδのピークが以下の要件(1)および(2)を満たすことが好ましく、さらに要件(3)を満たすことが好ましい。
(1)低温側のピークが−50℃以上、−10℃未満の温度範囲に存在する。
(2)高温側のピークが−10〜40℃の温度範囲に存在する。
(3)[−10℃〜40℃の温度範囲に存在するピークにおけるtanδの値]≧[−50℃以上、−10℃未満の温度範囲に存在するピークにおけるtanδの値]
前記tanδの温度プロファイルが二峰性を示し、前記tanδのピークが前記要件(1)および(2)を満たすことにより、より高硬度かつ低反発弾性を実現でき、要件(3)および(2)を満たすことにより、さらに高硬度かつ低反発弾性を実現できる。
本発明の架橋体は、高硬度であり、かつ低反発弾性である。つまり、高硬度と低反発弾性とが両立されている。特にデュロメーター硬度50〜80といった高硬度と反発弾性20%以下といった低反発弾性とが両立されている。
また、成形時に化学発泡剤、または物理発泡剤を使用して公知の方法で発泡させ、発泡状の成形体を得ることもできる。発泡剤は、公知の化学発泡剤、または、炭酸ガス、窒素ガス、水などの公知の物理発泡剤を使用することができる。
実施例および比較例で用いたエチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体等を以下に示す。
(1)エチレン・1−ブテン・ENB共重合体(EBDM−1)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体として、国際公開第2015/122415号の[合成例C1]に記載されたと同様にして下記の物性を有するエチレン/1−ブテン/ENB共重合体を得た。以下、これを「EBDM−1」と記載する。
EBDM−1の構成および物性は、以下のとおりである。
エチレンに由来する構造単位:67.7モル%
1−ブテンに由来する構造単位:30.0モル%
5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位:2.3モル%
ムーニー粘度ML(1+4)100℃:30
B値:1.3
三井化学製 商品名 三井EPTTM 3092M:ML(1+4)125℃:61、エチレン含量:65重量%(75.29モル%)、エチレン/プロピレン(モル比)=76.2/23.8、ENB:4.6重量%(1.24モル%)
実施例および比較例で用いた制振材用共重合体組成物の物性は、以下の方法で測定した。
実施例および比較例で得られた厚み2mmの架橋シートから長さ方向に、JIS K 6251(1993年)に記載の3号型ダンベルで打ち抜いて試験片を得た。該試験片の平らな部分を6枚重ねて12mmとし、JIS K6253に従い硬度(JIS−A)を測定した。
実施例および比較例で得た架橋シートを打抜いてJIS K6251(1993年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製し、この試験片を用いてJIS K6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
架橋密度νは下記の平衡膨潤を利用したFlory-Rehnerの式(a)から算出した。式(a)中のVRは架橋した2mmシートを37℃×72hの条件でトルエン抽出して求めた。
圧縮永久歪(CS)測定用試験片は、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試
験片を、170℃で15分間加硫して得た。得られた試験片をJIS K6262(1997)に従って、160℃×70時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
制振材用共重合体組成物のロール加工性は、配合物1を、8インチロ−ル(前ロールの表面温度80℃、後ロールの表面温度80℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)で混練し、ロールと配合物1との粘着性を評価した。
硬くて加工できず。
ロールに巻き付くが、粘着性が強く加工困難。
ロールに巻き付き性良く、粘着性も緩和され加工容易。
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−2型、容積1.7L、ローター2WH)を用いて、100質量部のEBDM−1に対して、架橋助剤として活性亜鉛華(商品名:メタ−Z 102、井上石灰社製)を5質量部、加工助剤としてステアリン酸(日油社製)を2質量部、ポリエチレングリコール(商品名:PEG#4000、ライオン社製)を1質量部、加工助剤として高級脂肪酸エステル(商品名:ストラクトールWB212、エスアンドエスジャパン社製)を2質量部、ゲル化防止剤として擬似ゲル防止剤(商品名:NHM−007、三井化学社製)を2質量部、炭酸カルシウム(商品名:シルバーW、白石カルシウム社製)を28質量部、カーボンブラック(商品名:シーストG−SO、東海カーボン社製)を5質量部、ヘキサメチルジシラザンによる表面処理した疎水性シリカ(商品名:アエロジルRX200、日本アエロジル社製)を103質量部、および非極性炭化水素系オイル(商品名:ルーカント(登録商標)HC−2000、三井化学社製)を52質量部配合した後混練し、配合物1を得た。
配合物1のムーニー粘度ML(1+4)125℃を、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
実施例1で用いたEBDM−1に替えて、3092Mを用い、且つ、配合剤の種類および配合量を表1に記載の配合剤および配合量に替えて、制振材用共重合体組成物を用いたところ、組成物が硬くてロールに巻きつかなく、ロール加工がでず、物性評価用のサンプルの採取ができなかった。
実施例1で用いた制振材用共重合体組成物に替えて、表1に記載の配合剤を用いる以外は実施例1と同様に行い、制振材用共重合体組成物を得た。得られた制振材用共重合体組成物の物性を上記記載の方法で評価した。
結果を表1に示す。
Claims (6)
- エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位、および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(4)を満たすエチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体、当該共重合体100質量部に対し、疎水性シリカを1〜150質量部を含むことを特徴とする制振材用共重合体組成物。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、α−オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60〜90/10であり、
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]の構造単位の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)125℃が、5〜100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
[ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4〜20のα−オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]−炭素数4〜20のα−オレフィン[B]ダイアッド連鎖分率を示す。] - 炭素数4〜20のα−オレフィン[B]が、1−ブテンであることを特徴とする請求項1に記載の制振材用共重合体組成物。
- さらに非極性炭化水素系オイルを共重合体100質量部に対し、1〜200質量部含む請求項1または2に記載の制振材用共重合体組成物。
- 請求項1〜3の何れかに記載の共重合体組成物を含む架橋体。
- 請求項4に記載の架橋体を含む制振材。
- 請求項4に記載の架橋体を含む自動車用制振ゴム部品。
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