JP2020117470A - 抗体並びに劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するための薬剤 - Google Patents

抗体並びに劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するための薬剤 Download PDF

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Abstract

【課題】抗体、並びに、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するための薬剤の提供。【解決手段】VHが特定の配列を有し、VLが特定の配列を有する抗体。特定のアミノ酸配列を有するエピトープを特異的に認識する抗体。【選択図】図4

Description

本発明は、抗体並びに劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するための薬剤に関する。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(severe invasive streptococcal infection 、または streptococcal toxic shock syndrome;以下STSSと記載することがある。)は約30%が死亡する致死率の高い感染症である。国内年間報告数は、1999〜2010年では多くとも100例前後で推移、2011〜2013年では200例前後を推移していたが、2014年に260例を超えてから増加の一途をたどり、2018年では11月18日現在までに600例を超えている。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者は、免疫不全等の重篤な基礎疾患をほとんど持っていないにもかかわらず、突然発病する例がある。初期症状としては四肢の疼痛、腫脹、発熱、血圧低下等で、発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には軟部組織壊死、急性腎不全、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全(MOF)を引き起こし、ショック状態から死に至ることも多い(非特許文献1)。
抗菌薬としてはペニシリン系薬が第一選択薬である。また、組織内の菌密度が上昇すると菌の発育が抑制され、βラクタム系薬の効果が低下する現象が知られており、本症のように極端な敗血症病態では、細胞内移行性の高いクリンダマイシンを推奨する意見もある(非特許文献2)。さらに、免疫グロブリン製剤の効果も報告されている(非特許文献3)。壊死に陥った軟部組織は本菌の生息部位であり、筋壊死による腎不全及び代謝性アシドーシスの悪化を防止するため、可及的広範囲に病巣を切除することが必要である。
Stevens DL:Invasive group A streptococcus infections. Clin Infect Dis 14:2‐13,1992. Stevens DL,Bryant AE,Yan S:Invasive group A streptococcal infection:new concepts in antibiotic treatment.Int J Antimicrob Agent 4:297‐301,1994. Burry W,Hudgings L, Donta ST et al.:Intravenous immunoglobulin therapy for toxic shock syndrome.JAMA 267:3315‐3316,1992.
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、抗体並びに劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するための薬剤を提供することを目的とする。
本発明にかかる抗体は、VHの配列が配列番号1、VLの配列が配列番号2であることを特徴とする抗体である。
本発明にかかる薬剤は、本発明にかかる抗体を有することを特徴とする劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するための薬剤である。
本発明によれば、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するための薬剤が得られる。
ELISA法による各抗体(HS1、HS2及びHS3)のSLOに対する結合活性の解析図である。 ウエスタンブロット法による各抗体(HS1、HS2及びHS3)のSLOに対する結合活性の解析図である。 劇症型GAS感染マウスモデルに対する各抗体(HS1、HS2及びHS3)投与による生存率を示す図である。 劇症型GAS感染ヒト好中球の生存率を調べる試験の工程図である。 本実施例にかかる抗体HS1による前処理をした場合における劇症型GAS感染ヒト好中球への影響を示す図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
本実施形態にかかる抗体HS1は、VH(重鎖)の配列がEVQLQESGPSLVKPSQTLSLTCSVTGDSITSGYWNWIRKFPGNKFEYMGYISYGDSTYYNPSLKSRISITRDTSKNQYYLQLNSVTTEDTATYYCARLGNDYNWYFDVWGAGTTVTVSS(配列番号1)であり、VL(軽鎖)の配列がDIQMNQSPSSLSASLGDTITITCHASQNINVWLSWYQQKPGNIPKLLIFKASNLYTGVPSRFSGSGSGTGFTLTISSLQPEDIATYYCQQGQTYPLTFGGGTKL(配列番号2)である。
VH及びVL領域は、相補的決定領域(CDR)に細分することができ、フレームワーク領域(FR)が散在している。
抗体HS1のVHの配列は、下記である。
[FR1]EVQLQESGPSLVKPSQTLSLTCSVT(配列番号3)
[CDR1]GDSITSGY(配列番号4)
[FR2]WNWIRKFPGNKFEYMGY(配列番号5)
[CDR2]ISYGDST(配列番号6)
[FR3]YYNPSLKSRISITRDTSKNQYYLQLNSVTTEDTATYYC(配列番号7)
[CDR3]ARLGNDYNWYFDV(配列番号8)
[FR4]WGAGTTVTVSS(配列番号9)
抗体HS1のVLの配列は、下記である。
[FR1]DIQMNQSPSSLSASLGDTITITCHAS(配列番号10)
[CDR1]QNINVW(配列番号11)
[FR2]LSWYQQKPGNIPKLLIF(配列番号12)
[CDR2]KAS(配列番号13)
[FR3]NLYTGVPSRFSGSGSGTGFTLTISSLQPEDIATYYC(配列番号14)
[CDR3]QQGQTYPLT(配列番号15)
[FR4]FGGGTKL(配列番号16)
なお本実施形態にかかる抗体HS1は、VH又はVLの配列において1又は数アミノ酸の付加、欠損及び/又は置換が生じている場合でも抗体HS1に包含されるものとするが、特異的認識能を維持する観点から、1又は数アミノ酸の付加、欠損及び/又は置換は、相補性決定領域(CDR)ではなく、フレームワーク領域(FR)に生じることが好ましいがCDRに生じる場合もある。
本実施形態にかかる抗体HS1は、コレステロール依存性細胞溶解素、例えばStreptococcus pyogenesのStreptolysin O(SLO)、Clostridium perfringensのPerfringolysin O(PFO)、Clostridium bifermentansのBifermentolysin(BL)やClostridium sordelliiのSordelliolysin(SL)と結合することができる。コレステロール依存性細胞溶解素は数多くの細菌、例えばStreptococcus、Clostridium、Listeria、Arcanobacterium、Gardnerella、Bacillus、Lactobacillus属から産生される(Biochim Biophys Acta 1818:1028‐1038,2012)ため、HS1はさらに多くの種類のコレステロール依存性細胞溶解素と結合する可能性がある。
本発明者は、SLOのエピトープがDomain2にあることを見出しその配列を調べたところKADKFIVIERKKK(配列番号17)であることを新知見として取得し、かかる事実に基づいて本発明を完成させた。即ち本実施形態にかかる抗体は、配列番号17に記載されたアミノ酸配列KADKFIVIERKKKからなるエピトープを特異的に認識する抗体である。SLOのエピトープは、当業者に周知であるエピトープマッピング技術を使用して同定できる(例えばEpitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology、第66巻(Glenn E.Morris編、1996)Humana Press、Totowa、NJ)。直鎖状エピトープは、例えば固体支持体上の多数のペプチド、タンパク質分子の部分に対応するペプチドを同時に合成し、ペプチドが支持体に付着しているままで、ペプチドを抗体と反応させることによって決定することができる。立体構造エピトープは、例えばX線結晶学及び二次元核磁気共鳴によってアミノ酸の空間的立体構造を決定することによって同定され得る(例えばEpitope Mapping Protocols)。
抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの完全な抗体から形成される複特異性抗体(例えば、二特異性抗体)、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化(camelised)抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、Fab断片、F(ab')2断片を包含するが、それらに限られない。
モノクローナル抗体は、任意のアイソタイプであることができる。モノクローナル抗体は、例えば、マウスIgM、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgA、IgD、又はIgEであってもよい。また、モノクローナル抗体は、例えば、ヒトIgM、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgD、又はIgEであってもよい。任意の重鎖は、κ又はλ型の軽鎖と対形成してもよい。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するために有用な抗体は、ヒト化モノクローナル抗体由来であってもよく、ヒト化モノクローナル抗体は例えばマウス(又は他の種の)免疫グロブリンの重鎖可変領域及び軽鎖可変領域から1つ以上のCDRをヒト可変ドメイン内に導入し、ヒト残基をマウスの相当するフレームワーク領域に置換することにより産生される。ヒト化モノクローナル抗体由来の抗体成分の使用により、マウス定常部の免疫原性に付随する問題の可能性を排除する。
本実施形態にかかる抗体は、任意の種類の分子と抗体との共有結合により修飾又は複合化された、抗体誘導体を包含することも可能である。このような抗体誘導体として、例えば、アセチル化、グリコシル化、アミド化、PEG化、リン酸化、既知の保護基/ブロック基による誘導体化、タンパク質分解的開裂、又は細胞内配位子又は他のタンパク質への結合により修飾されている抗体が挙げられる。
本実施形態にかかる抗体を取得する方法としては、取得したい抗体を産生するハイブリドーマを培養し、得られた培養上清から常法によって抗体を精製して取得することができる。取得したハイブリドーマから抗体を採取する方法は、特に限定されるものではないが、例えば通常の腹水形成法や細胞培養法等を用いることが可能である。腹水形成法においては、骨髄腫細胞由来の哺乳動物と同種の動物の腹腔内にプリスタン等の鉱物油を投与し、その後ハイブリドーマ1×10〜1×10個、好ましくは1×10〜1×10個を腹腔内に投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、1〜4週間、好適には2〜3週間後に腹水又は血清を採集する。細胞培養法においては、ハイブリドーマを10〜20%仔ウシ血清含有IMDM、RPMI-1640、MEM、E-RDF又は無血清培地等の動物細胞培養培地中で、通常の培養条件(例えば37℃、5%CO濃度)で3〜14日間培養し、その培養上清から抗体を取得することができる。抗体の精製は、硫安塩析法、DEAEセルロース等の陰イオン交換体を利用するイオン交換クロマトグラフィー、プロテインAセファロース等を用いるアフィニティークロマトグラフィー、分子量や構造によってふるい分ける分子ふるいクロマトグラフィー等の公知の方法を適宜に選択して精製することが可能である。
また、別の方法としては、取得したい抗体を産生するハイブリドーマから抗体をコードする遺伝子、より詳細には免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子を取得して、該遺伝子を発現するためのベクターを作成し、宿主細胞(哺乳類細胞、昆虫細胞、微生物等)に導入して、該抗体を産生させることも可能である。このとき抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子について、望む形質を導入するための遺伝子改変を行ったり、免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の可変領域を用いて抗体キメラタンパク質、低分子抗体やスキャフォールド抗体を作成することは、公知の技術を用いることで、当業者であれば実施することができる。
(薬剤)
本実施形態にかかる薬剤は、本実施形態にかかる抗体を有効成分として含有する。劇症型溶血性レンサ球菌感染症の大部分はA群レンサ球菌(Group A Streptococcus: GAS)であるStreptococcus pyogenesの感染によって引き起こされるが、その主要な細菌毒素は分子量約6万のStreptolysin O(SLO)であることが知られている。SLOはコレステロール依存性細胞溶解素であり、細胞膜コレステロールを受容体として結合後、細胞膜に膜孔を形成することで細胞(特に宿主防御に必要な好中球)を破壊する毒素である。
そのためSLOに結合してその溶血活性を中和できる本実施形態にかかる抗体HS1を有する薬剤は、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療できる。本明細書において「予防」には疾患の発症を抑えること及び遅延させることが含まれ、疾患になる前の予防だけでなく、治療後の疾患の再発に対する予防も含まれる。一方、「治療」には、症状を治癒すること、症状を改善すること及び症状の進行を抑えることが含まれる。SLOのエピトープKADKFIVIERKKK(配列番号17)を特異的に認識する抗体は、SLOに結合してその溶血活性を中和できるためこのような抗体を有する薬剤は、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療できる。
本実施形態に係る薬剤は、公知の方法に従って製剤化し、投与する薬剤とすることができる。例えば、そのまま液剤として又は適当な剤型の薬剤として、ヒト又は哺乳類に対して経口的又は非経口的に投与することができる。抗体のヒトに対する投与量は、特に限定されるものではないが、例えば0.01mg/kg〜50mg/kgとすることが可能である。
薬剤は、微生物の増殖を抑制する防腐剤又はpHを許容範囲に保つのに役立つ緩衝剤を含んでもよい。防腐剤は、アジ化ナトリウム、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル若しくはベンジルアルコール、メチル若しくはプロピルパラベン等のアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3‐ペンタノール、及びm‐クレゾール等である。緩衝剤は、リン酸、クエン酸、及びその他の有機酸である。
また、薬剤は、例えば、賦形剤、安定剤、EDTA等のキレート化剤、塩、又は抗菌剤を含んでもよい。他にも、アスコルビン酸及びメチオニン等の酸化防止剤、ポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、若しくは非特異的免疫グロブリン等のタンパク質、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、若しくはリジン等のアミノ酸、グルコース、マンノース、若しくはデキストリン等の単糖類、二糖類、及びその他の炭水化物、スクロース、マンニトール、トレハロース、若しくはソルビトール等の糖類を含むことが可能である。
Clostridium perfringens BP6K株の培養上清からPFOを精製し、トキソイド化した。BALB/cマウスを、水酸化アルミニウムで沈降させたPFOトキソイドと百日咳トキソイドの腹腔内投与で免疫し、その7週後にPFOトキソイドの尾静脈投与にて最終免疫(ブースティング)を行った。最終免疫の3日後に脾臓細胞を回収し、SP2/0ミエローマ細胞と融合してハイブリドーマを作製した。作製したハイブリドーマをクローニング後、抗体[HS1, HS2, HS3]を採取した。
SLOはコレステロール依存性細胞溶解素であり、細胞膜コレステロールを受容体として結合後、細胞膜に膜孔を形成することで細胞(特に宿主防御に必要な好中球)を破壊する毒素である。3種のモノクローナル抗体[HS1, HS2, HS3]の中に、SLOと結合できる抗体があるかどうか検討した。
抗体HS2のVHの配列は、下記である。
[FR1]VQLQESGPELVKPGASVKISCKAS(配列番号18)
[CDR1]GYAFSSSW(配列番号19)
[FR2]MNWVRQRPGQGLEWIGR(配列番号20)
[CDR2]IYPGDGDT(配列番号21)
[FR3]NYNGKFKGKATLTADKSSNAAYMHLSSLTSVDSAVYFC(配列番号22)
[CDR3]ARRNYGSGFLYYFDY(配列番号23)
[FR4]WGQGTTLTV(配列番号24)
抗体HS2のVLの配列は、下記である。
[FR1]QIVLSQFPAILSASPGEKVTMTCRAS(配列番号25)
[CDR1]SSVSY(配列番号26)
[FR2]MHWYQQKPGSSPKLWIY(配列番号27)
[CDR2]ATS(配列番号28)
[FR3]DLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYC(配列番号29)
[CDR3]QQWSSNPPT(配列番号30)
[FR4]FGGGTKL(配列番号31)
抗体HS3のVHの配列は、下記である。
[FR1]EVQLQESGPDLVKPSQSLSLICTVT(配列番号32)
[CDR1]GYSITSGYN(配列番号33)
[FR2]WHWIRQFPGNKLEWMAY(配列番号34)
[CDR2]IDYTGST(配列番号35)
[FR3]HYNPSLKSRISITRDTSKNHFFLQLNSVTTEDTATYYC(配列番号36)
[CDR3]ARDYGNYEWSFDV(配列番号37)
[FR4]WGAGTTVTVSS(配列番号38)
抗体HS3のVLの配列は、下記である。
[FR1]DIQMNQSPSSLSASLGDTITITCHAS(配列番号39)
[CDR1]QNINVW(配列番号40)
[FR2]LSWYQQKPGNIPKLLIY(配列番号41)
[CDR2]KAS(配列番号42)
[FR3]NLHTGVPSRFSGSGSGTGFTLTISSLQPEDIATYYC(配列番号43)
[CDR3]QQGQSYPLT(配列番号44)
[FR4]FGAGTKL(配列番号45)
まずELISA法によりHS1、HS2及びHS3のSLOに対する結合活性を調べた。96穴プレートに1 μg/mLの濃度のPFO, SLOを50 μLコーティング後、一次抗体として10 μg/mLの濃度のHS1, HS2, HS3を図で表示した希釈倍率で反応させた後、二次抗体として抗マウスIgG-HRP抗体を反応させて検出した。PFOと同等に結合でき且つSLOと結合活性があるのはHS1のみであることが示された(図1)。
次にウェスタンブロット法によりHS1、HS2及びHS3のSLOに対する結合活性を調べた。10 ngのPFO, SLOをSDS-PAGE後、PVDFメンブレンに転写し、一次抗体として1 μg/mLの濃度のHS1, HS2, HS3を反応させた後、二次抗体として抗マウスIgG-HRP抗体を反応させて検出した。PFOと同等に結合でき且つSLOと結合活性があるのはHS1のみであることが示された(図2)。
次に劇症型GAS感染マウスモデルを用いてHS1、HS2及びHS3の効果による生存率を調べた。C57BL/6マウス(6週齢♂)に1 mgのHS1, HS2, HS3及びコントロールとしてマウスIgGを腹腔内投与1時間後に劇症型GAS感染臨床分離株NIH34を4×107 CFU腹腔内感染させ、7日間の生存率を解析した。HS2、HS3及びコントロールマウスIgGは効果を示さないが、HS1は前投与によりマウスの生存率が上昇することが示された(図3)。
さらに、HS1の前投与処理により、劇症型GAS感染ヒト好中球の生存率が回復するか調べた。10 μg/mLのHS1及びコントロールマウスIgGを処理した劇症型GAS感染臨床分離株NIH230、劇症型レンサ球菌感染症臨床分離株NIH34あるいは非劇症型GAS感染臨床分離株1566(3×106 CFU)に対し、健常ヒト好中球(3×105 cells)を遊走させ、その生存率をセルアナライザー(Becton Dickinson社のFACS(商標))によるPI染色で解析した(図4)。劇症型レンサ球菌感染症臨床分離株は、SLOにより好中球のネクローシスを誘導するが、HS1の前投与処理により、劇症型GAS感染ヒト好中球の生存率が回復することを見出した(図5)。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の抗体医薬の製造に利用できる。

Claims (5)

  1. VHの配列が配列番号1、VLの配列が配列番号2である、ことを特徴とする抗体。
  2. 配列番号17に記載されたアミノ酸配列からなるエピトープを特異的に認識する抗体。
  3. 請求項1に記載の抗体を産生するハイブリドーマ。
  4. 請求項1記載の抗体を有することを特徴とする劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するための薬剤。
  5. 請求項2記載の抗体を有することを特徴とする劇症型溶血性レンサ球菌感染症を予防及び/又は治療するための薬剤。
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