JP2020117413A - 多孔質チタニア粒子の製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶型にかかわらず多孔質チタニア粒子を製造可能な方法を提供する。【解決手段】本発明の多孔質チタニア粒子の製法は、(a1)所定の液体に溶解する可溶性粒子と、チタン(IV)アルコキシドと、キレート剤と、ポロゲンと、無機塩とを含み、前記可溶性粒子が分散した分散液を攪拌下にゲル化する工程と、(a2)得られたゲルから前記キレート剤を除去する工程と、(a3)前記キレート剤を除去した後のゲルを所定の焼成温度で焼成したあと前記所定の液体に浸漬し、前記可溶性粒子を前記所定の液体に溶解させることにより、多孔質チタニア粒子を得る工程と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質チタニア粒子の製法に関する。
従来、チタニアは、塗料、顔料、化粧品、触媒及び触媒担体などに広く使用されている。また、多孔質チタニア粒子についてもいくつか報告されている。例えば、特許文献1には、平均粒子径が0.1〜5μm、細孔直径のピークが5〜50nm、細孔容積が0.05〜0.3cm3/gの化粧料用チタニア顔料が開示されている。特許文献1には、チタン顔料の製法として、硫酸チタニルを170℃以上の温度下、かつ、その温度の飽和蒸気圧以上の圧力下で加水分解して球状含水二酸化チタンを生成させ、その二酸化チタンを600〜800℃の温度で焼成する方法が開示されている。
特開2013−28563号公報
しかしながら、特許文献1の製法では、チタニア顔料の焼成温度が600℃より高い場合、ルチル型チタニアが一部生成して形状が変わるため望ましくないと説明されている。そのため、結晶型にかかわらず多孔質チタニア粒子を製造することができる汎用性の高い製法は、これまでのところ知られていない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、結晶型にかかわらず多孔質チタニア粒子を製造可能な方法を提供することを主目的とする。
本発明の多孔質チタニア粒子の製法は、
(a1)所定の液体に溶解する可溶性粒子と、チタン(IV)アルコキシドと、キレート剤と、ポロゲンと、無機塩とを含み、前記可溶性粒子が分散した分散液を攪拌下にゲル化する工程と、
(a2)得られたゲルから前記キレート剤を除去する工程と、
(a3)前記キレート剤を除去した後のゲルを所定の焼成温度で焼成したあと前記所定の液体に浸漬し、前記可溶性粒子を前記所定の液体に溶解させることにより、多孔質チタニア粒子を得る工程と、
を含むものである。
この製法によれば、結晶型にかかわらず多孔質チタニア粒子を製造することができる。そのメカニズムは定かではないが、以下のように推察される。すなわち、撹拌しながらゲル化を行うため、ゾル−ゲル法での相分離型スピノーダル分解によってチタニアの網目構造が形成されその網目が更に大きくなって個々の粒子に分離すると考えられる。また、可溶性粒子によって粒子の表面に細孔が形成されるため、可溶性粒子は焼成時にチタニア粒子同士の焼結を防ぐ役割を果たすと考えられ、焼結後であってもチタニア粒子は粒子形状を維持すると考えられる。この製法では、焼成温度を低くすると主成分がアナターゼ型の多孔質チタニア粒子が得られ、焼成温度を高くすると主成分がルチル型の多孔質チタニア粒子が得られる。
実験例8の多孔質チタニア粒子のSEM写真。
本実施形態の多孔質チタニア粒子の製法は、(a1)所定の液体に溶解する可溶性粒子と、チタン(IV)アルコキシドと、キレート剤と、ポロゲンと、無機塩とを含み、可溶性粒子が分散した分散液を攪拌下にゲル化する工程と、(a2)得られたゲルからキレート剤を除去する工程と、(a3)キレート剤を除去した後のゲルを所定の焼成温度で焼成したあと所定の液体に浸漬し、可溶性粒子を所定の液体に溶解させることにより、多孔質チタニア粒子を得る工程と、を含む。
・工程a1:ゲル化工程
可溶性粒子としては、所定の液体に溶解する粒子を用いる。所定の液体としては、例えばアルカリ溶液などが挙げられる。その場合、可溶性粒子としては、アルカリ溶液に溶解する粒子を用いる。そのような粒子としては、例えばシリカ粒子やケイ酸塩粒子(ケイ酸ガラス粒子等)などが挙げられる。シリカ粒子は、チタニア粒子内の細孔を形成するために用いられるものであり、粒径としては、7〜500nmが好ましく、20〜300nmがより好ましく、30〜200nmが更に好ましい。シリカ粒子には親水性のものと疎水性のものとがあり、どちらを採用してもよいが、親水性のものが好ましい。シリカ粒子としては、例えば日本触媒製のシーホスター(登録商標)KE−S10、KE−P10、日本アエロジル製の商品名NAX−50などが挙げられる。可溶性粒子の使用量は、チタン(IV)アルコキシドに対して重量比で2〜50%であることが好ましく、5〜40%であることがより好ましい。
チタン(IV)アルコキシドとしては、例えばチタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)n−ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)sec−ブトキシド、チタン(IV)tert−ブトキシドなどが挙げられる。このうち、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)イソプロポキシドが好ましい。
キレート剤としては、チタンイオンに配位可能で且つ加水分解したあと脱炭酸するものが好ましく、例えばβ−ケトエステルなどが挙げられる。β−ケトエステルとしては、例えばアセト酢酸エチルなどのアセト酢酸アルキルなどが挙げられる。キレート剤の使用量は、チタン(IV)アルコキシドに対してモル比で0.1〜2.0であることが好ましく、0.5〜1.5であることがより好ましい。
ポロゲンとは、一次細孔を形成するための添加物質であり、ゾル−ゲル反応における相分離を誘起させることから相分離剤とも呼ばれる。一般的にスピノーダル分解を生じさせるポロゲンとしては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類などを挙げることができる。本実施形態の多孔質ルチル型チタニア粒子の形成に対しては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングルコールが好ましく、分子量としては400以上500000以下が好ましく、1000以上100000以下がより好ましい。ポリアルキレングルコールは分子量の多寡によってポリアルキレンオキシドと称されることもあるが、本明細書ではこれらを総称としてポリアルキレングリコールと呼ぶこととする。ポロゲンの分子量と添加量を調整することにより、粒子径を制御することができる。ポロゲンは一種類だけでなく複数種類を併用してもよい。ポロゲンの使用量は、チタン(IV)アルコキシドに対して重量比で1〜300%であることが好ましく、5〜200%であることがより好ましく、10〜140%であることが更に好ましい。
無機塩としては、強酸の共役塩基を含む塩が好ましい。強酸の共役塩基としては、例えば硝酸イオン、ハロゲンイオンなどが挙げられる。こうした無機塩としては、例えば硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムなどが挙げられる。なお、強酸の共役塩基は、チタン原子が求核反応に曝されるのを防止するブロック剤として機能する。無機塩の使用量は、チタン(IV)アルコキシドに対してモル比で 0.005〜0.5であることが好ましく、0.01〜0.3であることがより好ましい。
ゲル化は、例えばキレート剤とポロゲンとチタン(IV)アルコキシドとを溶媒に溶解した混合溶液に可溶性粒子を分散させた分散液に、無機塩の水溶液を滴下混合し、攪拌下にゲル化させる。その後、適宜な時間放置することによりゲル化を完了させる。攪拌するのは反応系を均質にするためである。溶媒としては、特に限定するものではないが、例えばアルコール系溶媒、エステル系溶媒、グリコール系溶媒などが挙げられる。可溶性粒子を分散させた分散液に無機塩の水溶液を滴下すると、可溶性粒子が分散したチタニアゾルが得られる。滴下するときの分散液の温度やチタニアゾルを放置するときのチタニアゾルの温度は、適宜設定すればよく、例えば室温でもよいし、30〜80℃に加温してもよい。チタニアゾルがゲル化すると、相分離が生じて固液が分離して三次元網目構造を形成するチタニア骨格(固相)と網目部分(液相)になり、更に網目が大きくなって個々のチタニア粒子に分離すると考えられる。このとき、チタニア粒子の表面には、可溶性粒子が付着した状態になっている。すなわち、1つの可溶性粒子をみたとき、一部がチタニア粒子の表面に埋まり、残りがチタニア粒子の表面に露出した状態になっている。可溶性粒子に使用するシリカなどは微細なため凝集しやすいので、単一粒子ではなく凝集体の一部がチタニア粒子の表面に埋まった状態になることがある。攪拌方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、撹拌子(マグネティックスターラーバーなど)を用いる方式のほか、撹拌羽根を用いる方式や振動を用いる方式などが挙げられる。
・工程a2:キレート剤除去工程
得られたゲルからキレート剤を除去する。キレート剤としてβ−ケトエステルを用いた場合には、アルコール−水混合液を用いてキレート剤を除去する。この工程では、β−ケトエステルが加水分解したあと脱炭酸が起こるためガスが発生する。そのため、この工程は、容器を密閉せず開放した状態で行うことが好ましい。なお、得られたゲルを直ちに水に浸漬すると、キレート剤の分解による炭酸ガスが急激に発生してクラックが生じるため好ましくない。キレート剤を除去することにより、得られたゲルのチタニアはアモルファスから結晶(例えばアナターゼ型結晶)に変化すると考えられる。
・工程a3:焼成工程及び可溶性粒子除去工程
キレート剤を除去した後のゲルを所定の焼成温度で焼成したあと所定の液体に浸漬し、可溶性粒子を所定の液体に溶解させることにより、多孔質チタニア粒子を得る。焼成温度は400℃以上1200℃以下の範囲で設定するのが好ましい。この温度範囲であれば、ゲル内に残存していた有機化合物(例えばキレート剤)はほとんど焼失する。焼成時、可溶性粒子はチタニア粒子同士の焼結を防ぐ役割を果たすと推定される。焼成温度が400℃以上600℃以下ではアナターゼ型を主成分とする多孔質チタニア粒子が得られ、600℃より高くなるとルチル型の多孔質チタニア粒子が増えてきて、900℃以上1200℃以下ではルチル型を主成分とする多孔質チタニア粒子が得られる。焼成時、可溶性粒子が粒径拡大を阻害するため、アナターゼ型であってもルチル型であってもチタニア粒子に細孔が残存するものと推定される。焼成後、可溶性粒子を所定の液体に溶解させて除去することにより、チタニア粒子の表面に付着していた可溶性粒子が溶解してチタニア粒子の表面にピットが形成される。このピットが最終的に多孔質チタニア粒子の細孔になる。そのため、可溶性粒子の粒径を調整することにより細孔の孔径を制御することができる。また、可溶性粒子の添加量を調整することにより細孔のトータルの体積を制御することができる。
本実施形態の多孔質チタニア粒子の製法によれば、結晶型にかかわらず、平均粒径が0.05μm以上30μm以下(好ましくは0.1μm以上30μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下)で、窒素吸着法で測定した細孔分布におけるピークが30nm以上200nm以下の範囲にある多孔質チタニア粒子を得ることができる。この製法によれば、比表面積が1m2/g以上(好ましくは10m2/g以上)の多孔質チタニア粒子や細孔容積が0.01cm3/g以上(好ましくは0.05cm3/g以上)の多孔質チタニア粒子を得ることができる。特に、こうした多孔質ルチル型チタニア粒子は、これまでに知られていない。ルチル型は、アナターゼ型に比べて光触媒機能が低いため、生体への影響が少ない。そのため、この多孔質ルチル型チタニア粒子は、例えば有効成分を孔に担持して皮膚に適用する化粧品等への利用が期待される。
多孔質チタニア粒子は、光触媒やクロマトグラフィなどの分野に利用可能である。具体的には、チタニア粒子の表面の−OH基と生体物質Aの表面の官能基(例えば−NH2基や−COOH基)の両方に反応する官能基を併せ持つ表面改質剤でチタニア粒子を処理することにより、チタニア粒子と生体物質Aとを結合させる。例としては、チタニア粒子の−OH基にアミノプロピルトリエトキシシランを修飾することでProtein Aを固定して抗体分離精製用クロマトグラフィ担体として利用できる。こうすることで、バイオ医薬品プロセスにおける精製工程で利用することが期待される。例えば、まず、動物細胞とウイルスと水と栄養分とを培養容器に入れてウイルスを培養することによりタンパク質(医薬)を生成させる。次に、遠心分離やMF膜分離(MFはMicrofiltrationの略)を用いて培養液から細胞を除去し、細胞除去後の培養液をチタニア多孔体10を担体とするカラムに通して不純物を除去する。その後、ウイルスを除去することにより目的とするタンパク質を取り出す。こうすれば、バイオ医薬品を高純度で得ることができる。他の分野として、光触媒デバイス、色素増感型太陽電池、燃料電池用材料、リチウムイオン電池用材料、遮熱用顔料、白色顔料、UVカット顔料、エタノール改質触媒用担体、吸音材、水素キャリア吸蔵材料、多孔質エレクトロクロミック電極、フレキシブル有機EL照明用光散乱体、酸化チタン被覆医療機器、培養担体、抗菌マスク、水や空気の浄化フィルター等の用途でも使用することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
[実験例1−4]
以下のようにして多孔質ルチル型チタニア粒子を作製した。
・ゲル化工程
7号サンプル管にチタン(IV)プロポキシド(アルドリッチ製)5.04g、アセト酢酸エチル(東京化成製)2.58g、1−プロパノール(東京化成製)2.01gを秤量後、撹拌して均一な混合溶液とした。その混合溶液に可溶性粒子として親水性シリカ粒子(日本触媒製、シーホスター(登録商標)KE−P10、粒径約100nm)を0.756g(15wt%/チタン(IV)プロポキシド)を加えてスターラーで均一になるまで撹拌した。次に、その混合溶液に平均分子量2000のポリエチレングリコール(PEG2000,アルドリッチ製)3.0gを入れて60℃下で溶解させた後、液温を40℃まで下げた。次に、スターラーで十分に撹拌しながら1Mの硝酸アンモニウム水溶液1mLを少しずつ3分間かけて滴下した。途中でチタニア粒子が析出したが、そのまま滴下と攪拌を続けた。ゲル化で析出した粒子を含む重合液の入ったスクリュー管瓶からスターラーの撹拌子を取り出した後、ふたをして40℃の恒温槽中に24時間静置して、ゲル化反応を完遂させた。
・キレート剤除去工程及び重合工程
ゲル化を終了した容器に、エチルアルコール:水(質量比)が1:1の溶液を容器一杯に入れ、常温で6時間静置した後にその溶液を廃棄した。続いて、水を容器一杯に入れ、常温で18時間浸漬した。この工程では、キレート剤であるアセト酢酸エチルが加水分解されてアセト酢酸になり、そのアセト酢酸が速やかに脱炭酸してアセトンと炭酸ガスが生成した。続いて、キレート剤を除去した後のゲルから水を留去した後、80℃で16時間加熱することによりゲルを乾燥させた。
・焼成工程及びシリカ粒子除去工程
十分に乾燥したゲルを3gずつ4つ分取し、それぞれ異なる焼成温度(500℃、800℃、1000℃、1100℃)まで毎分1℃の昇温速度で昇温した後、その温度で2時間保持して焼成した。各焼成生成物を1Mの水酸化ナトリウム水溶液60mLに入れ、室温で24時間静置後に水溶液を廃棄し、その後イオン交換水で数回洗浄し、更に100℃で真空乾燥を24時間行った。これにより、4つのチタニア粒子を得た。4つのチタニア粒子のうち、500℃で焼成したものを実験例1、800℃で焼成したものを実験例2、1000℃で焼成したものを実験例3、1100℃で焼成したものを実験例4とした。実験例1〜4のチタニア粒子の平均粒径(SEM法)、比表面積(BET法)、細孔容積(BET法)、空隙率、細孔分布におけるピーク(BET法)及びチタニアの結晶型の割合を表1に示す。細孔容積(cm3/g)は、2.5nmから200nmまでの範囲でBET法比表面積測定により求めた。空隙率(%)は、細孔容積(cm3/g)を二酸化チタンの比重を4として換算して得られた値である。また、チタニア粒子の結晶型の割合は、XRD(RIR法)により求めた。
表1から、実験例1−4のチタニア粒子はいずれも多孔質であることがわかった。また、500℃で焼成したチタニア粒子の結晶型は100%アナターゼ型であったが、焼成温度が高くなるとルチル型が現れ、1000℃や1100℃で焼成した多孔質チタニア粒子の結晶型は100%ルチル型であった。
[実験例5−11]
実験例5,6では、PEG2000の使用量をそれぞれ2.0g、7.0gとした以外は、実験例2と同様にしてチタニア粒子を製造した。実験例7,8では、PEG2000を3.0g使用する代わりに、平均分子量10000のポリエチレングリコール(PEG10000)をそれぞれ0.5g、1.0g使用した以外は、実験例2と同様にしてチタニア粒子を製造した。実験例9,10では、親水性シリカ粒子の使用量をそれぞれ1.26g、1.76gとした以外は、実験例2と同様にしてチタニア粒子を製造した。実験例11では、親水性シリカ粒子の使用量を1.26g、焼成温度を1000℃とした以外は、実験例2と同様にしてチタニア粒子を製造した。得られたチタニア粒子の特性を表1にまとめた。表1から、実験例5−11のチタニア粒子はいずれも多孔質であることがわかった。代表例として実験例8の多孔質チタニア粒子のSEM写真を図1に示す。
[実験例12]
親水性シリカ粒子を使用しなかった以外は、実験例2と同様にしてチタニア粒子を製造した。このチタニア粒子の特性を表1にまとめた。実験例12のチタニア粒子は、比表面積及び細孔容積が実質ゼロのため、多孔質とはいえないと判断した。また、シリカ粒子を用いない場合には、シリカ粒子を用いた場合に比べてルチル化が早く進み、800℃でもルチル型100%になった。換言すれば、実験例1〜11のように焼成時にシリカ粒子が存在していると、シリカ粒子がルチル化を阻害するともいえる。
上述した実験例1〜12のうち、実験例1〜11が本発明の実施例に相当し、実験例12が比較例に相当する。なお、上述した実施例は本発明を何ら限定するものでないことは言うまでもない。

Claims (6)

  1. (a1)所定の液体に溶解する可溶性粒子と、チタン(IV)アルコキシドと、キレート剤と、ポロゲンと、無機塩とを含み、前記可溶性粒子が分散した分散液を攪拌下にゲル化する工程と、
    (a2)得られたゲルから前記キレート剤を除去する工程と、
    (a3)前記キレート剤を除去した後のゲルを所定の焼成温度で焼成したあと前記所定の液体に浸漬し、前記可溶性粒子を前記所定の液体に溶解させることにより、多孔質チタニア粒子を得る工程と、
    を含む多孔質チタニア粒子の製法。
  2. 前記所定の液体は、アルカリ溶液であり、
    前記可溶性粒子は、シリカ粒子又はケイ酸塩粒子である、
    請求項1に記載の多孔質チタニア粒子の製法。
  3. 前記所定の焼成温度は、400℃以上1200℃以下である、
    請求項1又は2に記載の多孔質チタニア粒子の製法。
  4. 前記多孔質チタニア粒子は、平均粒径が0.05μm以上30μm以下で、窒素吸着法で測定した細孔分布におけるピークが30nm以上200nm以下の範囲にある、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質チタニア粒子の製法。
  5. 比表面積が1m2/g以上である、
    請求項4に記載の多孔質チタニア粒子の製法。
  6. 細孔容積が0.01cm3/g以上である、
    請求項4又は5に記載の多孔質チタニア粒子の製法。
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