JP2020117268A - 蓋体およびそれを用いた加圧製品 - Google Patents

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信也 菅原
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公雄 片岡
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英俊 宮本
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Abstract

【課題】加圧剤が充填された合成樹脂製の容器本体に、溶着により確実に固着し密封できる蓋体を提供する。【解決手段】合成樹脂製の容器本体16の開口部に溶着される合成樹脂製の蓋体15であって、蓋体15は、開口部を形作る縁部に溶着されるフランジ15bを備えており、フランジ15bの透過率が30%以上である。容器本体16が、外部容器13と内部容器14とからなり、外部容器13の開口部を形作る縁部が内部容器14の開口部を形作る縁部よりも低い位置にあり、フランジ15bが、内部容器14の開口部を形作る縁部に当接する環状円板部17と、外部容器13の開口部を形作る縁部に当接する外筒部17aとを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、容器本体の開口部に溶着される蓋体およびそれを用いた加圧製品に関する。
特許文献1には、合成樹脂製の容器の口部に、合成樹脂製のマウンティングカップを超音波などによって溶着するエアゾール容器の製造方法が開示されている。特許文献2には、ポリマー製の外側容器と、ポリマー製の弁カップとを備えており、外側容器内に噴射剤を充填した後で弁カップを外側容器に溶着するエアゾールディスペンサの製造方法が開示されている。
特公昭63−5149号公報 特許第5809352号
マウンティングカップ、弁カップなどの蓋体には、噴射剤による圧力が加わる。また、蓋体は内容物の漏れを防止するシールの役割を担うことから、強固に且つ全周に亘って途切れなく溶着させる必要がある。しかし、蓋体と容器とを溶着していると、同じ材料を使用しているにもかかわらず、十分に溶着させることができないものが一部生じることが分かった。
検討の結果、合成樹脂製の容器本体と、合成樹脂製の蓋体との溶着において、溶着箇所の透過率と溶着のしやすさとに関連があることを見出した。特に、透過率がある所定の値であれば、圧力に抗する溶着力とシール性とを得られることが分かった。なお、本発明でいう透過率とは視感透過率のことをいう。
そこで本発明の蓋体は、合成樹脂製の容器本体の開口部に溶着される合成樹脂製の蓋体であって、蓋体は、開口部を形作る縁部と溶着されるフランジを備えており、フランジの透過率が30%以上であることを特徴としている。
また、容器本体が、外部容器と内部容器とからなる二重容器であり、外部容器の開口部を形作る縁部が内部容器の開口部を形作る縁部よりも低い位置にあり、フランジが、内部容器の開口部を形作る縁部に当接する環状円板部と、外部容器の開口部を形作る縁部に当接する外筒部とを備えていることが好ましい。また、内部容器に挿入される内筒部を備えていることが好ましい。フランジの溶着面(下面)の透過率が他の部位より低いことが好ましい。具体的には、フランジの溶着面が他の部位に比べて粗面とされていることが好ましい。
本発明の蓋体は、溶着箇所となるフランジの透過率が30%以上とされているため、容器本体に蓋体を溶着することで高い溶着力とシール性とを得ることができる。
また、容器本体が、外部容器と内部容器とからなる二重容器であり、外部容器の開口部を形作る縁部が内部容器の開口部を形作る縁部よりも低い位置にあり、フランジが、内部容器の開口部を形作る縁部に当接する環状円板部と、外部容器の開口部を形作る縁部に当接する外筒部とを備えていれば、1回の溶着工程で外部容器と内部容器の両方の密封することができる。また、外筒部の高さを調整することで、蓋体と内部容器、蓋体と外部容器の順で溶着し密封することができる。また、蓋体を容器本体に被せると、外筒部が内部容器の開口部に外嵌するため、溶着時における蓋体のずれを抑制することができる。蓋体が、内部容器に挿入される内筒部を備えていれば、溶着時の蓋体のずれをより抑制することができる。フランジの溶着面の透過率が他の部位よりも低い場合は、溶着が確実になされるとフランジの透過率が高くなりその変化量が大きいため、判別がしやすい。フランジの溶着面が他の部位に比べて粗面とされていると超音波振動が加わっても位置ずれが抑制されて溶着しやすくなる。また溶着が確実になされるとフランジの透過率が高くなりその変化量が大きいため、判別がしやすい。
図1Aが吐出装置を示す断面図、図1Bはその吐出装置に用いられる容器本体を示す断面図である。 蓋体と容器本体の要部断面図である。 図1Aの吐出装置の開封後を示す要部断面図である。 図4Aは、下面側に濁り部を設けた蓋体の溶着前後での変化を示す断面図、図4Bは、下面側に濁り部を設けた蓋体の溶着前後での変化を示す平面図である。 図5Aは、溶着面に濁り部を設けた蓋体の溶着前後での変化を示す断面図、図5Bは、溶着面に濁り部を設けた蓋体の溶着前後での変化を示す平面図である。 図6Aは、図1Aと異なる加圧製品を示す要部断面図、図6Bは、図1Aと異なる吐出装置を示す要部断面図である。
図1Aに示す吐出装置10は、二重加圧容器11と、吐出部材12と、二重加圧容器11に充填された原液Cおよび加圧剤Pとからなる。二重加圧容器11に原液Cと加圧剤Pを充填したものが加圧製品11aである。加圧製品11aと吐出部材12は組み立て前のセット品として、あるいは半分組み立てた未開封の状態で販売される。加圧製品11aは吐出部材12と共に販売されるほか、交換用として単独でも販売される。吐出部材12についても単独で販売されることがある。
二重加圧容器11は、外部容器13と、その内部に収容されている可撓性を有する内部容器14と、外部容器13と内部容器14を封止する蓋体15とからなる。バルブやポンプは備えていない。外部容器13と内部容器14を組み合わせたものは容器本体16である。内部容器14の内部は原液Cを充填する原液収容室Scであり、外部容器13と内部容器14の隙間の空間は加圧剤Pを充填する加圧剤収容室Spである。なお、外部容器の容量は30〜500mlであることが好ましい。内部容器(原液収容室Sc)14の容量は20〜300ml程度が好ましい。加圧剤収容室Spの容量は10〜200ml程度が好ましい。外部容器13と内部容器14とは蓋体15によって封止されている。すなわちこの実施形態では、二重加圧容器11に原液Cと噴射剤Pを分離して収容し、原液Cのみ吐出するようにしている。それにより圧縮ガスなどの加圧剤Pの漏出を防止できる。しかし図6Aのように、内部容器14を用いず、容器本体16に加圧剤Pと原液Cとを混合して充填するようにしてもよい。その場合は原液Cと加圧剤Pが内容物となる。
図1Bに示すように、外部容器13は底部13aと、円筒状の胴部13bと、肩部13cと、円筒状の首部13dとからなる。首部13dの外周には雄ねじ13eが形成されている。首部13dの上端は開口している。すなわち、首部13dの上端面13fが、外部容器13の開口部を形作る縁部となる。内部容器14を設けない場合は、首部13dの上端面13fが容器本体16の開口部を形作る縁部となる。この首部13dの上端面13fは蓋体15を固着できるように略平坦にしている。
図2に示すように、外部容器13の首部13dの上端面13fには、超音波溶着のときに蓋体15との当接圧を高くして溶解しやすくし、蓋体と一体にするための溶着部をつくる環状突起13gが形成されている。蓋体15側に環状突起を設けてもよく、両方に設けてもよい。そして上端面13fの内部側または外部側には傾斜部13hが複数個設けられており、超音波溶着のときに溶けた樹脂が冷やされてできた樹脂片がはみ出ないように収容するための空間となる。外部容器13の首部13dの外周に、搬送時に吊り持ちする環状のサポート部13d1が設けられている。
図1Bに戻って、内部容器14も外部容器13と同様に、底部14a、胴部14b、肩部14cおよび首部14dからなる。首部14dの上端は開口している。すなわち、首部14dの上端面14eが、内部容器14の開口部を形作る縁部となる。内部容器14の首部14dの外面は外部容器13の首部13dの内面との間にわずかに隙間を有している。内部容器14の首部14dの内面は滑らかな円筒面である。内部容器14の底部14aは外部容器13の底部13aと当接しており、加圧剤Pを充填するときや蓋体15を固着するときなど、内部容器14が下がらないように支持される。
図2に示すように、内部容器14の首部14dの上端面14eは外部容器13の上端面13fより突出しており、その突出している部位に外部容器13の上端面13fと係合するフランジ14fが形成されている。なお、フランジ14fの上端面も、内部容器14の開口部を形作る縁部の一部である。フランジ14fの厚さ(半径方向の寸法)は、外部容器13の首部13dの厚さの1/3〜1/2程度である。そのため、フランジ14fを外部容器13の首部13dの上端面13fに係合させたとき、外部容器13の首部13dの上端面13fは外側の部分が覆われずに残る。前記外部容器13の上端の環状突起13gは、その外側の部分に設けられている。内部容器14の首部14dの上端面14eにも、超音波溶着のときに蓋体15との当接圧を高くして溶解しやすくし、蓋体と一体にするための溶着部をつくる環状突起14gが形成されている。
内部容器14のフランジ14fの下面には、半径方向に延びる加圧剤充填用の横溝14hが形成されている。横溝14hは等間隔で4ヵ所に設けられている。さらに内部容器14の首部14dの外周面には、その横溝14hと連通する縦溝14iが形成されている。縦溝14iは横溝14hから肩部14cの上端まで延びており、加圧剤Pを加圧剤収容室Sp内に充填しやすくする。
外部容器13および内部容器14はいずれも合成樹脂製、具体的には熱可塑性樹脂製、さらに具体的には結晶性樹脂製、より具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのいずれかからなる。外部容器13と内部容器14とで同じ材料を用いることが好ましい。これらは、たとえば外部容器用のプリフォームの中に内部容器用のプリフォームを入れ、首部13d、14dの下端より下側を同時にブロー成形することにより製造することができる。とくに所定形状のプリフォームをインジェクション成形し、ついでブロー成形するインジェクション・ブロー成形法が好ましい。
蓋体15の材料は、外部容器13や内部容器14との熱接合性が高い熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には結晶性樹脂が用いられる。さらに具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのいずれかが用いられる。外部容器13や内部容器14と同じ材料を用いることが好ましい。蓋体15は、押出成形又は射出成形によって製造される。
前記蓋体15は図2に示すように、内部容器14の首部14d内に挿入される有底筒状の封止部15aと、その上端に連続する環状のフランジ15bとからなる。封止部15aの外周面は、内部容器14の首部14dの内面との間で、蓋体15を内部容器の首部14dに装着する際に内部容器14内の空気を排出することができ、かつ、内部容器14内の原液Cを液封できる嵌合状態であることが好ましい。封止部15aは、上部の内筒部15a2と、下部の嵌合筒部15a1とを備えている。内筒部15a2の外径は、内部容器14の首部14dの内径と略等しい。嵌合筒部15a1の外径は内筒部15a2の外径より小とされている。封止部15aの底部、すなわち嵌合筒部15a1の底部15cには、周囲に比して厚肉にされた受圧部15d1を備えた被開封部15dが設けられている。被開封部15dは通常は平面視円形である。ただし矩形など、他の形状を採用することもできる。
被開封部15dの周囲は、一部(連続部)15eを除き、環状溝などの弱め線15fで囲まれている。前記受圧部15d1は被開封部15dの上面全体に設けられ、弱め線15fは受圧部15d1の周囲を囲むように、底部15cの上面に形成されている。この弱め線15fは未開封では充分なシール機能があり、かつ、容易に破断できる形状とする。たとえばV溝からなる。被開封部15dの連続部15eには、補強部(補強リブ)15gが半径方向外向きに延びるように設けられている。補強部15gは、被開封部15dが弱め線15fに沿って破断されたとき、被開封部15が容器内に落ちないように被開封部15dと底部15cとの連結を維持するためのものである。補強部15gの高さは吐出部材12の開封部27と被開封部15dの受圧部15d1との当接を妨げないように受圧部15d1と同じか、それより低くする。封止部15aや被開封部15dは、成形時の冷却条件などで部分的に硬くし、開封時の延伸を抑制し、破断しやすくしてもよい。
嵌合筒部15a1の底部15cを嵌合筒部15a1の下端より少し上に設けているのは、底部15cの剛性を高めて弱め線15fの破断を容易にするためである。嵌合筒部15a1の径を内筒部15a2の径より小さくしているのは、嵌合筒部15a1の内面の成形精度を高めるためと、吐出部材12のシール部材28で囲まれる内圧を受ける面積を小さくして蓋体15に加わる上向きの力を弱くするためである。さらに下向きに突出するバルブ保持部18aを収容するスペースを確保するためである。嵌合筒部15a1の下端は円筒状でもよいが、下端と底部15cの間に気体が溜まらないように溝を設けてもよく、また、原液Cの吐出後、内部容器14がしぼむときに、内部容器14を貫通して加圧剤を排出するためのスパイクを設けてもよい。
嵌合筒部15a1の内周面は、被開封部15dを開封する際にバルブ21のシール部材28と密接して原液Cが漏出しないように滑らかな円筒面にすることが好ましい(図3参照)。下に向かって縮径されるテーパー状としてもよい。
蓋体15のフランジ15bは、封止部15aの上端から半径方向外向きに拡がる環状円板部17と、その環状円板部17の外縁から下向きに延びる外筒部17aとからなる。環状円板部17の下面は内部容器14の首部14dの上端面14eと当接して溶着部を形成してシールする部位(溶着面)で、外筒部17aの下面は外部容器13の首部13dの上端面13fと当接して溶着部を形成してシールする部位(溶着面)である。
フランジ15bの厚み(上下方向の長さ)は、環状円板部17が1〜4mm、好ましくは1.5〜3mm、外筒部17aが2〜8mm、好ましくは3〜7mmとされている。そして、厚さが2mmのときにおけるフランジ15bの透過率が30%以上、特に40%以上とされている。透過率は、JIS−Z−8722定義の拡散照明垂直受光方式に準拠して設計されている色彩色差計(CR−200、ミノルタ(株)製)を用いて反射物体色を測定し、XYZ表色系における三刺激値のY(視感透過率)を採用した。試験体(フランジ)は無着色のものを使用した。透過率に関わる主たる要因は、結晶による白濁である。
上記構成の蓋体15は、以下に示す加圧製品11aの製造過程で容器本体16に溶着される。加圧製品11aの製造にあたっては、まず、原液収容室Scに原液Cを充填する。原液Cとしては、洗顔剤、洗浄剤、入浴剤、保湿剤、クレンジング剤、日焼け止め、化粧水、シェービング剤、脱毛剤、制汗剤、殺菌消毒剤、害虫忌避剤などの皮膚用品、トリートメント剤、スタイリング剤、染毛剤などの頭髪用品などの人体用品、ホイップクリーム、オリーブオイルなどの食品、消臭剤、芳香剤、殺虫剤、防虫剤、花粉除去剤、殺菌剤などの家庭用品、潤滑剤などの工業用品などである。但し、これらの用途に限られるわけではない。
次に、内部容器14に蓋体15を装着する。内部容器14に蓋体15を装着することで、封止部15a(具体的には内筒部15a2)の外周面と、内部容器14の首部14dの内面とが密着し、内部容器14内の原液Cが液封される。この際、原液Cと被開封部15dの内面側とを接触させるのが好ましい。それにより蓋体15と容器本体16との溶着時に被開封部15dが原液Cで冷やされ、被開封部15dが熱で溶ける問題を解消できる。
次に、加圧剤収容室Spである外部容器13と内部容器14との間に加圧剤Pを充填する。充填は、外筒部17aの下端面と外部容器13の上端面13fとの間から横溝14hと縦溝14iとを介して行われる。加圧剤Pとしては窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガスなどの圧縮ガスが好ましい。加圧剤により二重加圧容器内の圧力を0.1〜0.5MPa(25℃、ゲージ圧)、とくに炭酸飲料と同程度の圧力0.3〜0.5MPa(25℃、ゲージ圧)にするのが好ましい。
その後、溶着ホーン(図示しない)を蓋体15の上面(環状円板部17の上面)に押し当て、超音波発振子からの超音波振動を蓋体15に加えることで、超音波振動が環状円板部17や外筒部17aを介して内部容器14の上端面や外部容器13の上端面に伝わり、それぞれの接点で溶着される。
本発明の蓋体15は、容器本体16と溶着されるフランジ15bの透過率が30%以上であるため、ホーンから発せられた振動エネルギーが蓋体15内(上面から下面)を伝わりやすく、容器本体16に加圧剤Pを充填し、加圧剤Pの圧力により蓋体15に上方への力が加わっている状態で溶着を行っても、確実に容器本体16に溶着させることができる。また、環状円板部17に加えて、環状円板部17から下方に延びる外筒部17aを備えているため、1回の溶着工程で、直径と高さ方向の位置が異なる環状の溶着部を2つ形成することができる。すなわち、環状円板部17の下面と内部容器14の首部14dの上端面との間、外筒部17aの下面と外部容器13の首部13dの上端面との間に溶着部を形成することができ、原液Cと加圧剤Pをそれぞれ密封することができる。また、外筒部17aが内部容器14の首部14dに外嵌し、内筒部15a2が内嵌するため、環状円板部17の上端面から蓋体15を下方に押圧しながら超音波振動を加えたときに蓋体15が水平方向にずれることがなく、蓋体15を内部容器14の上端面と外部容器13の上端面に正確に溶着することができる。なお、蓋体15は溶着部となるフランジ15bの透過率が30%以上であればよく、蓋体全体が同じ透過率でもよい。
[比較試験]
以下に、フランジ15bの透過率の違いによる溶着力の違いを示す。図6に示す形状の蓋体を成形し、成形時の冷却条件を調整して透過率が異なる蓋体を作製した。なお蓋体はポリエチレンテレフタレート製、フランジ15bの厚さは2mmである。これらの蓋体を図6に示す容器本体の開口部に超音波溶着した。容器本体の胴部に孔を開け、孔から水圧をかけたときの蓋体の剥がれる圧力を測定した。実施例1は透過率が85%のもの、実施例2は透過率が70%のもの、実施例3は透過率が40%のもの、実施例4は透過率が30%のもの、比較例1は透過率が25%のものである。なお、透過率は、ミノルタ社製の色彩色差計CR−200を用いて測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2020117268
このように、加圧製品内の圧力(0.1〜0.5MPa)および安全設計(圧力の1.8倍で破壊されない)の点から、フランジ15bの透過率が30%以上、特に40%以上であれば、安全な溶着力が得られることが分かる。
ところで、蓋体15を容器本体16に溶着すると、蓋体15の溶着部分の透過率(透明度)が増す。これは、蓋体15の表面にある凹凸が溶着によって平滑化されるため、または結晶化により白濁した部分が溶解しさらに急冷によって再結晶化が抑制されるためである。そこで、少なくともフランジ15bの透過率が30%未満とならない範囲において、図4Aに示すように、蓋体15の下面側全体に濁り部Mを設けても良い。また、図5Aに示すように、溶着面となるフランジ15bの環状円板部17の下面および外筒部17aの下面にのみ濁り部Mを設けても良い。
図4、図5の左側は溶着前を、右側は溶着後を示したものであるが、溶着後は、溶着面となるフランジの下面(環状円板部17の下面および外筒部17aの下面)に設けた濁り部Mが無くなる、もしくは薄くなるため、溶着面とならない内側の部分と透明度を比較することで、溶着が確実になされたということをカメラなどで簡単に把握することができる。なお、図において、環状円板部17と外筒部17aの濁りの程度を同じとしているが、実際は、環状円板部17の方が外筒部17aの厚みよりも薄いため、溶着後においても、環状円板部17の方が外筒部17aよりも透明度が高い。そのため、溶着前に透明度の差を把握しておけば、内部容器14との溶着と、外部容器13との溶着とを個別に確認することもできる。すなわち、透明度の差が大きくなればいずれか一方のみの溶着が完了したことを確認でき、透明度の差に変化がなくなれば双方の溶着が完了したことを確認することができる。また、蓋体全体を透明な状態で成形しておき、濁り部Mで透過率が30%未満とならない範囲にすることで、より溶着しやすく、識別しやすくなる。
濁り部Mは、粗面にすることで形成することができる。例えば、蓋体15の金型の磨きを粗くすることで簡単に濁り部Mを形成することができる。濁り部Mが粗面であれば溶着面が溶け易くなるため、溶着に必要なエネルギーを小さくすることができる。また、再結晶化させることで濁り部Mを形成しても良い。例えば、蓋体15を成形後に再度、下面を加熱しゆっくりと冷却すれば再結晶化が生じて濁り部Mが形成される。
図6Aは、内部容器を有しない加圧製品11a1を示している。原液Cと加圧剤Pとが同じ空間(容器本体16内)に充填されており、容器本体16の下方に溜まる原液Cを吐出するためのディップチューブ30を備えている。このディップチューブ30は、蓋体15Aの下端から、被開封部15dを囲むようにして設けられた筒状の装着部15hに内挿されている。蓋体15Aのフランジ15bは外筒部を備えておらず、その下面は略平坦であって略全体が容器本体16との溶着面となっている。他の構成については、図1Aに示す加圧製品11aと同様であるため、同符号を付し詳細な説明は省略する。
上記構成の加圧製品11a、11a1は、吐出部材12を取り付けることで吐出装置10、10Aとなり使用可能となる。すなわち、吐出部材12が、図1Aに示すように、外部容器13の首部13dの雄ねじ13eと螺合するキャップ(装着部)20と、そのキャップ20によって保持されるバルブ21と、バルブ21のステム22に装着される操作ボタン(操作部、アクチュエータ)23と、バルブ21を保持するバルブホルダ18とからなり、図3および図6Bに示すように、キャップ20を加圧製品11a、11a1に螺合すると、バルブ21の下端に設けられた開封部27が蓋体15の被開封部15dを突き破り、バルブ21と原液収容室Scとが連通するようになっている。この状態で、操作ボタン23を押し込めば、原液Cが吐出される。なお、バルブ21は、ステム22と、ステム22を上向きに付勢するバネと、ステム内通路を、操作ボタン23の押し込み時には開放し、非押し込み時には閉塞するステムラバーと、これらステム、バネ、ステムラバーを収容するハウジング24とからなる公知の基本構造を有している。図1Aに示すように、ハウジング24は、バルブホルダ18のバルブ保持部18aを介してキャップ20に取り付けられている。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内で種々の変形を行うことができる。例えば、蓋体15を着色しても良い。着色した場合、透過率が所定値(例えば30%)を下回ることも考えられるが、無着色の状態において透過率が所定値を上回れば良い。前記実施形態では、蓋体15は内部容器14と外部容器13の両方に溶着しているが、いずれか一方に固着し、他方とは単にOリングなどで封止(シール)するだけでもよい。また、前記実施形態では、内部容器14と外部容器13を同時にブロー成形して製造するとしているが、別々に製造し、その後、内部容器を外部容器の内部に収容するようにしてもよく、成形した外部容器の中で、内部容器をブロー成形してもよい。溶着方法としては、超音波溶着に限らず、レーザー溶着や高周波溶着を用いても良い。
10、10A 吐出装置
11 二重加圧容器
11a、11a1 加圧製品
12 吐出部材
C 原液
P 加圧剤
13 外部容器
13a 底部
13b 胴部
13c 肩部
13d 首部
13d1 サポート部
13e 雄ねじ
13f 首部の上端面
13g 環状突起
13h 傾斜部
14 内部容器
Sc 原液収容室
Sp 加圧剤収容室
14a 底部
14b 胴部
14c 肩部
14d 首部
14e 上端面
14f フランジ
14g 環状突起
14h 横溝
14i 縦溝
15 蓋体
15a 封止部
15a1 嵌合筒部
15a2 内筒部
15b フランジ
15c 底部
15d 被開封部
15d1 受圧部
15e 連続部
15f 弱め線
15g 補強部(補強リブ)
15h 装着部
16 容器本体
17 環状円板部
17a 外筒部
18 バルブホルダ
18a バルブ保持部
20 キャップ
21 バルブ
22 ステム
23 操作ボタン
24 ハウジング
27 開封部
28 シール部材
30 ディップチューブ
M 濁り部

Claims (6)

  1. 合成樹脂製の容器本体の開口部に溶着される合成樹脂製の蓋体であって、
    蓋体は、開口部を形作る縁部と溶着されるフランジを備えており、フランジの透過率が30%以上である、蓋体。
  2. 容器本体が外部容器と内部容器とからなり、外部容器の開口部を形作る縁部が内部容器の開口部を形作る縁部よりも低い位置にあり、
    フランジが、内部容器の開口部を形作る縁部に当接する環状円板部と、外部容器の開口部を形作る縁部に当接する外筒部とを備えている、請求項1記載の蓋体。
  3. 内部容器に挿入される内筒部を備えている、請求項1又は2記載の蓋体。
  4. フランジの溶着面の透過率が他の部位に比べて低い、請求項1〜3のいずれかに記載の蓋体。
  5. フランジの溶着面が他の部位に比べて粗面とされている、請求項4記載の蓋体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の蓋体と、容器本体と、容器本体に充填された原液及び加圧剤とからなる加圧製品。
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