最初に、本発明の実施の形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置は、電力消費に関する要請を対応の端末装置に通知してから前記要請に応じるか否かに関する応答を取得するまでの応答時間に基づいて分類された複数の負荷グループについて、前記要請の通知タイミングとして各前記負荷グループに異なる通知タイミングを設定する設定部と、前記設定部によって設定された前記通知タイミングに従って前記要請を前記端末装置に通知する通知部とを備える。
このような構成により、電力消費に関する要請を行う場合に、対象期間のどの程度前のタイミングで当該要請を行うべきかを負荷グループごとに適切に決定し、決定したタイミングにおいて当該要請を行うことができる。したがって、電力消費に関する要請を複数の要請先に対して行ってから当該要請に応じるか否かの応答を受けるまでの時間にばらつきがある環境において、電力消費に関する要請をより確実に満たすことができる。
(2)好ましくは、前記電力消費管理装置は、さらに、
前記負荷グループからの前記応答によって推定される内容に基づいて、他の前記負荷グループへの新たな前記要請の内容を決定する要請部を備える。
このような構成により、先に要請を行った負荷グループからの応答の内容を踏まえて、次に要請を行う負荷グループへの要請内容を決定することができるため、電力消費に関する全体的な要請をより確実に満たすことができる。
(3)好ましくは、前記設定部は、前記応答時間の小さい前記負荷グループと比べて、前記応答時間の大きい前記負荷グループに早い前記通知タイミングを設定する。
このような構成により、応答の遅い負荷グループに早めに要請を行うことができるため、たとえば、要請の対象期間の開始より前により多くの応答を取得することができる。
(4)好ましくは、前記設定部は、前記応答時間の大きい前記負荷グループと比べて、前記応答時間の小さい前記負荷グループに遅い前記通知タイミングを設定する。
このような構成により、応答の遅い負荷グループに早めに要請を行うことができるため、たとえば、要請の対象期間の開始より前により多くの応答を取得することができる。
(5)好ましくは、前記負荷グループは、前記応答時間および前記要請に応じた実績に基づいて分類される。
このような構成により、負荷グループをより適切に分類することができる。
(6)好ましくは、前記設定部は、前記実績の高い前記負荷グループと比べて、前記実績の低い負荷グループに早い前記通知タイミングを設定する。
このような構成により、たとえば、要請に応じる可能性が低い負荷グループからの応答の内容を確認した上で、要請に応じる可能性が高い負荷グループへの要請の内容を決定することができるため、電力消費に関する全体的な要請をより確実に満たすことができる。
(7)好ましくは、前記設定部は、前記実績の低い前記負荷グループと比べて、前記実績の高い負荷グループに遅い前記通知タイミングを設定する。
このような構成により、たとえば、要請に応じる可能性が低い負荷グループからの応答の内容を確認した上で、要請に応じる可能性が高い負荷グループへの要請の内容を決定することができるため、電力消費に関する全体的な要請をより確実に満たすことができる。
(8)好ましくは、前記負荷グループのメンバーは、電力需要家である。
このような構成により、電力需要家のグループごとに適切な通知タイミングを設定することができる。
(9)好ましくは、前記複数の負荷グループは、前記要請に対して自動で応答する自動応答グループと、前記要請に対して自動で応答しないグループとを含む。
このような構成により、たとえば、要請に対して自動で応答する装置を備える電力需要家と、当該装置を備えない電力需要家とが混在する環境において各電力需要家を適切に分類することができる。
(10)より好ましくは、前記設定部は、前記複数のグループのうち、前記自動応答グループに最も遅い前記通知タイミングを設定する。
このような構成により、たとえば、応答の早い自動応答グループより先に応答の遅い他の負荷グループに要請を行うことができるため、要請の対象期間の開始より前により多くの応答を取得することができる。
(11)より好ましくは、前記通知部は、前記電力消費に関する全体的な要請と前記自動応答グループ以外の前記負荷グループからの前記応答によって推定される内容との差分に基づく要請を前記自動応答グループに対応する端末装置に通知する。
このような構成により、たとえば、要請内容の実施および早い応答を期待しにくいが多数である他の負荷グループによって要請をある程度満たしておき、要請内容の確実な実施および早い応答を期待できるが少数である自動応答グループによって不足分を充足する優れた電力管理を行うことができる。また、自動応答グループへの要請を、全体的な要請を満たすための調整として活用することができる。
(12)より好ましくは、前記電力消費管理装置は、さらに、前記要請に応じることの対価を算出する対価算出部を備え、前記対価算出部は、他の前記負荷グループと比べて、前記自動応答グループの前記対価を高く算出する。
このような構成により、たとえば、要請に対して自動で応答する装置を導入するように、自動応答グループ以外のグループに属する電力需要家を促すことができる。
(13)好ましくは、前記電力消費管理装置は、さらに、機器または電力需要家を前記複数の負荷グループのいずれかに分類する分類部を備え、前記分類部は、前記応答時間が得られていない機器または電力需要家を、前記通知タイミングが最も早い前記負荷グループに分類する。
このような構成により、たとえば、過去に応答時間が得られていない機器または電力需要家からの応答を、要請の対象期間の開始までにより確実に取得することができる。
(14)本発明の実施の形態に係る電力消費管理プログラムは、電力消費管理装置において用いられる電力消費管理プログラムであって、コンピュータを、電力消費に関する要請を対応の端末装置に通知してから前記要請に応じるか否かに関する応答を取得するまでの応答時間に基づいて分類された複数の負荷グループについて、前記要請の通知タイミングとして各前記負荷グループに異なる通知タイミング設定する設定部と、前記設定部によって設定された前記通知タイミングに従って前記要請を前記端末装置に通知する通知部として機能させるためのプログラムである。
このような構成により、電力消費に関する要請を行う場合に、対象期間のどの程度前のタイミングで当該要請を行うべきかを負荷グループごとに適切に決定し、決定したタイミングにおいて当該要請を行うことができる。したがって、電力消費に関する要請を複数の要請先に対して行ってから当該要請に応じるか否かの応答を受けるまでの時間にばらつきがある環境において、電力消費に関する要請をより確実に満たすことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システムの概要を説明するための図である。
小売事業者1は、たとえば、電力の小売り事業者である。小売事業者1は、DRに関して各需要家4を管理する事業者であるアグリゲータ2に対して、DRの要請すなわち電力消費量を抑制することの要請を行う。アグリゲータ2は、小売事業装置11からDRの要請を受けると、自己と契約関係のある電力需要化である各需要家4にDRの要請を行う。
小売事業者1は、各需要家4に削減させるべき消費電力量の総量を指定してアグリゲータ2にDRの要請を行う。以下、小売事業者1が指定する総量を削減指定総量Gとも称する。
小売事業者1からDRの要請を受けたアグリゲータ2は、削減すべき消費電力量を指定して各需要家4にDRの要請を行う。以下、アグリゲータ2が指定する消費電力量を削減指定量Iとも称する。
たとえば、アグリゲータ2は、削減指定総量Gを各需要家4に配分することによって、需要家4の各々が削減すべき消費電力量すなわち削減指定量Iを決定する。
図2は、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システムの構成を示す図である。
図2を参照して、電力消費管理システム101は、小売事業装置11と、電力消費管理装置12と、複数の機器13と、複数の汎用端末装置14と、複数の専用端末装置15とを備える。
小売事業装置11は、たとえば、小売事業者1によって運用されるサーバである。電力消費管理装置12は、たとえば、アグリゲータ2によって運用されるサーバである。小売事業装置11は、ネットワーク8を介して、電力消費管理装置12と接続されている。
小売事業者1は、小売事業装置11から電力消費管理装置12へ全体DR要請を送信することにより、アグリゲータ2に対してDRの要請を行う。全体DR要請は、たとえば、DRの対象期間および削減指定総量Gを示す情報である。
電力消費管理装置12は、ネットワーク8を介して、汎用端末装置14および専用端末装置15と接続されている。
需要家4には、たとえば、専用端末装置15を自己の電力需要施設3に設置している需要家4と、専用端末装置15を自己の電力需要施設3に設置していない需要家4とが存在する。汎用端末装置14は、たとえば、スマートフォンまたはタブレット等の通信端末装置である。専用端末装置15は、たとえば、HEMS(Home Energy Management System)におけるゲートウェイ装置である。
アグリゲータ2は、電力消費管理装置12から各需要家4に対応する汎用端末装置14または専用端末装置15へ個別DR要請を送信することにより、各需要家4に対してDRの要請を行う。個別DR要請は、たとえば、DRの対象期間および削減指定量Iを示す情報である。
専用端末装置15を自己の電力需要施設3に設置している需要家4は、電力消費管理装置12からの個別DR要請を専用端末装置15において受信する。専用端末装置15は、自己の電力需要施設3における空調機器または照明機器等の機器13と有線または無線により接続される。専用端末装置15は、個別DR要請を受信すると、たとえば、需要家4によって予め設定された内容に基づいて、当該個別DR要請の内容に従うか否かを示す個別DR応答をたとえば即座に電力消費管理装置12へ自動送信する。以下、DRの要請に従うことを「DRに参加する」とも称する。
専用端末装置15は、DRに参加する旨の個別DR応答を送信した場合、個別DR要請の内容に基づいて各機器13を制御することにより、電力需要施設3における消費電力量すなわち需要家4の消費電力量を削減する。
専用端末装置15を自己の電力需要施設3に設置していない需要家4は、電力消費管理装置12からの個別DR要請をスマートフォンまたはタブレット等の汎用端末装置14において受信する。需要家4は、たとえば、汎用端末装置14のディスプレイに表示された個別DR要請の内容を確認すると、当該個別DR要請の内容に従うか否かつまりDRに参加するか否かを判断し、判断結果を汎用端末装置14に入力する。
汎用端末装置14は、需要家4から入力操作を受けると、DRに参加するか否かを示す個別DR応答を電力消費管理装置12へ送信する。DRに参加する旨の個別DR応答を汎用端末装置14から電力消費管理装置12へ送信した需要家4は、たとえば、DRの対象期間になると、手動で自己の電力需要施設3における各機器13を操作することにより、自己の電力需要施設3における消費電力量を削減する。
したがって、DRに参加する旨の個別DR応答を専用端末装置15または汎用端末装置14から送信した需要家4は、個別DR要請の示す削減指定量Iと等しい消費電力量を自己の電力需要施設3において削減すると推定される。
電力消費管理装置12は、たとえば、個別DR要請を送信してから、当該個別DR要請の送信先から個別DR応答を受信するまでの時間(以下、応答時間とも称する。)、および専用端末装置15の設置の有無に基づいて、当該個別DR要請の送信先に対応する需要家4を複数の負荷グループのいずれかに分類する。
図3は、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける負荷グループについて説明するための図である。
図3を参照して、電力消費管理装置12は、各需要家4を負荷グループA、負荷グループBおよび負荷グループC(自動応答グループ)のいずれかに分類する。
負荷グループAは、電力需要施設3において専用端末装置15を備えない需要家4のうち、応答時間が大きい需要家4のグループである。
負荷グループBは、電力需要施設3において専用端末装置15を備えない需要家4のうち、応答時間が小さい需要家4のグループである。
負荷グループCは、電力需要施設3において専用端末装置15を備える需要家4のグループである。専用端末装置15は、個別DR要請を受信すると、たとえば即座に個別DR応答を電力消費管理装置12へ送信する。このため、応答時間は、負荷グループA,B,Cの順番で大きい。
なお、電力消費管理装置12は、電力需要施設3において専用端末装置15を備えない需要家4を、応答時間に応じて負荷グループAおよび負荷グループBの2つのグループのいずれかに分類する構成であるとしたが、これに限定するものではない。電力消費管理装置12は、電力需要施設3において専用端末装置15を備えない需要家4を、応答時間に応じて設定された3つ以上の負荷グループのうちのいずれかに分類する構成であってもよい。
また、電力消費管理装置12は、専用端末装置15の設置の有無に拘わらず、単に応答時間に基づいて、各需要家4を複数の負荷グループのうちのいずれかに分類する構成であってもよい。
以下、負荷グループAに属する需要家4を需要家4Aとも称し、負荷グループBに属する需要家4を需要家4Bとも称し、負荷グループCに属する需要家4を需要家4Cとも称する。
電力消費管理装置12は、上述のように、小売事業装置11から全体DR要請を受信した場合に、各需要家4の汎用端末装置14または専用端末装置15へ個別DR要請を送信する。このとき、電力消費管理装置12は、需要家4の属するグループごとに、異なるタイミングで個別DR要請を送信する。
たとえば、電力消費管理装置12は、各負荷グループへ応答時間の大きい順番に個別DR要請を送信する。具体的には、電力消費管理装置12は、各需要家4Aの汎用端末装置14へ個別DR要請を送信し、その後、各需要家4Bの汎用端末装置14へ個別DR要請を送信し、最後に、各需要家4Cの専用端末装置15へ個別DR要請を送信する。
図4は、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費管理処理のシーケンスを示す図である。
電力消費管理システム101における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図4を参照して、まず、小売事業者1によって運用される小売事業装置11は、アグリゲータ2によって運用される電力消費管理装置12へ全体DR要請を送信する(ステップS11)。全体DR要請は、上述のように、DRの対象期間および削減指定総量Gを示す。
次に、電力消費管理装置12は、小売事業装置11から全体DR要請を受信すると、全体DR要請の示す削減指定総量Gを負荷グループA、負荷グループBおよび負荷グループCに分配する。具体的には、削減指定総量Gを達成するために、負荷グループA、負荷グループBおよび負荷グループCの各々が削減すべき電力量の目標値を設定する(ステップS12)。以下、当該電力量の目標値をグループ目標量Tとも称する。
たとえば、削減指定総量Gが1000kWである場合、電力消費管理装置12は、負荷グループAのグループ目標量Tを削減指定総量Gの50%の500kWhに設定する。また、電力消費管理装置12は、負荷グループBのグループ目標量Tを削減指定総量Gの30%の300kWhに設定する。また、電力消費管理装置12は、負荷グループCのグループ目標量Tを削減指定総量Gの20%の200kWhに設定する。
次に、電力消費管理装置12は、設定した負荷グループAのグループ目標量Tに基づいて、各需要家4Aの汎用端末装置14へ送信する個別DR要請の内容を決定する。具体的には、電力消費管理装置12は、負荷グループAのグループ目標量Tを各需要家4Aに分配することによって、各需要家4Aについての削減指定量Iを決定する(ステップS13)。
次に、電力消費管理装置12は、決定した削減指定量IおよびDRの対象期間を示す個別DR要請を各需要家4Aの汎用端末装置14へたとえば一括送信する(ステップS14)。なお、電力消費管理装置12は、個別DR要請を全部の需要家4Aの汎用端末装置14へ送信する構成に限らず、一部の需要家4Aの汎用端末装置14へ送信する構成であってもよい。
次に、需要家4Aの汎用端末装置14は、電力消費管理装置12から個別DR要請を受信して、たとえば、自己のディスプレイに個別DR要請の内容を表示する。需要家4Aは、当該ディスプレイの表示を確認して、自己の汎用端末装置14から電力消費管理装置12へ個別DR応答を送信する(ステップS15)。
汎用端末装置14から電力消費管理装置12への個別DR応答の送信は、需要家4が汎用端末装置14を操作した場合に行われるものである。したがって、電力消費管理装置12が各汎用端末装置14から個別DR応答を受信するタイミングにはバラツキがある。電力消費管理装置12は、たとえば、各汎用端末装置14からの個別DR応答を受信しながら、所定時間待機する。
電力消費管理装置12が各需要家4Aの汎用端末装置14からの個別DR応答を受信しながら待機する時間は、たとえば、各需要家4Aの応答時間の統計値に基づいて決定された時間である。
次に、電力消費管理装置12は、負荷グループAのグループ目標量Tおよび現時点までに受信した汎用端末装置14からの個別DR応答に基づいて、各需要家4Bについての削減指定量Iを決定する(ステップS16)。
具体的には、電力消費管理装置12は、以下の式(1)に従って、負荷グループBについての削減指定合計量Ibを設定し、設定した削減指定合計量Ibに基づいて、各需要家4Bについての削減指定量Iを決定する。ただし、Taは負荷グループAのグループ目標量であり、Tbは負荷グループBのグループ目標量である。また、F1は、各需要家4Aからの個別DR応答に基づいて求められた、各需要家4Aによって削減されることが現時点で推定される消費電力量であり、F2は、現時点で個別DR応答を未送信の需要家4Aが削減する消費電力量の予測値である。
Ib=Ta+Tb−(F1+F2) ・・・(1)
たとえば、Ta=500kWhとし、Tb=300kWhとし、F1=400kWhとし、F2=50kWhとすると、Ib=350kWhである。電力消費管理装置12は、削減指定合計量Ibを各需要家4Bに配分することによって、各需要家4Bについての削減指定量Iを決定する。
次に、電力消費管理装置12は、決定した削減指定量IおよびDRの対象期間を示す個別DR要請を各需要家4Bの汎用端末装置14へたとえば一括送信する(ステップS17)。
次に、需要家4Bの汎用端末装置14は、電力消費管理装置12から個別DR要請を受信して、たとえば、自己のディスプレイに個別DR要請の内容を表示する。需要家4Bは、当該ディスプレイの表示を確認して、自己の汎用端末装置14から電力消費管理装置12へ個別DR応答を送信する(ステップS18)。
上述のように、電力消費管理装置12が各汎用端末装置14から個別DR応答を受信するタイミングにはバラツキがある。需要家4Aおよび需要家4Bの汎用端末装置14からの個別DR応答を受信しながら、たとえば、DRの対象期間の所定時間前の時刻まで待機する。
次に、電力消費管理装置12は、各需要家4Aおよび各需要家4Bからの個別DR応答に基づいて求められた、現時点で需要家4Aおよび需要家4Bによって削減されることが推定される消費電力量に基づいて、アグリゲータ2が小売事業者1から要請されたDRに参加するか否かを判断する。たとえば、アグリゲータ2は、当該消費電力量と全体DR要請の示す削減指定総量Gとの差が所定値以内の場合に、DRに参加すると判断する。
次に、電力消費管理装置12は、小売事業者1から要請されたDRに参加するか否かを示す全体DR応答を小売事業装置11へ送信する(ステップS19)。ここでは、電力消費管理装置12は、DRに参加する旨の全体DR応答を小売事業装置11へ送信する。
次に、電力消費管理装置12は、たとえば、DRの対象期間の開始直前において、以下の式(2)に基づいて、負荷グループCについての削減指定合計量Icを設定する。ただし、Gは削減指定総量Gであり、F3は、各需要家4Aおよび各需要家4Bからの個別DR応答に基づいて求められた、現時点で需要家4Aおよび需要家4Bによって削減されることが推定される消費電力量である。
Ic=G−F3 ・・・(2)
つまり、削減指定合計量Icは、削減指定総量Gと負荷グループC以外の負荷グループからの個別DR応答によって推定された削減される消費電力量との差分である。
次に、電力消費管理装置12は、削減指定合計量Icを各需要家4Cに配分することによって、各需要家4Cについての削減指定量Iを決定する(ステップS20)。
次に、電力消費管理装置12は、決定した削減指定量IおよびDRの対象期間を示す個別DR要請を、たとえば、DRの対象期間の開始時刻において各需要家4Cの専用端末装置15へたとえば一括送信する(ステップS21)。
次に、各需要家4Cの専用端末装置15は、電力消費管理装置12から個別DR要請を受信すると、個別DR応答を電力消費管理装置12へたとえば即座に送信する(ステップS22)。
DRに参加する旨の個別DR応答を電力消費管理装置12へ送信した専用端末装置15は、自己の電力需要施設3における機器13を制御することにより、電力需要施設3における消費電力を削減する。
DRに参加する旨の個別DR応答を汎用端末装置14から電力消費管理装置12へ送信した需要家4は、上述のように、DRの対象期間になると、手動で自己の電力需要施設3における各機器13を操作することにより、電力需要施設3における消費電力を削減する。
次に、電力消費管理装置12は、たとえば、DRの対象期間が終了すると、需要家4Aおよび需要家4Bの汎用端末装置14ならびに需要家4Cの専用端末装置15に報告要求を送信する(ステップS23)。報告要求は、DRの対象期間における電力需要施設3の消費電力量についての報告を要求するための情報である。
次に、需要家4Aおよび需要家4Bの汎用端末装置14ならびに需要家4Cの専用端末装置15は、電力消費管理装置12から報告要求を受信すると、たとえば、自己の電力需要施設3において設置された計測装置から電力需要施設3の消費電力量を示す情報を取得する。
そして、需要家4Aおよび需要家4Bの汎用端末装置14ならびに需要家4Cの専用端末装置15は、取得した当該情報に基づいて、DRの対象期間における自己の電力需要施設3の消費電力量を示す報告情報を作成し、作成した報告情報を電力消費管理装置12へ送信する(ステップS24)。
次に、電力消費管理装置12は、需要家4Aおよび需要家4Bの汎用端末装置14ならびに需要家4Cの専用端末装置15から報告情報を受信して、受信した各報告情報に基づいて、各需要家4がDRの対象期間において削減した消費電力量を把握する。
次に、電力消費管理装置12は、把握した当該消費電力量に基づいて、各需要家4へのインセンティブすなわちDRの要請に応じたことの対価を算出する(ステップS25)。具体的には、たとえば、電力消費管理装置12による個別DR要請の送信タイミングが遅かった負荷グループに属する需要家4ほど高いインセンティブを取得することができるように、各需要家4へのインセンティブを算出する。
次に、電力消費管理装置12は、たとえば、需要家4Aおよび需要家4Bの最新の応答時間に基づいて、負荷グループAおよび負荷グループBのメンバーを再構成する(ステップS26)。
なお、この例では、電力消費管理装置12は、対象期間の終了後に報告要求(ステップS23)を送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、電力消費管理装置12は、対象期間の開始タイミングまたは終了タイミングとは無関係に、報告要求を定期的または不定期に送信する構成であってもよい。
図5は、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置の構成を示す図である。
図5を参照して、電力消費管理装置12は、取得部31と、処理部32と、通知部33と、設定部34と、要請部35と、分類部36と、記憶部37と、対価算出部38とを備える。なお、電力消費管理装置12は、対価算出部38を備えない構成であってもよい。
記憶部37は、たとえば、各需要家4の過去のDRへの参加の有無、各需要家4の過去の応答時間、各需要家4の通常時の消費電力量、各需要家4の属する負荷グループ等を記憶している。たとえば、電力消費管理装置12における各ユニットは、記憶部37に記憶された情報を参照して、各種処理を行う。
分類部36は、たとえば、過去にDRが行われた際の需要家4の応答時間に基づいて、各需要家4を負荷グループA、負荷グループBおよび負荷グループCのいずれかに分類する。
具体的には、分類部36は、電力需要施設3において専用端末装置15を備えない需要家4のうち、応答時間が大きい需要家4を負荷グループAに分類する。また、分類部36は、電力需要施設3において専用端末装置15を備えない需要家4のうち、応答時間が小さい需要家4を負荷グループBに分類する。また、分類部36は、電力需要施設3において専用端末装置15を備える需要家4を負荷グループCに分類する。
また、分類部36は、たとえば、これまでに応答時間が得られていない需要家4も、負荷グループAつまり個別DR要請の通知タイミングが最も早い負荷グループに分類する。具体的には、分類部36は、たとえば、アグリゲータ2と新たに契約した需要家4は負荷グループAに分類する。
取得部31は、小売事業装置11から送信された全体DR要請を取得する。処理部32は、取得部31によって取得された全体DR要請の内容を設定部34および要請部35に通知する。
設定部34は、処理部32からの通知に基づいて、各負荷グループに個別DR要請を通知するタイミングである通知タイミングを設定する。
具体的には、設定部34は、複数の負荷グループのそれぞれに異なる通知タイミングを設定する。より具体的には、たとえば、設定部34は、応答時間の大きい負荷グループAと比べて、応答時間の小さい負荷グループBに、負荷グループAよりも遅い通知タイミングを設定する。
すなわち、設定部34は、応答時間の小さい負荷グループBと比べて、応答時間の大きい負荷グループAに、負荷グループBよりも早い通知タイミングを設定する。
要請部35は、処理部32からの通知に基づいて、各負荷グループのグループ目標量Tを設定する。そして、要請部35は、設定した負荷グループAのグループ目標量Tに基づいて、各需要家4Aの汎用端末装置14へ送信する個別DR要請の内容、具体的には、削減指定量Iを決定する。
処理部32は、要請部35が決定した削減指定量Iを示す個別DR要請を作成し、作成した個別DR要請を、設定部34が設定した負荷グループAへの通知タイミングにおいて通知部33へ出力する。
通知部33は、設定部34が設定した通知タイミングに従って個別DR要請を汎用端末装置14へ通知する。具体的には、処理部32から受けた個別DR要請を需要家4Aの汎用端末装置14に通知する。
取得部31は、汎用端末装置14および専用端末装置15から送信された個別DR応答を取得する。処理部32は、取得部31が取得した個別DR応答の内容を要請部35に通知する。
要請部35は、処理部32から通知された需要家4Aからの個別DR応答の内容に基づいて、需要家4Aによって削減される消費電力の現時点における推定値を算出し、算出した推定値に基づいて、削減指定合計量Ibを算出する。具体的には、たとえば、要請部35は、上記式(1)に従って、削減指定合計量Ibを算出する。そして、要請部35は、削減指定合計量Ibを各需要家4Bに配分することによって、各需要家4Bについての削減指定量Iを決定する。
すなわち、要請部35は、個別DR要請を通知した負荷グループからの個別DR応答によって推定される内容に基づいて、他の負荷グループへの新たな個別DR要請の内容を決定する。なお、要請部35は、単に負荷グループBのグループ目標量Tを各需要家4Bに配分することによって、各需要家4Bについての削減指定量Iを決定する構成であってもよい。この場合、要請部35は、上記式(1)を用いずに各需要家4Bについての削減指定量Iを決定する。
処理部32は、要請部35が決定した各需要家4Bについての削減指定量Iを示す個別DR要請を作成し、作成した個別DR要請を、設定部34が設定した負荷グループBへの通知タイミングにおいて通知部33へ出力する。
要請部35は、処理部32から通知された需要家4Aからの個別DR応答の内容、および需要家4Bからの個別DR応答の内容に基づいて、需要家4Aおよび需要家4Bによって削減される消費電力の現時点における推定値を算出する。
処理部32は、要請部35によって算出された推定値に基づいて、アグリゲータ2が小売事業者1から要請されたDRに参加するか否かを判断する。そして、処理部32は、判断結果に基づいて全体DR応答を作成し、作成した全体DR応答を通知部33へ出力する。ここでは、処理部32は、DRに参加する旨の全体DR応答を通知部33へ出力する。通知部33は、処理部32から受けた全体DR応答を小売事業装置11へ通知する。
要請部35は、自己が算出した上記推定値に基づいて、削減指定合計量Icを算出する。具体的には、たとえば、要請部35は、上記式(2)に従って、削減指定合計量Icを算出する。そして、要請部35は、削減指定合計量Icを各需要家4Cに配分することによって、各需要家4Cについての削減指定量Iを決定する。
なお、要請部35は、単に負荷グループCのグループ目標量Tを各需要家4Cに配分することによって、各需要家4Cについての削減指定量Iを決定する構成であってもよい。この場合、要請部35は、上記式(2)を用いずに各需要家4Cについての削減指定量Iを決定する。
処理部32は、要請部35が決定した各需要家4Cについての削減指定量Iを示す個別DR要請を作成し、作成した個別DR要請を、設定部34が設定した負荷グループCへの通知タイミングにおいて通知部33へ出力する。
通知部33は、処理部32から受けた個別DR要請を各需要家4の専用端末装置15に通知する。すなわち、通知部33は、削減指定合計量Icに基づいて作成された需要家4Cについての個別DR要請を負荷グループCに対応する専用端末装置15に通知する。
取得部31は、各汎用端末装置14および各専用端末装置15から送信された報告情報を取得する。処理部32は、取得部31によって取得された報告情報の内容を対価算出部38に通知する。
対価算出部38は、通知された報告情報の内容、つまり需要家4がDRの対象期間において削減した消費電力量に基づいて、各需要家4へのインセンティブを算出する。このとき、対価算出部38は、たとえば、負荷グループAへのインセンティブおよび負荷グループBのインセンティブと比べて、負荷グループCへのインセンティブを高く算出する。
なお、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システム101では、個別DR要請は、DRの対象期間および削減指定量Iを示す情報である構成としたが、これに限定するものではない。たとえば、個別DR要請は、削減指定量Iの代わりに、削減指定量Iに基づいて作成された他の情報、たとえば、機器13の動作内容を示す情報であってもよい。
この場合、DRに参加する旨の個別DR応答を汎用端末装置14から送信した需要家4、および当該旨の個別DR応答を送信した専用端末装置15は、DRの対象期間において、自己の電力需要施設3における機器を当該動作内容に従って動作させる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システム101では、電力消費管理装置12は、応答時間の大きい順番すなわち負荷グループA,B,Cの順番で各負荷グループへ個別DR要請を送信したが、これに限定するものではない。たとえば、電力消費管理装置12は、応答時間の小さい順番で各負荷グループへ個別DR要請を送信する構成であってもよい。
<変形例1>
本発明の実施の形態に係る電力消費管理システム101において、電力消費管理装置12は、応答時間に基づいて、各需要家4を複数の負荷グループのいずれかに分類したが、これに限定するものではない。たとえば、電力消費管理装置12は、DRの要請に応じた実績すなわちDRへの参加実績と、応答時間との両方に基づいて、各需要家4を複数の負荷グループのいずれかに分類する構成であってもよい。
具体的には、たとえば、分類部36は、以下の式(3)に従って、評価値Eを算出する。ただし、Lは応答時間であり、PはDRへの参加率であり、aおよびbは重み係数である。
E=a/L+b×P ・・・(3)
分類部36は、たとえば、評価値Eが小さい需要家4を負荷グループAに分類し、評価値Eが大きい需要家4を負荷グループBに分類する。
ここで、たとえば、重み係数bに比べて重み係数aが十分小さい場合、評価値Eは、参加率Pによって支配的に決定される。分類部36は、たとえば、このような場合、参加率Pが低い需要家4を負荷グループAに分類し、参加率Pが高い需要家4を負荷グループBに分類する。
設定部34は、参加率Pが高い負荷グループである負荷グループBと比べて、参加率Pの低い負荷グループである負荷グループAに個別DR要請の早い通知タイミングを設定する。つまり、設定部34は、DRへの参加実績の低い負荷グループと比べて、DRへの参加実績の高いグループに遅い通知タイミングを設定する。
<変形例2>
本発明の実施の形態に係る電力消費管理システム101では、電力消費管理装置12は、各需要家4を複数の負荷グループのいずれかに分類する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、電力消費管理装置12は、電力消費管理システム101における各機器13を複数の負荷グループのいずれかに分類する構成であってもよい。
具体的には、たとえば、電力消費管理装置12において、分類部36は、専用端末装置15と接続されていない機器13を負荷グループAまたは負荷グループBのいずれかに分類し、専用端末装置15と接続された機器13を負荷グループCに分類する。分類部36は、1つの電力需要施設3における複数の機器13の各々を異なる負荷グループに分類することも可能である。なお、分類部36は、1つの電力需要施設3における複数の機器13を同じ負荷グループに分類する構成であってもよい。
電力消費管理装置12は、たとえば、まず、負荷グループAに属する各機器13に対応する汎用端末装置14へ個別DR要請を送信する。当該汎用端末装置14に対応する需要家4は、自己の汎用端末装置14のディスプレイを確認し、当該汎用端末装置14から電力消費管理装置12へ個別DR応答を送信する。
電力消費管理装置12は、その後、負荷グループBに属する各機器13に対応する汎用端末装置14へ個別DR要請を送信する。当該汎用端末装置14に対応する需要家4は、自己の汎用端末装置14のディスプレイを確認し、当該汎用端末装置14から電力消費管理装置12へ個別DR応答を送信する。
電力消費管理装置12は、その後、負荷グループCに属する各機器13に対応する専用端末装置15へ個別DR要請を送信する。専用端末装置15は、たとえば、電力消費管理装置12から機器13への個別DR要請を受信すると、需要家4によって予め登録された設定に基づいて、個別DR応答をたとえば即座に電力消費管理装置12へ送信する。
たとえば、分類部36は、過去のDRの際に応答時間が得られていない機器13を、個別DR要請の通知タイミングが最も早い負荷グループ、つまり負荷グループAに分類する。具体的には、分類部36は、たとえば、設置されたばかりの機器13も負荷グループAに分類する。
ところで、複数の電力需要家にDRの要請を行ってから、当該要請に応じるか否かの応答がなされるまでの時間にばらつきがある環境において、電力消費に関する要請をより確実に満たす技術が求められる。
これに対して、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、設定部34は、電力消費に関する要請を対応の汎用端末装置14または専用端末装置15に通知してから当該要請に応じるか否かに関する応答を取得するまでの応答時間に基づいて分類された複数の負荷グループについて、当該要請の通知タイミングとして各負荷グループに異なる通知タイミングを設定する。通知部33は、設定部34によって設定された通知タイミングに従って当該要請を汎用端末装置14または専用端末装置15に通知する。
このような構成により、電力消費に関する要請を行う場合に、対象期間のどの程度前のタイミングで当該要請を行うべきかを負荷グループごとに適切に決定し、決定したタイミングにおいて当該要請を行うことができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、電力消費に関する要請を複数の要請先に対して行ってから当該要請に応じるか否かの応答を受けるまでの時間にばらつきがある環境において、電力消費に関する要請をより確実に満たすことができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、要請部35は、負荷グループからの応答によって推定される内容に基づいて、他の負荷グループへの新たな要請の内容を決定する。
このような構成により、先に要請を行った負荷グループからの応答の内容を踏まえて、次に要請を行う負荷グループへの要請内容を決定することができるため、電力消費に関する全体的な要請をより確実に満たすことができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、設定部34は、応答時間の小さい負荷グループと比べて、応答時間の大きい負荷グループに早い通知タイミングを設定する。
このような構成により、応答の遅い負荷グループに早めに要請を行うことができるため、たとえば、要請の対象期間の開始より前により多くの応答を取得することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、設定部34は、応答時間の大きい負荷グループと比べて、応答時間の小さい負荷グループに遅い通知タイミングを設定する。
このような構成により、応答の遅い負荷グループに早めに要請を行うことができるため、たとえば、要請の対象期間の開始より前により多くの応答を取得することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システムでは、負荷グループは、応答時間および要請に応じた実績に基づいて分類される。
このような構成により、負荷グループをより適切に分類することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、設定部34は、実績の高い負荷グループと比べて、実績の低い負荷グループに早い通知タイミングを設定する。
このような構成により、たとえば、要請に応じる可能性が低い負荷グループからの応答の内容を確認した上で、要請に応じる可能性が高い負荷グループへの要請の内容を決定することができるため、電力消費に関する全体的な要請をより確実に満たすことができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、設定部34は、実績の低い負荷グループと比べて、実績の高い負荷グループに遅い通知タイミングを設定する。
このような構成により、たとえば、要請に応じる可能性が低い負荷グループからの応答の内容を確認した上で、要請に応じる可能性が高い負荷グループへの要請の内容を決定することができるため、電力消費に関する全体的な要請をより確実に満たすことができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システムでは、負荷グループのメンバーは、需要家4である。
このような構成により、需要家4のグループごとに適切な通知タイミングを設定することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システムでは、複数の負荷グループは、要請に対して自動で応答する負荷グループCと、要請に対して自動で応答しない負荷グループAおよび負荷グループBとを含む。
このような構成により、たとえば、要請に対して自動で応答する装置を備える需要家4と、当該装置を備えない需要家4とが混在する環境において各需要家4を適切に分類することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、設定部34は、複数の負荷グループのうち、負荷グループCに最も遅い通知タイミングを設定する。
このような構成により、たとえば、応答の早い負荷グループCより先に応答の遅い他の負荷グループに要請を行うことができるため、要請の対象期間の開始より前により多くの応答を取得することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、通知部33は、電力消費に関する全体的な要請と負荷グループC以外の負荷グループからの応答によって推定される内容との差分に基づく要請を負荷グループCに対応する専用端末装置15に通知する。
このような構成により、たとえば、要請の実施および早い応答を期待しにくいが多数である他の負荷グループによって要請をある程度満たしておき、要請の確実な実施および早い応答を期待できるが少数である負荷グループCによって不足分を充足する優れた電力管理を行うことができる。また、負荷グループCへの要請を、全体的な要請を満たすための調整として活用することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、対価算出部38は、要請に応じることの対価を算出する。対価算出部38は、他の負荷グループと比べて、負荷グループCの対価を高く算出する。
このような構成により、たとえば、要請に対して自動で応答する装置を導入するように、負荷グループC以外のグループに属する需要家4を促すことができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置では、分類部36は、機器13または需要家4を複数の負荷グループのいずれかに分類する。分類部36は、応答時間が得られていない機器13または需要家4を、通知タイミングが最も早い負荷グループに分類する。
このような構成により、たとえば、過去に応答時間が得られていない機器13または需要家4からの応答を、要請の対象期間の開始までにより確実に取得することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電力消費に関する要請を対応の端末装置に通知してから前記要請に応じるか否かに関する応答を取得するまでの応答時間に基づいて分類された複数の負荷グループについて、前記要請の通知タイミングとして各前記負荷グループに異なる通知タイミングを設定する設定部と、
前記設定部によって設定された前記通知タイミングに従って前記要請を前記端末装置に通知する通知部とを備え、
前記要請は、DR(Demand Respons)の要請であり、
前記応答は、前記DRに参加するか否かを示す応答である、電力消費管理装置。