[第1実施形態]
図1から図13を参照して、表示ラベル、および、表示ラベルを備える物品の第1実施形態を説明する。以下では、表示ラベルの構造、表示ラベルの作用、比較例の表示ラベルにおける構造、比較例の表示ラベルにおける作用、物品の構造、表示ラベルの製造方法、および、実験結果を順に説明する。
[表示ラベルの構造]
図1から図4を参照して、表示ラベルの構造を説明する。
図1が示すように、表示ラベル10は、記録層11と反射層12とを備えている。記録層11は、記録領域11Aと平坦領域11Bとを含む記録面11Sを備えている。記録領域11Aは、立体像を記録するための微細な凹凸によって構成されている。平坦領域11Bは、記録領域11Aを囲み、かつ、記録領域11Aよりも平坦である。反射層12における光の反射率は、記録層11における光の反射率よりも高い。反射層12は、記録層11の厚さ方向から見て、記録領域11Aに重なり、かつ、記録領域11Aの外形に追従した形状を有している。さらには、反射層12の外形は、記録領域11Aの外形のわずかに外側か、わずかに内側であるか、またはわずかに外側の外形部分とわずかに内側の外形部分とからなる。
本実施形態では、記録面11Sが、第1記録領域11A1と第2記録領域11A2を含んでいる。第1記録領域11A1は、平坦領域11Bに対して所定の角度で傾斜した複数の傾斜面A11を備えている。複数の傾斜面A11は、第1傾斜面と第2傾斜面とを含んでいる。第1傾斜面が第1傾斜面に入射した光を反射する方向が、第2傾斜面が第2傾斜面に入射した光を反射する方向と異なる。第2記録領域11A2は、立体像を記録するための回折格子A21を備えている。
反射層12は、記録層11の厚さ方向から見て、第1記録領域11A1の外形に追従した形状を有する第1反射部12Aと、第2記録領域11A2の外形に追従した形状を有する第2反射部12Bとを含んでいる。
第1傾斜面は、第1傾斜面が平坦面に対して傾く角度、および、第1傾斜面の向きである方位角の少なくとも一方が他の面とは異なることによって、第1傾斜面に入射した光を第2傾斜面とは異なる方向に反射することが可能である。これにより、第1記録領域11A1には、立体像が記録されている。なお、方位角は、各傾斜面の法線を記録面11Sに投影した投影線が、記録面11Sに設定された基準方向と形成する角度である。
記録層11は、記録層11に入射した光を反射層12まで透過する光透過性を有している。記録層11は、記録面11Sとは反対側の面である観察面11OBを備えている。観察面11OBは、記録面11Sよりも平坦な面である。観察面11OBは、略平坦な面である。そのため、傾斜面の傾斜角度は、観察面11OBによって定義することも可能である。
記録層11は、傾斜面A11を1つずつ含む複数の凸部を有している。各凸部は、平坦領域11Bに対して突出している。平坦領域11Bに直交する面に沿った断面において、各凸部は直角三角形状を有し、これによって、複数の凸部は鋸刃状を有している。各凸部の高さは、100nm以上5μm以下であってよく、さらには400nm以上500nm以下であってよい。なお、各凸部の高さは、平坦領域11Bからの突出量である。平坦領域11Bに直交する面に沿った断面において、凸部のピッチは、1μm以上20μm以下であってよい。第1記録領域11A1には、白色光によって形成される立体像が記録されている。
回折格子A21は、回折格子A21に入射した光を回折光として回折する。これにより、第2記録領域11A2には、白色光が分光された光であって、互いに異なる波長を有した光によって形成される立体像が記録されている。第2記録領域11A2が備える回折格子A21には、空間周波数、および、回折格子A21において凹凸が繰り返される方向の少なくとも一方が互いに異なる複数の部分が含まれてよい。回折格子A21において、凸部の高さ、および、凸部のピッチが、第1記録領域11A1に位置する凸部の高さ、および、凸部のピッチよりも小さくてもよい。
表示ラベル10が反射層12と対向する方向から観察される場合には、記録層11を介することなく反射層12に入射した光が反射層12において反射される。そして、反射層12で反射された光が観察者によって視認される。これに対して、表示ラベル10が記録層11と対向する方向から観察される場合には、記録層11を介して反射層12に入射した光が、記録層11と反射層12との界面において反射される。そして、界面において反射された光が記録層11を介して表示ラベル10の外部に射出され、結果として、観察者によって視認される。ただし、いずれの場合であっても、表示ラベル10に入射した光が反射される方向は、第1記録領域11A1に位置する傾斜面A11の特性、および、第2記録領域11A2に位置する回折格子A21の特性に依存する。
第1記録領域11A1に入射した光が第1記録領域11A1から射出される第1射出方向は、第2記録領域11A2に入射した光が第2記録領域11A2から射出される第2射出方向と異なっている。
傾斜面A11に入射した光が反射する方向は、傾斜面A11が傾斜する角度、および、傾斜面A11の方位角に依存する。また、回折格子A21に入射した光が反射する方向は、回折格子A21の空間周波数、および、回折格子A21において凹凸が繰り返される方向に依存する。そのため、表示ラベル10では、第1記録領域11A1が光を反射する第1射出方向と、第2記録領域11A2が光を反射する第2射出方向とは、傾斜面A11が傾斜する角度、傾斜面A11の方位角、回折格子A21の空間周波数、および、回折格子A21における凹凸の繰り返し方向によって、互いに異なる方向に設定されている。
第1反射部12Aの形状が第1記録領域11A1の形状に追従するとは、記録面11Sと対向する平面視において、第1反射部12Aが、第1記録領域11A1の形状と略相同な形状を有すること、および、第1記録領域11A1の形状と略相似な形状を有することを含む。第2反射部12Bの形状が第2記録領域11A2の形状に追従するとは、記録面11Sと対向する平面視において、第2反射部12Bが、第2記録領域11A2の形状と略相同な形状を有すること、および、第2記録領域11A2の形状と略相似な形状を有することを含む。
第1記録領域11A1において、第1反射部12Aは、各傾斜面A11上に位置する一方で、凸部における傾斜面A11以外の側面であって、平坦領域11Bに対して略直交する側面には位置していない。あるいは、第1反射部12Aにおいて、各傾斜面A11上に位置する部分の厚さが、凸部における傾斜面A11以外の側面に位置する部分の厚さよりも厚い。第2記録領域11A2において、第2反射部12Bは、各凸部の頂面、および、凸部間の溝に位置する一方で、凸部における頂面以外の側面であって、平坦領域11Bに対して略直交する側面には位置していない。あるいは、第2反射部12Bにおいて、各凸部の頂面、および、凸部間の溝に位置する部分の厚さが、凸部における頂面以外の側面における厚さよりも厚い。
反射層12の光学濃度は、1.0以上であることが好ましい。光学濃度は、JIS Z 8120:2001において、以下の式によって定義される物質が光を吸収する程度を表す量である。
D=log10(l0/l)
なお、上記の式において、Dは光学濃度であり、l0は入射光の強度であり、lは透過光または反射光の強度である。
記録層11を形成するための材料は、各種の合成樹脂であってよい。合成樹脂は、熱可塑樹脂、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂とすることができる。熱可塑樹脂は、アクリル樹脂などとできる。熱硬化樹脂は、ウレタン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂などとできる。紫外線硬化樹脂は、アクリル樹脂、アクリルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂などとできる。記録層11の厚さは、1μm以上3μm以下であってよい。反射層12を形成するための材料は、各種の金属であってよい。反射層12の厚さは、5nm以上100nm以下であってよい。さらには、反射層12の厚さは、10nm以上80nm以下であってもよい。この範囲では、可視光の反射を生じやすい。
図2は、観察面11OBから記録層11を観察した平面構造を示している。なお、図2では、記録面11Sが有する第1記録領域11A1の外形、および、第2記録領域11A2の外形が、それぞれ実線で示されている。一方で、図2では、反射層12の各部が有する外形が、二点鎖線で示されている。
図2が示すように、表示ラベル10において、第2記録領域11A2、第1記録領域11A1、および、第2記録領域11A2が、1つの方向に沿って隙間を空けて並んでもよい。本実施形態の図2で説明される構成は、2つの第2記録領域11A2のうち、一方の第2記録領域11A2には、立体像として人間の顔のイラストが記録され、他方の第2記録領域11A2には、立体像として太陽のイラストが記録された構成である。なお、この構成において、各第2記録領域11A2における外形の形状と、各第2記録領域11A2に記録された立体像における外形の形状とは、互いに略等しい。
これに対して、本実施形態の図2で説明される構成の第1記録領域11A1には、立体像として、互いに略相似な矩形が、各矩形の中心が互いに一致するように配置された模様が記録されている。なお、第1記録領域11A1における外形の形状と、第1記録領域11A1に記録された立体像における外形の形状とは、互いに略等しい。なお、各記録領域11A1,11A2に記録された立体像は、上述した像に限らず、幾何学模様、テキスト、しるし(sign)、シンボル、エンブレム、紋章もしくはコード、またはこれらの組み合わせとできる。シンボルとエンブレムは、旗、盾、剣、槍、王冠、星、月、ハート、ロゴ、リボン、ライン、花、葉、穀物、果物、鳥、翼、魚、節足動物、哺乳類、伝説上の生物、爬虫類、両生類を含むことができる。コードは、一次元コード、二次元コードとできる。一次元コードはバーコード、シリアルナンバーまたは双方の組み合わせとできる。二次元コードはQRコード(登録商標)とできる。幾何学模様は、彩紋(Guilloche)の立体像であってよい。テキストは、文字、数字、および、記号などとできる。
図3(a)および図3(b)は、図2において一点鎖線で囲まれた領域Aを拡大して示している。図3(a)は、第2記録領域11A2の外形と、第2反射部12Bの外形との関係の1つの例を示し、一方で、図3(b)は、第2記録領域11A2の外形と、第2反射部12Bの外形との関係の他の例を示している。なお、以下に説明する第2記録領域11A2の外形と、第2反射部12Bの外形との関係は、第1記録領域11A1の外形と、第1反射部12Aの外形との関係にも適用することが可能である。
図3(a)が示すように、第2反射部12Bは、記録層11の厚さ方向から見て、第2記録領域11A2の縁11Eにおける全体にわたって第2記録領域11A2からはみ出してもよい。第2記録領域11A2の縁11Eは、第2記録領域11A2の外形を縁取る形状を有した線状の部位である。記録層11の厚さ方向から見て、反射部12A,12Bが記録領域11A1,11A2よりも大きいため、記録領域11A1,11A2に対する反射部12A,12Bの相対的な位置のずれが生じたとしても、記録領域11A1,11A2の全体が反射部12A,12Bによって覆われやすくなる。
あるいは、図3(b)が示すように、第2反射部12Bは、記録層11の厚さ方向から見て、第2記録領域11A2の縁11Eにおける全体にわたって第2記録領域11A2の縁11Eよりも内側に位置してもよい。記録層11の厚さ方向から見て、反射部12A,12Bが記録領域11A1,11A2よりも小さいため、記録領域11A1,11A2に対する反射部12A,12Bの相対的な位置のずれが生じたとしても、反射部12A,12Bが記録領域11A1,11A2の縁11Eから観察者によって視認できる程度にはみ出すことが生じにくくなる。
これらのいずれの場合であっても、第2反射部12Bの外形と、第2記録領域11A2の外形とは、以下の条件を満たすことが好ましい。第2反射部12Bの外形と、第2記録領域11A2の外形とは、以下の2つの条件のうち一方のみを満たしてもよいし、2つの条件における両方を同時に満たしてもよい。
(条件1)記録層11の厚さ方向から見て、第2記録領域11A2の外形に追従する形状において、第2記録領域11A2の外形を縁取る第2記録領域11A2の縁11Eと、第2反射部12Bの外形を縁取る第2反射部12Bの縁12Eとの間の距離DIS(図3参照)が、第2記録領域11A2の縁11Eにおける全体にわたって1mm以下である。
(条件2)記録層11の厚さ方向から見て、第2記録領域11A2の外形に追従する形状において、第2記録領域11A2の外形を縁取る第2記録領域11A2の縁11Eと、第2反射部12Bの外形を縁取る第2反射部12Bの縁12Eとの間の距離DIS(図3参照)が、第2記録領域11A2の縁11Eにおける全体にわたって、第2記録領域11A2の最大幅に対する5%以下とできる。さらには、距離DISは、第2記録領域11A2の最大幅に対する1%以下でもよい。
条件1または条件2が満たされる場合には、表示ラベル10を観察した観察者は、記録領域11A1,11A2の縁11Eと反射部12A,12Bの縁12Eとを個別に観察することができない。そのため、観察者は、記録領域11A1,11A2の形状と反射部12A,12Bの形状とが同一であると認識する。これにより、記録領域11A1,11A2に記録された立体像と、その周囲とのコントラストがより強調される。結果として、記録領域11A1,11A2に記録された立体像の奥行き感が高まる。
本実施形態において、第2記録領域11A2の外形は円状とできる。第2記録領域11A2の外形が円状であり、第2記録領域11A2および第2反射部12Bが条件1を満たす場合には、第2反射部12Bの外形も略円状である。つまり、第2記録領域11A2の外形と第2反射部12Bの外形は、相似とできる。また、距離DISが、第2記録領域11A2の周方向における全体にわたって1mm以下とできる。
第2記録領域11A2および第2反射部12Bが条件2を満たす場合には、第2反射部12Bの外形も略円状であり、かつ、距離DISが、第2記録領域11A2の周方向における全体にわたって、第2記録領域11A2の最大幅に対する5%以下である。なお、第2記録領域11A2の外形は円状であるため、第2記録領域11A2の最大幅は、第2記録領域11A2における直径の大きさに等しい。
なお、条件1を満たす場合、第2記録領域11A2の縁11Eにおける全体にわたって距離DISの値が一定であってもよいし、縁11Eにおいて距離DISの値が変化してもよい。また、条件2を満たす場合、第2記録領域11A2の縁11Eにおける全体にわたって距離DISの値が一定であってもよいし、縁11Eにおいて距離DISの値が変化してもよい。これらのいずれの場合であっても、条件1あるいは条件2を満たすことで、同等の奥行き感を得ることが可能である。
図4には、表示ラベル10のなかで、第2記録領域11A2を含む部分の平面構造と、当該部分の一部である領域Bを拡大した構造とが説明されている。
第2反射部12Bの外形と、第2記録領域11A2の外形とは、さらに以下の条件を満たすものとできる。
(条件3)表示ラベル10が広がる平面において、第1方向D1と第1方向D1に直交する第2方向D2とが設定される。記録層11の厚さ方向から見て、第2記録領域11A2に外接する外接円の中心MC11と、第2反射部12Bに外接する外接円の中心MC12との間の距離が、第1方向D1および第2方向D2において1mm以下である。
条件3が満たされる場合には、表示ラベル10を観察した観察者は、記録層11の厚さ方向から見て、記録領域11A1,11A2と反射部12A,12Bとが同一の形状を有すると認識する確率が高まる。これにより、記録領域11A1,11A2に記録された立体像と、その周囲とのコントラストがより強調される。結果として、記録領域11A1,11A2に記録された立体像の奥行き感が高まる。
図4が示すように、第2記録領域11A2の外接円における中心MC11は、第2記録領域11A2の内接円における中心でもある。第2反射部12Bの外接円における中心MC12は、第2反射部12Bの内接円における中心でもある。第1方向D1において、第2記録領域11A2の外接円における中心MC11と、第2反射部12Bの外接円における中心MC12との間の距離が、第1距離DIS1である。第2方向D2において、第2記録領域11A2の外接円における中心MC11と、第2反射部12Bの外接円における中心MC12との間の距離が、第2距離DIS2である。第1距離DIS1は1mm以下であり、かつ、第2距離DIS2も1mm以下とできる。
表示ラベル10は、上述した条件1から条件3のいずれか1つを満たしてもよい。あるいは、表示ラベル10は、条件1から条件3のうちの複数を同時に満たしてもよい。表示ラベル10が、条件1から条件3の全てを満たす場合には、第2記録領域11A2の位置に対する反射層12の位置のずれが抑えられやすい。
[表示ラベルの作用]
図5から図7を参照して、表示ラベル10の作用を説明する。以下では、表示ラベル10に入射する光の光源が、鉛直方向における表示ラベル10の上方に位置する場合の表示ラベル10の作用を説明する。なお、図5では、図示の便宜上、表示ラベル10が備える反射層12の図示が省略されている。
図5が示すように、光源LSは、鉛直方向における表示ラベル10の上方に位置している。光源LSは、例えば、室内灯や自然光である。表示ラベル10に入射した光は、第1記録領域11A1および第2記録領域11A2のそれぞれにおいて反射される。そのため、表示ラベル10に対して光が入射する側が、光の射出側であり、かつ、表示ラベル10の観察側でもある。表示ラベル10の観察側には、第1観察点OB1と第2観察点OB2とが設定されている。第2観察点OB2は、表示ラベル10の観察側となる空間における第1観察点OB1とは異なる点である。
第1記録領域11A1は、表示ラベル10の観察側における所定の範囲である第1の範囲に光を射出する。第1記録領域11A1が射出する光は、第1の範囲内において強度に分布を有する。第1記録領域11A1は、第1観察点OB1に向かう方向である第1射出方向FDに対して、最も高い強度の反射光RL1を射出する。そのため、表示ラベル10の観察者は、表示ラベル10を第1観察点OB1から見た場合に、第1記録領域11A1が表示する立体像として、最も輝度が高い像を観察することができる。
これに対して、各第2記録領域11A2は、表示ラベル10の観察側における所定の範囲である第2の範囲に光を射出する。第2の範囲は、第1の範囲とは異なる範囲である。第2の範囲は、第1の範囲と重なる領域と、第1の範囲とは重ならない領域とから構成されている。各第2記録領域11A2が射出する光は、第2の範囲内において強度に分布を有する。第2記録領域11A2は、第2観察点OB2に向かう方向である第2射出方向SDに対して、最も高い強度の反射光RL2を射出する。そのため、表示ラベル10の観察者は、表示ラベル10を第2観察点OB2から見た場合に、第2記録領域11A2が表示する立体像として、最も輝度が高い像を観察することができる。
一方で、第1記録領域11A1が第2射出方向SDに射出する反射光RL1の強度は、第1記録領域11A1が第1射出方向FDに射出する反射光RL1の強度、および、各第2記録領域11A2が第2射出方向SDに射出する反射光RL2の強度に対して、相対的に低い。また、各第2記録領域11A2が第1射出方向FDに射出する反射光RL2の強度は、第2記録領域11A2が第2射出方向SDに射出する反射光RL2の強度、および、第1記録領域11A1が第1射出方向FDに射出する反射光RL1の強度に対して、相対的に低い。
図6は、表示ラベル10が第1観察点OB1から観察されたときの表示ラベル10の平面構造を示している。これに対して、図7は、表示ラベル10が第2観察点OB2から観察されたときの表示ラベル10の平面構造を示している。図6および図7では、図示の便宜上、第1記録領域11A1の縁11Eと、第1反射部12Aの縁12Eとを1つの実線で示している。また、図6および図7では、図示の便宜上、第2記録領域11A2の縁11Eと、第2反射部12Bの縁12Eとを1つの実線で示している。
図6が示すように、表示ラベル10が第1観察点OB1から観察されているため、第1記録領域11A1が備える傾斜面A11によって記録された立体像が観察される。上述したように、第1記録領域11A1は、第1記録領域11A1の縁12Eに追従する形状を有した第1反射部12Aによって覆われているため、第1記録領域11A1が第1反射部12Aによって覆われていない場合に比べて、第1記録領域11A1が射出する反射光RL1の輝度が高い。一方で、各第2記録領域11A2が射出する反射光RL2は、第1観察点OB1ではほとんど観察されないため、第2記録領域11A2は、ほぼ一様な輝度であって、かつ、第1記録領域11A1よりも低い輝度を有した領域として観察される。
このとき、第1記録領域11A1および第2記録領域11A2は、各記録領域11A1,11A2に追従する反射部12A,12Bによって覆われている一方で、各記録領域11A1,11A2間に位置する平坦領域11Bは、反射層12によってほとんど覆われていない。そのため、第1観察点OB1から第1記録領域11A1が観察された場合に、第1記録領域11A1を取り囲む平坦領域11Bから射出される反射光の輝度は、第1記録領域11A1から射出される反射光RL1の輝度に対して非常に低い。これにより、第1記録領域11A1の輝度と、その周囲に位置する平坦領域11Bの輝度とのコントラストが高められ、結果として、第1記録領域11A1に記録された立体像が目立つことによって、立体像の奥行き感を高めることが可能である。
図7が示すように、表示ラベル10が第2観察点OB2から観察されているため、第2記録領域11A2が備える回折格子A21によって記録された立体像が観察される。上述したように、第2記録領域11A2は、第2記録領域11A2の縁12Eに追従する形状を有した第2反射部12Bによって覆われているため、第2記録領域11A2が第2反射部12Bによって覆われていない場合に比べて、第2記録領域11A2が射出する反射光RL2の輝度が高い。一方で、第1記録領域11A1が射出する反射光RL1は、第2観察点OB2ではほとんど観察されないため、第1記録領域11A1は、ほぼ一様な輝度であって、かつ、第2記録領域11A2よりも低い輝度を有した領域として観察される。
このとき、第1記録領域11A1および第2記録領域11A2は、各記録領域11A1,11A2に追従する反射部12A,12Bによって覆われている一方で、各記録領域11A1,11A2間に位置する平坦領域11Bは、反射層12によってほとんど覆われていない。そのため、第2観察点OB2から第2記録領域11A2が観察された場合に、第2記録領域11A2を取り囲む平坦領域11Bから射出される反射光の輝度は、第2記録領域11A2から射出される反射光RL2の輝度に対して非常に低い。これにより、第2記録領域11A2の輝度と、その周囲に位置する平坦領域11Bの輝度とのコントラストが高められ、結果として、第2記録領域11A2に記録された立体像が目立つことによって、立体像の奥行き感を高めることが可能である。
このように、表示ラベル10によれば、表示ラベル10を第1観察点OB1から観察した場合と、表示ラベル10を第2観察点OB2から観察した場合とで、表示ラベル10が表示する立体像が異なる。そのため、表示ラベル10を観察する観察点を変更することによって、表示ラベル10が表示する立体像が異なるか否かを検証することによって、表示ラベル10の真贋を容易に判定することが可能である。
また、表示ラベル10によれば、各記録領域11A1,11A2に対して追従する形状を反射部12A,12Bが有する。そのため、各記録領域11A1,11A2に対して追従する形状を有した反射部12A,12Bを形成することが可能なパターニング技術を用いなければ、表示ラベル10を偽造することができない。それゆえに、記録面11Sの全体に反射層12を有した表示ラベルに比べて、表示ラベル10の偽造が難しく、結果として、表示ラベル10の偽造をより抑制することが可能である。
[比較例の表示ラベルにおける構造]
図8を参照して、比較例の表示ラベルにおける構造を説明する。
図8が示すように、比較例の表示ラベル20は、上述した表示ラベル10と同一の形状を有した記録層11を備えている。一方で、表示ラベル20は、記録層11が備える記録面11Sのほぼ全体を覆う反射層22を備えている。反射層22は、記録面11Sにおける第1記録領域11A1および第2記録領域11A2だけでなく、各記録領域11A1,11A2の間に位置する平坦領域11Bも覆っている。そのため、反射層22は、各記録領域11A1,11A2に関連性を有する形状を有していない。
[比較例の表示ラベルにおける作用]
図9および図10を参照して、比較例の表示ラベル20における作用を説明する。なお、上述したように、表示ラベル20は、第1実施形態の表示ラベル10と同様の記録層11を有するため、第1記録領域11A1は、第1観察点OB1に対して最も高い輝度を有した反射光RL1を射出し、かつ、第2記録領域11A2は、第2観察点OB2に対して最も高い輝度を有した反射光RL2を射出する。
図9は、表示ラベル20が第1観察点OB1から観察されたときの表示ラベル20の平面構造を示している。図10は、表示ラベル20が第2観察点OB2から観察されたときの表示ラベル20の平面構造を説明している。
図9が示すように、表示ラベル20が第1観察点OB1から観察されているため、第1記録領域11A1が備える傾斜面A11によって記録された立体像が観察される。しかしながら、表示ラベル20は、記録面11Sのほぼ全体を覆う反射層22を備えるため、第1観察点OB1から第1記録領域11A1が観察された場合に、第1記録領域11A1を取り囲む平坦領域11Bからも高い輝度を有した反射光が射出される。これにより、第1記録領域11A1の輝度と、その周囲に位置する平坦領域11Bの輝度とのコントラストが生じにくく、結果として、第1記録領域11A1に記録された立体像が、反射層22で反射される反射光に対して目立たない。
図10が示すように、表示ラベル20が第2観察点OB2から観察されているため、第2記録領域11A2が備える回折格子A21によって記録された立体像が観察される。しかしながら、表示ラベル20は、記録面11Sのほぼ全体を覆う反射層22を備えるため、第2観察点OB2から第2記録領域11A2が観察された場合に、第2記録領域11A2を取り囲む平坦領域11Bからも高い輝度を有した反射光が射出される。これにより、第2記録領域11A2の輝度と、その周囲に位置する平坦領域11Bの輝度とのコントラストが生じにくく、結果として、第2記録領域11A2に記録された立体像が、反射層22で反射される反射光に対して目立たない。
[物品の構造]
図11から図13を参照して、物品の構造を説明する。なお、以下では、物品がカードとして具体化された場合を説明する。カードは、クレジットカード、ポイントカード、運転免許証、および、IDカードなどであってよい。IDカードは、国民IDカードなどとできる。図11は、カードの表面と対向する方向から見たカードの平面構造を説明している。図12は、カードの裏面と対向する方向から見たカードの平面構造を説明している。
図11が示すように、カード30は、表示ラベル10と、表示ラベル10を支持するプラスチックプレート31とを備えている。プラスチックプレート31は板状を有し、表面31Fと、表面31Fとは反対側の面である裏面31Rとを備えている。表示ラベル10は、プラスチックプレート31の表面31Fに貼り付けられる。また、表示ラベル10は、プラスチックプレート31の内部に埋め込まれていてもよい。
プラスチックプレート31において、表示ラベル10の厚さ方向から見て、少なくとも第1記録領域11A1と重なる部分が透明である。本実施形態では、プラスチックプレート31が透明窓31Aを備えている。透明窓31Aは、プラスチックプレート31の一部であり、表面31Fと対向する平面視において、矩形状を有してもよい。透明窓31Aは、プラスチックプレート31の表面31Fと裏面31Rとの間において光を透過する透過性を有している。表面31Fと対向する平面視において、透明窓31Aは第1記録領域11A1と重なり、かつ、第1記録領域11A1の全体よりも大きい面積を有している。プラスチックプレート31において、透明窓31A以外の部分は、半透明または不透明である。
図12が示すように、プラスチックプレート31の裏面31Rと対向する方向から見て、透明窓31Aを介して表示ラベル10の第1記録領域11A1が観察される。そのため、カード30の観察者は、プラスチックプレート31の表面31Fと対向する方向から表示ラベル10を見たときと、プラスチックプレート31の裏面31Rと対向する方向から表示ラベル10を見たときとの両方において、第1記録領域11A1が記録する立体像を観察することが可能である。
図13は、表示ラベル10が広がる平面に直交する平面に沿う表示ラベル10の断面構造を示している。
図13が示すように、表示ラベル10が表示ラベル10を支持するプラスチックプレート31に貼り付けられる場合には、表示ラベル10は、記録層11および反射層12に加えて、基材13と接着層14とを備えている。基材13は、記録層11を支持し、かつ、記録層11における物理的な損傷や化学的な損傷を抑える。基材13は、記録層11に記録された立体像を透過する光透過性を有している。接着層14は、表示ラベル10をプラスチックプレート31に接着する。接着層14は、記録層11に記録された立体像を透過する光透過性を有している。
[表示ラベルの製造方法]
上述した表示ラベル10は、以下に説明する方法によって製造することが可能である。
[記録層11]
記録層11は、記録層11を支持する基材に対して、記録層11を形成するための塗液を塗布することによって形成される。記録層11を形成する際の塗布方法は、グラビアコート、リバースグラビアコート、ダイコート、リップコート、および、マイクログラビアコートなどであってよい。
記録層11を形成する材料は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、および、紫外線または電子線硬化樹脂であってよい。熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、および、ビニル系樹脂であってよい。熱硬化性樹脂は、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、および、反応性水酸基を有したアクリルポリオールやポリエステルポリオールなどにポリイソシアネートを架橋剤として添加した架橋させたウレタン樹脂であってよい。紫外線または電子線硬化性樹脂は、エポキシ(メタ)アクリル、および、ウレタン(メタ)アクリレートであってよい。
第1記録領域11A1および第2記録領域11A2はいずれも、例えば以下の方法によって記録面11Sに形成される。まず、第1記録領域11A1が備える傾斜面A11、および、第2記録領域11A2が備える回折格子A21を形成するためのレリーフ版を作成する。レリーフ版を作成する際には、電子線硬化性樹脂を準備する。次いで、電子線硬化性樹脂に電子線を所定のパターンで照射することによって、電子線硬化性樹脂の一部を露光する。そして、露光後の電子線硬化性樹脂を現像することによって、マスター版を得ることができる。続いて、マスター版の表面に電気めっき法を用いて金属薄膜を形成することによって、マスター版が有する凹凸パターンを複製する。これによって、金属製のレリーフ版を得ることができる。そして、硬化後の塗布層にレリーフ版を熱圧着させることによって、記録面11Sを有した記録層11を得ることができる。または、硬化前の塗布層にレリーフ版を密着させた状態で塗布層を硬化させることによって、記録面11Sを有した記録層11を形成することができる。
記録面11Sを有した記録層11は、記録層11の前駆層が有する1つの面を切削することによって形成することも可能である。
なお、第2記録領域11A2が備える回折格子A21は、例えば、干渉性が高い光を物体に当て、これによって得られた散乱光に、同じ光源から参照光を照射することによって形成された干渉縞を感光材料に記録させたに基づくものであってもよい。または、第2記録領域11A2が備える回折格子A21は、予めコンピューターを用いたシミュレーションによって得られた構造に基づくものであってもよい。
これに対して、第1記録領域11A1では、傾斜面A11の高さ、傾斜面A11の幅、および、傾斜面A11の方位角によって、第1記録領域11A1に記録される立体像の形状などを制御することが可能である。言い換えれば、傾斜面A11の法線ベクトルを、表示する立体像を構成する仮想面の向く方向とすることができる。
[反射層12]
反射層12は、金属とできる。反射層12の金属は、アルミニウム、銀、スズ、クロム、ニッケル、銅、金、および、真鍮であってよい。または、反射層12を形成するための金属または合金は、物理堆積、または、化学堆積により形成できる。物理堆積は、真空蒸着、および、スパッタとできる。
第1記録領域11A1、および、第2記録領域11A2に追従する形状を有した反射部12A,12Bを備える反射層12は、以下に列挙するいずれかの方法によって形成できる。また、以下のいずれか2つ以上の方法を組み合わせてもよい。
第1の方法では、所定の印刷法を用いて、各記録領域11A1,11A2の形状に追従する形状を有した反射部12A,12Bを形成する。第2の方法では、第1記録領域11A1の形状に追従する開口部、および、第2記録領域11A2の形状に追従する開口部を有したマスクを用いて反射部12A,12Bを堆積、または、塗布により形成する。これにより、マスクによってマスクされた部分以外の記録領域11A1,11A2の形状に追従する形状を有した反射部12A,12Bを形成できる。
第3の方法では、まず、記録面11Sのなかで、第1記録領域11A1および第2記録領域11A2以外の領域に、溶剤に対する溶解性を有した樹脂を塗布する。次いで、記録面11Sの全体、すなわち、記録面11Sのなかで、溶解性を有した樹脂によって覆われた部分と、溶解性の樹脂によって覆われていない部分との両方に、反射層12を形成するための薄膜を形成する。次いで、溶剤を用いることによって、樹脂とともに、薄膜のなかで、樹脂上に形成された領域を記録面11Sから除去する。これにより、樹脂で覆われていた領域以外の記録領域11A1,11A2の形状に追従する形状を有した反射部12A,12Bを形成できる。
第4の方法では、まず、反射層12を形成するための薄膜よりも記録面11Sから剥離されやすい樹脂によって、記録面11Sのなかで、第1記録領域11A1および第2記録領域11A2以外の領域に、樹脂層を形成する。次いで、記録面11Sの全体に、反射層12を形成するための薄膜を形成する。そして、記録面11S上の薄膜に粘着ロールや粘着紙を押し当てることによって、粘着シートや粘着紙に樹脂層を転写する。これによって、各記録領域11A1,11A2に追従した形状を有する反射部12A,12Bを形成することができる。
第5の方法では、まず、記録面11Sの全体に反射層12を形成するための薄膜を形成する。次いで、耐薬品性を有した樹脂層を、第1記録領域11A1および第2記録領域11A2に追従した形状を有するように薄膜上に形成する。そして、アルカリ性のエッチング液または酸性のエッチング液を用いることによって、薄膜のなかで、樹脂層から露出した部分を溶解する。この場合には、薄膜の一部を溶解した後に、耐薬品性の樹脂層を反射層12上から取り除いてもよいし、取り除かなくでもよい。耐薬品性の樹脂層を反射層12上に位置させることによって、反射層12を保護する保護層、または、反射層12を装飾する印刷層として樹脂層を用いることができる。これにより、樹脂が形成されていた領域の記録領域11A1,11A2の形状に追従する形状を有した反射部12A,12Bを形成できる。
第6の方法では、まず、記録面11Sの全体に反射層12を形成するための薄膜を形成する。次いで、薄膜の全体を感光性樹脂によって覆う。その後、第1記録領域11A1および第2記録領域11A2の形状に応じて感光性樹脂層を露光し、かつ、現像する。感光性樹脂層がネガ型の場合、露光された領域に感光性樹脂が残る。感光性樹脂層がポジ型の場合、露光されていない領域に感光性樹脂が残る。そして、アルカリ性のエッチング液または酸性のエッチング液を用いることによって、薄膜のなかで、感光性樹脂層から露出した部分を溶解する。この場合には、第5の方法と同様、薄膜の一部を溶解した後に、感光性樹脂層を反射層12上から取り除いてもよいし、取り除かなくてもよい。感光性樹脂層を反射層12上に位置させることによって、反射層12を保護する保護層、または、反射層12を装飾する印刷層として感光性樹脂層を用いることができる。これにより、樹脂が現像後に残っている領域の記録領域11A1,11A2の形状に追従する形状を有した反射部12A,12Bを形成できる。
第7の方法では、まず、記録面11Sの全体に反射層12を形成するための薄膜を形成する。次いで、薄膜のなかで、第1記録領域11A1を覆う部分、および、第2記録領域11A2を覆う部分以外の部分を、薄膜にレーザービームを照射することによって、記録面11S上から取り除く。これにより、レーザービームが照射された領域以外の記録領域11A1,11A2の形状に追従する形状を有した反射部12A,12Bを形成できる。
[基材13]
表示ラベル10が基材13を備える場合には、基材13は、透明な高分子樹脂フィルムであってよい。高分子樹脂フィルムを形成する材料は、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、および、ポリエチレンナフタレート樹脂であってよい。
[接着層14]
表示ラベル10が接着層14を備える場合には、接着層14は、記録層11の記録面11Sに塗布されることによって形成される。接着層14を形成する際の塗布方法は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凸版印刷法、および、スクリーン印刷法であってよい。
接着層14を形成する材料は、澱粉系、メチルセルロース系、カルボキシセルロース系、ヒドロキシエチルセルロース系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ビニルエチルエーテル‐無水マレイン酸共重合体系、ポリアクリル酸系、および、ポリエチレンオキサイド系の接着剤、または、粘着剤であってよい。接着層14を形成する材料は、感圧性の材料、および、感熱性の材料であってもよい。
[実験結果]
[実験結果1]
25μmの厚さを有したポリエチレンテレフタレートフィルムを基材13として準備した。次いで、基材13にグラビア印刷法を用いて以下のインキを塗布した後、塗布した層を乾燥させることによって、1.5μmの厚さを有した記録層11の前駆層を得た。そして、第1記録領域11A1および第2記録領域11A2を形成するためのレリーフ版を熱圧着させることによって、記録面11Sを有した記録層11を得た。
[記録層用インキ]
アクリル樹脂 18.0重量部
シランカップリング剤 2.0重量部
メチルエチルケトン 80.0重量部
記録面11Sの全体に、真空蒸着法を用いて80nmの厚さを有したアルミニウム膜を形成した。次に、アルミニウム膜の全体にスクリーン印刷法を用いて感光剤を塗布した後、塗布した層を乾燥させることによって、5μmの厚さを有した感光性層を得た。そして、露光マスクを用いて感光性層を露光した。次いで、現像液を用いて感光性層を現像するとともに、アルミニウム膜をエッチングした。続いて、剥離液を用いてアルミニウム膜上から感光性層を取り除くことによって、第1記録領域11A1に追従した形状を有する第1反射部12Aと、第2記録領域11A2に追従した形状を有する第2反射部12Bとから構成される反射層12を得た。
記録面11Sの全体に、グラビア印刷法を用いて以下のインキを塗布した後、塗布した層を乾燥させることによって、7μmの厚さを有した接着層14を形成した。これによって、実験結果1の表示ラベル10を得た。次いで、ホットスタンプ機を用いて表示ラベル10をプラスチックプレート31に貼り付けることによって、実験結果1のカード30を得た。
[接着層用インキ]
塩酢ビ樹脂 30.0重量部
酢酸エチル 50.0重量部
トルエン 20.0重量部
[比較結果1]
実験結果1の表示ラベル10において、記録面11Sの全体に形成したアルミニウム膜を反射層22とした以外は、実験結果1と同様の方法によって、比較結果1の表示ラベル20を得た。また、比較結果1の表示ラベル20を実験結果1と同様の方法によってプラスチックプレート31に貼り付けることによって、比較結果1のカードを得た。
[評価結果]
実験結果1のカード30では、実験結果1の表示ラベル10における第1記録領域11A1に記録された立体像の輝度、および、第2記録領域11A2に記録された立体像の輝度が、各記録領域11A1,11A2を取り囲む平坦領域11Bの輝度よりも大幅に高いことが認められた。これにより、各記録領域11A1,11A2に記録された立体像がその周囲に対して目立ち、結果として、表示ラベル10に記録された立体像の奥行き感が高められることが認められた。
これに対して、比較結果1のカードでは、比較結果1の表示ラベル10における各記録領域11A1,11A2に記録された立体像の輝度と、各記録領域11A1,11A2を取り囲む平坦領域11Bの輝度との差が小さいために、各記録領域11A1,11A2に記録された立体像が目立たないことが認められた。
以上説明したように、表示ラベル、および、物品の第1実施形態によれば、以下に記載の視覚効果、生産性を得ることができる。
(1)反射部12A,12Bが記録領域11A1,11A2の外形に追従した形状を有するため、記録領域11A1,11A2の輝度と、記録領域11A1,11A2を取り囲む平坦領域11Bの輝度とのコントラストを大きくすることが可能である。これにより、記録領域11A1,11A2に記録された立体像が平坦領域11Bに対して目立つことにより、立体像の奥行き感を高めることが可能である。
(2)表示ラベル10を観察した観察者は、記録領域11A1,11A2の縁11Eと反射部12A,12Bの縁12Eとを個別に観察することができない。そのため、観察者は、記録領域11A1,11A2の形状と反射部12A,12Bの形状とが同一であると認識する。これにより、記録領域11A1,11A2に記録された立体像と、その周囲とのコントラストがより強調される。結果として、記録領域11A1,11A2に記録された立体像の奥行き感が高まる。
(3)表示ラベル10を観察した観察者は、記録層11の厚さ方向から見て、記録領域11A1,11A2と反射部12A,12Bとが同一の形状を有すると認識する確率が高まる。これにより、記録領域11A1,11A2に記録された立体像と、その周囲とのコントラストがより強調される。結果として、記録領域11A1,11A2に記録された立体像の奥行き感が高まる。
(4)記録層11の厚さ方向から見て、反射部12A,12Bが記録領域11A1,11A2よりも大きいため、記録領域11A1,11A2に対する反射部12A,12Bの相対的な位置のずれが生じたとしても、記録領域11A1,11A2の全体が反射部12A,12Bによって覆われやすくなる。
(5)記録層11の厚さ方向から見て、反射部12A,12Bが記録領域11A1,11A2よりも小さいため、記録領域11A1,11A2に対する反射部12A,12Bの相対的な位置のずれが生じたとしても、反射部12A,12Bが記録領域11A1,11A2の縁11Eから観察者によって視認できる程度にはみ出すことが生じにくくなる。
なお、上述した実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
[記録層]
・記録層11は、第1記録領域11A1と第2記録領域11A2とのいずれか一方のみを備えてもよい。この場合であっても、上述した(1)と同様に奥行き感を得ることはできる。
[反射層]
・反射層12は、記録層11の厚さ方向から見て、各記録領域11A1,11A2に追従した形状を有して、各記録領域11A1,11A2の縁11Eにおける全体にわたって各記録領域11A1,11A2よりも大きく、かつ、各距離DIS1,DIS2が、1mmよりも大きく、かつ、3mm以下であってもよい。この場合には、反射層12のなかで、各記録領域11A1,11A2の縁11Eよりも外側に位置する部分が、各記録領域11A1,11A2が表示する立体像の縁とは分離した状態で観察される。そのため、反射層12のなかで、各記録領域11A1,11A2の縁11Eよりも外側に位置する部分が、各記録領域11A1,11A2が表示する立体像を縁取ることによって、立体像の意匠性が高められる。
・各反射部12A,12Bの縁12Eは、その反射部12Aが追従する記録領域11A1,11A2の縁11Eにおける全体において、記録領域11A1,11A2の縁11Eよりも内側に位置する部分と、記録領域11A1,11A2の縁11Eよりも外側に位置する部分とを含んでもよい。この場合であっても、上述した条件1および条件2を満たしていれば、上述した(2)と同様に奥行き感を得ることはできる。
[印刷層]
・表示ラベル10は、記録層11、反射層12、基材13、および、接着層14の他に、印刷層を備えてもよい。表示ラベル10は、記録層11と反射層12との間以外の部位に印刷層を備えることが可能である。印刷層を形成するためのインキには、各種の染料や顔料を含むインキを用いることができる。印刷層を形成するための方法は、凸版印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、および、スクリーン印刷法であってよい。表示ラベル10が印刷層を備えることによって、表示ラベル10が印刷層を備えてない場合と比べて、表示ラベル10の意匠性を高めたり、表示ラベル10の偽造防止性を高めたりすることが可能である。
[物品]
・表示ラベル10は、プラスチックプレート31の表面31Fまたは裏面31Rが有する窪み内に埋め込まれてもよい。この場合には、プラスチックプレート31の窪みを区画する壁面に上述した接着層を形成するための接着剤が付されてもよいし、接着剤が付されなくてもよい。
・カード30のプラスチックプレート31は、透明窓31Aを備えていなくてもよい。この場合には、プラスチックプレート31の全体が、半透明または不透明である。
・表示ラベル10が付される物品は、上述したカード以外の物品でもよい。物品は、真正品であることが表示ラベル10によって証明される物品でもよいし、各種の証明書でもよい。
[第2実施形態]
図14から図16を参照して、表示ラベルおよび物品の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、表示ラベルが透明反射層を備える点が第1実施形態とは異なっている。そのため以下では、第2実施形態における第1実施形態との相違点を詳しく説明する一方で、第2実施形態において第1実施形態と共通する構成には同一の符号を付すことによって、当該構成の説明を省略する。また、以下では、表示ラベルの構造、表示ラベルの作用、表示ラベルの製造方法、および、実験結果を順に説明する。
[表示ラベルの構造]
図14を参照して、表示ラベルの構造を説明する。
図14が示すように、表示ラベル40は、記録層41と反射層42とを備えている。記録層41は、第1実施形態の表示ラベル10が備える記録層11に対応している。記録層41において、記録面41Sが第1実施形態の記録面11Sに対応し、第1記録領域41A1が第1実施形態の第1記録領域11A1に対応し、かつ、第2記録領域41A2が第1実施形態の第2記録領域11A2に対応している。記録層41において、平坦領域41Bが、第1実施形態の平坦領域11Bに対応している。反射層42は、第1記録領域41A1上のみに位置する点で、第1実施形態の反射層12とは異なっている。
透明反射層43は、記録層41の厚さ方向から見て、反射層42における第1記録領域41A1に対向する面とは反対側の面と、記録面41Sのなかで、反射層42によって覆われていない部分とを覆っている。透明反射層43の屈折率と記録層41の屈折率との差が、0.2以上である。透明反射層43は、透明反射層43に入射した光を透過する透過性を有し、かつ、透明反射層43の屈折率と記録層41の屈折率との差によって、透明反射層43に入射した光を反射することが可能である。
[表示ラベルの作用]
図15および図16を参照して、表示ラベル40の作用を説明する。図15は、表示ラベル40が第1観察点OB1から観察されたときの表示ラベル40の平面構造を示している。これに対して、図16は、表示ラベル40が第2観察点OB2から観察されたときの表示ラベル40の平面構造を示している。図15および図16では、図6および図7と同様に、図示の便宜上、第1記録領域41A1の縁と、反射層42の縁のなかで、第1記録領域41A1の縁に重なる部分とを1つの実線で示している。
図15が示すように、第1記録領域41A1は、第1実施形態の第1記録領域11A1と同じ形状を有している。2つの第2記録領域41A2のうちの一方は、ハート状を有している。2つの第2記録領域41A2のうちの他方は、星状を有している。
表示ラベル40が第1観察点OB1から観察されているため、第1実施形態の表示ラベル10と同様、第1記録領域41A1が備える傾斜面A11によって記録された立体像が観察される。第1記録領域41A1は、第1記録領域41A1の縁41Eに追従する形状を有した反射層42によって覆われているため、第1記録領域41A1が反射層42によって覆われていない場合に比べて、第1記録領域41A1が射出する反射光の輝度が高い。
一方で、各第2記録領域41A2が射出する反射光は、第1観察点OB1ではほとんど観察されない。しかも、各第2記録領域41A2は、透明反射層43によって覆われているため、第1観察点OB1から第2記録領域41A2が観察された場合には、第2記録領域41A2はいずれもほぼ透明である。それゆえに、第2記録領域41A2は、第2記録領域41A2を取り囲む平坦領域41Bから区別されない。結果として、第1記録領域41A1に記録された立体像がより際立つ。
図16が示すように、表示ラベル40が第2観察点OB2から観察されているため、第2記録領域41A2が備える回折格子A21によって記録された立体像が観察される。各第2記録領域41A2は金属製の反射層42ではなく、透明反射層43によって覆われているため、金属光沢ではなく、透明な層に対して回折格子A21が射出する回折光が重畳した像として第2記録領域41A2に記録された立体像が観察される。
[表示ラベルの製造方法]
上述した表示ラベル40は、透明反射層43を備える点が第1実施形態の表示ラベル10と異なっている。そのため以下では、表示ラベル40の製造方法のうち、透明反射層43を形成する工程を詳しく説明する一方で、それ以外の層を形成する工程についての説明を省略する。
透明反射層43は、記録層41よりも高い屈折率を有した透明な薄膜である。透明反射層43の屈折率は、記録層41の屈折率よりも0.2以上高く、2.0以上高いことが好ましい。
透明反射層43は、誘電体とできる。誘電体は、金属化合物または酸化ケイ素とできる。金属化合物は、金属酸化物、金属硫化物、金属フッ化物、金属窒化物、ハロゲン化金属などとできる。透明反射層43を形成するための材料は、以下に列挙する材料であってよい。透明反射層43を形成するための材料は、Sb2O3、Fe2O3、TiO2、CdS、CeO2、ZnS、PbCl2、CdO、WO3、SiO、Si2O3、In2O3、PbO、Ta2O3、ZnO、ZrO2、MgF、CaF、および、GaNであってよい。透明反射層43は、堆積法により形成することができる。堆積法は、物理堆積法または化学堆積法とできる。物理堆積法は、真空蒸着、スパッタとできる。また、透明反射層43は、単層、多層とできる。多層の透明反射層43は、屈折率の異なる誘電体を交互に堆積したものとできる。透明反射層43の厚さは、5nm以上1000nm以下であってよい。
[実験結果]
[実験結果2]
実験結果1の表示ラベル10において、以下の点を変更した以外は、実験結果1と同様の方法によって、実験結果2の表示ラベル40、および、実験結果2のカードを得た。すなわち、実験結果2では、第1記録領域11A1に追従した形状を有する反射層42を形成する一方で、第2記録領域41A2上には反射層42を形成しなかった。次いで、記録面11Sにおいて反射層42によって覆われた領域と、反射層42によって覆われていない領域との両方に、100nmの厚さを有したSi2O3膜を透明反射層43として形成した。Si2O3膜の形成には、真空蒸着法を用いた。
[比較結果2]
実験結果2の表示ラベル40において、記録面11Sの全体に形成したアルミニウム膜を反射層とし、かつ、透明反射層43を形成しなかった以外は、実験結果2と同様の方法によって、比較結果2の表示ラベルを得た。また、比較結果2の表示ラベルを実験結果1と同様の方法によってプラスチックプレート31に貼り付けることによって、比較結果2のカードを得た。
[評価結果]
実験結果2のカードでは、実験結果2の表示ラベル40における第1記録領域41A1に記録された立体像の輝度が、第1記録領域41A1を取り囲む平坦領域11B、および、第2記録領域41A2の輝度よりも大幅に高いことが認められた。これにより、第1記録領域41A1に記録された立体像の奥行き感が高められることが認められた。
第2記録領域41A2に記録された立体像は、透明な層に対して回折格子A21が射出した回折光が重畳した像であり、これによって、金属光沢とともに観察される第1記録領域41A1の立体像とは外観が異なる像として観察されることが認められた。そして、こうした立体像間の違いによって、各記録領域41A1,41A2に記録された立体像の奥行き感が、互いに高められることが認められた。
これに対して、比較結果2のカードでは、比較結果1の表示ラベルにおける各記録領域41A1,41A2に記録された立体像の輝度と、各記録領域41A1,41A2を取り囲む平坦領域41Bの輝度との差が小さいために、各記録領域41A1,41A2に記録された立体像が目立たないことが認められた。
以上説明したように、表示ラベルおよび物品の第2実施形態によれば、上述した(1)から(5)の視覚効果、生産性に加えて、以下に記載の視覚効果を得ることができる。
(6)反射層42によって第1記録領域41A1に記録された立体像の奥行き感を高め、かつ、第2記録領域41A2に記録された立体像を、記録層41の屈折率と透明反射層43の屈折率との差に起因した光の反射によって表示することが可能である。
なお、上述した第2実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[透明反射層]
・記録層41の屈折率と透明反射層43の屈折率との差が0.2以上であればよいため、透明反射層43の屈折率が、記録層41の屈折率よりも0.2以上低くてもよい。この場合であっても、上述した(6)に準じた効果を得ることはできる。
・透明反射層43は、各第2記録領域41A2に追従した形状を有してもよい。この場合であっても、上述した(6)と同様に視覚効果を得ることはできる。
上記実施形態、および、変形例から導き出される技術的思想を以下に付記する。
[付記1]
前記反射層の光学濃度が、1.0以上である
請求項1から6のいずれか一項に記載の表示ラベル。
上記構成によれば、反射層の光学濃度が1.0よりも小さい場合に比べて、反射層の反射率が高まり、これによって、反射層とその周囲に位置する平坦領域とのコントラストがより強調される。
[付記2]
前記記録領域は、
前記平坦領域に対して所定の角度で形成した複数の傾斜面であって、第1傾斜面と、前記平坦領域に対して傾斜する角度が前記第1傾斜面とは異なる第2傾斜面とを含む前記複数の傾斜面を備える第1記録領域、または、
回折格子を備える第2記録領域である
請求項1から6のいずれか一項、または、付記1に記載の表示ラベル。
上記構成によれば、記録領域が、第1記録領域であれ第2記録領域であれ、その記録領域に記録された立体像の奥行き感を高めることができる。
[付記3]
前記記録領域は第1記録領域であり、前記第1記録領域は、前記平坦領域に対して所定の角度で傾斜した複数の傾斜面を備え、前記複数の傾斜面は、第1傾斜面と第2傾斜面とを含み、前記第1傾斜面が前記第1傾斜面に入射した光を射出する方向が、前記第2傾斜面が前記第2傾斜面に入射した光を射出する方向と異なり、
前記記録面は、立体像を記録するための回折格子を備える第2記録領域をさらに含み、
前記反射層は、前記記録層の厚さ方向から見て、前記第1記録領域の外形に追従した形状を有する第1反射部と、前記第2記録領域の外形に追従した形状を有する第2反射部と、を含む
請求項1から6のいずれか一項、または、付記1に記載の表示ラベル。
上記構成によれば、第1記録領域に記録された立体像と、第2記録領域に記録された立体像との両方について奥行き感を高めることができる。
[付記4]
前記記録領域は第1記録領域であり、前記第1記録領域は、前記平坦領域に対して所定の角度で傾斜した複数の傾斜面を備え、前記複数の傾斜面は、第1傾斜面と第2傾斜面とを含み、前記第1傾斜面が前記第1傾斜面に入射した光を射出する方向が、前記第2傾斜面が前記第2傾斜面に入射した光を射出する方向と異なり、
前記記録面は、立体像を記録するための回折格子を備える第2記録領域をさらに含み、
前記反射層は、前記記録層の厚さ方向から見て、前記第1記録領域の外形に追従した形状を有し、
前記記録層の厚さ方向から見て、前記反射層における前記第1記録領域に対向する面とは反対側の面と、前記記録面のなかで、前記反射層によって覆われていない部分とを覆う透明反射層をさらに備え、前記透明反射層の屈折率と前記記録層の屈折率との差が、0.2以上である
請求項1から6のいずれか一項、または、付記1に記載の表示ラベル。
上記構成によれば、反射層によって第1記録領域に記録された立体像の奥行き感を高め、かつ、第2記録領域に記録された立体像を、記録層の屈折率と透明反射層の屈折率との差に起因した光の反射によって表示することが可能である。
[付記5]
前記第1記録領域に入射した光が前記第1記録領域から射出される第1射出方向は、前記第2記録領域に入射した光が前記第2記録領域から射出される第2射出方向と異なる
付記3または4に記載の表示ラベル。
上記構成によれば、表示ラベルは、第1記録領域が記録する立体像と、第2記録領域が記録する立体像とを互いに異なる方向に表示することが可能である。そのため、表示ラベルの真贋を表示ラベルに記録された立体像によって判定する場合には、表示ラベルに対する観察点の相対的な位置が変わることによって、表示ラベルが表示する立体像が変わるか否かを判定すればよい。それゆえに、表示ラベルの真贋の判定が容易である。
[付記6]
前記プラスチックプレートにおいて、前記表示ラベルの厚さ方向から見て、少なくとも前記記録領域と重なる部分が透明である
請求項7に記載の物品。
上記構成によれば、表示ラベルは、プラスチックプレートの表面と対向する方向から表示ラベルを観察する観察者、および、プラスチックプレートの裏面と対向する方向から表示ラベルを観察する観察者の両方に向けて立体像を表示することが可能である。