JP2020112282A - 電気化学式圧縮ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率な電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の提供。【解決手段】電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103のアノード側給電板とカソード側給電板との間に、電気的開閉手段A120および電気的開平手段B121を有したバイパス回路A118およびバイパス回路B119を設けた構成としてある。これにより、温度や電圧が上昇した電気化学圧縮機のみバイパス回路に備えた電気的開閉手段を接続して、アノード側給電板とカソード側給電板間の電圧を下げることができるので、電気化学式圧縮機の温度や電圧を下げることができ、給電システム全体の電流を下げることなく、効率よく電気化学式圧縮ヒートポンプ装置を運転することができる。【選択図】図1

Description

本発明は電気化学式圧縮ヒートポンプ装置に関するものである。
燃料電池に使用されている電解質膜に電圧を加えると、作動流体であるHがプロトン(H)に変化し、電解質膜の一方から他方へと移動する。この時、プロトンは、水、アルコール、アンモニアなどの極性物質を伴って電解質膜の中を移動する。この現象を利用して極性物質のガスを圧縮する技術は、「電気化学式圧縮」と呼ばれており、この技術を応用した圧縮機は、「電気化学式圧縮機」と呼ばれている。
近年、地球環境保護の観点から、この電気化学式圧縮機を使用したヒートポンプ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、特許文献1に記載された従来の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の構成を示す模式図である。図6は、同文献に記載された従来の電気化学式圧縮機の構成を示す概念図である。
図5に示すように、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置1は、複数の電気化学式圧縮機2、3と、圧縮した極性物質を凝縮させる凝縮器4と、凝縮された極性物質を膨張させる膨張器などの膨張手段5と、極性物質を蒸発させる蒸発器6と、それらをつなげる配管7、8、9、10により構成される。
また、図6に示すように、電気化学式圧縮機2、3は、電解質膜・電極接合体23と、電解質膜・電極接合体23を挟むように配置されたアノード側給電板24と、カソード側給電板25により構成される。この、アノード側給電板24と、カソード側給電板25は、電解質膜・電極接合体23に電圧を加える役割をする。また、電解質膜・電極接合体23は、高分子材料からなる電解質膜32を挟むように配置された触媒層35とガス拡散層36から構成されるアノード側電極33とカソード側電極34とから構成されている。
ここで、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置1の給電システムは、電気化学式圧縮機2、3の給電板24、25に電圧をかけるために直流電源11が用いられるが、複数の電気化学式圧縮機を備える場合は、直流電源11と複数のセルの給電板24、25を直列に接続して、直流電源11の台数を減らしている。また、給電システムは、一定の能力を出すために、電流を制御している。
米国特許第4593534号明細書
しかしながら、前記従来の構成では、運転中に電気化学式圧縮機の温度が高くなると、それに伴い、電気化学式圧縮機の抵抗値が高くなる。抵抗値が高いので既定の電流を流すために、電圧を上げる必要があり、その結果、電気化学式圧縮機が発熱し、さらに温度が上昇してしまい、余計な発熱によるロスが発生して、電気化学式圧縮機の効率低下を起こしてしまう。また、温度が上昇することで、電解質膜・電極接合体の劣化も促進される。
このような場合、給電システム全体に流している電流を下げれば、電気化学式圧縮機の発熱を抑制することができるが、正常な他の電気化学式圧縮機の電流も下がるため、極性物質の循環量が低下し、能力が低下するという課題を生じる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、給電システム全体の電流を下げることなく、温度や電圧が上昇した電気化学式圧縮機のみ温度や電圧を下げるようにして、高効率の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置は、それぞれの電気化学式圧縮機のアノード側給電板とカソード側給電板との間に、電気的開閉手段を有したバイパス回路を設けた構成としてある。
これによって、温度や電圧が上昇した電気化学圧縮機のみバイパス回路の電気的開閉手段を接続して、アノード側給電板とカソード側給電板間の電圧を下げることができ、電気化学式圧縮機の温度や電圧を下げることができる。
本発明の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置は、温度や電圧が上昇した電気化学式圧縮機のみ温度や電圧を下げることができるので、給電システム全体の電流を下げることなく、効率よく電気化学式圧縮ヒートポンプ装置を運転することができる。
本発明の実施の形態1における電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の構成を示す模式図 同実施の形態1における電気化学式圧縮機内部の構成および作動流体と電子の流れを示す概念図 同実施の形態1における電気化学式圧縮ヒートポンプ装置おける給電システムの制御を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の構成を示す模式図 従来の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の構成を示す模式図 従来の電気化学式圧縮機の構成を示す概念図
第1の発明は、少なくとも2枚の給電板と、2枚の給電板にはさまれた電解質膜・電極接合体とを備えた複数の電気化学式圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器を配管によって環状に連結した冷媒回路と、前記電気化学式圧縮機に電気を供給する電源とを有し、前記複数の電気化学式圧縮機の電気配線を直列に接続し、且つ、それぞれの電気化学式圧縮機の2枚の給電板間に、電気的開閉手段を有したバイパス回路を設けた構成としてある。
これにより、複数の電気化学式圧縮機のうち、温度や電圧が上昇した電気化学式圧縮機のみ、バイパス回路に備えた電気的開閉手段を接続して、アノード側給電板とカソード側給電板間の電圧を下げることができ、給電システム全体の電流値を下げることなく、温度や電圧が上昇した電気化学式圧縮機の温度や電圧を下げることができる。よって、給電システム全体の電流を下げることなく、効率良く電気化学式圧縮ヒートポンプ装置を運転することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記バイパス回路に電気的開閉手段とともに負荷抵抗装置を設けた構成としてある。
これにより、バイパス回路に備えた電気的開閉手段を接続して、アノード側給電板とカソード側給電板間の電圧を下げたとき、バイパスした電気化学式圧縮機のアノード側給電板とカソード側給電板間の電圧は、負荷抵抗装置により、ゼロにならないので、バイパスした電気化学式圧縮機の稼働を完全に止めることなく、電気化学式圧縮機の温度低下を図ることができる。よって、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の冷媒循環量の低下を低減できる。
第3の発明は、特に、第2の発明において、前記負荷抵抗装置を固定抵抗とした構成としてある。
これにより、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置を安価に構成することができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記電気的開閉手段を電磁開閉器とした構成としてある。
これにより、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置を安価な構成とすることができるとともに、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置に大電流を流すことができるので、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の冷媒循環量を増加させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記電気的開閉手段を半導体スイッチとした構成としてある。
これにより、電気的開閉手段を駆動する電気入力を下げることができる。また、電気的開閉手段の短絡時と切断時に発生しやすい電磁ノイズの発生も抑制できる。さらに、半導体スイッチは、電磁開閉器のような機械的駆動部分がないので、寿命が長く、信頼性を向上することができる。
第6の発明は、特に、第5の発明において、前記半導体スイッチをトランジスタとした構成としてある。
これにより、アノード側給電板とカソード側給電板間の電圧を調整できる。よって、電気化学式圧縮機の温度に基づいて、アノード側給電板とカソード側給電板間の電圧を変えることで、電気化学式圧縮機を極力、停止させずに電気化学式圧縮機の温度を下げることができ、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の冷媒循環量の低下を低減できる。
第7の発明は、特に、第5の発明において、前記半導体スイッチを電界効果トランジスタとした構成としてある。
これにより、アノード側給電板とカソード側給電板間の電圧をスイッチングできる。よって、電気化学式圧縮機の温度に基づいて、アノード側給電板とカソード側給電板間のスイッチング幅を変えることで、電気化学式圧縮機を極力、停止させずに電気化学式圧縮機の温度を下げることができる。また、電界効果トランジスタを用いることで、少ない消費電力でスイッチングできるので、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の省エネが図れる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の構成を示す模式図である。図2は、同実施の形態1における電気化学式圧縮機内部の構成および作動流体と電子の流れを示す概念図である。図3は、同実施の形態1における電気化学式圧縮ヒートポンプ装置における給電システムの制御を示すフローチャートである。
図1と図2において、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置101は、2台の電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103と、凝縮器104と、膨張機構105と、蒸発器106とを備え、電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103の吐出ポート131(図2参照)と凝縮器104の入口との間を配管A107、凝縮器104の出口と膨張機構105の入口との間を配管B108、膨張機構105の出口と蒸発器106の入口との間を配管C109、蒸発器106の出口と電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103の吸入ポート130(図2参照)との間を配管110で接続している。
電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103は、図2に示すように、電解質膜・電極接合体123と、電解質膜・電極接合体123を挟むように配置されたアノード側給電板124と、カソード側給電板125と、その両側をアノード側固定板128とカソード側固定板129とで挟みこんでいる。
電解質膜・電極接合体123は、高分子材料からなる電解質膜132を挟むように配置されたアノード側電極133とカソード側電極134とから構成されている。ここで、電解質膜・電極接合体123は、例えばナフィオン(デュポン社の登録商標)のようなパーフルオロスルホン酸膜が挙げられる。
アノード側電極133およびカソード側電極134は、それぞれカーボンクロスのような導電性基材からなるガス拡散層136と、導電性基材に担持された、触媒からなる触媒層135とで構成されている。なお、本実施の形態では、触媒層135には白金のような貴金属を含む触媒を用いているが、鉄のような卑金属を含む触媒や、金属を含まない触媒を用いてもよい。
また、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置101には、電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103を駆動する直流電源111が備え付けられている。直流電源111の正極と電気化学式圧縮機A102のアノード側給電板124を電気配線A113で、電気化学式圧縮機A102のカソード側給電板125と電気化学式圧縮機B103のアノード側給電板124を電気配線B114で、電気化学式圧縮機B103のカソード側給電板125と直流電源111の負極を電気配線C115で、それぞれ接続している。
また、電気化学式圧縮機A102のアノード側給電板124とカソード側給電板125との間にバイパス回路A118が接続され、電気化学式圧縮機B103のアノード側給電板124とカソード側給電板125との間にバイパス回路B119が接続されている。バイパス回路A118、バイパス回路B119の途中には、電気的開閉手段A120、電気的開閉手段B121が、それぞれ備え付けられている。この電気的開閉手段A120により、バイパス回路A118を、また電気的開閉手段B121によりバイパス回路B119が、遮断されている。
また、電気化学式圧縮機A102と電気化学式圧縮機B103には、電気化学式圧縮機の温度を測定する温度測定器116と、アノード側給電板124とカソード側給電板125との間の電圧を測定する電圧測定器117と、測定された温度データと電圧データを受けて、直流電源111と、電気的開閉手段A120、電気的開閉手段B121を制御するコントローラ112が備わっている。
次に、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置101で使用する作動流体について説明する。
作動流体として、冷媒及び非凝縮性ガスが充填されている。冷媒は、凝縮性流体である。非凝縮性ガスは、電気化学的に活性なガスであり、冷媒を圧縮するために使用される。
本実施の形態では、電気化学的に活性な非凝縮性ガスとして、水素ガスが使用されている。また、冷媒として、極性物質が使用されている。具体的には、冷媒として、水、アルコール、アンモニアなどの自然冷媒が使用できる。自然冷媒の使用は、オゾン層の保護、地球温暖化の防止などの環境保護の観点で望ましい。アルコールとして、メタノール、エタノールなどの低級アルコールが挙げられる。水およびアルコールは、常温(日本工業規格:20℃±15℃/JIS Z8703)での飽和蒸気圧が負圧(絶対圧で大気圧よりも低い圧力)の冷媒である。常温での飽和蒸気圧が負圧の冷媒を使用すると、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置101の運転時において、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置101の内部の圧力は大気圧を下回る。冷媒としてアンモニアを使用した場合、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置101は、例えば、凝縮器104及び蒸発器106の内部の圧力が大気圧よりも高い圧力となる条件で運転できる。上記の冷媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。凍結防止などの理由から、冷媒には、不凍剤が含まれていてもよい。不凍剤として、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコールを使用できる。不凍剤を含む冷媒として、水とアルコールとの混合冷媒が挙げられる。アルコールは冷媒としても機能できる。
以上のように構成された電気化学式圧縮ヒートポンプ装置と電気化学式圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電気化学式圧縮機の圧縮作用を説明する。
電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103のアノード側固定板128の吸入ポート130付近の作動流体は、アノード側給電板124に設けられた流路126を通って、電解質膜・電極接合体123のアノード側電極133に接触する。アノード側電極133とカソード側電極134の間には、アノード側電極133が電位的に高くなるように電圧をかけられており、アノード側電極133側の触媒層135に接触した非凝縮性ガスの水素分子(H)は電離反応により電子(e)を放出し、イオン化し、プロトン(H)となり、極性を有するようになる。
その結果、プロトン(H)は、電位差によって、アノード側電極133側からカソード側電極134側へ強制的に電解質膜132内を移動させられる。その際、極性物質である複数の水分子(HO)を随伴する作用がある。
そして、電解質膜132を通過したプロトン(H)はカソード側電極134側の触媒層135において先述の電離反応と逆の反応により電子(e)を受け取り、プロトン(H)の状態から元の水素分子(H)の状態に戻る。
アノード側電極133とカソード側電極134の間にある電位差によって強制的に移動させられた一つのプロトン(H)が複数の水分子(HO)をアノード側電極133側からカソード側電極134側へ随伴することにより、冷媒の水分子(HO)の密度がアノード側電極133側よりカソード側電極134側の方が高くなる。すなわち、電解質膜・電極接合体123を隔てて冷媒である水の圧縮現象が起き、圧縮が行われる。
次に上記電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103を用いて構成した電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の動作について説明する。
直流電源111から、電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103に一定電流を保つように電圧が印加されると、前述したように電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103は、作動流体を吸入ポート130から吸入し、吐出ポート131から圧縮された作動流体を配管A107に吐き出す。圧縮された作動流体は、凝縮器104に流入し、流入した作動流体の中の冷媒である水は、凝縮器104にて周囲に放熱することにより、凝縮する。その後、膨張機構105により減圧された冷媒である水は、蒸発器106に流入する。蒸発器106により周囲の熱を吸収して蒸発した水は、配管D110を経由して吸入ポート130に戻る。
以上のような動作により、蒸発器106にて冷媒が蒸発する際に周囲の熱を奪う作用を利用して、例えば冷却を行う。また、凝縮器104にて冷媒が凝縮する際に周囲に熱を放熱する作用を利用して、例えば加熱を行う。
ここで、電気化学式圧縮ヒートポンプの運転中に電気化学式圧縮機A102、電気化学式圧縮機B103の温度が高くなると、それに伴い、電気化学式圧縮機A102、電気化学式圧縮機B103の抵抗値が高くなる。抵抗値が高いので既定の電流を流すために、電圧を上げる必要があり、その結果、電気化学式圧縮機A102、電気化学式圧縮機B103が発熱し、さらに温度が上昇してしまい、余計な発熱によるロスが発生して、電気化学式圧縮機A102、電気化学式圧縮機B103の効率が低下する。そのため、電気化学式圧縮機A102、電気化学式圧縮機B103への電流の供給を止めて、電気化学式圧縮機A102、電気化学式圧縮機B103の温度を下げる必要がある。
そこで、本実施の形態の電気化学式圧縮機A102、電気化学式圧縮機B103には、電気的開閉手段A120を有するバイパス回路A118、電気的開閉手段B121を有するバイパス回路B119が設けられている。
以下、2台の電気化学式圧縮機のうちの1台の温度が上昇した場合の動作を例にして、図3のフローチャートも加えて温度を下げる動作の説明をする。ここでは、電気化学式圧縮機A102の温度が上昇した場合について説明する。
電気化学式圧縮機A102の温度が上昇すると、アノード側給電板124とカソード側給電板125間の抵抗値が上がるので、一定電流値で動作しているアノード側給電板124とカソード側給電板125間の電圧も上昇する。
温度や電圧が設定された規定値を超えると、コントローラ112は電気的開閉手段A120をCLOSEにして、電気化学式圧縮機A102のアノード側給電板124とカソード側給電板125間を短絡する。この短絡により、電気化学式圧縮機A102のアノード側給電板124とカソード側給電板125間の電圧は、ほぼゼロとなるので、電気化学式圧縮機A102は動作しなくなり、電気化学式圧縮機A102の温度は低下していく。その間、もう1台の電気化学式圧縮機B103は、最初に設定した電流値を保つことができるので、電気化学式圧縮機B103の能力が落ちることはない。
電気化学式圧縮機A102は電流が流れなくなると、温度が低下し、温度が規定値以下になったときに、電気的開閉手段A120をOPENにして、電気化学式圧縮機A102のアノード側給電板124とカソード側給電板125間にあるバイパス回路A118の電気的接続を切り離す。また電圧については、電圧が規定値以下になってから、一定時間後に電気化学式圧縮機A102のアノード側給電板124とカソード側給電板125間にあるバイパス回路A118の電気的接続を切り離す。この動作により、電気化学式圧縮機A102は圧縮動作を再開する。
ここでは、電気化学式圧縮機A102の温度が上昇した場合について説明したが、電気化学式圧縮機B103の温度が上昇した場合も同様の動作を行う。また、2台より多くの電気化学式圧縮機を用いる場合も、同様な動作を行う。
以上の動作により、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置101において、一定の電流で作動する複数の電気化学式圧縮機のうち、一部の電気化学式圧縮機の温度や電圧が上昇した場合に、規定した電流を下げることなく、温度や電圧が上昇した電気化学式圧縮機のみ温度や電圧を下げることができるので、正常な他の電気化学式圧縮機の稼働率を低下させないとともに、電気化学式圧縮機の劣化を抑制することができる。
また、上記電気的開閉手段A120および電気的開閉手段B121に電磁開閉器を用いることで、安価な構成でシステムに大電流を流すことができる。
また、電気的開閉手段A120および電気的開閉手段B121に半導体スイッチを用いることで、電気的開閉手段を駆動する電気入力を下げることができる。さらに、電気的開閉手段の短絡時と切断時に発生しやすい電磁ノイズの発生も抑制できる。さらに、半導体スイッチは、電磁開閉器のような機械的駆動部分がないので、寿命が長く、信頼性を向上することができる。
また、半導体スイッチにトランジスタを用いることで、アノード側給電板124とカソード側給電板125間の電圧を調整でき、電気化学式圧縮機A102または電気化学式圧縮機B103の温度に基づいて、アノード側給電板124とカソード給電板125間の電圧を変えることができる。これにより、電気化学式圧縮機A102または電気化学式圧縮機B103を極力停止させずに電気化学式圧縮機の温度を下げることができるので、電気化学圧縮ヒートポンプ装置の冷媒循環量の低下を低減できる。さらに、電圧を無段階で調整できるので、電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103の稼働率を変えることができる。
また、半導体スイッチに電界効果トランジスタを用いることで、アノード側給電板124とカソード側給電板125間の電圧をスイッチングできる。これにより、電気化学式圧縮機の温度に基づいて、スイッチング幅を変えることができ、温度の低下具合を調整できるとともに、電気化学式圧縮機A102および電気化学式圧縮機B103を極力、停止させずに電気化学式圧縮機の温度を下げることができる。また、電界効果トランジスタを用いてスイッチングしているので、スイッチングで消費する電力も少なくて済む。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の構成を示す模式図である。なお、実施の形態1と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態2における電気化学式圧縮ヒートポンプ装置101は、バイパス回路A118とバイパス回路B119に負荷抵抗装置122を直列に接続している。
この実施の形態2においても、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置101の動作中に、電気化学圧縮機の温度が上昇した場合のアノード側給電板124とカソード側給電板125間の短絡と切り離しの動作は実施の形態1と同じである。
次に、新たに設けた負荷抵抗装置122による作用を説明する。
電気的開閉手段A120をCLOSEにして、電気化学式圧縮機A102のアノード側給電板124とカソード側給電板125間を短絡させたときに、負荷抵抗装置122により、アノード側給電板124とカソード側給電板125間の電圧は、負荷抵抗装置122の抵抗値に応じて、短絡前の電圧より低い電圧がかかるようになる。これにより、電気化学式圧縮機A102の温度を低下させることができるとともに、電気化学式圧縮機A102の稼働は継続しているので、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の大幅な冷媒循環量の低下にはならない。つまり、電気化学式圧縮機の稼働を完全に止めることなく、電気化学式圧縮機の温度低下を図ることができ、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の冷媒循環量の低下を低減できる。
また、上記負荷抵抗装置122を固定抵抗にすることで、本回路を安価に構成することができるとともに、大電流を流すことが可能となるので、電気化学式圧縮ヒートポンプ装置の冷媒循環量を増加させることができる。
以上のように、本発明にかかる電気化学式圧縮ヒートポンプ装置は、電流値を下げることなく、温度や電圧が上昇した電気化学式圧縮機の温度や電圧を下げることができるので、ヒートポンプ装置の能力を維持できるとともに、過昇温も防ぐことができ、エアコンだけでなく、ワインセラー等の冷蔵用のヒートポンプ装置等の用途にも適用できる。
101 電気化学式圧縮ヒートポンプ装置
102 電気化学式圧縮機A
103 電気化学式圧縮機B
104 凝縮器
105 膨張機構
106 蒸発器
107 配管A
108 配管B
109 配管C
111 直流電源
113 電気配線A
114 電気配線B
115 電気配線C
116 温度測定器
117 電圧測定器
118 バイパス回路A
119 バイパス回路B
120 電気的開閉手段A
121 電気的開閉手段B
123 電解質膜・電極接合体
124 アノード側給電板(給電板)
125 カソード側給電板(給電板)

Claims (7)

  1. 少なくとも2枚の給電板と、2枚の給電板にはさまれた電解質膜・電極接合体とを備えた複数の電気化学式圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器を配管によって環状に連結した冷媒回路と、前記電気化学式圧縮機に電気を供給する電源とを有し、前記複数の電気化学式圧縮機の電気配線を直列に接続し、且つ、それぞれの電気化学式圧縮機の2枚の給電板間に、電気的開閉手段を有したバイパス回路を設けた電気化学式圧縮ヒートポンプ装置。
  2. バイパス回路に電気的開閉手段とともに負荷抵抗装置を設けた請求項1に記載の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置。
  3. 負荷抵抗装置を固定抵抗とした請求項2に記載の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置。
  4. 電気的開閉手段を電磁開閉器とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置。
  5. 電気的開閉手段を半導体スイッチとした請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置。
  6. 半導体スイッチをトランジスタとした請求項5に記載の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置。
  7. 半導体スイッチを電界効果トランジスタとした請求項5に記載の電気化学式圧縮ヒートポンプ装置。
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