JP2020112164A - キャニスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】大気ポートからの吸着物の放出を抑制できるキャニスタを提供する。【解決手段】本開示の一態様は、車両の燃料タンクで発生した蒸発燃料を吸着及び脱離するキャニスタである。キャニスタは、蒸発燃料を取り込むチャージポートと、蒸発燃料を排出するパージポートと、大気に開放された大気ポートと、チャージポート及びパージポートが接続された主室と、主室に連通し、大気ポートが直接又は他の部屋を介して接続された副室と、主室及び副室にそれぞれ収納された活性炭と、副室に連通し、大気ポートが接続された第3室と、第3室の内部に配置されたハニカム状の成形活性炭とを備える。副室において、気体の流れ方向の長さをL[mm]、気体の流れ方向と垂直な断面における相当直径をD[mm]としたとき、L/Dは2以上である。副室に収納された活性炭の体積に対する、主室に収納された活性炭の体積の比は5.5以上7以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、キャニスタに関する。
車両の燃料タンクには、蒸発した燃料の大気放出を防ぐキャニスタが装着される。キャニスタは、蒸発燃料を活性炭に吸着させると共に、吸引した空気により活性炭から燃料を脱離してパージを行い、エンジンに供給する。
キャニスタは、通常、チャージポートが接続された主室と、この主室に接続された副室とを少なくとも有する。主室及び副室には、それぞれ活性炭が収納される。また、吸着効率を調整するために、部屋ごとに、気体の流れ方向の長さLと気体の流れ方向と垂直な断面における相当直径Dとの比(L/D)が適宜設計される(特許文献1参照)。
特開2005−16329号公報
近年ではハイブリッド化やダウンサイジング等によりエンジンの排気量が低下し、キャニスタのパージ量も低減しつつある。パージ量が低減すると、大気ポートに主室よりも近い副室において、パージによる活性炭からの蒸発燃料の脱離が不十分となり、副室に残留した蒸発燃料が大気ポートから排出され得る。また、キャニスタ内にブタンを充填させた工程の次工程であるパージ後にブタンが副室に残留すると、このブタンが大気に放出されてしまう。
これに対し、本発明者らは、副室のL/Dを一定以上としつつ、副室と主室とにおける活性炭の体積を適宜調整することで、蒸発燃料の吸着及び脱離能力を損なうことなく、大気ポートからの蒸発燃料等の放出を抑制できることを見出し、本開示に至った。
本開示の一局面は、大気ポートからの吸着物の放出を抑制できるキャニスタを提供することを目的としている。
本開示の一態様は、車両の燃料タンクで発生した蒸発燃料を吸着及び脱離するキャニスタである。キャニスタは、チャージポートと、パージポートと、大気ポートと、主室と、副室と、活性炭と、を備える。チャージポートは、蒸発燃料を取り込むように構成される。パージポートは、蒸発燃料を排出するように構成される。大気ポートは、大気に開放される。主室は、チャージポート及びパージポートが接続される。副室は、主室に連通し、大気ポートが直接又は他の部屋を介して接続される。活性炭は、主室及び副室にそれぞれ収納される。
さらに、副室において、気体の流れ方向の長さをL[mm]、気体の流れ方向と垂直な断面における相当直径をD[mm]としたとき、L/Dは、2以上である。副室に収納された活性炭の体積に対する、主室に収納された活性炭の体積の比は、5.5以上7以下である。
また、本開示の別の態様は、車両の燃料タンクで発生した蒸発燃料を吸着及び脱離するキャニスタである。キャニスタは、チャージポートと、パージポートと、大気ポートと、主室と、副室と、活性炭と、複数の棒状部と、を備える。チャージポートは、蒸発燃料を取り込むように構成される。パージポートは、蒸発燃料を排出するように構成される。大気ポートは、大気に開放される。主室は、チャージポート及びパージポートが接続される。副室は、主室に連通し、大気ポートが直接又は他の部屋を介して接続される。活性炭は、主室及び副室にそれぞれ収納される。複数の棒状部は、副室内に周囲の空間が互いに連通するように配置される。
さらに、副室において、気体の流れ方向の長さをL[mm]、気体の流れ方向と垂直な断面における相当直径をD[mm]としたとき、L/Dは、2以上である。副室に収納された活性炭の体積に対する、主室に収納された活性炭の体積の比は、5.5以上10以下である。
このような構成によれば、副室に収納された活性炭の体積に対する、主室に収納された活性炭の体積の比を一定範囲とすることで、圧損の上昇を抑制しつつ、パージ後の副室における吸着物の残存量を低減できる。その結果、大気ポートからの吸着物の放出を抑制することができる。また、副室のL/Dを2以上とすることで、気体が副室の吸着物により多く接触するため、副室の容積を小さくしながらも副室における吸着及び脱離効率を維持することができる。
本開示の一態様では、副室に収納された活性炭の体積に対するパージ空気の体積が600倍以上であってもよい。このような構成によれば、パージによる副室での蒸発燃料等の吸着物の脱離が促進されるので、より確実に大気ポートからの吸着物の放出を抑制することができる。
なお、副室において、「気体の流れ方向と垂直な断面における相当直径D」とは、副室の気体の流れ方向と垂直な断面Sと同じ面積の真円の直径(D=(S/π)1/2×2)を副室の気体の流れ方向で平均した値を意味する。
図1は、実施形態におけるキャニスタの模式的な断面図である。 図2は、図1とは異なる実施形態におけるキャニスタの模式的な断面図である。 図3は、図1及び図2とは異なる実施形態におけるキャニスタの模式的な断面図である。 図4は、図1、図2及び図3とは異なる実施形態におけるキャニスタの模式的な断面図である。 図5Aは、実施例における副室と主室との活性炭の体積の比と、通気抵抗との関係を示すグラフであり、図5Bは、実施例における副室と主室との活性炭の体積の比と、DBL試験での排出量との関係を示すグラフである。 図6は、実施例におけるパージ量と吸着物の脱離率との関係を示すグラフである。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示すキャニスタ1は、車両の燃料タンクで発生した蒸発燃料を吸着及び脱離する。キャニスタ1は、チャージポート2Aと、パージポート2Bと、大気ポート2Cと、主室3と、副室4と、活性炭7とを備える。
<ポート>
チャージポート2Aは、配管によって車両の燃料タンクに接続される。チャージポート2Aは、燃料タンクで発生した蒸発燃料をキャニスタ1内に取り込むように構成されている。
パージポート2Bは、パージ弁を介して車両のエンジンの吸気管に接続される。パージポート2Bは、キャニスタ1内の蒸発燃料をキャニスタ1から排出し、エンジンに供給するように構成されている。
大気ポート2Cは、配管を介して車両の給油口に接続され、大気に開放される。大気ポート2Cは、蒸発燃料を取り除いた気体を大気中に放出する。また、大気ポート2Cは、外部空気(つまりパージ空気)を取り込むことで、キャニスタ1が吸着した蒸発燃料を脱離(つまりパージ)する。
<主室>
主室3は、活性炭7を収納し、チャージポート2Aから取り込んだ蒸発燃料を吸着する。また、主室3は、吸着した蒸発燃料をパージポート2Bから排出する。
主室3は、図1に示すように、フィルタ3Dによって、第1空間3Aと、第2空間3Bと、第3空間3Cとに仕切られている。フィルタ3Dは、活性炭7を通過させない一方で、気体が通過可能に構成されている。
第1空間3Aは、第2空間3Bと第3空間3Cとに挟まれるように配置されている。第1空間3Aには、活性炭7が充填されている。第1空間3Aは、第2空間3B及び第3空間3Cよりも体積が大きい。
第2空間3Bは、第1空間3Aに隣接した空間である。第2空間3Bには、チャージポート2Aとパージポート2Bとが接続されている。なお、第2空間3Bには、活性炭7が充填されていない。また、第2空間3Bには、ハウジングから延伸し、フィルタ3Dを押圧する複数のリブ3Gが配置されている。
第3空間3Cは、第1空間3Aにおいて第2空間3Bとは反対側に配置された空間である。第3空間3Cは、後述する副室4の第2空間4Bと連通している。なお、第3空間3Cには、活性炭7が充填されていない。また、第3空間3Cには、貫通孔を有する樹脂板3Eと、樹脂板3E及びフィルタ3Dを第1空間3Aに向かって押圧するスプリング3Fとが配置されている。
<副室>
副室4は、活性炭7を収納し、主室3との間で気体の流通が自在となるように主室3に連通している。副室4は、図1に示すように、フィルタ4Cによって、第1空間4Aと、第2空間4Bとに仕切られている。フィルタ4Cは、主室3のフィルタ3Dと同様のものである。
第1空間4Aには、活性炭7が充填されている。また、第1空間4Aには、大気ポート2Cが接続されている。第1空間4Aと大気ポート2Cとの間には、フィルタ4Cと、ハウジングから延伸し、フィルタ4Cを押圧する複数のリブ4Fとが配置されている。なお、第1空間4Aと大気ポート2Cとの間には樹脂板が配置されてもよい。
第2空間4Bは、第1空間4Aに隣接した空間である。第2空間4Bには、主室3の第3空間3Cが接続されている。なお、第2空間4Bには、活性炭7が充填されていない。また、第2空間4Bには、貫通孔を有する樹脂板4Dと、樹脂板4D及びフィルタ4Cを第1空間4Aに向かって押圧するスプリング4Eとが配置されている。
副室4は、第2空間4B以外の部分では主室3に接続されていない。つまり、主室3と副室4とを接続する流路は、第3空間3Cと第2空間4Bとから構成される流路のみである。
チャージポート2Aから取り込まれた蒸発燃料は、主室3の第2空間3Bを通過し、第1空間3A内で活性炭7に吸着される。第1空間3Aで吸着しきれなかった蒸発燃料は、第3空間3Cを通過して副室4に移動し、副室4の第1空間4A内で活性炭7に吸着される。蒸発燃料が吸着された気体は、大気ポート2Cから放出される。
また、大気ポート2Cから給気することで、副室4の第1空間4Aで活性炭7に吸着されていた蒸発燃料は、主室3の第1空間3Aで活性炭7に吸着されていた蒸発燃料と共に、パージポート2Bからエンジンに排出される。その結果、蒸発燃料を含んだ空気がエンジンに供給される。
(L/D)
副室4のうち、活性炭7が充填された第1空間4Aにおいて、気体の流れ方向の長さをL[mm]、気体の流れ方向と垂直な断面における相当直径をD[mm]としたとき、L/Dは2以上である。L/Dが2未満の場合、活性炭7の断面積が大きくなって、気体が大気ポート2Cよりも径方向外側に流動し難くなるため、気体に接触しない領域が生じ得る。つまり、キャニスタ1の吸着効率が著しく低下する。L/Dとしては、2.5以上がより好ましく、3.0以上がより好ましい。
(活性炭体積比)
副室4に収納された活性炭7の体積(つまり、第1空間4Aの体積)に対する、主室3に収納された活性炭7の体積(つまり、第1空間3Aの体積)の比(以下、「活性炭体積比」ともいう。)は、5.5以上7以下である。活性炭体積比の下限としては、6.0がより好ましい。活性炭体積比の上限としては、6.5がより好ましい。
上記活性炭体積比が5.5未満の場合、副室4における蒸発燃料の脱離性、つまりダイアーナルブリージングロス(DBL)性能が低下するおそれがある。逆に、上記活性炭体積比が7超の場合、キャニスタ1の通気抵抗が上昇することで圧損が高くなり過ぎるおそれがある。
(パージ空気の体積)
副室4に収納された活性炭7の体積に対するパージ空気の体積(以下、「BV」ともいう。)は、600倍以上が好ましい。BVが600倍未満の場合、蒸発燃料やブタンの脱離が不十分となり、大気ポート2Cから蒸発燃料やブタンが放出されやすくなるおそれがある。なお、例えばパージ空気の体積が200L、副室4の活性炭7の体積が0.3Lの場合、BVは667倍となる。BVとしては、650倍以上がより好ましく、700倍以上がさらに好ましい。
<活性炭>
活性炭7は、空気等と共にキャニスタ1に供給された蒸発燃料やブタンを吸着する。また、外部空気の導入により蒸発燃料やブタンを脱離する。脱離された蒸発燃料は、エンジンに供給される。
活性炭7の素材としては、公知のものが使用できる。本実施形態では、活性炭7として、粒状の活性炭の集合体を使用している。また、主室3に収納された活性炭7と、副室4に収納された活性炭7とは、同種であってもよいし、異種であってもよい。
[1−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)活性炭体積比を5.5以上7以下とすることで、副室4の流路断面積縮小による圧損の上昇を抑制しつつ、より少ないパージ量で早期に副室4における吸着物の残存量を低減できる。その結果、大気ポート2Cからの吸着物の放出を抑制することができる。また、副室4のL/Dを2以上とすることで、気体が副室4の吸着物により多く接触するため、副室4の容積を小さくしながらも副室4における吸着及び脱離効率を維持することができる。
[2.第2実施形態]
[2−1.構成]
図2に示すキャニスタ11は、燃料タンクで発生した蒸発燃料を吸着及び脱離する。キャニスタ11は、チャージポート2Aと、パージポート2Bと、大気ポート2Cと、主室3と、副室4と、活性炭7と、複数の棒状部9とを備える。
キャニスタ11のチャージポート2A、パージポート2B、大気ポート2C、主室3、副室4及び活性炭7は、図1のキャニスタ1と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
<棒状部>
複数の棒状部9は、樹脂板4Dに取り付けられ、副室4の第1空間4A内に周囲の空間が互いに連通するように配置されている。つまり、複数の棒状部9は、互いに離間して配置され、複数の棒状部9の間に活性炭7が充填されている。また、複数の棒状部9は、それぞれ、副室4の大気ポート2Cとの接続側から気体の流れ方向に延びている。
複数の棒状部9の付近では、他の領域に比べて活性炭7の密度が低くなる。これにより、複数の棒状部9の付近では、燃料蒸気及びパージ空気が流れやすくなる。その結果、副室4の通気抵抗が低減される。
なお、複数の棒状部9は、必ずしも気体の流れ方向に直線状に延びる必要はない。複数の棒状部9は、それぞれ、1か所以上で湾曲又は屈曲した状態で延びてもよいし、螺旋状に延びてもよい。また、複数の棒状部9は、異なる形状を有してもよい。さらに、複数の棒状部9は、気体の流れ方向とは異なる方向に延びてもよい。また、複数の棒状部9が延びる方向は、互いに異なってもよい。
<活性炭体積比>
本実施形態では、副室4に収納された活性炭7の体積に対する、主室3に収納された活性炭7の体積の比は、5.5以上10以下である。
上記活性炭体積比が5.5未満の場合、副室4における蒸発燃料の脱離性、つまりDBL性能が低下するおそれがある。逆に、上記活性炭体積比が10超の場合、キャニスタ11の通気抵抗が上昇することで圧損が高くなり過ぎるおそれがある。なお、本実施形態は、複数の棒状部9によって副室4の圧損が低減されるので、図1のキャニスタ1よりも活性炭体積比を大きくすることができる。
[2−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)複数の棒状部9によって副室4の圧損が低減されるため、副室4のL/Dを高めることができ、その結果、吸着及び脱離性能が向上される。また、副室4を小さくして活性炭体積比の上限を大きくすることができる。その結果、キャニスタの設計自由度が高められる。
[3.第3実施形態]
[3−1.構成]
図3に示すキャニスタ12は、燃料タンクで発生した蒸発燃料を吸着及び脱離する。キャニスタ12は、チャージポート2Aと、パージポート2Bと、大気ポート2Cと、主室3と、副室14と、第3室5と、活性炭7,8とを備える。
キャニスタ12のチャージポート2A、パージポート2B、大気ポート2C、主室3及び活性炭7は、図1のキャニスタ1と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
<副室>
副室14は、第1空間4Aに大気ポート2Cの替わりに第3室5が接続されている点を除いて、図1の副室4と同様のものである。
<第3室>
第3室5は、活性炭8を収納し、副室14との間で気体の流通が自在となるように副室14と連通している。第3室5に収納された活性炭8の体積は、副室14に収納された活性炭7の体積よりも小さい。
第3室5は、副室14の第1空間4Aに接続されている。また、第3室5における副室14との接続部分と対向する位置には、大気ポート2Cが接続されている。つまり、本実施形態の第3室5は、図1のキャニスタ1の副室4と大気ポート2Cとの間に配置された部屋である。
第3室5の内部には、筒状に成形され、複数の貫通孔を内部に有する、いわゆるハニカム状の成形活性炭が収納されている。この成形活性炭は、カーボンにバインダーとしてのセラミックを混合した材料を一定形状に押し出し成形したものである。
活性炭8は、複数の貫通孔の中心軸が、気体の流れ方向に沿うように第3室5内に配置される。つまり、活性炭8の複数の貫通孔は、中心軸方向に気体を通過可能に構成される。蒸発燃料を含む気体が活性炭8の複数の貫通孔内を通過することで、蒸発燃料は活性炭8に吸着される。
活性炭8は、複数の保持具8Aによって第3室5内に配置されている。保持具8Aは、例えば、フィルタ又はゴムによって構成される。第3室5と大気ポート2Cとの間には、フィルタ5Aと、ハウジングから延伸し、フィルタ5Aを押圧する複数のリブ5Bとが配置されている。また、第3室5と副室14との間には、樹脂板5Cが配置されている。
なお、成形活性炭の貫通孔の形状は特に限定されない。そのため、貫通孔の形状は、四角形や六角形のような多角形以外にも、曲線を含む形状であってもよい。曲線を含む形状の貫通孔としては、例えば平行に配置した複数の平板の間に、波板を1つずつ配置することで形成されるものが挙げられる。
[3−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3a)第3室5によって、副室14からリークした蒸発燃料等をトラップできる。その結果、より確実に大気ポート2Cからの吸着物の放出を抑制することができる。
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(4a)上記実施形態のキャニスタ12において、第3室5に収納する活性炭8は、ハニカム状の成形活性炭に限定されない。
また、図4に示すキャニスタ13のように、2種類の活性炭10A,10Bを気体の流路の上流下流に分けて第3室5内に配置してもよい。図4では、第3室5は、複数のフィルタ5Aによって分割されている。また、第3室5内と副室14との間には、樹脂グリッ5Dが配置されている。
図4のキャニスタ13では、第3室5のうち大気ポート2Cに近い領域に活性炭10Bが収納され、第3室5のうち副室14に近い領域に活性炭10Aが収納されている。活性炭10Aは、活性炭10Bよりも吸着能力が高い。このように配置された活性炭10A,10Bによって、副室14から大気ポート2Cへの蒸発燃料等のリークをより確実に抑制できる。
(4b)上記実施形態のキャニスタ11において、副室14と大気ポート2Cとの間に、図3又は図4に示す第3室5を設けてもよい。
(4c)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[5.実施例]
以下に、本開示の効果を確認するために行った試験の内容とその評価とについて説明する。
図5Aのグラフは、図2、図3、及び図4のキャニスタにおいて、副室4における活性炭体積比を変化させた際の50L/minの通気量における通気抵抗の変化を示す。図5A中、ひし形のプロットは図1のキャニスタ1におけるデータ、円形のプロットは図2のキャニスタ11におけるデータである。また、図5A中の破線は、車両の燃料給油性能から要求される通気抵抗0.85kPaを示す。
図5Aに示されるように、キャニスタ12,13では、活性炭体積比を7以下とすることで、通気抵抗を0.85kPa以下とすることができる。また、複数の棒状部9を有するキャニスタ11では、活性炭体積比を10以下とすることで通気抵抗を0.85kPaとすることができる。あくまでこの通気抵抗は一例である。棒状部を有するキャニスタは、棒状部を有さないキャニスタに対して、15%程度通気抵抗を改善できることがわかる。したがって、棒状部を有さないキャニスタの通気抵抗から、棒状部を有するキャニスタの通気抵抗を算出し、活性炭体積比を設定してもよい。
また、図5Bのグラフは、図3,4のキャニスタ12,13において、副室4における活性炭体積比を変化させた際のDBL試験における排出量(つまりパージ後におけるブタンの放出量)の変化を示す。図5B中の破線は、法規における車両排出規格の上限値20mgを示す。
DBL排出量は活性炭体積比に依存し、棒状部を有するか有さないかは影響を与えない。図5Bに示されるように、活性炭の体積比は10以上、20未満のある値までDBL排出量を20mg以下とすることができる。
したがって、通気抵抗とDBL排出量とを考慮して、棒状部を有しないキャニスタでは活性炭体積比を5.5以上7以下、棒状部を有するキャニスタでは活性炭体積を5.5以上10以下とすることで、通気抵抗を低減しながら、大気ポートからの吸着物の放出を抑制できる。
図6のグラフは、図1のキャニスタ1において、副室4におけるBVを変化させた際のパージ後における副室4内のブタン脱離率の変化を示す。図6中の破線は、95%の脱離率を示す。
図6に示されるように、BVを600倍以上とすることで、脱離率を95%以上にすることができる。
1,11,12,13…キャニスタ、2A…チャージポート、2B…パージポート、
2C…大気ポート、3…主室、3A…第1空間、3B…第2空間、3C…第3空間、
3D…フィルタ、4,14…副室、4A…第1空間、4B…第2空間、
4C…フィルタ、5…第3室、7,8…活性炭、9…棒状部、
10A,10B…活性炭。

Claims (2)

  1. 車両の燃料タンクで発生した蒸発燃料を吸着及び脱離するキャニスタであって、
    前記蒸発燃料を取り込むように構成されたチャージポートと、
    前記蒸発燃料を排出するように構成されたパージポートと、
    大気に開放された大気ポートと、
    前記チャージポート及び前記パージポートが接続された主室と、
    前記主室に連通し、前記大気ポートが直接又は他の部屋を介して接続された副室と、
    前記主室及び前記副室にそれぞれ収納された活性炭と、
    前記副室に連通し、前記大気ポートが接続された第3室と、
    前記第3室の内部に配置されたハニカム状の成形活性炭と、
    を備え、
    前記副室において、気体の流れ方向の長さをL[mm]、気体の流れ方向と垂直な断面における相当直径をD[mm]としたとき、L/Dは、2以上であり、
    前記副室に収納された活性炭の体積に対する、前記主室に収納された活性炭の体積の比は、5.5以上7以下である、キャニスタ。
  2. 車両の燃料タンクで発生した蒸発燃料を吸着及び脱離するキャニスタであって、
    前記蒸発燃料を取り込むように構成されたチャージポートと、
    前記蒸発燃料を排出するように構成されたパージポートと、
    大気に開放された大気ポートと、
    前記チャージポート及び前記パージポートが接続された主室と、
    前記主室に連通し、前記大気ポートが直接又は他の部屋を介して接続された副室と、
    前記主室及び前記副室にそれぞれ収納された活性炭と、
    前記副室内に周囲の空間が互いに連通するように配置された複数の棒状部と、
    前記副室に連通し、前記大気ポートが接続された第3室と、
    前記第3室の内部に配置されたハニカム状の成形活性炭と、
    を備え、
    前記副室において、気体の流れ方向の長さをL[mm]、気体の流れ方向と垂直な断面における相当直径をD[mm]としたとき、L/Dは、2以上であり、
    前記副室に収納された活性炭の体積に対する、前記主室に収納された活性炭の体積の比は、5.5以上10以下である、キャニスタ。
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