JP2020111410A - エレベータの調整方法および調整システム - Google Patents
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Abstract
【課題】荷重検出装置の荷重調整を簡素化できるとともに、荷重検出装置の検出の精度を向上できるようにする。【解決手段】建物内の複数の階床間を昇降運転するエレベータ1の乗りかご6内に、利用者とともに、自律走行ロボット20を同乗させることが可能なエレベータの調整方法であって、乗りかご6の各種の制御を行うエレベータ制御装置10が、乗りかご6の昇降運転時の吊り合い制御などのための荷重検出装置6aの荷重調整を、テストウェイトを用いて行う際に、乗りかご6内に自律走行ロボット20が乗車したか否かを判定し、自律走行ロボット20の乗車を判定すると、乗りかご6内に利用者が乗車しているか否かを判断し、利用者が乗車していないと判断した場合に、自律走行ロボット20自身を、テストウェイトとして使用して荷重検出装置6aの荷重調整を行う。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、エレベータの調整方法および調整システムに関する。
近年、建物内の清掃や荷物の運搬、建物利用者への道案内などの業務を行う自律走行ロボットの実用化が進められている。ビルのように複数の階床(フロア)が存在する建物において、上記の業務を行わせるには、自律走行ロボットのエレベータの利用が不可欠となる。
エレベータは多くの人も利用しており、エレベータという限られた空間内への出入りの際には、ロボット側の人への安全配慮が重要となる。
一方、エレベータには、乗りかごの昇降運転時の吊り合い制御などのために、乗りかご内の荷重を検出する荷重検出装置が設けられている。一般的な荷重検出装置は、経年変化などによって設定値が変化するため、保守点検時などに調整する必要があった。
しかしながら、これまでの荷重検出装置は、現地において、保守のための作業員が乗りかご内をバランス状態にするためのテストウェイトを持ち込み、設定値を調整するものであった。このため、調整作業が面倒で、調整には手間がかかるなどの問題があった。
本発明の実施形態は、荷重検出装置の荷重調整を簡素化できるとともに、荷重検出装置の検出の精度を向上できるエレベータの調整方法および調整システムを提供することを目的とする。
本発明の実施形態は、建物内の複数の階床間を昇降運転する乗りかご内に、利用者とともに、自律走行体を同乗させることが可能なエレベータの調整方法であって、前記乗りかごの各種の制御を行うエレベータ制御装置が、前記乗りかごの昇降運転時の吊り合い制御のために設けられた荷重検出装置の荷重調整を、荷重調整用おもりを用いて行う際に、前記乗りかご内に前記自律走行体が乗車したか否かを判定し、前記自律走行体の乗車を判定すると、前記乗りかご内に前記利用者が乗車しているか否かを判断し、前記利用者が乗車していないと判断した場合に、前記自律走行体自身を、前記荷重調整用おもりとして使用して前記荷重検出装置の荷重調整を行うことを特徴とする。
本発明の他の実施形態は、前記エレベータ制御装置および前記自律走行体により、前記エレベータの調整方法を実施することを特徴とする。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
≪第1実施形態≫
<システムの構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るエレベータの調整方法および調整システムを適用したエレベータシステムの構成を模式的に示す概略断面図である。ここでは、4階建てのビル(建物)に設置した場合を例示している。
<システムの構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るエレベータの調整方法および調整システムを適用したエレベータシステムの構成を模式的に示す概略断面図である。ここでは、4階建てのビル(建物)に設置した場合を例示している。
第1実施形態のエレベータシステムは、エレベータ1と自律走行ロボット(自律走行体)20とから構成されている。エレベータ1は、ビルの利用者(図示省略)が主に利用する一般的なエレベータ装置であって、自律走行ロボット20の乗車が可能とされている。即ち、このエレベータシステムでは、エレベータ1の乗りかご6内において、自律走行ロボット20の利用者との同乗が可能とされている。
図1において、エレベータ1は、昇降路2の上部の機械室3に配置された巻上機4にメインロープ5が掛け渡され、ロープ5の一端に乗りかご6が、ロープ5の他端に釣り合い錘7が、それぞれつるべ式に吊り下げられている。
乗りかご6は、1階、2階、3階、4階の複数の階床の各乗場8-1,8-2,8-3,8-4間を昇降路2に沿って昇降運転されるもので、例えば床下には、通常運転(昇降運転)モード時の吊り合い制御などのための荷重検出装置6aが設けられている。その他、乗りかご6は、乗りかご扉、かご内監視カメラ、および、かご内操作盤などを備えて構成されるが(いずれも図示していない)、ここでの詳細な説明は省略する。
一方、各乗場8-1,8-2,8-3,8-4には、それぞれ、ホール扉、乗場操作盤、および、通知ランプが設けられている(いずれも図示していない)。
機械室3には、巻上機4のほか、テールコード9を介して、乗りかご6に接続されたエレベータ制御装置10が配置されている。乗りかご扉の扉開閉動作などを行うエレベータ制御装置10は、運転制御部11、荷重調整部12、特殊運転判定部13、エレベータ側通信部14、および、設定値記憶部15を備えている。
運転制御部11は、利用者が各乗場8-1,8-2,8-3,8-4にて乗りかご6を呼ぶ行先方向の乗場呼びや乗りかご6を行先階(降車階)で停止させるためのかご呼びに応じて巻上機4を制御することにより、各階床間で乗りかご6を昇降および停止させる。また、運転制御部11は、自律走行ロボット20からのロボット用呼び情報(後述する)などの通知に応じて巻上機4を制御することにより、各階床間で乗りかご6を昇降および停止させる。
運転制御部11には、例えば、特殊運転判定部13および設定値記憶部15が接続されている。即ち、運転制御部11は、例えば、後述する荷重調整モードが設定されていない通常運転モードの場合に、設定値記憶部15に記憶された調整値(設定値)に応じて、運転時の吊り合い制御などを行うようになっている。
荷重調整部12は、経年変化などに伴う荷重検出装置6aの荷重調整(例えば、バランスロードによるオフセット調整)を行うものである。荷重調整部12は、例えば、荷重調整に必要なテストウェイト(荷重調整用おもり)の重量などを管理している。荷重調整部12には、荷重検出装置6a、特殊運転判定部13、および、設定値記憶部15が接続されている。
特殊運転判定部13は、例えば、荷重調整モードが設定されているか否かを判定するもので、運転制御部11、荷重調整部12、および、エレベータ側通信部14を制御する。特殊運転判定部13は、例えば、荷重調整モードの設定が判定された場合に運転制御部11を制御し、エレベータ1を通常運転モードから専用運転モードに切り換える。
エレベータ側通信部14は、自律走行ロボット20と無線通信を行うためのもので、例えば、特殊運転判定部13に接続されている。
設定値記憶部15は、エレベータ制御装置10の荷重調整部12によって荷重調整された荷重検出装置6aの調整値が記憶されるもので、例えば、運転制御部11と荷重調整部12との間に設けられている。
ここで、本実施形態において、荷重調整部12による荷重検出装置6aの荷重調整は、乗りかご6をバランス状態にするためのテストウェイトとして、自律走行ロボット20それ自身を代用して行われる。また、荷重検出装置6aの荷重調整は、自律走行ロボット20からの調整要求に応じて不定期的に、または、エレベータ1の保守点検時などに定期的に行われる。
なお、エレベータ制御装置10は、荷重検出装置6aの荷重調整時に、荷重調整可能なロボットか否かを判別するため、乗車した自律走行ロボット20の認証を行うようになっている。認証は、例えば、自律走行ロボット20からの識別番号の送信を受け付けることによって行われる。
図2は、自律走行ロボット20の概略ブロック図である。
自律走行ロボット20は、専用のプログラムにしたがって、ビル内の清掃や荷物の運搬、ビルの利用者への道案内などの所定の業務を行うものである。自律走行ロボット20は、例えば図2に示すように、自律走行ロボット制御部21、駆動部22、ロボット側通信部23、重量記憶部24、入力装置25、および、出力装置26を備えている。
自律走行ロボット制御部21は、所定の業務を遂行するために、ビル内の現在位置から目的位置までの経路を演算し、その演算の結果に基づいて駆動部22を制御する。駆動部22は、自律走行ロボット制御部21での演算結果に基づいて、自律走行ロボット20を目的位置まで自律走行させる。
ロボット側通信部23は、エレベータ側通信部14と無線通信し、例えば、エレベータ制御装置10にロボット用呼び情報や、荷重検出装置6aの調整要求などを送信するようになっている。また、ロボット側通信部23は、例えば、エレベータ制御装置10からの乗車可否判定や、荷重検出装置6aの調整要求に対する応答などを受信するようになっている。
上記の自律走行ロボット20からの荷重検出装置6aの調整要求とは、例えば、エレベータ制御装置10に荷重検出装置6aの荷重調整を不定期に行うための荷重調整モードの設定を要求するものである。なお、荷重検出装置6aの調整要求は、例えば保守点検時などにおいて、エレベータ制御装置10が自律走行ロボット20に定期的に送信するようにしても良い。
また、ロボット用呼び情報とは、自律走行ロボット20がエレベータ1を利用する際に、乗りかご6を現在位置の乗車階(乗場階)に呼ぶための行先方向の乗場呼びと、乗りかご6を目的位置の降車階(目的階)で停止させるためのかご呼びと、を含んでいる。
なお、ロボット側通信部23は、必要に応じて、その他の種類や同種の、別の自律走行ロボット(図示省略)と無線通信するようにしても良い。
重量記憶部24には、荷重検出装置6aの荷重調整時に、テストウェイトとして代用される場合の、自身(自律走行ロボット20)の重量がデータとして記憶されている。
入力装置25は、例えば、移動時や乗車中の安全性を確保するためのカメラやセンサなどにより構成されている。荷重検出装置6aの荷重調整を実施する際には、入力装置25によって、乗りかご6内に利用者がいないことを確認するようにしても良い。
出力装置26は、利用者に音声や光により注意や案内を行うためのスピーカや表示器などにより構成されている。荷重検出装置6aの荷重調整を実施する際には、入力装置25によって、乗りかご6内にいる利用者が確認された場合に、出力装置26によって、乗車中の利用者に直ちに降車するように促すアナウンスなどを出力するようにしても良い。
<動作説明>
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20をテストウェイトとして使用し、荷重検出装置6aの荷重調整を行う場合の例である。
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20をテストウェイトとして使用し、荷重検出装置6aの荷重調整を行う場合の例である。
通常、自律走行ロボット20がエレベータ1を利用する場合、自律走行ロボット制御部21は、ロボット側通信部23からロボット用呼び情報を送信する。この送信に対して、自律走行ロボット20は、エレベータ1からエレベータ側通信部14を介してロボット側通信部23へ送信される乗車可否判定の結果にしたがって、乗りかご6内への乗車の可否が制御される。即ち、エレベータ制御装置10において、例えば、自律走行ロボット20の乗車可能が判定されると、ロボット用呼び情報の登録が行われる。これにより、ロボット呼び情報にしたがって昇降運転される乗りかご6への、自律走行ロボット20の乗車が可能となる。
例えば、自律走行ロボット20が乗りかご6へ乗車した際に(ステップS1)、荷重検出装置6aの荷重調整が必要と判断した場合、自律走行ロボット制御部21は、エレベータ1のエレベータ制御装置10と通信する(ステップS2)。そして、エレベータ制御装置10に、荷重検出装置6aの荷重調整を行うための、荷重調整モードの設定を要求する。この要求は、ロボット側通信部23を介して、エレベータ側通信部14へと送られる。
通信中、エレベータ1のエレベータ制御装置10において、当該自律走行ロボット20の認証が行われ、荷重調整可能なロボットか否かのチェックが行われる。荷重調整可能なロボットではないと判断されると(ステップS3のNG)、荷重検出装置6aの荷重調整は中止される。
当該自律走行ロボット20が荷重調整可能なロボットであると判断されると(ステップS3のOK)、乗りかご6内には、自律走行ロボット20だけが単独で乗車しているか否かの確認が行われる。自律走行ロボット20は、例えば、自律走行ロボット制御部21にて入力装置25からの情報を解析し、乗車中の利用者がいないかどうかを判断する。乗車中の利用者が確認される、つまり、自律走行ロボット20だけが単独で乗車していると判断できない場合(ステップS4のNO)、荷重検出装置6aの荷重調整は中止される。
乗車中の利用者がおらず、自律走行ロボット20だけが乗車していると判断されると(ステップS4のYES)、自律走行ロボット制御部21によって、重量記憶部24より自身の重量が読み出されて、エレベータ制御装置10に送られる(ステップS5)。エレベータ制御装置10において、自律走行ロボット20の重量が、荷重検出装置6aの荷重調整用のテストウェイトとして代用できるか否かがチェックされる。例えば、自律走行ロボット20の重量が、乗りかご6をバランス状態に保つためのテストウェイトとしての重量に足りておらず、テストウェイトとしての代用に適さない場合(ステップS6のNO)、荷重検出装置6aの荷重調整は中止される。
テストウェイトとして代用できると判断された場合(ステップS6のYES)、エレベータ制御装置10によって、荷重検出装置6aの荷重調整モードが設定される。そして、その設定が特殊運転判定部13によって認識されることにより、荷重調整のための、エレベータ1の専用運転が行われる(ステップS7)。
この状態において、自律走行ロボット20をテストウェイトとして代用した、エレベータ制御装置10の荷重調整部12による荷重検出装置6aの荷重調整が行われ、その調整値が設定値記憶部15に記憶されて、新たな設定値として更新される(ステップS8)。こうして、荷重調整のための一連の処理が終了される。
上記したように、自律走行ロボット20を、荷重調整用のテストウェイトとして代用することにより、乗りかご6内をバランス状態にするためのテストウェイトを持ち込まずとも、荷重検出装置6aの荷重調整を実施することが可能となる。
第1実施形態によれば、エレベータ1を利用する自律走行ロボット20を、乗りかご6の荷重検出装置6aの荷重調整を行う際のテストウェイトとして代用することによって、荷重調整に係る作業を大幅に簡素化できる。したがって、荷重調整を自動化および無人化することが可能となり、現地での作業員による調整作業が不要となるとともに、調整の定期的な繰り返しが容易に可能となるため、荷重検出装置6aの検出の精度を向上できる。
≪第2実施形態≫
次に、図4のフローチャートを参照して、第2実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足している場合の例である。なお、基本的な処理の流れは図3に示したフローチャートとほぼ同様なので、ステップS5以降の処理について説明する。
次に、図4のフローチャートを参照して、第2実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足している場合の例である。なお、基本的な処理の流れは図3に示したフローチャートとほぼ同様なので、ステップS5以降の処理について説明する。
上記したステップS5において、エレベータ制御装置10に自律走行ロボット20の重量が送信されると、続いて、乗りかご6をバランス状態に保つためのテストウェイトの重量として足りているかどうかが判断される。自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足していなければ(ステップS11のNO)、処理が上記したステップS7に移行し、それ以降の処理が同様に実行される。
これに対し、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足している場合(ステップS11のYES)、自律走行ロボット制御部21が、ロボット側通信部23を介して、例えば、近場にいる別の自律走行ロボットを呼び寄せる(ステップS12)。
こうして、自律走行ロボットの合計重量がテストウェイトとしての重量となるように、呼び寄せた自律走行ロボットをテストウェイトの一部とし、上記したステップS7以降の処理が同様に実行される。即ち、複数台の自律走行ロボットをテストウェイトとして代用し、荷重検出装置6aの荷重調整が行われる。
第2実施形態によれば、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトとして代用するための重量に不足している場合にも、複数台の自律走行ロボット20を用いることによって、荷重検出装置6aの荷重調整を実施できるようになる。即ち、自律走行ロボット20を荷重検出装置6aの荷重調整を行う際のテストウェイトとして使用する場合において、調整を要求した自律走行ロボット20の重量が不足している場合、無線通信により、別の自律走行ロボットを現地まで呼び寄せ、乗りかご6内に乗り込ませる。こうして、複数台の自律走行ロボットの合計重量が、テストウェイトの重量となるように、重量の不足分を別の自律走行ロボットによってカバーした後に、荷重検出装置6aの荷重調整を実施する。このようにした場合にも、ほぼ同様に、荷重調整に係る作業を大幅に簡素化でき、現地での作業員による調整作業が不要になるとともに、調整の定期的な繰り返しが容易に可能となるため、荷重検出装置6aの検出の精度を向上できる。
なお、本実施形態の場合、呼び寄せた自律走行ロボットとの合計重量がテストウェイトの重量として不足する場合、さらに上記したステップS12での処理が繰り返される。
また、無線通信により、別の自律走行ロボットを呼び寄せる処理は、エレベータ制御装置10側で行うように構成することも可能である。
≪第3実施形態≫
次に、図5のフローチャートを参照して、第3実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足している場合に、その不足分に応じた重量の重りを乗りかご6内に搬入するようにした場合の例である。なお、基本的な処理の流れは図3に示したフローチャートとほぼ同様なので、ステップS5以降の処理について説明する。
次に、図5のフローチャートを参照して、第3実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足している場合に、その不足分に応じた重量の重りを乗りかご6内に搬入するようにした場合の例である。なお、基本的な処理の流れは図3に示したフローチャートとほぼ同様なので、ステップS5以降の処理について説明する。
上記したステップS5において、エレベータ制御装置10に自律走行ロボット20の重量が送信されると、続いて、乗りかご6をバランス状態に保つためのテストウェイトの重量として足りているかどうかが判断される。自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足していなければ(ステップS11のNO)、処理が上記したステップS7に移行し、それ以降の処理が同様に実行される。
これに対し、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足している場合(ステップS11のYES)、自律走行ロボット制御部21で、テストウェイトと自身の重量との差分(不足分)を算出する。そして、その不足分の重量に応じた重り(図示省略)を、自律走行ロボット20に重り置場まで取りに行かせ、乗りかご6内に搬入させる(ステップS13)。
こうして、自律走行ロボット20と重りの合計重量がテストウェイトとしての重量となるように、持ち込んだ重りをテストウェイトの一部として、上記したステップS7以降の処理が同様に実行される。即ち、自律走行ロボット20と重りとをテストウェイトとして使用することによって、荷重検出装置6aの荷重調整が行われる。
第3実施形態によれば、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトとして代用するための重量に不足している場合にも、不足分の重りを自動的に追加することによって、荷重検出装置6aの荷重調整を実施できるようになる。即ち、自律走行ロボット20を荷重検出装置6aの荷重調整を行う際のテストウェイトとして使用する場合において、調整を要求した自律走行ロボット20の重量が不足している場合、不足分の重量の重りを自律走行ロボット20によって乗りかご6内に搬入させる。こうして、自律走行ロボット20の重量と持ち込んだ重りの重量との合計重量が、テストウェイトの重量となるように、重量の不足分を重りによってカバーした後に、荷重検出装置6aの荷重調整を実施する。このようにした場合にも、ほぼ同様に、荷重調整に係る作業を大幅に簡素化でき、現地での作業員による調整作業が不要となるとともに、調整の定期的な繰り返しが容易に可能となるため、荷重検出装置6aの検出の精度を向上できる。
なお、本実施形態において、自律走行ロボット20の重量とテストウェイトとの重量の差分を算出す処理は、エレベータ制御装置10側で行うように構成することも可能である。
≪第4実施形態≫
次に、図6のフローチャートを参照して、第4実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足している場合に、不足分に応じた重量の自律走行ロボットを探索し、現地まで呼び寄せるようにした場合の例である。なお、基本的な処理の流れは図3に示したフローチャートとほぼ同様なので、ステップS5以降の処理について説明する。
次に、図6のフローチャートを参照して、第4実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足している場合に、不足分に応じた重量の自律走行ロボットを探索し、現地まで呼び寄せるようにした場合の例である。なお、基本的な処理の流れは図3に示したフローチャートとほぼ同様なので、ステップS5以降の処理について説明する。
上記したステップS5において、エレベータ制御装置10に自律走行ロボット20の重量が送信されると、続いて、乗りかご6をバランス状態に保つためのテストウェイトの重量として足りているかどうかが判断される。自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足していなければ(ステップS11のNO)、処理が上記したステップS7に移行し、それ以降の処理が同様に実行される。
これに対し、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトの重量として不足している場合(ステップS11のYES)、自律走行ロボット制御部21で、テストウェイトと自身の重量との差分(不足分)を算出する。そして、その不足分の重量に応じた重量の自律走行ロボットを探索し、見つからなければ(ステップS14のNO)、荷重検出装置6aの荷重調整は中止される。
不足分の重量と同程度の重量の自律走行ロボット(図示省略)が見つかったならば(ステップS14のYES)、その自律走行ロボットを現場まで呼び寄せ(ステップS15)、荷重検出装置6aの荷重調整を行う乗りかご6内に乗車させる。
こうして、自律走行ロボット20と探索した自律走行ロボットの合計重量がテストウェイトとしての重量となるように、探索した自律走行ロボットをテストウェイトの一部とし、上記したステップS7以降の処理が同様に実行される。即ち、2台の自律走行ロボットをテストウェイトの代用として使用して、荷重検出装置6aの荷重調整が行われる。
第4の実施形態によれば、自律走行ロボット20の重量がテストウェイトとして代用するための重量に不足している場合にも、差分の自律走行ロボットを自動的に追加することによって、荷重検出装置6aの荷重調整を実施できるようになる。即ち、自律走行ロボット20を荷重検出装置6aの荷重調整を行う際のテストウェイトとして使用する場合において、調整を要求した自律走行ロボット20の重量が不足している場合、自律走行ロボット20に、不足分の重量と同じ重量の自律走行ロボットを探索させる。こうして、不足分の重量とほぼ同じ重量の自律走行ロボットを探索できた場合には、その自律走行ロボットをテストウェイトの一部として代用し、重量の不足分を探索できた自律走行ロボットによってカバーした後に、荷重検出装置6aの荷重調整を実施する。このようにした場合にも、ほぼ同様に、荷重調整に係る作業を大幅に簡素化でき、現地での作業員による調整作業が不要となるとともに、調整の定期的な繰り返しが容易に可能となるため、荷重検出装置6aの検出の精度を向上できる。
なお、本実施形態において、自律走行ロボット20の重量とテストウェイトとの差分を算出する処理、および、不足分の重量と同じ重量の自律走行ロボットを探索する処理は、エレベータ制御装置10側で行うように構成することも可能である。
≪第5実施形態≫
次に、図7のフローチャートを参照して、第5実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20をテストウェイトとして代用して、荷重検出装置6aの荷重調整を行う場合において、乗りかご6内にいる利用者を降車させるようにした場合の例である。なお、基本的な処理の流れは図3に示したフローチャートとほぼ同様なので、ステップS3以降の処理について説明する。
次に、図7のフローチャートを参照して、第5実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。本実施形態は、自律走行ロボット20をテストウェイトとして代用して、荷重検出装置6aの荷重調整を行う場合において、乗りかご6内にいる利用者を降車させるようにした場合の例である。なお、基本的な処理の流れは図3に示したフローチャートとほぼ同様なので、ステップS3以降の処理について説明する。
本実施形態の場合、上記したステップS3において、自律走行ロボット20が荷重調整可能なロボットであると判断されると(ステップS3のOK)、自律走行ロボット20によって、重量記憶部24より自身の重量が読み出される。そして、その読み出された自律走行ロボット20の重量はエレベータ1のエレベータ制御装置10に送られ、荷重検出装置6aの荷重調整用のテストウェイトとして代用できるか否かがチェックされる(ステップS5)。自律走行ロボット20の重量が、乗りかご6をバランス状態に保つためのテストウェイトの重量として足りておらず、テストウェイトとしての使用に適さない場合(ステップS6のNO)、荷重検出装置6aの荷重調整は中止される。
テストウェイトとして代用できると判断されると(ステップS6のYES)、続いて、乗りかご6内に利用者がいるかどうかの確認が行われる。即ち、自律走行ロボット20は、自律走行ロボット制御部21にて入力装置25からの情報を解析し、乗りかご6に乗車しようとする利用者がいないかどうかを判断する。利用者はいないと判断できた場合(ステップS21のYES)、処理が上記したステップS7に移行し、それ以降の処理が同様に実行される。
これに対し、利用者の乗車が検出されると(ステップS21のNO)、自律走行ロボット制御部21が、例えば、出力装置26から「荷重調整中のため、ご乗車できません」といったアナウンスなどを行って、利用者に降車するように促す(ステップS22)。
この後、利用者がいないことが確認されると、処理が上記したステップS7に移行し、それ以降の処理として、自律走行ロボット20をテストウェイトとして代用して、荷重検出装置6aの荷重調整が行われる。
第5の実施形態によれば、エレベータ1を利用する自律走行ロボット20を、乗りかご6の荷重検出装置6aの荷重調整を行う際のテストウェイトとして使用する場合、利用者を降車させた後に、荷重検出装置6aの荷重調整を実施できる。即ち、自律走行ロボット20をテストウェイトとして代用して荷重検出装置6aの荷重調整を行う場合に、乗車中の利用者がいるか否かを確認し、利用者がいる場合には降車を促すようにしている。これにより、荷重検出装置6aの荷重調整を無人化した際にも、利用者に対する安全性を十分に確保することが可能となる。したがって、荷重調整に係る作業を大幅に簡素化でき、現地での作業員による調整作業が不要となるとともに、調整の定期的な繰り返しが容易に可能となるため、荷重検出装置6aの検出の精度を向上できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…エレベータ、6…乗りかご、6a…荷重検出装置、10…エレベータ制御装置、11…運転制御部、12…荷重調整部、13…特殊運転判定部、14…エレベータ側通信部、15…設定値記憶部、20…自律走行ロボット、21…自律走行ロボット制御部、23…ロボット側通信部、25…入力装置、26…出力装置。
Claims (7)
- 建物内の複数の階床間を昇降運転する乗りかご内に、利用者とともに、自律走行体を同乗させることが可能なエレベータの調整方法であって、
前記乗りかごの各種の制御を行うエレベータ制御装置が、前記乗りかごの昇降運転時の吊り合い制御のために設けられた荷重検出装置の荷重調整を、荷重調整用おもりを用いて行う際に、
前記乗りかご内に前記自律走行体が乗車したか否かを判定し、
前記自律走行体の乗車を判定すると、前記乗りかご内に前記利用者が乗車しているか否かを判断し、
前記利用者が乗車していないと判断した場合に、前記自律走行体自身を、前記荷重調整用おもりとして使用して前記荷重検出装置の荷重調整を行う
ことを特徴とするエレベータの調整方法。 - 前記エレベータ制御装置は、前記荷重検出装置の荷重調整を定期的に行うことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの調整方法。
- 前記エレベータ制御装置は、前記荷重検出装置の荷重調整を、前記自律走行体からの要求に応じて行うことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの調整方法。
- 前記自律走行体は、
前記荷重調整用おもりとして使用される場合の重量に対し、自身の重量が不足する場合、不足分の重量の重りを前記乗りかご内に搬入することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエレベータの調整方法。 - 前記自律走行体は、
前記荷重調整用おもりとして使用される場合の重量に対し、自身の重量が不足する場合、不足分の重量に応じて、別の自律走行体を呼び寄せて前記乗りかご内に乗車させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエレベータの調整方法。 - 前記自律走行体は、
前記エレベータ制御装置によって前記利用者の乗車が判断された場合に、当該利用者に降車の案内を行うことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの調整方法。 - 前記エレベータ制御装置および前記自律走行体により、前記請求項1から6のいずれか1項に記載のエレベータの調整方法を実施することを特徴とするエレベータの調整システム。
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