JP2020111237A - 駆動力伝達装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング素子の温度上昇を抑制することができる駆動力伝達装置の制御装置を提供する。【解決手段】車両の起動スイッチ10がオン状態となることにより始動可能となるエンジン11の駆動力を前輪181,182及び後輪191,192に伝達する四輪駆動車1に搭載され、供給される電流に応じて前後輪への駆動力の配分割合を調節可能な駆動力伝達装置2の制御装置7は、FET74のオン状態又はオフ状態を決定するPWM信号によりFET74をスイッチングして電流を生成するスイッチング電源部73と、PWM信号を生成するCPU71とを有し、CPU71は、起動スイッチ10のオン状態でかつエンジン11が停止していることを含む所定条件の成立時に、エンジン11が駆動力を発生させているときに比較してPWM周期を長くする。【選択図】図6
Description
本発明は、四輪駆動車の補助駆動輪に駆動力を伝達する駆動力伝達装置の制御装置に関する。
従来、エンジン等の車両の駆動源の駆動力が常に伝達される主駆動輪と、伝達される駆動力を調節可能な駆動力伝達装置を介して駆動源の駆動力が伝達される補助駆動輪とを備えた四輪駆動車がある。駆動力伝達装置は、制御装置から供給される電流によって発生する磁力により作動する電磁クラッチ機構を有し、この電流に応じた大きさの駆動力を補助駆動輪側に伝達する。
特許文献1に記載の駆動力配分制御装置は、スイッチング素子としてのFET(電界効果トランジスタ)と、FETをPWM制御するマイコンとを有し、FETのオン時間の割合(デューティー比)を変更することによってマイコンが駆動力伝達装置に供給する電流を調節する。
また、特許文献2に記載の駆動力配分制御装置は、スロットルバルブの開度に基づいて四輪駆動車の走行状態が定常走行状態であるか否かを判定する定常走行判定手段を有し、定常走行状態であると判定した場合には、補助駆動輪側に伝達される駆動力の割合を低減した二輪駆動傾向の駆動力配分を行う。また、定常走行状態でないと判定した場合には、スロットルバルブの開度や前後輪の回転速差等に応じて、走行状態を安定化させるために必要な駆動力を補助駆動輪に配分する四輪駆動傾向の駆動力配分を行う。
ところで、PWM制御に用いられるスイッチング素子は、オン状態とオフ状態とが切り替わるスイッチング時に熱が発生する。この熱によってスイッチング素子の温度が上昇すると、スイッチング素子の動作特性が変動してしまう場合がある。例えばFETの場合には、ゲート・ソース電圧(VGS)に対するドレイン電流(ID)が温度によって増減してしまう。また、スイッチング素子の温度がさらに上昇して過熱状態となると、スイッチング素子を熱による損傷から保護するために駆動力伝達装置の制御を中断しなければならなくなる場合もある。
そこで本発明は、スイッチング素子の温度上昇を抑制することが可能な駆動力伝達装置の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、車両の起動スイッチがオン状態となることにより始動可能となるエンジンの駆動力を前輪及び後輪に伝達する四輪駆動車に搭載され、供給される電流に応じて前記前輪及び前記後輪への駆動力の配分割合を調節可能な駆動力伝達装置の制御装置であって、スイッチング素子のオン状態又はオフ状態を決定するPWM信号により前記スイッチング素子をスイッチングして前記電流を生成するスイッチング電源部と、前記PWM信号を生成するPWM信号生成部とを有し、前記PWM信号生成部は、前記起動スイッチのオン状態でかつ前記エンジンが停止していることを含む所定条件の成立時に、前記エンジンが前記駆動力を発生させているときに比較して前記PWM周期を長くする、駆動力伝達装置の制御装置を提供する。
本発明に係る駆動力伝達装置の制御装置によれば、スイッチング素子の温度上昇を抑制することができる。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る駆動力伝達装置の制御装置が搭載された四輪駆動車の概略の構成例を示す概略構成図である。
図1に示すように、四輪駆動車1には、アクセルペダル110の操作量(踏み込み量)に応じた走行用の駆動力(トルク)を発生する駆動源としてのエンジン11と、エンジン11の出力を変速するトランスミッション12と、フロントディファレンシャル13と、プロペラシャフト14と、リヤディファレンシャル15と、左右の前輪側のドライブシャフト161,162と、左右の後輪側のドライブシャフト171,172と、プロペラシャフト14とリヤディファレンシャル15との間に配置された駆動力伝達装置2とが搭載されている。
トランスミッション12で変速されたエンジン11の駆動力は、主駆動輪としての左右前輪181,182には常時伝達され、補助駆動輪としての左右後輪191,192には、駆動力伝達装置2を介して四輪駆動車1の車両状態に応じてエンジン11の駆動力が伝達される。制御装置7は、駆動力伝達装置2に電流を供給することで駆動力伝達装置2を制御する。駆動力伝達装置2は、制御装置7から供給される電流に応じた駆動力をプロペラシャフト14からピニオンギヤシャフト150を経てリヤディファレンシャル15に伝達することで、前輪181,182及び後輪191,192への駆動力の配分割合を調節可能である。以下、制御装置7が駆動力伝達装置2を制御するために出力する電流を制御電流という。
フロントディファレンシャル13は、左右の前輪側のドライブシャフト161,162にそれぞれ相対回転不能に連結された一対のサイドギヤ131,131と、一対のサイドギヤ131,131にギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ132,132と、一対のピニオンギヤ132,132を支持するピニオンギヤシャフト133と、これらを収容するフロントデフケース134とを有している。フロントデフケース134には、リングギヤ135が固定され、このリングギヤ135がプロペラシャフト14の車両前方側の端部に設けられたピニオンギヤ141に噛み合っている。プロペラシャフト14の車両後方側の端部は、駆動力伝達装置2のハウジング20に連結されている。
リヤディファレンシャル15は、左右の後輪側のドライブシャフト171,172にそれぞれ相対回転不能に連結された一対のサイドギヤ151,151と、一対のサイドギヤ151,151にギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ152,152と、一対のピニオンギヤ152,152を支持するピニオンギヤシャフト153と、これらを収容するリヤデフケース154と、リヤデフケース154に固定されてピニオンギヤシャフト150と噛み合うリングギヤ155とを有している。
(駆動力伝達装置の構成)
図2は、駆動力伝達装置2の構成例を示す断面図である。図2において、回転軸線Oよりも上側は駆動力伝達装置2の作動状態(トルク伝達状態)を、下側は駆動力伝達装置2の非作動状態(トルク非伝達状態)を、それぞれ示す。以下、回転軸線Oに平行な方向を軸方向という。
図2は、駆動力伝達装置2の構成例を示す断面図である。図2において、回転軸線Oよりも上側は駆動力伝達装置2の作動状態(トルク伝達状態)を、下側は駆動力伝達装置2の非作動状態(トルク非伝達状態)を、それぞれ示す。以下、回転軸線Oに平行な方向を軸方向という。
駆動力伝達装置2は、フロントハウジング21及びリヤハウジング22からなるハウジング20と、ハウジング20と同軸上で相対回転可能に支持された筒状のインナシャフト23と、ハウジング20とインナシャフト23との間に配置されたメインクラッチ3と、メインクラッチ3を押圧する押圧力を発生させるカム機構4と、フロントハウジング21の回転力を受けてカム機構4を作動させる電磁クラッチ機構5とを有して構成されている。ハウジング20の内部空間には、図略の潤滑油が封入されている。
フロントハウジング21は、円筒状の筒部21aと底部21bとを一体に有する有底円筒状であり、底部21bにはプロペラシャフト14(図1参照)が例えば十字継手を介して連結される。また、フロントハウジング21は、軸方向に延びる複数の外側スプライン突起211を筒部21aの内周面に有している。リヤハウジング22は、鉄等の磁性材料からなる第1環状部材221及び第2環状部材222の間にオーステナイト系ステンレス等の非磁性材料からなる第3環状部材223が配置されている。
インナシャフト23は、軸受24,25によってハウジング20の内周側に支持され、軸方向に延びる複数の内側スプライン突起231を外周面に有している。また、インナシャフト23の一端部における内面には、ピニオンギヤシャフト150(図1参照)の一端部が相対回転不能に嵌合されるスプライン嵌合部232が形成されている。
メインクラッチ3は、軸方向に沿って交互に配置された複数のメインアウタクラッチプレート31及び複数のメインインナクラッチプレート32を有する摩擦クラッチである。メインアウタクラッチプレート31は、フロントハウジング21の外側スプライン突起211に係合する複数の係合突起311を外周端部に有している。メインインナクラッチプレート32は、インナシャフト23の内側スプライン突起231に係合する複数の係合突起321を内周端部に有している。
カム機構4は、電磁クラッチ機構5を介してハウジング20の回転力を受けるパイロットカム41と、メインクラッチ3を軸方向に押圧する押圧部材としてのメインカム42と、パイロットカム41とメインカム42との間に配置された複数の球状のカムボール43とを有して構成されている。メインカム42は、スプライン係合部421aがインナシャフト23の内側スプライン突起231に係合し、インナシャフト23との相対回転が規制されている。パイロットカム41は、メインカム42に対して相対回転する回転力を電磁クラッチ機構5から受けるスプライン係合部411を外周端部に有している。パイロットカム41とメインカム42との対向面には、周方向に沿って軸方向の深さが変化する複数のカム溝41a,42aが形成されており、カムボール43がこれらのカム溝41a,42aの間に配置されている。
電磁クラッチ機構5は、アーマチャ50と、複数のパイロットアウタクラッチプレート51と、複数のパイロットインナクラッチプレート52と、電磁コイル53とを有して構成されている。電磁コイル53には、電線531を介して制御装置7の制御電流が励磁電流として供給される。複数のパイロットアウタクラッチプレート51及び複数のパイロットインナクラッチプレート52は、アーマチャ50とリヤハウジング22との間に、軸方向に沿って交互に配置されている。パイロットアウタクラッチプレート51及びパイロットインナクラッチプレート52の径方向の中央部には、電磁コイル53の通電により発生する磁束の短絡を防ぐための複数の円弧状のスリットが形成されている。
パイロットアウタクラッチプレート51は、フロントハウジング21の外側スプライン突起211に係合する複数の係合突起511を外周端部に有している。パイロットインナクラッチプレート52は、パイロットカム41のスプライン係合部411に係合する複数の係合突起521を内周端部に有している。アーマチャ50は、フロントハウジング21の外側スプライン突起211に係合する複数の係合突起501を外周端部に有している。
上記のように構成された駆動力伝達装置2は、電磁コイル53に制御電流が供給されることによって磁路Gに磁束が発生し、アーマチャ50がリヤハウジング22側に引き寄せられ、パイロットアウタクラッチプレート51とパイロットインナクラッチプレート52とが摩擦接触する。これにより、ハウジング20の回転力がパイロットカム41に伝達され、パイロットカム41がメインカム42に対して相対回転し、カムボール43がカム溝41a,42aを転動する。このカムボール43の転動により、メインカム42にメインクラッチ3を押圧するカム推力が発生し、複数のメインアウタクラッチプレート31と複数のメインインナクラッチプレート32との間に摩擦力が発生する。そして、この摩擦力により、ハウジング20とインナシャフト23との間でトルクが伝達される。メインクラッチ3によって伝達されるトルクは、電磁コイル53に供給される制御電流に応じて増減する。
四輪駆動車1には、車両状態を検出するための様々なセンサが搭載されている、左右前輪181,182及び左右後輪191,192の回転速度をそれぞれ検出する回転速センサ61〜64、アクセルペダル110の操作量を検出するアクセルペダルセンサ65、及びステアリングホイール111の回転角(操舵角)を検出する操舵角センサ66は、その一例である。四輪駆動車1の駆動系を構成するエンジン11やトランスミッション12及び駆動力伝達装置2は、これらのセンサの検出結果に基づいて制御される。次に、四輪駆動車1の制御システムについて説明する。
図3は、制御システム8の構成例を示す概略図である。制御システム8は、駆動力伝達装置2を制御する上述の制御装置7の他、車両全体を統括するマスターコントローラ81、エンジン11を制御するエンジンコントローラ82、トランスミッション12を制御するトランスミッションコントローラ83、左右前輪181,182及び左右後輪191,192のブレーキを制御するブレーキコントローラ84、ステアリングホイール111の操舵操作を補助する操舵補助力を発生させるパワーステアリングコントローラ85等の各種のコントローラを有し、これらが車載ネットワーク801により接続されている。
これらの制御装置7、エンジンコントローラ82、トランスミッションコントローラ83、ブレーキコントローラ84、パワーステアリングコントローラ85等は、四輪駆動車1の起動スイッチ10がオン状態となることにより電源が供給され、動作を開始する。エンジン11は、起動スイッチ10がオン状態となることにより始動可能となる。起動スイッチ10としては、鍵の回動によりオン状態となるイグニッションスイッチを用いてもよいが、押し釦スイッチを用いることも可能である。
エンジンコントローラ82は、エンジン11で燃焼されるガソリン等の液体燃料の消費量を抑制すべく、エンジン11の駆動力が必要ない状況のとき、起動スイッチ10がオン状態であってもエンジン11への燃料供給を遮断する機能を有している。具体的には、車速がゼロの停車中にエンジン11を停止するアイドルストップ機能、及びアクセルペダル110が踏まれていない状態において惰性で走行する惰性走行時にエンジン11を停止するコーストストップ機能(セーリングストップ機能とも称される)である。
回転速センサ61〜64、アクセルペダルセンサ65、及び操舵角センサ66は、それぞれサブネットワーク802〜804によって、ブレーキコントローラ84、エンジンコントローラ82、及びパワーステアリングコントローラ85に接続されている。車載ネットワーク801としては、例えばCAN(Controller Area Network)を用いることができ、サブネットワーク802〜804としては、例えばLIN(Local Interconnect Network)を用いることができる。
制御装置7は、車載ネットワーク801及びサブネットワーク802〜804を介して、回転速センサ61〜64、アクセルペダルセンサ65、及び操舵角センサ66の検出結果の情報を取得可能である。また、制御装置7は、マスターコントローラ81やエンジンコントローラ82から車載ネットワーク801を介して、車速の情報やエンジン11の回転数を示すエンジン回転数の情報、及びアイドルストップ機能又はコーストストップ機能によりエンジン11への燃料供給が遮断された状態であることを示す情報を取得可能である。
(制御装置7の構成)
図4は、制御装置7の構成例を示す概略図である。制御装置7は、演算素子としてのCPU71と、ROMやRAM等の半導体記憶素子からなる記憶部72と、制御電流を生成するスイッチング電源部73とを有している。記憶部72には、CPU71が実行すべき演算処理の手順を示すプログラムが記憶されている。本実施の形態では、CPU71が記憶部72に記憶されたプログラムを実行することにより、スイッチング電源部73に供給するPWM信号を供給するPWM信号生成部として機能する。すなわち、PWM信号生成部の機能がCPU71によって実現される。
図4は、制御装置7の構成例を示す概略図である。制御装置7は、演算素子としてのCPU71と、ROMやRAM等の半導体記憶素子からなる記憶部72と、制御電流を生成するスイッチング電源部73とを有している。記憶部72には、CPU71が実行すべき演算処理の手順を示すプログラムが記憶されている。本実施の形態では、CPU71が記憶部72に記憶されたプログラムを実行することにより、スイッチング電源部73に供給するPWM信号を供給するPWM信号生成部として機能する。すなわち、PWM信号生成部の機能がCPU71によって実現される。
CPU71は、回転速センサ61〜64、アクセルペダルセンサ65、及び操舵角センサ66の検出結果に基づいて、駆動力伝達装置2を制御する。より具体的には、例えばアクセルペダル110の踏み込み量が大きいほど、また左右前輪181,182の平均回転速度と左右後輪191,192の平均回転速度との差である前後輪差動回転速度が大きいほど、大きな駆動力が左右後輪191,192に伝達されるように、駆動力伝達装置2を制御する。また、CPU71は、ステアリングホイール111が操舵された旋回時には、左右後輪191,192に駆動力を配分して旋回走行を安定させるように駆動力伝達装置2を制御する。
CPU71は、各センサ61〜66の検出結果に基づいて駆動力伝達装置2が伝達すべき指令トルクを演算し、この指令トルクに応じて駆動力伝達装置2に供給すべき制御電流の目標値である指令電流値を演算する。そして、指令電流値の制御電流が駆動力伝達装置2に出力されるように、スイッチング電源部73にPWM信号を供給する。
スイッチング電源部73は、スイッチング素子であるFET74と、還流ダイオード75と、制御電流を検出するためのシャント抵抗76と、シャント抵抗76の両端の電位差を増幅する増幅器としてのオペアンプ77とを有している。FET74は、具体的にはMOSFETであり、そのオン状態又はオフ状態がCPU71の演算処理によって生成されるPWM信号によって決定される。
PWM信号は、FET74のゲートに入力される矩形波状の信号であり、ゲート・ソース間電圧を発生させる。PWM信号によってゲート・ソース間電圧が発生したとき、FET74がオン状態となり、ドレインからソースに電流(ドレイン電流)が流れる。また、FET74がオフ状態となると、この電流の流れが遮断される。スイッチング電源部73には、電源コネクタ7aを介して、四輪駆動車1に搭載されたバッテリーBから例えば12Vの直流電圧が供給される。スイッチング電源部73は、バッテリーBから供給される直流電圧をスイッチングして制御電流を生成する。
制御装置7は、一対の端子7b,7cから駆動力伝達装置2の電磁コイル53に制御電流を出力する。FET74のオフ状態では、電磁コイル53のインダクタンスにより、還流ダイオード75に電流が流れる。還流ダイオード75は、アノードが端子7c及びFET74のドレインに接続され、カソードが電源コネクタ7a及びシャント抵抗76の一端に接続されている。シャント抵抗76の他端は端子7bに接続されている。
CPU71は、オペアンプ77の出力信号によって電磁コイル53に出力されている制御信号を検出し、その検出値が指令電流値に近づくようにPWM信号を生成する。具体的には、制御信号の検出値が指令電流値よりも低ければPWM信号のデューティー比を高くし、制御信号の検出値が指令電流値よりも低ければPWM信号のデューティー比を低くするようにフィードバック制御を行う。ここで、PWM信号のデューティー比とは、PWM信号の電圧が、FET74がオン状態となる電圧である時間の割合をいう。
CPU71は、FET74のオン状態又はオフ状態を決定するPWM信号をPWM周期ごとに生成する。このPWM周期は、CPU71の処理によって可変である。PWM周期の逆数であるPWM周波数は、通常時には例えば1kHzであり、後述する所定条件の成立時には、CPU71がPWM周期を例えば500Hzに低下させる。
ところで、一般にFET等のスイッチング素子をオフ状態からオン状態を切り替える時(ターンオン)及びオン状態からオフ状態を切り替える時(ターンオフ)には、スイッチング損失という電力損失が発生する。このスイッチング損失について、図5を参照して説明する。
図5は、FETがオフ状態からオン状態に切り替わり、さらにオン状態からオフ状態に切り替わる際のドレイン・ソース間電圧(Vds)及びドレイン電流(Id)の時間的な変化の一例を示すグラフである。このグラフの横軸は時間軸であり、縦軸はドレイン・ソース間電圧及びドレイン電流の大きさを示している。
FETで消費される電力は、大略ドレイン・ソース間電圧とドレイン電流との積によって求められる。このため、ドレイン・ソース間電圧又はドレイン電流が実質的にゼロであれば、FETで電力が消費されない。しかし、ターンオン及びターンオフにおける過渡状態の時間帯であるスイッチング時間(Tsw)では、ドレイン・ソース間電圧及びドレイン電流が共にゼロではない状態となるので、FETで電力が消費される。すなわち、FETで電力損失が発生する。そして、この電力損失によってFETが発熱する。
PWM周期は、短いほど制御電流をきめ細かく制御することが可能であり、駆動力伝達装置2のメインクラッチ3の締結力を高精度に調節することができる。しかし、四輪駆動車1の車両状態によっては、必ずしもメインクラッチ3の締結力を高精度に調節しなくてもよい場合があり、このような場合にはPWM周期を長くすることが可能である。なお、メインクラッチ3の締結力とは、ハウジング20とインナシャフト23との相対回転を抑制する複数のメインアウタクラッチプレート31と複数のメインインナクラッチプレート32との間の摩擦力をいう。
本実施の形態では、CPU71が起動スイッチ10のオン状態でかつエンジン11が停止していることを含む所定条件が成立しているか否かを判定し、この所定条件の成立時にエンジン11が駆動力を発生させているときに比較してPWM周期を長くする。これにより、FET74のスイッチング(ターンオン及びターンオフ)の発生頻度が下がり、FET74の発熱が抑制される。
図6は、CPU71が実行する処理の一例を示すフローチャートである。CPU71は、起動スイッチ10がオン状態であるときに、このフローチャートに示す処理を所定の制御周期毎に繰り返し実行する。
CPU71は、回転速センサ61〜64、アクセルペダルセンサ65、及び操舵角センサ66の検出値を車載ネットワーク801から取得する(ステップS1)。そして、取得した検出値に応じて左右後輪191,192に伝達すべき指令トルクを演算する(ステップS2)。
次にCPU71は、惰性走行中にエンジン11が停止したコーストストップ状態であるか否かを判定する(ステップS3)。この判定は、エンジンコントローラ82が出力するコーストストップ信号、すなわちコーストストップ機能によりエンジン11への燃料供給が遮断された状態であることを示す情報に基づいて行うことができる。また、この判定を車速及びエンジン回転数の情報に基づいて行ってもよい。車速が所定値以上でエンジン回転数がゼロであれば、エンジン11が停止した状態で惰性走行するコーストストップ状態であると判定することができる。
また、CPU71は、ステップS3でコーストストップ状態ではないと判定した場合(S3:No)、停車中にエンジンが停止したアイドルストップ状態であるか否かを判定する(ステップS4)。この判定は、エンジンコントローラ82が出力するアイドリングストップ信号、すなわちアイドルストップ機能によりエンジン11への燃料供給が遮断された状態であることを示す情報に基づいて行うことができる。また、この判定を車速及びエンジン回転数の情報に基づいて行ってもよい。車速及びエンジン回転数がゼロであれば、アイドルストップ状態であると判定することができる。
四輪駆動車1が惰性走行状態(S3:Yes)又はアイドルストップ状態(S4:Yes)である場合、CPU71は、路面状況が低μであるか否かを判定する(ステップS5)。この判定は、例えば例えば車載カメラにより撮像した路面の状況に基づいて行ってもよく、車速が一定で直進する定常走行状態における前後輪差動回転速度に基づいて行ってもよい。また、外気温が所定値(例えば0℃)以下である場合やワイパーが作動している場合に路面状況が低μであると判定してもよい。
四輪駆動車1が惰性走行状態(S3:Yes)又はアイドルストップ状態(S4:Yes)であり、かつ路面状況が低μではないと推定される場合(S5:No)、CPU71は、PWM周期を長くする(ステップS6)。具体的には、PWM周波数を例えば1kHzから500Hzに変更する。また、四輪駆動車1が惰性走行状態でもアイドルストップ状態でもない場合(S3,S4:No)、あるいは路面状況が低μであると推定される場合(S5:Yes)、CPU71は、PWM周期を初期値(例えば1kHz)とする(ステップS7)。
次に、CPU71は、ステップS2において算出した指令トルクに応じて駆動力伝達装置2に供給すべき制御電流の目標値である指令電流値を演算し、指令電流値の制御電流が駆動力伝達装置2に出力されるようにスイッチング電源部73にPWM信号を出力する(ステップS8)。
以上により、PWM制御に関するCPU71の1回の処理が完了する。なお、コーストストップ状態において駆動力伝達装置2の電磁コイル53に制御電流を供給し、カム機構4によってメインクラッチ3を押圧することで、惰性走行時における四輪駆動車1の挙動を安定化させることができるが、この状況下ではメインクラッチ3の締結力を高精度に調節する必要はないので、PWM周期を長くしても問題はない。また、アイドリングストップ状態において駆動力伝達装置2の電磁コイル53に制御電流を供給し、カム機構4によってメインクラッチ3を押圧することで、発進時における前輪181,182のスリップを抑制し、安定した発進を行うことができるが、この状況下でもメインクラッチ3の締結力を高精度に調節する必要はないので、PWM周期を長くしても問題はない。
ただし、路面状況が低μである場合にはスリップが発生しやすいため、駆動状態を直ちに安定した四輪駆動状態とすることができるように、駆動力伝達装置2のメインクラッチ3の締結力を高精度に調節しておくことが望ましい。本実施の形態では、路面状況が低μではないと推定されることを条件としてPWM周期を長くすることにより、スリップの発生を抑え、またスリップが発生した場合でも四輪駆動車1の挙動の乱れが大きくなることを抑制することが可能となる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態では、起動スイッチ10のオン状態でかつエンジン11が停止していることを含む所定条件の成立時に、エンジン11が駆動力を発生させているときに比較して、CPU71がPWM周期を長くする。この所定条件は、エンジン11が停止状態で駆動力伝達装置2のメインクラッチ3の締結力を高精度に調節する必要がない状況であることであり、より具体的にはコーストストップ状態又はアイドリングストップ状態で、かつ路面状況が低μではないと推定されることである。このため、本実施の形態によれば、四輪駆動車1の挙動に悪影響を与えることなく、PWM周期を長くすることによってスイッチング素子(FET74)の温度上昇を抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、起動スイッチ10のオン状態でかつエンジン11が停止していることを含む所定条件の成立時に、エンジン11が駆動力を発生させているときに比較して、CPU71がPWM周期を長くする。この所定条件は、エンジン11が停止状態で駆動力伝達装置2のメインクラッチ3の締結力を高精度に調節する必要がない状況であることであり、より具体的にはコーストストップ状態又はアイドリングストップ状態で、かつ路面状況が低μではないと推定されることである。このため、本実施の形態によれば、四輪駆動車1の挙動に悪影響を与えることなく、PWM周期を長くすることによってスイッチング素子(FET74)の温度上昇を抑制することができる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記の実施の形態では、コーストストップ状態又はアイドリングストップ状態であることをPWM周期を長くする所定条件として含む場合について説明したが、コーストストップ状態であることのみを所定条件としてもよく、アイドリングストップ状態であることのみを所定条件としてもよい。また、スイッチング素子としては、FETに限らず、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワートランジスタを用いてもよい。
また、上記の実施の形態では、駆動力伝達装置2が後輪191,192へ伝達される駆動力をメインクラッチ3の締結力により調節する場合について説明したが、駆動力伝達装置としては、例えばエンジン11の駆動力を前輪181,182及び後輪191,192に配分すると共に前後輪の差動をクラッチによって制限することが可能な差動制限機能付きのセンターディファレンシャル装置であってもよい。この場合、クラッチを押圧する押圧機構(本実施の形態では電磁クラッチ機構5及びカム機構4)に供給する電流を制御装置7によって制御する。
1…四輪駆動車(車両)
11…エンジン
181,182…左右前輪
191,192…左右後輪
2…駆動力伝達装置
7…制御装置
71…CPU(PWM信号生成部)
73…スイッチング電源部
74…FET(スイッチング素子)
11…エンジン
181,182…左右前輪
191,192…左右後輪
2…駆動力伝達装置
7…制御装置
71…CPU(PWM信号生成部)
73…スイッチング電源部
74…FET(スイッチング素子)
Claims (4)
- 車両の起動スイッチがオン状態となることにより始動可能となるエンジンの駆動力を前輪及び後輪に伝達する四輪駆動車に搭載され、供給される電流に応じて前記前輪及び前記後輪への駆動力の配分割合を調節可能な駆動力伝達装置の制御装置であって、
スイッチング素子のオン状態又はオフ状態を決定するPWM信号により前記スイッチング素子をスイッチングして前記電流を生成するスイッチング電源部と、前記PWM信号を生成するPWM信号生成部とを有し、
前記PWM信号生成部は、前記起動スイッチのオン状態でかつ前記エンジンが停止していることを含む所定条件の成立時に、前記エンジンが前記駆動力を発生させているときに比較して前記PWM周期を長くする、
駆動力伝達装置の制御装置。 - 惰性走行中に前記エンジンが停止したコーストストップ時に前記PWM周期を長くする、
請求項1に記載の駆動力伝達装置の制御装置。 - 停車中に前記エンジンが停止したアイドルストップ時に前記PWM周期を長くする、
請求項1又は2に記載の駆動力伝達装置の制御装置。 - 路面状況が低μではないと推定されることを条件として前記PWM周期を長くする、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の駆動力伝達装置の制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2019004467A JP2020111237A (ja) | 2019-01-15 | 2019-01-15 | 駆動力伝達装置の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2019004467A JP2020111237A (ja) | 2019-01-15 | 2019-01-15 | 駆動力伝達装置の制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2020111237A true JP2020111237A (ja) | 2020-07-27 |
Family
ID=71666336
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2019004467A Pending JP2020111237A (ja) | 2019-01-15 | 2019-01-15 | 駆動力伝達装置の制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2020111237A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2023050019A (ja) * | 2021-09-29 | 2023-04-10 | 大和ハウス工業株式会社 | 異常判定システム |
-
2019
- 2019-01-15 JP JP2019004467A patent/JP2020111237A/ja active Pending
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