JP2020111152A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングコラムを挟持する支持板が変形した場合でもロッドと他の部材との干渉を抑制できるステアリング装置を提供すること。【解決手段】ステアリング装置は、ブラケットと、ステアリングコラムと、締付機構と、を備える。ブラケットは、ステアリングサポートメンバーに面する取付板、並びに取付板から下に延びる第1支持板及び第2支持板を備える。ステアリングコラムは、第1支持板に面する第1被挟持部、及び第2支持板に面する第2被挟持部を備える。第1支持板は第1長穴を備える。第2支持板は第2長穴を備える。第1被挟持部は第3長穴を備える。第2被挟持部は第4長穴を備える。締付機構は、第1長穴に嵌められる固定カムと、ロッドと、を備える。ロッドの直径と第2長穴の軸方向の幅との差は、固定カムのうち第1長穴に嵌まる嵌合部の軸方向の幅と第1長穴の軸方向の幅との差よりも大きい。【選択図】図7

Description

本開示は、ステアリング装置に関する。
車両には、操作者(運転者)のステアリングホイールに対する操作を車輪に伝えるための装置としてステアリング装置が設けられている。特許文献1には、ステアリング装置の一例が記載されている。ステアリング装置は、車両に設けられたステアリングサポートメンバーに取り付けられる。ステアリングコラムを支持するブラケットが、ステアリングサポートメンバーにボルト等の締結部材によって固定される。ブラケットは、ステアリングサポートメンバーに面する取付板と、ステアリングコラムを挟持する支持板と、を備える。
特開2017−197178号公報
ところで、車両に取り付けられたステアリングサポートメンバーの位置が製造誤差により、設計された位置に対してずれている場合がある。この場合、締結部材によって取付板をステアリングサポートメンバーに固定すると、支持板が変形する可能性がある。一方、ステアリング装置は、支持板をステアリングコラムに押し付けるための締付機構を備える。締付機構の締付力が緩められることによって、ステアリングホイールの位置調整が可能となる。締付機構は、支持板を貫通するロッドを備える。上述したように支持板が変形すると、ロッドが車両の幅方向に対して傾斜する。このため、ロッドが他の部材に干渉することによって、ステアリングホイールの位置調整に必要な力が増大する。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、ステアリングコラムを挟持する支持板が変形した場合でもロッドと他の部材との干渉を抑制できるステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示のステアリング装置は、車両に設けられるステアリングサポートメンバーに面する取付板、並びに前記取付板から下側に延びる第1支持板及び第2支持板を備えるブラケットと、前記第1支持板に面する第1被挟持部、及び前記第2支持板に面する第2被挟持部を備えるステアリングコラムと、前記第1支持板及び前記第2支持板を前記ステアリングコラムに押し付けるための締付機構と、を備え、前記第1支持板は、前記ステアリングコラムの軸方向に対して交差する方向に延びる第1長穴を備え、前記第2支持板は、軸方向に対して交差する方向に延びる第2長穴を備え、前記第1被挟持部は、前記軸方向に延びる第3長穴を備え、前記第2被挟持部は、前記軸方向に延びる第4長穴を備え、前記締付機構は、前記第1長穴に嵌められる固定カムと、前記固定カム、前記第1長穴、前記第2長穴、前記第3長穴、及び前記第4長穴を貫通するロッドと、を備え、前記ロッドの直径と前記第2長穴の前記軸方向の幅との差は、前記固定カムのうち前記第1長穴に嵌まる嵌合部の前記軸方向の幅と前記第1長穴の前記軸方向の幅との差よりも大きい。
これに対して、本開示のブラケットにおいては、ロッドは、第2長穴、第3長穴及び第4長穴の中をある程度移動できる。このため、仮にロッドが固定カムを支点をして傾斜した場合でも、ロッドは、第2長穴、第3長穴及び第4長穴の内壁に接触しにくい。したがって、ステアリング装置は、ステアリングコラムを挟持する支持板が変形した場合でもロッドと他の部材との干渉を抑制できる。
上記のステアリング装置の望ましい態様として、前記第2長穴の前記軸方向の幅は、前記第4長穴の前記軸方向の幅よりも大きい。
第1支持板及び第2支持板が変形する場合、ロッドが固定カムを支点に傾斜する。ロッドの傾斜時における軸方向への移動量は、固定カムからの距離に比例して大きくなる。固定カムから第2長穴までの距離は、固定カムから第4長穴までの距離よりも大きい。仮に第2長穴の軸方向の幅が第4長穴の軸方向の幅以下であれば、ロッドが第4長穴の内壁に接する前に第2長穴の内壁に接する。本開示のステアリング装置は、第2長穴の軸方向の幅が第4長穴の軸方向の幅よりも大きいことによって、ロッドと第2長穴の内壁との干渉を抑制できる。
上記のステアリング装置の望ましい態様として、前記第4長穴の前記軸方向の幅は、前記第3長穴の前記軸方向の幅よりも大きい。
固定カムから第4長穴までの距離は、固定カムから第3長穴までの距離よりも大きい。仮に第4長穴の軸方向の幅が第3長穴の軸方向の幅以下であれば、ロッドが第3長穴の内壁に接する前に第4長穴の内壁に接する。本開示のステアリング装置は、第4長穴の軸方向の幅が第3長穴の軸方向の幅よりも大きいことによって、ロッドと第4長穴の内壁との干渉を抑制できる。
上記のステアリング装置の望ましい態様として、前記取付板は、前記ステアリングサポートメンバーに取り付けられる締結部材が貫通する取付穴を備える2つの側板と、2つの前記側板を連結する中央板と、を備え、前記中央板は、前記軸方向に延びる長穴であるスリットを備える。
取付板の中央板がスリットを備えることによって、スリットを挟む一方側の部分と他方側の部分とが独立して変形しやすくなる。このため、2つの側板が独立して変形しやすくなるので、ステアリングサポートメンバーに側板を固定する作業が容易になる。その一方で、第1支持板及び第2支持板が互いに異なる方向に変形しやすくなる。例えば、第1支持板及び第2支持板の一方が前方に向かって変形し、他方が後方に向かって変形する状態が生じやすくなる。
これに対して、本開示のブラケットにおいては、第1支持板及び第2支持板が互いに異なる方向に変形する場合でも、ロッドは、第2長穴、第3長穴及び第4長穴の中をある程度移動できる。したがって、ステアリング装置は、ステアリングサポートメンバーに側板を固定する作業を容易にでき、且つロッドと他の部材との干渉を抑制できる。
本開示のステアリング装置によれば、ステアリングコラムを挟持する支持板が変形した場合でもロッドと他の部材との干渉を抑制できる。
図1は、実施形態のステアリング装置の模式図である。 図2は、実施形態のステアリング装置の斜視図である。 図3は、実施形態のステアリング装置の平面図である。 図4は、図3のA−A断面図である。 図5は、図4のB−B断面図である。 図6は、第1長穴の側面図である。 図7は、第2長穴の側面図である。 図8は、第3長穴の側面図である。 図9は、第4長穴の側面図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、実施形態のステアリング装置の模式図である。図1に示すように、ステアリング装置80は、ステアリングホイール81と、ステアリングシャフト82と、操舵力アシスト機構83と、第1ユニバーサルジョイント84と、中間シャフト85と、第2ユニバーサルジョイント86と、を備える。
図1に示すように、ステアリングシャフト82は、入力軸82aと、出力軸82bとを備える。入力軸82aの一端は、ステアリングホイール81に接続される。入力軸82aの他端は、出力軸82bに接続される。出力軸82bの一端は、入力軸82aに接続される。出力軸82bの他端は、第1ユニバーサルジョイント84に接続される。
図1に示すように、中間シャフト85の一端は、第1ユニバーサルジョイント84に接続される。中間シャフト85の他端は、第2ユニバーサルジョイント86に接続される。ピニオンシャフト87の一端は、第2ユニバーサルジョイント86に接続される。ピニオンシャフト87の他端は、ステアリングギヤ88に接続される。第1ユニバーサルジョイント84及び第2ユニバーサルジョイント86は、例えばカルダンジョイントである。ステアリングシャフト82の回転は、中間シャフト85を介してピニオンシャフト87に伝わる。第2ユニバーサルジョイント86は、ピニオンシャフト87に接続される。
図1に示すように、ステアリングギヤ88は、ピニオン88aと、ラック88bとを備える。ピニオン88aは、ピニオンシャフト87に接続される。ラック88bは、ピニオン88aに噛み合う。ステアリングギヤ88は、ピニオン88aに伝達された回転運動をラック88bで直進運動に変換する。ラック88bは、タイロッド89に接続される。ラック88bが移動することで車輪の角度が変化する。
図1に示すように、操舵力アシスト機構83は、減速装置92と、電動モータ93と、を備える。減速装置92は、例えばウォーム減速装置である。電動モータ93で生じたトルクは、減速装置92の内部のウォームを介してウォームホイールに伝達され、ウォームホイールを回転させる。減速装置92は、ウォーム及びウォームホイールによって、電動モータ93で生じたトルクを増加させる。減速装置92は、出力軸82bに補助操舵トルクを与える。すなわち、ステアリング装置80は、コラムアシスト方式である。
図1に示すように、ステアリング装置80は、ECU(Electronic Control Unit)90と、トルクセンサ94と、車速センサ95と、を備える。電動モータ93、トルクセンサ94及び車速センサ95は、ECU90と電気的に接続される。トルクセンサ94は、入力軸82aに伝達された操舵トルクをCAN(Controller Area Network)通信によりECU90に出力する。車速センサ95は、ステアリング装置80が搭載される車体の走行速度(車速)を検出する。車速センサ95は、車体に備えられ、車速をCAN通信によりECU90に出力する。
ECU90は、電動モータ93の動作を制御する。ECU90は、トルクセンサ94及び車速センサ95のそれぞれから信号を取得する。ECU90には、イグニッションスイッチ98がオンの状態で、電源装置99(例えば車載のバッテリ)から電力が供給される。ECU90は、操舵トルク及び車速に基づいて補助操舵指令値を算出する。ECU90は、補助操舵指令値に基づいて電動モータ93へ供給する電力値を調節する。ECU90は、電動モータ93から誘起電圧の情報又は電動モータ93に設けられたレゾルバ等から出力される情報を取得する。ECU90が電動モータ93を制御することで、ステアリングホイール81の操作に要する力が小さくなる。
図2は、実施形態のステアリング装置の斜視図である。図3は、実施形態のステアリング装置の平面図である。図4は、図3のA−A断面図である。図5は、図4のB−B断面図である。図6は、第1長穴の側面図である。図7は、第2長穴の側面図である。図8は、第3長穴の側面図である。図9は、第4長穴の側面図である。
以下の説明においては、XYZ直交座標軸が用いられる。X軸は、車両における幅方向(左右方向)と平行である。Y軸は、図5に示す第1側板413及び第2側板415の上面に対して直交する。Z軸は、ステアリングシャフト82の回転軸Rと平行である。Y軸と平行なY方向のうち車両における上方を+Y方向とする。Z軸と平行なZ方向のうち車両における前方を+Z方向とする。+Y方向を上として+Z方向を向いた場合の右方向を+X方向とする。
図2に示すように、ステアリング装置80は、ステアリングコラム50と、ピボットブラケット53と、ブラケット40と、締付機構60と、を備える。ステアリングコラム50は、アッパコラム51と、ロアコラム52と、を備える。
アッパコラム51及びロアコラム52は、筒状の部材である。アッパコラム51及びロアコラム52は、鋼材等で形成される。例えば、アッパコラム51及びロアコラム52は、機械構造用炭素鋼鋼管(いわゆるSTKM材)で形成される。アッパコラム51は、ロアコラム52に対して−Z方向に配置される。アッパコラム51の少なくとも一部は、ロアコラム52に挿入される。アッパコラム51の外周面は、ロアコラム52の内周面に接する。アッパコラム51及びロアコラム52は、ステアリングシャフト82を、回転軸Rを中心に回転できるように支持する。アッパコラム51は、軸受を介して入力軸82aを支持する。ロアコラム52は、軸受を介して出力軸82bを支持する。
図5に示すように、ロアコラム52は、本体部521と、第1被挟持部523と、第2被挟持部525と、を備える。本体部521は、アッパコラム51を囲む筒状の部材である。第1被挟持部523及び第2被挟持部525は、本体部521に対して−Y方向に配置される。第1被挟持部523及び第2被挟持部525は、X方向に隙間を空けて並ぶ。第1被挟持部523は、第3長穴523aを備える。第3長穴523aは、Z方向に延びる長穴である。すなわち、第3長穴523aの長手方向は、Z方向である。第2被挟持部525は、第4長穴525aを備える。第4長穴525aは、Z方向に延びる長穴である。すなわち、第4長穴525aの長手方向は、Z方向である。
図3及び図4に示すように、ピボットブラケット53は、車体に固定された車体側部材103に取り付けられる。ピボットブラケット53は、X軸に沿う回転軸を中心として回転できるようにステアリングコラム50を支持する。ステアリングコラム50は、ピボットブラケット53を支点としてY方向に移動できる。
図5に示すように、ブラケット40は、車体に固定されたステアリングサポートメンバー101に取り付けられる。ブラケット40は、ピボットブラケット53に対して−Z方向に配置される。ブラケット40は、ピボットブラケット53と共にステアリングコラム50を支持する。ブラケット40は、取付板41と、第1支持板43と、第2支持板45と、第1補強板47と、第2補強板49と、を備える。
取付板41は、ボルト等の締結部材によってステアリングサポートメンバー101に固定される。図3に示すように、取付板41は、中央板411と、第1側板413と、第2側板415と、を備える。中央板411は、第1側板413と第2側板415とを接続する。中央板411は、スリット411sを備える。スリット411sは、Z方向に延びる長穴である。スリット411sは、取付板41のX方向の中央に配置される。
図5に示すように、第1側板413は、ステアリングサポートメンバー101に面する。第1側板413は、中央板411に対して+X方向に配置される。図3に示すように、第1側板413は、取付穴413hを備える。取付穴413hは、ステアリングサポートメンバー101に取り付けられる締結部材(ボルト)が貫通する穴である。
図5に示すように、第2側板415は、ステアリングサポートメンバー101に面する。第2側板415は、中央板411に対して−X方向に配置される。図3に示すように、第2側板415は、取付穴415hを備える。取付穴415hは、ステアリングサポートメンバー101に取り付けられる締結部材(ボルト)が貫通する穴である。
図5に示すように、第1支持板43及び第2支持板45は、ロアコラム52の側面に面するように配置される。第1支持板43は、第1被挟持部523に面する。第1支持板43は、Y方向に長い第1長穴43aを備える。第2支持板45は、第2被挟持部525に面する。第2支持板45は、Y方向に長い第2長穴45aを備える。図5に示すように、第1補強板47は、第1側板413と第1支持板43とを接続する板状の部材である。第2補強板49は、第2側板415と第2支持板45とを接続する板状の部材である。
締付機構60は、第1支持板43及び第2支持板45をロアコラム52に押し付ける装置である。図5に示すように、締付機構60は、ロッド61と、固定カム62と、回転カム63と、レバー64と、ナット66と、スラストベアリング67と、スペーサ68と、を備える。
図5に示すように、ロッド61は、第1長穴43a、第3長穴523a、第4長穴525a、及び第2長穴45aを貫通する。固定カム62は、第1支持板43に面するように配置される略円盤状の部材である。ロッド61は、固定カム62を貫通している。固定カム62は、嵌合部621を備える。嵌合部621は、第1長穴43aに嵌まる。このため、固定カム62は、ロッド61と供回りしない。回転カム63は、固定カム62に隣接する略円盤状の部材である。レバー64は、ロッド61及び回転カム63と接続される。レバー64は、車室内まで延びる。レバー64が回転すると、ロッド61及び回転カム63が回転する一方で、固定カム62は回転しない。例えば、固定カム62の回転カム63に面する表面には、傾斜面が設けられている。回転カム63が固定カム62の傾斜面に乗り上げることで、回転カム63と固定カム62との間の距離が変化する。
ナット66は、ロッド61の先端に取り付けられる。スペーサ68は、第2支持板45に面するように位置に配置される。スラストベアリング67は、ナット66とスペーサ68との間に配置される。ナット66、スラストベアリング67及びスペーサ68によって、ロッド61のX方向の移動が規制される。一方、ロッド61は、レバー64の回転に連動して回転できる。
回転カム63から固定カム62まで距離が大きくなるようにレバー64が回転させられると、固定カム62が第1支持板43に押し付けられると共にスペーサ68が第2支持板45に押し付けられる。固定カム62と第1支持板43との間の摩擦、及びスペーサ68と第2支持板45との間の摩擦が大きくなる。これにより、アッパコラム51及びロアコラム52のY方向の位置が固定される。また、ロアコラム52の第1被挟持部523及び第2被挟持部525が第1支持板43及び第2支持板45によって押される。アッパコラム51とロアコラム52との間の摩擦が大きくなる。これにより、ロアコラム52に対するアッパコラム51のZ方向の位置が固定される。よって、ステアリングホイール81の位置が固定される。
回転カム63から固定カム62まで距離が小さくなるようにレバー64が回転させられると、固定カム62と第2支持板45との間に隙間が生じやすくなると共にスペーサ68と第1支持板43との間に隙間が生じやすくなる。これにより、固定カム62と第1支持板43との間の摩擦、及びスペーサ68と第2支持板45との間の摩擦が小さくなる又はなくなる。これにより、アッパコラム51及びロアコラム52のY方向の位置調整が可能となる。また、第1被挟持部523及び第2被挟持部525が第1支持板43及び第2支持板45によって押されなくなるので、アッパコラム51とロアコラム52との間の摩擦が小さくなる又はなくなる。これにより、ロアコラム52に対するアッパコラム51のZ方向の位置調整が可能となる。よって、ステアリングホイール81の位置調整が可能となる。
図6に示すように、固定カム62のうち第1長穴43aに嵌まる嵌合部621と、第1長穴43aの内壁との間には、第1長穴43aのZ方向の隙間が設けられる。図7に示すように、ロッド61と、第2長穴45aの内壁との間には、Z方向の隙間が設けられる。
図7に示すロッド61と第2長穴45aの内壁との間のZ方向の隙間は、図6に示す嵌合部621と第1長穴43aの内壁との間のZ方向の隙間よりも大きい。ロッド61の直径D61(図7参照)と第2長穴45aのZ方向の幅W45a(図7参照)との差は、嵌合部621のZ方向の幅W62(図6参照)と第1長穴43aのZ方向の幅W43a(図6参照)との差よりも大きい。また、第2長穴45aのZ方向の幅W45aは、第1長穴43aのZ方向の幅W43a以下である。なお、嵌合部621と第1長穴43aの内壁との間には、第1長穴43aの短手方向の隙間がなくてもよい。すなわち、図6に示す幅W62と幅W43aとの差は0であってもよい。
図8に示すように、ロッド61と、第3長穴523aの内壁との間には、Z方向の隙間が設けられる。図9に示すように、ロッド61と、第4長穴525aの内壁との間には、Z方向の隙間が設けられる。
図9に示すロッド61と第4長穴525aの内壁との間のZ方向の隙間は、図8に示すロッド61と第3長穴523aの内壁との間のZ方向の隙間よりも大きい。第4長穴525aのZ方向の幅W525a(図9参照)は、第3長穴523aのZ方向の幅W523aよりも大きい。
図7に示すロッド61と第2長穴45aの内壁との間のZ方向の隙間は、図9に示すロッド61と第4長穴525aの内壁との間のZ方向の隙間よりも大きい。第2長穴45aのZ方向の幅W45a(図7参照)は、第4長穴525aのZ方向の幅W525a(図9参照)よりも大きい。
以上で説明したように、ステアリング装置80は、ブラケット40と、ステアリングコラム50と、締付機構60と、を備える。ブラケット40は、車両に設けられるステアリングサポートメンバー101に面する取付板41、並びに取付板41から下に延びる第1支持板43及び第2支持板45を備える。ステアリングコラム50は、第1支持板43に面する第1被挟持部523、及び第2支持板45に面する第2被挟持部525を備える。締付機構60は、第1支持板43及び第2支持板45をステアリングコラム50に押し付けるため装置である。第1支持板43は、ステアリングコラム50の軸方向(Z方向)に対して交差する方向に延びる第1長穴43aを備える。第2支持板45は、軸方向に対して交差する方向に延びる第2長穴45aを備える。第1被挟持部523は、軸方向に延びる第3長穴523aを備える。第2被挟持部525は、軸方向に延びる第4長穴525aを備える。締付機構60は、第1長穴43aに嵌められる固定カム62と、固定カム62、第1長穴43a、第2長穴45a、第3長穴523a、及び第4長穴525aを貫通するロッド61と、を備える。ロッド61の直径D61と第2長穴45aの軸方向の幅W45aとの差は、固定カム62のうち第1長穴43aに嵌まる嵌合部621の軸方向の幅W62と第1長穴43aの軸方向の幅W43aとの差よりも大きい。
ステアリングサポートメンバー101は、予め車体に固定される。しかし、車体に固定されたステアリングサポートメンバー101の位置は、設計された位置(理想的な位置)に対して少なからずずれる可能性がある。例えば、ステアリングサポートメンバー101のうち第1側板413に面する部分と第2側板415に面する部分とが平行でない場合がある。例えば、ステアリングサポートメンバー101のうち第1側板413に面する部分と第2側板415に面する部分とがY方向にずれている場合がある。このような場合、締結部材によって第1側板413及び第2側板415をステアリングサポートメンバー101に固定すると、第1側板413及び第2側板415が変形する。さらに、第1支持板43及び第2支持板45が変形する。第1支持板43及び第2支持板45が変形すると、締付機構60のロッド61が、固定カム62を支点として傾斜する。ロッド61は、第1支持板43及び第2支持板45に干渉しやすくなる。これにより、ステアリングホイール81の位置調整に必要な力が増大する。
これに対して、本実施形態のブラケット40においては、ロッド61は、第2長穴45a、第3長穴523a及び第4長穴525aの中をある程度移動できる。このため、仮にロッド61が傾斜した場合でも、ロッド61は、第2長穴45a、第3長穴523a及び第4長穴525aの内壁に接触しにくい。したがって、ステアリング装置80は、ステアリングコラム50を挟持する支持板(第1支持板43及び第2支持板45)が変形した場合でもロッド61と他の部材との干渉を抑制できる。
ステアリング装置80において、第2長穴45aの軸方向の幅W45aは、軸方向における第4長穴525aの軸方向の幅W525aよりも大きい。
第1支持板43及び第2支持板45が変形する場合、ロッド61が固定カム62を支点に傾斜する。ロッド61の傾斜時における軸方向への移動量は、固定カム62からの距離に比例して大きくなる。固定カム62から第2長穴45aまでの距離は、固定カム62から第4長穴525aまでの距離よりも大きい。仮に第2長穴45aの軸方向の幅W45aが第4長穴525aの軸方向の幅W525a以下であれば、ロッド61が第4長穴525aの内壁に接する前に第2長穴45aの内壁に接する。ステアリング装置80は、第2長穴45aの軸方向の幅W45aが第4長穴525aの軸方向の幅W525aよりも大きいことによって、ロッド61と第2長穴45aの内壁との干渉を抑制できる。
ステアリング装置80において、第4長穴525aの軸方向の幅W525aは、第3長穴523aの軸方向の幅W523aよりも大きい。
固定カム62から第4長穴525aまでの距離は、固定カム62から第3長穴523aまでの距離よりも大きい。仮に第4長穴525aの軸方向の幅W525aが第3長穴523aの軸方向の幅W523a以下であれば、ロッド61が第3長穴523aの内壁に接する前に第4長穴525aの内壁に接する。ステアリング装置80は、第4長穴525aの軸方向の幅W525aが第3長穴523aの軸方向の幅W523aよりも大きいことによって、ロッド61と第4長穴525aの内壁との干渉を抑制できる。
ステアリング装置80において、取付板41は、ステアリングサポートメンバー101に取り付けられる締結部材が貫通する取付穴を備える2つの側板(第1側板413及び第2側板415)と、2つの側板を連結する中央板411と、を備える。中央板411は、軸方向に延びる長穴であるスリット411sを備える。
取付板41の中央板411がスリット411sを備えることによって、スリット411sを挟む一方側の部分と他方側の部分とが独立して変形しやすくなる。このため、2つの側板(第1側板413及び第2側板415)が独立して変形しやすくなるので、ステアリングサポートメンバー101に側板を固定する作業が容易になる。その一方で、第1支持板43及び第2支持板45が互いに異なる方向に変形しやすくなる。例えば、第1支持板43及び第2支持板45の一方が前方に向かって変形し、他方が後方に向かって変形する状態が生じやすくなる。
これに対して、ブラケット40においては、第1支持板43及び第2支持板45が互いに異なる方向に変形する場合でも、ロッド61は、第2長穴45a、第3長穴523a及び第4長穴525aの中をある程度移動できる。したがって、ステアリング装置80は、ステアリングサポートメンバー101に側板を固定する作業を容易にでき、且つロッド61と他の部材との干渉を抑制できる。
40 ブラケット
41 取付板
43 第1支持板
45 第2支持板
50 ステアリングコラム
51 アッパコラム
52 ロアコラム
53 ピボットブラケット
60 締付機構
61 ロッド
62 固定カム
63 回転カム
64 レバー
66 ナット
67 スラストベアリング
68 スペーサ
80 ステアリング装置
81 ステアリングホイール
82 ステアリングシャフト
82a 入力軸
82b 出力軸
83 操舵力アシスト機構
85 中間シャフト
87 ピニオンシャフト
88 ステアリングギヤ
88a ピニオン
88b ラック
89 タイロッド
90 ECU
92 減速装置
93 電動モータ
94 トルクセンサ
95 車速センサ
98 イグニッションスイッチ
99 電源装置
101 ステアリングサポートメンバー
103 車体側部材
411 中央板
411s スリット
413 第1側板
413h 取付穴
415 第2側板
415h 取付穴
521 本体部
621 嵌合部

Claims (4)

  1. 車両に設けられるステアリングサポートメンバーに面する取付板、並びに前記取付板から下に延びる第1支持板及び第2支持板を備えるブラケットと、
    前記第1支持板に面する第1被挟持部、及び前記第2支持板に面する第2被挟持部を備えるステアリングコラムと、
    前記第1支持板及び前記第2支持板を前記ステアリングコラムに押し付けるための締付機構と、
    を備え、
    前記第1支持板は、前記ステアリングコラムの軸方向に対して交差する方向に延びる第1長穴を備え、
    前記第2支持板は、軸方向に対して交差する方向に延びる第2長穴を備え、
    前記第1被挟持部は、前記軸方向に延びる第3長穴を備え、
    前記第2被挟持部は、前記軸方向に延びる第4長穴を備え、
    前記締付機構は、前記第1長穴に嵌められる固定カムと、前記固定カム、前記第1長穴、前記第2長穴、前記第3長穴、及び前記第4長穴を貫通するロッドと、を備え、
    前記ロッドの直径と前記第2長穴の前記軸方向の幅との差は、前記固定カムのうち前記第1長穴に嵌まる嵌合部の前記軸方向の幅と前記第1長穴の前記軸方向の幅との差よりも大きい
    ステアリング装置。
  2. 前記第2長穴の前記軸方向の幅は、前記第4長穴の前記軸方向の幅よりも大きい
    請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記第4長穴の前記軸方向の幅は、前記第3長穴の前記軸方向の幅よりも大きい
    請求項1又は2に記載のステアリング装置。
  4. 前記取付板は、前記ステアリングサポートメンバーに取り付けられる締結部材が貫通する取付穴を備える2つの側板と、2つの前記側板を連結する中央板と、を備え、
    前記中央板は、前記軸方向に延びる長穴であるスリットを備える
    請求項1から3のいずれか1項に記載のステアリング装置。
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