JP2020111008A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Yutaka Araki
豊 荒木
徳永 幸雄
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【課題】印字品質が良好であり、かつ塗膜耐久性に優れたインクジェット記録材料を提供する。【解決手段】非吸収性支持体上に、BET比表面積が400m2/g以下であり、吸油量が200ml/100g以上であり、かつ平均粒子径が4.0μm以上の無機微粒子と、バインダーとしてポリカーボネート由来の構造を有するウレタン樹脂と水溶性高分子化合物を少なくとも含有し、全バインダーに対する水溶性高分子化合物の割合が20質量%を超えるインク受容層を有するインクジェット記録材料。【選択図】なし

Description

本発明は印字品質が良好であり、かつ塗膜耐久性に優れたインクジェット記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式は、カラー化や装置の小型化が容易であること、また装置の動作音が静かであることから、オフィス用及び家庭用の出力方式として広く普及している。近年では産業用のワイドフォーマットプリンターが各メーカーから販売されており、壁紙や大型広告に用いられるような大面積のプリント出力も可能になっている。
また、最近では各プリンタメーカーの印字用インクの安定性が飛躍的に向上してきたことから、屋内用途のみならず、大型看板や電飾看板などの屋外用広告にも使用される例が増えてきている。屋外用途に使用される印字物は、印字用インクのみならず、記録材料側にも高い安定性が要求されており、屋外条件下における画像安定性(耐光性、耐水性)の試験方法としてISO 18930:2011のような試験規格が定められている。また、これ以外にも耐摩擦性、耐薬品性などを含め、屋外用途のインクジェット記録材料にはインク受容層に高い塗膜耐久性が求められている。
屋内用途として一般的に知られているインクジェット記録材料は、支持体上に非晶質シリカなどの顔料とバインダー成分としてポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物を含有するインク受容層を有しており、該インクジェット記録材料は印字物の発色性、インク吸収性などの印字品質の面で非常に良好な性能を示す。しかしながら、屋外用途のインクジェット記録材料として求められるインク受容層の塗膜耐久性(耐摩擦性、耐水性、耐薬品性)は非常に低く、インク受容層の亀裂、剥離などの劣化を生じ、特に耐水性に関しては大きな課題を残していた。
一般的に知られている、支持体上に非晶質シリカなどの顔料とポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物から構成されるインク受容層を有するインクジェット記録材料において塗膜耐久性を改善する方法としては、特開2018−149762号公報(特許文献1)にアセトアセチル変性ポリビニルアルコールおよびほう酸またはその塩を含有するインク受容層を用いる手法が開示されている。また、バインダー成分としてポリカーボネート鎖を有する水性ポリウレタン樹脂を含有するインク受容層を用いることで耐光性や耐水性を改善する方法が特開2002−127596号公報(特許文献2)に開示されている。更に、特開2016−172439号公報(特許文献3)及び特開2017−185809号公報(特許文献4)には、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂と、平均細孔半径や吸油量などの物理的性状を制限した無機粒子を組み合わせたインク受容層によって、インク吸収性と耐摩擦性、および耐水性に優れるインクジェット記録媒体が得られることが開示されている。
しかしながら、特許文献1〜4に記載されている記録材料では、発色性やインク吸収性などの印刷品質と、耐摩擦性や耐水性、及び耐薬品性などの塗膜耐久性を十分に満たしているとは言えなかった。このため、上記印字品質と塗膜耐久性を両立させたインクジェット記録材料の開発が喫緊の課題であった。
特開2018−149762号公報 特開2002−127596号公報 特開2016−172439号公報 特開2017−185809号公報
本発明は、印字品質が良好であり、かつ塗膜耐久性に優れたインクジェット記録材料を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
非吸収性支持体上に、BET比表面積が400m/g以下であり、吸油量が200ml/100g以上であり、かつ平均粒子径が4.0μm以上の無機微粒子と、バインダーとしてポリカーボネート由来の構造を有するウレタン樹脂と水溶性高分子化合物を少なくとも含有し、全バインダーに対する水溶性高分子化合物の割合が20質量%を超えるインク受容層を有するインクジェット記録材料。
本発明により、印字品質が良好であり、かつ塗膜耐久性に優れたインクジェット記録材料を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。本発明のインクジェット記録材料は非吸収性支持体を有する。非吸収性支持体としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルムや、ポリプロピレン樹脂に無機充填材を配合して、二軸延伸フィルム成形法によって製造された合成紙(例えば、ユポ(登録商標):(株)ユポ・コーポレーション製)や、基紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙が好ましく用いられる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合したパルプが例示される。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合されていてもよい。また、基紙の表示面には表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が塗布されていてもよい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの二つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の被覆層には、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、ヒンダードフェノール系化合物などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有させることもできる。
上記した非吸収性支持体の、インク受容層が塗設される側の面には、下引き層を有していても良い。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め非吸収性支持体の表面に塗布、乾燥されたものであり、皮膜形成可能な水溶性高分子化合物やポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性高分子化合物であり、特に好ましくはゼラチンである。下引き層における水溶性高分子化合物の含有量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。更に、下引き層は界面活性剤や硬膜剤を含有することもできる。
次に、本発明のインク受容層が含有する各成分について説明する。インク受容層が含有する無機微粒子は、BET比表面積が400m/g以下、吸油量が200ml/100g以上、平均粒子径が4.0μm以上の無機微粒子であって、かかる無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物等の公知の各種微粒子が挙げられる。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゲル法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップゲル(登録商標)として市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。
中でも本発明においては湿式法シリカが好ましく使用できる。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特にゲル法シリカが好ましい。ゲル法シリカ等の無機微粒子の特性値としては平均粒子径、比表面積、吸油量等が挙げられるが、いずれもインクジェット記録材料の性能、例えば発色性、インク吸収性などの印字品質、耐摩擦性、耐水性、耐薬品性などの塗膜耐久性に大きく影響することが知られている。本発明においては、屋外用途としてのインクジェット記録材料に要求される性能を満たすにあたり、これらの特性値に好適な値が存在することを見出した。
本発明において、インク受容層に使用される無機微粒子の平均粒子径(レーザー回折法による体積平均平均粒子径)は、前記した値から外れると無機微粒子の二次凝集体同士の結着力が弱くなり、印字部の耐摩擦性は低下する。本発明における無機微粒子の好適な平均粒子径は4.0μm以上であるが、印字品質に影響のない限り、平均粒子径の上限値は特に定めるものではない。
また、無機微粒子の比表面積(簡易BET法によるBET比表面積)が前記した値から逸脱した場合、良好なインク吸収性及び良好な耐薬品性が得られない。
更に、インク受容層中の無機微粒子の吸油量(JIS K 5101−13−1:2004に準拠する吸油量)が前記した値から外れた場合、印字用プリンターから供給された顔料インクを吸収できなくなることから、良好な印字品質が得られない。
本発明において、インク受容層はポリカーボネート由来の構造を有するウレタン樹脂を含有する。かかるウレタン樹脂はポリカーボネートポリオール類とポリイソシアネート化合物より合成して得ることができる。
ポリカーボネートポリオール類は、多価アルコール類とカーボネート化合物とから、脱アルコール反応によって得られる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられ、これらの反応から得られるポリカーボネートポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネートジオール等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、従来公知の脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族等のポリイソシアネートを使用することができ、これらのポリイソシアネートは単独で使用することも2種以上混合して使用することもできる。
脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、インクジェット記録材料のインク受容層におけるバインダー成分としてポリカーボネート由来の構造を有するウレタン樹脂(以下、ポリカーボネート系ウレタン樹脂と記載)を用いる場合、非吸収性支持体との接着性及び無機微粒子の分散性の観点から、水を媒体とする水性もしくはエマルジョンタイプのポリカーボネート系ウレタン樹脂が好適である。
本発明におけるポリカーボネート系ウレタン樹脂は、流動開始温度が高いほど得られるインク受容層の耐薬品性が改善されることから、流動開始温度は110℃以上であることが好ましい。このようなポリカーボネート系ウレタン樹脂としては、例えばDIC(株)より市販されるハイドラン(登録商標)WLS−210、ハイドランWLS−213、ハイドランWLS−221等として市販されており、これらを入手し、使用することが可能である。
また、本発明のインク受容層は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂に対する架橋成分を含んでも良く、かかる架橋成分としては例えばカルボジイミド系、イソシアネート系、アジリジン系、エポキシ系、オキサゾリン系等の既存の架橋剤が挙げられる。架橋剤の添加量はポリカーボネート系ウレタン樹脂に対して0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%である。
本発明のインク受容層は全バインダーに対する水溶性高分子化合物の割合が、20質量%を超える割合で含有する。水溶性高分子化合物の割合が20質量%以下の場合、耐水性、耐薬品性などの品質に関しては、十分満足しうる記録材料が得られるが、発色性やインク吸収性などの印字品質の低下が顕著に見られるようになる。インク受容層中における全バインダーに対する水溶性高分子化合物の割合は、40質量%以下であることが好ましい。40質量%を超えると耐水性及び耐薬品性が低下する場合がある。
インク受容層が含有する水溶性高分子化合物としては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用され、中でもポリビニルアルコールは、透明性が高く、形成された塗膜の耐摩擦性に優れており、好ましい。更には完全または部分ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、特にケン化度が80%以上のものが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500〜6000が好ましく、1000〜5000がより好ましい。
上記したポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等の各種変性ポリビニルアルコールを利用することも可能である。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、インク受容層は水溶性高分子化合物に対する架橋剤を含有することもできる。架橋剤としては、水溶性高分子化合物の架橋剤として公知のものが使用できるが、水溶性高分子化合物としてポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸またはほう酸塩が特に好ましい。また、ポリビニルアルコールが活性の高い変性基を含有する場合には、変性基に応じて公知の架橋剤を使用してもよい。架橋剤の含有量は水溶性高分子化合物に対して0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジド及びその誘導体を含有させることによって印字後の保存性を改良することができる。該チオエーテル化合物としては、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等が例示される。また、該カルボヒドラジド誘導体としては、同一分子中に同構造を一つまたは二つ以上有する化合物であっても、あるいは同構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
本発明において、インク受容層の固形分塗布量は5〜60g/mであることが好ましく、10〜50g/mであることがより好ましい。
本発明において、インク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。以下、「%」は、特に説明のない限り質量%であり、「部」は、特に説明のない限り質量部である。
(実施例1)
水400部に対し10%苛性ソーダ水溶液0.5部を添加した後、湿式法シリカ1(富士シリシア化学(株)製サイリシア(登録商標)250、平均粒子径5.0μm、BET比表面積280m/g、吸油量330ml/100g)100部をそれぞれ添加し、高圧ホモジナイザーで分散処理を行い、固形分濃度20%の無機微粒子分散液1を作製した。
非吸収性支持体として、二軸延伸フィルム形成法によって得られた厚み110μmの合成紙((株)ユポ・コーポレーション製ニューユポFGS110)を用いた。該支持体表面に下記組成のインク受容層塗布液1を乾燥固形分量で16g/mになるようにロッドバーコーティング方式で塗布し、フィルムドライヤーを使用して50℃の温風で5分間乾燥してインクジェット記録材料1を得た。
<インク受容層塗布液1>
無機微粒子分散液1 (固形分として) 100部
水溶性高分子化合物1 15部
((株)クラレ製クラレポバール(登録商標)95−88
ケン化度88%、平均重合度3500)
ポリカーボネート系ウレタン樹脂 (固形分として) 45部
(DIC(株)製ハイドランWLS−210 流動開始温度100〜120℃)
界面活性剤 0.05部
(日信化学工業(株)製オルフィン(登録商標)E1010)
水を溶媒として、塗布液の固形分濃度を20%に調整した。
(実施例2)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ2(富士シリシア化学(株)製サイリシア370、平均粒子径6.4μm、BET比表面積300m/g、吸油量280ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料2を得た。
(実施例3)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ3(富士シリシア化学(株)製サイリシア380、平均粒子径9.0μm、BET比表面積300m/g、吸油量280ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料3を得た。
(実施例4)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ4(富士シリシア化学(株)製サイリシア440、平均粒子径6.2μm、BET比表面積350m/g、吸油量220ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料4を得た。
(実施例5)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ5(富士シリシア化学(株)製サイリシア450、平均粒子径8.0μm、BET比表面積350m/g、吸油量220ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料5を得た。
(実施例6)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ6(水澤化学工業(株)製ミズカシル P−78D、平均粒子径8.0μm、BET比表面積365m/g、吸油量238ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料6を得た。
(実施例7)
実施例1におけるポリカーボネート系ウレタン樹脂1をポリカーボネート系ウレタン樹脂2(DIC(株)製ハイドランWLS−213 流動開始温度140〜160℃)に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料7を得た。
(実施例8)
実施例1におけるポリカーボネート系ウレタン樹脂1をポリカーボネート系ウレタン樹脂3(DIC(株)製ハイドランWLS−221 流動開始温度150〜170℃)に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料8を得た。
(実施例9)
実施例1における水溶性高分子化合物1を水溶性高分子化合物2((株)クラレ製クラレポバール60−98 ケン化度98%以上、平均重合度2400)に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料9を得た。
(比較例1)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ7(富士シリシア化学(株)製サイリシア420、平均粒子径3.1μm、BET比表面積350m/g、吸油量230ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料10を得た。
(比較例2)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ8(富士シリシア化学(株)製サイリシア770、平均粒子径6.7μm、BET比表面積700m/g、吸油量95ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料11を得た。
(比較例3)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ9(水澤化学工業(株)製ミズカシルP−78A、平均粒子径3.5μm、BET比表面積350m/g、吸油量246ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料12を得た。
(比較例4)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ10(水澤化学工業(株)製ミズカシルP−50、平均粒子径7.0μm、BET比表面積420m/g、吸油量170ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料13を得た。
(比較例5)
上記したインク受容層塗布液1の作製において、湿式法シリカ1を湿式法シリカ11(東ソー・シリカ(株)製ニップゲルBZ400、平均粒子径6.2μm、BET比表面積473m/g、吸油量285ml/100g)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料14を得た。
(比較例6)
実施例1におけるポリカーボネート系ウレタン樹脂1をポリエーテル系ウレタン樹脂1(DIC(株)製ハイドランWLS−201 流動開始温度100〜120℃)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料15を得た。
(比較例7)
実施例1におけるポリカーボネート系ウレタン樹脂1をポリエステル系ウレタン樹脂1(DIC(株)製ハイドランAPX−101H 流動開始温度180〜200℃)に変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料16を得た。
(比較例8)
実施例1における水溶性高分子化合物1の添加量を9部、ポリカーボネート系ウレタン樹脂1の添加量を51部にそれぞれ変更した他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料17を得た。
(比較例9)
実施例1における水溶性高分子化合物1を添加しなかった他は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料18を得た。
得られた実施例1〜10及び比較例1〜9のインクジェット記録材料上に市販の顔料インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製SC−PX5VII、印刷品質:高精細、色補正:無し)で所定の評価画像を印刷後に乾燥し、以下の評価を実施した。
評価用の画像にはシアン、マゼンタ、イエロー、スミ、及びレッド、グリーン、ブルー、ホワイト(未印字部)のベタ画像を縦25mm、横20mmの大きさで縦二列、横四列に0.5mm間隔で並べ、ベタ画像間に空白部ができるようにした。
<印字品質:発色性>
全てのベタ画像部をX−Rite社製分光測色計i1Proで測定し、LVolumeにおけるGamut値を算出して、発色性を評価した。本評価方法ではGamut値が大きいほど発色性が高いとする。
○:Gamut値が270000以上。
△:Gamut値が240000以上、270000未満。
×:Gamut値が240000未満。
<印字品質:インク吸収性>
各色のベタ画像の外縁部、及びベタ画像間の空白部の滲みの状態を目視で観察し、官能評価を行った。
○:ベタ画像の外縁部及びベタ画像間の空白部に滲みは認められない。
△:ベタ画像の外縁部及びベタ画像間の空白部にわずかな滲みが認められる。
×:ベタ画像の外縁部及びベタ画像間の空白部に強い滲みが認められる。
<塗膜耐久性:耐摩擦性>
評価用の画像が出力されたインクジェット記録材料を40℃の温水中に24時間浸漬後、ベタ画像部を指で強く擦過した。その後室温で乾燥し、擦過した部分の画像濃度をX−Rite社製分光測色計i1Proで測定した。試験前のサンプルとベタ濃度を比較し、耐薬品性の評価を行った。
○:試験前後でのベタ部の画像濃度の変化量が0.1未満。
△:試験前後でのベタ部の画像濃度の変化量が0.1以上、0.4未満。
×:試験前後でのベタ部の画像濃度の変化量が0.4以上。
<塗膜耐久性:耐水性>
所定の画像が出力されたインクジェット記録材料を60℃の温水中に50時間浸漬後、室温で乾燥し、インク受容層の状態を光学顕微鏡(200倍)で観察して評価した。
○:インク受容層に変化は見られない。
△:インク受容層にわずかな亀裂が認められる。
×:インク受容層に大きな亀裂が認められる。
<塗膜耐久性:耐薬品性>
JIS−X−6305−1:2010に準拠した汚染試験用溶液(人工汗液−アルカリ性溶液)を作製し、評価用の画像が出力されたインクジェット記録材料を30℃に保温された汚染試験用溶液に24時間浸漬後、ベタ画像部を指で強く擦過した。その後室温で乾燥し、擦過した部分の画像濃度をX−Rite社製分光測色計i1Proで測定した。試験前のサンプルとベタ濃度を比較し、耐薬品性の評価を行った。
○:試験前後でのベタ部の画像濃度の変化量が0.1未満。
△:試験前後でのベタ部の画像濃度の変化量が0.1以上、0.4未満。
×:試験前後でのベタ部の画像濃度の変化量が0.4以上。
各実施例及び各比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2020111008
表1の結果から、本発明のインクジェット記録材料は、印字品質が良好であり、かつ塗膜耐久性に優れていることがわかる。

Claims (1)

  1. 非吸収性支持体上に、BET比表面積が400m/g以下であり、吸油量が200ml/100g以上であり、かつ平均粒子径が4.0μm以上の無機微粒子と、バインダーとしてポリカーボネート由来の構造を有するウレタン樹脂と水溶性高分子化合物を少なくとも含有し、全バインダーに対する水溶性高分子化合物の割合が20質量%を超えるインク受容層を有するインクジェット記録材料。
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