以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の電気掃除機を支持台に収納した状態を示す斜視図である。
図1に示すように、電気掃除機100は、ハンディ状態、スティック状態など各種の使用形態に変更して掃除を行うことができるものである。電気掃除機100が収納される支持台70は、電気掃除機100に延長管300(付属品)と標準吸口400(付属品)を接続したスティック状態で収納するものであり、ベース部71とスタンド部72とを備えて構成されている。また、電気掃除機100は、何れも図示しない小型吸口(付属品)、ほうき型吸口(付属品)、延長ホース(付属品)を接続して用いることができる。なお、標準吸口400は、モータによってブラシが回転するパワーブラシ式のものである。
図2は、本実施形態の電気掃除機の分解図である。図2以下の図面では、掃除機本体1からみた前後左右上下の方向を適宜示している。
図2に示すように、電気掃除機100は、掃除機本体1、ダストケース2(集塵装置)、蓄電池3、気密保持部材90を備えて構成されている。
掃除機本体1は、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12を備えて構成されている。
本体部10は、延長管(図示せず)や標準吸口400(図1参照)などが接続される接続口10a(吸引口)が形成されている。この接続口10aは、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12などと同様の樹脂で成形されている。また、接続口10aは、略円形の開口を有し、前方を向いて形成されている。また、接続口10aには、付属品としての、前記した延長管300、標準吸口400、小型吸口(図示せず)、ほうき型吸口(図示せず)など(以下、まとめてアタッチメントという場合もある)を接続することができるようになっている。
また、本体部10には、ダストケース2が着脱自在に取り付けられるとともに、接続口10aから吸い込まれた塵挨を含む空気をダストケース2に送り込む導入管14(図3参照)を備えている。
モータケース部11には、電動送風機40(図6参照)と回路基板50(図6参照)が内包されている。また、モータケース部11の前面には、ダストケース2で集塵された後の清浄な空気が吸い込まれる円形の吸込口11aが形成されている。また、モータケース部11の前面には、吸込口11aより下部に、支持台70と接続される本体端子部17が設けられている。
ハンドル部12は、本体部10の後側に設けられ、略L字状に形成された把持部12aを有している。この把持部12aは、前後方向に後ろ側ほど漸次高くなるように直線状に延びる第1把持部12a1と、略上下方向に直線状に延びる第2把持部12a2と、を有している。また、把持部12aは、第2把持部12a2が第1把持部12a1の後端から略下方に向けて延びている。第1把持部12a1は、第2把持部12a2よりも前側に位置している。第2把持部12a2は、上下方向に対して上部が前方に向くように若干傾斜している。また、第1把持部12a1と第2把持部12a2は略棒状かつ連続して形成されている。このように、第1把持部12a1についても、第2把持部12a2についてもそれぞれ直線状に構成することで、使用者が持ち手の位置を認識し易くなる。また、第1把持部12a1と第2把持部12a2とが直角に近い角度で折れ曲がるように接続されているので、第1把持部12a1を把持しているときに第2把持部12a2の方に手がずれ難く、逆に第2把持部12a2を把持しているときに第1把持部12a1の方に手がずれ難くなる。
第1把持部12a1は、前後方向に後ろ側ほど漸次高くなるように延びている。そのため、隙間12c(図6参照)に手を入れやすくなっている。
また、ハンドル部12には、蓄電池3をロックするためのロック部材13が設けられている。このロック部材13は、ボタン型に形成されたものであり、揺動自在に支持されている。
また、ハンドル部12の第1把持部12a1の上面には、操作ボタン12bが設けられている。操作ボタン12bは、例えば、「強」、「標準」、「切」の3つのボタンで構成されている。
また、ハンドル部12の第1把持部12a1の下面には、操作部材20が設けられている。操作部材20は指が掛かりやすいトリガー形状を有しており、後方へ操作可能であり、ハンドル部12を把持している手の指が届く範囲に配置されている。
本体部10の前端上部と後方上部には、延長管300などの付属品を取り外す際に操作される解除ボタン18a,18bが設けられている。この解除ボタン18a,18bを押下操作することで、本体部10と付属品とのロックが解除されて、本体部10から付属品の取り外しが可能となる。解除ボタン18a,18bの機構については後記する。
また、本体部10の前端には、気密保持部材90が取り付けられている。この気密保持部材90は、略円形の筒体91を有している。この筒体91は、先端側に軟質樹脂で環状に形成された弾性部91aを有している。筒体91は、基端側に前記弾性部91aより硬質な材料で形成され、本体部10に接続可能な接続部91bを有している。筒体91は、弾性部91aと接続部91bの異種の2部材が一体に成形されることで構成されている。なお、弾性部91aは、エラストマなど弾性変形可能(撓み変形可能)な材料で構成されている。このような気密保持部材90を掃除機本体1の接続口10aに取り付けることで、床面に気密保持部材90の先端90sの全体を密着させることができ、密着しない場合に比べて吸引力を向上させることができる。また、接続部91bを硬質のもので形成することで、気密保持部材90を本体部10に脱落することなく安定した状態で取り付けることができる。
なお、本実施形態では、弾性部91aがエラストマなどの弾性材料で形成されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、筒体91の略全体を接続部91bと同様の材料で形成し、筒体91の先端に静電植毛された短毛を環状に備えたものであってもよい。このような静電植毛を備えたものであっても、エラストマと同様に、気密保持部材90の先端を床面に密着させることが可能になり、吸引力を向上できる。
本体部10の接続口10aの外側面には、縦方向に細長い嵌合溝10bが形成されている。この嵌合溝10bは、左右両側に1条ずつ形成されている。接続部91bの基端には、前記嵌合溝10bと凹凸嵌合して係止される突起部(図示せず)が形成されている。
また、本体部10には、接続口10aの上部に、発光素子10c(図2参照)が設けられている。この発光素子10cは、前方つまり被清掃面(床面など)に向けて発光するように構成されている。また、発光素子10cの先端面10c1は、接続口10aの先端10a1と略同一面上に位置している。
蓄電池3は、吸引力を発生させる電動送風機40のモータ40a(図6参照)などに電力を供給するものであり、リチウムイオン、ニッケル水素などの二次電池で構成されている。また、蓄電池3は、合成樹脂製の略半円筒状のケース3aを有し、ケース3aを前後方向にスライドさせることで本体部10に対して着脱できる。
ケース3aの上面には、本体部10と接続される端子部3bが設けられている。また、ケース3aの上面には、端子部3bの前方に、本体部10にスライド可能に支持されるスライド溝3cが形成されている。また、ケース3aの上面には、端子部3bの後方に、本体部10にスライド可能に支持されるスライドレール3d,3dが左右側方に突出して形成されている。
また、ケース3aの前面には、左右方向(幅方向)の一方(左側)に、蓄電池3を冷却するための冷却用の空気が導入される導入孔3eが形成されている。この導入孔3eは、上下方向に細長く形成されている。
また、ケース3aの前面には、左右方向(幅方向)の他方(右側)に、蓄電池3を冷却した後の空気が排出される排出孔3fが形成されている。この排出孔3fは、前記した導入孔3eと左右対称の形状を有するように形成されている。
また、ケース3aの背面には、ロック部材13が嵌合して本体部10にロックされるロック凹部3gが形成されている。
図3は、図2の状態の電気掃除機100を左側から視た側面図である。
図3に示すように、ダストケース2は、サイクロン方式のものであり、導入管14から吸込んだ塵埃を含む空気を、塵埃と空気とに分離し、塵埃を集める機能を有する。また、ダストケース2は、モータケース部11の前方に軸方向を前後方向にして配置され、略円柱形状の収容部2aを有している。また、ダストケース2の上面(側面)には、導入管14と繋がる略矩形状の流入口2b(図2参照)が形成されている。この流入口2bに流入した塵挨を含む空気は、旋回流となり、塵埃に遠心力が働き、ダストケース2内で塵挨と空気とに分離された後、塵埃が分離された空気がダストケース2の後部(背面)から排出される。
また、ダストケース2の前面には、ダストケース2内に溜まった塵埃を廃棄する際に開閉する蓋2cがヒンジ部2dを介して回動自在に支持されている。また、蓋2cの上部には、蓋2cのロックを解除するための蓋ロック機構2eが設けられている。なお、蓋2cの形状についての詳細について後記する。
図18はダストケース2の右側面断面図である。図18に示すように、内筒上部41は収容部2aと略同心状となるようにダストケース2に備えられている。
図19に示すように、内筒上部41のフィルタ部42は、格子状の枠体(支骨)によって形成されている。フィルタ部42は、略筒状の部分である。本実施形態では上下方向の枠体(支骨)としているが、上下左右方向に枠体(支骨)のある格子状でも構わない。フィルタ部42は、外周面に亘ってメッシュ部材42aが掛け渡されている。メッシュ部材42aは被覆またはインサート成型などによって枠体(支骨)に保持されている。吸気部42にメッシュ部材42aを設けることで、内筒上部41はフィルタ機能を有し、内筒40内部への微細な塵埃の流入を抑制している。内筒上部41は、上方向に開口41bを備えている。また、内筒上部41において、フィルタ部42よりも上に位置する部分の外径は、フィルタ部42の外径と略同じかそれ以下である。これにより、フィルタ部42に巻き付いた髪の毛を内筒40の上方へ滑らせるように移動させることで簡単に取り除くことができ、手入れが容易に行える。
本実施形態では、メッシュ部材42aは、ポリエステルを使用しているが、金属(例えば、ステンレスなど)でもよく、枠体(支骨)ではなく小径の貫通孔(金型で成型可能なφ2mm程度の孔)を複数設けた吸気部42でも構わない。貫通孔は、枠体(支骨)にメッシュ部材42aを掛け渡した場合と違い、強度や破れに対し有効であり、二次成型が不要といったメリットがある。しかし、貫通孔の径(開口面積)は、メッシュ部材42aの開口面積よりも大きくすると、内筒上部41の内部への微細な塵埃の流入に対しては不利となる。
また、内筒上部41は、上方に隣接するフィルタ受け部34の略中心部の開口と連通している。本実施形態では、内筒上部41の上面部に固定レール部41aを有している。固定レール部41aは、内筒上部41の上面部に対向する位置で二箇所設けており、略90度の円弧状の長さとしている。この固定レール部41aは、フィルタ受け部34の底面に設けた固定爪部34aと固定するために設けており、内筒上部41の垂直軸を中心に時計回りに回転させることで、固定レール部41aがフィルタ受け部34の固定爪部34aに固定される。従って、本実施形態では、ダストケース2から内筒上部41のみを取り外すことが可能となっており、内筒上部41のみを掃除(手入れ)する際に有用である。内筒上部41を取り外す際は、内筒上部41の垂直軸を中心に反時計回りに回転させることで、固定レール部41aがフィルタ受け部34の固定爪部34aから外れる。また、内筒上部41の上面部に設けた固定レール部41aは、内筒上部41の外径より小さくしている。これは、吸引した塵埃が内筒上部41に付着した場合(髪の毛などが巻き付いた場合)、塵埃を除去する際に固定レール部41aが邪魔にならず、また塵埃を除去しやすいといった効果がある。
図20に示すように、内筒上部41の下部には、内筒下部44を備えている。内筒下部の係合部44aは内筒上部44の底面と略同じかそれ以下の外径を有しており、凸部41c(図19)と係合することで内筒上部の底面41dと内筒下部44の後方フランジ44b間にすき間なく内筒上部41と内筒下部44が係合する。後方フランジ44b底面には傘部44cが備えられており後方フランジ44b底面からテーパ状で、かつ屈曲することなく延出している。
内筒下部と外筒の底部や底蓋の間は塵埃が堆積するスペースを有する。
傘部を、テーパ状で、かつ屈曲させない形状とすることで傘部44c内の容積を最大限に確保することができ、堆積する塵埃を圧縮する圧力を増加する効果がある。
傘部44c内には傘部44cと同軸上に凸部44dを有しており、係合部44aの底面から先細りになるようなテーパ形状を有している。凸部44dの凸部先端44d1は後述する円環壁51(図22)と嵌合する。これにより内筒下部44の上下左右方向の動きを抑制できるためダストケース2を落下させたときに内筒上部41と内筒下部44にかかるモーメント力を低減しダストケース2の損壊を抑制する効果がある。
また、凸部44dは断面形状が十字形になっており先述した内筒上部41をダストケース2から取り外すときに持ちやすい形状としている。凸部44のd十字形は吸引した塵埃を含む旋回流が上昇する位置に備えられているので、塵埃を風の流れから分離する効果もある。傘部44cの底面外周には前方フランジ44eを有している。この前方フランジ44eと後方フランジ44bにより集塵した塵埃の舞い上がりを遮蔽する効果がある。
図21に示すように、外筒30は、上下が開口した上開口30cと下開口30bを有する略円筒形状を有し、側面に導入管14(図3)から塵埃を含む空気(気体)が流入される流入管2bを備えている。流入管2bの外側内面は、外筒30の収容部2aと略接線方向で繋がるように形成されている。外筒30下部にはテーパ部30aが形成されており、収容部2の底面からテーパ状に屈曲することなく下開口30bまで延出している。このテーパ部30aは傘部44cと一定の幅を維持しており塵埃を排出する際に排出しやすいという効果がある。また、本実施例では一定の幅を有しているが、塵埃を挟まないような構成であればこの限りではなく、テーパ部30aの傾斜角は傘部44cの傾斜角よりも大きく変更することが可能である。
図22に示すように、蓋2cは深さをもった皿状で、上面の外周にパッキング50を備え、蓋2cを閉じた際、テーパ部30の底部との気密を保持できるようになっている。また蓋2cは皿状にすることで強度を増している。蓋2cの深さは本体10にダストケース2を装着した際に、接続口10a(図5)と略同位置まで深くしており、これにより集塵容積を最大限まで確保する効果がある。皿状中央には円環壁51を有している。この円環壁51の内径は蓋2cを開閉した際にスムーズに回動ができ、かつ凸部先端44d1と嵌合する寸法関係である。
図4は、本実施形態の電気掃除機の斜視図である。
図4に示すように、電気掃除機100は、ダストケース2が本体部10の下方かつモータケース部11の前方に取り付けられる。この場合、ダストケース2を掃除機本体1に装着すると、蓋ロック機構2eが掃除機本体1側に隠れる。これは、蓋ロック機構2eを反対側(外側)に設けた場合、掃除中に蓋ロック機構2eが解除される恐れがある。しかし、蓋ロック機構2eが掃除機本体1側に隠れるようにすることで、誤動作を防止することができるからである。例えば、スティック状態でソファやベッドの下を掃除するときなど、掃除機本体1を床面に対して水平に近づける場合がある。このとき、蓋ロック機構2eを表側に設けた場合、床面と接触して蓋ロック機構2eが解除される可能性がある。蓋ロック機構2eとヒンジ部2dの位置はこの限りでなく、掃除機本体1に対し左右に設けても構わない。
また、ダストケース2には、お手入れブラシ2s(図2、図3参照)が着脱自在に設けられている。このお手入れブラシ2sは、ダストケース2が掃除機本体1に装着されたときに外部から見え難い位置に配置されている。このため、運転中に外れ難く、また、お手入れブラシ2sを電気掃除機100とは別の場所に保管しておく必要もない。
また、気密保持部材90が掃除機本体1に取り付けられている場合には、気密保持部材90によって発光素子10cが覆われる。換言すると、発光素子10cは、気密保持部材9よりも内側に位置するように気密保持部材90の内径が設定されている。
図5は、本実施形態の電気掃除機の平面図である。
図5に示すように、気密保持部材90の接続部91bは、左右両側において、後方に延出する延出部91b1,91b1が形成されている。左側の延出部91b1と右側の延出部91b1との間は、平面視において凹状部91b2が形成されている。この凹状部91b2は、本体部10の先端上面に形成された突出部10dの前端部10d1と嵌合する。これにより、接続口10a(図2参照)に対する気密保持部材90の前後方向及び左右方向の位置決めが行われる。
本体部10に形成された導入管14は、一旦右斜め後方に延び、そして下方に延びて形成され、ダストケース2の流入口2b(図2参照)と接続されている。これにより、ダストケース2の収容部2a内において旋回流を発生させることができ、遠心力による塵埃の分離を効果的に行うことができる。
ダストケース2及び蓄電池3のそれぞれの幅は、本体部10の幅Wよりも若干短く形成されている。換言すると、ダストケース2や蓄電池3が本体部10の側方から突出しないように構成されている。これにより、使用者が左右どちらの手で持って掃除を行ったとしても、電気掃除機100を前後方向に円滑に動かすことができ、使い勝手を向上できる。
図6は、図5のVI−VI線断面図である。なお、図6は、電気掃除機100から気密保持部材90を取り外した状態である。
図6に示すように、本体部10のモータケース部11には、電動送風機40が収容されている。電動送風機40はモータ40aによって駆動される。また、モータケース部11内には、電動送風機40の上方に、掃除機本体1を制御する回路基板50(回路基板)が収容されている。
電動送風機40は、回転駆動軸40aが前後方向を向くように横置きに配置されている。また、電動送風機40から排出された空気は、電動送風機40の下方に配置された回路基板50に流れ、回路基板50を冷却するようになっている。また、回路基板50を冷却した一部の空気は、蓄電池3を冷却するようになっている。
回路基板50は、上下に分割して2段に配置された上部基板50aと下部基板50bとを有し、主に対向する面(上部基板50aの下面と下部基板50bの上面)に各種部品が実装されている。電動送風機40から排出された空気のほとんどは、各回路基板50の対向配置された部品(発熱部品)を冷却するように流れる。また、回路基板50は、難燃性の樹脂ケース51で覆われている。電動送風機40から排出された風(空気)は、樹脂ケース51内を後側から前側に向けて流れる。そして、樹脂ケース51の底面の下側を通って、蓄電池3側に流れる。
また、電動送風機40と回路基板50は、上下方向に重なるように配置されている。このため、掃除機本体1の前後方向の寸法を短くできる。また、電動送風機40は、モータケース部11がハンドル部12側に膨出して形成されることで、本体部10の前後方向(全長)の寸法を短くできる。
また、電動送風機40及び回路基板50は、ハンドル部12の第1把持部12a1の下方に位置している。これにより、使用者が第1把持部12a1を握って操作する場合、電気掃除機100の重心が第1把持部12a1の下方近傍になる。このため、電気掃除機100の先を上向きで使用する場合、電気掃除機100を安定して保持できる。
また、第1把持部12a1とモータケース部11の上面11cとの間には、手を挿入するための隙間12cが形成されている。また、第2把持部12a2とモータケース部11の背面11dとの間には、隙間12dが形成されている。これにより、このように、第1把持部12a1を把持して掃除する場合には、腕を伸ばした状態で保持できるので、第1把持部12a1を強く握ることなく、電気掃除機100を前後に動かすことができる。また、第2把持部12a2を把持して掃除する場合には、隙間12dに手(指)を深く挿入して強く握る必要がある。そこで、幅寸法H2を幅寸法H1よりも広くすることで、第2把持部12a2を安定して把持することができる。
また、第1把持部12a1の厚みT1は薄く形成され、第2把持部12a2の厚みT2は厚みT1よりも厚く形成されている。つまり、第1把持部12a1は細く、第2把持部12a2は太く形成されている。このように、第2把持部12a2を握って掃除する場合には、第2把持部12a2の厚みT2を厚くすることで、深く握り易くなるとともに、第2把持部12a2の強度を高くすることができる。
蓄電池3は、例えば、エネルギ効率の高いリチウムイオン電池で構成することができる。また、蓄電池3は、ハンドル部12の第2把持部12a2の下方に配置されている。このように、蓄電池3を電気掃除機100の後端に設けることで、ハンドル部12の重心が第2把持部12a2に近くなるので、電気掃除機100の先を上向きで使用する場合、操作感を軽くすることができる。
ロック部材13は、後端部にボタン型の操作部13aが形成されている。この操作部13aは、前方に延びる腕部13bを有し、腕部13bの前端が本体部10に支持されている。また、腕部13bは、ばね13cによって下方に付勢されている。これにより、ロック部材13がロック凹部3gに嵌合してロックされている場合には、操作部13aがロック凹部3gから抜け出ないようになっている。また、蓄電池3を本体部10から取り外す場合には、操作部13aを押圧することによって、ばね13の付勢力に反発しながら、操作部13aがロック凹部3gから抜け出ることができる。
このように、蓄電池3を着脱式にすることによって、蓄電池が着脱不可のものに比べて、蓄電池3の交換がし易くなる。また、予備の蓄電池3と、予備の蓄電池3を充電可能な充電ボックスをオプションで用意する。これにより、電気掃除機100の本体側の蓄電池が消耗した場合に予備の蓄電池3に交換することで、掃除時間を延長することが可能になる。このように構成することで、例えば、店舗などの広い床面を掃除する場合に有効である。
図6に示すように、本体部10の接続口10aの先端面を通る面をR1としたときに、ダストケース2の先端2fと面R1(紙面に対して鉛直方向に延びる面)とが略面一となるように構成されている。なお、ダストケース2の先端2fは、本体部10の接続口10aの先端面を通る面R1よりも前方に突出しないようになっている。これにより、掃除機本体1に気密保持部材90を取り付けない状態で掃除する場合でもあっても、接続口10aの先端をフローリングなどの硬い床面に接触させながら掃除することができる。
ダストケース2内には、収容部2aの軸方向の後端にフィルタ5が収容されている。このフィルタ5は、プリーツ状に折って構成されたものであり、フィルタ面積を大きくできるとともに、フィルタ5による圧力損失を低減することができる。
また、フィルタ5は、例えば高密度のHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)で構成されている。HEPAフィルタとは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。
図6に示すように、ダストケース2、モータ40a及び蓄電池3は掃除機本体1の長手方向(前後方向)の一直線上に配置されている。特に、ダストケース2とモータ40aとは電気掃除機100の長手方向(前後方向)に同軸に配置されている。モータ40a及び蓄電池3はその設置に広いスペースを要する。しかし、モータ40a及び蓄電池3をダストケース2と一直線上に配置したので、掃除機100の上下方向の幅を狭くして、掃除機100をコンパクト化することができる。
図6中には、矢印Fで、電気掃除機100内に吸引された空気の流れを示している。ダストケース2内に吸引された空気は、電動送風機40に入る。その空気はモータ40aの周囲を通過してモータ40aを冷却する。また、モータ40aを通過した空気の一部は、蓄電池3内を流れて、蓄電池3を冷却する。モータ40aの周囲を通過した残りの一部の空気と、蓄電池3内を通過した空気は回路基板50で合流して、回路基板50を冷却し、その後、掃除機100の系外に排出される。
この場合、モータ40aの真後ろに蓄電池3を配置しているため、蓄電池3内に冷却風を流しやすい。これによって、蓄電池3を効率よく冷却しやすくすることができる。
導入管14の後方でモータ40aの上部の筐体内には、回路基板50を収納する回路基板収容空間50aが設けられている。掃除機100の前部には導入管14を形成しなければならないので、ある程度の上下方向の厚みがある。そのため、その後方において、掃除機100の筐体に幾分上下方向の厚みを持たせて回路基板収容空間50aを形成しても、全体として掃除機100の上下方向の厚みは厚くならない。そこで、回路基板収容空間50aに回路基板50を収納すれば、他に回路基板50を収納するスペースを別途設ける必要もなくなるので、掃除機100の上下方向の厚みの増大を抑制することができる。
また、この場合、回路基板50の配置位置が高くなるので、回路基板50と、解除ボタン18a,18b並びに操作ボタン12bとの結線を短くすることができる。そのため、結線の短縮化と、製造時の作業性の向上によって、掃除機100の製造コストを低減することができる。
図7、図8は、何れも解除ボタン18a,18b周辺の拡大断面図である。解除ボタン18a,18bの何れを押下しても気密保持部材90の掃除機本体1への接続を解除することができる。図7は、解除ボタン18aも18bも押下していない状態を示している。この状態で、まず、解除ボタン18aを押下したときは、解除ボタン18a及びその基端部18a1が前方下側に傾く。これにより所定のロック機構が解除されて、気密保持部材90を掃除機本体1から取り外すことができる。
他方、図8に示すように、解除ボタン18bを押下したときは、解除ボタン18b及びその基端部18b1が前方下側に傾く。解除ボタン18aの基端部18a1と、解除ボタン18bの基端部18b1との間には長尺の軸状部材18cが配置されている。解除ボタン18bの基端部18b1が前方下側に傾くことで、当該基端部18b1が軸状部材18cの一端を前方方向に押し出す。すると、軸状部材18cが前方方向に移動して、その他端部が解除ボタン18aの基端部18a1を押圧し、解除ボタン18a及びその基端部18a1が前方下側に傾く。これによって、図8に示すように、所定のロック機構が解除されて、気密保持部材90を掃除機本体1から取り外すことができる。
解除ボタン18aの他に解除ボタン18bも設けることで、電気掃除機100の使用者は第1把持部12a1を握ったまま、解除ボタン18bを操作して、気密保持部材90を掃除機本体1から取り外すことができる。
図9は、電気掃除機を右側から視た側面図である。
ダストケース2の下部後端と掃除機本体1の下部前端には、ダストケース2を掃除機本体1に着脱するための着脱機構2g,19が設けられている。すなわち、ダストケース2を掃除機本体1に装着するときは、着脱機構2gと着脱機構19とが所定の機構により連結される。この着脱機構2g,19は電気掃除機100の最下方に延出していて、特に、着脱機構19の下端が電気掃除機100の最下方となり、この着脱機構19の下には脚部19aが設けられている。また、蓄電池3の最後尾下端にも脚部3nが設けられている。
電気掃除機100の下側を下として、水平な平面Fの上に載置したときは、モータ40aや蓄電池3のような重い部品が電気掃除機100の後方下部に存在することもあり、電気掃除機100は脚部19a,3hで水平な平面F上に支持される。このとき、脚部19aが電気掃除機100の最下端に位置し、また、脚部19aは電気掃除機100の長手方向の中間位置に存在するため、水平な平面Fの上に載置した電気掃除機100は、図9に示されるように前方が斜め上側を向く。よって、吸引口となる接続口10aの先端部も斜め上側を向く。よって、気密保持部材90の先端90sも斜め上側を向く。そのため、電気掃除機100は水平な平面F上に支持された状態において、接続口10aや気密保持部材90の内部に残っている塵埃が外部にこぼれ落ちにくい。
図9に示すように蓄電池3への充電は掃除機本体1の右側部に設けられた端子tに図示しないACアダプタを接続することによって行うことができる。
操作部材20は指で後方へ操作可能に支持されており、操作部材20が操作されると、操作部材20に連結した連結部材21a(2点鎖線)と回転体22及び回転体22に連結した連結部材21bが連動し、接続口10aの上部に配置された穴から連結部材21bの先端を押し出す構造となっている。回転体22には図示しないコイルバネが設けられており、常に連結部材21aを前方側に、連結部材21bを後方側へ付勢している。
詳述すると、操作部材20は、第1把持部12a1の下方の隙間12cに突出して設けられている。また、操作部材20は、ハンドル部12から左右の側面から外側に突出しない扁平な形状である(図5参照)。また、操作部材20は、断面視で略L字状に形成され、前後方向に沿って形成される水平部20aと、この水平部20aの後部から下方(モータケース部11側)に突出する操作部20bと、を有している。このような形状にすることにより、操作部20bの前後に空間が形成されるので、操作部20bを挟んで第1把持部12a1を手で握ることができ、操作性が損なわれることがない。
また、操作部材20が第1把持部12a1の下面に設けられているので、操作部材20がハンドル部12から外側に突出することがない。これにより、仮に電気掃除機100が転倒したり、落下したときでも、操作部材20が破損するのを防止できる。また、操作部材20が第1把持部12a1と第2把持部12a2とモータケース部11とで囲まれる隙間12c内に配置されることで、操作部材20が破損するのをさらに効果的に防止できる。
また、操作部材20は、水平部20aから第1把持部12a1内に延びる矩形状の連結板20cが形成されている。この連結板20cには、棒状の連結部材21aの一端が連結されている。また、連結部材21aの他端は、回転体22に連結されている。この回転体22は、略楕円形状を呈し、その中心O1が本体部10内に回転自在に支持されている。また、回転体22は、操作部材20が操作されていないとき(後方に引かれていないとき)に、中心O1を通る鉛直線(不図示)に対して下端部が前方に、上端部が後方に位置するように構成されている。
また、連結部材21aの他端は、回転体22の下端側に連結されている。また、回転体22の上端側には、棒状の連結部材21bの一端が連結されている。また、連結部材21bの一端側は、クランク状に折り曲げて形成されている。これにより、連結部材21bの先端21b1が、本体部10の先端面に対して直交する方向を向くように構成されている。連結部材21bの他端(先端21b1)は、操作部材20が操作されていないときに、本体部10内に位置している(退避している)。
図7は、操作部材が操作された状態を示す断面図である。
図7に示すように、操作部材20が操作されると(後方に引かれると)、連結板20cに連結された連結部材21aが後方に引かれる。そして、回転体22が、中心O1を支点として、半時計回り方向に回転する。これにより、回転体22は、中心O1を通る鉛直線(不図示)に対して、回転体22の下端部が後方に、回転体22の上端部が前方に位置する。回転体22の上端部が前方に向けて回転することで、連結部材21bの先端21b1が、本体部10の先端から突出する。なお、回転体22には、該回転体22を時計回り方向に付勢するばね(不図示)が設けられている。これにより、操作部材20から指を離すことにより、前記ばね(不図示)の付勢力によって、連結部材21aが前方に戻され、操作部材20が初期状態に復帰する。
図8は、電気掃除機に延長管を接続した状態における、図5のVIII−VIII線断面図である。なお、図8では、延長管300の中間部分を省略して図示している。
図8に示すように、延長管300は、外パイプ310とその上部を覆う外パイプカバー311とを有して構成されている。また、延長管300は、外パイプ310に内包される内パイプ320とその上部を覆う内パイプカバー321とを有して構成されている。
内パイプ320の底面側には、一列に等間隔に配置された凹部322が設けられている。また、内パイプ320の外周には略楕円形状のストッパー323とその内周面の下部から上方へ向かって延出し、凹部322に嵌合する凸部324が設けられている。
さらに、外パイプ310と外パイプカバー311の間には、ばね(不図示)により後方へ付勢されている伸縮ロック解除ボタン330が設けられている。この伸縮ロック解除ボタン330を前方へスライド操作することにより、凸部324が凹部322から抜け出し、外パイプ310と内パイプ320のロックが解除され、内パイプの伸縮動作が可能となる。
また、伸縮ロック解除ボタン330には連結部材21cの一端が接続されている。連結部材21cの他端は、掃除機本体1に延長管300を接続した状態において、連結部材21bの先端21b1と対向する位置に設けられた孔から突出した状態で保持されている。
図9は、延長管の伸縮動作のロックが解除された状態を示す断面図である。
図9に示すように、掃除機本体1に延長管300を接続した状態で操作部材20が操作されると、連結部材21bの先端21b1(図7参照)が本体部10の先端から前方に突出する。これにより、連結部材21bが連結部材21cを前方へ押し、伸縮ロック解除ボタン330を動作させ、延長管300の伸縮動作を可能としている。
例えば、延長管300の先端に標準吸口400(図1参照)を接続して、電気掃除機100をスティック状態で使用している場合において、延長管300の長さを変更する場合がある。この場合には、標準吸口400を足で軽く抑えた状態で、操作部材20を操作することで、延長管300を伸縮動作させることが可能になる。これにより、延長管300を伸縮させる場合に、伸縮ロック解除ボタン330を操作する必要がないので、延長管300の伸縮動作の操作性を向上させることができる。
図10は、本実施形態の電気掃除機の左側から視た側面図である。
図10に示すように、電気掃除機100は、吸い込んだ空気を外部に排出する排気口16を有している。排気口16は、回路基板50(図6参照)の高さ位置に形成されている。また、排気口16の外面には、複数本のスリット16a(図3参照)を覆うようにルーバ(風路切替部材)16bが取り付けられている。なお、図10では、紙面手前側の排気口16がルーバ16bによって閉じられ、反対側の排気口が開放している。
気密保持部材90は、先端(先端面)90sが上部から下部に向けて後退するように傾斜するように形成されている。この先端90sを通る面R2に対して、ダストケース2が後方に位置している。これにより、気密保持部材90の先端90sをフローリングなどの床面に接触させた場合でも、ダストケース2が床面に当たるのを防ぐことができる。
図11は、図10のXI−XI線断面図である。
電気掃除機100の筐体構造では、モータ40a及び回路基板50を覆う筐体20は難燃性の1枚のケースである。モータ40a及び回路基板50が2重、3重の筐体構造で覆われていないため、電気掃除機100を軽量化することができる。
図11に示すように、排気口16のスリット16aは、略半円形状の壁面16cに左右に分けて形成されている。壁面16cには、左右に複数本のスリット16aが形成されている。ルーバ16bは、壁面16cに沿って摺動可能に設けられている。また、ルーバ16bには、周方向の両端に突条部16b1,16b1が形成されている。図11では、ルーバ16bが左側(図示右側)に位置している状態であり、右側(図示左側)のスリット16aが露出している。
回路基板50は、上部基板50aと下部基板50bとが上下に離間して配置され、凹状に形成された難燃製の樹脂ケース51に収容されている。樹脂ケース51は、底面部51aと、左右の側面部51b,51cと、を有している。このため、上部基板50a及び下部基板50bが排気口16のスリット16aを通して外部から視認できないようになっている。これにより、電気掃除機100では、排気口16の外側から異物が侵入して、回路基板50に接触するのを防止できる。
また、排気口16は、モータケース部11と連通して形成され、電動送風機40からの排気が回路基板50を冷却した後、スリット16aから排出されるように構成されている。また、排気口16がモータケース部11の下部に位置しているので、使用者に排気が当たるのを抑えることが可能になる。また、本実施形態の排気口16は、排気の左右の向きを自由に変更できるので、使用者が右利きの場合でも左利きの場合でも、排気が直接使用者に当たるのを防止できる。
また、ルーバ16bの表面には、外側に突出する突条部16b1が形成されている。これにより、ルーバ16bを左右に動かす際に、突条部16b1に指を引掛け易くなることで、ルーバ16bを左右に移動させる操作が容易になり、排気の向きの変更を迅速かつ容易に行うことができる。
図12は、図10のXII−XII線断面図である。
図12に示すように、蓄電池3は、組電池であり、5本の単電池3h(電池セル)がケース3a内に、上下にそれぞれ2本づつ左右に並んで配置され、中央にも1本配置されている。さらに、蓄電池3は、上段の3本の単電池3h1は、左右中央の単電池3h1がその左右両側の単電池3h1よりも低い位置に配置されている。また、蓄電池3は、単電池3h1を軸方向から見たときに単電池3h1の中心を結ぶ線がV字状になるように配置されている。また、下段の3本の単電池3h2も同様に、V字状に配置されている。このように、単電池3h(3h1,3h2)の軸方向を前後方向に向けることで、単電池3hの軸方向の向きを左右方向に向けた場合よりも、蓄電池3の幅を狭くできる。また、蓄電池3は、単電池3h1,3h2を上下2段に配置し、かつ、単電池3h1,3h2をV字状に配置することにより、蓄電池3の幅をさらに狭くできる。このように左右の幅を狭くできることで、掃除中に使用者に蓄電池3が接触するのを低減できる。
このように単電池3hをV字状に配置することによって、ケース3aの上側に窪み部3iが形成される。ケース3aには、窪み部3i側に突出するように前記したスライド溝3cが形成されている。一方、スライド溝3cに対向する本体部10(ハンドル部12の下方)には、スライド溝3cをスライド自在に支持する断面視T字状のレール部15が突出して形成されている。このように、デッドスペースにスライド溝3cを形成することで、空間を有効に利用することができ、蓄電池3の高さ寸法を低く抑えることができる。
また、ケース3a内には、単電池3hが合成樹脂製の保持部材3jに保持された状態で収容されている。この保持部材3jは、上段の単電池3hと下段の単電池3hとの間に隙間3kが形成されるように構成されている。
このような隙間3kを形成することで、各単電池3hの周囲に空気を流すことができ、各単電池3hを効果的に冷却することができる。
図13は、本実施形態の電気掃除機を背面斜め後方から見た状態を示す斜視図である。
図13に示すように、モータケース部11の背面には、回路基板50(図11参照)を冷却した空気が本体部10(掃除機本体1)から導出される(排出される)導出孔11sが形成されている。この導出孔11sは、蓄電池3の導入孔3e(図2参照)と対向する位置に形成されている。換言すると、蓄電池3を本体部10に装着したときに、導出孔11sと導入孔3eとが連通するように構成されている。また、導出孔11sと導入孔3eとの連通方向は、前後方向である。
本体部10は、ハンドル部12の下方において、左右両端から垂下する垂下部10e,10eが形成されている。垂下部10eの内壁面には、内方に向けて突出する突出部10fが前後方向に延びて形成されている。なお、左側の突出部については図示を省略している。これにより、蓄電池3を掃除機本体1の背面側(後方)から前方に向けて、スライドレール3d,3dを突出部10fの上面側に摺動させることで、蓄電池3が本体部10に支持される。そして、蓄電池3のケース3aの背面部3mを垂下部10eの後側の端面に突き当たることで、蓄電池3がロック部材13によって本体部10にロックされる。このとき、本体部10の導出孔11sと、蓄電池3の導入孔3e(図2参照)とが連通状態となり、導出孔11sから導出した空気が、導入孔3e(図2参照)に導入される。
図14は、本実施形態の電気掃除機を下方から見上げた状態を示す斜視図である。
図14に示すように、モータケース部11の下端には、ルーバ16bを保持する保持板11tが形成されている。この保持板11tの左側縁部に左側の突条部16b1が当接することでルーバ16bの右側方向への動作が規制される。同様にして、保持板11tの右側縁部に右側の突条部16b1(図11参照)が当接することでルーバ16bの左側方向への動作が規制される。このように、保持板11tによってルーバ16bを保持することで、ルーバ16bがモータケース部11から脱落するのを防止できる。また、保持板11tによってルーバ16bを保持することで、可動部材であるルーバ16bが床面などに接触して、ルーバ16bが破損するのを防止できる。
また、モータケース部11の下面には、排気口16の前方に、平面11p1を有する支持部11pが形成されている。一方、蓄電池3の下面には、四角形状の平面3p1を有する支持部3pが形成されている。平面11p1と平面3p1は、同一平面上に位置する。これにより、掃除機本体1をハンディ状態で床面などに置いたときに、支持部3p,11pによって、接続口10aの軸方向が床面と平行な水平方向を向いた姿勢で支持される。
図15は、本実施形態の電気掃除機の正面図である。
図15に示すように、本体部10には、接続口10aを取り囲むように気密保持部材90が設けられている。この気密保持部材90は、接続口10aの直径Dよりも大径の開口90tを有している。この開口90tは、上下方向の長さが左右方向の長さよりも長く形成され、軸方向から見たときに略楕円形状を呈している。
また、本体部10(掃除機本体1)には、接続口10aの上方に、前記した各種のアタッチメント(図1参照、ほうき型吸口700は除く)と電気的される接続端子10u,10uが形成されている。そして、本体部10(掃除機本体1)には、接続端子10u,10uのさらに上方に、発光素子10cが形成されている。すなわち、気密保持部材90は、接続口10aだけではなく、接続端子10u,10u及び発光素子10cを取り囲む開口90tを有している。
このように、気密保持部材90を接続口10aよりも大径にするとともに、接続口10aの外側(掃除機本体1の外面側)に取り付けることで、気密保持部材90を本体部10(掃除機本体1)から取り外すことなく、アタッチメントを着脱することができる。これにより、掃除機本体1をスティック状態で掃除しているときに、解除ボタン18を操作することで、ハンディ状態に切り替えることができる。しかも、この場合、掃除機本体1の接続口10aには気密保持部材90が接続されたままであるので、吸引力を高めた状態で掃除を継続できる。
図16(a)は気密保持部材が取り付けられている場合の発光素子による照射状態、(b)は気密保持部材が取り付けられていない場合の発光素子による照射状態である。
図16(b)に示す比較例では、発光素子10cから照射された光が、接続口10aよりも拡散しながら床面Mに照射される。このため光が高範囲に拡散されることによって、床面Mに照射される光はぼんやりしたものとなり、暗くなる。これに対して、図16(a)に示す本実施形態では、発光素子10cから照射された光が、気密保持部材90によって拡散が抑えられて、気密保持部材90による懐中電灯効果によって、床面Mにスポット的に照射される。このように光が絞られているので、床面Mに照射される光は、図16(b)に比べて明るくなる。よって、床面Mの塵埃の判別が容易になり、掃除性を向上できる。
図17は、蓄電池の冷却構造を示す模式図である。
図17に示すように、蓄電池3が掃除機本体1に装着されると、導出孔11sと導入孔3eとが対向した状態で連通する。このとき、導出孔11sと導入孔3eとの連通方向が前後方向となっている。この状態で、電動送風機40(図6参照)が駆動されると、吸引された空気がモータケース部11を通って、導出孔11sに向けて流れる。そして、導出孔11sから排出された空気は、導入孔3eに供給され、隙間3k1,3k3などを通って、単電池3hの前方から後方に向けて流れ、単電池3hを冷却する。そして、単電池3hの後方まで流れた空気は、隙間3k1,3k3を通って、単電池3hの後方から前方に向けて流れ、排出孔3fに向けて流れる。そして、排出孔3fから排出された空気は、モータケース部11の背面に衝突して、モータケース部11と蓄電池3のケース3aとの間の隙間から外部に排出される。なお、排出孔3fから排出された空気を、モータケース部11内に戻して、掃除機本体1側の隙間から外部に排出するようにしてもよい。また、蓄電池3にスリットを設けて、スリットから空気を排出するようにしてもよい。
なお、前記した説明では、蓄電池3の内部に、空気の流れを案内する仕切板を設けない場合を例に挙げて説明したが、蓄電池3内に空気を奥側(後側)に案内する仕切板を設けてもよい。
また、前記した説明では、電動送風機40(図6参照)による吸引力によって発生した空気の一部が回路基板50(図6参照)を冷却した後に排気口16(図3参照)から排出され、残りの一部を蓄電池3の冷却に用いる場合を例に挙げて説明した。なお、回路基板50を冷却した空気をすべて、蓄電池3の冷却に利用してもよい。これにより、蓄電池3をより効率的に冷却できる。また、電動送風機40からの空気を回路基板50と導出孔11sとに分けて、蓄電池3を冷却するようにしてもよい。これにより、回路基板50を通らない空気で冷却することで、より冷えた空気で蓄電池3を冷却することができ、蓄電池3の冷却効率を高めることができる。
また、電気掃除機100では、導出孔11sの開口面積よりも導入孔3eの開口面積を大きくすることで、導出孔11sから導出された空気を、導入孔3eに導入し易くなり、蓄電池3を効率的に冷却できる。
図18(a)は掃除機本体と蓄電池との別の連通構造を示す概略断面図、(b)は掃除機本体と蓄電池とのさらに別の連通構造を示す概略断面図である。
図18(a)に示すように、モータケース部11に形成される導出孔11s1を蓄電池3側を凸形状とし、蓄電池3に形成される導入孔3e1を凹形状とし、導出孔11s1と導入孔3e1とを凹凸嵌合する構造であってもよい。なお、蓄電池3側が凸形状で、モータケース部11側が凹形状であってもよい。これにより、導出孔11s1と導入孔3e1との気密を高めることができ、導出孔11s1から導出された空気を導入孔3e1に効率的に導入できる。
また、図18(b)に示すように、導出孔11sと導入孔3eとの間に、導出孔11sの周囲全体と導入孔3eの周囲全体とを取り囲む環状のシール部材19を設けてもよい。これにより、導出孔11sと導入孔3eとの気密を高めることができ、導出孔11sから導出された空気を導入孔3eに効率的に導入できる。
図13は、電気掃除機に付属品が接続された状態の平面図である。
図13に示すように、電気掃除機100は、掃除機本体1に気密保持部材90が接続された状態で、延長管300を接続できるように構成されている。このように、掃除機本体1に気密保持部材90を接続したままでも、延長管300を接続する接続口10aの位置は変わらない。よって、掃除機本体1と延長管300と標準吸口400とを接続した全長Lを短く抑えることができる。これにより、標準吸口400の位置が手元に近くなるので、取り回しが良好になり、使い勝手を向上できる。
図13に示す電気掃除機100では、スティック状態から、標準吸口400が接続された延長管300を取り外してハンディ状態にしたとしても、掃除機本体1には気密保持部材90が取り付けられたままである。よって、吸引力が高められた状態で掃除を行うことができる。
なお、図13の実施形態では、電気掃除機100に延長管300及び標準吸口400を接続した場合を例に挙げて説明したが、この実施形態に限定されるものではない。例えば、接続口10aに標準吸口400を直接接続して、ハンディ状態の電気掃除機100として使用できる。これにより、気密保持部材90によって床面との気密性が高められるので、吸引力を高めることができる。
このように、電気掃除機100では、掃除機本体1に気密保持部材90を取り付けたままで、様々な付属品(アタッチメント)を着脱することができ、掃除の使用形態を迅速に切り替えて掃除を行うことができる。また、気密保持部材90は、掃除機本体1に取り付けたままにできるので、気密保持部材90を取り付けたハンディ状態の電気掃除機100において、高い吸引力を確保しながら掃除を行うことができる。
図14は、電気掃除機の支持台を示す斜視図である。なお、図14に示す支持台70は、電気掃除機100及びすべての付属品(アタッチメント)を取り外した状態である。図14に示すように、支持台70は、ベース部71とスタンド部72とによって構成されている。
ベース部71は、標準吸口400(図1参照)が載置される略矩形状の載置面71aを有している。この載置面71aには、標準吸口400が前側にすべり落ちるのを係止する係止部71a1が設けられている。
スタンド部72は、載置面71aの後方に設けられたスタンド部支え部71bから、鉛直上方に延出している。スタンド部支え部71bの上方前部には、係合部72aが設けられている。
スタンド部72の上面72bには、電気掃除機100(図1参照)を充電する際に使用される充電端子73が設けられている。この充電端子73は、掃除機本体1(図2参照)と電気的に接続される。また、充電端子73は、蓄電池3を充電する端子であり、スタンド部72の上面72bから鉛直方向の上方に向けて突出して形成されている。
また、スタンド部72の上面72bには、略半円状のガイド部72cが形成されている。このガイド部72cは、掃除機本体1(図2参照)を充電端子73に案内するとともに、掃除機本体1の倒れ込みを防止する部材であり、上面72bの外周縁部から上方に突出して形成されている。また、ガイド部72cは、モータケース部11(図2参照)の外周面に沿うように形成されている。
スタンド部72の右側面には、延長ホース800(図1参照)を掛止させる掛止部72dが形成されている。
図16は、スティック状態の電気掃除機で床面を掃除するときの使用形態図である。
図16は、電気掃除機100(気密保持部材90を装着したまま)に延長管300及び標準吸口400を接続してスティック状態にし、電気掃除機100を使用者よりも前方に突き出して床面を掃除する場合である。この場合、使用者は、ハンドル部12の第2把持部12a2を把持しながら、電気掃除機100を前後に移動させながら掃除を行うことができる。また、図示していないが、電気掃除機100を使用者の左右の脇に位置した状態で床面を掃除する場合には、使用者は、ハンドル部12の第1把持部12a1を把持しながら、電気掃除機100を前後に移動させることができる。このように、使用者が床面を掃除する場合には、ハンドル部12の位置を持ち替えて掃除することができる。
図17は、スティック状態の電気掃除機で高い場所を掃除するときの使用形態図である。
ところで、スティック状態にしたときに重心が先端側にある電気掃除機(特開2016−137165号公報参照)では、電気掃除機を床面より高い場所で掃除する場合、使用者が電気掃除機の先を上向きに持ち上げる必要があるので手首に負担が掛かり易くなる。
そこで、本実施形態では、図17に示すように、電気掃除機100の重量物である電動送風機40(図6参照)や蓄電池3がハンドル部12に近い位置(手元に近い位置)にあるので、電気掃除機100の重心Gが、使用者の手元に近くなる。これにより、電気掃除機100をスティック状態にして、電気掃除機100を床面より高い場所を掃除する場合であっても掃除し易くなり、使い勝手を向上できる。図17では、階段を掃除する場合を例に挙げて説明したが、電気掃除機100を持ち上げてエアコンの室内機のパネルなどを掃除する場合にも有効である。
また、電気掃除機100をスティック状態で使用している場合において、階段の角(隅)に残った塵埃を取り除くときに、電気掃除機100から延長管300及び標準吸口400を取り外してハンディ状態にする。この場合、電気掃除機100には気密保持部材90が装着されたままであるので、吸引力を高めた状態で掃除を行うことができ、塵埃の吸い残しを防止できる。
また、延長管300は伸縮可能であるため、使用者は自分の身長に合わせて自由に長さを変更し、最も使いやすい長さに調整することができる。さらに、操作部材20をハンドル部12を把持している手の指で操作することで、延長管300の伸縮ロック解除ボタン330を操作する(ロック解除する)ことができるため、延長管300の長さを調整する際に屈んだり両手で操作する必要がないという利点がある。
また、電気掃除機100をスティック状態で使用し終わった後は、操作部材20を操作し、延長管300を最短の状態に縮めることで、図6のように電気掃除機100からわざわざ延長管300を取り外すことなく、尚且つコンパクトな状態にして、支持台70に載置可能としている。そのため、再度掃除する際には、電気掃除機100に延長管300を取り付けるなどの動作がなく、延長管300の長さの調整も操作部材20を操作するだけでよいため、片手だけですぐに掃除を開始することができる。