JP2020109298A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディテント構造による保持力を増大させずに、シフトフォークの予期されない移動を抑制できる、動力伝達装置を提供する。【解決手段】動力伝達装置1では、シフトフォーク23,24がニュートラル位置に配置されるときに、動力の伝達状態がニュートラル状態となり、シフトフォーク23,24が駆動位置に配置されるときに、動力の伝達状態が駆動状態となる。シフトフォーク23,24は、圧縮コイルばね26により、ニュートラル位置から駆動位置に向けて付勢されている。シフトフォーク23,24が操作機構31により駆動位置からニュートラル位置に操作されるときには、その移動が規制されず、操作機構31によらないシフトフォーク23,24の駆動位置からニュートラル位置への移動は、規制部材51により規制される。【選択図】図2
Description
本発明は、動力を伝達する動力伝達装置に関する。
たとえば、HST(Hydro Static Transmission:静油圧式無段変速機)を搭載したコンバインでは、エンジンの動力でHSTの油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプが吐出する油により油圧モータが駆動される。油圧モータの動力は、ギヤを含む動力伝達機構を介して、左右のクローラに伝達される。左右のクローラが同速度で駆動されることにより、機体が前後に直進し、左右のクローラが速度差を有して駆動されることにより、機体が左右に旋回する。
コンバインでは、調整や緊急時の牽引などのために、HSTの油圧モータと左右のクローラとの間で動力が伝達されないニュートラル状態を設ける必要がある。
動力伝達機構の一例では、共通のギヤシャフトに、HSTからの動力が入力される入力ギヤと後段のギヤに動力を出力する出力ギヤとがそれぞれ相対回転可能に支持されている。入力ギヤと出力ギヤとの間には、第1スプライン部および第2スプライン部が設けられている。第1スプライン部は、入力ギヤと一体に形成されており、その外周面にスプラインを有している。第2スプライン部は、出力ギヤと一体に形成されており、その外周面にスプラインを有している。第1スプライン部の外周面と第2スプライン部の外周面とは、同一径に形成されている。
第1スプライン部および第2スプライン部には、シフタが外嵌されている。シフタの内周面には、第1スプライン部および第2スプライン部のスプラインと結合可能なスプラインが形成されている。シフタは、ギヤシャフトと平行な方向に駆動位置とニュートラル位置との間で移動可能に設けられている。シフタは、駆動位置において、第1スプライン部と第2スプライン部とに跨がってその両方とスプライン結合する。これにより、入力ギヤと出力ギヤとが一体に回転し、入力ギヤに入力される動力が出力ギヤから後段のギヤに出力される駆動状態となる。また、シフタは、ニュートラル位置において、第1スプライン部のみとスプライン結合する。これにより、入力ギヤと出力ギヤとが分離し、入力ギヤに入力される動力が出力ギヤに伝達されないニュートラル状態となる。
シフタには、シフトフォークが接続されている。シフトフォークは、ギヤシャフトと平行な方向に移動可能に設けられており、同じ方向に延びるロッドの直動により移動し、シフタを駆動位置とニュートラル位置との間で変位させる。
ロッドには、ディテント溝が形成されている。駆動状態において、ロッドに向けてばね付勢されたボール(剛球)がディテント溝に嵌まることにより、ボールがロッドの移動の抵抗となって、ロッドの移動が弾性的に阻止される。その結果、シフトフォークの位置が保持されて、シフトフォークの予期されない移動(自脱)が抑制され、そのシフトフォークの予期されない移動による動力伝達機構の駆動状態からニュートラル状態への切り替りが抑制される。
ところが、ディテント溝の形状やボールを付勢するスプリングによっては、駆動状態におけるシフトフォークの位置を保持する保持力が不足する場合がある。保持力の増大は、ボールやスプリングの大型化に繋がるうえ、シフトフォークの操作荷重の増大に繋がる。
本発明の目的は、ディテント構造による保持力を増大させずに、シフトフォークの予期されない移動を抑制できる、動力伝達装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る動力伝達装置は、駆動源からの動力を伝達する動力伝達装置であって、動力の伝達状態を第1状態とするために第1位置に配置され、動力の伝達状態を第2状態とするために第2位置に配置されるシフトフォークと、シフトフォークを第1位置から第2位置に向けて付勢する付勢部材と、シフトフォークを付勢部材による付勢に抗して第2位置から第1位置に操作する操作部材と、操作部材によらないシフトフォークの第2位置から第1位置への移動を規制し、操作部材によるシフトフォークの操作時に当該規制を解除する規制部材とを含む。
この構成によれば、シフトフォークが第1位置に配置されるときに、動力の伝達状態が第1状態となり、シフトフォークが第2位置に配置されるときに、動力の伝達状態が第2状態となる。シフトフォークは、付勢部材により、第1位置から第2位置に向けて付勢されている。シフトフォークが操作部材により第2位置から第1位置に操作されるときには、その移動が規制されず、操作部材によらないシフトフォークの第2位置から第1位置への移動は、規制部材により規制される。そのため、ディテント構造による保持力を増大させずに、シフトフォークの予期されない移動を抑制することができる。その結果、シフトフォークの予期されない移動を抑制するために操作部材によるシフトフォークの操作荷重が増大したり、ディテント構造が大型化したりすることを抑制できる。
操作部材は、シフトフォークを第2位置から第1位置に操作するために非操作位置から操作位置に直線的に移動するロッドを備え、動力伝達装置は、ロッドが非操作位置に位置する状態で、ロッドの移動に対する抵抗をロッドに付与するディテント構造をさらに含む構成であってもよい。
ディテント構造により、ロッドの非操作位置からの移動に対して抵抗が働くので、シフトフォークの第2位置から第1位置への予期されない移動を抑制することができる。
ディテント構造は、当接部材と、当接部材をロッドの周面に弾性的に当接させる弾性部材とを備え、ロッドが非操作位置に位置するときに、当接部材がロッドの周面に形成されたディテント溝に嵌まることにより、ロッドに抵抗を付与するものであってもよい。
操作部材は、シフトフォークに連結されて、シフトフォークが第1位置に位置するときに第1揺動位置に位置し、シフトフォークが第2位置に位置するときに第2揺動位置に位置するように、第1揺動位置と第2揺動位置との間で揺動可能に設けられたレバーをさらに備え、ロッドは、レバーが第1揺動位置に位置するときに操作位置に位置し、レバーが第2揺動位置に位置するときに非操作位置に位置するように、レバーに連結されていてもよい。
この場合において、規制部材は、当接部材に連結され、当接部材がディテント溝に嵌まっているときに、レバーが揺動により通過する領域に突出し、当接部材がディテント溝から脱出したときに、領域から退避するものであってもよいし、ロッドの移動方向と直交する方向に延びる軸線を中心に回動可能に設けられ、ロッドが非操作位置に位置するときに、レバーが揺動により通過する領域に先端が配置され、ロッドの非操作位置から操作位置への移動の途中、その移動に伴って回動して、先端が領域から退避するものであってもよい。
第1状態と第2状態とは、動力の伝達状態が異なればよく、たとえば、第1状態が動力の伝達が遮断されるニュートラル状態であり、第2状態が動力が伝達される駆動状態であってもよいし、第1状態が動力を相対的に大きい変速比で変速して伝達するロー状態であり、第2状態が動力を相対的に小さい変速比で変速して伝達するハイ状態であってもよい。
本発明によれば、ディテント構造による保持力を増大させずに、シフトフォークの予期されない移動を抑制することができるので、シフトフォークの予期されない移動を抑制するために操作部材によるシフトフォークの操作荷重が増大したり、ディテント構造が大型化したりすることを抑制できる。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<動力伝達装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置1の要部の構成を示す断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置1の要部の構成を示す断面図である。
動力伝達装置1は、たとえば、コンバインに搭載されて、動力を左右の走行装置に伝達する。コンバインは、左右の走行装置のそれぞれに対応してHST(Hydro Static Transmission:静油圧式無段変速機)を備える2ポンプ2モータの構成のものであってもよいし、左右の走行装置に共通にHSTを備える構成のものであってもよい。
動力伝達装置1は、動力を左右の走行装置に伝達する駆動状態と動力を左右の走行装置に伝達しないニュートラル状態とを切り替える副変速機構2を備えている。
副変速機構2には、動力伝達装置1の外殻をなすケース(図示せず)に回転可能に保持されるギヤシャフト11が備えられている。ギヤシャフト11には、左出力ギヤ12が一体に形成または相対回転不能に保持されている。また、ギヤシャフト11には、左出力ギヤ12とギヤシャフト11の軸線方向(以下、この方向を「軸線方向」という。)に間隔を空けて、右出力ギヤ13が相対回転可能に支持されている。左出力ギヤ12および右出力ギヤ13は、図示しないギヤトレインを介して、それぞれ左右の走行装置と動力伝達可能に常に繋がっている。すなわち、左出力ギヤ12と左側の走行装置との間の動力伝達経路および右出力ギヤ13と右側の走行装置との間の動力伝達経路は、いずれも常に繋がっている。
左出力ギヤ12と右出力ギヤ13との間において、ギヤシャフト11には、左入力ギヤ14および右入力ギヤ15が左出力ギヤ12側からその順に並べて設けられている。左入力ギヤ14および右入力ギヤ15は、ギヤシャフト11に相対回転可能に支持されている。左入力ギヤ14および右入力ギヤ15は、互いに隣接して配置され、左出力ギヤ12と左入力ギヤ14との間および右出力ギヤ13と右入力ギヤ15との間には、間隔が空けられている。
左出力ギヤ12と左入力ギヤ14との間には、第1左スプライン部16および第2左スプライン部17が設けられている。第1左スプライン部16は、左出力ギヤ12と一体に形成されている。第1左スプライン部16は、円筒状の周面を有し、その周面には、スプラインが形成されている。第2左スプライン部17は、左入力ギヤ14と一体に形成されて、ギヤシャフト11に相対回転可能に外嵌された円筒状をなしている。第2左スプライン部17の外周面は、第1左スプライン部16の周面と同一径を有し、その第2左スプライン部17の外周面には、スプラインが第1左スプライン部16のスプラインと同じ歯数で形成されている。
右出力ギヤ13と右入力ギヤ15との間には、第1右スプライン部18および第2右スプライン部19が設けられている。第1右スプライン部18は、右出力ギヤ13と一体に形成されて、ギヤシャフト11に相対回転可能に外嵌された円筒状をなしている。第1右スプライン部18の外周面には、スプラインが形成されている。第2右スプライン部19は、右入力ギヤ15と一体に形成されて、ギヤシャフト11に相対回転可能に外嵌される円筒状をなしている。第2右スプライン部19の外周面は、第1右スプライン部18の外周面と同一径を有し、その第2右スプライン部19の外周面には、スプラインが第1右スプライン部18のスプラインと同じ歯数で形成されている。
第1左スプライン部16および第2左スプライン部17には、円環状の左シフタ21が外嵌されている。左シフタ21の内周面には、第1左スプライン部16および第2左スプライン部17のスプラインと結合可能なスプラインが形成されている。左シフタ21は、軸線方向に駆動位置とニュートラル位置との間で移動可能に設けられている。左シフタ21は、駆動位置において、第1左スプライン部16と第2左スプライン部17とに跨がってその両方とスプライン結合する。これにより、左出力ギヤ12と左入力ギヤ14とが一体に回転し、左入力ギヤ14に入力される動力が左出力ギヤ12から後段のギヤに出力される駆動状態となる。また、左シフタ21は、ニュートラル位置において、第1左スプライン部16のみとスプライン結合する。これにより、左出力ギヤ12と左入力ギヤ14とが分離し、左入力ギヤ14に入力される動力が左出力ギヤ12に伝達されないニュートラル状態となる。
第1右スプライン部18および第2右スプライン部19には、円環状の右シフタ22が外嵌されている。右シフタ22の内周面には、第1右スプライン部18および第2右スプライン部19のスプラインと結合可能なスプラインが形成されている。右シフタ22は、軸線方向に駆動位置とニュートラル位置との間で移動可能に設けられている。右シフタ22は、駆動位置において、第1右スプライン部18と第2右スプライン部19とに跨がってその両方とスプライン結合する。これにより、右出力ギヤ13と右入力ギヤ15とが一体に回転し、右入力ギヤ15に入力される動力が右出力ギヤ13から後段のギヤに出力される駆動状態となる。また、右シフタ22は、ニュートラル位置において、第2右スプライン部19のみとスプライン結合する。これにより、右出力ギヤ13と右入力ギヤ15とが分離し、右入力ギヤ15に入力される動力が右出力ギヤ13に伝達されないニュートラル状態となる。
左シフタ21および右シフタ22には、それぞれシフトフォーク23,24が接続されている。シフトフォーク23,24は、軸線方向に延びるシフトフォークシャフト25に固定されて支持されている。シフトフォークシャフト25は、軸線方向に移動可能に設けられており、圧縮コイルばね26の弾性力により右側に付勢されている。シフトフォーク23,24が相対的に右側の駆動位置に位置する状態において、左シフタ21および右シフタ22がそれぞれ駆動位置に位置し、シフトフォーク23,24が相対的に左側のニュートラル位置に位置する状態において、左シフタ21および右シフタ22がそれぞれニュートラル位置に位置する。
<シフトフォーク操作機構>
図2は、シフトフォーク23,24を操作する操作機構31を図解的に示す斜視図である。図3A、図3Bおよび図3Cは、操作機構31を下側から見た図である。
図2は、シフトフォーク23,24を操作する操作機構31を図解的に示す斜視図である。図3A、図3Bおよび図3Cは、操作機構31を下側から見た図である。
操作機構31は、操作レバー32、第1ロッド33および第2ロッド34を含む。
操作レバー32は、前後方向に延びるレバー軸35から下方に延びており、レバー軸35を支点に揺動可能に設けられている。操作レバー32の長手方向の途中部からシフトフォークシャフト25に向けて円柱状の接続ピン36が延出している。接続ピン36の先端部は、図1に示されるように、シフトフォークシャフト25に固定的に取り付けられたピン受け37に接続されている。図2、図3A、図3Bおよび図3Cにおいて、ピン受け37の図示が省略されている。
第1ロッド33および第2ロッド34は、図2に示されるように、ロッドホルダ38に軸線方向に移動可能に保持されている。
第1ロッド33の右端部は、操作レバー32の下端部に連結されている。具体的には、操作レバー32の下端部には、図3Aに示されるように、前後方向に延びる円柱状の連結軸39が設けられている。一方、第1ロッド33の右端部には、円形の貫通孔40(図2参照)が形成されている。第1ロッド33の右端部は、連結軸39に貫通孔40が遊嵌状態で外嵌されることにより、操作レバー32に対して連結軸39を支点に回動可能に連結されている。
第1ロッド33の左端部は、下側から見て、接続ピン36の延出側、つまりシフトフォーク23,24側に屈曲した略L字状に形成されている。一方、第2ロッド34の右端部は、下側から見て、接続ピン36の延出側と反対側に屈曲した略L字状に形成されている。そして、第2ロッド34の右側の先端部は、第1ロッド33の左側の先端部に対して右側から軸線方向に対向している。
操作機構31には、ディテント構造41が設けられている。ディテント構造41は、ボール保持筒42、ディテントボール43および圧縮コイルばね44を備えている。ボール保持筒42は、第2ロッド34に対して接続ピン36の延出側に配置されている。ディテントボール43は、ボール保持筒42に保持されて、ボール保持筒42から第2ロッド34に向けて突出している。圧縮コイルばね44は、ボール保持筒42内に配置されて、その一端がディテントボール43に接続されている。圧縮コイルばね44の弾性力により、ディテントボール43が第2ロッド34に向けて付勢されており、ディテントボール43は、その付勢により、第2ロッド34の周面に弾性的に当接している。また、第2ロッド34の周面には、ディテント溝45が形成されている。
また、操作機構31には、規制部材51が設けられている。規制部材51は、左右方向に延びるアーム52と、アーム52の右端部から第1ロッド33に向けて延びる規制ピン53とを一体に有している。アーム52の左端部は、ディテントボール43に対して固定されており、アーム52は、ディテントボール43の移動に伴って前後方向に移動する。
<操作機構の動作>
シフトフォーク23,24が駆動位置に位置する状態では、図3Aに示されるように、第2ロッド34の右側の先端部は、第1ロッド33の左側の先端部に対して右側から軸線方向に間隔を空けて対向している。また、ディテントボール43が第2ロッド34のディテント溝45に嵌まっている。これにより、第2ロッド34にその移動に対する抵抗が付与されている。さらに、規制部材51の規制ピン53の先端部が操作レバー32に対して左側から左右方向に対向している。この状態では、シフトフォーク23,24に左側に移動する力が働いても、操作レバー32の回動が規制ピン53に阻止されるので、シフトフォーク23,24が駆動位置から動かない。このときの操作レバー32の位置が「レバーの第2揺動位置」の一例である。
シフトフォーク23,24が駆動位置に位置する状態では、図3Aに示されるように、第2ロッド34の右側の先端部は、第1ロッド33の左側の先端部に対して右側から軸線方向に間隔を空けて対向している。また、ディテントボール43が第2ロッド34のディテント溝45に嵌まっている。これにより、第2ロッド34にその移動に対する抵抗が付与されている。さらに、規制部材51の規制ピン53の先端部が操作レバー32に対して左側から左右方向に対向している。この状態では、シフトフォーク23,24に左側に移動する力が働いても、操作レバー32の回動が規制ピン53に阻止されるので、シフトフォーク23,24が駆動位置から動かない。このときの操作レバー32の位置が「レバーの第2揺動位置」の一例である。
シフトフォーク23,24を駆動位置からニュートラル位置に操作する操作力は、第2ロッド34に入力される。第2ロッド34に操作力が入力されて、その操作力により第2ロッド34が現在の非操作位置から左側に移動すると、図3Bに示されるように、ディテントボール43がディテント溝45から抜け出して第2ロッド34の周面に乗り上がる。このとき、ディテントボール43が圧縮コイルばね44の付勢力に抗してボール保持筒42内に向けて押し下げられる。そして、そのディテントボール43の移動に伴って、規制部材51が第1ロッド33から離間する側に移動する。規制部材51の移動により、規制部材51の規制ピン53が操作レバー32に対して左右方向に対向しない状態となる。
第2ロッド34の右側の先端部が第1ロッド33の左側の先端部に当接するまで、第1ロッド33は静止している。第2ロッド34の右側の先端部が第1ロッド33の左側の先端部に当接した後、第2ロッド34が左側にさらに移動すると、第1ロッド33が第2ロッド34とともに左側に移動する。第1ロッド33の移動に伴い、操作レバー32の下端部が左側に移動して、操作レバー32がレバー軸35を支点に回動し、操作レバー32の接続ピン36が左側に移動する。このとき、規制部材51の規制ピン53が操作レバー32に対して左右方向に対向していないので、操作レバー32の回動は規制されない。接続ピン36の移動は、ピン受け37を介してシフトフォークシャフト25に伝達され、シフトフォークシャフト25を左側に移動させる。このときの操作レバー32の位置が「レバーの第1揺動位置」の一例である。また、このときの第2ロッド34の位置が「操作位置」の一例である。
以上の動作により、シフトフォーク23,24が駆動位置からその左側のニュートラル位置に移動する。第2ロッド34への操作力の入力がなくなると、シフトフォークシャフト25が圧縮コイルばね26の弾性力により右側に移動し、シフトフォーク23,24が駆動位置からニュートラル位置に戻る。
<作用効果>
以上のように、動力伝達装置1では、シフトフォーク23,24がニュートラル位置に配置されるときに、動力の伝達状態がニュートラル状態となり、シフトフォーク23,24が駆動位置に配置されるときに、動力の伝達状態が駆動状態となる。シフトフォーク23,24は、圧縮コイルばね26により、ニュートラル位置から駆動位置に向けて付勢されている。シフトフォーク23,24が操作機構31により駆動位置からニュートラル位置に操作されるときには、その移動が規制されず、操作機構31によらないシフトフォーク23,24の駆動位置からニュートラル位置への移動は、規制部材51により規制される。そのため、ディテント構造41による保持力を増大させずに、シフトフォーク23,24の予期されない移動を抑制することができる。その結果、シフトフォーク23,24の予期されない移動を抑制するために操作機構31によるシフトフォーク23,24の操作荷重が増大したり、ディテント構造41が大型化したりすることを抑制できる。
以上のように、動力伝達装置1では、シフトフォーク23,24がニュートラル位置に配置されるときに、動力の伝達状態がニュートラル状態となり、シフトフォーク23,24が駆動位置に配置されるときに、動力の伝達状態が駆動状態となる。シフトフォーク23,24は、圧縮コイルばね26により、ニュートラル位置から駆動位置に向けて付勢されている。シフトフォーク23,24が操作機構31により駆動位置からニュートラル位置に操作されるときには、その移動が規制されず、操作機構31によらないシフトフォーク23,24の駆動位置からニュートラル位置への移動は、規制部材51により規制される。そのため、ディテント構造41による保持力を増大させずに、シフトフォーク23,24の予期されない移動を抑制することができる。その結果、シフトフォーク23,24の予期されない移動を抑制するために操作機構31によるシフトフォーク23,24の操作荷重が増大したり、ディテント構造41が大型化したりすることを抑制できる。
<シフトフォーク操作機構の他の構成>
図4は、シフトフォーク23,24を操作する操作機構71を図解的に示す斜視図である。図5A、図5Bおよび図5Cは、操作機構71を下側から見た図である。図4、図5A、図5Bおよび図5Cの各図において、前述した各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、操作機構71の構成について、前述した操作機構31の構成との相違点のみを説明する。
図4は、シフトフォーク23,24を操作する操作機構71を図解的に示す斜視図である。図5A、図5Bおよび図5Cは、操作機構71を下側から見た図である。図4、図5A、図5Bおよび図5Cの各図において、前述した各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、操作機構71の構成について、前述した操作機構31の構成との相違点のみを説明する。
操作機構71では、図3Aに示される規制部材51に代えて、規制部材72が設けられている。規制部材72は、平面視略V字状に形成されている。ロッドホルダ38には、上下方向に延びる揺動軸73が支持されている。規制部材72は、その一端部に揺動軸73におけるロッドホルダ38から上側に延びる部分が挿通されて、揺動軸73により、揺動軸73を支点に回動(揺動)可能に支持されている。揺動軸73は、ねじりコイルばね74の巻回部分を保持しており、ねじりコイルばね74の一端部は、規制部材72に固定されている。ねじりコイルばね74の他端部は、たとえば、動力伝達装置1のケースに固定されている。ねじりコイルばね74の弾性力により、規制部材72は、揺動軸73を支点とする回動方向において、下側から見て反時計回りに付勢されている。また、第2ロッド34の右端部には、当接ピン75が設けられている。当接ピン75は、第2ロッド34から上側に突出し、規制部材72を上側に越える位置まで延びている。
<操作機構の動作>
シフトフォーク23,24が駆動位置に位置する状態では、図5Aに示されるように、規制部材72が当接ピン75に当接し、規制部材72の先端部が操作レバー32に対して左側から左右方向に対向している。この状態では、シフトフォーク23,24に左側に移動する力が働いても、操作レバー32の回動が規制部材72に阻止されるので、シフトフォーク23,24が駆動位置から動かない。
シフトフォーク23,24が駆動位置に位置する状態では、図5Aに示されるように、規制部材72が当接ピン75に当接し、規制部材72の先端部が操作レバー32に対して左側から左右方向に対向している。この状態では、シフトフォーク23,24に左側に移動する力が働いても、操作レバー32の回動が規制部材72に阻止されるので、シフトフォーク23,24が駆動位置から動かない。
第2ロッド34に操作力が入力されて、その操作力により第2ロッド34が現在の非操作位置から左側に移動すると、図5Bに示されるように、第2ロッド34の移動に伴って、当接ピン75が規制部材72を押圧し、規制部材72が下側から見て時計回りに移動する。規制部材72の移動により、規制部材72の先端部が操作レバー32に対して左右方向に対向しない状態となる。
その後、第2ロッド34の移動に伴って第1ロッド33が左側に移動し始めると、操作レバー32の下端部が左側に移動して、操作レバー32がレバー軸35を支点に回動し、操作レバー32の接続ピン36が左側に移動する。このとき、規制部材72の先端部が操作レバー32に対して左右方向に対向していないので、操作レバー32の回動は規制されない。接続ピン36の移動は、ピン受け37を介してシフトフォークシャフト25に伝達され、シフトフォークシャフト25を左側に移動させる。
以上の動作により、シフトフォーク23,24が駆動位置からその左側のニュートラル位置に移動する。第2ロッド34への操作力の入力がなくなると、シフトフォークシャフト25が圧縮コイルばね26の弾性力により右側に移動し、シフトフォーク23,24が駆動位置からニュートラル位置に戻る。
<作用効果>
操作機構71の構成によっても、操作機構31の構成の場合と同様の作用効果を奏することができる。
操作機構71の構成によっても、操作機構31の構成の場合と同様の作用効果を奏することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能であり、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能であり、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:動力伝達装置
23,24:シフトフォーク
26:圧縮コイルばね(付勢部材)
31,71:操作機構(操作部材)
32:操作レバー(操作部材、レバー)
33:第1ロッド(操作部材、ロッド)
34:第2ロッド(操作部材、ロッド)
41:ディテント構造
43:ディテントボール(当接部材)
44:圧縮コイルばね(弾性部材)
45:ディテント溝
51,72:規制部材
71 :操作機構
23,24:シフトフォーク
26:圧縮コイルばね(付勢部材)
31,71:操作機構(操作部材)
32:操作レバー(操作部材、レバー)
33:第1ロッド(操作部材、ロッド)
34:第2ロッド(操作部材、ロッド)
41:ディテント構造
43:ディテントボール(当接部材)
44:圧縮コイルばね(弾性部材)
45:ディテント溝
51,72:規制部材
71 :操作機構
Claims (7)
- 駆動源からの動力を伝達する動力伝達装置であって、
動力の伝達状態を第1状態とするために第1位置に配置され、動力の伝達状態を第2状態とするために第2位置に配置されるシフトフォークと、
前記シフトフォークを前記第1位置から前記第2位置に向けて付勢する付勢部材と、
前記シフトフォークを前記付勢部材による付勢に抗して前記第2位置から前記第1位置に操作する操作部材と、
前記操作部材によらない前記シフトフォークの前記第2位置から前記第1位置への移動を規制し、前記操作部材による前記シフトフォークの操作時に当該規制を解除する規制部材とを含む、動力伝達装置。 - 前記操作部材は、前記シフトフォークを前記第2位置から前記第1位置に操作するために非操作位置から操作位置に直線的に移動するロッドを備え、
前記ロッドが前記非操作位置に位置する状態で、前記ロッドの移動に対する抵抗を前記ロッドに付与するディテント構造をさらに含む、請求項1に記載の動力伝達装置。 - 前記ディテント構造は、当接部材と、前記当接部材を前記ロッドの周面に弾性的に当接させる弾性部材とを備え、前記ロッドが前記非操作位置に位置するときに、前記当接部材が前記ロッドの周面に形成されたディテント溝に嵌まることにより、前記ロッドに前記抵抗を付与する、請求項2に記載の動力伝達装置。
- 前記操作部材は、前記シフトフォークに連結されて、前記シフトフォークが前記第1位置に位置するときに第1揺動位置に位置し、前記シフトフォークが前記第2位置に位置するときに第2揺動位置に位置するように、前記第1揺動位置と前記第2揺動位置との間で揺動可能に設けられたレバーをさらに備え、
前記ロッドは、前記レバーが前記第1揺動位置に位置するときに前記操作位置に位置し、前記レバーが前記第2揺動位置に位置するときに前記非操作位置に位置するように、前記レバーに連結されている、請求項3に記載の動力伝達装置。 - 前記規制部材は、前記当接部材に連結され、前記当接部材が前記ディテント溝に嵌まっているときに、前記レバーが揺動により通過する領域に突出し、前記当接部材が前記ディテント溝から脱出したときに、前記領域から退避する、請求項4に記載の動力伝達装置。
- 前記規制部材は、前記ロッドの移動方向と直交する方向に延びる軸線を中心に回動可能に設けられ、前記ロッドが前記非操作位置に位置するときに、前記レバーが揺動により通過する領域に先端が配置され、前記ロッドの前記非操作位置から前記操作位置への移動の途中、その移動に伴って回動して、前記先端が前記領域から退避する、請求項4に記載の動力伝達装置。
- 前記第1状態は、動力の伝達が遮断されるニュートラル状態であり、
前記第2状態は、動力が伝達される駆動状態である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018248680A JP2020109298A (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018248680A JP2020109298A (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020109298A true JP2020109298A (ja) | 2020-07-16 |
Family
ID=71569994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018248680A Pending JP2020109298A (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020109298A (ja) |
-
2018
- 2018-12-28 JP JP2018248680A patent/JP2020109298A/ja active Pending
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