<本発明の概要>
まず本発明に係る地上衛星間光空間通信システムについて説明する。図32は、本発明に係る地上衛星間光空間通信システム(光フィーダリンクシステム)の構成図である。光フィーダリンクシステム100は、図32に示すように、光地上局用光通信装置50と衛星搭載用光通信装置60を備えている。光地上局用光通信装置50が送信したアップリンク光信号U1は、大気中を伝搬して衛星搭載用光通信装置60で受信される。衛星搭載用光通信装置60が送信したダウンリンク光信号D1は、大気中を伝搬して光地上局用光通信装置50で受信される。なお、本構成は後述の各実施形態に係る光フィーダリンクシステムにおいても同様である。
次に本発明の実施形態の概要構成について説明する。図1は、本発明の光通信装置の概要を示す構成図である。本発明の光通信装置1は、送信光信号L2の光増幅と受信光信号L1の光増幅を行う光増幅装置20と、光増幅装置20で光増幅された受信光信号L1’を受信し、光増幅する送信光信号L2’を光増幅装置20に送信する光送受信装置10を備える。
また光送受信装置10は、光送信機110と、光受信機120を備え、光増幅装置20は、低雑音光増幅器210と、高出力光増幅器220を備える。また低雑音光増幅器210は、低雑音光増幅部211と、ポスト光増幅部212と、光フィルタ部216と、光合波部214を備える。高出力光増幅器220は、プリ光増幅部221と、ブースタ光増幅部222とを備える。低雑音光増幅部211、ポスト光増幅部212、プリ光増幅部221、及び、ブースタ光増幅部222は、例えば、希土類イオンドープド光ファイバからなる反転分布媒質を用いて構成される。例えば、半導体レーザを用いて、低雑音光増幅部211、ポスト光増幅部212、プリ光増幅部221、及び、ブースタ光増幅部222の利得帯域内の波長で、受信光信号L1の波長とは別の波長で生成されるゲインクランプ光L3が光合波部214に入力される。
例えば光地上局用光通信装置においては、衛星搭載用光通信装置60からのダウンリンク光信号D1が捕捉され受信光信号L1として光増幅装置20に入力される。光増幅装置20に入力された受信光信号L1は、低雑音光増幅器210に入力され、低雑音光増幅器210の低雑音光増幅部211に入力される。
低雑音光増幅部211は、入力された受信光信号L1の低雑音光増幅を行う。低雑音光増幅された受信光信号は、図示しないフィルタ等を介して光合波部214に入力される。光合波部214は、低雑音光増幅された受信光信号L1とゲインクランプ光L3を波長多重したWDM(Wave Division Multiplexing)光信号を生成する。光合波部214は、受信光信号とゲインクランプ光L3とを波長多重したWDM光信号をポスト光増幅部212に出力する。ポスト光増幅部212は、光合波部214から入力されたWDM光信号の光増幅を行う。光フィルタ部216は、ポスト光増幅部212により光増幅されたWDM光信号から、ゲインクランプ光L3に対応する光信号を除去し、受信光信号L1に対応する光信号を通過させる。光フィルタ部216を通過した光信号は、低雑音光増幅器210からの出力である受信光信号L1’として光送受信装置10に出力される。低雑音光増幅器210から出力された受信光信号L1’は、光送受信装置10を構成する光受信機120で受信される。
一方、光送信機110は、光増幅装置20に送信光信号L2’を送信する。光送受信装置10の出力として光送信機110から送信された送信光信号L2’は、光増幅装置20を構成する高出力光増幅器220に入力される。高出力光増幅器220に入力された送信光信号L2’は、プリ光増幅部221に入力される。プリ光増幅部221は、入力された送信光信号L2’を光増幅し、ブースタ光増幅部222に出力する。ブースタ光増幅部222は、プリ光増幅部221により光増幅された送信光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20からの出力である送信光信号L2として出力する。送信光信号L2は、例えば光地上局用光通信装置においては、衛星搭載用光通信装置60へ向けてアップリンク光信号として送信される。
図31は、図1の光通信装置との比較のための比較例の光通信装置2の構成図である。比較例の光増幅装置21の低雑音光増幅器210zは、入力された受信光信号L1をゲインクランプ光L3と波長多重し、波長多重されたWDM光信号を低雑音光増幅し、ポスト光増幅部で光増幅して光送受信装置10に出力する。
具体的には、図31に示すように、比較例の低雑音光増幅器210zは、低雑音光増幅部211と、ポスト光増幅部212と、光フィルタ部213と、光合波部214を備える。光合波部214は、受信光信号L1を、ゲインクランプ光L3と波長多重する。低雑音光増幅部211は、波長多重されたWDM光信号を低雑音光増幅し、光フィルタ部213は、ゲインクランプ光L3の除去を行う。そしてポスト光増幅部212は、低雑音光増幅されたWDM光信号を光増幅し、光送受信装置10に受信光信号L1”を出力する。
上記比較例の低雑音光増幅器の構成を光フィーダリンクシステムに適用するにあたり、問題点がある。
第1の問題点は、光通信装置の受信感度が劣化することである。光フィーダリンクシステムの場合、低雑音光増幅器210z内部の低雑音光増幅部211へ入力される受信光信号パワーが限りなく低い状態で光信号を受信することになる。そのため、ゲインクランプ光L3を挿入する場合は、ゲインクランプ光L3のパワーを、受信光信号のパワーと同等の値にする必要がある。これにより、ゲインクランプ光L3のパワーが増加した分、光信号の利得が小さくなるため、低雑音光増幅器210zの雑音指数(NF:Noise Figure)が悪くなり、光通信装置の受信感度が劣化する。
第2の問題点は、低雑音光増幅器210z内部の低雑音光増幅部211で発生する光サージが小さくなり、ゲインクランプ方式の効果が薄れることである。図30は、光増幅器への光入力パワーに対する光サージレベルとの関係の一例を示す図である。低雑音光増幅器内部の低雑音光増幅部への光信号パワーが−40dBm〜−50dBmの範囲で限りなく低い状態であるため、図30に示す通り、光サージの影響が小さくなる。しかし、低雑音光増幅部で低雑音光増幅されることで、ポスト光増幅部に入力される入力光信号パワーが−30dBm〜−20dBmの範囲で増大し、図30に示す通り、低雑音光増幅部で発生した光サージが急激に成長し、光サージが顕著に増大する。
上記の比較例における問題点に対し、図1に示す構成によれば、入力された受信光信号L1が低雑音光増幅部211で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光L3と波長多重され、ポスト光増幅部212で光増幅されて光送受信装置10に出力される。この構成により、ゲインクランプ光L3のパワーを比較例の構成より低くできるため、雑音指数が抑えられ、光通信装置の受信感度を向上させることができ、またポスト光増幅部で比較例の構成で発生するような光サージの顕著な増大も発生しない。したがって、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
<第1の実施形態>
次に本発明の第1の実施形態について説明する。図2は、第1の実施形態に係る光通信装置の構成の一例を示す構成図である。図2は、例として、衛星搭載用光通信装置60の構成が示されている。図2に示すように、衛星搭載用光通信装置60においては、通信相手となる光地上局用光通信装置50からのアップリンク光信号U1が光増幅装置20aに入力される受信光信号L1となり、光増幅装置20aから出力される送信光信号L2が、通信相手となる光地上局用光通信装置50へのダウンリンク光信号D1となる。
本実施形態の衛星搭載用光通信装置60は、ダウンリンク光信号D1である送信光信号L2の光増幅とアップリンク光信号U1である受信光信号L1の光増幅を行う光増幅装置20aと、光増幅装置20aで光増幅された受信光信号L1’を受信し、光増幅する送信光信号L2’を光増幅装置20aに送信する光送受信装置10を備える。また衛星搭載用光通信装置60は、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30を備える。また衛星搭載用光通信装置60は、光送受信装置10と、光増幅装置20aと、光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
また光送受信装置10は、光送信機110と、光受信機120を備え、光増幅装置20aは、低雑音光増幅器210aと、高出力光増幅器220を備える。また低雑音光増幅器210aは、低雑音光増幅部211と、ポスト光増幅部212と、光フィルタ部213および216と、光合波部214と、ゲインクランプ光生成部215とを備える。高出力光増幅器220は、プリ光増幅部221と、ブースタ光増幅部222とを備える。低雑音光増幅部211、ポスト光増幅部212、プリ光増幅部221、及び、ブースタ光増幅部222は、例えば、希土類イオンドープド光ファイバからなる反転分布媒質を用いて構成される。ゲインクランプ光生成部215は、例えば、低雑音光増幅部211、ポスト光増幅部212、プリ光増幅部221、及び、ブースタ光増幅部222の利得帯域内の波長で、受信光信号L1の波長とは別の波長のゲインクランプ光を出力する半導体レーザを用いて構成される。
光捕捉追尾装置30は、光地上局用光通信装置50からのアップリンク光信号U1の捕捉を行い、光増幅装置20aを構成する低雑音光増幅器210に、アップリンク光信号U1を受信光信号L1として出力する。
低雑音光増幅器210aに入力された受信光信号L1は、低雑音光増幅部211に入力される。低雑音光増幅部211は、入力された受信光信号L1を低雑音光増幅し、低雑音光増幅した受信光信号を、光フィルタ部213に出力する。光フィルタ部213は、低雑音光増幅された受信光信号から、低雑音光増幅部211で発生した自然放出(ASE:Amplified Spontaneous Emission)光雑音を低減し、光合波部214に出力する。
光合波部214は、光フィルタ部213でASE雑音が低減された受信光信号を、ゲインクランプ光生成部215からの出力であるゲインクランプ光L3と波長多重し、受信光信号とゲインクランプ光L3とを波長多重したWDM光信号をポスト光増幅部212に出力する。ポスト光増幅部212は、光合波部214から入力されたWDM光信号を光増幅し、光フィルタ部216に出力する。光フィルタ部216は、ポスト光増幅部212によって光増幅された受信光信号から、ポスト光増幅部212で発生したASE光雑音の低減とゲインクランプ光L3の除去を行い、低雑音光増幅器210aからの出力として、受信光信号L1’を光送受信装置10に出力する。低雑音光増幅器210aの光フィルタ部216から出力された受信光信号L1’は、光送受信装置10を構成する光受信機120で受信される。
一方、光送受信装置10の出力として光送信機110から送信された送信光信号L2’は、光増幅装置20aを構成する高出力光増幅器220に入力される。高出力光増幅器220に入力された送信光信号L2’は、プリ光増幅部221に入力される。プリ光増幅部221は、入力された送信光信号L2’を光増幅し、ブースタ光増幅部222に出力する。ブースタ光増幅部222は、プリ光増幅部221により光増幅された送信光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20aからの出力として、高出力光増幅された送信光信号L2を光捕捉追尾装置30に出力する。
光捕捉追尾装置30は、通信相手となる光地上局用光通信装置50の追尾を行い、光地上局用光通信装置50に向けて、衛星搭載用光通信装置60からのダウンリンク光信号D1として、送信光信号L2を送信する。
なお光地上局用光通信装置50に、光増幅装置20aと光送受信装置10を搭載する場合は、受信光信号L1はダウンリンク光信号D1となり、送信光信号L2はアップリンク光信号U1となる。また光地上局用光通信装置50は、光増幅装置20aと、光送受信装置10の他に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30を備える。また光地上局用光通信装置50は、光送受信装置10と、光増幅装置20aと、光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。光捕捉追尾装置30は、衛星搭載用光通信装置60からのダウンリンク光信号D1の捕捉を行い、光増幅装置20aを構成する低雑音光増幅器210aに受信光信号L1を出力する。また光捕捉追尾装置30は、衛星搭載用光通信装置60の追尾を行い、送信光信号L2を光地上局用光通信装置50からのアップリンク光信号U1として衛星搭載用光通信装置60に向けて送信する。
<第1の実施形態の効果>
以上説明したように、第1の実施形態によれば、入力された受信光信号L1が低雑音光増幅部211で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光L3と波長多重され、ポスト光増幅部212で光増幅されて光送受信装置10に出力される。この構成により、ゲインクランプ光L3のパワーを比較例の構成より低くできるため、雑音指数が抑えられ、光通信装置の受信感度を向上させることができ、またポスト光増幅部で比較例の構成で発生するような光サージの顕著な増大も発生しない。したがって、第1の実施形態によれば、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
<第1の実施形態の変形例>
次に本発明の第1の実施形態の変形例について説明する。図3は、第1の実施形態の第1の変形例に係る光増幅装置及び光送受信装置の構成図である。本変形例の光増幅装置20bの低雑音光増幅器210bは、第1の実施形態において低雑音光増幅部211の後に備えられている光フィルタ部213を備えていない点で第1の実施形態と異なる。なお本変形例では低雑音光増幅部211の後の光フィルタ部213の代わりに、光合波部214が低雑音光増幅部211で発生したASE光雑音の低減を行ってもよい。
本変形例の構成によっても、上記の第1の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
図4は、第1の実施形態の第2の変形例に係る光増幅装置及び光送受信装置の構成図である。本変形例の光送受信装置10bにおいては、光送信機110bは、プリ光増幅部221に送信光信号L2’を出力するとともに、光合波部214にゲインクランプ光L3bを出力する。また本変形例の光増幅装置20cの低雑音光増幅器210aにおいては、光合波部214は、光フィルタ部213でASE雑音が低減された受信光信号を、光送信機110bからの出力であるゲインクランプ光L3bと波長多重する。
本変形例の光送信機の構成について説明する。図5は、図4の光送信機の第1の構成例である。図5に示す通り、本構成例の光送信機110bは、送信レーザ部111と、光分岐部112と、位相変調部113と、強度変調部114とを備える。本構成例においては、送信レーザ部111からの出力光である、連続(CW:Continuous Wave)光は、光分岐部112で分岐される。光分岐部112で分岐された光は、位相変調部113への入力光と、ゲインクランプ光L3bになる。ゲインクランプ光L3bは、光増幅装置20内部の低雑音光増幅器210の光合波部214に入力される。一方、位相変調部113への入力光は、位相変調部113で位相変調光信号に変調される。位相変調光信号は、強度変調部114に入力され、送信光信号L2’に変調される。送信光信号L2’は、光送信機110bから送信される。
本構成例では、光合波部214は、光フィルタ部213でASE雑音が低減された受信光信号を、送信レーザ部111から出力された連続光である、光送信機110bからのゲインクランプ光L3bと波長多重する。このような構成によっても、上記の第1の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。また光送信機110bから送信光信号L2’とは別に連続光を出力させてゲインクランプ光として用いることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができ、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
なお光送信機の構成は、図5に示す構成に限らず、他の構成も考えられる。図6は、図4の光送信機の第2の構成例である。図6に示す通り、第2の構成例の光送信機110cは、送信レーザ部111と、光分岐部112と、位相変調部113と、強度変調部114とを備える。送信レーザ部111からの出力光である、連続(CW:Continuous Wave)光は、位相変調部113で位相変調光信号に変調される。本構成例においては、位相変調光信号が、光分岐部112で分岐される。光分岐部112で分岐された位相変調光信号は、強度変調部114への入力光と、ゲインクランプ光L3cになる。ゲインクランプ光L3cは、光増幅装置20内部の低雑音光増幅器210の光合波部214に入力される。一方、強度変調部114へ入力される位相変調光信号は、強度変調部114で送信光信号L2’に変調される。送信光信号L2’は、光送信機110から送信される。
本構成では、光合波部214は、光フィルタ部213でASE雑音が低減された受信光信号を、送信レーザ部111からの連続光が位相変調された光信号である、光送信機110cからのゲインクランプ光L3cと波長多重する。このような構成によっても上記の第1の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。また連続光が位相変調された光信号を光送信機110cから出力させてゲインクランプ光として用いることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができ、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化を実現できる。
図7は、図4の光送信機の第3の構成例である。図7に示す通り、第3の構成例の光送信機110dは、送信レーザ部111と、光分岐部112と、位相変調部113と、強度変調部114とを備える。送信レーザ部111からの出力光である、連続(CW:Continuous Wave)光は、位相変調部113で位相変調光信号に変調される。位相変調光信号は、強度変調部114で変調される。本構成例においては強度変調された光信号は、光分岐部112で分岐される。光分岐部112で分岐された光信号は、送信光信号L2と、ゲインクランプ光L3dになる。ゲインクランプ光L3dは、光増幅装置20内部の低雑音光増幅器210の光合波部214に入力される。送信光信号L2’は、光送信機110から送信される。
本構成では、光合波部214は、光フィルタ部213でASE雑音が低減された受信光信号を、送信レーザ部111から連続光が位相変調され強度変調された光信号であるゲインクランプ光L3dと波長多重する。このような構成によっても、上記の第1の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。また連続光が位相変調され強度変調された光信号を光送信機110cから出力させてゲインクランプ光として用いることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができ、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化を実現できる。
なお本変形例の光送信機は、図5、図6、図7に示す構成にも限らない。例えば、光送信機は、位相変調部113の代わりに、IQ変調部を使用した構成にしても良いし、位相変調部113を外した構成にしても良いし、強度変調部114を外した構成にしても良い。
<第2の実施形態>
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、第2の実施形態に係る光増幅装置と光送受信装置の構成図である。第2の実施形態は、光増幅装置に入力される受信光信号および光増幅装置から出力される送信光信号を、n個(nは2以上の整数)の異なる波長の光信号が波長多重されたWDM光信号とする場合の構成例である。図8に示すように、本実施形態の光増幅装置20dは、低雑音光増幅器210cと、高出力光増幅器220bを備える。低雑音光増幅器210cは、低雑音光増幅部211と、ポスト光増幅部212と、WDMフィルタ部217と、光フィルタ部218とを備える。高出力光増幅器220bは、プリ光増幅部221と、ブースタ光増幅部222と、光合波部223を備える。
なお本実施形態に係る光地上局用光通信装置においては、ダウンリンク光信号D1が、受信WDM光信号W1として光増幅装置20dに入力され、光増幅装置20dから出力される送信WDM光信号W2が、アップリンク光信号U1となる。また本実施形態に係る衛星搭載用光通信装置においては、アップリンク光信号U1が、受信WDM光信号W1として光増幅装置20dに入力され、光増幅装置から出力される送信WDM光信号W2が、ダウンリンク光信号D1となる。
また第1の実施形態と同様、光地上局用光通信装置及び衛星搭載用光通信装置は、図8の光増幅装置20d、及び、光送受信装置10c以外に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30と、光送受信装置10c、光増幅装置20d、及び光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
本実施形態の光送受信装置10cは、複数の光送信機110−1、・・・、110−nと、複数の光受信機120−1、・・・、120−nを備える。本実施形態の光送信機110−1、・・・、110−nは、それぞれ送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nと、ゲインクランプ光L3−1、・・・、L3−nを出力する。光送信機110−1、・・・、110−nは、例えば図5、図6、図7に示したいずれかの構成により、それぞれ、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nと、ゲインクランプ光L3−1、・・・、L3−nを出力するよう構成されている。
光増幅装置20dに入力された受信WDM光信号W1は、低雑音光増幅器210cに入力され、低雑音光増幅器210cに入力された受信WDM光信号W1は、低雑音光増幅部211に入力される。低雑音光増幅部211は、入力された受信WDM光信号W1を低雑音光増幅してWDMフィルタ部217に出力する。
WDMフィルタ部217は、低雑音光増幅された受信WDM光信号に対し、低雑音光増幅部211で発生したASE光雑音の低減と、光送信機110−1、・・・、110−nからのゲインクランプ光L3−1、・・・、L3−nとの波長多重を行い、ポスト光増幅部212に出力する。ポスト光増幅部212は、低雑音光増幅されゲインクランプ光L3−1、・・・、L3−nと波長多重された受信WDM光信号を光増幅して光フィルタ部218に出力する。
光フィルタ部218は、光増幅された受信WDM光信号に対し、ポスト光増幅部212で発生したASE光雑音の低減と、ゲインクランプ光L3−1、・・・、L3−nの除去と、受信WDM光信号の分波を行い、受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nを出力する。分波された受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nは、光送受信装置10内部の光受信機の光受信機120−1、・・・、120−nでそれぞれ受信される。
一方、上述のように光送受信装置10内部の光送信機110−1、・・・、110−nは、それぞれ、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nと、ゲインクランプ光L3−1、・・・、L3−nを出力する。
送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nは、高出力光増幅器220bに入力され、高出力光増幅器220に入力された送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nは光合波部223に入力される。
光合波部223は、入力された送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを波長多重してプリ光増幅部221に出力する。プリ光増幅部221は、波長多重された送信WDM光信号を光増幅し、ブースタ光増幅部222に出力する。ブースタ光増幅部222は、プリ光増幅部221で光増幅された送信WDM光信号を高出力光増幅し、高出力光増幅された送信WDM光信号W2を、光増幅装置20の出力として送信する。
なお光送信機110−1、・・・、110−nから、ゲインクランプ光L3−1、・・・、L3−nを生成する代わりに、低雑音光増幅器210cが、ゲインクランプ光L3−1、・・・、L3−nを生成するn個のゲインクランプ光生成部を備えてもよい。
<第2の実施形態の効果>
以上説明したように、第2の実施形態によれば、光増幅装置に入力される受信光信号および光増幅装置から出力される送信光信号が、波長多重された光信号とされる場合においても、入力された受信光信号が低雑音光増幅部で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光と波長多重され、ポスト光増幅部で光増幅されて光送受信装置に出力される。この構成により、受信光信号および送信光信号を波長多重された光信号とする場合においても、雑音指数が抑えられ、光通信装置の受信感度を向上させることができ、第1の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。また光送信機から送信光信号とは別にゲインクランプ光をも出力させることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができ、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
<第3の実施形態>
次に本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、光送信機から出力された送信光信号がゲインクランプ光として用いられ、低雑音光増幅された受信光信号が、第1の実施形態の光合波部214に対応するWDMフィルタ部234によって送信光信号と波長多重されて光増幅される。そして第1の実施形態の光フィルタ部216に対応するWDMフィルタ部235が、送信光信号が光増幅された光信号を分波し、ブースタ光増幅部に向けて出力することで、第1、第2の実施形態では備えられていた高出力光増幅器220のプリ光増幅部221を省略した実施形態である。なお以下の各実施形態においても、WDMフィルタ部234は第1の実施形態の光合波部214に対応し、WDMフィルタ部235は第1の実施形態の光フィルタ部216に対応する。
図9は、第3の実施形態に係る光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図9に示すように、本実施形態の光増幅装置20fは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234および235とを備える。光送受信装置10は、光送信機110と、光受信機120とを備える。
なお本実施形態に係る光地上局用光通信装置においては、ダウンリンク光信号D1が、受信光信号L1として光増幅装置20fに入力され、光増幅装置20fから出力される送信光信号L2が、アップリンク光信号U1となる。また本実施形態に係る衛星搭載用光通信装置においては、アップリンク光信号U1が、受信光信号L1として光増幅装置20dに入力され、光増幅装置から出力される送信光信号L2が、ダウンリンク光信号D1となる。
また光地上局用光通信装置、及び、衛星搭載用光通信装置は、光増幅装置20f、及び、光送受信装置10以外に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30と、光送受信装置10、光増幅装置20f、及び光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
光増幅装置20に入力された受信光信号L1は、低雑音光増幅部231に入力され、低雑音光増幅部231に入力された受信光信号L1は、低雑音光増幅部231に入力される。低雑音光増幅部231は入力された受信光信号L1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。
WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信光信号に対し、低雑音光増幅部211で発生したASE光雑音を低減する。またWDMフィルタ部234は、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信光信号を、光送信機110から出力された、ゲインクランプ光の役割も担う送信光信号L2と波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。
本実施形態のWDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号を受信光信号L1’と、受信光信号L1’の波長成分が除去された光信号、すなわち送信光信号が光増幅された光信号に分波し、送信光信号が光増幅された光信号を、ブースタ光増幅部233に出力する。
受信光信号L1’は、光受信機120で受信される。ブースタ光増幅部233は、入力された、送信光信号が光増幅された光信号を高出力光増幅する。高出力光増幅された送信光信号L2は、光増幅装置20からの出力として送信される。
<第3の実施形態の効果>
以上、説明したように、第3の実施形態によっても、入力された受信光信号が低雑音光増幅部で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光と波長多重され、プリ光増幅部で光増幅されて光送受信装置に出力される。この構成により、第1の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
さらに、第3の実施形態によれば、光送信機110から送信された送信光信号L2’がゲインクランプ光として受信光信号と波長多重され、受信光信号とともにプリ光増幅部232によって光増幅される。そしてWDMフィルタ部235によって、光増幅されたWDM光信号を受信光信号L1’と、送信光信号が光増幅された光信号に分波され、送信光信号が光増幅された光信号は、ブースタ光増幅部233に向けて出力される。つまり第1、第2の実施形態に備えられていた低雑音光増幅器210のポスト光増幅部212と、高出力光増幅器220のプリ光増幅部221が共通化された構成となっている。この構成により第1、第2の実施形態に備えられていたプリ光増幅部221を省略することができる。また第1の実施形態の第2の変形例及び第2の実施形態と同様、光送信機からの送信光信号をゲインクランプ光として用いることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができる。したがって、第3の実施形態によれば、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
<第4の実施形態>
次に第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、第3の実施形態において、光増幅装置から出力される送信光信号をn個の異なる波長の送信光信号とする場合の実施形態である。
図10は、第4の実施形態に係る光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図10に示すように、光増幅装置20gは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234および235と、光合波部236と、光分波部237とを備える。光送受信装置10dは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120を備える。
なお本実施形態に係る光地上局用光通信装置においては、ダウンリンク光信号D1が、受信光信号L1として光増幅装置20gに入力され、光増幅装置20gから出力されるn個の異なる波長の送信光信号L2−1、・・・、L2−nが、アップリンク光信号U1となる。また本実施形態に係る衛星搭載用光通信装置においては、アップリンク光信号U1が、受信光信号L1として光増幅装置20gに入力され、光増幅装置から出力されるn個の異なる波長の送信光信号L2−1、・・・、L2−nが、ダウンリンク光信号D1となる。
また第1の実施形態と同様、光地上局用光通信装置及び衛星搭載用光通信装置は、図10の光増幅装置20g、及び、光送受信装置10d以外に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30と、光送受信装置10d、光増幅装置20g、及び光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
光増幅装置20に入力された受信光信号L1は、低雑音光増幅部231に入力され、低雑音光増幅部231は、入力された受信光信号L1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信光信号L1に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音を低減する。
また光送信機110−1、・・・、110−nは、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを光合波部236にそれぞれ出力する。光合波部236は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを波長多重し、WDMフィルタ部234に出力する。
WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅されASE光雑音を低減された受信光信号L1を、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号と、波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。
WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、WDM光信号の分波を行う。WDMフィルタ部235は、WDM光信号を、受信光信号L1’と、受信光信号L1’の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nに対応するn個の異なる送信光信号が波長多重されたWDM光信号に分波する。WDMフィルタ部235は、受信光信号L1’を、光受信機120に出力し、光受信機120は受信光信号L1’を受信する。またWDMフィルタ部235は、受信光信号L1’の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nに対応するn個の異なる送信光信号が波長多重されたWDM光信号を、光分波部237に出力する。
光分波部237は、入力されたWDM光信号を、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nに対応するn個の送信光信号に分波し、それぞれ対応するn個のブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nに出力する。
ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nは、それぞれ入力された送信光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20からの出力として、高出力光増幅された送信光信号L2−1、・・・、L2−nをそれぞれ出力する。
<第4の実施形態の効果>
以上説明したように、第4の実施形態によれば、光増幅装置から出力される送信光信号をn個の異なる波長の送信光信号とする場合においても、第1から第3の実施形態と同様、入力された受信光信号が低雑音光増幅部で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光と波長多重され、ポスト光増幅部で光増幅されて光送受信装置に出力される。この構成により、光増幅装置から出力される送信光信号をn個の異なる波長の送信光信号とする場合においても、第1の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
さらに、第4の実施形態によれば、第3の実施形態と同様、光送信機110から送信された送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたゲインクランプ光として用いられ、受信光信号と波長多重され、受信光信号とともにプリ光増幅部232によって光増幅される。そしてWDMフィルタ部235が、送信光信号が光増幅された光信号を分波し、ブースタ光増幅部233に向けて出力する。つまり第1、第2の実施形態に備えられていた低雑音光増幅器210のポスト光増幅部212と、高出力光増幅器220のプリ光増幅部221が共通化された構成となっている。この構成により、光増幅装置から出力される送信光信号をn個の異なる波長の送信光信号とする場合においても、第1、第2の実施形態に備えられていたプリ光増幅部221を省略することができる。また第1の実施形態の第2の変形例及び第2、第3の実施形態と同様、光送信機からの送信光信号をゲインクランプ光として用いることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができる。したがって、第4の実施形態によれば、光増幅装置から出力される送信光信号をn個の異なる波長の送信光信号とする場合においても、第3の実施形態と同様、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
<第4の実施形態の変形例>
次に第4の実施形態の変形例について説明する。図11は、第4の実施形態の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。本変形例は、第4の実施形態において備えられていた光分波部237を備えず、光増幅装置から出力される送信光信号を波長多重されたWDM光信号とする場合の構成例である。
図11に示すように、光増幅装置20hは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234と、WDMフィルタ部235と、光合波部236を備える。光送受信装置10dは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120を備える。
光増幅装置20hに入力された受信光信号L1は、低雑音光増幅部231に入力され、低雑音光増幅部231は、入力された受信光信号L1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信光信号に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音を低減する。
また光送信機110−1、・・・、110−nは、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを光合波部236に出力する。光合波部236は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを波長多重し、WDMフィルタ部234に出力する。
WDMフィルタ部234は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号と、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信光信号を波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。
WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、WDM光信号の分波を行う。WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号を、受信光信号L1’と、受信光信号L1’の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号に分波する。WDMフィルタ部235は、受信光信号L1’を光受信機120に出力し、光受信機120は受信光信号L1’を受信する。またWDMフィルタ部235は、受信光信号L1’の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号を、ブースタ光増幅部233に出力する。
ブースタ光増幅部233は、WDMフィルタ部235からのWDM光信号を一括に高出力光増幅し、光増幅装置20hからの出力として、高出力光増幅された送信WDM光信号W2を出力する。
本変形例によれば光増幅装置から出力する送信光信号を波長多重されたWDM光信号とする場合においても、上記の第4の実施形態と同様な効果が得られる。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態に係る、光増幅装置について説明する。図12は、第5の実施形態に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。本実施形態は、第3の実施形態において、光増幅装置に入力される受信光信号を、n個の異なる波長の受信光信号が波長多重されたWDM光信号とする場合の構成例である。
図12に示すように、光増幅装置20iは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234および235と、光分波部238とを備える。光送受信装置10eは、光送信機110と、光受信機120−1、・・・、120−nを備える。
なお本実施形態に係る光地上局用光通信装置においては、ダウンリンク光信号D1が、波長多重された受信WDM光信号W1として光増幅装置20iに入力され、光増幅装置20iから出力される送信光信号L2が、アップリンク光信号U1となる。また本実施形態に係る衛星搭載用光通信装置においては、アップリンク光信号U1が、波長多重された受信WDM光信号W1として光増幅装置20iに入力され、光増幅装置から出力される送信光信号L2が、ダウンリンク光信号D1となる。
また第1の実施形態と同様、光地上局用光通信装置及び衛星搭載用光通信装置は、図12の光増幅装置20i、及び、光送受信装置10e以外に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30と、光送受信装置10d、光増幅装置20g、及び光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
光増幅装置20iに入力された、n個の受信光信号L1−1、・・・、L1−nが波長多重された受信WDM光信号W1は、低雑音光増幅部231に入力され、低雑音光増幅部231は、入力された受信WDM光信号W1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信WDM光信号に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音を低減する。
またWDMフィルタ部234は、光送信機110からの出力であり、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2と、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信WDM光信号を波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重された受信WDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。
WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、WDM光信号の分波を行う。WDMフィルタ部235は、光増幅されASE光雑音が低減されたWDM光信号を、受信WDM光信号と、受信光WDM信号の波長成分が除去された光信号、すなわち送信光信号に分波する。WDMフィルタ部235は、受信WDM光信号を光分波部238に出力し、光分波部238は、入力された受信WDM光信号を受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nに分波し、受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nに対応する光受信機120−1、・・・、120−nにそれぞれ出力する。
光受信機120−1、・・・、120−nは、それぞれ、入力された受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nを受信する。
また光分波部238は、送信光信号をブースタ光増幅部233に出力する。ブースタ光増幅部233は、入力された送信光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20iからの出力として、高出力光増幅された送信光信号L2を出力する。
<第5の実施形態の効果>
以上説明したように、第5の実施形態によれば、光増幅装置に入力される受信光信号が、低雑音光増幅部で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光と波長多重され、プリ光増幅部で光増幅されて光送受信装置に出力される。この構成により、光増幅装置から出力される送信光信号を、複数の送信光信号が波長多重された受信WDM光信号とする場合においても、第1の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
さらに、第5の実施形態によれば、送信光信号L2’がゲインクランプ光として用いられ、受信光信号と波長多重され、プリ光増幅部232によって光増幅される。そしてWDMフィルタ部235が、送信光信号が光増幅された光信号を分波し、ブースタ光増幅部233に向けて出力する。この構成により、第1、第2の実施形態に備えられていたプリ光増幅部221を省略することができる。また光送信機からの送信光信号をゲインクランプ光として用いることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができる。したがって光増幅装置に入力される受信光信号をn個の異なる波長の送信光信号が波長多重された受信WDM光信号とする場合においても、第3、第4の実施形態と同様、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
<第6の実施形態>
次に第6の実施形態について説明する。図13は、第6の実施形態に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。第6の実施形態は、第2の実施形態と同様に、光増幅装置に入力される受信光信号および光増幅装置から出力される送信光信号を、n個の異なる波長の光信号が波長多重されたWDM光信号とする場合の構成例である。
図13に示すように、光増幅装置20jは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nと、WDMフィルタ部234と、光合波部236と、光フィルタ部239とを備える。光送受信装置10fは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120−1、・・・、120−nを備える。
なお本実施形態に係る光地上局用光通信装置においては、ダウンリンク光信号D1は、n個の受信光信号L1−1、・・・、L1−nが波長多重された受信WDM光信号W1として光増幅装置20jに入力され、光増幅装置20jから出力される送信光信号L2−1、・・・、L2−nが、アップリンク光信号U1となる。また本実施形態に係る衛星搭載用光通信装置においては、アップリンク光信号U1が、受信WDM光信号W1として光増幅装置20jに入力され、光増幅装置20jから出力される送信光信号L2−1、・・・、L2−nが、ダウンリンク光信号D1となる。
また第1の実施形態と同様、光地上局用光通信装置及び衛星搭載用光通信装置は、図13の光増幅装置20j、及び、光送受信装置10f以外に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30と、光送受信装置10f、光増幅装置20j、及び光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
光増幅装置20jに入力された、n個の受信光信号が波長多重された受信WDM光信号W1は、低雑音光増幅部231に入力され、低雑音光増幅部231は、入力された受信WDM光信号W1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信WDM光信号に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音を低減する。
また光送信機110−1、・・・、110−nは、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nをそれぞれ光合波部236に出力する。光合波部236は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを波長多重し、WDMフィルタ部234に出力する。
WDMフィルタ部234は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重された送信WDM光信号と、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信WDM光信号を波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、光フィルタ部239に出力する。
光フィルタ部239は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、分波を行う。光フィルタ部239は、光増幅されたWDM光信号を、n個の受信光信号L1−1、・・・、L1−nに対応するn個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nと、送信光信号L2−1、・・・、L2−nに対応するn個の送信光信号に分波する。
光フィルタ部239は、n個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nを、それぞれ対応する光受信機120−1、・・・、120−nに出力し、光受信機120−1、・・・、120−nは、それぞれ入力された受信光信号を受信する。
また光フィルタ部239は、n個の送信光信号を、それぞれ対応するブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nに出力する。ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nは、それぞれ、入力された送信光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20jからの出力として、高出力光増幅された送信光信号L2−1、・・・、L2−nを出力する。
<第6の実施形態の効果>
以上説明したように、第6の実施形態によれば、入力された受信光信号が低雑音光増幅部で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光と波長多重され、ポスト光増幅部で光増幅されて光送受信装置に出力される。この構成により、光増幅装置から出力される送信光信号をn個の異なる波長の送信光信号とする場合においても、第1から第5の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
さらに、第6の実施形態によれば、光送信機110−1、・・・、110−nから出力された送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重され、ゲインクランプ光として用いられ、受信WDM光信号と波長多重され、プリ光増幅部232によって光増幅される。そしてWDMフィルタ部235が、送信光信号が光増幅された光信号を分波し、ブースタ光増幅部に向けて出力する。この構成により、受信光信号および送信光信号を、複数の送信光信号が波長多重された受信WDM光信号とする場合においても、第3から第5の実施形態と同様、第1の実施形態に備えられていたポスト光増幅部およびゲインクランプ光生成部を省略することができる。したがって、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
<第6の実施形態の変形例>
第6の実施形態の変形例について説明する。図14は、第6の実施形態の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図14に示すように、光増幅装置20kは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234および235と、光合波部236と、光分波部238とを備える。光送受信装置10fは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120−1、・・・、120−nを備える。本変形例の光増幅装置20kでは、図13の光増幅装置20jと比較して、光フィルタ部239に代わりにWDMフィルタ部235及び光分波部238を備え、光増幅装置から出力される送信光信号は波長多重されたWDM光信号とする構成となっている点で異なる。
光増幅装置20kに入力されたn個の受信光信号L1−1、・・・、L1−nが波長多重された受信WDM光信号W1は、低雑音光増幅部231に入力される。低雑音光増幅部231は、入力された受信WDM光信号W1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信WDM光信号に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音の低減を行う。
また光送信機110−1、・・・、110−nは、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを光合波部236にそれぞれ出力する。光合波部236は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを波長多重し、WDMフィルタ部234に出力する。
WDMフィルタ部234は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重された送信WDM光信号と、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信WDM光信号を、波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。
WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、WDM光信号の分波を行う。WDMフィルタ部235は、光増幅されASE光雑音が低減されたWDM光信号を、受信WDM光信号W1に対応するWDM光信号と、受信WDM光信号W1の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信WDM光信号に対応するWDM光信号に分波する。
WDMフィルタ部235は、受信WDM光信号に対応するWDM光信号を光分波部238に出力する。光分波部238は、受信WDM光信号に対応するWDM光信号を、受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nに分波し、光受信機120−1、・・・、120−nが、それぞれ、対応する受信光信号を受信する。
またWDMフィルタ部235は、送信WDM光信号に対応するWDM光信号をブースタ光増幅部233に出力する。ブースタ光増幅部233は、送信WDM光信号に対応するWDM光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20kからの出力として、高出力光増幅された送信WDM光信号W2を出力する。
本変形例によれば光増幅装置から出力する送信光信号を波長多重されたWDM光信号とする場合においても、上記の第6の実施形態と同様な効果が得られる。
<第7の実施形態>
第7の実施形態について説明する。図15は、第7の実施形態に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図15に示すように、光増幅装置20lは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234および235と、ポスト光増幅部240とを備える。光送受信装置10は、光送信機110と、光受信機120とを備える。本実施形態の光増幅装置20lは、第3の実施形態の光増幅装置20fに、WDMフィルタ部235からの光信号を光増幅して光受信機120に出力するポスト光増幅部240が追加された構成となっている。
なお本実施形態に係る光地上局用光通信装置においては、ダウンリンク光信号D1が、受信光信号L1として光増幅装置20lに入力され、光増幅装置20lから出力される送信光信号L2が、アップリンク光信号U1となる。また本実施形態に係る衛星搭載用光通信装置においては、アップリンク光信号U1が、受信光信号L1として光増幅装置20lに入力され、光増幅装置20lから出力される送信光信号L2が、ダウンリンク光信号D1となる。
また第1の実施形態と同様、光地上局用光通信装置及び衛星搭載用光通信装置は、図15の光増幅装置20l、及び、光送受信装置10以外に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30と、光送受信装置10、光増幅装置20l、及び光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
光増幅装置20lに入力された受信光信号L1は、低雑音光増幅部231に入力される。低雑音光増幅部231は、入力された受信光信号L1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。
WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信光信号に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音の低減を行う。また、光送信機110は、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2’をWDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信光信号と、送信光信号L2’を波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。
WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、分波を行う。WDMフィルタ部235は、WDM光信号を、受信光信号L1に対応する光信号と、受信光信号L1の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’に対応する光信号に分波する。
WDMフィルタ部235は、受信光信号L1に対応する光信号をポスト光増幅部240に出力する。ポスト光増幅部240は、受信光信号L1に対応する光信号を光増幅し、光増幅装置20lの出力として、光増幅された受信光信号L1を光受信機120に出力する。光受信機120は光増幅された受信光信号L1を受信する。
またWDMフィルタ部235は、送信光信号L2’に対応する光信号を、ブースタ光増幅部233に出力する。ブースタ光増幅部233は、送信光信号L2’に対応する光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20lからの出力として高出力光増幅された送信光信号L2を出力する。
<第7の実施形態の効果>
以上、説明したように、第7の実施形態によっても、入力された受信光信号が低雑音光増幅部で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光と波長多重され、プリ光増幅部で光増幅されて光送受信装置に出力する。この構成により、第1から第6の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
また第7の実施形態によれば、入力された受信光信号L1は低雑音光増幅部231、プリ光増幅部232、及びポスト光増幅部240により光増幅されて光受信機に出力されるため、光通信装置をさらに高感度化できる。
また第7の実施形態によっても、光送信機からの送信光信号がゲインクランプ光として用いられることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができ、第1の実施形態の第2の変形例及び第2から第6の実施形態と同様、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
なおWDMフィルタ部235とポスト光増幅部240は、入れ替えられてもよい。図16は、第7の実施形態の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図16に示すように、光増幅装置20mにおいては、図15のWDMフィルタ部235とポスト光増幅部240を入れ替えた構成にし、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信光信号と、送信光信号L2’を波長多重させ、プリ光増幅部232に光増幅させたWDM光信号をポスト光増幅部240に入力する構成にしてもよい。このような構成によっても、第7の実施形態と同様な効果が実現できる。また本変形例によれば、送信光信号L2’は、プリ光増幅部232、ポスト光増幅部240及びブースタ光増幅部233により3段階に光増幅されて出力されるため、光通信装置の送信電力を向上させることができる。また本実施形態では、ポスト光増幅部240が1個のみの構成であるが、複数のポスト光増幅部240を多段で接続する構成にしてもよい。以降の実施形態においても、同様である。
<第8の実施形態>
次に第8の実施形態について説明する。図17は、第8の実施形態に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図17に示すように、光増幅装置20nは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nと、WDMフィルタ部234および235と、光合波部236と、光分波部237と、ポスト光増幅部240を備える。光送受信装置10dは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120を備える。本実施形態の光増幅装置20nは、第4の実施形態の光増幅装置20fに、WDMフィルタ部235からの光信号を光増幅して光受信機120に出力するポスト光増幅部240が追加された構成となっている。
なお本実施形態に係る光地上局用光通信装置においては、ダウンリンク光信号D1が、受信光信号L1として光増幅装置20lに入力され、光増幅装置20lから出力される送信光信号L2−1、・・・、L2−nが、アップリンク光信号U1となる。また本実施形態に係る衛星搭載用光通信装置においては、アップリンク光信号U1が、受信光信号L1として光増幅装置20lに入力され、光増幅装置20lから出力される送信光信号L2−1、・・・、L2−nが、ダウンリンク光信号D1となる。
また第1の実施形態と同様、光地上局用光通信装置及び衛星搭載用光通信装置は、図15の光増幅装置20l、及び、光送受信装置10以外に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30と、光送受信装置10、光増幅装置20l、及び光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
光増幅装置20に入力された受信光信号L1は、低雑音光増幅部231に入力される。低雑音光増幅部231は、入力された受信光信号L1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信光信号L1に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音の低減を行う。
光送信機110−1、・・・、110−nは、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを光合波部236に出力する。光合波部236は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを波長多重し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信光信号と、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号を、波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。
WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、分波を行う。WDMフィルタ部235は、光増幅されASE光雑音が低減されたWDM光信号を、受信光信号L1に対応する光信号と、受信光信号L1の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号に分波する。WDMフィルタ部235は、受信光信号L1に対応する光信号をポスト光増幅部240に出力し、ポスト光増幅部240は受信光信号L1に対応する光信号を光増幅し、光受信機120に出力する。光増幅された受信光信号L1は、光受信機120で受信される。
WDMフィルタ部235は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号を光分波部238に出力する。光分波部238は、WDM光信号を送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nに対応する光信号に分波し、対応するブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nに出力する。ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nは、それぞれ入力された光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20nからの出力として、高出力光増幅された送信光信号L2−1、・・・、L2−nを出力する。
<第8の実施形態の効果>
以上、説明したように、第8の実施形態によっても、入力された受信光信号が低雑音光増幅部で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光と波長多重され、プリ光増幅部で光増幅されて光送受信装置に出力される。この構成により、第1から第7の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
また第8の実施形態によれば、第7の実施形態と同様、入力された受信光信号L1は低雑音光増幅部231、プリ光増幅部232、及びポスト光増幅部240により3段階に光増幅されて光受信機に出力されるため、光通信装置をさらに高感度化できる。
また第8の実施形態によっても、光送信機からの送信光信号がゲインクランプ光として用いられることにより、ゲインクランプ光生成部を省略することができ、第1の実施形態の第2の変形例及び第2から第7の実施形態と同様、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
<第8の実施形態の変形例>
第8の実施形態の変形例について説明する。図18は、第8の実施形態の第1の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図18に示すように、本変形例の光増幅装置20oにおいては、図17のWDMフィルタ部235と、ポスト光増幅部240は、入れ替えられてもよい。すなわち低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信光信号と、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号を、波長多重させ、プリ光増幅部232に光増幅させたWDM光信号をポスト光増幅部240に入力させる構成となっている。このような構成によっても、第8の実施形態と同様な効果が実現できる。また本変形例によれば、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nは、プリ光増幅部232、ポスト光増幅部240及びブースタ光増幅部233により3段階に光増幅されて出力されるため、光通信装置の送信電力を向上させることができる。
図19は、第8の実施形態の第2の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図19において、光増幅装置20pは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234および235と、光合波部236と、ポスト光増幅部240を備える。光送受信装置10dは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120を備える。本変形例は、第8の実施形態において備えられていた光分波部237を備えず、光増幅装置から出力される送信光信号を波長多重された送信WDM光信号W2とする場合の構成例である。
光増幅装置20pに入力された受信光信号L1は、低雑音光増幅部231に入力される。低雑音光増幅部231は、入力された受信光信号L1を低雑音光増幅する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信光信号に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音の低減を行う。光送信機110−1、・・・、110−nは、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを、それぞれ光合波部236に出力する。光合波部236は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを波長多重し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信光信号と、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重された送信WDM光信号を、波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、分波を行う。WDMフィルタ部235は、WDM光信号を、受信光信号L1に対応する光信号と、受信光信号L1の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重された送信WDM光信号に対応するWDM光信号に分波する。
WDMフィルタ部235は、受信光信号L1に対応する光信号をポスト光増幅部240に出力し、ポスト光増幅部240は、受信光信号L1に対応する光信号を光増幅し、光受信機120に出力する。光受信機120は、光増幅された受信光信号L1’を受信する。
WDMフィルタ部235は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重された送信WDM光信号に対応するWDM光信号をブースタ光増幅部233に出力する。ブースタ光増幅部233は、WDM光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20pからの出力として、高出力光増幅された送信WDM光信号W2を出力する。
本変形例によれば光増幅装置から出力する送信光信号を波長多重されたWDM光信号とする場合においても、上記の第8の実施形態と同様な効果が得られる。
図20は、第8の実施形態の第3の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図20に示すように、本変形例の光増幅装置20qにおいては、図19のWDMフィルタ部235と、ポスト光増幅部240が、入れ替えられた構成となっている。すなわち低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信光信号と、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号を、波長多重させ、プリ光増幅部232に光増幅させたWDM光信号をポスト光増幅部240に入力させる構成となっている。このような構成によっても、第8の実施形態と同様な効果が実現できる。また本変形例によれば、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nは、プリ光増幅部232、ポスト光増幅部240及びブースタ光増幅部233により3段階に光増幅されて出力されるため、光通信装置の送信電力を向上させることができる。
<第9の実施形態>
次に第9の実施形態について説明する。図21は、第9の実施形態に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図21に示すように、光増幅装置20rは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234および235と、光分波部238と、ポスト光増幅部240−1、・・・、240−nを備える。光送受信装置10eは、光送信機110と、光受信機120−1、・・・、120−nとを備える。本実施形態の光増幅装置20rは、第5の実施形態の光増幅装置20iに、光分波部238で分波された各光信号を光増幅して光受信機120−1、・・・、120−nに出力するポスト光増幅部240−1、・・・、240−nが追加された構成となっている。
なお本実施形態に係る光地上局用光通信装置においては、ダウンリンク光信号D1が、波長多重された受信WDM光信号W1として光増幅装置20rに入力され、光増幅装置20rから出力される送信光信号L2が、アップリンク光信号U1となる。また本実施形態に係る衛星搭載用光通信装置においては、アップリンク光信号U1が、波長多重された受信WDM光信号W1として光増幅装置20rに入力され、光増幅装置から出力される送信光信号L2が、ダウンリンク光信号D1となる。
また第1の実施形態と同様、光地上局用光通信装置及び衛星搭載用光通信装置は、図21の光増幅装置20r、及び、光送受信装置10e以外に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30と、光送受信装置10e、光増幅装置20r、及び光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
光増幅装置20rに入力された、受信光信号L1−1、・・・、L1−nが波長多重された受信WDM光信号W1は、低雑音光増幅部231に入力される。低雑音光増幅部231は、入力された受信WDM光信号W1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信WDM光信号に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音の低減を行う。
光送信機110は、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2をWDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信WDM光信号と、送信光信号L2を波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減を行う。またWDMフィルタ部235は、光増幅されASE光雑音が低減されたWDM光信号を、受信WDM光信号に対応するWDM光信号と、受信WDM光信号の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’に対応する光信号に分波する。WDMフィルタ部235は、受信WDM光信号に対応するWDM光信号を、光分波部238に出力する。
光分波部238は、WDM光信号を、受信光信号L1−1、・・・、L1−nに分波し、それぞれ、対応するポスト光増幅部240−1、・・・、240−nに出力する。ポスト光増幅部240−1、・・・、240−nは、入力された受信光信号を光増幅し、対応する光受信機120−1、・・・、120−nに、光増幅した受信光信号L1−1、・・・、L1−nを出力する。光受信機120−1、・・・、120−nはそれぞれ対応する受信光信号L1−1、・・・、L1−nを受信する。
WDMフィルタ部235は、送信光信号L2’に対応する光信号を、ブースタ光増幅部233に出力する。ブースタ光増幅部233は、送信光信号L2’に対応する光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20rからの出力として、高出力光増幅した送信光信号L2を出力する。
<第9の実施形態の効果>
以上、説明したように、第9の実施形態によっても、入力された受信光信号が低雑音光増幅部で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光と波長多重され、プリ光増幅部で光増幅されて光送受信装置に出力される。この構成により、第1から第8の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
また第9の実施形態によれば、第7、第8の実施形態と同様、入力された受信光信号L1は低雑音光増幅部231、プリ光増幅部232、及びポスト光増幅部240−1、・・・、240−nにより3段階に光増幅されて光受信機に出力されるため、光通信装置をさらに高感度化できる。
また第9の実施形態によっても、光送信機からの送信光信号をゲインクランプ光として用いることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができ、第1の実施形態の第2の変形例及び第2から第8の実施形態と同様、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
<第9の実施形態の変形例>
次に第9の実施形態の変形例について説明する。図22は、第9の実施形態の第1の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図22に示すように、本変形例の光増幅装置20sにおいては、第9の実施形態の光増幅装置20rと比較すると、WDMフィルタ部235から出力されたWDM光信号がポスト光増幅部240で光増幅され、光増幅されたWDM光信号が光分波部238に入力される。
このような構成によっても、第9の実施形態と同様な効果が実現できる。また本変形例によれば、ポスト光増幅部の数を1つに削減することができる。
図23は、第9の実施形態の第2の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。第9の実施形態の光増幅装置20sと比較すると、本変形例の光増幅装置20tにおいては、WDMフィルタ部235と、ポスト光増幅部240が入れ替えられている。
また、本変形例の光増幅装置20tにおいては、受信WDM光信号W1を低雑音光増幅した受信WDM光信号と、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2’が波長多重され、プリ光増幅部232で光増幅されたWDM光信号がポスト光増幅部240に入力される。
このような構成によっても、第9の実施形態と同様な効果が実現できる。また本変形例によれば、第8の実施形態の第1及び第3の変形例と同様、送信光信号L2’は、プリ光増幅部232、ポスト光増幅部240及びブースタ光増幅部233により3段階に光増幅されて出力されるため、光通信装置の送信電力を向上させることができる。
<第10の実施形態>
次に第10の実施形態について説明する。図24は、第10の実施形態に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図24に示すように、本実施形態の光増幅装置20uは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nと、WDMフィルタ部234と、光フィルタ部239と、ポスト光増幅部240−1、・・・、240−nを備える。光送受信装置10eは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120−1、・・・、120−nを備える。本実施形態の光増幅装置20uは、第6の実施形態の光増幅装置20jに、光フィルタ部239から光受信機120−1、・・・、120−nに出力される各光信号を光増幅するポスト光増幅部240−1、・・・、240−nが追加された構成となっている。
なお本実施形態に係る光地上局用光通信装置においては、ダウンリンク光信号D1が、受信光信号L1として光増幅装置20uに入力され、光増幅装置20uから出力される送信光信号L2−1、・・・、L2−nが、アップリンク光信号U1となる。また本実施形態に係る衛星搭載用光通信装置においては、アップリンク光信号U1が、受信光信号L1として光増幅装置20uに入力され、光増幅装置20uから出力される送信光信号L2−1、・・・、L2−nが、ダウンリンク光信号D1となる。
また第1の実施形態と同様、光地上局用光通信装置及び衛星搭載用光通信装置は、図24の光増幅装置20u、及び、光送受信装置10e以外に、アップリンク光信号U1とダウンリンク光信号D1の捕捉追尾を行う光捕捉追尾装置30と、光送受信装置10e、光増幅装置20u、及び光捕捉追尾装置30の制御を行う制御装置40を備える。
光増幅装置20uに入力された、n個の受信光信号が波長多重された受信WDM光信号W1は、低雑音光増幅部231に入力され、低雑音光増幅部231は、入力された受信WDM光信号W1を低雑音光増幅し、WDMフィルタ部234に出力する。WDMフィルタ部234は、低雑音光増幅された受信WDM光信号に対し、低雑音光増幅部231で発生したASE光雑音を低減する。
また光送信機110−1、・・・、110−nは、ゲインクランプ光としての役割も担う送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nをそれぞれ光合波部236に出力する。光合波部236は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nを波長多重し、WDMフィルタ部234に出力する。
WDMフィルタ部234は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重された送信WDM光信号と、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信WDM光信号を波長多重し、プリ光増幅部232に出力する。プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、光フィルタ部239に出力する。
光フィルタ部239は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、分波を行う。光フィルタ部239は、光増幅されたWDM光信号を、n個の受信光信号L1−1、・・・、L1−nに対応するn個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nと、送信光信号L2−1、・・・、L2−nに対応するn個の送信光信号に分波する。
光フィルタ部239は、n個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nを、それぞれ対応するポスト光増幅部240−1、・・・、240−nに出力する。ポスト光増幅部240−1、・・・、240−nは、それぞれ入力された送信光信号を光増幅し、対応する光受信機120−1、・・・、120−nに出力する。光受信機120−1、・・・、120−nは、それぞれ入力された受信光信号を受信する。
また光フィルタ部239は、n個の送信光信号を、それぞれ対応するブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nに出力する。ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nは、それぞれ、入力された送信光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20jからの出力として、高出力光増幅された送信光信号L2−1、・・・、L2−nを出力する。
<第10の実施形態の効果>
以上、説明したように、第10の実施形態によっても、入力された受信光信号が低雑音光増幅部で低雑音光増幅された後に、ゲインクランプ光と波長多重され、プリ光増幅部で光増幅されて光送受信装置に出力される。この構成により、第1から第9の実施形態と同様、地上と衛星間の大気伝搬環境下の高速なレベル変動による光サージの影響の緩和と、光通信装置の高感度化が実現できる。
また第10の実施形態によっても、第7から第9の実施形態と同様、入力された受信光信号L1は低雑音光増幅部231、プリ光増幅部232、及びポスト光増幅部240−1、・・・、240−nにより3段階に光増幅されて光受信機に出力されるため、光通信装置がさらに高感度化できる。
また第10の実施形態によっても、光送信機からの送信光信号をゲインクランプ光として用いることにより、第1の実施形態に備えられていたゲインクランプ光生成部を省略することができる。したがって、第10の実施形態によれば、第1の実施形態の第2の変形例および第2から第9の実施形態と同様、光増幅装置の小型化や軽量化、高効率化、低消費電力化が実現できる。
<第10の実施形態の変形例>
次に第10の実施形態の変形例について説明する。図25は、第10の実施形態の第1の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図25に示すように、光増幅装置20vは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234および235と、光合波部236と、光分波部238と、ポスト光増幅部240−1、・・・、240−nを備える。光送受信装置10eは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120−1、・・・、120−nを備える。本変形例の光増幅装置20vでは、図24の光増幅装置20uと比較して、光フィルタ部239に代わりにWDMフィルタ部235及び光分波部238を備え、光増幅装置から出力される送信光信号は波長多重されたWDM光信号とする構成となっている点で異なる。
本変形例では、プリ光増幅部232は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重された送信WDM光信号と、低雑音光増幅されASE光雑音が低減された受信WDM光信号とが波長多重されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。
WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232で発生したASE光雑音の低減と、分波を行う。WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号を、受信WDM光信号W1に対応するWDM光信号と、受信WDM光信号W1の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号に分波する。
WDMフィルタ部235は、受信WDM光信号W1に対応するWDM光信号を光分波部238に出力する。光分波部238は、受信WDM光信号W1に対応するWDM光信号を、n個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nに分波し、それぞれ対応するポスト光増幅部240−1、・・・、240−nに出力する。ポスト光増幅部240−1、・・・、240−nは、それぞれ入力された送信光信号を光増幅し、対応する光受信機120−1、・・・、120−nに出力する。光受信機120−1、・・・、120−nは、それぞれ入力された受信光信号を受信する。
またWDMフィルタ部235は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号を、ブースタ光増幅部233に出力する。ブースタ光増幅部233は、入力されたWDM光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20vからの出力として、高出力光増幅された送信WDM光信号W2を出力する。
本変形例によれば光増幅装置から出力する送信光信号を波長多重されたWDM光信号とする場合においても、上記の第10の実施形態と同様な効果が得られる。
図26は、第10の実施形態の第2の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図26に示すように、本変形例の光増幅装置20wは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nと、WDMフィルタ部234および235と、光合波部236と、光分波部237および238と、ポスト光増幅部240を備える。また光送受信装置10eは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120−1、・・・、120−nを備える。本変形例の光増幅装置20wでは、図25の光増幅装置20vと比較して、WDMフィルタ部235が出力する送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号を分波する光分波部237を備える構成となっている。また本変形例の光増幅装置20wでは、WDMフィルタ部235が出力する受信WDM光信号W1に対応するWDM光信号をポスト光増幅部240で光増幅し、光増幅されたWDM光信号を光分波部238に入力させる構成となっている。
WDMフィルタ部235は、受信WDM光信号W1に対応するWDM光信号をポスト光増幅部240に出力する。ポスト光増幅部240は入力されたWDM光信号を光増幅し、光分波部238に出力する。光分波部238は、光増幅されたWDM光信号を、n個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nに分波し、対応する光受信機120−1、・・・、120−nに出力する。光受信機120−1、・・・、120−nは、それぞれ、入力された受信光信号を受信する。
またWDMフィルタ部235は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号を、光分波部237に出力する。光分波部237は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号を分波し、対応するブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nに出力する。ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nは、それぞれ、入力されたWDM光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20wからの出力として、高出力光増幅された送信光信号L2−1、・・・、L2−nを出力する。
このような構成によっても、第10の実施形態と同様な効果が実現できる。また本変形例によれば、ポスト光増幅部の数を1つに削減することができる。
図27は、第10の実施形態の第3の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図27に示すように、本変形例の光増幅装置20xでは、図24の光増幅装置20uと比較して、プリ光増幅部232から出力されたWDM光信号がポスト光増幅部240で光増幅されて光フィルタ部239に出力されている。
本変形例では、プリ光増幅部232は、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、ポスト光増幅部240に出力する。ポスト光増幅部240は、プリ光増幅部232はで光増幅されたWDM光信号を光増幅し、光フィルタ部239に出力する。
光フィルタ部239は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232及びポスト光増幅部240で発生したASE光雑音の低減と、分波を行う。光フィルタ部239は、光増幅されたWDM光信号を、n個の受信光信号L1−1、・・・、L1−nに対応するn個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nと、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nに対応するn個の送信光信号に分波する。
光フィルタ部239は、n個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nを、それぞれ対応する光受信機120−1、・・・、120−nに出力する。光受信機120−1、・・・、120−nは、それぞれ入力された受信光信号を受信する。
また光フィルタ部239は、n個の送信光信号を、それぞれ対応するブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nに出力する。ブースタ光増幅部233−1、・・・、233−nは、それぞれ、入力された送信光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20jからの出力として、高出力光増幅された送信光信号L2−1、・・・、L2−nを出力する。
このような構成によっても、第10の実施形態と同様な効果が実現できる。また本変形例によれば、第8の実施形態の第1及び第3の変形例と同様、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nは、プリ光増幅部232、ポスト光増幅部240及びブースタ光増幅部233により3段階に光増幅されて出力されるため、光通信装置の送信電力を向上させることができる。
図28は、第10の実施形態の第4の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図28において、光増幅装置20yは、低雑音光増幅部231と、プリ光増幅部232と、ブースタ光増幅部233と、WDMフィルタ部234および235と、光合波部236と、光分波部238と、ポスト光増幅部240を備える。光送受信装置10eは、光送信機110−1、・・・、110−nと、光受信機120−1、・・・、120−nを備える。本変形例は、第10の実施形態の第2の変形例において備えられていた光分波部237を備えず、光増幅装置から出力される送信光信号を波長多重された送信WDM光信号W2とする場合の構成例である。
WDMフィルタ部235は、第2の変形例と同様、受信WDM光信号W1に対応するWDM光信号をポスト光増幅部240に出力する。ポスト光増幅部240は入力されたWDM光信号を光増幅し、光分波部238に出力する。光分波部238は、光増幅されたWDM光信号を、n個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nに分波し、対応する光受信機120−1、・・・、120−nに出力する。光受信機120−1、・・・、120−nは、それぞれ、入力された受信光信号を受信する。
一方、本変形例では、WDMフィルタ部235は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号を、ブースタ光増幅部233に出力する。ブースタ光増幅部233は、入力されたWDM光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20yからの出力として、高出力光増幅された送信WDM光信号W2を出力する。
本変形例によれば光増幅装置から出力する送信光信号を波長多重されたWDM光信号とする場合においても、上記の第2の変形例と同様な効果が得られる。
図29は、第10の実施形態の第5の変形例に係る、光増幅装置と光送受信装置の構成図である。図29に示すように、本変形例の光増幅装置20zでは、第4の変形例の光増幅装置20yの構成と比較して、ポスト光増幅部240と、WDMフィルタ部235が入れ替えられている。
本変形例では、プリ光増幅部232は、第3の変形例と同様、波長多重されたWDM光信号を光増幅し、ポスト光増幅部240に出力する。ポスト光増幅部240は、プリ光増幅部232はで光増幅されたWDM光信号を光増幅し、WDMフィルタ部235に出力する。WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号に対し、プリ光増幅部232及びポスト光増幅部240で発生したASE光雑音の低減と、分波を行う。WDMフィルタ部235は、光増幅されたWDM光信号を、受信WDM光信号に対応するWDM光信号と、受信WDM光信号の波長成分が除去されたWDM光信号、すなわち送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号に分波する。WDMフィルタ部235は、受信WDM光信号に対応するWDM光信号を光分波部238に出力する。光分波部238は、入力されたWDM光信号をn個の受信光信号L1’−1、・・・、L1’−nに分波し、対応する光受信機120−1、・・・、120−nに出力する。光受信機120−1、・・・、120−nは、それぞれ入力された受信光信号を受信する。
またWDMフィルタ部235は、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nが波長多重されたWDM光信号に対応するWDM光信号を、ブースタ光増幅部233に出力する。ブースタ光増幅部233は、入力されたWDM光信号を高出力光増幅し、光増幅装置20zからの出力として、高出力光増幅された送信WDM光信号W2を出力する。
このような構成によっても、第10の実施形態と同様な効果が実現できる。また本変形例によれば、第8の実施形態の第1及び第3の変形例と同様、送信光信号L2’−1、・・・、L2’−nは、プリ光増幅部232、ポスト光増幅部240及びブースタ光増幅部233により3段階に光増幅されて出力されるため、光通信装置の送信電力を向上させることができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における光増幅装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
受信光信号の低雑音光増幅を行う低雑音光増幅部と、
低雑音光増幅された受信光信号とゲインクランプ光を波長多重したWDM光信号を生成する光合波部と、
前記WDM光信号の光増幅を行う第1のポスト光増幅部と、
前記第1のポスト光増幅部により光増幅されたWDM光信号から前記受信光信号に対応する光信号を通過させる光フィルタ部と、
送信光信号が光増幅された光信号を高出力光増幅するブースタ光増幅部と、
を有する光増幅装置。
(付記2)
前記ゲインクランプ光として、前記送信光信号が用いられ、
前記光フィルタ部は、前記WDM光信号から前記送信光信号が光増幅された光信号を分波し、前記ブースタ光増幅部に向けて出力する、
付記1に記載の光増幅装置。
(付記3)
前記ゲインクランプ光は、複数の送信光信号を波長多重した光信号であり、
前記光フィルタ部により受信光信号の波長成分が除去された光信号を、前記複数の送信光信号に対応する複数の光信号に分波する光分波部を有し、
前記ブースタ光増幅部は、前記複数の送信光信号に対応する複数の光信号をそれぞれ高出力光増幅する複数のブースタ光増幅部を有する、
付記1に記載の光増幅装置。
(付記4)
前記ゲインクランプ光は、複数の送信光信号を波長多重した光信号であり、
前記ブースタ光増幅部は、前記光フィルタ部で受信光信号の波長成分が除去された、前記複数の送信光信号を波長多重した光信号に対応する光信号を一括に高出力光増幅する、
付記1に記載の光増幅装置。
(付記5)
前記光フィルタ部を通過した光信号を光増幅する第2のポスト光増幅部を有する、付記1から4のいずれかに記載の光増幅装置。
(付記6)
前記第1のポスト光増幅部の出力を光増幅して前記光フィルタ部に出力する第3のポスト光増幅部を有する、付記1から4のいずれかに記載の光増幅装置。
(付記7)
前記受信光信号は、複数の光信号が波長多重された光信号であり、
前記光フィルタ部を通過した光信号を、前記複数の受信光信号にそれぞれ対応する光信号に分波する光分波部を有する、
付記1から4のいずれかに記載の光増幅装置。
(付記8)
前記受信光信号は、複数の光信号が波長多重された光信号であり、
前記光フィルタ部は、前記受信光信号に対応する光信号を、前記複数の受信光信号にそれぞれ対応する光信号に分波する、
付記1から3に記載の光増幅装置。
(付記9)
付記1に記載の光増幅装置と、
前記光フィルタ部を通過した光信号を受信する光受信機と、
前記光増幅装置に送信光信号を送信する光送信機と、
を有し、
前記光増幅装置は、前記送信光信号を光増幅するプリ光増幅部を有する、
光通信装置。
(付記10)
前記光送信機は、前記ゲインクランプ光を生成し前記光合波部に出力する、付記9の光通信装置。
(付記11)
付記2に記載の光増幅装置と、
前記光フィルタ部を通過した光信号を受信する光受信機と、
前記送信光信号を前記光合波部に送信する光送信機と、
を有する、
光通信装置。
(付記12)
付記3又は4に記載の光増幅装置と、
前記光フィルタ部を通過した光信号を受信する光受信機と、
前記複数の送信光信号をそれぞれ送信する複数の光送信機と、
を有する、
光通信装置。
(付記13)
付記6に記載の光増幅装置と、
前記第2のポスト光増幅部により光増幅された光信号を受信する光受信機と、
前記送信光信号を送信する1以上の光送信機と、
を有する、
光通信装置。
(付記14)
付記7に記載の光増幅装置と、
前記分波部から出力される前記複数の光信号をそれぞれ受信する複数の光受信機と、
前記送信光信号を送信する1以上の光送信機と、
を有する、
光通信装置。
(付記15)
付記8に記載の光増幅装置と、
前記光フィルタ部から出力される前記複数の光信号をそれぞれ受信する複数の光受信機と、
前記送信光信号を送信する1以上の光送信機と、
を有する、
光通信装置。