JP2020107382A - 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ - Google Patents

磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ Download PDF

Info

Publication number
JP2020107382A
JP2020107382A JP2018247148A JP2018247148A JP2020107382A JP 2020107382 A JP2020107382 A JP 2020107382A JP 2018247148 A JP2018247148 A JP 2018247148A JP 2018247148 A JP2018247148 A JP 2018247148A JP 2020107382 A JP2020107382 A JP 2020107382A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
recording medium
substrate
aluminum alloy
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018247148A
Other languages
English (en)
Inventor
孝治 幸松
Koji Komatsu
孝治 幸松
裕之 町田
Hiroyuki Machida
裕之 町田
翔 横山
Sho Yokoyama
翔 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2018247148A priority Critical patent/JP2020107382A/ja
Priority to CN201911353188.7A priority patent/CN111383667A/zh
Priority to US16/727,549 priority patent/US20200211595A1/en
Publication of JP2020107382A publication Critical patent/JP2020107382A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/735Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer characterised by the back layer
    • G11B5/7353Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer characterised by the back layer for a thin film medium where the magnetic recording layer structure has no bonding agent
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/7368Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer
    • G11B5/7371Non-magnetic single underlayer comprising nickel
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/739Magnetic recording media substrates
    • G11B5/73911Inorganic substrates
    • G11B5/73917Metallic substrates, i.e. elemental metal or metal alloy substrates
    • G11B5/73919Aluminium or titanium elemental or alloy substrates
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/74Record carriers characterised by the form, e.g. sheet shaped to wrap around a drum
    • G11B5/82Disk carriers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/8404Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers manufacturing base layers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/858Producing a magnetic layer by electro-plating or electroless plating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】3.5インチ型HDD用サイズで、物理的な衝撃によって表面に隆起部が形成されにくく、かつフラッタリングによる変位の幅が小さい磁気記録媒体用基板を提供する。【解決手段】Al合金基板と、Al合金基板の表面に備えられたNi合金めっき被膜とを有し、直径が95〜98mmであって、中央に内径が19〜26mmである孔を有する円盤状であり、厚さが0.48〜0.64mmであって、質量が9.0〜15.0gであり、Al合金基板はヤング率Eが74GPa以上で、密度ρが2.75g/cm3以下であって、ヤング率Eと密度ρとの比E/ρが27以上であり、Ni合金めっき被膜は厚さが4〜7μmにあって、先端が正四角錐状のダイヤモンド圧子を、Ni合金めっき被膜の表面に対して垂直方向に0.49Nの試験力で10秒間押し込んで圧痕を形成したときに、圧痕の周囲に生成する隆起部の平均高さが10〜50nmにある磁気記録媒体用基板。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体及びハードディスクドライブ(HDD)に関する。
近年、ハードディスクドライブに用いられる磁気記録媒体は、記録密度の著しい向上が図られつつある。特に、MR(magneto resistive)ヘッドやPRML(Partial Response Maximum Likelihood)技術が導入されて以来、磁気記録媒体の面記録密度の上昇は、更に激しさを増している。
また、近年のインタ−ネット網の発展やビッグデータの活用の拡大から、データセンターにおけるデータの蓄積量も増大を続けている。そして、データセンターのスペース上の問題から、データセンターの単位体積当たりの記録容量を高める必要性が生じている。すなわち、規格化されたハードディスクドライブの一台当たりの記録容量を高めるため、磁気記録媒体の一枚当たりの記録容量を高めることに加え、ドライブケースの内部に納める磁気記録媒体の枚数を増やすことが試みられている。
磁気記録媒体用基板としては、主に、アルミニウム合金基板とガラス基板が用いられている。このうち、アルミニウム合金基板は、ガラス基板に比べて、靱性が高く、製造が容易であることから、外径が比較的大きい磁気記録媒体に用いられている。3.5インチ型ハードディスクドライブの磁気記録媒体に用いられるアルミニウム合金基板の厚さは、通常、1.27mmであるため、ドライブケースの内部には、最大で5枚の磁気記録媒体を納めることができる。
ドライブケースの内部に納める磁気記録媒体の枚数を増やすため、磁気記録媒体に用いられる基板を薄くすることが試みられている。
しかしながら、基板を薄くした場合、アルミニウム合金基板は、ガラス基板に比べ、フラッタリングを生じやすい問題がある。
フラッタリングとは、磁気記録媒体を高速回転させた場合に生じる磁気記録媒体のばたつきであり、フラッタリングが大きくなると、ハードディスクドライブの磁気情報を安定して読み取ることが困難になる。
例えば、ガラス基板においては、フラッタリングを抑制するために、磁気記録媒体用基板の材料として、比弾性(比ヤング率)の高い材料を使用することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、3.5インチ型ハードディスクドライブのドライブケースの内部にヘリウムガスを充填してフラッタリングを低減する技術が知られている。これにより、アルミニウム合金基板を薄くすることができ、ドライブケースの内部に6枚以上の磁気記録媒体を収納することが試みられている。
磁気記録媒体用基板は、一般的には、以下の工程によって製造されている。
まず、アルミニウム合金鋳塊を圧延して、厚さ2mm以下程度のアルミニウム合金板材を得、このアルミニウム合金板材を円盤状に打ち抜いて所望の寸法とする。
次に、打ち抜かれたアルミニウム合金板材の円盤に対し、内外径の面取り加工およびデータ面の旋削加工を施す。その後、アルミニウム合金板材の表面粗さやうねりを下げるために、砥石による研削加工を施し、アルミニウム合金基板とする。次いで、表面硬さの付与と表面欠陥の抑制を目的として、アルミニウム合金基板の表面にNiPなどのニッケル合金めっきを施す。次に、ニッケル合金めっき被膜が形成されたアルミニウム合金基板の両面(データ面)に対し、研磨加工を施す。
磁気記録媒体用基板は、大量生産品であり、高いコストパフォーマンスが求められるため、アルミニウム合金には、高い機械加工性と廉価性が求められる。
特許文献2には、Mg:0.3〜6質量%、Si:0.3〜10質量%、Zn:0.05〜1質量%およびSr:0.001〜0.3質量%を含み、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金が開示されている。
特許文献3には、0.5質量%以上24.0質量%以下のSiと、0.01質量%以上3.00質量%以下のFeとを含有し、残部Alと不可避的不純物からなる磁気ディスク用アルミニウム合金基板が開示されている。
特許文献4には、Mg2.0〜6.0wt%を含有するAl−Mg系合金を板厚が4〜10mmの薄板に連続鋳造を行い、この鋳造板を均熱処理を行わずに50%以上の強加工率で冷間圧延を行った後、300〜400℃の温度において焼鈍を行い、表層部の平均結晶粒径が15μm以下の圧延板を製造する磁気ディスク用Al−Mg系合金圧延板の製造法が開示されている。ここで、Al−Mg系合金は、Mg2.0〜6.0wt%、Ti、Bの1種または2種0.01〜0.1wt%含有し、さらに、Cr0.03〜0.3wt%、Mn0.03〜0.3wt%の1種または2種を含有する。
特許文献5には、ヤング率が高く機械加工性に優れた磁気記録媒体用基板を提供するため、Mgを0.2〜6質量%の範囲内、Siを3〜17質量%の範囲内、Znを0.05〜2質量%の範囲内、Srを0.001〜1質量%の範囲内で含み、アルミニウム合金基板の合金組織においてSi粒子の平均粒径を2μm以下とする技術が開示されている。
特開2015−26414号公報 特開2009−24265号公報 再公表WO2016/068293号公報 特開平6−145927号公報 特開2017−120680号公報
ハードディスクドライブの磁気記録媒体の基板として用いる磁気記録媒体用基板は、ハードディスクドライブを落下したときやハードディスクドライブの磁気ヘッドと磁気記録媒体とが接触したときなどの物理的な衝撃によって変形しにくいことが好ましい。しかしながら、特許文献2〜5に記載されている従来の磁気記録媒体用のアルミニウム合金基板は、物理的な衝撃を受けると、衝撃を受けた部分が潰れて、その周囲が隆起するように変形しやすい傾向があった。磁気記録媒体の表面に隆起部が形成されると、ハードディスクドライブの使用中に、磁気ヘッドと隆起部とが接触して、磁気ヘッドが破損してしまうことがある。このため、磁気記録媒体は表面に隆起部が形成されにくいことが望ましい。特に、3.5インチ型ハードディスクドライブでは高記憶容量化のために、磁気記録媒体の厚さを薄くしたり、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間隔を狭くしたりすることによって、ドライブケースに収容できる磁気記録媒体の枚数を増加することが検討されている。このため、衝撃によって表面に隆起部が形成されにくい、すなわち硬度や剛性が高い磁気記録媒体用基板が望まれている。
磁気記録媒体用基板の硬度や剛性を向上させる方法として、ニッケル合金めっき被膜の膜厚を厚くする方法が考えられる。しかしながら、この場合には磁気記録媒体用基板の質量が大きくなって、フラッタリングによる変位の幅(NRRO:None Repeatable Run−Out)が大きくなるおそれがある。NRROが大きくなると、ハードディスクドライブの使用時に磁気ヘッドと磁気記録媒体とが接触しやすくなるという問題がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、3.5インチ型ハードディスクドライブ用サイズで、物理的な衝撃によって表面に隆起部が形成されにくく、かつフラッタリングによる変位の幅(NRRO)が小さい磁気記録媒体用基板を提供することを目的とする。本発明はまた、上記の磁気記録媒体用基板を有する磁気記録媒体およびこれを具備したハードディスクドライブを提供することも、その目的とする。
本発明の発明者らは鋭意研究を行った結果、磁気記録媒体用基板のサイズと質量を所定の範囲内とすること、アルミニウム合金基板として、ヤング率E、密度ρ、そしてヤング率Eと密度ρとの比E/ρが所定の範囲内にあるものを用いること、ニッケル合金めっき被膜の厚さを所定の範囲内とし、かつ先端が正四角錐状のダイヤモンド圧子を、ニッケル合金めっき被膜の表面に対して垂直方向に0.49Nの試験力で10秒間押し込んで圧痕を形成したときに、圧痕の周囲に生成する隆起部の平均高さが所定の範囲内となるように高剛性のアルミニウム合金基板を用いることによって、3.5インチ型ハードディスク用サイズであっても、物理的な衝撃によって表面に隆起部が形成されにくくかつフラッタリングによる変位の幅(NRRO)が小さい磁気記録媒体用基板を得ることが可能となることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、前記の課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係る磁気記録媒体用基板は、アルミニウム合金基板と、前記アルミニウム合金基板の少なくとも一方の表面に備えられたニッケル合金めっき被膜とを有する磁気記録媒体用基板であって、直径が95mm以上98mm以下の範囲内にあって、中央に内径が19mm以上26mm以下の範囲内にある孔を有する円盤状であり、厚さが0.48mm以上0.64mm以下の範囲内にあって、質量が9.0g以上15.0g以下の範囲内にあり、前記アルミニウム合金基板は、ヤング率Eが74GPa以上で、密度ρが2.75g/cm以下であって、単位がGPaで表されるヤング率Eと、単位がg/cmで表される密度ρとの比E/ρが27以上であり、前記ニッケル合金めっき被膜は、厚さが4μm以上7μm以下の範囲内にあって、先端が正四角錐状のダイヤモンド圧子を、前記ニッケル合金めっき被膜の表面に対して垂直方向に0.49Nの試験力で10秒間押し込んで圧痕を形成したときに、前記圧痕の周囲に生成する隆起部の平均高さが10nm以上50nm以下の範囲内にあることを特徴とする。
(2)本発明の一態様に係る磁気記録媒体は、磁気記録媒体用基板と、前記磁気記録媒体用基板の表面に備えられている磁性層とを有する磁気記録媒体であって、前記磁気記録媒体用基板が、前記(1)に記載の磁気記録媒体用基板であって、前記磁性層が、前記磁気記録媒体用基板の前記ニッケル合金めっき被膜が形成されている側の表面に備えられていることを特徴とする。
(3)本発明の一態様に係るハードディスクドライブは、磁気記録媒体を具備したハードディスクドライブであって、前記磁気記録媒体が前記(2)に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする。
本発明によれば、3.5インチ型ハードディスクドライブ用サイズで、物理的な衝撃によって表面に隆起部が形成されにくく、かつフラッタリングによる変位の幅(NRRO)が小さい磁気記録媒体用基板を提供することができる。また、本発明によれば、上記の磁気記録媒体用基板を有する磁気記録媒体およびこれを具備したハードディスクドライブを提供することができる。
本実施形態に係る磁気記録媒体用基板の一例を示す断面模式図である。 ニッケル合金めっき被膜の表面に形成した圧痕の周囲に生成する隆起部の平均高さを測定する方法を説明する図である。 本実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造において用いることができる研磨盤の一例を示す斜視図である。 本実施形態に係る磁気記録媒体の一例を示す断面模式図である。 本実施形態に係るハードディスクドライブの一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブについて、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。
[磁気記録媒体用基板]
図1は、本実施形態に係る磁気記録媒体用基板の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、磁気記録媒体用基板10は、アルミニウム合金基板11と、アルミニウム合金基板11の少なくとも一方の表面に形成されているニッケル合金めっき被膜12とを有する。磁気記録媒体用基板10は、直径が95mm以上98mm以下の範囲内にあって、中央に内径が19mm以上26mm以下の範囲内にある孔を有し、厚さが0.48mm以上0.64mm以下の範囲内にある円盤状とされている。磁気記録媒体用基板10の直径は、3.5インチ型ハードディスク用として用いられる通常の磁気記録媒体用基板と同じである。磁気記録媒体用基板10の孔は、3.5インチ型ハードディスクドライブの駆動シャフトが挿入される部分である。磁気記録媒体用基板10の孔の内径は、3.5インチ型ハードディスク用として用いられる通常の磁気記録媒体用基板と同じである。
本実施形態の磁気記録媒体用基板10は、質量が9.0g以上15.0g以下の範囲内とされている。質量が上記の範囲内にあることによって、NRRO(フラッタリングによる変位の幅)を小さくすることができる。磁気記録媒体用基板10の質量は、9.0g以上14.0g以下の範囲内にあることが好ましく、9.0g以上13.0g以下の範囲内にあることが特に好ましい。
<アルミニウム合金基板>
アルミニウム合金基板11は、ヤング率Eが74GPa以上で、密度ρが2.75g/cm以下であって、単位がGPaで表されるヤング率Eと、単位がg/cmで表される密度ρとの比E/ρが27以上とされている。
以下、アルミニウム合金基板11の各物性を上記のように規定した理由について説明する。
(ヤング率E:74GPa以上)
ヤング率は、変形のしやすさを表す指標となる。アルミニウム合金基板11のヤング率Eが大きくなると、NRROが小さくなる傾向ある。このため、本実施形態では、アルミニウム合金基板11のヤング率Eを74GPa以上と設定している。アルミニウム合金基板11のヤング率は、74GPa以上100GPa以下の範囲内にあることが好ましい。
なお、ヤング率は、日本工業規格JIS Z 2280−1993(金属材料の高温ヤング率試験方法)に規定された方法に基づいて、常温で測定した値である。
(密度ρ:2.75g/cm以下)
アルミニウム合金基板11の密度ρが小さくなると、NRROが小さくなる傾向がある。このため、本実施形態では、アルミニウム合金基板11の密度ρを2.75g/cm以下と設定している。アルミニウム合金基板11の密度ρは、アルミニウム合金基板の組成によって変動するが、2.60g/cm以上2.75g/cm以下の範囲内にあることが好ましい。
なお、アルミニウム合金基板11の密度は、アルキメデス法により測定した値である。
(比E/ρ:27以上)
ヤング率E(単位:GPa)と、密度ρ(単位:g/cm)との比E/ρが高くなると、フラッタリングが起こりにくく、またNRROが小さくなる傾向がある。このため、本実施形態では、比E/ρを27以上と設定している。アルミニウム合金基板11の比E/ρは、28以上38以下の範囲内にあることが好ましい。
アルミニウム合金基板11は、例えば、アルミニウム合金鋳塊を作製する鋳造工程と、アルミニウム合金鋳塊を板状に圧延してアルミニウム合金板材を得る圧延工程と、アルミニウム合金板材をアルミニウム合金基板11に成形する加工工程とを含む方法によって製造することができる。
鋳造工程では、アルミニウム合金を鋳造して、アルミニウム合金鋳塊を作製する。
アルミニウム合金を鋳造する方法としては、例えば、ダイレクトチル鋳造法(DC鋳造法)あるいは連続鋳造法(CC)などのアルミニウム合金の鋳塊方法として用いられている公知の方法を用いることができる。ダイレクトチル鋳造法とは、アルミニウム合金の溶湯を、鋳型に注湯し、その後鋳型を直接冷却水に接触させて、アルミニウム合金鋳塊を鋳造する方法である。連続鋳造法とは、アルミニウム合金の溶湯を連続的に鋳型に注湯して、鋳型内で急速冷却する方法である。
圧延工程では、上記の鋳造工程で得られたアルミニウム合金鋳塊を板状に圧延してアルミニウム合金板材を得る。圧延方法としては、特に制限はなく、熱間圧延法および冷間圧延法を用いることができる。圧延の条件には、特に制限はなく、アルミニウム合金鋳塊の圧延で行われている通常の条件とすることができる。
加工工程では、まず、上記圧延工程で得られたアルミニウム合金板材を円盤状に打ち抜いて、アルミニウム合金円盤を得る。次いで、アルミニウム合金円盤を300℃以上500℃以下の温度で、0.5時間以上5時間以下の範囲内で加熱して、焼鈍する。焼鈍を行うことによって、アルミニウム合金円盤に内在する歪を緩和し、得られるアルミニウム合金基板の剛性を適正な範囲内に調整することができる。次に、焼鈍したアルミニウム合金円盤の表面、端面を、切削工具を用いて切削加工する。切削工具としては、例えば、ダイヤモンドバイトを用いることができる。なお、焼鈍は切削加工後に行ってもよい。
<ニッケル合金めっき被膜>
ニッケル合金めっき被膜12は、磁気記録媒体用基板10の表面の硬さを高めて、磁気記録媒体用基板10の強度を向上させる作用と、磁気記録媒体用基板10の表面を平坦化して、表面欠陥を抑制する作用を有する。ニッケル合金めっき被膜12の厚さが薄くなりすぎると、上記の作用が得られにくくなるおそれがある。一方、ニッケル合金めっき被膜12の厚さが厚くなりすぎると、磁気記録媒体用基板10の質量が大きくなって、フラッタリングが起こりやすくなり、またNRROが大きくなるおそれある。
このため、本実施形態では、ニッケル合金めっき被膜12の厚さを4μm以上7μm以下の範囲内と設定している。
また、ニッケル合金めっき被膜12は、ニッケル合金めっき被膜12の表面に形成した圧痕の周囲に生成する隆起部の平均高さが、10nm以上50nm以下の範囲内とされている。この隆起部の平均高さの測定方法を、図2を参照しながら説明する。
先ず、図2(a)に示すように、先端が正四角錐状(対面角136度)のダイヤモンド圧子13を、ニッケル合金めっき被膜12の表面に対して垂直方向に0.49N(50gf)の試験力で10秒間押し込んで圧痕14を形成する。
次に、図2(b)に示すように、圧痕14の周囲に生成する隆起部15の高さHを計測する。隆起部15の高さHは、隆起部15の最頂部の高さである。隆起部15の高さHは、例えば、3D光学プロファイラ(ZYGO Corporation社製)を用いて測定することができる。
隆起部の高さの測定は、1つの試料に対して5回行い、得られた隆起部の高さの平均を隆起部の平均高さとする。
隆起部15の平均高さが10nm未満である磁気記録媒体用基板10は硬く、これを用いた磁気記録媒体とハードディスクドライブの磁気ヘッドとが接触すると、磁気ヘッドが破損するおそれがある。一方、隆起部15の平均高さが50nmを超える磁気記録媒体用基板10は、物理的な衝撃を受けたときの変形量が大きくなりすぎる。
ニッケル合金めっき被膜12は、ニッケル−リン(NiP)合金めっき被膜あるいは、ニッケル−タングステン−リン(NiWP)合金めっき被膜であることが好ましい。NiP合金は、Pを10質量%以上15質量%以下の範囲内で含み、残部がNi及び不可避不純物であることが好ましい。NiWP合金は、Wを15質量%以上22質量%以下の範囲内で、Pを3質量%以上10質量%以下の範囲内で含み、残部がNi及び不可避不純物であることが好ましい。ニッケル合金めっき被膜12を、NiP合金もしくはNiWP合金で形成することによって、磁気記録媒体用基板10の表面の硬さと平坦性とを確実に向上させることができる。
<磁気記録媒体用基板の製造方法>
本実施形態の磁気記録媒体用基板10は、例えば、アルミニウム合金基板11にめっき法によってニッケル合金めっき被膜12を形成するめっき工程と、ニッケル合金めっき被膜付アルミニウム合金基板の表面に対して研磨加工を施す研磨加工工程とを含む方法によって製造することができる。
(めっき工程)
めっき工程において、アルミニウム合金基板11にニッケル合金めっき被膜12を形成する方法としては、無電解めっき法を用いることが好ましい。ニッケル合金からなるめっき被膜は、従来から使用されている方法を用いて形成することができる。NiP合金めっき被膜形成用のめっき液としては、例えば、ニッケル源として硫酸ニッケルを含み、リン源として次亜リン酸塩を含むめっき液を用いることができる。NiWP合金めっき被膜形成用のめっき液としては、上記のNiP合金めっき被膜形成用のめっき液に、タングステン塩を添加しためっき液を用いることができる。タングステン塩としては、例えば、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸アンモニウム等を用いることができる。
ニッケル合金めっき被膜の厚さは、めっき液への浸漬時間、めっき液の温度によって調整することが可能である。めっき条件は、特に限定されるものではないが、めっき液のpHを5.0〜8.6とし、めっき液の温度を70〜100℃、好ましくは85〜95℃とし、めっき液への浸漬時間を90〜150分間とするのが好ましい。
得られたニッケル合金めっき被膜付アルミニウム合金基板は、加熱処理を施すことが好ましい。これによりニッケル合金めっき被膜の硬度をより高め、磁気記録媒体用基板のヤング率をさらに高めることができる。加熱処理の温度は、200℃以上とすることが好ましい。
(研磨加工工程)
研磨加工工程では、めっき工程で得られたニッケル合金めっき被膜付アルミニウム合金基板の表面を研磨する。研磨加工工程は、平滑で、傷が少ないといった表面品質の向上と生産性の向上との両立の観点から、複数の独立した研磨盤を用いた2段階以上の研磨工程を有する多段階研磨方式を採用するのが好ましい。例えば、第1の研磨盤を用いて、アルミナ砥粒を含む研磨液を供給しながら研磨する粗研磨工程と、研磨されたアルミニウム合金基板を洗浄した後に、第2の研磨盤を用いて、コロイダルシリカ砥粒を含む研磨液を供給しながら研磨する仕上げ研磨工程を行う。
図3は、研磨加工工程で用いることができる研磨盤の一例を示す斜視図である。
図3に示すように、第1及び第2の研磨盤20は、上下一対の定盤21、22を備え、互いに逆向きに回転する定盤21、22の間で複数枚の基板Wを挟み込みながら、これら基板Wの両面を定盤21、22に設けられた研磨パッド23により研磨する。
[磁気記録媒体]
図4は、本実施形態に係る磁気記録媒体の一例を示す断面模式図である。
図4に示すように、磁気記録媒体30は、上述の磁気記録媒体用基板10と、磁気記録媒体用基板10のニッケル合金めっき被膜12の表面に備えられている磁性層31とを含む。磁性層31の表面には、さらに、保護層32と潤滑剤層33とがこの順序で積層されている。
磁性層31は、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向を向いた磁性膜からなる。磁性層31は、CoとPtを含むものであり、更にSNR特性を改善するために、酸化物や、Cr、B、Cu、Ta、Zrなどを含むものであってもよい。磁性層31に含有される酸化物としては、SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、TiOなどが挙げられる。磁性層31は、1層からなるものであってもよいし、組成の異なる材料からなる複数層からなるものであってもよい。
磁性層31の厚みは、5〜25nmとすることが好ましい。
保護層32は、磁性層31を保護するものである。保護層32の材料としては、例えば窒化炭素を用いることができる。保護層32は、一層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよい。
保護層32の膜厚は1nm以上10nm以下の範囲内であることが好ましい。
潤滑剤層33は、磁気記録媒体30の汚染を防止すると共に、磁気記録媒体30上を摺動する磁気記録再生装置の磁気ヘッドの摩擦力を低減させて、磁気記録媒体30の耐久性を向上させるものである。潤滑剤層33の材料としては、例えば、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤や脂肪族炭化水素系潤滑剤を用いることができる。
潤滑剤層33の膜厚は0.5nm以上2nm以下の範囲内であることが好ましい。
本実施形態に係る磁気記録媒体30の層構成には、特に制限はなく、公知の積層構造を適用することができる。例えば、磁気記録媒体30は、磁気記録媒体用基板10と磁性層31との間に、密着層(不図示)と軟磁性下地層(不図示)とシード層(不図示)と配向制御層(不図示)とがこの順序で積層されていてもよい。
本実施形態に係る磁気記録媒体30を構成する磁性層31、保護層32及び潤滑剤層33は、膜厚がnmオーダーであり、磁気記録媒体用基板10の厚さ(0.48mm以上0.64mm以下)と比較すると極めて薄い。よって、磁気記録媒体30の厚さは、実質的に磁気記録媒体用基板10の厚さと同じく、0.48mm以上0.64mm以下の範囲内となる。磁気記録媒体30は、上述の磁気記録媒体用基板10を用いているので、物理的な衝撃による変形量が小さく、かつNRROが小さくなる。
[ハードディスクドライブ]
図5は、本実施形態に係るハードディスクドライブの一例を示す斜視図である。
図5に示すように、ハードディスクドライブ40は、上述の磁気記録媒体30と、磁気記録媒体30を記録方向に駆動する媒体駆動部41と、記録部と再生部からなる磁気ヘッド42と、磁気ヘッド42を磁気記録媒体30に対して相対移動させるヘッド移動部43と、磁気ヘッド42からの記録再生信号の処理を行う記録再生信号処理部44とを具備する。ハードディスクドライブ40は、3.5インチ型のハードディスクドライブである。
本実施形態に係るハードディスクドライブ40では、磁気記録媒体30の厚さが0.48mm以上0.64mm以下と薄いので、ドライブケースの内部に納められる磁気記録媒体30の枚数を増やすことができ、これより記録容量を大きくすることができる。また、磁気記録媒体30は、物理的な衝撃による変形量が小さく、かつNRROが小さくなる。このため、磁気記録媒体30のフラッタリングを低減させるために、ハードディスクドライブケースの内部にヘリウム等の低分子量のガスを封入する必要が特にはない。
以上のような構成とされた本実施形態の磁気記録媒体用基板10によれば、磁気記録媒体用基板10のサイズと質量が所定の範囲内にあり、アルミニウム合金基板11として、ヤング率E、密度ρ、そしてヤング率Eと密度ρとの比E/ρが所定の範囲内にあるものを用い、ニッケル合金めっき被膜12は、厚さが所定の範囲内にあり、かつ先端が正四角錐状のダイヤモンド圧子13を、ニッケル合金めっき被膜12の表面に対して垂直方向に0.49Nの試験力で10秒間押し込んで圧痕14を形成したときに、圧痕14の周囲に生成する隆起部15の平均高さが所定の範囲内となるようにされているので、3.5インチ型ハードディスク用サイズであっても、物理的な衝撃によって表面に隆起部が形成されにくく、かつフラッタリングによる変位の幅(NRRO)が小さくなる。
また、本実施形態の磁気記録媒体30は、上述の磁気記録媒体用基板10を用いるので、物理的な衝撃による変形量が小さく、かつNRROが小さくなる。
そして、本実施形態のハードディスクドライブ40は、上述の磁気記録媒体30を用いるので、ハードディスクドライブ40を落下したときやハードディスクドライブ40の磁気ヘッドと磁気記録媒体とが接触したときなどの物理的な衝撃によって、磁気記録媒体30が変形しにくい。このため、本実施形態のハードディスクドライブ40は、磁気記録媒体30(特に、磁気記録媒体用基板10)の厚さを薄くしたり、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間隔を狭くしたりすることによって記録容量を高くすることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
[アルミニウム合金基板(基板1〜3)の製造]
Al原料として純Al塊、Si、Fe、Mn、Cu、Mg、Zn、Sr、Zr、Ti、Ni、Crを用意した。なお、純Al塊、Si、Fe、Mn、Cu、Mg、Zn 、Sr、Zr、Ti、Ni、Crの各原料については、純度が99.9質量%以上のものを用意した。
用意した各元素の原料を、鋳造後の組成が下記の表1に示す組成となるように秤量し、これらを大気中、820℃で溶解し、ダイレクトチル鋳造法(DC鋳造法)を用いて、アルミニウム合金鋳塊を作製した。なお、鋳造の温度は700℃、鋳造速度は40〜60mm/分とした。次に、得られたアルミニウム合金鋳塊を460℃で2時間保持して均質化処理した。その後、圧延して厚さ0.50mmの板材とした。得られたアルミニウム合金板材を、中央に内径24mmの孔を有する直径96mmの円盤状に打ち抜き、380℃で1時間焼鈍した。その後、アルミニウム合金円盤の表面と端面をダイヤモンドバイトにより切削加工し、直径95mm、厚さ0.49mmのアルミニウム合金基板を得た。
[アルミニウム合金基板の評価]
得られたアルミニウム合金基板について、以下の項目を評価した。その結果を表1に示す。
(ヤング率E)
ヤング率Eは、日本工業規格JIS Z 2280−1993(金属材料の高温ヤング率試験方法)に規定された方法に基づいて、常温で測定した。なお、ヤング率は、アルミニウム合金基板を、長さ50mm、幅10mm、厚さ0.49mmの短冊状に切り出し、これを試験片として測定した。
(密度ρ)
密度ρは、アルキメデス法により測定した。
(比E/ρ)
上記のようにして測定したヤング率E(単位:GPa)と密度ρ(g/cm)との比を算出した。
[実施例1〜3、比較例1〜5]
[磁気記録媒体用基板の製造]
アルミニウム合金基板(基板1〜3)をNiP合金めっき液に浸漬し、無電解めっき法を用いてアルミニウム合金基板の表面に、NiP合金めっき被膜としてNi8812(Pの含有量12質量%、残部Ni)膜を形成した。各実施例及び比較例で使用したアルミニウム合金基板の種類を、下記の表2に示す。
NiP合金めっき液には、硫酸ニッケル(ニッケル源)と、次亜リン酸ナトリウム(リン源)とを含み、酢酸鉛、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムを適宜加えて、前記組成のNiP合金めっき被膜が得られるように、成分の分量を調整したものを用いた。NiP合金めっき被膜の形成時のNiP合金めっき液はpHを6、液温を90℃に調整した。アルミニウム合金基板のNiP合金めっき液への浸漬時間を、下記の表2に示す。
次いで、NiP合金めっき被膜を形成したアルミニウム合金基板を250℃で15分間加熱して、NiP合金めっき被膜付アルミニウム合金基板を得た。
次に、研磨盤として、上下一対の定盤を備える3段のラッピングマシーンを用いて、NiP合金めっき被膜付アルミニウム合金基板の表面に対して、研磨加工を施し、磁気記録媒体用基板を作製した。このとき、研磨パッドには、スエードタイプ(Filwel社製)を用いた。そして、第1段目の研磨には、D50が0.5μmのアルミナ砥粒を、第2段目の研磨には、D50が30nmのコロイダルシリカ砥粒を、第3段目の研磨には、D50が10nmのコロイダルシリカ砥粒を用いた。また、研磨時間を各段5分間とした。得られた磁気記録媒体用基板のサイズは、直径が95mm、中央の孔の内径が25mm、厚さが0.49mmであった。
[磁気記録媒体用基板の評価]
得られた磁気記録媒体用基板について、以下の項目を評価した。その結果を、下記の表2に示す。
(NiP合金めっき被膜の厚さ)
NiP合金めっき被膜の厚さは、XRF(X−ray Fluorescence Analysis)を用いて測定した。
(磁気記録媒体用基板の質量)
磁気記録媒体用基板の質量は、電子天秤を用いて測定した。
(NiP合金めっき被膜の圧痕周囲の隆起部の平均高さ)
先端が正四角錐状のダイヤモンド圧子を、NiP合金めっき被膜の表面に対して垂直方向に0.49N(50gf)の試験力で10秒間押し込んで圧痕を形成した。次いで、形成した圧痕周囲の隆起部の高さを、3D光学プロファイラ(ZYGO Corporation社製)を用いて測定した。測定した5個の隆起部の高さの平均を隆起部の平均高さとした。
(ドライブ駆動時の衝撃試験結果)
得られた磁気記録媒体用基板を、3.5インチ型ハードディスクドライブケースに組み込んで、模擬ハードディスクドライブを作製した。模擬ハードディスクドライブの上部にアルミニウム製の土台(20kg)をボルトで締結した。そして、アルミニウム製の土台を締結した模擬ハードディスクドライブを50mmの高さから落下させ、衝撃を与えた。
その後、模擬ハードディスクドライブを分解し、磁気記録媒体用基板を取り出して、磁気記録媒体用基板の表面を、オプティカルサーフェスアナライザを用いて観察した。そして、表面に傷がなかった場合を「〇」とし、表面に傷があった場合を「×」とした。
(フラッタリング特性)
フラッタリング特性はNRROを測定して評価した。NRROは磁気記録媒体用基板を10000rpmで1分間回転させ、磁気記録媒体用基板の最外周面で生ずるフラッタリングによる変位の幅を、He−Neレーザー変位計を用いて測定し、得られた変位の幅の最大値をNRROとした。
NRROが3.4以下であったものを「○」とし、3.4を超えるものを「×」として評価した。
Figure 2020107382
Figure 2020107382
サイズ、質量、アルミニウム合金基板のヤング率E、密度ρ、比E/ρ、NiP合金めっき被膜の厚さ、そしてNiP合金めっき被膜の圧痕周囲の隆起部の高さが本発明の範囲にある実施例1〜3の磁気記録媒体用基板は、ドライブ駆動時の衝撃試験およびフラッタリング特性の両者において「〇」であった。
これに対して、NiP合金めっき被膜の厚さが本発明の範囲よりも薄い比較例1の磁気記録媒体用基板は、ドライブ駆動時の衝撃試験およびフラッタリング特性の両者が「×」であった。これは、NiP合金めっき被膜の厚さが薄くなったことによって、磁気記録媒体用基板全体の剛性が低下したためであると考えられる。また、NiP合金めっき被膜の厚さが本発明の範囲よりも厚い比較例2の磁気記録媒体用基板は、ドライブ駆動時の衝撃試験は「〇」であったが、フラッタリング特性は「×」であった。これは、NiP合金めっき被膜の厚さが厚くなったことによって、磁気記録媒体用基板全体の質量が大きくなっためであると考えられる。
また、アルミニウム合金基板のヤング率が本発明の範囲よりも低い基板3を用いた比較例3〜5は、いずれもフラッタリング特性が「×」であった。一方、基板3を用いた場合でも、NiP合金めっき被膜が厚くなるに伴って、NiP合金めっき被膜の圧痕周囲の隆起部の平均高さは低くなるが、比較例4(隆起部の平均高さ:23.6nm)でも、ドライブ駆動時の衝撃試験は「×」であった。この結果から、衝撃による磁気記録媒体用基板の変形を抑えるためには、アルミニウム合金基板の剛性を高めることが必要であることがわかる。
10…磁気記録媒体用基板、11…アルミニウム合金基板、12…ニッケル合金めっき被膜、13…ダイヤモンド圧子、14…圧痕、15…隆起部、20…研磨盤、21、22…定盤、23…研磨パッド、30…磁気記録媒体、31…磁性層、32…保護層、33…潤滑剤層、40…ハードディスクドライブ、41…媒体駆動部、42…磁気ヘッド、43…ヘッド移動部、44…記録再生信号処理部

Claims (3)

  1. アルミニウム合金基板と、前記アルミニウム合金基板の少なくとも一方の表面に備えられたニッケル合金めっき被膜とを有する磁気記録媒体用基板であって、
    直径が95mm以上98mm以下の範囲内にあって、中央に内径が19mm以上26mm以下の範囲内にある孔を有する円盤状であり、厚さが0.48mm以上0.64mm以下の範囲内にあって、質量が9.0g以上15.0g以下の範囲内にあり、
    前記アルミニウム合金基板は、ヤング率Eが74GPa以上で、密度ρが2.75g/cm以下であって、単位がGPaで表されるヤング率Eと、単位がg/cmで表される密度ρとの比E/ρが27以上であり、
    前記ニッケル合金めっき被膜は、厚さが4μm以上7μm以下の範囲内にあって、先端が正四角錐状のダイヤモンド圧子を、前記ニッケル合金めっき被膜の表面に対して垂直方向に0.49Nの試験力で10秒間押し込んで圧痕を形成したときに、前記圧痕の周囲に生成する隆起部の平均高さが10nm以上50nm以下の範囲内にあることを特徴とする磁気記録媒体用基板。
  2. 磁気記録媒体用基板と、前記磁気記録媒体用基板の表面に備えられている磁性層とを有する磁気記録媒体であって、
    前記磁気記録媒体用基板が、請求項1に記載の磁気記録媒体用基板であって、前記磁性層が、前記磁気記録媒体用基板の前記ニッケル合金めっき被膜が形成されている側の表面に備えられていることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 磁気記録媒体を具備したハードディスクドライブであって、
    前記磁気記録媒体が請求項2に記載の磁気記録媒体であることを特徴とするハードディスクドライブ。
JP2018247148A 2018-12-28 2018-12-28 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ Pending JP2020107382A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018247148A JP2020107382A (ja) 2018-12-28 2018-12-28 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ
CN201911353188.7A CN111383667A (zh) 2018-12-28 2019-12-25 磁记录介质用基板、磁记录介质、硬盘驱动器
US16/727,549 US20200211595A1 (en) 2018-12-28 2019-12-26 Substrate for magnetic recording medium, magnetic recording medium, hard disk drive

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018247148A JP2020107382A (ja) 2018-12-28 2018-12-28 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020107382A true JP2020107382A (ja) 2020-07-09

Family

ID=71122372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018247148A Pending JP2020107382A (ja) 2018-12-28 2018-12-28 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20200211595A1 (ja)
JP (1) JP2020107382A (ja)
CN (1) CN111383667A (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7011942B2 (ja) * 2018-01-19 2022-02-10 昭和電工株式会社 磁気記録媒体用アルミニウム合金基板、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体およびハードディスクドライブ
JP7011943B2 (ja) * 2018-01-19 2022-02-10 昭和電工株式会社 磁気記録媒体用アルミニウム合金基板とその製造方法、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体およびハードディスクドライブ
JP7011944B2 (ja) * 2018-01-19 2022-02-10 昭和電工株式会社 磁気記録媒体用アルミニウム合金基板、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体およびハードディスクドライブ
CN112513985B (zh) * 2018-08-07 2023-07-28 Hoya株式会社 磁盘用基板以及磁盘
JP6506897B1 (ja) * 2018-10-15 2019-04-24 株式会社Uacj 磁気ディスク用アルミニウム合金板及びその製造方法、ならびに、当該磁気ディスク用アルミニウム合金板を用いた磁気ディスク
CN111863037B (zh) * 2020-07-28 2021-08-10 洛阳师范学院 一种避免位移时因异常造成的撞击声的计算机腔体装置
CN112608779B (zh) * 2020-12-28 2022-06-07 四川大学 基于碳氮化物的润滑脂及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10121173A (ja) * 1996-10-21 1998-05-12 Furukawa Electric Co Ltd:The めっき性と耐膨れ性に優れた高容量磁気ディスク基板用アルミニウム合金クラッド板、およびその製造方法
JP2018005969A (ja) * 2016-07-08 2018-01-11 昭和電工株式会社 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
JP2018106776A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 昭和電工株式会社 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
JP2018125056A (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 昭和電工株式会社 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
JP2018159122A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 株式会社神戸製鋼所 磁気ディスク用アルミニウム合金板、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4023408B2 (ja) * 2003-02-04 2007-12-19 富士電機デバイステクノロジー株式会社 垂直磁気記録媒体用基板、垂直磁気記録媒体及びそれらの製造方法
US10699738B2 (en) * 2016-12-27 2020-06-30 Showa Denko K.K. Base for magnetic recording medium, and HDD
TWI755466B (zh) * 2016-12-28 2022-02-21 日商東洋鋼鈑股份有限公司 硬碟用基板及使用其之硬碟裝置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10121173A (ja) * 1996-10-21 1998-05-12 Furukawa Electric Co Ltd:The めっき性と耐膨れ性に優れた高容量磁気ディスク基板用アルミニウム合金クラッド板、およびその製造方法
JP2018005969A (ja) * 2016-07-08 2018-01-11 昭和電工株式会社 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
JP2018106776A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 昭和電工株式会社 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
JP2018125056A (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 昭和電工株式会社 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
JP2018159122A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 株式会社神戸製鋼所 磁気ディスク用アルミニウム合金板、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート

Also Published As

Publication number Publication date
CN111383667A (zh) 2020-07-07
US20200211595A1 (en) 2020-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020107382A (ja) 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ
JP6832179B2 (ja) 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
JP5421443B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスク
JP2020107383A (ja) 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ
JP6574740B2 (ja) 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
CN111378963A (zh) 磁记录介质用铝合金基板、磁记录介质用基板、磁记录介质、硬盘驱动器
JP2019128966A (ja) 磁気記録媒体用アルミニウム合金基板とその製造方法、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体およびハードディスクドライブ
JP2019128965A (ja) 磁気記録媒体用アルミニウム合金基板とその製造方法、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体およびハードディスクドライブ
US9135939B2 (en) Glass substrate for information recording medium, information recording medium and method of manufacturing glass substrate for information recording medium
CN109423564A (zh) 磁记录介质用铝合金基板、磁记录介质用基板、磁记录介质和硬盘驱动器
JP2019128964A (ja) 磁気記録媒体用アルミニウム合金基板とその製造方法、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体およびハードディスクドライブ
JP6803228B2 (ja) 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
US10699738B2 (en) Base for magnetic recording medium, and HDD
JP6740121B2 (ja) 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
JP6740120B2 (ja) 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ
JP6963444B2 (ja) 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ
WO2024202050A1 (ja) 情報記録媒体用ディスク、ディスク中間体、及び情報記録媒体用基板
JP6963443B2 (ja) 磁気記録媒体用アルミニウム合金基板、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ
JP6963442B2 (ja) 磁気記録媒体用アルミニウム合金基板、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、ハードディスクドライブ
JP2015060614A (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
WO2023136242A1 (ja) 磁気ディスク用基板及びこれを用いた磁気ディスク
US20240355357A1 (en) Magnetic disk substrate and magnetic disk using the same
WO2023189233A1 (ja) 磁気ディスク及び磁気ディスク用基板
JP6985487B1 (ja) 磁気ディスク基板および磁気ディスク
JP2005289728A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220913

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20230131

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20230201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230307

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20230307